WO1995008507A1 - Structure de rembourrage d'un siege d'automobile - Google Patents

Description

明 細 書

自動車用シー卜のクッション体構造

技術分野

本発明は自動車用シ一卜のクッション体構造に関するもの で、 特に表皮材を面状係止体を介してクッション材に三次元曲 面形状に結合した自動車用シートのクッション体構造に関する ものである。

背景技術

自動車用シートの本体部を構成するクッション材 （発泡体） と.その表面に装着される表皮材とを結合する方法は、 すでに多 くの方法が知られ、 また公用されているが、 中でもシート座部 の凹曲面形状を確保するように表皮材を凹曲面状にクッション 材に結合させる方法として、 従来、 表皮材の裏面全面を接着剤 でクッション材表面に貼り付ける方法や、 表皮材をクッション 材 （発泡ウレタン） 成形型にセッ 卜した状態でウレタンを注入 する一体成形方法等が基本的に多用されている。 しかし、 いず れの方法においても、 そのための専用生産設備が必要であり、 シー卜を完成させるための一貫組立ライン内への専用設備の設 置は困難となり、 そのため資材の取扱い搬送コス卜を増加させ る難点がある。 また、 この従来の方法は設備生産であるために その稼働率を一定に保つことが要求されるが、 生産変動に対応 したボリューム調節が容易にはできず、 そのため結果的に効率 の悪い生産方法となり、 コス卜上昇の要因となる欠点がある。 このような欠点を除去して、 表皮材のクッション材への結合 を簡易に行なうために面状係止材の使用が考えられる。 この面 状係止材は、 面ファスナーともいわれ、 編布状又は織布状の基 布に鉤状又は輪状の小突起が無数に植設されたものである。 鉤 状又は輪状の小突起は表皮材の裏面と係合して表皮を固定する ことができ、 剥離或し、は剪断接着性とも比較的優れたものであ ると認められる。 しかしながら、 この面状係止材は本来二次元 平面形状であるので、 シー卜の座部が比較的平坦な平面的形状 の場合はクッション材の表面に接着することにより容易に取付 け.ることができ、 この上に表皮材を被せて押しつければ、 表皮 材は面状係止材を介してクッション材に結合することができる が、 三次元凹凸曲面形状を要求される座部に対しては接着によ り良好な結合を確保することは困難であった。

従って本発明は、 このような面状係止材を三次元曲面形状の 座部に対して正確且つ容易に三次元曲面形状に沿わせて取り付 けた自動車用シー卜のクッション体構造を提供することを課題 としてなされたものである。

発明の開示

しのため本発明は、 二次元平面形状の面状係止材を、 クッ ション材を構成する発泡体と基本的に同質のサポー卜材層に結 合して成る面状係止体を、 クッシヨン材の成形型の三次元曲面 形状の表面に配置して、 この上からクッション材の原料を注入 して一体発泡成形することにより、 面状係止体を三次元曲面形 状でクッション材と一体に結合したクッション体構造を提供す るものである。

面状係止材をサポート材層に結合するには、 接着剤を用いて もよく、 或いはサポー卜材層を発泡成形する時の成形型内に面 状係止材を敷設して一体成形してもよいが、 好適にはクッショ ン材がウレタンである場合、 サポート材層としてウレタン フォーム （スラブ） を用い、 面状係止材と融着ラミネートする ことが好適である。 スラブの厚さは特に限定するものではない が、 5〜 1 5ミリ、 好適に 1 0ミリ厚が適当であると認められ る.。

このような面状係止体はクッシヨン体の好適に座面の全部又 は少なくとも中央の主要部を占める位置に取付けられる。 この 面状係止体の上から適当な表皮材を被せて強く押し付ければ、 表皮材の裏面は面状係止材の表面に強く係着されてクッシヨン 体構造と一体状に結合し、 自動車用シー卜が容易且つ迅速に生 産され得る。 本発明によれば、 このような面状係止体付きクッ ション体構造を予め所定量生産しておくことにより、 受注に応 じて表皮材をこのクッション体の上に包被係着することによ り、 多様な注文に対し迅速適確に対応することができると共 に、 従来の表皮一体発泡成形のような大規模で非効率的な専用 生産設備を設ける必要がなくなり、 製品のコスト低減に寄与す ることが容易になる。

図面の簡単な説明 FIG.1は本発明が対象とする自動車用シ一卜の三次元曲面形 状の座面を説明する斜視図で、 本発明に係る面状係止体の取付 け位置の一例を破線で示してある。

FIG.2は FIG.1に示したシ一卜の輪郭線 A— Aにほ ^沿うクッ シヨン体の切断部端面図で、 面状係止材に係着される表皮材を 左半分だけ鎖線で示してある。

FIG.3は FIG.2に示した面状係止材つきクッション体を成形す る成形型の断面図で型面に取付けられる面状係止材をそのサ ポート材と共に発泡材注入前 （鎖線） と発泡後 （実線） で示し しある。

発明を実施するための最良の形態

図面を参照して本発明の好適実施例について説明する。

FIG.1は、 本発明が対象とする三次元曲面形状の座面を有する 自動車用シー卜の一例を示す斜視図で、 曲面形状を説明するた め 3本の輪郭線 A— A、 B— B、 及び C一 Cを描いてある。 座 面の中央前方部は、 そこを横断する輪郭線 A— Aと縦断する輪 郭線 C一 Cによって理解されるように、 中央 （Aと Cとの交点 1 ) で凸状に盛り上がり、 そこから左右へ凹状に下がり、 左右 両サイドで符号 2， 3のように銳く立ち上がってバケツ ト型 シー卜を構成している。 反対に中央後方部は輪郭線 B— Bに よって理解されるように、 交点 4において凹状にへこみ、 左右 へ少し上向きに上がって、 両サイ ド 5と 6へ盛り上がる。 サイ ド 5と 6の立ち上がり量はサイ ド 2及び 3より少ない。 このよ うな凹凸三次元曲面形状は、 乗員の着座体形に最良にフィッ 卜 する好適なものであるが、 本発明以前はこのような三次元曲面 形状に面状係止材を取付けたものは存在していない。 このよう な三次元曲面形状の座面に対し、 本発明に係る面状係止体 1 2 はほ 中央部の幅一杯に取付けられている。 面状係止体 1 2は 表皮材 （FIG.2の 1 5 ) の下で、 特に前縁と後縁においてクッ シヨン材 （FIG.2の 1 Ί ) に一体に埋もれた形で、 よく三次元 曲面形状を現わしている。

FIG.2は FIG.1の輪郭線 A— Aにほ 沿つた本発明のクッショ ン.体構造の切断部端面図である。 このクッション体 1 0は、 基 本的にクッション材 1 1 と面状係止体 1 2とから成るもので、 面状係止体 1 2は所要の三次元曲面形状を呈してクッション材 1 1 に結合している。 具体的に、 面状係止体 1 2は、 前述した ような面状係止材 1 3 (好適に株式会社クラレの販売に係る面 ファスナー） をサポート材ごしてのスラブウレタン層 1 4に結 合して成るもので、 本来的に二次元平面形状を呈している。 面 状係止材 1 3とスラブウレタン層 1 4との結合は接着剤を用い てもよいが、 スラブウレタン層 1 4に面状係止材 1 3を融着ラ ミネートするのが最も好適である。 スラブウレタン層 1 4の下 面は発泡ウレタンから成るクッション材 1 1 に結合されている が、 この結合はウレタンの注入発泡により行われる。 クッショ ン材 1 1 と面状係止体 1 2を一体に結合させたクッション体 1 0は、 この上に適当な表皮材 1 5を被着することによりシート として完成される。 FIG.2では表皮材 1 5をシートの左半分だ けについて鎖線で略示してあるが、 当然右半分も左と対称に表 皮材 1 5が被着される。 表皮材 1 5はその裏面において面状係 止材 1 3の小突起 （細かいので図示省略） と係合して強く保持 され、 良好な係止力を発揮する。 なお、 FIG.2において 1 6は 表皮材 1 5の縫合部で、 これはクッション材 1 1 と面状係止体 1 2とのスキマ 1 7に収容されるように図示してあるが、 これ に限定されない。

このような本発明のクッション体構造 1 0は FIG.3に示すよ う.な成形型により製作される。 成形型の下型 2 0は、 その中央 部が所要の三次元曲面形状の底面 2 1 となっている。 FIG.3 は、 FIG.2と同様に FIG.1の輪郭線 A— Aにほ 相当する断面を 表わしている。 従って、 FIG.3では底面 2 1の中央が深く凹面 になっている （FIG.1の交点 1 における凸に対応して） が、 輪 泉已一 Bに沿う断面では、 成形型底面 2 1の中央は逆に凸状

(交点 4の凹に対応） を呈する。 このような成形型底面 2 1の 両橫に直壁部 2 2が対向して立設され、 各直壁部の先端は内側 に曲がって向き合った鉤状部 2 3となっている。 前記したよう な面状係止体 1 2は、 この鉤状部 2 3の下に FIG.3に鎖線で示 すような状態で装着把持される。 このように装着した後、 成形 型上方から常方に従いウレタン原液 （図示せず） を注入し、 上 型 2 4を閉じて発泡させると、 その成形内圧によって面状係止 体 1 2は FIG.3で実線により示すように型底面 2 1 に押しつけ られ、 その三次元曲面形状に忠実に沿って発泡ウレタン （クッ シヨン材 1 1 ) と一体化する。 硬化反応後、 上型を開いてクッ シヨン体 1 0として取り出すとき、 面状係止体 1 2の縁部のス ラブウレタン 1 4は軟質であるから容易に鉤状部 2 3をすり抜 けて取り出せる。

具体的な実施例として、 FIG.1及び FIG.2に示したような、 乗 員の着座体形に相等しい三次元凹凸曲面のシー卜形状を形成す るため、 面状係止材 1 3 (クラレの面ファスナー） と、 サボ一 ト材としてウレタンフォーム （スラブ） 1 4 (厚さ 5〜 1 5 mm、 密度 0 . 0 1 8 gZcm3〜 0 . 0 4 0 g/cm3) とから成 る面状係止体 1 2を、 座り心地と所要の凹凸面の形状の度合と に応じて適正な厚さと密度で選択する。 実際例として、 曲凹面 深さ 1 O mmのシート形状に対し、 ウレタンフォーム 1 0 mm 厚、 密度 0.0 3 A gZcm³のサボ— 材を面状係止材に融着ラミ ネートした面状係止体 1 2を利用した。 また、 シートのバケツ 卜量に応じて、 面状係止体 1 2の周縁をクッション材 1 1のサ ィド部から 5〜2 0 mmの範囲で開離してスキマ 1 7を形成す ることにより座り心地を良好にすることが認められた。

産業上の利用可能性

以上説明のように本発明によれば、 クッション材と基本的に 同質のサポート材層に面状係止材を結合して成る面状係止体を クッシヨン材成形型において成形内圧により所要の凹凸三次元 曲面形状に沿わせつつクッション材と一体に結合して面状係止 材付きのクッション体構造を構成するようにしたから、 従来困 難と見られていた面状係止材の三次元曲面形状の実現を可能に した効果がある。 面状係止体をクッション材に埋め込む形で三 次元曲面形状を現わすことで、 このクッション体を利用した自 動車用シー卜は着座者に対し違和感を与えることがなく、 逆に 着座体形によりょくフィッ 卜する快適性を与えることができ る。 そして、 なにより重要なことは、 このような面状係止材っ きクッション体構造を実現することにより、 これに対する表皮 材の取付け工程をきわめて簡略化し、 従来のような専用生産設 備を設ける必要を排除し、 簡易迅速に生産変動に対応すること を可能ならしめ、 以つて良質な自動車用シー卜を実質的なコス ト増を伴わずに敏速に供給できるようにしたことである。

Claims

請求の範囲

. 表皮材をクッション材に一体状に包被係止した自動車用 シー卜において、

二次元平面形状の面状係止体をクッション材成形型に取付 け、 クッション材成形時の成形内圧によつて二次元平面形状 の面状係止体を成形型の内面形状に沿わせて二次元曲面形状 にクッション材と一体成形したことを特徴とする自動車用 シートのクッション体構造。

. 前記面状係止体は、 面状係止材 （面ファスナー） をスラ ブウレタンフォームと結合したものである請求項 1 に記載の クッション体構造。

. 前記面状係止体は、 面状係止材 （面ファスナー） をスラ ブウレタンフォームと融着ラミネ一卜したものである請求項 2に記載のクッション体構造。

. 前記面状係止体は、 成形型の三次元凹凸形状を呈する底 面上で周縁を把持されて成形圧を受ける請求項 1 に記載の クッション体構造。

. 前記面状係止体は、 成形型の前記底面上の中央主要部を 占める位置に取付けられる請求項 4に記載のクッション体構