JP2006141619A - 車両用シート - Google Patents

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茂喜 中野
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Abstract

【課題】 表皮材をシートにカバーリングするに際し正確に位置決め固定することができ、また作業性も向上できる車両用シートにおける表皮材の吊り込み構造を提供すること。
【解決手段】 表面に意匠面形成用の引き込み溝2が形成されたパッド材1に縫製表皮材3を被覆して、その裏面の縫合部3aに取り付けられた袋状引き込み部材4により縫製表皮材3の一部を引き込み溝2に引き込むとともに、前記引き込み溝2と袋状引き込み部材4を連結した車両用シートにおける表皮材の吊り込み構造であって、前記縫合部3aに下方に延びる板状の芯材7を設けるとともに、引き込み溝2の溝底に該芯材7を挿入するためのスリット溝8を設けたものとした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、表皮材をシートにカバーリングするに際し正確に位置決め固定することができ、また作業性も向上させることができる車両用シートにおける表皮材の吊り込み構造に関するものである。
例えば自動車等の車両用シートとして、パッド材の表面に表皮材をカバーリングしたものが広く用いられている。この場合、表皮材の固定は特許文献1に示されるように、パッド材に埋設したインサートワイヤに表皮材の樹脂フックやCリング等を係止して位置決め固定するのが普通である。しかし、最近では廃棄後のゴミの削減やリサイクル活動等の観点から解体作業をやりやすくすることが求められており、パッド内に金属製のワイヤ等がインサートされたものは解体作業性に劣るという問題点があった。
そこで本件出願人は、特許文献2に示されるように、表皮材の固定に雌雄一対の接離自在テープを用いたものを開発・提案した。図4は、このような従来例を示す断面図で、図において、11はパッド材、12は引き込み溝、13は縫製表皮材、14は無数のループが表面に形成された生地よりなる袋状引き込み部材、15は無数のフックが植設された接離テープであり、袋状引き込み部材14と接離テープ15をループとフックの係合により連結した構造である。
しかしながら、このような接離自在テープによる固定の場合は、表皮材13を引き込むための引き込み溝12の溝幅に対して袋状引き込み部材14の幅が狭く、係合時において若干の隙が生じ表皮材の位置決めが安定しないという問題点や、係合部の蛇行を生じるという問題点があった。
特開2004−8488号公報 特開平9−38359号公報
本発明は上記のような問題点を解決して、表皮材をシートにカバーリングするに際し正確な位置決め固定をすることができ、また引き込み部の蛇行の発生を防止することができる車両用シートにおける表皮材の吊り込み構造を提供することを目的として完成されたものである。
上記課題を解決するためになされた本発明の車両用シートにおける表皮材の吊り込み構造は、表面に意匠面形成用の引き込み溝が形成されたパッド材に縫製表皮材を被覆して、その裏面の縫合部に取り付けられた袋状引き込み部材により縫製表皮材の一部を引き込み溝に引き込むとともに、前記引き込み溝と袋状引き込み部材を連結した車両用シートにおける表皮材の吊り込み構造であって、前記縫合部に下方に延びる板状の芯材を設けるとともに、引き込み溝の溝底に該芯材を挿入するためのスリット溝を設けたことを特徴とするものである。
本発明は、縫合部に下方に延びる板状の芯材を設けるとともに、引き込み溝の溝底に該芯材を挿入するためのスリット溝を設けたものとし、前記芯材をスリット溝に挿入して位置決め固定する構造であり、芯材とスリット溝との係合関係によって、表皮材をシートにカバーリングするに際し正確に位置決めし、縫合部の蛇行を防止することができる。
以下に、図面を参照しつつ本発明の好ましい形態を示す。
図面は、本発明を自動車用シートのシートクッションに適用した場合を示すもので、図1は要部の断面図、図2はシートクッションの斜視図、図3はシートクッションの断面図である。
図において、10はシートクッションであり、また1は表面に意匠面形成用の引き込み溝2が形成されたパッド材、3は裏面の縫合部3aで縫製された縫製表皮材、4は縫合部3aに取り付けられた袋状引き込み部材、5は前記引き込み溝2の溝底に添着した接離テープである。
前記接離テープ5には無数のフック6aが植設され、一方、袋状引き込み部材4はこのフック6aに係合する無数のループ6bが表面に形成された生地よりなり、これらフック6aとループ6bの係合により袋状引き込み部材4を引き込み溝2に連結した構造となっている。
なお、フック6aとループ6bの関係については相対的なものであって、上記の場合に限定されるものでなく、接離テープ側にループ6bが形成され袋状引き込み部材側にフック6aが植設されてもよいことは勿論である。
前記無数のフック6aが植設された接離テープ5としては、合成樹脂材よりなる無数の鉤状またはキノコ状等のフック6aがテープ表面に植設されている面ファスナーを用い用いることができ、一方、無数のループ6bが表面に形成された生地としては、前記フック6aに係脱自在なループ状起毛がベース地表面に植設されているファスナーやパイル地等を用いることができる。
また、前記縫合部3aには下方に延びる板状の芯材7が同時縫いして設けられているとともに、引き込み溝2の溝底にはこの芯材7を挿入するためのスリット溝8が設けられている。
この板状の芯材7の下端部は袋状引き込み部材4の下端部よりも下方側へ長く延びており、引き込み溝2への挿入が円滑にできるよう構成されている。更に、スリット溝8の開口部を案内用のテーパ面として芯材7の挿入を容易にすることもできる。
この芯材7はポリアミド樹脂やナイロン樹脂やポリカーボネイト樹脂等の剛性のある材質で成形されており、スリット溝8内への挿入を容易かつ確実に行えるとともに、所定の位置に正確に位置決め固定することが可能となる。
なお、この芯材7はスリット溝8に対応して全長にわたり設ける他、所定間隔をもって部分的に設けたり特定の個所に部分的に設ける等、シート意匠や設計条件等に応じて任意に設けることができる。
このように構成されたものでは、表面に意匠面形成用の引き込み溝2が形成されたパッド材1に、裏面の縫合部3aに取り付けられた袋状引き込み部材4により縫製表皮材3の一部を引き込み溝2に押し込むようにして縫製表皮材3を被覆すると、前記引き込み溝2の溝底に添着した無数のフック6aが植設された雄側接離テープ5と、このフック6aに係合する無数のループ6bが表面に形成された生地よりなる袋状引き込み部材4が、前記フック6aとループ6bの係合により連結することで簡単にカバーリングされることとなる。しかも、前記縫合部3aには下方に延びる板状の芯材7が設けられ、一方、引き込み溝2の溝底には該芯材7を挿入するためのスリット溝8が設けられているので、芯材7の挿入により正確な位置決めを行うことができ、手直し等も不要で作業性を著しく向上させることができる。
以上の説明からも明らかなように、本発明は表面に意匠面形成用の引き込み溝2が形成されたパッド材1に縫製表皮材3を被覆して、その裏面の縫合部3aに取り付けられた袋状引き込み部材4により縫製表皮材3の一部を引き込み溝2に引き込むとともに、前記引き込み溝2と袋状引き込み部材4を連結した車両用シートにおける表皮材の吊り込み構造であって、前記縫合部3aに下方に延びる板状の芯材7を設けるとともに、引き込み溝2の溝底に該芯材7を挿入するためのスリット溝8を設けたものとしたので、表皮材3をシートにカバーリングするに際し正確に位置決め固定することができ、しかも結合力が強く表皮材3をしっかりと固定することができ、また作業性も向上させることができることとなる。
本発明の実施の形態を示す要部の断面図である。 シートクッションを示す斜視図である。 シートクッションの断面図である。 従来例を示す要部の断面図である。
符号の説明
1 パッド材
2 引き込み溝
3 表皮材
3a 縫合部
4 袋状引き込み部材
5 接離テープ
6a フック
6b ループ
7 芯材
8 スリット溝
10 シートクッション

Claims (2)

  1. 表面に意匠面形成用の引き込み溝が形成されたパッド材に縫製表皮材を被覆して、その裏面の縫合部に取り付けられた袋状引き込み部材により縫製表皮材の一部を引き込み溝に引き込むとともに、前記引き込み溝と袋状引き込み部材を連結した車両用シートにおける表皮材の吊り込み構造であって、前記縫合部に下方に延びる板状の芯材を設けるとともに、引き込み溝の溝底に該芯材を挿入するためのスリット溝を設けたことを特徴とする車両用シートにおける表皮材の吊り込み構造。
  2. 芯材が、剛性のある材質で成形されている請求項1に記載の車両用シートにおける表皮材の吊り込み構造。
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