JP3659534B2 - シート・バックに使用されるパッド - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の関係する分野】
この発明は、アームレストが組み付けられる自動車シートのシート・バックに使用されるパッドに関する。
【0002】
【背景技術】
自動車のベンチ・シートおよびスプリット・シートは、シート・バックにセンタ・アームレストを備え、そして、乗り心地および快適性の向上が図られる。例えば、そのベンチ・シートでは、アームレスト・ストーレジ・スペースがそのシート・バックの中央でシート表面に開口されてそのセンタ・アームレストを格納する構造が一般である。
【0003】
そのアームレスト・ストーレジ・スペースは、スペース表面に合わせてシート表面を覆う表皮に複数の表皮片を接ぎ合わせ、そして、吊り込むかあるいはさらにハード・ボードを用いて吊り込んで仕上げられるので、接合せが多く、そして、吊り込みによるしわ、特に、浮きしわが発生する。
【0004】
【発明の課題】
この発明の課題は、アームレスト・ストーレジ・スペースにおいて表皮の接合せおよび吊込みを省き、そして、その表皮にしわを発生させずにその表皮でそのアームレスト・ストーレジ・スペースの表面も覆って仕上げるところのシート・バックに使用されるパッドの提供にある。
【0005】
【課題に相応する手段およびそれの作用】
この発明は、アームレスト・ストーレジ・スペースが、所定の位置においてパッド表面に開口され、そして、上端および下端内壁面に内側接着成形こう配を付け、そして、シート表面を覆う表皮をそのアームレスト・ストーレジ・スペースにも接着成形するところである。
【0006】
【具体例の説明】
以下、特定されて図示された具体例に基づいて、この発明のシート・バックに使用されるパッドを説明するに、図1および図2は、乗用車のベンチ・タイプ・リア・シートのシート・バック30に適用されるこの発明のシート・バックに使用されるパッドの具体例10を示す。そして、そのパッド10は、シート・バック・フレーム31上に組み付けられてそのシート・バック30に活用される。そのシート・バック30は、また、センタ・アームレスト33および左右のヘッド・レストレイント34を組み付ける構造で図1および図2に一部分を破断して示されている。
【0007】
そのパッド10は、アームレスト・ストーレジ・スペース12がセンタにおいてパッド表面11に開口されて形成されるところの所定の形状にウレタン樹脂で発泡成形される。そこでは、そのアームレスト・ストーレジ・スペース12は、表皮32を接着成形するために上端および下端内壁面13,14に内側接着成形こう配17,18を付けている。
【0008】
そのアームレスト・ストーレジ・スペース12では、その上端内壁面13に付けられるその内側接着成形こう配17は15度に、その下端内壁面14に付けられるその内側接着成形こう配18は10度にそれぞれ設定される。さらに、このアームレスト・ストーレジ・スペース12は、両側内壁面15,16にも内側接着成形こう配19,20を付けている。その内側接着成形こう配19,20は5度に設定されている。勿論、その上端および下端内壁面13,14に付けられるその内側接着成形こう配17,18は7ないし20度の範囲で適宜に設定され、また、その両側内壁面15,16に付けられるその内側接着成形こう配19,20は5ないし10度の範囲で適宜に設定される。
【0009】
次に、そのパッド10にその表皮32を被せ、そして、そのパッド10の表面11にその表皮32を一体的に固定するところのその表皮32の接着成形について述べる。そのパッド10は、型の中でウレタン樹脂から発泡成形される。そのように発泡成形されると、そのパッド10には、そのアームレスト・ストーレジ・スペース12がパッド表面11のセンタに開口される。
【0010】
引き続いて、そのアームレスト・ストーレジ・スペース12の内壁面13,14,15,16および底面21に接着剤を塗布する。そして、接着装置(図示せず)にそのパッド10をセットしてそのパッド30のその表面11上にその表皮32を合わせる。そのように、その表皮32が位置決めされると、スタンプ(図示せず)がそのアームレスト・ストーレジ・スペース12に合わせられてその表皮32上にあるので、そのスタンプをその表皮32上からそのアームレスト・ストーレジ・スペース12に押し込んでそのアームレスト・ストーレジ・スペース12にその表皮32を接着成形する。その表皮32は、その内側接着成形こう配17,18によってしわを発生させずにそのアームレスト・ストーレジ・スペース12に接着される。
【0011】
次いで、その接着装置からそのパッド10を取り出して別の接着装置(図示せず)にセットし、そして、そのパッド10のその表面11に接着剤を塗布してこの別の接着装置で接着する。その表皮32が接着成形されると、そのパッド10はそのシート・バック・フレーム31に組み付けられ、そして、その表皮32は端末がそのシート・バック・フレーム31に止められる。さらに、そのセンタ・アームレスト33がそのアームレスト・ストーレジ・スペース12に、その左右のヘッド・レストレイント34が左右のシート・バック・トップにそれぞれ組み付けられてそのシート・バック30が出来上がる。
【0012】
先に図面を参照して説明されたところのこの発明の特定された具体例から明らかであるように、この発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者にとって、この発明の内容は、その発明の性質(nature)および本質(substance)に由来し、そして、それらを内在させると客観的に認められる別の態様に容易に具体化される。勿論、この発明の内容は、その発明の課題に相応し(be commensurate with)、そして、その発明の成立に必須である。
【0013】
【発明の便益】
上述から理解されるように、この発明のシート・バックに使用されるパッドは、アームレスト・ストーレジ・スペースが、所定の位置においてパッド表面に開口され、そして、上端および下端内壁面に内側接着成形こう配を付けるので、この発明のシート・バックに使用されるパッドでは、そのアームレスト・ストーレジ・スペースにおいて表皮の接合せおよび吊込みが省かれ、そして、そのアームレスト・ストーレジ・スペースがその表皮にしわを発生させずにその表皮で覆われて仕上げられ、その結果、アームレストを組み付けてベンチ・シートやスプリット・シートにとって非常に有効で実用的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のシート・バックに使用されるパッドの具体例を活用するところの乗用車のベンチ・タイプ・リア・シートのシート・バックを示した部分斜視図である。
【図2】図1の2−2線に沿って示した断面図である。
【符号の説明】
11 表面/パッド表面
12 アームレスト・ストーレジ・スペース
13 上端内壁面
14 下端内壁面
17 内側接着成形こう配
18 内側接着成形こう配

Claims (2)

  1. アームレスト・ストーレジ・スペースが、表皮と接着されてシート表面を形成するパッド表面に開口され、上端および下端内壁面、および底面および両側内壁面を有し、その上端および下端内壁面に内側接着成形こう配を付け、そして、少なくともその上端および下端内壁面、および底面に表皮を接着させるところのシート・バックに使用されるパッド。
  2. その内側接着成形こう配が、7ないし20度である請求項1に記載のシート・バックに使用されるパッド。
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