発光装置、白色発光装置、照明装置及び画像表示装置
技術分野
[0001] 本発明は、発光装置及び白色発光装置、並びに、それを用いた照明装置及び画 像表示装置に関する。中でも、発光ダイオード (LED)やレーザーダイオード (LD)等 の光源と、この光源からの光を吸収して異なる波長の光を発する蛍光体等の波長変 換材料とを組み合わせてなる発光装置及び白色発光装置、並びに、それを用いた 照明装置及び画像表示装置に関する。
背景技術
[0002] 従来より、窒化ガリウム (GaN)系発光ダイオード (LED)等の半導体発光素子と、 波長変換材料としての蛍光体とを組み合わせて構成される白色発光の発光装置が、 消費電力が小さく長寿命であるということが知られている。
[0003] しかし、この発光装置では、赤色領域(600nm以上)の光量が少な 、こと、及び青 緑色領域 (480ηπ!〜 510nm)の光量が少なく演色性が低 、ことが指摘されて 、る。 また、この発光装置は、高い光量を得るために発光装置に流す電流を増加させると、 発光装置で発せられる熱により蛍光体の温度が上昇することに伴って蛍光体の蛍光 強度が低下する、所謂温度消光現象が顕著になる。このため、この発光装置を使用 する場合、青色 LEDからの青色光と蛍光体からの黄色光との混色バランスがずれて 、白色発光装置の発光色が顕著にずれることなどがあった。更に、発光装置の平均 演色評価数 Raが低ぐまた、発光装置を使用する際の発光色の変移が大きくなり安 定な発光色が得にくいこともあり、より一層の改良が求められていた。
[0004] 発光装置の演色性が低いという点を改良すベぐ特許文献 1では、(Y Gd Ce
1— a— b a b
) (Al Ga ) O 系緑色蛍光体の発光色に加え、赤色成分を増大させるために(C
3 1 -c c 5 12
a Sr Eu ) S :Eu2+系赤色蛍光体を使用すること、及び、これらの蛍光体を青色
1— a— b a b
LEDで励起することにより白色合成光を発する発光装置が得られることを開示してい る。
[0005] また、非特許文献 1には、緑色蛍光体として SrGa S: Eu2+、赤色蛍光体として Zn
CdS :Ag, CIを使用した白色発光装置が開示されており、特許文献 2では、緑色蛍 光体として(Sr, Ca, Ba) (Al, Ga) S: Eu2+、赤色蛍光体として(Ca, Sr) S :Eu2+
2 4
を使用した白色発光装置が開示されて!ヽる。
[0006] さらに、特に白色発光装置に関して言えば、従来、照明や液晶ディスプレイ用バッ クライト等の光源として、冷陰極管などが使用されていた。ところが近年、これに代わ る光源として、青色光を発する発光素子と青色光を吸収し黄色光を発する波長変換 材料とを組み合わせた白色発光装置が開発された。この白色発光装置においては、 例えば、青色光を発する発光素子としては InGaN系の発光ダイオード (LED)力 黄 色光を発する波長変換材料としてはセリウムを添加したアルミン酸イットリウムが用い られている。しかし、従来の白色発光装置が発する光のスペクトルには本質的に青緑 色光成分及び赤色光成分が不足しており、このため、従来の白色発光装置は演色 性が低ぐまた、色再現性も低力つた。
[0007] これを解決するために、アルミン酸イットリウム(黄色光を発する波長変換材料)の成 分を調整して黄緑色光を発するように改良し、さらに、これに加えて青色光を吸収し 赤色光を発する物質をアルミン酸イットリウムに追加することで、白色発光装置が発 する光の赤色成分の不足を補!ヽ、演色性及び色再現性を改善することが提案されて いる。
また、非特許文献 1では、上記の通り、波長変換材料として、緑色蛍光体である Sr Ga S : Eu2+と赤色蛍光体である ZnCdS :Ag, C1とを使用した白色発光装置が提案
2 4
されている。
そのほか、非特許文献 2や特許文献 3などにおいても発光素子と波長変換材料とを 組み合わせた白色発光装置が提案されて 、る。
[0008] さらに、画像表示装置に関していえば、従来、看板や広告塔に用いられる大型ディ スプレイとして、 LED (発光ダイオード)を用いたカラーディスプレイが用いられて!/、る (特許文献 4)。また、投影面に像を投影して表示するプロジェクタ型のカラーディスプ レイとしても、 LEDを用いることが提案されている(特許文献 5)。このようなカラーディ スプレイ等の画像表示装置では、画素として LEDを用い、各 LEDから赤色、青色、 緑色などの画素に対応した色の光を発するようにして像を表示させていた。
[0009] さらに、このような画像表示装置に用いられる LEDとしては、通常、青色及び緑色 の画素用には InGaN系の LEDが使用され、また、赤色の画素用〖こは InAlGaP系の LEDが使用されていた。
特許文献 1:特開 2003 - 243715号公報
特許文献 2 :特表 2002— 531956号公報
特許文献 3 :特開 2004— 71726号公報
特許文献 4:特開平 7— 288341号公報
特許文献 5 :特開 2004— 184852号公報
非特許文献 1 :J. Electrochem. Soc. Vol. 150 (2003) pp. H57-H60 非特許文献 2 :板東完治 月刊ディスプレイ 2003年 4月号 pp. 20— 26 (2003) 発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0010] しかし、特許文献 1記載の従来技術によれば、これらの蛍光体の組合せによって白 色発光装置の演色性は改善されるものの、組み合わせる蛍光体のいずれもが温度 消光現象を顕著に示す物質であり、白色発光装置に流す電流値を高くするとこの発 光装置力 発せられる光束が低くなると共に発光色が大きく変移すると言う課題があ つた o
[0011] また、使用される赤色蛍光体が耐湿性の低い硫化物系赤色蛍光体であるため劣化 しゃすぐ加えてその合成が困難なために製造コストが高ぐこれを使用して得られる 白色発光装置は、耐久性が低く高価格になるという課題もあった。更に、使用される 緑色蛍光体の発光色が黄色に偏って 、るために青緑色領域の発光が不足し演色性 が劣ると言う課題もあった。
[0012] さらに、非特許文献 1や特許文献 2に記載の従来技術では、これらの蛍光体の組合 せによっても十分な光束と演色性が得られないこと、硫化物が白色発光装置の使用 時に劣化し易ぐまた、これらのいずれの蛍光体も温度消光が顕著に観察される物質 であるために、白色発光装置への電流増加時に発光色が大きく変移すると言う課題 かあつた。
[0013] 本発明は、前述の従来技術の課題を解決し、輝度及び演色性が高ぐ発光色の色
ずれの少ない発光装置を提供することを第 1の目的とする。即ち、本発明は、高い輝 度を有し、自然光により近ぐ発光光量増減に伴う発光色のずれの少ない発光装置、 及び、その発光装置を光源とする画像表示装置及び照明装置を提供するものである
[0014] また、本発明は、前述の従来技術の課題を解決し、発光効率および演色性が高ぐ 発光色の色ずれの少ない発光装置を提供することを第 2の目的とする。即ち、本発 明は、高い輝度を有し、自然光により近ぐ発光光量増減に伴う発光色のずれの少な い発光装置、および、その発光装置を光源とする照明装置と、画像形成装置を提供 するものである。
[0015] また、非特許文献 1, 2や特許文献 3に記載された白色発光装置をはじめ、従来の 白色発光装置の演色性は、未だ十分に高いものではな力つた。
本発明は上記の課題にも鑑みて創案されたもので、従来よりも演色性を向上させた 、発光素子等の光源と波長変換材料とを備える白色発光装置、並びに、それを用い た照明装置を提供することを第 3の目的とする。
[0016] また、従来の LED式のカラーディスプレイ等の画像表示装置にぉ 、ては、赤色の 画素として使用される LED (InAlGaP系 LEDなど)の温度上昇による発光強度低下 率力 緑色や青色等の非赤色の画素に使用される LED (InGaN系 LEDなど)の温 度上昇による発光強度低下率よりも大き力つた。したがって、従来の LED式の画像 表示装置は、気温が変化したり点灯後に時間の経過に伴って LEDが発熱したりした 場合に、表示される像の色調が変化して色ズレが生じる課題があった。
[0017] 例えば、「月刊ディスプレイ 2003年 4月号、 PP. 42〜46」によれば、 InGaN系青 色 LEDの、 25°Cにおける発光強度 I (B, 25)に対する 100°Cにおける発光強度 I (B , 100)の比 I (B, 100) /I (B, 25)は 95程度である。また、 InGaN系緑色 LEDの、 25°Cにおける発光強度 I (G, 25)に対する 100°Cにおける発光強度 I (G, 100)の比 I (G, 100) /I (G, 25)は 70程度である。これに対して、 AlInGaP系赤色 LEDの、 2 5°Cにおける発光強度 I (R, 25)に対する 100°Cにおける発光強度 I (R, 100)の比 1 ( R, 100) /I (R, 25)は 45程度である。このように、従来の LED式のカラーディスプレ ィ等の画像表示装置では、赤色 LEDを用いた赤色の画素は非赤色の画素よりも発
光強度が大きく低下し、画像表示装置の色調変化が生じ、色ズレが発生していた。
[0018] 上記のような色調変化を防止するため、発光色や LEDの温度を測定してフィード バック制御することにより色調の変化を補正するという技術も開発されているが(非特 許文献 5参照)、温度などの測定のためのセンサーやフィードバック回路は煩雑で、 それに要する費用が大きいため、カラーディスプレイ等の画像表示装置の価格を下 げることが難し力つた。
本発明は上記の課題にも鑑みて創案されたもので、温度変化による色ズレが少な い画像表示装置を提供することを第 4の目的とする。
課題を解決するための手段
[0019] 本発明者等は、前記課題を解決するべく鋭意検討した結果、以下の知見を見出し 、本発明を完成させた。
即ち、第 1に、本発明者等は、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、二つの異 なった特定温度における青色光での励起による輝度の比率が所定範囲であり、且つ 該特定温度における色度座表値の差が所定範囲内にある蛍光体混合物を用いるこ とにより、輝度が高ぐ演色性が高ぐ光量変化に伴う色ずれの少ない発光装置が得 られることを見出し、本発明に到達した。
[0020] 第 2に、本発明者等は、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、下記の三つの 特性をすベて満足する発光装置が上述の望ましい発光装置であることを見出した。 第 1は発光装置の発光効率が 321mZW以上であること。
第 2は平均演色評価数 Raが 85以上であること。
第 3は二つの異なる駆動電流値 17. 5AZcm2と 70AZcm2における色度座表値 の差が下記 (F)および (G)の範囲内にあること。
-0. 01≤x (17. 5) -x (70)≤0. 01 (F)
-0. 01≤y (17. 5) -y (70)≤0. 01 (G)
これらの条件を満たすことにより発光効率が高ぐ演色性が高ぐ光量変化に伴う色 ずれの少ない発光装置が得られることを見出し、本発明に到達した。
[0021] 第 3に、本発明者等は、上記の課題を解決するべく鋭意検討した結果、白色発光 装置が発する白色光の発光スペクトル形状を 500nmから 650nmの範囲において従
来よりも平坦にすることにより、白色発光装置の演色性を向上させることができること を見出し、本発明を完成させた。
[0022] 第 4に、本発明者等は、上記の課題を解決するべく鋭意検討した結果、赤色の画 素として、 InAlGaP系 LEDの代わりに、発光素子と、発光素子が発する光を吸収し て赤色に発光する高特性の蛍光体 (波長変換材料)を組み合わせて構成した赤色 画素用素子を用いることで、赤色、青色及び緑色の 3色の画素の発光強度の温度依 存性を揃えることができ、色調の変動の少なく色ズレが小さいカラーディスプレイを提 供することを見出し、本発明を完成させた。また、ここでいう高特性の蛍光体としては 、温度上昇による発光効率の低下が少なぐかつ、量子収率の高い蛍光体が好まし ぐさらに、蛍光体として使用することによる劣化が小さいものがより好ましい。
[0023] 即ち、本発明の要旨は、駆動電流を流通させると発光する光源と、該光源からの光 の少なくとも一部を吸収して異なる波長を有する光を発する少なくとも 1種類の波長 変換材料とを備える発光装置であって、 17. 5AZcm2の駆動電流密度で得られる 発光の色度座標値 Xを X (17. 5)、色度座標値 を (17. 5)とし、 70AZcm2の駆 動電流密度で得られる発光の色度座標値 Xを X (70)、色度座標値 (70)とした とき、下記式 (D)及び式 (E)を満足することを特徴とする発光装置に存する (請求項 D o
-0. 006≤x (17. 5) -x (70)≤0. 006 (D)
-0. 006≤y (17. 5) -y (70)≤0. 006 (E)
[0024] 本発明の別の要旨は、駆動電流を流通させると発光する光源と、該光源からの光 の少なくとも一部を吸収して異なる波長を有する光を発する少なくとも 1種類の波長 変換材料とを備える発光装置であって、該発光装置の効率が 321mZW以上であり、 平均演色評価数 Raが 85以上であり、 17. 5AZcm2の駆動電流密度で得られる発 光の色度座標値 Xを X (17. 5) , y^y (17. 5)とし、 70AZcm2の駆動電流密度で 得られる発光の色度座標値 Xを X (70)、 y^y (70)としたとき、色度座標値 xおよび y のずれ量、 [X (17. 5)— X (70) ]と [y (17. 5)— y (70) ]が下記式 (F)及び (G)を 満足することを特徴とする発光装置に存する (請求項 2)。
-0. 01≤x (17. 5) -x (70)≤0. 01 (F)
-0. 01≤y (17. 5) -y (70)≤0. 01 (G)
[0025] このとき、特殊演色評価数 Rは 64以上であることが好ま ヽ(請求項 3)。
9
また、該波長変換材料として、 2種類以上の蛍光体の混合物であって、 25°Cにお いてピーク波長 455nmの青色光で励起して得られる蛍光の輝度を BR (25)、色度 座標値 Xを X (25)、色度座標値 yを y (25)とし、 125°Cにおいてピーク波長 455nm
2 2
の青色光で励起して得られる蛍光の輝度を BR (125)、色度座標値 Xを X (125)、色
2 度座標値 y^y (125)としたとき、下記式 (A)、 (B)及び (C)を満足する蛍光体混合
2
物を用いることが好まし 、(請求項 4)。
0. 85≤BR(125) /BR (25)≤1. 15 (A)
-0. 03≤x (25) -x (125)≤0. 03 (B)
2 2
-0. 03≤y (25) -y (125)≤0. 03 (C)
2 2
[0026] さらに、波長変換材料として、 500ηπ!〜 550nmの波長範囲に蛍光強度のピーク 値を有する緑色系蛍光体の少なくとも一種を含有することが好ましい (請求項 5)。 また、波長変換材料として、 610ηπ!〜 680nmの波長範囲に蛍光強度のピーク値 を有する赤色系蛍光体の少なくとも一種を含有することも好ましい(請求項 6)。
[0027] 本発明の更に別の要旨は、前記の発光装置を備えることを特徴とする照明装置に 存する (請求項 7)。
本発明の更に別の要旨は、前記の発光装置を備えることを特徴とする画像表示装 置に存する(請求項 8)。
[0028] 本発明の更に別の要旨は、光源と、該光源力 の光の少なくとも一部を吸収して異 なる波長を有する光を発する少なくとも 1種類の波長変換材料とを備え、該波長変換 材料が発する光を含む白色光を発する白色発光装置であって、上記白色光の発光 スペクトルの、 500nmから 650nmの所定波長範囲における最大発光強度力 上記 所定波長範囲における最小発光強度の 150%以下であることを特徴とする白色発光 装置に存する (請求項 9)。
[0029] このとき、該波長変換材料の 100°Cにおける輝度力 該波長変換材料の 25°Cにお ける輝度の 80%以上であることが好ま ヽ (請求項 10)。
[0030] また、該白色発光装置は、該光源の発光ピーク波長の光に対する、該波長変換材
料の吸光度が 50%以上であり、かつ、該波長変換材料の内部量子効率が 40%以 上であることが好ま 、 (請求項 11)。
[0031] 本発明の更に別の要旨は、前記の白色発光装置を備えることを特徴とする照明装 置に存する(請求項 12)。
[0032] 本発明の更に別の要旨は、赤色の画素と、少なくとも 1つの非赤色の画素とを備え た画像表示装置であって、該赤色の画素が、赤色画素用発光素子、及び、蛍光体 温度依存係数が 85以上の赤色蛍光体を有する赤色発光装置を備え、該非赤色の 画素が、青色画素用発光素子を備える青色の画素、及び Z又は、緑色画素用発光 素子、及び、蛍光体温度依存係数が 85以上である緑色蛍光体を有する緑色の画素 を備え、該赤色の画素の 25°Cにおける発光強度を I (R, 25)、 100°Cにおける発光 強度を I (R, 100)とし、該非赤色の画素の 25°Cにおける発光強度を I (N, 25)、 100 °Cにおける発光強度を I (N, 100)とした場合に、 I (R, 100) /I (R, 25)に対する I ( N, 100) /I (N, 25)の比率が 90%以上であることを特徴とする画像表示装置に存 する(請求項 13)。
発明の効果
[0033] 本発明によれば、以下の効果のうちの少なくとも 1つを得ることができる。
即ち、第 1に、本発明の輝度及び色度座表値に関する所定の関係式を満たす特性 を有する蛍光体混合物を使用することにより、輝度と演色性が高く光量増減に伴う色 ずれの少ない発光装置を得ることができ、またその発光装置を光源とし、発光色域で の色再現性に優れ、十分な明るさを有する画像表示装置及び照明装置を提供する ことができる。
[0034] 第 2に、本発明によれば、高い輝度を有し、自然光により近ぐ発光光量増減に伴う 発光色のずれの少ない発光装置、並びに、その発光装置を光源とする照明装置及 び画像表示装置が提供される。
[0035] 第 3に、本発明によれば、演色性に優れた白色発光装置、並びに、それを用いた 照明装置を得ることができる。
[0036] 第 4に、本発明の画像表示装置によれば、温度変化による色ズレを少なくすること ができる。
図面の簡単な説明
[図 1]図 1は、本発明の第 1の発光装置に関する図面であって、波長変換材料として の本発明の蛍光体混合物と、半導体発光素子とから構成される発光装置の一実施 例を示す模式的断面図である。
[図 2]図 2は、本発明の第 1の発光装置に関する図面であって、図 1に示す発光装置 を組み込んだ面発光照明装置の一実施例を示す模式的断面図である。
[図 3]図 3は、本発明の第 2の発光装置に関する図面であって、本発明の第 2の発光 装置の第 1の実施形態としての発光装置の要部を模式的に示す断面図である。
[図 4]図 4は、本発明の第 2の発光装置に関する図面であって、本発明の第 2の発光 装置の第 2の実施形態としての発光装置の要部を模式的に示す断面図である。
[図 5]図 5は、本発明の第 2の発光装置に関する図面であって、図 3に示す発光装置 を組み込んだ面発光照明装置の一実施例を示す模式的断面図である。
[図 6]図 6は、本発明の白色発光装置の一実施形態としての白色発光装置の模式的 な断面図である。
[図 7]図 7は、本発明の白色発光装置の一実施形態としての白色発光装置の模式的 な断面図である。
[図 8]図 8は、本発明の白色発光装置の一実施形態としての白色発光装置の模式的 な断面図である。
[図 9]図 9は、本発明の白色発光装置の一実施形態としての面発光照明装置の模式 的な断面図である。
[図 10]図 10は、本発明の白色発光装置の一実施形態としての白色発光装置を用い た表示装置の模式的な断面図である。
[図 11]図 11は、本発明の画像表示装置の一実施形態としてのカラーディスプレイの 要部の構造を示す模式的な断面図である。
[図 12]図 12は、本発明の画像表示装置の一実施形態について説明するもので、赤 色発光装置の要部を模式的に示す断面図である。
[図 13]図 13は、本発明の画像表示装置の一実施形態について説明するもので、本 実施形態に力かる非赤色の画素の一つである緑色の画素として用いる緑色発光装
置の要部を模式的に示す断面図である。
[図 14]図 14は、本発明の画像表示装置の一実施形態について説明するもので、本 実施形態に力かる非赤色の画素の一つである青色の画素として用いる青色発光装 置の要部を模式的に示す断面図である。
[図 15]図 15は、本発明の画像表示装置の一実施形態としてのプロジェクタ型のカラ 一ディスプレイの要部を模式的に示す図である。
[図 16]図 16は、応用例の画像表示装置の第 1実施形態としての画像表示装置の要 部を模式的に示す分解断面図である。
[図 17]図 17は、応用例の画像表示装置の第 2実施形態としての画像表示装置の要 部を模式的に示す分解断面図である。
[図 18]図 18は、応用例の画像表示装置の第 3実施形態としての画像表示装置の要 部を模式的に示す分解断面図である。
[図 19]図 19は、実施例 1 1の蛍光体混合物と従来の製品である擬白色発光装置に 組み込まれているイットリウムアルミニウムガーネット系蛍光体 (Y, Gd) Al O
3 5 12: Ce の蛍光の輝度の温度依存性を示す。図中、実線は実施例 1 1の蛍光体混合物、点 線はイットリウムアルミニウムガーネット系蛍光体を表す。
[図 20]図 20は、実施例 2— 1の発光装置の発光スペクトルを示す図である。
[図 21]図 21は、実施例 2— 2の発光装置の発光スペクトルを示す図である。
[図 22]図 22は、比較例 2— 1の発光装置の発光スペクトルを示す図である。
[図 23]図 23は、実施例 3— 1で測定した、表面実装型白色発光装置から発せられた 光の発光スペクトルである。
[図 24]図 24は、実施例 3— 2で測定した、表面実装型白色発光装置から発せられた 光の発光スペクトルである。
[図 25]図 25は、比較例 3— 1で測定した、表面実装型白色発光装置から発せられた 光の発光スペクトルである。
[図 26]図 26は、実施例 4 1で測定した、赤色発光装置の発光スペクトルである。
[図 27]図 27は、実施例 4 1で測定した、緑色発光装置の発光スペクトルである。
[図 28]図 28は、実施例 4 1で測定した、青色発光装置の発光スペクトルである。
[図 29]図 29は、実施例 4 2で測定した、フルカラー表示装置を構成する赤色発光 装置、緑色発光装置及び青色発光装置の発光スペクトルである。
[図 30]図 30は、実施例 5— 1及び比較例 5— 1で測定した蛍光体の輝度保持率を示 すグラフである。
[図 31]図 31は、実施例 5— 2及び比較例 5— 2で測定した蛍光体の輝度保持率を示 すグラフである。
符号の説明
[0038] 1 発光装置
2 マウントリード
3 インナーリード
4 半導体発光素子
5 蛍光体含有樹脂部
6 導電性ワイヤ
7 モールド部材
8 面発光照明装置
9 拡散板
10 保持ケース
[0039] 101, 110 発光装置
102, 112 クレーム
103, 113 青色 LED
104, 114 蛍光発光部
105, 115 銀ペースト
109 面発光照明装置
109A 保持ケース
109B 拡散板
[0040] 201 白色発光装置
202 発光素子
203, 204 波長変換材料
205 フレーム
2 〇05 A 凹部
206, 207 導電性端子
208 ワイヤ
209, 209a, 209B ノ インダ
210 梁
211 面発光照明装置
212 保持ケース
213 拡散板
221 表示装置
222 導光板
223 反射フィルム
224 拡散板
225 像形成ユニット
赤色の画素
302 緑色の画素(非赤色の画素)
303 青色の画素(非赤色の画素)
311 赤色発光装置
312, 322, 332 フレーム
313 赤色画素用発光素子
314 赤色蛍光体
315, 316, 325, 326, 335, 336 導電性端子
317, 327, 337 ワイヤ
318, 328 パインダ
321 緑色発光装置
323 緑色画素用発光素子
324 緑色蛍光体
331 青色発光装置
333 青色画素用発光素子
338, 403 モーノレド
400, 507 単位画素
401, 501 基板
402 カバー部材
502 光分配レンズ
503 重ね合わせレンズ
504 透過型 LCD
505 投影レンズ
506 スクリーン
[0042] 601, 601/ , 601〃 表示装置
602 光源
603R, 603G 蛍光体部
603B 光透過部
604 フレーム
605 偏光子
606 光シャッター
607 検光子
631 透明基板
632 ブラックマ卜リックス
661, 663 透明電極
662 液晶層
発明を実施するための最良の形態
[0043] [I.第 1の発光装置に関する説明]
以下、本発明の第 1の発光装置について説明する。ただし、以下に記載する構成 要件の説明は、本発明の第 1の発光装置の実施態様の代表的な一例であり、本発 明の第 1の発光装置は、これらの内容に限定されるものではない。
本発明の第 1の発光装置は、光源と、該光源力 の光の少なくとも一部を吸収して
異なる波長を有する光を発する少なくとも 1種類の波長変換材料とを備える発光装置 である。
ここで、光源としては、駆動電流を流通させた場合に発光するものであれば任意の 光源を使用することができる。例えば、可視光を発光する半導体発光素子、例えば L EDや LD等の半導体発光素子を使用することができる。
また、本発明の第 1の発光装置に用いる波長変換材料は、光源力もの光の少なくと も一部を吸収して、異なる波長を有する光を発するものであれば任意の波長変換材 料を用いることができる。通常、波長変換材料としては、蛍光体を少なくとも 2種類含 む蛍光体混合物を使用する。
さらに、本発明の第 1の発光装置は、半導体発光素子等の光源の発する可視光を 吸収して、より長波長の可視光を発する波長変換材料を備えた、高輝度で演色性が 高く光量増減に伴う色ずれの少ない発光装置である。そのため、このような特性を有 する本発明の第 1の発光装置は、カラー液晶ディスプレイ等の画像表示装置や面発 光等の照明装置等に好適に用いることができる。
[0044] [I 1.第 1の発光装置の特性]
本発明の第 1の発光装置は、 17. 5AZcm2の駆動電流密度で得られる発光の色 度座標値 Xを X (17. 5)とし、 70AZcm2の駆動電流密度で得られる発光の色度座 標値 Xを X (70)としたとき、下記式 (D)を満足する発光装置である。
-0. 006≤x (17. 5) -x (70)≤0. 006 (D)
[0045] さらに、本発明の第 1の発光装置は、 17. 5AZcm2の駆動電流密度で得られる発 光の色度座標値 yを y (17. 5)とし、 70AZcm2の駆動電流密度で得られる発光の 色度座標値 (70)としたとき、下記式 (E)を満足する発光装置である。
-0. 006≤y (17. 5) -y (70)≤0. 006 (E)
[0046] すなわち、 17. 5AZcm2の駆動電流密度で得られる発光の色度座標値 Xと色度座 標値 yに対する 70AZcm2の駆動電流密度で得られる発光の色度座標値 Xと色度座 標値 yのずれ量、即ち色度座標値の差 [X (17. 5) -x (70) ]と [y (17. 5) -y (7 0) ]の両方が ±0. 006以内であることが好ましいのである。駆動電流密度の変化に 伴う発光の色度座標値のずれが ±0. 006よりも大きい場合には、発光光量を制御す
るために駆動電流密度を変化させると色ずれが大きくなつて、発光色が不安定となつ てしまうことがある。
[0047] この色度座標値 X及び色度座標値 yのずれ量は少ないほど良ぐそのずれ量 [X (1 7. 5)— X (70) ]と [y (17. 5)— y (70) ]の少なくともいずれか一方が ±0. 005以 内であることがより好ましぐ ±0. 004以内であることがより一層好ましぐ ±0. 003 以内であることが更に好ましい。また、そのずれ量 [X (17. 5) -x (70) ]と [V (17. 5)— y (70) ]の両者が ±0. 006以内であることが好ましぐ ±0. 005以内であるこ とがより好ましぐ ±0. 004以内であることがより一層好ましぐ ±0. 003以内である ことが更に好ましい。
[0048] [1- 2.第 1の発光装置の具体的構成の例]
本発明の第 1の発光装置を図面に基づいて説明する。図 1は、波長変換材料として の蛍光体と、光源としての半導体発光素子とから構成される第 1の発光装置の一実 施例を示す模式的断面図であり、図 2は、図 1に示す第 1の発光装置を組み込んだ 面発光照明装置の一実施例を示す模式的断面図である。図 1及び図 2において、 1 は第 1の発光装置、 2はマウントリード、 3はインナーリード、 4は半導体発光素子、 5 は蛍光体含有榭脂部、 6は導電性ワイヤ、 7はモールド部材、 8は面発光照明装置、 9は拡散板、 10は保持ケースである。
[0049] 本発明の第 1の発光装置 1は、図 1に示されるように、一般的な砲弾型の形態をなし 、マウントリード 2の上部カップ内には、 GaN系青色発光ダイオード等からなる半導体 発光素子 4が、その上を蛍光体含有榭脂部 5で被覆されることにより固定されている。 この蛍光体含有榭脂部 5は、蛍光体混合物等の波長変換材料をエポキシ榭脂ゃァ クリル樹脂等のバインダに混合、分散させ、カップ内に流し込むことにより形成される 。一方、半導体発光素子 4とマウントリード 2は銀ペースト等のマウント部材で導通され ており、半導体発光素子 4とインナーリード 3は、導電性ワイヤ 6で導通されており、こ れら全体がエポキシ榭脂等によるモールド部材 7で被覆、保護されてなる。
[0050] 図 2は、この発光装置 1を組み込んだ面発光照明装置 8を示すが、図 2に示される ように、照明装置内面を白色の平滑面等の光不透過性とした方形の保持ケース 10 の底面に、多数の発光装置 1を、その外側に発光装置 1の駆動のための電源及び回
路等(図示せず。)を設けて配置し、保持ケース 10の蓋部に相当する箇所に、乳白 色としたアクリル板等の拡散板 9を発光の均一化のために固定してなる。
そして、面発光照明装置 8を駆動して、発光装置 1の半導体発光素子 4に電圧を印 加することにより青色光等を発光させ、その発光の一部を、蛍光体含有榭脂部 5にお ける波長変換材料としての蛍光体混合物が吸収し、より長波長の光を発光し、一方、 蛍光体に吸収されなかった青色光等との混色により演色性の高い発光が得られ、こ の光が拡散板 9を透過して、図面上方に出射され、保持ケース 10の拡散板 9面内に おいて均一な明るさの照明光が得られることとなる。
同様に、本発明の第 1の発光装置は、カラー液晶ディスプレイ等の画像表示装置 の光源として組み込むことが出来る。
[0051] [1- 3.第 1の発光装置の構成要素]
ここで、本発明の第 1の発光装置に使用される光源及び波長変換材料について説 明する。ただし、本発明の第 1の発光装置は、光源及び波長変換材料以外の部材を 備えていても構わない。
[0052] [I 3— 1.第 1の発光装置の光源]
光源としては、駆動電流を流通させると発光するものであれば、特に制限は無いが 、紫外力 可視光領域に発光ピーク波長を有するものを使用することが好ましい。光 源の発光ピーク波長としては、通常 370nm以上、好ましくは 380nm以上、また、通 常 500nm以下、好ましくは 480nm以下の範囲が好ましい。この範囲の上限を上回 る場合や下限を下回る場合には、発光効率の高い発光装置を得るのが難しくなる。
[0053] この範囲に発光ピーク波長を有する励起光源であれば、半導体発光素子、ランプ、 電子ビーム、プラズマ、エレクト口ルミネッセンス素子などを使用することができるが、 特に発光ダイオード (LED)またはレーザーダイオード (LD)等の半導体発光素子を 用いることが好ましい。
[0054] 紫外から可視光領域に発光ピーク波長を有する半導体発光素子の材料としては、 例えば、窒化硼素(BN)、シリコンカーバイド(SiC)、 ZnSeや GaN、 InGaN、 InAlG aN、 AlGaN、 BAlGaN、 BInAlGaNなど種々の半導体を挙げることができる。また、 これらの元素に不純物元素として Siや Znなどを含有させ発光中心とすることもできる
。中でも、 In Al Ga N (式中、 0<X< 1、 0<Y< 1、 X+Y≤ 1)で表される、 Al
X Y 1 -X-Y
や Gaを含む窒化物半導体、あるいは Inや Gaを含む窒化物半導体(以下、「(In, Al , Ga) N系化合物半導体」と称する場合がある。)は、紫外領域から可視光の短波長 を効率よく発光可能であり、使用時の温度や駆動電流の変化に対しても安定に発光 可能であるため発光層の材料として好適である。
[0055] また、半導体発光素子の好ま 、構造としては、 MIS接合、 PIN接合や pn接合な どを有するホモ構造、ヘテロ構造あるいはダブルへテロ構成のものが挙げられる。半 導体発光素子では、半導体層の材料やその混晶比によって発光波長を種々選択す ることができる。また、活性層を量子効果が生ずる薄膜に形成させた単一量子井戸 構造や多重量子井戸構造とすることでより出力を向上させることもできる。
[0056] これらのうち(In, Al, Ga) N系化合物半導体を使用した(In, Al, Ga) N系 LEDや LDが好ましい。なぜなら、(In, Al, Ga) N系 LED等は、この領域の光を発する SiC 系 LED等に比し、発光出力や外部量子効率が格段に大きぐ前記蛍光体等の波長 変換材料と組み合わせることによって、非常に低電力で非常に明るい発光が得られ る力 である。例えば、 20mAの電流負荷に対し、通常(In, Al, Ga) N系は SiC系の 100倍以上の発光強度を有し、また GaAs系よりも使用時の温度や駆動電流の変化 に対して安定に発光可能である。(In, Al, Ga) N系 LED等においては、 Al Ga N
X, Y, 発光層、 GaN発光層、または In Ga N発光層を有しているものが好ましい。 GaN
X, Y,
系 LEDにおいては、それらの中で In Ga N発光層を有するものが発光強度が非常
X Y
に強いので、特に好ましく、(In, Al, Ga) N系 LDにおいては、 In Ga N層と GaN層
X Υ
の多重量子井戸構造のものが発光強度が非常に強いので、特に好ましい。
なお、上記において Χ+Υの値は通常 0. 8〜1. 2の範囲の値である。(In, Al, Ga ) N系 LEDにお!/、て、これら発光層に Znや Siをドープしたものやドーパント無しのも のが発光特性を調節する上で好まし 、ものである。
[0057] (In, Al, Ga) N系 LEDはこれら発光層、 p層、 n層、電極、および基板を基本構成 要素としたものであり、発光層を n型と p型の Al Ga N層、 GaN層、または In Ga N
X Υ X Υ
層などでサンドイッチにしたヘテロ構造を有しているものが発光効率が高いため好ま しぐさらにへテロ構造を量子井戸構造にしたものが発光効率がさらに高くいため、よ
り好ましい。基板としては、サファイア、スピネル、 SiC、 Si、 ZnO、 GaAs、 GaN等の 材料が好適に用いられ、特に、サファイア、 ZnO、 GaN等が好適に用いられる。
[0058] 半導体発光素子の形状や大きさは特に限定されないが、駆動電流の流通方向に 垂直な面が、 1辺が通常 100 μ m以上、好ましくは 200 μ m以上の角型のものを用い ることができる。例えば、 EPISTAR社製「ES— CEBL912」、 Cree社製「C460MB 」などを用いることができる。
また、半導体発光素子は 1個を単独で用いてもよぐ 2個以上の半導体発光素子を 併用しても良い。さらに、半導体発光素子は 1種類のみで用いてもよぐ 2種類以上の ものを併用しても良い。
[0059] 光源の駆動電流密度は、駆動電流の流通方向に垂直な面の単位面積あたりの駆 動電流のことであり、光源に流通させる駆動電流の値を駆動電流の流通方向に垂直 な面の面積で除することにより求めることができる。 2個以上の半導体発光素子を並 列に接続して用いる場合は、光源に流通させる駆動電流の値を駆動電流の流通方 向に垂直な面の面積の和で除することにより求めることができる。
また、光源は、必要に応じて、ヒートシンクを設ける、ノ ッケージを工夫する等により 熱を効率的に逃がすことができる構造とすることができる。
[0060] [1- 3- 2.第 1の発光装置の波長変換材料]
本発明の第 1の発光装置に用いる波長変換材料は、光源力もの光の少なくとも一 部を吸収して、吸収した光とは異なる波長を有する光を発する波長変換材料を任意 の用いることができる。どのような波長変換材料を使用するかは、第 1の発光装置の 用途等に応じて任意である。ただし、通常は、以下に説明する本発明に係る蛍光体 混合物を、波長変換材料として使用する。
[0061] 本発明に係る蛍光体混合物は、少なくとも 2種類以上の蛍光体を含有する蛍光体 混合物であって、該蛍光体混合物を、 25°Cにおいてピーク波長 455nmの青色光で 励起して得られる蛍光の輝度を BR (25)、色度座標値 Xを X (25)、色度座標値
2
(25)とし、 125°Cにおいてピーク波長 455nmの青色光で励起して得られる蛍光の
2
輝度を BR(125)、色度座標値 Xを X (125)、色度座標値 yを y (125)としたとき、下
2 2
記式 (A)、 (B)及び (C)を満足する蛍光体混合物である。
[0062] 0. 85≤BR(125) /BR (25)≤1. 15 (A)
-0. 03≤x (25) -x (125)≤0. 03 (B)
2 2
-0. 03≤y (25) -y (125)≤0. 03 (C)
2 2
[0063] 即ち、本発明に係る蛍光体混合物は、 25°Cにおいてピーク波長 455nmの青色光 で励起して得られる蛍光の輝度 [BR (25) ]に対する、 125°Cにおいて該青色光で励 起して得られる蛍光の輝度 [BR ( 125) ]の比率 [BR (125) /BR(25) ]は、上記式( A)を満足する。この比率が 0. 85未満の場合や 1. 15より大きい場合には、そのよう な蛍光体混合物を用いた白色発光装置などにおいて、それから得られる光量を変化 させるために青色 LEDに流す電流値を増減すると、得られる発光色が大きく変化し 安定な発光色を得ることができな 、虞がある。
[0064] これは、青色 LEDに流す電流量を増減させて青色光の光量を増減させた場合に、 青色 LED力 生じる発熱量の増減によって、青色 LEDの近傍に置かれる蛍光体の 温度が上下し、蛍光体からの蛍光強度が、青色 LEDの光量から期待される蛍光強 度から大きくずれてしまうためである。すなわち、白色発光装置の光量の増減を図ろ うとして青色 LEDに通電する電流量を増減すると、青色 LEDからの発光強度と蛍光 体からの蛍光強度の混色バランスが崩れて、得られる白色発光装置の発光色が大き く変化してしまうのである。
[0065] 従って、本発明に係る蛍光体混合物は、該輝度の比率[ !^(125) 781^(25) ]が 、通常 0. 85以上、好ましくは 0. 9以上、また、通常 1. 15以下、好ましくは 1. 1以下 、より好ましくは 1. 05以下である。このような輝度の比率を得るためには、蛍光体混 合物を構成する蛍光体としては、蛍光体の温度の上昇に伴 、蛍光強度が低下する V、わゆる温度消光現象の程度が小さ 、ものを選ぶことが好ま 、。
[0066] また、本発明に係る蛍光体混合物は、 25°Cにおいてピーク波長 455nmの青色光 で励起して得られる蛍光の色度座標値 Xを X (25)、色度座標値 (25)とし、 12
2 2
5°Cにおいてピーク波長 455nmの青色光で励起して得られる蛍光の色度座標値 Xを X (125)、色度座標値 yを y (125)としたとき、色度座標値 xの差 [x (25)—x (125
2 2 2 2
;) ]および色度座標値 yの差 [y (25) -y (125) ]は、式 (B)で表される—0. 03≤x
2 2 2
(25) - X (125)≤0. 03、及び、式(C)で表わされる一 0. 03≤y (25) -y (125)
≤0. 03をそれぞれ満足する。この色度座標値 X又は色度座標値 yの差が— 0. 03未 満の場合や 0. 03よりも大きい場合には、この蛍光体混合物を使用した白色発光装 置の光量増減にともなって顕著な色ずれを起こしてしまう虞がある。
[0067] この色度座標値 Xの差 [X (25) - X ( 125) ]および色度座標値 yの差 [y (25) -y
2 2 2 2
(125) ]は、蛍光体混合物中に含まれる 2種類以上の蛍光体のそれぞれの温度消光 の程度が大きく異なることによって引き起こされる。すなわち、発光色の異なる 2種類 以上の蛍光体を含む混合物において、蛍光体の温度消光の程度が異なる場合、例 えば、温度上昇に伴う蛍光強度の低下が一つの蛍光体は小さぐもう一つの蛍光体 は大きいとすると、それらの異なる発光強度を足し合わせた場合には、温度上昇に伴 つて発光色が変化し異なることとなる。
従って、蛍光体混合物の温度変化に伴う色度座標値 Xの差 [X (25) - X (125) ]
2 2 および色度座標値 yの差 [y (25)— y (125) ]はそれぞれ小さいほど、即ちゼロに近
2 2
いほど好ましく、通常は 0. 03以上、好ましくは 0. 02以上、より好ましくは 0. 0 15以上、また、通常 0. 03以下、好ましくは 0. 02以下、より好ましくは 0. 015以下で ある。
[0068] このような温度変化に伴う色度座標値 Xおよび色度座標値 yの差の小さ!/ヽ蛍光体混 合物を得るためには、混合物を構成する蛍光色の異なる複数の蛍光体は、その温度 消光による蛍光強度の変化率がほぼ一致していることが好ましい。温度消光による蛍 光強度の変化率がほぼ等しい蛍光体を組み合わせた際には、各蛍光体の蛍光強度 を足し合わせて得られる白色などの混合色が温度変化に関わりなくほぼ同一となり、 発光装置の光量変化に伴う温度変化による発光色のずれを少なくすることが可能と なる。
[0069] 本発明の第 1の発光装置の説明において、ピーク波長 455nmの青色光で蛍光体 混合物を励起して得られる輝度と色度座標値 X及び色度座標値 yを測定する際には 、ペルチェ素子による冷却機構とヒーターによる加熱機構とを備えており、感度補正 や波長補正を行った精度の高いダブルモノクロメーターを装備した蛍光分光光度計 を使用する。そして、冷却'加熱機構により制御して、予め 25°Cまたは 125°Cにおい て蛍光体の表面温度が一定となることを放射温度計により確認できるまで十分な時
間を保った後に、輝度と色度座標値を測定する。また、励起光である青色光の影響 を最小限に抑えるために、励起光の半値幅を 20nm以下に狭めると共に、 470nm未 満の蛍光スペクトルを使用せず、 470nm以上の蛍光スペクトルだけを使用して、 JIS Z 8724に定める 3刺激値を用いて輝度 Yと色度座標値 Xおよび色度座標値 yを算 出する。
[0070] [I 3— 2— 1.緑色系蛍光体]
色ずれの少な 、発光装置の中でも特に演色性の高!、発光装置を得るためには、 本発明の第 1の発光装置に用いる蛍光体混合物等の波長変換材料は、 500ηπ!〜 5 50nmの波長範囲に蛍光強度のピーク値を有する緑色系蛍光体の少なくとも一種を 含有することが好まし 、。この様な波長範囲に蛍光強度のピーク値を有する緑色系 蛍光体を使用することにより、青緑色、緑色、黄緑色などの緑色域についての色再現 性の高い発光装置を得ることが出来、更にはこの発光装置を用いることにより該緑色 域での色再現性に優れたディスプレイ用バックライト、画像表示装置 (ディスプレイ) や照明装置を得ることが可能となる。緑色蛍光体の蛍光強度のピーク値が 500nmよ り短波長の場合や 550nmより長波長の場合には、青色 LEDと組み合わせて使用す る際に緑色域の色再現性が低くなり好ましくない。
[0071] 本発明に係る波長変換材料が含有し得る少なくとも一種の 500nm〜550nmの波 長範囲に蛍光強度のピーク値を有する緑色系蛍光体としては、蛍光体混合物等の 波長変換材料としたときに、好ましくは前記式 (A)〜 (C)を満足するものであれば特 に制限されないが、酸化物、窒化物、酸窒化物が熱安定性が良いので好ましい。例 えば、 MSi N O : Euゝ M— Si— Al— O— N : Ceゝ M— Si— Al— O— N :Eu (ただし
2 2 2
Mは 1種又は 2種以上のアルカリ土類金属を表す。)、好ましくは、 SrSi N O : Eu、
2 2 2
Ca— Si— Al— O— N: Ce、 Ca— Si— Al— O— N :Eu等が挙げられる。また、他の例 としては下記一般式(1)又は(2)で表される母体結晶内に、発光中心イオンとして少 なくとも Ceを含有する蛍光体が、輝度が高ぐ緑色域での蛍光強度が高ぐ温度消 光が小さいので好ましい。
[0072] M1 M2 M3 O (1)
a b e d
ここで、 M1は 2価の金属元素、 M2は 3価の金属元素、 M3は 4価の金属元素をそれ
ぞれ示し、 a、 b、 c、 dはそれぞれ下記の範囲の数である。
2. 7≤a≤3. 3
1. 8≤b≤2. 2
2. 7≤c≤3. 3
11. 0≤d≤13. 0
[0073] M4 M5 O (2)
e f g
ここで、 M4は 2価の金属元素、 M5は 3価の金属元素をそれぞれ示し、 e、 f、 gはそ れぞれ下記の範囲の数である。
0. 9≤e≤l . 1
1. 8≤f≤2. 2
3. 6≤g≤4. 4
[0074] 以下、一般式(1)についてより詳しく説明する。
本発明で使用される好適な緑色蛍光体は、下記一般式(1)表される母体結晶内に 発光中心イオンとして少なくとも Ceを含有するものであり、式中 M1は 2価の金属元素 、 M2は 3価の金属元素、 M3は 4価の金属元素をそれぞれ示す。
M1 M2 M3 O (1)
a b e d
前記一般式(1)における M1は 2価の金属元素を表す力 発光効率等の面から、 M g、 Ca、 Zn、 Sr、 Cd、及び Baからなる群力 選択される少なくとも 1種であることが好 ましぐ Mg、 Ca、及び Znからなる群力も選択される少なくとも 1種であることが更に好 ましぐ Caが特に好ましい。この場合、 Caは単独系でもよぐ Mgとの複合系でもよい 。 M1は、基本的には、ここに例示された好ましいとされる元素力 選択されることが好 ましいが、性能を損なわない範囲で、他の 2価の金属元素を含んでいてもよい。
[0075] また、一般式(1)における M2は 3価の金属元素である力 上記と同様に発光効率 等の面から、 Al、 Sc、 Ga、 Y、 Ιη、 La、 Gd、及び Luからなる群から選択される少なく とも 1種であることが好ましぐ Al、 Sc、 Y、及び Lu力もなる群力も選択される少なくと も 1種であるのが更に好ましぐ Scが特に好ましい。この場合、 Scは単独系でもよぐ Yまたは Luとの複合系でもよい。 M2は、基本的には、ここに例示された好ましいとさ れる元素から選択されることが好ましいが、性能を損なわない範囲で、他の 3価の金
属元素を含んで 、てもよ 、。
[0076] 一般式(1)における M3は 4価の金属元素である力 発光効率等の面から、少なくと も Siを含むことが好ましぐ通常、 M3で表される 4価の金属元素の 50モル%以上が S iであり、好ましくは 70モル%以上、更に好ましくは 80モル%以上、特に 90モル%以 上が Siであることが好ましい。 M3の Si以外の 4価の金属元素としては、 Ti、 Ge、 Zr、 Sn、及び Hfからなる群力 選択される少なくとも 1種であることが好ましぐ Ti、 Zr、 S n、及び Hfからなる群力も選択される少なくとも 1種であることがより好ましぐ Snであ ることが特に好ましい。特に、 M3が Siであることが好ましい。 M3は、基本的には、ここ に例示された好まし 、とされる元素力もなることが好ま 、が、性能を損なわな 、範囲 で、他の 4価の金属元素を含んでいてもよい。
なお、ここで、性能を損なわない範囲で含むとは、
M
2及び M
3それぞれの 金属元素に対し、他元素を、通常 10モル%以下、好ましくは 5モル%以下、より好ま しくは 1モル%以下で含むことを ヽぅ。
[0077] 上記一般式(1)において、 a、 b、 c、 dはそれぞれ下記の範囲の数である。
2. 7≤a≤3. 3
1. 8≤b≤2. 2
2. 7≤c≤3. 3
11. 0≤d≤13. 0
[0078] 本発明に好適に用いられる緑色蛍光体は、上記一般式(1)で表される母体結晶内 に発光中心イオン元素として少なくとも Ceを含有し、発光中心イオン元素が、 M\ M M3のいずれかの金属元素の結晶格子の位置に置換する力、或いは、結晶格子 間の隙間に配置する等により、 a〜dの値は上記範囲の中で変動する力 本蛍光体 の結晶構造はガーネット結晶構造であり、 a = 3、 b = 2、 c = 3、 d= 12の体心立方格 子の結晶構造をとるのが一般的である。
[0079] また、この結晶構造の化合物母体内に含有される発光中心イオン元素としては、少 なくとも Ceを含有し、発光特性の微調整のために Cr、 Mn、 Fe、 Co、 Ni、 Cu、 Pr、 N d、 Sm、 Eu、 Tb、 Dy、 Ho、 Er、 Tm、及び Ybからなる群から選択された 1種以上の 2 価〜 4価の元素を含ませることも可能である。特に、 Mn、 Fe、 Co、 Ni、 Cu、 Pr、 Sm
、 Eu、 Tb、 Dy、及び Ybからなる群から選択された 1種以上の 2価〜 4価の元素を含 ませることが可能であり、 2価の Mn、 2価〜 3価の Eu、 3価の Tb、又は 3価の Prを好 適〖こ含有させることができる。
[0080] 発光中心イオン (付活剤)としての Ceの添加量は適切に調節することが望ましい。 C e添加量力 、さすぎると発光するイオンが少なすぎて発光強度が低ぐ大きすぎると 濃度消光が大きくなつて発光強度が下がる。発光強度の観点から、 Ceの濃度は、上 記一般式(1)で表される母体結晶 1モルに対してモル比で 0. 0001以上、 0. 3以下 の範囲が好ましぐ 0. 001以上、 0. 1以下の範囲がより好ましぐ 0. 005以上、 0. 0 5以下の範囲が更に好ましい。
[0081] なお、一般式(1)で表される母体結晶内に発光中心イオンとして少なくとも Ceを含 有する蛍光体は、通常 420nm〜480nmの光で励起される。発光スペクトルは、 500 nm〜510nmにピークを持ち、 450nm〜650nmの波長成分を有する。
[0082] 次に、一般式 (2)についてより詳しく説明する。
本発明の好適な緑色蛍光体は、下記一般式 (2)表される母体結晶内に発光中心 イオンとして少なくとも Ceを含有するものであり、ここで、 M4は 2価の金属元素、 M5は 3価の金属元素をそれぞれ示す。
M4 M5 O (2)
e f g
また、前記一般式(2)における M4は 2価の金属元素である力 発光効率等の面か ら、 Mg、 Ca、 Zn、 Sr、 Cd、及び Baからなる群力 選択される少なくとも 1種であること が好ましぐ Mg、 Sr、 Ca、及び Zn力 なる群力 選択される少なくとも 1種であること が更に好ましぐ Sr又は Caがより好ましぐ Caが特に好ましい。この場合、 Caは単独 系でもよぐ Mgとの複合系でもよい。 M4は、基本的にはここに例示された好ましいと される元素力 選択されるのが好ましいが、性能を損なわない範囲で、他の 2価の金 属元素を含んで 、てもよ 、。
[0083] また、一般式(2)における M5は 3価の金属元素である力 発光効率等の面から、 A1 、 Sc、 Ga、 Y、 In、 La、 Gd、及び Luからなる群から選択される少なくとも 1種であるこ とが好ましぐ Al、 Sc、 Y、及び Luからなる群力も選択される少なくとも 1種であること が更に好ましぐ Scが特に好ましい。この場合、 Scは単独系でもよぐ Yまたは Luとの
複合系でもよい。 M5は基本的には、ここに例示された好ましいとされる元素力も選択 されるのが好ましいが、性能を損なわない範囲で、他の 3価の金属元素を含んでいて ちょい。
なお、ここで、性能を損なわない範囲で含むとは、上記 M4、 M5それぞれの金属元 素に対し、他元素を、通常 10モル%以下、好ましくは 5モル%以下、より好ましくは 1 モル%以下で含むことを言う。
[0084] 上記一般式(2)において、 e、 f、 gで表される元素比は、それぞれ下記の範囲の数 であることが、発光特性の面で好ましい。
0. 9≤e≤l . 1
1. 8≤f≤2. 2
3. 6≤g≤4. 4
[0085] 本発明に好適に用いられる緑色蛍光体は、前記一般式(2)で表される母体結晶内 に発光中心イオン元素として少なくとも Ceを含有し、発光中心イオン元素が、 M4、 M 5のいずれかの金属元素の結晶格子の位置に置換する力、或いは、結晶格子間の隙 間に配置する等により、 e〜gの値は前記範囲の中で変動する力 e= l、 f= 2、 g = 4 であることが好ましい。
[0086] また、この結晶構造の化合物母体内に含有される発光中心イオン元素としては、少 なくとも Ceを含有し、発光特性の微調整のために Cr、 Mn、 Fe、 Co、 Ni、 Cu、 Pr、 N d、 Sm、 Eu、 Tb、 Dy、 Ho、 Er、 Tm、及び Ybからなる群から選択された 1種以上の 2 価〜 4価の元素を含ませることも可能であり、特に、 Mn、 Fe、 Co、 Ni、 Cu、 Pr、 Sm 、 Eu、 Tb、 Dy、及び Ybからなる群から選択された 1種以上の 2価〜 4価の元素を含 ませることが可能であり、 2価の Mn、 2価〜 3価の Eu、 3価の Tb、又は 3価の Prを好 適に添力!]できる。
[0087] 発光中心イオン (付活剤)としての Ceの添加量は適切に調節することが望ましい。 C e添加量力 、さすぎると発光するイオンが少なすぎて発光強度が低ぐ大きすぎると 濃度消光が大きくなつて発光強度が下がる。発光強度の観点から、 Ceの濃度は、上 記一般式(2)で表される母体結晶 1モルに対してモル比で 0. 0001以上、 0. 3以下 の範囲が好ましぐ 0. 001以上、 0. 1以下の範囲がより好ましぐ 0. 005以上、 0. 0
5以下の範囲が更に好ましい。
[0088] 一般式(2)で表される母体結晶内に発光中心イオンとして少なくとも Ceを含有する 蛍光体の中では、特に Ca Sc Si O : Ce、 Mgを添加した Ca Sc Si O : Ceが好ま
3 2 3 12 3 2 3 12 しい。
これらの中でも、 Mgを添カ卩したものが好ましぐ特に Mgの濃度が母体結晶 1モル に対して 0. 001以上、好ましくは 0. 01上、また、 0. 5以下、好ましくは 0. 3以下であ るものが好ましい。このような蛍光体としては、例えば、 Ca Ce Sc Mg Si
2. 97 0. 03 1. 97 0. 03 3
O 、 Ca Ce Sc Mg Si O 、 Ca Ce Sc Mg Si O 、 Ca
12 2. 97 0. 03 1. 94 0. 06 3 12 2. 94 0. 03 1. 94 0. 06 3 12 2. 94
Ce Sc Mg Si O 、 Ca Ce Sc Mg Si O 、 Ca Ce Sc
0. 06 1. 97 0. 03 3 12 2. 94 0. 06 1. 94 0. 06 3 12 2. 94 0. 06 1. 9
Mg Si O 、 Ca Ce Sc Mg Si O 、 Ca Ce Sc Mg Si O な
0. 1 3 12 2. 9 0. 1 1. 97 0. 03 3 12 2. 9 0. 1 1. 94 0. 06 3 12 どが挙げられる。
[0089] また、一般式 (2)で表される母体結晶内に発光中心イオンとして少なくとも Ceを含 有する蛍光体の中では、特に Ce Ca Sc O、 Ce Ca Sc O , Ce C
0. 01 0. 99 2 4 0. 007 0. 993 2 4 0. 013 a Sc Oが好ましい。 Caの一部を Srで置換した Ce Ca Sr Sc O、 Ce
0. 987 2 4 0. 01 0. 94 0. 05 2 4 0.
Ca Sr Sc O、Ce Ca Sr Sc Oも好ましい蛍光体の例である。また
01 0. 89 0. 1 2 4 0. 01 0. 84 0. 15 2 4
、 Srを増加させることにより緑色の色純度を向上させることができるので画像表示装 置として使用する場合に好ましい。
これらの蛍光体は、発光ピーク波長が比較的長波長であり、また輝度が高いため好 ましい。
なお、これらの蛍光体は、 1種類を単独で用いてもよぐ 2種類以上を任意の組み合 わせ及び比率で併用してもょ 、。
[0090] [1- 3- 2- 2.赤色系蛍光体]
本発明の第 1の発光装置において、色ずれの少な!/、発光装置の中でも特に演色 性の高い発光装置を得るためには、発光装置に用いる蛍光体混合物等の波長変換 材料が、 610ηπ!〜 680nmの波長範囲に蛍光強度のピーク値を有する赤色系蛍光 体を少なくとも一種含有することが好ましい。この様な波長範囲に蛍光強度のピーク 値を有する赤色系蛍光体を使用することにより、橙色、赤色、深赤色などの赤色域に ついての色再現性の高い発光装置を得ることができ、更にはこの発光装置を用いる
ことにより該赤色域での色再現性に優れたディスプレイ用バックライト、画像表示装置 (ディスプレイ)や照明装置を得ることが可能となる。蛍光強度のピーク値が 610nmよ り短波長の場合には、青色 LEDと組み合わせて使用する際に赤色域の色再現性が 低くなり、 680nmより長波長の場合には演色性は高くなるが、輝度が低くなる傾向に ある。
[0091] 本発明に係る波長変換材料が含有し得る少なくとも一種の 6 ΙΟηπ!〜 680nmの波 長範囲に蛍光強度のピーク値を有する赤色系蛍光体としては、蛍光体混合物等の 波長変換材料としたときに、好ましくは前記式 (A)〜 (C)を満足するものであれば特 に制限されないが、酸化物、窒化物、酸窒化物が、熱安定性が良いので好ましい。 例えば、 MSi N : Eu、 M Si N: Eu、(ただし、 Mは 1種又は 2種以上のアルカリ土
7 10 2 5 8
類金属を表す。)、好ましくは、 BaSi N : Eu、 (Ca, Ba, Sr) Si N : Eu等が挙げら
7 10 2 5 8
れる。また、他の例としては、下記一般式(3)で表される蛍光体であり、該蛍光体混 合物等の波長変換材料はこの蛍光体を含有することにより、輝度が高ぐ赤色域での 蛍光強度が高ぐ温度消光が小さいので好ましい。
[0092] M A D E X · · ·式(3)
a b c d e
上記一般式(3)において、 Mは、 Mn、 Ce、 Pr、 Nd、 Sm、 Eu、 Tb、 Dy、 Ho、 Er、 Tm、及び Yb力もなる群力も選ばれる 1種または 2種以上の元素であって、 Aは、 M 元素以外の 2価の金属元素からなる群力 選ばれる 1種または 2種以上の元素を表 わし、 Dは、 4価の金属元素力 なる群力 選ばれる 1種または 2種以上の元素を表 わし、 Eは、 3価の金属元素からなる群力も選ばれる 1種または 2種以上の元素を表わ し、 Xは、 0、 N、 F力もなる群から力も選ばれる 1種または 2種以上の元素を表わす。
[0093] また、上記一般式(3)中、 a、 b、 c、 d、及び eはそれぞれ下記範囲の数である。
0. 00001≤a≤0. 1
a + b = l
0. 5≤c≤4
0. 5≤d≤8
0. 8 X (2/3+4/3 X c + d)≤e
e≤l. 2 X (2/3+4/3 X c + d)
[0094] 上記一般式 (3)にお!/、て、 Mは、 Mn、 Ce、 Pr、 Nd、 Sm、 Eu、 Tb、 Dy、 Ho、 Erゝ Tm、及び Yb力 なる群力 選ばれる 1種または 2種以上の元素である力 中でも、 Mn、 Ce、 Sm、 Eu、 Tb、 Dy、 Er、及び Ybからなる群から選ばれる 1種または 2種以 上の元素であることが好ましぐ少なくとも Euを含むものであることが更に好ましい。
[0095] また、上記一般式(3)にお 、て、 Aは、 M元素以外の 2価の金属元素からなる群か ら選ばれる 1種または 2種以上の元素である力 中でも、 Mg、 Ca、 Sr、及び Baからな る群力 選ばれる 1種または 2種以上の元素であることが好ましく、 Caであることが更 に好ましい。
[0096] さらに、上記一般式(3)において、 Dは、 4価の金属元素力 なる群力 選ばれる 1 種または 2種以上の元素であるが、中でも、 Si、 Ge、 Sn、 Ti、 Zr、及び Hfからなる群 力 選ばれる 1種または 2種以上の元素であることが好ましぐ Siであることが更に好 ましい。
[0097] また、上記一般式(3)にお 、て、 Eは、 3価の金属元素からなる群から選ばれる 1種 または 2種以上の元素であるが、中でも、 B、 Al、 Ga、 In、 Sc、 Y、 La、 Gd、及び Lu 力もなる群力 選ばれる 1種または 2種以上の元素であることが好ましぐ Alであること が更に好ましい。
[0098] さらに、上記一般式(3)において、 Xは、 0、 N、及び F力もなる群力も力も選ばれる 1種または 2種以上の元素である力 中でも、 N、または Nと O力もなることが好ましい 。 Xが Nと Oからなる場合、蛍光体中の Oと(O+N)の比が 0く { (Oの原子数) Z(0 の原子数 +Nの原子数) }≤0. 5が好ましい。この値が、この範囲を超えて大きすぎる と発光強度が低くなる虞がある。発光強度の観点力 は、この値は、 0. 3以下がより 好ましぐ 0. 1以下が発光波長 640ηπ!〜 660nmに発光ピーク波長を持つ色純度の 良い赤色蛍光体となるので、更に好ましい。また、この値を 0. 1〜0. 3とすることによ り発光ピーク波長を 600ηπ!〜 640nmに調整することができ、人間の視感度が高!ヽ 波長域に近づくために輝度の高 、発光装置が得られるので、別の観点から好ま ヽ また、上記一般式(3)において、 aは発光中心となる元素 Mの含有量を表し、蛍光 体中の Mと(M+A)の原子数の比 a{ただし、 a= (Mの原子数) Z (Mの原子数 +A
の原子数)}が 0. 00001以上 0. 1以下となるようにするのがよい。 a値が 0. 00001よ り小さいと発光中心となる Mの数が少ないため発光輝度が低下する虞がある。 a値が 0. 1より大きいと Mイオン間の干渉により濃度消光を起こして輝度が低下する虞があ る。中でも、 Mが Euの場合には発光輝度が高くなる点で、 a値が 0. 002以上 0. 03 以下であることが好ましい。
[0099] さらに、上記一般式(3)において、 cは Siなどの D元素の含有量であり、 0. 5≤c≤ 4で示される量である。好ましくは、 0. 5≤c≤l. 8,さらに好ましくは c= lがよい。 cが 0. 5より小さい場合および 4より大きい場合は、発光輝度が低下する虞がある。また、 0. 5≤c≤l. 8の範囲は発光輝度が高ぐ中でも c = lが特に発光輝度が高い。
[0100] さらに、上記一般式(3)において、 dは A1などの E元素の含有量であり、 0. 5≤d≤ 8で示される量である。好ましくは、 0. 5≤d≤l. 8,さらに好ましくは d= lがよい。 d 値が 0. 5より小さい場合および 8より大きい場合は発光輝度が低下する虞がある。ま た、 0. 5≤d≤l. 8の範囲は発光輝度が高ぐ中でも d= lが特に発光輝度が高い。
[0101] さらに、上記一般式(3)において、 eは Nなどの X元素の含有量であり、 0. 8 X (2/ 3+4Z3 X c + d)以上 1. 2 X (2Z3+4Z3 X c + d)以下で示される量である。さら に好ましくは、 e = 3がよい。 eの値が上記範囲外となると、発光輝度が低下する虞が ある。
[0102] 以上の組成の中で、発光輝度が高く好ましい組成は、少なくとも、 M元素に Euを含 み、 A元素に Caを含み、 D元素に Siを含み、 E元素に A1を含み、 X元素に Nを含むも のである。中でも、 M元素が Euであり、 A元素が Caであり、 D元素が Siであり、 E元素 が A1であり、 X元素が Nまたは Nと Oとの混合物の無機化合物が望ましい。
この蛍光体は、少なくとも 580nm以下の光で励起され、特に 400nm〜550nmで 最も効率がよい。発光スペクトルは、 580nm〜720nmにピークを有する。
[0103] また、赤色系蛍光体としては最密充填構造に近い結晶であるものが、熱安定性が 良いので好ましい。さらに赤色系蛍光体に含まれる窒素原子として 3配位の窒素原 子を含むものが、熱安定性が良いので好ましい。赤色系蛍光体に含まれる窒素原子 のうち、 3配位の窒素原子の含有量が 20%以上、好ましくは 40%以上、特に 60%以 上であることが好ましい。ここで、 M Si N: E (ただし、 Mは 1種又は 2種以上のアル
2 5 8 u
カリ土類金属を表す。)は 3配位の窒素原子の含有量が 50%であり、上記式 (3)で表 される蛍光体、例えば:(Ca, Sr)AlSiN: Euは 3配位の窒素原子の含有量が 66%
3
である。
なお、これらの蛍光体は、 1種類を単独で用いてもよぐ 2種類以上を任意の組み合 わせ及び比率で併用してもょ 、。
[0104] 上記蛍光体の粒径は、通常 150 μ m以下、好ましくは 50 μ m以下、より好ましくは 3 O /z m以下とすることが望ましい。この範囲を上回ると、白色発光装置とした場合に発 光色のばらつきが大きくなると共に、蛍光体とバインダ (封止剤)とを混合した場合に は蛍光体を均一に分散させることが困難となる虞がある。また、粒径の下限は、通常 1 μ m以上、好ましくは 5 μ m以上とすることが望ましい。この範囲を下回ると、発光効 率が低下する虞がある。また、蛍光体の粒度分布は比較的狭いものが好ましい。
[0105] なお、緑色系蛍光体と赤色系蛍光体の発光効率のバランスや、赤色系蛍光体がど の程度緑色系蛍光体からの発光を吸収するかにもよるが、上記緑色系蛍光体と上記 赤色系蛍光体を混合して用いる場合は、緑色系蛍光体と赤色系蛍光体の合計重量 に対して、緑色系蛍光体を重量百分率で、通常 65%以上、好ましくは 70%以上、よ り好ましくは 80%以上、特に好ましくは 85%以上含有することが好ましい。緑色系蛍 光体の重量百分率力 Sこの範囲よりも小さ 、場合は、高輝度で演色性が高く好ま 、 白色を示す白色発光装置を得ることができず、赤みの強い白色発光装置となる虞が ある。また、白色発光装置とするためには、緑色系蛍光体の重量百分率は、通常 99 %以下、好ましくは 98%以下、より好ましくは 97%以下である。
また、半導体発光素子からの発光波長における赤色系蛍光体の吸収効率が、緑色 系蛍光体の発光ピーク波長における赤色系蛍光体の吸収効率より大きいことが好ま しぐこの場合には、半導体発光素子からの発光が赤色系蛍光体に吸収されて赤色 系蛍光体が励起されて発光する確率が、緑色系蛍光体からの発光が赤色系蛍光体 に吸収されて赤色系蛍光体が励起されて発光する確率より高くなり、発光効率がより 高 、発光素子を得ることができるので好ま 、。
[0106] [1- 3- 2- 3.蛍光体の発光効率]
本発明に係る蛍光体混合物等の波長変換材料を構成する蛍光体は、その発光効
率が 20%以上であることが好ましぐ 30%以上がより好ましぐ 40%以上であることが 更に好ましぐ発光効率は高いほど良い。蛍光体の発光効率が 20%より低いと輝度 の高い発光装置が得られない。なお、発光効率は、蛍光体に照射された光の量子数 に対する蛍光体力 発せられる光の量子数として定義する。
[0107] 以下に、本発明の第 1の発光装置において定義される蛍光体の発光効率を、量子 吸収効率 ex qと内部量子効率 r? iの積により求める方法を説明する。
まず、測定対象となる蛍光体サンプル (例えば、粉末状など)を、測定精度が保たれ るように、十分に表面を平滑にしてセルに詰め、積分球などの集光装置に取り付ける 。積分球などの集光装置を用いるのは、サンプルで反射したフオトン及びサンプルか らフォトルミネッセンスで放出されたフオトンを全て計上できるようにする、すなわち、 計上されずに測定系外へ飛び去るフオトンをなくすためである。
[0108] この積分球などに蛍光体を励起する発光源を取り付ける。この発光源は、例えば X eランプ等であり、発光ピーク波長が例えば 455nmとなるようにフィルターやモノクロメ 一ター等を用いて調整がなされる。この 455nmの波長ピークを持つように調整され た発光源からの光を、測定しょうとしているサンプルに照射し、その発光スペクトルを 分光測定装置、例えば大塚電子株式会社製 MCPD2000などを用いて測定する。 この測定スペクトルには、実際には、励起発光光源からの光(以下では単に励起光と 記す。)でフォトルミネッセンスによりサンプルから放出されたフオトンの他に、サンプ ルで反射された励起光の分のフオトンの寄与が重なっている。
[0109] 吸収効率 a qは、サンプルによって吸収された励起光のフォトン数 Nabsを励起光 の全フオトン数 Nで割った値である。
まず、後者の励起光の全フオトン数 Nを、次のようにして求める。すなわち、励起光 に対してほぼ 100%の反射率 Rを持つ物質、例えば Labsphere製「Spectralon」(4 50nmの励起光に対して 98%の反射率を持つ。)等の反射板を、測定対象として該 分光光度計に取り付け、反射スペクトル Iref ( λ )を測定する。ここでこの反射スぺタト /Href ( λ )から下記 (式 I)で求められた数値は、 Νに比例する。
ここで、積分区間は実質的に Iref ( λ )が有意な値を持つ区間のみで行ったもので よい。
[0111] 前者のサンプルによって吸収された励起光のフォトン数 Nabsは下記(式 II)で求め られる量に比例する。
[0112] [数 2]
(式 I I )
ここで、 Ι ( λ )は、吸収効率 a qを求めようとしている対象サンプルを取り付けたとき の、反射スペクトルである。(式 II)の積分範囲は(式 I)で定めた積分範囲と同じにする 。このように積分範囲を限定することで、(式 II)の第二項は,対象サンプルが励起光 を反射することによって生じたフオトン数に対応したもの、すなわち、対象サンプルか ら生ずる全フオトンのうち励起光によるフォトルミネッセンスで生じたフオトンを除いたも のに対応したものになる。実際のスペクトル測定値は、一般にはえに関するある有限 のバンド幅で区切ったデジタルデータとして得られるため、(式 I)および (式 II)の積分 は、そのバンド幅に基づいた和分によって求まる。
以上より、 a q = Nabs/N = (式 II) / (式 I)と求められる。
[0113] 次に、内部量子効率 7? iを求める方法を説明する。 η iは、フォトルミネッセンスによ つて生じたフオトンの数 NPLをサンプルが吸収したフオトンの数 Nabsで割った値であ る。
ここで、 NPLは、下記(式 III)で求められる量に比例する。
[0114] [数 3]
· Ι(λ)άλ (式 m )
この時、積分区間は、サンプル力もフォトルミネッセンスによって生じたフオトンが持 つ波長域に限定する。サンプル力 反射されたフオトンの寄与を I ( λ )から除くためで ある。具体的に(式 III)の積分の下限は、(式 I)の積分の上端を取り、フォトルミネッセ ンス由来のスペクトルを含むのに好適な範囲を上端とする。
以上により、 r? i= (式 III) Ζ (式 Π)と求められる。
なお、デジタルデータとなったスペクトル力も積分を行うことに関しては、 a qを求め た場合と同様である。
そして、上記のようにして求めた量子吸収効率 a qと内部量子効率 7? iの積をとるこ とで、本発明で定義される発光効率を求める。
[0115] 本発明で用いられる蛍光体は、一般的な固相反応法によって合成することができる 。例えば、蛍光体を構成する金属元素源となる原料化合物を、乾式法或いは湿式法 により、粉砕 '混合して粉砕混合物を調製し、得られた粉砕混合物を加熱処理して反 応させること〖こより製造することができる。
また、窒化物又は酸窒化物蛍光体の場合は、例えば、蛍光体を構成する金属元素 を少なくとも 2種類以上含有する合金、好ましくは蛍光体を構成する金属元素を全て 含有する合金を作製し、得られた合金を窒素含有雰囲気中、加圧下で加熱処理す ることにより、製造することができる。さらに、例えば、蛍光体を構成する金属元素の 一部を含有する合金を作成し、得られた合金を窒素含有雰囲気中、加圧下で加熱 処理した後、更に蛍光体を構成する残りの金属元素源となる原料化合物と混合、加 熱処理することにより、製造することもできる。このように合金を経て製造された蛍光体 は、不純物が少なぐ輝度が高い蛍光体となる。
[0116] [II.第 2の発光装置に関する説明]
以下に本発明の第 2の発光装置の実施の形態を詳細に説明するが、以下に記載 する構成要件の説明は、本発明の第 2の発光装置の実施態様の一例 (代表例)であ り、本発明はその要旨を逸脱しない限り、これらの内容に限定はされない。
[0117] 本発明の第 2の発光装置は、光源と、該光源力 の光の少なくとも一部を吸収して 異なる波長を有する光を発する少なくとも 1種の波長変換材料 (通常は、蛍光体)とを 備える発光装置であって、該発光装置の効率が 321mZW以上であり、平均演色評 価数 Raが 85以上であり、 17. 5AZcm2の駆動電流密度で得られる発光の色度座 標値 Xを X (17. 5)、色度座標値 を (17. 5)とし、 70AZcm2の駆動電流密度で 得られる発光の色度座標値 Xを X (70)、色度座標値 (70)としたとき、色度座標 値 Xおよび色度座標値 yのずれ量、 [X (17. 5)— X (70) ]と [y (17. 5)— y (70) ] が下記式 (F)および (G)を満足するものである。
-0. 01≤x (17. 5) -x (70)≤0. 01 (F)
-0. 01≤y (17. 5) -y (70)≤0. 01 (G)
[0118] ここで発光装置の効率と ίお ISZ8113「照明用語」にお 、て定義されて 、るもので あって、光源が発する全光束を、その光源の消費電力で除した値であり、単位は「lm ZW」である。本発明において、その具体的な測定方法は、 JISZ8724「色の測定方 法一光源色」に準じた。
従来、発光効率が 301mZW以下の発光装置は知られていたが、照明用途など大 電力を消費する場合には発熱量の軽減のため、発光効率の高いことが望まれている 。本発明者等は鋭意検討を重ね 321mZW以上の従来に無い高効率の発光装置を 実現した。
[0119] 本発明の第 2の発光装置において、平均演色評価数 Raおよび特殊演色評価数 R
9 ίお ISZ8726「光源の演色性評価方法」に準じて測定した。演色評価数 ίお ISZ9112 「蛍光ランプの光源色および演色性による区分」によれば、普通形、高演色形に区分 される。本発明の第 2の発光装置は少なくとも平均演色評価数 Raが 85以上であり、 材料や、発光装置の構造を選択すれば、特殊演色評価数 Rにおいて温白色演色 A
9
Aの最低値 64以上、更には、昼光色演色 AAAの要求値 88を満足することも可能で ある。
[0120] 本発明の第 2の発光装置に使用する光源は、駆動電流を流通させると発光するも のであれば、特に制限は無ぐ第 1の発光装置に使用する光源と同様のものを使用 することができる。
[0121] これまで、 In添カ卩 GaN系青色 LEDと、 Ce付活イットリウムアルミニウムガーネット系 黄色蛍光体とを組み合わせた白色発光装置が広く使用されてきたが、前述のような 演色性が低いという欠点を有する。この課題を解決するため、次の〈1〉〜く 3〉の方式 で光源と少なくとも 1種以上の蛍光体と併用することによって、所望の色を発する発光 装置を構成することが提案されて 、る。
[0122] 〈1〉 波長 330nm〜420nmの紫外 LED発光装置とこの波長で励起され 420nm以 上 480nm以下の波長に発光ピークを持つ蛍光を発する青色蛍光体と、 500nm以 上 550nm以下の波長に発光ピークを持つ蛍光を発する緑色蛍光体と、 550nm以 上 700nm以下の波長に発光ピークを持つ赤色蛍光体の組合せ。この構成では、 L EDが発する紫外線が蛍光体に照射されると、赤、緑、青の 3色の光が発せられ、こ れの混合により白色の発光装置となる。
[0123] 〈2〉 波長 420nm〜500nmの青色 LEDとこの波長で励起されて 550nm以上 600η m以下の波長に発光ピークを持つ蛍光を発する黄色ないし赤色発光蛍光体との組 み合わせ。この構成では、 LEDが発する青色光が蛍光体に照射されると、赤、黄の 2 色の光が発せられ、これらと LED自身の青色光が混合されて白色または赤みがかつ た電球色の発光装置となる。
[0124] 〈3〉 波長 420nm〜500nmの青色 LEDとこの波長で励起されて 500nm以上 550η m以下の波長に発光ピークを持つ蛍光を発する緑色蛍光体および 6 lOnm以上 680 nm以下の波長に発光ピークを持つ蛍光を発する赤色発光蛍光体との組合せ。この 構成では、 LEDが発する青色光が蛍光体に照射されると、赤、緑の 2色の光が発せ られ、これらと LED自身の青色光が混合されて白色の発光装置となる。
[0125] 本発明の第 2の発光装置では、上記〈1〉〜〈3〉の 、ずれの構成を採用することもで きるが、いずれの場合も、本発明の第 2の発光装置は、 17. 5AZcm2の駆動電流密 度で得られる発光の色度座標値 Xを X (17. 5)、色度座標値 を (17. 5)とし、 70 AZcm2の駆動電流密度で得られる発光の色度座標値 Xを X (70)、色度座標値 yを y (70)としたとき、下記式 (F)及び (G)を満足する発光装置であることを特徴とする。
-0. 01≤x (17. 5) -x (70)≤0. 01 (F)
-0. 01≤y (17. 5) -y (70)≤0. 01 (G)
[0126] すなわち、 17. 5AZcm2の駆動電流密度で得られる発光の色度座標値 xと色度座 標値 yに対する、 70AZcm2の駆動電流密度で得られる発光の色度座標値 Xと色度 座標値 yのずれ量に相当する色度座標値の差 [X (17. 5) -x (70) ]と [y (17. 5) -V (70) ]が ±0. 01以内である。駆動電流密度の変化に伴う発光の色度座標値の ずれが ±0. 01よりも大きい場合には、発光光量を制御するために駆動電流密度を 変化させると色ずれが大きくなつて、発光色が不安定となってしまう。
[0127] この色度座標値 Xおよび色度座標値 yのずれ量は少な!/ヽほど好まし!/ヽ。
即ち、ずれ量 [X (17. 5)— X (70) ]は、通常— 0. 005以上、好ましくは— 0. 004 以上、より好ましくは—0. 003以上、また、通常 0. 005以下、好ましくは 0. 004以下 、より好ましくは 0. 003以下である。さらに、ずれ量 [y (17. 5)— y (70) ]も、通常— 0. 005以上、好ましくは—0. 004以上、より好ましくは—0. 003以上、また、通常 0 . 005以下、好ましく ίま 0. 004以下、より好ましく ίま 0. 003以下である。
[0128] このような本発明の第 2の発光装置を実現するために、使用する蛍光体等の波長 変換材料について特段の制限は存在しない。ただし、第 1の発光装置において説明 した本発明に係る蛍光体混合物を使用することが好ま ヽ。
即ち、本発明の第 2の発光装置において、波長変換材料としては、 2種類以上の蛍 光体の混合物であって、該蛍光体混合物を、 25°Cにおいてピーク波長 455nmの青 色光で励起して得られる蛍光の輝度を BR (25)、色度座標値 Xを X (25)、色度座標
2
値 y¾y (25)とし、 125°Cにおいてピーク波長 455nmの青色光で励起して得られる
2
蛍光の輝度を BR ( 125)、色度座標値 Xを X (125)、色度座標値 yを y (125)としたと
2 2
き、下記式 (A)、(B)及び (C)を満足する蛍光体混合物を用いることが好ましい。
[0129] 0. 85≤BR(125) /BR (25)≤1. 15 (A)
-0. 03≤x (25) -x (125)≤0. 03 (B)
2 2
-0. 03≤y (25) -y (125)≤0. 03 (C)
2 2
[0130] 本発明に係る蛍光体混合物は、 25°Cにおいてピーク波長 455nmの青色光で励起 して得られる蛍光の輝度 [BR (25) ]に対する、 125°Cにおいて該青色光で励起して 得られる蛍光の輝度 [BR(125) ]の比率 [BR (125) ZBR(25) ]が、 0. 85未満の場 合や 1. 15より大きい場合には、そのような蛍光体混合物を用いた白色発光装置など
にお 、て、それから得られる光量を変化させるために青色 LEDに流す電流値を増減 すると、得られる発光色が大きく変化し安定な発光色を得ることができない虞がある。
[0131] このような場合には、青色 LEDに流す電流量を増減させて青色光の光量を増減さ せた場合に、青色 LED力 生じる発熱量の増減によって、青色 LEDの近傍に置か れる蛍光体の温度が上下し、蛍光体からの蛍光強度が、青色 LEDの光量から期待 される蛍光強度力 大きくずれてしまうためである。すなわち、白色発光装置の光量 の増減を図ろうとして青色 LEDに通電する電流量を増減すると、青色 LEDからの発 光強度と蛍光体からの蛍光強度の混色バランスが崩れて、得られる白色発光装置の 発光色が大きく変化してしまう。
[0132] 従って、該輝度の比率 [BR(125) ZBR(25) ]が、通常 0. 85以上、好ましくは 0. 9 以上、また、通常 1. 15以下、好ましくは 1. 1以下、より好ましくは 1. 05以下である。 このような輝度の比率を得るためには、蛍光体混合物を構成する蛍光体としては、蛍 光体の温度の上昇に伴い蛍光強度が低下するいわゆる温度消光現象の程度が小さ V、ものを選ぶことが好まし 、。
[0133] また、本発明に係る蛍光体混合物は、 25°Cにおいてピーク波長 455nmの青色光 で励起して得られる蛍光の色度座標値 Xを X (25)
2 、色度座標値 (25)
2 とし、 12
5°Cにおいて同青色光で励起して得られる蛍光の色度座標値 Xを X (125)、色度座
2
標値 (125)としたとき、色度座標値 Xの差 [X (25) - X (125) ]および色度座
2 2 2
標値 yの差 [y (25)— y (125) ]が、—0. 03未満の場合や 0. 03よりも大きい場合に
2 2
は、この蛍光体混合物を使用した白色発光装置の光量増減にともなって顕著な色ず れを起してしまう虞がある。
[0134] この色度座標値 Xの差 [X (25) - X ( 125) ]および色度座標値 yの差 [y (25) -y
2 2 2 2
(125) ]は、蛍光体混合物中に含まれる 2種類以上の蛍光体のそれぞれの温度消光 の程度が大きく異なることによって引き起こされる。すなわち、発光色の異なる 2種類 以上の蛍光体を含む混合物において、蛍光体の温度消光の程度が異なる場合、例 えば、温度上昇に伴う蛍光強度の低下が一つの蛍光体は小さぐもう一つの蛍光体 は大きいとすると、それらの異なる発光強度を足し合わせた場合には、温度上昇に伴 つて発光色が変化し、色ずれを起こすこととなる。
[0135] 従って、蛍光体混合物の温度変化に伴う色度座標値 xの差 [x (25) - X (125) ]
2 2 および色度座標値 yの差 [y (25) -y (125) ]は小さいほど好ましぐ通常—0. 03
2 2
以上、好ましくは 0. 02以上、より好ましくは 0. 015以上、また、通常 0. 03以下 、好ましくは 0. 02以下、より好ましくは 0. 015以下である。
[0136] このような温度変化に伴う色度座標値 Xおよび色度座標値 yの差の小さ!/ヽ蛍光体混 合物を得るためには、混合物を構成する蛍光色の異なる複数の蛍光体は、その温度 消光による蛍光強度の変化率がほぼ一致していることが好ましい。温度消光による蛍 光強度の変化率がほぼ等しい蛍光体を組み合わせた際には、各蛍光体の蛍光強度 を足し合わせて得られる白色などの混合色が温度変化に関わりなくほぼ同一となり、 発光装置の光量変化に伴う温度変化による発光色のずれを少なくすることが可能と なる。
[0137] 本発明の第 2の発光装置の説明において、ピーク波長 455nmの青色光で蛍光体 混合物を励起して得られる輝度と色度座標値 Xおよび色度座標値 yを測定する際に は、例えば、ペルチェ素子による冷却機構とヒーターによる加熱機構とを備えており、 感度補正や波長補正を行った精度の高いダブルモノクロメーターを装備した蛍光分 光光度計を使用する。そして、冷却'加熱機構により制御して、予め 25°Cまたは 125 °Cにおいて蛍光体の表面温度が一定となることを放射温度計により確認できるまで 十分な時間を保った後に、輝度と色度座標値を測定する。また、励起光である青色 光の影響を最小限に抑えるために、励起光の半値幅を 20nm以下に狭めると共に、 470nm未満の蛍光スペクトルを使用せず、 470nm以上の蛍光スペクトルだけを使 用して、 JISZ8724に定める 3刺激値を用いて輝度 Yと色度座標値 Xおよび色度座標 値 yを算出する。
[0138] [緑色系蛍光体]
本発明の第 2の発光装置に係る波長変換材料が含有し得る少なくとも一種の 500η m〜550nmの波長範囲に蛍光強度のピーク値を有する緑色系蛍光体としては、前 記本発明の第 1の発光装置に使用する緑色系蛍光体を用いることができる。
[0139] [赤色系蛍光体]
本発明の第 2の発光装置において、色ずれの少ない発光装置の中でも特に演色
性の高い発光装置を得るためには、発光装置に用いる蛍光体混合物等の波長変換 材料が、 610ηπ!〜 680nmの波長範囲に蛍光強度のピーク値を有する赤色系蛍光 体を少なくとも 1種含有することが好ま 、。この様な波長範囲に蛍光強度のピーク 値を有する赤色系蛍光体を使用することにより、橙色、赤色、深赤色などの赤色域に ついての色再現性の高い発光装置を得ることができ、更にはこの発光装置を用いる ことにより該赤色域での色再現性に優れたディスプレイ用バックライト、画像形成装置 (ディスプレイ)や照明装置を得ることが可能となる。蛍光強度のピーク値が 610nmよ り短波長の場合には、青色 LEDと組み合わせて使用する際に赤色域の色再現性が 低くなり、 680nmより長波長の場合には演色性は高くなるが、輝度が低くなる傾向に ある。
[0140] 本発明に係る波長変換材料が含有し得る少なくとも一種の 6 ΙΟηπ!〜 680nmの波 長範囲に蛍光強度のピーク値を有する赤色系蛍光体としては、前記本発明の第 1の 発光装置に使用する赤色系蛍光体を用いることができる。
[0141] [蛍光体の発光効率]
本発明に係る蛍光体混合物等の波長変換材料を構成する蛍光体の発光効率は、 前記本発明の第 1の発光装置に使用する蛍光体と同様である。
[0142] [実施形態]
本発明の第 2の発光装置は、例えば、波長変換材料としての蛍光体を少なくとも 2 種類含む蛍光体混合物と、可視光を発光する半導体発光装置、例えば LEDや LD 等の半導体発光装置とを用いて構成され、半導体発光装置の発する可視光を吸収 してより長波長の可視光を発する高輝度で演色性が高く光量増減に伴う色ずれの少 ない発光装置を実現する。そのため、このような特性を有する本発明の第 2の発光装 置は、カラー液晶ディスプレイ等のディスプレイ用バックライトや面発光等の照明装置 等の光源として好適である。
[0143] 以下、図面を参考して本発明の第 2の発光装置の実施形態をより具体的に説明す るが、本発明の第 2の発光装置は以下の実施形態に限定されるものではなぐ本発 明の要旨を逸脱しない範囲において任意に変形して実施することができる。
[0144] (1)第 1実施形態
図 3は本発明の第 2の発光装置の第 1実施形態としての発光装置の要部を模式的 に示す図である。
本実施形態の発光装置 101は、フレーム 102と、光源である青色 LED (青色発光 部) 103と、青色 LED103から発せられる光の一部を吸収し異なる波長を有する光を 発する蛍光発光部 104で主に構成される。
[0145] フレーム 102は、青色 LED103、蛍光発光部 104を保持するための榭脂製の基部 である。フレーム 102の上面には、図中上側に開口した断面台形状の凹部(窪み) 1 02Aが形成されている。これにより、フレーム 102はカップ形状となっているため、発 光装置 101から放出される光に指向性をもたせることができ、放出する光を有効に利 用できるようになつている。
[0146] さらに、フレーム 102の凹部 102Aの内面は、銀などの金属メツキにより、可視光域 全般の光の反射率を高められていて、これにより、フレーム 102の凹部 102A内面に 当たった光も、発光装置 101から所定方向に向けて放出できるようになつている。
[0147] フレーム 102の凹部 102Aの底部には、光源として青色 LED103が設置されてい る。青色 LED103は、電力を供給されることにより青色の光を発する LEDである。こ の青色 LED103から発せられた青色光の一部は蛍光発光部 104内の発光物質 (波 長変換材料;ここでは、蛍光物質)に励起光として吸収され、また別の一部は、発光 装置 101から所定方向に向けて放出されるようになっている。
[0148] また、前記のように、青色 LED103はフレーム 102の凹部 102Aの底部に設置され ているのであるが、ここでは、フレーム 102と青色 LED103との間は銀ペースト(接着 剤に銀粒子を混合したもの) 105によって接着され、これにより、青色 LED103はフレ ーム 102に設置されている。さらに、この銀ペースト 105は、青色 LED103で発生し た熱をフレーム 102に効率よく放熱する役割も果たしている。
[0149] フレーム 102には、青色 LED103に電力を供給するための金製のワイヤ 106が取 り付けられており、青色 LED103と青色 LED103の上面に設けられた電極(図示省 略)とが、ワイヤ 106を用いたワイヤボンディングによって結線されている。このワイヤ 106を通電することによって青色 LED103に電力が供給され、青色 LED103が青色 光を発するようになつている。なお、ワイヤ 106は青色 LED103の構造にあわせて 1
本又は複数本が取り付けられる。
[0150] フレーム 102の凹部 102Aには、青色 LED103から発せられる光の一部を吸収し 異なる波長を有する光を発する蛍光発光部 104が設けられている。蛍光発光部 104 は、蛍光体と透明榭脂とで形成されている。蛍光体は、青色 LED103が発する青色 光により励起されて、青色光よりも長波長の光である光を発する物質 (波長変換材料 )である。蛍光発光部 104を構成する蛍光体は 1種類であっても良いし、複数からな る混合物であってもよぐ青色 LED103の発する光と蛍光体発光部 104の発する光 の総和が所望の色になるように選べばよいが、本発明の第 2の発光装置のでは、好 ましくは、前述の式 (A)〜(C)を満足する蛍光体混合物を用いる。色は白色だけで なぐ黄色、オレンジ、ピンク、紫、青緑等であっても良い。また、これらの色と白色と の間の中間的な色であっても良い。また、透明榭脂は蛍光発光部 104のバインダで あり、ここでは、可視光を全波長領域に亘つて透過させることができる合成樹脂として エポキシ榭 S旨が用いられて!/ヽる。
[0151] モールド部 108は、青色 LED103、蛍光発光部 104、ワイヤ 106などを外部から保 護するとともに、配光特性を制御するためのレンズとしての機能を持つ。モールド部 1 08には主にエポキシ榭脂等の樹脂が用いられる。
[0152] (2)第 2実施形態
図 4は本発明の第 2の発光装置の第 2実施形態としての発光装置の要部を模式的 に示す図である。
本実施形態の発光装置 110は、フレーム 112と、光源である青色 LED (青色発光 部) 113と、青色 LED113から発せられる光の一部を吸収し異なる波長を有する光を 発する蛍光発光部 114とで主に構成される。
[0153] フレーム 112は、青色 LED113、蛍光発光部 114を保持するための榭脂製の基部 である。フレーム 112の上面には、図中上側に開口した断面台形状の凹部(窪み) 1 12Aが形成されている。これにより、フレーム 112はカップ形状となっているため、発 光装置 110から放出される光に指向性をもたせることができ、放出する光を有効に利 用できるようになつている。
[0154] また、凹部 112Aの底部には、発光装置 110の外部力も電力を供給される図示しな
い電極が設けられていて、この電極から、青色 LED113に電力を供給できるようにな つている。
フレーム 112の凹部 112Aの内面は、可視光域全般の光の反射率が高!、材質から なる。これにより、フレーム 112の凹部 112A内面に当たった光も、発光装置 110から 所定方向に向けて放出できるようになつている。なお、電極は可視光域全般の光の 反射率が高 、金属メツキが施される。
[0155] フレーム 112の凹部 112Aの底部には、光源として青色 LED113が設置されてい る。青色 LED113は、電力を供給されることにより青色の光を発する LEDである。こ の青色 LED113から発せられた青色光の一部は蛍光発光部 114内の発光物質 (こ こでは、蛍光物質)に励起光として吸収され、また別の一部は、発光装置 110から所 定方向に向けて放出されるようになっている。
[0156] フレーム 112の凹部 112Aの底部に設置された青色 LED113とフレーム 112との 間は銀ペースト (接着剤に銀粒子を混合したもの) 115によって接着され、これにより 、青色 LED113はフレーム 112に設置されている。さらに、この銀ペースト 115は、青 色 LED113で発生した熱をフレーム 112に効率よく放熱する役割も果たして 、る。
[0157] フレーム 112には、青色 LED113に電力を供給するための金製のワイヤ 116が取 り付けられており、青色 LED113とフレーム 112の凹部 112Aの底部に設けられた電 極(図示省略)と力 ワイヤ 116を用いてワイヤボンディングによって結線されて 、て、 このワイヤ 116を通電することによって青色 LED113に電力が供給され、青色 LED 1 13が青色光を発するようになつている。なお、ワイヤ 116は青色 LED113の構造に にあわせて 1本又は複数本が取り付けられる。
[0158] フレーム 112の凹部 112Aには、青色 LED113から発せられる光の一部を吸収し 異なる波長を有する光を発する蛍光発光部 114が設けられている。蛍光発光部 114 は、蛍光体と透明榭脂とで形成されている。蛍光体は、青色 LED113が発する青色 光により励起されて、青色光よりも長波長の光である光を発する物質 (波長変換材料 )である。蛍光発光部 114を構成する蛍光体は 1種類であっても良いし、複数からな る混合物であってもよぐ青色 LED113の発する光と蛍光体発光部 114の発する光 の総和が所望の色になるように選べばよいが、本発明の第 2の発光装置のでは、好
ましくは、前述の式 (A)〜(C)を満足する蛍光体混合物を用いる。色は白色だけで なぐ黄色、オレンジ、ピンク、紫、青緑等であっても良い。また、これらの色と白色と の間の中間的な色であっても良い。また、透明榭脂は蛍光発光部 114のバインダで あり、ここでは、可視光を全波長領域に亘つて透過させることができる合成樹脂である エポキシ榭脂又はシリコーン榭脂が用いられて 、る。
[0159] 図 5は、図 3に示す発光装置 101を組み込んだ面発光照明装置 109を示すが、図 5に示されるように、照明装置内面を白色の平滑面等の光不透過性とした方形の保 持ケース 109Aの底面に、多数の発光装置 101を、その外側に発光装置 101の駆動 のための電源及び回路等(図示せず。)を設けて配置し、保持ケース 109Aの蓋部に 相当する箇所に、白色としたアクリル板等の拡散板 109Bを発光の均一化のために 固定してなる。
[0160] そして、面発光照明装置 109を駆動して、発光装置 101の青色 LED103に電圧を 印加することにより青色光等を発光させ、その発光の一部を、蛍光発光部 104におけ る波長変換材料としての蛍光体混合物が吸収し、より長波長の光を発光し、一方、蛍 光体に吸収されなかった青色光等との混色により演色性の高い発光が得られ、この 光が拡散板 109Bを透過して、図面上方に出射され、保持ケース 109Aの拡散板 10 9B面内において均一な明るさの照明光が得られることとなる。
[0161] 同様に、本発明の第 2の発光装置は、カラー液晶ディスプレイ等のディスプレイの 光源、即ちノ ックライトとして組み込むことも出来る。
[0162] [III. 白色発光装置に関する説明]
以下、本発明の白色発光装置の一実施形態について説明するが、本発明の白色 発光装置は以下の実施形態に限定されるものではなぐ本発明の要旨を逸脱しない 範囲において任意に変形して実施することができる。
[0163] 本実施形態の白色発光装置(白色発光素子)は、光 (以下適宜、「一次光」という) を発生する光源 (発光素子等)と、この光源からの光の少なくとも一部を吸収して、一 次光とは波長の異なる光 (以下適宜、「二次光」という)を発する少なくとも 1種類の波 長変換材料とを備え、波長変換材料が発する二次光を含む白色光を発するようにな つている。ここで、白色光は、一次光と二次光との合成光、 2以上の二次光の合成光
などとして合成された光として得ることができる。
また、本実施形態の白色発光装置においては、上記白色光の発光スペクトルの、 5 OOnmから 650nmの波長範囲(以下適宜、この波長範囲を「所定波長範囲」 t\、う) における最大発光強度力 上記所定波長範囲における最小発光強度の 150%以下 である。
[0164] [III 1. 白色光]
[III - 1 - 1.発光スペクトルが平坦である点]
白色発光装置は、主に照明に使用され、物体の色を忠実に再現されること (即ち、 発する白色光の演色性が高いこと)が望まれる。これを実現するためには、白色発光 装置が発する白色光が、自然光に含まれる可視光成分をすベて含んでいることが好 ましい。特に、発光スペクトルの 500nmから 650nmの所定波長範囲は、視感度が高 ぐ青緑から赤色の主要な光成分を含む波長範囲であり、この波長範囲の可視光成 分を均等に含むこと、即ち、発光スペクトルが平坦であることは、良好な演色性につ ながる。
[0165] 中でも、相関色温度 5000K付近の昼白色、及び、相関色温度 6500K付近の昼光 色の白色照明は、国内外で使用される白色照明の大部分を占める照明色調であり、 これらの相関色温度での完全放射体の発光スペクトルは、上述の所定波長範囲でほ ぼ平坦である。したがって、白色発光装置を照明装置として使用する場合にも、同様 に、本実施形態の白色発光装置が発する白色光は、上記の所定波長範囲において 平坦なスペクトルを有することが好まし!/、。
[0166] なお、 650nmより大きい波長範囲の光は、特に視感度が低ぐこの波長範囲の光 を発生させることは白色発光装置全体の効率低下につながる虞がある。このため、本 実施形態の白色発光装置が発する白色光は、 650nmより大きい波長範囲、即ち、 所定波長範囲よりも大きい波長範囲の光成分の発光強度は小さくてもよい。
[0167] 一方、 500nm未満の波長範囲の光については、所定波長範囲の光と同様に平坦 であることが好ましい。ただし、発光素子等の一次光の光源で現在入手できるものは 、通常、発光の半価幅が小さい。このため、 500nm未満の波長範囲においては、本 実施形態の白色発光装置が発する白色光は、特定の波長の光が強ぐそれに近い
波長域の光が少ない状況とならざるを得ない。し力しながら、 500nm未満の青色から 青紫色の領域も、 650nmより大きい波長範囲の光と同様に視感度が低いため、 500 nm未満の波長範囲、即ち、所定波長範囲未満の波長範囲の光成分の発光スぺタト ルが平坦でなくとも、演色性等の特性が大きく低下することはない。
[0168] 上記の所定波長範囲における発光スペクトルの平坦の度合いは、次のように求めら れる指標 I (ratio)により表わすことができる。
所定波長範囲における発光スペクトルの最小発光強度 I (min)と最大発光強度 I ( max)とを測定し、その比率を0 /0単位で表したものを I (ratio)とする。この I (ratio)は 、以下の式 (i)で計算される。
I (ratio) = { I (max) /\ (min) } X 100 (i)
[0169] I (ratio)は、定義上 100%以上の値になるが、本実施形態の白色発光装置が発す る白色光においては、この I (ratio)力 通常 150%以下、好ましくは 140%以下、より 好ましくは 135%以下、更に好ましくは 130%以下であることが望ましい。即ち、上記 所定波長範囲における白色光の発光スペクトルの最大発光強度が最小発光強度に 対して上記範囲の大きさとなるようにすれば良い。 I (ratio)が 100%に近いほど発光 スペクトルが平坦であることになるため、 I (ratio)は小さいほど好ましいのである。
[0170] [III 1 2. 白色光の相関色温度]
本実施形態の白色発光装置が発する白色光の相関色温度は、本発明の効果を著 しく損なわない範囲で任意であるが、従来の蛍光ランプの光源色に関する JIS規格( Z 9112)における昼白色 (記号 N)、または、昼光色 (記号 D)に準じた発光色である ことが好ましい。昼白色は、相関色温度が 4600K以上、 5400K以下に相当し、昼光 色は、相関色温度が 5700K以上、 7100K以下に相当する。相関色温度の範囲とし て更に好ましいのは、昼白色における 4800K以上、 5200K以下の範囲と、昼光色と における 6000K力ら 6800Kの範囲であり、昼白色としては 5000Kに、昼光色として は 6500Kにできるだけ近いことが更に好ましい。なお、相関色温度は、 JIS Z 872 5に準じて求めるものであり、黒体放射軌跡からの距離が小さくなるように発光色を調 節することが好ましい。
[0171] [III 1 3. 白色光の色]
本実施形態の白色発光装置が発する白色光の色は、その用途等に応じて任意に 設定することができる。なお、明細書において、白色と ίお IS Z8110の色区分に規 定する白色のことを指す。また、白色光の色は、色彩輝度計、放射輝度計などで測 定することができる。
[0172] さらに、 CIE色度図との関係で言えば、白色光の色は、 CIE色度図において、色度 座標 (X, y)が(0. 33, 0. 33)の通常の白色光はもとより、例えば、色座標 (x, y)が( 0. 28, 0. 25)、 (0. 25, 0. 28)、 (0. 34, 0. 40)及び(0. 40, 0. 34)で囲まれた 領域内となる色にして用いてもよい。
[0173] [III 1 4. 白色光の発光効率]
本実施形態の白色発光装置において、白色光の発光効率は、通常 201mZW以 上、好ましくは 301mZW以上、より好ましくは 401mZW以上である。この範囲の下限 を下回る素子を多数使用することによつても必要な明るさを得ることができるが、エネ ルギーを多く消費することになるため、好ましくない。なお、白色発光装置の発光効 率は、例えば、積分球で測定した白色光の光束を供給電力で割ることにより測定す ることがでさる。
[0174] [III 1 5. 白色光の演色性]
本実施形態の白色発光装置によれば、白色光の演色性を高めることができる。具 体的な値としては特に制限されないが、 JIS— Z8726に規定された演色性評価数 R 〜Rの平均値 Raの値として、通常 80以上、好ましくは 85以上、より好ましくは 90以
8
上である。
[0175] [III 2.構成]
以下、図 6に本実施形態の白色発光装置の模式的な断面図を示して白色発光装 置の構成を説明するが、図 6に示した白色発光装置は本発明の白色発光装置の一 例であり、本発明の白色発光装置は以下の実施形態に限定されるものではない。
[0176] 図 6に示すように、本実施形態の白色発光装置 201は、一次光を発する光源として の発光素子 202と、一次光を吸収して二次光を発する少なくとも 1種類の波長変換材 料 203, 204とを備える。また、通常、白色発光装置 201は、発光素子 202及び波長 変換材料 203, 204を保持するための基部としてフレーム 205を備えて 、る。
なお、本実施形態の白色発光装置 201は、発する白色光が、所定波長範囲にお いて発光スペクトルが平坦であり、相関色温度、色、強度及び発光効率が上述した 範囲になるようになって 、るものとする。
[0177] [III 2— 1.フレーム]
フレーム 205は、発光素子 202及び波長変換材料 203, 204を保持する基部であ り、その形状及び材質等は任意である。
フレーム 205の形状の具体例としては、板状、カップ状等、その用途に応じて適当 な形状とすることができる。また、例示した形状の中でも、カップ状のフレームは、白 色光の出射方向に指向性をもたせることができ、白色発光装置が放出する光を有効 に利用できるため、好ましい。
[0178] また、フレーム 205の材質の具体例としては、金属、合金、ガラス、カーボン等の無 機材料、合成樹脂等の有機材料など、用途に応じて適当なものを用いることができる ただし、発光素子 202や波長変換材料 203, 204から発せられる光 (例えば、一次 光や二次光)が当たるフレーム 205の面は、当たった光の反射率を高められているこ とが好ましぐ特に、可視光域全般の光の反射率を高められていることがより好ましい 。したがって、少なくとも光が当たる面は、反射率が高い素材により形成されているこ とが好ましい。具体例としては、ガラス繊維、アルミナ粉、チタ-ァ粉等の高い反射率 を有する物質を含んだ素材 (射出整形用榭脂など)でフレーム 205の全体又はフレ ーム 205の表面を形成することが挙げられる。
[0179] また、フレーム 205の表面の反射率を高める具体的な方法は任意であり、上記のよ うにフレーム 205自体の材料を選択するほか、例えば、銀、白金、アルミニウム等の 高反射率を有する金属や合金でメツキ、或いは蒸着処理することにより、光の反射率 を高めることちでさる。
なお、反射率を高める部分は、フレーム 205の全体であっても一部であってもよい 力 通常は、発光素子 202や波長変換材料 203, 204から発せられる光が当たる部 分の全表面の反射率が高められて 、ることが望ま 、。
[0180] さらに、通常は、フレーム 205には発光素子 202に対して電力を供給するための電
極や端子等が設けられる。
本実施形態においては、カップ状に設けられたフレーム 205の凹部 205Aの底に、 発光素子 202に電力を供給するための導電性端子 206, 207が形成されていて、導 電性端子 206, 207は外部の電源(図示省略)に接続されるようになっている。
[0181] [III 2— 2.発光素子]
発光素子 202は、波長変換材料 203, 204の励起光として一次光を発するもので あり、光源として機能する。また、一次光の一部は、白色発光装置 201が放出する白 色光の一成分として用いられることもあり、この場合、一次光と二次光とを合成した合 成光が白色光として白色発光装置 201から発せられることになる。即ち、発光素子 2 02から発せられる一次光のうちの一部は波長変換材料 203, 204に励起光として吸 収され、また別の一部は、白色発光装置 201から発せられるようになる。なお、白色 光は必ずしも一次光を含む必要はなぐ例えば、本実施形態の白色発光装置 201が 2種以上の二次光の合成光として白色光を発するようにしても良 ヽ。
[0182] 発光素子 202の種類は任意であり、白色発光装置 201の用途や構成に応じて適 当なものを選択することができる。発光素子 202の例としては、発光ダイオード (即ち 、 LED)、端面発光型又は面発光型のレーザーダイオード (即ち、 LD)、エレクトロル ミネセンス素子などが挙げられる。中でも通常は、安価な LEDが好ましい。
[0183] また、発光素子 202が発する一次光の発光波長も任意であり、白色発光装置 201 に放出させる白色光に応じて適当な発光波長の一次光を発する発光素子を用いれ ばよい。通常は、近紫外から青色の光を一次光として発する発光素子を用いることが 望ましい。一次光の具体的な波長の範囲を例示すると、通常 370nm以上、好ましく は 380nm以上、また、通常 500nm以下、好ましくは 480nm以下が望ましい。この範 囲の上限を上回る場合には、発光効率の高い発光装置を得るのが難しぐまた、一 次光の発光波長が 480nm以上と 、う青緑色より波長の長!、光とした場合、それを青 色の光に効率よく変換することは極めて難しいため、青色の光を含まない発光装置と なってしまい白色発光装置を得ることができなくなる虞がある。また、下限を下回る場 合にも発光効率の高い発光装置を得ることが極めて難しくなる。
[0184] 発光素子 202の具体例としては、シリコンカーバイド、サファイア、窒化ガリウム等の
基板に、 MOCVD法等の方法で結晶成長された InGaN系、 GaAIN系、 InGaAIN 系、 ZnSeS系半導体等を用いた LEDなどが挙げられる。中でも、 (In, Ga) Nを主成 分とする LEDを使用することが好ま U、。
なお、発光素子 202は 1個を単独で用いてもよぐ 2個以上の発光素子 202を併用 しても良い。さらに、発光素子 202は 1種のみで用いてもよぐ 2種以上のものを併用 しても良い。
[0185] また、発光素子 202をフレーム 205に取り付ける場合、その具体的方法は任意であ る力 例えば、ハンダを用いて取り付けることができる。ハンダの種類は任意であるが 、例えば、 AuSn、 AgSn等を用いることができる。また、ハンダを用いる場合、ハンダ を通じてフレーム 205に形成された電極や端子 206, 207等力も電力を供給できるよ うにすることも可能である。特に、放熱性が重要となる大電流タイプの LEDやレーザ 一ダイオードなどを発光素子 202として用いる場合、ハンダは優れた放熱性を発揮 するため、発光素子 202の設置にハンダを用いることは有効である。
[0186] また、ハンダ以外の手段によって発光素子 202をフレーム 205に取り付ける場合に は、例えば、エポキシ榭脂、イミド榭脂、アクリル榭脂等の接着剤を用いてもよい。こ の場合、接着剤に銀粒子、炭素粒子等の導電性フィラーを混合させてペースト状〖こ したものを用いることにより、ハンダを用いる場合のように、接着剤を通電して発光素 子 202に電力供給できるようにすることも可能である。さらに、これらの導電性フィラー を混合させると、放熱性も向上するため、好ましい。
[0187] さらに、発光素子 202への電力供給方法も任意であり、上述したハンダゃ接着剤を 通電させる他、発光素子 202と電極や端子 206, 207等とをワイヤボンディングにより 結線して電力供給するようにしても良い。この際用いるワイヤに制限はなぐ素材ゃ寸 法などは任意である。例えば、ワイヤの素材としては金、アルミニウム等の金属を用い ることができ、また、その太さは通常 20 μ m〜40 μ mとすることができる力 ワイヤは これに限定されるものではない。
[0188] また、発光素子に電力を供給する他の方法の例としては、バンプを用いたフリップ チップ実装により発光素子 202に電力を供給する方法が挙げられる。
本実施形態においては、発光素子 202として LEDを用い、この発光素子 202がフ
レーム 205の凹部 205Aの底部には設置されている。さらに、発光素子 202は、導電 性端子 206と直接接続され、また、導電性端子 207とワイヤ 208を介してワイヤボンド により接続されて、電力を供給されるようになっている。
ただし、光源としては、上述した発光素子以外のものを使用しても良い。
[0189] [III 2— 3.波長変換材料]
波長変換材料 203, 204は、発光素子 202から発せられる一次光の少なくとも一部 を吸収し、吸収した一次光とは波長が異なる二次光を発するものである。そして、波 長変換材料 203, 204を適切に選択することにより、一次光と二次光との合成光や、 2種以上の二次光の合成光として、白色光が得られる。
[0190] 波長変換材料 203, 204は、本発明の効果を著しく損なわない限り、白色発光装置 201の用途に応じて公知のものを適宜選択して用いることができる。また、波長変換 材料 203, 204の発光自体は、蛍光、りん光など、どのようなメカニズムにより発光が 行なわれるものでも制限は無い。さらに、波長変換材料 203, 204は、本発明の要旨 を逸脱しな 、範囲であれば 1種を単独で用いても良 、が、上記のように I (ratio)を小 さくする観点力もは、発光波長の異なる波長変換材料 203, 204を 2種以上使用する ことが好ましい。さらに、波長変換材料 203, 204を 2種以上用いる場合、その組み合 わせ及び比率は任意である。
[0191] また、波長変換材料 203, 204は、励起光として吸収する光 (通常は、一次光)の波 長や、発光する光 (即ち、二次光)の波長に制限はなぐ本発明の効果を著しく損な わない限り任意である。これらの光の好ましい波長範囲を挙げると、波長変換材料 20 3, 204の励起光の波長範囲は、通常 350nm以上、好ましくは 400nm以上、より好 ましくは 430nm以上、また、通常 600nm以下、好ましくは 570nm以下、より好ましく は 550nm以下が望ましい。一方、波長変換材料が発する光の波長は、通常 400nm 以上、好ましくは 450nm以上、より好ましくは 500nm以上、また、通常 750nm以下、 好ましくは 700nm以下、より好ましくは 670nm以下が望まし 、。
[0192] さら〖こ、 2種類の波長変換材料 203, 204を用いる場合には、以下の特徴を満足す る第 1波長変換材料及び第 2波長変換材料を併用することが好ましい。
第 1波長変換材料は、励起光として、波長が通常 350nm以上、好ましくは 400nm
以上、より好ましくは 430nm以上、また、通常 520nm以下、好ましくは 500nm以下、 より好ましくは 480nm以下の光を吸収するものが望ましい。
また、第 1波長変換材料は、発する光の波長が、通常 400nm以上、好ましくは 450 nm以上、より好ましくは 500nm以上、また、通常 600nm以下、好ましくは 570nm以 下、より好ましくは 550nm以下であるものが望ましい。
[0193] 一方、第 2波長変換材料は、励起光として、波長が通常 400nm以上、好ましくは 4 50應以上、より好ましくは 500nm以上、また、通常 600nm以下、好ましくは 570η m以下、より好ましくは 550nm以下の光を吸収するものが望ましい。
また、第 2波長変換材料は、発する光の波長が、通常 550nm以上、好ましくは 580 nm以上、より好ましくは 600nm以上、また、通常 750nm以下、好ましくは 700nm以 下、より好ましくは 670nm以下であるものが望ましい。
上記のような波長範囲の励起光を吸収し、上記のような波長範囲の光を発する波 長変換材料を用いることにより、可視光領域すベての波長の光を発する発光装置と することができ、特に 500nmから 650nmの範囲のすべての波長の光を発することが できるという利点を得ることができる。なお、波長変換材料 1種類でも本発明の要件を 満足することができるのであれば、それでよい。
[0194] さらに、本実施形態の白色発光装置 201を構成するにあたっては、波長変換材料 203, 204として適切な材料を用いることにより、より特性の優れた白色発光装置 201 を得ることが可能となる。波長変換材料 203, 204として備えるべき特性としては、例 えば、温度上昇による発光強度の変化が小さいこと、内部量子効率が高いこと、吸光 度が大き!/、こと等が挙げられる。
[0195] '温度上昇による発光強度の変化が小さいこと
波長変換材料 203, 204は、温度上昇による発光強度の変化が小さいことが好まし い。即ち、発光強度の温度依存性が小さいこと好ましい。波長変換材料 203, 204と して温度依存性が大きいものを用いると、温度条件により二次光の強度が変化し、一 次光と二次光との強度のバランスや二次光同士の強度のバランスが変化して、白色 光の色調が変化する虞がある。具体例を挙げると、発光素子 202として例えば LED 等のように発光に伴い発熱するものを用いた場合には、点灯を継続すると発光素子
202の発熱により白色発光装置 201の温度が経時的に上昇し、それに伴って波長変 換材料 203, 204が発する二次光の強度が変化して、点灯直後と継続点灯時とで白 色光の色調が変化する虞がある。しかし、波長変換材料 203, 204の温度依存性が 小さいものを用いることで、上述した色調変化を抑制することが可能となる。
[0196] 温度上昇による発光強度の変化は、 25°Cにおける輝度に対する 100°Cにおける輝 度の比率 (以下適宜、「輝度保持率」という) TR(%)によって表わすことができる。具 体的には、輝度保持率 TRが通常 80%以上、好ましくは 90%以上、より好ましくは 95 %以上であることが望まし!/、。
[0197] なお、 TRは、例えば、以下のようにして測定することができる。
まず、向洋電子製温度特性評価装置を用い、直径 8mmの粉体用ホルダーに約 10 Omgの測定サンプル粉 (波長変換材料)を詰め、装置内にセットする。その後、 25°C 並びに 100°Cに保持した状態で、大気中、 TOPCON製色彩輝度計 BM5Aを用い て、 460nmの励起光(150Wキセノンランプの光を回折格子分光器で分光した光)を 照射した状態での輝度を測定する。そして、 25°Cにおける輝度に対する、 100°Cに おける輝度の比率を計算し、輝度保持率 TR(%)とする。
[0198] また、これに関連し、波長変換材料 203, 204は硫黄の含有量が少ないことが好ま しい。硫黄は、波長変換材料 203, 204の熱による劣化の原因となる場合があるため 、硫黄が少ない、好ましくは硫黄を含まない波長変換材料 203, 204を使用すること により、特性の良い白色発光装置を得ることができる。具体的には、波長変換材料 2 03, 204として、硫黄を含む化合物を母体とするものを含まないこと、即ち、硫化物、 酸硫化物、硫酸塩などを含まないことが好ましい。
[0199] ·内部量子効率が高いこと
波長変換材料 203, 204は、その内部量子効率が、通常 40%以上、好ましくは 50 %以上であることが望ましい。この範囲の下限を下回る材料は白色発光装置の発光 効率を低下させるので好ましくない。また、中でも 500nmから 600nmの波長の光を 発する波長変換材料 203, 204に関しては、視感度が特に高い領域の光を二次光と して発生するため、内部量子効率はさらに高いことがより好ましぐ具体的には 60% 以上であることがより好まし!/、。
[0200] ·吸光度が高いこと
波長変換材料 203, 204の吸光度は、通常 50%であり、 60%以上であることが好 ましぐ 70%以上であることがより好ましぐ 75%以上であることがさらに好ましい。こ の範囲の下限を下回ると、やはり、白色発光装置の発光効率を十分に高くできなくな る虞がある。
[0201] なお、上記の内部量子効率及び吸光度は、発光素子 202の発光波長の光に対す る内部量子効率及び吸光度、詳しくは、発光素子 202が発する光の発光ピーク波長 の光 (以下適宜、単に「発光素子 202の発光ピーク波長の光」 、う)により励起した 場合の内部量子効率及び吸光度であり、これらは、例えば以下のようにして求められ る。
まず、反射率 0. 97の白色拡散板に発光素子の発光ピーク波長の光を入射して白 色拡散板で反射させ、白色拡散板で反射した光を積分球で集め、積分球で集めた 光をマルチチャンネルフォトディテクターで捉え、発光素子の発光ピーク波長の光が 白色拡散板で反射した反射光強度 RWを測定する。
[0202] 次に、波長変換材料に発光素子の発光ピーク波長の光を入射して、波長変換材料 に反射した光、及び、波長変換材料により吸収されて波長変換されて発生した光を 積分球で集め、積分球で集めた光を、反射光強度 RWの測定と同様にして、マルチ チャンネルフォトディテクターで捉える。マルチチャンネルフォトディテクターの測定の うち、発光素子の発光ピーク波長の光が波長変換材料で反射した反射光強度 RPを 測定する。
[0203] そして、下記式 (ii)により、波長変換材料に吸収された吸収光強度 APを算出し、こ の吸収光強度 APに発光素子の発光ピーク波長の光の波長をかけて吸収光フオトン 数対応値 PAに換算する。
吸収光強度 AP= { (反射光強度 RW) /0. 97} (反射光強度 RP) (ii) また、反射光強度 RWについても同様に、波長をかけて反射光フオトン数対応値 R WAに換算する。
[0204] その後に、反射光強度 RPの測定において捉えた、波長変換材料に発光素子の発 光ピーク波長の光を入射して積分球で集めた光について、観測された光の波長成分
のうち、反射光を含まない波長範囲 (即ち、波長変換材料が発した光の波長範囲)に おいて、光の強度と波長との積を合計し、発光フオトン数対応値 PPに換算する。
[0205] 最後に、「内部量子効率 = (発光フオトン数対応値 PP) Z (吸収光フオトン数対応値 PA)」によって、内部量子効率を算出する。
また、吸光度は、「吸光度 = (吸収光フオトン数対応値 PA) Z{ (反射光フォトン数対 応値 RWA) ZO. 97}」によって算出する。
なお、上記の内部量子効率が高いこと、及び、吸光度が大きいことが好ましぐ両特 性を共に備えて 、ることが更に好ま 、。
[0206] 上記のような特性を満足する波長変換材料 203, 204としては、例えば、 Ca Sc Si
3 2
O : Ce、 Ca (Sc, Mg) Si O : Ce、 CaSc O: Ceなどの緑色発光材料と、 CaAl
3 12 3 2 3 12 2 4
SiN: Eu2+、 (Sr, Ca) AlSiN: Eu2+、 SrAlSiN: Eu2+などの赤色発光材料とを適
3 3 3
切な比率で混合した材料を使用することができるが、上述の条件を満たしさえすれば 特にこれらに制限されるものではない。
[0207] 以下、本実施形態の白色発光装置に用いて好適な波長変換材料 203, 204の例 として、上記の第 1波長変換材料及び第 2波長変換材料の具体例を挙げる。ただし、 波長変換材料 203, 204は以下の例示物に限定されるものではない。
[0208] (第 1波長変換材料の例)
第 1波長変換材料の第 1の例としては、前記本発明の第 1の発光装置に使用する 緑色系蛍光体を挙げることができる。
[0209] (第 1波長変換材料のその他の例)
第 1波長変換材料のその他の例としては、(Ba, Ca, Sr) MgAl O : Euや、(Ba,
10 17
Mg, Ca, Sr) (PO) Cl : Eu、 (Ba, Ca, Sr) MgSi O: Eu等の 400nm〜500nm
5 4 3 2 8
に発光ピークを持つ物質や、 (Ba, Ca, Sr) MgAl O : Eu, Mn、 (Ba, Ca, Sr) Al
10 17
O: Eu, (Ba, Ca, Sr) Al O: Eu, Mn、 (Ca, Sr) Al O: Eu,一般式 Ca Si
2 4 2 4 2 4 x 12- (m +
Al O N : Eu (但し、 0. 3く xく 1. 5、 0. 6 < m< 3、 0≤n< l . 5)で表され n) (m+n) n 16-n
る Euで付活された oiサイアロン等の 500nm〜600nmに発光ピークを持つ物質が 挙げられるが、これらに限定されない。また、上述の蛍光体を複数用いても良い。
[0210] (第 2波長変換材料の例)
第 2波長変換材料の第 1の例としては、前記本発明の第 1の発光装置に使用する 赤色系蛍光体を挙げることができる。
[0211] (第 2波長変換材料のその他の例)
第 2波長変換材料のその他の例としては、発光素子が発する一次光や第 1波長変 換材料が発する二次光と合成されて白色光となる波長の光を発するものであれば特 に制限はされないが、例えば、一般式 Ca Si Al O N : Eu (但し、 0.
x 12- (m+n) (m+n) n 16_n
3 < χ< 1. 5、 0· 6 < m< 3, 0≤n< l . 5)で表される Euで付活された αサイアロン、 Ca Si N: Euゝ Sr Si N: Euゝ (Ca, Sr) Si N: Euゝ CaSi N : Euゝ蛍光を発す
2 5 8 2 5 8 2 5 8 7 10
るユーロピウム錯体等を用いることが出来る。また、上述の蛍光体を複数用いても良 い。
[0212] なお、上述した第 1波長変換材料と第 2波長変換材料とを組み合わせて使用する 場合、両者の使用量の比率は本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、 第 1波長変換材料に対する第 2波長変換材料の体積比は、通常 0. 05以上、好まし くは 0. 1以上、より好ましくは 0. 2以上、また、通常 1以下、好ましくは 0. 8以下、より 好ましくは 0. 5以下とすることが望ましい。この比が大きすぎても小さすぎても好まし い白色光を得ることが難しくなる。
[0213] さらに、波長変換材料 203, 204は、通常は粒子状で用いられる。この際、波長変 換材料 203, 204の粒子の粒径は任意である力 通常 150 /z m以下、好ましくは 50 μ m以下、より好ましくは 30 μ m以下とすることが望ましい。この範囲を上回ると、白 色発光装置 1の発光色のばらつきが大きくなると共に、波長変換材料 202とバインダ (封止剤)とを混合した場合には波長変換材料 203, 204を均一に塗布することが困 難となる虞がある。また、粒径の下限は、通常 1 μ m以上、好ましくは 5 μ m以上とす ることが望ましい。この範囲を下回ると、発光効率が低下する虞がある。
[0214] さらに、波長変換材料 203, 204の存在状態は本発明の白色発光装置の効果を著 しく損なわない範囲で任意である。例えば、バインダ 209を用いてフレーム 205に保 持するようにしても良ぐまた、バインダ 209を用いずにフレーム 205に固定するように しても良い。
ノインダ 209は、通常、粉末状や粒子状の波長変換材料 203, 204をまとめたり、
フレーム 205に添着させたりするために用いる。本実施形態の白色発光装置 201に 用いるバインダ 209について制限は無ぐ公知のものを任意に用いることができる。
[0215] ただし、白色発光装置 201を透過型、即ち、一次光や二次光などがバインダ 209を 透過して白色発光装置 201の外部に放出されるように構成した場合、バインダ 209と しては、白色発光装置 201が発する光の各成分を透過させるものを選択することが 望ましい。
[0216] ノインダ 209の例を挙げると、榭脂等の他、ガラス等の無機材料も用いることができ る。その具体例を挙げると、榭脂としては、エポキシ榭脂、シリコーン榭脂等の有機合 成榭脂、ポリシロキサンゲルやガラス等の無機材料などが挙げられる。
[0217] また、バインダ 209として榭脂を用いる場合、その樹脂の粘度は任意であるが、使 用する波長変換材料 203, 204の粒径と比重、特に、表面積当たりの比重に応じて、 適当な粘度を有するバインダ 209を用いることが望ましい。例えば、エポキシ榭脂を ノインダ 209に使用するときに、波長変換材料 203, 204の粒径力 ^2 m〜5 m、 その比重が 2〜5である場合には、通常、 1〜: LOPasの粘度のエポキシ榭脂を用いる と、波長変換材料 203, 204の粒子をよく分散させることができるため、好ましい。 なお、バインダ 209は 1種を単独で用いても良ぐ 2種以上を任意の組み合わせ及 び比率で併用しても良い。
[0218] さらに、波長変換材料 203, 204にその他の成分を共存させることも可能である。そ の他の成分に特に制限は無ぐ公知の添加剤を任意に使用することができる。
具体例を挙げると、例えば、白色発光装置 201の配光特性や混色の制御を行なう 場合には、その他の成分として、アルミナやイットリア等の拡散剤を使用することが好 ましい。
また、例えば、波長変換材料 203, 204を高密度に充填する場合には、その他の 成分として、ピロリン酸カルシウムや硼酸バリウムカルシウム等の結着剤を使用するこ とが好ましい。
[0219] また、バインダ 209を用いないで波長変換材料をフレームに保持させようとすること も可能である。例えば、波長変換材料を焼成して焼成体を作製し、その焼成体をそ のままフレームに取り付けるようにすることができる。また、例えば波長変換材料でガ
ラスを作製したり、波長変換材料の単結晶を加工したものをフレームに取り付けたりし ても良い。
[0220] なお、バインダ 209を用いる場合には、上記のその他の成分はノインダ 209中に分 散させるようにすればよ!ヽが、バインダ 209を用いな 、場合にも添加剤等のその他の 成分を波長変換材料に共存させることが可能である。
[0221] 本実施形態においては、波長変換材料 203, 204として、上述した第 1波長変換材 料に属する波長変換材料 203と、第 2波長変換材料に属する波長変換材料 204とを 用い、これらの波長変換材料 203, 204はバインダ 209に分散させた状態でフレーム 205の凹部 205Aに保持させるようになつている。
また、本実施形態で用いる波長変換材料 203, 204は、温度上昇による発光強度 の変化が小さぐ内部量子効率が高ぐ吸光度も高いものを用いている。さらに、バイ ンダ 209は発光素子 202が発する一次光や波長変換材料 203, 204が発する二次 光を透過できるようになつていて、これにより、一次光と二次光との合成光として白色 光が発せられるようになって!/、るものとする。
[0222] [III 2— 4.製造方法]
白色発光装置 201の製造方法に制限はなく任意であるが、例えば、波長変換材料 203, 204並びに適宜用いられるバインダ 209及びその他の成分を分散媒に分散さ せてスラリーを調製し、調製したスラリーを、発光素子 202を取り付けたフレーム 205 に塗布した後、スラリーを乾燥させて形成することができる。なお、適宜、発光素子 20 2はスラリーの塗布時や塗布後にフレーム 205に取り付けるようにしても良い。
[0223] スラリーの調製は、波長変換材料 203, 204と、適宜用いられるバインダ 209及び 添加剤等その他の成分とを、分散媒に混合することにより行なう。なお、スラリーは、 バインダ 209の種類によってはペースト、ペレット等に呼称が変わる場合がある力 本 発明の白色発光装置の説明ではこれらを含めてスラリーと呼ぶことにする。
[0224] スラリー調製に用いる分散媒に制限は無ぐ公知の分散媒を任意に用いることがで きる。その具体例としては、 n—へキサン、 n—ヘプタン、ソルべッソ等の鎖状炭化水 素、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、トリクロロエチレン、パークロロエチレン 等のハロゲン化炭化水素、メタノール、エタノール、イソプロパノール、 n—ブタノール
等のアルコール類、アセトン、メチルェチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン 類、酢酸ェチル、酢酸 n—ブチル等のエステル類、セロソブル、ブチルソルブ、セロソ ルブアセテートなどのエーテル類、水や任意の水溶液等の水系溶剤などが挙げられ る。
[0225] 次に、調製したスラリーをフレーム 205等の基材に塗布する。塗布方法は任意であ る力 例えば、デイスペンス、ポッティグ等の手法が利用できる。
塗布後、分散媒を乾燥させて、波長変換材料 203, 204をフレーム 205に固定する 。乾燥方法は任意であるが、例えば、自然乾燥、加熱乾燥、真空乾燥、焼き付け、紫 外線照射、電子線照射等の方法を用いればよい。中でも、数十 °C〜百数十 °Cの温 度でのベーキングは、安価な設備で簡単に、確実に分散媒を除去できるため好まし い。
[0226] なお、反射型の白色発光装置 (後述)を製造する目的で波長変換材料 203, 204 の高密度化を行なう場合には、スラリーにその他の成分として結着剤を混合すること が好ましい。また、結着剤を混合したスラリーを塗布する場合には、スクリーン印刷式 やインクジェット印刷などの塗布方法を用いることが望ましい。スラリーの塗りわけ等を 容易に行なうことができるためである。もちろん、結着剤を使用する場合に通常の塗 布方法により塗布を行なってもよ ヽ。
[0227] また、スラリーを用いない方法もある。例えば、波長変換材料 203, 204と、適宜使 用されるバインダ 209やその他の成分とを混合し、混鍊成形することによって波長変 換材料 203, 204をフレーム 205に取り付けるようにして白色発光装置 201を製造す ることもできる。さらに、成形する際には、例えば、プレス成型、押し出し成形 (Tーダ ィ押出、インフレーション押出、ブロー成形、溶融紡糸、異型押出等)、射出成形など を行なうことにより成形を行なうこともできる。
[0228] さらに、バインダ 209がエポキシ榭脂ゃシリコーン榭脂等の熱硬化性のものである 場合には、硬化前のバインダ 209と波長変換材料 203, 204と適宜用いられるその 他の成分とを混合、成形して、その後、加熱によりバインダ 209を硬化させて波長変 換材料 203, 204をフレーム 205に取り付けるようにして白色発光装置 201を製造す ることもできる。また、バインダ 209が UV (紫外線)硬化性である場合には、上記方法
の加熱の代わりに UV光を照射することによりバインダ 209を硬化させて波長変換材 料 203, 204をフレーム 205に取り付けるようにして白色発光装置 201を製造すること ちでさる。
[0229] ところで、波長変換材料 203, 204は、白色発光装置 201の製造の際に一連のェ 程の中で作製してもよいが、予め波長変換材料 203, 204を含む部材を別途用意し ておき、フレーム 205等に後力も組み込んで白色発光装置 201を完成させるようにし ても良い。
[0230] [III 3.作用]
本実施形態の白色発光装置 201は上記のように構成されているため、使用時には 、発光素子 202に電力を供給して発光素子 202を発光させる。発光素子 202は電力 の供給により一次光を発する。一次光の一部は、バインダ 209に分散した波長変換 材料 203, 204に吸収され、これ〖こより、波長変換材料 203, 204は、それぞれ二次 光として蛍光を発する。以上のようにして、波長変換材料 203, 204に吸収されなか つた一次光と、波長変換材料 203, 204が発した二次光とがバインダ 209を透過して 、白色発光装置 201から一次光と二次光との合成光として白色光が発せられる。
[0231] 本実施形態の白色発光装置 201が発する白色光は、上記の所定波長範囲におい て平坦な発光スペクトルを有して ヽるため、演色性に優れる。
また、本実施形態の白色発光装置 201では、発光強度の温度依存性が小さい波 長変換材料 203, 204を用いているため、従来のような点灯後の白色光の経時的な 色調変化を抑制することができる。
[0232] さらに、本実施形態の白色発光装置 201では、発光素子 202が発する一次光と同 様の波長の光に対して、内部量子効率が高ぐ且つ、吸光度が高い波長変換材料 2 03, 204を用いているため、白色発光装置 201が発する白色光の強度を従来よりも 高め、白色発光装置 201の発光効率を向上させることができる。
なお、本実施形態では白色光が一次光を成分として含むものを挙げたが、白色光 がー次光を含まないものも同様の利点を得ることができる。
[0233] [III 4.その他]
以上、本発明の白色発光装置の一実施形態について説明したが、本発明の白色
発光装置は上記の実施形態に限定されるものではなぐ本発明の要旨を逸脱しない 範囲において任意に変形して実施することができる。
例えば、白色発光装置 201を反射型に形成しても良い。具体例を挙げると、図 7に 示すように、発光素子 202から発せられた一次光がフレーム 205の表面等で反射し て外部に発せられる構成にしても良い。なお、図 7において、図 6と同様の符号で示 す部位は、図 6と同様のものを表わす。
[0234] 図 7の構成では、発光素子 202は梁 210によってフレーム 205から離して設けられ 、また、波長変換材料 203, 204はバインダ 209に分散した状態でフレーム 205の凹 部 205 Aの表面に塗布形成されている。
また、導電性端子 206, 207は、発光素子 202に電力を供給できるよう、梁 210に 設けられている。このほかは、図 7の白色発光装置 201は、上記の実施形態と同様に 構成されている。
[0235] この場合、発光素子 202から発せられた一次光の一部はフレーム 205の表面等で 反射して白色光の一成分として白色発光装置 201の外部に向けて発せられ、別の一 部は波長変換材料 203, 204に吸収される。そして、凹部 205Aの表面に固定され た波長変換材料 203, 204は一次光を吸収し励起されて二次光を発する。これにより 、白色発光装置 201は一次光と二次光との合成光として白色光を発することができる ようになっている。
[0236] 白色発光装置 201をこのように反射型に構成した場合でも、白色光が上記の所定 波長範囲にぉ 、て平坦な発光スペクトルを有するようにすることにより白色光の演色 性を向上させることができ、また、発光強度の温度依存性が小さい波長変換材料 20 3, 204を用いることにより点灯後の白色光の経時的な色調変化を抑制することがで き、さらに、発光素子 202が発する一次光と同様の波長の光に対して、内部量子効 率が高ぐ且つ、吸光度が高い波長変換材料 203, 204を用いていることにより白色 光の強度を向上させて白色発光装置 201の発光効率を向上させることができる。
[0237] また、例えば、上記実施形態のように波長変換材料 203, 204を混合して用いるほ 力 波長変換材料 203, 204の性質や種類などに応じて別々の部位や部材に区別 して配置するようにしても良 、。
[0238] 具体例を挙げると、図 8に示すように、フレーム 205の凹部 205A内の一部におい て波長変換材料 203をバインダ 209Aに分散させ、凹部 205Aの残りの部分におい て波長変換材料 204をバインダ 209Bに分散させるようにしても良い。なお、図 8にお いて、図 6, 7と同様の符号で示す部位は、図 6, 7と同様のものを表わす。さらに、バ インダ 209Aとバインダ 209Bとは、同種のものであってもよぐ異なっていても良い。
[0239] 図 8の構成では、発光素子 202から発せられた一次光の一部は白色光の一成分と して白色発光装置 201の外部に向けて発せられ、別の一部は波長変換材料 203, 2 04に吸収される。そして、バインダ 209A内に分散された波長変換材料 203、及び、 バインダ 209B内に分散された波長変換材料 204のそれぞれが一次光により励起さ れて二次光を発し、これにより、白色発光装置 201は一次光と二次光との合成光とし て白色光を発することができるようになって!/、る。
[0240] 白色発光装置 201を、図 8のように波長変換材料 203, 204の性質や種類などに 応じて別々の部位や部材に区別して配置した場合でも、白色光が上記の所定波長 範囲にお 、て平坦な発光スペクトルを有するようにすることにより白色光の演色性を 向上させることができ、また、発光強度の温度依存性が小さい波長変換材料 203, 2 04を用いることにより点灯後の白色光の経時的な色調変化を抑制することができ、さ らに、発光素子 202が発する一次光と同様の波長の光に対して、内部量子効率が高 ぐ且つ、吸光度が高い波長変換材料 203, 204を用いていることにより白色光の強 度を向上させて白色発光装置 201の発光効率を向上させることができる。
なお、図 8の白色発光装置 201を更に変形させて、波長変換材料 203, 204に応じ て別々の凹部 205Aをフレーム 205に設け、波長変換材料 203, 204を性質や種類 などに応じて別々の凹部 205Aに配置するようにしても良い。
[0241] [III 5.照明装置]
上記の白色発光装置 201は、照明装置に用いることができる。この照明装置は、上 記の白色発光装置 201を備えていれば他に制限はないが、通常、レンズ等の配光 素子や、保護カバー、反射防止フィルム、視野拡大フィルム、輝度向上フィルム、レン ズシート、放熱板などの他の構成部材を適宜組み合わせて構成される。
[0242] 例を挙げると、例えば、白色発光装置 201を用いて、図 9に示す面発光照明装置 2
11を構成することができる。この面発光照明装置 211では、上面部分が開口した筐 体である保持ケース 212内に、上記の白色発光装置 201が並べて多数配設されて いて、保持ケース 212の開口部分 212Aに向けて白色発光装置 201が白色光を発 するようになつている。ここで、白色発光装置 201は上記実施形態で説明したものと 同様のものを、モールド部材で覆ったものである。また、各白色発光装置 201には、 電源や回路(図示省略)から電力を供給できるようになつている。さらに、保持ケース 212の開口部分 212Aにはアクリル板等の拡散板 213が設けられていて、白色発光 装置 201から発せられた一次光及び二次光が拡散板 213内で拡散して偏りのない 均一な白色光が拡散板 213から外部に向けて発せられるようになって 、る。
[0243] 上記のように白色発光装置 201を用いて照明装置を構成することにより、演色性の 向上、点灯後の白色光の経時的な色調変化の抑制、白色光の強度の向上及び白 色発光装置 201の発光効率の向上など、白色発光装置 201と同様の利点を得ること ができる。
なお、図 9を用いて示した面発光照明装置 211は本発明の照明装置の一例であり 、本発明の照明装置は本発明の要旨を逸脱しない範囲において任意に変形して実 施することができる。
[0244] [III 6.表示装置]
上記の白色発光装置 201は、表示装置 (画像表示装置)に用いることができる。こ の表示装置は、上記の白色発光装置 201を備えていれば他に制限はないが、通常 、画像を形成させる像形成ユニットや、照明装置と同様の他の構成部材などを適宜 組み合わせて構成される。
[0245] 例を挙げると、例えば、白色発光装置 201を用いて、図 10に示す表示装置 221を 構成することができる。この表示装置 221は、白色発光装置 201と、導光板 222と、 反射フィルム 223と、拡散板 224と、像形成ユニット 225とを備えている。
[0246] 白色発光装置 201は、上述したものと同様に形成されたもので、像形成ユニット 22 5を背面から照らすためのノ ックライトユニットとして用いられるようになつている。 また、導光板 222は、白色発光装置 201からの白色光を像形成ユニット 225に案内 するための部材であり、鏡、プリズム、レンズ、光ファイバ一等を利用したものをはじめ
、公知の導光板を任意に用いることができる。導光板 222を用いるようにすれば、像 形成ユニット 225に対して任意の位置に白色発光装置 201を配設することが可能と なり、表示装置 221の設計の自由度を高めることができる。
本実施形態では、導光板としてプリズムを用いて ヽるものとする。
[0247] さらに、反射フィルム 223は、白色発光装置 201から発せられた白色光を反射する 部材であり、導光板 222の背面に設けられている。これにより、導光板 222の図中横 に設けられた白色発光装置 201から発せられた白色光を、反射フィルム 223で反射 させて、図中上に配設された拡散板 224を介して造形性ユニット 225に案内すること ができるようになつている。
[0248] また、拡散板 224は、白色発光装置 201から発せられた光を拡散させる部材であり 、白色発光装置 201から発せられた光は拡散板 224の内部で拡散し、偏りのない均 一な白色光となって像形成ユニット 225へ放出されようになって 、る。
拡散板 224の具体的な構成に制限はなぐ形状、材料、寸法などは任意であり、例 えば、表裏に凹凸を有するシートや、合成樹脂などのバインダ中に合成樹脂ゃガラ スなどの微粒子が分散した構造物を用いることもできる。本実施形態では、バインダ 中に微粒子が分散したタイプの拡散板 224を用いて 、るものとする。
[0249] さらに、像形成ユニット 225は、白色発光装置 201が発した白色光を背面側(図中 下側)に照射されて、表面側(図中上側)に映像を形成する部材である。何らかの像 を形成し、照射された白色光の少なくとも一部を透過させることができるものであれば 他に制限はなぐ任意の形状、寸法、材料等を有する公知の部材を用いることができ る。
[0250] 像形成ユニット 225の具体例を挙げると、液晶ディスプレイ等に用いられる液晶ュ ニットや、内部照明標識等に用いられる標識などが挙げられる。
例えば、液晶ユニットの一例としては、カラーフィルター、透明電極、配向膜、液晶、 配向膜、透明電極が上記の順に重なった液晶層力 表裏に偏光フィルムを取り付け られたガラスセル等の容器に保持された構造のものが挙げられる。この場合、液晶ュ ニットでは透明電極に印加する電極によって液晶の分子配列を制御して像を形成す るようになっているが、この際、上述した白色発光装置 201が背面から白色光 (バック
ライト)によって液晶ユニットを照らすことにより、液晶ユニットに形成された像を液晶 ユニットの表面側に明瞭に表示することができる。
[0251] さらに、表示装置が像形成ユニットに形成された像を表示する位置は、像形成ュ- ットの表面側であればよぐ像形成ユニットの表面側に直接映像を表示する他、何ら かの投影面に像を投影して表示するようにしても良い。このようなものの例としては、 例えば、液晶プロジェクタなどが挙げられる。
[0252] また、例えば像形成ユニットとして標識を用いる場合には、上述した白色発光装置 201が背面力 白色光によって標識を照らすことにより、標識に形成された像を標識 の表面側に明瞭に表示することができる。
なお、像形成ユニット 225に形成される像は任意であり、文字であっても画像であつ ても良い。
本実施形態では像形成ユニット 225として、表面に直接像を表示する液晶ユニット を用いているものとする。
[0253] 上記のように表示装置を構成すれば、白色発光装置 201から白色光を発して像形 成ユニット 225を背面から照らすようにすることにより、像形成ユニット 225に形成され ている像が像形成ユニット 225の表面に明瞭に映し出すことができる。
この際、上記のように白色発光装置 201を用いて表示装置 221を構成することによ り、演色性の向上により表示される像の色再現性を向上させることができる他、点灯 後の白色光の経時的な色調変化の抑制、白色光の強度の向上及び白色発光装置 2 01の発光効率の向上など、白色発光装置 201と同様の利点を得ることが可能となる なお、図 10を用いて示した表示装置 221は本発明の表示装置の一例であり、本発 明の表示装置は本発明の要旨を逸脱しない範囲において任意に変形して実施する ことができる。
[0254] [IV.画像表示装置に関する説明]
以下、本発明の画像表示装置について実施形態を示して詳細に説明するが、本 発明の画像表示装置は以下の実施形態に限定されるものではなぐ本発明の要旨 を逸脱しな 、範囲にぉ 、て任意に変形して実施することができる。
[0255] 図 11は、本発明の画像表示装置の一実施形態としてのカラーディスプレイの要部 の構造を示す模式的な断面図である。
図 11に示すように、本実施形態のカラーディスプレイは、赤色の画素(以下適宜、「 赤色画素」という) 301と、少なくとも 1つの非赤色の画素 302, 303とを備える。
ここで、非赤色の画素 302, 303に制限は無く、赤色以外の色の光を発するもので あれば任意の光源を非赤色の画素 302, 303として用いることができる力 通常、力 ラーディスプレイ 301においては、非赤色の画素 302, 303として、緑色の画素(以下 適宜、「緑色画素」という) 302と、青色の画素(以下適宜、「青色画素」という) 303と を用い、これらの赤色、緑色及び青色の画素を組み合わせて任意の色を合成するよ うになつている。
[0256] さらに、本実施形態においては、上記の赤色画素 301が、赤色画素用発光素子 31 3、及び、蛍光体温度依存係数が 85以上の赤色蛍光体 314を有する赤色発光装置 (赤色発光素子) 311を備えて構成されて 、る。
[0257] [IV— 1.赤色の画素]
図 12は、本実施形態にかかる赤色発光装置 311の要部を模式的に示す断面図で ある。ただし、赤色発光装置の構成は図 12に示すものに限定されない。
本実施形態にかかる赤色画素 301は、赤色画素用発光素子 313と、波長変換材 料である赤色蛍光体 314とを有する赤色発光装置 311を備えて構成されて!ゝて、赤 色画素用発光素子 313から発せられた光によって赤色蛍光体 314が励起されて赤 色蛍光体 314から赤色の光が発せられ、この赤色の光が赤色画素 301から赤色光と して発せられるようになつている。また、赤色画素用発光素子 313が発する光の一部 は、赤色蛍光体 314に励起光として吸収されず、赤色蛍光体 314が発する赤色光と 共に、赤色画素 301が発する赤色光の一成分としてカラーディスプレイの外部に発 せられるようにしても良い。
[0258] なお、赤色画素 301から発せられる赤色光のピーク波長はカラーディスプレイの使 用状態や目的などに応じて任意に設定できる力 通常 580nm以上、好ましくは 600 nm以上、また、通常 680nm以下、好ましくは 660nm以下である。
さらに、赤色画素 301が備える赤色発光装置 311は、通常、赤色画素用発光素子
313及び赤色蛍光体 314を保持するための基部としてフレーム 312を備えて 、る。
[0259] [IV— 1 1.フレーム]
フレーム 312は、赤色画素用発光素子 313及び赤色蛍光体 314を保持する基部 であり、その形状及び材質等は任意である。
フレーム 312の形状の具体例としては、板状、カップ状等、その用途に応じて適当 な形状とすることができる。また、例示した形状の中でも、カップ状のフレームは、白 色光の出射方向に指向性をもたせることができ、赤色発光装置 311が放出する光を 有効に利用できるため、好ましい。
[0260] また、フレーム 312の材質の具体例としては、金属、合金、ガラス、カーボン等の無 機材料、合成樹脂等の有機材料など、用途に応じて適当なものを用いることができる ただし、赤色画素用発光素子 313や赤色蛍光体 314から発せられる光が当たるフ レーム 312の面は、当たった光の反射率を高められていることが好ましぐ特に、可視 光域全般の光の反射率を高められていることがより好ましい。したがって、少なくとも 光が当たる面は、反射率が高い素材により形成されていることが好ましい。具体例と しては、ガラス繊維、アルミナ粉、チタニア粉等の高い反射率を有する物質を含んだ 素材 (射出整形用榭脂など)でフレーム 312の全体又はフレーム 312の表面を形成 することが挙げられる。
[0261] また、フレーム 312の表面の反射率を高める具体的な方法は任意であり、上記のよ うにフレーム 312自体の材料を選択するほか、例えば、銀、白金、アルミニウム等の 高反射率を有する金属や合金でメツキ、或いは蒸着処理することにより、光の反射率 を高めることちでさる。
なお、反射率を高める部分は、フレーム 312の全体であっても一部であってもよい 力 通常は、赤色画素用発光素子 313や赤色蛍光体 314から発せられる光が当たる 部分の全表面の反射率が高められて 、ることが望ま 、。
[0262] さらに、通常は、フレーム 312には赤色画素用発光素子 313に対して電力を供給 するための電極や端子等が設けられる。
本実施形態においては、カップ状に設けられたフレーム 312の凹部 312Aの底に、
赤色画素用発光素子 313に電力を供給するための導電性端子 315, 316が形成さ れていて、導電性端子 315, 316は外部の電源(図示省略)に接続されるようになつ ているものとする。
[0263] [IV— 1 2.赤色画素用発光素子]
赤色画素用発光素子 313は、赤色蛍光体 314の励起光を発するものである。 赤色画素用発光素子 313の種類は任意であるが、例えば、発光ダイオード (即ち、 「LED」)、端面発光型又は面発光型のレーザーダイオード (即ち、「LD」)、エレクト ロルミネセンス素子などが挙げられる。中でも通常は、安価な LEDが好ましい。
[0264] また、赤色画素用発光素子 313が発する光の発光波長も任意であり、赤色画素と して赤色発光装置 311が発する赤色光に応じて適当な発光波長の光を発する発光 素子を用いればよい。通常は、近紫外から青緑色の光を励起光として発する発光素 子を用いることが望ましい。赤色画素用発光素子 313が発する光の具体的な波長の 範囲を例示すると、通常 370nm以上、好ましくは 380nm以上、また、通常 500nm 以下、好ましくは 480nm以下が望ましい。この範囲外の場合は、高効率の LEDを製 造することが難しくなる虞がある。
[0265] 赤色画素用発光素子 313の具体例としては、シリコンカーバイド、サファイア、窒化 ガリウム等の基板に、 MOCVD法等の方法で InGaN系、 GaAIN系、 InGaAIN系、 ZnSeS系等の半導体を発光層として形成させた発光素子などが挙げられる。半導体 の構造としては、 MIS接合、 PIN接合や PN接合などを有するホモ構造、ヘテロ結合 あるいはダブルへテロ結合のものなどが挙げられる。また、半導体活性層を量子効果 が生ずる薄膜に形成させた単一量子井戸構造や多重量子井戸構造とすることもでき る。また、活性層には、 Si、 Ge等のドナー不純物及び Z又は Zn、 Mg等のァクセプタ 一不純物がドープされる場合もある。中でも、 (In, Ga) Nを主成分とする(In, Ga) N 系発光素子を使用することが好ましい。特に、(In, Ga) N系 LEDが好ましい。
なお、赤色画素用発光素子 313は 1個を単独で用いてもよぐ 2個以上の赤色画素 用発光素子 313を併用しても良い。さらに、赤色画素用発光素子 313は 1種のみで 用いてもよぐ 2種以上のものを併用しても良い。
[0266] また、赤色画素用発光素子 313をフレーム 312に取り付ける場合、その具体的方
法は任意であるが、例えば、ハンダを用いて取り付けることができる。ハンダの種類は 任意である力 例えば、 AuSn、 AgSn等を用いることができる。また、ハンダを用いる 場合、ハンダを通じてフレーム 312に形成された電極や端子 315, 316等から電力を 供給できるようにすることも可能である。特に、放熱性が重要となる大電流タイプの L EDやレーザーダイオードなどを赤色画素用発光素子 313として用いる場合、ハンダ は優れた放熱性を発揮するため、赤色画素用発光素子 313の設置にハンダを用い ることは有効である。
[0267] また、ハンダ以外の手段によって赤色画素用発光素子 313をフレーム 312に取り付 ける場合には、例えば、エポキシ榭脂、イミド榭脂、アクリル榭脂等の接着剤を用いて もよい。この場合、接着剤に銀粒子、炭素粒子等の導電性フィラーを混合させてベー スト状にしたものを用いることにより、ハンダを用いる場合のように、接着剤を通電して 赤色画素用発光素子 313に電力供給できるようにすることも可能である。さらに、これ らの導電性フィラーを混合させると、放熱性も向上するため、好ましい。
[0268] さらに、赤色画素用発光素子 313への電力供給方法も任意であり、上述したハンダ や接着剤を通電させる他、赤色画素用発光素子 313と電極や端子 315, 316等とを ワイヤボンディングにより結線して電力供給するようにしても良!、。この際用いるワイヤ に制限はなぐ素材や寸法などは任意である。例えば、ワイヤの素材としては金、ァ ルミ-ゥム等の金属を用いることができ、また、その太さは通常 20 πι〜40 /ζ πιとす ることができるが、ワイヤはこれに限定されるものではない。
[0269] また、赤色画素用発光素子 313に電力を供給する他の方法の例としては、バンプ を用いたフリップチップ実装により赤色画素用発光素子 313に電力を供給する方法 が挙げられる。
本実施形態においては、赤色画素用発光素子 313として近紫外から青緑色の光を 発する(In, Ga) N系 LEDを用い、この赤色画素用発光素子 313がフレーム 312の 凹部 312Aの底部には設置されている。さらに、赤色画素用発光素子 313は、導電 性端子 315と直接接続され、また、導電性端子 316とワイヤ 317を介してワイヤボンド により接続されて、電力を供給されるようになっている。
[0270] [IV— 1 3.赤色蛍光体]
赤色蛍光体 314は、赤色画素用発光素子 313から発せられる光を吸収し、赤色光 を発するものである。したがって、赤色蛍光体 314は赤色画素用発光素子 313から 発せられた光の波長を変換して赤色光にする波長変換材料として機能するものであ る。
[0271] 本実施形態においては、赤色蛍光体 314として、蛍光体温度依存係数 TRが通常 85以上、好ましくは 90以上、より好ましくは 95以上であるものを用いる。
蛍光体温度依存係数 TRは、蛍光体の、 25°Cにおける輝度に対する 100°Cにおけ る輝度の比率を%単位で表わしたものである。したがって、蛍光体温度依存係数 TR が上記の範囲内となることは、温度上昇による赤色蛍光体 314の発光強度の変化が 小さいことを表わす。即ち、赤色蛍光体 314の発光強度の温度依存性が小さいことを 表わす。
[0272] 従来のカラーディスプレイにお 、ては、赤色画素として赤色発光 LEDなどのように 温度依存性が大きいものなどを用いていた。しかし、その場合には、温度条件により 赤色画素から発せられる赤色光の強度が非赤色の画素から発せられる光に比べて 大きく変化し、各画素から発せられる光の強度のバランスが変化して、カラーディスプ レイが表示する像の色調が変化していた。これに対し、本実施形態のように、赤色画 素用発光素子 313と赤色蛍光体 314とを有する赤色発光装置 311を赤色画素に備 えさせると共に、赤色蛍光体 314として蛍光体温度依存係数 TRが大きいものを用い ることにより、上述した色調変化を抑制し、カラーディスプレイの温度変化による色ズ レを防止することが可能となる。
[0273] なお、蛍光体温度依存係数 TRは、例えば、以下のようにして測定することができる まず、向洋電子製温度特性評価装置を用い、直径 8mmの粉体用ホルダーに約 10 Omgの測定サンプル粉 (蛍光体)を詰め、装置内にセットする。その後、 25°C並びに 100°Cに保持した状態で、大気中、 TOPCON製色彩輝度計 BM5Aを用いて、 460 nmの励起光(150Wキセノンランプの光を回折格子分光器で分光した光)を照射し た状態での輝度を測定する。そして、 25°Cにおける輝度に対する、 100°Cにおける 輝度を計算し、蛍光体温度依存係数 TR (%)とする。
[0274] また、これに関連し、赤色蛍光体 314は母体化合物の構造成分として硫黄を含まな いことが好ましい。硫黄は、赤色蛍光体 314の熱による劣化の原因となる場合がある ため、このような硫黄を含まない赤色蛍光体、例えば、硫化物、硫酸塩等以外の赤色 蛍光体 314を使用することにより、赤色蛍光体 314の温度依存性を小さくすることが できる。
[0275] さらに、本実施形態で用いる赤色蛍光体 314としては、赤色画素用発光素子 313 力 発せられる光を効率よく吸収するものが好ましぐさらに、その発光効率が高いも のが好ましい。
具体的には、赤色蛍光体 314は、その内部量子効率が、通常 40%以上、好ましく は 50%以上、より好ましくは 60%以上であることが望ましい。この範囲の下限を下回 ると、発光効率の高 、ディスプレイが得られな 、虞がある。
[0276] さらに、赤色蛍光体 314の吸光度は、通常 50%であり、 60%以上であることが好ま しぐ 70%以上であることがより好ましぐ 75%以上であることがさらに好ましい。この 範囲の下限を下回ると、発光効率の高いディスプレイが得られない虞がある。
[0277] なお、上記の内部量子効率及び吸光度は、赤色画素用発光素子 313の発光波長 の光に対する内部量子効率及び吸光度、詳しくは、赤色画素用発光素子 313が発 する光の発光ピーク波長の光 (以下適宜、単に「赤色画素用発光素子の発光ピーク 波長の光」という)により励起した場合の内部量子効率及び吸光度であり、これらは、 例えば以下のようにして求められる。
まず、反射率 0. 97の白色拡散板に赤色画素用発光素子の発光ピーク波長の光を 入射して白色拡散板で反射させ、白色拡散板で反射した光を積分球で集め、積分 球で集めた光をマルチチャンネルフォトディテクターで捉え、赤色画素用発光素子の 発光ピーク波長の光が白色拡散板で反射した反射光強度 RWを測定する。
[0278] 次に、赤色蛍光体に赤色画素用発光素子の発光ピーク波長の光を入射して、赤色 蛍光体に反射した光、及び、赤色蛍光体により吸収されて波長変換されて発生した 光を積分球で集め、積分球で集めた光を、反射光強度 RWの測定と同様にして、マ ルチチャンネルフォトディテクターで捉える。マルチチャンネルフォトディテクターの測 定のうち、赤色画素用発光素子の発光ピーク波長の光が赤色蛍光体で反射した反
射光強度 RPを測定する。
[0279] そして、下記式 (iii)により、赤色蛍光体に吸収された吸収光強度 APを算出し、この 吸収光強度 APに赤色画素用発光素子の発光ピーク波長の光の波長をかけて吸収 光フオトン数対応値 PAに換算する。
吸収光強度 AP= { (反射光強度 RW) /0. 97} (反射光強度 RP) (iii) また、反射光強度 RWについても同様に、波長をかけて反射光フオトン数対応値 R
WAに換算する。
[0280] その後に、反射光強度 RPの測定にお!、て捉えた、赤色蛍光体に赤色画素用発光 素子の発光ピーク波長の光を入射して積分球で集めた光について、観測された光の 波長成分のうち、反射光を含まない波長範囲 (即ち、赤色蛍光体が発した光の波長 範囲)において、光の強度と波長との積を合計し、発光フオトン数対応値 PPに換算 する。
[0281] 最後に、「内部量子効率 = (発光フオトン数対応値 PP) Z (吸収光フオトン数対応値 PA)」によって、内部量子効率を算出する。
また、吸光度は、「吸光度 = (吸収光フオトン数対応値 PA) Z{ (反射光フォトン数対 応値 RWA) ZO. 97}」によって算出する。
なお、赤色蛍光体 314は、上記の内部量子効率が高いという特性と、吸光度が大き V、と 、う特性とを、共に備えて 、ることが好まし 、。
[0282] また、この赤色蛍光体 314は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で任意のものを用 いることができる。さらに、赤色蛍光体 314は、 1種を単独で用いてもよぐ 2種以上を 任意の組み合わせ及び比率で併用しても良 、。
また、赤色蛍光体 314は、発する光の色度が、 xy色度図において、 Xが、通常 0. 5 0以上、好ましくは 0. 60以上、より好ましくは 0. 63以上であるものが望ましい。さらに 、 yは、通常 0. 2以上、好ましくは 0. 3以上、また、通常 0. 35以下であるものが望ま しい。
[0283] (赤色蛍光体の例)
本発明の画像表示装置で用いることができる赤色蛍光体 314は、例えば、前記本 発明の第 1の発光装置に使用する赤色系蛍光体を用いることができるが、これに限
定されるものではない。
[0284] (赤色蛍光体のその他の例)
赤色蛍光体 314のその他の例としては、例えば、一般式 Ca Si Al O x 12- (m+n) (m+n) n
N : Eu (但し、 0. 3く xく 1. 5、 0. 6<m< 3, 0≤η< 1. 5)で表される Euで付活
16-n
された αサイアロン、 Ca Si N: Euゝ CaSi N : Euゝ CaSiN: Euゝ蛍光を発するュ
2 5 8 7 10 2
一口ピウム錯体等を用いることが出来る。また、上述の蛍光体を複数用いても良い。 中でも、上記の蛍光体温度依存係数、吸光度、内部量子効率などを良好に兼ね備 える点から、 MSiAIN: Eu2+ (ここで、 Mは、 Ca、 Srから選ばれる少なくともひとつの
3
金属)など力 特に好ましいものとして挙げられる。
[0285] さらに、赤色蛍光体 314は、通常は粒子状で用いられる。この際、赤色蛍光体 314 の粒子の粒径は任意である力 通常 150 μ m以下、好ましくは 50 μ m以下、より好ま しくは 30 m以下とすることが望ましい。この範囲を上回ると、赤色発光装置 311の 発光色のばらつきが大きくなる虞があるとともに、赤色蛍光体 14とバインダ (封止剤) とを混合した場合に赤色蛍光体 14を均一に塗布することが困難となる虞がある。また 、粒径の下限は、通常 1 μ m以上、好ましくは 5 μ m以上とすることが望ましい。この範 囲を下回ると、発光効率が低下する虞がある。
[0286] さらに、赤色蛍光体 314の存在状態は本発明の画像表示装置の効果を著しく損な わない範囲で任意である。例えば、バインダ 318を用いてフレーム 312に保持するよ うにしても良ぐまた、バインダ 318を用いずにフレーム 312に固定するようにしても良 い。
ノ インダ 318は、通常、粉末状や粒子状の赤色蛍光体 314をまとめたり、フレーム 3
12に添着させたりするために用いる。本実施形態に用いるバインダ 318について制 限は無ぐ公知のものを任意に用いることができる。
[0287] ただし、赤色発光装置 311を透過型、即ち、赤色光がバインダ 318を透過して赤色 発光装置 311の外部に放出されるように構成した場合、バインダ 318としては、赤色 光の各成分を透過させるものを選択することが望まし 、。
[0288] ノインダ 318の例を挙げると、榭脂等の他、ガラス等の無機材料も用いることができ る。その具体例を挙げると、榭脂としては、エポキシ榭脂、シリコーン榭脂等の有機合
成榭脂、ポリシロキサンゲルやガラス等の無機材料などが挙げられる。
[0289] また、バインダ 318として榭脂を用いる場合、その樹脂の粘度は任意であるが、使 用する赤色蛍光体 314の粒径と比重、特に、表面積当たりの比重に応じて、適当な 粘度を有するバインダ 318を用いることが望ましい。例えば、エポキシ榭脂をバインダ 318に使用するときに、赤色蛍光体 314の粒径が 2 μ m〜5 μ m、その比重が 2〜5 である場合には、通常、 l〜10Pasの粘度のエポキシ榭脂を用いると、赤色蛍光体 3 14の粒子をよく分散させることができるため、好ましい。
なお、バインダ 318は 1種を単独で用いても良ぐ 2種以上を任意の組み合わせ及 び比率で併用しても良い。
[0290] さらに、赤色蛍光体 314にその他の成分を共存させることも可能である。その他の 成分に特に制限は無ぐ公知の添加剤を任意に使用することができる。
具体例を挙げると、例えば、赤色発光装置 311の配光特性や混色の制御を行なう 場合には、その他の成分として、アルミナやイットリア等の拡散剤を使用することが好 ましい。
また、例えば、赤色蛍光体 314を高密度に充填する場合には、その他の成分として 、ピロリン酸カルシウムや硼酸バリウムカルシウム等の結着剤を使用することが好まし い。
[0291] また、バインダ 318を用いないで赤色蛍光体をフレーム 312に保持させようとするこ とも可能である。例えば、赤色蛍光体を焼成して焼成体を作製し、その焼成体をその ままフレーム 312に取り付けるようにすることができる。また、例えば赤色蛍光体でガ ラスを作製したり、赤色蛍光体の単結晶を加工したものをフレーム 312に取り付けたり しても良い。
[0292] なお、バインダ 318を用いる場合には、上記のその他の成分はノインダ 318中に分 散させるようにすればよ!ヽが、バインダ 318を用いな 、場合にも添加剤等のその他の 成分を波長変換材料に共存させることが可能である。
[0293] 本実施形態においては、赤色蛍光体 314として、上述した CaSiAIN : Eu2+で表わ
3
される赤色蛍光体 314を用 、、これらの赤色蛍光体 314はバインダ 318に分散させ た状態でフレーム 312の凹部 312Aに保持させるようになって!/、る。
また、本実施形態で用いる赤色蛍光体 314は、蛍光体温度依存係数、吸光度及び 内部量子効率が上記の望ましい範囲になっているものとする。さらに、バインダ 318 は赤色画素用発光素子 313が発する励起光や赤色蛍光体 314が発する赤色光を 透過できるようになって 、る。
[0294] [IV— 1 4.赤色発光装置の作製方法]
赤色発光装置 311の製造方法に制限はなく任意であるが、例えば、赤色蛍光体 3 14並びに適宜用いられるバインダ 318及びその他の成分を分散媒に分散させてスラ リーを調製し、調製したスラリーを、赤色画素用発光素子 313を取り付けたフレーム 3 12に塗布した後、スラリーを乾燥させて形成することができる。なお、適宜、赤色画素 用発光素子 313はスラリーの塗布時や塗布後にフレーム 312に取り付けるようにして も良い。
[0295] スラリーの調製は、赤色蛍光体 314と、適宜用いられるバインダ 318及び添加剤等 その他の成分とを、分散媒に混合することにより行なう。なお、スラリーは、バインダ 31 8の種類によってはペースト、ペレット等に呼称が変わる場合がある力 本実施形態 ではこれらを含めてスラリーと呼ぶことにする。
[0296] スラリー調製に用いる分散媒に制限は無ぐ公知の分散媒を任意に用いることがで きる。その具体例としては、 n—へキサン、 n—ヘプタン、ソルべッソ等の鎖状炭化水 素、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、トリクロロエチレン、パークロロエチレン 等のハロゲン化炭化水素、メタノール、エタノール、イソプロパノール、 n—ブタノール 等のアルコール類、アセトン、メチルェチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン 類、酢酸ェチル、酢酸 n—ブチル等のエステル類、セロソブル、ブチルソルブ、セロソ ルブアセテートなどのエーテル類、水や任意の水溶液等の水系溶剤などが挙げられ る。
[0297] 次に、調製したスラリーをフレーム 312等の基材に塗布する。塗布方法は任意であ る力 例えば、デイスペンス、ポッティグ等の手法が利用できる。
塗布後、分散媒を乾燥させて、赤色蛍光体 314をフレーム 312に固定する。乾燥 方法は任意であるが、例えば、自然乾燥、加熱乾燥、真空乾燥、焼き付け、紫外線 照射、電子線照射等の方法を用いればよい。中でも、数十 °C〜百数十 °Cの温度で
のべ一キングは、安価な設備で簡単に、確実に分散媒を除去できるため好ましい。
[0298] なお、反射型の赤色発光装置を製造する目的で赤色蛍光体 314の高密度化を行 なう場合には、スラリーにその他の成分として結着剤を混合することが好ましい。また 、結着剤を混合したスラリーを塗布する場合には、スクリーン印刷式やインクジェット 印刷などの塗布方法を用いることが望ましい。スラリーの塗りわけ等を容易に行なうこ とができるためである。もちろん、結着剤を使用する場合に通常の塗布方法により塗 布を行なってもよい。
[0299] また、スラリーを用いない方法もある。例えば、赤色蛍光体 314と、適宜使用される バインダ 318やその他の成分とを混合し、混鍊成形することによって赤色蛍光体 314 をフレーム 312に取り付けるようにして赤色発光装置 311を製造することもできる。さ らに、成形する際には、例えば、プレス成型、押し出し成形 (T—ダイ押出、インフレ ーシヨン押出、ブロー成形、溶融紡糸、铸型押出等)、射出成形などを行なうことによ り成形を行なうこともできる。
[0300] さらに、バインダ 318がエポキシ榭脂ゃシリコーン榭脂等の熱硬化性のものである 場合には、硬化前のバインダ 318と赤色蛍光体 314と適宜用いられるその他の成分 とを混合、成形して、その後、加熱によりバインダ 318を硬化させて赤色蛍光体 314 をフレーム 312に取り付けるようにして赤色発光装置 311を製造することもできる。ま た、バインダ 318が UV硬化性である場合には、上記方法の加熱の代わりに UV光を 照射することによりバインダ 318を硬化させて赤色蛍光体 314をフレーム 312に取り 付けるようにして赤色発光装置 311を製造することもできる。
[0301] ところで、赤色蛍光体 314は、赤色発光装置 311の製造の際に一連の工程の中で 作製してもよいが、予め赤色蛍光体 314を含む部材を別途用意しておき、フレーム 3 12等に後から組み込んで赤色発光装置 311を完成させるようにしても良!、。
[0302] [IV- 2.緑色の画素]
図 13は、本実施形態に力かる非赤色の画素の一つである緑色画素 302として用い る緑色発光装置 (緑色発光素子) 321の要部を模式的に示す断面図である。
本実施形態で用いる緑色画素 302に制限はなぐ本発明の画像表示装置の効果 を著しく損なわない限り緑色の光を発する任意の光源を用いることができる。したがつ
て、従来用いられてきた緑色発光 LEDを本実施形態に力かる緑色画素 302として用 いることも可能である力 赤色光源 301の場合と同様に、温度依存性を小さくして温 度変化による色調変化を抑制する観点からは、緑色画素用発光素子 323と、波長変 換材料である緑色蛍光体 324とを有する緑色発光装置 321を備えて構成することが 好ましい。
[0303] 本実施形態においても、緑色画素 302は図 13に示すような緑色画素用発光素子 3 23と緑色蛍光体 324とを有する緑色発光装置 321を備えて 、て、緑色画素用発光 素子 323から発せられた光によって緑色蛍光体 324が励起されて緑色蛍光体 324 力 緑色の光が発せられ、この緑色の光が緑色画素 302から緑色光として発せられ るようになっている。また、緑色画素用発光素子 323が発する光の一部は、赤色発光 装置 311の場合と同様に、緑色蛍光体 324に励起光として吸収されず、緑色蛍光体 324が発する緑色光と共に、緑色画素 302が発する緑色光の一成分としてカラーデ イスプレイの外部に発せられるようにしても良!、。
[0304] なお、緑色画素 302から発せられる、緑色光のピーク波長はカラーディスプレイの 使用状態や目的などに応じて任意に設定できる力 通常 490nm以上、好ましくは 50 Onm以上、また、通常 570nm以下、好ましくは 550nm以下である。
さらに、緑色画素 302が備える緑色発光装置 321も、通常、緑色画素用発光素子 3 23及び緑色蛍光体 324を保持するための基部としてフレーム 322を備えている。
[0305] [IV— 2—1.フレーム]
緑色発光装置 321に用いられるフレーム 322は、赤色発光装置 311に用いられる フレーム 312と同様である。
本実施形態においては、カップ状に設けられたフレーム 322の凹部 322Aの底に、 緑色画素用発光素子 323に電力を供給するための導電性端子 325, 326が形成さ れていて、導電性端子 325, 326は外部の電源(図示省略)に接続されるようになつ ているものとする。
[0306] [IV— 2— 2.緑色画素用発光素子]
緑色画素用発光素子 323は、緑色蛍光体 324の励起光を発するものである。 緑色画素用発光素子 323の種類に制限はなぐ緑色蛍光体 324の励起光を発す
るものである限り任意のものを用いることができるが、例えば、赤色画素用発光素子 3 13として説明したものと同様のものを用いることができる。また、緑色画素用発光素子 323をフレーム 322に取り付ける方法などについても、赤色画素用発光素子 313に おいて説明したものと同様である。
[0307] 本実施形態においては、緑色画素用発光素子 323として近紫外から青緑色の光を 発する(In, Ga) N系 LEDを用い、この緑色画素用発光素子 323がフレーム 322の 凹部 322Aの底部には設置されている。さらに、緑色画素用発光素子 323は、導電 性端子 325と直接接続され、また、導電性端子 326とワイヤ 327を介してワイヤボンド により接続されて、電力を供給されるようになっている。
[0308] [2- 3.緑色蛍光体]
緑色蛍光体 324は、緑色画素用発光素子 323から発せられる光を吸収し、緑色光 を発するものである。したがって、緑色蛍光体 324は緑色画素用発光素子 323から 発せられた光の波長を変換して緑色光にする波長変換材料として機能するものであ る。
[0309] 本実施形態では、緑色蛍光体 324として、赤色蛍光体 314と同様、蛍光体温度依 存係数 TRが通常 85以上、好ましくは 90以上、より好ましくは 95以上のものを用いる ことが好ましい。これにより、緑色蛍光体 324の発光強度の温度依存性を小さくし、力 ラーディスプレイが表示する像の色調変化を抑制して、カラーディスプレイの温度変 化による色ズレを防止することが可能となる。
なお、緑色蛍光体 324の蛍光体温度依存係数 TRは、赤色蛍光体 314の場合と同 様にして測定することができる。
[0310] また、これに関連し、緑色蛍光体 324は、赤色蛍光体 314と同様に、母体化合物の 構造成分として硫黄を含まな 、ことが好ま 、。
[0311] さらに、本実施形態で用いる緑色蛍光体 324としては、緑色画素用発光素子 323 力 発せられる光を効率よく吸収するものが好ましぐさらに、その発光効率が高いこ とものが好ましい。
具体的には、緑色蛍光体 324は、その内部量子効率が、通常 40%以上、好ましく は 50%以上、より好ましくは 60%以上であることが望ましい。この範囲の下限を下回
ると、発光効率の高 、ディスプレイが得られな 、虞がある。
[0312] さらに、緑色蛍光体 324の吸光度は、通常 50%であり、 60%以上であることが好ま しぐ 70%以上であることがより好ましぐ 75%以上であることがさらに好ましい。この 範囲の下限を下回ると、発光効率の高いディスプレイが得られない虞がある。
[0313] なお、上記の内部量子効率及び吸光度は、緑色画素用発光素子 323の発光波長 の光に対する内部量子効率及び吸光度、詳しくは、緑色画素用発光素子 323が発 する光の発光ピーク波長の光 (以下適宜、単に「緑色画素用発光素子の発光ピーク 波長の光」という)により励起した場合の内部量子効率及び吸光度であり、これらは、 赤色画素用発光素子 313の代わりに緑色画素用発光素子 323を用い、赤色蛍光体 314の代わりに緑色蛍光体 324を用いる他は、赤色蛍光体 314の場合と同様にして 柳』定することができる。
[0314] また、この緑色蛍光体 324は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で任意の物を用い ることができる。さら〖こ、緑色蛍光体 324は、 1種を単独で用いてもよぐ 2種以上を任 意の組み合わせ及び比率で併用しても良 、。
また、緑色蛍光体 324は、発する光の色度が、 xy色度図において、 Xは、通常 0. 1 8以上 0. 4以下であるものが望ましい。また、 yは、通常 0. 45以上、好ましくは 0. 5以 上、より好ましくは 0. 55以上であるものが望ましい。
[0315] (緑色蛍光体の例)
本発明の画像表示装置で用いることができる緑色蛍光体 324は、例えば、前記本 発明の第 1の発光装置に使用する緑色系蛍光体を用いることができるが、これに限 定されるものではない。
[0316] (緑色蛍光体のその他の例)
緑色蛍光体のその他の例としては、(Ba, Ca, Sr) MgAl O : Euや、(Ba, Mg,
10 17
Ca, Sr) (PO) Cl : Eu、 (Ba, Ca, Sr) MgSi O: Eu等の 400nm〜500nmに発
5 4 3 2 8
光ピークを持つ物質や、 (Ba, Ca, Sr) MgAl O : Eu, Mn、 (Ba, Ca, Sr) Al O:
10 17 2 4
Euゝ (Ba, Ca, Sr) Al O: Eu, Mnゝ (Ca, Sr) Al O: Eu,一般式 Ca Si Al
2 4 2 4 x 12- (m+n) (
O N : Eu (但し、 0. 3く xく 1. 5、 0. 6< m< 3, 0≤η< 1. 5)で表される Eu m+n) n 16-n
で付活された aサイアロン等の 500nm〜600nmに発光ピークを持つ物質が挙げら
れるが、これらに限定されない。また、上述の蛍光体を複数用いても良い。
中でも、上記の蛍光体温度依存係数、吸光度、内部量子効率などを良好に兼ね備 える点力ら、 Ca Ce Sc Si O など力 特に好ましいものとして挙げられる。
2. 97 0. 03 2 3 12
[0317] さらに、緑色蛍光体 324も、赤色蛍光体 314と同様に通常は粒子状で用いられ、そ の粒子の粒径は赤色蛍光体 314と同様である。
また、緑色蛍光体 324の存在状態は本発明の画像表示装置の効果を著しく損なわ ない範囲で任意である力 通常は、赤色蛍光体 314と同様、バインダ 328を用いたり 、緑色蛍光体を焼成して焼成体を作製しその焼成体をそのままフレームに取り付ける たり、また、緑色蛍光体でガラスを作製したり、緑色蛍光体の単結晶を加工したものを フレームに取り付けるようにすることができる。
[0318] さらに、緑色蛍光体 324には、赤色蛍光体 314と同様に、その他の成分を共存させ ることち可會である。
また、緑色発光装置 321の作製方法は、赤色発光装置 311と同様である。
[0319] 本実施形態においては、緑色蛍光体 324として、上述した Ca Ce Sc Si O
2. 97 0. 03 2 3 12 で表わされる緑色蛍光体 324を用い、これらの緑色蛍光体 324はバインダ 328に分 散させた状態でフレーム 322の凹部 322Aに保持させるようになつている。
また、本実施形態で用いる緑色蛍光体 324は、蛍光体温度依存係数、吸光度及び 内部量子効率が上記の望ましい範囲になっているものとする。さらに、バインダ 328 は緑色画素用発光素子 323が発する励起光や緑色蛍光体 324が発する緑色光を 透過できるようになって 、る。
[0320] [IV— 3.青色の画素]
図 14は、本実施形態に力かる非赤色の画素の一つである青色画素 303として用い る青色発光装置 (青色発光素子) 331の要部を模式的に示す断面図である。
本実施形態で用いる青色画素 303に制限はなぐ本発明の画像表示装置の効果 を著しく損なわない限り青色の光を発する任意の光源を用いることができる。
[0321] 本実施形態においては、青色画素 303は図 14に示すような青色画素用発光素子 333を有する青色発光装置 331を備えていて、青色画素用発光素子 333から発せら れた青色光自体が青色画素 303から青色光として発せられるようになって 、る。
[0322] なお、青色画素 303から発せられる、青色光のピーク波長はカラーディスプレイの 使用状態や目的などに応じて任意に設定できるが、通常 420nm以上、好ましくは 44 Onm以上、また、通常 480nm以下、好ましくは 460nm以下である。
さらに、青色画素 303が備える青色発光装置 331も、通常、青色画素用発光素子 3 33を保持するための基部としてフレーム 332を備えている。
[0323] [IV— 3— 1.フレーム]
青色発光装置 331に用いられるフレーム 332は、赤色発光装置 311に用いられる フレーム 312と同様である。
本実施形態においては、カップ状に設けられたフレーム 332の凹部 332Aの底に、 青色画素用発光素子 333に電力を供給するための導電性端子 335, 336が形成さ れていて、導電性端子 335, 336は外部の電源(図示省略)に接続されるようになつ ているものとする。
[0324] [IV— 3— 2.青色画素用発光素子]
青色画素用発光素子 333は、青色画素 303が発する青色光を発するものである。 青色画素用発光素子 333の種類に制限はなぐ青色光を発するものである限り任 意のものを用いることができるが、例えば、赤色画素用発光素子 313として説明した ものと同様のものを用いることができる。また、青色画素用発光素子 333をフレーム 3 32に取り付ける方法などについても、赤色画素用発光素子 313において説明したも のと同様である。
[0325] 本実施形態にお!、ては、青色画素用発光素子 333として青色の光を発する(In, G a) N系 LEDを用い、この青色画素用発光素子 333がフレーム 332の凹部 332Aの 底部には設置されている。さらに、青色画素用発光素子 333は、導電性端子 335と 直接接続され、また、導電性端子 336とワイヤ 337を介してワイヤボンドにより接続さ れて、電力を供給されるようになっている。また、凹部 332A内にはバインダ 318, 32 8と同様のバインダによりモールド 338が充填されていて、青色画素用発光素子 333 力も発せられた青色光はモールド 338を透過して外部に発せられるようになつている 。なお、モールド 338〖こは、例えば、 TiO、 BaSO等の拡散剤を含有させることが好
2 4
ましい。
[0326] [IV— 4.画素間の関係]
さらに、上記の赤色画素 301及び非赤色の画素 302, 303それぞれの 25°Cにおけ る発光強度を I (R, 25)及び I (N, 25)とし、赤色画素 301及び非赤色の画素 302, 3 03それぞれの 100°Cにおける発光強度を I (R, 100)及び I (N, 100)とした場合に、 I (R, 100) /I (R, 25)〖こ対する I (N, 100) /I (N, 25)の比率は、いずれの赤色画 素 1と非赤色の画素 302, 303とに対しても通常 90%以上、好ましくは 92%以上、よ り好ましくは 95%以上である。
[0327] したがって、上記の実施形態においては、緑色画素 302及び青色画素 303それぞ れの 25°Cにおける発光強度を I (G, 25)及び I (B, 25)とし、緑色画素 302及び青色 の画素 303それぞれの 100°Cにおける発光強度を I (G, 100)及び I (B, 100)とした 場合に、 I (R, 100) /I (R, 25)に対する I (G, 100) /I (G, 25)及び I (B, 100) /I (B, 25)の比率は、ともに上記の範囲となるようにすることが望ましい。
これにより、素子の温度変化に伴う色調の変化 (色ズレ)を小さくできるという利点を 得ることができる。
[0328] [IV- 5.その他の構成]
カラーディスプレイ等の画像表示装置は、上記の赤色画素 301、緑色画素 302及 び青色画素 303を備えていればその具体的な構成は任意である。
例を挙げると、図 11〖こ示すよう〖こ、赤色画素 301、緑色画素 302及び青色画素 30 3としてそれぞれ機能する赤色発光装置 311、緑色発光装置 321及び青色発光装 置 331が基板 401に載積されていて、これらの赤色画素 301、緑色画素 302及び青 色画素 303が全体で、カラーディスプレイの単位画素 400を構成して!/、る。
[0329] また、基板 401には導電体層(図示省略)が印刷されたプリント基板が使用されて いる。なお、一般に、プリント基板にはグリーンシートと呼ばれるセラミック基板の表面 に導電体層が形成された基板を積層した積層基板や、単一の絶縁性基板に導電体 層が印刷された基板などが挙げられる力 いずれを用いることもできる。
[0330] また、上記の赤色発光装置 311、緑色発光装置 321及び青色発光装置 331の各 導電性端子 315, 316, 325, 326, 335, 336は、それぞれ基板 401の表面の導電 体層に電気的に接続されて ヽる。
さらに、赤色発光装置 311、緑色発光装置 321及び青色発光装置 331のうちのい ずれをどれだけ発光させるかは、赤色発光装置 311、緑色発光装置 321及び青色 発光装置 331それぞれに電力を供給する時期及び供給量を、カラーディスプレイに 設けられた制御部(図示せず)により制御することにより制御されているものとする。
[0331] また、赤色発光装置 311、緑色発光装置 321及び青色発光装置 331の周囲は全 体に、榭脂ゃセラミック等で形成されたカバー部材 402によって包囲されている。な お、このカノー咅材 402の内佃 J表面は、フレーム 312, 322, 332などと同様に、可 視光を反射しうるようにしておくことが望ま 、。
[0332] さらに、カバー部材 402の内側には榭脂などのモールド 403が注入されていて、赤 色発光装置 311、緑色発光装置 321及び青色発光装置 331をモールド 403により 保護できるようになつている。なお、モールド 403には、赤色発光装置 311、緑色発 光装置 321及び青色発光装置 331から発せられた赤色光、緑色光及び青色光を均 一に混合する目的で拡散剤を分散させるようにしてもよい。
本実施形態のカラーディスプレイには、上記のように構成された単位画素 400が多 数設置されている。
[0333] [IV— 6.作用]
本実施形態のカラーディスプレイは上記のように構成されているため、何らかの像 を表示する場合には、制御部が、所定の位置にある単位画素 400から目的とする色 の光を発することができるように赤色発光装置 311、緑色発光装置 321及び青色発 光装置 331それぞれに供給する電力の量を制御する。これにより、カラーディスプレ ィ上の単位画素 400が有する赤色発光装置 311、緑色発光装置 321及び青色発光 装置 331から形成しょうとする像に応じた赤色光、緑色光及び青色光が発せられ、目 的とする像を形成することができる。そして、観察者は、これらの単位画素 400を見る ことにより、カラーディスプレイに形成された像を見ることができる。
[0334] この際、赤色画素 301として、赤色画素用発光素子 313及び蛍光体温度依存係数 力 ¾5以上の赤色蛍光体 314を有する赤色発光装置 311を用いたため、温度変化に よってカラーディスプレイ力も発せられる光の色調が変化することを抑制し、カラーデ イスプレイに形成される像の色ズレを少なくすることができる。
[0335] また、 I (R, 100) /\ (R, 25)に対する I (N, 100) Λ (N, 25)の比率を大きくして 上記の範囲に収まるようにしたため、素子の温度変化に伴う色調の変化 (色ズレ)を 小さくできるという利点を得ることができる。
[0336] さらに、赤色画素用発光素子 313として (In, Ga) N系発光素子を用いたため、高 効率で温度依存性の小さい発光装置が得られるという利点を得ることができる。
[0337] また、非赤色の画素である緑色画素 302や青色画素 303が(In, Ga) N系発光素 子を備えるように構成したため、フルカラー表示ができるという利点を得ることができる 。なお、(In, Ga) N系発光素子は、非赤色の画素のうちの少なくとも 1つに備えさせ るようにすればよいが、その全部に備えさせることにより、上記の利点をより確実に得 ることがでさる。
[0338] さらに、非赤色の画素として、青色画素用発光素子 333を備える青色の画素 303と 、緑色画素用発光素子 323及び蛍光体温度依存係数が 85以上である緑色蛍光体 3 24を有する緑色画素 302とを備えることにより、素子の温度変化に伴う色調の変化( 色ズレ)を小さくできると 、う利点を得ることができる。
[0339] [IV- 7.その他]
以上、本発明の画像表示装置の一実施形態について説明したが、本発明の画像 表示装置は上記の実施形態に限定されるものではなぐその要旨を逸脱しない範囲 において任意に変形して実施することができる。
[0340] 例えば、本発明の画像表示装置は、画素 301, 302, 303, 400自体により像を形 成する以外に、画素 301, 302, 303, 400からスクリーン等の投影面に光を照射し て、投影面上に像を形成させるプロジェクタ型の画像表示装置に用いても良い。 具体例を挙げると、図 15に示すプロジェクタ型のカラーディスプレイが挙げられる。 なお、図 15において、図 11〜図 14と同様の符号で示す部位は、図 11〜図 14と同 様のものを表わす。また、図 15において、一点鎖線及びブロック矢印は光を表わす。
[0341] 図 15に示すカラーディスプレイでは、上記実施形態と同様の赤色発光装置 311、 緑色発光装置 321及び青色発光装置 331が赤色画素 301、緑色画素 302及び青 色画素 303として基板 501に取り付けられている。基板 501は、上記の基板 401と同 様のプリント基板であり、赤色発光装置 311、緑色発光装置 321及び青色発光装置
331の各導電性端子 315, 316, 325, 326, 335, 336は、それぞれ基板 501の表 面の導電体層(図示省略)に電気的に接続されている。
[0342] また、赤色発光装置 311、緑色発光装置 321及び青色発光装置 331のうちのいず れをどれだけ発光させるかは、赤色発光装置 311、緑色発光装置 321及び青色発 光装置 331それぞれに電力を供給する時期及び供給量を、カラーディスプレイに設 けられた制御部(図示せず)により制御することにより制御されることも、上記実施形 態のカラーディスプレイと同様である。
[0343] また、赤色発光装置 311、緑色発光装置 321及び青色発光装置 331の正面には、 それぞれに対応した集光光学系である光分配レンズ 502が設けられ、また、更にそ の向こうには、赤色発光装置 311、緑色発光装置 321及び青色発光装置 331に共 通の重ね合わせレンズ 503が設けられて!/、る。
[0344] さらに、重ね合わせレンズ 503の向こうには光変調素子である透過型 LCD504、透 過型 LDE504に形成された画像をスクリーン 506に拡大投影するための投影レンズ 505、及び投影面 (表示面)であるスクリーン 506が設けられて 、る。
なお、このカラーディスプレイには、上記の赤色発光装置 311、緑色発光装置 321 、青色発光装置 331、光分配レンズ 502及び重ね合わせレンズ 503が単位画素 507 として多数設けられている。
[0345] したがって、このようなプロジェクタ型のカラーディスプレイを用いて画像を表示する 場合には、制御部が、所定の位置にある単位画素 507から目的とする色の光を発す ることができるように赤色発光装置 311、緑色発光装置 321及び青色発光装置 331 それぞれに供給する電力の量を制御する。これにより、カラーディスプレイ上の単位 画素 507が有する赤色発光装置 311、緑色発光装置 321及び青色発光装置 331か ら、形成しょうとする画像に応じて赤色光、緑色光及び青色光が発せられる。
[0346] 赤色発光装置 311、緑色発光装置 321及び青色発光装置 331から発せられた光 は、各々に対応した光分配レンズ 502によって取り出され、重ね合わせレンズ 503に よって光変調素子 304上に重畳させる。そして、赤色発光装置 311、緑色発光装置 321及び青色発光装置 331から発せられた光が重畳されて透過型 LCD504に画像 が表示され、この画像が投影レンズ 505によってスクリーン 506面上に拡大投影され
るようになっている。
本発明の画像表示装置によれば、このようなプロジェクタ型の画像表示装置におい ても、形成される像の色ズレを少なくすることができるほか、上記実施形態と同様の利 点、を得ることができる。
[0347] さらに、例えば、上記のように赤色発光装置 311、緑色発光装置 321及び青色発 光装置 331を一体としてモールドせずに、赤色発光装置 311、緑色発光装置 321及 び青色発光装置 331などをそれぞれ独立にモールドし、それを規則的に並べ、それ ぞれの画素を形成する発光装置 311, 321, 331をそれぞれの画素として画像表示 装置を構成することも可能である。
[0348] また、例えば、赤色発光装置 311、緑色発光装置 321及び青色発光装置 331など の発光装置を規則的に配列し、すべての光を合わせて白色の光源とし、液晶などの 透過率制御機構と赤色及び非赤色のカラーフィルターによって画像を制御する装置 として画像表示装置を構成しても良い。
[0349] さらに、例えば、赤色発光装置 311、緑色発光装置 321及び青色発光装置 331を 別々の光源として、それぞれの色の画像を液晶パネルや鏡面偏向型光変調器 (商 標名:デジタルマイクロミラーデバイス)によって形成し、投影することで画像を表示す る装置として画像表示装置を構成しても良い。
[0350] また、マトリクス配列された各色の発光装置 311, 321, 331により文字情報をカラ 一表示する装置として画像表示装置を構成しても良い。
本発明の画像表示装置によれば、このように様々なタイプの画像表示装置におい ても、形成される像の色ズレを少なくすることができるほか、上記実施形態と同様の利 点、を得ることができる。
[0351] さらに、上記実施形態などで説明した部材はそれぞれ任意に組み合わせて用いる ことができる。
また、赤色発光装置 311、緑色発光装置 321及び青色発光装置 331などの各フレ ーム 312, 322, 332は、適宜基板 401, 501と一体ィ匕させてもよい。
[0352] さらに、上記の赤色画素 301、緑色画素 302及び青色画素 303は、それぞれ独立 に、赤色発光装置 311、緑色発光装置 321及び青色発光装置 331以外の部材を備
えていてもよい。
また、上記の赤色発光装置 311、緑色発光装置 321及び青色発光装置 331など は、反射型の発光装置、例えば、励起光がフレーム 312, 322, 332の表面などで反 射してから外部に発せられるように構成しても良 、。
さらに、本発明の画像表示装置の効果を著しく損なわない限り、上記にて説明して V、な 、部材や構成等を組み合わせて本発明を実施しても良!、。
[0353] [V.前記の画像表示装置の応用例の説明]
蛍光体の温度依存性に注目した場合、上述した画像表示装置を応用して、以下の ような形態の画像表示装置を実施することも可能である。
本応用例の画像表示装置は、通常 370nm以上、好ましくは 380nm以上、より好ま しくは 390nm以上、また通常 700nm以下、好ましくは 500nm以下、より好ましくは 4 80nm以下の波長範囲に発光ピークを有する光を発する光源と、該光源力 発せら れた光を吸収して可視光を発する、 150°Cでの輝度保持率が 70%以上の蛍光体等 の波長変換材料を含有する蛍光体部とを備えることを特徴とする画像表示装置であ る。
[0354] 近年、液晶表示装置やプラズマ表示装置などの平面型表示装置が急速に普及し て 、る。従来の CRT (冷陰極管)ディスプレイとくらベて平面型表示装置は薄型軽量 の特徴を持ち、特に大型表示装置の分野では、ほとんどの画像表示装置が平面型 である。なかでも、液晶表示装置が普及している。
また、中型表示装置の分野にも平面型が急速に普及しており、平面型のなかでも 液晶表示装置が特に広く普及している。
[0355] しかし、従来の液晶表示装置はバックライト光の通過角を制限しており、通過した光 の視野角が極めて限られ、視野角によっては白黒のコントラスト低下や反転が起こる という視野角問題が生じていた。視野角問題を解決するために、例えば、分割した画 素に異なる電圧一透過率特性を持たせる画素分割法、光学補償板を用いる方法な どが提案されている。しかし、これらの方法は、製造コストゃ部材コストの増大につな がり、液晶表示装置の普及の妨げになっていた。
[0356] また、カラー化のために、従来の画像表示装置においては、赤'緑 '青の各画素に
カラーフィルターを配列したマイクロカラーフィルターが使われていた。し力し、マイク ロカラーフィルタ一は高価であるため、これも液晶表示装置の普及の妨げになってい る。
[0357] 一方、 CRTディスプレイやプラズマ表示装置、エレクト口ルミネッセンスディスプレイ などに代表される自発光型表示装置には、液晶表示装置に見られるような視野角問 題はない。しかし、 CRTディスプレイは重く大きいため、広い設置場所が必要となる。 また、プラズマ表示装置は駆動のために高電圧を用いる必要があるため、特別な回 路を必要とし、高価になる。さらに、プラズマ表示装置はプラズマを発生させるため、 各画素の大きさをあまり小さくできず、特に中型サイズの画像表示装置では高精細化 が難しい。また、エレクト口ルミネッセンスディスプレイには、耐環境特性や寿命に課 題がある。特に、対環境特性については、通常 70°C〜80°Cでも動作可能なディスプ レイが求められている。
[0358] そこで、寿命および耐久性に優れた液晶を用いた電気光学素子によって透過光量 を調節して輝度を調整するとともに、それぞれの画素に対応した形状で 3原色の蛍光 体部を設け、 380nmカゝら 420nmの波長領域に主発光領域を有するバックライトを用 いて蛍光体部内の蛍光体を励起して発光させる蛍光自発光型液晶表示装置が提案 されて ヽる(特開平 8— 62602号公報、特開 2004 - 348096号公報)。
[0359] しかし、特開平 8— 62602号公報ゃ特開 2004— 348096号公報に記載されてい るような蛍光体を用いた場合、特に赤色領域の発光強度が弱いため、画像表示装置 の色再現領域が狭かった。また、 380nm力 420nmの波長領域に主発光領域を有 する近紫外光で蛍光体を励起した場合、蛍光体部内の榭脂が光劣化し、着色するこ とがあった。
これに対し、米国特許第 6844903号明細書、特開平 10— 207395号公報及び特 開平 8— 63119号公報には、特開平 8— 62602号公報ゃ特開 2004— 348096号 公報のような近紫外光に代えて、可視光によって蛍光体の励起を行なう技術が開示 されている。
[0360] し力しながら、米国特許第 6844903号明細書ゃ特開平 10— 207395号公報のよ うに可視光によって蛍光体を励起するようにした場合であっても、使用して 、る蛍光
体は、発光輝度の温度依存性が高ぐ蛍光体が発する光の色がばらつき、その結果 、温度条件によって表示する画像の発色が意図した色力 ずれることがあった。 本応用例は上記課題を解決することができるもので、これによれば、発光輝度の温 度依存性を低減した蛍光体を用いた画像表示装置を実現することが可能である。
[0361] 以下、本応用例の画像表示装置について詳細に説明する。
本応用例の画像表示装置は、 390nm以上 700nm以下の波長範囲に発光ピーク を有する光を発する光源を備える。さらに、本応用例の画像表示装置は、光源から発 せられた光を吸収して可視光を発する蛍光体として、 150°Cでの輝度保持率が 70% 以上の蛍光体 (以下適宜、「輝度保持蛍光体」という)を有する蛍光体部を備える。な お、輝度保持蛍光体を含め、蛍光体は波長変換材料である。
[0362] [V— 1.輝度保持蛍光体]
輝度保持蛍光体に制限は無ぐ 150°Cでの輝度保持率、即ち、同じ強さの励起光 で励起した場合における、常温(25°C)での発光輝度に対する、 150°Cでの発光輝 度の強さの割合が、通常 70%以上、好ましくは 75%以上、より好ましくは 80%以上 である蛍光体であれば、可視光を発する限り、任意の蛍光体を用いることができる。 なお、輝度保持蛍光体は 1種を単独で用いてもよぐ 2種以上を併用しても良い。さ らに、 2種以上の輝度保持蛍光体を併用する場合には、各輝度保持蛍光体は同一 の蛍光体部に含有されて!、てもよく、それぞれ別の蛍光体部に含有されて!、ても良 い。
輝度保持蛍光体としては、例えば、前記本発明の第 1の発光装置に使用する赤色 系蛍光体や緑色系蛍光体を用いることができる力 これに限定されるものではない。 また、上記の輝度保持蛍光体としては、例えば、 CaAlSiN: Euや Ca Sc Si O : C
3 3 2 3 12 eを好適に用いることができる。
[0363] [CaAlSiN: Eu]
3
まず、本応用例の画像表示装置にお 、て輝度保持蛍光体として好適に用いられる
CaAlSiN: Euについて説明する。
3
CaAlSiN: Euは、赤色の蛍光を発する蛍光体である。
3
CaAlSiN: Euの励起に用いることができる励起光の波長範囲は、 350nm以上 50
Onm以下である。
[0364] また、 CaAlSiN: Euが発する蛍光の発光ピークの波長範囲は、 550nm以上 700
3
nm以下である。
[0365] さらに、 CaAlSiN: Euの内部量子効率は、室温(25°C)で通常 50%以上である。
3
ここで、内部量子効率とは次の式 (iv)で表わされるものである。
内部量子効率 (%)
= { (発光した全フオトン数) / (吸収した全フオトン数) } X 100 (iv)
[0366] また、 CaAlSiN: Euは、発光輝度の温度依存性が低い。詳しくは、温度条件が変
3
化しても輝度が変化しにくぐまた、温度変化にされられた後に元の温度状態に戻つ た場合に温度変化にさらされる前と同様の輝度で光ることができる。例えば、常温か ら 150°Cに加熱した場合に発光輝度の変化量が小さぐさらに、加熱後に再度常温 に冷やした場合でも、その発光輝度は加熱前に比べて低下しない。具体的な性質を 挙げると、 CaAlSiN: Euは、輝度保持蛍光体が有するべき好ましい 150°Cでの輝
3
度保持率を備えている。したがって、 CaAlSiN
3: Euは、本応用例の画像表示装置 に用いて好適である。
[0367] [Ca Sc Si O : Ce]
3 2 3 12
次に、本応用例の画像表示装置にお 、て輝度保持蛍光体として好適に用いられる
Ca Sc Si O : Ceについて説明する。
3 2 3 12
Ca Sc Si O : Ceは、緑色の蛍光を発する蛍光体である。
3 2 3 12
Ca Sc Si O : Ceの励起に用いることができる励起光の波長範囲は、 350nm以
3 2 3 12
上 500nm以下である。
[0368] また、 Ca Sc Si O : Ceが発する蛍光の発光ピークの波長範囲は、 470nm以上 5
3 2 3 12
50nm以下である。
[0369] さらに、 Ca Sc Si O : Ceの内部量子効率は、室温(25°C)で通常 60%以上であ
3 2 3 12
る。
[0370] この Ca Sc Si O : Ceは発光輝度の温度依存性が低い。詳しくは、温度条件が変
3 2 3 12
化しても輝度が変化しにくぐまた、温度変化にされられた後に元の温度状態に戻つ た場合に温度変化にさらされる前と同様の輝度で光ることができる。例えば、 CaAlSi
N: Euと同様、常温から 150°Cに加熱した場合に発光輝度の変化量が小さぐさら
3
に、加熱後に再度常温に冷やした場合でも、その発光輝度は加熱前に比べて低下 しない。具体的な性質を挙げると、 Ca Sc Si O : Ceは、輝度保持蛍光体が有する
3 2 3 12
べき好ましい 150°Cでの輝度保持率を備えている。したがって、 Ca Sc Si O : Ceも
3 2 3 12
、本応用例の画像表示装置に用いて好適である。
[0371] [V- 2.実施形態]
以下、本応用例について実施形態を示して詳細に説明するが、本応用例は以下の 実施形態に限定されるものではな ヽ。
[0372] [V— 2— 1.第 1実施形態]
図 16は、本応用例の第 1実施形態としての画像表示装置の要部を模式的に示す 分解断面図である。なお、図 16に示す画像表示装置においては、観察者は図中右 側から画像表示装置が表示する画像を見るようになっているものとする。
[0373] 図 16に示すように、本実施形態の画像表示装置 601は、光源 602と、光源 602か ら発せられた光を吸収して可視光を発する蛍光体を含有する蛍光体部 (第 1蛍光体 部) 603R及び蛍光体部(第 2蛍光体部) 603Gと、光源 602が発した光を前方に透 過させる光透過部 603Bと備える。
以下、各部材について説明を行なう。
[0374] [V— 2—1— 1.フレーム]
フレーム 604は、画像表示装置 601を構成する光源 602等の部材を保持する基部 であり、その形状は任意である。
また、フレーム 604の材質も任意であり、例えば、金属、合金、ガラス、カーボン等 の無機材料、合成樹脂等の有機材料など、用途に応じて適当なものを用いることが できる。
[0375] ただし、光源 602から発せられた光を有効に活用し、画像表示装置 601の発光効 率を改善する観点からは、光源 602から発せられた光が当たるフレーム 604の面は、 当たった光の反射率を高められていることが好ましい。したがって、少なくとも光が当 たる面は、反射率が高い素材により形成されていることが好ましい。具体例としては、 ガラス繊維、アルミナ粉、チタニア粉等の高い反射率を有する物質を含んだ素材 (射
出整形用榭脂など)でフレーム 604の全体又はフレーム 604の表面を形成することが 挙げられる。
[0376] また、フレーム 604の表面の反射率を高める具体的な方法は任意であり、上記のよ うにフレーム 604自体の材料を選択するほか、例えば、銀、白金、アルミニウム等の 高反射率を有する金属や合金でメツキ、或いは蒸着処理することにより、光の反射率 を高めることちでさる。
なお、反射率を高める部分は、フレーム 604の全体であっても一部であってもよい 力 通常は、光源 602から発せられる光が当たる部分の全表面の反射率が高められ ていることが望ましい。
[0377] さらに、通常は、フレーム 604には光源 602に対して電力を供給するための電極や 端子等が設けられる。この際、電極や端子と光源 602とを接続する手段は任意であり 、例えば、光源 602と電極や端子とをワイヤボンディングにより結線して電力供給する ことができる。用いるワイヤに制限はなぐ素材や寸法などは任意である。例えば、ヮ ィャの素材としては金、アルミニウム等の金属を用いることができ、また、その太さは 通常 20 μ m〜40 μ mとすることができる力 ワイヤはこれに限定されるものではない
[0378] また、光源 602に電力を供給する他の方法の例としては、バンプを用いたフリップ チップ実装により光源 602に電力を供給する方法が挙げられる。
さらに、光源 602に電力を供給する場合には、ハンダを用いるようにしてもよい。ノヽ ンダは優れた放熱性を発揮するため、放熱性が重要となる大電流タイプの発光ダイ オード (即ち、「LED」)やレーザーダイオード (即ち、「LD」)などを光源 602として用 いた場合に、画像表示装置 601の放熱性を向上させることができるためである。ハン ダの種類は任意である力 例えば、 AuSn、 AgSn等を用いることができる。
[0379] また、電極や端子に接続して電力の供給経路に用いる他、ハンダは、単にフレーム 604に光源 602を設置するために用いるようにしても良!、。
さらに、ハンダ以外の手段によって光源 602をフレーム 604に取り付ける場合には 、例えば、エポキシ榭脂、イミド榭脂、アクリル榭脂等の接着剤を用いてもよい。この 場合、接着剤に銀粒子、炭素粒子等の導電性フィラーを混合させてペースト状にし
たものを用いることにより、ハンダを用いる場合のように、接着剤を通電して光源 602 に電力供給できるようにすることも可能である。さらに、これらの導電性フィラーを混合 させると、放熱性も向上するため、好ましい。
[0380] 本実施形態においては、表面の反射率を高めた平板状のフレーム 604を用い、そ の表面には、光源 602に電力を供給するための端子(図示省略)が設けられているも のとする。
また、その端子には、電源(図示省略)から電力が供給されるようになっているものと する。
[0381] [V - 2 - 1 2.光源]
光源 602は、蛍光体部 603R, 603Gに含有される蛍光体を励起する励起光を発 するものである。さらに、本実施形態においては、光源 602が発する光は、光透過部 603Bを介して画像表示装置 601の外部に発せられ、画像表示装置 601の観察者 が見るようにもなつている。即ち、光源 602から発せられた光は画素が発する光自体 とちなる。
[0382] 光源 602が発する光は、蛍光体である CaAlSiN: Eu、及び、 Ca Sc Si O : Ce
3 3 2 3 12 を励起できる可視領域に発光波長を有するものであればよい。
具体的には、光源 602が発する光は、通常 390nm以上、好ましくは 440nm以上、 また、通常 700nm以下、好ましくは 500nm以下の波長範囲に発光ピークを有するも のである。この範囲の下限を下回ると、画像表示装置 601として、液晶光シャッターを 用いた場合に、光源 602が発する光 (この場合は紫外線)により液晶物質自体が破 壊される虞がある力らである。一方、上記の範囲の上限を超えると、蛍光体の発光効 率が低くなり画素の輝度の低下が起こったり色再現範囲が狭くなつたりする虞がある ため、好ましくない。
[0383] なお、光源 602が発光のピークを 2以上有する場合、上記の範囲内に少なくとも 1 つのピークを有していれば良い。即ち、上記の波長の範囲において、 CaAlSiN: Eu
3 及び Ca Sc Si O : Ceの少なくともいずれか一方の蛍光体を励起しうるピークを有
3 2 3 12
していれば良いのである。
[0384] 光源 602は、電気エネルギーによって、蛍光体部 603R, 603Gに含まれる蛍光体
を光励起するための上記の波長範囲の光を発する素子であれば任意のものを用い ることができる。光源 602の例としては、例えば、ハロゲンランプ、水銀ランプ、水素放 電管、ネオンランプ、キセノンランプ、低圧ナトリウムランプ、蛍光ランプ (冷陰極管や 熱陰極管等)等のランプ;無機半導体 LED等の LEDや有機 EL素子などのエレクト口 ルミネッセント光源;などが挙げられる。中でも、通常は LEDや蛍光ランプが好ましい
[0385] 特に、水銀の低圧放電から発生する紫外光によって蛍光体を発光させる蛍光ラン プは、蛍光体を選ぶことにより様々な波長スペクトルが得られることから自由度が大き ぐ比較的電力消費が少なぐかつ小型であることから特に好ましい。また、蛍光ラン プは、従来使用されている冷陰極管、熱陰極管を使用することができるが、白色光を 使用すると青、緑、赤色の発光領域に他の色が混入してくるため、フィルタ一等を使 用して白色光の中の青色領域のみを取り出すことが望ま 、。中でも特に好ましくは 、青色蛍光体のみを塗布した蛍光ランプを使用すれば消費電力低減に効果的であ る。
[0386] 一方、 LEDとしては、最近は高輝度の青色や白色の無機半導体 LEDも入手できる ことから、これらの光源を使用することも可能である。特に青色発光無機半導体 LED は、選択的に本応用例に好ましい波長領域での光を放出できることから好適に用い ることがでさる。
[0387] また、 LEDや蛍光ランプ等の光源 602は、アレイ状に配置することが好まし 、。即 ち、光源 602は、それぞれ、その上に画像を形成することができる領域を個別に指定 できるように、全体的に行および列状に配列されていることが好ましい。これにより、 蛍光体部 603R, 603G及び光透過部 603Bをアレイ状に配置することが可能となり、 画像表示装置 601に適切にフルカラー画像を形成させることが可能となる。
[0388] さらに、光源 602から蛍光体部 603R, 603Gや光透過部 603Bに光を照射する場 合、光を直接に蛍光体部 603R, 603Gや光透過部 603Bに入射させるようにしても よぐまた、反射板を設置して一度反射させてから蛍光体部 603R, 603Gや光透過 部 603Bに入射させるようにしてもよい。なお、フレーム 604として高い反射率を有す るものを用いたように、光源 602の背面 (観察者とは反対側)に反射板を設けるように
すれば、光源 602から発せられる光の利用効率を高めることができる。
[0389] また、光源 602の寸法に制限は無い。
さらに、光源 602をフレーム 604に設置する際、その設置手段に制限は無ぐ公知 の任意の手段を用いることができる。したがって、上述したように、例えば、光源 602 をハンダ等を用いてフレーム 604に設置することができる。
[0390] 本実施形態では、光源 602として青色の光を発光する LED (発光素子)を各蛍光 体部 603R, 603G及び光透過部 603B毎に設けていて、この光源 602からの光によ つて、蛍光体部 603R, 603G内に含まれる CaAlSiN: Euや Ca Sc Si O : Ceな
3 3 2 3 12 どの蛍光体を励起するようになっている。また、光源 602が発した光の一部は、光透 過部 603Bを透過し、青色の画素の光として観察者に観られるようにもなつている。さ らに、光源 602への電力供給は、相互接続回路やワイヤ等を用いて、フレーム 604 上の端子と光源 602の電極とを電気的に接続することにより行なわれている。ただし 、各光源 602に供給される電力の大きさは、図示しない制御部により、表示しょうとす る画像に応じて各光源 602毎に制御されているものとする。
[0391] [V- 2- 1 - 3.蛍光体部並びに光透過部]
蛍光体部 603R, 603Gは、光源 602が発した励起光を吸収し、画像表示装置 601 が表示する画像を形成するための可視光を発する蛍光体を含有する部分である。本 応用例においては、蛍光体部 603R, 603Gの少なくとも一方力 蛍光体として輝度 保持蛍光体(例えば CaAlSiN: Euや Ca Sc Si O : Ce)のうちの少なくともいずれ
3 3 2 3 12
力 1種を含有するようにする。また、蛍光体部 603R, 603Gは画素に対応して通常 1 つずつ設けられ、画像表示装置 601の画素が発することになる光を生じるようになつ ている。
[0392] さらに、光透過部 603Bは、蛍光体部 603R, 603Gと同様に画素毎に設けられたも ので、光源 602の光を画素の光の一部として用いるために前方へ透過させる部分で ある。通常、光透過部 603Bは、蛍光体を含有しない他は蛍光体部 603R, 603Gと 同様に設けられる。
したがって、本実施形態では、観察者は、この蛍光体部 603R, 603Gが発する蛍 光、及び、光透過部 603Bを介して放出される光源 602が発する光を見て画像を認
識するようになっている。
[0393] (i.蛍光体部)
本実施形態においては、蛍光体部 603Rは、赤色の画素に対応して赤色の蛍光を 発するように形成されたもので、輝度保持蛍光体として CaAlSiN : Euを含有してい
3
る。
一方、蛍光体部 603Gは、緑色の画素に対応して緑色の蛍光を発するように形成さ れたもので、輝度保持蛍光体として Ca Sc Si O : Ceを含有している。
3 2 3 12
これらの発光輝度の温度依存性が低!、蛍光体である CaAlSiN : Eu及び
3 Z又は C a Sc Si O : Ceを含有させることにより、画像表示装置 601自体の温度依存性を抑
3 2 3 12
制し、温度条件によって表示する画像の発色が意図した色力 ずれることを防止する ことも可能である。
[0394] さらに、上記の CaAlSiN : Euや Ca Sc Si O : Ce等の輝度保持蛍光体以外の
3 3 2 3 12
蛍光体を併用し、蛍光体部 603R, 603Gにそれらの併用する蛍光体 (以下適宜、「 併用蛍光体」という)を適宜含有させても良い。
併用蛍光体に制限は無ぐ本応用例の効果を著しく損なわない限り任意である。併 用蛍光体の発光色は、その用途によって適切な色があるので特に限定されないが、 例えばフルカラーディスプレイを作製する場合には、色純度の高い青、緑、赤色発光 体が好ましく用いられる。その適切な色の表現方法にっ 、ては幾つかの方法がある 力 簡便には発光の発光ピーク波長や CIE色度座標などが使用される。また、光波 長変 構がモノクロ表示やマルチカラー表示であるときは、紫、青紫、黄緑、黄色 、オレンジ色に発色する蛍光体を含むことが好ましい。なお、併用蛍光体を併用し、 蛍光体を 2つ以上を混合して蛍光体部 603R, 603Gに用いるようにすれば、色純度 の高い発光を行なったり中間色や白色の発光を行なったりすることが可能となる。
[0395] 併用蛍光体の発光の発光ピーク波長に関して言えば、例えば、赤色の蛍光を発す る併用蛍光体が発する蛍光の具体的な波長の範囲を例示すると、発光ピーク波長が 、通常 370應以上、好ましくは 380nm以上、また、通常 500nm以下、好ましくは 48 Onm以下が望ましい。
また、例えば、緑色の蛍光を発する併用蛍光体が発する蛍光の具体的な波長の範
囲を例示すると、発光ピーク波長が、通常 490nm以上、好ましくは 500nm以上、ま た、通常 570nm以下、好ましくは 550nm以下が望ましい。
さらに、例えば、青色の蛍光を発する併用蛍光体が発する蛍光の具体的な波長の 範囲を例示すると、発光ピーク波長が、通常 420nm以上、好ましくは 440nm以上、 また、通常 480nm以下、好ましくは 470nm以下が望ましい。
[0396] また、併用蛍光体の組成には特に制限はないが、結晶母体である Y O、 Zn SiO
2 3 2 4 等に代表される金属酸ィ匕物、 Ca (PO ) C1等に代表されるリン酸塩及び ZnS、 SrS
5 4 3
、 CaS等に代表される硫ィ匕物に、 Ce、 Pr、 Nd、 Pm、 Sm、 Eu、 Gd、 Tb、 Dy、 Ho, E r、 Tm、 Yb等の希土類金属のイオンや Ag、 Al、 Mn、 Sb等の金属のイオンを賦活剤 または共賦活剤として組み合わせたものが好ましい。
[0397] 結晶母体の好ましい例としては、例えば、 ZnS、 Y O S、 (Y, Gd) Al O 、 YAIO
2 2 3 5 12
、 BaAl Si O、 Y Al O 、 Y SiO、 Zn SiO、 Y O、 BaMgAl O 、 BaAl O
3 2 2 8 3 5 12 2 5 2 4 2 3 10 17 12 19
、 (Ba, Sr, Mg) 0 - a Al O、(Y, Gd) BO、 Y O、(Zn, Cd) S、 SrGa S、 SrS、
2 3 3 2 3 2 4
SnO、 Ca (PO ) (F, CI) 、 (Ba, Sr) (Mg, Mn)Al O 、 (Sr, Ca, Ba, Mg)
2 10 4 6 2 10 17 10
(PO ) CI、 (La, Ce) PO、 CeMgAl O 、 GdMgB O 、 Sr P O、 Sr Al O
4 6 2 4 11 19 5 10 2 2 7 4 14 25
、 (Ba, Sr, Ca) (Mg, Zn, Mn)Al O などを挙げることができる。
10 17
[0398] ただし、上記の結晶母体及び賦活剤または共賦活剤は、元素組成には特に制限 はなぐ同族の元素と一部置き換えることもでき、得られた蛍光体は光源 602からの 光を吸収して可視光を発するものが好ましい。以下、使用できる併用蛍光体の例を 挙げる。ただし、本実施形態の画像表示装置 601に使用される蛍光体は以下に例示 したものに限定されるものではない。
[0399] ,赤色の併用蛍光体:
本実施形態において使用できる赤色発光が可能な併用赤色蛍光体としては、例え ば、赤色破断面を有する破断粒子カゝら構成され、赤色領域の発光を行なう (Mg, Ca , Sr, Ba) Si N: Euで表わされるユウ口ピウム賦活アルカリ土類シリコンナイトライド
2 5 8
系蛍光体、規則的な結晶成長形状としてほぼ球形状を有する成長粒子力 構成さ れ、赤色領域の発光を行なう(Y, La, Gd, Lu) O S :Euで表わされるユウ口ピウム
2 2
賦活希土類ォキシカルュゲナイト系蛍光体等が挙げられ
[0400] さら【こ、特開 2004— 300247号公報【こ記載された、 Ti、 Zr、 Hf、 Nb、 Ta、 W、及 び Moよりなる群力 選ばれる少なくも 1種の元素を含有する酸窒化物及び Z又は酸 硫ィ匕物を含有する蛍光体であって、 A1元素の一部又は全てが Ga元素で置換された アルファサイアロン構造をもつ酸窒化物を含有する蛍光体も、本実施形態において 併用蛍光体として用いることができる。なお、これらは酸窒化物及び Z又は酸硫化物 を含有する蛍光体である。
[0401] また、そのほか、赤色の併用蛍光体としては、 Y O S :Eu3+、 (BaMg) SiO: Eu3
2 2 2 4
+、 (BaCaMg) (PO ) Cl:Eu3+、YVO: Eu3+、 CaS :Eu3+、 YAIO: Eu3+、 Ca
5 4 3 4 3 2
Y (SiO ) O: Eu3+、 LiY (SiO ) O: Eu3+、 (Y, Gd) Al O : Ce3+、 (Ca, Sr)
8 4 6 2 9 4 6 2 3 5 12 2
Si N: Euゝ CaSiN: Euゝ (Sr, Ca, Ba, Mg) (PO ) CI: Eu, Mnゝ (Ba Mg) Si
5 8 2 10 4 6 2 3 2
0: Eu, Mnなどを用いることも可能である。
8
[0402] '緑色の併用蛍光体:
本実施形態において使用できる緑色発光が可能な併用蛍光体として、例えば、破 断面を有する破断粒子から構成され、緑色領域の発光を行なう(Mg, Ca, Sr, Ba) S
1 O N: Euで表わされるユウ口ピウム賦活アルカリ土類シリコンォキシナイトライド系
2 2 2
蛍光体、破断面を有する破断粒子から構成され、緑色領域の発光を行なう(Ba, Ca , Sr) SiO: Euで表わされるユウ口ピウム賦活アルカリ土類マグネシウムシリケート系
2 4
蛍光体等が挙げられる。
[0403] また、そのほ力、緑色の併用蛍光体としては、 BaMgAl O : Eu2+, Mn2+、 Sr Al
10 17 4
O : Eu2+、 (SrBa)Al Si O: Eu2+、 (BaMg) SiO: Eu2+、 Y SiO: Ce3+, Tb3
14 25 2 2 8 2 4 2 5
+、 Sr P O— Sr B O: Eu2+、 (BaCaMg) (PO ) Cl:Eu2+、 Sr Si O— 2SrCl
2 2 7 2 2 5 10 4 6 2 3 8 2
: Eu2+、 Zr SiO , MgAl O : Ce3+, Tb3+、 Ba SiO: Eu2+、 Ca Y (SiO ) O: T
2 4 11 19 2 4 2 8 4 6 2 b3+、 Y Al O : Tb3+、 La Ga SiO : Tb3+、 SrGa S : Eu2+, Tb3+, Sm2+、 Y (A
3 5 12 3 5 14 2 4 3
1, Ga) O : Ceゝ SrSi O N: Eu、 BaMgAl O : Eu, Mn、 SrAl O: Euなどを用
5 12 2 2 2 10 17 2 4 いることも可能である。
[0404] なお、上記の併用蛍光体は、 1種を単独で用いてもよぐ 2種以上を任意の組み合 わせ及び比率で併用しても良 ヽ。
ただし、本応用例の効果を確実に得る観点では、併用蛍光体を用いる場合であつ
ても蛍光体全体の使用量に対する輝度保持蛍光体の割合は大きいほど好ましぐ全 ての蛍光体を輝度保持蛍光体とすることがより好まし 、。
[0405] さらに、蛍光体部 603R, 603Gには、外部環境からの外力や水分などから蛍光体 を保護するため、通常、バインダを用いる。具体的には、バインダ中に蛍光体を分散 させた成形体により、蛍光体部 603R, 603Gを構成する。
本実施形態において使用するバインダに制限は無ぐ本応用例の効果を著しく損 なわない範囲で任意のものを用いることができるが、通常は、蛍光や励起光を適切に 透過させるベぐ無色透明の材料を用いることが好ましい。
また、バインダは 1種を単独で用いても良ぐ 2種以上を任意の組み合わせ及び比 率で併用しても良い。
[0406] ただし、通常は、非芳香族エポキシ榭脂を用いることが好ま 、。非芳香族ェポキ シ榭脂は、高耐光性及び透明性に優れているためである。なかでも、無機塩素含有 量を lppm以下、有機塩素含有量を 5ppm以下とすることができる非芳香族エポキシ 榭脂が好ましい。特に、蒸留生成され塩素成分を全く含有しないものがより好ましい。 なお、本実施形態においては、 ppmは重量に基づく割合を示す。
[0407] 好ましい非芳香族エポキシ榭脂の具体例を挙げると、 3, 4エポキシシクロへキシル メチルー 3' , 4' エポキシシクロへキシルカルボキシレートに代表される脂環式ェポ キシ榭脂;脂環式エポキシ榭脂を主体にへキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、 水素化ビスフエノール Aジグリシジルエーテルなどのシクロへキサン誘導体とェピクロ ルヒドリンよりなるエポキシ榭脂;ビスフエノール Aジグリシジエーテルよりなる液状又 は固形のエポキシ榭脂;トリグリシジルイソシァヌレート等の含窒素エポキシ榭脂など が挙げられる。
[0408] また、ノインダとして非芳香族エポキシ榭脂を用いる場合、下記の硬化剤、助触媒 、硬化促進剤を適宜混合させることができる。
硬化剤は、非芳香族エポキシ榭脂を硬化させるものである。硬化剤としては、例え ば、酸無水物が好ましいものとして挙げられる。酸無水物の中でも、バインダ中の物 質には耐光性が要求されるため、非芳香族かつ炭素二重結合をィ匕学的に有しない 多塩基酸カルボン酸無水物が好ましい。具体的には、へキサヒドロ無水フタル酸、メ
チルへキサヒドロ無水フタル酸、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、水素化メチル ナジック酸無水物などが挙げられる。中でも、硬化反応性と耐湿性とのバランスの良 V、ため、メチルへキサヒドロ無水フタル酸が好まし!/、。
[0409] なお、硬化剤は、 1種を単独で用いても良ぐ 2種以上を任意の組み合わせ及び比 率で併用しても良い。
また、硬化剤の使用量に制限は無いが、非芳香族エポキシ榭脂 100重量部に対し 、通常 50重量部以上、好ましくは 80重量部以上、また、通常 150重量部以下、好ま しくは 130重量部以下用いるようにすることが望ま 、。
[0410] さらに、助触媒は、非芳香族エポキシ榭脂の硬化物(蛍光体部 603R, 603Gや光 透過部 603Bを含む。以下同様)に可撓性を付与し、剥離接着力を向上させるもので ある。助触媒の中でも、アルコール 'ポリオール類は、硬化促進剤の相溶化剤として も機能することができ、好ましい。アルコール 'ポリオール類の中でも、ノインダ中の物 質には耐光性が要求されるため、非芳香族かつ炭素二重結合をィ匕学構造的に有し ない炭素数 2〜12の直鎖型、分岐型、脂環型、エーテル基含有型のいずれかからな るアルコール.ポリオール類が好適に用いられる。具体的には、プロパノール、イソプ ロパノーノレ、メチノレシクロへキサノーノレ、エチレングリコーノレ、グリセリン、トリメチロー ルプロパン、エチレングリコールモノメチルエーテルなどが挙げられる。中でも、ェチ レンダリコール等の低分子量ジオールが好まし 、。
[0411] なお、助触媒は、 1種を単独で用いても良ぐ 2種以上を任意の組み合わせ及び比 率で併用しても良い。
また、アルコール 'ポリオール類は、上記のように硬化促進剤の相溶化剤としても機 能するため、硬化促進剤の化学構造と配合量に影響を受ける。
さらに、助触媒の使用量に制限は無いが、非芳香族エポキシ榭脂 100重量部に対 し、通常 1重量部以上、好ましくは 5重量部以上、また、通常 30重量部以下、好ましく は 15重量部以下が望まし 、。
[0412] また、硬化促進剤は、非芳香族エポキシ榭脂の硬化を促進するものである。硬化促 進材としては、例えば、
〔1〕第三級ァミン類若しくはイミダゾール類及び/又はそれらの有機カルボン酸塩、
〔2〕ホスフィン類及び Z又はそれらの第四級塩、
〔3〕有機カルボン酸金属塩、
〔4〕金属一有機キレート化合物、
〔5〕芳香族スルホ -ゥム塩
などが挙げられる。
なお、硬化促進剤は、 1種を単独で用いても良ぐ 2種以上を任意の組み合わせ及 び比率で併用しても良い。
[0413] 以下、硬化促進剤として例示したものについて、それぞれ説明する。
〔 1〕第三級ァミン類若しくはイミダゾール類及び/又はそれらの有機カルボン酸塩: 第三級ァミン類若しくはイミダゾール類及び/又はそれらの有機カルボン酸塩とし ては、例えば、 2, 4, 6 トリス(ジァミノメチル)フエノール、 2 ェチル 4—メチルイ ミダゾール、 1, 8 ジァザビスシクロ(5, 4, 0)ゥンデセン 7 (以下適宜、「DBU」と いう)とそのォクチル酸塩などが挙げられる。中でも、非芳香族エポキシ榭脂の硬化 物の透光性を高めることができるため、 DBUォクチル酸塩が好ましい。
[0414] なお、硬化促進剤として第三級ァミン類若しくはイミダゾール類及び Z又はそれら の有機カルボン酸塩を用いる場合、硬化促進剤の使用量に制限は無いが、画像表 示装置 601の耐湿特性の観点から、非芳香族エポキシ榭脂 100重量部に対して、通 常 0. 01重量部以上、好ましくは 0. 1重量部以上、また、通常 1重量部以下、好ましく は 0. 5重量部以下とすることが望ましい。
[0415] 〔2〕ホスフィン類及び Z又はそれらの第四級塩:
ホスフィン類とその第四級塩としては、例えば、トリフエニルホスフィン、トリブチルホ スフイン、ベンジルトリフエ-ルホスホ -ゥム臭素塩、ベンジルトリブチルホスホ-ゥム 臭素塩などが挙げられる。中でも、非芳香族エポキシ榭脂の硬化物の透光性を高め ることができるため、ベンジルトリフエ-ルホスホ -ゥム臭素塩が好まし!/、。
[0416] なお、硬化促進剤としてホスフィン類及び Z又はそれらの第四級塩を用いる場合、 硬化促進剤の使用量に制限は無いが、画像表示装置 1の耐湿特性の観点から、非 芳香族エポキシ榭脂 100重量部に対して、通常 0. 01重量部以上、好ましくは 0. 1 重量部以上、また、通常 1重量部以下、好ましくは 0. 5重量部以下とすることが望ま
しい。
[0417] 〔3〕有機カルボン酸金属塩:
有機カルボン酸金属塩としては、例えば、耐光性に劣る炭素二重結合を有さない ォクチル酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ォクチル酸錫などが挙げられる 。また、有機カルボン酸金属塩は、有機カルボン酸成分の炭素数増加と比例して、 非芳香族エポキシ榭脂への溶解性が低下する。しかし、ォクチル酸亜鉛は、配合量 に最も幅を有しており、更に、液状であるため、分散溶解に時間を要さない。したがつ て、硬化性の観点から、有機カルボン酸金属塩の中でも、ォクチル酸亜鉛が特に好 ましい。
[0418] なお、硬化促進剤として有機カルボン酸金属塩を用いる場合、硬化促進剤の使用 量に制限は無いが、非芳香族エポキシ榭脂の硬化物の透光性を高める観点からは 、非芳香族エポキシ榭脂 100重量部に対して、通常 1重量部以上、また、通常 10重 量部以下、好ましくは 5重量部以下とすることが望ま 、。
[0419] 〔4〕金属一有機キレート化合物:
金属一有機キレートイ匕合物としては、透明性に影響のない亜鉛と j8—ジケトンとより なるァセチルアセトン亜鉛キレート、ベンゾィルアセトン亜鉛キレート、ジベンゾィルメ タン亜鉛キレート、ァセト酢酸ェチル亜鉛キレートなどが挙げられる。中でも、亜鉛キ レートイ匕合物を用いた場合には、優れた耐光性 '耐熱性を非芳香族エポキシ榭脂に 付与することができる。また、亜鉛キレートイ匕合物は、非芳香族エポキシ榭脂への選 択的かつ穏ゃ力な硬化促進作用を有するため、脂環式エポキシ榭脂のような低分子 量モノマーを主体としても低応力接着が可能となる。
[0420] さらに、亜鉛キレートイ匕合物の中でも、扱い易さなどから、ァセチルアセトンをキレー ト成分としたビス (ァセチルァセトナト)アクア亜鉛(2) [Zn (C H O ) (H O) ]が好ま
5 7 2 2 2 しい。
なお、硬化促進剤として金属一有機キレート化合物を用いる場合、硬化促進剤の 使用量に制限は無いが、非芳香族エポキシ榭脂への溶解性の観点力もは、非芳香 族エポキシ榭脂 100重量部に対して、通常 1重量部以上、また、通常 10重量部以下 、好ましくは 5重量部以下とすることが望ましい。
[0421] 〔5〕芳香族スルホニゥム塩:
芳香族スルホ -ゥム塩は、通常、非芳香族エポキシ榭脂中に硬化剤である酸無水 物を含まな ヽ非芳香族エポキシ榭脂単独組成で使用される。
また、芳香族スルホ -ゥム塩を用いた場合には、熱及び Z又は 360nm以下の紫外 光により分解し、カチオンを発生して、非芳香族エポキシ榭脂カチオン重合硬化物を 得ることができる。この得られた硬化物はエーテル架橋されており、硬化剤で硬化し たものよりも物理的、化学的により安定である。
[0422] 芳香族スルホ -ゥム塩としては、例えば、トリフエ-ルスルホ-ゥム六フッ化アンチモ ン塩、トリフエ-ルスルホ-ゥム六フッ化りん塩などが挙げられる。中でも、トリフエ-ル スルホ二ゥム六フッ化アンチモン塩は硬化速度が速く少量配合でも十分硬化すること 力 好ましい。
[0423] なお、硬化促進剤として芳香族スルホ -ゥム塩を用いる場合、硬化促進剤の使用 量に制限は無いが、連鎖重合発熱による非芳香族エポキシ榭脂の硬化物の変色を 防止する観点からは、非芳香族エポキシ榭脂 100重量部に対して、通常 0. 01重量 部以上、好ましくは 0. 05重量部以上、また、通常 0. 5重量部以下、好ましくは 0. 3 重量部以下とすることが望まし 、。
[0424] さらに、上記の非芳香族エポキシ榭脂以外のバインダを用いることも可能である。バ インダとしては、例えば、ポリメチノレメタタリレート、ポリアタリレート、ポリカーボネート、 ポリビュルアルコール、ポリビュルピロリドン、ヒドロキシェチルセルロース、カノレポキシ メチルセルロースポリスチレン、スチレン '無水マレイン酸共重合体、スチレン'アタリ口 -トリル共重合体、ポリビュルクロライド、セルロースアセテートブチレート、セルロース プロピオネート、ポリ a ナフチルメタタリレート、ポリビュルナフタレン、ポリ n—ブチ ルメタタリレート、テトラフルォロエチレン'へキサフルォロプロピレン共重合体、ポリシ クロへキシルメタタリレート、ポリ(4ーメチルペンテン)、エポキシ、ポリスルホン、ポリエ ーテルケトン、ポリアリレート、ポリイミド、ポリエーテルイミド、環状ォレフィン重合体、 ポリシロキサン、ベンゾシクロブタン重合体、水ガラス、シリカ、酸化チタン、エポキシ 榭脂などを成分とするものが挙げられる。
[0425] また、蛍光体部 603R, 603Gにおいて、蛍光体部 603R, 603G内に占めるバイン
ダの割合は本応用例の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常 5重量%以 上、好ましくは 10重量%以上、また、通常 95重量%以下、好ましくは 90重量%以下 である。
[0426] さらに、これに関連し、蛍光体部 603R, 603Gにおいて、蛍光体(即ち、 CaAlSiN
3
: Eu、 Ca Sc Si O : Ce、併用蛍光体等)とバインダとの割合も本応用例の効果を
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著しく損なわない限り任意であるが、蛍光体とバインダとの合計重量に対するバイン ダの割合力 通常 5重量%以上、好ましくは 10重量%以上、また、通常 95重量%以 下、好ましくは 90重量%以下である。この範囲の下限を下回ると輝度が低下する虡 があり、上限を上回ると蛍光体部 603R, 603Gが脆弱となり、機械的強度が保てなく なる虞がある。なお、蛍光体を 1つの蛍光体部において 2種以上用いる場合には、用 V、る蛍光体の合計が上記の範囲に収まるようにすることが望ま 、。
[0427] また、蛍光体部 603R, 603Gには、バインダゃ蛍光体以外の添加剤を含有させて も良い。添加剤としては、上記の硬化剤、助触媒、硬化促進剤の他、例えば、視野角 をさらに増やすために拡散剤を含有させても良い。具体的な拡散剤としては、チタン 酸バリウム、酸化チタン、酸ィ匕アルミニウム、酸ィ匕珪素などが挙げられる。また、添カロ 材としては、例えば、所望外の波長をカットする目的で有機や無機の着色染料や着 色顔料を含有させることもできる。なお、これらの添加剤は、それぞれ 1種を単独で用 いてもよぐ 2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良 ヽ。
[0428] さらに、蛍光体部 603R, 603Gは、公知の任意の方法で作製することができる。例 えば、蛍光体部 603R, 603Gは、バインダと蛍光体と溶剤とからなる混合物(塗布液 )を、スクリーン印刷法によって、画素に対応する間隔でモザイク状、アレイ状、あるい はストライプ状に、透明基板 631上に形成することができる。
[0429] また、各蛍光体部 603R, 603Gの間に、外光の吸収のためにブロックマトリックス層 632を形成してもよい。ブラックマトリックス層 632は、ガラスなどの透明基板 631上に 、感光性の榭脂の感光原理を利用してカーボンブラックからなる光吸収膜を製造す る工程により形成してもよいし、榭脂とカーボンブラックと溶剤とからなる混合物をスク リーン印刷法で積層して形成しても良!、。
[0430] また、蛍光体部 603R, 603Gの形状は任意である。例えば、画像表示装置 601を
マルチカラー表示とする場合、蛍光体部 603R, 603Gなどの発光領域には、ピクセ ル (画素)形状に合わせて、定められた色に発光する蛍光体を配置することになるが 、その蛍光体部 603R, 603Gの形状としては、情報表示に必要なセグメント形状、マ トリックス形状が挙げられ、マトリックス形状の中では、ストライプ構造、デルタ構造など が好ましい形態として挙げることができる。さらに、モノクロ表示の場合は、上記の形 状の他、均一に蛍光体を塗布したものでも可能である。
[0431] さらに、蛍光体部 603R, 603Gの寸法も任意である。例えば、その厚みは本応用 例の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常、 1cm以下とすると好適に用い ることができる。さらに、薄型、軽量ィ匕が求められるフラットパネルディスプレイにおい ては、 2mm以下の厚みにすることがより好ましい。発光光線の出射率とのバランスを 考慮すると、通常 1 μ m以上、好ましくは 5 μ m以上、より好ましくは 10 μ m以上、また 、通常 1000 μ m以下、好ましくは 500 μ m以下、より好ましくは 200 μ m以下である。
[0432] (ii.光透過部)
本実施形態において、光透過部 603Bは、青色の画素に対応して光源 602からの 光を前方に透過させうる部材である。これにより、画像表示装置 601の光源 602から は青色光の可視光が発せられるようになって 、るため、この光源 602から発せられる 可視光は、画素が発する光として用いられるようになって!/、るのである。
[0433] 光透過部 603Bの構成に制限は無く任意であるが、通常は、蛍光体を含有しない 他は、蛍光体部 603R, 603Gと同様に構成される。したがって、光透過部 603Bには 、当該可視光に対応した光と同じ色の蛍光を発する蛍光体は必須ではない。
[0434] 即ち、光源 602から発せられた可視光が画像表示装置 601の外部に発せられるよ うにすれば、必ずしもすべての画素において蛍光体を用いなくとも良いのである。た だし、光源 602が発する可視光を効率よく外部に放出させたり、散乱させたり、所望 外の波長の光をカットしたりするために、光源 602が発した可視光には、バインダに 添加剤を含有させた光透過部 603Bを透過させるようにすることが望ま 、。
さらに、光透過部 603Bには色調整用の染顔料を含有させても良 、。
[0435] 本実施形態にお!ヽては、赤色蛍光部 603Rは、赤色蛍光体として、輝度保持蛍光 体である CaAlSiN: Euを用い、ノインダとして非芳香族エポキシ榭脂を用い、この
赤色蛍光体をバインダに分散させたものとして透明基板 631に形成されている。また 、蛍光体部 603Rは、赤色の画素に対応して複数設けてあるものとする。
[0436] また、本実施形態において、緑色蛍光部 603Gは、緑色蛍光体として、輝度保持蛍 光体である Ca Sc Si O : Ceを用い、ノインダとして非芳香族エポキシ榭脂を用い
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、この緑色蛍光体をバインダに分散させたものとして透明基板 631に形成されていて 、この蛍光体部 603Gは、緑色の画素に対応して複数設けてあるものとする。
[0437] さらに、本実施形態において、光透過部 603Bは、バインダとして非芳香族ェポキ シ榭脂を用い、拡散剤をバインダに分散させたものとして形成されていて、この光透 過部 603Bは、青色の画素に対応して透明基板 631に複数設けてあるものとする。
[0438] また、この蛍光体部 603R, 603G及び光透過部 603Bを設けた透明基板 631は、 光源 602に対向した位置に設けられている。これにより、蛍光体部 603Rは光源 602 力もの光を受けて赤色光を発し、蛍光体部 603Gは光源 602からの光を受けて緑色 光を発し、光透過部 603Bは光源 602が発した青色光を拡散剤で拡散させながら前 方に透過させるようになつている。また、各蛍光体部 603R, 603G及び光透過部 60 3Bの間は、それぞれブラックマトリックス層 632により仕切られているものとする。
[0439] [V 2— 1 4.作用]
本実施形態の画像表示装置 601は上記のように構成されて 、るので、使用時には 、光源 602を所定の強度で発光させる。この際、図示しない制御部の制御に従い、 各光源 602からは、画像表示装置 601が表示しょうとする画像に応じて、各画素(即 ち、蛍光体部 603R, 603G及び光透過部 603B)毎に強度を調節された光が発せら れる。この光源 602から発せられた光は、それぞれ、対応する蛍光体部 603R, 603 G及び光透過部 603Bに入射する。
[0440] 蛍光体部 603Rでは、蛍光体部 603R内に分散した赤色蛍光体(CaAlSiN: Eu)
3 が入射光を吸収し、赤色の蛍光を発する。また、蛍光体部 3Gでは、蛍光体部 603G 内に分散した緑色蛍光体 (Ca Sc Si O : Ce)が入射光を吸収し、緑色の蛍光を発
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する。さら〖こ、光透過部 603Bでは、光透過部 603B内に分散した拡散剤が入射光を 散乱させ、蛍光体部 603R、 603G力も発せられる蛍光との配光特性をあわせながら 、入射した青色の光を前方に透過させる。
[0441] この際、入射光の光量が、形成しょうとする画像に応じて制御部によって画素毎に 調節されているので、各蛍光体部 603R, 603Gが発する蛍光(可視光)の光量も画 素毎に調節され、所望の画像が形成される。
こうして生じた赤色及び緑色の蛍光、並びに、光透過部 603Bを透過して出射され た光源 602からの青色の光は、透明基板 631を介して画像表示装置 601の外部(図 中右側)に発せられる。観察者は、この透明基板 631の表面力 発せられる光を見て 、画像を認識する。
[0442] この際、蛍光体部 603R, 603Gの蛍光体として、それぞれ輝度保持蛍光体である 、 CaAlSiN: Eu及び Ca Sc Si O : Ceを用いたため、画像表示装置 601自体の
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発光輝度の温度依存性を抑制することができ、これにより、温度条件によって表示す る画像の発色が意図した色力 ずれることを防止することが可能であり、実用上非常 に有用である。
[0443] [V- 2- 2.第 2実施形態]
図 17は、本応用例の第 2実施形態としての画像表示装置の要部を模式的に示す 分解断面図である。なお、図 17に示す画像表示装置においては、観察者は図中右 側から画像表示装置が表示する画像を見るようになっているものとする。また、図 17 において、図 16と同様の符号を用いて示す部位は、図 16と同様のものを表わす。
[0444] 図 17に示すように、本実施形態の画像表示装置 601/ は、光シャッター 606によ つて光源 602が発した光の強さを調節するようになっている点以外は、第 1実施形態 の画像表示装置 601と同様に構成されている。即ち、光源 602と、光源 602から発せ られた光を吸収して可視光を発する蛍光体を含有する蛍光体部 (第 1蛍光体部) 60 3R及び蛍光体部(第 2蛍光体部) 603Gと、光源 602が発した光を前方に透過させる 光透過部 603Bと備える。また、画像表示装置 601/ は、フレーム 604、偏光子 605 、光シャッター 606、検光子 607を備えている。
以下、各部材について説明を行なう。
[0445] [V— 2— 2—1.フレーム]
フレーム 604は、第 1実施形態で説明したものと同様である。
[0446] [V- 2- 2- 2.光源]
光源 602としては、第 1実施形態で説明したものと同様のものを用いることができる さらに、第 1実施形態で説明した構成のものに加え、本実施形態のような光シャツタ 一 606を用いた画像表示装置においては、画像表示装置 60 / をフラットパネルデ イスプレイとして構成する場合、光源 602としては、均一な面状光を発するものが有用 である。この場合、光源 602は、光源 602を形成する素子そのものが 1つ以上の面状 発光素子で形成されているもののみならず、 1つ以上の任意の形状の素子から取り 出された光を、導光や拡散、反射などの適当な手法を用いて面状光に変換する擬似 面状発光素子も含まれる。また、これらの手法を組み合わせた素子を光源 602として 使用することちできる。
[0447] 面状発光できる光源 602の例のうち、それ自体が面状に発光しうる面状発光素子 の例としては、無機真性 EL素子、有機 EL素子、小型平面蛍光ランプ、無機半導体 を利用した面発光 LEDなどが挙げられる。
[0448] 一方、擬似面状発光素子の例を挙げると、例えば、何らかの発光素子と、その発光 素子から取り出された光を面状光へ変換する変 構とを組み合わせたものが挙げ られる。この際、発光素子としては、光源 602の例として先に挙げた任意の光源を用 いることができる。また、変 構としては、例えば、石英板、ガラス板、アクリル板な どの導光板と、 A1シート、各種金属蒸着膜など反射機構と、 TiO系化合物を用いた
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パターン、光拡散シート、光拡散プリズムなどの光拡散機構とが、単独、好ましくは複 数組み合わせられたものを用いることができる。特に、導光板、反射板、拡散板など を用いて光源 602を面発光体ィ匕して光を面状光に変換する変 構は、本実施形 態において好適に用いられる。また、例えば、液晶表示装置用途などで使用されて いる変浦構も好適に使用することができる。
[0449] また、第 1実施形態と同様、光源 602の寸法に制限は無いが、光源 602として面発 光素子や擬似面発光素子を用いる場合には、フラットパネルディスプレイの実用的 見地から、通常 5cm以下、好ましくは 5mm以下の厚みに形成することが望ましい。
[0450] 本実施形態では、光源 602として青色の光を面状発光する面発光素子を用いて ヽ て、この光源 602からの光によって、蛍光体部 603R, 603G内に含まれる CaAlSiN
: Euや Ca Sc Si O : Ceなどの蛍光体を励起するようになっている。また、光源 60
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2が発した光の一部は、光透過部 603Bを透過し、青色の画素の光として観察者に観 られるようにもなつている。さらに、光源 602への電力供給は、相互接続回路やワイヤ 等を用いて、フレーム 604上の端子と光源 602の電極とを電気的に接続することによ り行なわれて 、るものとする。
[0451] [V- 2- 2- 3.偏光子]
光源 602の前方(図中右側)、詳しくは光源 602と光シャッター 606との間には、偏 光子 605を設けることが好ましい。偏光子 605は、光源 602から発せられた光のうち 所定の偏光面を有する光のみを選択して透過させるものである。本実施形態にぉ 、 ても、偏光子 605を光源 602と光シャッター 606との間に設置しているものとする。
[0452] [V— 2— 2—4.光シャッター]
本実施形態において、光シャッター 606は、照射された光を、光量を調節して透過 させるものである。詳しくは、背面に照射された光を、表示する画像に対応して、画素 毎に、光量を調節して前方に透過させる部材である。本実施形態の場合、光シャツタ 一 606は、光源 602から蛍光体部 603R, 603Gや光透過部 603Bへ発せられる光 の光量を、各画素毎に調節して前方に透過させるようになって 、る。
[0453] 詳しく説明すると、画像表示装置 60 をマルチカラーもしくはフルカラーディスプ レイとして構成する場合は、上記の蛍光体を、 2種類以上、独立に光波長変 構と して定められた領域 (即ち、蛍光体部 603R, 603G)に配置する。本実施形態にお いては、これらの蛍光体部 603R, 603G及び光透過部 603Bに照射する光の光量 をそれぞれ光シャッター 606により調節して蛍光体部 603R, 603G及び光透過部 6 03Bから放出される光の光量を調節し、画像表示装置 60 に所望の画像を多色 発光にて表示させることができるようになって 、る。
[0454] また、光シャッター 606の種類によっては、特定の波長領域の光についてのみ、光 量の調節が可能なものがある。したがって、光シャッター 606としては、光源 602力発 する光の波長領域にぉ 、て、光の光量を調節して光のスイッチングが可能なものを 用いるようにする。なお、画像表示装置 601/ の構成によっては、光源 602からの光 ではなく蛍光体部 603R, 603G力 発せられる蛍光を光シャッター 606に光量調節
させることもあるが、その場合には、蛍光体部 603R, 603G力 発せられる蛍光の光 波長領域においても、光の光量を調節して光のスイッチングが可能なものを用いるよ うにする。通常、光源 602が発する光や蛍光体部 603R, 603G中の蛍光体が発する 蛍光の発光ピーク波長は、通常 380nm以上、好ましくは 420nm以上、また、通常 7 80nm以下、好ましくは 500nm以下であるので、光シャッター 606は、この波長域の 光の光量を調節できるものが望まし 、。
[0455] また、光シャッター 606の機構は、通常、複数の画素(ピクセル)の集合体からなる。
ただし、画面サイズ、表示方式、用途などにより、画素の数量及びサイズ並びに配列 方式は変化し、特に一定の値に制限されるものではない。したがって、光シャッター 6 06の画素の寸法に制限は無ぐ本応用例の効果を著しく損なわない限り任意である
[0456] 例えば、通常のディスプレイ用途では、一画素のサイズは 500 μ m角以下が好まし い。さらに、好適な画素サイズとして、現在実用化されている液晶ディスプレイの値と して、画素数が 640 X 3 X 480、単色一画素サイズが 100 X 300 μ m程度とすること 力 り好ましい。
[0457] さらに、光シャッター 606自体の数量や寸法にも制限は無ぐ本応用例の効果を著 しく損なわない限り任意である。例えば、光シャッター 606の厚さは、通常 5cm以下 のものが有用であり、薄型化及び軽量ィ匕を考慮すれば lcm以下であることが好まし い。
また、画像表示装置 601' を平面型表示装置とする場合においては、階調表示を 可能とするために、電気的制御により画素の光透過率を任意の値に変化せしめる光 シャッター 606を好適に用いることができる。光透過率の絶対値や、その変化のコント ラスト及び速度応答性は、高いほど好ましい。
[0458] これらの要件を満足する光シャッター 606の例としては、 TFT (Thin Film Trans istor)、 STN (Super Twisted Nematic liquid crystal)、強誘電、反強誘電、 2色性色素を用いたゲストホスト、ポリマー分散型である PDN (Polymer Dispersed
Network)方式などの透過型液晶光シャッター;酸化タングステン、酸化イリジウム 、プルシアンブルー、ビオローゲン誘導体、テトラチアフルバレン(TTF)—ポリスチレ
ン、希土類金属—ジフタロシア-ン錯体、ポリチォフェン、ポリア-リンなどに代表され るエレクトクロミック、ケミカルクロミックなどが挙げられる。中でも液晶光シャッターは、 薄型、軽量、低消費電力を特徴とし、実用的な耐久性があってセグメントの高密度化 も可能であることから好適に用いられる。この中で特に望ましいものは、 TFTァクティ ブマトリックス駆動や PDN方式を用いた液晶光シャッターである。その理由は、ねじ れネマチック液晶を使用したアクティブマトリックスでは、動画に対応した高速応答性 やクロストークが起きな 、こと、 PDN方式では偏光子 605ゃ検光子 607が必要な!/ヽ ので、光源 602や蛍光体部 603R, 603Gが発する光の減衰が少なく高輝度な発光 が可能になる力 である。
[0459] また、画像表示装置 601/ には、通常、画像表示装置 601/ に表示させる画像に 応じて画素毎に光量の調節を行なうように光シャッター 606を制御する制御部(図示 省略)を設ける。光シャッター 606は、この制御部の制御に応じて各画素力も発せら れる可視光の光量を調節し、これにより、所望の画像が画像表示装置 60 によつ て表示されるようになって ヽる。
[0460] 光シャッター 606によって画素の輝度を調整するようにすることで、画像表示装置 6 01' は、制御部の制御回路をより簡単にすることができる。例えば、第 1実施形態の ように、光源 602として LEDを用い、その LEDの発光強度等を制御することによって 画素の輝度調整を行なう場合には、 LEDの電流一輝度特性が経時変化するため、 表示する像を制御する制御回路が複雑になる虞がある。これに対し、本実施形態の ように光源 602から発せられた光の光量を調節する光シャッター 606部分を設け、光 シャッター 606によって画素の輝度を調整するようにすれば、液晶光シャッター等の 光シャッターの多くは電圧制御であるため、簡単な制御回路で輝度を調整することが できる。
[0461] 本実施形態においては、背面電極 661、液晶層 662、及び前面電極 663が上記の 順に重ねられた液晶光シャッターを光シャッター 606として用いていて、光シャッター 606は、偏光子 605の前方(図中右方)に設けられているものとする。なお、背面電 極 661及び前面電極 663は画像表示装置 601/ に用いる光を吸収しない透明電極 にて構成されているものとする。そして、この液晶光シャッターでは、背面電極 661及
び前面電極 663に印加する電圧によって液晶層 662内の液晶の分子配列を制御さ れ、この分子配列によって背面側に照射される光それぞれの光量を、各画素毎 (即 ち、蛍光体部 603R, 603G及び光透過部 603B毎)に調節されるようになっている。
[0462] [V- 2- 2- 5.検光子]
光シャッター 606の前方には、適宜、光シャッター 606を透過して光量を調節され た光を受け付ける検光子 607が設けられる。検光子 607は、光シャッター 606を通過 した特定の偏光面を有する光のみを透過させて、発光強度を調整するものである。 本実施形態においても、光シャッター 606の前方、詳しくは、光シャッター 606と蛍 光体部 603R, 603G及び光透過部 603Bとの間には検光子 607が設けられているも のとする。
[0463] [V- 2- 2-6.蛍光体部並びに光透過部]
蛍光体部 603R, 603Gは、第 1実施形態と同様に、光源 602が発した励起光を吸 収し、画像表示装置 601' が表示する画像を形成するための可視光を発する蛍光 体を含有する部分である。本実施形態においても、蛍光体部 603R, 603Gの少なく とも一方が、蛍光体として、輝度保持蛍光体のうちの少なくともいずれカゝ 1種を含有す るようにする。また、蛍光体部 603R, 603Gは光シャッター 606の画素に対応して通 常 1つずつ設けられ、画像表示装置 601' の画素が発することになる光を生じるよう になっている。
[0464] さらに、光透過部 603Bは、第 1実施形態同様、蛍光体部 603R, 603Gと同様に光 シャッター 606の画素毎に設けられたもので、光源 602の光を画素の光の一部として 用いるために前方へ透過させる部分である。通常、光透過部 603Bは、蛍光体を含 有しない他は蛍光体部 603R, 603Gと同様に設けられる。
したがって、本実施形態では、観察者は、この蛍光体部 603R, 603Gが発する蛍 光、及び、光透過部 603Bを介して放出される光源 602が発する光を見て画像を認 識するようになっている。
[0465] ただし、本実施形態のように光シャッター 606を用いた画像表示装置 60 の場合 、第 1実施形態の構成の他に、例えば、蛍光体部 603R, 603Gは、バインダと蛍光 体と溶剤とからなる混合物(塗布液)を、スクリーン印刷法によって、光シャッター 606
の画素に対応する間隔でモザイク状、アレイ状、あるいはストライプ状に、透明基板 6
31上〖こ形成することもできる。
[0466] また、本実施形態のように光シャッター 606を用いた画像表示装置 601/ の場合、 例えば、画像表示装置 601' をマルチカラー表示とする際には、蛍光体部 603R, 6
03Gなどの発光領域には、光シャッター機構のピクセル形状に合わせて、定められ た色に発光する蛍光体を配置することになる。
[0467] さらに、本実施形態においても、赤色蛍光部 603Rは、赤色蛍光体として、輝度保 持蛍光体である CaAlSiN: Euを用い、ノインダとして非芳香族エポキシ榭脂を用い
3
、この赤色蛍光体をバインダに分散させたものとして透明基板 631に形成されている 。また、蛍光体部 603Rは、赤色の画素に対応して複数設けてあるものとする。
[0468] また、本実施形態にぉ ヽも、緑色蛍光部 603Gは、緑色蛍光体として、輝度保持蛍 光体である Ca Sc Si O : Ceを用い、ノインダとして非芳香族エポキシ榭脂を用い
3 2 3 12
、この緑色蛍光体をバインダに分散させたものとして透明基板 631に形成されていて 、この蛍光体部 603Gは、緑色の画素に対応して複数設けてあるものとする。
[0469] さらに、本実施形態において、光透過部 603Bは、バインダとして非芳香族ェポキ シ榭脂を用い、拡散剤をバインダに分散させたものとして形成されていて、この光透 過部 603Bは、青色の画素に対応して透明基板 631に複数設けてあるものとする。
[0470] また、この蛍光体部 603R, 603G及び光透過部 603Bを設けた透明基板 631は検 光子 607の前方(図中右方)に、光シャッター 606に対向した位置に設けられている 。これにより、蛍光体部 603Rは光シャッター 606により光量を調節された光源 602か らの光を受けて赤色光を発し、蛍光体部 603Gは光シャッター 606により光量を調節 された光源 602からの光を受けて緑色光を発し、光透過部 603Bは光源 602が発し 光シャッター 606により光量を調節された青色光を拡散剤で拡散させながら前方に 透過させるようになつている。また、各蛍光体部 603R, 603G及び光透過部 603Bの 間は、それぞれブラックマトリックス層 632により仕切られているものとする。
[0471] [V- 2- 2- 7.作用]
本実施形態の画像表示装置 60 は上記のように構成されているので、使用時に は、光源 602を所定の強度で発光させる。光源 602から発せられた光は、偏光子 60
5で偏光面を揃えられた後、光シャッター 606に入射する。
[0472] 光シャッター 606は、制御部(図示省略)の制御にしたがって、表示しょうとする画 像に応じて背面側力 入射した光の光量を画素毎に調節し、前方に透過させる。具 体的には、透明電圧 661, 663に印加する電圧を制御することにより、各画素に対応 する部位の液晶の配向性を調整し、これにより、画素毎にどれだけの強さの光を透過 させる力調節しながら、背面に受光した光を前方に透過させる。
[0473] 光シャッター 606を通った光は、検光子 607を介して、それぞれ、対応する蛍光体 部 603R, 603G及び光透過部 603Bに入射する。
蛍光体部 603Rでは、蛍光体部 603R内に分散した赤色蛍光体(CaAlSiN: Eu)
3 が入射光を吸収し、赤色の蛍光を発する。また、蛍光体部 603Gでは、蛍光体部 60 3G内に分散した緑色蛍光体 (Ca Sc Si O : Ce)が入射光を吸収し、緑色の蛍光
3 2 3 12
を発する。さら〖こ、光透過部 603Bでは、光透過部 603B内に分散した拡散剤が入射 光を散乱させ、蛍光体部 603R、 603G力も発せられる蛍光との配光特性をあわせな がら、入射した青色の光を前方に透過させる。
[0474] この際、入射光の光量が、形成しょうとする画像に応じて光シャッター 606により画 素毎に調節されているので、各蛍光体部 603R, 603Gが発する蛍光(可視光)の光 量も画素毎に調節され、所望の画像が形成される。
こうして生じた赤色及び緑色の蛍光、並びに、光透過部 603Bを透過して出射され た光源 602からの青色の光は、透明基板 631を介して画像表示装置 60 の外部( 図中右側)に発せられる。観察者は、この透明基板 631の表面力 発せられる光を見 て、画像を認識する。
[0475] この際、蛍光体部 603R, 603Gの蛍光体として、それぞれ輝度保持蛍光体である 、 CaAlSiN: Eu及び Ca Sc Si O : Ceを用いたため、画像表示装置 60 / 自体
3 3 2 3 12
の発光輝度の温度依存性を抑制することができ、これにより、温度条件によって表示 する画像の発色が意図した色力 ずれることを防止することが可能となり、実用上非 常に有用である。
また、本実施形態の画像表示装置 601' によれば、従来の液晶光シャッターを用 いた画像表示装置とは異なり、視野角によって画素の輝度が低下したり色が変化し
たりすることを防止することができる。
[0476] [V- 2- 3.第 3実施形態]
[V- 2- 3- 1.構成]
図 18は、本応用例の第 3実施形態としての画像表示装置の要部を模式的に示す 分解断面図である。なお、図 18に示す画像表示装置においては、観察者は図中右 側から画像表示装置が表示する画像を見るようになっているものとする。また、図 18 において、図 16,図 17と同様の符号を用いて示す部位は、図 16,図 17と同様のも のを表わす。
[0477] 図 18に示すように、本実施形態の画像表示装置 601" は、構成部材の配置順が、 背面側から、基板 604、光源 602、蛍光体部 603R, 603G及び光透過部 603B、偏 光子 605、光シャッター 606、検光子 607と!ヽぅ川頁になって!/ヽて、光シャッター 606の 画素間にブラックマトリックス(図示省略)が設けられている他は、第 2実施形態で説 明した画像表示装置 60 と同様の構成となっている。
[0478] 光シャッター 606の画素の間には、コントラストを高めるためにブラックマトリックスと いう黒色領域が存在することが好ましい。ブラックマトリックスは画素間のすきまを黒く し、画像を見やすくする作用を有する。ブラックマトリックスの材質としては、例えば、ク ロム、炭素、または炭素またはその他黒色物質を分散した榭脂が用いられるが、これ に限定されるものではない。本実施形態においては、光シャッター 606を透過した光 を観察者が見ることになるため、光シャッターに、このブラックマトリックス(図示省略) を設けてある。
[0479] また、本実施形態の画像表示装置 601" においては、上記のように構成部材の配 置順を変更したため、光シャッター 606は、蛍光体部 603R, 603G力 発せられる光 並びに光透過部 603Bを透過した光の光量を、各画素毎に調節して前方に透過させ るようになっている。即ち、赤色及び緑色の画素においては、光源 602から発せられ た光を蛍光体部 603R, 603Gに入射させ、蛍光体部 603R, 603G内の蛍光体が発 した光の光量を、画素毎に光シャッター 606が調節し、前方に透過させるようになつ ている。また、青色の画素においては、光源 602から発せられた光が光透過部 603B 内の拡散剤で散乱されながら光透過部 603Bを透過し、光透過部 603Bを透過した
光の光量を、画素毎に光シャッター 606が調節し、前方に透過させるようになつてい る。そして、光シャッター 606によって光量を調節された赤色、緑色及び青色の光に よって、画像表示装置 601に所望の画像を多色発光にて表示させることができるよう になっている。
[0480] したがって、第 2実施形態においては、光シャッター 606として、光源 602が発する 光の波長領域にぉ ヽて光の光量を調節しうるものを用いるようにしたが、本実施形態 においては、蛍光体部 603R, 603Gが発する光の波長領域においても光の光量を 調節しうるものを用いるようにする。詳しくは、本実施形態の光シャッター 606では、背 面電極 661及び前面電極 663に印加する電圧によって液晶層 662内の液晶の分子 配列を制御され、この分子配列によって背面側に照射される光それぞれの光量を、 各画素毎に調節されるようになって 、る。
[0481] さらに、本実施形態においても、第 2実施形態と同様に、蛍光体部 603Rは赤色蛍 光体として CaAlSiN: Euを用い、バインダとして非芳香族エポキシ榭脂を用いてい
3
て、また、緑色蛍光部 603Gは、緑色蛍光体として Ca Sc Si O : Ceを用い、バイン
3 2 3 12
ダとして非芳香族エポキシ榭脂を用いて 、る。
[0482] [V- 2- 3- 2.作用]
本実施形態の画像表示装置 601" は上記のように構成されているので、使用時に は、光源 602を所定の強度で発光させる。光源 602から発せられた光は、それぞれ、 対応する蛍光体部 603R, 603G及び光透過部 603Bに入射する。
[0483] 蛍光体部 603Rでは、蛍光体部 603R内に分散した赤色蛍光体(CaAlSiN: Eu)
3 が入射光を吸収し、赤色の蛍光を発する。また、蛍光体部 603Gでは、蛍光体部 60 3G内に分散した緑色蛍光体 (Ca Sc Si O : Ce)が入射光を吸収し、緑色の蛍光
3 2 3 12
を発する。さら〖こ、光透過部 603Bでは、光透過部 603B内に分散した拡散剤が入射 光を散乱させ、蛍光体部 603R、 603G力も発せられる蛍光との配光特性をあわせな がら、入射した青色の光を前方に透過させる。
[0484] こうして発せられた赤色及び緑色の蛍光、並びに青色の光は、偏光子 605で偏光 性を揃えられた後、光シャッター 606に入射する。
光シャッター 606は、制御部(図示省略)の制御にしたがって、表示しょうとする画
像に応じて背面側から入射した赤色光、緑色光及び青色光の光量を画素毎に調節 し、前方に透過させる。具体的には、透明電圧 661, 663に印加する電圧を制御する ことにより、各画素に対応する部位の液晶の配向性を調整し、これにより、画素毎に どれだけの強さの光を透過させる力調節しながら、背面に受光した光を前方に透過さ せる。
[0485] 光シャッター 606を通った光は、検光子 607に照射される。この際、蛍光体部 603R , 603Gが発した蛍光や光透過部 603Bを透過した光の光量は、光シャッター 606に より画素毎に調節されているので、検光子 607に照射された光は所望の画像を形成 することになる。そして、観察者は、この検光子 607の表面力も発せられる光を見て、 画像を認識する。
[0486] この際、蛍光体部 603R, 603Gの蛍光体として、それぞれ輝度保持蛍光体である CaAlSiN: Eu及び Ca Sc Si O : Ceを用いたため、画像表示装置 601" 自体の
3 3 2 3 12
発光輝度の温度依存性を抑制することができ、これにより、温度条件によって表示す る画像の発色が意図した色力 ずれることを防止することが可能であり、実用上非常 に有用である。
[0487] さらに、本実施形態の画像表示装置 601" によれば、従来の液晶光シャッターを 用いた画像表示装置とは異なり、蛍光体部 603R, 603G内の蛍光体の残光特性に よる影響を排除することができる。蛍光体は、光の照射を止めた後も所定の時間だけ 蛍光を発することがあり、この光照射停止後に蛍光が発せられる時間を残光特性とい う。残光特性は蛍光体により異なることから、従来、画像表示装置に表示される画像 においてはある特定の色が強調される傾向があり、コスト高や制御の複雑ィ匕の一因と なっていた。しかし、本実施形態の画像表示装置 601" によれば上記の残光特性の 影響を排除し、画像の特定の色が強調されることを防止することができる。
さらに、第 2実施形態と同様、制御部の制御回路をより簡単にすることも可能である
[0488] [V- 3.その他]
以上、本応用例の実施形態について説明したが、本応用例は上記の実施形態に 限定されるものではなぐ本応用例の要旨を逸脱しない範囲において、任意に変形
して実施することができる。
例えば、例えば、上記の実施形態では赤色、緑色及び青色の 3種の光を用いて画 像を表示する場合を説明したが、上記の赤色、緑色及び青色以外の光を用いて画 像表示を行なうようにしても良ぐさらに、 2種、又は、 4種以上の光を用いて画像表示 を行なうようにしても良い。
[0489] また、例えば、一部の画素においては、光源 602が発する光を直接に、画素の光と して用いるようにしてもよい。
さらに、蛍光体部 603R, 603Gを透過する以外にも、光源 602から発せられた光が 蛍光体部 603R, 603Gで反射するような反射型の構成を適用しても良い。具体的に は、例えば、第 1実施形態の構成において、光源 2を蛍光体部 603R, 603Gよりも前 方に設置して画像表示装置 601を構成することも可能である。
[0490] また、蛍光体部として、 CaAlSiN : Euや Ca Sc Si O : Ceなどの輝度保持蛍光
3 3 2 3 12
体を 、ずれも有さな 、蛍光体部を併用するようにしても良 、。
さらに、輝度保持蛍光体としては、 CaAlSiN : Euや Ca Sc Si O : Ce以外のもの
3 3 2 3 12
を用いるようにしてもよい。
また、上述した光源 602、蛍光体部 603R, 603G,フレーム 604、偏光子 605、光 シャッター 606、検光子 607などの部材は、本応用例の要旨を逸脱しない範囲で、 任意に組み合わせて用いることができる。
さらに、画像表示装置 601, 601' , 601グ には更に別の構成部材を組み合わせ て用いても良い。
[0491] なお、上述した第 1の発光装置、第 2の発光装置、白色発光装置及び画像表示装 置は、任意に組み合わせて実施することも可能である。
また、上述した第 1の発光装置、第 2の発光装置、白色発光装置及び画像表示装 置は、その効果を損なわない範囲であれば、波長変換材料として以下の蛍光体を含 有させても良い。
[0492] 具体的には、蛍光体として以下に挙げるものを用いることが可能である力 これらは あくまでも例示であり、これらに限られるものではない。なお、以下の例示では、構造 の一部のみが異なる蛍光体を、適宜省略して示している。例えば、「Y SiO : Ce3+J
、 Γγ SiO: Tb3+」及び「Y SiO: Ce3+, Tb3+」を「Y SiO: Ce3+, Tb3+」と、「La O
2 5 2 5 2 5 2
S :Eu」、「Y O S :Eu」及び「(La, Y) O 3 ^11」を「(1^, Y) O S :Eu」とまとめて
2 2 2 2 2 2 2
示している。省略箇所はカンマ(,)で区切って示す。
[0493] ,赤色蛍光体:
赤色蛍光体としては、例えば、赤色破断面を有する破断粒子から構成され、赤色 領域の発光を行なう(Mg, Ca, Sr, Ba) Si N: Euで表わされるユウ口ピウム付活ァ
2 5 8
ルカリ土類シリコンナイトライド系蛍光体、規則的な結晶成長形状としてほぼ球形状を 有する成長粒子から構成され、赤色領域の発光を行なう(Y, La, Gd, Lu) O S :Eu
2 2 で表わされるユウ口ピウム付活希土類ォキシカルコゲナイド系蛍光体等が挙げられる
[0494] さら【こ、特開 2004— 300247号公報【こ記載された、 Ti、 Zr、 Hf、 Nb、 Ta、 W、及 び Moよりなる群力 選ばれる少なくも 1種の元素を含有する酸窒化物及び Z又は酸 硫ィ匕物を含有する蛍光体であって、 A1元素の一部又は全てが Ga元素で置換された アルファサイアロン構造をもつ酸窒化物を含有する蛍光体も、本実施形態において 用いることができる。なお、これらは酸窒化物及び Z又は酸硫化物を含有する蛍光 体である。
[0495] また、そのほか、赤色蛍光体としては、 (La, Y) O S: Eu等の Eu付活酸硫ィ匕物蛍
2 2
光体、 Y(V, P) 0 : Eu、 Y O : Eu等の Eu付活酸化物蛍光体、(Ba, Sr, Ca, Mg)
4 2 3 2
SiO : Eu, Mn、 (Ba, Mg) SiO : Eu, Mn等の Eu, Mn付活珪酸塩蛍光体、 (Ca,
4 2 4
Sr) S: Eu等の Eu付活硫化物蛍光体、 YAIO: Eu等の Eu付活アルミン酸塩蛍光体
3
、 LiY (SiO ) O : Eu, Ca Y (SiO ) O :Eu、 (Sr, Ba, Ca) SiO : Euゝ Sr BaSi
9 4 6 2 2 8 4 6 2 3 5 2
O : Eu等の Eu付活珪酸塩蛍光体、(Y, Gd) Al O : Ce、(Tb, Gd) Al O : Ce
5 3 5 12 3 5 12 等の Ce付活アルミン酸塩蛍光体、(Ca, Sr, Ba) Si N : Eu、 (Mg, Ca, Sr, Ba) Si
2 5 8
N : Eu、 (Mg, Ca, Sr, Ba)AlSiN : Eu等の Eu付活窒化物蛍光体、(Mg, Ca, Sr
2 3
, Ba)AlSiN : Ce等の Ce付活窒化物蛍光体、(Sr, Ca, Ba, Mg) (PO ) CI : Eu
3 10 4 6 2
, Mn等の Eu, Mn付活ハロリン酸塩蛍光体、(Ba Mg) Si O : Eu, Mn、 (Ba, Sr,
3 2 8
Ca, Mg) (Zn, Mg) Si O : Eu, Mn等の Eu, Mn付活珪酸塩蛍光体、 3. 5MgO -
3 2 8
0. 5MgF -GeO: Mn等の Mn付活ゲルマン酸塩蛍光体、 Eu付活 αサイアロン等
2 2
の Eu付活酸窒化物蛍光体、 (Gd, Y, Lu, La) O : Eu, Bi等の Eu, Bi付活酸化物
2 3
蛍光体、(Gd, Y, Lu, La) O S :Eu, Bi等の Eu, Bi付活酸硫化物蛍光体、 (Gd,
2 2
Y, Lu, La)VO : Eu, Bi等の Eu, Bi付活バナジン酸塩蛍光体、 SrY S : Eu, Ce
4 2 4 等の Eu, Ce付活硫化物蛍光体、 CaLa S : Ce等の Ce付活硫ィ匕物蛍光体、(Ba, S
2 4
r, Ca) MgP O: Eu, Mn、 (Sr, Ca, Ba, Mg, Zn) P O: Eu, Mn等の Eu, Mn付
2 7 2 2 7
活リン酸塩蛍光体、 (Y, Lu) WO : Eu, Mo等の Eu, Mo付活タングステン酸塩蛍
2 6
光体、(Ba, Sr, Ca) Si N: Eu, Ce (但し、 x、 y、 zは、 1以上の整数)等の Eu, Ce χ y z
付活窒化物蛍光体、 (Ca, Sr, Ba, Mg) (PO ) (F, CI, Br, OH): Eu, Mn等の
10 4 6
Eu, Mn付活ハロリン酸塩蛍光体、 ( (Y, Lu, Gd, Tb) ^ Sc Ce ) (Ca, Mg) ^ ( Mg, Zn) Si Ge O 等の Ce付活珪酸塩蛍光体等を用いることも可能である
2+r z-q q 12+ δ
[0496] 赤色蛍光体としては、 j8—ジケトネート、 βージケトン、芳香族カルボン酸、又は、 ブレンステッド酸等のァ-オンを配位子とする希土類元素イオン錯体力 なる赤色有 機蛍光体、ペリレン系顔料 (例えば、ジベンゾ { [f, f' ] -4, 4' , 7, 7'—テトラフエ- ル}ジインデノ [1, 2, 3— cd: l,, 2' , 3,一 lm]ペリレン)、アントラキノン系顔料、レー キ系顔料、ァゾ系顔料、キナクリドン系顔料、アントラセン系顔料、イソインドリン系顔 料、イソインドリノン系顔料、フタロシアニン系顔料、トリフエ-ルメタン系塩基性染料、 インダンスロン系顔料、インドフエノール系顔料、シァニン系顔料、ジォキサジン系顔 料を用いることも可能である。
[0497] ·緑色蛍光体:
緑色蛍光体として、例えば、破断面を有する破断粒子から構成され、緑色領域の 発光を行なう(Mg, Ca, Sr, Ba) Si O N : Euで表わされるユウ口ピウム付活アルカリ
2 2 2
土類シリコンォキシナイトライド系蛍光体、破断面を有する破断粒子から構成され、緑 色領域の発光を行なう(Ba, Ca, Sr, Mg) SiO : Euで表わされるユウ口ピウム付活
2 4
アルカリ土類シリケート系蛍光体等が挙げられる。
[0498] また、そのほか、緑色蛍光体としては、 Sr Al O : Eu、 (Ba, Sr, Ca)Al O : Eu
4 14 25 2 4 等の Eu付活アルミン酸塩蛍光体、(Sr, Ba)Al Si O : Eu、 (Ba, Mg) SiO : Eu、 (
2 2 8 2 4
Ba, Sr, Ca, Mg) SiO : Euゝ (Ba, Sr, Ca) (Mg, Zn) Si O : Eu等の Eu付活珪
酸塩蛍光体、 Y SiO : Ce, Tb等の Ce, Tb付活珪酸塩蛍光体、 Sr P O— Sr B O
2 5 2 2 7 2 2
: Eu等の Eu付活硼酸リン酸塩蛍光体、 Sr Si O 2SrCl: Eu等の Eu付活ハロ珪
5 2 3 8 2
酸塩蛍光体、 Zn SiO : Mn等の Mn付活珪酸塩蛍光体、 CeMgAl O : Tb、Y Al
2 4 11 19 3
O : Tb等の Tb付活アルミン酸塩蛍光体、 Ca Y (SiO ) O :Tb、 La Ga SiO : T
5 12 2 8 4 6 2 3 5 14 b等の Tb付活珪酸塩蛍光体、(Sr, Ba, Ca) Ga S : Eu, Tb, Sm等の Eu, Tb, Sm
2 4
付活チォガレート蛍光体、 Y (Al, Ga) O : Ceゝ (Y, Ga, Tb, La, Sm, Pr, Lu) (
3 5 12 3
Al, Ga) O : Ce等の Ce付活アルミン酸塩蛍光体、 Ca Sc Si O : Ce、 Ca (Sc,
5 12 3 2 3 12 3
Mg, Na, Li) Si O : Ce等の Ce付活珪酸塩蛍光体、 CaSc O : Ce等の Ce付活酸
2 3 12 2 4
化物蛍光体、 SrSi O N : Eu、 (Sr, Ba, Ca) Si O N : Eu、 Eu付活 j8サイアロン、
2 2 2 2 2 2
Eu付活 αサイアロン等の Eu付活酸窒化物蛍光体、 BaMgAl O : Eu, Mn等の E
10 17
u, Mn付活アルミン酸塩蛍光体、 SrAl O : Eu等の Eu付活アルミン酸塩蛍光体、(L
2 4
a, Gd, Y) O S :Tb等の Tb付活酸硫化物蛍光体、 LaPO : Ce, Tb等の Ce, Tb付
2 2 4
活リン酸塩蛍光体、 ZnS : Cu, Al、 ZnS : Cu, Au, Al等の硫化物蛍光体、(Y, Ga, Lu, Sc, La) BO : Ce, Tb、 Na Gd B O : Ce, Tb、 (Ba, Sr) (Ca, Mg, Zn) B O
3 2 2 2 7 2 2
: K, Ce, Tb等の Ce, Tb付活硼酸塩蛍光体、 Ca Mg (SiO ) CI: Eu, Mn等の E
6 8 4 4 2
u, Mn付活ハロ珪酸塩蛍光体、 (Sr, Ca, Ba) (Al, Ga, In) S : Eu等の Eu付活チ
2 4
オアルミネート蛍光体やチォガレート蛍光体、(Ca, Sr) (Mg, Zn) (SiO ) CI: Eu
8 4 4 2
, Mn等の Eu, Mn付活ハロ珪酸塩蛍光体等を用いることも可能である。
[0499] また、緑色蛍光体としては、ピリジン—フタルイミド縮合誘導体、ベンゾォキサジノン 系、キナゾリノン系、クマリン系、キノフタロン系、ナルタル酸イミド系等の蛍光色素、テ ルビゥム錯体等の有機蛍光体を用いることも可能である。
[0500] •青色蛍光体:
青色蛍光体としては、規則的な結晶成長形状としてほぼ六角形状を有する成長粒 子から構成され、青色領域の発光を行なう BaMgAl O : Euで表わされるユウロピ
10 17
ゥム付活バリウムマグネシウムアルミネート系蛍光体、規則的な結晶成長形状として ほぼ球形状を有する成長粒子から構成され、青色領域の発光を行なう(Ca, Sr, Ba ) (PO ) CI :Euで表わされるユウ口ピウム付活ハロリン酸カルシウム系蛍光体、規則
5 4 3
的な結晶成長形状としてほぼ立方体形状を有する成長粒子力 構成され、青色領
域の発光を行なう(Ca, Sr, Ba) B O CI :Euで表わされるユウ口ピウム付活アルカリ
2 5 9
土類クロロボレート系蛍光体、破断面を有する破断粒子から構成され、青緑色領域 の発光を行なう(Sr, Ca, Ba)Al O : Euまたは(Sr, Ca, Ba) Al O : Euで表わさ
2 4 4 14 25
れるユウ口ピウム付活アルカリ土類アルミネート系蛍光体等が挙げられる。
また、そのほか、青色蛍光体としては、 Sr P O : Sn等の Sn付活リン酸塩蛍光体、
2 2 7
Sr Al O : Eu, BaMgAl O : Eu, BaAl O : Eu等の Eu付活アルミン酸塩蛍光
4 14 25 10 17 8 13
体、 SrGa S : Ce、 CaGa S : Ce等の Ce付活チォガレート蛍光体、(Ba, Sr, Ca) M
2 4 2 4
gAl O : Eu, BaMgAl O : Eu, Tb, Sm等の Eu付活アルミン酸塩蛍光体、(Ba
10 17 10 17
, Sr, Ca) MgAl O : Eu, Mn等の Eu, Mn付活アルミン酸塩蛍光体、(Sr, Ca, B
10 17
a, Mg) (PO ) CI : Euゝ (Ba, Sr, Ca) (PO ) (CI, F, Br, OH): Eu, Mn, Sb
10 4 6 2 5 4 3
等の Eu付活ハロリン酸塩蛍光体、 BaAl Si O : Eu、 (Sr, Ba) MgSi O : Eu等の E
2 2 8 3 2 8 u付活珪酸塩蛍光体、 Sr P O : Eu等の Eu付活リン酸塩蛍光体、 ZnS :Ag、 ZnS :
2 2 7
Ag, Al等の硫化物蛍光体、 Y SiO : Ce等の Ce付活珪酸塩蛍光体、 CaWO等の
2 5 4 タングステン酸塩蛍光体、(Ba, Sr, Ca) BPO : Eu, Mn、 (Sr, Ca) (PO ) ·ηΒ
5 10 4 6 2
O : Eu、 2SrO -0. 84P O ·0· 16B O : Eu等の Eu, Mn付活硼酸リン酸塩蛍光体
3 2 5 2 3
、 Sr Si O - 2SrCl : Eu等の Eu付活ノヽ口珪酸塩蛍光体等を用いることも可能である
[0502] また、青色蛍光体としては、例えば、ナフタル酸イミド系、ベンゾォキサゾール系、ス チリル系、クマリン系、ビラリゾン系、トリァゾール系化合物の蛍光色素、ツリウム錯体 等の有機蛍光体等を用いることも可能である。
なお、蛍光体は 1種類を単独で用いてもよぐ 2種類以上を任意の組み合わせ及び 比率で併用しても良い。
実施例
[0503] 以下、実施例を示して本発明について詳細に説明するが、本発明は以下の実施例 に限定されるものではなぐ本発明の要旨を逸脱しない範囲において任意に変形し て実施することができる。
[0504] [I.第 1の発光装置に関する実施例]
[実施例 1 1]
第 1の蛍光体の重量百分率が 94%、第 2の蛍光体の重量百分率が 6%となるように 混合して蛍光体混合物を得た。ここで、第 1の蛍光体として、波長 455nmの光で励起 した場合の発光効率が 46%であり、付活剤として Ceを 0. 06モル (ィ匕学組成式 Cal モノレに対して 0. 02モノレ)含有し、 Ca Sc Si O のィ匕学糸且成を有し、 505nmに発光
3 2 3 12
ピーク波長を有する酸化物蛍光体を用いた。第 2の蛍光体として、波長 455nmの光 で励起した場合の発光効率が 54%であり、付活剤として Euを 0. 008モル含有し、 C aAlSiNの化学組成を有し、 650nmに発光ピーク波長を有する窒化物蛍光体を用
3
いた。
[0505] この蛍光体混合物を 160°Cまで段階的に温度を一定に保つように温度を制御しな がらピーク波長 455nmの青色光で励起して得られる輝度と色度座標値 Xを測定した 。輝度の測定結果を図 19に示す。その結果、 25°Cにおける輝度 [BR(25) ]を 1とし た場合に、 125でにぉける輝度[8尺(125) ]は0. 92であり、その輝度の比率 [BR(1 25) ZBR (25) ¾0. 92であった。また、 25°Cにおける色度座標値 x[x (25) ]は 0
2
. 404であり、 125°Cにおける色度座標値 x[x (25) ]は 0. 418であり、その色度座
2
標値 Xの差 [X (25) - X (25) ]は 0. 014であった。なお、輝度と色度座標値 Xの測
2 2
定に関しては、波長 455nmの励起光の影響を受けないように、蛍光体混合物からの 470nm未満の蛍光スペクトルを算入せず、 470nm以上の蛍光スペクトルだけを利 用して算出した。
[0506] また、以下の手順で砲弾型白色発光装置を作製した。まず、砲弾型 LED用のフレ ームのカップ部に、 460nmの波長で発光する LED (Cree社製「C460MB」)を、銀 ペーストの導電性のマウント部材を使ってマウントした。次に、 Au線を使用して LED の電極とインナーリードをボンディングした。そして、前記の蛍光体混合物 lgに対し てエポキシ榭脂を 10gの比率で良く混合して得られた蛍光体と榭脂との混合物(以下 、蛍光体ペースト、という)を、 LEDをマウントしたフレームのカップ部分に注いだ。こ れを 120°Cで 1時間保持し、エポキシ榭脂を硬化させた。次に、エポキシ榭脂を流し 込んだ砲弾型の型に、上述のようにして LEDおよび蛍光体を装着したフレームを挿 入し、 120°Cで 1時間保持した。榭脂を硬化させた後、型から外し、砲弾型白色発光 装置を得た。
[0507] この様にして得られた白色発光装置を室温 (約 24°C)において電流 10mA〜40m Aで電流密度 17. 5AZcm2〜70AZcm2の範囲で駆動し、白色発光装置からの全 ての発光を積分球で受けて光ファイバ一によつて分光器に導き入れて発光スぺタト ルを測定した。発光スペクトルのデータは、 380nmから 780nmの範囲で 5nmおきに 発光強度の数値を記録した。その結果、この白色発光装置は、電流 10mAで駆動し た場合に色度座標値 x、 yがそれぞれ 0. 288、 0. 308となり、電流 40mAで駆動した 場合に色度座標値 x、 yがそれぞれ 0. 291、 0. 309となった。このことは、青色 LED の 10mA〜40mAの範囲での駆動電流、すなわち 17. 5AZcm2〜70AZcm2の電 流密度の範囲内での変化に対して色度座標値のずれ量 [X (17. 5)— X (70) ]、 [y (17. 5) -y (70) ]がそれぞれ 0. 003、 0. 001と極めて小さぐ駆動電流の増減に 伴う発光光量の変化に対して色ずれが非常に小さいことを示す。
[0508] また、この白色発光装置の JIS Z 8726で定めた方法により平均演色評価数 Raを 求めたところ、 Raが 90と良好な演色性を示した。この白色発光装置は、従来の製品 である青色 LEDとイットリウムアルミニウムガーネット系蛍光体とを組み合わせた擬白 色発光装置と比較して、平均演色評価数が顕著に高く良好な発光を示した。
[0509] また、本発明の第 1の発光装置と対比するために、従来の製品である青色 LEDとィ ットリウムアルミニウムガーネット系蛍光体とを組み合わせた擬白色発光装置につい て発光強度を測定し、色度座標値を求めた。その結果、電流 10mAで駆動した場合 に色度座標値 x、 yがそれぞれ 0. 321、 0. 314となり、電流 40mAで駆動した場合に 色度座標値 x、 y力それぞれ 0. 314、 0. 306となり、青色 LEDの 10mA〜40mAの 範囲での駆動電流、即ち電流密度 17. 5AZcm2〜70AZcm2の範囲での変化に 対して色度座標値のずれ量 [X (17. 5)— X (70) ]、 [y (17. 5)— y (70) ]がそれ ぞれ— 0. 007、 -0. 008と大きぐ駆動電流の増減に伴う発光光量の変化に対して 色ずれが本発明の第 1の発光装置と比較して非常に大き力つた。
[0510] なお、イットリウムアルミニウムガーネット系蛍光体を 160°Cまで加熱しながらピーク 波長 455nmの青色光で励起して得られる輝度と色度座標値 Xを測定した。輝度の結 果を図 19に示す。この結果、 25°Cにおける輝度 [BR(25) ]を 1とした場合に、 125 °Cにおける輝度 [BR(125) ]は 0. 68であり、その輝度の比率[81^ (125) 781^(25)
]は 0. 68となり、温度消光が大き力つた。この様に、イットリウムアルミニウムガーネット 系蛍光体の温度消光が白色発光装置の駆動電流の増減に伴う発光光量の変化に 対して色ずれが大きい原因の一つとなっている。また、この従来製品の平均演色評 価数 Raは 79と低かった。
[0511] 以上の結果から、本発明の第 1の発光装置を使用することで、従来の製品と比較し て、駆動電流の増減に伴う発光光量変化に対して色ずれが小さぐ安定な色再現性 を持つ画像表示装置や、演色性が高く環境温度や発光光量の変化に対して色ずれ の少ない照明装置を得ることができることが明らかである。
[0512] [II.第 2の発光装置に関する実施例]
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明の第 2の発光装置をより具体的に説明 する。
以下においては、上述した本発明の第 2の発光装置の第 1実施形態の発光装置と 同様の構成の発光装置を作製し、その発光効率および演色性を評価した。なお、以 下の実施例及び比較例の各構成要素のうち、図 3に対応する部分については、適宜 、その符号をカツコ書きにて示す。
[0513] [実施例 2— 1]
カップ形状の凹部(102A)を有するフレーム(102)を用意し、その凹部(102A)の 底に、波長45011111〜47011111で発光する光源としての青色1^:0 (103)を、接着剤と して銀ペースト(105)を用いてダイボンディングした。この際、青色 LED (103)で発 生する熱の放熱性を考慮して、ダイボンディングに使う銀ペースト(105)は、薄く均一 に塗った。 150°Cで 2時間加熱して、銀ペーストを硬化させた後、青色 LED (103)と フレーム(102)の電極とをワイヤボンディングした。ワイヤ(106)には直径 25 μ mの 金線を用いた。
[0514] 青色 LED (103)としては EPISTAR社製「ES - CEBL912」を用 、た。
蛍光発光部(104)の発光物質としては、おおよそ波長 470nm〜690nmの光を発 光する Ca Ce Sc Mg Si O (蛍光体 Aと呼ぶ)で表わされる蛍光体と、
2. 94 0. 06 1. 94 0. 06 3 12
おおよそ波長 520nm〜760nmの光を発光する Sr Ca Eu AlSiN (蛍光
0. 8 0. 192 0. 008 3 体 Bと呼ぶ)の混合物を用いた。
蛍光発光部(104)の蛍光体混合物の蛍光体 Aおよび Bの比率は 90: 10 (重量比) とした。また、蛍光体混合物の重量とエポキシ榭脂の重量の比は 25 : 75として、蛍光 体スラリーを作成した。
フレーム(102)の凹部(102A)にこの蛍光体スラリーを注入し、加熱して硬化させ た。
次にフレーム全体をエポキシ榭脂でモールドした。モールド部の形成にはカップ状 の型を用いた。
[0515] この発光装置(101)を、青色 LED (103)に電力を供給することにより発光させた( 駆動電流 20mA、駆動電流密度 17. 5A/cm2,温度 20°C)。このときに発光装置( 101)力 発せられる光の発光スペクトルを積分球を用いて測定することにより、全光 束、色度、演色性、および青色 LED (103)の駆動電流を 80mA、駆動電流密度を 7 OAZcm2に変化させたときの色度の変化を調べた。結果を表 1に示す。なお、演色 性は、 JISZ8726にしたがって算出した R〜R と、 R〜Rの平均値 Raで評価した。
1 15 1 8
表 1にお 、て、色度 (xZy)は色座標を表わす。
[0516] [表 1]
く
[0517] また、図 20に本発光装置の発光スペクトルを示す。
なお、用いた蛍光体 Aおよび蛍光体 Bの混合物の温度特性は、
BR(125) /BR(25) =0. 998
I X (25) - X (125) =0. 012
2 2 I
I y (25)— y (125) | =0. 000
2 2
であった。
[0518] [実施例 2— 2]
蛍光体 Aと蛍光体 Bの混合比率を 91: 9としたこと以外は実施例 2— 1と同様に発光 装置を作成し、同様にその特性を評価し、結果を表 2に示した。また、図 21に本発光
装置の発光スペクトルを示す。
なお、用いた蛍光体 Aおよび蛍光体 Bの混合物の温度特性は、
BR(125) /BR(25) =0. 998
| X (25) - X (125) I =0. 012
2 2
I y (25)— y (125) | =0. 000
2 2
であった。
[表 2]
: i
[比較例 2— 1]
青色 LED (103)として Cree社製「C460MB」を用い、蛍光発光部(104)の蛍光
体としては、おおよそ波長 480ηπ!〜 720nmの光を発光する YAG: Ceで表わされる 蛍光体を用いた以外は、実施例 2—1と同様に発光装置を作成し、同様にその特性 を評価し、結果を表 3に示した。また、図 22に本発光装置の発光スペクトルを示す。
[0521] [表 3]
I く
[0522] [III. 白色発光装置に関する実施例]
以下の実施例において、 LEDは発光ダイオードを表わす。
[0523] [実施例 3— 1]
以下の手順で表面実装型白色発光装置を作製し、その評価を行なった。 まず、表面実装型 LED用のフレームのカップ部(凹部)の端子に、 460nmの波長 で発光する LED (Epistar社製: ES - CEBL912X10X)を、銀ペースト(導電性マウ ント部材)を使ってボンディングした。
次に、太さ 20 mの Au線 (導電性ワイヤ)を使用して LEDの電極とフレームの端子 とを結線した。
[0524] 波長変換材料としては、 Ca Ce Sc Si O で表わされる第 1の蛍光体と Ca
2. 97 0. 03 2 3 12 0. 9
AlSiEu N O で表わされる第 2の蛍光体とを混合して用いた。混合比率(
92 0. 008 2. 85 0. 15
重量比)は、第 1の蛍光体:第 2の蛍光体 = 93 : 7とした。これらの蛍光体は、 LEDが 発する光(一次光)を吸収して、それぞれ、波長 470ηπ!〜 690nmの光と波長 540η m〜760nmの光を放出するものである。
[0525] 波長変換材料 lgに対して、バインダとしてシリコーン榭脂を 10gの比率で良く混合 し、この蛍光体とシリコーン榭脂との混合物を、 LEDをボンディングしたフレームの力 ップ部分に注いだ。これを 150°Cで 2時間保持し、シリコーン榭脂を硬化させることに より、蛍光体含有榭脂部をカップ部分に形成して表面実装型白色発光装置を得た。
[0526] 上述のようにして得られた表面実装型白色発光装置を駆動させて白色光を発せさ せ、その白色光の発光スペクトルを測定し、この発光スペクトルから JIS— Z8726にし たがって算出した演色性評価数 R〜Rの平均値 Raを算出した。なお、表面実装型
1 8
白色発光装置は、室温 (約 24°C)において、 20mAで駆動した。
[0527] また、表面実装型白色発光装置からの全ての発光を積分球で受け、さらに光フアイ バーによって分光器に導き入れ、表面実装型白色発光装置から発せられた光の発 光スペクトルを測定した。測定した発光スペクトルを図 23に示す。
さらに、上記の白色光及び全ての光の発光スペクトルから、使用した波長変換材料 それぞれについて、 LEDが発する光に対する内部量子効率及び吸光度並びに 25 °Cにおける輝度に対する 100°Cにおける輝度の輝度保持率 TR(%)と、白色発光装 置が発した白色光の上記所定波長範囲内における平坦度 [T (ratio) ]及び相関色 温度とを測定した。これらの特性を表 4に示す。
[0528] [実施例 3— 2]
波長変換材料の種類を Ca Ce Sc Mg Si O に変更した以外は実施
2. 97 0. 03 1. 94 0. 06 3 12
例 3— 1と同様にして、表面実装型白色発光装置を製造し、表面実装型白色発光装 置が発した白色光及び全ての光の発光スペクトルを測定し、実施例 3— 1と同様に各 特性を測定して、この特性を表 4に示した。また、表面実装型白色発光装置からの全
ての発光の発光スペクトルを図 24に示した。
[0529] [比較例 3— 1]
波長変換材料の種類を (Y, Gd, Ce) Al O に変更した以外は実施例 3—1と同
3 5 12
様にして、表面実装型白色発光装置を製造し、表面実装型白色発光装置が発した 白色光及び全ての光の発光スペクトルを測定し、実施例 3— 1と同様に各特性を測 定して、この特性を表 4に示した。また、表面実装型白色発光装置からの全ての発光 の発光スペクトルを図 25に示した。
[0530] [表 4]
[0531] 表 4力ら、 500nmから 650nmの所定波長範囲内における発光スペクトルを平坦に し、平坦度 [T(ratio) ]を 150%以下とすることにより、白色発光装置から発せられる 白色光の演色性を高めることが可能となることが確認された。
また、実施例 3— 1, 3— 2で用いた波長変換材料は、いずれも輝度保持率が 80% 以上と高ぐこのため、実施例 3— 1, 3— 2で作製した白色発光装置は点灯後に LE Dの発熱により白色光の強度が経時的に低下する虡は小さい。
さらに、実施例 3— 1, 3— 2で用いた波長変換材料は、 LEDの発光波長の光に対 する吸光度が 70%以上と高ぐ且つ、波長変換材料の内部量子効率が 40%以上と 高いため、白色発光装置が発する光の強度を比較例 3— 1よりも高め、白色発光装 置の発光効率に優れて 、るものと推察される。
また、比較例 3— 1の白色発光装置は実施例 3— 1, 3— 2の白色発光装置よりも発 光効率が高いものの、演色性は劣り、使用した波長変換材料の輝度保持率が低いこ とから温度変化による色調変化の発生が懸念される。
[0532] [IV.画像表示装置に関する実施例]
[実施例 4 1]
赤色の画素を構成する発光装置を (In, Ga) N系青色 LEDと赤色蛍光体とにより構 成した。赤色蛍光体としては、 Ca AlSiEu Nで表わされる赤色蛍光体を用
0. 992 0. 008 3
いた。この赤色蛍光体は、 (In, Ga) N系青色 LEDが発する光を吸収して、波長 540 nm〜760nmの光を放出するものである。
なお、上記の赤色蛍光体は、窒化ケィ素、窒化アルミニウム、窒化カルシウム粉末、 窒化ユーロピウムを所定比率で十分混合し、黒鉛抵抗加熱方式の電気炉で窒素雰 囲気、圧力 lMPa、 1800°Cで 2時間加熱処理を行なうことにより合成した。
また、上記実施形態にお!ヽて説明した蛍光体温度依存係数 TRの測定方法と同様 にして、この赤色蛍光体について温度を変化させながら発光強度を測定したところ、 温度上昇に伴う発光強度低下がなぐ 100°Cにおける発光強度の、 25°Cにおける発 光強度に対する割合 (蛍光体温度依存係数 TR)は、 109%だった。
[0533] この赤色蛍光体を用いて、以下のような手順により、図 12に示したのと同様の赤色 発光固体発光装置を製造した。なお、以下の説明において、カツコ「〔〕」内に示した 符号は、図 12の対応した部位を示す符号である。
まず、表面実装型 LED用のフレーム〔312〕のカップ部〔312A〕の端子〔315〕に、 4 60nmの波長で発光する LED (Cree社製 C460— MB290— SO 100; MBグレード 、光出力 9mW〜10mW)〔313〕を、銀ペースト(導電性マウント部材)を使ってボン デイングした。
[0534] 次に、太さ 20 mの Au線(導電性ワイヤ)〔317〕を使用して LED〔313〕の電極(図 示省略)とフレーム〔312〕の端子〔316〕とを結線した。
上記赤色蛍光体〔314〕 lgに対して、シリコーン榭脂 (バインダ)〔318〕を 5gの比率 で良く混合し、この赤色蛍光体とシリコーン榭脂との混合物を、 LED〔313〕をボンデ イングしたフレーム〔312〕のカップ部分〔312A〕に注 、だ。
これを 150°Cで 2時間保持し、シリコーン榭脂〔318〕を硬化させることにより、蛍光 体含有榭脂部を形成して表面実装型赤色発光装置〔311〕を得た。
[0535] 上述のようにして得られた表面実装型赤色発光装置〔311〕の発光スペクトルを測
定した。なお、表面実装型赤色発光装置〔311〕は、室温 (約 24°C)において、 20m Aで駆動した。具体的には、表面実装型赤色発光装置〔311〕からの全ての発光を積 分球で受け、さらに光ファイバ一によつて分光器に導き入れ、発光スペクトルと全光 束とを測定した。
[0536] この赤色発光装置〔311〕の発光スペクトルを図 26に示す。
また、発光スペクトルの測定結果のうち、波長 380nmから 780nmの範囲の発光強 度の数値をちとに、 CIE色度座標値 x、及び yを求めたところ、 x=0. 68, y=0. 31 たった。
さらに、発光スペクトルの測定結果を基に赤色蛍光体の内部量子効率を求めたとこ ろ、 56%であった。
[0537] また、赤色発光装置〔311〕の場合と同様の処理により、青色 LEDと緑色蛍光体 Ca
Ce Sc Si O とを用いて、緑色の画素を構成するための緑色発光装置を製
2. 97 0. 03 2 3 12
し 7こ。
なお、緑色蛍光体は、次のような手順で製造した。 CaCO、 Sc O、 SiO、 CeO
3 2 3 2 2を 所定の比率で少量のエタノールと共にメノウ乳鉢に入れ、よく混合した後、乾燥させ、 次いで、乾燥させた原料混合物を白金箔に包み、水素を 4重量%含有する窒素ガス を流通させながら、 1500°Cで 3時間、加熱することにより緑色蛍光体を得た。得られ た緑色蛍光体は、洗浄、粉砕、及び、分級処理を行なった。
[0538] 上述のようにして得られた緑色発光装置の発光スペクトルを、赤色発光装置と同様 に測定した。緑色発光装置の発光スペクトルを図 27に示す。
また、発光スペクトルの測定結果のうち、波長 380nmから 780nmの範囲の発光強 度の数値をもとに、 CIE色度座標値 X及び yを求めたところ、 x = 0. 29, y = 0. 50だ つた o
なお、この緑色蛍光体につ!、て温度を変化させながら発光強度を測定したところ、 100°Cにおける発光強度の、 25°Cにおける発光強度に対する割合 (蛍光体温度依 存係数 TR)は、 93%であった。
[0539] さらに、赤色蛍光体の代わりに拡散剤となる白色微粉末 TiOを使用した他は赤色
2
発光装置〔311〕と同様にして、青色発光装置を製造した。得られた青色発光装置の
発光スペクトルを、赤色発光装置と同様に測定した。青色発光装置の発光スペクトル を図 28に示す。
[0540] 以上のように製造した、赤、緑、青の画素を平面上に配列し、配線と点灯制御回路 を形成することにより、フルカラー表示装置 (ディスプレイ)を製造することができる。ま た、このようにして製造されるフルカラー表示装置は、蛍光体温度依存係数 TRが高
Vヽ蛍光体を用いて赤色画素や緑色画素を作製して!/ヽるため、温度変化による色ズレ を少なくすることができるものと推察される。
[0541] [実施例 4 2]
実施例 4 1の緑色画素を構成する緑色発光装置の代わりに、 (In, Ga) N系緑色 発光素子と拡散剤との組み合わせを使用した以外には、実施例 4— 1と同様の手順 をとることにより、フルカラー表示装置を製造した。
この表示装置の 3色の発光スペクトルを測定した結果を図 29に示す。
このようにして製造されるフルカラー表示装置は、蛍光体温度依存係数 TRが高 、 蛍光体を用いて赤色画素や緑色画素を作製しているため、温度変化による色ズレを 少、なくすることができるちのと推察される。
[0542] [V.前記の画像表示装置の応用例に関する実施例]
[緑色の蛍光体について]
[実施例 5 - 1]
賦活剤として Ceを 0. 06モル0 /0 (ィ匕学組成式 Calモルに対して 0. 02モル)含有し 、 Ca Sc Si O の化学組成を有し、 505nmに発光ピーク波長を有する酸化物の蛍
3 2 3 12
光体を、 160°Cまで所定の温度まで段階的に昇温し (昇温速度:10°CZ分)、所定 温度で温度を一定に保つように制御しながら(20秒間)ピーク波長 455nmの青色光 で励起して得られる輝度を測定し、 25°Cにおける輝度を 100%とした場合の各温度 での相対輝度 (輝度保持率)を図 30に示した。図 30の四角形で示すプロットが、実 施例 5— 1の結果を表わすものである。
[0543] なお、輝度の測定に関しては、波長 455nmの励起光の影響を受けないように、蛍 光体混合物からの 470nm未満の蛍光スペクトルを算入せず、 470nm以上の蛍光ス ベクトルだけを利用して算出した。
[0544] [比較例 5— 1]
蛍光体として YAG: Ceを用いた以外は実施例 5— 1と同様にして、蛍光体の輝度 保持率を測定した。結果を、 25°Cにおける輝度を 100%とした場合の各温度での相 対輝度 (輝度保持率)として、図 30に示す。
なお、図 30において、円形で示すプロットが、比較例 5— 1の結果を表わすもので ある。
[0545] [赤色の蛍光体について]
[実施例 5— 2]
賦活剤として Euを 0. 8モル0 /0 (ィ匕学組成式 Calモルに対して 0. 008モル)含有し 、 CaAlSiNの化学組成を有する蛍光体を用いた以外は実施例 5—1と同様にして、
3
蛍光体の輝度保持率を測定した。 25°Cにおける輝度を 100%とした場合の各温度 での相対輝度 (輝度保持率)を図 31に示す。図 31の四角形で示すプロットが、実施 例 5— 2の結果を表わすものである。
[0546] [比較例 5— 2]
賦活剤として Euを 0. 8モル0 /0 (ィ匕学組成式 Calモルに対して 0. 008モル)含有し 、 Ca Si Nの化学組成を有する蛍光体を用いた以外は実施例 5—1と同様にして、
2 5 8
蛍光体の輝度保持率を測定した。 25°Cにおける輝度を 100%とした場合の各温度 での相対輝度 (輝度保持率)を図 31に示す。図 31の円形で示すプロットが、比較例 5 2の結果を表わすものである。
[0547] [まとめ]
図 30から分かるように、実施例 5— 1の蛍光体 Ca Sc Si O は、比較例 5— 1の蛍
3 2 3 12
光体 YAG : Ceよりも温度依存性が小さい。また、図 31から分力るように、実施例 5— 2の蛍光体 CaAlSiNは、比較例 5— 2の蛍光体 Ca Si Nよりも温度依存性が小さ
3 2 5 8
い。具体的には、 25°Cにおける輝度に対する 150°Cでの輝度保持率が高い。したが つて、これらの輝度保持蛍光体を用いた表示装置は、蛍光体が発する光の温度によ る色のばらつきが小さぐ温度条件によって表示する画像の発色が意図した色力 ず れることを防止できるようになると推察される。
産業上の利用可能性
[0548] 本発明は産業上の任意の分野で用いることができる力 中でも LED等の発光素子 を用いた屋内及び屋外用の照明、フルカラーディスプレイ等の画像形成装置など〖こ 用いて公的である。
[0549] 本発明を特定の態様を用いて詳細に説明したが、本発明の意図と範囲を離れるこ となく様々な変更が可能であることは当業者に明らかである。
なお本出願は、 2005年 3月 18日付で出願された日本特許出願 (特願 2005— 08 0033)、 2005年 3月 28曰付で出願された曰本特許出願(特願 2005— 092976)、 2005年 3月 31日付で出願された日本特許出願(特願 2005— 103148)、 2005年 5 月 24日付で出願された日本特許出願 (特願 2005— 151175)、及び、 2005年 6月 17日付で出願された日本特許出願 (特願 2005— 178377)に基づいており、その 全体が引用により援用される。