JP2004034938A - 居眠り運転防止装置及び車両運行情報収集装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】運転者の居眠りを速やかに検出する安価な居眠り運転防止装置を提供する。
【解決手段】車両に搭載され、運転者の居眠り運転を未然に防止する居眠り運転防止装置であって、時々刻々変化する前記車両の速度を検出する速度検出手段21と、前記速度検出手段21が検出した速度に基づいて、予め定められた監視速度から所定時間以内に所定速度以上の減速を検出すると、前記居眠りと判定する居眠り判定手段11aと、前記居眠り判定手段11aが前記居眠りと判定すると、前記運転者に対して警告を発する警告手段17と、を備えることを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】車両に搭載され、運転者の居眠り運転を未然に防止する居眠り運転防止装置であって、時々刻々変化する前記車両の速度を検出する速度検出手段21と、前記速度検出手段21が検出した速度に基づいて、予め定められた監視速度から所定時間以内に所定速度以上の減速を検出すると、前記居眠りと判定する居眠り判定手段11aと、前記居眠り判定手段11aが前記居眠りと判定すると、前記運転者に対して警告を発する警告手段17と、を備えることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、居眠り運転防止装置及び車両運行情報収集装置に関し、より詳細には、車両に搭載され、運転者の居眠り運転を未然に防止する居眠り運転防止装置、及び、居眠り運転防止装置を備え、前記車両の運行状況に応じて発生する運行状況データを運行情報として収集する車両運行情報収集装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
貨物輸送用トラック、タクシー、バス等の営業用車両により運送を行う運送業では、運転者に安全運転を如何に徹底させるかが重要な問題であり、特に、居眠り運転による事故が発生するとその損害が大きくなることから、居眠りの検出に応じた警報等により居眠り事故を未然に防止する居眠り運転防止装置が注目されている。
【0003】
居眠り運転防止装置としては、心拍数、皮膚電位の変化を検出する方式(1)、ステアリングホイールの蛇行パターンの特徴やCCDカメラで路上の白線を認識して蛇行量を検出する方式(2)、運転者の瞬きがゆっくりになったことを検出する方式(3)等を用いた様々な装置が従来より提案されている。そして、車両における眠気の有効な指標について、種々異なる研究が行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記方式(1)を用いた装置の場合、運転者に測定器具を手、腕等に装着させる必要があるが、その装着を義務づけても多忙な運転者は装着しない可能性があり、かつ、運転者を煩わせることで作業効率の低下に繋がる可能性もあるため、営業用車両には適さないという問題があった。また、前記方式(2)、(3)を用いた装置の場合、その検出のために高価なCCDカメラ等が必要なため、装置は高価なものとなってしまい、所有する全ての車両に居眠り運転防止装置を搭載することは困難であった。
【0005】
よって本発明は、上述した問題点に鑑み、運転者の居眠りを速やかに検出する安価な居眠り運転防止装置及び車両運行情報収集装置を提供することを課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明によりなされた請求項1記載の居眠り運転防止装置は、図1の基本構成図に示すように、車両に搭載され、運転者の居眠り運転を未然に防止する居眠り運転防止装置であって、時々刻々変化する前記車両の速度を検出する速度検出手段21と、前記速度検出手段21が検出した速度に基づいて、予め定められた監視速度から所定時間以内に所定速度以上の減速を検出すると、前記居眠りと判定する居眠り判定手段11aと、前記居眠り判定手段11aが前記居眠りと判定すると、前記運転者に対して警告を発する警告手段17と、を備えることを特徴とする。
【0007】
上記請求項1に記載した本発明の居眠り運転防止装置によれば、速度検出手段21によって検出された速度に基づいて、予め定められた監視速度から所定時間以内に所定速度以上の減速が検出されると居眠り判定手段11aによって居眠りと判定され、この判定に応じて警告手段17は運転者に対して警告を発する。よって、運転者が眠気に襲われると車両のアクセルを踏んでいた足の力が弱まってエンジンブレーキにより速度が減速するという現象に着目し、監視速度から所定時間以内に所定速度以上の減速を検出したときに居眠りと判定しているので、運転者が寝入る前の状態で速やかに警告を発することができるため、運転者の居眠り運転を防止することができる。従って、車両の減速を検出するという簡単な構成で、運転者の居眠り運転を確実に防止することができる。
【0008】
上記課題を解決するためになされた請求項2記載の発明は、図1の基本構成図に示すように、請求項1に記載の居眠り運転防止装置において、前記車両のブレーキが前記運転者によって操作されたか否かの識別が可能なブレーキ信号に基づいて、前記ブレーキの操作を検出するブレーキ操作検出手段22をさらに備え、前記ブレーキ操作検出手段22が前記ブレーキの操作を検出すると、前記居眠り判定手段11aは、前記減速を検出しても前記居眠りと判定しないことを特徴とする。
【0009】
上記請求項2に記載した本発明の居眠り運転防止装置によれば、ブレーキ操作検出手段22によってブレーキの操作が検出されると、居眠り判定手段11aは監視速度から所定時間以内に所定速度以上の減速を検出しても、居眠りと判定しない。よって、ブレーキ操作が検出されるということは運転者が起きていてアクセルから足を離してブレーキを踏んだということであるため、ブレーキ操作を検出したときは、監視速度から所定時間以内に所定速度以上の減速を検出しても居眠りと判定しないので、より一層正確に居眠りを判定することができる。従って、運転者が眠気に襲われていることを、車両の減速からより一層正確に検出することができる。
【0010】
上記課題を解決するためになされた請求項3記載の発明は、図1の基本構成図に示すように、請求項1又は2に記載の居眠り運転防止装置において、前記居眠り判定手段11aが前記居眠りと判定すると、前記運転者の居眠りを当該車両の管理側に通知するための通知情報を生成する通知情報生成手段11bと、前記通知情報生成手段11bが生成した通知情報を前記管理側に送信する送信手段24と、をさらに備えることを特徴とする。
【0011】
上記請求項3に記載した本発明の居眠り運転防止装置によれば、居眠り判定手段11aによって居眠りと判定されると、通知情報生成手段11bによって通知情報が生成され、該通知情報は送信手段24によって車両の管理側に送信される。よって、運転者が眠気に襲われていることを検出すると、通知情報を生成して管理側に送信しているので、管理側はその通知情報に基づいて運転者が眠気に襲われていることを認識することができるため、無線連絡等により管理側から運転者に対して休憩を促す等の居眠り防止を行うことができる。従って、運転者が眠気に襲われていることを管理側に通知することで、管理側にからも居眠りの防止を図ることができるため、より一層確実に居眠り運転を防止することができる。
【0012】
上記課題を解決するためになされた請求項4記載の発明は、図1の基本構成図に示すように、請求項3に記載の居眠り運転防止装置において、前記車両の現在位置を示す位置データを検出する位置データ検出手段23をさらに備え、前記通知情報生成手段11bは、前記居眠りとの判定に応じて前記位置データ検出手段23が検出した位置データを有する前記通知情報を生成することを特徴とする。
【0013】
上記請求項4に記載した本発明の居眠り運転防止装置によれば、居眠り判定手段11aによって居眠りと判定されると、位置データ検出手段23によって検出された位置データを有する通知情報が通知情報生成手段11bによって生成され、該通知情報は送信手段24によって車両の管理側に送信される。よって、運転者が眠気に襲われていることを検出すると、その位置を示す位置データを有する通知情報を生成して管理側に送信しているので、管理側はその通知情報が有する位置データに基づいて最寄りの休憩所等を検出し、その休憩所等での休憩を運転者に具体的に指示することができる。従って、運転者が眠気に襲われていることを検出したことと車両の位置を管理側に通知することで、管理側では具体的な場所を示して運転者に休憩を促すことができるため、より一層確実に居眠り運転を防止することができる。
【0014】
上記課題を解決するためになされた請求項5記載の発明は、図1の基本構成図に示すように、請求項1〜4の何れかに記載の居眠り運転防止装置において、前記監視速度は、一般道路と高速道路との各々に対応した速度となっており、前記車両が走行している道路が前記一般道路であるか前記高速道路であるかを検出する走行道路検出手段15aをさらに備え、前記居眠り判定手段11aは、前記走行道路検出手段15aが検出した走行道路に対応した前記監視速度に基づいて前記検出を行うことを特徴とする。
【0015】
上記請求項5に記載した本発明の居眠り運転防止装置によれば、走行道路検出手段15aによって車両が走行している走行道路が検出されると、その走行道路に対応した監視速度から所定時間以内に所定速度以上の減速が居眠り判定手段11aによって検出される。よって、一般道路と高速道路とに対応した監視速度を備え、車両が走行している道路に対応する監視速度に基づいて運転者が眠気に襲われていることを検出するようにしているので、所定時間以内に所定速度以上の減速から居眠りをより一層正確に判定することができる。従って、車両が一般道路及び高速道路の何れを走行中であっても、運転者が眠気に襲われていることを確実に検出することができるため、居眠り運転を確実に防止することができる。
【0016】
上記課題を解決するためになされた請求項6記載の発明は、図1の基本構成図に示すように、請求項1〜5の何れかに記載の居眠り運転防止装置において、前記居眠り防止を行うか否かを前記運転者に選択させる選択手段15bをさらに備え、前記居眠り判定手段11aは、前記選択手段15bの前記選択に応じて前記検出を行うことを特徴とする。
【0017】
上記請求項6に記載した本発明の居眠り運転防止装置によれば、選択手段15bによって居眠り防止を行うことが選択されると、監視速度から所定時間以内に所定速度以上の減速の検出が居眠り判定手段11aによって開始される。よって、高速道路を走行中に眠気に襲われると運転者は何にでも頼りたいため、そのような場合に選択手段15bによって居眠り防止機能を開始させ、通常はその機能をオフにしておき、運転者が必要とするときのみ動作するので、装置の省電力化を図ることができ、誤検出も防止することができる。従って、運転者の選択によって居眠り防止機能が開始するので、車両に搭載されるタコグラフ、デジタルタコグラフ、タクシーメータ等の各種機器に本発明の居眠り運転防止装置を組み込むことができる。
【0018】
上記課題を解決するため本発明によりなされた請求項7記載の車両運行情報収集装置は、図1の基本構成図に示すように、請求項1〜6の何れかに記載の居眠り運転防止装置を備え、前記車両の運行状況に応じて発生する運行状況データを運行情報として運行情報記憶手段Cに収集する車両運行情報収集装置であって、前記居眠り防止判定装置はさらに、前記居眠り判定手段11aが前記居眠りと判定したことを示す居眠りデータを生成する居眠りデータ生成手段11cを備え、前記居眠り判定データ生成手段が生成した居眠りデータも前記運行情報として前記運行情報記憶手段Cに収集することを特徴とする。
【0019】
上記請求項7に記載した本発明の車両運行情報収集装置によれば、車両の運行状況に応じて発生した運行状況データは運行情報として運行情報記憶手段Cに収集される。そして、居眠り判定手段11aによって居眠りと判定されると、居眠りデータ生成手段11cによって居眠りデータが生成され、この居眠りデータは運行情報として運行情報記憶手段Cに収集される。よって、監視速度から所定時間以内に所定速度以上の減速の検出に応じて生成した居眠りデータを運行情報として収集しているので、車両を管理する管理側は運行情報を解析すれば、運行中に運転者が眠気に襲われていたことや眠気に襲われたときの運転者毎の特徴等を認識することができるため、運転者に対する安全指導、運行計画の再考等を行うことができる。また、運行中における居眠りが居眠りデータとして運行情報に収集されるため、運転者は緊張感を持って運転することになる。従って、運行中における居眠りを示す居眠りデータを運行情報として記憶することで、管理側は運転者に対して安全指導等を行うことが可能となり、運転者も眠気に襲われている状態で運転を行わなくなるため、運行中における居眠り運転を防止することができる。
【0020】
上記課題を解決するためになされた請求項8記載の発明は、図1の基本構成図に示すように、請求項7に記載の車両運行情報収集装置において、前記居眠り運転防止装置はさらに、前記運転者の操作に応じて前記警告手段17の前記警告を停止させる警告停止手段15cと、前記警告手段17が前記警告を開始してから前記警告停止手段15cによって停止されるまでの警告時間を計測する計測手段11dと、を備え、前記居眠りデータ生成手段11cは、前記計測手段11dが計測した警告時間を有する前記居眠りデータを生成することを特徴とする。
【0021】
上記請求項8に記載した本発明の車両運行情報収集装置によれば、警告停止手段15cによって警告手段17の警告が停止されると、警告を開始してから停止されるまでの警告時間が計測手段11dによって計測され、この警告時間を有する居眠りデータが居眠りデータ生成手段11cによって生成される。よって、警告手段17による警告は運転者が操作を行わない限り停止しないため、運転者の眠気を覚ますことができる。また、警告手段17の警告時間を計測し、その警告時間を有する居眠りデータを生成するので、その居眠りデータの警告時間をに基づいて運転者の眠気の指標として収集し、運転者に適した安全指導に役立てることができる。従って、警告を運転者に停止させることで運転者の眠気を覚まし、かつ、計測した警告時間を有する居眠りデータに基づいた運転者毎に適した安全指導を管理側が行うことができるため、運行中における居眠り運転をより一層確実に防止することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る居眠り運転防止装置を運行情報収集装置(デジタルタコグラフ)にて実現させた場合の一実施の形態を、図2〜図6の図面を参照して説明する。
【0023】
ここで、図2は本発明に係る居眠り運転防止装置及び車両運行情報収集装置の有する車両運行情報解析システムのシステム構成の一例を示す構成図であり、図3は図2の居眠り運転防止装置及び車両運行情報収集装置の概略構成を示す構成図であり、図4は図3のCPUが実行する居眠り検出処理の一部を示すフローチャートであり、図5は図3のCPUが実行する居眠り検出処理の他の一部を示すフローチャートであり、図6は本発明に係る居眠り運転の検出を説明するためのグラフである。
【0024】
車両運行情報解析システムは、図2に示すように、貨物輸送用トラック、タクシー等の営業用車両に搭載される車両運行情報収集装置(居眠り運転防止装置)1,10と、前記営業用車両を所有する会社、営業所等に設けられて前記車両運行情報収集装置1が収集した運行情報に基づいて運転者の運行状況を解析する解析装置5と、を有して構成している。
【0025】
車両運行情報収集装置1,10は、図3に示すように、予め定めたプログラムに従って各種の処理や制御などを行う中央演算処理装置(CPU)11、CPU11のためのプログラム等を格納した読み出し専用のメモリであるROM12、装置本体がオフ状態の間も記憶内容の保持が可能な電気的消去/書き換え可能な読み出し専用のメモリ(EEPROM)13、各種のデータを格納するとともにCPU11の処理作業に必要なエリアを有する読み出し書き込み自在のメモリであるRAM14等を有して構成している。
【0026】
車両運行情報収集装置1,10はさらに、操作部15、表示部16、警告部17、インタフェース部18、カード挿入部19等を備え、それらの各々をCPU11に接続している。
【0027】
操作部15は、装置本体の正面等に設けている複数の操作スイッチを備え、本発明に関する操作スイッチとしては、例えば、居眠り防止機能を開始・停止を運転者に選択させる選択スイッチ(選択手段)、警告部17の警告を停止させる警告停止スイッチ(警告停止手段)、車両が走行している道路が高速道路であるか一般道路であるかを運転者に選択させる高速/一般スイッチ(走行道路検出手段)等を有し、各スイッチの状態をCPU11で検出することが可能な構成になっている。なお、操作部15を構成から削除して、インタフェース部18に接続する外部の操作装置として実現することもできる。
【0028】
表示部16は、LCD等の表示装置を備え、CPU11から出力に基づいて各種表示を行う。警告部17は、ブザー、音声出力装置等を備え、CPU11からの出力に基づいて警告を行う。
【0029】
インタフェース部18は、外部機器を着脱自在に接続するための端子を備え、CPU11と外部機器との交信を可能としている。本実施の形態では、インタフェース部18に、速度検出手段に相当する速度センサ21と、ブレーキ操作検出手段に相当するブレーキセンサ22と、位置データ検出手段に相当するGPS(global positioning system=全地球側位システム)受信機23と、送信手段に相当する通信装置24と、を接続している。
【0030】
速度センサ21は、車両の速度に応じた速度信号をCPU11に対して出力し、CPU11は入力された速度信号から速度を算出する。そして、ブレーキセンサ22は、車両のブレーキが運転者によって操作されたか否かの識別が可能なブレーキ信号をCPU11に対して出力し、CPU11はそのブレーキ信号に基づいて運転者がブレーキの操作状態を判定する。
【0031】
GPS受信機23は、GPS衛星群を形成する複数の人工衛星が発射する電波を受信して車両の現在位置を示す緯度、経度等を有する位置データをCPU11に対して出力し、CPU11は入力された位置データを有し、居眠りと判定したことを示す居眠りデータを生成する。
【0032】
通信装置24は、予め定められた連絡先との無線通信を可能とする携帯電話、無線装置等を有して構成し、CPU11から入力された各種情報を前記連絡先に送信するとともに、外部から受信した各種情報をCPU11に対して出力する。
【0033】
カード挿入部19は、装置本体正面のスロットから挿入されたメモリーカード等のカード状記憶媒体(以下、カードと称する)Cに対し、CPU11から指定されたデータの書き込み、読み込みを行うもので、カードCのカード挿入部19に対する挿入は手動で行い、カードCの排出は、排出キーの操作に応じてカード挿入部19内の排出機構(図示せず)が自動で行う。そして、本実施の形態では、車両運行情報収集装置1,10で車両の運行状況に応じて発生する運行状況データを運行情報をカードCに記憶することから、カードCが特許請求の範囲に記載の運行情報記憶手段として機能している。
【0034】
上述した構成の車両運行情報収集装置1では、カード挿入部19へのカードCの挿入によって出庫処理が行われる。そして、この出庫処理後から運行状態の変化に応じて発生する運行状況データの収集が開始され、その後、終了スイッチ、書込スイッチ等の終了操作に応じて運行状況データの収集を終了し、入庫処理が行われることで、出庫から入庫までの一運行における運行情報が完成して、カードCに記憶される。
【0035】
一方、解析装置5は、予め定めたプログラムに従って動作するパーソナルコンピュータ(パソコン)50を有する。このパソコン50には、入力装置51と表示装置52が接続されている。さらに、パソコン50には、車両運行情報収集装置1にてカード40に書き込まれた各種データを読み取るリーダライタ30と、パソコン50から出力された各種データなどを紙に出力するためのプリンタ60が接続されている。そして、パソコン50のハードディスク装置等の記憶媒体には、解析プログラムをインストールしており、この解析プログラムをパソコン50のCPUが実行することで、そのパソコン50が解析装置5として機能する。
【0036】
解析装置5は、カードCが記憶している運行情報を解析して義務づけられている運転日報(労働時間、総走行距離、労働時間、運搬内容又は運行経路等)を自動的に作成する。また、運行情報を構成する運行状況データは、走行距離、走行時間、速度オーバー、エンジン回転、急加速などの車両の走行状態を示すデータを有しているため、解析装置5はそれらのデータに基づいて運転者の運行中における運転を解析し、その解析結果を表示装置52に表示させることで、管理者に運転者の運転状況を把握させ、運転者に対して的確な安全運転を指導させることで、運転者の安全管理を支援している。
【0037】
次に、車両運行情報収集装置1,10のCPU11が実行する本発明に係る眠気検出処理の一例を、図4及び図5のフローチャートを参照して以下に説明する。
【0038】
操作部15の前記選択スイッチに対する運転者の操作によって居眠り運転防止機能の開始が要求されると、図4に示す眠気検出処理が実行される。そして、ステップS1において、操作部15の前記選択スイッチの状態に基づいて、運転者から居眠り運転防止機能の終了が要求されたか否かが判定される。終了要求を受けたと判定された場合は(ステップS1でY)、処理を終了する。一方、終了要求を受けていないと判定された場合は(ステップS1でN)、ステップS2に進む。
【0039】
ステップS2において、速度センサ21から入力される速度信号に基づいて車両の速度が検出され、ステップS3において、検出した速度が一定時間に渡って予め定められた監視速度であるか否かが判定される。また、この判定処理では、監視速度が一定時間継続していることを確認している。
【0040】
なお、車両運行情報収集装置1,10には、各運送会社等で定められた管理速度が設定されていることから、本実施の形態ではその管理速度を監視速度としているが、監視速度を任意に設定させるなど種々異なる実施の形態とすることができる。また、本実施の形態において監視速度には、操作部15の前記高速/一般スイッチの状態に応じて、高速の場合は80km/h、一般の場合は60km/hと区別して設定している。
【0041】
ステップS3で速度が監視速度ではないと判定された場合は(ステップS3でN)、ステップS1に戻り、一連の処理を繰り返す。一方、ステップS3で速度が監視速度であると判定された場合は(ステップS3でY)、ステップS4に進み、ステップS4において、ステップS2と同様に、速度センサ21から入力される速度信号に基づいて車両の速度が検出され、その後ステップS5に進む。
【0042】
ステップS5において、検出した速度が監視速度よりも小さいか否かが判定される。速度が監視速度以上であると判定された場合は(ステップS5でN)、ステップS1に戻り、一連の処理を繰り返す。一方、速度が監視速度よりも小さいと判定された場合は(ステップS5でY)、ステップS6に進む。
【0043】
ステップS6において、ブレーキセンサ22からのブレーキ信号に基づいて、ブレーキが運転者によって踏まれたか否かが判定される。ブレーキが踏まれたと判定された場合は(ステップS6でY)、運転者がアクセルから足を離してブレーキを踏んでいることから、運転者は起きていると判定できるため、ステップS1に戻り、一連の処理を繰り返す。一方、ブレーキが踏まれていないと判定された場合は(ステップS6でN)、運転者が眠気に襲われている可能性があるため、運転者の眠気を確認するためにステップS7に進む。
【0044】
ステップS7において、所定時間(例えば、10秒)が経過するとタイムアウトするタイマが起動され、その後ステップS8において、ステップS2と同様に、速度センサ21から入力される速度信号に基づいて車両の速度が検出され、その後ステップS9に進む。
【0045】
ステップS9において、ステップS6と同様に、ブレーキセンサ22からのブレーキ信号に基づいて、ブレーキが運転者によって踏まれたか否かが判定される。ブレーキが踏まれたと判定された場合は(ステップS9でY)、ステップS1に戻り、一連の処理を繰り返す。一方、ブレーキが踏まれていないと判定された場合は(ステップS9でN)、ステップS10に進む。
【0046】
ステップS10において、タイマがタイムアウトしたか否かが判定される。タイムアウトしたと判定された場合は(ステップS10でY)、所定時間以内に居眠り運転の可能性は検出されなかったと見なし、ステップS1に戻り、一連の処理を繰り返す。一方、タイムアウトしていないと判定された場合は(ステップS10でN)、ステップS11に進む。
【0047】
ステップS11において、前記監視速度から検出した速度を差し引いた値が減速変化量として算出され、その後ステップS12において、算出した減速変化量と予め定められた減速閾値(例えば15km/h)とに基づいて、減速閾値以上の減速があったか否かが判定される。
【0048】
なお、上述した減速閾値及び所定時間は、運転者の眠気若しくは居眠りを判定するための判定条件であって、本実施の形態では、車両が監視速度で走行中の車両がエンジンブレーキによって減速する変化量と時間とに基づいて車両毎に適した減速閾値及び所定時間を設定しているが、前記判定が可能であれば、判定方法は種々異なる実施の形態とするとができる。
【0049】
ステップS12で減速変化量が減速閾値より小さい、つまり、減速閾値以上の減速ではないと判定された場合は(ステップS12でN)、ステップS8に戻り、一連の処理を繰り返す。一方、減速変化量が減速閾値以上である、つまり、所定時間以内に減速閾値以上の減速があったと判定された場合は(ステップS12でY)、図5に示すステップS13に進む。
【0050】
ステップS13において、警告部17に対して警告の開始を要求する開始要求が出力され、この出力した時刻を示す時刻データが開始時刻としてRAM14に取り込まれ、その後ステップS14において、GPS受信機23から入力される位置データがRAM14に取り込まれ、その後ステップS15に進む。
【0051】
ステップS15(通知情報生成手段)において、車両を所有する管理側に対して、運転者が眠気に襲われている可能性があることを通知するための通知情報が、取り込んだ位置データを有するように生成され、その後ステップS16に進む。なお、通知情報は、居眠りを検出した日時、場所等の確認を可能とするデータを有して構成している。
【0052】
ステップS16において、通知情報が通信装置24に出力され、その後ステップS17に進む。そして、通知情報が入力された通信装置24は、予め設定された連絡先にその通知情報を送信することで、車両、運転者等を管理する管理側は通知情報の受信によって運転者が眠気に襲われていることを認識することができるため、運転者に対して様々な安全指導を行うことができる。
【0053】
ステップS17において、操作部15からの入力信号に基づいて、前記警告停止スイッチが運転者によって手動操作されたか否かが判定される。手動操作されていないと判定された場合は(ステップS17でN)、この判定処理を繰り返すことで、手動操作を待つ。一方、手動操作されたと判定された場合は(ステップS17でY)、ステップS18に進む。
【0054】
ステップS18において、警告部17に対して警告の停止を要求する停止要求が出力され、この出力した時刻を示す時刻データが停止時刻としてRAM14に取り込まれ、その後ステップS19(計測手段)において、RAM14の停止時刻から開始時刻を差し引いた時間が警告時間として算出され、その後ステップS20に進む。
【0055】
ステップS20(居眠りデータ生成手段)において、居眠りと判定したことを示す居眠りデータが、算出した警告時間を有するように生成され、その後ステップS21において、生成した居眠りデータが前記運行情報としてカードCに記憶するために、カード挿入部19に出力され、その後図4に示すステップS1に戻り、一連の処理を繰り返す。
【0056】
なお、居眠りデータの一例としては、居眠りを検出した日時、場所、警告時間等のデータを有し、この居眠りデータは時系列的に運行情報として収集されるので、居眠りデータの発生前に発生した運行状況データに基づいて、居眠りに至る車両の走行状態も解析することができる。
【0057】
よって、以上説明したように、特許請求の範囲に記載の居眠り判定手段が上述したステップS2〜S12の一連の処理に対応し、通知情報生成手段がステップS15、居眠りデータ生成手段がS20、計測手段がS19にそれぞれ対応していることから、CPU11が居眠り判定手段、通知情報生成手段、居眠りデータ生成手段、並びに計測手段として機能している。
【0058】
次に、上述した車両運行情報解析システムの動作の一例を、車両運行情報収集装置1,10が管理速度で走行する営業用の車両に搭載され、図6に示すように車両が走行している場合について説明する。なお、図6において、縦軸は車両の速度、横軸は時間をそれぞれ示している。
【0059】
車両運行情報収集装置1,10の操作部15の前記選択スイッチによって居眠り防止機能の開始が選択されると、図4及び図5に示す眠気検出処理が起動されて処理が開始され、車両が一般道路を走行している場合は、管理速度に一般道路に応じた設定値(例えば60km/h)が設定される。その後、高速道路の走行が開始する際に、運転者が操作部15の前記高速/一般スイッチを操作して高速道路が選択されると、管理速度は高速道路に応じた設定値(例えば、80km/h)に変更される。
【0060】
車両運行情報収集装置1,10は車両の速度の検出を開始し、その速度が車両の管理速度(監視速度)に到達すると、運転者はこの速度による走行を継続するように運転を行う。その後、この走行状態が長時間継続し、時間t0において、運転者が眠気に襲われてアクセルを踏んでいた足の力が抜け、エンジンブレーキにより速度が減速したことが検出されると、運転者によってブレーキが操作されない状態で所定時間(例えば10秒)以内に管理速度(監視速度)から減速閾値(例えば15km/h)以上の減速があるか否かの監視が開始される。
【0061】
その後時間t1において、管理速度(監視速度)から減速閾値以上の減速を検出し、この検出までの時間が前記所定時間以内である場合は、居眠りと見なされ、警告部17による警告が開始される。そして、この警告は運転者が操作部15の前記選択スイッチを操作するまで継続され、運転者による操作に応じて警告部17の警告が停止する。そして、警告部17の警告時間を有する居眠りデータが生成され、この居眠りデータは運行情報としてカードCに記憶される。なお、この検出までの時間が所定時間より長い場合、またはブレーキの操作が検出された場合等は居眠りではないと判定される。
【0062】
よって、運転者が眠気に襲われると車両のアクセルを踏んでいた足の力が弱まってエンジンブレーキにより速度が減速するという現象に着目し、管理速度(監視速度)から所定時間以内に所定速度以上の減速を検出したときに居眠りと判定しているので、運転者が寝入る前の状態で速やかに警告を発することができるため、運転者の居眠り運転を防止することができる。
【0063】
また、ブレーキ操作が検出されるということは運転者が起きていてアクセルから足を離してブレーキを踏んだということであるため、ブレーキ操作を検出したときは、管理速度(監視速度)から所定時間以内に所定速度以上の減速を検出しても居眠りと判定しないので、より一層正確に居眠りを判定することができる。従って、車両の減速を検出するという簡単な構成で、運転者の居眠り運転を確実に防止することができる。
【0064】
さらに、本実施の形態では、警告部17の警告とともに、運転者の居眠りを通知するための通知情報が車両の現在位置を示す位置データを有して生成され、この通知情報は解析装置5が設けられた運送会社等の管理側に通信装置24によって送信される。そして、管理側は、受信した通知情報の位置データに基づいて、地図から最寄りのパーキングを検索し、無線装置等を用いて検出したパーキングに運転者を誘導したり、運転者の眠気を覚ますために話しかけたり、休憩を促したりする。
【0065】
よって、運転者が眠気に襲われていることを検出すると、その位置を示す位置データを有する通知情報を生成して管理側に送信しているので、管理側はその通知情報が有する位置データに基づいて最寄りの休憩所等を検出し、その休憩所等での休憩を運転者に具体的に指示することができる。
【0066】
さらに、車両用運行情報収集装置1,10において収集された運行情報が記憶されたカードCが解析装置5のリーダライタ30に装着され、解析装置5に運行情報が取り込まれると、運行情報を解析して義務づけられている運転日報(労働時間、総走行距離、労働時間、運搬内容又は運行経路等)が自動的に作成される。また、解析装置5は、運行情報が居眠りデータを有すると、その居眠りデータ(居眠りが発生した時間、場所、警告時間等)を表示装置52に表示させることで、管理者に運転者の居眠り状況を把握させ、運転者に対して的確な安全を指導させる。
【0067】
よって、管理速度(監視速度)から所定時間以内に所定速度以上の減速の検出に応じて生成した居眠りデータを運行情報として収集しているので、車両を管理する管理側は運行情報を解析すれば、運行中に運転者が眠気に襲われていたことや眠気に襲われたときの運転者毎の特徴等を認識することができるため、運転者に対する安全指導、運行計画の再考等を行うことができる。また、運行中における居眠りが居眠りデータとして運行情報に収集されるため、運転者は緊張感を持って運転することになる。従って、運行中における居眠りを示す居眠りデータを運行情報として記憶することで、管理側は運転者に対して安全指導等を行うことが可能となり、運転者も眠気に襲われている状態で運転を行わなくなるため、運行中における居眠り運転を防止することができる。
【0068】
さらに、警報部(警告手段)17による警告は運転者が操作を行わない限り停止しないため、運転者の眠気を覚ますことができる。また、警報部17の警告時間を計測し、その警告時間を有する居眠りデータを生成するので、その居眠りデータの警告時間をに基づいて運転者の眠気の指標として収集し、運転者に適した安全指導に役立てることができる。
【0069】
なお、上述した本実施の形態では、居眠り運転防止装置を車両運行情報収集装置(デジタルタコグラフ)にて実現させた場合について説明したが、本発明はこれに限定するものではなく、円盤状のチャート紙に車両の作業状態、車両の速度等を記録するタコグラフなど車両の速度が検出可能な装置にて居眠り運転防止装置を実現したり、単独の居眠り運転防止装置として実現するなど種々異なる実施の形態とすることができる。
【0070】
また、居眠り運転防止装置としては、高速道路の走行開始に応じて監視を開始するような実施の形態とすることもできる。特に、高速道路を走行中に眠気に襲われると運転者は何にでも頼りたいため、そのような場合に操作部15等の選択手段によって居眠り防止機能を開始させ、通常はその機能をオフにしておき、運転者が必要とするときのみ動作するので、装置の省電力化を図ることができ、誤検出も防止することができる。また、高速道路を走行時の管理速度に車両の速度が到達したら、前記監視を自動的に開始するような実施の形態にすることもできる。
【0071】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1に記載した本発明の居眠り運転防止装置によれば、運転者が眠気に襲われると車両のアクセルを踏んでいた足の力が弱まってエンジンブレーキにより速度が減速するという現象に着目し、監視速度から所定時間以内に所定速度以上の減速を検出したときに居眠りと判定しているので、運転者が寝入る前の状態で速やかに警告を発することができるため、運転者の居眠り運転を防止することができる。従って、車両の減速を検出するという簡単な構成で、運転者の居眠り運転を確実に防止することができるという効果を奏する。
【0072】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、ブレーキ操作が検出されるということは運転者が起きていてアクセルから足を離してブレーキを踏んだということであるため、ブレーキ操作を検出したときは、監視速度から所定時間以内に所定速度以上の減速を検出しても居眠りと判定しないので、より一層正確に居眠りを判定することができる。従って、運転者が眠気に襲われていることを、車両の減速からより一層正確に検出することができるという効果を奏する。
【0073】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2に記載の発明の効果に加え、運転者が眠気に襲われていることを検出すると、通知情報を生成して管理側に送信しているので、管理側はその通知情報に基づいて運転者が眠気に襲われていることを認識することができるため、無線連絡等により管理側から運転者に対して休憩を促す等の居眠り防止を行うことができる。従って、運転者が眠気に襲われていることを管理側に通知することで、管理側にからも居眠りの防止を図ることができるため、より一層確実に居眠り運転を防止することができるという効果を奏する。
【0074】
請求項4に記載の発明によれば、請求項3に記載の発明の効果に加え、運転者が眠気に襲われていることを検出すると、その位置を示す位置データを有する通知情報を生成して管理側に送信しているので、管理側はその通知情報が有する位置データに基づいて最寄りの休憩所等を検出し、その休憩所等での休憩を運転者に具体的に指示することができる。従って、運転者が眠気に襲われていることを検出したことと車両の位置を管理側に通知することで、管理側では具体的な場所を示して運転者に休憩を促すことができるため、より一層確実に居眠り運転を防止することができるという効果を奏する。
【0075】
請求項5に記載の発明によれば、請求項1〜4の何れかに記載の発明の効果に加え、一般道路と高速道路とに対応した監視速度を備え、車両が走行している道路に対応する監視速度に基づいて運転者が眠気に襲われていることを検出するようにしているので、所定時間以内に所定速度以上の減速から居眠りをより一層正確に判定することができる。従って、車両が一般道路及び高速道路の何れを走行中であっても、運転者が眠気に襲われていることを確実に検出することができるため、居眠り運転を確実に防止することができるという効果を奏する。
【0076】
請求項6に記載の発明によれば、請求項1〜5の何れかに記載の発明の効果に加え、高速道路を走行中に眠気に襲われると運転者は何にでも頼りたいため、そのような場合に選択手段によって居眠り防止機能を開始させ、通常はその機能をオフにしておき、運転者が必要とするときのみ動作するので、装置の省電力化を図ることができ、誤検出も防止することができる。従って、運転者の選択によって居眠り防止機能が開始するので、車両に搭載されるタコグラフ、デジタルタコグラフ、タクシーメータ等の各種機器に本発明の居眠り運転防止装置を組み込むことができるという効果を奏する。
【0077】
以上説明したように請求項7に記載した本発明の車両運行情報収集装置によれば、監視速度から所定時間以内に所定速度以上の減速の検出に応じて生成した居眠りデータを運行情報として収集しているので、車両を管理する管理側は運行情報を解析すれば、運行中に運転者が眠気に襲われていたことや眠気に襲われたときの運転者毎の特徴等を認識することができるため、運転者に対する安全指導、運行計画の再考等を行うことができる。また、運行中における居眠りが居眠りデータとして運行情報に収集されるため、運転者は緊張感を持って運転することになる。従って、運行中における居眠りを示す居眠りデータを運行情報として記憶することで、管理側は運転者に対して安全指導等を行うことが可能となり、運転者も眠気に襲われている状態で運転を行わなくなるため、運行中における居眠り運転を防止することができるという効果を奏する。
【0078】
請求項8に記載の発明によれば、請求項7に記載の発明の効果に加え、警告手段による警告は運転者が操作を行わない限り停止しないため、運転者の眠気を覚ますことができる。また、警告手段の警告時間を計測し、その警告時間を有する居眠りデータを生成するので、その居眠りデータの警告時間をに基づいて運転者の眠気の指標として収集し、運転者に適した安全指導に役立てることができる。従って、警告を運転者に停止させることで運転者の眠気を覚まし、かつ、計測した警告時間を有する居眠りデータに基づいた運転者毎に適した安全指導を管理側が行うことができるため、運行中における居眠り運転をより一層確実に防止することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の居眠り運転防止装置及び車両運行情報収集装置の基本構成を示す図である。
【図2】本発明に係る居眠り運転防止装置及び車両運行情報収集装置の有する車両運行情報解析システムのシステム構成の一例を示す構成図である。
【図3】図2の居眠り運転防止装置及び車両運行情報収集装置の概略構成を示す構成図である。
【図4】図3のCPUが実行する居眠り検出処理の一部を示すフローチャートである。
【図5】図3のCPUが実行する居眠り検出処理の他の一部を示すフローチャートである。
【図6】本発明に係る居眠り運転の検出を説明するためのグラフである。
【符号の説明】
1 車両運行情報収集装置
10 居眠り運転防止装置
11a 居眠り判定手段(CPU)
11b 通知情報生成手段(CPU)
11c 居眠りデータ生成手段(CPU)
11d 計測手段(CPU)
15a 走行道路検出手段(操作部)
15b 選択手段(操作部)
15c 警告停止手段(操作部)
21 速度検出手段(速度センサ)
22 ブレーキ操作検出手段(ブレーキセンサ)
23 位置データ検出手段(GPS受信機)
24 送信手段(通信装置)
【発明の属する技術分野】
本発明は、居眠り運転防止装置及び車両運行情報収集装置に関し、より詳細には、車両に搭載され、運転者の居眠り運転を未然に防止する居眠り運転防止装置、及び、居眠り運転防止装置を備え、前記車両の運行状況に応じて発生する運行状況データを運行情報として収集する車両運行情報収集装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
貨物輸送用トラック、タクシー、バス等の営業用車両により運送を行う運送業では、運転者に安全運転を如何に徹底させるかが重要な問題であり、特に、居眠り運転による事故が発生するとその損害が大きくなることから、居眠りの検出に応じた警報等により居眠り事故を未然に防止する居眠り運転防止装置が注目されている。
【0003】
居眠り運転防止装置としては、心拍数、皮膚電位の変化を検出する方式(1)、ステアリングホイールの蛇行パターンの特徴やCCDカメラで路上の白線を認識して蛇行量を検出する方式(2)、運転者の瞬きがゆっくりになったことを検出する方式(3)等を用いた様々な装置が従来より提案されている。そして、車両における眠気の有効な指標について、種々異なる研究が行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記方式(1)を用いた装置の場合、運転者に測定器具を手、腕等に装着させる必要があるが、その装着を義務づけても多忙な運転者は装着しない可能性があり、かつ、運転者を煩わせることで作業効率の低下に繋がる可能性もあるため、営業用車両には適さないという問題があった。また、前記方式(2)、(3)を用いた装置の場合、その検出のために高価なCCDカメラ等が必要なため、装置は高価なものとなってしまい、所有する全ての車両に居眠り運転防止装置を搭載することは困難であった。
【0005】
よって本発明は、上述した問題点に鑑み、運転者の居眠りを速やかに検出する安価な居眠り運転防止装置及び車両運行情報収集装置を提供することを課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明によりなされた請求項1記載の居眠り運転防止装置は、図1の基本構成図に示すように、車両に搭載され、運転者の居眠り運転を未然に防止する居眠り運転防止装置であって、時々刻々変化する前記車両の速度を検出する速度検出手段21と、前記速度検出手段21が検出した速度に基づいて、予め定められた監視速度から所定時間以内に所定速度以上の減速を検出すると、前記居眠りと判定する居眠り判定手段11aと、前記居眠り判定手段11aが前記居眠りと判定すると、前記運転者に対して警告を発する警告手段17と、を備えることを特徴とする。
【0007】
上記請求項1に記載した本発明の居眠り運転防止装置によれば、速度検出手段21によって検出された速度に基づいて、予め定められた監視速度から所定時間以内に所定速度以上の減速が検出されると居眠り判定手段11aによって居眠りと判定され、この判定に応じて警告手段17は運転者に対して警告を発する。よって、運転者が眠気に襲われると車両のアクセルを踏んでいた足の力が弱まってエンジンブレーキにより速度が減速するという現象に着目し、監視速度から所定時間以内に所定速度以上の減速を検出したときに居眠りと判定しているので、運転者が寝入る前の状態で速やかに警告を発することができるため、運転者の居眠り運転を防止することができる。従って、車両の減速を検出するという簡単な構成で、運転者の居眠り運転を確実に防止することができる。
【0008】
上記課題を解決するためになされた請求項2記載の発明は、図1の基本構成図に示すように、請求項1に記載の居眠り運転防止装置において、前記車両のブレーキが前記運転者によって操作されたか否かの識別が可能なブレーキ信号に基づいて、前記ブレーキの操作を検出するブレーキ操作検出手段22をさらに備え、前記ブレーキ操作検出手段22が前記ブレーキの操作を検出すると、前記居眠り判定手段11aは、前記減速を検出しても前記居眠りと判定しないことを特徴とする。
【0009】
上記請求項2に記載した本発明の居眠り運転防止装置によれば、ブレーキ操作検出手段22によってブレーキの操作が検出されると、居眠り判定手段11aは監視速度から所定時間以内に所定速度以上の減速を検出しても、居眠りと判定しない。よって、ブレーキ操作が検出されるということは運転者が起きていてアクセルから足を離してブレーキを踏んだということであるため、ブレーキ操作を検出したときは、監視速度から所定時間以内に所定速度以上の減速を検出しても居眠りと判定しないので、より一層正確に居眠りを判定することができる。従って、運転者が眠気に襲われていることを、車両の減速からより一層正確に検出することができる。
【0010】
上記課題を解決するためになされた請求項3記載の発明は、図1の基本構成図に示すように、請求項1又は2に記載の居眠り運転防止装置において、前記居眠り判定手段11aが前記居眠りと判定すると、前記運転者の居眠りを当該車両の管理側に通知するための通知情報を生成する通知情報生成手段11bと、前記通知情報生成手段11bが生成した通知情報を前記管理側に送信する送信手段24と、をさらに備えることを特徴とする。
【0011】
上記請求項3に記載した本発明の居眠り運転防止装置によれば、居眠り判定手段11aによって居眠りと判定されると、通知情報生成手段11bによって通知情報が生成され、該通知情報は送信手段24によって車両の管理側に送信される。よって、運転者が眠気に襲われていることを検出すると、通知情報を生成して管理側に送信しているので、管理側はその通知情報に基づいて運転者が眠気に襲われていることを認識することができるため、無線連絡等により管理側から運転者に対して休憩を促す等の居眠り防止を行うことができる。従って、運転者が眠気に襲われていることを管理側に通知することで、管理側にからも居眠りの防止を図ることができるため、より一層確実に居眠り運転を防止することができる。
【0012】
上記課題を解決するためになされた請求項4記載の発明は、図1の基本構成図に示すように、請求項3に記載の居眠り運転防止装置において、前記車両の現在位置を示す位置データを検出する位置データ検出手段23をさらに備え、前記通知情報生成手段11bは、前記居眠りとの判定に応じて前記位置データ検出手段23が検出した位置データを有する前記通知情報を生成することを特徴とする。
【0013】
上記請求項4に記載した本発明の居眠り運転防止装置によれば、居眠り判定手段11aによって居眠りと判定されると、位置データ検出手段23によって検出された位置データを有する通知情報が通知情報生成手段11bによって生成され、該通知情報は送信手段24によって車両の管理側に送信される。よって、運転者が眠気に襲われていることを検出すると、その位置を示す位置データを有する通知情報を生成して管理側に送信しているので、管理側はその通知情報が有する位置データに基づいて最寄りの休憩所等を検出し、その休憩所等での休憩を運転者に具体的に指示することができる。従って、運転者が眠気に襲われていることを検出したことと車両の位置を管理側に通知することで、管理側では具体的な場所を示して運転者に休憩を促すことができるため、より一層確実に居眠り運転を防止することができる。
【0014】
上記課題を解決するためになされた請求項5記載の発明は、図1の基本構成図に示すように、請求項1〜4の何れかに記載の居眠り運転防止装置において、前記監視速度は、一般道路と高速道路との各々に対応した速度となっており、前記車両が走行している道路が前記一般道路であるか前記高速道路であるかを検出する走行道路検出手段15aをさらに備え、前記居眠り判定手段11aは、前記走行道路検出手段15aが検出した走行道路に対応した前記監視速度に基づいて前記検出を行うことを特徴とする。
【0015】
上記請求項5に記載した本発明の居眠り運転防止装置によれば、走行道路検出手段15aによって車両が走行している走行道路が検出されると、その走行道路に対応した監視速度から所定時間以内に所定速度以上の減速が居眠り判定手段11aによって検出される。よって、一般道路と高速道路とに対応した監視速度を備え、車両が走行している道路に対応する監視速度に基づいて運転者が眠気に襲われていることを検出するようにしているので、所定時間以内に所定速度以上の減速から居眠りをより一層正確に判定することができる。従って、車両が一般道路及び高速道路の何れを走行中であっても、運転者が眠気に襲われていることを確実に検出することができるため、居眠り運転を確実に防止することができる。
【0016】
上記課題を解決するためになされた請求項6記載の発明は、図1の基本構成図に示すように、請求項1〜5の何れかに記載の居眠り運転防止装置において、前記居眠り防止を行うか否かを前記運転者に選択させる選択手段15bをさらに備え、前記居眠り判定手段11aは、前記選択手段15bの前記選択に応じて前記検出を行うことを特徴とする。
【0017】
上記請求項6に記載した本発明の居眠り運転防止装置によれば、選択手段15bによって居眠り防止を行うことが選択されると、監視速度から所定時間以内に所定速度以上の減速の検出が居眠り判定手段11aによって開始される。よって、高速道路を走行中に眠気に襲われると運転者は何にでも頼りたいため、そのような場合に選択手段15bによって居眠り防止機能を開始させ、通常はその機能をオフにしておき、運転者が必要とするときのみ動作するので、装置の省電力化を図ることができ、誤検出も防止することができる。従って、運転者の選択によって居眠り防止機能が開始するので、車両に搭載されるタコグラフ、デジタルタコグラフ、タクシーメータ等の各種機器に本発明の居眠り運転防止装置を組み込むことができる。
【0018】
上記課題を解決するため本発明によりなされた請求項7記載の車両運行情報収集装置は、図1の基本構成図に示すように、請求項1〜6の何れかに記載の居眠り運転防止装置を備え、前記車両の運行状況に応じて発生する運行状況データを運行情報として運行情報記憶手段Cに収集する車両運行情報収集装置であって、前記居眠り防止判定装置はさらに、前記居眠り判定手段11aが前記居眠りと判定したことを示す居眠りデータを生成する居眠りデータ生成手段11cを備え、前記居眠り判定データ生成手段が生成した居眠りデータも前記運行情報として前記運行情報記憶手段Cに収集することを特徴とする。
【0019】
上記請求項7に記載した本発明の車両運行情報収集装置によれば、車両の運行状況に応じて発生した運行状況データは運行情報として運行情報記憶手段Cに収集される。そして、居眠り判定手段11aによって居眠りと判定されると、居眠りデータ生成手段11cによって居眠りデータが生成され、この居眠りデータは運行情報として運行情報記憶手段Cに収集される。よって、監視速度から所定時間以内に所定速度以上の減速の検出に応じて生成した居眠りデータを運行情報として収集しているので、車両を管理する管理側は運行情報を解析すれば、運行中に運転者が眠気に襲われていたことや眠気に襲われたときの運転者毎の特徴等を認識することができるため、運転者に対する安全指導、運行計画の再考等を行うことができる。また、運行中における居眠りが居眠りデータとして運行情報に収集されるため、運転者は緊張感を持って運転することになる。従って、運行中における居眠りを示す居眠りデータを運行情報として記憶することで、管理側は運転者に対して安全指導等を行うことが可能となり、運転者も眠気に襲われている状態で運転を行わなくなるため、運行中における居眠り運転を防止することができる。
【0020】
上記課題を解決するためになされた請求項8記載の発明は、図1の基本構成図に示すように、請求項7に記載の車両運行情報収集装置において、前記居眠り運転防止装置はさらに、前記運転者の操作に応じて前記警告手段17の前記警告を停止させる警告停止手段15cと、前記警告手段17が前記警告を開始してから前記警告停止手段15cによって停止されるまでの警告時間を計測する計測手段11dと、を備え、前記居眠りデータ生成手段11cは、前記計測手段11dが計測した警告時間を有する前記居眠りデータを生成することを特徴とする。
【0021】
上記請求項8に記載した本発明の車両運行情報収集装置によれば、警告停止手段15cによって警告手段17の警告が停止されると、警告を開始してから停止されるまでの警告時間が計測手段11dによって計測され、この警告時間を有する居眠りデータが居眠りデータ生成手段11cによって生成される。よって、警告手段17による警告は運転者が操作を行わない限り停止しないため、運転者の眠気を覚ますことができる。また、警告手段17の警告時間を計測し、その警告時間を有する居眠りデータを生成するので、その居眠りデータの警告時間をに基づいて運転者の眠気の指標として収集し、運転者に適した安全指導に役立てることができる。従って、警告を運転者に停止させることで運転者の眠気を覚まし、かつ、計測した警告時間を有する居眠りデータに基づいた運転者毎に適した安全指導を管理側が行うことができるため、運行中における居眠り運転をより一層確実に防止することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る居眠り運転防止装置を運行情報収集装置(デジタルタコグラフ)にて実現させた場合の一実施の形態を、図2〜図6の図面を参照して説明する。
【0023】
ここで、図2は本発明に係る居眠り運転防止装置及び車両運行情報収集装置の有する車両運行情報解析システムのシステム構成の一例を示す構成図であり、図3は図2の居眠り運転防止装置及び車両運行情報収集装置の概略構成を示す構成図であり、図4は図3のCPUが実行する居眠り検出処理の一部を示すフローチャートであり、図5は図3のCPUが実行する居眠り検出処理の他の一部を示すフローチャートであり、図6は本発明に係る居眠り運転の検出を説明するためのグラフである。
【0024】
車両運行情報解析システムは、図2に示すように、貨物輸送用トラック、タクシー等の営業用車両に搭載される車両運行情報収集装置(居眠り運転防止装置)1,10と、前記営業用車両を所有する会社、営業所等に設けられて前記車両運行情報収集装置1が収集した運行情報に基づいて運転者の運行状況を解析する解析装置5と、を有して構成している。
【0025】
車両運行情報収集装置1,10は、図3に示すように、予め定めたプログラムに従って各種の処理や制御などを行う中央演算処理装置(CPU)11、CPU11のためのプログラム等を格納した読み出し専用のメモリであるROM12、装置本体がオフ状態の間も記憶内容の保持が可能な電気的消去/書き換え可能な読み出し専用のメモリ(EEPROM)13、各種のデータを格納するとともにCPU11の処理作業に必要なエリアを有する読み出し書き込み自在のメモリであるRAM14等を有して構成している。
【0026】
車両運行情報収集装置1,10はさらに、操作部15、表示部16、警告部17、インタフェース部18、カード挿入部19等を備え、それらの各々をCPU11に接続している。
【0027】
操作部15は、装置本体の正面等に設けている複数の操作スイッチを備え、本発明に関する操作スイッチとしては、例えば、居眠り防止機能を開始・停止を運転者に選択させる選択スイッチ(選択手段)、警告部17の警告を停止させる警告停止スイッチ(警告停止手段)、車両が走行している道路が高速道路であるか一般道路であるかを運転者に選択させる高速/一般スイッチ(走行道路検出手段)等を有し、各スイッチの状態をCPU11で検出することが可能な構成になっている。なお、操作部15を構成から削除して、インタフェース部18に接続する外部の操作装置として実現することもできる。
【0028】
表示部16は、LCD等の表示装置を備え、CPU11から出力に基づいて各種表示を行う。警告部17は、ブザー、音声出力装置等を備え、CPU11からの出力に基づいて警告を行う。
【0029】
インタフェース部18は、外部機器を着脱自在に接続するための端子を備え、CPU11と外部機器との交信を可能としている。本実施の形態では、インタフェース部18に、速度検出手段に相当する速度センサ21と、ブレーキ操作検出手段に相当するブレーキセンサ22と、位置データ検出手段に相当するGPS(global positioning system=全地球側位システム)受信機23と、送信手段に相当する通信装置24と、を接続している。
【0030】
速度センサ21は、車両の速度に応じた速度信号をCPU11に対して出力し、CPU11は入力された速度信号から速度を算出する。そして、ブレーキセンサ22は、車両のブレーキが運転者によって操作されたか否かの識別が可能なブレーキ信号をCPU11に対して出力し、CPU11はそのブレーキ信号に基づいて運転者がブレーキの操作状態を判定する。
【0031】
GPS受信機23は、GPS衛星群を形成する複数の人工衛星が発射する電波を受信して車両の現在位置を示す緯度、経度等を有する位置データをCPU11に対して出力し、CPU11は入力された位置データを有し、居眠りと判定したことを示す居眠りデータを生成する。
【0032】
通信装置24は、予め定められた連絡先との無線通信を可能とする携帯電話、無線装置等を有して構成し、CPU11から入力された各種情報を前記連絡先に送信するとともに、外部から受信した各種情報をCPU11に対して出力する。
【0033】
カード挿入部19は、装置本体正面のスロットから挿入されたメモリーカード等のカード状記憶媒体(以下、カードと称する)Cに対し、CPU11から指定されたデータの書き込み、読み込みを行うもので、カードCのカード挿入部19に対する挿入は手動で行い、カードCの排出は、排出キーの操作に応じてカード挿入部19内の排出機構(図示せず)が自動で行う。そして、本実施の形態では、車両運行情報収集装置1,10で車両の運行状況に応じて発生する運行状況データを運行情報をカードCに記憶することから、カードCが特許請求の範囲に記載の運行情報記憶手段として機能している。
【0034】
上述した構成の車両運行情報収集装置1では、カード挿入部19へのカードCの挿入によって出庫処理が行われる。そして、この出庫処理後から運行状態の変化に応じて発生する運行状況データの収集が開始され、その後、終了スイッチ、書込スイッチ等の終了操作に応じて運行状況データの収集を終了し、入庫処理が行われることで、出庫から入庫までの一運行における運行情報が完成して、カードCに記憶される。
【0035】
一方、解析装置5は、予め定めたプログラムに従って動作するパーソナルコンピュータ(パソコン)50を有する。このパソコン50には、入力装置51と表示装置52が接続されている。さらに、パソコン50には、車両運行情報収集装置1にてカード40に書き込まれた各種データを読み取るリーダライタ30と、パソコン50から出力された各種データなどを紙に出力するためのプリンタ60が接続されている。そして、パソコン50のハードディスク装置等の記憶媒体には、解析プログラムをインストールしており、この解析プログラムをパソコン50のCPUが実行することで、そのパソコン50が解析装置5として機能する。
【0036】
解析装置5は、カードCが記憶している運行情報を解析して義務づけられている運転日報(労働時間、総走行距離、労働時間、運搬内容又は運行経路等)を自動的に作成する。また、運行情報を構成する運行状況データは、走行距離、走行時間、速度オーバー、エンジン回転、急加速などの車両の走行状態を示すデータを有しているため、解析装置5はそれらのデータに基づいて運転者の運行中における運転を解析し、その解析結果を表示装置52に表示させることで、管理者に運転者の運転状況を把握させ、運転者に対して的確な安全運転を指導させることで、運転者の安全管理を支援している。
【0037】
次に、車両運行情報収集装置1,10のCPU11が実行する本発明に係る眠気検出処理の一例を、図4及び図5のフローチャートを参照して以下に説明する。
【0038】
操作部15の前記選択スイッチに対する運転者の操作によって居眠り運転防止機能の開始が要求されると、図4に示す眠気検出処理が実行される。そして、ステップS1において、操作部15の前記選択スイッチの状態に基づいて、運転者から居眠り運転防止機能の終了が要求されたか否かが判定される。終了要求を受けたと判定された場合は(ステップS1でY)、処理を終了する。一方、終了要求を受けていないと判定された場合は(ステップS1でN)、ステップS2に進む。
【0039】
ステップS2において、速度センサ21から入力される速度信号に基づいて車両の速度が検出され、ステップS3において、検出した速度が一定時間に渡って予め定められた監視速度であるか否かが判定される。また、この判定処理では、監視速度が一定時間継続していることを確認している。
【0040】
なお、車両運行情報収集装置1,10には、各運送会社等で定められた管理速度が設定されていることから、本実施の形態ではその管理速度を監視速度としているが、監視速度を任意に設定させるなど種々異なる実施の形態とすることができる。また、本実施の形態において監視速度には、操作部15の前記高速/一般スイッチの状態に応じて、高速の場合は80km/h、一般の場合は60km/hと区別して設定している。
【0041】
ステップS3で速度が監視速度ではないと判定された場合は(ステップS3でN)、ステップS1に戻り、一連の処理を繰り返す。一方、ステップS3で速度が監視速度であると判定された場合は(ステップS3でY)、ステップS4に進み、ステップS4において、ステップS2と同様に、速度センサ21から入力される速度信号に基づいて車両の速度が検出され、その後ステップS5に進む。
【0042】
ステップS5において、検出した速度が監視速度よりも小さいか否かが判定される。速度が監視速度以上であると判定された場合は(ステップS5でN)、ステップS1に戻り、一連の処理を繰り返す。一方、速度が監視速度よりも小さいと判定された場合は(ステップS5でY)、ステップS6に進む。
【0043】
ステップS6において、ブレーキセンサ22からのブレーキ信号に基づいて、ブレーキが運転者によって踏まれたか否かが判定される。ブレーキが踏まれたと判定された場合は(ステップS6でY)、運転者がアクセルから足を離してブレーキを踏んでいることから、運転者は起きていると判定できるため、ステップS1に戻り、一連の処理を繰り返す。一方、ブレーキが踏まれていないと判定された場合は(ステップS6でN)、運転者が眠気に襲われている可能性があるため、運転者の眠気を確認するためにステップS7に進む。
【0044】
ステップS7において、所定時間(例えば、10秒)が経過するとタイムアウトするタイマが起動され、その後ステップS8において、ステップS2と同様に、速度センサ21から入力される速度信号に基づいて車両の速度が検出され、その後ステップS9に進む。
【0045】
ステップS9において、ステップS6と同様に、ブレーキセンサ22からのブレーキ信号に基づいて、ブレーキが運転者によって踏まれたか否かが判定される。ブレーキが踏まれたと判定された場合は(ステップS9でY)、ステップS1に戻り、一連の処理を繰り返す。一方、ブレーキが踏まれていないと判定された場合は(ステップS9でN)、ステップS10に進む。
【0046】
ステップS10において、タイマがタイムアウトしたか否かが判定される。タイムアウトしたと判定された場合は(ステップS10でY)、所定時間以内に居眠り運転の可能性は検出されなかったと見なし、ステップS1に戻り、一連の処理を繰り返す。一方、タイムアウトしていないと判定された場合は(ステップS10でN)、ステップS11に進む。
【0047】
ステップS11において、前記監視速度から検出した速度を差し引いた値が減速変化量として算出され、その後ステップS12において、算出した減速変化量と予め定められた減速閾値(例えば15km/h)とに基づいて、減速閾値以上の減速があったか否かが判定される。
【0048】
なお、上述した減速閾値及び所定時間は、運転者の眠気若しくは居眠りを判定するための判定条件であって、本実施の形態では、車両が監視速度で走行中の車両がエンジンブレーキによって減速する変化量と時間とに基づいて車両毎に適した減速閾値及び所定時間を設定しているが、前記判定が可能であれば、判定方法は種々異なる実施の形態とするとができる。
【0049】
ステップS12で減速変化量が減速閾値より小さい、つまり、減速閾値以上の減速ではないと判定された場合は(ステップS12でN)、ステップS8に戻り、一連の処理を繰り返す。一方、減速変化量が減速閾値以上である、つまり、所定時間以内に減速閾値以上の減速があったと判定された場合は(ステップS12でY)、図5に示すステップS13に進む。
【0050】
ステップS13において、警告部17に対して警告の開始を要求する開始要求が出力され、この出力した時刻を示す時刻データが開始時刻としてRAM14に取り込まれ、その後ステップS14において、GPS受信機23から入力される位置データがRAM14に取り込まれ、その後ステップS15に進む。
【0051】
ステップS15(通知情報生成手段)において、車両を所有する管理側に対して、運転者が眠気に襲われている可能性があることを通知するための通知情報が、取り込んだ位置データを有するように生成され、その後ステップS16に進む。なお、通知情報は、居眠りを検出した日時、場所等の確認を可能とするデータを有して構成している。
【0052】
ステップS16において、通知情報が通信装置24に出力され、その後ステップS17に進む。そして、通知情報が入力された通信装置24は、予め設定された連絡先にその通知情報を送信することで、車両、運転者等を管理する管理側は通知情報の受信によって運転者が眠気に襲われていることを認識することができるため、運転者に対して様々な安全指導を行うことができる。
【0053】
ステップS17において、操作部15からの入力信号に基づいて、前記警告停止スイッチが運転者によって手動操作されたか否かが判定される。手動操作されていないと判定された場合は(ステップS17でN)、この判定処理を繰り返すことで、手動操作を待つ。一方、手動操作されたと判定された場合は(ステップS17でY)、ステップS18に進む。
【0054】
ステップS18において、警告部17に対して警告の停止を要求する停止要求が出力され、この出力した時刻を示す時刻データが停止時刻としてRAM14に取り込まれ、その後ステップS19(計測手段)において、RAM14の停止時刻から開始時刻を差し引いた時間が警告時間として算出され、その後ステップS20に進む。
【0055】
ステップS20(居眠りデータ生成手段)において、居眠りと判定したことを示す居眠りデータが、算出した警告時間を有するように生成され、その後ステップS21において、生成した居眠りデータが前記運行情報としてカードCに記憶するために、カード挿入部19に出力され、その後図4に示すステップS1に戻り、一連の処理を繰り返す。
【0056】
なお、居眠りデータの一例としては、居眠りを検出した日時、場所、警告時間等のデータを有し、この居眠りデータは時系列的に運行情報として収集されるので、居眠りデータの発生前に発生した運行状況データに基づいて、居眠りに至る車両の走行状態も解析することができる。
【0057】
よって、以上説明したように、特許請求の範囲に記載の居眠り判定手段が上述したステップS2〜S12の一連の処理に対応し、通知情報生成手段がステップS15、居眠りデータ生成手段がS20、計測手段がS19にそれぞれ対応していることから、CPU11が居眠り判定手段、通知情報生成手段、居眠りデータ生成手段、並びに計測手段として機能している。
【0058】
次に、上述した車両運行情報解析システムの動作の一例を、車両運行情報収集装置1,10が管理速度で走行する営業用の車両に搭載され、図6に示すように車両が走行している場合について説明する。なお、図6において、縦軸は車両の速度、横軸は時間をそれぞれ示している。
【0059】
車両運行情報収集装置1,10の操作部15の前記選択スイッチによって居眠り防止機能の開始が選択されると、図4及び図5に示す眠気検出処理が起動されて処理が開始され、車両が一般道路を走行している場合は、管理速度に一般道路に応じた設定値(例えば60km/h)が設定される。その後、高速道路の走行が開始する際に、運転者が操作部15の前記高速/一般スイッチを操作して高速道路が選択されると、管理速度は高速道路に応じた設定値(例えば、80km/h)に変更される。
【0060】
車両運行情報収集装置1,10は車両の速度の検出を開始し、その速度が車両の管理速度(監視速度)に到達すると、運転者はこの速度による走行を継続するように運転を行う。その後、この走行状態が長時間継続し、時間t0において、運転者が眠気に襲われてアクセルを踏んでいた足の力が抜け、エンジンブレーキにより速度が減速したことが検出されると、運転者によってブレーキが操作されない状態で所定時間(例えば10秒)以内に管理速度(監視速度)から減速閾値(例えば15km/h)以上の減速があるか否かの監視が開始される。
【0061】
その後時間t1において、管理速度(監視速度)から減速閾値以上の減速を検出し、この検出までの時間が前記所定時間以内である場合は、居眠りと見なされ、警告部17による警告が開始される。そして、この警告は運転者が操作部15の前記選択スイッチを操作するまで継続され、運転者による操作に応じて警告部17の警告が停止する。そして、警告部17の警告時間を有する居眠りデータが生成され、この居眠りデータは運行情報としてカードCに記憶される。なお、この検出までの時間が所定時間より長い場合、またはブレーキの操作が検出された場合等は居眠りではないと判定される。
【0062】
よって、運転者が眠気に襲われると車両のアクセルを踏んでいた足の力が弱まってエンジンブレーキにより速度が減速するという現象に着目し、管理速度(監視速度)から所定時間以内に所定速度以上の減速を検出したときに居眠りと判定しているので、運転者が寝入る前の状態で速やかに警告を発することができるため、運転者の居眠り運転を防止することができる。
【0063】
また、ブレーキ操作が検出されるということは運転者が起きていてアクセルから足を離してブレーキを踏んだということであるため、ブレーキ操作を検出したときは、管理速度(監視速度)から所定時間以内に所定速度以上の減速を検出しても居眠りと判定しないので、より一層正確に居眠りを判定することができる。従って、車両の減速を検出するという簡単な構成で、運転者の居眠り運転を確実に防止することができる。
【0064】
さらに、本実施の形態では、警告部17の警告とともに、運転者の居眠りを通知するための通知情報が車両の現在位置を示す位置データを有して生成され、この通知情報は解析装置5が設けられた運送会社等の管理側に通信装置24によって送信される。そして、管理側は、受信した通知情報の位置データに基づいて、地図から最寄りのパーキングを検索し、無線装置等を用いて検出したパーキングに運転者を誘導したり、運転者の眠気を覚ますために話しかけたり、休憩を促したりする。
【0065】
よって、運転者が眠気に襲われていることを検出すると、その位置を示す位置データを有する通知情報を生成して管理側に送信しているので、管理側はその通知情報が有する位置データに基づいて最寄りの休憩所等を検出し、その休憩所等での休憩を運転者に具体的に指示することができる。
【0066】
さらに、車両用運行情報収集装置1,10において収集された運行情報が記憶されたカードCが解析装置5のリーダライタ30に装着され、解析装置5に運行情報が取り込まれると、運行情報を解析して義務づけられている運転日報(労働時間、総走行距離、労働時間、運搬内容又は運行経路等)が自動的に作成される。また、解析装置5は、運行情報が居眠りデータを有すると、その居眠りデータ(居眠りが発生した時間、場所、警告時間等)を表示装置52に表示させることで、管理者に運転者の居眠り状況を把握させ、運転者に対して的確な安全を指導させる。
【0067】
よって、管理速度(監視速度)から所定時間以内に所定速度以上の減速の検出に応じて生成した居眠りデータを運行情報として収集しているので、車両を管理する管理側は運行情報を解析すれば、運行中に運転者が眠気に襲われていたことや眠気に襲われたときの運転者毎の特徴等を認識することができるため、運転者に対する安全指導、運行計画の再考等を行うことができる。また、運行中における居眠りが居眠りデータとして運行情報に収集されるため、運転者は緊張感を持って運転することになる。従って、運行中における居眠りを示す居眠りデータを運行情報として記憶することで、管理側は運転者に対して安全指導等を行うことが可能となり、運転者も眠気に襲われている状態で運転を行わなくなるため、運行中における居眠り運転を防止することができる。
【0068】
さらに、警報部(警告手段)17による警告は運転者が操作を行わない限り停止しないため、運転者の眠気を覚ますことができる。また、警報部17の警告時間を計測し、その警告時間を有する居眠りデータを生成するので、その居眠りデータの警告時間をに基づいて運転者の眠気の指標として収集し、運転者に適した安全指導に役立てることができる。
【0069】
なお、上述した本実施の形態では、居眠り運転防止装置を車両運行情報収集装置(デジタルタコグラフ)にて実現させた場合について説明したが、本発明はこれに限定するものではなく、円盤状のチャート紙に車両の作業状態、車両の速度等を記録するタコグラフなど車両の速度が検出可能な装置にて居眠り運転防止装置を実現したり、単独の居眠り運転防止装置として実現するなど種々異なる実施の形態とすることができる。
【0070】
また、居眠り運転防止装置としては、高速道路の走行開始に応じて監視を開始するような実施の形態とすることもできる。特に、高速道路を走行中に眠気に襲われると運転者は何にでも頼りたいため、そのような場合に操作部15等の選択手段によって居眠り防止機能を開始させ、通常はその機能をオフにしておき、運転者が必要とするときのみ動作するので、装置の省電力化を図ることができ、誤検出も防止することができる。また、高速道路を走行時の管理速度に車両の速度が到達したら、前記監視を自動的に開始するような実施の形態にすることもできる。
【0071】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1に記載した本発明の居眠り運転防止装置によれば、運転者が眠気に襲われると車両のアクセルを踏んでいた足の力が弱まってエンジンブレーキにより速度が減速するという現象に着目し、監視速度から所定時間以内に所定速度以上の減速を検出したときに居眠りと判定しているので、運転者が寝入る前の状態で速やかに警告を発することができるため、運転者の居眠り運転を防止することができる。従って、車両の減速を検出するという簡単な構成で、運転者の居眠り運転を確実に防止することができるという効果を奏する。
【0072】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、ブレーキ操作が検出されるということは運転者が起きていてアクセルから足を離してブレーキを踏んだということであるため、ブレーキ操作を検出したときは、監視速度から所定時間以内に所定速度以上の減速を検出しても居眠りと判定しないので、より一層正確に居眠りを判定することができる。従って、運転者が眠気に襲われていることを、車両の減速からより一層正確に検出することができるという効果を奏する。
【0073】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2に記載の発明の効果に加え、運転者が眠気に襲われていることを検出すると、通知情報を生成して管理側に送信しているので、管理側はその通知情報に基づいて運転者が眠気に襲われていることを認識することができるため、無線連絡等により管理側から運転者に対して休憩を促す等の居眠り防止を行うことができる。従って、運転者が眠気に襲われていることを管理側に通知することで、管理側にからも居眠りの防止を図ることができるため、より一層確実に居眠り運転を防止することができるという効果を奏する。
【0074】
請求項4に記載の発明によれば、請求項3に記載の発明の効果に加え、運転者が眠気に襲われていることを検出すると、その位置を示す位置データを有する通知情報を生成して管理側に送信しているので、管理側はその通知情報が有する位置データに基づいて最寄りの休憩所等を検出し、その休憩所等での休憩を運転者に具体的に指示することができる。従って、運転者が眠気に襲われていることを検出したことと車両の位置を管理側に通知することで、管理側では具体的な場所を示して運転者に休憩を促すことができるため、より一層確実に居眠り運転を防止することができるという効果を奏する。
【0075】
請求項5に記載の発明によれば、請求項1〜4の何れかに記載の発明の効果に加え、一般道路と高速道路とに対応した監視速度を備え、車両が走行している道路に対応する監視速度に基づいて運転者が眠気に襲われていることを検出するようにしているので、所定時間以内に所定速度以上の減速から居眠りをより一層正確に判定することができる。従って、車両が一般道路及び高速道路の何れを走行中であっても、運転者が眠気に襲われていることを確実に検出することができるため、居眠り運転を確実に防止することができるという効果を奏する。
【0076】
請求項6に記載の発明によれば、請求項1〜5の何れかに記載の発明の効果に加え、高速道路を走行中に眠気に襲われると運転者は何にでも頼りたいため、そのような場合に選択手段によって居眠り防止機能を開始させ、通常はその機能をオフにしておき、運転者が必要とするときのみ動作するので、装置の省電力化を図ることができ、誤検出も防止することができる。従って、運転者の選択によって居眠り防止機能が開始するので、車両に搭載されるタコグラフ、デジタルタコグラフ、タクシーメータ等の各種機器に本発明の居眠り運転防止装置を組み込むことができるという効果を奏する。
【0077】
以上説明したように請求項7に記載した本発明の車両運行情報収集装置によれば、監視速度から所定時間以内に所定速度以上の減速の検出に応じて生成した居眠りデータを運行情報として収集しているので、車両を管理する管理側は運行情報を解析すれば、運行中に運転者が眠気に襲われていたことや眠気に襲われたときの運転者毎の特徴等を認識することができるため、運転者に対する安全指導、運行計画の再考等を行うことができる。また、運行中における居眠りが居眠りデータとして運行情報に収集されるため、運転者は緊張感を持って運転することになる。従って、運行中における居眠りを示す居眠りデータを運行情報として記憶することで、管理側は運転者に対して安全指導等を行うことが可能となり、運転者も眠気に襲われている状態で運転を行わなくなるため、運行中における居眠り運転を防止することができるという効果を奏する。
【0078】
請求項8に記載の発明によれば、請求項7に記載の発明の効果に加え、警告手段による警告は運転者が操作を行わない限り停止しないため、運転者の眠気を覚ますことができる。また、警告手段の警告時間を計測し、その警告時間を有する居眠りデータを生成するので、その居眠りデータの警告時間をに基づいて運転者の眠気の指標として収集し、運転者に適した安全指導に役立てることができる。従って、警告を運転者に停止させることで運転者の眠気を覚まし、かつ、計測した警告時間を有する居眠りデータに基づいた運転者毎に適した安全指導を管理側が行うことができるため、運行中における居眠り運転をより一層確実に防止することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の居眠り運転防止装置及び車両運行情報収集装置の基本構成を示す図である。
【図2】本発明に係る居眠り運転防止装置及び車両運行情報収集装置の有する車両運行情報解析システムのシステム構成の一例を示す構成図である。
【図3】図2の居眠り運転防止装置及び車両運行情報収集装置の概略構成を示す構成図である。
【図4】図3のCPUが実行する居眠り検出処理の一部を示すフローチャートである。
【図5】図3のCPUが実行する居眠り検出処理の他の一部を示すフローチャートである。
【図6】本発明に係る居眠り運転の検出を説明するためのグラフである。
【符号の説明】
1 車両運行情報収集装置
10 居眠り運転防止装置
11a 居眠り判定手段(CPU)
11b 通知情報生成手段(CPU)
11c 居眠りデータ生成手段(CPU)
11d 計測手段(CPU)
15a 走行道路検出手段(操作部)
15b 選択手段(操作部)
15c 警告停止手段(操作部)
21 速度検出手段(速度センサ)
22 ブレーキ操作検出手段(ブレーキセンサ)
23 位置データ検出手段(GPS受信機)
24 送信手段(通信装置)
Claims (8)
- 車両に搭載され、運転者の居眠り運転を未然に防止する居眠り運転防止装置であって、
時々刻々変化する前記車両の速度を検出する速度検出手段と、
前記速度検出手段が検出した速度に基づいて、予め定められた監視速度から所定時間以内に所定速度以上の減速を検出すると、前記居眠りと判定する居眠り判定手段と、
前記居眠り判定手段が前記居眠りと判定すると、前記運転者に対して警告を発する警告手段と、
を備えることを特徴とする居眠り運転防止装置。 - 前記車両のブレーキが前記運転者によって操作されたか否かの識別が可能なブレーキ信号に基づいて、前記ブレーキの操作を検出するブレーキ操作検出手段をさらに備え、
前記ブレーキ操作検出手段が前記ブレーキの操作を検出すると、前記居眠り判定手段は、前記減速を検出しても前記居眠りと判定しない
ことを特徴とする請求項1に記載の居眠り運転防止装置。 - 前記居眠り判定手段が前記居眠りと判定すると、前記運転者の居眠りを当該車両の管理側に通知するための通知情報を生成する通知情報生成手段と、
前記通知情報生成手段が生成した通知情報を前記管理側に送信する送信手段と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の居眠り運転防止装置。 - 前記車両の現在位置を示す位置データを検出する位置データ検出手段をさらに備え、
前記通知情報生成手段は、前記居眠りとの判定に応じて前記位置データ検出手段が検出した位置データを有する前記通知情報を生成する
ことを特徴とする請求項3に記載の居眠り運転防止装置。 - 前記監視速度は、一般道路と高速道路との各々に対応した速度となっており、
前記車両が走行している道路が前記一般道路であるか前記高速道路であるかを検出する走行道路検出手段をさらに備え、
前記居眠り判定手段は、前記走行道路検出手段が検出した走行道路に対応した前記監視速度に基づいて前記検出を行う
ことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の居眠り運転防止装置。 - 前記居眠り防止を行うか否かを前記運転者に選択させる選択手段をさらに備え、
前記居眠り判定手段は、前記選択手段の前記選択に応じて前記検出を行う
ことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の居眠り運転防止装置。 - 請求項1〜6の何れかに記載の居眠り運転防止装置を備え、前記車両の運行状況に応じて発生する運行状況データを運行情報として運行情報記憶手段に収集する車両運行情報収集装置であって、
前記居眠り防止判定装置はさらに、前記居眠り判定手段が前記居眠りと判定したことを示す居眠りデータを生成する居眠りデータ生成手段を備え、
前記居眠り判定データ生成手段が生成した居眠りデータも前記運行情報として前記運行情報記憶手段に収集する
ことを特徴とする車両運行情報収集装置。 - 前記居眠り運転防止装置はさらに、前記運転者の操作に応じて前記警告手段の前記警告を停止させる警告停止手段と、前記警告手段が前記警告を開始してから前記警告停止手段によって停止されるまでの警告時間を計測する計測手段と、を備え、
前記居眠りデータ生成手段は、前記計測手段が計測した警告時間を有する前記居眠りデータを生成する
ことを特徴とする請求項7に記載の車両運行情報収集装置。
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