JP6900807B2 - 内装品 - Google Patents

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Description

本発明は、乗物用シートなどの内装品に関し、詳しくは、内装品の外形をなすパッド材と、パッド材を被覆する一対の表皮と、一対の表皮の裏側に配置された玉縁とを備えた内装品に関する。
この種の表皮は、各種の内装品の意匠面を構成する面材であり、隣り合う表皮の縫い代同士が中表状に縫合されている。そして表皮の縫い代同士を縫合している縫目には、玉縁が共縫いされて取付けられていることがある。この玉縁は、縫目に沿って延びている円柱状の頭部と、板状の脚部とを一体で有し、一方の表皮の裏側に配置された状態で縫目に共縫いされている。そこで表皮を、内装品の外形をなすパッド材の意匠面に配置するとともに、玉縁を覆っている表皮部分をパッド材の周縁に沿って配置する。このとき玉縁を覆っている表皮部分を、玉縁の頭部で盛り上がった状態とすることで、この表皮部分にて内装品の周縁が縁取られたような外観を呈することとなる。
例えば特許文献1に開示の車両用シート(内装品の一例)では、座面となるシートクッションが、シート外形をなすシートパッドと、玉縁を備えたシートカバーとを有している。シートパッドは、本発明のパッド材に相当する部材であり、着座面となる天板面と、側面をなすカマチ面とを有している。そして天板面の周縁には、カマチ面に対して山なりに張出しているコーナー部が設けられている。またシートカバーは、本発明の表皮に相当する面材であり、天板面を被覆する天板サイド表皮材と、カマチ面を被覆するカマチ表皮材とを有している。そしてシートカバーは、両表皮材の縫い代同士を中表状に重ねた縫合部と、縫合部で縫い代同士を縫合している縫目とを有している。
また玉縁は、頭部と脚部を有するとともに、天板サイド表皮材の縫目で折返された表皮部分で頭部が被覆され、さらに縫合部にあてがわれた脚部が縫目に共縫いされている。この玉縁は、脚部の外面に設けられた係止部を有しており、係止部は、フック又はキノコ状の微細突起であって、天板サイド表皮材の裏面に掛着することができる。そして各表皮材をシートパッドの適所に配置しつつ、縫目で折返された表皮部分を、玉縁とともにコーナー部の下方に配置しておく。そして公知技術では、縫合部に共縫いされている玉縁の脚部を、係止部にて天板サイド表皮材の裏側に掛着して倒しておく。このように玉縁の脚部の倒れる方向を一定にしておくことにより、縫目の蛇行や折れの発生を回避でき、さらに縫目で折返された表皮部分が、玉縁の頭部で盛り上がった状態とされて、天板面のコーナー部の下方に配置される。
特許第4432383号公報
ところで公知技術では、天板面の周縁となるコーナー部の下方に、玉縁によって盛り上がった表皮部分を配置させておく。このため公知技術の構成は、玉縁によって盛り上がった表皮部分が天板面の周縁からずれて配置され、シートの形状再現性にやや欠ける構成となっていた。また公知技術では、玉縁の脚部と縫合部を、係止部の掛着力だけで倒しているため、やや安定性に欠ける構成となっていた。本発明は上述の点に鑑みて創案されたものであり、本発明が解決しようとする課題は、玉縁によって盛り上がった表皮部分を、玉縁の脚部をより安定的に倒した状態で、パッド材の縁に沿って配置することにある。
上記課題を解決するための手段として、第1発明の内装品は、弾性的に伸縮可能なパッド材と、パッド材を被覆する一対の表皮と、一対の表皮の縫い代同士が中表状に重ねられた縫合部と、縫合部で縫い代同士を縫合している縫目と、一対の表皮のいずれか一方の表皮の裏側に配置された玉縁とを備えている。また玉縁は、縫目に沿って延びる柱状の頭部と、頭部に一体化された板状の脚部とを有し、一方の表皮の縫目で折返された表皮部分に頭部を配置した状態で、縫合部の一方の表皮側にあてがわれた脚部が縫目に共縫いされている。そしてパッド材は、内装品の外形の少なくとも一部をなしているとともに、一方の表皮にて被覆されている意匠面と、一方とは異なる他方の表皮にて被覆されている他の意匠面と、意匠面の縁をなして他の意匠面につながっているコーナー部とを有している。そして意匠性向上の観点から、一方の表皮を玉縁にて部分的に盛り上げるのであるが、この種の構成では、玉縁によって盛り上がった表皮部分を、玉縁の脚部をより安定的に倒した状態で、パッド材の縁に沿って配置することが望ましい。
そこで本発明では、玉縁の脚部の倒れ方向を規制する規制部材が、縫合部の他方の表皮側に取付けられて縫合部の末端から突出している。そして規制部材が、コーナー部に押し当てられた状態で、縫合部に共縫いされた玉縁の脚部とともに一方の表皮に向けて倒れていることにより、一方の表皮の縫目で折返された表皮部分が、玉縁の頭部にて盛り上がった状態で、コーナー部上の縫合部に重なって配置されている。本発明では、玉縁にて盛り上がった表皮部分を、コーナー部上の縫合部に重ねておくことにより、パッド材の縁に沿って配置することができる。そして玉縁の脚部の倒れ方向を規制している規制部材を、コーナー部からの弾性的な反発力をも利用して、玉縁の脚部及び縫合部とともに一方の表皮側に向けて倒しているため、玉縁の脚部の倒れる方向をより確実に一定にしておくことができる。
第2発明の内装品は、第1発明の内装品において、規制部材が、可撓性を備えた面状の部材であって、縫合部の他方の表皮側にあてがわれて固定されている。本発明では、規制部材を、可撓性を備えた面状の部材で構成しておくことにより、この規制部材によって表皮が盛り上がる(表皮の外面に規制部材が浮き出る)といった不具合を極力回避することができる。
第3発明の内装品は、第2発明の内装品において、規制部材が、縫合部の他方の表皮側に接着されて固定されているとともに、縫合部から突出している規制部材の端部が一方の表皮の裏側に接着されて固定されている。本発明では、規制部材の両端側を、表皮の適切な位置に接着して固定する比較的簡便な構成により、玉縁の脚部の倒れる方向をより確実に一定にしておくことが可能となる。
第4発明の内装品は、第2発明の内装品において、一方の表皮が、他方の表皮に縫合される第一縫い代と、第一縫い代とは反対側に設けられて別の表皮に縫合される第二縫い代とを有し、規制部材が、縫合部の他方の表皮側に縫合されて固定されているとともに、縫合部から突出している規制部材の端部が、第二縫い代側に縫合されて固定されている。本発明では、規制部材の両端側を、表皮の対応する縫い代に縫合して比較的強固に取付けることにより、玉縁の脚部の倒れる方向をより確実に一定にしておくことが可能となる。
第5発明の内装品は、第1発明〜第4発明のいずれかの内装品において、内装品は、乗物室内に設置される乗物用シートである。本発明では、玉縁によって盛り上がった表皮部分を、玉縁の脚部をより安定的に倒した状態で、乗物用シートの外形をなすパッド材の縁に沿って配置することができる。
第6発明の内装品は、第5発明の内装品において、パッド材の意匠面は、乗物用シートの乗員の着座が可能な着座面である。本発明では、相対的に目立ちやすい着座面の縁に、玉縁にて盛り上がった表皮部分が配置されることで、シートの意匠性向上に資する構成となる。
第7発明の内装品は、第1発明〜第6発明のいずれかの内装品において、一対の表皮は、各々、内装品の外面をなす合成皮革製の表材と、弾性的に伸縮可能な弾性材とを積層した状態で有している。本発明では、外面をなす合成皮革製の表材によって内装品が高級感のある外観を呈することとなる。さらに合成皮革製の表材が、加熱による収縮(ヒケ)が原因で硬くなったとしても、その硬さを弾性材の弾性力で補完することができる。
本発明に係る第1発明によれば、玉縁によって盛り上がった表皮部分を、玉縁の脚部をより安定的に倒した状態で、パッド材の縁に沿って配置することができる。また第2発明によれば、玉縁によって盛り上がった表皮部分を、パッド材の縁に沿って意匠性良く配置することができる。また第3発明によれば、玉縁によって盛り上がった表皮部分を、玉縁の脚部をシンプルな構成でより安定的に倒した状態で、パッド材の縁に沿って配置することができる。また第4発明によれば、玉縁によって盛り上がった表皮部分を、玉縁の脚部をより安定的に倒した状態で、パッド材の縁に沿って配置することができる。また第5発明によれば、玉縁によって盛り上がった表皮部分を、玉縁の脚部をより安定的に倒した状態で、乗物用シートのパッド材の縁に沿って配置することができる。また第6発明によれば、玉縁によって盛り上がった表皮部分を、乗物用シートのパッド材の縁に沿ってより意匠性良く配置することができる。そして第7発明によれば、玉縁によって盛り上がった表皮部分の性能を更に高めることができる。
乗物用シートの斜視図である。 シートクッションの断面図である。 図2のIIIの丸で囲った部分のシートクッションの拡大断面図である。 シートパッドの上面図である。 玉縁の斜視図である。 図3で示す部分に相当するシートカバーの一部分解断面図である。 変形例1のシートクッションの拡大断面図である。 実施例2のシートバック一部の斜視図である。 実施例2のシートバック一部の断面図である。 変形例2の乗物用シートの斜視図である。 変形例2のシートバック一部の斜視図である。
以下、本発明を実施するための形態を、図1〜図11を参照して説明する。各図には、乗物用シートの前後方向と上下方向と左右方向を示す矢線を適宜図示する。また図5では、乗物用シートに玉縁が取付けられた状態を基準として、玉縁の前後方向と上下方向と左右方向を示す矢線を図示する。なお各図では、便宜上、シートカバーの厚み寸法を誇張するとともに、シートカバーとシートパッドの間に隙間を設けて図示することがある。
[実施例1]
図1の乗物用シート2は、乗物室内の三列目に配置される乗物内装品であり、シートクッション4とシートバック6とヘッドレスト8を備えている。これらシート構成部材(4,6,8)は、各々、シート骨格をなすシートフレーム(4F,6F,8F)と、シート外形をなすシートパッド(4P,6P,8P)と、シートパッドを被覆するシートカバー(4S,6S,8S)を有する。そしてシートクッション4(詳細後述)の後部に、起立状態のシートバック6の下部が起倒可能に連結されている。また起立状態のシートバック6の上部にヘッドレスト8が配設されている。
[シートクッション]
シートクッション4は、乗員の着座が可能な上面視で略矩形の部材であり、図1〜図3を参照して、基本構成4F,4P,4Sと、玉縁30と、規制部材40を有している(各部材の詳細は適宜後述)。このシートクッション4では、シートパッド4P(詳細後述)が、シートフレーム4F上に配置されてシートカバー4S(詳細後述)で被覆されている。ここでシートフレーム4F(図示省略)は、典型的に上面視で略矩形の枠体であり、金属や硬質樹脂などの剛性に優れる素材にて形成できる。このシートフレーム4Fの上側には、板状のクッションパンCPが配設されており、このクッションパンCPがシートパッド4Pを下支えしている。
そして本実施例では、シートの意匠性向上の観点などから、図3を参照して、シートカバー4Sに設けられている縫目SEWに玉縁30を取付けておく。そして後述する玉縁30の頭部32によってシートカバー4Sを部分的に盛り上がらせるとともに、この盛り上がった部分(以下、盛り上がった表皮部分4SXと呼ぶ)をシートパッド4Pの左縁(後述のコーナー部16)に配置しておく。この種のシート構成では、後述する玉縁30の脚部34の倒れ方向を一定にすることで、盛り上がったシートカバー部分(4SX)を、縫目SEWの蛇行や折れの発生を回避しつつ、シートパッド4Pの左縁に沿って配置することが望ましい。そこで本実施例では、後述の構成によって、玉縁30によって盛り上がった表皮部分4SXを、玉縁30の脚部34をより安定的に倒した状態で、シートパッド4Pの左縁に沿って配置することとした。以下、各構成について詳述する。
[シートパッド(パッド材)]
シートパッド4Pは、本発明のパッド材に相当する上面視で略矩形の部材であり、乗員を弾性的に支持できる。ここでシートパッド4Pの材質は特に限定しないが、ポリウレタンフォーム(密度:10kg/m3〜60kg/m3)等の発泡樹脂を例示できる。そしてシートパッド4Pの外観を構成する意匠面となるべき部分は、図2〜図4を参照して、天板メイン部4aと、左右の天板サイド部4bと、左右のカマチ部4cに区分けでき、さらに複数の溝部10,12が設けられている。ここで天板メイン部4aと左右の天板サイド部4bは、本発明の着座面に相当する部分であり、シートパッド4Pの上面をなして乗員の着座が可能である。天板メイン部4aは、シート幅方向である左右方向の中央に形成されている略平坦な部位であり、乗員の着座が可能な幅寸法を有して前後方向に延びている。また各天板サイド部4b(詳細後述)は、天板メイン部4aの左方と右方において相対的に上側に突出している部位であり、コーナリング走行時等に乗員の側方を支持することができる。また各カマチ部4cは、それぞれシート幅方向におけるシートクッション4の左右の側面をなす部位である。
[意匠面・他の意匠面・コーナー部]
そして右側の天板サイド部4bは、図4を参照して、上面視で前後方向に長尺な略矩形の部位であり、天板メイン部4aの右側に配置されている。また左側の天板サイド部4bは、右側の天板サイド部4bに比してやや幅狭であるとともに、後部寄りに設けられている矩形の切欠き部13によって、前方領域A1と後方領域A2に分割されている。なお切欠き部13には、図1に示すようにバックルBMなどの部材を配置しておくことができる。そして図4に示す前方領域A1には、図3に示すようにその左縁に沿って一段低い段差部14が連続的に設けられており、この段差部14の底面(好ましくは底面の左端)をなしているコーナー部16が左側のカマチ部4cにつながっている。このコーナー部16は、シートパッド4Pそのもので構成されて弾性的に伸縮可能とされている。そして本実施例においては、左側の天板サイド部4bの前方領域A1が、本発明の「パッド材の意匠面」に相当し、前方領域A1につながっている左側のカマチ部4cが、本発明の「パッド材の他の意匠面」に相当する。
また複数の溝部(左右一対の縦溝部10,横溝部12)は、図4を参照して、それぞれシートパッド4Pの着座面に設けられている線状の凹み部位である。そしてシートパッド4Pには、上面視で概ねHをなすように各溝部10,12が設けられており、前後に延びる縦溝部10が、天板メイン部4aと左右の天板サイド部4bの間にそれぞれ設けられている。また横溝部12が、天板メイン部4aを左右に横断するように設けられており、この横溝部12の左右端が、それぞれ対応する縦溝部10に連通している。これら各溝部10,12の底面側には固定ワイヤW2が配設されており、この固定ワイヤW2に、図2に示すシートカバー4Sの一部(後述する他の縫合部20Aなど)を引込み状に取付けることが可能である。
[表材・弾性材]
ここで各表皮ピースSP1〜SP3等は、図3及び図6を参照して、外部に露出する外面をなす表材4Saと、この表材4Saの裏側に積層されている弾性材4Sbを有している(図3では、便宜上、第二表皮ピースの表材と弾性材にのみ符号を付す)。この種の表材4Saの素材として、例えば布帛(織物,編物,不織布)や皮革(天然皮革,合成皮革)を用いることができ、本実施例では、合成皮革製の表材4Saを用いている。また弾性材4Sbの素材として、ウレタンラミなどの弾性的に伸縮可能な発泡樹脂を用いることができる。そして表材4Saと弾性材4Sbは、例えばフレームラミネーションなどの手法で積層状に一体化することができる。このとき表材4Saは、加熱による収縮(ヒケ)などが原因で硬くなることがあるが、裏側の弾性材4Sbが適度な弾性を有しているため、表材4Saの硬さを弾性材4Sbの弾性力で補完することが可能である。
[縫合部・縫目]
そして隣り合う表皮ピースは、互いの縫い代同士が中表状に重ねられた縫合部で縫合されている。ここで各表皮ピースの縫合手法は概ね同一であるため、以下に、図6に示す第二表皮ピースSP2と第三表皮ピースSP3を一例にその縫合手法を説明する。すなわち第二表皮ピースSP2には、その左縁に沿って形成された左側縫い代22aが設けられており、この左側縫い代22aは、本発明の第一縫い代に相当する。また第三表皮ピースSP3には、その上縁に沿って形成された上側縫い代23が設けられている。そしてこれら表皮ピースを縫合するに際しては、第二表皮ピースSP2と第三表皮ピースSP3の縫い代同士を中表状に重ねて縫合部20を形成し、この縫合部20において縫い代同士を縫合する縫目SEWを形成する。この縫目SEWは、第二表皮ピースSP2と第三表皮ピースSP3の間で前後方向に延びており、後述する玉縁30が共縫いされて取付けられている。
なお本実施例の第二表皮ピースSP2には、その右縁に沿って形成された右側縫い代22bが設けられており、この右側縫い代22bは、本発明の第二縫い代に相当する。そして第二表皮ピースSP2の右側縫い代22bと、第一表皮ピースSP1の右縁に沿って設けられたメイン側縫い代21とによって他の縫合部20Aが形成されている。この他の縫合部20Aには、対応する縫い代同士を縫合する他の縫目SEWAと、吊布26が取付けられている。この吊布26には吊ワイヤW1が挿通されている。そしてシートカバー4Sの被覆作業では、図3に示すように、他の縫合部20Aを、吊布26とともに縦溝部10内に引き込みつつ、この吊布26の吊ワイヤW1を縦溝部10内の固定ワイヤW2にホグリング止めできる。
[玉縁]
玉縁30は、図3に示すように第二表皮ピースSP2の裏側に配置される部材であり、頭部32と脚部34を一体で有している。頭部32は、図3及び図5を参照して、縫目SEWに沿って前後方向に延びている円柱状の部位であり、専ら第二表皮ピースの盛り上げに寄与する部分である。また脚部34は、頭部32から延びている板状の部位であり、図3に示す縫合部20にあてがわれた状態で縫目SEWに共縫いされる部分である。この脚部34は、頭部32に一体化されている根元部34aが相対的に肉厚とされており、根元部34aから末端に至る部分は相対的に薄肉とされている。そして脚部34には、頭部32の軸線32A方向において適宜の間隔をあけて分断部位36が複数設けられている。この分断部位36は、脚部34の下端から上方に延びている側面視で略三角形状の切欠きであり、頂点側が、根元部34aの下端に一致する位置に配置されている。そして玉縁30を適宜の向きに湾曲させる際には、脚部34に生じる周長差を対応する分断部位36で吸収することができる。このため脚部34を適宜の向きに湾曲させながら縫目SEWに沿って配置することが可能となり、玉縁30の使い勝手の向上に資する構成となる。
ここで玉縁30の素材は、ミシン針(図示省略)を刺通し可能な素材であればよく、適度な可撓性を有していることが望ましい。この種の素材として、樹脂やエラストマ(軟質樹脂)やゴムを例示できる。そして樹脂として、塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、シリコン樹脂、ポリアミド樹脂、フッ素樹脂、ポリウレタン樹脂を例示できる。またエラストマとして、シリコン系エラストマ、アクリル系エラストマ、ポリウレタン系エラストマ、ポリエステル系エラストマ、スチレン系エラストマ及びオレフィン系エラストマを例示できる。またゴムとして、アクリルゴム、シリコンゴム及び天然ゴムを例示できる。
そして本実施例では、第二表皮ピースSP2と第三表皮ピースSP3の縫合作業の際に、第二表皮ピースSP2の裏側に玉縁30を取付けることができる。すなわち図3及び図6を参照して、両表皮ピースSP2,SP3を中表状に配置した際に、第二表皮ピースSP2の裏側に玉縁30の脚部34をあてがっておく。そして両表皮ピースの縫い代同士22a,23を玉縁30の脚部34(根元部34a)とともに縫合することで、縫合部20に縫目SEWを形成しつつこの縫目SEWに玉縁30の脚部34を共縫いすることができる。そして第二表皮ピースSP2を、縫目SEWで折返しておくことにより、この第二表皮ピースSP2の折り返し部分の裏側に頭部32を配置することができる。そして後述するシートカバー4Sの被覆時には、第二表皮ピースSP2の折り返し部分が、その裏側に配置する頭部32によって盛り上がった状態となり、盛り上がった表皮部分4SXを構成することとなる。
[規制部材]
規制部材40は、図3を参照して、玉縁30の脚部34の倒れ方向を規制する部材であり、縫合部20に取付けられてその末端Eから突出している。この規制部材40は、適度な可撓性を備えた帯状の面材であり、縫合部20に沿って配置可能である。そして規制部材40は、図6を参照して、加熱により溶融したのち固化する接着部42を有しており、対応する表皮ピースの裏側に接着して固定可能である。ここで規制部材40(本体)の材質として、表材4Saや玉縁30で例示の素材を用いることができ、接着部42として、熱可塑性樹脂や熱固化性樹脂などの有機系の接着成分や、ケイ素系やカルシウム系などの無機系の接着成分を用いることができる。そして本実施例の規制部材40は、ポリウレタン樹脂製の帯材であり、ポリウレタン系のホットメルトタイプの接着部42を有している。そこで図6に示すように、規制部材40の左端部を、縫合部20の第三表皮ピース側に接着して取付けつつ、規制部材40の右側を縫合部20の末端Eから突出させる。そして規制部材40にて、玉縁30の脚部34と縫合部20を第二表皮ピース側に倒しつつ、この規制部材40の右端部を、第二表皮ピースSP2の裏側に接着して固定しておく。こうして規制部材40を、各表皮ピースの適切な位置に接着して固定する(比較的簡便な手法で取付ける)ことにより、玉縁30の脚部34の倒れる方向をより確実に一定にしておくことが可能となる。
[シートカバーによるシートパッドの被覆作業]
図1〜図3を参照して、シートパッド4Pを、シートフレーム4F上に配置してシートカバー4Sで被覆する。このとき図3に示すように第一表皮ピースSP1で天板メイン部4aの前部を覆い、第二表皮ピースSP2で左側の天板サイド部4bを覆い、第三表皮ピースSP3で左側のカマチ部4cを覆う。そして本実施例では、第二表皮ピースSP2の折り返し部分(表皮部分4SX)を、玉縁30の頭部32で盛り上げた状態として、左側の天板サイド部4bの左縁に設けられたコーナー部16に沿って配置する。この種の構成では、盛り上がった表皮部分4SXを、玉縁30の脚部34をより安定的に倒した状態で、シートパッド4Pの天板サイド部4bの左縁に沿って配置することが望ましい。
そこで本実施例では、図3を参照して、玉縁30の脚部34の倒れ方向を規制する規制部材40が、縫合部20の第三表皮ピース側に取付けられて縫合部20の末端Eから突出している。この規制部材40は、コーナー部16に押し当てられた状態とされて縫合部20と玉縁30の脚部34とともに第二表皮ピースSP2に向けて倒れている。そして第二表皮ピースSP2の折り返し部分(表皮部分4SX)が、玉縁30の頭部32にて盛り上がった状態で、コーナー部16上の縫合部20に重なって配置されている。
すなわち本実施例では、第二表皮ピースSP2と第三表皮ピースSP3で、左側の天板サイド部4bとカマチ部4cを被覆しつつ、これらの縫合部20を、天板サイド部4bの左縁に設けた段差部14に配置しておく。このときシートカバー4Sを見栄えよく配置する観点から、各表皮ピースSP2,SP3にはこれらの面方向にテンションがかけられて適度に張った状態となる。これにより縫合部20裏側の規制部材40が、天板サイド部4bの左縁をなすコーナー部16に上方から比較的強く押し付けられた状態となる。そして規制部材40が、コーナー部16の弾性的な反発力によって第二表皮ピース側に倒れるように付勢される。こうして規制部材40を、コーナー部16からの弾性的な反発力をも利用して、脚部34及び縫合部20とともに第二表皮ピース側に向けて倒すことで、玉縁30の脚部34の倒れる方向をより確実に一定にしておくことができる。そして第二表皮ピース側に脚部34を倒しておくことにより、第二表皮ピースSP2の折り返し部分(表皮部分4SX)が、玉縁30の頭部32にて盛り上がった状態で、コーナー部16上の縫合部20に重なって配置されることとなる。
そして図1〜図3を参照して、玉縁30にて盛り上がった表皮部分4SXが、天板サイド部4bの左縁に沿って配置されることにより、この表皮部分4SXにてシートクッション4の左縁が縁取られたような外観を呈することとなる。特に本実施例では、着座面となる天板サイド部4bの左縁前端という比較的目立ちやすい部分を、盛り上がった表皮部分4SXで縁取ることにより、シートの意匠性向上に資する構成となる。さらに規制部材40は、可撓性を備えた面材で構成されて必要以上に肉厚とされていない。このため本実施例では、規制部材40がシートカバー4Sに浮き出る(ハイライトが生じる)といった不具合を好適に回避できる。
以上説明した通り本実施例では、玉縁30にて盛り上がった表皮部分4SXを、コーナー部16上の縫合部20に重ねておくことにより、シートパッド4Pの縁に沿って配置することができる。特に本実施例では、相対的に目立ちやすい天板サイド部4b(着座面)の縁に、玉縁30にて盛り上がった表皮部分4SXが配置されることで、シートの意匠性向上に資する構成となる。そして規制部材40を、コーナー部16からの弾性的な反発力をも利用して、玉縁30の脚部34及び縫合部20とともに第二表皮ピース側に向けて倒しているため、玉縁30の脚部34の倒れる方向をより確実に一定にしておくことができる。また本実施例では、規制部材40を、可撓性を備えた面状の部材で構成しておくことにより、この規制部材40によってシートカバー4Sが盛り上がる(シートカバーに規制部材が浮き出る)といった不具合を極力回避することができる。また規制部材40の両端側を、シートカバー4Sの適切な位置に接着して固定する比較的簡便な構成により、玉縁30の脚部34の倒れる方向をより確実に一定にしておくことが可能となる。また本実施例では、外面をなす合成皮革製の表材4Saによって乗物用シート2が高級感のある外観を呈することとなる。さらに合成皮革製の表材4Saが、加熱による収縮(ヒケ)が原因で硬くなったとしても、その硬さを弾性材4Sbの弾性力で補完することができる。このため本実施例によれば、玉縁30によって盛り上がった表皮部分4SXを、玉縁30の脚部34をより安定的に倒した状態で、シートパッド4Pの縁に沿って配置することができる。
[変形例]
ここで規制部材の固定手法は、上述の接着固定方法のほか、各種の構成を取り得る。例えば図7に示す変形例1の規制部材40Aは、第二表皮ピースSP2を左右に横断可能な幅寸法を有する面材であるとともに、接着部42を有していない点が実施例1と異なっている。そして本変形例では、規制部材40Aの左端部を、縫合部20の縫目SEWに共縫いして取付けつつ、規制部材40Aの右側を縫合部20の末端Eから突出させる。そして規制部材40Aを、第二表皮ピースSP2の裏側にあてがうように配置しながら、規制部材40Aの右端部を右側縫い代22b側(他の縫合部20Aの左右のいずれか)に共縫いして固定しておく。こうして本変形例では、規制部材40Aの両端側を、シートカバー4Sの対応する縫い代22a,22bに縫合して比較的強固に取付けることにより、玉縁30の脚部34の倒れる方向をより確実に一定にしておくことが可能となる。そして他の縫合部20Aは、吊布26の吊ワイヤW1を介して、縦溝部10内の固定ワイヤW2にホグリング止めされている。このため規制部材40Aが左方に引っ張られたとしても、規制部材40Aの右端部が他の縫合部20でしっかりと位置固定されているため、規制部材40Aを元の適切な位置に戻すことができる。
[実施例2]
実施例2の乗物用シート2Aでは、実施例1の乗物用シートとほぼ同一の基本構成を備える構成については、対応する符号を付す等して詳細な説明を省略する。この実施例2の乗物用シート2Aは、図8に示す背凭れとなるシートバック6Aが、玉縁30にて盛り上がった表皮部分6SXを有している点が実施例1の乗物用シートと異なっている。このシートバック6Aの外形形状及び基本構成は、実施例1の図1に示すシートバック6と概ね同一である。そしてシートバック6Aのシートパッド(図示省略)には、意匠面となる天板サイド部6b及び上面部6d及び後面部6eと、他の意匠面となる左側のカマチ部6cとが設けられている。そして天板サイド部6bと上面部6dと後面部6eに、これらの左縁をなすコーナー部16Aが概ね逆U字をなすように連続して設けられ、さらにコーナー部16Aがカマチ部6cにつながっている。このコーナー部16Aは、図9を参照して、上面部6d等の左縁をなす凸曲面状の部分であり、隣接している左側のカマチ部6cにつながっている。
またシートカバー6Sは、図8及び図9を参照して、天板サイド部6bと上面部6dとを覆う第一の表皮ピースSPAと、カマチ部6cを覆う第二の表皮ピースSPBと、後面部6eを覆う第三の表皮ピースSPCと、玉縁30及び規制部材40を有している。そして本実施例では、第一の表皮ピースSPAと第三の表皮ピースSPCが本発明の「一方の表皮」に相当し、第二の表皮ピースSPBが本発明の「他方の表皮」に相当する。ここで第一の表皮ピースSPAと第三の表皮ピースSPCは概ね同一の基本構成を有するため、第一の表皮ピースSPAと第二の表皮ピースSPBを一例にこれらの詳細を説明する。
第一の表皮ピースSPAと第二の表皮ピースSPBは、図9を参照して、実施例1と同一の手法で縫合されており、縫い代同士を中表状に重ねた縫合部21と、縫い代同士を縫合する縫目SEWとを有している。さらに第一の表皮ピースSPAの裏側に玉縁30が配置されている。すなわち縫目SEWで折返されている第二表皮ピースSP2の裏側に玉縁30の頭部32が配置され、縫合部21の第一の表皮ピースSPA側に玉縁30の脚部34が共縫いされている。また規制部材40は、実施例1の規制部材と同一の構成を有している。そして規制部材40の下端部は、縫合部21の第二の表皮ピースSPB側に接着して取付けられ、規制部材40の上側は縫合部21の末端Eから突出している。
そして本実施例では、図8に示すように天板サイド部6b及び上面部6d及び後面部6eの左縁に、玉縁30にて盛り上がった表皮部分6SXが逆U字をなすように配置されている。例えば図9を参照して、第一の表皮ピースSPAと第二の表皮ピースSPBとは、それぞれ上面部6dと左側のカマチ部6cを被覆している。そして第一の表皮ピースSPAと第二の表皮ピースSPBの縫い代を重ねた縫合部21が、上面部6dの左端をなすコーナー部16Aに配置されている。このときシートカバー6Sを見栄えよく配置する観点から、各表皮ピースSPA,SPCにはこれらの面方向にテンションがかけられて適度に張った状態となる。これにより縫合部21裏側の規制部材40が、上面部6dの左縁をなすコーナー部16Aに比較的強く押し付けられた状態となる。そして規制部材40が、コーナー部16Aの弾性的な反発力によって第一の表皮ピースSPA側に倒れるように付勢される。こうして規制部材40を、コーナー部16Aからの弾性的な反発力をも利用して、脚部34及び縫合部21とともに第一の表皮ピースSPA側に向けて倒すことで、玉縁30の脚部34の倒れる方向をより確実に一定にしておくことができる。そして第一の表皮ピースSPA側に脚部34を倒しておくことにより、第一の表皮ピースSPAの折り返し部分(表皮部分6SX)が、玉縁30の頭部32にて盛り上がった状態で、コーナー部16A上の縫合部21に重なって配置されることとなる。このため本実施例においても、玉縁30によって盛り上がった表皮部分6SXを、玉縁30の脚部34をより安定的に倒した状態で、シートパッド4Pの縁に沿って配置することができる。
[変形例2]
ここで「玉縁にて盛り上がった表皮部分」の配置位置は、上述の位置のほか、シートバック等の適宜の位置に設定することができる。例えば図10及び図11に示す変形例2の乗物用シート2Bは、シートクッション4Bと、シートバック6Bと、ヘッドレスト8Bを有し、これら各シート構成部材は、実施例1又は2の対応する部材と概ね同一の基本構成を有している。ここでシートバック6Bでは、意匠性向上の観点などから、左右の天板サイド部が上下に分けられている。そして天板サイド部の上部6bbの下端は、右から左に向かうにつれて次第に上方に傾斜しており、天板サイド部の下部6baの上部につながっている。そして本変形例では、玉縁30にて盛り上がった表皮部分6SXが、シートバック6の天板サイド部(6ba,6bb)を左右に横切りつつ、さらに上面部6dの左端と後端に渡って配置されている点が実施例2と異なっている。
すなわち本変形例では、図11を参照して、シートバック6Aのシートパッド(図示省略)に、意匠面となる天板サイド部の上部6bb及び上面部6dと、他の意匠面となる天板サイド部の下部6ba及び後面部6e及び左側のカマチ部6cとが設けられている。そして天板サイド部の上部6bbの下縁と、上面部6dの左縁及び後縁とに、コーナー部16Bが連続して設けられている。このコーナー部16Aは、図9に示す実施例2のコーナー部16Aと概ね同一の基本構成を有している。
またシートカバー6Sは、図10及び図11を参照して、天板サイド部の上部6bbと上面部6dとを覆う第一の表皮ピースSPaを有している。この第一の表皮ピースSPaは、天板サイド部の下部6baを覆う表皮ピースSPと、カマチ部6cを覆う第二の表皮ピースSPbと、後面部6eを覆う第三の表皮ピースSPcに隣接している。そして第一の表皮ピースSPaが本発明の「一方の表皮」に相当し、その他の表皮ピースSPb,SPc,SPが本発明の「他方の表皮」に相当する。さらに本変形例における玉縁30にて盛り上がった表皮部分6SXの構成(縫合部,縫目,玉縁,規制部材)は、実施例2の対応する構成と略同一である。そして本実施例では、玉縁30にて盛り上がった表皮部分6SXが、着座面側の天板サイド部(6ba,6bb)を左右に横切りつつ、さらに上面部6dの左端と後端に渡って配置されている。このため玉縁30にて盛り上がった表皮部分6SXによって、天板サイド部の分割構成を強調でき、乗物用シート2Bの意匠性を更に向上させることができる。
本実施形態の内装品は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その他各種の実施形態を取り得る。本実施形態では、玉縁30と規制部材40の構成(形状,寸法,構成部位など)を例示したが、これら各部材の構成を限定する趣旨ではない。例えば玉縁の頭部は、円柱状のほか、角柱状(板状等を含む)などの各種の形状を取り得る。また玉縁の脚部も、縫合部にあてがい可能な各種の形状を取り得る。また規制部材は、縫合部に縫合や接着や融着で取付ける場合のほか、ステープルやクリップなどで取付けることができる。また規制部材の突出側の端部は、対応する表皮の適宜の位置に適宜の手法で取付けておくことができ、倒れた状態を維持できるならば表皮に取付けない状態としておくこともできる。そして規制部材は、適度な可撓性を有しているならば、樹脂製のシート材やマット材で構成することもできる。
また本実施形態では、パッド材としてのシートパッドと、表皮としての表皮ピースの構成(形状,寸法など)を例示したが、これら各部材の構成を限定する趣旨ではない。例えばパッド材の意匠面と他の意匠面を、乗物用シート(内装品)の着座面の適宜の位置に設定することができ、着座面とは異なる面に設定することもできる。またパッド材は、シートパッドのように乗物用シートの外形全体を構成することもでき、内装品の外形の一部を構成することもできる。またコーナー部は、実施例1の段差状(屈曲状)や、実施例2の湾曲形状のほか、公知技術の庇状に突出した形状などの各種形状を取り得る。そして表皮の構成も、パッド材の構成に応じて適宜変更可能である。
また本実施形態では、内装品として乗物用シート2等を例示したが、乗物用シートの構成は適宜変更可能である。例えば本実施例では、乗物室内の三列目に配置される一人用の乗物用シートを例示したが、乗物用シートは、一列目や二列目に配置されていてもよく、一人用でも複数人用でもよい。本実施例の構成は、乗物室内に配置される乗物用の内装品や家屋内に配置される内装品(例えば家庭用の内装品)に好適に用いることができる。そして用いるべき内装品の種類に応じて、表皮やパッド材の構成を適宜変更できる。なお乗物用の内装品として、車両や航空機や電車などの乗物に搭載される内装品を想定でき、乗物用シートのほか、ドアトリムなどの内装トリムやインストルメントパネルや天井部やコンソールなどの各種部材を例示できる。また乗物用シートにおいては、シートクッションやシートバックのほか、ヘッドレストやアームレスト等の各種シート構成部材に本実施形態の構成を適用できる。なお各実施例と各変形例の構成は、可能ならば適宜組合わせて用いることができる。
2 乗物用シート
4 シートクッション
6 シートバック
8 ヘッドレスト
4F シートフレーム
4P シートパッド(本発明のパッド材)
4a 天板メイン部(本発明の着座面)
4b 天板サイド部(本発明の着座面)
A1 天板サイド部の前方領域(本発明の意匠面)
A2 天板サイド部の後方領域
4c カマチ部(本発明の他の意匠面)
4S シートカバー
4SX 玉縁で盛り上がった表皮部分(本発明の縫目で折返された表皮部分)
SP1 第一表皮ピース
SP2 第二表皮ピース(本発明の一方の表皮)
SP3 第三表皮ピース(本発明の他方の表皮)
4Sa 表材
4Sb 弾性材
14 段差部
16 コーナー部
20 縫合部
21 メイン側縫い代
22a 左側縫い代
22b 右側縫い代
23 上側縫い代
26 吊布
30 玉縁
32 頭部
34 脚部
34a 根元部
36 分断部位
40 規制部材
42 接着部
E 縫合部の末端
SEW 縫目
W1 吊ワイヤ
W2 固定ワイヤ

Claims (7)

  1. 弾性的に伸縮可能なパッド材と、前記パッド材を被覆する一対の表皮と、前記一対の表皮の縫い代同士が中表状に重ねられた縫合部と、前記縫合部で前記縫い代同士を縫合している縫目と、前記一対の表皮のいずれか一方の表皮の裏側に配置された玉縁とを備え、
    前記玉縁は、前記縫目に沿って延びる柱状の頭部と、前記頭部に一体化された板状の脚部とを有し、前記一方の表皮の前記縫目で折返された表皮部分に前記頭部を配置した状態で、前記縫合部の一方の表皮側にあてがわれた前記脚部が前記縫目に共縫いされ、
    前記パッド材は、内装品の外形の少なくとも一部をなしているとともに、前記一方の表皮にて被覆されている意匠面と、前記一方とは異なる他方の表皮にて被覆されている他の意匠面と、前記意匠面の縁をなして前記他の意匠面につながっているコーナー部とを有している内装品において、
    前記玉縁の脚部の倒れ方向を規制する規制部材が、前記縫合部の他方の表皮側に取付けられて前記縫合部の末端から突出しており、
    前記規制部材が、前記コーナー部に押し当てられた状態で、前記縫合部に共縫いされた前記玉縁の脚部とともに前記一方の表皮に向けて倒れていることにより、前記一方の表皮の前記縫目で折返された表皮部分が、前記玉縁の頭部にて盛り上がった状態で、前記コーナー部上の前記縫合部に重なって配置されている内装品。
  2. 前記規制部材が、可撓性を備えた面状の部材であって、前記縫合部の他方の表皮側にあてがわれて固定されている請求項1に記載の内装品。
  3. 前記規制部材が、前記縫合部の他方の表皮側に接着されて固定されているとともに、前記縫合部から突出している前記規制部材の端部が前記一方の表皮の裏側に接着されて固定されている請求項2に記載の内装品。
  4. 前記一方の表皮が、前記他方の表皮に縫合される第一縫い代と、前記第一縫い代とは反対側に設けられて別の表皮に縫合される第二縫い代とを有し、
    前記規制部材が、前記縫合部の他方の表皮側に縫合されて固定されているとともに、前記縫合部から突出している前記規制部材の端部が、前記第二縫い代側に縫合されて固定されている請求項2に記載の内装品。
  5. 前記内装品は、乗物室内に設置される乗物用シートである請求項1〜4のいずれか一項に記載の内装品。
  6. 前記パッド材の意匠面は、前記乗物用シートの乗員の着座が可能な着座面である請求項5に記載の内装品。
  7. 前記一対の表皮は、各々、前記内装品の外面をなす合成皮革製の表材と、弾性的に伸縮可能な弾性材とを積層した状態で有している請求項1〜6のいずれか一項に記載の内装品。
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