JP7070227B2 - 乗物用シート - Google Patents

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Description

本発明は、シート外形をなすシートパッドと、シートパッドを被覆するシートカバーとを備え、シートカバーをなす表皮ピースの縫合部(縫い代)が、シートパッドの線状の溝部内に配置され且つ部分的に係止されている乗物用シートに関する。
この種の乗物用シートとして、シート外形をなすモールドパッドと、モールドパッドを被覆するシートカバーとを備えた自動車用シートが公知である(特許文献1を参照)。モールドパッドは、本発明のシートパッドに相当する平面視で略矩形の部材であり、概ね直線的に延びる溝部が右側と左側にそれぞれ設けられている。これら各溝部は、モールドパッドの着座面に形成された線状の凹み箇所であり、各溝部の内部には、インサートワイヤが配設されている。このインサートワイヤは、本発明の係止部に相当するワイヤ材であり、各溝部に沿うようにモールドパッドに一体化されている。そしてインサートワイヤの一部は、溝部の底側から露出した状態となっており、この露出したインサートワイヤの一部が、シートカバーの一部を係止可能な位置に配置されている。
またシートカバーは、複数のカバー材を縫合することで形成されており、各カバー材は、本発明の表皮ピースに相当する。このシートカバーの裏側には、隣り合うカバー材同士の縫合箇所となる縫合部が設けられている。この縫合部では、隣り合うカバー材の縫い代同士が重なった状態でシートカバーの裏側に突出して配置され、さらに一方の縫い代側には、ワイヤ材を保持した吊り布(本発明の被係止部に相当)が取付けられている。そして公知技術では、モールドパッドの着座面をシートカバーで被覆しつつ、シートカバーの裏側に突出している縫合部を溝部内に収容しておく。このとき吊り布のワイヤ材を、溝部から部分的に露出しているインサートワイヤにホグリング止めすることにより、縫合部を溝部内に安定的に配置しておくことができる。
実開昭63-196300号公報
ところで上述のシート構成では、モールドパッド(シートパッド)の厚み寸法などの関係から、インサートワイヤを溝部に配設できない箇所が生じることがある。そしてインサートワイヤのない溝部部分を考慮して、縫合部の一部から吊り布及びワイヤ材(被係止部)を省略するのであるが、この種の構成では、被係止部を省略した縫合部部分が原因となってシートカバーの見栄えが悪化することがあった。例えば公知技術の構成では、被係止部を省略した縫合部部分にインサートワイヤとの係止力が働かないため、この縫合部部分が溝部内から浮き上がることがある。そして浮き上がりの起点となるシートカバー部分に皺が生じるなどして、シートカバーの意匠性が悪化するおそれがあった。またモールドパッドに対するシートカバーの被覆作業の際には、このシートカバーを湾曲させたり屈曲させたりしながらモールドパッドに被せていく。このとき被係止部を省略した縫合部部分の剛性が相対的に低いことから、この縫合部部分にてシートカバーに皺(折れ癖)が生じるおそれがあった。本発明は上述の点に鑑みて創案されたものであり、本発明が解決しようとする課題は、被係止部が取付けられていない縫合部部分を設けた場合においても、シートカバーをより見栄え良くシートパッド上に配置しておくことにある。
上記課題を解決するための手段として、第1発明の乗物用シートは、シート外形をなすシートパッドと、シートパッドに設けられた線状の溝部と、シートパッドを被覆しているシートカバーとを備えている。そしてシートカバーは、複数の表皮ピースで形成されているとともに、隣り合う表皮ピース同士の縫合箇所となる縫合部が設けられ、縫合部では、隣り合う表皮ピースの縫い代同士が重なった状態でシートカバーの裏側に突出して配置されている。また溝部には、縫合部が収容されているとともに、縫合部に取付けられた被係止部を係止する係止部が部分的に設けられている。この種の構成では、係止部の配置位置を考慮して、被係止部が取付けられていない縫合部部分を設けるのであるが、このような場合でもシートカバーをより見栄え良くシートパッド上に配置できることが望ましい。
すなわち本発明のシートカバーには、縫合部として、被係止部が取付けられ且つ溝部内の配置位置が維持されている第一縫合部と、被係止部が取付けられていない第二縫合部が隣接して設けられている。そこで本発明では、補強部材が、第二縫合部に沿って取付けられているとともに、補強部材は、第一縫合部と第二縫合部の交点を跨いで配置されている。本発明のシートカバーでは、係止部に対する係止力が相対的に弱い第二縫合部に補強部材が取付けられている。そして補強部材によって、第二縫合部の過度の剛性低下を極力阻止することができ、さらに溝部に対する第二縫合部の過度の浮き上がり(浮き上がり方向への撓み変形)を極力回避することが可能となる。このとき補強部材を、第一縫合部と第二縫合部の交点を跨ぐように配置することで、第一縫合部から第二縫合部にかけての縫合部部分の意匠性をより適切に向上させることが可能となる。なお第一縫合部は、被係止部と係止部の係止力によって、対応する溝部内の配置位置が比較的安定的に維持されている箇所であり、上述の係止力が及ぶ縫合部部分(被係止部の配置箇所及びその周囲)のことである。
また第1発明の乗物用シートは、溝部は、所定の幅寸法を持って線状に形成されている。そして補強部材には、第一縫合部に取付けられている被係止部に溝部の幅方向から重複している重複部位が設けられている。本発明では、補強部材の重複部位を第一縫合部の被係止部に重複させたことで、第二縫合部を、第一縫合部に倣った状態で溝部内に配置しておくことができる。
また第1発明の乗物用シートは、第一縫合部では、被係止部が取付けられている第一縫い代と、第二縫い代とが重なった状態で配置されているとともに、重複部位は、第二縫い代側に重複して配置されている。本発明では、第一縫い代は、被係止部と係止部の係止力によって溝部の奥行方向に起立した状態を維持することができる。さらに本発明では、第二縫い代側に補強部材の重複部位を重複して配置することで、この重複部位にて、第二縫い代の起立状態をより安定的に維持することができる。
第2発明の乗物用シートは、第1発明の乗物用シートにおいて、溝部は、所定の幅寸法を持って線状に形成されている。そして補強部材は、シートカバーに比して溝部から抜け出る方向に撓みにくくされているとともに、溝部から抜け出る方向に比して溝部の幅方向に撓みやすくされている。本発明では、補強部材が、シートカバーに比して溝部から抜け出る方向に撓みにくくされているため、溝部に対する第二縫合部の過度の浮き上がりをより確実に回避することが可能となる。さらに補強部材を、溝部の幅方向に相対的に撓みやすくしたことで、シートカバーの変形(伸縮など)に補強部材をスムーズに追従させることが可能となり、シートカバーの意匠性向上に資する構成となる。
第3発明の乗物用シートは、第2発明の乗物用シートにおいて、溝部の幅寸法と同方向の寸法を補強部材の幅寸法とし、溝部の奥行方向と同方向の寸法を補強部材の縦寸法とした場合、補強部材の縦寸法は、補強部材の幅寸法よりも大きくなっている。本発明では、補強部材の縦寸法を幅寸法よりも大きくしておくことにより、補強部材の撓み度合を、より確実に調節することができる。
本発明に係る第1発明によれば、被係止部が取付けられていない縫合部部分を設けた場合においても、シートカバーをより見栄え良くシートパッド上に配置しておくことができる。また第1発明によれば、シートカバーをより確実に見栄え良くシートパッド上に配置しておくことができる。そして第1発明によれば、シートカバーを更に確実に見栄え良くシートパッド上に配置しておくことができる。また第2発明によれば、シートカバーを更に見栄え良くシートパッド上に配置しておくことができる。また第3発明によれば、シートカバーをより確実に更に見栄えよく見栄え良くシートパッド上に配置しておくことができる。

乗物用シートの斜視図である。 バックパッドの正面図である。 図2のIII-III線断面である。 バックカバーの正面図である。 バックカバーの裏面図である。 バックカバーの表皮ピースの展開図である。 バックカバー裏側の拡大斜視図である。 バックカバー裏側の拡大裏面図である。 補強部材の斜視図である。 バックカバー被覆作業時のシートバックの概略断面図である。 実施例2の乗物用シートの斜視図である。 実施例2のクッションパッドの正面図である。 図12のXIII-XIII線断面である。 実施例2のクッションカバーの正面図である。 実施例2のクッションカバーの表皮ピースの展開図である。 実施例2のバックカバー一部の拡大裏面図である。 図16のXVII-XVII線断面である。 図16のXVIII-XVIII線断面である。 実施例2のシートクッション一部の断面図である。 変形例1の補強部材の斜視図である。 変形例2の補強部材の斜視図である。 変形例3の補強部材の斜視図である。 変形例4の補強部材を示すシートカバーの斜視図である。 変形例5の補強部材を示すシートカバーの斜視図である。
以下、本発明を実施するための形態を、図1~図24を参照して説明する。各図には、便宜上、乗物用シートの前後方向と左右方向と上下方向を示す矢線を適宜図示する。また図2~図9、図12~図18及び図20~図24では、図示された部材が乗物用シートに配設されている状態を基準として、当該部材の前後方向と左右方向と上下方向を示す矢線を適宜図示する。図6及び図15では、補強部材を配置すべき位置に補強部材を示す符号を付している。
[実施例1(シートバックの例)]
図1に示す実施例1の乗物用シート2は、シートクッション4と、シートバック6と、ヘッドレスト8を有し、シートバック6に本発明の構成が適用されている。このシートバック6は、背凭れをなす正面視で略矩形の部材であり、基本構成として、骨格をなすバックフレーム6Fと、本発明のシートパッドに相当するバックパッド6Pと、本発明のシートカバーに相当するバックカバー6Sとを有している(各部材の詳細は後述)。そしてシートバック6の下部は、シートクッション4の後部に起倒可能に配設されており、起立状態のシートバック6の上部にはヘッドレスト8が配設されている。
シートバック6は、図2~図5を参照して、上述の基本構成に関連する構成として、複数の溝部10~14と、複数の係止部20と、複数の縫合部30~36と、複数の被係止部40と、一対の補強部材50,51とを有している(各構成の詳細は後述)。そしてシートバック6では、後述するバックカバー6Sでバックパッド6Pが被覆され、バックカバー6Sの各縫合部30~36が、バックパッド6Pの対応する溝部10~14に収容される。このとき図2及び図5を参照して、特定の溝部(10,12,14)に設けられている係止部20に、特定の縫合部30~34に設けられている被係止部40が係止される。そして本実施例のバックパッド6Pでは、厚み寸法の関係等から係止部20が配設されていない溝部部分(11,13)が生じている。このためバックカバー6Sでは、係止部20の配置位置を考慮して、被係止部40が取付けられていない縫合部部分(35,36)を設けるのであるが、そうすることでバックカバー6Sの見栄えが悪化することは極力回避すべきである。そこで本実施例では、後述する各補強部材50,51にて、被係止部40が取付けられていない縫合部部分(35,36)を設けた場合においても、バックカバー6Sをより見栄え良くバックパッド6P上に配置しておくこととした。以下、各構成について詳述する。
[バックパッド(シートパッド)]
図1に示すシートバック6では、バックフレーム6F(図示省略)上にバックパッド6Pを配置しておくことができる。ここでバックフレーム6Fは、典型的に正面視で略矩形又はアーチ状の枠体であり、金属や硬質樹脂などの剛性に優れる素材にて形成できる。またバックパッド6Pは、図2に示すようにシートバック6の外形形状(シート外形)をなしている部材であり、ポリウレタンフォーム(密度:10kg/m3~60kg/m3)などの発泡樹脂で形成できる。このバックパッド6Pの着座面となる前面には、上天板メイン部6aと、左右一対の上天板サイド部6bと、後述する複数の溝部10~14とが設けられている。上天板メイン部6aは、シート幅方向におけるシートバック6の中央部分であり、適度な幅寸法でシート上下方向に延びている。また上天板メイン部6aの右側(左側)には、上天板メイン部6aよりも前方に突出する上天板サイド部6bがそれぞれ設けられている。
[溝部]
また図2に示すバックパッド6Pの着座面には、複数の溝部(第一右縦溝部10,第二右縦溝部11,第一左縦溝部12,第二左縦溝部13,横溝部14)が設けられ、さらに特定の溝部には、後述する係止部20が配設されている。ここで各溝部10~14は、それぞれバックパッド6Pに設けられた線状の凹み箇所である。各溝部10~13は、後述するバックカバー6Sの対応する一部を引込み状に収容可能な所定の幅寸法(図2の左右方向の寸法)を有し、横溝部14も、バックカバー6Sの対応する一部を引込み状に収容可能な所定の幅寸法(図2の上下方向の寸法)を有している。
そして図2に示す第一右縦溝部10は、上天板メイン部6aと右側の上天板サイド部6bの間に設けられて上下方向に延長している溝部である。また第二右縦溝部11は、上天板メイン部6aの下部右側に設けられて上下方向に延びている溝部であり、第二右縦溝部11の上部側は、右方に湾曲したのちに第一右縦溝部10の途中に連通している。また第一左縦溝部12と第二左縦溝部13は、対応する右縦溝部と左右対称となるように設けられている溝部である。第一左縦溝部12は、上天板メイン部6aと左側の上天板サイド部6bの間に設けられて上下方向に延長している溝部である。また第二左縦溝部13は、上天板メイン部6aの下部左側に設けられて上下方向に延びている溝部であり、第二左縦溝部13の上部側は、左方に湾曲したのちに第一左縦溝部12の途中に連通している。また横溝部14は、上天板メイン部6aの上下方向の概ね中央で左右に延びており、上方に凸の曲線形状をなしている。この横溝部14の右端は、第二右縦溝部11の上部に連通しているとともに、横溝部14の左端は、第二左縦溝部13の上部に連通している。そして本実施例のバックパッド6Pは、図3を参照して、第二右縦溝部11の上部において相対的に厚み寸法が小さくされて薄肉化されている。また図2に示す第二左縦溝部13の上部においても、同様にバックパッド6Pが相対的に薄肉化されている。
[係止部]
図2及び図10に示す係止部20は、後述するバックカバー6Sの被係止部40を係止可能な部材である(各図では、便宜上、各係止部に共通の符号20を付す)。そして本実施例では、図2を参照して、薄肉化された第二右縦溝部11と第二左縦溝部13には係止部20が配設されておらず、適度な厚み寸法が確保されている他の溝部に係止部20が配設されている。すなわち第一右縦溝部10には、第二右縦溝部11との境の上方と下方とに一対の係止部20がそれぞれ配設されており、一対の係止部20は、上下に適宜の間隔をあけて配置されている。また第一左縦溝部12にも、第一右縦溝部10と左右対称となるように複数の係止部20が配設されている。また横溝部14にも、三対の係止部20が配設されており、これら三対の係止部20は、左右方向に概ね等間隔で配置されている。ここで各係止部20は、概ね同一の基本構成を有しており、インサート成形などの手法でバックパッド6Pに一体化しておくことができる。そして各係止部20は、各溝部の底部に埋設されている正面視で略矩形の板材(符号省略)と、この板材から前方に突出する爪部(符号省略)とを有し、この爪部に、後述する被係止部40のワイヤ材42を係止可能である。
[バックカバー(シートカバー)]
図1、図4~図6に示すバックカバー6Sは、シートバック6の意匠面を構成する面材であり、複数の縫合部30~36と、複数の被係止部40と、一対の補強部材50,51を有している。このバックカバー6Sは、複数の表皮ピースS1~S6等を袋状に縫合することで形成されており、後述するようにバックパッド6Pに被せることが可能である(図1では、便宜上、一部の表皮ピースに特定の符号を付し、その他の表皮ピースはその図示を省略したり符号を省略したりしている)。
そしてバックカバー6Sの着座面は、図4及び図6を参照して、複数のメイン表皮ピースS1~S4と、上側右サイド表皮ピースS5と、上側左サイド表皮ピースS6とに大別できる。ここで各表皮ピースS1~S6の素材として、シートの意匠面を構成可能な各種の面材を用いることができ、例えば布帛(織物,編物,不織布)や皮革(天然皮革,合成皮革)を適宜選択して用いることができる。なお各表皮ピースS1~S6の裏側には、ウレタンラミなどのパッド材や、不織布などの裏基布を一体化することも可能である。そして上側右サイド表皮ピースS5は、右側の上天板サイド部6bを被覆する表皮ピースであり、上側左サイド表皮ピースS6は、左側の上天板サイド部6bを被覆する表皮ピースである。これら上側右サイド表皮ピースS5と上側左サイド表皮ピースS6は、概ね左右対称形状を有するとともに、それぞれ正面視で上下に長尺な略矩形をなしている。
また図4及び図6の各メイン表皮ピース(上メイン表皮ピースS1,下メイン表皮ピースS2,右メイン表皮ピースS3,左メイン表皮ピースS4)は、上天板メイン部6aを被覆する表皮ピースである。上メイン表皮ピースS1は、上天板メイン部6aの上部を覆う正面視で概ね矩形の表皮ピースであり、その下縁は上に凸の曲線形状をなしている。そして上メイン表皮ピースS1の下部は、左右方向に次第に引き締められた状態となっており、下方に向かうにつれて次第に幅寸法が小さくされている。なお上メイン表皮ピースS1の上端には、正面視で概ね矩形の上端表皮ピースSaが縫合されており、この上端表皮ピースSaは、バックパッド上面を覆うことができる。また下メイン表皮ピースS2は、上天板メイン部6aの下部を覆う正面視で上下に長尺な矩形の表皮ピースであり、その上縁は、上に凸の曲線形状をなして上メイン表皮ピースS1の下端に縫合されている。そして下メイン表皮ピースS2の上部は、末広がり状とされて上方に向かうにつれて次第に左右方向に張り出している。なお下メイン表皮ピースS2の下端には、正面視で概ね矩形状の下端表皮ピースSbが縫合されている。
また図4及び図6を参照して、上メイン表皮ピースS1(下部側)及び下メイン表皮ピースS2の右側には右メイン表皮ピースS3が縫合されている。また上メイン表皮ピースS1(下部側)及び下メイン表皮ピースS2の左側には左メイン表皮ピースS4が縫合されている。これら右メイン表皮ピースS3と左メイン表皮ピースS4は、中央の各メイン表皮ピースS1,S2を挟んで概ね左右対称となるように配置されている。そして右メイン表皮ピースS3は、上天板メイン部6aの下部右側を覆う上下に細長い略矩形状の表皮ピースである。この右メイン表皮ピースS3の上部左縁は、中央の各メイン表皮ピースS1,S2の左縁形状に倣って上方に向かうにつれて次第に右側に向けて湾曲している。また左メイン表皮ピースS4は、上天板メイン部6aの下部左側を覆う上下に細長い略矩形状の表皮ピースである。この左メイン表皮ピースS4の上部右縁も、中央の各メイン表皮ピースS1,S2の右縁形状に倣って上方に向かうにつれて次第に左側に向けて湾曲している。
[縫合部]
そしてバックカバー6Sには、図5を参照して、隣り合う表皮ピース同士の縫合箇所となる複数の縫合部30~36が形成されている。これら各縫合部30~36では、隣り合う表皮ピースの縫い代同士が重なった状態でバックカバー6Sの裏側に突出して配置されている(図5では、便宜上、特定の縫い代に特定の符号MA,MBを付し、その他の縫い代には共通の符号Mを付す)。ここで隣り合う表皮ピースの縫い代同士は、根元側がインステッチSTで縫合された状態で、対応する溝部に沿うように適宜の向きに延長している。そしてバックカバー6Sには、対応する溝部10~14との関係から、二種類の縫合部(複数の第一縫合部30~34,左右一対の第二縫合部35,36)が設けられている。
[第一縫合部]
図5に示す複数の第一縫合部30~34は、後述する被係止部40が取付けられている縫合部であり、対応する溝部内の配置位置が維持されている箇所である。すなわち各第一縫合部30~34は、後述する被係止部40と係止部20の係止力によって、対応する溝部内の配置位置が比較的安定的に維持されている箇所であり、上述の係止力が及ぶ縫合部部分(被係止部の配置箇所及びその周囲)のことである。例えばバックカバー6Sの着座面側には、横第一縫合部30と、左側の複数の第一縫合部31,32と、右側の複数の第一縫合部33,34が設けられている。横第一縫合部30は、上メイン表皮ピースS1と下メイン表皮ピースS2の縫合箇所であり、両メイン表皮ピースの縫い代M同士が上下に重なった状態で配置されている。そして横第一縫合部30は、上方に凸の曲線形状を有して左右方向に延びており、図2の横溝部14内に配置することができる。また図5に示す右側の複数の第一縫合部31,32と、左側の複数の第一縫合部33,34とは、横第一縫合部30を挟んで左右対称となるように配置されている。これら各第一縫合部31,32(33,34)は、概ね同一の基本構成を有しているため、以下に、右側の複数の第一縫合部31,32を一例にその詳細を説明する。
図5に示す右側の複数の第一縫合部(右上第一縫合部31,右下第一縫合部32)は、バックカバー6Sの右側に配置された縫合部である。右上第一縫合部31は、上メイン表皮ピースS1と上側右サイド表皮ピースS5の縫合箇所である。この右上第一縫合部31では、両メイン表皮ピースS1,S5の縫い代Mが左右から重なった状態で配置されており、各縫い代Mは、概ね直線的に上下方向に延びている。また右下第一縫合部32は、右メイン表皮ピースS3と上側右サイド表皮ピースS5の縫合箇所である。この右下第一縫合部32では、両メイン表皮ピースS3,S5の縫い代Mが左右から重なった状態で配置されており、各縫い代Mは、概ね直線的に上下方向に延びている。そして図2及び図5を参照して、右上第一縫合部31は、第一右縦溝部10内の上部側に配置することができ、右下第一縫合部32は、第一右縦溝部10内の下部側に配置することができる。また図5に示す左側の複数の第一縫合部(左上第一縫合部33、左下第一縫合部34)は、バックカバー6Sの左側に配置された縫合部である。左上第一縫合部33は、上メイン表皮ピースS1と上側左サイド表皮ピースS6の縫合箇所であり、左下第一縫合部34は、左メイン表皮ピースS4と上側左サイド表皮ピースS6の縫合箇所である。そして図2及び図5を参照して、左上第一縫合部33は、第一左縦溝部12内の上部側に配置することができ、左下第一縫合部34は、第一左縦溝部12内の下部側に配置することができる。
[被係止部]
そして図5に示す各第一縫合部30~34には、それぞれ被係止部40が取付けられており、各被係止部40は、図2に示すバックパッド6Pの対応する係止部20に係止可能な位置に配置されている(図5では、便宜上、各被係止部に共通の符号40を付す)。ここで図5に示す各被係止部40は、概ね同一の基本構成を備えており、図8を参照して、帯状の保持部41と、この保持部41に保持されているワイヤ材42とを有している(図5では、便宜上、ワイヤ材の図示を省略している)。保持部41は、ワイヤ材42を挿通して保持する部位であり、対応する第一縫合部に沿うように縫付けられて取付けられている。なお保持部41は、可撓性を備えた面材を概ねU字状に折り返すことで形成でき、この種の面材として、バックカバー6Sで例示の素材を用いることができる。そして保持部41の筒状に湾曲した端部がバックカバー6Sの裏側に突出し、この筒状の端部には、各係止部20に対応する位置に窓部41aが複数設けられている。またワイヤ材42は、保持部41に挿通されて保持されており、ワイヤ材42の一部が保持部41の各窓部41aから外部に露出している。そして本実施例では、右上第一縫合部31の被係止部40と、右下第一縫合部32の被係止部40の間には適度の隙間があいており、この隙間に、後述する右上補強部材50が配置されることとなる。また同様に左上第一縫合部33の被係止部40と、左下第一縫合部34の被係止部40の間にも適度の隙間があいており、この隙間に、後述する左上補強部材51が配置されることとなる。
[第二縫合部、交点]
図5に示す各第二縫合部(右第二縫合部35,左第二縫合部36)は、被係止部40が取付けられていない縫合部部分であり、各第一縫合部30~34に比して係止部20に対する係止力が弱い箇所である。そして右第二縫合部35と左第二縫合部36とは、左右対称に配置される以外は概ね同一の基本構成を有しているため、以下に、専ら右第二縫合部35を一例にその詳細を説明する。
図5に示す右第二縫合部35は、右メイン表皮ピースS3と、上メイン表皮ピースS1(下部側)及び下メイン表皮ピースS2の縫合箇所である。この右第二縫合部35の下部側は概ね直線的に延びており、右第二縫合部35の上部左縁は、上方に向かうにつれて次第に右方に湾曲している。そして右第二縫合部35では、隣り合うメイン表皮ピースの縫い代(MA,MB)が左右から重なった状態で配置されている。すなわち図7及び図8を参照して、右第二縫合部35は、右メイン表皮ピースS3の左縫い代MAと、中央のメイン表皮ピースS1,S2の右縫い代MBとが中表状に重なっている。そして右縫い代MBの途中には、左右に延びる横第一縫合部30の右端が略T字をなすように交差して第一交点CPAを形成している。また右第二縫合部35の上端は、右上第一縫合部31(内側の縫い代部分)の途中に略T字をなすように交差して第二交点CPBを形成している。本実施例では、第一交点CPAと第二交点CPBが、本発明の第一縫合部と第二縫合部の交点に相当する。そして右第二縫合部35は、後述するように図2の第二右縦溝部11内に配置することができる。また図5に示す左第二縫合部36は、左メイン表皮ピースS4と、上メイン表皮ピースS1(下部側)及び下メイン表皮ピースS2の縫合箇所である。この左第二縫合部36も、隣り合うメイン表皮ピースの縫い代Mが左右から重なった状態で配置され、さらに別の第一交点CPCと別の第二交点CPDとが設けられている。これら各別の交点CPC(CPD)は、右第二縫合部35の対応する交点CPA(CPB)と左右対称に配置されている。そして左第二縫合部36は、後述するように図2の第二左縦溝部13内に配置することができる。
[補強部材]
そして図5に示す右第二縫合部35と左第二縫合部36とには、それぞれ補強部材(50,51)が取付けられている。これら一対の補強部材(右上補強部材50,左上補強部材51)は、それぞれバックカバー6Sに比して撓みにくい部材であることが望ましい。ここで各補強部材50,51の素材は特に限定しないが、バックカバー6Sよりも剛性が高く(撓みにくく)且つ適度な可撓性を備えた素材であることが更に望ましい。この種の各補強部材50,51の素材として、フェルトなどの繊維を三次元的に交絡(縮絨)させている板材、スラブウレタンなどの発泡樹脂又はソリッドな樹脂の板材、バックカバー6Sよりも厚手の布帛や皮革、ゴム弾性を有するゴムやエラストマ製の板材を用いることができる。特にフェルト製や発泡樹脂製の各補強部材50,51は、バックカバー6Sよりも剛性が高く且つ適度な可撓性を備え、さらに適度な伸縮性(柔軟性)を有している。
そして本実施例では、図5に示す各第二縫合部35(36)に、概ね同一の基本構成を備えたフェルト製の補強部材50(51)をそれぞれ縫付けて取付けることができる。そこで図7~図9を参照して、右第二縫合部35の右上補強部材50を一例にその詳細を説明する。この右上補強部材50は、右第二縫合部35の延長方向(各図の上下方向)に長尺とされた帯状の板材であり、右第二縫合部35に沿わせた状態で取付けることが可能である(取付け手法の詳細は後述)。また右上補強部材50は、断面視で概ね矩形状をなしており、対をなす長辺50a,50bと、対をなす短辺50c,50dを有している。そして図7及び図9に示す右上補強部材50は、後述するように、その長辺50a,50bを第二右縦溝部11の奥行方向(図9の前後方向)に向けた起立状態として、右第二縫合部35に取付けることができる。この取付け状態の右上補強部材50は、図9に示す短辺50c,50d側の面を前後に撓ませる動き(矢線A方向の撓み)が、長辺50a,50b側の面を左右に撓ませる動き(矢線B方向の撓み)よりもできにくくなっている。そして右上補強部材50の短辺50c,50d側の面を撓ませるような動きは、後述する図10のバックカバー6Sを外向き(前後方向)に折返す際や、図9に示す第二右縦溝部11から浮き出ようとする際に生じやすい。また図9に示す第二右縦溝部11内の右上補強部材50を基準として、第二右縦溝部11の幅寸法と同方向の寸法を右上補強部材50の幅寸法L1とすることができ、この幅寸法L1は、各短辺50c,50dの長さで規定されている。また第二右縦溝部11内の右上補強部材50を基準として、第二右縦溝部11の奥行方向と同方向の寸法を右上補強部材50の縦寸法L2とすることができ、この縦寸法L2は、各長辺50a,50bの長さで規定されている。そして右上補強部材50の縦寸法L2は、右上補強部材50の幅寸法L1よりも大きくなっている。こうすることで右上補強部材50の撓み度合を、短辺50c,50d側の面を前後に撓ませる動きができにくくなるようにより確実に調節することができる。
[補強部材の取付け作業]
ここで図5に示す各第二縫合部35(36)に、対応する補強部材50(51)を取付ける手法は概ね同一であるため、右第二縫合部35を一例に右上補強部材50の取付け手法を説明する。図7及び図8を参照して、右第二縫合部35の上部左縁に右上補強部材50を沿わせたのち、この右上補強部材50を、縫合線SEWを介して右第二縫合部35に取付ける。このとき右上補強部材50を、右メイン表皮ピースS3の左縫い代MAに沿わせながら、各交点CPA,CPBを跨ぐように取付けていく。すなわち右上補強部材50の下端を、第一交点CPAの下方に配置しておくことで、右上補強部材50が、第一交点CPAを上下に跨いだ状態で右第二縫合部35に取付けられる。また右上補強部材50の上端を、第二交点CPBの上方に配置し、さらに右上第一縫合部31側にはみ出させて被係止部40の直前に配置しておく。この状態で右上補強部材50を、右第二縫合部35から右上第一縫合部31にかけての部分に取付けることで、第二交点CPBを上下に跨いだ状態で右第二縫合部35に取付けることができる。なお右上補強部材50の上部は、第二交点CPB付近で右下第一縫合部32上を通過したのち、右上第一縫合部31の外側(各図の右側)に回り込んだ状態で取付けられている。そして図5に示す左上補強部材51も、右上補強部材50と左右対称となるように左第二縫合部36に取付けることができる。
[バックカバー(シートカバー)の被覆作業]
図2、図5及び図10を参照して、バックパッド6Pをバックカバー6Sで被覆しつつ、バックカバー6S裏側の各縫合部30~36を、それぞれ対応する溝部10~14内に収容しておく。このとき図10を参照して、袋状のバックカバー6Sを一旦裏返したのち、この裏返しのバックカバー6Sを徐々に元の状態に戻しながらバックパッド6Pに被せていく。そして裏返しのバックカバー6Sを徐々に元の状態に戻す際に、バックカバー6Sの周縁側が外向き(前後方向)に折り返されるのであるが、このときバックカバー6Sが過度に折り返されて意匠性が悪化することがある。すなわち図5に示す各第二縫合部35,36は、各第一縫合部30~34のように被係止部40が取付けられておらず相対的に剛性に劣っている。このためバックカバー6Sが、各第二縫合部35,36部分で過度に折れ曲がることでバックカバー6Sに皺(折れ癖)がついて見栄えが悪化することが懸念される。例えば図7及び図8に示す右第二縫合部35では、隣接する各第一縫合部30,31との境である各交点CPA,CPBで剛性が高くなっている。このためバックカバー6Sが、各交点CPA,CPB付近の右第二縫合部35部分を起点に極度に折れ曲がるおそれがある。
そこで本実施例のバックカバー6Sには、図5を参照して、被係止部40が取付けられ且つ対応する溝部内の配置位置が維持されている各第一縫合部30~34と、被係止部40が取付けられていない各第二縫合部35,36とが隣接して設けられている。そして各補強部材50(51)が、各第二縫合部35(36)に沿って取付けられているとともに、各補強部材50(51)は、各交点CPA,CPB(CPC,CPD)を跨いで配置されている。
すなわち図5に示す第二縫合部35(36)は、各補強部材50(51)が取付けられることで剛性が高められた状態となっている。また補強部材50(51)を、対応する各交点CPA,CPB(CPC,CPD)を跨ぐように配置しているため、バックカバー6Sに、折れ曲がりの起点となるような箇所(剛性に極端な差がでる箇所)が極力生じない構成となっている。そして図10に示す被覆作業時のバックカバー6Sが、各第二縫合部35等で過度に曲がり変形しようとしても、このバックカバー6Sの過度の曲がり変形が各補強部材50等によって極力阻止されることとなる。特に本実施例では、図9に示すように各補強部材50等の縦寸法L2を幅寸法L1よりも大きくしておくことにより、バックカバー6Sの過度の曲がり変形をより確実に阻止することができる。このため図10に示すように裏返しのバックカバー6Sを徐々に元の状態に戻しながらバックパッド6Pに被せていく際に、このバックカバー6Sが過度に折れ曲がるといった事態を極力回避することができる。このため本実施例では、バックカバー6Sを、見栄えの良い状態でバックパッド6P上に配置しておくことができる。
そして図2及び図5を参照して、上述のバックカバー6Sの被覆作業と同時に、各第一縫合部30~34を対応する溝部(10,12,14)に収容しつつ、被係止部40と係止部20を係止しておく。こうすることで各第一縫合部30~34は、被係止部40と係止部20の係止力によって対応する溝部(10,12,14)内の配置位置が比較的安定して維持されることとなる。また各第二縫合部35,36も、対応する溝部(11,13)内に配置されるのであるが、これら各第二縫合部35,36では、作用する係止力が相対的に弱いため、対応する溝部(11,13)内の配置位置が不安定となりがちである。そこで本実施例では、右上補強部材50を、各交点CPA,CPBを跨ぐように配置することで、右第二縫合部35の溝部に対する配置位置を、隣接する各第一縫合部30~32に倣った配置位置で極力維持することができる。このため各第一縫合部30~32から右第二縫合部35にかけての縫合部部分の意匠性をより適切に向上させることが可能となる。また同様に左上補強部材51を、各交点CPC,CPDを跨ぐように配置することで、各第一縫合部30,33,34から左第二縫合部36にかけての縫合部部分の意匠性をより適切に向上させることが可能となる。
さらに図5の各第二縫合部35,36では、作用する係止力が相対的に弱いため、対応する縫い代MA,MB等が倒れるなどして、バックカバー6Sの見栄えに悪影響を及ぼすことが懸念される。例えば図7及び図8に示す右第二縫合部35を一例に説明すると、この右第二縫合部35では、右縫い代MBが、第一交点CPAにて横第一縫合部30と交差しているため、部分的に肉厚となっている。このため左縫い代MAが、部分的に肉厚とされた右縫い代MBに押されて倒れることにより、インステッチSTが蛇行して見栄えが悪化するおそれがある。そこで本実施例では、右上補強部材50を、相対的に薄肉な左縫い代MAに取付けつつ第一交点CPAを跨ぐように取付けている。このように左縫い代MAを、右上補強部材50で補強して倒れにくくすることで、インステッチSTの蛇行によるシートの見栄え悪化を極力回避することができる。
以上説明した通り本実施例のバックカバー6Sでは、係止部20に対する係止力が相対的に弱い各第二縫合部35(36)に各補強部材50(51)が取付けられている。そして各補強部材50(51)によって、各第二縫合部35(36)の過度の剛性低下を極力阻止することができる。このとき各補強部材50(51)を、各交点CPA,CPB(CPC,CPD)を跨ぐように配置している。こうすることで各第一縫合部30~32(30,33,34)から各第二縫合部35(36)にかけての縫合部部分の意匠性をより適切に向上させることが可能となる。このため本実施例によれば、被係止部40が取付けられていない縫合部部分(35,36)を設けた場合においても、バックカバー6Sをより見栄え良くバックパッド6P上に配置しておくことができる。
[実施例2(シートクッションの例)]
実施例2の乗物用シート2Aでは、実施例1の乗物用シート2とほぼ同一の基本構成を備える構成については、対応する符号を付す等して詳細な説明を省略する。図11に示す実施例2の乗物用シート2Aは、シートクッション4Aと、シートバック6Aと、ヘッドレスト8Aを有し、シートクッション4Aに本発明の構成が適用されている。このシートクッション4Aは、座部をなす正面視で略矩形の部材であり、基本構成として、骨格をなすクッションフレーム4Fと、本発明のシートパッドに相当するクッションパッド4Pと、本発明のシートカバーに相当するクッションカバー4Sとを有している。
シートクッション4Aは、図12~図15を参照して、上述の基本構成に関連する構成として、複数の溝部15~18と、複数の係止部20Aと、複数の縫合部31A~36Aと、複数の被係止部40Aと、一対の補強部材52,53とを有している(各構成の詳細は後述)。そしてシートクッション4Aにおいても、後述するクッションカバー4Sでクッションパッド4Pが被覆され、クッションカバー4Sの各縫合部31A~36Aが、クッションパッド4Pの対応する溝部15~18に収容される。このとき特定の溝部に設けられている係止部20Aに、特定の縫合部31A~34Aに設けられている被係止部40Aが係止される。そして本実施例のクッションパッド4Pにおいても、厚み寸法の関係等から係止部20Aが配設されていない溝部部分(後述の各溝部17,18の後部)が生じている。このためクッションカバー4Sにおいても、被係止部40Aが取付けられていない縫合部部分(35A,36A)を設けるのであるが、そうすることでクッションカバー4Sの見栄えが悪化することは極力回避すべきである。そこで本実施例では、後述する各補強部材52,53にて、被係止部40Aが取付けられていない縫合部部分(35A,36A)を設けた場合においても、クッションカバー4Sをより見栄え良くクッションパッド4P上に配置しておくこととした。以下、各構成について詳述する。
[クッションパッド(シートパッド)]
図11に示すシートクッション4Aでは、クッションフレーム4F(図示省略)上にクッションパッド4Pを配置しておくことができる。ここでクッションフレーム4Fとクッションパッド4Pの基本的な構成は、実施例1のシートバックの対応する部材と概ね同一である。そして図12を参照して、クッションパッド4Pは、シートクッション4の外形形状(シート外形)をなしている部材である。このクッションパッド4Pの着座面となる上面には、下天板メイン部4aと、右側及び左側の下天板サイド部4bと、土手部位4cと、後述する複数の溝部15~18とが設けられている。下天板メイン部4aは、シート幅方向におけるシートクッション4Aの中央部分であり、適度な幅寸法でシート前後方向に延びている。また下天板メイン部4aの右側(左側)には、下天板メイン部4aよりも上方に突出する下天板サイド部4bが設けられている。そして本実施例では、図12及び図13を参照して、下天板メイン部4aの後部に、相対的に上方に盛り上がっている土手部位4cが設けられている。この土手部位4cでは、クッションパッド4Pが後方に向かうにつれて次第に上方に盛り上がっているとともに、土手部位4cの後部側は、クッションパッド4Pの厚み寸法が急激に小さくなって相対的に薄肉化されている。
[溝部]
また図12に示すクッションパッド4Pの着座面には、所定の幅寸法を持った複数の溝部(前横溝部15,後横溝部16,右縦溝部17,左縦溝部18)が設けられ、さらに特定の溝部部分には、係止部20Aが配設されている。各横溝部15,16は、所定の幅寸法(図12の前後方向の寸法)を有し、各縦溝部17,18は、所定の幅寸法(図12の左右方向の寸法)を有している。そして前横溝部15は、下天板サイド部4bの前側を左右に横断する溝部であり、後横溝部16は、土手部位4cの直前で下天板サイド部4bを左右に横断する溝部である。また右縦溝部17は、下天板メイン部4a(土手部位4cを含む)と右側の下天板サイド部4bの間に設けられて前後方向に延長している溝部であり、適宜の位置で各横溝部15,16に交差している。また左縦溝部18は、下天板メイン部4a(土手部位4cを含む)と左側の下天板サイド部4bの間に設けられて前後方向に延長している溝部であり、適宜の位置で各横溝部15,16に交差している。そして右縦溝部17と左縦溝部18は、下天板メイン部4aに沿うように前後方向に直線的に延びているとともに、これら各縦溝部17,18の後部側は、相対的に薄肉化されている土手部位4c上に形成されている。
[係止部]
また特定の溝部部分には、実施例1と同様に複数の係止部20Aが設けられ、各係止部20Aは、実施例1の対応する部材と同一の基本構成を有している。そして本実施例においても、土手部位4cが薄肉化されている関係から、右縦溝部17の後部と左縦溝部18の後部には係止部20Aが配設されておらず、適度な厚み寸法が確保されている他の溝部部分に係止部20Aが配設されている。例えば前横溝部15と後横溝部16とには、三対の係止部20Aが左右方向に等間隔で設けられている。また土手部位4cを除く右縦溝部17の前部と左縦溝部18の前部にも、三対の係止部20Aが前後方向に概ね等間隔で設けられている。
[クッションカバー(シートカバー)]
図14に示すクッションカバー4Sは、シートクッション4Aの意匠面を構成する面材であり、後述するように、複数の縫合部31A~36Aと、複数の被係止部40Aと、一対の補強部材52,53を有している。そしてクッションカバー4Sの着座面は、前メイン表皮ピースS11と、中メイン表皮ピースS12と、後メイン表皮ピースS13と、下側右サイド表皮ピースS14と、下側左サイド表皮ピースS15とで形成されている。ここで下側右サイド表皮ピースS14(下側左サイド表皮ピースS15)は、右側の下天板サイド部4b(左側の下天板サイド部4b)を被覆する表皮ピースである。これら下側右サイド表皮ピースS14と下側左サイド表皮ピースS15は、概ね左右対称形状を有するとともに、それぞれ上方視で上下に長尺な略矩形をなしている。
また図14に示す前メイン表皮ピースS11と、中メイン表皮ピースS12と、後メイン表皮ピースS13は、下天板メイン部4aを被覆する表皮ピースであり、この順で前から後に配置されている。これら各メイン表皮ピースS11~S13は、上面視で概ね矩形の表皮ピースであり、後メイン表皮ピースS13の前後の寸法が最も小さくされている。そして後メイン表皮ピースS13は、下天板メイン部4aの土手部位4cを被覆でき、前メイン表皮ピースS11と中メイン表皮ピースS12は、土手部位4cを除く下天板メイン部4aの前部を被覆できる。
[表皮ピースの厚み寸法]
ここで各表皮ピースS11~S15の厚み寸法は特に限定しないが、着座性向上の観点などから、下天板メイン部4aを覆う表皮ピースの厚み寸法を相対的に厚くすることが望ましい。例えば本実施例では、各メイン表皮ピースS11~S13の厚み寸法が、各サイド表皮ピースS14,S15の厚み寸法よりも大きくされて、着座性の向上に資する構成となっている。なお各表皮ピースS11~S15の厚み寸法の調整手法は特に限定しないが、本実施例では、図17に示すようにパッド材の厚み寸法を調節して厚み寸法に差を設けている。またそれ以外の厚み寸法の調整手法として、厚み寸法の異なる布帛や皮革を用いたり、パッド材や裏基布を除去したりする手法を例示できる。
[第一縫合部]
そして図14~図16に示すクッションカバー4Sにも、複数の第一縫合部31A~34Aと、後述する左右一対の第二縫合部35A,36Aとが設けられている。すなわちクッションカバー4Sの着座面側には、前横第一縫合部31Aと、後横第一縫合部32Aと、右前第一縫合部33Aと、左前第一縫合部34Aが設けられている。前横第一縫合部31Aは、前メイン表皮ピースS11と中メイン表皮ピースS12の縫合箇所であり、両メイン表皮ピースの縫い代Mが前後に重なった状態で配置されている。また後横第一縫合部32Aは、中メイン表皮ピースS12と後メイン表皮ピースS13の縫合箇所であり、両メイン表皮ピースの縫い代Mが前後に重なった状態で配置されている。そして前横第一縫合部31A(後横第一縫合部32A)は、それぞれ左右方向に直線的に延びているとともに、図12に示す前横溝部15内(後横溝部16内)に配置することができる。
[第一縫い代,第二縫い代]
また図14に示す右前第一縫合部33Aは、下側右サイド表皮ピースS14(前部)と、前メイン表皮ピースS11及び中メイン表皮ピースS12の縫合箇所であり、各表皮ピースの縫い代(M1,M2)が左右に重なった状態で配置されている。ここで前メイン表皮ピースS11及び中メイン表皮ピースS12の縫い代は、相対的に厚手の第一縫い代M1であり、下側右サイド表皮ピースS14の縫い代は、第一縫い代M1よりも厚み寸法の小さい第二縫い代M2である。そして右前第一縫合部33Aは、前後方向に概ね直線的に延びており、図12の右縦溝部17の前部(土手部位4cの前側)に配置することができる。また図14に示す左前第一縫合部34Aは、下側左サイド表皮ピースS15(前部)と、前メイン表皮ピースS11及び中メイン表皮ピースS12の縫合箇所であり、各表皮ピースの縫い代(符号省略)が左右に重なった状態で配置されている。この左前第一縫合部34Aも、前後方向に概ね直線的に延びており、図12の左縦溝部18内の前部(土手部位4cの前側)に配置することができる。
[被係止部]
そして図14に示す各第一縫合部31A~34Aには、それぞれ被係止部40Aが取付けられている。これら各被係止部40Aは、図12に示すクッションパッド4Pの各係止部20Aに係止可能な位置に配置されている。例えば図14に示す前横第一縫合部31Aと後横第一縫合部32Aには、それぞれ左右方向に延びる被係止部40Aが取付けられている。また右前第一縫合部33Aと左前第一縫合部34Aには、それぞれ前後方向に延びる被係止部40Aが取付けられている。そして右前第一縫合部33Aと左前第一縫合部34Aでは、図16及び図18に示すように相対的に肉厚な第一縫い代M1に被係止部40Aが取付けられている。なお各被係止部40Aは、概ね同一構成を有するとともに、図16を参照して、それぞれ保持部41とワイヤ材42を有している。
[第二縫合部、交点]
図14に示す右後第二縫合部35Aと左後第二縫合部36Aは、後横第一縫合部32Aを挟んで左右対称となるように配置されている。これら各第二縫合部35A,36Aは、概ね同一の基本構成を有しているため、以下に、右後第二縫合部35Aを一例にその詳細を説明する。図16に示す右後第二縫合部35Aは、下側右サイド表皮ピースS14(後部)と後メイン表皮ピースS13の縫合箇所である。この右後第二縫合部35Aは、前後方向に概直線的に延びており、右前第一縫合部33Aと概ね一つなぎとなるように配置されている。そして右後第二縫合部35Aでは、後メイン表皮ピースS13の第一縫い代M1と、下側右サイド表皮ピースS14の第二縫い代M2とが左右から中表状に重なっている。この右後第二縫合部35Aの第一縫い代M1の前端には、左右に延びる後横第一縫合部32Aの右端が直交状に交差して下側交点CPEを形成しており、この下側交点CPEが、本発明の第一縫合部と第二縫合部の交点に相当する。そして右後第二縫合部35Aは、後述するように図12の右縦溝部17内の後部(土手部位4c上)に配置される。また図14に示す左後第二縫合部36Aは、下側左サイド表皮ピースS15(後部)と後メイン表皮ピースS13の縫合箇所である。この左後第二縫合部36Aにも、図15に示す別の下側交点CPFが設けられており、この別の下側交点CPFは、右後第二縫合部35Aの下側交点CPEと左右対称となるように配置されている。そして左後第二縫合部36Aは、後述するように図12の左縦溝部18内の後部(土手部位4c上)に配置される。
[補強部材(重複部位)]
そして図14に示す右後第二縫合部35A(左後第二縫合部36A)には、それぞれフェルト製の補強部材52(53)を取付けることができる。ここで右後第二縫合部35Aの右下補強部材52と、左後第二縫合部36Aの左下補強部材53とは概ね同一の構成を備えるため、以下に、右下補強部材52を一例にその詳細(及び後述の取付手法)を説明する。図14~図16に示す右下補強部材52は、右後第二縫合部35Aの延長方向(各図の前後方向)に長尺とされた帯状の板材であり、右後第二縫合部35Aに沿わせた状態で取付けることが可能である。そして本実施例の右下補強部材52の前端側は重複部位52Aとなっており、この重複部位52Aは、図16及び図17に示すように右前第一縫合部33A側にはみ出して配置することができる(図16では、便宜上、重複部位にハッチをつけて図示している)。
また右下補強部材52は、図18に示すように断面視で概ね矩形状をなしており、対をなす長辺52a,52bと、対をなす短辺52c,52dを有している。そして右下補強部材52は、後述するように、その長辺52a,52bを右縦溝部17の奥行方向(図18の上下方向)に向けた起立状態として、右後第二縫合部35Aに取付けることができる(取付け手法の詳細は後述)。この取付け状態の右下補強部材52は、図18に示す短辺52c,52d側の面を上下に撓ませる動き(矢線A方向の撓み)が、長辺52a,52b側の面を左右に撓ませる動き(矢線B方向の撓み)よりもできにくくなっている。そして右下補強部材52の短辺52c,52d側の面を撓ませるような動き(矢線A方向の撓み)は、右後第二縫合部35Aが右縦溝部17から浮き出る際や、クッションカバー4Sを外向き(前後方向)に折返す際に生じやすい。また右下補強部材52の長辺52a,52b側の面を撓ませるような動き(矢線B方向の撓み)は、クッションカバー4Sを左右に変形(伸縮)させる際に生じやすい。すなわち右下補強部材52は、クッションカバー4Sの伸縮に追従する際に、長辺52a,52b側の面が、右縦溝部17の幅方向である左右方向に撓み変形する。また図18に示す右縦溝部17内に右下補強部材52を配置した状態を基準として、右縦溝部17の幅寸法と同方向の寸法を右下補強部材52の幅寸法L3とすることができ、この幅寸法L3は、各短辺52c,52dの長さで規定されている。また右縦溝部17内の右下補強部材52を基準として、右縦溝部17の奥行方向と同方向の寸法を右下補強部材52の縦寸法L4とすることができ、この縦寸法L4は、各長辺52a,52bの長さで規定されている。そして右下補強部材52の縦寸法L4は、右下補強部材52の幅寸法L3よりも大きくなっている。こうすることで右下補強部材52の撓み度合を、短辺52c,52d側の面を上下に撓ませる動きができにくくなるようにより確実に調節することができる。
[補強部材の取付け作業]
ここで図14に示す各第二縫合部35A(36A)に対応する補強部材52(53)を取付ける手法は概ね同一であるため、以下に、右後第二縫合部35Aを一例に右下補強部材52の取付け手法を説明する。図16~図18を参照して、右後第二縫合部35Aに右下補強部材52を沿わせたのち、この右下補強部材52を、縫合線SEWを介して右後第二縫合部35Aに取付ける。このとき右下補強部材52を、相対的に薄手の第二縫い代M2に取付けつつ、さらに下側交点CPEを跨ぐように取付けていく。すなわち右下補強部材52前端の重複部位52Aを、下側交点CPEの前方に配置しておくことで、右下補強部材52が、下側交点CPEを前後に跨いだ状態で右後第二縫合部35Aに取付けられる。さらに本実施例では、図16及び図17を参照して、右下補強部材52の重複部位52Aを、右前第一縫合部33A側にはみ出させて被係合部40Aの後端側に重複して配置しておく。すなわち重複部位52Aを、被係止部40Aに溝部の幅方向である左右方向(図では被係止部の右方)に重複させておく。そして図14に示す左後第二縫合部36Aにおいても、右後第二縫合部35Aと左右対称となるように右下補強部材52を取付けて、その重複部位53Aを対応する被係止部40Aに重複して配置しておく。
[クッションカバー(シートカバー)の被覆作業]
図12及び図14を参照して、クッションパッド4Pをクッションカバー4Sで被覆しつつ、クッションカバー4S裏側の各縫合部31A~36Aを対応する溝部15~18内に収容しておく。このとき各第一縫合部31A~34Aを対応する溝部15~18に収容しつつ、被係止部40Aを係止部20Aに係止しておく。こうすることで各第一縫合部31A~34Aは、被係止部40Aと係止部20Aの係止力によって対応する溝部15~18内の配置位置が比較的安定して維持される。また各第二縫合部35A(36A)も、対応する溝部17(18)内に配置する。このときクッションカバー4Sの見栄えを考慮して、各第二縫合部35A(36A)が、対応する溝部17(18)から不自然に浮き出るといった事態は極力回避すべきである。すなわち各第二縫合部35A(36A)は、作用する係止力が弱い箇所であるため、対応する溝部17(18)内の配置位置が不安定となりがちである。例えば図19に示す右後第二縫合部35Aは、右前第一縫合部33Aの後方に配置された状態で、土手部位4c上の右縦溝部17部分に配置されている。このため右後第二縫合部35Aは、隣接する第一縫合部との堺である下側交点CPEを起点として前方に傾動(撓み変形)しやすくなっており、右縦溝部17から浮き出やすい構成となっている。そして右後第二縫合部35Aが右縦溝部17から浮き出ることにより、起点となる下側交点CPE部分が圧縮されるなどして、クッションカバー4Sに皺が生じることが懸念される。
そこで本実施例のクッションカバー4Sにおいても、図14を参照して、被係止部40Aが取付けられ且つ対応する溝部内の配置位置が維持されている各第一縫合部31A~34Aと、被係止部40Aが取付けられていない各第二縫合部35A,36Aとが隣接して設けられている。そして各補強部材52(53)が、各第二縫合部35A(36A)に沿って取付けられているとともに、各補強部材52(53)は、各下側交点CPE(CPF)を跨いで配置されている。
すなわち図14に示す各第二縫合部35A(36A)は、各補強部材52(53)が取付けられることで撓み変形しにくい状態となっており、特に対応する溝部から浮き出る上下方向に撓み変形しにくい状態となっている。そして各補強部材52(53)を、対応する下側交点CPE(CPF)を跨ぐように配置しているため、クッションカバー4Sには傾動の起点となるような箇所が極力生じない構成となっている。このため各第二縫合部35A(36A)が、対応する下側交点CPE(CPF)を起点に前方に傾動しようとしても、この各第二縫合部35A(36A)の傾動が各補強部材52(53)によって極力阻止されることとなる。特に本実施例では、図18に示すように各補強部材52等の縦寸法L4を幅寸法L3よりも大きくしておくことにより、各第二縫合部35A等の傾動をより確実に阻止することができる。さらに本実施例では、図14に示すように各補強部材52(53)の重複部位52Aを対応する被係合部40Aに重複させている。こうすることで各第二縫合部35A(36A)の溝部に対する配置位置を、隣接する各第一縫合部33A(34A)に倣った配置位置で極力維持することができる。例えば図19に示す右前第一縫合部33Aと右後第二縫合部35Aの溝部17に対する配置位置(奥行き方向の配置位置)は概ね同一となっており、これらが自然な形で一つなぎとなるように右縦溝部17内に配置されている。
また図14及び図16を参照して、クッションカバー4Sにおいても、各縫合部の縫い代M1,M2等が倒れてインステッチSTが蛇行することが懸念される。例えば図16~図18に示す右前第一縫合部33Aと右後第二縫合部35Aでは、第一縫い代M1と第二縫い代M2とが中表状に重なっており、第一縫い代M1が相対的に肉厚となっている。そこで本実施例では、右前第一縫合部33Aの第一縫い代M1側に被係止部40Aを取付けている。このため第一縫い代M1を、被係止部40Aと係止部20Aの係止力によって右縦溝部17の奥行方向に起立した状態としておく(癖付けしておく)ことができる。また右前第一縫合部33Aと右後第二縫合部35Aの第二縫い代M2には、被係止部40Aが取付けられていないため、相対的に倒れやすい状態となっている。そこで本実施例では、右後第二縫合部35Aの第二縫い代M2側に右下補強部材52を取付け、さらに重複部位52Aを、右前第一縫合部33Aの第二縫い代M2側に重複して配置している。このように右前第一縫合部33Aと右後第二縫合部35Aの第二縫い代M2を右下補強部材52で補強して起立するように癖付けすることにより、この第二縫い代M2が意図せず倒れるといった事態を極力回避できる。こうして本実施例では、被係止部40Aと右下補強部材52を、別々の縫い代に取付けることで、各縫い代M1,M2の倒れが原因となるインステッチSTの蛇行をより確実に回避することが可能となっている。
ところで上述のシート構成では、クッションカバー4Sの見栄えを考慮して、図17及び図18に示すクッションカバー4Sをその面方向(特に溝部の幅方向である左右方向)に適度なテンションをかけて張った状態としておく。このときクッションカバー4Sは、テンションがかかることで面方向(図18の左右方向)に伸長又は伸縮した状態となるのであるが、このとき各補強部材52等がクッションカバー4Sの伸縮の邪魔となることは極力回避すべきである。そこで本実施例では、各補強部材52等を、対応する溝部17の幅方向である左右方向(図18の矢線B方向)に相対的に撓みやすくしている。このためクッションカバー4Sの伸縮に各補強部材52等をスムーズに追従させることが可能となり、クッションカバー4Sの意匠性向上に資する構成となっている。特に本実施例では、図18に示すように各補強部材52等の幅寸法L3を縦寸法L4よりも小さくしておくことにより、クッションカバー4Sの伸縮に各補強部材52等をより確実に追従させることができる。
以上説明した通り本実施例のクッションカバー4Sでは、係止部20Aに対する係止力が相対的に弱い各第二縫合部35A(36A)に各補強部材52(53)が取付けられている。そして各補強部材52(53)によって、各溝部17(18)に対する各第二縫合部35A(36A)の過度の浮き上がり(浮き上がり方向への撓み変形)を極力回避することが可能となる。このとき各補強部材52(53)を、各第一縫合部33A(34A)と各第二縫合部35A(36A)の交点CPE(CPF)を跨ぐように配置することで、各第一縫合部33A(34A)から各第二縫合部35A(36A)にかけての縫合部部分の意匠性をより適切に向上させることが可能となる。また本実施例では、各補強部材52(53)が、クッションカバー4Sに比して各溝部17(18)から抜け出る方向に撓みにくくされているため、各溝部17(18)に対する各第二縫合部35A(36A)の過度の浮き上がりをより確実に回避することが可能となる。さらに各補強部材52(53)を、各溝部17(18)の幅方向に相対的に撓みやすくしたことで、クッションカバー4Sの変形(伸縮など)に各補強部材52(53)をスムーズに追従させることが可能となり、クッションカバー4Sの意匠性向上に資する構成となる。特に本実施例では、各補強部材52(53)の縦寸法L4を幅寸法L3よりも大きくしておくことにより、各補強部材52(53)の撓み度合を、より確実に調節することができる。また本実施例では、各補強部材52(53)の重複部位52Aを各第一縫合部33A(34A)の被係止部40Aに重複させたことで、各第二縫合部35A(36A)を、各第一縫合部33A(34A)に倣った状態で各溝部17(18)内に配置しておくことができる。そして本実施例では、第一縫い代M1は、被係止部40Aと係止部20Aの係止力によって各溝部17(18)の奥行方向に起立した状態を維持することができる。さらに本発明では、第二縫い代M2側に補強部材52(53)の重複部位52A(53A)を重複して配置することで、この重複部位52A(53A)にて、第二縫い代M2の起立状態をより安定的に維持することができる。このため本実施例によれば、被係止部40Aが取付けられていない縫合部部分(35A,36A)を設けた場合においても、クッションカバー4Sをより見栄え良くクッションパッド4P上に配置しておくことができる。
[変形例1]
ここで補強部材の構成は、上述の構成のほか、各種の構成を取り得る。例えば図20に示す変形例1の補強部材54は、実施例1の補強部材と同一外形の板材であるが、積層構造を有している点が実施例1と異なっている。この補強部材54は、例えば複数枚の板材を重ねて一体化することで形成でき、各板材は、同材質の板材でもよく異なる材質の板材でもよい。そして本変形例によれば、重ねるべき板材の数を調整して、補強部材54の撓み特性を調整することにより、各種の性能を適切に高めることが可能となる。例えば板材の重ね枚数を増やすことで、補強部材54の剛性を高めることが可能となる。また板材の重ね枚数を減らすことで、溝部の幅方向における補強部材54の撓み性能を向上させることができる。
[変形例2]
また図21に示す変形例2の補強部材55は、板状の基部55aと、この基部55aの端部に設けられている頭部55bとを有し、頭部55bは、略円形断面をなして基部55aよりも肉厚とされている。そして肉厚な頭部55bを、補強部材55の長尺方向に連続的に形成したことで、補強部材55の剛性を適切に高めることが可能となっている。また基部55aは、第二縫合部に縫合して取付けられる部位であり、相対的に薄肉となっている。このように基部55aを薄肉化したことにより、補強部材55を、シートカバーの面方向の伸縮(変形)にスムーズに追従させることが可能となっている。そして本変形例の補強部材55は、頭部55bを、溝部の開口側又は底側のいずれかに配置した状態で、対応する第二縫合部に取付けることができる。例えば溝部の開口側に頭部55bを配置する場合には、この頭部55bを包み込むようにシートカバーを配置することで、当該シートカバー部分を頭部55bの形状に倣って突出させておくことができる。そして突出したシートカバー部分が、表皮ピース同士の継目(インステッチ部分)を縁取るような外観を呈するため、シートの意匠性向上に資する構成となる。また溝部の底側に頭部55bを配置する場合には、この頭部55bを、溝部に押し込んでその壁面に係止する(摩擦で係止する)こともできる。
[変形例3]
また図22に示す変形例3の補強部材56は、実施例の補強部材と同一外形の部材であるが、各短辺側の面には、各々、シートカバーよりも撓みにくい樹脂コーティング層56aが設けられている。本変形例の補強部材56は、樹脂コーティング層56aにて剛性を高めることができる。このため補強部材56の本体部分(樹脂コーティング層以外の部分)の素材を選択する際に、本体部分だけで剛性を確保する必要がないため、その素材の選択の幅が広がっている。
[変形例4]
また図23に示す変形例4の補強部材57は、断面U字をなすように湾曲した板材であり、第二縫合部37の各縫い代Mx,Myを覆った状態で縫付けられて取付けられている。このように補強部材57を湾曲させて二枚重ねとして、補強部材57の剛性を高めることにより、シートカバーの過度の折れ曲がりや、溝部からの浮き出しを適切に回避することが可能となる。そして各縫い代Mx,Myを起立させた状態として補強部材57で覆うことにより、これら各縫い代Mx,Myの起立状態を安定的に維持することが可能となり、シートの意匠性向上に資する構成となっている。
[変形例5]
また図24に示す変形例5の補強部材58も、断面U字をなすように湾曲した板材であり、第二縫合部37の一方の縫い代Mxに縫付けて取付けることが可能である。そして一方の縫い代Mxを起立させた状態として補強部材58を取付けることにより、一方の縫い代Mxの起立状態をより安定的に維持することが可能となり、シートの意匠性向上に資する構成となっている。
本実施形態の乗物用シートは、上述した実施形態に限定されるものではなく、その他各種の実施形態を取り得る。本実施形態では、第一縫合部と第二縫合部の構成(形状,寸法,配置位置,配置数など)を例示したが、各縫合部の構成を限定する趣旨ではない。例えば第一縫合部と第二縫合部は、シートパッドの厚み寸法などを考慮して、シートカバーの適宜の位置に設けることが可能である。なおシートパッドの薄肉化されている部分の位置は適宜設定することが可能である。また係止部を省略すべき理由として、シートパッドの薄型化のほかに、他の部材との関係からスペースがない場合などの各種の状況を想定することができる。
また本実施形態では、補強部材の構成(形状,寸法,配置位置,配置数など)を例示したが、補強部材の構成を限定する趣旨ではない。例えば補強部材の断面形状は、概ね矩形状(長方形状)などの各種の多角形状のほか、楕円形や円形などの円形状等の各種形状とされていてもよい。また補強部材に重複部位を設ける場合、この重複部位を、第一縫合部に縫付けなどの手法で取付けておくことができ、単に沿わせた状態で配置しておくこともできる。また補強部材の撓み性能は、溝部から抜け出る方向と、溝部の幅方向とで差を設けることができ、差を設けないこともできる。また補強部材は、第一縫い代と第二縫い代の少なくとも一方に取付けることができ、被係止部が取付けられている第一縫い代側に配置することも可能である。また各実施例と各変形例の補強部材の構成は、適宜組み合わせて用いることができる。なお第二縫合部等に対する補強部材の取付け手法として、縫付けのほか、接着や融着、ステープルやクリップなどの接合部材を用いた接合を例示できる。なお補強部材には、溝部の幅方向の撓みを助長する助長部位を設けることができ、この種の助長部位として、切り欠き部やスリット部や脆弱部(薄肉部等)を設けることができる。例えば補強部材の長尺方向に、切り欠き部を適宜の間隔で設けることで、この補強部材の溝部の幅方向への撓みを助長することができる。
また本実施形態では、係止部と被係止部の構成(形状,寸法,配置位置,配置数など)を例示したが、これら各部の構成を限定する趣旨ではない。係止部と被係止部とは互いに係止可能であればよく、それぞれ各種の構成を取り得る。例えば係止部として、インサートワイヤなどの線材を使用し、被係止部のワイヤ材をホグリング止めして係止することもできる。また被係止部として、係止部に係止可能な断面が矢尻状の部材やフック状の部材を用いることも可能である。
また本実施形態では、シートバック6とシートクッション4Aを一例に説明したが、本実施例の構成は、アームレストやヘッドレストなどの各種シート構成部材に適用できる。そしてシートパットとシートカバーの構成は、適用されるべきシート構成部材に応じて適宜変更可能である。また乗物用シートの構成も適宜変更可能である。そして本実施形態の構成は、車両や航空機や電車や船舶などの乗物用シート全般に適用できる。
2 乗物用シート
4 シートクッション
6 シートバック
8 ヘッドレスト
6F バックフレーム
6P バックパッド(本発明のシートパッド)
6a 上天板メイン部
6b 上天板サイド部
10 第一右縦溝部
11 第二右縦溝部
12 第一左縦溝部
13 第二左縦溝部
14 横溝部
6S バックカバー(本発明のシートカバー)
S1 上メイン表皮ピース
S2 下メイン表皮ピース
S3 右メイン表皮ピース
S4 左メイン表皮ピース
S5 上側右サイド表皮ピース
S6 上側左サイド表皮ピース
Sa 上端表皮ピース
Sb 下端表皮ピース
30 横第一縫合部
31 右上第一縫合部
32 右下第一縫合部
33 左上第一縫合部
34 左下第一縫合部
35 右第二縫合部
36 左第二縫合部
ST インステッチ
M 縫い代
MA 左縫い代
MB 右縫い代
CPA 第一交点
CPB 第二交点
CPC 別の第一交点
CPD 別の第二交点
40 被係止部
41 保持部
41a 窓部
42 ワイヤ材
50 右上補強部材
50a,50b 右上補強部材の長辺
50c,50d 右上補強部材の短辺
51 左上補強部材
SEW 縫合線
2A 実施例2の乗物用シート
4A シートクッション
6A シートバック
8A ヘッドレスト
4F クッションフレーム
4P クッションパッド(本発明のシートパッド)
4a 下天板メイン部
4b 下天板サイド部
4c 土手部位
15 前横溝部
16 後横溝部
17 右縦溝部
18 左縦溝部
20A 係止部
4S クッションカバー(本発明のシートカバー)
S11 前メイン表皮ピース
S12 中メイン表皮ピース
S13 後メイン表皮ピース
S14 下側右サイド表皮ピース
S15 下側左サイド表皮ピース
31A 前横第一縫合部
32A 後横第一縫合部
33A 右前第一縫合部
34A 左前第一縫合部
35A 右後第二縫合部
36A 左後第二縫合部
CPE 下側交点
CPF 別の下側交点
40A 被係止部
52 右下補強部材
52A 右下補強部材の重複部位
52a,52b 右下補強部材の長辺
52c,52d 右下補強部材の短辺
53 左下補強部材
53A 左下補強部材の重複部位
M1 第一縫い代
M2 第二縫い代
54 変形例1の補強部材
55 変形例2の補強部材
55a 基部
55b 頭部
56 変形例3の補強部材
56a 樹脂コーティング層
57 変形例4の補強部材
58 変形例5の補強部材

Claims (3)

  1. シート外形をなすシートパッドと、前記シートパッドに設けられた線状の溝部と、複数の表皮ピースで形成され且つ前記シートパッドを被覆しているシートカバーとを備え、
    前記シートカバーは、複数の表皮ピースで形成されているとともに、隣り合う表皮ピース同士の縫合箇所となる縫合部が設けられ、前記縫合部では、隣り合う表皮ピースの縫い代同士が重なった状態で前記シートカバーの裏側に突出して配置されており、
    前記溝部には、前記縫合部が収容されているとともに、前記縫合部に取付けられた被係止部を係止する係止部が部分的に設けられている乗物用シートにおいて、
    前記縫合部として、前記被係止部が取付けられ且つ前記溝部内の配置位置が維持されている第一縫合部と、前記被係止部が取付けられていない第二縫合部とが隣接して設けられており、
    補強部材が、前記第二縫合部に沿って取付けられているとともに、前記補強部材は、前記第一縫合部と前記第二縫合部の交点を跨いで配置されており、
    前記溝部は、所定の幅寸法を持って線状に形成されているとともに、
    前記補強部材には、前記第一縫合部に取付けられている前記被係止部に前記溝部の幅方向から重複している重複部位が設けられており、
    前記第一縫合部は、前記被係止部が取付けられている第一縫い代と、第二縫い代とが重なった状態で配置されているとともに、前記重複部位は、前記第二縫い代側に重複して配置されている乗物用シート。
  2. 前記溝部は、所定の幅寸法を持って線状に形成されているとともに、
    前記補強部材は、前記シートカバーに比して前記溝部から抜け出る方向に撓みにくくされているとともに、前記溝部から抜け出る方向に比して前記溝部の幅方向に撓みやすくされている請求項1に記載の乗物用シート。
  3. 前記溝部の幅寸法と同方向の寸法を前記補強部材の幅寸法とし、前記溝部の奥行方向と同方向の寸法を前記補強部材の縦寸法とした場合、前記補強部材の縦寸法は、前記補強部材の幅寸法よりも大きくなっている請求項2に記載の乗物用シート。
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