JPWO2011077560A1 - スピーカ用振動体、スピーカ装置 - Google Patents

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Abstract

低域再生能力を有するスピーカ装置を得るためのスピーカ用振動体を提供する。駆動部の動作によって振動するスピーカ用振動体a100であって、複数の振動板のうち、対面する第1の振動板a11と第2の振動板a12との間に設けられ、第1の振動板a11と第2の振動板a12を連結して互いに近接又は離間するように連動させる振動板連結部a20とを備える。

Description

本発明は、スピーカ用振動体、スピーカ装置等に関するものである。
下記特許文献1には、位相反転型のスピーカ装置が記載されている。このスピーカ装置は、スピーカユニットとスピーカユニットから磁気回路などの駆動系を取り除いた振動系である受動型振動体(パッシブラジエータ)とが一つのキャビネットに取り付けられたものであり、密閉されたキャビネットにスピーカユニットを取り付けたスピーカ装置と比較して良好な低域特性を得ることができる。
このスピーカユニットには、一般的なダイナミック型スピーカ装置が用いられている。このダイナミック型スピーカ装置は、例えば図1に示すように、フレーム3Jと、コーン形状の振動板21Jと、振動板21Jをフレーム3Jに支持するエッジ4Jと、振動板21Jの内周部に接合されたボイスコイルボビン610Jと、ボイスコイルボビン610Jをフレーム3Jに支持するダンパ7Jと、ボイスコイルボビン610Jに巻き回されたボイスコイル611Jと、ヨーク51J,磁石52J,プレート53Jを備えると共に、ボイスコイル611Jが配置される磁気ギャップが形成された磁気回路とを有し、音声信号がボイスコイル611Jに入力されると、磁気ギャップ内のボイスコイル611Jに生じたローレンツ力によりボイスコイルボビン610Jが振動し、その振動によって振動板21Jが駆動される。
実開平2−79693号公報
前述した位相反転型のスピーカ装置では、受動型振動体(パッシブラジエータ)は同じキャビネットに取り付けられたスピーカユニットが背面側から発する、受動型振動体に対する駆動力としての空気圧によって振動する。この受動振動体の振動は、キャビネット内の空気のコンプライアンスと受動型振動体の質量で決まる共振周波数(以下、共振周波数と呼称する)で振動する場合にはスピーカユニットと略同位相で振動するが、この共振周波数に対して低域側の帯域で振動する場合には、スピーカユニットとは略逆位相で振動することになる。そのため、共振周波数以下での音圧が低下し、音響特性が低減するという問題がある。すなわち、前述した従来技術における位相反転型のスピーカ装置は、共振周波数に対して低域側の帯域では再生能力がむしろ低下するという問題がある。ここでいう共振周波数とは反共振周波数であり、(1/2π)×(Sc/Mp1/2で表される(Sc:キャビネット内部の等価機械スティフネス、Mp:受動型振動体の等価機械質量)。
一方、前述した一般的なダイナミック型スピーカユニットは、例えば図1に示すように、振動板21Jの音響放射側に対して反対側にボイスコイル611Jが配設され、ボイスコイル611J及びボイスコイルボビン610Jの振動方向と振動板21Jの振動方向が同じ方向になるように構成されている。そして、このようなスピーカユニットでは、振動板21Jが振動するための領域、ボイスコイルボビン610Jが振動するための領域、磁気回路が配置される領域等が振動板21Jの振動方向(音響放射方向)に沿って形成されることになるので、スピーカユニットの全高が比較的大きく成らざるを得ない構造になっている。
詳細には、図1に示すように、スピーカユニットの振動板21Jの振動方向に沿った大きさは、コーン形状の振動板21Jの振動方向に沿った大きさ及び振動板21Jをフレーム3Jに支持するエッジ4Jの全高(a)、振動板21Jとボイスコイルボビン610Jとの接合部からボイスコイル611Jの上端までのボイスコイルボビン高さ(b)、ボイスコイルの全高(c)、ボイスコイル611Jの下端部からヨーク51Jの上面までの高さに相当する、磁気回路の主に磁石高さ(d)、磁気回路の主にヨーク51Jの厚さ(e)などからなる。このようなスピーカユニットにおいては、充分な振動板21Jの振動ストロークを確保するためには、前述したa,b,c,dの高さを充分に確保する必要があり、また充分な電磁気力を得るためには前述したc,d,eの高さを充分に確保する必要があるので、特に、大音量対応型スピーカ装置では、スピーカユニットの全高が大きく成らざるを得ない。
このように、従来のスピーカ装置では、ボイスコイルボビン610Jの振動方向と振動板21Jの振動方向とが同方向になっているので、振動板21Jの振幅を大きくして大音量を得ようとすると、ボイスコイルボビン610Jの振動ストロークを確保するためにスピーカ装置の全高が大きくなってしまい、装置の薄型化を達成し難い。すなわち、装置の薄型化と大音量化を両立し難い問題がある。
また、従来のスピーカ装置は、スピーカユニットをキャビネット内に配置する場合に、スピーカユニットの背面側空間の容積を充分に確保しようとすると、スピーカユニットの全高の大きさによってスピーカユニットの背面側にキャビネットの奥行きを大きく取らざるを得ない。これによってキャビネットを含めたスピーカ装置全体が大型化して、スピーカ装置の設置スペースに制約が生じやすい問題があった。特に、車載用スピーカ等ではスピーカ装置が設置できるスペースが限られており、充分な容積を有するキャビネット内にスピーカユニットを配置できない問題があった。
本発明は、このような問題に対処することを課題の一例とするものである。すなわち、低域再生の音響特性を向上させること、大音量の再生音を放射することができる薄型のスピーカ装置を提供すること、キャビネットを含めたスピーカ装置全体の薄型化を可能にし、しかもキャビネット内の容積を充分に確保することで良好なスピーカユニットの音響性能を得ることができること、等が本発明の目的である。
このような目的を達成するために、本発明は、以下の各独立請求項に係る構成を少なくとも具備するものである。
[請求項1]駆動部の動作によって振動するスピーカ用振動体であって、前記駆動部を支持する静止部に振動自在に支持される複数の振動板と、前記複数の振動板のうち、対面する第1の振動板と第2の振動板との間に設けられ、前記第1の振動板と前記第2の振動板を連結して互いに近接又は離間するように連動させる振動板連結部とを備えることを特徴とするスピーカ用振動体。
従来技術の説明図である。 本発明の一実施形態に係るスピーカ用振動体を説明する説明図であり、同図(a)が平面図、同図(b)が同図(a)におけるA−A断面図である。 振動板連結部の具体的な構成例を示した平面図である。 スピーカ用振動体の他の形態を示した説明図である。 スピーカ用振動体を受動振動体として備えるスピーカ装置の形態例を示した説明図である。 従来のスピーカ装置と本発明の実施形態に係るスピーカ装置の音圧周波数特性を比較したグラフである。 本発明の他の実施形態に係るスピーカ装置を示した説明図である。 スピーカ用振動体を備えたスピーカユニット(同図(a))とこのスピーカユニットを備えたスピーカ装置(同図(b))を示している。 振動方向変換部を備えたスピーカユニットの基本構成を示した説明図である(同図(a)がX軸方向に沿った断面図、同図(b)が駆動部の動作を示した説明図)。 振動方向変換部の構成例と動作を説明する説明図である。 振動方向変換部の構成例と動作を説明する説明図である。 振動方向変換部の形成例を示す説明図である。 振動方向変換部の形成例を示す説明図である。 振動方向変換部を採用したスピーカユニットを示した説明図である。 振動方向変換部を採用したスピーカユニットを示した説明図である。 具体的な振動方向変換部を示す説明図である。 具体的な振動方向変換部を示す説明図である。 振動方向変換部の他の例を示す説明図である。 振動方向変換部の他の例を示す説明図である。 振動方向変換部の他の例を示す説明図である。 振動方向変換部の他の例を示す説明図である。 本発明の実施形態に係るスピーカユニットの給電構造を説明する説明図である。 本発明の実施形態に係るスピーカユニットの給電構造を説明する説明図である。 本発明の実施形態に係るスピーカユニットの給電構造を説明する説明図である。 本発明の実施形態に係るスピーカユニットの給電構造を説明する説明図である。 本発明の実施形態に係るスピーカユニットの給電構造を説明する説明図である。 本発明の実施形態に係るスピーカユニットの給電構造を説明する説明図である。 本発明の実施形態に係るスピーカユニットの給電構造を説明する説明図である。 保持部の部品説明図である。 本発明の実施形態に係るスピーカ用振動体を磁気回路の駆動力で駆動するスピーカユニットを示した説明図である。 本発明の実施形態に係るスピーカ用振動体を磁気回路の駆動力で駆動するスピーカユニットを示した説明図である。 本発明の実施形態に係るスピーカ用振動体を磁気回路の駆動力で駆動するスピーカユニットを示した説明図である。 ボイスコイルを保持する保持部の他の形態例を示した説明図である。 ボイスコイルを保持する保持部の他の形態例を示した説明図である。 図30〜図32に示したスピーカユニットを備えたスピーカ装置の構造(同図(a))と音圧周波数特性(同図(b):横軸が周波数Hzで縦軸が音圧dB)を示した説明図である。 本発明の実施形態に係るスピーカ装置の搭載例を示した説明図である。 本発明の実施形態に係るスピーカ装置の搭載例を示した説明図である。 本発明の実施形態に係るスピーカ装置の搭載例を示した説明図である。 本発明の実施形態に係るスピーカ装置の搭載例を示した説明図である。 本発明の実施形態に係るスピーカ装置の構成例を示した説明図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。本発明の実施形態は図示の内容を含むがこれのみに限定されるものではない。図2は本発明の一実施形態に係るスピーカ用振動体を説明する説明図であり、同図(a)が平面図、同図(b)が同図(a)におけるA−A断面図である。
スピーカ用振動体a100は図示省略の駆動部の動作によって振動し、複数の振動板a10と振動板連結部a20を備える。複数の振動板a10は、前述した駆動部を支持する静止部に振動自在に支持されている。振動板連結部a20は、複数の振動板a10のうち、対面する第1の振動板a11と第2の振動板a12との間に設けられ、第1の振動板a11と第2の振動板a12を連結して互いに近接又は離間するように連動させるものである。第1の振動板a11の外周部a10R及び第2の振動板a12の外周部a10Rは、第1の振動板a11と第2の振動板a12で挟まれる空間aSを囲む筒状の振動板支持部a15に振動自在に支持されている。振動板a10の外周部a10Rはエッジa14を介して振動板支持部a15に支持されている。振動板支持部a15は前述した静止部になっている。また、第1の振動板a11、第2の振動板a12、エッジa14、振動板支持部a15により囲まれる空間は、実質的に密閉されていても構わない。一例としては、振動板a10は平板状に形成されると共に、振動板a10の振動方向にて剛性を備える。
図示の例では、振動板連結部a20は、剛性のリンク部分a21によって形成されるリンク機構a20Lを備えている。このリンク機構a20Lは、リンク部分a21と振動板a10との間に形成されて屈折又は屈曲自在な関節部分a22を備える。リンク部分a21は、振動板a10又は後述するリンク連結部分24aと、直接又は他の部材を介して連結している。図示の例では、リンク機構a20Lは、第1の振動板a11と第2の振動板a12の間の中心軸a20Dに対して略対称に形成されている。
リンク部分a21は、第1の振動板a11側の一端と他端に関節部分a22を有する第1のリンク部分a21Aと、第2の振動板a12側の一端と他端に関節部分a22を有する第2のリンク部分a21Bを備え、リンク機構a20Lは、第1の振動板a11又は第2の振動板a12の振動によって第1のリンク部分a21A及び第2のリンク部分a21Bが角度を変更するように第1のリンク部分a21Aの他端と第2のリンク部分a21Bの他端とを連結するリンク連結部分a24を備える。一例としては、振動板側に配置されるリンク部分a21の一端は、剛性を備える。
また、図示の例では、第1のリンク部分a21Aと第2のリンク部分a21Bは振動板a10の振動方向(図示Z方向)に対して互いに逆方向に傾斜して設けられ、リンク連結部分a24は振動板a10の振動方向と交差する方向(図示X方向)に移動自在に設けられる。第1のリンク部分a21Aの他端及び第2のリンク部分a21Bの他端とリンク連結部分a24との間には屈曲又は屈折自在な関節部分a22が形成されている。ここでは、第1のリンク部分a21Aと第2のリンク部分a21Bは、それぞれ複数の略平行なリンク部分a21を備える。すなわち平行リンクを形成している。リンク部分a21と、振動板a10又は後述するリンク連結部分a24が、一体に形成されていても良く、他の部材として接着剤や緩衝部材等、他の部材を介して連結していても良い。即ち、リンク部分a21と、振動板a10又はリンク連結部分a24は、直接又は他の部材を介して連結している。
振動板連結部a24は、第1の振動板a11と第2の振動板a12の間に基準面a20Aを備え、基準面a20Aに対して第1の振動板a11と第2の振動板a12が互いに近接又は離間し、基準面a20Aは、第1の振動板a11と第2の振動板a12の近接又は離間に対して実質的に静止しており、第1の振動板a11及び第2の振動板a12の一体的な振動に対しては共に振動する。
また、基準面a20Aが第1の振動板a11と第2の振動板a12の近接又は離間に対して実質的に静止している場合には、第1の振動板a11又は第2の振動板a12の振動方向における位置は、実質的に変化しない。また、基準面a20Aが第1の振動板a11及び第2の振動板a12の一体的な振動に対しては共に振動する場合には、第1の振動板a11又は第2の振動板a12の振動方向における位置は実質的に変化する。
このようなスピーカ用振動体a100は、第1の振動板a11と第2の振動板a12が互いに逆方向に振動するように振動板連結部a20によって機械的に連結されている。これによって、スピーカ用振動体a100を受動振動体としてスピーカユニットが備えられたキャビネットに装備した場合には、スピーカユニットの動作に伴うキャビネット内部の圧力変化を機械的に反転してキャビネットの外へ音波として放射することができ、より小さいキャビネット容積においても低域特性の改善を図ることが可能になる。また、スピーカ用振動体a100を直接駆動する場合には、第1の振動板a11と第2の振動板a12から放射される音波を略同位相で逆方向に放射させることができる。
図3は、振動板連結部a20の具体的な構成例を示した平面図(図2において振動板a10を取り除いた状態の平面図)である。ここでは板状体によってリンク連結部分a24が形成されており、このリンク連結部分a24から部分的に切り出されるようにリンク部分a21が形成されている。リンク連結部分a24とリンク部分a21との境目に関節部分a22が形成されている。そして、板状体を一対貼り合わせることで第1のリンク部分a21Aと第2のリンク部分a21Bを形成している。リンク連結部分a24とリンク部分a21とは一体に形成されて関節部分a22を屈折又は屈曲自在にしてもよいし、リンク連結部分a24に対してリンク部分a21を接続して関節部分a22を屈折又は屈曲自在にしてもよい。リンク部分a21のリンク連結部分a24とは逆側の端部にも関節部分a22が形成され、その関節部分a22の先には振動板a10と連結される連結部分a26が形成されている。リンク連結部分a24はサスペンション(保持部)a25を介して矢印方向に振動自在に振動板支持部a15に支持されている。また、リンク連結部分a24はサスペンション(保持部)a25により、矢印方向に対して交差する方向における振動を規制又は抑制されていても構わない。矢印方向に対して交差する方向として、例えば、振動板連結部a20を介して対向する2つのサスペンションa25を通過する方向(前者の方向)、或いは第1の振動板a11又は第2の振動板a12の振動方向(後者の方向)などが挙げられる。図示される例では、サスペンションa25は、前者の方向におけるリンク連結部分a24の振動を規制し、後者の方向におけるリンク連結部分a24の振動を抑制している。
図4は、スピーカ用振動体の他の形態を示した説明図である(前述した形態と共通する部位は同一符号を付して重複説明を一部省略する)。なお、第1の振動板a11、第2の振動板a12、エッジa14、振動板支持部a15により囲まれる空間は、実質的に密閉されていても構わない。同図(a)に示したスピーカ用振動体a100Aは、第1のリンク部分a21Aと第2のリンク部分a21Bが、それぞれ一対の逆向きに傾斜したリンク部分a21を備えている。そして、一対の第1のリンク部分a21A,a21Aと一対の第2のリンク部分a21B,a21Bがパンタグラフ状のリンク機構を形成しており、第1のリンク部分a21Aと第2のリンク部分a21Bの端部はリンク連結部分a24によって連結されている。そしてリンク連結部分a24はサスペンション(保持部)a25によってX軸方向に移動自在に支持されている。これによっても前述した図2に示した例と同様に第1の振動板a11と第2の振動板a12が近接又は離間するように機械的に連結されている。
同図(b)に示したスピーカ用振動体a100Bは、図2に示した例と同様に、第1のリンク部分a21Aと第2のリンク部分a21Bは、それぞれ複数の平行なリンク部分a21を備えているが、第1のリンク部分a21Aと第2のリンク部分a21Bが異なる位置でリンク連結部分a24に連結している。リンク連結部分a24と第1のリンク部分a21A又は第2のリンク部分a21Bとの連結部分は連結される両者が屈曲又は屈折自在な関節部分a22になっている。これによっても前述した図2に示した例と同様に第1の振動板a11と第2の振動板a12が近接又は離間するように機械的に連結されている。
図5は、前述したスピーカ用振動体を受動振動体として備えるスピーカ装置の形態例を示した説明図である。スピーカ装置a1は、前述したスピーカ用振動体a100と、駆動部となるスピーカユニットa200と、静止部としてのキャビネットa50を備えている。前述したスピーカ用振動体a100の振動板支持部a15がキャビネットa50に支持されている。キャビネットa50の内部は密閉空間を形成しており、第1の振動板a11がキャビネットa50の外側に面しており、第2の振動板a12がキャビネットa50の内側に面している。詳細には、第1の振動板a11の音響放射面がキャビネットa50の外側の空間に面しており、第2の振動板a12の音響放射面がキャビネットa50の内側の空間に面している。なお、第1の振動板a11の音響放射面は、例えば第1の振動板a11を支持するキャビネットa50の一部に対して、略同じ位置、或いは外側、内側に配置されても構わなく、特に限定はしない。また、第1の振動板a11、第2の振動板a12、エッジa14、振動板支持部a15により囲まれる空間は、実質的に密閉されていても構わない。
スピーカユニットa200は、スピーカ用振動体a100の駆動部としてスピーカ用振動体a100とは異なる位置でキャビネットa50に支持されている。図示の例では、スピーカユニットa200は、静止部としてのフレームa201と、フレームa201に支持される振動板a202と、振動板a202に支持されるボイスコイルa203と、ボイスコイルa203の一部が配置される磁気ギャップa204Gを有しフレームa201に支持される磁気回路a204とを備え、振動板a202の外周がエッジa205を介してフレームa201に支持され、ボイスコイルa203は振動板a202に連結されるボイスコイル支持部a206に支持されている。なお、磁気回路a204は少なくともヨークと磁石とを備え、必要に応じてプレートを備える。また、図示の例では磁気回路a204は外磁型磁気回路であるが、内磁型磁気回路、或いはボイコイルa203の内側及び外側に磁石が配置される内磁外磁併用型磁気回路であっても構わない。
このようなスピーカ装置a1は、スピーカユニットa200の駆動によってスピーカユニットa200の音響放射面とは逆側に発生する空気圧、空気圧の変化もしくは音波でスピーカ用振動体a100を駆動している。すなわち、スピーカユニットa200の駆動によって発生するキャビネットa50内部の圧力変化によってスピーカ用振動体a100が振動する。
この際の動作は、同図(a)に示すように、スピーカユニットa200の振動板a202が中立位置から音響放射方向SSに向かって移動する場合には、キャビネットa50の内部の圧力は負圧傾向になり、スピーカ用振動体a100の第2の振動板a12をキャビネットa50内部に引き込むように移動させる。これによって、第2の振動板a12に振動板連結部a20を介して連結される第1の振動板a11は、振動板連結部a20の前述したリンク機構によって第2の振動板a12とは逆方向に移動することになる。すなわち、第1の振動板a11と第2の振動板a12は互いに離間するように移動する。
また、同図(b)に示すように、スピーカユニットa200の振動板a202が中立位置に戻ると、スピーカ用振動体a100の第1の振動板a11と第2の振動板a12も中立位置に戻る。更に、同図(c)に示すように、スピーカユニットa200の振動板a202が中立位置から音響放射方向と逆方向−SSに向かって移動する場合には、キャビネットa50の内部の圧力は正圧傾向になり、スピーカ用振動体a100の第2の振動板a12をキャビネットa50内部から押し出すように移動させる。これによって、第2の振動板a12に振動板連結部a20を介して連結される第1の振動板a11は、振動板連結部a20の前述したリンク機構によって第2の振動板a12とは逆方向に移動することになる。すなわち、第1の振動板a11と第2の振動板a12は互いに近接するように移動する。
図示の例では、スピーカ用振動体a100における第1の振動板a11と第2の振動板a12は、互いに逆向きの方向に、略同じ振幅で振動することになる。また、音響放射方向SSに面したスピーカユニットa200の振動板a202とスピーカ用振動体a100の第1の振動板a11は略同方向に略同位相で振動することになる。このような受動型振動体であるスピーカ用振動体a100の振動によると、キャビネットa50内部の圧力変化が機械的に反転されてキャビネットa50外へ放射される音波になっており、これによって、比較的小さなキャビネット容積であってもスピーカ装置a1の低域特性を効果的に改善することが可能になる。
図6は、従来のスピーカ装置と本発明の実施形態に係るスピーカ装置の音圧周波数特性を比較したグラフである。グラフの実線(a)が本発明の実施形態に係るスピーカ装置a1、グラフの一点破線(b)が従来の位相反転型スピーカ装置、グラフの破線(c)が密閉型のスピーカ装置の各特性を示している。この際、スピーカユニットa200は同一のものを用いており、キャビネットa50の総容積は等しいものを用いている。スピーカ用振動体a100と受動振動板Jaは総面積が等しいものを用いている。グラフの横軸が周波数(Hz)で縦軸は音圧(dB)を示している。
図示から明らかなように、(b)に示した従来の位相反転型スピーカ装置は、帯域f2で(a)に示した密閉型のスピーカ装置より音圧が上昇するが、それより低域側(共振周波数より下)で音圧が急に低下し、帯域f1の最低音域では逆に密閉型のスピーカ装置より音圧が減少する問題がある。これに対して、本発明の実施形態に係るスピーカ装置a1は、帯域f2で従来の位相反転型スピーカ装置(b)や密閉型スピーカ装置(c)と同レベルの音圧を示し、更にそれより低域の帯域f1では従来の位相反転型スピーカ装置(b)や密閉型スピーカ装置(c)と比べて高い音圧を示すことができる。
図7は、本発明の他の実施形態に係るスピーカ装置を示した説明図である。この形態例でも、第1の振動板a11、第2の振動板a12、エッジa14、振動板支持部a15により囲まれる空間は、実質的に密閉されていても構わない。このスピーカ装置a1Aは、前述した実施形態と同様に、スピーカ用振動体a100Cと、駆動部となるスピーカユニットa200と、静止部としてのキャビネットa50を備えている。
この実施形態では、振動板連結部a20は、リンク連結部分a24の移動を許容する保持部a40を介してキャビネットa50側に支持されている。保持部a40は、振動板連結部a20を囲む環状部a51に振動板連結部a20を支持する第1の保持部a41と、キャビネットa50を含む静止部(振動板支持部a15)に環状部a51を弾性的に支持する第2の保持部a42を備える。
振動板連結部a20は、図3に示す例と同様に、板状体によってリンク連結部分a24が形成されており、このリンク連結部分a24から部分的に切り出されるようにリンク部分a21が形成されている。リンク連結部分a24とリンク部分a21との境目に関節部分a22が形成されている。そして、この板状体を一対貼り合わせることで、第1のリンク部分a21Aと第2のリンク部分a21Bを形成している。
このようなスピーカ装置a1Aによると、スピーカ用振動体a100Cのジオメトリー全体が従来の位相反転型のスピーカ装置と同様に移動可能になっている。すなわち、第1の振動板a11と第2の振動板a12が一体となって第2の保持部a42の弾性的な支持によって移動可能になっており、第2の振動板a12の大きな振動に対しては振動板連結部a20のリンク機構が機能してそれとは逆方向に第1の振動板a11を振動させるようになっている。ここで、第1の保持部a41はリンク連結部分a24の移動を矢印方向のみに規制しており、第2の保持部a42は環状部a42を各方向に弾性変位可能に支持している。また、リンク連結部分a24は第1の保持部a41により、矢印方向に対して交差する方向における振動を規制又は抑制されても構わない。矢印方向に対して交差する方向として、例えば、振動板連結部a20を介して対向する2つの第1の保持部a41を通過する方向(前者の方向)、或いは第1の振動板a11又は第2の振動板a12の振動方向(後者の方向)などが挙げられる。図示される例では、第1の保持部a41は、前者の方向におけるリンク連結部分a24の振動を規制し、後者の方向におけるリンク連結部分a24の振動を抑制している。
このようなスピーカ装置a1Aによる音圧周波数特性を他の例と比較すると、この実施形態に係るスピーカ装置a1Aは前述したスピーカ装置a1と同様に共振周波数より低い帯域f1(図6参照)で高い音圧又は同レベルの音圧を示すことができ、しかも、帯域f2(図6参照)ではスピーカ装置a1と比べて安定的な(ディップルを抑えた)音圧周波数特性を示すことができる。
スピーカ用振動体a100は、それ自体を磁気回路の駆動力で駆動させることができる。図8は、スピーカ用振動体を備えたスピーカユニット(同図(a))とこのスピーカユニットを備えたスピーカ装置(同図(b))を示している。
ここで示したスピーカ用振動体a100Dは、第1の振動板a11と第2の振動板a12が振動板連結部a20を介して連結されている。振動板連結部a20は左右一対設けられており、一方の振動板連結部a201と他方の振動板連結部a202とが左右対称に設けられている。この振動板連結部a20(a201,a202)は、第1の振動板a11側の一端と他端に関節部分a22を有する第1のリンク部分a21Aと、第2の振動板a12側の一端と他端に関節部分a22を有する第2のリンク部分a21Bを備え、第1のリンク部分a21A及び第2のリンク部分a21Bが角度を変更するように第1のリンク部分a21Aの他端と第2のリンク部分a21Bの他端と関節部分a22を介して連結するリンク連結部分a24を備える。第1の振動板a11と第2の振動板a12はエッジa14を介して静止部a52に支持されている。
スピーカユニットa200Aは、スピーカ用振動体a100Dを駆動する駆動部a30を備える。この駆動部a30は、一対の振動板連結部a20(a201,a202)のそれぞれに設けられている。駆動部a30は、振動板連結部a20に直接又は他の部材を介して連結されるボイスコイルa31と、ボイスコイルa31の一部が配置される磁気ギャップa33Gを有し静止部に支持される磁気回路a33とを備え、ボイスコイルa31の振動によって振動板連結部a20を介して第1の振動板a11と第2の振動板a12を振動させる。磁気回路a33は前述した静止部a52に支持されている。
ボイスコイルa31は振動板連結部a20のリンク連結部分a24に直接又は他の部材を介して連結され、ボイスコイルa31の振動によってリンク連結部分a24を第1の振動板a11及び第2の振動板a12の振動方向と交差する方向に振動させ、第1のリンク部分a21A及び第2のリンク部分a21Bを角度変更させる。
このようなスピーカユニットa200Aは、各種のキャビネットに装着されてスピーカ装置a1Bを形成することができる。図示の例では、少なくとも振動板を有する受動型振動体a101を支持するキャビネットa50にスピーカユニットa200Aが装備されている。この例では、第1の振動板a11は音波を放射する音響放射面を備え、キャビネットa50の内側に配置される第2の振動板a12は、受動型振動体a101を駆動させる駆動力放出面を備える。ここでは、パッシブラジエータとして受動型振動体a101を備える例を示したが、受動型振動体a101に換えてキャビネットa50の外側に向かって音波を放出する放音孔を備えるダクトを設けたものでもよい。
このようなスピーカ装置a1Bは、駆動部a30によって第1の振動板a11及び第2の振動板a12が振動すると、第1の振動板a11と第2の振動板a12が近接状態になると密封されたキャビネットa50内部の圧力は負圧傾向になり、第1の振動板a11と第2の振動板a12が離間した状態になるとキャビネットa50内部の圧力が正圧傾向になる。このキャビネットa50内部の圧力変化によって受動型振動体a101が振動する。
この際、特に反共振周波数以下での帯域では、第1の振動板a11が音響放射方向に移動する際には、キャビネットa50内部が正圧傾向になって受動型振動体a101も音響放射方向に振動し、第1の振動板a11が音響放射方向と逆方向に移動する際には、キャビネットa50内部が負圧傾向になって受動型振動体a101も音響放射方向と逆方向に振動することになり、スピーカユニットa200Aの振動板と受動型振動体a101の振動板が略同位相で振動することになって、前述したスピーカ装置a1と同様の低域再生機能を得ることができる。
また、異なる形態として、第2の振動板a12に破線で示したような音響調整部材a13を取り付ける、或いは第2の振動板a12を音響調整部材a13で置き換えることができる。音響調整部材a13としては、音響放射面を有する第1の振動板a11に対して大きい重さを有する部材、又は複数の開口部を有する部材を採用することができる。この形態例によると、スピーカユニットa200Aを単独でキャビネットに配備する際等に、第2の振動板側から発生する音波を抑制することができる。このようなスピーカユニットa200Aを、バスレフ型のスピーカ装置に適用することで、キャビネット等に生じる不要な振動が比較的少ないスピーカ装置を得ることができる。音響調整部材a13によって第2の振動板側を第1の振動板a11に対して重くすると、第2の振動板側が静止部として機能することになってリンク機構やリンク部分に生じる不要な振動を抑止することができる。また、音響調整部材a13を複数の開口部を有する部材で構成することで、第2の振動板a12が振動することによる反力を比較的小さくでき、リンク機構又はリンク部分に生じる不要な振動を抑止することができる。
また、第1の振動板、第2の振動板の質量が実質的に同じ場合には、例えば第1の振動板、第2の振動板から受ける反力により、不要な振動が振動板連結部、静止部又はボイスコイルに生じても相殺することができる。この場合、第1の振動板、第2の振動板の振動方向やボイスコイルの振動方向にて、スピーカ用振動体に実質的に対称な振動を生じさせることができ、不要な振動の発生を抑止できる。
スピーカ装置a1に用いられるスピーカユニットとしては各種の形態が適用可能である。図5に示した例のようにダイナミック型でコーン形状の振動板を有するスピーカユニットa200に換えて以下に示すような振動方向変換部を備えるスピーカユニットを用いることで、スピーカユニット自体の薄型化と大音量化の両立が可能になり、更には、スピーカユニットをキャビネット内に配置する場合に、キャビネットの奥行きを大きくしなくてもスピーカユニットの背面側空間の容積を十分に確保することができる。これによって、キャビネットを含めたスピーカ装置全体の薄型化が可能になる。なお、以下に示す振動方向変換部のリンク機構は、前述した振動板連結部のリンク機構の各部(リンク部分、リンク連結部分、関節部分等)として適用することができる。この際、振動板連結部のリンク機構にも後述する接触回避部や接着部材収容部を形成することができる。
図9は振動方向変換部を備えたスピーカユニットの基本構成を示した説明図である(同図(a)がX軸方向に沿った断面図、同図(b)が駆動部の動作を示した説明図)。スピーカユニット1Uは、振動板10と、振動板10を振動方向に沿って振動自在に支持する静止部100と、静止部100に設けられ、音声信号によって振動板10に振動を与える駆動部14とを備え、駆動部14は、磁気ギャップ20Gを形成する磁気回路20と、音声信号が入力され、振動板10の振動方向とは異なる方向に振動するボイスコイル30と、ボイスコイル30の振動を方向変換して振動板10に伝える振動方向変換部50とを備えている。図示においては、ボイスコイル30はボイスコイル支持部40に支持されているが、ボイスコイル30自体が振動方向変換部50と連結されるものであってもよい。ここでは、ボイスコイル30の振動方向をX軸方向とし、それと直交する2方向をそれぞれY軸方向とZ軸方向としている。
振動板10は、平面視が略矩形状であるか、又は円形状や楕円形状、或いはその他の形状のものであってもよい。また、振動板10の断面形状は、例えば、平板形状、ドーム形状、コーン形状などの規定形状に形成することができる。図示の例は、振動板10の断面形状が平面であるが、湾曲形状でも構わない。また、必要に応じて、振動板10の全高を比較的小さくし、スピーカユニット1Uの薄型化を図っても構わない。
静止部100は、振動板10及び駆動部14等の振動を支持する部位の総称であって、ここでは、フレーム12、フレーム12の機能を兼ねた後述するヨーク部、取付ユニット等が静止部100にあたる。静止部100は、それ自体が完全に静止していることを意図するわけではなく、それ全体が駆動部14の振動の影響を受けて、或いは他の力を受けて、振動するものであってもよい。振動板10の外周部はエッジ11を介して静止部100であるフレーム12に支持されている。
駆動部14は、磁気回路20、ボイスコイル30、振動方向変換部50を備えており、ボイスコイル30が磁気回路20の磁気ギャップ20Gに沿って一軸方向に振動し、その振動を振動方向変換部50が方向変換して振動板10に伝える。図示の例では、X軸方向に沿ってボイスコイル30が振動し、それと直交するZ軸方向に振動板10が振動可能に配置されており、振動方向変換部50は、ボイスコイル30のX軸方向の振動を自身の変化する斜設角度に変換して、振動板10をZ軸方向に振動させている。
磁気回路20は、複数の磁気ギャップ20Gをボイスコイル30の振動方向(例えばX軸方向)に沿って並べるように、磁石21(21A,21B)と磁極部材(ヨーク部)22(22A,22B)を備えている。ここでは、一対の磁気ギャップ20Gの磁場方向が互いに逆方向(±Z軸方向)になるように磁石21(21A,21B)の磁極方向が設定されており、互いに逆方向に磁場を有する磁気ギャップ20Gに対して互いに逆方向(±Y軸方向)の電流が流れるように導電部材が巻き回されたボイスコイル30を配置することによって、ボイスコイル30に磁気ギャップ20Gに沿った方向(±X軸方向)の駆動力(ローレンツ力,電磁気力)を生じさせている。磁石21と磁極部材(ヨーク部)22の配置関係は図示の例に限らない。ボイスコイル支持部40を例えば平板状の絶縁部材で形成することで、ボイスコイル30全体に剛性(曲げ剛性、捩れ剛性も含む)を付加させることができる。
また、ボイスコイル支持部40としての平板状の絶縁部材には、導線の外側に複数の導電層が形成されている。この導電層43は、導線の始点及び終点から引き出される引出線31(図27参照)と電気的に接続される。この引出線31は、例えば、後述する導電部材の一部で構成される。また、後述する保持部15を介して外部と電気的に接続されており、外部からの音声信号をボイスコイル30に入力する中継線として機能している。また、例えば、ボイスコイルに対して遊離する導線を中継線としてスピーカユニット内で引き回す場合には、配線を引き回すスペースを別途必要とする。しかし、中継線としての導電層43(図27参照)をボイスコイル支持部40の表面に形成することで、中継線のためのスペースを確保する必要がなくなり、スピーカユニットを薄型化することができる。図示の例では、ボイスコイル30及びボイスコイル支持部40は平板状に形成されているが、これに限定されず、筒形状に形成しても構わない。また、ボイスコイル30又はボイスコイル30を支持するボイスコイル支持部40が筒形状である場合には、振動方向変換部50側の端部に、振動方向変換部が角度変更自在に連結することを可能にする、平板状の蓋部を取り付けても構わない。
ボイスコイル30は、音声信号が入力される導線(導電部材)を巻き回して形成され、それ自身が静止部100に振動自在に配置されるか、或いはボイスコイル支持部40を介して静止部100に振動自在に配置される。ボイスコイル支持部40は、例えば平板状の絶縁部材で形成することができ、その表面上又は内部にボイスコイル30が支持される。
ボイスコイル支持部40を例えば平板状の絶縁部材で形成することで、ボイスコイル30全体に剛性(曲げ剛性、捩れ剛性も含む)を付加させることができる。
このボイスコイル30は、図示省略の保持部によって静止部100に保持されている。保持部は、ボイスコイル30又はボイスコイル支持部40を静止部100に対し振動方向(例えばX軸方向)に沿って振動自在に保持するとともに、それ以外の方向へは移動しないように規制する構成を有する。例えば、保持部は、ボイスコイル30の振動方向(例えば、X軸方向)に沿って変形可能であり、この振動方向に交差する方向には剛性を有する湾曲板部材によって形成することができる。また、ボイスコイル30は、ボイスコイル30の振動方向における長さに対し、ボイスコイル30の振動方向に対し直交する方向におけるボイスコイルの長さを比較的大きくすることで、スピーカ駆動時に比較的大きな駆動力を得ることができる。
振動方向変換部50は、一端部がボイスコイル30に角度変更自在に直接又は他の部材を介して連結されるとともに、他端部が振動板10に角度変更自在に直接又は他の部材を介して連結され、振動板10の振動方向およびボイスコイル30の振動方向それぞれに対して斜設されて配置されている。すなわち、振動方向変換部50は、ボイスコイル30又はボイスコイル支持部40と振動板10との間で角度変更自在に斜設される剛性のリンク部分51と、リンク部分51の両端に形成され、振動方向変換部50の角度変化の支点となる関節部分52とを備えている。振動方向変換部50の連結部分53は、振動板10又はボイスコイル30、若しくは振動板10やボイスコイル30以外の他の部材を含む被取付部材200に対し、例えば接合部材としての接着剤や両面テープ、締結部材としてのネジ等の連結部材で連結されており、被取付部材200に近接するように関節部分52を配置している。図示の例では、振動方向変換部50の一端の連結部分53(53A)が、ボイスコイル30又はボイスコイル支持部40と連結部60を介して連結されるが、連結部60を介することなく直接連結してもよい。連結部60は、振動方向変換部50におけるボイスコイル側の端部と、ボイスコイル30又はボイスコイル支持部40の振動方向変換部側の端部との間に形成され、両端部を振動方向に沿って間隔を開けて連結させるものである。また、連結部60は、磁気回路20の厚さを吸収し、スピーカユニットの薄型化を図っている。
さらに、振動方向変換部50の関節部分52に近接する被取付部材200の面側には、関節部分52との接触を避ける接触回避部70が形成されている。この接触回避部70は、振動方向変換部50と被取付部材200とを接合する接合部材を収容して拘束する接合部材収容部(拘束部)としても機能する。この接触回避部70は、関節部分52に沿って凹状に形成される、例えば凹部や切欠部や溝部等であり、関節部分52と、関節部分52の近傍に配置される被取付部材200の表面との間に所定の空間を形成して、振動方向変換部50と被取付部材200との間に介在する接着部材が関節部分52に拘わるのを抑止している。図示の例では、被取付部材200となる連結部60に接触回避部70として切欠部71を関節部分52(52A)に近接するように形成し、振動板10に接触回避部70として凹部72を関節部分52(52B)に近接するように形成している。それによって、振動方向変換部50の連結部分53と、連結部60又は振動板10の端面とが接着剤や両面テープ等の接合部材で貼り合わされる際、関節部分52に向けてはみ出た接着剤や両面テープの端部が、切欠部71又は凹部72に入り込むことで、関節部分52に接触して付着することがないようにしている。
このようなスピーカユニット1Uは、同図(a)に示すように、駆動部14のボイスコイル30に、電気信号として音声信号SSを入力することで、同図(b)に示すように、磁気回路20の磁気ギャップ20Gに沿ってボイスコイル30又はボイスコイル支持部40が例えば図示のX軸方向に振動する。これにより、この振動が振動方向変換部50によって方向変換されて振動板10に伝達されることになって、振動板10を例えば図示のZ軸方向に振動させて音響放射方向SDに音声信号に応じた音が放射される。
このようなスピーカユニット1Uによると、振動方向変換部50によって、ボイスコイル30の振動方向と振動板10の振動方向を異なる方向にしているので、振動板10の振動方向に沿ってボイスコイル30を振動させる場合と比較して、振動板10の背面側を薄型化することが可能になる。これによって、低音域を高音圧で再生できる薄型のスピーカ装置を得ることができる。
さらに、ボイスコイル30の振動を振動方向変換部50によって方向変換して振動板10に伝えるので、ボイスコイル30の振幅を大きくすることで、振動板10の振幅を大きくしても、スピーカユニット1Uの音響放射方向の厚さ(スピーカユニットの全高)は大きくならない。これによって、大音量の再生音を放射することができる薄型のスピーカユニットを得ることができる。
また、振動方向変換部50の連結部分53と被取付部材200を接合部材として接着剤を使用して連結する場合には、その接合に伴い接着剤が拡散伸展して関節部分52に向けはみ出し、関節部分52に接着剤が付着すると、関節部分52が硬化して可動しなくなる可能性がある。また接合部材として両面テープを使用した際にも、この両面テープの端部が関節部分52に向けはみ出して、関節部分52に両面テープが付着すると、関節部分52が硬化して可動しなくなる可能性がある。さらに、接着剤や両面テープの端部等が付着して硬化した関節部分52は、繰り返して屈曲又は屈折或いは回転運動することで、破断するおそれがある。このように関節部分52が破断すると、接着剤や両面テープの端部等が付着した個所は振動板10やボイスコイル30或いはその他の部材等の被取付部材200に接触したり離れたりすることを繰り返し、その度に異音(当たり音)が発生してしまう。一方、接着剤や両面テープの端部等がはみ出して関節部分52に付着しないように、接着剤の塗布量や両面テープによる接合面積を少なくすると、振動方向変換部50と被取付部材200との連結力が低下し、端面から剥がれ等が生じて異音の元になったり、さらには完全に剥がれてしまいスピーカの破壊につながるという問題がある。さらに、関節部分52が被取付部材200の近傍に配置されているので、関節部分52が被取付部材200に接触して、関節部分52が損傷したり、或いは振動方向変換部50が被取付部材200に対し屈曲又は屈折或いは回転運動ができなくなる場合がある。しかし、このスピーカユニット1Uでは、関節部分52に近接する被取付部材200の面側に接触回避部70を形成しているので、関節部材52との接触を抑止すると共に、接触による異音発生などを抑止できる。また、振動方向変換部50の連結部分53と被取付部材200とを連結するために使用した接着剤や両面テープ等の接合部材がはみ出しても、接合部材拘束部としても機能を有する接触回避部70に入り込んで関節部分52に付着して、関節部分52の可動を妨げることを抑止できる。これによって、振動方向変換部50と被取付部材200との連結力を高く保ちながら関節部分52の機能を維持することができる。被取付部材200に対し振動方向変換部50が確実に屈曲又は屈折或いは回転運動するので、破断による関節部分52の被取付部材200への接触や異音の発生等を抑止することができる。
図10及び図11は、振動方向変換部50の構成例と動作を説明する説明図である。ボイスコイル30の振動を方向変換して振動板10に伝える剛性の振動方向変換部50は、振動板10側とボイスコイル30側のそれぞれに関節部分52を形成してボイスコイル30の振動方向に対して斜設されたリンク部分51を有する。ここで、関節部分52とは、2つの剛性を有する部材を回転自在に接合する部分、又は一体化された剛性を有する2つの部分を屈折又は屈曲自在にする部分であり、リンク部分51とは、関節部分52が端部に形成された剛性を有する部分である。ここで、剛性とはボイスコイル30の振動を振動板10に伝達できる程度に変形しないことを指し、全く変形しないことのみを指しているわけではない。リンク部分51は、板状又は棒状に形成することができる。
図10に示した形態例では、一つのリンク部分51を備え、その両端に関節部分52(52A,52B)が形成され、一方の関節部分52Aがボイスコイル30又はボイスコイル支持部40の端部に形成され、他方の関節部分52Bが振動板10側に形成されている。他方の関節部分52Bは、振動板10に接続されていてもよいし、振動板10に他の部材を介して接続されていてもよい。他の部材としては公知の部材を用いることができ、例えば関節部分52と振動板10との接合強度が向上する金属部材などを選択しても構わない(図10においては振動板10は図示省略している)。
同図(a)は、リンク部分51が振動の中間位置にある場合を示している。リンク部分51は、ボイスコイル30(又はボイスコイル支持部40)と振動板10との間に角度θ0で斜設されている。このとき、ボイスコイル30から振動板10の振動方向に沿って距離H0だけ離れた位置Z0に振動板10側の関節部分52Bが配置されている。ボイスコイル30(又はボイスコイル支持部40)は、一軸方向(例えば、X軸方向)に振動するように振動方向が規制されており、振動板10は、ボイスコイル30の振動方向とは異なる方向(例えばZ軸方向)に振動するように、その振動方向が規制されている。
同図(b)に示すように、ボイスコイル30の端部に形成された関節部分52Aが当初の位置X0から振動方向(X軸方向)にΔX1だけ移動して位置X1に達すると、リンク部分51の傾斜角度がθ1(θ0>θ1)に変換されて、振動板10側の関節部分52Bの位置が振動板10の振動方向(Z軸方向)にΔZ1だけ移動して位置Z1に達する。すなわち、振動板10をΔZ1だけ振動方向に沿って押し上げる。
同図(c)に示すように、ボイスコイル30の端部に形成された関節部分52Aが当初の位置X0から振動方向(−X軸方向)にΔX2だけ移動して位置X2に達すると、リンク部分51の傾斜角度がθ2(θ0<θ2)に変換されて、振動板10側の関節部分52Bの位置が振動板10の振動方向(−Z軸方向)にΔZ2だけ移動して位置Z2に達する。すなわち、振動板10をΔZ2だけ振動方向に沿って押し下げる。
このようにリンク部分51及び関節部分52(52A,52B)からなる振動方向変換部50の機能は、ボイスコイル30の振動をリンク部分51の変化する斜設角度に変換して振動板10に伝え、振動板10をボイスコイル30の振動方向とは異なる方向に振動させることである。
図11は、振動方向変換部50の他の構成例及びその動作を説明するための説明図である。詳細には、同図(b)は振動板10が基準位置に位置した状態の振動方向変換部50の状態、同図(a)は振動板10が基準位置に対して音響放射側に変位している状態の振動方向変換部50の状態、同図(c)は振動板10が基準位置に対して音響放射側に対して反対方向に変位している状態の振動方向変換部50の状態を示している(振動板10は図示省略している)。
この振動方向変換部50は、リンク部分51が振動板側とは逆側に位置するフレーム12等の静止部100からの反力を受けて角度変換する機能を有する。詳しくは、振動方向変換部50は、一端をボイスコイル30側の関節部分52Aとし、他端を振動板10側の関節部分52Bとする第1のリンク部分51Aと、一端を第1のリンク部分51の中間部との関節部分52Cとし、他端を静止部100との関節部分52Dとする第2のリンク部分51Bとを有し、第1のリンク部分51Aと第2のリンク部分51Bをボイスコイル30の振動方向に対して異なる方向に傾斜配置している。更に詳しくは、振動方向変換部50は、一端をボイスコイル30側の第1の関節部分52Aとし、他端を振動板10側の第2の関節部分52Bとする第1のリンク部分51Aと、一端を第1のリンク部分51Aの中間部との第3の関節部分52Cとし、他端を静止部100との第4の関節部分52Dとする第2のリンク部分51Bとを有し、第1の関節部分52Aと、第2の関節部分52Bと、第4の関節部分52Dとが、第3の関節部分52Cを中心とする第1のリンク部分51Aの長さにほぼ等しい直径の円周上にある。
この振動方向変換部50では、関節部分52Dが唯一位置変動しない関節部であり、これが静止部100(或いはフレーム12)に対して支持され、静止部100からの反力をリンク部分51に付与している。これによって、ボイスコイル30(或いはボイスコイル支持部40)が基準位置X0からX軸方向にΔX1だけ移動すると、図11(a)に示すように、異なる方向に傾斜配置している第1のリンク部分51Aと第2のリンク部分51Bの角度がほぼ同角度立ち上がることになり、関節部分52Dで静止部100からの反力を受けて関節部分52Bは確実に振動板10を基準位置Z0からZ軸方向にΔZ1だけ押し上げる。また、ボイスコイル30が基準位置X0からX軸と逆方向にΔX2だけ移動すると、図11(c)に示すように、第1のリンク部分51Aと第2のリンク部分51Bの角度がほぼ同角度下がることになり、関節部分52Dで静止部100からの反力を受けて関節部分52Bは確実に振動板10を基準位置Z0からZ軸とは逆方向にΔZ2だけ押し下げる。
ここで、関節部分52Aから関節部分52Cまでのリンク部分の長さaと関節部分52Cから関節部分52Bまでのリンク部分の長さbと関節部分52Cから関節部分52Dまでのリンク部分の長さcを実質的に等しくして、ボイスコイル30の移動方向と略平行に関節部分52Aと関節部分52Dを配置していることが好ましい。このようなリンク機構はスコットラッセルの機構として知られており、関節部分52A,52B,52Dは関節部分52Cを中心として直径が第1のリンク部分51Aの長さ(a+b=2a)の円周上にある。すなわち、関節部分52Aと関節部分52Dを通る直線と、関節部分52Bと関節部分52Dを通る直線とがなす角は直角になる。これによって、ボイスコイル30をX軸方向に移動させると、第1のリンク部分51Aと振動板10との関節部分52BはX軸と垂直なZ軸に沿って移動することになり、ボイスコイル30の振動方向をそれとは垂直方向に変換して振動板10に伝えることができる。
図12及び図13は、振動方向変換部50の形成例を示す説明図である(図12(a)は側面図、図12(b)は斜視図、図12(c)はA部拡大図)。振動方向変換部50は、前述したようにリンク部分51とその両端に形成される関節部分52(52A,52B)を備える。図示の例では、リンク部分51の両端側には関節部分52を介して連結部分53(第1の連結部分53A,第2の連結部分53B)が形成されている。ここで、第1の連結部分53Aはボイスコイル30又はボイスコイル支持部40に対し直接又は他の部材を介して連結されてボイスコイル30と一体に振動する部分であり、第2の連結部分53Bは振動板10に直接又は他の部材を介して連結されて振動板10と一体に振動する部分である。
この振動方向変換部50は、リンク部分51と関節部分52A,52Bと第1,第2の連結部分53A,53Bが一体に形成されており、関節部分52A,52Bは、関節部分52A,52Bを跨いだ両側の部分で連続する屈折自在な連続部材で形成されている。ここでの連続部材は、リンク部分51と第1,第2の連結部分53A,53Bの全体を形成する部材であっても良いし、リンク部分51と第1,第2の連結部分53A,53Bの一部を形成する部材であってもよい。このような第2の連結部分53Bを設けて、リンク部分51が広範囲で振動板10を支持するようにすることで、振動板10を略同位相で振動させることができる。ここでいう屈折とは、概念上屈曲も含む。
振動方向変換部50を板状部材で形成した場合には、関節部分52は図12(b)に示すように幅方向に延びる線状に形成されることになる。また、リンク部分51は変形しない剛性であることが要求され、関節部分52は屈折自在であることが要求されるので、リンク部分51或いは連結部分53の厚さt1に対して関節部分52の厚さt2を薄肉状に形成することで、一体の部材に異なる性質を持たせている。
また、関節部分52とリンク部分51との厚さの変化を傾斜面状に形成し、関節部分52を跨いだ両側の部分の端部に面が対面する傾斜面51t,53tを形成する。これによって、リンク部分51が角度変更される際にリンク部分51の厚みが角度変更に対して干渉するのを抑止することができる。
さらに、関節部分52Aに近接して配置される被取付部材200となる連結部60の端部には、接触回避部70として凹部又は切欠部71、図12(a)に示した例では断面形状が傾斜状の切欠部を形成することで、関節部分52Aと連結部60との間に空間が形成されるようにしている。また、関節部分52Bに近接して配置される被取付部材200の振動板10には、接触回避部70として凹部又は切欠部72、図示の例では断面形状が湾曲状の凹部を形成することで、関節部分52Bと振動板10との間に空間が形成されるようにしている。これによって、関節部分52A,52Bと被取付部材200との接触を抑止できる。また、リンク部分51の第1の連結部分53Aと連結部60の端面及び第2の連結部分53Bと振動板10をそれぞれ接合部材としての接着剤で貼り合わせる場合に、接着剤が関節部分52A,52Bに向けはみ出したとしても、凹部又は切欠部71,72に入り込むので、関節部分52A,52Bに付着せず、付着するとしても関節でない部分(屈折又は屈曲しない剛性を有する部分)だけであるため、関節部分52A,52Bの屈折動作又は屈曲動作の妨げを抑止することができる。
図13に示した例は、屈折自在の連続部材に剛性の部材を一体化してリンク部分或いは連結部分を形成しており、関節部分を連続部材で構成される部分としている。同図(a)に示す例では、屈折自在なシート状部材である連続部材50Pの表面に剛性部材50Qを貼り付けて、リンク部分51或いは連結部分53を形成している。これによると、連続部材50Pは関節部分52を跨いだ両側の部分で連続的に延在しており、関節部分52は実質的に連続部材50Pのみで屈折自在に形成されている。一方、連続部材50Pに剛性部材50Qが貼り付けられたリンク部分51或いは連結部分53は剛性を有する部分に形成されることになる。
同図(b)に示す例では、連続部材50Pを挟持するように剛性部材50Qを貼り付けてリンク部分51或いは連結部分53を形成している。ここでも剛性部材50Qが貼り付けられていない部分が関節部分52になる。同図(c)に示す例では、リンク部分51を形成する剛性部材が剛性部材50Q1,50Q2を積層して多層に形成されている。さらに、同図(c)において、剛性部材50Q1又は剛性部材50Q2を多層構造にしても構わない。このように屈折自在な連続部材50Pに剛性部材50Qを部分的に貼り付けることで、屈折自在な関節部分52と剛性を有するリンク部分51,連結部分53を一体に形成することができる。
連続部材50Pは、スピーカユニットの駆動時に繰り返される関節部分52の屈折に耐え得るだけの強度と耐久性を有し、屈折動作の繰り返し時に音を発しない程度に柔軟性を有するものが好ましい。具体例としては、連続部材50Pは高強度繊維の織物又は不織物によって形成することができる。織物の例としては、均一素材の平織り、縦糸と横糸が異なる材質の平織り、1本交互に糸材質を変えた平織り、交撚糸による平織り、引き揃えの平織り等にすることができ、平織り以外には、三軸,四軸織り、三軸,四軸組布、編み物、一方向引き揃えの繊維等にすることができる。
高強度繊維を全部又は一部に用いる場合には、高強度繊維をボイスコイル支持部40の振動方向に沿って配置することで、ボイスコイル30又はボイスコイル支持部40の振動に対して十分な強度を得ることができる。縦糸と横糸を共に高強度繊維にした場合には、繊維方向をボイスコイル支持部40の振動方向に対して共に約45°傾斜させることで、縦糸と横糸に均等な張力がかかり耐久性を向上させることができる。高強度繊維としては、アラミド繊維,カーボン繊維,ガラス繊維等を用いることができる。また、連続部材の曲げ応力や剛性等の物性を調整するために、ダンプ剤(ダンピング剤、制動材)を塗布(付与)しても構わない。
剛性部材50Qとしては、軽量で成形し易く硬化後に剛性を有するものがよく、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、金属、紙等を用いることができる。剛性部材50Qは板状に成形後、連続部材50Pの関節部分52を除く部分の表面に接合剤としての接着剤で貼り付けることによって、振動方向変換部50を形成することができる。また、剛性部材50Qとして熱硬化性樹脂を用いる場合には、繊維質の連続部材50Pにおけるリンク部分51や連結部分53に部分的に樹脂を含浸させた後硬化させて振動方向変換部50を形成することができる。また、剛性部材50Qとして樹脂や金属を用いる場合には、インサート成形によってリンク部分51と連結部分53において連続部材50Pと剛性部材50Qを一体化することができる。
なお、前述の一体形成に関する技術は、2005年5月12日に米国出願されたUS20050127233(公開番号:US2005/253298)、2005年5月13日に米国出願されたUS20050128232(公開番号:US2005/253299)に記載されており、本願は前記の公報に記載される内容を援用する。
図14及び図15は、前述した振動方向変換部を採用したスピーカユニットを示した説明図である(図14(a)及び図15(a)がX軸方向に沿った断面図、同図(b)が駆動部の動作を示した説明図)。前述の説明と共通する箇所は同一符号を付して重複説明を一部説明する。図14及び図15に示したスピーカユニット1U(1A,1B)では、ボイスコイル支持部40に連結されてボイスコイル支持部40と一体に振動する第1の連結部分53Aと、振動板10に連結されて振動板10と一体に振動する第2の連結部分53Bとを備えると共に、リンク部分を複数備えたリンク機構50Lが形成されている。
図14に示したスピーカユニット1U(1A)では、振動方向変換部50は剛性の第1のリンク部分51Aと第2のリンク部分51Bを備えたリンク機構50Lによって形成されている。第1のリンク部分51Aは、一端側に関節部分52Aを介して第1の連結部分53Aが形成され、他端側に関節部分52Bを介して第2の連結部分53Bが形成されており、第2のリンク部分51Bは、一端側に関節部分52Cを介して第1のリンク部分51Aの中間部が形成され、他端側に関節部分52Dを介してボイスコイル支持部40の振動に対して不動の連結部分53Cが形成されている。
そして、図示の例では、第1の連結部分53Aは連結部60を介して又は直接ボイスコイル支持部40の端部に連結されており、第2の連結部材53Bは直接振動板10に連結されており、不動の連結部分53Cは静止部100となるフレーム12の底部12Aに連結されている。関節部分52Dに近接して配置される被取付部材200のフレーム12の底部12Aには、接触回避部70として凹部又は切欠部73、図示の例では切欠部を形成することで、関節部分52Dとフレーム12の底部12Aとの間に空間が形成されるようにしている。第1のリンク部分51Aと第2のリンク部分51Bはボイスコイル支持部40の振動方向(X軸方向)に対して異なる方向に傾斜配置され、静止部100は、振動方向変換部50に対して振動板10側とは逆側に設けられている。図示の例では、静止部100はフレーム12の底部12Aによって形成しているが、これに換えて磁気回路20のヨーク部22Aを振動方向変換部50の下まで延在させ、このヨーク部22Aを静止部100にしてもよい。
図14(b)に示すように、ボイスコイル支持部40側の関節部分52Aはボイスコイル支持部40の移動に伴ってX軸方向に移動し、静止部100に連結された関節部分52Dは固定された状態になり、静止部100から受ける反力によって、関節部分52Aの移動が第1のリンク部分51Aと第2のリンク部分51Bの変化する角度に変換され、振動板10側の関節部分52Bを振動板10の振動方向(例えばZ軸方向)に移動させる。
図15に示したスピーカユニット1U(1B)は、図14に示した駆動部14を左右対称に互いに対向配置したものであり、駆動部14(R),14(L)を備え、それぞれの駆動部14(R),14(L)にリンク機構50L(R),50L(L)とボイスコイル支持部40(R),40(L)と磁気回路20(R),20(L),連結部60(R),60(L)を設けている。
そして、リンク機構50L(R),(L)は、対向配置される一対の第1のリンク部分51A,一対の第2のリンク部分51B,一対の第1の連結部分53A,第2の連結部分53B,不動の連結部分53Cが一体になって振動方向変換部50を形成している。一対の第1の連結部分53Aはそれぞれボイスコイル支持部40に連結され、第2の連結部分53Bは振動板10に連結され、不動の連結部分53Cはフレーム12の底部12Aに連結されている。
これによると、図15(b)に示すように、ボイスコイル支持部40(R),40(L)の振動方向を同期させた逆向きにすることで、2つの駆動部14(R),14(L)の駆動力を合わせて振動板10を振動させることができる。また、振動板10側の関節部分52Bを複数箇所に設けることができるので、振動板10の支持点が増え、振動板10の振動の位相を合わせることが可能になる。
図16及び図17は、更に具体的な振動方向変換部を示す説明図である(図16(a)は斜視図、図16(b)は同図(a)におけるA部の拡大図、図17(a)は関節部分を引き伸ばして全体を平坦化した状態の平面図、図17(b)は関節部分を引き伸ばして全体を平坦化した状態の側面図)。この例では、振動方向変換部50は一体化された一部品で形成され、前述したように、一対の第1のリンク部分51Aとその両端にそれぞれ関節部分52A,52Bが形成され、一対の第2のリンク部分51Bとその両端にそれぞれ関節部分52C,52Dが形成されている。また、一対の第1のリンク部分51Aの一端側に関節部分52Aを介して第1の連結部分53Aが形成され、一対の第1のリンク部分51Aの他端側に形成される関節部分52B間に第2の連結部分53Bが形成され、第2のリンク部分51Bの他端側に形成された関節部分52D間に不動の連結部分53Cが形成されている。そして、第1のリンク部分51A,51Aと第2の連結部分53Bが凸状に屈折され、第2のリンク部分51B,51Bと不動の連結部分53Cが凹状に屈折されている。
図16(b)に示すように、関節部分52Aは、前述した連続部材50Pによって屈折自在に形成され、第1のリンク部分51Aには前述した剛性部材50Qが貼り付けられ、第1の連結部分53Aにも前述した剛性部材50Qが貼り付けられている。そして、前述した全ての関節部分が同様の構成に形成されている。また、各関節部分では傾斜面51t,53tが対向して形成されている。
図17(a)に示すように、リンク部分51A,51Bと各関節部分と連結部分53A,53B,53Cからなる振動方向変換部50は、一体のシート状部品から形成されている。一体のシート状部品を直線的に横断するように関節部分52Aが形成され、一体のシート状部品を部分的に横断するように関節部分52B,52C,52Dが形成されている。また、一体のシート状部品の長手方向に沿って一対の切り欠き部50Sを形成することで第2のリンク部分51B,51Bと不動の連結部分53Cが切り出されて形成されている。
図17(b)に示すように、このような振動方向変換部50を形成するには、例えば、シート状部材である連続部材50P上全面に剛性部材50Qを形成するための樹脂材料を塗布するなどして積層し、各関節部分とその両側の傾斜面51t,53tを形成すべくV字状の型抜きを行う。その後前述した切り欠き部50Sを形成して、樹脂材を硬化させる。ここで用いる樹脂材料は液状の未硬化の樹脂材料や樹脂フィルムを用いることができる。
また、各関節部分とその両側の傾斜面51t,53tを形成する際、剛性部材50Qを樹脂材で形成すると同時に成形しても構わない。この時、剛性部材50Qを成形する金型に予め断面形状がV字状の溝又は凹部を形成しておくことが好ましい。
図18,図19,図20は、振動方向変換部50の他の例を示す説明図である(図18(a)が側面図、図18(b)が斜視図、図19が動作説明図、図20(a),(b)が形成例の説明図)。この振動方向変換部50(リンク機構50L)は、駆動部を一対設けて、振動方向変換部50を互いに略左右対称に対向配置させる場合であって、複数のリンク部分で平行リンクを形成している。
振動方向変換部50は、一端を第1の連結部分53A(R),53A(L)との関節部分52A(R),52A(L)とし、他端を第2の連結部分53Bとの関節部分52B(R),52B(L)とする一対の第1のリンク部分51A(R),51A(L)を有する。また、一端を第1のリンク部分51A(R),51A(L)の中間部との関節部分52C(R),52C(L)とし、他端を不動の連結部分53Cとの関節部分52D(R),52D(L)とする一対の第2のリンク部分51B(R),51B(L)を有する。前述したように第1の連結部分53Aはボイスコイル30又はボイスコイル支持部40に直接、或いは他の部材としての連結部60を介して連結され、第2の連結部分53Bは振動板10に連結され、不動の連結部分53Cは、静止部100となるフレーム12の底部12Aや磁気回路20を形成するヨーク部22等に連結される。
更に、一端が第1の連結部分53A(R),53A(L)から一体的に延設される一対の連結部分53D(R),53D(L)との関節部分52E(R),52E(L)であって、他端が第2の連結部分53Bと一体の連結部分53Eとの関節部分52F(R),52F(L)である第3のリンク部分51C(R),(L)を有する。
そして、第1のリンク部分51A(R)と第3のリンク部分51C(R)、第1のリンク部分51A(L)と第3のリンク部分51C(L)、第2のリンク部分51B(R)と第3のリンク部分51C(L)、第2のリンク部分51B(L)と第3のリンク部分51C(R)がそれぞれ平行リンクを形成している。
このような振動方向変換部50のリンク機構50Lは、実質的は、図14に示した形態例のリンク機構と平行リンク機構を組み合わせた機能を有し、各リンク部分及び連結部分を連続部材50Pに剛性部材50Qを一体化させて形成し、リンク部分間の各関節部分は屈折自在な連続部材50Pで線状に形成して、リンク部分相互間が関節部分を介して一体的に形成されている。
図示の例では、関節部分52F(R),52F(L)に近接して配置される第2の連結部分53Bと、関節部分52A(R),52A(L)に近接して配置される一対の連結部分53D(R),53D(L)には、接触回避部70として凹部76を形成することで、各関節部分と連結部分との間に空間が形成されるようにしている。
この振動方向変換部50の動作を図19によって説明する。この例ではフレーム12に支持される不動の連結部分53Cが静止部100として機能することになる。このような振動方向変換部50によると、ボイスコイル支持部40の振動によって、関節部分52A(R),(L)がX軸方向の基準位置X0からX1に移動すると、平行リンク機構によって第2の連結部分53Bとそれに一体の連結部分53Eが平行状態を維持して上昇し、平行リンクを形成している第1のリンク部分51A(R),(L)と第3のリンク部分51C(R),(L)が立ち上がるように角度変更する。その際、関節部分52D(L),(R)が静止部となる不動の連結部分53Cの両端で支持されているので、静止部からの反力を受けて第1のリンク部分51A(R),(L)と第3のリンク部分51C(R),(L)の角度変更が確実に行われ、関節部分52A(R),(L)の位置X0から位置X1への変位を振動板10の位置Z0から位置Z1への変位に確実に変換する。
同様に、関節部分52A(R),(L)がX軸方向の基準位置X0からX2に移動すると、平行リンク機構によって第2の連結部分53Bとそれに一体の連結部分53Eは平行状態を維持して下降し、平行リンクを形成している第1のリンク部分51A(R),(L)と第3のリンク部分51C(R),(L)が倒れるように角度変更する。その際、関節部分52D(R),(L)が静止部に支持されているので、静止部からの反力を受けて第1のリンク部分51A(R),(L)と第3のリンク部分51C(R),(L)の角度変更が確実に行われ、関節部分52A(R),(L)の位置X0から位置X2への変位を振動板10の位置Z0から位置Z2への変位に確実に変換する。
このような振動方向変換部50によると、一つのボイスコイル支持部40のX軸方向の振動が略同位相・略同振幅で振動する関節部分52B(R),(L),52F(R),(L)及び第2の連結部分53BにおけるZ軸方向の振動に変換されることになる。これによって、振動板10は、広い範囲で支持されて略同位相・略同振幅の振動が与えられることになるので、面積が広い平面的な振動板10に対してボイスコイル支持部40の振動を略同位相で伝達することができる。
図18(b)に示すように、振動方向変換部50は、連結部分53B,53D(R),(L),第3のリンク部分51C(R),(L)をそれぞれ幅方向一対に平行配置しており、第1のリンク部分51A(R),(L)を二股に形成してその中間部に第2のリンク部分51B(R),(L)との関節部分52C(R),(L)が形成され、第2のリンク部分51B(R),(L)及び連結部分53Cは、幅方向一対に平行配置されている連結部分53B,53D(R),(L),第3のリンク部分51C(R),(L)の間に配備されている。
このようにリンク部分を1つのシート状(板状)部品で形成することで、振動板10を面で支持して振動させることができるので、振動板10全体を略同位相で振動させることができ、分割振動を抑制することが可能になる。
また、図18(b)に示すように、この形態の振動方向変換部50は、リンク部分を形成する一つの板状部材全体を凸台形状に屈折させて第1のリンク部分51A(R),(L)と第2の連結部分53Bを形成し、この板状部材を部分的に切り出して凹台形状に屈折させて第2のリンク部分51B(R),(L)と不動の連結部分53Cを形成している。
図20によって、このような振動方向変換部50の形成方法を説明する。一つの形成方法としては、この振動方向変換部50は、図20(a)に示すように、複数(2枚)のシート状(板状)部品501,502を貼り合わせて形成し、一方のシート状部品501に、第1の連結部分53A(R),(L),第1のリンク部分51A(R),(L),第2のリンク部分51B(R),(L),第2の連結部分53B,不動の連結部分53Cを形成し、他方のシート状部品502に、連結部分53D,第3のリンク部分51C(R),(L)と連結部分53Eを形成している。そして、第1のリンク部分51A(R),(L)と第2の連結部分53Bに沿って連結部分53D(R),(L)と第3のリンク部分51C(R),(L)を形成すると共に、第2のリンク部分51B(R),(L)と不動の連結部分53Cに対応する開口502Aがシート状部品502に形成されている。
この例では、一方のシート状部品501における第2のリンク部分51B(R),(L)と不動の連結部分53Cに対応する他方のシート状部品502に形成される開口502Aの大きさが、他方のシート状部品502の一端から内側に向かって拡大するように形成されている。このようにすることで、第2のリンク部分51B(R),(L)と不動の連結部分53Cが他のシート状部品502に接触するのを抑止して、リンク機構の動きを円滑に行わせることができる。
シート状部品501,502が連続部材50Pと剛性部材50Qによって形成されているものでは、図20(b)に示すように、連続部材50Pを対面させた状態で2つの部品501,502を連結する。これによると、連続部材50Pを一体化して、関節部分52の屈折を円滑に行うことができる。この場合においても、関節部分52に近接する個所には、接触回避部70として凹部又は切欠部76が形成される。
また、各関節部分の近傍において、各リンク部分の端部には図14(c)に示したような傾斜面が形成されている。傾斜面はリンク部分が関節部分において屈折する際に、互いに干渉しないように形成されており、リンク部分が関節部分において効率良く屈折できるようになっている。
他の形成例としては、図20(c)に示すように、前述したシート状部品501の端部に連続して前述したシート状部品502を一体に形成して、折りたたみ線fで矢印方向に折り畳むことで、図18及び図19に示した振動方向変換部50を得ることができる。この例では、図17に示した例と同様に、シート状部材である連続部材50P上全面に剛性部材50Qを形成するための樹脂材を積層させ、各関節部分とその両側の傾斜面を形成すべくV字状の型抜きを行い、その後前述した切り欠き部50Sと開口502Aを形成して、樹脂材を硬化させることで簡易に形成することができる。
また、各関節部分とその両側の傾斜面51t,53tを形成する際、剛性部材50Qを樹脂材で形成すると同時に成形しても構わない。この時、剛性部材50Qを成形する金型に予め断面形状がV字状の溝又は凹部を形成しておくことが好ましい。
図15〜図20に示した振動方向変換部50では、2つの対向するボイスコイル支持部40に対して一つの一体部品を用いることで、振動方向変換部50のリンク機構を形成することができるので、一対の駆動部を備えたスピーカユニットを形成する場合にも組み立て作業を簡易に行うことができる。また、不動の連結部分53Cを設けることで、ボイスコイル支持部40の対向振動(複数のボイスコイル支持部40が互いに逆方向となるように振動すること)に対しては、特に関節部分52D(R),(L)をフレーム12に支持しなくても、この関節部分52D(R),(L)の位置が一定に保持されることになり、これによっても振動方向変換部のスピーカユニットへの組み込みを簡易化することができる。
そして、図18〜図20に示した振動方向変換部50では、リンク機構として、右側の第1のリンク部分51A(R)と第3のリンク部分51C(R)、左側の第1のリンク部分51A(L)と第3のリンク部分51C(L)によって平行リンクが形成されているので、ボイスコイル支持部40の対向振動に対して振動板10に固着される第2の連結部分53BをZ軸方向に沿って安定に平行移動させることができる。これによって、平面状の振動板10に対して安定した振動を加えることが可能になる。
このようなスピーカユニット1U(1A,1B)によると、音声信号SSが入力されると、振動板10の許容される振動方向とは異なる方向に沿って形成された磁気ギャップ20Gに沿ってボイスコイル支持部40が振動することになり、この振動が振動方向変換部50によって方向変換されて振動板10に伝達されることになって、振動板10を振動させて音響放射方向SDに音声信号SSに応じた音が放射される。
この際、磁気ギャップ20Gの方向を振動板10の振動方向及びスピーカユニット1U(1A,1B)の厚さ方向に交差させているので、磁気回路20の駆動力或いはボイスコイル30の振動を大きくすることが直接的にスピーカユニット1U(1A,1B)の厚さ方向(Z軸方向)の大きさに影響を与えない。よって、大音量化を図りながらスピーカユニット1U(1A,1B)の薄型化を実現することが可能になる。
また、振動方向変換部50は、機械的なリンク機構によってボイスコイル支持部40の振動方向を変換して振動板10に伝えているので、振動の伝達効率が高い。特に、図14〜図15に示したスピーカユニット1U(1A,1B)では、第1のリンク部分51Aと第2のリンク部分51Bの角度変更がボイスコイル支持部40の振動と静止部100からの反力によって行われるので、より確実にボイスコイル支持部40からの振動を振動板10に伝えることができる。これによって、スピーカユニット1U(1A,1B)の良好な再生効率を得ることができる。
また、図9、図14及び図15に示したスピーカユニット1U(1A,1B)では、連結部60を設けることで、ボイスコイル30又はボイスコイル支持部40の端部40Aの位置と振動方向変換部50の端部50Aの位置との間に段差(間隔)を形成することができる。これによって、磁気回路20のZ軸方向の幅(高さ)を振動方向変換部50の高さの中に収めることができ、駆動力を確保する上で必要になる磁気回路20の高さを十分に確保しながら、スピーカユニット1U(1A,1B)を薄型化することが可能になる。また、連結部60を設けることでスピーカユニット1U(1A,1B)の薄型化を達成しても十分に振動方向変換部50の必要高さ(リンク部分51の長さ)を確保することができ、振動板10の振幅を比較的大きくすることが可能になる。
更には、連結部60の底部61がフレーム12の底部12A或いは静止部100上を所定の間隙を設けた状態でスライドするように形成することで、ボイスコイル支持部40の振動を安定化することが可能になる。また、振動方向変換部50の端部の移動を直線的に行うことができ、振動板10に連結される振動方向変換部50の端部の動きを、確実且つ安定化することができる。
図21に示す振動方向変換部50は、図18に示した形態の改良例である。図21(a)に示す例では、ボイスコイル支持部40の対向振動によって曲げが生じ易いリンク部分に対して凸部510を設けて剛性を高めている。図示の例では、第1のリンク部分51A(R),(L),第2のリンク部分51B(R),(L),連結部分53D(R),(L),連結部分53Cにそれぞれ凸部510が設けられている。また、同図(b)に示す例では、特に強度を必要としないリンク部分において開口部520を設けて振動方向変換部の軽量化を図っている。図示の例では、連結部分53Bに開口部520が設けられている。振動方向変換部の軽量化は特に再生特性の広域化や、所定の音声電流に対する音波の振幅及び音圧レベルを大きくすることに有効である。
図22〜図28は、本発明の実施形態に係るスピーカユニットの給電構造を説明する説明図である。本発明の実施形態に係るスピーカユニットは、前述した基本構造を参照して、凹部10aを有する振動板10と、振動体10を振動自在に支持する静止部100と、静止部100に設けられ、音声信号によって振動板10に振動を与える駆動部14とを備え、駆動部14は、音声信号が入力されて振動板10とは異なる方向に振動する複数のボイスコイル30,30と、ボイスコイル30,30がそれぞれ配置される磁気ギャップ20G,20Gを有する複数の磁気回路20,20と、ボイスコイル30,30及び振動板10の振動方向に対し斜設されて、ボイスコイル30,30の振動を振動板10に伝える剛性の振動方向変換部50を備えている。
そして、複数のボイスコイル30,30に音声信号を入力するために、複数のボイスコイル30,30の一方のボイスコイル30から他方のボイスコイル30に向けて延在し、複数のボイスコイル30,30に対する共通の端子部81,81が静止部100に設けられている。この端子部81は、一対のボイスコイル30,30が設けられる場合には、一対の端子部81が設けられ、一対のボイスコイル30,30のそれぞれの一端が1つの端子部81に接続され、一対のボイスコイル30,30のそれぞれの他端が他の端子部81に接続される。複数のボイスコイル30,30に対して共通の端子部81,81を設けることで、各ボイスコイル30の一端と他端にそれぞれ端子部を設ける場合と比較して端子部の配置を省スペース化できる。端子部に必要なスペースを削減することで、スピーカユニットの小型化或いは薄型化が可能になる。
端子部81,81には、複数のボイスコイル30,30を電気的に接続する配線(第1の配線80A)が形成されている。これによって、端子部81,81に音声信号が入力されると配線を経由して複数のボイスコイル30,30のそれぞれに音声信号を供給することができる。
図22(a),(b)は、本発明の実施形態に係るスピーカユニットの外観斜視図である。スピーカユニット1Uの静止部100は、第1の構成部材100Aと第2の構成部材100Bにて形成されている。第2の構成部材100Bは振動方向変換部50側に配置されたフレームであり、振動方向変換部50の一部を支持している。端子部81,81は、第1の構成部材100Aと第2の構成部材100Bとの間に配置されている。第1の構成部材100Aは振動板10側に配置されたフレームであり、エッジ11を介して振動板10を支持している。また、第1の構成部材100Aと第2の構成部材100Bとで磁気回路20を支持しており、第1の構成部材100Aが磁気回路20の一方の片側磁極部材(ヨーク部22)を支持し、第2の構成部材100Bが磁気回路20の他方の片側磁極部材(ヨーク部22)を支持することで、第1の構成部材100Aと第2の構成部材100Bとを結合した状態で両磁極部材間に規定間隔の磁気ギャップを形成している。
図23、図26は、本発明の実施形態に係るスピーカ装置における静止部100の構成例を示している。前述したようにフレーム12によって静止部100が形成されている。この静止部100は、振動板10を取り囲む外周枠部101と、外周枠部101の内側を橋渡しする橋渡し部102とを備え、橋渡し部102は、前述したリンク機構50L(振動方向変換部50)に反力を与えると共に、リンク機構50Lの振動方向にて剛性を備えている。
前述したようにボイスコイル30が振動すると、その振動がリンク機構50Lを介して振動板10に伝達されるが、その際、リンク部分51を角度変換させるリンク機構50Lは、振動板10からの反力を受ける。このような反力をリンク機構50Lが受けた場合に、リンク機構50Lを支持する静止部100がたわむとリンク機構50L自体が振動してしまい、リンク部分51に不要な振動を伝達することになる。リンク部分51に伝達された振動が振動板10に伝達されると、ボイスコイル30の振動が効率よく振動板10に伝達できなくなる。そこで、リンク機構50Lを支持する静止部100の一部である橋渡し部102にたわみが生じることを抑止する機能を付与することで、不要な振動がリンク部分及び振動板10に伝達されることを抑止できる。これによって、ボイスコイル30の振動が効率よく振動板10に伝達される。
静止部100は、第1の構成部材(第1フレーム)100Aと第2の構成部材(第2フレーム)100Bとを備えている。第1の構成部材100Aはスピーカ装置1Bの音響放射側の支持部材であって、第2の構成部材100Bは音響放射側と逆(背面)側の支持部材である。スピーカ装置1の駆動部14は第1の構成部材100Aと第2の構成部材100Bとによって挟み込まれるように支持されている。
第1の構成部材100Aは、環状に形成される外周枠部101を備え、エッジ11を介して振動板10の外周を支持していると共に、磁気回路20の磁極部材(ヨーク部)22の片側(22B)を支持している。一方、第2の構成部材100Bは外周枠部101と橋渡し部102を備えており、磁気回路20の磁極部材(ヨーク部)22の片側(22A)を支持すると共に、橋渡し部102がリンク機構50Lを支持している。この際、橋渡し部102は、振動板10からリンク機構50Lを介して受ける力に対して剛性を有する。このためには、振動板10の振動方向において、外周枠部101のコンプライアンスに対して、橋渡し部102のコンプライアンスが、実質的に同じか、または小さいことが好ましい。より具体的には、橋渡し部102における厚みが、振動板10又は磁気回路20を支持する静止部100の一部における厚みと実質的に同じか、又は大きいことが好ましい。
第2の構成部材100Bに設けられる橋渡し部102には、その延在する方向及び振動板10の振動方向に向かって突出する第1の突出部102Aが形成されている。この第1の突出部102Aは橋渡し部102の長手方向に沿って形成されるリブ構造であり、これによって橋渡し部102の曲げ剛性を高めている。また、振動板10と対向する橋渡し部102の面内には、第1の突出部102Aと交差する方向に延びる第2の突出部102Bが形成されている。この第2の突出部102Bは、橋渡し部102の両端部における補強リブになり、その両端で橋渡し部102を外周枠部101に剛性支持している。
更に、橋渡し部102には、第1の突出部102Aおよび第2の突出部102Bに対して交差する方向に延びる第3の突出部102Cが、振動板10に対向する静止部100の面内に形成されており、複数の第2の突出部102Bおよび第3の突出部102Cにて、平面形状が多角形状の補強部103が形成されている。
静止部100となる第1の構成部材100Aと第2の構成部材100Bは、長軸O1と短軸O2を有する平面形状を有し、橋渡し部102は、短軸O2方向に沿って形成されている。また、橋渡し部102を長軸O1方向に沿って形成すること、或いは長軸○1方向及び短軸○2方向に沿って形成することもできる。
第1の構成部材100Aと第2の構成部材100Bには、対向し合う面内に形成された凹部にて、開口部100Fが構成される。第1の構成部材100Aおよび第2の構成部材100Bには、端子部81,81を支持する突出部109(109A,109B)が形成されており、端子部81,81は、突出部109Aと突出部109とに挟持されている。これによって、第1の構成部材100Aと第2の構成部材100Bを結合させると同時に、端子部81,81が安定に固定される。
また、図22に示すように、静止部100は、磁気回路20を囲む外周枠部101と底面部107とを備え、端子部81,81は、外周枠部101に沿う形状に形成されて、外周枠部101に取り付けられている。これによって、端子部81,81が静止部100の外周枠部101から外側に突出することが無く、装置のコンパクト化が可能になる。また、端子部81,81が外周枠部101に取り付けられることで、端子部81,81が安定的に固定され、ボイスコイル30,30との接続不良を回避できる。
端子部81,81は、一方のボイスコイル30から他方のボイスコイル30に沿う長軸と、当該長軸と交差する短軸とを有する形状に形成されている。このように細長形状にすることで、設置スペースの効率を高めることができる。
端子部81,81は、外周枠部101の内部に配置してもよく、これによると、スピーカユニットの外周縁の形状や大きさに影響を与えることなく、端子部81,81を設けることができる。また、必要に応じて、インサート成形の技術を用いて外周枠部101の内部に配置しても良い。
第1の構成部材100Aと第2の構成部材100Bにおける各外周枠部101,101は、ボイスコイル30と対向する面内において、前述した開口部100Fを有し、開口部100Fに端子部81,81が配置されている。この場合、端子部81,81は、静止部100の開口部100Fを補強する補強部になっている。
端子部81,81には、外部と電気的に接続された配線82,82(第2の配線80A)との接続部81a(図26参照)が形成され、端子部81,81の配線(第1の配線80A)と配線82(第2の配線80B)とが接続部81aで電気的に接続されている。配線82(第2の配線80A)は、静止部100の側面に固定されると共に、端子部81,81に接続される。静止部100の外周枠部101は、配線82(第2の配線80B)が取り付けられる側面を備え、静止部100の側面には、配線82,82を案内する案内部106,106が形成されている。
図23はスピーカユニットの内部構造(第1の構成部材100Aを除いた状態)を示す斜視図、図24はスピーカユニットの内部構造(第2の構成部材100Bを除いた状態)を示す平面図、図25はスピーカユニットの内部構造(第2の構成部材100Bを除いた状態)を示した斜視図、図26はスピーカユニットの内部構造を示す斜視図(配線の接続状態の説明図)、図27はスピーカユニットの内部構造を示す一部拡大図、図28はボイスコイルの取付構造を示した説明図、図29は保持部の部品説明図である。
磁気回路20のヨーク部22には、このヨーク部22を第1の構成部材100A,第2の構成部材100Bに支持するための突出部22pが設けられており、この突出部22pが第1の構成部材100A,第2の構成部材100Bに設けた受け部105に係合される。
第1の構成部材100A又は第2の構成部材100Bの一方には、端子部81,81を位置決めする位置決めピン100Pが形成されており(図24,図25参照)、位置決めピン100Pが端子部81,81の孔部81h(図23参照)に挿入されることで、端子部81は静止部100に対し規定の位置にて配置される。また、図示の例では端子部81,81は側部に凹部81bが形成されており、この凹部81bが第2の構成部材100Bに形成される凸部100B1に係合することで、端子部81,81が第2の構成部材100Bに位置決めされている。
ボイスコイル30は環状の導電部材で平板状に形成されており、この導電部材を剛性の基体(ボイスコイル支持部40)で支持している。ボイスコイル30又はボイスコイル支持部40は取り付けユニット16によってユニット化されて第1の構成部材100Aと第2の構成部材100Bとの間に装着されている。また、ボイスコイル30又はボイスコイル支持部40は保持部15を介して取り付けユニット16に装着され、取り付けユニット16を第1の構成部材100Aと第2の構成部材100Bとの間に装着することで、ボイスコイル30又はボイスコイル支持部40は保持部15を介して静止部100に保持されている。また、取り付けユニット16には連結部60が一体化されており、この連結部60を介してボイスコイル30又はボイスコイル支持部40と振動方向変換部50とが連結されている。
ボイスコイル30を支持するボイスコイル支持部40(基体)の表面には、引出線31に接続されるボイスコイル引出線32(図27参照)が形成されている。ボイスコイル引出線32は、ボイスコイル30の導電部材の外側にこれを囲むようにパターン形成された導電層43であり、この導電層43が一対配備されることで、ボイスコイル引出線32がボイスコイル30の導電部材と保持部15とを電気的に接続して、ボイスコイル30の導電部材に音声信号を入力するための中継線として機能している。
保持部15には、ボイスコイル30と端子部81とを電気的に接続する配線(第3の配線80C)が形成されており、端子部81,81の端部と配線(第3の配線80C)とが電気的に接続され、保持部15の配線(第3の配線80C)とボイスコイル引出線32とが接続され、端子部81,81に配線82(第2の配線80B)が接続することで、ボイスコイル30に外部から音声信号が入力される。この配線(第3の配線80C)は、保持部15を導電部材にすることで形成することができる。また、保持部15に別途配線を形成することもできる。保持部15自体を配線基板を用いて形成することもできる。配線82(第2の配線80B)と端子部81,81との接続は、配線82の端部82aと端子部81,81の接続部81aとが電気的に接続される。
保持部15は、振動板10の振動方向にて剛性を有するとともに、ボイスコイル30の振動方向にて変形可能な形状を備える。図示の例では、保持部15は、振動板10の振動方向(X軸方向)に沿って直線的に延在する側面を有すると共に、ボイスコイル30の振動方向にて湾曲状の断面形状を有する。これによって、保持部15がボイスコイル30の振動を一軸方向(X軸方向)に規制し、ボイスコイル30の他の方向への振動が抑制される。
保持部15は、ボイスコイル30を、静止部100に直接又は他の部材を介して、ボイスコイル30の振動方向に振動自在に保持するものであって、第1の保持部15(15A)と第2の保持部15(15B)を備える。第1の保持部15(15A)はボイスコイル30の振動方向変換部50側に配置され、第2の保持部15(15B)はボイスコイル30の振動方向変換部50とは逆側に配置される。
第1の保持部15(15A)は、連結部60と静止部100との間において、連結部60の左右に配置され、第2の保持部15(15B)は、ボイスコイル30の連結部60と連結される側とは逆側で、前記ボイスコイルに対して左右に配置され、第1の保持部15(15A)及び第2の保持部(15B)はボイスコイル30を略左右対称に静止部に直接又は他の部材を介して保持している。また、詳しくは、第2の保持部15(15B)は、その中央部が直接又は他の部材を介して静止部に保持され、その両端がボイスコイルの左右端に接続されている。
図28は、ボイスコイルの取付構造を示した説明図である。導電部材が巻き回されたボイスコイル30をボイスコイル支持部40で支持して、保持部15を介してボイスコイル支持部40を取り付けユニット16に保持する。ボイスコイル支持部40は、平板状の絶縁材料からなる基体41にボイスコイル取り付け箇所41aが開口しており、その開口の片側を保護フィルム44で覆っており、このボイスコイル取り付け箇所41a内にボイスコイル30が取り付けられる。
取り付けユニット16の一端側には、一対の第1の保持部15(15A)の外端部それぞれが取り付けユニット16に連結されており、一対の第1の保持部15(15A)の内端部は連結部60に連結されている。また、取り付けユニット16の他端側には単一品の第2の保持部15(15B)が取り付けられ、この第2の保持部15(15B)の中央部が取り付けユニット16に連結され、その第2の保持部15(15B)の両端部がボイスコイル支持部40の両端部41B,41Cに取り付けられている。ボイスコイル支持部40の端部41Aは連結部60に連結されている。連結部60はボイスコイル30と振動方向変換部50とを連結するための部材である。接続孔部16dは取り付けユニット16を静止部に接続する際の嵌合孔である。
図29によって保持部15の形成例をより具体的に説明する。図示の例では、2つの構成部材151,152を貼り合わせて保持部15を形成している。同図(a)が構成部材151,152の単品を示した斜視図であり、同図(b)が保持部15の側面図であり、同図(c)がその平面図である。保持部15の構成部材151(152)は、平板部Fで互いに接しており、第1の湾曲部Wと第2の湾曲部Waを備え、両端に平板部F,Fを備えると共に、接続部F1,F2を平板部Fと垂直な方向に備えている。複数の構成部材151,152は導電性の金属部材であり、溶接によって接合されている。図示の例では、平板部Fを対面させて、そこにスポット溶接を施すことで、構成部材151,152を溶接している。ここでは、両端部の平板部F,Fのそれぞれで複数箇所にスポット溶接がなされている(符号sはスポット溶接箇所)。2つの構成部材151,152を貼り合わせて保持部15を形成することで、保持部15が捩れること、又は保持部15に共振が発生することを抑止することができる。
保持部15が有する端子部81,81との接続部F1は、振動板10の振動方向(Z軸方向)と交差する方向に延在し、端子部81,81に当接するように、平板状に形成されている。保持部15が有するボイスコイル引出線32との接続部F2も、振動板10の振動方向(Z軸方向)と交差する方向に延在し、ボイスコイル引出線43の端部に当接するように、平板状に形成されている。
図30〜図32は、本発明の実施形態に係るスピーカ用振動体を磁気回路の駆動力で駆動するスピーカユニットであって、振動方向変換部50によって第1の振動板a11と第2の振動板a12を連結する振動板連結部を構成している。ここでは、複数の駆動ユニットa1U,a1U或いは1つの駆動ユニットa1Uによって複数の対向配置した振動板10(第1の振動板a11及び第2の振動板a12)を駆動させている。
図30に示した形態例は、駆動ユニットa1Uを複数備え、フレーム300の外周面に、エッジ11を介して第1の振動板a11と第2の振動板a12を取り付けている。図示の例では、2つの駆動ユニットa1Uを互いに逆向きに配置して、互いの静止部100同士を直接又は他の部材を介して接合することで、薄型の両面放射型のスピーカユニット1Uを形成している。この際、2つの駆動ユニットa1Uを1つの音声信号で駆動すると、駆動時に双方の駆動ユニットa1U,a1Uに伝搬する振動が互いに相殺し合って安定した駆動を実現することができる。前述した薄型化の実現が可能なスピーカユニットでは、2つの振動板を互いに逆向きに配置して接合した状態であってもスピーカ装置の厚さはそれほど大きくならず、フレーム300の奥行き(厚さ)を薄くしたスピーカユニットを得ることができる。
そして、このような形態では、駆動ユニットa1U,a1Uの間に、制振部材350を設けることができる。これによると、互いの駆動ユニットa1Uで影響し合う振動を制振部材350が吸収することになるので、より安定したスピーカユニット1Uの駆動を実現することが可能になる。また、制振部材を設けること、或いは第1の振動板と第2の振動板の質量を実質的に同じにすることで、例えば第1の振動板、第2の振動板から受ける反力により、振動板連結部、静止部又はボイスコイルに生じる不要な振動を相殺できる。また、第1の振動板、第2の振動板の振動方向やボイスコイルの振動方向にて、スピーカ用振動体に実質的に対称な振動を生じさせることができ、不要な振動の発生を抑止できる。
また、この形態例では、第1の振動板a11と第2の振動板a12を連結する振動板連結部として機能する振動方向変換部50は、前述したように、リンク部分51を第1のリンク部分51Aとして、第1のリンク部分51Aと静止部100との間にリンク機構50Lとしての第2のリンク部分51Bを備え、第2のリンク部分51Bを支持する静止部100の一部分に前述した制振部材350が取り付けられている。このような形態例では、双方のリンク機構50L,50Lを支持する静止部100,100の間に制振部材350が取り付けられているので、スピーカ装置の駆動時に、振動方向変換部50の振動が互いに影響し合ってスピーカ装置の駆動を不安定にしたり異音を発生したりする不具合いが生じることを抑止できる。また、リンク機構の機械インピーダンスが略等しい場合には、振動板10から受ける振動方向変換部50の各リンク部分への反力を相殺することができる。振動方向変換部50の動作自体は、双方の振動方向変換部50,50を支持する静止部100,100を直接又は他の部材を介して当接させることで、静止部100,100の位置変動が起こり難くなり、安定した振動方向変換動作を実現できる。
また、双方のリンク機構50L,50Lを支持する静止部100,100はフレーム、又は振動板連結部の一部であっても構わない。静止部100、100が振動板連結部の一部である場合には、例えばリンク部分を構成する部材で形成することができる。
また、前述した静止部100,100間に取り付けられる制振部材350が、柔軟性又は比較的大きいコンプライアンスを備えると共に、ボイスコイル30が振動方向変換部50を介して振動板10に伝達する振動のうち、高周波数で規定される振動を遮断する高域遮断機能を備えることで、振動方向変換部50の振動で静止部100が共振を起こし、スピーカユニット1Uの再生音圧周波数特性が乱れたり、高調波歪みが発生したりするような不具合を抑止できる。また、図示の例のように、駆動ユニットa1U,a1Uが有する連結部60,60を直接連結するか、又は制振部材350を介在させて連結しても構わない。連結部60,60が直接又は他の部材を介して連結している場合には、不要な振動の発生を抑止でき、音響特性を改善することができる。
連結部60は、振動方向変換部50のボイスコイル側端部とボイスコイルの振動方向変換部50側の端部との間に設けられ、両端部の位置を振動板10の振動方向に沿って異ならせている。すなわち、振動方向変換部50によって機能する振動板連結部におけるリンク連結部分のボイスコイル側の端部とボイスコイルのリンク連結部分側の端部との間には、両端部の位置を振動板10の振動方向に沿って異ならせて連結する連結部60が設けられている。また、連結部60はリンク連結部分a24の機能を有している。
図31及び図32は、振動板連結部として機能する各種形態の振動方向変換部50のリンク機構50Lによって、一対の振動板10(第1の振動板a11及び第2の振動板a12)を振動させるスピーカユニット1Uを示している。図31に示した形態例では、X軸方向に振動自在に保持されたボイスコイル30(301,302)の近接又は離間する振動をリンク部分51(51A,51B,51C,51D)と関節部分52(52A,52B,52C,52D,52E,52F)からなるリンク機構50Lを形成する振動方向変換部(振動板連結部)50によって方向変換して一対の振動板10(第1の振動板a11及び第2の振動板a12)を駆動している。ボイスコイル30(301,302)は、フレーム12における装着部12Pに装着される磁気回路20の磁気ギャップ20G内に配置されている。同図(a)が図示省略の保持部でボイスコイル30が保持されており、同図(b)が保持部に加えてダンパDによってボイスコイルの動きが規制されている。
図32(a)に示した形態例は、リンク部分51が前述した図31(a)に示した例に加えてリンク部分51E,51F,51G,51H,51Iを備えており、振動板10が中央部分の凹んだ形態になっている以外は図31(a)に示した形態と同様である。図32(b),(c)に示した形態例は、略同方向に振動する2つのボイスコイル301,301とそれと近接又は離間するように略同方向に振動する2つのボイスコイル302,302を備えており、振動方向変換部50は、第1のリンク部分51Aと第2のリンク部分51Bからなるリンク機構が矩形の固定枠体50Pの四隅に支持されている。ボイスコイル30(301,301,302,302)はそれに対応した磁気回路20の磁気ギャップ20G内に配置されており、近接配置される磁気回路20は制振部材350を介して接合されている。
図31及び図32に示す形態例は、一対の振動板10(第1の振動板a11及び第2の振動板a12)を振動させる振動方向変換部(振動板連結部)50が、ボイスコイル30の振動方向に沿った中心軸に対して略軸対称に配置されている。これによって、リンク機構50Lのリンク部分51の振動は、前述した中心軸に対して略対称に行われることになり、各リンク部分51が相互に及ぼし合う影響を相殺することができる。これによって、振動方向変換部50の振動によって起こる共振現象などの不具合を抑制することが可能になる。
また、図30及び図32に示される形態例において、振動板10(第1の振動板a11及び第2の振動板a12)の間隔を比較的小さくする場合、波長が比較的大きい(周波数が比較的小さい)周波数帯域で、スピーカユニット1Uは点音源として見なすことができる。そのため、バッフル板の面積(振動板10、10を支持すると共に周囲を囲むフレーム12の一部分の面積)の影響を低音域における出力音圧特性が受けることなく、スピーカユニット1Uは良好に低音域の再生音を提供することができる。また、前述の機械インピーダンスが略等しい場合には、振動板10から受ける振動方向変換部50の各リンク部分への反力を相殺することができる。また、図30と同様に、スピーカユニット1Uが有するボイスコイル30はボイスコイル支持部40を直接連結するか、又は図32(c)に示すように制振部材350を介在させて連結しても構わない。連結部60、60が直接又は他の部材を介して連結している場合には、不要な振動の発生を抑止でき、音響特性を改善することができる。
図32(a)〜(c)に示す各形態例は、第1の振動板a11と第2の振動板a12の間に静止部(フレーム12)が配置され、静止部(フレーム12)に磁気回路20が支持されている。これらの例ではボイスコイル支持部40が振動板連結部のリンク連結部分として機能している。したがって、このリンク連結部分の一端側には複数のボイスコイル30が接続されており、リンク連結部分の振動によってリンク部分51,52が角度変更することで、第1の振動板a11と第2の振動板a12が連動して振動する。
図30〜図32に示した形態例では、ボイスコイル30は、図23〜図29に示したような保持部15で振動自在に保持される。すなわち、保持部15は第1の保持部15Aと第2の保持部15Bを備え、第1の保持部15Aはボイスコイル30の振動板連結部側(振動方向変換部50側)に配置され、第2の保持部15Bはボイスコイル30の振動板連結部(振動方向変換部50側)とは逆側に配置されている。
図33及び図34は、前述したボイスコイル30を保持する保持部15の他の形態例を示している。この例では、ボイスコイル30(又はボイスコイル支持部40)は、ボイスコイル30(又はボイスコイル支持部40)を囲む環状の保持部15(b15)にて静止部(フレーム12や磁気回路20等)に保持されている。
そして、保持部15(b15)を複数備え、ボイスコイル30が有する振動板連結部側(又は振動方向変換部側)に設けられる一方の端部b30aと、振動板連結部(又は振動方向変換部)に対して逆側に設けられる他方の端部b30bに、複数の保持部15(b15)の内周部がそれぞれ取り付けられ、複数の保持部15(b15)の外周部は静止部(フレーム12や磁気回路20等)に取り付けられている。
また、ボイスコイル30(又はボイスコイル支持部40)の一方の端部b30aは磁気回路20に対して内側に配置され、ボイスコイル30(又はボイスコイル支持部40)の他方の端部b30bは磁気回路20に対して外側に配置され、磁気回路20に対して内側及び外側にて、複数の保持部15(15b)はボイスコイル30を静止部(フレーム12や磁気回路20等)に支持している。
図33(a)に示す例では、保持部15(b15)は、ボイスコイル30(又はボイスコイル支持部40)が挿入される取り付け孔b15aが設けられ、この取り付け孔b15aにボイスコイル30(又はボイスコイル支持部40)の端部が挿入されている。同図(b)に示す例では、同図(a)と同様に、取り付け孔b15aにボイスコイル30(又はボイスコイル支持部40)の端部が挿入され、ボイスコイル30(又はボイスコイル支持部40)側には抜け止め用のストッパb31が固定されている。同図(c)に示す例では、ボイスコイル30(又はボイスコイル支持部40)側に剛性のボイスコイルリングb32が固定されており、このボイスコイルリングb32が取り付け孔b15aに嵌合している。
図34は前述した保持部15(b15)の形態例を示す説明図である。同図(a)は外周部b15bが矩形状のコルゲージョン形態を成しており、中心位置に前述した取り付け孔b15aが形成されている。同図(b)は外周部b15bが矩形状であり弾性支持部b15cで取り付け孔b15aが形成された部分を支持している蝶ダンパの形態を成している。同図(c)は外周部b15bが閉じた形状(円形、長円、楕円等)で取り付け孔b15aを備えたコルゲージョン形態を成している。取り付け孔b15の周囲に、外周がコルゲーションの頂部で形成される稜線と相似である硬質部を形成しても構わない。この硬質部は、例えば硬質の樹脂部材で形成したり、保持部15が不織布や織物等の繊維系部材で形成されている場合には、繊維系部材にフェノール系樹脂等の樹脂部材を混在又は含浸等することで形成できる。
保持部15は、図示の例に限らず、保持部15のボイスコイル30側の端部又は内周部が、ボイスコイル30が有する静止部の側面に対向する端縁に取り付けられ、保持部15の外周部は、静止部に取り付けられる形態であってもよい。このような保持部15は、繊維系部材、樹脂部材が含浸された繊維系部材、樹脂部材、又は弾性を有する金属部材で形成することができる。
図35は、図30〜図32に示したスピーカユニット1Uを備えたスピーカ装置a1Cの構造(同図(a))と音圧周波数特性(同図(b):横軸が周波数Hzで縦軸が音圧dB)を示した説明図である。なお、第1の振動板a11、第2の振動板a12、エッジa14、振動板支持部a15により囲まれる空間は、実質的に密閉されていても構わないし、後述するキャビネットa50Sに放音部を有するダクトを設けても構わない。図30〜図32に示したスピーカユニット1Uは、各種のキャビネットに装着されてスピーカ装置a1Cを形成することができる。図示の例では、少なくとも振動板を有する受動型振動体a101を支持するキャビネットa50にスピーカユニット1Uが装備されている。
ここでは、2つの音響放射面を有するスピーカユニット1Uを子キャビネットa50sに装着し、その外側に受動型振動体a101を備えたキャビネットa50を装備した形態にしており、スピーカユニット1Uの一方の音響放射面をキャビネットa50の外に向けて受動型振動体a101の音響放射面と同じ側に向け、スピーカユニット1Uの他方の音響放射面をキャビネットa50の内側に向けている。ここでは、パッシブラジエータとして受動型振動体a101を備える例を示したが、受動型振動体a101に換えてダクトを設けたものでもよい。また、エッジの内周部は受動型振動体a101の上面側又は下面側、エッジの外周部はキャビネットa50の上面側又は下面側に配置されても構わない。
スピーカユニット1Uは、振動板10(第1の振動板a11及び第2の振動板a12)を互いに近接又は離間するように略同振幅で振動させることができるので、受動型振動体a101をキャビネットa50の圧力変化で強制的に振動させることができる。この際、特に反共振周波数以下での帯域では、前述したスピーカ装置a1(a1A,a1B)と同様に、スピーカユニット1Uの外向きの振動板の振動と受動型振動体a101の振動を略同位相にすることができる。これによって、超低域再生に有効なスピーカシステムを得ることができる。この際、スピーカユニット1Uの一つの音響放射面が外側に向いていることで、低域から中域までの帯域での再生が可能になる。
スピーカユニット1Uは振動板連結部として機能する振動方向変換部50のリンク機構を連結することで2つの振動板10,10(第1の振動板a11と第2の振動板a12)を正確に略同振幅で逆方向に振動させることができる。
スピーカ装置a1Cの音圧周波数特性は、同図(b)に示すように、スピーカユニット1Uの特性aと受動型振動体a101の特性bとを合成した特性cになり、低音域の音圧を効果的に上昇させることができる。
図36〜図39は、本発明の実施形態に係るスピーカ装置の搭載例を示した説明図である。図36は、スピーカ装置a1(a1A,a1B,a1C)をアタッシュケース状のバッグに搭載した例である。ケース部Baに対してスピーカ装置a1,a1の側辺部が蝶番Ba1で接続されており、同図(a)の可搬状態からファスナ部Ba2を開くと、同図(b)に示すように、スピーカ装置a1,a1が観音開きになって、受動振動体であるスピーカ用振動体a100やスピーカユニットa200、必要に応じて高域用スピーカユニット(ツイータ)twなどが露出する。ケース部Ba内は物入れとして機能するが、この中に電子機器(携帯電話、携帯型表示装置(テレビ)やラジオ,ディスク再生装置,テープ再生装置などのオーディオ装置)を配備することも可能である。また、例えば蝶番Ba1に音声信号が伝達可能な通電機能を持たせ、オーディオ装置からスピーカ装置a1に音声信号を入力させて再生音を発生させることもできる。
図37は、スピーカ装置a1(a1A,a1B,a1C)を自動車のリアトレイCaに搭載した例である。薄型のスピーカ装置a1自体をリアトレイCaにすることもできるし、リアトレイCaの一部にスピーカ装置a1を組み込むこともできる。リアトレイCaの上面にスピーカ用振動体a100やスピーカユニットa200、必要に応じて1つ、又は複数の高域用スピーカユニット(ツイータ)twが配備される。
図38は、ボックス型のスピーカ装置a1(a1A,a1B,a1C)を積層配置した例である。各スピーカ装置a1は、積層される際にスピーカコネクタ兼連結棒a1nで接続され、このスピーカコネクタ兼連結棒a1nが各スピーカ装置a1間の音声信号経路になっている。同図(a)が接続される前の状態、同図(b)が接続された後の状態を示している。ボックスの前面にスピーカ用振動体a100やスピーカユニットa200、必要に応じて高域用スピーカユニット(ツイータ)twが配備される。
図39は、複数のスピーカ装置a1を連結して折り畳み自在に収納できるようにした電子機器の例である。スピーカ装置a1は端部が蝶番Daで接続されており、同図(a)に示す展開状態又は同図(b)に示す折りたたみ状態が選択できるようになっている。蝶番Daが各スピーカ装置a1間の信号経路にもなっている。使用時は同図(a)に示すように展開して壁掛け状態、又は自動車内や室内で立掛け状態などで使用でき、収納時には同図(b)に示すように折り畳んでコンパクトに持ち運びができるようになっている。展開時の前面にスピーカ用振動体a100やスピーカユニットa200、必要に応じて高域用スピーカユニット(ツイータ)twが配備される。
図40は、図30〜図32に示したスピーカユニット1Uを備えたスピーカ装置a1Dの構成例を示した説明図(同図(a)が斜視図、同図(b)が縦断面図)である。この例では、キャビネットc50にスピーカユニット1Uが装備されている。ここでは、2つの音響放射面を有するスピーカユニット1Uを2つの音響放射口c51,c51を有するギャビネットc50に装着して、2つの振動板10,10をそれぞれ2つの音響放射口c51,c51に向けている。音響放射口c51,c51はそれぞれ音響反射面c51a,c51aを備えており、振動板10,10から放射された音が音響反射面c51a,c51aで反射されて音響放射口c51,c51から放射される。
このようなスピーカ装置は各種電子機器や車載用として効果的に用いることができる。例えば、携帯電話或いは携帯情報端末のような電子機器、或いはフラットパネルディスプレイのような電子機器が備える被取付部材としての筐体内にスピーカ装置1を収納する、又は電子機器の被取付部材としての筐体側面にスピーカ装置1を取り付けても、スピーカ装置1の設置に必要な厚さスペースを小さくできるので、電子機器全体の薄型化が可能になる。また、薄型化された電子機器においても充分な音声出力を得ることができる。
また、自動車にスピーカ装置を用いることで車内スペースの拡大が可能になる。特に被取付部材としてのドアパネルや天井、リアトレイ、ダッシュボードに本発明の実施形態に係るスピーカ装置を取り付けても、車内空間への出っ張りを比較的小さくでき、運転者の操作スペースの拡大や、室内のスペースを拡大することが可能になる。また、充分な音声出力が得られるので、雑音が多い高速走行時等でも車内で快適に音楽やラジオ放送を楽しむことができる。自動車内で、図40に示されるような電子機器をリアトレイ等の被取付部材に取り付けても構わなく、自動車に乗車した乗員の人数や乗車位置に応じて、車内に所望の音場を形成することができる。
また、スピーカ装置a1を備える建築物として、人の居住を用途とする住宅(建築物)や会議、講演会、パーティー等、多数の人数を収容して催しを行うことができるホテル、旅館や研修施設等(建築物)では、被取付部材としての壁や天井にスピーカ装置1を設置した場合、スピーカ装置a1の設置に必要な厚さスペースを小さくできるので、室内における不要なスペースを削除でき、スペースを有効に活用することができる。また、近年、プロジェクターや大画面テレビ等の普及に伴い、音響・映像設備を備える居室を設ける例が見られるようになっており、一方で音響・映像設備を備える居室を設けずに、リビングルーム等をシアタールームとして使用するケースも見られる。このようなケースにおいても、スピーカ装置a1を用いることで、簡易にリビングルーム等をシアタールーム化でき、さらにリビングルーム内の空間を有効に活用することが可能である。なお、スピーカ装置a1の配置場所は、例えば、居室内の天井や壁等(被取付部材)が挙げられる。
その他、スピーカ装置a1の適用例を列挙する。冷蔵庫、洗濯機、浴室給湯器の制御パネル、電子レンジ、エアコン、時計、炊飯器、石油ファンヒータ等の家庭用電気機器において、機器の動作状態をユーザーに知らせるための音声再生手段として、パチンコ、スロットパネル等の遊技機或いは娯楽機器の演出効果を高めるための音響発生手段として、ヘッドホン、イヤホン、補聴器、楽器用スピーカ、拡声用スピーカ、スタジオ用スピーカ、ホール用スピーカ、カラオケ用スピーカ等として、スピーカ装置a1を効果的に適用することができる。
また、道路騒音低減用のシステムに用いられる外部の音を遮断する遮断機構として、道路の壁面等の所定の被取付部材にスピーカ装置a1を取り付けることもできる。更には、振動発生装置としてスピーカ装置a1を活用することもでき、体感用アクチュエータ(ボディーソニック等)としてもスピーカ装置a1を効果的に活用できる
以上、本発明の実施の形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。また、上述の各実施の形態は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの技術を流用することができる。なお、本出願には、2008年1月28に国際出願したPCT/JP2008/051197、2008年10月14日に国際出願したPCT/JP2008/068580、2008年10月27日に国際出願したPCT/JP2008/069480、2008年10月23日に国際出願したPCT/JP2008/069269、2009年2月27日に国際出願したPCT/JP2009/053752、2009年2月26日に国際出願したPCT/JP2009/053592、2009年1月20日に国際出願したPCT/JP2009/050764、2009年03月19日に国際出願したPCT/JP2009/055533、2009年3月19日に国際出願したPCT/JP2009/055496、2009年3月19日に国際出願したPCT/JP2009/055497、2009年3月19日に国際出願したPCT/JP2009/055498、2009年3月19日に国際出願したPCT/JP2009/055534、2009年3月19日に国際出願したPCT/JP2009/055523、2009年3月19日に国際出願したPCT/JP2009/055524、2009年3月19日に国際出願したPCT/JP2009/055525、2009年3月19日に国際出願したPCT/JP2009/055526、2009年3月19日に国際出願したPCT/JP2009/055527、2009年3月19日に国際出願したPCT/JP2009/055528、2009年7月9日に国際出願したPCT/JP2009/62482、2009年7月9日に国際出願したPCT/JP2009/62483、2009年7月9日に国際出願したPCT/JP2009/62484、2009年7月9日に国際出願したPCT/JP2009/62477、2009年7月9日に国際出願したPCT/JP2009/62478、2009年7月9日に国際出願したPCT/JP2009/62479、2009年7月9日に国際出願したPCT/JP2009/62480、2009年7月9日に国際出願したPCT/JP2009/62481、2009年7月28日に国際出願したPCT/JP2009/063524、2009年7月28日に国際出願したPCT/JP2009/063525、2009年7月28日に国際出願したPCT/JP2009/063526、2009年7月28日に国際出願したPCT/JP2009/063527、2009年10月15日に日本出願した特願2009/238688に記載される全ての内容は、本出願に組み込まれる。
[請求項1]駆動部の動作によって振動するスピーカ用振動体であって、複数の振動板と、前記複数の振動板のうち、対面する第1の振動板と第2の振動板との間に設けられ、前記第1の振動板と前記第2の振動板を連結して互いに近接又は離間するように連動させる振動板連結部とを備えることを特徴とするスピーカ用振動体。

Claims (44)

  1. 駆動部の動作によって振動するスピーカ用振動体であって、
    前記駆動部を支持する静止部に振動自在に支持される複数の振動板と、
    前記複数の振動板のうち、対面する第1の振動板と第2の振動板との間に設けられ、前記第1の振動板と前記第2の振動板を連結して互いに近接又は離間するように連動させる振動板連結部とを備えることを特徴とするスピーカ用振動体。
  2. 前記振動板連結部は、前記第1の振動板と前記第2の振動板の間に基準面を備え、前記基準面に対して前記第1の振動板と前記第2の振動板が互いに近接又は離間し、
    前記基準面は、前記第1の振動板と前記第2の振動板の近接又は離間に対して実質的に静止しており、前記第1の振動板及び前記第2の振動板の一体的な振動に対しては共に振動することを特徴とする請求項1記載のスピーカ用振動体。
  3. 前記振動板連結部は、剛性のリンク部分によって形成されるリンク機構を備えることを特徴とする請求項2記載のスピーカ用振動体。
  4. 前記リンク機構は、前記リンク部分と前記振動板との間に形成されて屈折又は屈曲自在な関節部分を備えることを特徴とする請求項3記載のスピーカ用振動体。
  5. 前記リンク部分は、前記第1の振動板側の一端と他端に関節部分を有する第1のリンク部分と、前記第2の振動板側の一端と他端に関節部分を有する第2のリンク部分を備え、
    前記リンク機構は、前記第1の振動板又は前記第2の振動板の振動によって前記第1のリンク部分及び前記第2のリンク部分が角度を変更するように前記第1のリンク部分の他端と前記第2のリンク部分の他端とを連結するリンク連結部分を備えることを特徴とする請求項4記載のスピーカ用振動体。
  6. 前記第1のリンク部分と前記第2のリンク部分は前記振動板の振動方向に対して互いに逆方向に傾斜して設けられ、前記リンク連結部分は前記振動板の振動方向と交差する方向に移動自在に設けられることを特徴とする請求項5記載のスピーカ用振動体。
  7. 前記第1のリンク部分の他端及び前記第2のリンク部分の他端と前記リンク連結部分との間には屈曲又は屈折自在な関節部分が形成されていることを特徴とする請求項6記載のスピーカ用振動体。
  8. 前記第1の振動板の外周部及び前記第2の振動板の外周部は、前記第1の振動板と前記第2の振動板で挟まれる空間を囲む筒状の振動板支持部に振動自在に支持されていることを特徴とする請求項7記載のスピーカ用振動体。
  9. 前記振動板の外周部はエッジを介して前記振動板支持部に支持されていることを特徴とする請求項8記載のスピーカ用振動体。
  10. 前記振動板連結部のリンク機構は、前記第1の振動板と前記第2の振動板の間の中心軸に対して略対称に形成されていることを特徴とする請求項9記載のスピーカ用振動体。
  11. 前記リンク部分は、前記関節部分を介して前記振動板を含む被取付部材に連結しており、
    前記被取付部材の前記関節部分に近接した前記リンク部分側の面には、前記関節部分と接触することを避ける接触回避部が形成されていることを特徴とする請求項10記載のスピーカ装置。
  12. 前記リンク部分は、前記関節部分を介して前記振動板を含む被取付部材に連結する連結部分を有し、
    前記連結部は前記被取付部材に接着部材で接着されており、
    前記被取付部材の前記関節部分に対向した前記リンク部分側の面には、前記接着部材を前記関節部分に付着させることなく収容する接着部材収容部が形成されていることを特徴とする請求項10記載のスピーカ装置。
  13. 前記関節部分は、当該関節部分を跨いだ両側の部分で連続する屈折自在な連続部材で形成されていることを特徴とする請求項11記載のスピーカ装置。
  14. 前記第1のリンク部分と前記第2のリンク部分は、それぞれ複数の略平行なリンク部分を備えることを特徴とする請求項13記載のスピーカ用振動体。
  15. 前記第1のリンク部分と前記第2のリンク部分は、それぞれ一対の逆向きに傾斜したリンク部分を備えることを特徴とする請求項14記載のスピーカ用振動体。
  16. 請求項13記載のスピーカ用振動体と、前記駆動部と、前記静止部としてのキャビネットとを備え、
    前記振動板支持部は前記キャビネットに支持されていることを特徴とするスピーカ装置。
  17. 前記振動板連結部は、前記リンク連結部の移動を許容する保持部を介して前記キャビネット側に支持されていることを特徴とする請求項16に記載のスピーカ装置。
  18. 前記スピーカ用振動体は受動型振動体であり、
    前記駆動部は、前記スピーカ用振動体とは異なる位置で前記キャビネットに支持されるスピーカユニットであり、
    前記スピーカユニットの駆動によって、前記スピーカユニットの音響放射面とは逆側に発生する空気圧が前記スピーカ用振動体を駆動させることを特徴とする請求項17記載のスピーカ装置。
  19. 前記第1の振動板と前記第2の振動板は、互いに逆向きの方向に、略同じ振幅で振動することを特徴とする請求項18記載のスピーカ装置。
  20. 前記リンク連結部分は前記振動板の振動方向に交差する方向に振動自在に前記静止部に支持されていることを特徴とする請求項19記載のスピーカ装置。
  21. 前記スピーカユニットは、
    前記静止部としてのフレームと、当該フレームに支持される振動板と、当該振動板に支持されるボイスコイルと、当該ボイスコイルの一部が配置される磁気ギャップを有し前記フレームに支持される磁気回路とを備え、
    前記振動板の外周がエッジを介して前記フレームに支持され、
    前記ボイスコイルは前記振動板に連結されるボイスコイル支持部に支持されていることを特徴とする請求項20に記載のスピーカ装置。
  22. 前記駆動部は、
    前記振動板連結部に直接又は他の部材を介して連結されるボイスコイルと、
    当該ボイスコイルの一部が配置される磁気ギャップを有し前記静止部に支持される磁気回路とを備え、
    前記ボイスコイルの振動は、前記振動板連結部を介して前記スピーカ用振動体の振動板を振動させることを特徴とする請求項17に記載のスピーカ装置。
  23. 前記ボイスコイルは前記振動板連結部のリンク連結部分に直接又は他の部材を介して連結され、前記ボイスコイルの振動は前記リンク連結部分を前記スピーカ用振動体における前記振動板の振動方向と交差する方向に振動させ、前記リンク部分を角度変更させることを特徴とする請求項22記載のスピーカ装置。
  24. 前記第1の振動板と前記第2の振動板の間に前記静止部が配置され、
    前記静止部に前記磁気回路が支持され、
    前記リンク連結部分の振動によって前記リンク部分が角度変更することで、前記第1の振動板と前記第2の振動板が連動して振動することを特徴とする請求項23記載のスピーカ装置。
  25. 前記キャビネットに支持される少なくとも振動板を有する受動型振動体を備え、
    前記第1の振動板は、音波を放射する音響放射面を備え、
    前記第1の振動板に対して前記キャビネット側に配置される前記第2の振動板は、前記受動型振動体を駆動させる駆動力放出面を備えることを特徴とする請求項24記載のスピーカ装置。
  26. 前記第2の振動板は、音響調整部材で構成されていることを特徴とする請求項25記載のスピーカ装置。
  27. 前記音響調整部材は、前記第1の振動板に対して大きい重さを有する部材、又は複数の開口部を有する部材であることを特徴とする請求項26記載のスピーカ装置。
  28. 前記振動板連結部における前記リンク連結部分の前記ボイスコイル側の端部と前記ボイスコイルの前記リンク連結部分側の端部との間には、両端部の位置を前記振動板の振動方向に沿って異ならせて連結する連結部が設けられることを特徴とする請求項24記載のスピーカ装置。
  29. 前記連結部は、前記リンク連結部分を含むことを特徴とする請求項28に記載のスピーカ装置。
  30. 前記リンク連結部分の一端側には複数のボイスコイルが接続されることを特徴とする請求項29記載のスピーカ装置。
  31. 前記ボイスコイルは、平板状で且つ環状に巻かれた導電部材と、前記導電部材を支持する剛性の基体とを備え、
    前記基体における前記導電部材の外側の表面には、導電層がパターン形成されていることを特徴とする請求項22に記載のスピーカ装置。
  32. 前記導電層は、前記導電部材を取り囲むように一対配備され、前記導電部材に音声信号を入力するための中継線として機能することを特徴とする請求項31記載のスピーカ装置。
  33. 前記ボイスコイルを前記静止部に直接又は他の部材を介して振動自在に保持する保持部を備えることを特徴とする請求項32記載のスピーカ装置。
  34. 前記保持部は第1の保持部と第2の保持部を備え、前記第1の保持部は前記ボイスコイルの前記振動板連結部側に配置され、前記第2の保持部は前記ボイスコイルの前記振動板連結部とは逆側に配置されていることを特徴とする請求項33に記載のスピーカ装置。
  35. 前記ボイスコイルは、当該ボイスコイルを囲む環状の保持部にて前記静止部に保持されていることを特徴とする請求項32記載のスピーカ装置。
  36. 前記保持部を複数備え、
    前記ボイスコイルが有する前記振動板連結部側に設けられる一方の端部と、前記振動板連結部に対して逆側に設けられる他方の端部に、前記保持部の内周部が取り付けられ、前記保持部の外周部は前記静止部に取り付けられていることを特徴とする請求項35記載のスピーカ装置。
  37. 前記保持部の内周部は、前記ボイスコイルが有する前記静止部の側面に対向する端縁に取り付けられ、
    前記保持部の外周部は、前記静止部に取り付けられていることを特徴とする請求項36記載のスピーカ装置。
  38. 前記ボイスコイルの一方の端部は、前記磁気回路に対して内側に配置され、
    前記ボイスコイルの他方の端部は、前記磁気回路に対して外側に配置され、
    前記磁気回路に対して内側及び外側にて、複数の前記保持部は前記ボイスコイルを前記静止部としてのフレームに支持していることを特徴とする請求項37に記載のスピーカ装置。
  39. 前記保持部は、繊維系部材、樹脂部材、又は弾性を有する金属部材で形成されていることを特徴とする請求項33に記載のスピーカ装置。
  40. 請求項16に記載のスピーカ装置を備えることを特徴とする電子機器。
  41. 請求項16に記載のスピーカ装置を備えることを特徴とする自動車。
  42. 請求項16に記載のスピーカ装置を備えることを特徴とする建築物。
  43. 前記振動板は平板状に形成されると共に、当該振動板の振動方向にて剛性を備えることを特徴とする請求項10に記載のスピーカ用振動体。
  44. 前記振動板側に配置される前記リンク部分の一端は、剛性を備えることを特徴とする請求項43に記載のスピーカ用振動体。
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