JP3796558B2 - 自動車用シートバックの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シートバックカバー付きシート表皮をバックパッドに被着して自動車用シートバックを製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自動車用のシートバックにおいてはバックパッドを布地やポリ塩化ビニル等の表皮材で全体的に被包するシートバックカバーレスタイプのものと、インジェクション成形による硬質基材から形成した別物のシートバックカバーをシート表皮の背抜き部に位置合わせさせてシートバックフレームに組付け固定するシートバックカバー付きのものとがある。このうち、シートバックカバー付きのものは外観的にメリハリを付けられて高級感を醸し出せるところから好ましい。
【0003】
然し、その硬質基材によるシートバックカバーでは比較的硬くて感触的に劣りしかも重量的にも重いところから好ましくない。
【0004】
その硬質基材を用いては、必要に応じて表皮材を表装材として積層接着することが行われている。この表皮材の積層接着には雄,雌型によるプレス成形が適用されているが、不織布,ジャージ,トリコット,モケット等を表皮材として用いると、起毛倒れが成形圧力で生じ易くて意匠性が損なわれてしまう。
【0005】
それに加えて、上述したシートバックカバーはシート表皮とは別にシートバックフレームに組付け固定しなければならず、この組付け固定には繁雑な手間が掛る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、軽量で柔軟な感触のよいシートバックカバーをシート表皮と容易に一体化でき、この表皮全体をそのままバックパッドに簡単に被着できて表皮全体の組付け工程を簡略化できると共に、シートバックカバー付きシートに折れ皺が生じても跡として残らないで良好な外観商品性を保てる自動車用シートバックの製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る自動車用シートバックの製造方法においては、独立気泡構造を有するポリプロピレン系のスタンピング用フォーム材からなる軟質基材に表皮材を接着することにより積層材とし、積層材をシートバックの背部に備えられる所定の三次元形状に付形してシートバックカバーとし、シートバックカバーをシート表皮の背抜き部に縫い付けて表皮全体を袋状に縫製することによりシートバックカバー付きシート表皮とし、シートバックカバー付きシート表皮を裏返しに反転させ、バックパッドの上部側から表返しに戻しつつ下げることにより被着することにより構成されている。
【0008】
本発明の請求項2に係る自動車用シートバックの製造方法においては、芯層の気泡と相対的に小さな気泡の表層とによる断面多層の独立気泡構造を軟質基材として用いるようにされている。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して説明すると、図1は自動車用のシートバックBを背部側から示すものであり、そのシートバックBは前部側から側部回りをシート表皮1で被包し、背部にはシートバックカバー2を備え付けることにより組み立てられている。茲で、シート表皮1としては本皮,合皮,ファブリック等の表皮材単体または該表皮材とウレタンスラブ等のワディング材並びに裏打材を積層形成したトリムカバーのような汎用のものを用いることができる。
【0010】
シートバックカバー2は図2で示すように軟質なスタンピング用フォーム材2aを基材とし、不織布,ジャージ,トリコット,モケット等の表皮材2bをウレタン系の接着剤2cで該軟質基材2aに接着し、この積層材2’から所定の三次元形状を有する成形部材として真空成形されている。そのスタンピング用フォーム材2aとしては独立気泡構造を有するポリプロピレン系の軟質なものを用い、特に、図3で示すように芯層10の気泡よりも相対的に小さな気泡の表層11,12から断面多層の独立気泡構造を有するものを用いるのが好ましい。
【0011】
このポリプロピレン系のスタンピング用フォーム材2aは160℃程度の高温下での耐圧縮力乃至は形状保形性に優れ、また、独立発泡構造を有するから折曲り後の形状復元性も高い。殊に、芯層10の気泡と相対的に小さな気泡の表層11,12とによる断面多層の独立発泡構造を有するものでは折曲り後の形状復元性も高い。そのフォーム材の発泡倍率は10〜15倍程度がよく、20倍を越えると成形品として形状付形性が悪くなる。また、厚みは2〜4mm程度がよく、5mm以上を越えると縫製作業性や組付け性が悪くなる。
【0012】
上述したスタンピング用フォーム材2aを軟質基材とし、表皮材2bは上述した接着剤2cで接着することにより積層材2’を得る。この積層材2’は、図4で示すような真空成形型を用いることにより所定の三次元形状に付形成形することができる。その真空成形型は型面が積層材2’のスタンピング用フォーム材2aと相対する雄引き型20を備えて真空圧を作用するバキューム21と連結し、雌型に代えては積層材2’の表皮材2bを取り囲み被うアシスト的なカバー枠22を備えればよい。また、積層材2’は複数個のクランプ23,24を備えて縁回りから支持することにより真空成形に対応することができる。
【0013】
その真空成形型を用いてはスタンピング用フォーム材2aを含む積層材2’を加熱軟化処理した後、図5で示すように雄引き型20を上昇動させて型面をクランプ23,24で支持された積層材2’のスタンピング用フォーム材2aに圧接し、これと共に、カバー枠22を降下させることにより積層材2’の表皮材2bを取り囲み被う。その後、バキューム21を作動させて真空圧を雄引き型20の型面より積層材2’のスタンピング用フォーム材2aに作用すればよい。
【0014】
その真空成形によれば、スタンピング用フォーム材2aが独立気泡の非通気性を有ししかも高温時の伸びに優れて高い成形性を有するため、図1で示すように後部乗員の膝逃げ用凹部3を含む全体を積層材2’から所定の三次元形状に付形成形できる。表皮材2bは、スタンピングフォーム材2aと接着剤2cで接着されているから形状追従する。また、真空圧をスタンピング用フォーム材2aに作用するだけであるから、表皮材2bとして不織布,ジャージ,トリコット,モケット等を用いても、起毛倒れが生ずるのを防げて意匠性に優れしかも軽量で柔軟な感触のよいシートバックカバー2を製造することができる。
【0015】
そのシートバックカバー2はフォーム層の軟質基材2aと不織布,ジャージ,トリコット,モケット等の表皮材2bとを積層した成形部材でなるため、図1並びに図6の縫い目4で示すようにミシン縫いを適用することによりシート表皮1と一体に縫製することができる。また、このシートバックカバー2はシート表皮1の縫製工程と同じ工程内で共に縫着処理でき、図1の縫い目4で示すようにシート表皮1の背抜き部(図示せず)に沿って縫い付ければよいから、表皮全体は手間を掛けず、シートバックカバー付きのシート表皮として下部側が開放された立体形の袋状に容易に縫製することができる。
【0016】
そのシート表皮1は、シート表皮1自体は勿論、シートバックカバー2が柔軟なスタンピング用フォーム材2aを基材とするから、下部開放口を拡げるようなファスナー等を備えなくても、シートバックカバー2を含む袋全体を裏返しに反転させることができる。この裏返した表皮全体は、バックパッド(図示せず)の上部側から表返しに戻しつつ下げることによりバックパッドを被うよう簡単に被着するようにできる。そのシート表皮1の被着に伴って、皺がシートバックカバー2に生じても、このシートバックカバー2は形状復元性の高いスタンピング用フォーム材を用いることにより皺が跡として残らない。
【0017】
【発明の効果】
本発明の請求項1又は2に係る自動車用シートバックの製造方法によれば、独立気泡構造を有するポリプロピレン系のスタンピング用フォーム材を軟質基材とし、表皮材を基材に接着し、更に、シートバックの背部に備えられる所定の三次元形状に付形してシートバックカバーとし、そのシートバックカバーをシート表皮の背抜き部に縫い付けて表皮全体をバックパッドに被着可能な立体形の袋状に縫製するため、表皮全体を立体形の袋状に容易に形成することができる。また、シートバックカバーをシート表皮と共にバックパッドに被着できて組付けに要する手間を省け、高温下での耐圧縮力乃至は形状保形性,形状復元性に優れることから、シート表皮を被せるのに伴って折れ皺が生じても跡として残らずしかも軽量で柔軟な感触のよいシートバックカバーを備えた自動車用シートバックを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るシートバックカバー付きのシート表皮を被せたシートバックを背部側から示す説明図である。
【図2】 本発明に係るシートバックカバーを示す部分断面図である。
【図3】 本発明に係るシートバックカバーに好適な積層材であるスタンピング用フォーム材を部分的に拡大させて示す説明図である。
【図4】 本発明に係るシートバックカバーを付形成形するのに用いられる真空成形型を示す説明図である。
【図5】 図4の真空成形型によるシートバックカバーの成形工程を示す説明図である。
【図6】 本発明に係るシートバックカバー付きシート表皮を示す部分側断面図である。
【符号の説明】
1 シート表皮
2 シートバックカバー
2a スタンピング用フォーム材
2b 表皮材
2c 接着剤
2’ 積層材
20,21 真空成形型
Claims (2)
- 独立気泡構造を有するポリプロピレン系のスタンピング用フォーム材からなる軟質基材に表皮材を接着することにより積層材とし、
積層材をシートバックの背部に備えられる所定の三次元形状に付形してシートバックカバーとし、
シートバックカバーをシート表皮の背抜き部に縫い付けて表皮全体を袋状に縫製することによりシートバックカバー付きシート表皮とし、
シートバックカバー付きシート表皮を裏返しに反転させ、バックパッドの上部側から表返しに戻しつつ下げることにより被着することを特徴とする自動車用シートバックの製造方法。 - 芯層の気泡と相対的に小さな気泡の表層とによる断面多層の独立気泡構造を軟質基材として用いることを特徴とする請求項1に記載の自動車用シートバックの製造方法。
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-
1997
- 1997-08-25 JP JP24337697A patent/JP3796558B2/ja not_active Expired - Fee Related
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