JP6629578B2 - 乗物用シート及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は乗物用シート及びその製造方法に関し、特に表皮材にしわを生じ難くできる乗物用シート及びその製造方法に関するものである。
弾性を有するシートパッドに表皮材を接着した乗物用シートが知られている(特許文献1)。特許文献1に開示される技術では、第1型(受け型)にシートパッドを装着し、第2型(熱型)及び第1型により表皮材をシートパッドに押し付け、シートパッドに表皮材を接着する。
特開2008−1001号公報
しかしながら上記従来の技術では、シートパッドが、中央部の両側縁から正面側に張り出す張出部を備える場合、シートパッドの中央部および張出部に表皮材を押し付けると、張出部が外側へ広がるように弾性変形することがある。この状態で表皮材が接着されると、シートパッドが復元したときに張出部の根元で表皮材にしわが生じることがある。
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、表皮材にしわを生じ難くできる乗物用シート及びその製造方法を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段および発明の効果
この目的を達成するために請求項1記載の乗物用シートによれば、正面に乗員が面する中央部、中央部の側縁から正面側に張り出す第1張出部、第1側部とは反対側に位置する中央部の他側縁から正面側に張り出す第2張出部、第1張出部の背面から中央部の背面を越えて延びる第1側部、及び、第2張出部の背面から中央部の背面を越えて延びる第2側部を備えるシートパッドは、弾性を有し、第1側部の厚さ方向に凹む凹部が第1側部の内側側面に形成される。表皮材は中央部、第1張出部および第2張出部の正面に接着された状態で、中央部の正面、第1張出部および第2張出部の正面、第1張出部および第2張出部の側面、並びに第1側部および第2側部の外側側面を覆う。第1側部と第1張出部との間、及び、第2側部と第2張出部との間にそれぞれ配置されるフレームにシートパッドが支持される。
表皮材をシートパッドに接着するときは、まず、シートパッドの中央部の背面に第1型の本体部をあてがい、第1型の本体部から延長した延長部を凹部に挿入する。次に、中央部の正面、第1張出部および第2張出部の正面に第2型を対面させ、第1型と第2型とを近づけることで、第2型とシートパッドとの間に配置した表皮材をシートパッドの中央部の正面、第1張出部および第2張出部の正面に押し付ける。第1張出部の正面から凹部までの第1張出部の厚さが、第2張出部の正面から背面までの第2張出部の厚さよりも大きくても、第1張出部は、凹部に挿入された第1型の延長部と第2型との間に挟まれるので、第1張出部が弾性変形して外側へ広がることを抑制できる。そのため、シートパッドが復元したときに第1張出部の根元で表皮材にしわを生じ難くできる。
第1側部に形成された凹部に弾性を有する充填部材が嵌め込まれるので、第1側部の弾力性を確保できる。第1側部は外側側面が表皮材に覆われるので、表皮材により見栄えを確保できる。よって、第1側部の見栄えや弾力性を確保し、且つ、第1張出部の根元で表皮材にしわを生じ難くできる効果がある。
請求項2記載の乗物用シートによれば、充填部材は第1側部より硬いので、第1側部に形成された凹部に充填部材を嵌め込むときに充填部材が過度に変形することを防止できる。その結果、請求項1の効果に加え、充填部材の嵌め込み作業の作業性を確保できる効果がある。また、充填部材は第1側部より硬いので、乗物用シートの使用中に、第1側部の圧縮に伴い充填部材が圧縮されて充填部材の位置がずれたり陥没したりすることを防止できる効果がある。
請求項3記載の乗物用シートによれば、凹部は第1側部の内側側面から外側側面まで第1側部を厚さ方向に貫通するので、表皮材をシートパッドに接着するときに、第1型の延長部を凹部に挿入して第1側部を貫通させることができる。第1側部を貫通する延長部と第2型との間に第1張出部が挟まれるので、表皮材を接着するときに第1張出部が外側へ広がる弾性変形量を小さくできる。その結果、請求項1又は2の効果に加え、シートパッドが復元したときの表皮材のしわを、さらに生じ難くできる効果がある。
請求項4記載の乗物用シートによれば、第1側部の内側側面から外側側面までの第1側部の厚さが第2側部の内側側面から外側側面までの第2側部の厚さよりも大きい。請求項1から3のいずれかの効果に加え、このような場合にも、凹部に挿入された第1型の延長部と第2型との間に第1張出部が挟まれるので、第1張出部が弾性変形して外側へ広がることを抑制でき、シートパッドが復元したときに第1張出部の根元で表皮材にしわを生じ難くできる。
請求項5記載の乗物用シートによれば、凹部は、充填部材に代えてエアバッグユニットが装着される大きさに形成されているので、請求項1から4のいずれかの効果に加え、エアバッグユニットが装着された乗物用シートとエアバッグユニットが装着されていない乗物用シートとを、同一のシートパッドを用いて製造できる効果がある。
請求項6記載の乗物用シートの製造方法によれば、正面に乗員が面する中央部、中央部の両側縁から正面側に張り出す張出部、及び、張出部の背面から中央部の背面を越えて延びる側部を備えるシートパッドは、弾性を有し、側部の厚さ方向に凹む凹部が側部の内側側面に形成される。そのシートパッドを準備工程により準備した後、シートパッドの中央部の背面および張出部の背面に第1型の本体部をあてがい、第1型の本体部から延長する延長部を凹部に挿入する。中央部の正面および張出部の正面に第2型を対面させ、接着工程により、第2型とシートパッドとの間に配置した表皮材を、第1型と第2型とを近づけることでシートパッドの中央部の正面および張出部の正面に押し付けて接着する。接着工程により中央部および張出部に表皮材が接着されたシートパッドの凹部に、嵌め込み工程により、弾性を有する充填部材を嵌め込む。従って、請求項1と同等の効果がある。
本発明の第1実施の形態における乗物用シートの斜視図である。 図1のII−II線における乗物用シートの断面図である。 シートパッド及び表皮材が配置されたプレス装置の断面図である。 従来のシートパッド及び表皮材が配置されたプレス装置の断面図である。 乗物用シートの断面図である。 第2実施の形態における乗物用シートの断面図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態について添付図面を参照して説明する。図1を参照して乗物用シート10の概略構成について説明する。図1は本発明の第1実施の形態における乗物用シート10の斜視図である。図1に図示する矢印F、矢印B、矢印L、矢印R、矢印U及び矢印Dは、乗物の前方、後方、左方、右方、上方および下方を意味する(図2、図5及び図6において同じ)。
図1に示すように乗物用シート10はシートクッション11及びシートバック12を備えている。本実施の形態では、乗物用シート10は自動車に搭載されるものであり、図1には助手席用の乗物用シート10が図示されている。以下、乗物用シート10のシートバック12について説明する。
シートバック12は、軟質ウレタンフォーム等の合成樹脂発泡体により一体に成形されたシートパッド20(バックパッド)の表面(意匠面)に表皮材13が接着されている。表皮材13は、シートバック12の意匠を構成する合成皮革製または人工皮革製の部材である。シートバック12は、自動車(図示せず)のドア側の側部27(後述する)を貫通する凹部30がシートパッド20に形成されている。凹部30は、シートパッド20のシート長さ方向に沿った縦長形状に形成されている。シートパッド20は、凹部30に充填部材40が嵌め込まれており、表皮材13により覆われている。
図2を参照して乗物用シート10について詳細に説明する。図2は乗物用シート10(シートバック12)の断面図である。シートバック12は、表皮材13に覆われたシートパッド20がフレーム41,42により支持されている。シートパッド20は、シート幅方向(左右方向)中央に配置された中央部21と、中央部21のシート幅方向外側の両側縁にそれぞれ一体的に設けられた張出部24と、張出部24に一体的に設けられた側部27,31とを備えている。
中央部21はシートクッション11(図1参照)に腰掛けた乗員(図示せず)の背中を直接支持する部位であり、正面22と背面23とに囲まれた板状に形成されている。張出部24は乗員(図示せず)の胴体の左右のずれを防ぐための部位であり、中央部21の両側縁から正面22側(前方側)へ張り出している。張出部24は、正面25が、中央部21から離れるにつれて前方側への張出量が次第に大きくなるように隆起し、背面26が、正面25の隆起に応じて正面22側(前方側)へ向かって傾斜している。
側部27,31はシートパッド20をフレーム41,42に組み付けるための部位であり、張出部24の背面26に一体的に設けられている。側部27,31は、ドア側の側部27の厚さ(内側側面28から外側側面29までの距離)が、トンネル側(内側)の側部31の厚さ(内側側面32から外側側面33までの距離)より大きく設定されており、背面34が、中央部21の背面23の奥行方向(図2上下方向)の位置を超えるまで奥行き方向に延びている。側部27,31と張出部24との間にフレーム41,42がそれぞれ配置される。
側部27(ドア側)は、側部27の厚さ方向(図2左右方向)に凹む凹部30が、内側側面28に形成されている。本実施の形態では、凹部30は、内側側面28から外側側面29まで側部27を厚さ方向に貫通している。凹部30は、フレーム41の外側(ドア側、図2左側)に充填部材40が嵌め込まれている。充填部材40は、凹部30が形成された側部27の弾力性を確保すると共に、凹部30による外観上の違和感を生じ難くするための部材である。本実施の形態では、充填部材40は軟質ウレタンフォーム等の合成樹脂発泡体(弾性体)により形成されており、硬さが、側部27の硬さより大きく設定されている。充填部材40は、側部27の弾力性と見栄えとを確保できれば良いので、凹部30に充填部材40が嵌め込まれたときに隙間が完全になくなるような大きさに形成する必要はなく、充填部材40と凹部30の内面とに隙間があっても構わない。
シートパッド20は、合成皮革製または人工皮革製の表皮材13によって覆われている。表皮材13は、中央部が、シートパッド20の中央部21の正面22から張出部24の正面25にかけて接着されている。中央部21及び張出部24に中央部が接着された表皮材13は、側部27,31及び凹部30に嵌め込まれた充填部材40を包み込む。
図3を参照して乗物用シート10の製造方法について説明する。図3はシートパッド20及び表皮材13が配置されたプレス装置50の断面図である。図3に示すようにプレス装置50は、対向して配置された第1型51及び第2型55を備えている。
第1型51はシートパッド20の背面23,26を支持する型であり、シートパッド20が落下しないように側部27,31によりシートパッド20が保持される。第1型51は本体部52及び延長部54を備えている。本体部52は、支持面53が、シートパッド20の背面23,26に密着するような形状に作られている。延長部54は、本体部52の一部から側方へ延びる部位であり、シートパッド20の側部27に形成された凹部30に挿入される。延長部54は、断面が、凹部30の断面と略同一の大きさ及び形状に設定されており、長さが、側部27を貫通するだけの十分な長さ(側部27の厚さを超える長さ)に設定されている。シートパッド20は、中央部21の正面22及び張出部24の正面25に接着剤層(図示せず)が形成されている。
第2型55は、シートパッド20の正面22,15の接着剤層(図示せず)を、表皮材13に圧着するための型である。第2型55は、加圧面56が、第1型51の支持面53と対向し、シートパッド20の正面22,15より大きく、且つ、正面22,15の形状に対応して中央が両側より隆起した形状に作られている。
シートパッド20に表皮材13を接着するには、まず、側部27に凹部30が形成されたシートパッド20を準備する。次に、シートパッド20の中央部21の正面22及び張出部24の正面25に接着剤層(図示せず)を形成する。次いで、シートパッド20の凹部30に第1型51の延長部54を挿入し、中央部21及び張出部24の背面23,26に第1型51の本体部52をあてがい、シートパッド20を第1型51に保持する。第2型55の加圧面56の上に表皮材13を載せた後、第2型55を第1型51側へ移動し、表皮材13をシートパッド20に押し付け、表皮材13を接着剤層に圧着する。次に、第2型55を第1型51から引き離し、表皮材13が接着したシートパッド20を取り出す。
ここで、図4を参照して従来の乗物用シートの製造方法について説明する。図4は従来のシートパッド60及び表皮材13を配置したプレス装置70の断面図である。シートパッド60は、側部61に凹部30が形成されていない以外は、第1実施の形態で説明したシートパッド20と同一に構成されている。プレス装置70は、第1型71に延長部54が設けられていない以外は、第1実施の形態で説明したプレス装置50と同一に設定されている。よって、第1実施の形態で説明した部分と同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する。
シートパッド60に表皮材13を接着するには、まず、シートパッド60の中央部21及び張出部24の正面22,25に接着剤層(図示せず)を形成する。次いで、シートパッド60の中央部21及び張出部24の背面23,26に第1型71の本体部52をあてがい、シートパッド60を第1型71に保持する。第2型55の加圧面56の上に表皮材13を載せた後、第2型55を第1型71側へ移動させ、表皮材13をシートパッド60に押し付け、接着剤層に表皮材13を圧着する。
シートパッド60は、第1型71と第2型55との相対移動方向(図4上下方向)において、中央部21及び張出部24が第1型71(本体部52)にあてがわれているが、側部61は第1型71(本体部52)によって拘束されていない。そのため、表皮材13を介して第2型55をシートパッド60の中央部21及び張出部24に押し付けると、張出部24の外側(背面に側部61が存在する部分)の圧縮量は、張出部24の内側(背面に第1型71が存在する部分)の圧縮量より大きくなる。その結果、張出部24の外側の正面25が横に広がるように弾性変形する。この状態で表皮材13がシートパッド20に接着される。第2型55を第1型71から引き離すと、伸びていた張出部24の外側の正面25が内側へ向かって復元(収縮)し、張出部24の根元(内側)の表皮材13にしわが生じる。
これに対し、第1実施の形態におけるシートパッド20は側部27に凹部30が形成されているので、第1型51の延長部54を凹部30に挿入した後、第1型51と第2型55との間でシートパッド20を押圧できる。張出部24は延長部54と第2型55との間に挟まれるので、第1型51と第2型55との相対移動方向(図3上下方向)において、張出部24の外側(背面に延長部54が存在する部分)の圧縮量と、張出部24の内側(背面に本体部52が存在する部分)の圧縮量とを同等にできる。その結果、張出部24の外側の正面25が横に広がるように弾性変形することを抑制できる。この状態で接着剤層に表皮材13が圧着されるので、第2型55を第1型51から引き離したときに張出部24の外側の正面25が内側へ向かって復元(収縮)する量を小さくできる。よって、張出部24の根元(内側)の表皮材13にしわを生じ難くできる。
表皮材13が接着されたシートパッド20は、プレス装置50から取り外された後、側部27に形成された凹部30に充填部材40が嵌め込まれる。充填部材40は弾性を有するので、側部27の弾力性を確保できる。シートパッド20は、中央部21及び張出部24に接着された表皮材13に全体が覆われ、フレーム41,42に固定される。側部27は外側側面29及び充填部材40が表皮材13に覆われるので、表皮材13により充填部材40や凹部30を視認できなくして、見栄えを確保できる。従って、側部27の見栄えや弾力性を確保し、且つ、張出部24の根元の表皮材13にしわを生じ難くできる。
充填部材40は側部27より硬さが大きく設定されているので、側部27に形成された凹部30に充填部材40を嵌め込むときに充填部材40が過度に変形することを防止できる。その結果、充填部材40の嵌め込み作業の作業性を確保できる。また、充填部材40を側部27より硬くすることで、乗物用シート10の使用中に、側部27の圧縮に伴い充填部材40が圧縮されて充填部材40の位置がずれたり充填部材40が陥没したりすることを防止できる。その結果、乗物用シート10の見栄えが悪くなることを防止できる。なお、充填部材40は合成樹脂発泡体により形成されているので、ゴム等の他の弾性体を用いる場合に比べて軽量化できる。
凹部30は側部27の内側側面28から外側側面29まで側部27を厚さ方向に貫通するので、表皮材13をシートパッド20に接着するときに、第1型51の延長部54を凹部30に挿入して側部30を貫通させることができる。側部30を貫通する延長部54と第2型55との間に張出部24が挟まれるので、表皮材13を接着するときに張出部24が外側へ広がる弾性変形量を小さくできる。その結果、凹部30が側部27を貫通していない場合、即ち、張出部24を受ける延長部54の長さが短い場合に比べて、シートパッド20が復元したときの表皮材13のしわを、さらに生じ難くできる。
ここで、側部27の内側側面28に形成された凹部30が側部27を貫通しない場合には、外側側面29と凹部30の底との間に肉の厚さの薄い肉薄部が形成される。軟質ウレタンフォーム等の合成樹脂発泡体でシートパッドを成形するときに、発泡体の充填不足が肉薄部に生じたり肉薄部の強度が低下したりするおそれがある。これに対し、凹部30は側部27の内側側面28から外側側面29まで側部27を厚さ方向に貫通するので、肉薄部の成形を不要にすることができ、シートパッドに成形不良を生じ難くできる。
乗物用シート10は、張出部24の正面25に、合成皮革製または人工皮革製の表皮材13が配置される。合成皮革や人工皮革は布に比べて伸縮性が乏しいので、シートパッド20に接着された表皮材13にしわが生じ易くなる。これに対し、シートパッド20の側部27に凹部30を設けることで、張出部24に接着された表皮材13にしわを生じ難くできるので、表皮材13の材質やデザイン(合成皮革製または人工皮革製の部分の大きさや配置など)を自在にできる。
次に図5を参照して乗物用シート10の変形例について説明する。第1実施の形態では、シートパッド20の凹部30に充填部材40が嵌め込まれる場合について説明した。これに対し、充填部材40に代えて、シートパッド20の凹部30にエアバッグユニット86を装着した乗物用シート80について説明する。なお、第1実施の形態で説明した部分と同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する。図5は乗物用シート80の断面図である。図5では乗物用シート80の一部(ドア側の側部27)が図示されている。
図5に示すように乗物用シート80は、シートパッド20と、シートパッド20を覆う表皮材81と、シートパッド20の凹部30に装着されたエアバッグユニット86とを備えている。表皮材81は、中央部21の一部と張出部24の正面25とを覆う第1皮革部82と、張出部24の側面と側部27とを覆う第2皮革部83と、第1皮革部82と第2皮革部83との境界に形成された縫合部84とを備えている。第1皮革部82及び第2皮革部83は合成皮革または人工皮革により形成されている。縫合部84は第1皮革部82と第2皮革部83とが縫製により接合される部位であり、張出部24の正面25と側面との稜に位置する。縫合部84は、エアバッグの膨張圧を受けて破断する部位である。
力布85はエアバッグの膨張圧に抗して伸び難い布地であり、縫合部84で第1皮革部82及び第2皮革部83と共に両端が縫合され、中間位置でエアバッグユニット86と共にボルト等(図示せず)によってフレーム41に固定される。エアバッグユニット86は、エアバッグ及びインフレータ(いずれも図示せず)がエアバッグの膨張圧で開放されるケースに収容されている。エアバッグユニット86は、充填部材40(図2参照)に代えて凹部30に収容され、フレーム41に固定される。なお、エアバッグユニット86は、ケースが省略されたケースレスタイプであっても良い。
乗物用シート80によれば、凹部30は、充填部材40に代えてエアバッグユニット86が装着される大きさに形成されている。よって、エアバッグユニット86が装着された乗物用シート80とエアバッグユニット86が装着されていない乗物用シート10(図2参照)とを、同一のシートパッド20を用いて製造できる。エアバッグユニット86の設定の有無に応じた専用のシートパッドをそれぞれ準備しなくて良いので、部品点数を削減し、部品の管理を簡易にできる。
次に図6を参照して第2実施の形態について説明する。第1実施の形態では、側部27の内側側面28から外側側面29までを凹部30が貫通する場合について説明した。これに対し第2実施の形態では、シートパッド91の側部92の内側側面93に形成された凹部95が、側部92の外側側面94を残して凹む場合について説明する。なお、第1実施の形態で説明した部分と同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する。図6は第2実施の形態における乗物用シート90の断面図である。図6では乗物用シート90の一部(ドア側の側部92)が図示されている。
図6に示すようにシートパッド91の側部92(ドア側)は、側部92の厚さ方向(図6左右方向)に凹む凹部95が、内側側面93に形成されている。凹部95は、側部92の外側側面94及び張出部24の正面25を肉薄状に残して(外側側面94や正面25に開口せずに)側部92及び張出部24に形成されている。凹部95は、フレーム41の外側(ドア側、図2左側)に充填部材96が嵌め込まれている。充填部材96は、凹部95が形成された側部92及び張出部24の弾力性を確保するための部材である。本実施の形態では、充填部材96は軟質ウレタンフォーム等の合成樹脂発泡体(弾性体)により形成されており、硬さが、側部92及び張出部24の硬さより大きく設定されている。充填部材96は、側部92及び張出部24の弾力性を確保できれば良いので、凹部95に充填部材96が嵌め込まれたときに隙間が完全になくなるような大きさに形成する必要はなく、充填部材96と凹部95の内面とに隙間があっても構わない。
表皮材13は、シートパッド91の正面22,25に接着されている。表皮材13をシートパッド91に接着するには、第1実施の形態と同様に、第1型(図示せず)の延長部を凹部95に挿入し、第2型(図示せず)と第1型との間にシートパッド91及び表皮材13を挟み込む。延長部は、表皮材13の接着時に側部92及び張出部24を受ける部位なので、凹部95に嵌まり込む大きさ及び形状に作られている。シートパッド91は、充填部材96に代えて、凹部95内にエアバッグユニット(図示せず)を装着することが可能である。
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
上記各実施の形態では助手席用乗物用シート10,80,90について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、運転者席、2列目シート、3列目シート等、他の座席に乗物用シート10,80,90を適用することは当然可能である。
上記各実施の形態では、自動車に搭載される乗物用シート10,80,90について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、鉄道車両などの自動車以外の車両に搭載される乗物用シートとすることは当然可能である。車両に搭載されるものに限定するものではなく、空中を飛行する乗物や、海面や海中などを移動する乗物に搭載される乗物用シートとすることは当然可能である。
上記各実施の形態では、シートバック12を例にして乗物用シート10,80,90について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、シートクッション11に適用することは当然可能である。
上記各実施の形態では、シートパッド20,91に接着される表皮材13,81は全面が合成皮革または人工皮革により形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。表皮材13,81の一部(少なくとも張出部24の正面25)を合成皮革製または人工皮革製の皮革部により形成し、その皮革部を張出部24の正面25に接着することは当然可能である。
上記各実施の形態では、軟質ウレタンフォーム等の合成樹脂発泡体により充填部材40,96が形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、他の弾性体を用いることは当然可能である。他の弾性体としては、例えばブレスエアー(登録商標)や固綿などの立体網状体(3次元的に絡み合う複数の繊維によって形成される立体的な網状構造体)やゴム等が挙げられる。
10,80,90 乗物用シート
13 表皮材(皮革部)
20,91 シートパッド
21 中央部
22 正面
23 背面
24 張出部(第1張出部または第2張出部)
25 正面
26 背面
27,92 側部(第1側部)
28,93 内側側面
29,94 外側側面
30,95 凹部
31 側部(第2側部)
40,96 充填部材
41,42 フレーム
51 第1型
54 延長部
55 第2型
81 表皮材
82 第1皮革部(皮革部)
83 第2皮革部(皮革部)
86 エアバッグユニット

Claims (6)

  1. 正面に乗員が面する中央部、前記中央部の側縁から正面側に張り出す第1張出部、前記第1張出部とは反対側に位置する前記中央部の他側縁から正面側に張り出す第2張出部、前記第1張出部の背面から前記中央部の背面を越えて延びる第1側部、及び、前記第2張出部の背面から前記中央部の背面を越えて延びる第2側部を備え、前記第1側部の厚さ方向に凹む凹部が前記第1側部の内側側面に形成される弾性を有するシートパッドと、
    前記第1側部と前記第1張出部との間、及び、前記第2側部と前記第2張出部との間にそれぞれ配置されて前記シートパッドを支持するフレームと、
    前記中央部前記第1張出部および前記第2張出部の正面に接着された状態で、前記中央部の正面、前記第1張出部および前記第2張出部の正面、前記第1張出部および前記第2張出部の側面、並びに、前記第1側部および前記第2側部の外側側面を覆う表皮材と、
    前記第1側部に形成された前記凹部に嵌め込まれている弾性を有する充填部材とを備え、
    前記第1張出部の正面から前記凹部までの前記第1張出部の厚さが、前記第2張出部の正面から背面までの前記第2張出部の厚さよりも大きいことを特徴とする乗物用シート。
  2. 前記充填部材は、前記第1側部より硬いことを特徴とする請求項1記載の乗物用シート。
  3. 前記凹部は、前記第1側部の内側側面から外側側面まで前記第1側部を厚さ方向に貫通することを特徴とする請求項1又は2に記載の乗物用シート。
  4. 前記第1側部の内側側面から外側側面までの前記第1側部の厚さが前記第2側部の内側側面から外側側面までの前記第2側部の厚さよりも大きいことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の乗物用シート。
  5. 前記凹部は、前記充填部材に代えてエアバッグユニットが装着される大きさに形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の乗物用シート。
  6. 正面に乗員が面する中央部、前記中央部の両側縁から正面側に張り出す張出部、及び、前記張出部の背面から前記中央部の背面を越えて延びる側部を備え、前記側部の厚さ方向に凹む凹部が前記側部の内側側面に形成される弾性を有するシートパッドを準備する準備工程と、
    前記シートパッドの前記中央部の背面および張出部の背面に第1型の本体部をあてがい、前記第1型の本体部から延長する延長部を前記凹部に挿入し、前記中央部の正面および前記張出部の正面に第2型を対面させ、前記第1型と前記第2型とを近づけることで、前記第2型と前記シートパッドとの間に配置した表皮材を前記シートパッドの前記中央部の正面および前記張出部の正面に押し付けて接着する接着工程と、
    前記接着工程により前記中央部および前記張出部に前記表皮材が接着された前記シートパッドの前記凹部に、弾性を有する充填部材を嵌め込む嵌め込み工程とを備えていることを特徴とする乗物用シートの製造方法。
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