JP6153137B2 - スライドファスナー付き物品及びスライドファスナー付き物品の製造方法 - Google Patents

スライドファスナー付き物品及びスライドファスナー付き物品の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、複数の噛合頭部を等間隔に有するエレメント部材が、衣料品などの物品に縫い付けて固定されたスライドファスナー付き物品、及びそのスライドファスナー付き物品の製造方法に関する。
スライドファスナーは、一般的に、衣料品、日用雑貨品、産業用資材などの物品や、自動車、列車、航空機等の各種シート類などの物品の開閉具として多く使用されている。各種の物品の開閉部に使用されるスライドファスナーは、一般に、エレメント列が形成された一対のファスナーストリンガーと、エレメント列に沿って摺動可能に配されたスライダーとを有している。
ファスナーストリンガーとしては、例えば、熱可塑性樹脂製のモノフィラメントをコイル状又はジグザグ状に成形して、複数の噛合頭部が一続きに連結された連続ファスナーエレメントを、ファスナーテープに縫着することによってエレメント列が形成されたファスナーストリンガーや、合成樹脂製の単独エレメントを帯状のファスナーテープに直接射出成形することによってエレメント列が形成されたファスナーストリンガーなどが一般的に知られている。
また、例えば国際公開第2012/020499号パンフレット(特許文献1)には、図18及び図19に示すようなファスナーストリンガー71を有するスライドファスナー70が開示されている。
この特許文献1に記載されているスライドファスナー70は、ファスナーテープ73にエレメント列72が形成された左右一対のファスナーストリンガー71と、エレメント列72に沿って摺動可能なスライダー80と、左右のエレメント列72の一端部に配された第1止具78と、左右のエレメント列72の他端部に配された第2止具79とを有している。
この場合、前後方向とは、ファスナーテープ73のテープ長さ方向を言い、特に、スライダー80がスライドファスナー70のエレメント列72を噛合させるように摺動する方向を前方とし、エレメント列72を分離させるように摺動する方向を後方とする。また、左右方向とは、ファスナーテープ73のテープ幅方向を言う。更に、上下方向とは、ファスナーテープ73のテープ表裏方向を言い、特に、ファスナーテープ73に対してスライダー80の引手81が配されている側の方向を上方とし、その反対側の方向を下方とする。
左右の各ファスナーストリンガー71は、帯状のファスナーテープ73と、ファスナーテープ73の第1面側に配された複数のファスナーエレメント90とを有しており、複数のファスナーエレメント90は、互いに平行に配される2本の連結紐状部材(例えば連結糸)91によって、互いに連結された状態で、図示しない2組の縫着糸の二重環縫いによってファスナーテープ73の第1面に縫い付けられている。
各ファスナーエレメント90は、2本の連結紐状部材91に合成樹脂を射出成形することにより構成されている。また、各ファスナーエレメント90は、2本の連結紐状部材91に固定される胴体部92と、胴体部92からテープ幅方向の外側(噛合相手方のファスナーストリンガー71側)に向けて延出する延出部93とを有しており、延出部93は、ファスナーテープ73の第1面に対面する側に配された第1延出部93aと、外部に露出する側に配され、第1延出部93aとは異なる形態を備えた第2延出部93bとを有している。
この場合、ファスナーエレメント90の胴体部92の上面部と前端面部及び後端面部とには、ファスナーエレメント90をファスナーテープ73に縫着する縫着糸を収容するための2つの凹状の収容溝が、2本の連結紐状部材91間に挟まれるようにして設けられている。また、第1延出部93aは、胴体部92からテープ幅方向に延出し、括れた形状を呈する首部94と、首部94から更に延出した膨大状の噛合頭部95とを有する。第2延出部93bは、平面視において、先端部に向けてテープ長さ方向(前後方向)の寸法が漸減する略三角形状の形態を備える。
上述のような構成を有する特許文献1のファスナーストリンガー71では、ファスナーエレメント90を縫着する2組の縫着糸が、ファスナーエレメント90の収容溝に収容されながらファスナーエレメント90をファスナーテープ73に縫い付け固定するため、縫着糸によりファスナーエレメント90がしっかりと固定されるとともに、縫着糸がファスナーエレメント90から脱落することを防止できる。このため、ファスナーテープ73に対するファスナーエレメント90の取付強度が向上する。
また、2本の連結紐状部材91で連結された各ファスナーエレメント90が、2組の縫着糸の二重環縫いによって縫い付けられるため、各ファスナーエレメント90をファスナーテープ73に対して安定した姿勢で取り付けることができる。
更に、例えば合成樹脂製のファスナーエレメントをファスナーテープに直接射出成形するタイプの従来のファスナーストリンガーでは、通常、ファスナーテープの表裏両面に跨ってファスナーエレメントが形成される。しかし、特許文献1のファスナーストリンガー71では、射出成形された合成樹脂製のファスナーエレメント90が、ファスナーテープ73の一方のテープ面側のみに配されている。このため、特許文献1では、射出成形タイプのファスナーエレメント90を有するファスナーストリンガー71の軽量化が図れるとともに、ファスナーテープ73の柔軟性(特に、テープ表裏方向の柔軟性)を高めることができる。
また、例えば国際公開第2009/118846号パンフレット(特許文献2)には、合成樹脂を連結紐状部材に射出成形することによって構成されたファスナーストリンガーを有する隠しスライドファスナーが開示されている。
ところで、従来の一般的なスライドファスナー(ファスナーストリンガー)では、コイル状の連続ファスナーエレメントや、射出成形された単独エレメントなどのファスナーエレメントは、ファスナーテープのテープ側縁部(エレメント取付部)に取着することによって構成されている。
これに対して、例えば特開昭62−299205号公報(特許文献3)には、スライドファスナーが取り付けられた物品(スライドファスナー付き物品)における色合いなどの見栄え(外観品質)の向上や、軽量化などを図るために、物品の生地を織成又は編成する際に、当該生地にファスナーエレメントを直接織り込み固定又は編み込み固定することにより、ファスナーテープを介在させずに、ファスナーエレメントを物品の生地に直接取着することが開示されている。
このようにファスナーエレメントが物品の生地に直接織り込み又は編み込みされる場合、例えばスライドファスナーを製造してから、当該スライドファスナーのファスナーテープを物品の生地に縫製してスライドファスナー付き物品を製造する場合に比べて、スライドファスナー付き物品の製造における作業工程を減らすことが可能となる。このため、製造ラインのスピード化やコスト削減といった効果が期待できる。
更に、物品の生地にファスナーエレメントを正確な取付ピッチで織り込み固定又は編み込み固定できるため、スライドファスナーの開閉操作(ファスナーエレメントの噛合及び分離の操作)を円滑に行うことができる。
国際公開第2012/020499号パンフレット 国際公開第2009/118846号パンフレット 特開昭62−299205号公報
近年、衣料品などの衣類、鞄類、及び靴類などの物品では、それぞれの用途に応じて性質を改善したり、様々な機能を付与したりして付加価値を高めることが行われており、例えば日常的に使用される衣類や鞄類などにおいては、更なる軽量化や柔軟性の向上などが求められてきている。
しかし、例えば特許文献1及び2のスライドファスナーなどのような左右一対のファスナーストリンガーを有する従来のスライドファスナーでは、スライドファスナーの構成部品として、ファスナーテープ、ファスナーエレメント、及びスライダーが必要不可欠であるため、そのスライドファスナーが取着されたスライドファスナー付き物品では、重量の増加が避けられない。また、物品の開閉部に、複数のファスナーエレメントが取着されたファスナーテープ(すなわち、ファスナーストリンガー)が縫製等によって取り付けられることにより、物品の柔軟性を低下させるという問題を生じさせていた。
一方、例えば特許文献3に記載されているように、ファスナーエレメントを物品の生地に直接織り込み固定又は編み込み固定することにより、スライドファスナー付き物品を製造する場合、スライドファスナーの必須構成部品であるファスナーテープが不要となるため、スライドファスナー付き物品の軽量化を図ることが可能となる。
しかし、ファスナーエレメントを物品の生地に直接織り込み固定又は編み込み固定するためには、高度の技術が必要となるため、設備コストの増加を招くことや、熟練の技術者を確保する必要があるといった問題があった。また、ファスナーエレメントを直接織り込み固定又は編み込み固定するためのしっかりとした生地に構成する必要があるため、そのファスナーエレメントを固定する生地と、それ以外を構成する生地とでは、柔らかさ、厚さ、質感を同等のものにすることができないという問題があった。
また、物品の生地にファスナーエレメントを直接織り込み固定又は編み込み固定する場合、例えば物品の生地に合成樹脂をコーティングして生地に防水性を付与するというように、その生地自体に所望の機能を付与することが難しい。このため、特許文献3に記載されている方法は、生地に防水性などの特別な機能を持たせるようなスライドファスナー付き物品の製造には適していないという欠点があった。
本発明は上記従来の課題に鑑みてなされたものであって、その具体的な目的は、軽量化や柔軟性の向上が実現できるとともに、生地に防水性などの特別な機能を備えさせるような場合でも、容易に製造することが可能なスライドファスナー付き物品、及びそのスライドファスナー付き物品の製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明により提供されるスライドファスナー付き物品は、基本的な構成として、複数の合成樹脂製の単独エレメントが、可撓性を有する少なくとも1本の連結紐状部材に等間隔で固着一体化されて連結された一対のエレメント部材と、上下翼板間にエレメント案内路が形成されたスライダーと、物品の開閉部を形成するファスナー被着部材とを有し、前記ファスナー被着部材の第1面側に、前記一対のエレメント部材が縫い糸により直接縫着され、前記スライダーの前記エレメント案内路内に、前記エレメント部材と前記ファスナー被着部材とが挿通されてなり、前記ファスナー被着部材に補強シート部材が、ファスナー被着部材の第1面側に取着され、かつ前記補強シート部材がファスナー被着部材とエレメント部材との間に挟まれるようにし、前記縫い糸が前記エレメント部材、前記補強シート部材及び前記ファスナー被着部材を縫合することを最も主要な特徴とするものである。
本発明に係るスライドファスナー付き物品において、前記エレメント部材は、2本の前記連結紐状部材に、複数の前記単独エレメントが射出成形されて構成され、前記単独エレメントは、前記連結紐状部材が挿通する胴体部と、前記胴体部から前記ファスナー被着部材の外方に延出する延出部とを有し、前記延出部は、前記ファスナー被着部材側となる第1面側に配され、首部及び噛合頭部を備えた第1延出部と、前記ファスナー被着部材から離間する第2面側に配され、延出方向に向けてテープ長さ方向の寸法が漸減する三角形状の第2延出部とを有していることが好ましい。
また、前記エレメント部材は、2本の前記連結紐状部材に、複数の前記単独エレメントが射出成形されて構成され、前記単独エレメントは、噛合頭部と、前記噛合頭部を挟んで延設された第1脚部及び第2脚部とを有し、前記第1脚部及び第2脚部に、前記連結紐状部材がそれぞれ挿通されていても良い。
また、本発明に係るスライドファスナー付き物品において、前記ファスナー被着部材の第2面側に、合成樹脂製の防水層が形成され、又は樹脂フィルム部材が貼着され、一対の前記エレメント部材が噛合したときに、対向する前記防水層同士若しくは前記樹脂フィルム部材同士が接触していることが好ましい。
更に、本発明に係るスライドファスナー付き物品では、複数の前記単独エレメントにより形成されるエレメント列の一端及び他端の少なくとも一方に隣接して、前記ファスナー被着部材とは別の生地片が前記スライダーの止具として取着されていることが好ましい。
次に、本発明によれば、スライダーの摺動により開閉されるスライドファスナーが、ファスナー被着部材に取着されたスライドファスナー付き物品の製造方法であって、複数の噛合頭部を等間隔に有する一対のエレメント部材を作製すること、前記エレメント部材を前記ファスナー被着部材の第1面側に縫着し、前記エレメント部材が縫着された前記ファスナー被着部材を、前記エレメント部材と一緒に所要の形状に裁断することにより、又は、前記ファスナー被着部材を所定の形状に裁断するとともに前記エレメント部材を所要の長さに切断し、前記ファスナー被着部材の第1面側に前記エレメント部材を縫着することにより、エレメント部材付き構成パーツを作製すること前記構成パーツを用いて前記物品を組み立てるとともに、前記エレメント部材によるエレメント列に前記スライダーを摺動可能に取り付けること、及び前記ファスナー被着部材に補強シート部材を、ファスナー被着部材の第1面側に取着し、かつ前記補強シート部材をファスナー被着部材とエレメント部材との間に挟むようにして、前記縫い糸をもって前記エレメント部材、前記補強シート部材及び前記ファスナー被着部材を縫合すること、を含んでなることを最も主要な特徴とするスライドファスナー付き物品の製造方法が提供される。
本発明に係るスライドファスナー付き物品の製造方法は、前記構成パーツにおける前記エレメント列の一端及び他端の少なくとも一方に隣接して、前記ファスナー被着部材とは別の生地片を前記スライダーの止具として取着することを含んでいることが好ましい。
特に、本発明に係るスライドファスナー付き物品の製造方法は、前記エレメント部材を、前記噛合頭部を有する複数の単独エレメントを少なくとも1本の可撓性を有する連結紐状部材に射出成形することにより作製することを含んでいることが好ましい。
更に、本発明に係るスライドファスナー付き物品の製造方法は、前記ファスナー被着部材の裁断時又は前記エレメント部材の切断時に、前記エレメント部材を前記連結紐状部材の部分にて切断することを含んでいることが好ましい。
また、本発明に係るスライドファスナー付き物品の製造方法は、前記ファスナー被着部材に補強シート部材を固着することを含んでいることが好ましい
更に、本発明に係るスライドファスナー付き物品の製造方法は、前記エレメント部材を前記ファスナー被着部材に縫着した後に、前記ファスナー被着部材の第2面側に、合成樹脂製の防水層を、一対の前記エレメント部材が噛合したときに、対向する当該防水層同士が接触するように形成すること、又は、樹脂フィルム部材を、一対の前記エレメント部材が噛合したときに、対向する当該樹脂フィルム部材同士が接触するように貼着することを含んでいることが好ましい。
更にまた、本発明に係るスライドファスナー付き物品の製造方法は、前記構成パーツを衣服の前身頃側又は後身頃側の開閉部を形成する部位に用いて、前記スライドファスナー付き物品として衣服を製造することを含んでいることが好ましい。
本発明により提供されるスライドファスナー付き物品は、複数の合成樹脂製の単独エレメントが、可撓性を有する少なくとも1本の連結紐状部材に等間隔で固着一体化されて連結された一対のエレメント部材と、スライダーと、物品の開閉部を形成するファスナー被着部材とを有している。また、ファスナー被着部材の開閉部における第1面側に、一対のエレメント部材が縫い糸により直接縫着されているとともに、スライダーのエレメント案内路内に、エレメント部材とファスナー被着部材とが挿通されている。
このような本発明のスライドファスナー付き物品によれば、ファスナー被着部材の一部をファスナーテープとして利用することができるため、従来のスライドファスナーでは必須構成部品であったファスナーテープを用いることなくスライドファスナーを構成することができる。このようにファスナーテープを不用とすることにより、スライドファスナー付き物品の軽量化や柔軟性の向上を図ることができる。特に、本発明では、エレメント部材が衣服の生地の第1面側のみに配されるため、衣服のスライドファスナーが取り付けられた部分の柔軟性(特に、生地表裏面方向の柔軟性)を高めることができる。
また、本発明のスライドファスナー付き物品では、例えば防水性などのような所望の機能が付与されたファスナー被着部材の生地に対して、エレメント部材を縫製により直接縫い付けることが可能であるため、例えば前記特許文献3の場合に比べて、生地が特別な機能を備えたスライドファスナー付き物品の製造を低コストで容易に行うことが可能となる。
本発明のスライドファスナー付き物品において、複数の単独エレメントが、2本の連結紐状部材に射出成形されてエレメント部材が構成されていることにより、エレメント部材の構造を簡単にすることができるとともに、各単独エレメントの姿勢を安定させることができる。このため、当該エレメント部材をファスナー被着部材に容易に且つ安定して縫着することができる。
特に本発明では、単独エレメントが、連結紐状部材が挿通する胴体部と、胴体部からファスナー被着部材の外方に延出する延出部とを有し、また、延出部が、ファスナー被着部材側となる第1面側に配され、首部及び噛合頭部を備えた第1延出部と、ファスナー被着部材から離間する第2面側に配され、延出方向に向けてテープ長さ方向の寸法が漸減する三角形状の第2延出部とを有して、エレメント部材が構成されている。このようにエレメント部材が構成されていることにより、単独エレメントをファスナー被着部材に安定して直接縫着することができ、また、スライダーを摺動させることにより、エレメント部材からなる左右のエレメント列を安定して噛合・分離させることができる。
また、本発明では、単独エレメントが、噛合頭部と、噛合頭部を挟んで延設された第1脚部及び第2脚部とを有し、更に、第1脚部及び第2脚部に、連結紐状部材がそれぞれ挿通されて、エレメント部材が構成されていても良い。このようにエレメント部材が構成されていることによっても、単独エレメントをファスナー被着部材に安定して直接縫着することができ、また、スライダーを摺動させることにより、エレメント部材からなる左右のエレメント列を安定して噛合・分離させることができる。
更に、本発明のスライドファスナー付き物品においては、ファスナー被着部材に、補強シート部材が取着されている。また、エレメント部材が、補強シート部材とともに縫い糸でファスナー被着部材に縫着されている。これにより、エレメント部材をファスナー被着部材に直接縫い付ける際に、ミシン針の刺通によりファスナー被着部材に縫い糸が通る孔が形成されても、当該孔の周囲を補強シート部材で補強できるため、ファスナー被着部材に破損などを生じ難くすることができ、スライドファスナー付き物品の強度や耐久性を高めることができる。
この場合、補強シート部材が、エレメント部材とファスナー被着部材との間に介装されていることにより、補強シート部材を目立ち難くすることができ、スライドファスナー付き物品の外観品質が低下することを抑えられる。また、補強シート部材が、ファスナー幅方向において、エレメント部材よりも生地の内側に延ばして、特に、スライダーのフランジ部が摺接する領域まで延ばして取り付けられていることにより、ファスナー被着部材である生地を広い範囲で補強できる。更に、スライダーのフランジ部を生地に直接摺接させることを防ぎ、又は直接摺接させ難くすることができる。このため、生地がスライダーとの間の摩擦によって擦り切れることを抑制できる。
また、本発明に係るスライドファスナー付き物品は、ファスナー被着部材の開閉部における第2面側に、合成樹脂製の防水層が形成され、又は樹脂フィルム部材が貼着されており、一対のエレメント部材が噛合したときに、対向する防水層同士若しくは樹脂フィルム部材同士が接触するように構成されている。
これにより、例えば防水性を備えたファスナー被着部材にエレメント部材が縫製により縫着されて、ファスナー被着部材に縫い糸が通る孔が形成されても、合成樹脂製の防水層又は樹脂フィルム部材により、当該孔を介して液体が侵入することを防止できる。また、左右のエレメント列が噛合したときに、開閉部を形成するファスナー被着部材の対向側縁からの液体の侵入も阻止できる。このため、スライドファスナー付き物品に、優れた防水性を備えさせることができる。
更に、本発明に係るスライドファスナー付き物品では、複数の前記単独エレメントにより形成されるエレメント列の一端及び他端の少なくとも一方に隣接して、ファスナー被着部材とは別の生地片がスライダーの止具として取着されている。これにより、エレメント列に摺動可能に取着されたスライダーが、エレメント列から外れて脱落することを防止できる。
次に、本発明により提供されるスライドファスナー付き物品の製造方法は、先ず、複数の噛合頭部を等間隔に有する一対のエレメント部材を作製する。
続いて、得られたエレメント部材をファスナー被着部材の第1面側に縫着してから、エレメント部材が縫着されたファスナー被着部材を、そのエレメント部材とともに所要の形状に裁断する。或いは、ファスナー被着部材を所定の形状に裁断するとともにエレメント部材を所要の長さに切断してから、そのファスナー被着部材の第1面側にエレメント部材を縫着する。これによって、エレメント部材付き構成パーツを作製する。その後、得られた構成パーツを用いて物品を組み立てるとともに、エレメント部材によるエレメント列にスライダーを摺動可能に取り付けることによって、スライドファスナー付き物品を製造する。
このような本発明の製造方法によれば、エレメント部材付きの構成パーツを含む複数の構成パーツを用いて、所定の形態に組み立てられたスライドファスナー付き物品を安定して製造することができる。また、本発明の製造方法では、例えば防水性などのような所望の機能が付与されたファスナー被着部材の生地に対して、エレメント部材を縫製により直接縫い付けることができるため、当該機能を備えたスライドファスナー付き物品を低コストで容易に製造することができる。そして、このような製造方法により製造されたスライドファスナー付き物品は、上述のように、ファスナー被着部材の一部がファスナーテープとして用いられているため、軽量で柔軟性にも優れている。
本発明の製造方法は、構成パーツにおけるエレメント列の一端及び他端の少なくとも一方に隣接して、ファスナー被着部材とは別の生地片をスライダーの止具として取着することを含んでいる。これにより、スライドファスナー付き物品を構成したときに、エレメント列に摺動可能に取着されたスライダーが、エレメント列から外れて脱落することを防止できる。
また、本発明の製造方法は、噛合頭部を有する複数の単独エレメントを少なくとも1本の可撓性を有する連結紐状部材に射出成形して、これらの単独エレメントを連結紐状部材で互いに連結することによってエレメント部材を作製することを含んでいる。これにより、エレメント部材を簡単な構造で構成することができ、また、エレメント部材を有するスライドファスナー付き物品を低コストで安定して製造することができる。なお、本発明の製造方法では、エレメント部材として、モノフィラメントをコイル状又はジグザグ状に成形して構成され、複数の噛合頭部を等間隔に有する連続したエレメント部材を用いることも可能である。
この場合、本発明の製造方法は、ファスナー被着部材の裁断時又はエレメント部材の切断時に、エレメント部材を連結紐状部材の部分にて切断することを含んでいる。これにより、スライドファスナー付き物品の製造において、エレメント部材の切断を効率的且つ的確に行うことができる。
また、本発明の製造方法は、ファスナー被着部材に補強シート部材を接着又は溶着により固着すること、及び、エレメント部材を、補強シート部材とともに縫い糸でファスナー被着部材に縫着することを含んでいる。これにより、ファスナー被着部材を補強シート部材で補強できるため、ファスナー被着部材に破損などが生じ難く、強度や耐久性に優れたスライドファスナー付き物品を安定して製造することができる。
この場合、本発明の製造方法は、補強シート部材を、エレメント部材とファスナー被着部材との間に介装することを含んでいることにより、補強シート部材を目立ち難い状態でファスナー被着部材に取り付けることができる。このため、製造されるスライドファスナー付き物品において外観品質が低下することを抑制できる。
更にこの場合、補強シート部材を、ファスナー幅方向において、エレメント部材よりも生地の内側に延ばして、特に、スライダーのフランジ部が摺接する領域まで延ばして生地に取り付けることにより、生地を広い範囲で補強できる。しかも、スライダーのフランジ部を生地に直接摺接させることを防ぎ、又は直接摺接させ難くすることができるため、生地がスライダーとの間の摩擦によって擦り切れることを抑制できる。
また、本発明の製造方法は、エレメント部材をファスナー被着部材に縫着した後に、ファスナー被着部材の第2面側に、合成樹脂製の防水層を、一対のエレメント部材が噛合したときに、対向する当該防水層同士が接触するように形成することを含んでいる。或いは、本発明の製造方法は、エレメント部材をファスナー被着部材に縫着した後に、ファスナー被着部材の第2面側に、樹脂フィルム部材を、一対のエレメント部材が噛合したときに、対向する当該樹脂フィルム部材同士が接触するように貼着することを含んでいる。
このような防水層又は樹脂フィルム部材をファスナー被着部材の第2面側に形成するにより、縫製時にファスナー被着部材にミシン針の刺通による孔が形成されても、当該孔を介して液体が侵入することを防止できる。また、左右のエレメント列の噛合時に、一対のファスナー被着部材の互いに接触する対向側縁間から液体が侵入することも阻止できる。このため、スライドファスナー付き物品の防水性を向上させることができる。
更に、本発明の製造方法によれば、構成パーツを衣服の前身頃側又は後身頃側の開閉部を形成する部位に用いて、スライドファスナー付き物品として衣服を好適に製造することができ、また、製造されるスライドファスナー付き衣服に、防水性などのような所望の機能を低コストで容易に備えさせることができる。また、本発明の製造方法により製造された衣服は、前身頃側又は後身頃側の開閉部をスライドファスナーで開閉でき、また、衣服の生地の一部がファスナーテープとして用いられているため、軽量で柔軟性に優れている。
本発明の実施例1に係るスライドファスナー付き物品(衣服)を模式的に示す外観図である。 同スライドファスナー付き物品の正面図である。 同スライドファスナー付き物品の要部について、その一部を透過させて示す拡大図である。 同スライドファスナー付き物品の要部を更に拡大して示す拡大図である。 同スライドファスナー付き物品において、左右のエレメント部材が噛合した状態を示す断面図である。 同エレメント部材がファスナー被着部材に縫着される前の状態を示す斜視図である。 同エレメント部材が縫い付けられたファスナー被着部材を示す平面図である。 同スライドファスナー付き物品用の構成パーツの一部を示す平面図である。 別の態様に係る製造方法において、エレメント部材がファスナー被着部材に縫着される前の状態を示す平面図である。 更に別の態様に係る製造方法において、構成パーツが作製される前の状態を示す平面図である。 作製された構成パーツの平面図である。 本発明の実施例2に係るスライドファスナー付き物品の要部を示す断面図である。 同スライドファスナー付き物品の製造において、エレメント部材が取着される前のファスナー被着部材及び補強シート部材を示す断面図である。 同スライドファスナー付き物品の製造において、エレメント部材が補強シート部材及びファスナー被着部材に縫着された状態を示す断面図である。 同スライドファスナー付き物品の製造において、ファスナー被着部材に防水層が形成された状態を示す断面図である。 本発明の実施例3に係るスライドファスナー付き物品の要部を示す断面図である。 同スライドファスナー付き物品に用いられるエレメント部材を示す斜視図である。 従来のスライドファスナーを示す平面図である。 従来のスライドファスナーの要部を示す斜視図である。
以下、本発明の好適な実施の形態について、実施例を挙げて図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下で説明する実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明と実質的に同一な構成を有し、かつ、同様な作用効果を奏しさえすれば、多様な変更が可能である。
例えば、以下の各実施例では、スライドファスナー付き物品がスライドファスナー付き衣服である場合について説明するが、本発明に係るスライドファスナー付き物品は、衣服(衣料品)に限定されるものではなく、靴類や鞄類などの日用雑貨品、産業用資材などの物品、自動車、列車、航空機等の各種シート類などの様々な物品が含まれる。
図1は、本実施例1に係るスライドファスナー付き衣服を示す外観図である。図2は、同スライドファスナー付き衣服の正面図であり、図3は、同スライドファスナー付き衣服の要部について、その一部を透過させて示す拡大図である。また、図4は、同スライドファスナー付き物品の要部を更に拡大して示す拡大図であり、図5は、同スライドファスナー付き物品において、左右のエレメント部材が噛合した状態を示す断面図である。なお、図1では、エレメント部材の図示が省略されている。
また、以下のエレメント部材に関する説明において、前後方向とは、スライダーの摺動方向に平行なファスナー長さ方向を言い、特に、スライダーが左右のエレメント列を噛合させるように摺動する方向を前方とし、左右のエレメント列を分離させるように摺動する方向を後方とする。
左右方向とは、スライドファスナーのファスナー幅方向(特に、ファスナー被着部材となる生地の幅方向)を言い、例えば、スライダーの摺動方向に直交し、且つ、ファスナー被着部材のエレメント部材取付面に平行な方向である。更に、上下方向とは、前後方向と左右方向とに直行する方向を言い、例えばファスナー被着部材のエレメント部材取付面に直交するファスナー厚さ方向を指す。特に、エレメント部材に対してスライダーの引手が配されている側の方向を上方とし、その反対側の方向を下方とする。
本実施例1に係るスライドファスナー付き物品は、衣服(衣料品)1であり、この衣服1の前身頃の前立て部に設けられた開閉部に、後述するエレメント部材10と、スライダー20とが取り付けられている。すなわち、本実施例1において、衣服1の前立て部を構成する生地(ガーメント生地とも言う)2が、エレメント部材10が取着されるファスナー被着部材となる。
本実施例1におけるスライドファスナーは、衣服1の生地2にエレメント列4が直接形成されて構成された左右一対のファスナーストリンガーと、左右のエレメント列4に沿って摺動可能に配されたスライダー20とを有している。
なお、従来のスライドファスナーで、スライダーがエレメント列から脱落することを防ぐために、一般的に、エレメント列の前端及び後端に隣接して止具が設けられているが、本実施例1のスライドファスナーの場合、エレメント列4の前端側及び後端側に止具を設ける代わりに、エレメント列4の前端部及び後端部に重なるようにして、後述するように、衣服1の構成パーツとなる生地片3が縫い付けられている(図3を参照)。
このようにエレメント列4の前端部及び後端部に生地片3を縫い付けることにより、当該生地片3が止具と同じように働いて、スライダー20がエレメント列4の前端及び後端から脱落することを防止している。なお、本発明では、本実施例1のように生地2をエレメント列4に重ねて縫合せずに、例えばエレメント列4の前端及び後端に隣接する位置に止具を所定の形状に成形すること、エレメント列4の前後端部に配されたファスナーエレメント11に止具部品を嵌着させて止具を形成することなどによって、エレメント列4からのスライダー20の脱落を防ぐことも可能である。
またその他に、エレメント列4の前後端部に樹脂フィルムを接着又は溶着すること、エレメント列4の前後端部から延出した生地2の延出部分を折り返して縫い合わせること、及び、左右のエレメント列4の前後端部を噛合させた状態でファスナー幅方向に縫うことなどによって、止具を形成しなくても、エレメント列4からのスライダー20の脱落を防ぐことも可能である。更に、本発明では、止具の代わりに、蝶棒、箱棒、及び箱体を備えた開離嵌挿具を設けることも可能である。
本実施例1において、左右の各ファスナーストリンガーは、ファスナーテープとしての役割も果たす物品の生地(ファスナー被着部材)2と、当該生地2に2組の縫い糸19により固定されたエレメント部材10とを有している。
ファスナー被着部材である生地2は、衣服の前立て部を構成する生地2であり、その衣服に必要な性能や性質(柔らかさ、厚さ、質感、色合いなど)を備えている。本実施例1において、エレメント部材10が縫着されている生地2は、衣服の形やデザイン等に応じて、所定の形状及び寸法に裁断されている。特に軽量化の点から、一般的な従来のファスナーテープの厚さが1.1mm〜1.5mmであるのに対し、ファスナー被着部材である生地2及びその他の部分の生地は薄く、その厚さは0.4mm〜0.7mmである。
また、エレメント部材10が縫着される生地2には、生地2の表面や裏面に、図示しない樹脂フィルムなどの補強シート部材を貼着して生地2を補強することも可能である。なお本発明において、この衣服の生地2自体の構成は特に限定されるものではなく、衣服の用途などに応じて適宜変更することができる。
本実施例1のエレメント部材10は、噛合頭部18を備えた複数の独立した単独ファスナーエレメント(単独エレメント)11と、これら複数のファスナーエレメント11を連結する2本の連結紐状部材12とを有しており、本実施例1のファスナーエレメント11及び連結紐状部材12自体は、前述の特許文献1に係るスライドファスナーに用いられているファスナーエレメント及び連結紐状部材と実質的に同様の構成を有する。なお、本発明では、複数のファスナーエレメント11を1本の連結紐状部材12により連結してエレメント部材を構成することも可能である。以下に、本実施例1のエレメント部材10について、具体的に説明する。
本実施例1のエレメント部材10を構成する複数のファスナーエレメント11は、2本の連結紐状部材12によって等間隔で連結された状態で、ファスナー長さ方向に沿って一列に整列している。複数のファスナーエレメント11は、例えば、ポリアミド、ポリアセタール、ポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレートなどの熱可塑性樹脂を、2本の連結紐状部材12に射出成形することにより、これらの連結紐状部材12と一体的に形成されている。
なお、本発明において、ファスナーエレメント11の材質は、上記した合成樹脂に限定されるものではなく、例えばファスナーエレメント11をその他の合成樹脂又は金属で構成することも可能である。また、本発明のエレメント部材は、熱可塑性樹脂を連結紐状部材12に射出成形してファスナーエレメント11が形成されたものに限定されず、例えば、熱可塑性樹脂を射出成形して所定の形状に形成されたファスナーエレメントを、連結紐状部材に溶着又は接着などによって固着されたものを含む。
本実施例1のファスナーエレメント11は、2本の連結紐状部材12に固定される胴体部13と、胴体部13からファスナー幅方向に沿って生地2の外方側(噛合相手方のファスナーストリンガー側)に延出する延出部14とを有している。胴体部13は、所定の長さ寸法(前後方向の寸法)と所定の高さ寸法(上下方向の寸法)とを有する略直方体状の立体に、縫い糸19を収容する2つの凹状の収容溝15が形成された形態を有している。
この場合、2つの収容溝15は、胴体部13における2本の連結紐状部材12間に挟まれた領域に、胴体部13の上面側と前後端面側とに連続する凹溝として、互いに離間した位置に形成されている。また、胴体部13の生地2に対面する下面(裏面)には、凹状に湾曲した湾曲部16が、2本の連結紐状部材12に挟まれて設けられている。
更に、胴体部13における生地2の内方側に向いている端面(噛合頭部18側とは反対の端面)は、平面視にて、ファスナー長さ方向の中央部が生地2の内方側に向けて膨出した凸曲面状に形成されている。これによって、スライダー20がエレメント列4に沿って摺動するときに、当該スライダー20の後述する左右の上フランジ部25とファスナーエレメント11との間に生じる摩擦を小さくして、スライダー20の摺動性を高めることができる。
同ファスナーエレメント11の延出部14は、生地2の側端縁から外方に突出して配されている。また、この延出部14は、生地2の表面(第1面)に対面する側(下部側)となる下面(第1面)側に配された第1延出部14aと、生地2の表面(第1面)から離間する上面(第2面)側となる外部に露出する側(上部側)に配された第2延出部14bとを備えている。また、第1延出部14aと第2延出部14bとは互いに異なる形態を有しているものの、第1延出部14aと第2延出部14bとは一体的に形成されている。更に、第1延出部14aの高さ寸法は、第2延出部14bの高さ寸法よりも大きく設定されている。
第1延出部14aは、胴体部13から延出し、長さ寸法が小さくなるように括れた形態の首部17と、首部17の先端部から更に生地2の外方側に延出し、ファスナー長さ方向に膨大した長円形状の噛合頭部18とを有している。この場合、噛合頭部18の長さ寸法は、胴体部13の長さ寸法よりも大きく設定されている。
第2延出部14bは、胴体部13から生地2の外方側に向けて延出し、その延出方向の先端に向けて長さ寸法(前後方向の寸法)を漸減させる形態を有しており、上面側から見たときに、略三角形状を呈する。この場合、第2延出部14bは、第1延出部14aの首部17に対して、前後方向に張り出して形成されている。一方、第1延出部14aの噛合頭部18は、第2延出部14bに対して前後方向に突出して形成されている。
本実施例1における三角形状の第2延出部14bは、スライドファスナー付き衣服1において左右のエレメント列4が噛合したときに、左右のファスナーエレメント11の第2延出部14b同士が接触又は近接する形状及び寸法を有している。これによって、左右のエレメント列4の噛合時に第1延出部14aの首部17及び噛合頭部18が第2延出部14bの裏面側に隠れて見え難くなる。
このような構成を有する複数のファスナーエレメント11は、互いに平行に配された2本の連結紐状部材12に対して合成樹脂を射出成形することによって構成されている。また、複数のファスナーエレメント11を連結する連結紐状部材12は、生地2の内方側の位置で胴体部13に挿通される第1連結紐状部材12aと、延出部14側の位置で胴体部13に挿通される第2連結紐状部材12bとを有している。
これら第1及び第2連結紐状部材12a,12bは、円形の断面を有して各ファスナーエレメント11を貫通している。また、第1及び第2連結紐状部材12a,12bは、マルチフィラメント糸などの紐状部材で構成されている。なお、本発明において、連結紐状部材12の材質は特に限定されるものではなく、ファスナーエレメント11と同じ合成樹脂を用いて形成されたモノフィラメント、又はその他の糸などによって構成することも可能である。また、第1及び第2連結紐状部材12a,12bの断面形状も、必要に応じて任意に変更することが可能である。
本実施例1のエレメント部材10では、上述のように、互いに平行に配された2本の第1及び第2連結紐状部材12a,12bによって複数のファスナーエレメント11が連結されていることにより、各ファスナーエレメント11の姿勢(位置関係)や各ファスナーエレメント11間の間隔が安定して保持される。
また、このようなファスナーエレメント11及び連結紐状部材12を有する本実施例1のエレメント部材10は、生地2の表面(第1面)に配置した状態で、ミシンによる縫製が行われることによって、生地2に縫着されている。特に本実施例1において、エレメント部材10は、2組の縫い糸19の二重環縫いによって生地2に取着されている。
この場合、二重環縫いを構成する縫い糸19は、生地2及びファスナーエレメント11の表面側を走行するルーパ糸と、生地2の裏面側を走行するとともに、所定の間隔で生地2を刺通してルーパ糸と交絡する針糸とを有している。また、ルーパ糸は、ファスナーエレメント11の胴体部13に形成された2つの収容溝15内に収容されながら、そのルーパ糸と針糸との間に生地2とファスナーエレメント11の胴体部13とを拘束することによって、ファスナーエレメント11が生地2に縫い付け固定されている。
このように2組の縫い糸19が、それぞれファスナーエレメント11の収容溝15に収容されながら、当該ファスナーエレメント11を生地2に縫い付け固定することによって、縫い糸19の位置がずれることなく、また、ファスナーエレメント11を縫い糸19でしっかりと固定できる。このため、生地2に対するファスナーエレメント11の取り付け強度が向上し、ファスナーエレメント11が生地2から外れたり、脱落したりすることを防止できる。
また、縫い糸19のステッチ形式として二重環縫いを採用することによって、縫い目の強度に優れ、伸縮性にも富むため好ましく、また、たとえ縫い糸19が切れたとしても、縫い糸19のほつれを生じ難くすることができる。
なお、本発明では、縫い糸19のステッチ形式として、二重環縫い以外の形式を採用することも可能である。また、本発明において、例えば上記収容溝15を設けずにファスナーエレメント11を構成する場合には、エレメント部材10の第1及び第2連結紐状部材12a,12b上に沿って縫い糸19を生地2に刺通させて縫着を行うことも可能である。
本実施例1のエレメント列4に取り付けるスライダー20は、図2及び図5などに模式的に示したように、スライダー胴体21と、取付軸部を一端部に備えた引手22とを有している。
また、スライダー胴体21は、上翼板23と、上翼板23と離間して平行に配された下翼板24と、上下翼板23,24の前端部(肩口側端部)間を連結する図示しない案内柱と、上翼板23の左右側縁部から下翼板24に向けて垂設された上フランジ部25と、下翼板24の左右側縁部に配された突条部26と、上翼板23の上面に配された引手取付部27とを有している。
このスライダー胴体21の前端部には、案内柱を間に挟んで左右の肩口が形成され、スライダー胴体21の後端部には後口が形成されている。また、上下翼板23,24間には、左右の肩口と後口とを連通する略Y字形状のエレメント案内路が形成されている。特に、本実施例1のスライダー20におけるエレメント案内路は、エレメント部材10と衣服の生地2とが挿通可能な寸法をもって構成されている。このような構成を有するスライダー20を用いることにより、衣服の生地2に直接縫い付けられた左右のエレメント部材10の噛合と分離を円滑に行うことができる。
次に、上述のようなエレメント部材10を有する本実施例1のスライドファスナー付き衣服1の製造方法について説明する。
先ず、エレメント部材10と、衣服用の生地2(裁断される前の生地2)とを準備する。本実施例1のエレメント部材10は、上述したように、2本の平行に配された連結紐状部材12に対して合成樹脂を直接射出成形し、所定の形状を有する複数のファスナーエレメント11を形成することによって作製される。
一方、エレメント部材10とは別に、ファスナー被着部材となる衣服用の生地2を編成や織成などによって作製する。このとき、例えば生地2に防水性を付与したい場合には、編成又は織成された生地2に合成樹脂をコーティングしたり、樹脂フィルムを貼り付けたりすることも可能である。
次に、上述のようにして作製したエレメント部材10及び生地2を用いて、エレメント部材10付きの衣服用構成パーツ5を作製する。例えば図6に示したエレメント部材10を、衣服の前身頃を構成する生地2の前立て部となる部分に、ミシンを用いて縫製を行うことにより縫合する。
このとき、エレメント部材10を生地2の表面に配置した状態でミシンによる縫製を行うことによって、2組の縫い糸19が、ファスナーエレメント11の胴体部13に形成された2つの収容溝15にそれぞれ導かれて収容されるとともに、各縫い糸19の二重環縫いによってファスナーエレメント11の胴体部13が生地2に縫い付けられる。これによって、図7に示したようなエレメント部材10付きの生地2が得られる。
続いて、得られたエレメント部材10付きの生地2を、衣服の前身頃に対応した所定の形状となるように裁断を行う。例えば図7に一点鎖線で示したように、生地2を所定の形状に裁断するとともに、当該生地2に縫着されたエレメント部材10を生地2の形状に合わせて裁断(切断)する。これにより、エレメント部材10が取着された前身頃用の構成パーツ5が作製される。このとき、図8に示したように、互いに線対称の関係となる左右一対の構成パーツ5を作製する。なお、この図8において、一点鎖線は縫い代の部分を表している。
このとき、生地2に縫着されたエレメント部材10を、エレメント部材10のファスナーエレメント11の位置ではなく、連結紐状部材12の位置で切断するようにして生地2の裁断を行うことが好ましい。これにより、エレメント部材10の切断を効率的且つ的確に行うことができるため、エレメント部材10付きの生地2を所定の形状に安定して裁断することができる。
また、左右一対の前身頃用の構成パーツ5の他に、これら前身頃用構成パーツの下端部に縫合される構成パーツ(生地片3)や、衣服における左右の袖部や後身頃を構成する不図示の構成パーツ(生地片)、及び、前身頃の首周りに取り付けられる不図示の構成パーツ(生地片)などを作製して準備する。
特に、前身頃用の構成パーツ5と左右の袖部や後身頃を構成する構成パーツとは、必要な性能や性質として、柔らかさ、厚さ、質感が同等である。色合いについてはデザインによるものであるため、同色であることや、一部の構成パーツの色を変更することがある。
その後、作製した各部位の構成パーツを互いに縫製等により結合させて、衣服を組み立てるとともに、生地2にエレメント部材10を縫い付けて形成されたエレメント列4に、スライダー20を摺動可能に取り付ける。これによって、図1に示したようなスライドファスナー付き衣服1を安定して製造することができる。
このようにして製造された本実施例1のスライドファスナー付き衣服1は、衣服の生地2の一部が、衣服を構成するだけでなく、スライドファスナーのファスナーテープとしても機能するため、従来のスライドファスナーでは必須構成部品であったファスナーテープの存在を省略することができる。このようにファスナーテープが不用となることにより、スライドファスナー付き衣服1の製造コスト(特に、材料によるコスト)を低減することができる。また、スライドファスナー付き衣服1を軽量化できるとともに、衣服の柔軟性を向上させることができる。特に、本実施例1の衣服の場合、衣服の前立て部における生地2表裏方向の柔軟性を高めることができる。
更に、本実施例1の場合、例えば生地2に防水性や撥水性などのような所望の機能を付与した上で、当該生地2にエレメント部材10を直接縫い付けることが可能であるため、防水性や撥水性などを備えた高品質のスライドファスナー付き衣服1を容易に製造することも可能となる。
なお、上述した実施例1の場合、スライドファスナー付き衣服1の製造において、前身頃用の構成パーツ5は、裁断前の生地2に対してエレメント部材10を縫い付け、その後、エレメント部材10付きの生地2を所定の形状に裁断することによって、作製されている。しかし、本発明において、構成パーツを作製する工程は上記実施例1の態様に限定されるものではなく、以下のような方法を用いて、前身頃用の構成パーツ5を作製することも可能である。
例えば図9に示したように、生地2にエレメント部材10を縫い付ける前に、生地2を所定の形状に裁断したものを準備する。また、生地2とは別途に、エレメント部材10を、裁断した生地2の大きさに対応する所要の長さ寸法(実際に必要な長さ寸法)で切断したものを準備する。
その後、所定の形状に裁断した生地2に、所要の長さ寸法のエレメント部材10を縫製によって取り付けることによって、前身頃用の構成パーツ5を作製することも可能である。この場合において、裁断した生地2のエレメント部材10が取り付けられる部分の長さと、所要の長さのエレメント部材10によるエレメント列4の長さとは同じ長さである。
またその他の方法として、生地2にエレメント部材10を縫い付ける前に、生地2を粗い形状(大まかな形状)に予備的に裁断し、続いて、その予備裁断した生地2に、エレメント部材10、又は、ある程度の長さ寸法(実際に必要な長さ寸法よりも長い寸法)に切断したエレメント部材10を縫製によって取り付けることによって、エレメント部材10付きの生地2を作製する。その後、そのエレメント部材10付きの生地2を所定の形状に裁断する。このような方法を用いることによっても、前身頃用の構成パーツ5を作製することも可能である。
更に、例えば図10及び図11に示したように、複数の生地片6(生地2にエレメント部材10が縫着された生地片6を含む)を、縫製により、又は高周波溶着手段などによる溶着により連結することによって、1つの構成パーツ(例えば前身頃用の構成パーツ5)を作製することも可能である。このように複数の生地片6を繋ぎ合わせて構成パーツを作製することにより、大きなサイズのスライドファスナー付き物品などを所定の形状で安定して製造することが可能となる。
なお、上述したエレメント部材10が縫着された生地片6は、エレメント部材10の長手方向の両端部に揃った位置で裁断されている。そして、このエレメント部材10の両端部における生地片6は、少なくとも一方側の端部が湾曲状又は傾斜状となるように裁断される。このような湾曲状や傾斜状の部分が、衣服1を構成したときに前身頃の首周りの形状を呈するものになる。また、他方側の端部も同様に、湾曲状や傾斜状となるように裁断されてもよいが、衣服1の前身頃となる構成パーツ5としては、他方側はエレメント部材10の長手方向に直交する方向に直線状に裁断されることが好ましい。
図12は、本実施例2に係るスライドファスナー付き物品の要部を示す断面図である。図13〜図15は、同スライドファスナー付き物品の製造過程を説明する断面図である。
なお、本実施例2及び後述する実施例3においては、前述の実施例1と実質的に同じ構成を有する部品及び部材については同じ符号を用いて表すことによって、その説明を省略することとする。
本実施例2におけるスライドファスナーは、衣服の生地2にエレメント列が直接形成されて構成された左右一対のファスナーストリンガーと、左右のエレメント列に沿って摺動可能に配されたスライダー30とを有している。また、本実施例2のスライドファスナーは、エレメント列が、衣服の外面側から見え難いように、衣服の生地2の裏面側(内面側)に配される所謂裏使いの態様で構成されている。
本実施例2の左右のファスナーストリンガーは、ファスナーテープとしての役割も果たす物品の生地(ファスナー被着部材)2と、当該生地2に2組の縫い糸19により固定されたエレメント部材10とを有している。この場合、エレメント部材10は、ファスナーエレメント11に湾曲部16が設けられていないことを除いては、前述の実施例1におけるエレメント部材10と同じ構成を有している。
ファスナー被着部材である生地2は、衣服の前立て部を構成する生地2である。この生地2は、当該生地2に水(雨水)などの液体が浸み込まないような防水性を与えるために、生地2の第2面となる表面(外面)に合成樹脂がコーティングされて構成されている。
また、生地2におけるエレメント部材10が取り付けられる側縁部の裏面(第1面)には、樹脂フィルムなどの補強シート部材41が接着剤によって貼着により取着されている。また、この補強シート部材41は、縫い糸19によってエレメント部材10とともに生地2に縫い付けられている。このため、縫い糸19は、エレメント部材10の表面上から各ファスナーエレメント11の間を通って、補強シート部材41に刺通するとともに、生地2に刺通して、エレメント部材10、補強シート部材41、及び生地2を縫い合わせて固定している。
このように生地2の側縁部に補強シート部材41が取り付けられていることによって、生地2の当該側縁部が補強されている。また、この補強シート部材41及び生地2に縫い付けられたエレメント部材10の取り付け強度を向上させている。この場合、補強シート部材41は、0.7mm〜0.8mmの厚さを有しており、補強シート部材41が生地2に取り付けた状態における当該取着部分の厚さは1.1mm〜1.5mmである。
この場合、補強シート部材41は、エレメント部材10とファスナー被着部材との間に介装されているとともに、ファスナー幅方向において、エレメント部材10よりも生地2の内側の領域まで延びて取り付けられている。このように補強シート部材41をエレメント部材10とファスナー被着部材との間に介装することにより、補強シート部材41がエレメント部材10とファスナー被着部材との間に隠れるため、外観的に目立ち難くなる。
また、補強シート部材41が、ファスナー幅方向において、エレメント部材10よりも生地2の内側まで配されていることにより、生地2を広い範囲で補強できる。また、スライダー30の後述する下フランジ部35と生地2との間に、少なくとも補強シート部材41の一部が下フランジ部35の延長線上に位置していることで、下フランジ部35を生地2に直接摺接させ難くすることができるため、生地2が、スライダー30の摺動時に生じる下フランジ部35との間の摩擦によって擦り切れることを抑制できる。
特に、スライダー30を摺動させてエレメント部材10を噛み合わせる際に、生地2がスライダー30の後述するエレメント案内路内と下フランジ部35及び突条部36間に形成される挿通間隙内とに誘い込まれるため、下フランジ部35と生地2とが摺接し易い関係になる。このため、上述のように補強シート部材41を設けることにより、生地2が下フランジ部35側に露呈している場合に比べて、生地2を効果的に保護することができる。
なお、本実施例2において、補強シート部材41は、生地2のエレメント部材10が取り付けられる裏面(第1面)側に接着剤によって貼着されている。しかし、本発明において、補強シート部材41は、生地2のエレメント部材10が取り付けられる裏面(第1面)とは反対側の表面(第2面)のみに取着することもでき、また、生地2の裏面(第1面)と表面(第2面)の両面に取着することもできる。また、補強シート部材41を生地2に固着する手段として、上述のような接着剤による接着手段を用いる代わりに、高周波溶着などの溶着手段を用いることも可能である。
更に本実施例2では、生地2におけるエレメント部材10が取り付けられる側縁部の表面(第2面)に、合成樹脂製の防水層42が配されている。この防水層42は、生地2にエレメント部材10を縫い付けた後に形成されており、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系又は塩化ビニル系の熱可塑性エラストマーを、生地2の側縁部に薄く積層することによって構成されている。
なお、本発明において、防水層42の材質は特に限定されるものではなく、任意に選択することができる。また、防水層42を形成する代わりに、合成樹脂製のフィルム(樹脂フィルム)を生地2の側縁部の表面(第2面)に接着又は溶着することも可能である。
また、本実施例2のスライドファスナー付き衣服は、左右のエレメント列を噛合させたときに、左右の生地2及び防水層42の側縁部同士が上下に重なるように、生地2に対するエレメント部材10の縫着位置が調整されて構成されている。このようにエレメント列の噛合時に、左右の生地2及び防水層42の側縁部同士が上下方向に重なることにより、水などの液体が生地2の表面側から裏面側に左右の生地2の境界部を介して浸入することを効果的に防止できる。
なお、本発明では、エレメント列の噛合時に、本実施例2のように左右の生地2及び防水層42の側縁部同士が上下方向に重ならなくても、例えば左右の生地2及び防水層42の側縁部同士(特に、側縁部の側端面同士)を接触させること、好ましくは密接させることによっても、水などの液体が生地2の表面側から裏面側に左右の生地2の境界部を介して浸入することを防止できる。
このように、噛合時に防水層42の側縁部同士が接触するようにするには、左右の各防水層42の側縁部が、左右のエレメント列が噛み合った状態でのエレメント列のテープ幅方向の中心と同じ位置に配され、又は、その中心を超えて噛合相手側に延出するように配されている。或いは、一方側の防水層42を、他方側の防水層42に接するまでエレメント列のテープ幅方向の中心を超えるように延出することもできる。
本実施例2のスライダー30は、図12に示すように、裏使い態様のスライドファスナー用スライダーとして構成されている。
具体的には、本実施例2のスライダー30は、スライダー胴体31と、取付軸部を一端部に備えた図示しない引手とを有している。また、スライダー胴体31は、上翼板33と、上翼板33と離間して平行に配された下翼板34と、上下翼板33,34の前端部(肩口側端部)間を連結する図示しない案内柱と、下翼板34の左右側縁部から上翼板33に向けて立設された下フランジ部35と、上翼板33の左右側縁部に配された突条部36と、上翼板33の上面に配された図示しない引手取付部とを有している。
このスライダー胴体31の前端部には、案内柱を間に挟んで左右の肩口が形成され、スライダー胴体31の後端部には後口が形成されている。また、上下翼板33,34間には、左右の肩口と後口とを連通する略Y字形状のエレメント案内路が形成されており、このエレメント案内路は、エレメント部材と衣服の生地とが挿通可能な寸法をもって構成されている。
このような本実施例2のスライドファスナー付き衣服は、以下のような方法を用いて製造することができる。
先ず、エレメント部材10と、衣服用の生地2(裁断される前の生地2)とを準備する。本実施例2のエレメント部材10は、前述の実施例1と同様の方法で作製することができる。また、ファスナー被着部材となる衣服用の生地2は、編成された編物又は織成された織物に合成樹脂をコーティングすることによって作製する。その後、図13に示したように、その作製した生地2の裏面側に、補強シート部材41を接着剤によって貼り付ける。
次に、補強シート部材41が貼着された生地2と、作製したエレメント部材10とを、前述の実施例1の場合と同様の方法を用いて、補強シート部材41が生地2とエレメント部材10との間に挟まれるようにして縫製する。これにより、例えば図14に示したように、エレメント部材10、補強シート部材41、及び生地2が一つに縫合された衣服用構成パーツ7が作製される。
このように補強シート部材41をエレメント部材10と生地2との間に挟んだ形で、エレメント部材10、補強シート部材41、及び生地2を縫い糸19によって縫合することにより、補強シート部材41で生地2が安定して補強されるとともに、補強シート部材41が外部から見え難くなるため、衣服の外観品質が低下することも抑えられる。
その後、得られた衣服用構成パーツ7において、生地2のエレメント部材10が縫い付けられた側縁部の表面(第2面)に、合成樹脂製の防水層42を形成する。防水層42は、例えば合成樹脂製のフィルムなどで構成されており、水などの液体の通過を防止することが可能である。
このように防水層42を形成することにより、エレメント部材10、補強シート部材41、及び生地2を縫合する際に当該生地2に形成された針孔(ミシン針により形成された孔)を防水層42で塞ぐとともに、生地2の表面側を走行する縫い糸19(すなわち、二重環縫いを構成する針糸)を防水層42で被うことができる。これにより、例えば水などの液体が、生地2の表面側から、生地2に形成された針孔や、針孔内に挿通された縫い糸19を伝って生地2の表面側から裏面側に侵入することを効果的に防止できるため、衣服の防水性を大きく向上させることができる。
なお、本実施例2では、上述のように、衣服用構成パーツ7を作製した後に防水層42の形成工程を行っているが、本発明では、エレメント部材10を生地2に縫製により縫い付けた後であれば、防水層42の形成工程をどの段階で行っても良い。例えば、エレメント部材10を生地2に縫製により縫い付けた後に、生地2及びエレメント部材10を裁断して構成パーツを作製する場合には、縫製後であって生地2及びエレメント部材10に裁断を行う前に、防水層42の形成工程を行うことも可能である。
その後、作製した各部位の構成パーツを互いに縫製等により結合させて、衣服を組み立てるとともに、生地2に縫い付けたエレメント部材10のエレメント列にスライダー30を摺動可能に取り付ける。これよって、本実施例2のスライドファスナー付き衣服が製造される。
このようにして製造された本実施例2のスライドファスナー付き衣服は、前述の実施例1のスライドファスナー付き衣服1と同様に、ファスナーテープが不用であるため、軽量化されるとともに、衣服の柔軟性が高められている。
更に、本実施例2のスライドファスナー付き衣服では、上述のように、エレメント列の噛合時に、左右の生地2及び防水層42の側縁部同士が上下方向に重なることにより、水などの液体が、左右の生地2の境界部を介して生地2の表面側から裏面側に浸入することを効果的に防止できる。
また、生地2に合成樹脂がコーティングされているとともに、生地2のエレメント部材10が縫着された側縁部の表面側に防水層42が形成されている。これにより、液体が生地2に浸み込むことによって生地2の裏面側に浸入することを防止できるとともに、生地2に形成された針孔や、針孔内に挿通された縫い糸19を伝って生地2の裏面側に侵入することも防止できる。従って、本実施例2のスライドファスナー付き衣服は、左右のエレメント列を噛合させたときに生地2の裏面側への液体の侵入を安定して防止できる優れた防水性能を備えている。
図16は、本実施例3に係るスライドファスナー付き物品の要部を示す断面図である。図17は、同スライドファスナー付き物品に用いられるエレメント部材を示す斜視図である。
本実施例3に係るスライドファスナー付き衣服において、スライドファスナーは、衣服の生地2にエレメント列が直接形成されて構成された左右一対のファスナーストリンガーと、左右のエレメント列に沿って摺動可能に配された不図示のスライダーとを有している。
この本実施例3に係るスライドファスナーは、エレメント列が、衣服の外面側から見え難いように、衣服の生地2の裏面側(内面側)に配される所謂裏使いの態様で構成されている。また、本実施例3で使用されるスライダーは、前述の実施例2のスライドファスナー付き衣服にて使用したスライダー30と実質的に同様の構成を有している。
本実施例3のファスナーストリンガーは、物品の前立て部となる生地2(ファスナー被着部材)と、当該生地2の裏面(第1面)に第1縫い糸59a及び第2縫い糸59bにより固定されたエレメント部材50とを有している。また、エレメント部材50は、噛合頭部53を備えた複数の独立した単独ファスナーエレメント(単独エレメント)51と、これら複数のファスナーエレメント51を所定の間隔をあけて連結する2本の連結紐状部材52とを有している。
複数のファスナーエレメント51は、例えば、ポリアミド、ポリアセタール、ポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレートなどの熱可塑性樹脂を、2本の連結紐状部材52に射出成形することにより、連結紐状部材52と一体的に形成されている。
また、本実施例3における各ファスナーエレメント51は、折り曲げ可能に形成された噛合頭部53と、噛合頭部53から上下に二股に分かれてファスナー幅方向に延出する第1脚部54及び第2脚部55とを有している。
この場合、第1脚部54は、生地2に接触する側に配されたファスナーエレメント51の脚部であり、第2脚部55は、生地2から離間して配されたファスナーエレメント51の脚部である。また、第1脚部54及び第2脚部55は、噛合頭部の折り曲げ部を挟んだ端部からそれぞれ延設されている。更に、第1脚部54と第2脚部55とは、互いに対称的な形態を有して構成されている。
ファスナーエレメント51の第1脚部54及び第2脚部55の先端部には、それぞれ連結紐状部材52が挿通されている。更に、第1脚部54及び第2脚部55の互いに対向するエレメント内面には内側凹溝部56がそれぞれ形成されており、また、第1脚部54及び第2脚部55のエレメント内面とは反対側のエレメント外面には、噛合頭部53側の第1外側凹溝部57aと、第1及び第2脚部54,55の先端部側(連結紐状部材52側)の第2外側凹溝部57bとがそれぞれ形成されている。
複数のファスナーエレメント51を連結する連結紐状部材52は、第1脚部54の先端部(噛合頭部53側とは反対側の暗部)に挿通される第1連結紐状部材52aと、第2脚部55の先端部に挿通される第2連結紐状部材52bとを有している。
これら第1及び第2連結紐状部材52a,52bは、ファスナーエレメント51と同じ合成樹脂で構成されており、各ファスナーエレメント51を貫通している。なお、第1及び第2連結紐状部材52a,52bは、マルチフィラメント糸などの紐状部材で構成されていても良い。また、第1及び第2連結紐状部材52a,52bの断面形状も、必要に応じて任意に変更することが可能である。
本実施例3のエレメント部材50は、上述したように、互いに平行に配された2本の連結紐状部材52に対して合成樹脂を射出成形して複数のファスナーエレメント51を形成することにより構成されている。このとき、射出成形直後のエレメント部材50は、ファスナーエレメント51の第1脚部54及び第2脚部55が互いに反対の方向に開脚した状態で形成されている。
このエレメント部材50を生地2に縫着するためには、先ず、ファスナーエレメント51の第1脚部54及び第2脚部55が開脚した状態で、当該ファスナーエレメント51の第1脚部54を生地2の裏面(第1面)に配置し、ミシンを用いて第1縫製工程を行うことによって、第1脚部54を第1縫い糸59aの二重環縫いにより生地2に縫い付ける。
このとき、二重環縫いを構成する第1縫い糸59aのルーパ糸は、ファスナーエレメント51の第1脚部54に形成された内側凹溝部56内に収容されながら、第1縫い糸59aのルーパ糸と針糸との間に生地2とファスナーエレメント51の第1脚部54とを拘束することによって、第1脚部54を生地2に縫い付け固定する。この場合、ファスナーエレメント51の噛合頭部53が生地2の側端縁から突出するように、生地2に対してファスナーエレメント51の位置を合わせて生地2とファスナーエレメント51の縫製が行われる。
次に、生地2に縫い付けられたファスナーエレメント51の第1脚部54に対して、ファスナーエレメント51の第2脚部55を、噛合頭部53の中央部を中心にして、第1脚部54の内面と第2脚部55の内面とが対面するように断面がU字状となるように回転させることによって、第1脚部54と第2脚部55とを重ね合わせる。
その後、ミシンを用いて第2縫製工程を行うことによって、重ね合わせた第1脚部54及び第2脚部55を第2縫い糸59bの二重環縫いにより生地2に縫い付ける。このとき、二重環縫いを構成する第2縫い糸59bのルーパ糸は、ファスナーエレメント51の第2脚部55に形成された第2外側凹溝部57b内に収容されながら、第2縫い糸59bのルーパ糸と針糸との間に、生地2とファスナーエレメント51の第1脚部54及び第2脚部55とを拘束することによって、第1脚部54及び第2脚部55を生地2に縫い付け固定する。
このように第1及び第2縫い糸59a,59bが、ファスナーエレメント51の内側凹溝部56及び第2外側凹溝部57bに収容されるとともに、当該ファスナーエレメント51を第1及び第2縫い糸59a,59bで生地2に縫い付け固定することによって、第1及び第2縫い糸59a,59bの位置がずれることなく、ファスナーエレメント51を生地2にしっかりと固定できる。
上述のようなエレメント部材50を有する本実施例3のスライドファスナー付き衣服を製造する場合には、先ず、エレメント部材50と、衣服用の生地2(裁断される前の生地2)とを準備する。
本実施例3のエレメント部材50は、上述したように、2本の平行に配された第1及び第2連結紐状部材52a,52bに対して、合成樹脂を直接射出成形し、所定の形状を有する複数のファスナーエレメント51を、その第1脚部54と第2脚部55とが噛合頭部53を中心にして開脚した状態で形成することによって、作製することができる。また、エレメント部材50とは別に、ファスナー被着部材となる衣服用の生地2を編成や織成などによって作製する。
次に、上述のようにして作製したエレメント部材50及び生地2を用いて、エレメント部材50が取着された衣服用の構成パーツを作製する。具体的には、ファスナーエレメント51の第1脚部54と第2脚部55とが開脚した状態のエレメント部材50を、ミシンを用いて上述したような第1縫製工程及び第2縫製工程の2段階の縫製工程を行うことによって、衣服の前身頃を構成する生地2の前立て部に縫着する。これによって、エレメント部材50付きの生地2が得られる。
続いて、得られたエレメント部材50付きの生地2を、衣服の前身頃に対応した所定の形状となるように裁断する。これにより、エレメント部材50が取着された前身頃用の構成パーツが作製される。このとき、生地2に縫着されたエレメント部材50は、エレメント部材50のファスナーエレメント51の位置ではなく、連結紐状部材52の位置で切断するようにして裁断が行われる。
その後、作製した各部位の構成パーツを互いに縫製等により結合させて、衣服を組み立てるとともに、生地2に縫い付けたエレメント部材50のエレメント列にスライダーを摺動可能に取り付けることよって、本実施例3のスライドファスナー付き衣服が製造される。
このようにして製造された本実施例3のスライドファスナー付き衣服では、衣服の生地2の一部が、衣服を構成するだけでなく、ファスナーテープとしても機能してスライドファスナーを構成している。このため、従来では必須構成部品であったファスナーテープが不用となり、スライドファスナー付き衣服の製造コストを低減することができる。また、スライドファスナー付き衣服を軽量化できるとともに、衣服の柔軟性を向上させることができる。
更に、本実施例3の場合も、例えば生地2に防水性や撥水性などのような所望の機能を付与した上で、当該生地2にエレメント部材50を直接縫い付けることが可能であるため、防水性や撥水性などを備えた高品質のスライドファスナー付き衣服を容易に製造することも可能となる。
なお、本実施例3の場合でも、構成パーツ(例えば前身頃用の構成パーツ)を作製する際に、前述の実施例1にて説明したその他の方法、例えば、生地2にエレメント部材50を縫い付ける前に、生地2を所定の形状に裁断し、また、エレメント部材50を生地2とは別に所要の長さ寸法(実際に必要な長さ寸法)に切断したものを準備し、その後、裁断した生地2に、所要の長さのエレメント部材50を縫製によって取り付けるという方法などを用いることも可能である。
また、前述した実施例1〜実施例3では、スライドファスナーが通常の表使いの態様(実施例1)又は裏使いの態様(実施例2及び3)で用いられたスライドファスナー付き衣服について説明している。しかし、本発明のスライドファスナー付き衣服には、例えば衣服の開閉部の左右端縁部をU字状に折り返して折り返し部を形成し、その左右の折り返し部にエレメント部材を縫い糸によって縫い付けることによって、所謂隠しスライドファスナーの態様でエレメント部材が生地に直接取り付けられたスライドファスナー付き衣服も含まれる。
このように隠しスライドファスナーの態様でエレメント部材が生地に縫い付けられることによっても、ファスナーテープをファスナー被着部材となる生地とは別部材で用いる必要がなくなるため、製造コストを低減できる。また、隠しスライドファスナー付き衣服を軽量化できるとともに、衣服の柔軟性を向上させることができる。
1 スライドファスナー付き衣服
2 生地(ファスナー被着部材)
3 生地片
4 エレメント列
5 構成パーツ
6 生地片
7 構成パーツ
10 エレメント部材
11 ファスナーエレメント(単独エレメント)
12 連結紐状部材
12a 第1連結紐状部材
12b 第2連結紐状部材
13 胴体部
14 延出部
14a 第1延出部
14b 第2延出部
15 収容溝
16 湾曲部
17 首部
18 噛合頭部
19 縫い糸
20 スライダー
21 スライダー胴体
22 引手
23 上翼板
24 下翼板
25 上フランジ部
26 突条部
27 引手取付部
30 スライダー
31 スライダー胴体
33 上翼板
34 下翼板
35 下フランジ部
36 突条部
41 補強シート部材
42 防水層
50 エレメント部材
51 ファスナーエレメント(単独エレメント)
52 連結紐状部材
52a 第1連結紐状部材
52b 第2連結紐状部材
53 噛合頭部
54 第1脚部
55 第2脚部
56 内側凹溝部
57a 第1外側凹溝部
57b 第2外側凹溝部
59a 第1縫い糸
59b 第2縫い糸

Claims (12)

  1. 複数の合成樹脂製の単独エレメント(11,51)が、可撓性を有する少なくとも1本の連結紐状部材(12,52)に等間隔で固着一体化されて連結された一対のエレメント部材(10,50)と、
    上下翼板(23,24,33,34)間にエレメント案内路が形成されたスライダー(20,30)と、
    物品の開閉部を形成するファスナー被着部材(2)とを有し、
    前記ファスナー被着部材(2)の第1面側に、前記一対のエレメント部材(10,50) が縫い糸(19,59a,59b)により直接縫着され、
    前記スライダー(20,30)の前記エレメント案内路内に、前記エレメント部材(10,50)と前記ファスナー被着部材(2)とが挿通されてなり、
    前記ファスナー被着部材(2)に補強シート部材(41)が、ファスナー被着部材(2)の第1面側に取着され、かつ前記補強シート部材(41)がファスナー被着部材(2)とエレメント部材(10,50)との間に挟まれるようにし、前記縫い糸(19,59a,59b)が前記エレメント部材(10,50)、前記補強シート部材(41)及び前記ファスナー被着部材(2)を縫合する、
    ことを特徴とするスライドファスナー付き物品。
  2. 前記エレメント部材(10)は、2本の前記連結紐状部材(12)に、複数の前記単独エレメント(11)が射出成形されて構成され、
    前記単独エレメント(11)は、前記連結紐状部材(12)が挿通する胴体部(13)と、前記胴体部(13)から前記ファスナー被着部材(2) の外方に延出する延出部(14)とを有し、
    前記延出部(14)は、前記ファスナー被着部材(2) 側となる第1面側に配され、首部(17)及び噛合頭部(18)を備えた第1延出部(14a)と、前記ファスナー被着部材(2) から離間する第2面側に配され、延出方向に向けてテープ長さ方向の寸法が漸減する三角形状の第2延出部(14b)とを有してなる、
    請求項1記載のスライドファスナー付き物品。
  3. 前記エレメント部材(50)は、2本の前記連結紐状部材(52)に、複数の前記単独エレメント(51)が射出成形されて構成され、
    前記単独エレメント(51)は、噛合頭部(53)と、前記噛合頭部(53)を挟んで延設された第1脚部(54)及び第2脚部(55)とを有し、
    前記第1脚部(54)及び第2脚部(55)に、前記連結紐状部材(52)がそれぞれ挿通されてなる、
    請求項1記載のスライドファスナー付き物品。
  4. 前記ファスナー被着部材(2) の第2面側に、合成樹脂製の防水層(42)が形成され、又は樹脂フィルム部材が貼着され、
    一対の前記エレメント部材(10) が噛合したときに、対向する前記防水層(42)同士若しくは前記樹脂フィルム部材同士が接触してなる、
    請求項1〜のいずれかに記載のスライドファスナー付き物品。
  5. 複数の前記単独エレメント(11,51) により形成されるエレメント列(4) の一端及び他端の少なくとも一方に隣接して、前記ファスナー被着部材(2) とは別の生地片(3) が前記スライダー(20,30) の止具として取着されてなる請求項1〜のいずれかに記載のスライドファスナー付き物品。
  6. スライダー(20,30)の摺動により開閉されるスライドファスナーが、ファスナー被着部材(2)に取着されたスライドファスナー付き物品(1)の製造方法であって、
    複数の噛合頭部(18,53)を等間隔に有する一対のエレメント部材(10,50)を作製すること、
    前記エレメント部材(10,50)を前記ファスナー被着部材(2)の第1面側に縫着し、前記エレメント部材(10,50)が縫着された前記ファスナー被着部材(2)を、前記エレメント部材(10,50)と一緒に所要の形状に裁断することにより、又は、前記ファスナー被着部材(2)を所定の形状に裁断するとともに前記エレメント部材(10,50)を所要の長さに切断し、前記ファスナー被着部材(2)の第1面側に前記エレメント部材(10,50)を縫着することにより、エレメント部材(10,50)付き構成パーツ(7)を作製すること、
    前記構成パーツ(7)を用いて前記物品(1)を組み立てるとともに、前記エレメント部材(10,50)によるエレメント列(4)に前記スライダー(20,30)を摺動可能に取り付けること、及び
    前記ファスナー被着部材(2)に補強シート部材(41)を、ファスナー被着部材(2)の第1面側に取着し、かつ前記補強シート部材(41)をファスナー被着部材(2)とエレメント部材(10,50)との間に挟むようにして、前記縫い糸(19,59a,59b)をもって前記エレメント部材(10,50)、前記補強シート部材(41)及び前記ファスナー被着部材(2)を縫合すること、
    を含んでなることを特徴とするスライドファスナー付き物品の製造方法。
  7. 前記構成パーツ(7) における前記エレメント列(4) の一端及び他端の少なくとも一方に隣接して、前記ファスナー被着部材(2) とは別の生地片(3) を前記スライダー(20,30) の止具として取着することを含んでなる請求項記載のスライドファスナー付き物品の製造方法。
  8. 前記エレメント部材(10,50) を、前記噛合頭部(18,53) を有する複数の単独エレメント(11,51) を少なくとも1本の可撓性を有する連結紐状部材(12,52) に射出成形することにより作製することを含んでなる請求項又は記載のスライドファスナー付き物品の製造方法。
  9. 前記ファスナー被着部材(2) の裁断時又は前記エレメント部材(10,50) の切断時に、前記エレメント部材(10,50) を前記連結紐状部材(12,52) の部分にて切断することを含んでなる請求項に記載のスライドファスナー付き物品の製造方法。
  10. 前記ファスナー被着部材(2) に補強シート部材(41)を固着すること含んでなる請求項のいずれかに記載のスライドファスナー付き物品の製造方法。
  11. 前記エレメント部材(10)を前記ファスナー被着部材(2) に縫着した後に、前記ファスナー被着部材(2) の第2面側に、合成樹脂製の防水層(42)を、一対の前記エレメント部材(10) が噛合したときに、対向する当該防水層(42)同士が接触するように形成すること、又は、樹脂フィルム部材を、一対の前記エレメント部材(10)が噛合したときに、対向する当該樹脂フィルム部材同士が接触するように貼着することを含んでなる請求項10のいずれかに記載のスライドファスナー付き物品の製造方法。
  12. 前記構成パーツ(7) を衣服の前身頃側又は後身頃側の開閉部を形成する部位に用いて、前記スライドファスナー付き物品(1)として衣服を製造することを含んでなる請求項11のいずれかに記載のスライドファスナー付き物品の製造方法。
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