JP2005073820A - 合成樹脂係止具 - Google Patents
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Abstract
【課題】 係合操作がスライド方式で比較的簡単にできると共に、従来のフック・アイのようにフックが外れる方向に力がかかっても簡単に外れることなく、係合がより確実になる。また、生地を介して基板と座板とを一体化し、生地を樹脂化することなく強固に固定できる。さらに、係止具が薄くて着用した時の存在感を和らげることのできる。
【解決手段】 係合突部15を有する合成樹脂製の雄部材2と、その係合突部15を嵌合する開口溝9を長手方向に設けた合成樹脂製の雌部材1とでなる板状の係止具であって、雄部材2の両側下端部に設けた隆起部17と雌部材1の下面部12が係合する。
【選択図】 図16
【解決手段】 係合突部15を有する合成樹脂製の雄部材2と、その係合突部15を嵌合する開口溝9を長手方向に設けた合成樹脂製の雌部材1とでなる板状の係止具であって、雄部材2の両側下端部に設けた隆起部17と雌部材1の下面部12が係合する。
【選択図】 図16
Description
本発明は、衣類などの対向する端縁に着脱や開閉のために取り付けられる合成樹脂係止具に関するもので、さらに詳しくは、ブラジャー、ブラスリップ、ボディスーツなどのバック布の両端部に固着して用いるのに適した合成樹脂係止具に関するものである。
従来から、ブラジャー、ブラスリップ、ボディスーツなどのファンデーションには、通常、着脱のために前面部の左右カップ布と連設して脇部から後身にかけて延びるバック布の一方に、金属線を環状に屈曲加工したアイ(雌部)が複数列縫着されてあり、他方に金属線を鉤状に屈曲加工したフック(雄部)が縫着されていて、フックをアイに係脱することによって着脱が行われている。
このフック・アイは、ミシン縫製により布テープに縫い付ける方法が一般的であり、そのフック・アイは衣類全体と一体感を持たせて違和感のないように大部分が布テープとして製造されたフック・アイテープが女性用下着の係止具として多用されている。
例えば、図20,21に示すアイ付きテープで説明すると、テープ状の基布31に一定の間隔毎にアイ32を配し、押さえ布33でアイ32の取り付け環部34を被覆して取り付け環部34を縫着糸35で縫着すると共に、押さえ布33の上端縁も縫着糸35で縫着している。したがって、押さえ布33の上端縁と取り付け環部33に縫着糸35が現れることになり外観が不体裁であった。また、図21に示すように、押さえ布33が段階的に重なり下方になるほど分厚くなって硬化し肌当りが悪かった。
特に最近では下着のカラフル化が進み多色化しており、生地の染色と、その染色された生地と同色の縫製糸の選択に多大の労力を費やすのが現状である。目立たない要求の強いフック・アイについては、使用生地の染色のみでなく、先に染色されている縫製糸からピッタリ合致する色の選択をするようにとの要求があり、その負担は重くなる一方である。
そのような欠点を解消するフック・アイテープとして、テープの表面側および裏面側に縫着糸が一切露出することのないすっきりとした極めて外観優美なフック・アイテープが本出願人によって提案されている。(例えば、特許文献1参照)
特開平2002−28009号公報
しかしながら、上記のフック・アイテープのフック・アイを布テープに固定しているのは縫着糸であり、縫着糸が押さえ布で隠されているだけであり、縫着されていることには代わりがない。したがって、製品として仕上がった場合、面倒で手間のかかる検針機作業を必要とする問題点があった。
また、ブラジャー、ブラスリップなど女性用の下着には装飾性のためのレースが多く用いられており、洗濯時にフックがレースを構成する地糸に引っかかってレース糸を引き千切って下着を損傷させることが多かった。さらに、フック・アイの係合ではバック布にフックが外れる方向に力がかると何の抵抗もなく簡単に外れると言う問題点があった。
本発明は、上記の問題点を解決することを課題として開発されたもので、係合操作がスライド方式で比較的簡単にできると共に、従来のフック・アイのようにフックが外れる方向に力がかかっても簡単に外れることなく、係合がより確実であり、且つ生地を介して基板と座板とを一体化し、生地を樹脂化することなく強固に固定でき、また、係止具が薄くて着用した時の存在感を和らげることのできる合成樹脂係止具を提供することを目的とするものである。
上記の課題を解決し、その目的を達成する手段として、本発明は、係合突部を有する合成樹脂製の雄部材と、その係合突部を嵌合する開口溝を長手方向に設けた合成樹脂製の雌部材とでなる板状の係止具であって、雄部材の両側下端部に設けた隆起部と雌部材の下面部が係合するように構成したことを特徴とする合成樹脂係止具を開発し、採用した。
また、上記のように構成した合成樹脂係止具において、雄部材の係合突部には張出部を設けてあり、係合時に雌部材の開口溝の裏面外周部に形成されたガイド面を摺動して受け止められている合成樹脂係止具、および雄部材の隆起部には小突起部を設けてあり、その小突起部と雌部材の下面部に設けた切り込み部が係合する合成樹脂係止具、および雄部材および雌部材は熱可塑性樹脂からなる平板状の基板と座板の2枚で構成されている合成樹脂係止具、および座板の裏面には突起爪を設けてあり、その突起爪を布テープに貫通して基板と超音波溶着で一体化してある合成樹脂係止具、および雄部材は布テープの一側端に取り付けられると共に、雌部材は他方の布テープの端部に一定間隔で少なくとも2列取り付けられている合成樹脂係止具を開発し、採用した。
本発明は、雌部材の長手方向に設けた開口溝に雄部材の係合突部をスライドさせて係合するから、容易に係合させることができる。その際、係合突部の張出部がガイド面に沿って摺動するので、極めてスムーズに係合できる。また、雄部材の隆起部の小突起部と雌部材の下面部の切り込み部とが係合し、その時、クリック感(カチンと入る感触)が得られることから係合の確認ができる。さらに、開口溝と係合突部の係合と、隆起部の小突起部と雌部材の下面部に設けた切り込みとの係合によって、両側方からの横引き力がかかったとしても係合が外れることがないので、ブラジャー、ブラスリップ、ボディスーツなど横方向の引っ張り力が大きくかかる女性用下着の係止具に用いれば好適である。
また、雄部材および雌部材とも合成樹脂製の板状で薄く形成してあるから、肌を圧迫せず着用した時に違和感がなくなり着心地がよくなると共に、生地と同色に仕上げることができる。さらに、基板と座板は座板の突起爪片を超音波溶着で溶着して固定したものであるから、強固に固定ができると共に、型成形のように生地が樹脂化して硬くならない。また、ミシンを使用しないので検針機作業をしなくてすむ。
以下に、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。本発明の合成樹脂係止具は、板状の雌部材1と雄部材2とから形成されており、雌部材1は、基板3と座板4とから構成されており、雄部材も基板5と座板6から構成されている。雌部材1の基板3、座板4および雄部材2の基板5、座板6はともにポリアセタール、ポリアミドなどの熱可塑性樹脂から成形加工されたものである。
雌部材1の基板3は、図1〜2に示すように、側片部7,7間を幅広の欠如部8に形成し、その欠如部8と連設する幅狭のU字状の開口溝9を長さ方向に設けてあり、その開口溝9の裏面外周部に水平状のガイド面10を形成してある。11,11は表面側の両側下端部の肉厚を薄くして形成した方形状の凹部、12は下面部で、その両側部に長四角形の切り込み部12a,12aを設けてある。この雌部材1の基板3は、図4,5に示すように側片部7は厚さが薄く形成されているが、基板3の本体部は厚くなっている。
一方、雌部材1の座板4は、図7に示すように、一側端の角部を面取り部とした方形状の薄い板体で、裏面側の両側縁に円錐状の突起爪13を3個ずつ突設してある。この突起爪13をテープTに突き刺し、図9に示すように、突起爪13の先端部を超音波溶着で基板3の裏面と一体化する。
雄部材2の基板5は、図10に示すように、上辺部14から長さ方向に一体に突設する係合突部15を設けてあり、この係合突部15は頭部を円形とし、雌部材1のU字状の開口溝9と嵌合するようになっていると共に、頭部の近傍部に張出部16を形成してあり、この張出部16は、U字状の開口溝9のガイド面10をスライドできるようになっている。17は両側下端部に設けた隆起部で、前記の雌部材1と係合した時に、雌部材の下面部12を受け止めるものであり、図11に示すように、一端部を傾斜面18に、他端部を小突起部19に形成してある。20は係合突部の下面の開口部、21は隆起部の上方に設けた開口部である。
一方、雄部材2の座板6は、前述の雌部材1の座板4と同様のもので、裏面側の両側縁に円錐状の突起爪片22を3個ずつ突設してある。そして、図15に示すように、テープTを挟んで基板5と座板6を対向させ、突起爪22の先端をテープTに突き刺し、超音波溶着で基板5と一体化してある。
このように構成した本発明の係止具の使用状態を図19A,図19Bに示すブラジャーなどのバック布23,24に取り付けた場合について説明すると、左側のバック布外面側23aに雌部材1の基板3を、内面側23bに座板4となるように雌部材1が一定間隔毎で3列取り付けられており、右側のバック布外面側24aに雄部材2の座板6を、内面側24bに基板5となるように雄部材2を一体的に取り付けられている。
そして、右側のバック布24の端部を指で摘み雄部材2の係合突部15を、左側のバック布23に固定してある雌部材1の基板3の欠如部8からU字状の開口溝9に沿ってスライドさせると、係合突部15の頭部がU字状の開口溝9に嵌合すると共に、張出部16が開口溝9の裏面のガイド面10にそってガイドされながらスライドして受け止められ、頭部15aが開口溝9の底部に達し係合する。その後、雄部材2の下端部を押圧すると隆起部17、17の小突起部19,19が雌部材1の下面部12の両側端に設けた切り込み部12a、12aと係合する。この時、クリック感があることから、係合したことを確認できる。
係合状態を解く場合は、雄部材2の取り付けられた右側のバック布24の端部を引き上げると隆起部17、17の小突起部19,19と雌部材1の切り込み部12、12との係合が解かれ、そのまま右方向にスライドさせると、係合突部15の張出部16,16がガイド面9を摺動し係合突部15が欠除部8に達すると係合が解かれ外すことができる。
以上、本発明の主要な実施の形態について説明したが、本発明は、これらの実施に限定されるものではなく、例えば、座板の形状は方形状だけでなく、円形、楕円形、ハート形、クローバ形などの形状に変化させてモチーフ機能を付加することもできる。また、座板の肌側に当る面に起毛処理等をして肌当りを良くすることもあり、要するに発明の目的を達成でき、且つ発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の設計変更が可能であり、それらも全て本発明の範囲内に包含されるものである。
ブラジャー、ブラスリップ、ボディスーツなど女性の下着用の係止具だけにかぎるものではなく、インナー、アウターなど他の衣類全般および衣類以外でも対向する端縁の開閉のためにも取り付けることができるのである。
1 雌部材
2 雄部材
3 基板
4 座板
5 基板
6 座板
9 開口溝
10 ガイド面
12 下面部
12a 切り込み部
13 突起爪
15 係合突部
16 張出部
17 隆起部
19 小突起部
2 雄部材
3 基板
4 座板
5 基板
6 座板
9 開口溝
10 ガイド面
12 下面部
12a 切り込み部
13 突起爪
15 係合突部
16 張出部
17 隆起部
19 小突起部
Claims (6)
- 係合突部を有する合成樹脂製の雄部材と、その係合突部を嵌合する開口溝を長手方向に設けた合成樹脂製の雌部材とでなる板状の係止具であって、雄部材の両側下端部に設けた隆起部と雌部材の下面部が係合するように構成したことを特徴とする合成樹脂係止具。
- 雄部材の係合突部には張出部を設けてあり、係合時に雌部材の開口溝の裏面外周部に形成されたガイド面を摺動して受け止められている請求項1に記載の合成樹脂係止具。
- 雄部材の隆起部には小突起部を設けてあり、その小突起部と雌部材の下面部に設けた切り込み部が係合する請求項1または2に記載の合成樹脂係止具。
- 雄部材および雌部材は熱可塑性樹脂からなる平板状の基板と座板の2枚で構成されている請求項1記載の合成樹脂係止具。
- 座板の裏面には突起爪を設けてあり、その突起爪を布テープに貫通して基板と超音波溶着で一体化してある請求項3に記載の合成樹脂係止具。
- 雄部材は布テープの一側端に取り付けられる共に、雌部材は他方の布テープの端部に一定間隔で少なくとも2列取り付けられている請求項1,2または3に記載の合成樹脂係止具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003305986A JP2005073820A (ja) | 2003-08-29 | 2003-08-29 | 合成樹脂係止具 |
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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ITBO20100114A1 (it) * | 2010-02-26 | 2011-08-27 | Riri Ind S P A | Gancio per substrato flessibile, e suoi componenti |
JP2012506498A (ja) * | 2008-10-23 | 2012-03-15 | ゲルハルト フィルダン | ブラジャーの背面側留め具 |
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2003
- 2003-08-29 JP JP2003305986A patent/JP2005073820A/ja active Pending
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CN102160693A (zh) * | 2010-01-22 | 2011-08-24 | 大阪美锭工业株式会社 | 衣服用卡扣 |
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