JP5234684B2 - 止着部材 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車等に配される車両用シートや事務用椅子などのクッション部材に表皮材を止着するときに用いられる止着部材に関する。
一般に、自動車等に配される車両用シートや事務用椅子は、発泡ウレタンなどの合成樹脂が所定の形状に成形されたクッション部材に、同クッション部材の表面を被覆するようにシートカバー等の表皮材が組み付けられて構成されている。また、車両用シート等では、表皮材の一部をクッション部材の表面に止着した後、表皮材がクッション部材を包むようにして組み付けられるが、この場合、表皮材の一部をクッション部材の表面に止着するために、複数のフック状又はキノコ状の雄係合素子と、同雄係合素子に係脱可能な複数のループ状の雌係合素子とを利用した止着手段が用いられている。
このような止着手段を用いてクッション部材に表皮材が止着された車両用シートの一例が、特許3132984号公報(特許文献1)や特開2003−79976号公報(特許文献2)などに記載されている。
例えば特許文献1に記載されている車両用シート60は、図12に示したように、表面に凹溝61aが形成されたクッション部材61と、複数の表皮片62aが縫い合わせられて形成された表皮材62とを有しており、クッション部材61の凹溝61aは、表皮片62aが縫い合わせられた縫合部の位置に対応して配されている。
また、表皮材62には、複数のループ状の雌係合素子63aを一面に有する第1止着部材63が、表皮片62aの縫合部に沿って縫い付けられている(以下、表皮材62側に縫着される止着部材を、第1止着部材と規定する)。特に、この第1止着部材63は、雌係合素子63aが外側を向くようにループ状に湾曲させた状態で表皮材62に縫着されている。一方、クッション部材61に形成した凹溝61aの底部には、複数のキノコ状の雄係合素子64aを有する第2止着部材64が固定されている(以下、クッション部材61側に固定される止着部材を、第2止着部材と規定する)。この第2止着部材64は、モールドイン成形により、クッション部材61と一体化されている。
このような構成を有する特許文献1の車両用シート60では、表皮材62に縫着した第1止着部材63の雌係合素子63aを、クッション部材61の凹溝61a内に固定した第2止着部材64の雄係合素子64aに係合させることにより、表皮材62をクッション部材61に容易に止着することができる。
前記特許文献2に記載されている車両用シートも、表皮材の縫合部に縫着した第1止着部材の雌係合素子を、クッション部材の凹溝内に配した第2止着部材の雄係合素子に係合させることにより、表皮材をクッション部材の表面に止着するものであり、表皮材をクッション部材に止着させる手段及び方法は、前記特許文献1と実質的に同様である。
また、例えば米国特許第6206467号公報(特許文献3)には、図13に示すような第1及び第2止着部材71,72を用いて、表皮材73をクッション部材74に止着させることが記載されている。
特許文献3では、クッション部材74に形成する凹溝74aが、クッション部材74の表面から深く形成されており、その凹溝74aの底面に、第2止着部材72がクッション部材74と一体化して固定されている。また、この第2止着部材72は、ベースプレート72aと、同ベースプレート72aの一面に形成された複数のフック状の雄係合素子72bと、ベースプレート72aの他面に配される複数のループ部72cとを有しており、複数のループ部72cがクッション部材74内に埋設されることにより、クッション部材74に対する第2止着部材72の固着強度を高めている。
同特許文献3における第1止着部材71は、複数のループ状の雌係合素子71aを一面に有するプレート部71bと、同プレート部71bの他面に一端側が縫着されたテープ部71cとを有しており、テープ部71cの他端側が表皮材73の縫合部に縫着されている。この第1止着部材71は、テープ部71cを有することにより、クッション部材74の凹溝74aが深く形成されていても、その凹溝74aの底部に固定された第2止着部材72の雄係合素子72bに、プレート部71bの雌係合素子71aを安定して係合させて、表皮材73をクッション部材74に止着している。同特許文献3によれば、上述のように第1止着部材71と第2止着部材72とがクッション部材74の表面から深い位置に配されるため、例えば車両用シートに人が着座しても、第1及び第2止着部材71,72の係合状態が維持されるとしている。
ところで、従来の車両用シートでは、表皮材をクッション部材の表面に被せて同表皮材を前記特許文献1〜特許文献3に記載されているような第1及び第2止着部材を用いて所定の位置で止着した後、表皮材の端部をクッション部材の側面を包み込むようにして背面へ引き回し、その表皮材の端部をクッション部材の背面に係着させることによって、表皮材がクッション部材を被覆するように同クッション部材に組み付けられている。
また、上述のように表皮材をクッション部材に組み付ける前に、表皮材の一部をクッション部材に止着する場合、止着によって表皮材とクッション部材との相対的な位置関係が固定される。このため、例えば表皮材をクッション部材に止着した際に表皮材の止着位置がずれてしまうと、その後、表皮材の端部をクッション部材の背面に係着させて表皮材をクッション部材に組み付けたときに、止着位置のずれに起因して表皮材に皺が発生し、シートの外観品質(仕上がり品質)を低下させることがあった。このように止着位置のずれに起因して表皮材に皺が発生した場合、表皮材をクッション部材から一旦取り外してから、再び表皮材の組み付け作業をやり直さなければならず、生産性の低下を招くという問題があった。
更に、表皮材は、一般に複数の表皮片を縫い合わせることにより作製されているが、個々の表皮材の寸法や形状を高精度に一致させることは難しく、作製される表皮材には寸法や形状のばらつきが生じることがあった。この場合、表皮材をクッション部材に止着して組み付ける作業が単純に繰り返して行われてしまうと、クッション部材に組み付けられた表皮材に皺が発生し易くなる。
従って、作業者は、表皮材の組み付け作業時に、表皮材に皺が発生しないように、表皮材の状態などを確認しながら組み付け作業を注意深く行うことが求められ、その結果、表皮材の組み付け作業性の低下を招くとともに、作業者への負担が増大するといった問題もあった。
そこで、例えば特開2001−197970号公報(特許文献4)では、クッション部材81に組み付けられる表皮材82に皺が発生することを防ぐために、図14に示すように、表皮材82と、同表皮材82に縫着される第1止着部材83との間に、発泡樹脂スラブ85が配された車両用シート80が開示されている。
より具体的に説明すると、この特許文献4の車両用シート80では、表皮材82と第1止着部材83との間に発泡樹脂スラブ85が配された状態にて、第1止着部材83と発泡樹脂スラブ85とが縫製糸86を用いて表皮材82に一緒に縫い付けられている。そして、表皮材82に縫い付けられた第1止着部材83が、クッション部材81に固定された第2止着部材84と係着することにより、表皮材82がクッション部材81に止着される。
同特許文献4によれば、例えばクッション部材81に対する表皮材82の止着位置がずれていたとしても、表皮材82と第1止着部材83との間に配されている発泡樹脂スラブ85によって、その位置ずれを吸収することができるとしている。これにより、クッション部材81へ組み付けられた表皮材82に皺が発生することを抑制でき、また、それに伴って、表皮材82の組み付け作業を簡単に行うことができ、表皮材82の組み付け作業性や生産性の向上が図れるとしている。
特許3132984号公報 特開2003−79976号公報 米国特許第6206467号公報 特開2001−197970号公報
しかしながら、特許文献4に記載されている車両用シート80は、図14に示したように、第1止着部材83と発泡樹脂スラブ85とが表皮材82の縫合部に同じ縫製糸86によって縫い付けられている。この場合、第1止着部材83と表皮材82との間に発泡樹脂スラブ85が配されていたとしても、第1止着部材83は縫製糸86によって表皮材82に固定されているため、第1止着部材83が表皮材82に対して相対的に変位する大きさが極めて小さい。
このため、表皮材82に縫い付けた第1止着部材83と、クッション部材81に固定した第2止着部材84とを互いに係着させて、表皮材82をクッション部材81に止着したときに、表皮材82がクッション部材81に止着された位置から殆ど動くことはなく、また、発泡樹脂スラブ85が配されているとしても、表皮材82がその止着位置から変位する大きさ(自由度)は極めて小さかった。
従って、例えば表皮材82をクッション部材81に止着したときに表皮材82の止着位置がずれていた場合、発泡樹脂スラブ85によってその位置ずれを吸収することができるとされていても、その位置ずれを吸収するできる範囲(大きさ)は極めて小さく、皺の発生を防止する効果は極めて限定的なものであった。
本発明は上記従来の課題に鑑みてなされたものであって、その具体的な目的は、クッション部材に止着した表皮材の位置がずれていても、また、表皮材ごとに寸法や形状のばらつきが生じていても、表皮材に皺が発生することを効果的に防止して表皮材をクッション部材に容易に組み付けることができ、得られる製品の外観品質を向上させることが可能な止着部材を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明により提供される止着部材は、基本的な構成として、クッション部材及びその表面を被覆する表皮材のうちの一方の部材に縫着される織成又は編成された左右の縫製領域と、左右一対の前記縫製領域の間に配され、複数の雌係合素子又は雄係合素子が一面に形成された面ファスナー領域とを有し、前記面ファスナー領域を、他方の部材に配された雄係合素子又は雌係合素子に係合させて前記表皮材を前記クッション部材に止着する止着部材であって、前記面ファスナー領域と、左右の前記縫製領域との間を連結する連結領域を有し、前記連結領域は、前記縫製領域よりも糸密度を小さくして構成され、前記面ファスナー領域が、前記縫製領域に対して相対的に変位することを許容してなることを最も主要な特徴とするものである。
本発明に係る止着部材において、前記連結領域は、前記面ファスナー領域が、前記縫製領域に対して、前記連結領域の連結方向を除く他方向に相対的に変位することを許容していることが好ましい。
また、本発明に係る止着部材では、前記面ファスナー領域と左右の前記縫製領域との間を、左右の前記連結領域が直接連結していることが好ましい。
この場合、前記縫製領域及び前記面ファスナー領域は織成され、前記連結領域は、緯糸のみにより、又は、前記縫製領域よりも経糸の密度が小さい織組織により形成されていることが好ましい。
また、前記縫製領域及び前記面ファスナー領域は編成され、前記連結領域は、前記縫製領域及び前記面ファスナー領域に緯挿入される緯挿入糸を用いて形成されていても良い。
更に、前記縫製領域及び前記面ファスナー領域は編成され、前記連結領域は、前記面ファスナー領域の端縁に配されるウェールと、前記縫製領域の内側端縁に配されるウェールとの間を連結する緯挿入糸、編糸、又は連結糸を用いて形成されていても良い。
また、本発明に係る止着部材では、左右の前記縫製領域の間に、中間テープ領域を有し、前記面ファスナー領域と前記中間テープ領域との間を、前記連結領域が連結していることが好ましい。
本発明に係る止着部材は、クッション部材及びその表面を被覆する表皮材のうちの一方の部材に縫着される左右一対の縫製領域と、左右の前記縫製領域の間に配され、複数の雌係合素子(又は雄係合素子)が一面に形成された面ファスナー領域と、前記面ファスナー領域と左右の前記縫製領域との間を連結する少なくとも1つの連結領域とを有しており、連結領域は、縫製領域よりも糸密度を小さくして構成されている。
ここで、糸密度とは、止着部材が織成される場合は、単位面積当たりの経糸と緯糸の本数を指し、止着部材が編成される場合は、単位面積当たりの編糸(挿入糸を含む)の本数を指している。なお、本発明では、前記縫製領域は縫製部と、前記面ファスナー領域は係合部と、前記連結領域は連結部と、それぞれ言い換えることができる。
即ち、本発明の止着部材では、面ファスナー領域(係合部)と左右の縫製領域(縫製部)との間に、小さい糸密度で構成されて容易に変形することが可能な連結領域(連結部)が配されている。このため、同止着部材は、連結領域を構成している構成糸条の動きや伸縮等を利用して変形させることにより、面ファスナー領域が、左右の縫製領域に対して相対的に変位することを許容している。
このような本発明の止着部材であれば、同止着部材をクッション部材及び表皮材のうちの一方の部材に縫着し、更に、同止着部材の面ファスナー領域を、他方の部材に配された雄係合素子又は雌係合素子に係合させることによって、表皮材をクッション部材に容易に止着させることができる。
更に、本発明の止着部材を用いて表皮材をクッション部材に止着させた場合、同表皮材をクッション部材に対して容易に変位させることが可能となり、また、その表皮材が変位する大きさ(自由度)も、例えば前記特許文献4の場合よりも大きく確保できる。
このため、例えば、表皮材をクッション部材に止着させたときに、表皮材の止着位置がずれていたとしても、また、表皮材ごとに寸法や形状のばらつきが生じている場合でも、止着部材の面ファスナー領域が縫製領域に対して相対的に変位することによって、表皮材をクッション部材に組み付けたときに、同表皮材に皺が発生することを効果的に防止でき、外観品質(仕上がり品質)に優れたシートを得ることができる。
特に、本発明の止着部材における連結領域は、面ファスナー領域が、左右の縫製領域に対して、連結領域の連結方向を除く他方向に相対的に変位することを許容し、好ましくは、当該他方向の1つである縫製領域の長さ方向に少なくとも相対的に変位することを許容している。これにより、表皮材をクッション部材に止着させた後でも、表皮材をクッション部材に対して容易に動かして、表皮材における皺の発生を防止することができる。
このような本発明の止着部材において、面ファスナー領域と左右の縫製領域との間は、左右の連結領域により直接連結されている。これにより、面ファスナー領域を、左右の縫製領域に対して容易に変位させることができる。
この場合、縫製領域及び面ファスナー領域が織成され、また、連結領域が、緯糸のみにより、又は、縫製領域よりも経糸の密度が小さい織組織により形成されていることにより、面ファスナー領域が、少なくとも縫製領域の長さ方向に相対的に変位することを許容する本発明の止着部材を容易に構成することができる。
また、縫製領域及び面ファスナー領域が編成され、また、連結領域が、縫製領域及び面ファスナー領域に緯挿入される緯挿入糸を用いて形成されていることによっても、面ファスナー領域が、少なくとも縫製領域の長さ方向に相対的に変位することを許容する本発明の止着部材を容易に構成することができる。
更に、縫製領域及び面ファスナー領域が編成され、また、連結領域が、面ファスナー領域の端縁に配されるウェールと、左右の縫製領域の内側端縁に配されるウェールとの間を連結する緯挿入糸、編糸、又は連結糸を用いて形成されていることによっても、面ファスナー領域が、少なくとも縫製領域の長さ方向に相対的に変位することを許容する本発明の止着部材を容易に構成することができる。
また、本発明の止着部材は、左右の縫製領域の間に中間テープ領域を有し、面ファスナー領域と中間テープ領域との間を連結領域が連結していても良い。本発明の止着部材がこのような構成を有することにより、面ファスナー領域を左右の縫製領域に対して容易に変位させることができ、特にこの場合、面ファスナー領域を、縫製領域の長さ方向や中間テープ領域の幅方向に容易に変位させることが可能となる。
図1は、本発明の実施例1に係る止着部材を模式的に示した正面図である。 図2は、同止着部材が用いられる車両用シートを示す斜視図である。 図3は、クッション部材に固定された第2止着部材と、表皮材に縫着された第1止着部材とを示す模式図である。 図4は、第2止着部材と第1止着部材とが係着した状態を示す側面図である。 図5は、表皮材がクッション部材に対して相対的に変位したときの状態を示す側面図である。 図6は、本発明の実施例2に係る止着部材の編組織図である。 図7は、本発明の実施例2の変形例に係る止着部材の編組織図である。 図8は、本発明の実施例3に係る止着部材の編組織図である。 図9は、本発明の実施例3の変形例に係る止着部材の編組織図である。 図10は、本発明の実施例3の別の変形例に係る止着部材の編組織図である。 図11は、本発明の実施例4に係る止着部材が表皮材に縫着されている状態を示す模式図である。 図12は、従来の止着手段を用いて、表皮材をクッション部材に止着した状態を示す断面図である。 図13は、従来の別の止着手段を用いて、表皮材をクッション部材に止着した状態を示す断面図である。 図14は、従来の更に別の止着手段を用いて、表皮材をクッション部材に止着した状態を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明において、左右方向とは、止着部材の幅方向を指し、言い換えると、止着部材が織成又は編成されたときに、面ファスナー領域に対して縫製領域が配されている側の方向を指している。また、前後方向とは、縫製領域の長さ方向を指し、止着部材が織成又は編成されていく方向を言う。
また、本発明は、以下で説明する実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明と実質的に同一な構成を有し、かつ、同様な作用効果を奏しさえすれば、多様な変更が可能である。
例えば、以下の各実施例において説明する止着部材は、自動車に配される車両用シートの表皮材に縫着される第1止着部材として用いられているが、本発明の止着部材は、クッション部材に固定する第2止着部材として用いることも可能である。また、各実施例の止着部材は、ループ状の雌係合素子を有しているが、本発明では、雌係合素子に代えて、フック状又はキノコ状の雄係合素子を有することも可能である。更に、本発明の止着部材は、自動車以外の車両に配されるシートや事務用椅子などにも使用することもできる。
また、各止着部材の面ファスナー領域、連結領域、及び縫製領域を構成する織組織又は編組織も特に限定されるものではなく、連結領域が縫製領域よりも糸密度を小さくして構成されていれば、それぞれの領域の織組織又は編組織を任意に変更することが可能である。更に、面ファスナー領域、連結領域、及び縫製領域の寸法等も任意に変更することが可能である。
図1は、本実施例1に係る止着部材を模式的に示した正面図である。
本実施例1の止着部材10は、後述するように、車両用シート1の表皮材2に縫着される第1止着部材として用いられるものであり、緯糸18を経糸17の同一開口内にキャリアをもって往復させることにより緯入れする通常の織機を用いて織成されている。
同止着部材10は、複数のループ状の雌係合素子11aを有する面ファスナー領域11と、同面ファスナー領域11の左右両側に配された左右の連結領域13と、左右の連結領域13の更に外側に配された左右の帯状の縫製領域12とを有している。
本実施例1の面ファスナー領域11は、経糸17、緯糸18、及びパイル糸19を用いて織成されており、パイル糸19は、面ファスナー領域11の一表面側に、雌係合素子11aとなる多数のループを形成しながら織り込まれている。
この場合、経糸17には、面ファスナー領域11の地組織を構成する地経糸と、織組織を固定する熱融着糸とを含んでおり、地経糸には、ポリエステル繊維が用いられている。経糸17として用いられる熱融着糸は、融点の低い共重合ポリエステル繊維により形成されており、同熱融着糸は、本実施例1の止着部材10が織成された後に加熱処理等が行われることによって溶融し、その周辺の構成糸条を固定することができる。また、同面ファスナー領域11を構成する緯糸18及びパイル糸19には、ポリエステル繊維が用いられている。
左右の縫製領域12は、地経糸及び熱融着糸を含む経糸17と緯糸18の平織組織により構成されており、同縫製領域12に配される緯糸18には、面ファスナー領域11と共通の緯糸18が用いられている。この場合、左右の縫製領域12は、本実施例1の止着部材10を後述するように表皮材2の縫合部2bに縫い付けるときに(図3を参照)、縫製糸7が刺通する部分となる。このため、同縫製領域12は、止着部材10の表皮材2への取り付け状態を安定させるために、緻密な組織で織成されている。
左右の連結領域13は、面ファスナー領域11と左右の縫製領域12とに配される共通の緯糸18のみによって構成され、面ファスナー領域11と左右の縫製領域12との間を直接連結している。また、同連結領域13は、左右の縫製領域12に比べて小さい糸密度で構成され、疎密な組織を有している。
このような本実施例1の止着部材10は、例えば図2に示すような車両用シート1において、表皮材2をクッション部材3に止着する第1止着部材として使用される。ここで、本実施例1の第1止着部材10を表皮材2の縫合部2bに縫着して、表皮材2をクッション部材3に止着する構造について説明する。
図2に示した車両用シート1は、シートクッション(座部)1aとシートバック(背当て部)1bとを有しており、これらのシートクッション1aとシートバック1bとは、それぞれ、所定の形状に成形された樹脂発泡体からなるクッション部材3に、複数の表皮片2aを縫合して得られた表皮材2を組み付けることによって形成されている。また、シートクッション1a及びシートバック1bの表面には、表皮材2の縫合部2bによって構成される意匠溝4が形成されており、また、クッション部材3の意匠溝4に対応する位置には、図3に示すような凹溝5が設けられている。
このような車両用シート1を製造するために、本実施例1の止着部材10は、第1止着部材として表皮材2の縫合部2bに沿って縫着される(以下、本実施例1の止着部材10を第1止着部材10と記す)。この第1止着部材10は、複数の雌係合素子11aを下方に向けるようにして面ファスナー領域11を表皮片2aの端面に接触させるとともに、左右の連結領域13及び左右の縫製領域12を表皮片2aに沿って折り曲げることにより、表皮片2aの端部を包み込んでいる。
更に、同第1止着部材10は、縫製糸7を用いて2枚の表皮片2aを縫合すると同時に、その縫製糸7によって、第1止着部材10の左右の縫製領域12が、表皮片2aに縫い付けられることによって縫着されている。この場合、第1止着部材10の左右の縫製領域12は、緻密な織組織により構成されているため、縫製糸7で縫い付けられることによって、表皮材2の縫合部2bにしっかりと縫着される。
一方、クッション部材3に形成された凹溝5の底部には、複数のフック状雄係合素子9aを上面側に有する第2止着部材9が固定されている。この第2止着部材9は、モールドイン成形によりクッション部材3と一体化されている。
そして、表皮材2の縫合部2bに縫着された第1止着部材10をクッション部材3の凹溝5に挿入し、同第1止着部材10の面ファスナー領域11に配した雌係合素子11aを、クッション部材3に固定した第2止着部材9の雄係合素子9aと係合させることにより、図4に示したように、表皮材2をクッション部材3に容易に止着させることができる。
このとき、表皮材2に縫着した第1止着部材10は、疎密に形成された左右の連結領域13を変形させることにより、面ファスナー領域11が、左右の縫製領域12に対して、縫製領域12の長さ方向に沿って相対的に変位することを許容している。このため、第1及び第2止着部材10,9を介してクッション部材3に止着させた表皮材2を、図5に示したように、クッション部材3に対して、第1止着部材10の長さ方向に沿って相対的に容易に変位させることが可能となり、また、その表皮材2が変位する大きさ(自由度)も大きく確保することができる。このとき、本実施例1の第1止着部材10によれば、クッション部材3に止着させた表皮材2を、第1止着部材10の長さ方向に沿って、例えば5mm程度の範囲で、更には10mm程度の範囲で容易に変位させることができる。
従って、例えば表皮材2をクッション部材3に止着させたときに、表皮材2の止着位置が所定の位置からずれていたとしても、その後、表皮材2の端部をクッション部材3の背面へ引き回して係着させることによって表皮材2をクッション部材3に組み付けるときに、表皮材2が張力を受けて第1止着部材10の長さ方向に沿って適切に移動することができ、それによって、表皮材2の位置ずれを緩和することができる。これにより、クッション部材3に組み付けられた表皮材2に皺が発生することを効果的に防止でき、外観品質に優れた車両用シート1を製造することができる。
また、本実施例1の止着部材10を使用して表皮材2を止着することにより、例えば1つ1つの表皮材2に寸法や形状のばらつきが生じていても、表皮材2をクッション部材3に止着した後に、同表皮材2の位置が第1止着部材10の長さ方向に沿って適切に移動することによって、皺の発生を防止することができる。従って、クッション部材3への表皮材2の組み付け作業を従来よりも簡単に行うことができるようになり、表皮材2の組み付け作業性や車両用シート1の生産性を容易に向上させることができる。
なお、本実施例1の止着部材10では、図1に示したように、連結領域13が緯糸18のみによって構成されているが、連結領域13の糸密度を縫製領域12よりも小さくすることさえできれば、連結領域13に所定本数の経糸17を織り込むことも可能である。
また、雌係合素子は、織組織の一部として設けても良いが、例えば面ファスナー領域をループを形成せずに織成した後、そのループが形成されてない面ファスナー領域に不織布を後から接着して雌係合素子を形成しても良い。なお、この不織布を後から接着する方法は、後述する編組織にも利用できることは言うまでもない。
更に、本実施例1の止着部材10では、面ファスナー領域11及び縫製領域12の経糸17に、前述のように熱融着糸を含ませ、同熱融着糸を溶融させることによって織組織を固定している。しかし、本発明では、経糸17に熱融着糸を含ませる代わりに、止着部材10の面ファスナー領域11と縫製領域12の裏面側(雌係合素子11aが配されてない面側)に、バックコート層と呼ばれる合成樹脂層を形成することによって、その織組織を固定することができる。また、場合によっては、止着部材10の面ファスナー領域11と縫製領域12とを、熱融着糸を用いずに、また、バックコート層も形成せずに構成することも可能である。
図6は、本実施例2に係る止着部材の編組織を示す組織図である。なお、本実施例2、及び、以下で説明する実施例3及び実施例4において、前述の実施例1で説明した部材又は部品と同様の構成を有するものについては、同じ符号を用いて表すことによってその説明を省略することとする。
本実施例2の止着部材20は、経編機を用いて編成されており、複数のループ状の雌係合素子を有する面ファスナー領域21と、同面ファスナー領域21の左右両側に配された左右の連結領域23と、左右の連結領域23の更に外側に配された左右の縫製領域22とを有している。
本実施例2の面ファスナー領域21は、面ファスナー領域21の各ウェールを形成する鎖編糸21aと、各ウェールに配され、雌係合素子となる多数のループを形成するトリコット編糸21bと、止着部材20の全幅に渡ってジグザグ状に挿入される緯挿入糸21cとによって構成されている。なお、これらの鎖編糸21a、緯挿入糸21c、及びトリコット編糸21bには、ポリエステル繊維のマルチフィラメント糸が用いられている。
左右の縫製領域22は、縫製領域22の各ウェールを形成する鎖編糸22aと、止着部材20の全幅に渡って挿入される緯挿入糸21cとによって構成されている。また、面ファスナー領域21と左右の縫製領域22との間を連結する左右の連結領域23は、面ファスナー領域21及び左右の縫製領域22に共通して挿入されている緯挿入糸21c、即ち、止着部材20の全幅に渡って挿入される緯挿入糸21cのみによって構成されており、同連結領域23は、左右の縫製領域22に比べて、小さい編糸密度で構成されている。
このような本実施例2の止着部材20は、前述の実施例1の止着部材10と同様に、車両用シート1において、表皮材2の縫合部2bに縫着される第1止着部材として使用され、クッション部材3に固定された第2止着部材9と係着することにより、表皮材2をクッション部材3に容易に止着させることができる。
また、この止着部材20は、左右の連結領域23は疎密に形成されているため、同連結領域23を容易に変形させて、面ファスナー領域21を左右の縫製領域22に対して縫製領域22の長さ方向に沿って相対的に変位させることができる。これにより、この第1止着部材20と第2止着部材9とを介してクッション部材3に止着させた表皮材2は、クッション部材3に対して、第1止着部材20の長さ方向に沿って相対的に容易に変位することが可能となり、また、その表皮材2が変位する自由度も大きく確保することができる。
従って、本実施例2の止着部材20を用いて表皮材2をクッション部材3に止着することにより、前述の実施例1にて説明したように、表皮材2は、張力を受けたときに、第1止着部材20の長さ方向に沿って適切に移動することができる。このため、表皮材2をクッション部材3に組み付けたときに、表皮材2に皺が発生することを効果的に防止でき、外観品質に優れたシートを製造することができる。更に、本実施例2の止着部材20を用いれば、クッション部材3への表皮材2の組み付け作業を簡単に行うことができ、表皮材2の組み付け作業性や車両用シート1の生産性を容易に向上させることができる。
なお、本実施例2の止着部材20では、連結領域23が緯挿入糸21cのみによって構成されているが、連結領域23の編糸密度を縫製領域22よりも小さくすることさえできれば、例えば図7に示したように、連結領域23に鎖編糸23aなどのような編糸を追加して編み込むことによって、止着部材25を構成することも可能である。
図8は、本実施例3に係る止着部材の編組織を示す組織図である。
本実施例3の止着部材30は、経編機によって編成されており、複数のループ状の雌係合素子を有する面ファスナー領域31と、同面ファスナー領域31の左右両側に配された左右の連結領域33と、左右の連結領域33の更に外側に配された左右の縫製領域32とを有している。
本実施例3の面ファスナー領域31は、面ファスナー領域31の各ウェールを形成する鎖編糸31aと、雌係合素子となる多数のループを形成するトリコット編糸31bと、面ファスナー領域31にジグザグ状に挿入される第1緯挿入糸31cとによって構成されている。
左右の縫製領域32は、縫製領域32の各ウェールを形成する鎖編糸32aと、縫製領域32にジグザグ状に挿入される第2緯挿入糸32bとによって構成されている。また、左右の連結領域33は、面ファスナー領域31の端縁に配されるウェールと、縫製領域32の内側端縁に配されるウェールとの間を連結するように挿入される第3緯挿入糸33aのみによって構成されており、同連結領域33は、左右の縫製領域32に比べて疎密に構成されている。
このような本実施例3の止着部材30も、前述の実施例1及び実施例2の止着部材10,20と同様に、車両用シート1において、表皮材2の縫合部2bに縫着される第1止着部材として使用され、クッション部材3に固定された第2止着部材9と係着することにより、表皮材2をクッション部材3に容易に止着させることができる。
また、同止着部材30は、左右の連結領域33を容易に変形させて、面ファスナー領域31を左右の縫製領域32に対して縫製領域32の長さ方向に沿って相対的に変位させることができる。このため、表皮材2は、クッション部材3に対して容易に変位することが可能となり、また、その表皮材2が変位する自由度も大きく確保することができる。
なお、本実施例3の止着部材30では、経編機を用いて、面ファスナー領域31、縫製領域32、及び連結領域33を同時に編成することができるが、場合によっては、面ファスナー領域31と左右の縫製領域32とを予め別々に編成しておき、その後、面ファスナー領域31の端縁に配されるウェールと、縫製領域32の内側端縁に配されるウェールとの間を連結するように第3緯挿入糸21cを編み込むことによって左右の連結領域33を形成し、本実施例3の止着部材30を製造することも可能である。
また、本実施例3の止着部材30における左右の連結領域33は、前述のように第3緯挿入糸21cによって構成されているが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、実施例3の止着部材30における連結領域33に、縫製領域32よりも小さい糸密度となる範囲で鎖編糸31aやトリコット編糸31bを更に加えて編み込むことが可能である。
また、図9に変形例を示したように、面ファスナー領域31の端縁に配されるウェールの編目と、縫製領域32の内側端縁に配されるウェールの編目とに交絡しながらジグザグ状に走行するシングルコード編糸36aによって、左右の連結領域36を構成することも可能である。
この場合、経編機を用いて、面ファスナー領域31、左右の縫製領域32、及び左右の連結領域38を同時に編成して止着部材35を製造することができるし、また、面ファスナー領域31と左右の縫製領域32とを予め別々に編成した後に、シングルコード編糸38aを編み込むことによって左右の連結領域38を形成し、止着部材35を製造することも可能である。
更に、図10に別の変形例を示したように、面ファスナー領域31の端縁に配されるウェールの編目と、縫製領域32の内側端縁に配されるウェールの編目を連結する連結糸38aによって左右の連結領域38を形成して、止着部材37を製造することも可能である。
図11は、本実施例4に係る止着部材が表皮材に縫着されている状態を示す模式図である。
本実施例4の止着部材40は、複数のループ状の雌係合素子41aを有する面ファスナー領域41と、表皮材2に縫着される左右の縫製領域42と、左右の縫製領域42の間に配される中間テープ領域44と、面ファスナー領域41と中間テープ領域44との間を連結する連結領域43とを有している。
この場合、左右の縫製領域42と中間テープ領域44とは、緻密な組織で織成又は編成された一枚のテープ体45で構成されており、左右の縫製領域42と表皮材2とを縫製糸46を用いて縫製することによって、縫製領域42を表皮材2にしっかりと縫い付けることができる。
面ファスナー領域41は、織組織又は編組織で構成されており、その一面(下面)に複数の雌係合素子41aが配されている。連結領域43は、面ファスナー領域41と中間テープ領域44とを連結する複数の連結糸43aによって構成されており、同連結領域43の一端は、面ファスナー領域41に連結され、同連結領域43の他端は、中間テープ領域44を介して左右の縫製領域42に間接的に連結されている。
このような本実施例4の止着部材40は、例えば、左右の縫製領域42と中間テープ領域44とを有するテープ体45と、面ファスナー領域41とを予め別々に作製しており、その後、テープ体45の中間テープ領域44と面ファスナー領域41とを、連結領域43を構成する連結糸43aで連結することによって容易に製造することが可能である。
そして、本実施例4の止着部材40は、第1止着部材40として表皮材2の縫合部2bに縫着され、図示しないクッション部材に固定された第2止着部材と係着することにより、表皮材2をクッション部材に容易に止着させることができる。
また、同止着部材40は、連結領域43を変形させることによって、面ファスナー領域41を左右の縫製領域42に対して、縫製領域42の長さ方向にも、また、中間テープ領域44の幅方向にも容易に変位させることができる。このため、表皮材2をクッション部材3に止着させてから組み付けたときに、表皮材2に皺が発生することをより効果的に防止できるとともに、表皮材2の組み付け作業性を更に向上させることができる。
なお、本実施例4では、テープ体45と、面ファスナー領域41とを予め別々に作製した場合について説明したが、本発明では、テープ体45と面ファスナー領域41とを同時に作製しながら止着部材を製造することも可能である。
その作製方法の一例としては、例えば前述の実施例2で説明した面ファスナー領域21の編組織に更にトリコット編糸を追加して編み込み、更に、その追加したトリコット編糸を引き伸ばして連結領域を形成するとともに、テープ体45における中間テープ領域44の編組織に編み込む(又は織組織に織り込む)ことによって、実施例4の形態を有する止着部材を製造することが可能である。
或いは、ニードル織機を用いて、テープ体45と面ファスナー領域41とを二重織により織成するとともに、テープ体45の中間テープ領域44と面ファスナー領域41とを連結する連結糸43aを同時に織り込むことによっても、実施例4の形態を有する止着部材を製造することも可能である。
1 車両用シート
1a シートクッション
1b シートバック
2 表皮材
2a 表皮片
2b 縫合部
3 クッション部材
4 意匠溝
5 凹溝
7 縫製糸
9 第2止着部材
9a 雄係合素子
10 止着部材(第1止着部材)
11 面ファスナー領域
11a 雌係合素子
12 縫製領域
13 連結領域
17 経糸
18 緯糸
19 パイル糸
20 止着部材(第1止着部材)
21 面ファスナー領域
21a 鎖編糸
21b トリコット編糸
21c 緯挿入糸
22 縫製領域
22a 鎖編糸
23 連結領域
23a 鎖編糸
25 止着部材
30 止着部材
31 面ファスナー領域
31a 鎖編糸
31b トリコット編糸
31c 第1緯挿入糸
32 縫製領域
32a 鎖編糸
32b 第2緯挿入糸
33 連結領域
33a 第3緯挿入糸
35 止着部材
36 連結領域
36a シングルコード編糸
37 止着部材
38 連結領域
38a 連結糸
40 止着部材
41 面ファスナー領域
41a 雌係合素子
42 縫製領域
43 連結領域
43a 連結糸
44 中間テープ領域
45 テープ体
46 縫製糸

Claims (7)

  1. クッション部材(3) 及びその表面を被覆する表皮材(2) のうちの一方の部材に縫着される織成又は編成された左右一対の縫製領域(12,22,32,42) と、左右の前記縫製領域(12,22,32,42) の間に配され、複数の雌係合素子(11a,41a) 又は雄係合素子が一面に形成された面ファスナー領域(11,21,31,41) とを有し、前記面ファスナー領域(11,21,31,41) を、他方の部材に配された雄係合素子(9a)又は雌係合素子に係合させて前記表皮材(2) を前記クッション部材(3) に止着する止着部材(10,20,25,30,35,37,40)であって、
    前記面ファスナー領域(11,21,31,41) と、左右の前記縫製領域(12,22,32,42) との間を連結する連結領域(13,23,33,36,38,43) を有し、
    前記連結領域(13,23,33,36,38,43) は、前記縫製領域(12,22,32,42) よりも糸密度を小さくして構成され、前記面ファスナー領域(11,21,31,41) が、前記縫製領域(12,22,32,42) に対して相対的に変位することを許容してなる、
    ことを特徴とする止着部材。
  2. 前記連結領域(13,23,33,36,38,43) は、前記面ファスナー領域(11,21,31,41) が、前記縫製領域(12,22,32,42) に対して、前記連結領域(13,23,33,36,38,43) の連結方向を除く他方向に相対的に変位することを許容してなる請求項1記載の止着部材。
  3. 前記面ファスナー領域(11,21,31)と左右の前記縫製領域(12,22,32,42) との間を、左右の前記連結領域(13,23,33,36,38)が直接連結してなる請求項1記載の止着部材。
  4. 前記縫製領域(12)及び前記面ファスナー領域(11)は織成され、
    前記連結領域(13)は、緯糸(18)のみにより、又は、前記縫製領域(12)よりも経糸(17)の密度が小さい織組織により形成されてなる、
    請求項3記載の止着部材。
  5. 前記縫製領域(22)及び前記面ファスナー領域(21)は編成され、
    前記連結領域(23)は、前記縫製領域(22)及び前記面ファスナー領域(21)に緯挿入される緯挿入糸(21c) を用いて形成されてなる、
    請求項3記載の止着部材。
  6. 前記縫製領域(32)及び前記面ファスナー領域(31)は編成され、
    前記連結領域(33,36,38)は、前記面ファスナー領域(31)の端縁に配されるウェールと、前記縫製領域(32)の内側端縁に配されるウェールとの間を連結する緯挿入糸(33a) 、編糸(36a) 、又は連結糸(38a) を用いて形成されてなる、
    請求項3記載の止着部材。
  7. 左右の前記縫製領域(42)の間に、中間テープ領域(44)を有し、
    前記面ファスナー領域(41)と前記中間テープ領域(44)との間を、前記連結領域(43)が連結してなる、
    請求項1記載の止着部材。
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