JP2021023638A - 裏面材およびシートパッド - Google Patents
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Abstract
【課題】布状部材に対するベース部や取付部の揺れを抑制できる裏面材を提供すること。【解決手段】シートパッドのパッド本体の裏面に配置される裏面材は、パッド本体側の第1面と、第1面とは厚さ方向の反対側に位置する第2面とを有して厚さ方向に貫通する貫通孔が設けられる布状部材と、第1面に配置されるベース部と、ベース部に固定されて貫通孔から第2面側に突出する取付部と、を備え、ベース部は、取付部を挟んだ両側に位置する部分が布状部材に重なる。【選択図】図1
Description
本発明は、パッド本体の裏面に配置される裏面材、パッド本体の裏面に裏面材が配置されたシートパッドに関するものである。
自動車などの乗物に搭載されるシートのシートパッドは、フレームとの摩擦による異音の発生や破損を抑制するために、クッション材であるパッド本体の裏面に布状の裏面材が配置されている。特許文献1には、布状部材のうちパッド本体とは反対側の面にベース部(プレート材)を片持ち状に固定して裏面材を形成し、着座センサ等の電装品の配線を保持した取付部(クリップ)をベース部に固定することが記載されている。
しかしながら、特許文献1では、ベース部が布状部材に片持ち状に固定されているので、自動車の走行時の振動などによってベース部や取付部が揺れ、そのベース部や取付部と布状部材との間で打音などが発生するおそれがある。
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、布状部材に対するベース部や取付部の揺れを抑制できる裏面材およびシートパッドを提供することを目的とする。
この目的を達成するために本発明の裏面材は、シートパッドのパッド本体の裏面に配置されるものであって、前記パッド本体側の第1面と、前記第1面とは厚さ方向の反対側に位置する第2面とを有して前記厚さ方向に貫通する貫通孔が設けられる布状部材と、前記第1面に配置されるベース部と、前記ベース部に固定されて前記貫通孔から前記第2面側に突出する取付部と、を備え、前記ベース部は、前記取付部を挟んだ両側に位置する部分が前記布状部材に重なる。
また、本発明の裏面材は、シートパッドのパッド本体の裏面に配置されるものであって、前記パッド本体側の第1面と、前記第1面とは厚さ方向の反対側に位置する第2面とを有して前記厚さ方向に貫通する貫通孔が設けられる布状部材と、前記第1面に固定されるベース部と、を備え、前記ベース部は、前記貫通孔から前記第2面側に露出する位置に取付孔が設けられ、前記取付孔を挟んだ両側に位置する部分が前記布状部材に重なる。
請求項1記載の裏面材によれば、布状部材の貫通孔から第2面側に取付部が突出しているので、第2面側に位置するものを取付部に取り付けることができる。この取付部が固定されるベース部は、取付部を挟んだ両側に位置する部分が布状部材に重なるように、布状部材のパッド本体側の第1面に配置されている。これにより、裏面材をパッド本体の裏面に配置した状態では、取付部を挟んだ両側で布状部材とパッド本体との間にベース部を挟み込むことができる。その結果、布状部材に対するベース部および取付部の揺れを抑制できる。
請求項2記載の裏面材によれば、請求項1記載の裏面材の奏する効果に加え、次の効果を奏する。布状部材は、貫通孔が溝底に位置するように第2面を凹ませた溝部を備えている。この溝部の深さは、貫通孔から第2面側に突出する取付部の溝底からの高さよりも深い。これにより、取付部を溝部内に収容できるので、パッド本体の裏面に裏面材を配置したシートパッドを重ねて置くとき、取付部が別のシートパッドに食い込むことを防止できる。
請求項3記載の裏面材によれば、請求項1又は2に記載の裏面材の奏する効果に加え、次の効果を奏する。取付部は、ベース部から第2面側に突出する第1片と、第1片の突出方向と交差する第1方向に第1片から突出する第1爪と、第1片に対して第1方向に離れた位置のベース部から第2面側に突出する第2片と、第1方向とは反対向きの第2方向に第2片から突出する第2爪と、を備えている。このような取付部では、第1片と第2片との間に位置するものを第1爪および第2爪によって保持できる。さらに、第1片の一部が貫通孔の縁よりも第2方向の外側まで張り出し、第2片の一部が貫通孔の縁よりも第1方向の外側まで張り出すので、取付部を貫通孔から第1面側へ抜け難くできる。
請求項4記載の裏面材によれば、布状部材の貫通孔から第2面側にベース部の取付孔が露出しているので、第2面側に位置するものを取付孔に挿入してベース部に取り付けることができる。このベース部は、取付孔を挟んだ両側に位置する部分が布状部材に重なるように、布状部材のパッド本体側の第1面に固定されている。これにより、裏面材をパッド本体の裏面に配置した状態では、取付孔を挟んだ両側で布状部材とパッド本体との間にベース部を挟み込むことができる。その結果、布状部材に対するベース部の揺れを抑制できる。
請求項5記載のシートパッドは、請求項1から4のいずれかに記載の裏面材がパッド本体の裏面に配置されたものであり、請求項1から4のいずれかに記載の裏面材の奏する効果と同様の効果を奏する。
以下、好ましい実施の形態について添付図面を参照して説明する。図1は、第1実施形態における裏面材20が装着されたシートクッション1の断面図である。図2は、図1のII−II線におけるシートクッション1の断面図である。なお、説明の都合上、シートクッション1に着座した着座者から見た上下方向(図1紙面上下方向)、前後方向(図1紙面垂直方向)、左右方向(図1紙面左右方向)を、シートクッション1の上下方向、前後方向、左右方向とする。図1では、シートクッション1の前後方向に垂直な断面のうち、左右方向の中央よりも一方側を拡大して図示し、左右方向の中央よりも他方側の図示を省略している。
図1に示すように、シートクッション1は、自動車に搭載されるシートのうち着座者が着座する部分である。このシートクッション1の後端には、着座者の背中や腰を支持する背凭れとしてのシートバック(図示せず)が配置される。シートクッション1は略左右対称に形成されている。
シートクッション1は、シートクッション1の基材としてのクッション体であるシートパッド10と、シートパッド10を覆う表皮材2と、シートパッド10が取り付けられるフレーム4と、を備えている。表皮材2は、ファブリックや合成皮革、皮革等により形成される部材である。表皮材2の各部に取り付けられるフック(図示せず)などをシートパッド10に埋設されたワイヤやフレーム4等に引っ掛けることで、シートパッド10やフレーム4に表皮材2が取り付けられる。
フレーム4は、シートパッド10を下方から支持する金属や合成樹脂製の部材である。フレーム4は、略四角枠状に形成されるフレーム本体5と、そのフレーム本体5に架け渡される複数のシートスプリング6と、を備えている。フレーム本体5は、複数のパイプ状の部材や板材を組み合わせたものである。シートスプリング6は、いわゆるSばねであり、フレーム本体5に前後方向に架け渡されて左右方向に並んで配置されている。
シートパッド10は、弾力性に富んだ発泡合成樹脂成形体である軟質フォーム(例えば軟質ポリウレタンフォーム)製のパッド本体11と、パッド本体11の裏面13に配置される布状の裏面材20と、を備えている。パッド本体11の表面12は、シートクッション1に着座者が着座したときに着座者に面する部位(図1紙面上側の面)であり、表皮材2によって覆われる。パッド本体11の裏面13は、表面12とはパッド本体11の厚さ方向の反対側の面であり、フレームに密着して支持される部位である。
パッド本体11は、着座者の臀部や大腿部を下方から支持するサポート部14と、臀部や大腿部を左右方向外側から支持するサイド部15と、を少なくとも備えている。サポート部14は、パッド本体11の左右方向中央を形成する部位であって、前後方向の略全長に亘って設けられる。サイド部15は、サポート部14の左右両側に配置される部位であって、サポート部14に対して上方へ張り出している。このサポート部14とサイド部15との境界の表面12に溝16が形成されている。
サポート部14の裏面13には、ワイヤハーネス8を収容する凹溝17が前後方向に延びて形成されている。複数のシートスプリング6の間に凹溝17が設けられると共に、そのシートスプリング6の一部が凹溝17の直下に位置する。なお、ワイヤハーネス8は、シートの各部に設けられる着座センサ等の電装品と、車体側の電源や機器とを繋ぐ配線である。
図1及び図2に示すように、裏面材20は、フレーム4とシートパッド10との擦れ合いによる異音の発生やシートパッド10の破れ等を抑制するためのものであり、ワイヤハーネス8等の相手側部材が取り付けられる。裏面材20は、パッド本体11の裏面13の略全体に配置される。裏面材20は、複数の繊維により布状に形成される布状部材21と、布状部材21に取り付けられる固定具30と、を備えている。
布状部材21は、熱可塑性を有する布状の部材であり、本実施形態では熱可塑性合成樹脂製の繊維同士を溶着した不織布からなる。布状部材21は、パッド本体11側の第1面22と、第1面22とは厚さ方向の反対側に位置する第2面23と、を備えている。布状部材21には、厚さ方向に貫通する貫通孔24が複数設けられている。
布状部材21は、パッド本体11の裏面13の形状に沿うように立体成形されており、凹溝17に沿うように第2面23をパッド本体11の厚さ方向に凹ませた溝部25が前後方向に延びて形成されている。溝部25の溝底26の一部に、前後方向に並んで2つの貫通孔24が設けられている。溝底26の左右両側縁からそれぞれ溝壁27が立ち上がり、溝部25周囲の布状部材21に接触するシートスプリング6が一対の溝壁27よりも内側まで張り出している。
固定具30は、ワイヤハーネス8等の相手側部材を保持するための部材であり、布状部材21よりも高剛性な合成樹脂や金属により形成されている。固定具30は、貫通孔24を塞ぐように第1面22に配置されるベース部31と、ベース部31に固定されて貫通孔24から第2面23側に突出する2つの取付部32と、を備えている。このベース部31と取付部32とが一体成形されている。
ベース部31は、取付部32を挟んだ両側に位置する部分が布状部材21の第1面22に重なる平板状の部位である。本実施形態におけるベース部31は、取付部32の周囲の全体が布状部材21に重なっている。ベース部31は、布状部材21のうち一対の溝壁27の裏側の第1面22よりもそれぞれ左右方向外側に張り出すように、溝底26の裏側の第1面22に密着している。
この左右方向外側へ張り出したベース部31の一部がパッド本体11に埋設されている。これにより、パッド本体11にベース部31を強固に保持できる。なお、左右方向外側へ張り出したベース部31の一部には、板厚方向に貫通する複数の保持孔(図示せず)が形成されている。この保持孔に、パッド本体11を構成する軟質フォームが入り込んだ状態で硬化することによって、パッド本体11にベース部31をより強固に保持できる。
取付部32は、ワイヤハーネス8を取付可能な部位であり、ワイヤハーネス8を挟み込んで保持可能なクリップからなる。取付部32は、ベース部31から突出する第1片33及び第2片34と、第1片33及び第2片34からそれぞれ突出する第1爪35及び第2爪36と、を備えている。本実施形態では、第1片33と第2片34とが左右対称に形成され、第1爪35と第2爪36とが左右対称に形成されている。
第1片33及び第2片34は、ベース部31から貫通孔24を通って第2面23側に突出する薄板状の部位であり、この第1片33及び第2片34の突出方向(上下方向)と交差する左右方向に対向している。左右方向のうち第1方向Aに第1片33から離れた位置のベース部31から第2片34が突出する。
そして、第2片34の一部は、貫通孔24の縁よりも第1方向Aの外側まで張り出している。一方、第1片33の一部は、貫通孔24の縁よりも、第1方向Aとは反対向きの第2方向Bの外側まで張り出している。第1片33と第2片34との間隔は、基端側(ベース部31側)よりも先端側が大きくなるように湾曲している。第1片33及び第2片34は、薄板上に形成されることで第1方向Aおよび第2方向Bへ曲げ弾性変形可能に構成されている。
第1爪35は、第1片33の先端側から第1方向Aに突出する部位である。第2爪36は、第2片34の先端側から第2方向Bに突出する部位である。第1爪35と第2爪36とは第1方向A及び第2方向Bに対向している。第1爪35及び第2爪36は、それぞれの先端に向かうにつれてベース部31側へ傾斜している。
このような取付部32によれば、ベース部31側へ傾斜した第1爪35及び第2爪36にワイヤハーネス8を押し付けることで、第1片33及び第2片34が互いに離れる方向へ弾性変形して、第1片33と第2片34との間にワイヤハーネス8が導かれる。そして、第1片33と第2片34との間に位置するワイヤハーネス8が、第1片33と第2片34との間から脱落しないように第1爪35及び第2爪36によって保持される。
次にシートクッション1の製造方法について説明する。まず、平面状の布状部材21に熱プレス加工などを施して布状部材21を塑性変形させる(成形工程)。この成形工程では、パッド本体11の裏面13と略同一の形状になるように溝部25等を布状部材21に立体成形する。この成形工程と同時に布状部材21に貫通孔24を形成しても良く、成形工程の前後で布状部材21に貫通孔24を形成しても良い。
成形工程後であって貫通孔24を布状部材21に形成した後、第1面22側から貫通孔24に取付部32を挿入し、固定具30を布状部材21に取り付ける(取付工程)。取付工程では、取付部32の第1片33及び第2片34を互いに近づく方向(第1方向A及び第2方向B)に弾性変形させることで、貫通孔24に取付部32を挿入し易くできる。
また、取付工程後には、第1片33の一部が貫通孔24の縁よりも第2方向Bの外側まで張り出し、第2片34の一部が貫通孔24の縁よりも第1方向Aの外側まで張り出しているので、取付部32を貫通孔24から第1面22側へ抜け難くできる。よって、裏面材20をパッド本体11の裏面13に配置していない状態でも、布状部材21からの固定具30の脱落を抑制できる。
取付工程後には、軟質フォーム製のパッド本体11を成形する成形型の上型(図示せず)に裏面材20を取り付ける。上型に設けた係止具(図示せず)を取付部32で挟み込んで、取付部32を上型に取り付けることによって上型に裏面材20を装着する。取付部32を有する固定具30を予め布状部材21に取り付けることで、上型への裏面材20の装着作業を容易にできる。また、貫通孔24に挿入された取付部32が上型に固定されるので、上型に対する布状部材21の位置決めを容易にできる。
上型に裏面材20を装着した後、成形型の下型(図示せず)に軟質フォームの原料液を投入して下型と上型とを型締めし、軟質フォームの原料液を発泡、硬化させてパッド本体11を発泡成形する。なお、布状部材21に原料液が含浸しながら発泡、硬化するので、布状部材21の繊維間に侵入した状態で硬化した軟質フォームの一部によってパッド本体11に裏面材20が接合される。このようにして、軟質フォーム製のパッド本体11に裏面材20が一体化されたシートパッド10が製造される。
以上のような裏面材20及びシートパッド10によれば、裏面材20をパッド本体11の裏面13に配置して密着させた状態において、ベース部31のうち少なくとも取付部32を挟んだ両側に位置する部分が、布状部材21とパッド本体11との間に挟まれる。これにより、シートパッド10が搭載された自動車の振動などによって、ベース部31及び取付部32が布状部材21に対して揺れることを抑制できる。その結果、ベース部31や取付部32が揺れることに起因して、ベース部31や取付部32と布状部材21やパッド本体11との間で打音などが発生することを抑制できる。
ベース部31のうち取付部32の両側が布状部材21の第1面22に重なっているので、ワイヤハーネス8を介してベース部31が下方(パッド本体11から離れる方向)に引っ張られても、パッド本体11の裏面13に接合された布状部材21が破れない限り、ベース部31及び取付部32をシートパッド10から脱落しないようにできる。よって、ワイヤハーネス8をシートパッド10に強固に保持できる。
布状部材21の第2面23を凹ませて溝部25が形成され、この溝部25の溝底26に貫通孔24が形成されている。この溝部25の深さL1は、貫通孔24から第2面23側に突出する取付部32の溝底26からの高さL2よりも深い。これにより、取付部32を溝部25内に収容できるので、パッド本体11の裏面13に裏面材20を配置したシートパッド10を重ねて置くとき、取付部32が別のシートパッド10に食い込むことを防止できる。
さらに、溝部25内に収容されたクリップ状の取付部32でワイヤハーネス8を挟み込んで保持するので、ワイヤハーネス8を溝部25内に収容できる。これにより、ワイヤハーネス8を取付部32に取り付けたシートパッド10をフレーム4に載せるとき、ワイヤハーネス8や取付部32とフレーム4との干渉を抑制できる。具体的に、溝部25周囲の布状部材21に接触するシートスプリング6が一対の溝壁27よりも内側まで張り出していても、その溝部25内の取付部32やワイヤハーネス8をシートスプリング6に干渉しないようにできる。その結果、シートパッド10への取付部32を介したワイヤハーネス8の取り付け位置の自由度を向上できる。
次に図3を参照して第2実施形態について説明する。第1実施形態では、取付部32が固定されたベース部31を布状部材21に取り付ける場合について説明した。これに対して第2実施形態では、取付孔47が設けられたベース部46を布状部材21に取り付ける場合について説明する。なお、第1実施形態と同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する。
図3は第2実施形態における裏面材45が装着されたシートクッション40の断面図である。図3は、シートクッション40のうち着座者の太腿を下方から支持する部位の近傍を拡大して示した、シートクッション40の左右方向に垂直な断面図である。説明の都合上、シートクッション40に着座した着座者から見た上下方向(図3紙面上下方向)、前後方向(図3紙面左右方向)、左右方向(図1紙面垂直方向)を、シートクッション40の上下方向、前後方向、左右方向とする。
図3に示すように、シートクッション40のシートパッド41は、弾力性に富んだ発泡合成樹脂成形体である軟質フォーム(例えば軟質ポリウレタンフォーム)製のパッド本体42と、パッド本体42の裏面13に配置される布状の裏面材45と、を備えている。パッド本体42の表面12が表皮材2によって覆われる。
パッド本体42は、着座者の臀部や大腿部を下方から支持するサポート部14と、着座者の脹脛に面する張出部43と、を少なくとも備えている。張出部43は、サポート部14の前縁部から下方へ張り出す部位であり、フレーム4(図1参照)の前方を覆う。
裏面材45は、フレーム4とシートパッド41との擦れ合いによる異音の発生やシートパッド41の破れ等を抑制するためのものであり、表皮材2の端縁を挟み込んだ相手側部材48が取り付けられる。裏面材45は、パッド本体42の裏面13の略全体に配置される。裏面材45は、複数の繊維により布状に形成される布状部材21と、布状部材21に取り付けられるベース部46と、を備えている。
ベース部46は、相手側部材48を保持するための平板状の部材であり、布状部材21よりも高剛性な合成樹脂や金属により形成されている。ベース部46は、貫通孔24を塞ぐように第1面22に配置されている。このベース部46は、第1面22に接着されている。
ベース部46には、貫通孔24から第2面23側に露出する位置に、板厚方向に貫通した取付孔47が設けられている。ベース部46は、少なくとも取付孔47を挟んだ両側に位置する部分が布状部材21に重なるように、取付孔47の周囲の全体が布状部材21に重なっている。
相手側部材48は、表皮材2の端縁を挟み込んで表皮材2に固定される部位である。相手側部材48は、取付孔47に挿入可能な一対の挿入片48aと、その一対の挿入片48aの先端から互いに離れる方向へ突出する係止爪48bと、を備えている。一対の挿入片48aを互いに近づく方向へ曲げ弾性変形させた状態で、挿入片48a及び係止爪48bを取付孔47に挿入し、挿入片48aの弾性変形が元に戻ると、ベース部46に係止爪48bが引っ掛かり、ベース部46に相手側部材48が取り付けられる。これにより、表皮材2がシートパッド41に固定される。
以上のような裏面材45及びシートパッド41によれば、裏面材45をパッド本体42の裏面13に配置して密着させた状態において、ベース部46のうち少なくとも取付孔47を挟んだ両側に位置する部分が、布状部材21とパッド本体42との間に挟まれる。これにより、シートパッド41が搭載された自動車の振動などによって、ベース部46が布状部材21に対して揺れることを抑制できる。その結果、ベース部46が揺れることに起因して、ベース部46と布状部材21やパッド本体42との間で打音などが発生することを抑制できる。
ベース部46が布状部材21に接着されているので、布状部材21の繊維間に侵入した状態で硬化した軟質フォームの一部によってパッド本体42に裏面材45が接合するように、パッド本体42を発泡成形するとき、パッド本体42を成形する成形型に設けた凸部(図示せず)をベース部46の取付孔47に挿入することで、成形型に対して裏面材45を容易に位置決めできる。
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。例えば、パッド本体11,42や裏面材20,45の各部の形状や寸法を適宜変更しても良く、各部を左右非対称に形成しても良い。布状部材21に設ける貫通孔24の配置や数を適宜変更しても良く、その貫通孔24の配置や数に合わせてベース部31,46や取付部32の配置や数を適宜変更しても良い。1つのシートパッド10,41の布状部材21に、上記第1実施形態のベース部31及び取付部32と、上記第2実施形態のベース部46とを設けても良い。
上記形態では、自動車に搭載されるシートのシートクッション1,40について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。産業車両や鉄道車両など自動車以外の車両、航空機、船舶などの乗物に搭載されるシートの座部、家具などの座部にシートクッション1,40を用いても良い。また、シートクッション1,40に限らず、背凭れとしてのシートバックのシートパッドに裏面材20,45を設けても良い。
上記第1実施形態では、ベース部31と取付部32とが一体成形されている場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。ベース部31に取付部32を接着しても良く、ベース部31に取付部32を着脱可能に固定しても良い。例えば、ベース部31とは別に形成された取付部32に、上記第2実施形態の挿入片48aや係止爪48bを設け、ベース部46の取付孔47に挿入片48aや係止爪48bを挿入してベース部46に取付部32を固定しても良い。
また、表皮材2の端縁などに固定したフック(相手側部材)を取付部32に取り付けても良く、ワイヤハーネス8に予め固定したクリップ(相手側部材)をベース部46の取付孔47に挿入して取り付けても良い。また、表皮材2やワイヤハーネス8以外の相手側部材を取付部32に取り付けたり、取付孔47に挿入して取り付けたりしても良い。
また、取付部32がクリップからなる場合に限らず、相手側部材に挿入される突起物などから取付部を形成しても良い。例えば、上記第2実施形態の挿入片48aや係止爪48bを、ベース部31から第2面23側に突出させた取付部とし、その取付部を相手側部材に設けた孔などに挿入して、取付部に相手側部材を取り付けても良い。また、ベース部46に取り付けた相手側部材48を取付部とし、その取付部に取り付けられる表皮材2を相手側部材としても良い。
上記第1実施形態では、取付部32の第1片33と第2片34とが互いに第1方向A及び第2方向Bに対向して左右対称に形成されている場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。第1方向A及び第2方向Bに垂直な方向(図2紙面左右方向)に第1片33と第2片34とをずらして配置しても良い。
上記第1実施形態では、貫通孔24が溝部25の溝底26に位置するように、布状部材21の第2面23を凹ませて溝部25を形成する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。貫通孔24から取付部32が突出する場合でも、溝部25を省略しても良い。また、貫通孔24から第2面23側に取付孔47が露出する場合でも、溝底26に貫通孔24が位置するように布状部材21に溝部25を設けても良い。
上記第1実施形態では、第1片33及び第2片34と貫通孔24との寸法関係によって布状部材21にベース部31及び取付部32が取り付けられる場合について説明した。また、上記第2実施形態では、布状部材21の第1面22にベース部46を接着する場合について説明した。しかし、必ずしもこれに限られるものではない。ベース部31,46及び布状部材21の素材や形状などにもよるが、商品に値札などのタグを取り付けるために用いられることが多い合成樹脂製のピン(タグピン)やステープル、縫製、熱溶着などによってベース部31,46を布状部材21に固定しても良い。
また、布状部材21にベース部31,46を固定する場合に限らない。貫通孔24のまわりの布状部材21の第1面22にベース部31,46が重なるので、ベース部31,46を成形型に取り付けて成形型とベース部31,46との間に布状部材21を挟んでも良い。この状態でパッド本体11,42を発泡成形することにより、ベース部31,46のまわりの布状部材21の繊維間に侵入した軟質フォームの一部によってパッド本体11,42に布状部材21が接合されるので、布状部材21やパッド本体11,42に対してベース部31,46を動かないようにできる。
上記形態では、布状部材21が、熱可塑性合成樹脂製の繊維同士を溶着した不織布からなる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。各種の繊維同士を熱可塑性合成樹脂製のバインダで固めた不織布を布状部材21としても良い。また、不織布に限らず、熱可塑性を有する布状の部材であれば、粗毛布、寒冷紗、フェルト、織編物あるいはこれらの積層複合体等により布状部材21を形成しても良い。また、布状部材21には、合成樹脂や金属等のワイヤを織り込んだり接着したりしても良い。
布状部材21が熱可塑性を有する場合には、パッド本体11,42の裏面13に布状部材21を配置していない状態でも、布状部材21に溝部25等を予め立体成形できる。布状部材21を予め立体成形しない場合には、熱可塑性を有しないものにより布状部材21を形成しても良い。
上記形態では、布状部材21の繊維間に侵入した状態で硬化した軟質フォームの一部によってパッド本体11,42に裏面材20,45(布状部材21)が接合される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。パッド本体11,42を発泡成形した後、パッド本体11,42の裏面13に裏面材20,45を接着しても良い。
また、パッド本体11,42に裏面材20,45を接着する場合には、パッド本体11を軟質フォーム以外のクッション材により構成しても良い。軟質フォーム以外のクッション材としては、例えば、チップウレタンや、合成樹脂製等の繊維をウレタン等のバインダで硬化(結合)したもの、合成樹脂製の繊維を熱で溶融して互いに溶着させたもの等が挙げられる。また、これらのクッション材を複合して用いても良い。
10,41 シートパッド
11,42 パッド本体
13 裏面
20,45 裏面材
21 布状部材
22 第1面
23 第2面
24 貫通孔
25 溝部
26 溝底
31,46 ベース部
32 取付部
33 第1片
34 第2片
35 第1爪
36 第2爪
47 取付孔
A 第1方向
B 第2方向
11,42 パッド本体
13 裏面
20,45 裏面材
21 布状部材
22 第1面
23 第2面
24 貫通孔
25 溝部
26 溝底
31,46 ベース部
32 取付部
33 第1片
34 第2片
35 第1爪
36 第2爪
47 取付孔
A 第1方向
B 第2方向
Claims (5)
- シートパッドのパッド本体の裏面に配置される裏面材であって、
前記パッド本体側の第1面と、前記第1面とは厚さ方向の反対側に位置する第2面とを有して前記厚さ方向に貫通する貫通孔が設けられる布状部材と、
前記第1面に配置されるベース部と、
前記ベース部に固定されて前記貫通孔から前記第2面側に突出する取付部と、を備え、
前記ベース部は、前記取付部を挟んだ両側に位置する部分が前記布状部材に重なることを特徴とする裏面材。 - 前記布状部材は、前記貫通孔が溝底に位置するように前記第2面を凹ませた溝部を備え、
前記溝部の深さは、前記溝底からの前記取付部の高さよりも深いことを特徴とする請求項1記載の裏面材。 - 前記取付部は、前記ベース部から前記第2面側に突出する第1片と、
前記第1片の突出方向と交差する第1方向に前記第1片から突出する第1爪と、
前記第1片に対して前記第1方向に離れた位置の前記ベース部から前記第2面側に突出する第2片と、
前記第1方向とは反対向きの第2方向に前記第2片から突出する第2爪と、を備え、
前記第1片の一部は、前記貫通孔の縁よりも前記第2方向の外側まで張り出し、
前記第2片の一部は、前記貫通孔の縁よりも前記第1方向の外側まで張り出すことを特徴とする請求項1又は2に記載の裏面材。 - シートパッドのパッド本体の裏面に配置される裏面材であって、
前記パッド本体側の第1面と、前記第1面とは厚さ方向の反対側に位置する第2面とを有して前記厚さ方向に貫通する貫通孔が設けられる布状部材と、
前記第1面に固定されるベース部と、を備え、
前記ベース部は、前記貫通孔から前記第2面側に露出する位置に取付孔が設けられ、前記取付孔を挟んだ両側に位置する部分が前記布状部材に重なることを特徴とする裏面材。 - 請求項1から4のいずれかに記載の前記裏面材がパッド本体の裏面に配置されたシートパッド。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019145228A JP2021023638A (ja) | 2019-08-07 | 2019-08-07 | 裏面材およびシートパッド |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2019145228A JP2021023638A (ja) | 2019-08-07 | 2019-08-07 | 裏面材およびシートパッド |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2021023638A true JP2021023638A (ja) | 2021-02-22 |
Family
ID=74661965
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019145228A Pending JP2021023638A (ja) | 2019-08-07 | 2019-08-07 | 裏面材およびシートパッド |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2021023638A (ja) |
-
2019
- 2019-08-07 JP JP2019145228A patent/JP2021023638A/ja active Pending
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