JP2018175533A - シートカバー及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】シートの意匠面を構成する表皮ピースの縫い代部に付属部材を性能よく取付けることにある。
【解決手段】第一表皮ピースSP1の第一縫い代21と第二表皮ピースSP2の第二縫い代22とを位置合わせして縫合したのち、縫い代部31をなす第一縫い代21と第二縫い代22の少なくとも一方に付属部材40Aを取付ける。
【選択図】図6

Description

本発明は、乗物用シートの意匠面を構成する一対の表皮ピースと、一対の表皮ピースの縫い代部に取付けられる付属部材とを備えたシートカバー及びその製造方法に関する。
この種のシートカバーは、乗物用シートの意匠面となる面材であり、複数の表皮ピースを縫合することで形成されている。そしてシートカバーは、例えば乗員を弾性的に支持するシートパッドに被覆されるのであるが、このときシートカバーの一部を、シートの意匠性などを考慮してシートパッドの溝部内に引込むことがある。例えば特許文献1では、シートカバーに相当するトリムカバーが、表皮ピースに相当する座面表皮及び土手面表皮と、付属部材に相当する吊込みコードを有している。吊込みコードは、溝部の延長方向に長尺な帯状の部材であり、帯布と、玉縁条を有している。帯布は、溝部に沿って延びる帯状の部位であり、座面表皮と土手面表皮の縫い代同士を縫合して構成されている縫い代部に取付けられている。また玉縁条は、帯布の先端に一体化されている樹脂製の部位であり、断面視において略三角形状をなしている。そしてシートパッドにシートカバーを被覆する際に、吊込みコードを、縫い代部とともにシートパッドの溝部内に引込みつつ、溝部内に配置されているクリップに係止しておく。
そして上述の吊込みコードは、シートカバーに相当するトリムカバーにミシンで縫い付けておくことができる。例えば土手面表皮の縫い代に吊込みコードの帯布を重ねたのち、これらを仮縫いして取付けておく。つぎに座面表皮と土手面表皮を中表状に重ねたのち、これらの縫い代同士を、帯布とともにステッチ部で本縫いして縫合する。そしてステッチ部を基点に、座面表皮と土手面表皮を面状に展開し、シートカバーの裏側に縫い代部を突出させる。そして縫い代部のステッチ部に共縫いされている吊込みコードを、ステッチ部を基点に、溝部内のクリップに向けて折り返しておく。
特開2006−95093号公報
ところで一般的なシートカバーの縫合作業では、シートカバーの形状に応じて、一対の表皮ピースの各縫い代を湾曲させたり寄せ縮めたりしながら位置決めして縫合することがある。例えば公知技術の構成では、表皮ピースに相当する座面表皮と土手面表皮を本縫いする際に、これら表皮の各縫い代を湾曲等させながら位置決めする。このとき公知技術の構成では、土手面表皮に取付けられている吊込みコードが邪魔となるなどして、座面表皮と土手面表皮をスムーズに位置決めできないことがあった。また吊り込みコードは、シートの意匠面に近いステッチ部を基点に折り返されているため、クリップに到達させるために長寸化される傾向にあり、シートカバーの製造コスト増大の一因となっていた。本発明は上述の点に鑑みて創案されたものであり、本発明が解決しようとする課題は、シートの意匠面を構成する表皮ピースの縫い代部に付属部材を性能よく取付けることにある。
上記課題を解決するための手段として、第1発明のシートカバーの製造方法では、シートカバーが、乗物用シートの意匠面を構成可能な第一表皮ピース及び第二表皮ピースと、第一表皮ピースと第二表皮ピースの縫い代同士を縫合して形成されている縫い代部と、縫い代部に取付けられている付属部材とを備えている。この種の構成においては、シートの意匠面を構成する表皮ピースの縫い代部に付属部材を性能よく(例えば作業性良く)取付けられることが望ましい。そこで本発明では、第一表皮ピースの第一縫い代と第二表皮ピースの第二縫い代とを位置合わせして縫合したのち、縫い代部をなす第一縫い代と第二縫い代の少なくとも一方に付属部材を取付けることとした。本発明では、縫い代部に付属部材を取付ける作業に先立って、第一表皮ピースの第一縫い代と第二表皮ピースの第二縫い代とを位置合わせした状態で縫合する。このため第一表皮ピースと第二表皮ピースの縫い代同士を、付属部材に邪魔されることなく位置決めして縫合することができる。
第2発明のシートカバーの製造方法は、第1発明のシートカバーの製造方法において、シートカバーが、縫い代部を基点に第一表皮ピースと第二表皮ピースを面状に展開して、シートカバーの裏面から突出している縫い代部を、付属部材を介してシートカバーの裏側に配置する他部材に取付ける構成とされている。そして第一縫い代と第二縫い代をステッチ部で縫合したのち、付属部材を、ステッチ部よりも縫い代部の末端に近い位置に取付けることとしている。本発明では、付属部材が相対的に短寸であっても、この付属部材を、ステッチ部よりも縫い代部の末端側に取付けることにより、他部材に到達させることができる。そして付属部材を短寸化することにより、シートカバーの製造コストの低減に資する構成となる。
第3発明のシートカバーの製造方法は、第1発明又は第2発明のシートカバーの製造方法において、付属部材を、縫い代部に縫糸で縫い付けて取付ける。本発明では、付属部材を、縫糸という比較的シンプルな構成で縫い代部に取付けることができ、さらに製造工程の効率化を図ることができる。
第4発明のシートカバーの製造方法は、第1発明〜第3発明のいずれかのシートカバーの製造方法において、乗物用シートが、乗員を弾性的に支持可能なシートパッドと、シートパッドの溝部と、溝部内に配置されている他部材としての係止部材とを有し、付属部材が、縫い代部に取付け可能な面状の取付け部と、取付け部の自由端に固定され且つ係止部材に係止可能な樹脂製の係止部とを有している。そして第一縫い代と第二縫い代の少なくとも一方に取付け部を取付けて、取付け部を、取付け部の取付け箇所から縫い代部の末端側に延長することにより、係止部が、係止部材に係止可能な位置に配置される。本発明では、第一表皮ピースと第二表皮ピースの縫い代同士を、樹脂製の係止部によって邪魔されることなく位置決めして縫合しておくことができる。そして剛性に優れている樹脂製の係止部を、シートパッド側の係止部材に安定的に係止可能な構成とすることができる。
第5発明のシートカバーは、乗物用シートの意匠面を構成可能な第一表皮ピース及び第二表皮ピースと、第一表皮ピースと第二表皮ピースの縫い代同士を縫合して形成されている縫い代部と、縫い代部に取付けられている付属部材とを備えている。そして縫い代部を基点に第一表皮ピースと第二表皮ピースが面状に展開された状態で、シートカバーの裏面から突出している縫い代部が、付属部材を介してシートカバーの裏側に配置する他部材に取付けられている。この種の構成においては、シートの意匠面を構成する表皮ピースの縫い代部に付属部材を性能よく(例えば製造コストの低減に資するように)取付けられることが望ましい。
そこで本発明では、第一表皮ピースの第一縫い代と第二表皮ピースの第二縫い代とで構成されている縫い代部が、第一縫い代と第二縫い代を縫合しているステッチ部と、第一縫い代と第二縫い代の少なくとも一方に取付けられている付属部材とを有し、付属部材が、ステッチ部よりも縫い代部の末端に近い位置に取付けられている。本発明では、付属部材が相対的に短寸であっても、この付属部材を、ステッチ部よりも縫い代部の末端に取付けることにより、他部材に到達させることができる。そして付属部材を短寸化しておくことにより、シートカバーの製造コストの低減に資する構成となる。
本発明に係る第1発明によれば、シートの意匠面を構成する表皮ピースの縫い代部に付属部材を性能よく取付けることができる。また第2発明によれば、シートの意匠面を構成する表皮ピースの縫い代部に付属部材をより性能よく取付けることができる。また第3発明によれば、比較的シンプルな構成によって、シートの意匠面を構成する表皮ピースの縫い代部に付属部材を性能よく取付けることができる。また第4発明によれば、シートの意匠面を構成する表皮ピースの縫い代部に付属部材を更に性能よく取付けることができる。そして第5発明によれば、シートの意匠面を構成する表皮ピースの縫い代部に付属部材を性能よく取付けておくことができる。
乗物用シートの斜視図である。 シートパッドからシートカバーを離間させたシートバックの断面図である。 図1のIII−III線断面に相当するシートバックの概略断面図である。 シートカバー一部の断面図である。 縫合作業時の各表皮ピースの斜視図である。 付属部材を取付ける際の各表皮ピースの斜視図である。
以下、本発明を実施するための形態を、図1〜図6を参照して説明する。各図には、便宜上、乗物用シートの前後方向と左右方向と上下方向を示す矢線を適宜図示することがある。なお図3では、便宜上、シートカバーとシートパッドを若干離して図示しているが、実際にはこれらは接触した状態とされている。図1の乗物用シート2は、シートクッション4と、シートバック6を有する。これらシート構成部材(4,6)は、各々、シート骨格をなすシートフレーム(4F,6F)と、シート外形をなすシートパッド(4P,6P)と、シートパッドを被覆するシートカバー(4S,6S)を有する。そしてシートクッション4の後部にシートバック6(詳細後述)の下部が起倒可能に連結されている。
[シートバック]
シートバック6は、図1及び図2を参照して、基本構成6F,6P,6Sと、シートパッド6Pの一対の溝部10,12と、シートカバー6Sの一対の付属部材40A,40Bを有している(各部材等の詳細は適宜後述)。そしてシートパッド6P(詳細後述)は、シートフレーム6F上に配置されてシートカバー6Sで被覆されている。ここでシートフレーム6F(図示省略)は、典型的にアーチ状の枠体であり、金属や硬質樹脂などの剛性に優れる素材にて形成できる。またシートカバー6S(詳細後述)は、シートパッド6Pを被覆してシートバック6の意匠面を構成する面材である。そして本実施例では、シートの意匠性向上の観点などから、図2に示すシートカバー6Sの一部である縫い代部31,32が、シートパッド6Pの溝部10,12内に引き込まれて係止される。これら縫い代部31,32には、溝部10,12内に係止可能な後述の付属部材40A,40Bが取付けられるのであるが、この種の構成では、縫い代部31,32に付属部材40A,40Bを性能よく(例えば作業性良く)取付けられることが望ましい。そこで本実施例では、後述する構成によって、シートの意匠面を構成する表皮ピースの縫い代部31,32に付属部材40A,40Bを性能よく取付けることとした。以下、各構成について詳述する。
[シートパッド]
シートパッド6Pは、図2を参照して、乗員を弾性的に支持可能な正面視で略矩形状の部材であり、後述する一対の溝部10,12と係止部材14を有している。ここでシートパッド6Pの材質は特に限定しないが、例えばポリウレタンフォーム(密度:10kg/m3〜60kg/m3)等の発泡樹脂を例示できる。そしてシートパッド6Pの着座面となる意匠面は、図2を参照して、天板メイン部6aと、左右一対の天板サイド部6bとに区分けできる。天板メイン部6aは、シート幅方向である左右方向の中央に形成されている略平坦な部位であり、乗員の着座が可能な幅寸法を有して上下方向に延びている。また各天板サイド部6bは、天板メイン部6aの左方と右方において相対的に前側に突出している部位であり、コーナリング走行時等に乗員の側方を支持することができる。
[溝部・係止部材]
一対の溝部(右側溝部10,左側溝部12)は、図2を参照して、それぞれシートパッド6Pの意匠面に設けられた線状の凹部位である。右側溝部10は、天板メイン部6aと右側の天板サイド部6bの間で上下に延びている溝部であり、上方に向かうにつれて次第に右側に向けて湾曲している。また左側溝部12は、天板メイン部6aと左側の天板サイド部6bの間で上下に延びている溝部であり、上方に向かうにつれて次第に左側に向けて湾曲している。そして各溝部10,12の底面にはそれぞれ略同一構成の係止部材14が配設されている。各係止部材14は、後述する付属部材40A,40Bが係止される部材であり、本発明のシートカバーの裏側に配置する他部材に相当する。そして各係止部材14は、図3を参照して、基部14aと、この基部14aに一体化されている係止爪部14bとを有している。基部14aは、対応する溝部の底面に埋設されている平板状の部位である。また係止爪部14bは、対応する溝部内に露出している断面Y字状の部位であり、後述する付属部材40A等の係止部44を係止可能である。
[シートカバー]
シートカバー6Sは、図1及び図2を参照して、複数の表皮ピース(第一表皮ピースSP1,右側第二表皮ピースSP2,左側第二表皮ピースSP3等)と、一対の縫い代部31,32と、一対の付属部材40A,40Bを有している(図1では、便宜上、特定の表皮ピースにのみ特定の符号を付し、その他の表皮ピースには符号SPを付す)。そして第一表皮ピースSP1は、図1を参照して、天板メイン部6aを覆う略矩形の表皮ピースであり、上側が末広がり状に幅広とされている。また右側第二表皮ピースSP2は、右側の天板サイド部6bを覆う略矩形の表皮ピースであり、右側第二表皮ピースSP2の左縁は、上方に向かうにつれて次第に右側に湾曲している。また左側第二表皮ピースSP3は、左側の天板サイド部6bを覆う略矩形の表皮ピースであり、左側第二表皮ピースSP3の右縁は、上方に向かうにつれて次第に左側に湾曲している。これら各表皮ピースSP1〜SP3等の材質として、例えば布帛(織物,編物,不織布)や皮革(天然皮革,合成皮革)を用いることができる。また各表皮ピースSP1〜SP3等の裏側には、ウレタンラミなどのパッド材や不織布などの裏基布を取付けることができる。
[縫い代部]
一対の縫い代部(右側縫い代部31,左側縫い代部32)は、図2を参照して、それぞれ隣り合う表皮ピース(SP1とSP2,SP1とSP3)同士が縫合されている箇所である。すなわち右側縫い代部31は、図3及び図4を参照して、第一表皮ピースSP1の右縁である第一縫い代21と、右側第二表皮ピースSP2の左縁である第二縫い代22とが中表状に重ねられて縫合されている箇所である。この右側縫い代部31では、第一縫い代21と第二縫い代22が、上下に延びている第一ステッチ部ST1(線状の縫目)で縫合されている。そして右側縫い代部31は、図1に示す第一表皮ピースSP1と右側第二表皮ピースSP2の継目に沿って、上方に向かうにつれて次第に右側に湾曲している。また左側縫い代部32は、図2を参照して、第一表皮ピースSP1の左縁である他の第一縫い代21xと、左側第二表皮ピースSP3の右縁である他の第二縫い代22xとが中表状に重ねられて縫合されている箇所である。この左側縫い代部32においても、対応する第一縫い代21xと第二縫い代22xが、上下に延びている他の第一ステッチ部ST1xで縫合されている。そして左側縫い代部32は、図1に示す第一表皮ピースSP1と左側第二表皮ピースSP3の継目に沿って、上方に向かうにつれて次第に左側に湾曲している。
[付属部材]
一対の付属部材40A,40Bは、図2を参照して、対応する縫い代部31,32を、シートパッド6Pの対応する溝部10,12(図示省略)に引込み状に係止するための部材である。これら一対の付属部材40A,40Bは、略同一の基本構成を有しているため、以下に、右側に配置される付属部材40Aを一例にその詳細を説明する。この右側の付属部材40Aは、右側縫い代部31に取付けられている部材であり、図4を参照して、取付け部42と、係止部44を有している。取付け部42は、右側縫い代部31に縫合可能な帯状部位であり、図1に示すように右側縫い代部31に倣って上下に長尺とされている。そして取付け部42は、図4を参照して、後述する第二ステッチ部ST2で右側縫い代部31に取付けられているとともに、この第二ステッチ部ST2を基点に折り返されている。そして折り返されている取付け部42の自由端43側は、右側縫い代部31に沿って延長しつつその末端(E1)から後方に突出している。なお取付け部42の素材は特に限定しないが、シートカバー6Sで例示の素材を用いることができ、引込み時にかかる引張力を受止め可能な強度を備えた素材(例えば不織布)を用いることが望ましい。
そして係止部44は、図4を参照して、取付け部42の自由端43に沿って一体化されて取付けられている部位である。この係止部44は、係止部材14の係止爪部14bに係止可能な樹脂製の部位であり、断面視で概ね三角形状をなして頂点側が先端側に配置されている。この係止部44は、取付け部42に比して硬く剛性に優れる部位であり、相対的に曲がり変形しにくい部位である。また係止部44に用いられる樹脂の種類も特に限定しないが、右側縫い代部31の湾曲部分への追従性を考慮して、ポリエチレンやポリプロピレンなどの適度な可撓性を備えた樹脂(エラストマを含む)を用いることが望ましい。
[シートカバーの形成手法]
図1及び図2に示す複数の表皮ピースSP1〜SP3等をミシン(図示省略)で縫合してシートカバー6Sを形成するとともに、各縫い代部31,32に、対応する付属部材40A,40Bを取付ける。そしてミシンによる縫合作業では、複数の表皮ピースSP1〜SP3等の各縫い代を湾曲させたり寄せ縮めたりしながら位置決めするのであるが、このとき付属部材40A,40Bが邪魔となるなどして作業性が悪化することが懸念される。そこで本実施例では、第一表皮ピースSP1の第一縫い代21(21x)と、対応する第二表皮ピースSP2(SP3)の第二縫い代22(22x)とを位置合わせした状態で縫合したのち、対応する縫い代部31(32)をなす第一縫い代21(21x)と第二縫い代22(22x)の少なくとも一方に付属部材40A(40B)を取付けることとした。ここで本実施例では、複数の表皮ピースSP1〜SP3等の縫合手法等が略同一であるため、以下に、専ら第一表皮ピースSP1と右側第二表皮ピースSP2を一例にこれらの縫合手法等を説明する。
[表皮ピースの縫合作業]
すなわち図5を参照して、第一表皮ピースSP1と右側第二表皮ピースSP2を中表状に重ねて、第一縫い代21と第二縫い代22を位置合わせしながら第一ステッチ部ST1で縫合していく。この位置合わせ作業では、第一縫い代21の末端E1に設けた第一位置決め部21aに、第二縫い代22の末端E2に設けた対応する第二位置決め部22aを一致させていく。なお第一位置決め部21aは、第一縫い代21の末端E1を三角状に切り欠くことで形成でき、第一縫い代21の延びている方向に適宜の間隔で配置できる。また第二位置決め部22aも、第二縫い代22の末端E2を三角状に切り欠くことで形成でき、第一位置決め部21aに対応するように第二縫い代22の延びている方向に適宜の間隔で配置できる。そして本実施例の縫合作業時においては、第一表皮ピースSP1と右側第二表皮ピースSP2に付属部材40Aが取付けられていない。このため第一縫い代21と第二縫い代22を、付属部材40Aに邪魔されることなく適宜湾曲などさせて、第一位置決め部21aと第二位置決め部22aとを一致させていくことができる。特に本実施例では、付属部材40Aの相対的に硬く曲がりにくい樹脂製の係止部44によって、第一縫い代21と第二縫い代22の位置決め作業が邪魔される事態を好適に回避できる。
[付属部材の取付け作業]
つぎに図6を参照して、縫合作業後の第一表皮ピースSP1の第一縫い代21に付属部材40Aを取付ける。このとき第一縫い代21の裏面に付属部材40Aを重ねながら、取付け部42の自由端とは反対の末端E3を、第一縫い代21の末端E1に位置合わせしておく。この位置合わせ作業では、第一縫い代21の末端E1に設けた第一位置決め部21aに、取付け部42の末端E3に設けた対応する第三位置決め部42aを一致させていく。この第三位置決め部42aは、取付け部42の末端E3を三角状に切り欠くことで形成でき、第一位置決め部21aに対応するように取付け部42の末端E3の延びている方向に適宜の間隔で配置できる。そして付属部材40Aの取付け部42を、縫糸Y1を用いた第二ステッチ部ST2で第一縫い代21に縫い付けて取付けることができる。この第二ステッチ部ST2は、取付け部42を両縫い代21,22に縫い付けている線状の縫目であり、第一ステッチ部ST1と概ね平行に延びている。このように取付け部42を縫糸Y1で縫い付けることにより、付属部材40Aの取付け作業と、両表皮ピースSP1,SP2の縫合作業とを一連の作業で行うことができ、シートカバー6Sの製造工程の効率化を図ることができる。
ここで付属部材40Aの取付け箇所となる第二ステッチ部ST2の形成箇所は、付属部材40Aを第一縫い代21に安定的に取付けることができる限り特に限定しない。例えば図6を参照して、第二ステッチ部ST2の典型的な形成箇所は、第一ステッチ部ST1の形成位置から第一縫い代21の末端E1にかけての範囲AR内に設定される。そして本実施例では、第二ステッチ部ST2の形成箇所を、第一ステッチ部ST1よりも距離L1だけ第一縫い代21の末端E1に近い位置に設定している。そして付属部材40Aを、図4に示すように第二ステッチ部ST2で折り返すことにより、第一ステッチ部ST1と第二ステッチ部ST2の距離L1の分(概ね距離L1の二倍分)短寸化している。このように付属部材40Aを短寸化したとしても、第一ステッチ部ST1よりも縫い代部の末端E1側に取付けることにより、図3に示す係止部材14に到達させることができる。そして付属部材40Aの取付け部42を短寸化して使用すべき材料を減少させることにより、シートカバー6Sの製造コストの低減に資する構成となる。
そして図2を参照して、第一表皮ピースSP1と左側第二表皮ピースSP3においても、上述の手法により、第一縫い代21xと第二縫い代22xを位置合わせしながら第一ステッチ部ST1で縫合していく。そして縫合作業後の第一表皮ピースSP1の第一縫い代21xに、第二ステッチ部ST2xにて付属部材40Bを取付けることができる。
[シートカバーの被覆作業]
図2を参照して、面状に展開されているシートカバー6Sによってシートパッド6Pの意匠面を被覆する。このとき各表皮ピースSP1〜SP3等が、対応する縫い代部31,32を基点に面状に展開されるとともに、右側縫い代部31と左側縫い代部32がシートカバー6Sの裏側に突出して配置される。そしてこの状態では、図3及び図4に示すように各付属部材40A等の取付け部42が、第二ステッチ部ST2等から後方に延長することにより、係止部44が、係止部材14に係止可能な位置に配置される。そこで各縫い代部31,32を、これらに取付けられている付属部材40A,40Bを介して対応する溝部10,12内に引き込み状に固定する。このとき図3を参照して、例えば付属部材40Aの剛性に優れている樹脂製の係止部44を、右側溝部10内の係止部材14に係止することで、右側縫い代部31を右側溝部10内に安定的に係止しておくことができる。さらに被覆状態の右側縫い代部31では、図3及び図4に示すように、第一ステッチ部ST1と、この第一ステッチ部ST1よりも末端(E1)側に配置する第二ステッチ部ST2が設けられている。そして右側縫い代部31をなしている各縫い代21,22が第一ステッチ部ST1で閉じられているため、第二ステッチ部ST2(縫糸Y1)が外部に露出することを極力回避することができ、シートの意匠性を向上させることができる。
以上説明した通り本実施例では、各縫い代部31(32)に付属部材40A(40B)を取付ける作業に先立って、第一表皮ピースSP1の第一縫い代21(21x)と第二表皮ピースSP2(SP3)の第二縫い代22(22x)とを位置合わせした状態で縫合する。このため第一表皮ピースSP1と右側第二表皮ピースSP2(SP3)の縫い代同士を、付属部材40A,40Bに邪魔されることなく位置決めして縫合することができる。また本実施例では、付属部材40A,40Bが相対的に短寸であっても、この付属部材40A,40Bを、第一ステッチ部ST1よりも各縫い代部31,32の末端側に取付けることにより、他部材としての係止部材14に到達させることができる。そして付属部材40A,40Bを短寸化することにより、シートカバー6Sの製造コストの低減に資する構成となる。また本実施例では、付属部材40A,40Bを、縫糸Y1という比較的シンプルな構成で各縫い代部31,32に取付けることができ、さらに製造工程の効率化を図ることができる。また本実施例では、第一表皮ピースSP1と第二表皮ピースSP2(SP3)の縫い代同士を、樹脂製の係止部44によって邪魔されることなく位置決めして縫合しておくことができる。そして剛性に優れている樹脂製の係止部44を、シートパッド側の係止部材14に安定的に係止可能な構成とすることができる。このため本実施例によれば、シートの意匠面を構成する表皮ピースSP1〜SP3の各縫い代部31,32に付属部材40A,40Bを性能よく取付けることができる。
本実施形態のシートカバー及びその製造方法は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その他各種の実施形態を取り得る。本実施形態では、付属部材40A,40Bの構成(形状,寸法,取付け位置,取付け手法,用途,構成部位など)を例示したが、付属部材の構成を限定する趣旨ではない。すなわち付属部材は、係止部材に係止可能な各種の構成を取ることができ、係止部の構成も適宜変更可能である。例えば付属部材は、取付け部と、この取付け部の先端に取付けられている係止部としてのワイヤ材で構成することができる。そして付属部材のワイヤ材を、溝部内の他のワイヤ材(他部材)にホグリング止めすることができる。また付属部材は、第一ステッチ部と実質的に同位置に取付けることができる。また付属部材は、縫糸による縫い付けのほか、接着や融着、クリップやステープルなどの物理的手段で、第一縫い代と第二縫い代の少なくとも一方に取付けることができる。なお付属部材を、第一ステッチ部とは無関係の方向に延びる縫糸のステッチで対応する縫い代に取付けることができる。
また本実施形態では、付属部材40A,40Bによって、対応する縫い代部31,32を所望の溝部10,12に引き込み状に取付ける構成を説明した。この付属部材として、例えばエアバッグ膨張時にシートカバーを破断させるための力布などの帯状部材を想定することができ、この場合の付属部材は、他部材としてのシートフレームなどに取付けることができる。また付属部材として、シートカバーの裏側に配置可能な各種の部材を想定でき、例えばシートヒータやセンサなどの各種の機能性部材(主に面材)を想定でき、この場合には機能性部材を他部材に取付けない構成としてもよい。
また本実施形態では、第一表皮ピースSP1と第二表皮ピースSP2,SP3の構成(形状,寸法,配置位置,位置決め手法、縫合手法など)を例示したが、これら表皮ピースの構成は適宜変更可能である。またシートパッド及び溝部の構成も、表皮ピースの構成に応じて適宜変更可能である。例えば第一表皮ピースと第二表皮ピースは、天板メイン部と天板サイド部のほか、シート側面となるカマチ部やシート裏面に配置されていてもよい。またこれらの縫い代部は、上下方向のほか、左右方向や斜め方向などの適宜の向きに延ばすことができ、湾曲状のほか直線状に延ばすこともできる。そして縫い代部の構成に応じて溝部の構成も適宜変更可能である。また図6を参照して、縫い代の末端同士と取付け部の末端は、面一状に一致させて配置させてもよく、若干段差ができる状態で配置されていてもよい。
また本実施形態では、各位置決め部21a,22a,42aとして、三角状の切欠きを例示したが、各位置決め部として、各種形状の切欠きや孔部やスリット、マーキングなどの目印を用いることができる。また本実施例では、各縫い代の各位置決め部を位置合わせしたのち、さらに取付け部の位置決め部を位置決めする(多段階で位置決めする構成である)。このため各縫い代の各位置決め部同士の位置決めが適切であるかを、取付け部の位置決め部で確認することができる。例えば各縫い代の各位置決め部同士の位置決めに際しては、どちらか一方の縫い代を寄せ縮めることがあるが、このとき誤って寄せ縮めるべき部分を伸長して位置決めしてしまうことがある。このような場合に取付け部の位置決め部によって、各縫い代の各位置決め部同士が適切に寄せ縮められて位置決めされているかどうかを確認することができ、シートカバーの品質の均一化に資する構成となる。
また本実施形態では、乗物用シート2の構成(形状,寸法,構成部材など)を例示したが、乗物用シートの構成を限定する趣旨ではない。また本実施例では、シートバック6を一例に説明したが、本実施例の構成は、シートクッション4やヘッドレストやアームレスト等の各種シート構成部材のシートカバーに適用できる。そして本実施形態の構成は、車両や航空機や電車などの乗物用シート全般に適用できる。
2 乗物用シート
4 シートクッション
6 シートバック
6F シートフレーム
6P シートパッド
6S シートカバー
6a 天板メイン部
6b 天板サイド部
10 右側溝部
12 左側溝部
14 係止部材(本発明の他部材)
14a 基部
14b 係止爪部
21,21x 第一縫い代
21a 第一位置決め部
22,22x 第二縫い代
22a 第二位置決め部
31 右側縫い代部(本発明の縫い代部)
32 左側縫い代部(本発明の縫い代部)
40A,40B 付属部材
42 取付け部
42a 第三位置決め部
43 取付け部の自由端
44 係止部
E1 第一縫い代の末端
E2 第二縫い代の末端
E3 取付け部の末端
SP1 第一表皮ピース
SP2 右側第二表皮ピース(本発明の第二表皮ピース)
SP3 左側第二表皮ピース(本発明の第二表皮ピース)
ST1,ST1x 第一ステッチ部(本発明のステッチ部)
ST2,ST2x 第二ステッチ部
Y1 縫糸

Claims (5)

  1. 乗物用シートの意匠面を構成可能な第一表皮ピース及び第二表皮ピースと、前記第一表皮ピースと前記第二表皮ピースの縫い代同士を縫合して形成されている縫い代部と、前記縫い代部に取付けられている付属部材とを備えたシートカバーの製造方法において、
    前記第一表皮ピースの第一縫い代と前記第二表皮ピースの第二縫い代とを位置合わせして縫合したのち、前記縫い代部をなす前記第一縫い代と前記第二縫い代の少なくとも一方に前記付属部材を取付けるシートカバーの製造方法。
  2. 前記縫い代部を基点に前記第一表皮ピースと前記第二表皮ピースを面状に展開して、前記シートカバーの裏面から突出している前記縫い代部を、前記付属部材を介して前記シートカバーの裏側に配置する他部材に取付ける構成とし、
    前記第一縫い代と前記第二縫い代をステッチ部で縫合したのち、前記付属部材を、前記ステッチ部よりも前記縫い代部の末端に近い位置に取付ける請求項1のシートカバーの製造方法。
  3. 前記付属部材を、前記縫い代部に縫糸で縫い付けて取付ける請求項1又は2のシートカバーの製造方法。
  4. 前記乗物用シートが、乗員を弾性的に支持可能なシートパッドと、前記シートパッドの溝部と、前記溝部内に配置されている前記他部材としての係止部材とを有し、
    前記付属部材が、前記縫い代部に取付け可能な面状の取付け部と、前記取付け部の自由端に固定され且つ前記係止部材に係止可能な樹脂製の係止部とを有し、
    前記第一縫い代と前記第二縫い代の少なくとも一方に前記取付け部を取付けて、前記取付け部を、前記取付け部の取付け箇所から前記縫い代部の末端側に延長することにより、前記係止部が、前記係止部材に係止可能な位置に配置される請求項1〜3のいずれか一項に記載のシートカバーの製造方法。
  5. 乗物用シートの意匠面を構成可能な第一表皮ピース及び第二表皮ピースと、前記第一表皮ピースと前記第二表皮ピースの縫い代同士を縫合して形成されている縫い代部と、前記縫い代部に取付けられている付属部材とを備えたシートカバーにおいて、
    前記縫い代部を基点に前記第一表皮ピースと前記第二表皮ピースが面状に展開された状態で、前記シートカバーの裏面から突出している前記縫い代部が、前記付属部材を介して前記シートカバーの裏側に配置する他部材に取付けられており、
    前記第一表皮ピースの第一縫い代と前記第二表皮ピースの第二縫い代とで構成されている前記縫い代部が、前記第一縫い代と前記第二縫い代を縫合しているステッチ部と、前記第一縫い代と前記第二縫い代の少なくとも一方に取付けられている前記付属部材とを有し、前記付属部材が、前記ステッチ部よりも前記縫い代部の末端に近い位置に取付けられているシートカバー。
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