JP2020001560A - 乗物用シート - Google Patents

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Tsuyoshi Ushiyama
剛志 牛山
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【課題】シートパッドをシートカバーで被覆した状態において、シートカバーの意匠面に、より仕上がり性良く起伏を設けておくことにある。【解決手段】シートカバー(4S)は、意匠面をなす表材10と、弾性的に伸縮可能な弾性材12とが積層されて構成されているとともに、意匠面に露出するステッチ部16と、弾性材の裏側に配置され且つ表材よりも撓み変形しにくいアンカー部14とが設けられ、シートカバー(4S)の凹み状とされた凹部位20では、弾性材12を潰した状態でシートパッド側に撓み変形している表材10が、ステッチ部16によってアンカー部14に縫い付けられている。【選択図】図3

Description

本発明は、シートパッドと、シートパッドを被覆するシートカバーとを備え、シートカバーの意匠面は、シートパッド側に向けて部分的に凹み状とされることで起伏した状態となっている乗物用シートに関する。
この種の乗物用シートとして、背凭れとなるシートバックが、クッションパッドと、表皮材とを備えた乗物用シートが公知である(特許文献1を参照)。クッションパッドは、本発明のシートパッドに相当する正面視で略矩形の部材であり、弾性的に伸縮可能な発泡樹脂で構成されている。このクッションパッドには、例えば左右方向に延びている溝部と、溝部内でクッションパッドを厚み方向に貫通する複数の挿通孔とが設けられている。またクッションパッドの裏面には平板状の係止板が固定されており、この係止板には、各挿通孔に対応する位置に開口(貫通孔)が設けられている。
また表皮材は、本発明のシートカバーに相当する面材であり、複数の係止具を有している。各係止具は、シートカバーの裏側に設けられている断面矢尻状の棒状部材であり、クッションパッドの対応する挿通孔に対面可能な位置にそれぞれ配設されている。そして公知技術では、クッションパッドに表皮材を被せつつ、各係止具を、対応する挿通孔を通じてクッションパッド裏側の係止板にそれぞれ係止しておく。この各係止具の係止に際しては、係止具の設けられている表皮材部分によって、対応するクッションパッド部分をすり鉢状に押し潰しつつ、各係止具を係止板の対応する開口に挿入して係止しておく。このため表皮材の意匠面の一部はシートパッド側に向けてすり鉢状に凹んだ状態となり、さらに意匠面の一部の周囲が相対的に凸状となる。公知技術では、上述のように表皮材の意匠面が起伏した状態となることで、意匠面に立体感を持たせることができ、シートの意匠性向上に資する構成となっている。
特開2009−90089号公報
ところでこの種の表皮材(シートカバー)は、その裏側のクッションパッド(シートパッド)に支持されることで仕上がり性良く配置される。しかし公知技術の構成では、表皮材の一部を支持すべきクッションパッドが押し潰された状態となっており、当該クッションパッド部分において表皮材が不安定な状態で配置される。そして不安定に配置されている表皮材部分の仕上がり性が悪化する(例えば皺や弛みが生じる)ことで、シートの外観品質が低下するおそれがあった。本発明は上述の点に鑑みて創案されたものであり、本発明が解決しようとする課題は、シートパッドをシートカバーで被覆した状態において、シートカバーの意匠面に、より仕上がり性良く起伏を設けておくことにある。
上記課題を解決するための手段として、第1発明の乗物用シートは、乗員を弾性的に支持可能なシートパッドと、シートパッドを被覆するシートカバーとを備え、シートカバーの意匠面は、シートパッド側に向けて部分的に凹み状とされることで起伏した状態となっている。この種のシート構成では、シートパッドをシートカバーで被覆した状態において、シートカバーの意匠面により仕上がり性良く起伏を設けておくことが望ましい。
そこで本発明のシートカバーは、意匠面をなす表材と、弾性的に伸縮可能な弾性材とが積層されて構成されているとともに、意匠面に露出するステッチ部と、弾性材の裏側に配置され且つ表材よりも撓み変形しにくいアンカー部とが設けられている。そしてシートカバーの凹み状とされた凹部位では、弾性材を潰した状態でシートパッド側に撓み変形している表材が、ステッチ部によってアンカー部に縫い付けられている。本発明では、シートカバーに、外部に露出するステッチ部が設けられていることで、意匠性の向上に資する構成となっている。そしてこのステッチ部の縫付力を利用して、意匠面をなす表材が弾性材を押し潰した状態で凹み状に撓み変形しているため、シートカバーの意匠面に、シートパッドを過度に押し潰すことなく凹部位を設けることができる。このとき相対的に撓み変形しにくいアンカー部にステッチ部を縫付けることにより、このステッチ部の縫付力を表材側に適切に作用させることが可能となっている。
第2発明の乗物用シートは、第1発明の乗物用シートにおいて、シートカバーには、複数の凹部位と、隣り合う凹部位の間に設けられて相対的に凸状となっている凸部位とが設けられ、隣り合う凹部位のアンカー部同士は凸部位で分断されている。本発明では、アンカー部を凹部位毎に設けているとともに、隣り合うアンカー部同士は凸部位で分断されている。このため本発明では、アンカー部を一つなぎで設けた場合に比してシートカバーの性能(例えば伸縮性や可撓性)を適切に維持することが可能となっている。
第3発明の乗物用シートは、第1発明又は第2発明の乗物用シートにおいて、シートカバーには、複数の凹部位と、隣り合う凹部位の間に設けられて相対的に凸状となっている凸部位とが設けられ、凹部位と凸部位とは、シートパッドの着座面となる部分に配置されている。本発明では、シートパッドの着座面となる部分に、複数の凹部位及び凸部位を設けることで、当該部分のシートカバーが平坦とされている場合に比して表材量が多くなっている。このため乗員が着座した際に、当該シートカバー部分が表材を凹み状に撓ませながら乗員を支持することができ、乗員の支持性能の向上に資する構成となっている。
第4発明の乗物用シートは、第1発明〜第3発明のいずれかの乗物用シートにおいて、アンカー部には、シートパッド側に取付け可能な取付部が設けられている。本発明では、アンカー部を、取付部を介してシートパッド側に取付けておくことにより、シートパッドに対するシートカバーの位置決めを適切に行うことが可能となり、シートカバーの仕上がり性向上に更に資する構成となる。
本発明に係る第1発明によれば、シートパッドをシートカバーで被覆した状態において、シートカバーの意匠面により仕上がり性良く起伏を設けておくことができる。また第2発明によれば、シートカバーの性能を極力維持しつつ、シートカバーの意匠面により仕上がり性良く起伏を設けておくことができる。また第3発明によれば、シートカバーの性能向上を図りつつ、シートカバーの意匠面により仕上がり性良く起伏を設けておくことができる。そして第4発明によれば、シートカバーの意匠面に更に仕上がり性良く起伏を設けておくことができる。
乗物用シートの斜視図である。 図1のII−II線断面に相当するシートクッション一部の断面図である。 シートカバー一部を意匠面側から見た斜視図である。 シートカバー一部を裏面側から見た斜視図である。 変形例1に係るシートクッション一部の断面図である。
以下、本発明を実施するための形態を、図1〜図5を参照して説明する。各図には、便宜上、乗物用シートの前後方向と左右方向と上下方向を示す矢線を適宜図示する。また図1では、便宜上、一部のシートカバー部分にハッチを付けて図示している。図1の乗物用シート2は、シートクッション4と、シートバック6と、ヘッドレスト8を有する。これらシート構成部材(4,6,8)は、各々、シート骨格をなすシートフレーム(4F,6F,8F)と、シート外形をなすシートパッド(4P,6P,8P)と、シートの意匠面を構成するシートカバー(4S,6S,8S)を有する。そしてシートクッション4(詳細後述)の後部にはシートバック6(詳細後述)の下部が起倒可能に連結されている。また起立状態のシートバック6の上部にはヘッドレスト8が配設されている。
[意匠面]
ここで図1に示すシートクッション4は、座面となる上方視で略矩形の部材であり、このシートクッション4の意匠面は、シート外部から目視で確認可能な部位である。例えばシートクッション4の着座面をなす意匠面部分は、下天板メイン部4aと、下天板サイド部4bとに区分けできる。下天板メイン部4aは、シート幅方向におけるシートクッション4の中央部分であり、適度な幅寸法でシート前後方向に延びている。また下天板メイン部4aの左右両側には、それぞれ下天板メイン部4aよりも上方に突出する下天板サイド部4bが設けられている。またシートバック6は、背凭れとなる正面視で矩形の部材であり、このシートバック6の意匠面は、シート外部から目視で確認可能な部位である。例えばシートバック6の着座面をなす意匠面部分は、上天板メイン部6aと、左右の上天板サイド部6bとに区分けできる。上天板メイン部6aは、シート幅方向におけるシートバック6の中央部分であり、適度な幅寸法でシート上下方向に延びている。また上天板メイン部6aの左右両側には、それぞれ上天板メイン部6aよりも前方に突出する上天板サイド部6bが設けられている。
そして図1に示すシートクッション4とシートバック6の意匠面は、対応する後述のシートカバー(クッションカバー4S,バックカバー6S)にて構成されている。これら各シートカバー(4S,6S)の少なくとも一部(S1,S11)は、各種の性能向上の観点等から、部分的に凹み状とされることで起伏した状態となっている。この種のシート構成では、シートカバー(4S,6S)の意匠面により仕上がり性良く起伏を設けておくことが望まれており、特に起伏の形成の際にシートパッド4P(6P)が過度に押し潰されるといった事態は極力回避すべきである。そこで本実施例では、後述する構成によって、シートパッド(4P,6P)をシートカバー(4S,6S)で被覆した状態において、シートカバー(4S,6S)の意匠面により仕上がり性良く起伏を設けておくこととした。そして本実施例においては、各シートカバー(4S,6S)が概ね同一の基本構成を有しているため、以下に、専らシートクッション4を一例にその詳細を説明する。
[シートクッション]
図1及び図2に示すシートクッション4は、シートフレーム4F(図示省略)上のシートパッド4Pを、クッションカバー4Sで被覆することで形成されている。ここでシートフレーム4Fは、典型的に上面視で略矩形又はアーチ状の枠体であり、金属や硬質樹脂などの剛性に優れる素材にて形成できる。またシートパッド4Pは、シートクッション4の外形形状をなしている部材であり、例えばポリウレタンフォーム(密度:10kg/m3〜60kg/m3)などの発泡樹脂で形成できる。このシートパッド4Pの着座面となる上面には、上述した下天板メイン部4aと、左右の下天板サイド部4bとがそれぞれ形成されている。
[クッションカバー(シートカバー)]
そして図1に示すクッションカバー4Sは、シートの意匠面を構成可能な面材であり、複数の表皮ピースS1〜S4等を縫合することで形成されている。例えば着座面を被覆するクッションカバー4Sは、下メイン表皮ピースS1と、フロント表皮ピースS2と、左右の下サイド表皮ピースS3、S4とで構成されており、隣り合う表皮ピース同士はインステッチ(図示省略)で縫合されている。ここで下メイン表皮ピースS1は、下天板メイン部4aの後側を被覆する表皮ピースであり、フロント表皮ピースS2は、下天板メイン部4aの前側を被覆する表皮ピースである。また左右の下サイド表皮ピースS3、S4は、それぞれ対応する下天板サイド部4bを被覆する表皮ピースである。これら各表皮ピースS1等は、図2を参照して概ね同一の基本構成(表材10,弾性材12)を有し、さらに下メイン表皮ピースS1は、特有の構成(アンカー部14,ステッチ部16)を有して意匠面に起伏が設けられている。そこで以下に、下メイン表皮ピースS1を一例にその詳細を説明する。
[表材、弾性材]
図1に示す下メイン表皮ピースS1は、上方視で概ね矩形の表皮であり、その本体部分は、図2〜図4に示すように表材10と弾性材12とで形成されている。表材10は、下メイン表皮ピースS1の最も外側に配置されている面材であり、下メイン表皮ピースS1の意匠面を構成している。この種の表材10の素材として、シートの意匠面を構成可能な面材を用いることができ、例えば皮革(天然皮革,合成皮革)や布帛(織物,編物,不織布)を適宜選択して用いることができる。また弾性材12は、弾性的に伸縮可能な面材であり、表材10の裏側(各図の下側)に配設されている。この弾性材12は、後述するステッチ部16の縫付力(引き締め力)によって潰れ変形可能である。この種の弾性材12の素材として、ポリウレタンフォームなどの発泡樹脂のマット材、ゴム弾性を有する樹脂製の板材、繊維を三次元的に交絡又は積層してなる面状部材を例示できる。
[アンカー部]
また図2〜図4に示す下メイン表皮ピースS1には、特有の構成として、複数のアンカー部14と、後述するステッチ部16とが設けられている(各図では、便宜上、各アンカー部に共通の符号14を付し、各ステッチ部に共通の符号16を付す)。複数のアンカー部14は、後述するステッチ部16を縫い付けるための部材であり、弾性材12の裏側に配置されている。これら各アンカー部14は、表材10よりも撓み変形しにくい素材で構成されており、この種の素材として、樹脂製の板材、表材10よりも厚手の布帛又は皮革製の面状部材を例示できる。そして本実施例では、概ね同一形状とされた樹脂製の板材のアンカー部14が複数用いられ、これら複数のアンカー部14が、下メイン表皮ピースS1の前後方向に等間隔で配置されている。ここで各アンカー部14の左右の寸法は、後述する凹部位20の構成に応じて適宜設定することができ、本実施例では、下メイン表皮ピースS1の左右の寸法と概ね同一に設定されている。また前後に隣り合うアンカー部14同士は互いに分断された状態で配置されている。なお隣り合うアンカー部14同士の前後の離間寸法も、後述する凹部位20の構成に応じて適宜設定することができ、本実施例では、各アンカー部14の前後の幅寸法以上に設定されている。
[ステッチ部]
さらに図2〜図4に示す下メイン表皮ピースS1には、複数のステッチ部16が設けられている。これら複数のステッチ部16は、下メイン表皮ピースS1の表材10(意匠面)側に露出している直線状の縫目であり、対応するアンカー部14に沿って下メイン表皮ピースS1を左右に横断するように等間隔で形成されている。そして下メイン表皮ピースS1には、各ステッチ部16によって後述する複数の凹部位20が設けられ、さらに隣り合う凹部位20の間には後述する凸部位22が設けられている(各図では、便宜上、各凹部位に共通の符号20を付し、各凸部位に共通の符号22を付す)。
[凹部位]
ここで下メイン表皮ピースS1では、図2に示すように各アンカー部14の配置されている部分を凹部位20とみなすことができる。そして各凹部位20では、弾性材12を潰した状態で下方に撓み変形している表材10が、ステッチ部16によってアンカー部14に縫い付けられている。本実施例では、相対的に撓み変形しにくいアンカー部14にステッチ部16を縫付けることにより、このステッチ部16の縫付力を表材10側に適切に作用させることが可能となっている。すなわちアンカー部14は、ステッチ部16の縫付力がかけられていても上方に撓み変形しにくい構成であるため、ステッチ部16の縫付力が専ら表材10側に働くこととなる。このため表材10を、弾性材12の弾性(復元力)に抗して下方に撓ませ、さらに弾性材12が表材10側に引き寄せられるといった事態をより確実に回避することが可能となり、よりシャープな形状の凹部位20を形成することができる。こうして各凹部位20では、対応する表材10と弾性材12が下方に向けて谷状に変形(上下に短絡した)状態となり、この表材10と弾性材12の短絡状態が、アンカー部14に縫付けられたステッチ部16の縫付力にて保持される。
[凸部位]
また下メイン表皮ピースS1では、図2に示すように隣り合う凹部位20(アンカー部14)の間が相対的に上方に突出し、この突出した部分で凸部位22が形成されている。各凸部位22は、隣接する凹部位20から山なりに盛り上がっている部位(概ね同形同寸)であり、側面視においては概ね半円状をなしている。これら各凸部位22は、乗員からの押圧を受けない状態では、弾性材12の弾性力にてその形状が保持されており、隣接する凹部位20から上方に向けて山なりに盛り上がっている。こうして下メイン表皮ピースS1には、前後方向において凹部位20と凸部位22とが交互に形成された状態となって乗員臀部(図示省略)を支持可能な位置に配置されている。
[シートパッドに対するクッションカバーの被覆作業]
図1及び図2を参照して、シートパッド4Pをクッションカバー4Sで被覆しつつ、各表皮ピースS1〜S4をシートパッド4P上の適宜の位置に配置しておく。このとき下メイン表皮ピースS1が、シートパッド4Pの下天板メイン部4aの後部側を被覆しつつ、乗員臀部を支持可能な位置に配置される。そして下メイン表皮ピースS1の意匠面は、上述の各凹部位20と各凸部位22とで起伏した状態となっている。この種の構成では、クッションカバー4Sの意匠面により仕上がり性良く起伏を設けておくことが望ましく、特にシートパッド4Pが過度に押し潰されるといった事態は極力回避すべきである。
そこで図2〜図4に示す下メイン表皮ピースS1は、表材10と弾性材12とが積層されて構成され、意匠面に露出するステッチ部16と、弾性材12の裏側に配置され且つ表材10よりも撓み変形しにくいアンカー部14とが設けられている。そして各凹部位20では、弾性材12を潰した状態でシートパッド側に撓み変形している表材10が、ステッチ部16によってアンカー部14に縫い付けられている。このように本実施例では、アンカー部14に対するステッチ部16の縫付力を利用して弾性材12を押し潰しながら表材10を凹み状に撓ませておくことで、下メイン表皮ピースS1自体に各凹部位20を形成することができる。そして図2を参照して、クッションカバー4Sを配置する際に、各凹部位20において下天板メイン部4aが過度に押し潰されることがないため、下メイン表皮ピースS1が下天板メイン部4aにてより適切に支持された状態となる。このとき隣り合う各アンカー部14同士が凸部位22で分断されているため、アンカー部14を一つなぎで設けた場合に比してクッションカバー4Sの可撓性や伸縮性等が適切に維持されている。このためクッションカバー4Sの被覆作業時に、下メイン表皮ピースS1を撓ませたり伸縮させたりしながら、下天板メイン部4aの形状にフィットするように配置しておくことができる。
こうして本実施例では、図1及び図2に示す下天板メイン部4a(比較的目に付きやすい箇所)を下メイン表皮ピースS1で仕上がり性良く被覆することができる。そして下メイン表皮ピースS1の意匠面は起伏した状態となり、さらにステッチ部16が露出して加飾されているため、シートの意匠性をより向上させることができる。さらにクッションカバー4Sの各凹部位20では、対応するステッチ部16(縫製)の縫付力にて、表材10と弾性材12の短絡状態が安定的に維持されており、例えば弾性材12が表材10側に引き寄せられるといった事態をより確実に回避することができる。このためクッションカバー4Sにシャープな形状の凹部位20を形成しておくことが可能となり、さらにクッションカバー4Sが下天板メイン部4a上に安定的に配置されることで、シートの外観品質や意匠性を向上させることができる。そして乗員の着座時においては、下メイン表皮ピースS1で乗員臀部を支持することができる。このとき下メイン表皮ピースS1は、複数の各凹部位20及び凸部位22が設けられて他の表皮ピースよりも表材量が多くなっている。このため乗員が着座した際に、下メイン表皮ピースS1が下方に凹みながら乗員臀部を包み込むように支持することができ、乗員の支持性能向上に資する構成となっている。
[シートバック]
図1に示すシートバック6は、上述の基本構成6F,6P,6Sを有するとともに、バックカバー6Sの一部に起伏が設けられている。ここでバックカバー6Sの基本的な構成は、クッションカバー4Sの基本的な構成と概ね同一とされている。そこでバックカバー6Sでは、クッションカバー4Sと対応する部材に対応する符号を付すことでその詳細な説明を省略する。そして着座面を被覆するバックカバー6Sは、上メイン表皮ピースS11と、アッパ表皮ピースS12と、左右の上サイド表皮ピースS13,S14とで構成されている。上メイン表皮ピースS11は、上天板メイン部6aの下側を被覆する表皮ピースであり、アッパ表皮ピースS12は、上天板メイン部6aの上側を被覆する表皮ピースである。また左右の上サイド表皮ピースS13,S14は、それぞれ対応する上天板サイド部6bを被覆する表皮ピースである。そして各表皮ピースは、概ね同一の基本構成(表材,弾性材)を有し、さらに上メイン表皮ピースS11は、特有の構成(アンカー部14A,ステッチ部16A)を有している。
すなわち図1に示す上メイン表皮ピースS11にも、複数のアンカー部14A及びステッチ部16Aによって、複数の凹部位20Aが設けられている(図1では、便宜上、一つの凹部位にアンカー部とステッチ部を示す符号を付している)。そして上メイン表皮ピースS11では、複数のアンカー部14Aが、上メイン表皮ピースS11の上下方向に等間隔で配置され、これら各アンカー部14Aに沿うように対応するステッチ部16Aが設けられている。このため上メイン表皮ピースS11では、上下方向において凹部位20と凸部位22とが交互に形成された状態となって乗員腰部(図示省略)を支持可能な位置に配置されている。このためシートバック6においても、上天板メイン部6a(比較的目に付きやすい箇所)を上メイン表皮ピースS11で仕上がり性良く被覆することができる。そして上メイン表皮ピースS11の意匠面も起伏した状態となり、さらにステッチ部16Aが露出して加飾されているため、シートの意匠性をより向上させることができる。また乗員の着座時においては、上メイン表皮ピースS11で乗員腰部を支持することができる。このとき上メイン表皮ピースS11は、複数の各凹部位20A及び凸部位22Aが設けられて他の表皮ピースよりも表材量が多くなっている。このため乗員が着座した際に、上メイン表皮ピースS11が後方に凹みながら乗員腰部を包み込むように支持することができ、乗員の支持性能向上に資する構成となっている。
以上説明した通り本実施例では、シートカバー(4S,6S)に、外部に露出するステッチ部16,16Aが設けられていることで、意匠性の向上に資する構成となっている。そしてこのステッチ部16等の縫付力を利用して、意匠面をなす表材10が弾性材12を押し潰した状態で凹み状に撓み変形している。このためシートカバー(4S,6S)の意匠面に、シートパッド(4P,6P)を押し潰すことなく凹部位20,20Aを設けることができる。このとき相対的に撓み変形しにくいアンカー部14等にステッチ部16等を縫付けることにより、このステッチ部16等の縫付力を表材10側に適切に作用させることが可能となっている。また本実施例では、アンカー部14等を凹部位毎に設けるとともに、隣り合うアンカー部同士は凸部位22,22Aで分断されている。このため本実施例では、アンカー部14等を一つなぎで設けた場合に比してシートカバー(4S,6S)の性能(例えば伸縮性や可撓性)を適切に維持することが可能となっている。そして本実施例では、シートパッド(4P,6P)の着座面(4a,6a)となる部分に、複数の凹部位20等及び凸部位22等を設けることで、当該部分のシートカバーが平坦とされている場合に比して表材量が多くなっている。このため乗員が着座した際に、当該シートカバー部分(S1,S11)が表材10を凹み状に撓ませながら乗員を支持することができ、乗員の支持性能向上に資する構成となっている。このため本実施例によれば、シートパッド(4P,6P)をシートカバー(4S,6S)で被覆した状態において、シートカバー(4S,6S)の意匠面により仕上がり性良く起伏を設けておくことができる。
[変形例1]
ここでシートカバーとシートパッドの構成は、上述の構成のほか、各種の構成を取り得る。例えば図5に示す変形例1の乗物用シート2のシートクッション4では、クッションカバー4Sとシートパッド4Pが、実施例の対応する部材と概ね同一の構成を有している。そして本変形例の下メイン表皮ピースS1では、特定のアンカー部14Xに取付部30が設けられており、この取付部30が、下天板メイン部4aの溝部40に係止される点が実施例と異なっている。
ここで図5に示すシートパッド4Pには、左右方向に延びる線状の溝部40が設けられており、この溝部40の底側には、ワイヤ材WMが部分的に露出している。このワイヤ材WMは、溝部40に沿って左右方向に延びている線材であり、ワイヤ材WMの一部は、インサート成形などの手法でシートパッド4Pに埋設状に一体化されている。また下メイン表皮ピースS1は、実施例の下メイン表皮ピースS1と概ね同一の構成を有しているが、特定のアンカー部14Xが溝部40に一致する位置に配置される。そして特定のアンカー部14Aの裏側には、ワイヤ材WMに係止可能な取付部30が設けられている。この取付部30は、特定のアンカー部14Xの裏面から突出する一対の爪部30a,30bを有し、これら一対の爪部30a,30bは、溝部40内に露出するワイヤ材WMを前後から挟み持つように係止することができる。
そして図5を参照して、クッションカバー4Sでシートパッド4Pを被覆する際に、特定のアンカー部14Xを溝部40内に引き入れつつ、取付部30(各爪部30a,30b)をワイヤ材WMに係止して取付けておく。こうすることで下メイン表皮ピースS1を、取付部30とワイヤ材WMの係止によって下天板メイン部4aに位置決めして配置しておくことができる。さらに特定のアンカー部14Xが溝部40内に引き込まれて係止されることで、当該アンカー部14Xにて形成された凹部位20Xを相対的に大きく凹み変形させておくことができる。すなわち通常のアンカー部14の配置箇所(H1)に比して、特定のアンカー部14Xの配置箇所(H2)が下方に位置することで、凹部位20Xが相対的に下方に大きく凹んだ状態となる。こうして各凹部位20,20Xの凹み量に差を設けて多様性を持たせる(変化に富む構成とする)ことにより、シートの意匠性の更なる向上に資する構成となっている。本変形例では、特定のアンカー部14Xを、取付部30を介してシートパッド側に取付けておくことにより、シートパッド4Pに対するクッションカバー4Sの位置決めを適切に行うことが可能となり、クッションカバー4Sの仕上がり性向上に更に資する構成となる。
本実施形態の乗物用シートは、上述した実施形態に限定されるものではなく、その他各種の実施形態を取り得る。本実施形態では、シートカバー4S,6Sの構成(形状,寸法,各構成の形成位置等)について説明したが、シートカバーの構成を限定する趣旨ではない。例えば凹部位は、シートカバーの適宜の位置に複数又は単数設けることができ、着座面(天板メイン部,天板サイド部)のほか、シート周面(カマチ部や前面や後面)などの適宜の位置に設けることができる。また凹部位同士は等間隔で配置されていてもよく、異なる間隔で配置されていてもよい。そして凹部位の間隔に応じて凸部位の形状や大きさを変更することが可能である。またシートクッションにおいては、凹部位と凸部位を、前後方向又は斜め方向に延設することが可能であり、凹部位を格子状に形成することも可能である。また同様にシートバックにおいても、凹部位と凸部位を、上下方向又は斜め方向に延設することが可能であり、凹部位を格子状に形成することも可能である。そしてアンカー部とステッチ部とは、凹部位の延設方向に倣った向きに配置しておくことができる。
また本実施形態では、アンカー部14やステッチ部16の構成(形状,寸法,配置位置,配置数等)を例示したが、これら各部の構成を限定する趣旨ではない。例えばアンカー部は、ステッチ部を縫付可能である限り、平板状のほか、各種の形状を取ることが可能である。またアンカー部の延長方向において、適宜切欠き部や凹み部や孔部やスリットを設けることで、このアンカー部を延長方向において撓みやすくしておくこともできる。またアンカー部を延長方向に複数並べて設けておくことも可能である。またステッチ部は、アンカー部に複数又は単数設けることが可能であり、例えば複数のステッチ部を、同一のアンカー部に並列して設けることもできる。またステッチ部は、直線的に形成する場合のほか、波状に湾曲していてもよく、ジグザグ状に屈曲していてもよい。またステッチ部は、タタミ縫いやサテン縫いなどの技法で面状に形成することも可能である。
また変形例1では、取付部30の構成を例示したが、取付部の構成を限定する趣旨ではない。例えば取付部は、シートパッド側に係止可能である限り各種の形状を採用することができ、Jフック状の爪部や、面ファスナや点ファスナなどの構成を採用することも可能である。また断面矢尻状の取付部を、溝部内に配置されている被取付部材(一対の爪部)に挟持ち状に係止しておく構成とすることもできる。そして複数のアンカー部をシートカバーに設ける場合、少なくとも一部のアンカー部に取付部を設けておくことができ、全てのアンカー部に取付部を設けておくこともできる。なお複数の取付部を設ける場合には、取付部の構成を同一としてもよく異ならせてもよい。例えば面ファスナ状の取付部を用いた場合には、平坦なシートパッド部分に係止しておくことが可能であり、溝部内に取付部を係止した場合に比して凹部位の凹み量が低減される。またシートパッドには、引込むべきアンカー部の数や向きに応じて溝部を形成することが可能であり、複数の溝部を形成する場合にはその深さ寸法を同一としてもよく異ならせてもよい。
また本実施形態では、シートクッション4とシートバック6を一例に説明したが、本実施例の構成は、アームレストやヘッドレストなどの各種シート構成部材に適用できる。そしてシートパットとシートカバーの構成は、適用されるべきシート構成部材に応じて適宜変更可能である。また乗物用シートの構成も適宜変更可能である。そして本実施形態の構成は、車両や航空機や電車や船舶などの乗物用シート全般に適用できる。
2 乗物用シート
4 シートクッション
6 シートバック
8 ヘッドレスト
4F,6F,8F シートフレーム
4P,6P,8P シートパッド
4a 下天板メイン部
4b 下天板サイド部
6a 上天板メイン部
6b 上天板サイド部
4S クッションカバー(本発明のシートカバー)
S1 下メイン表皮ピース
S2 フロント表皮ピース
S3,S4 下サイド表皮ピース
6S バックカバー(本発明のシートカバー)
S11 上メイン表皮ピース
S12 アッパ表皮ピース
S13,S14 上サイド表皮ピース
10 表材
12 弾性材
14 アンカー部
16 ステッチ部
20,20A 凹部位
22,22A 凸部位
30 取付部
30a,30b 爪部
40 溝部
WM ワイヤ材

Claims (4)

  1. 乗員を弾性的に支持可能なシートパッドと、該シートパッドを被覆するシートカバーとを備え、該シートカバーの意匠面は、シートパッド側に向けて部分的に凹み状とされることで起伏した状態となっている乗物用シートにおいて、
    前記シートカバーは、前記意匠面をなす表材と、弾性的に伸縮可能な弾性材とが積層されて構成されているとともに、前記意匠面に露出するステッチ部と、前記弾性材の裏側に配置され且つ前記表材よりも撓み変形しにくいアンカー部とが設けられ、
    前記シートカバーの凹み状とされた凹部位では、前記弾性材を潰した状態でシートパッド側に撓み変形している前記表材が、前記ステッチ部によって前記アンカー部に縫い付けられている乗物用シート。
  2. 前記シートカバーには、複数の前記凹部位と、隣り合う凹部位の間に設けられて相対的に凸状となっている凸部位とが設けられ、
    隣り合う凹部位のアンカー部同士は前記凸部位で分断されている請求項1に記載の乗物用シート。
  3. 前記シートカバーには、複数の前記凹部位と、隣り合う凹部位の間に設けられて相対的に凸状となっている凸部位とが設けられ、
    前記凹部位と前記凸部位とは、前記シートパッドの着座面となる部分に配置されている請求項1又は2に記載の乗物用シート。
  4. 前記アンカー部には、前記シートパッド側に取付け可能な取付部が設けられている請求項1〜3のいずれか一項に記載の乗物用シート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101232230B1 (ko) * 2011-01-26 2013-02-12 주식회사 대덕종합기계 회전 덤퍼

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