JPWO2007034800A1 - ポリアリーレンスルフィドおよびびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
1.重量平均分子量が10,000以上であって、且つ、加熱した際の重量減少が下記式を満たすことを特徴とするポリアリーレンスルフィド。
△Wr=(W1−W2)/W1×100≦0.18(%)
(ここで△Wrは重量減少率(%)であり、常圧の非酸化性雰囲気下で50℃から330℃以上の任意の温度まで昇温速度20℃/分で熱重量分析を行った際に、100℃到達時点の試料重量(W1)を基準とした330℃到達時の試料重量(W2)から求められる値である)、
及び、
2.環式ポリアリーレンスルフィドを少なくとも50重量%以上含み、且つ重量平均分子量が10,000未満であるポリアリーレンスルフィドプレポリマーを加熱して重量平均分子量10,000以上の高重合度体に転化させることを特徴とするポリアリーレンスルフィドの製造方法、
を提供することにある。
本発明におけるPASとは、式、−(Ar−S)−の繰り返し単位を主要構成単位とする、好ましくは当該繰り返し単位を80モル%以上含有するホモポリマーまたはコポリマーである。Arとしては下記の式(A)〜式(K)などであらわされる単位などがあるが、なかでも式(A)が特に好ましい。
△Wr=(W1−W2)/W1×100≦0.18(%) ・・・(1)
△Wr1=△Wt1−(1.0×10−3×T1) …(2)
△Wr2=△Wt2+(1.0×10−3×T2) …(3)
△Wt1=(W−Wt1)/W×100 (%)・・・(1)’
△Wt2=(W−Wt2)/W×100 (%) ・・・(1)’’
本発明のPASの製造方法は、環式ポリアリーレンスルフィドを少なくとも50重量%以上含み、且つ重量平均分子量が10,000未満のポリアリーレンスルフィドプレポリマーを加熱して重量平均分子量10,000以上の高重合度体に転化させることによって製造することを特徴とし、この方法によれば容易に前述した特性を有する本発明のPASを得ることができる。
本発明のPASの好ましい製造方法における環式ポリアリーレンスルフィドとは式、−(Ar−S)−の繰り返し単位を主要構成単位とする環式化合物であり、好ましくは当該繰り返し単位を80モル%以上含有する下記一般式(O)のごとき化合物である。Arとしては前記式(A)〜式(K)などであらわされる単位などがあるが、なかでも式(A)が特に好ましい。
ポリアリーレンスルフィドプレポリマーにおける環式ポリアリーレンスルフィド以外の成分は線状のポリアリーレンスルフィドオリゴマーであることが特に好ましい。ここで線状のポリアリーレンスルフィドオリゴマーとは、式、−(Ar−S)−の繰り返し単位を主要構成単位とする、好ましくは当該繰り返し単位を80モル%以上含有するホモオリゴマーまたはコオリゴマーである。Arとしては前記した式(A)〜式(K)などであらわされる単位などがあるが、なかでも式(A)が特に好ましい。線状のポリアリーレンスルフィドオリゴマーはこれら繰り返し単位を主要構成単位とする限り、前記した式(L)〜式(N)などで表される少量の分岐単位または架橋単位を含むことができる。これら分岐単位または架橋単位の共重合量は、−(Ar−S)−の単位1モルに対して0〜1モル%の範囲であることが好ましい。また、線状のポリアリーレンスルフィドオリゴマーは上記繰り返し単位を含むランダム共重合体、ブロック共重合体及びそれらの混合物のいずれかであってもよい。
(2)少なくともポリハロゲン化芳香族化合物、スルフィド化剤および有機極性溶媒を含有する混合物を加熱してポリアリーレンスルフィド樹脂を重合して、重合終了後に公知の方法によって有機極性溶媒の除去を行い、ポリアリーレンスルフィド樹脂、水、およびハロゲン化アルカリ金属塩を含む混合物を調製し、これを公知の方法で精製することで得られるポリアリーレンスルフィドプレポリマーを含むポリアリーレンスルフィド樹脂を得て、これを実質的にポリアリーレンスルフィド樹脂は溶解しないがポリアリーレンスルフィドプレポリマーは溶解する溶剤を用いて抽出してポリアリーレンスルフィドプレポリマーを回収する方法。
前記した本発明のPASは、前記ポリアリーレンスルフィドプレポリマーを加熱して高重合度体に転化させる方法によって製造することが好ましい。この加熱の温度は前記ポリアリーレンスルフィドプレポリマーが溶融解する温度であることが好ましく、このような温度条件であれば特に制限は無い。加熱温度がポリアリーレンスルフィドプレポリマーの溶融解温度未満ではPASを得るのに長時間が必要となる傾向がある。なお、ポリアリーレンスルフィドプレポリマーが溶融解する温度は、ポリアリーレンスルフィドプレポリマーの組成や分子量、また、加熱時の環境により変化するため、一意的に示すことはできないが、例えばポリアリーレンスルフィドプレポリマーを示差走査型熱量計で分析することで溶融解温度を把握することが可能である。但し、温度が高すぎるとポリアリーレンスルフィドプレポリマー間、加熱により生成したPAS間、及びPASとポリアリーレンスルフィドプレポリマー間などでの架橋反応や分解反応に代表される好ましくない副反応が生じやすくなる傾向にあり、得られるPASの特性が低下する場合があるため、このような好ましくない副反応が顕著に生じる温度は避けることが望ましい。加熱温度としては180〜400℃が例示でき、好ましくは200〜380℃、より好ましくは250〜360℃である。
本発明のPASは、耐熱性、耐薬品性、難燃性、電気的性質並びに機械的性質に優れ、特に従来のPASと比べて分子量分布が狭く、且つ、金属含有量が著しく少ないため、成形加工性や機械特性及び電気的特性が極めて優れており、射出成形、射出圧縮成形、ブロー成形用途のみならず、押出成形により、シート、フィルム、繊維及びパイプなどの押出成形品に成形,使用することができる。
本発明のPASは特性として成形加工性や機械特性及び電気的特性に優れるため、その用途としては、例えばセンサー、LEDランプ、コネクター、ソケット、抵抗器、リレーケース、スイッチ、コイルボビン、コンデンサー、バリコンケース、光ピックアップ、発振子、各種端子板、変成器、プラグ、プリント基板、チューナー、スピーカー、マイクロフォン、ヘッドフォン、小型モーター、磁気ヘッドベース、パワーモジュール、半導体、液晶、FDDキャリッジ、FDDシャーシ、モーターブラッシュホルダー、パラボラアンテナ、コンピューター関連部品等に代表される電気・電子部品;VTR部品、テレビ部品、アイロン、ヘアードライヤー、炊飯器部品、電子レンジ部品、音響部品、オーディオ・レーザーディスク(登録商標)、コンパクトディスク、デジタルビデオディスク等の音声・映像機器部品、照明部品、冷蔵庫部品、エアコン部品、タイプライター部品、ワードプロセッサー部品等に代表される家庭、事務電気製品部品;オフィスコンピューター関連部品、電話器関連部品、ファクシミリ関連部品、複写機関連部品、洗浄用治具、モーター部品、ライター、タイプライターなどに代表される機械関連部品:顕微鏡、双眼鏡、カメラ、時計等に代表される光学機器、精密機械関連部品;水道蛇口コマ、混合水栓、ポンプ部品、パイプジョイント、水量調節弁、逃がし弁、湯温センサー、水量センサー、水道メーターハウジングなどの水廻り部品;バルブオルタネーターターミナル、オルタネーターコネクター,ICレギュレーター、ライトディヤー用ポテンシオメーターベース、排気ガスバルブ等の各種バルブ、燃料関係・排気系・吸気系各種パイプ、エアーインテークノズルスノーケル、インテークマニホールド、燃料ポンプ、エンジン冷却水ジョイント、キャブレターメインボディー、キャブレタースペーサー、排気ガスセンサー、冷却水センサー、油温センサー、スロットルポジションセンサー、クランクシャフトポジションセンサー、エアーフローメーター、ブレーキパッド摩耗センサー、エアコン用サーモスタットベース、暖房温風フローコントロールバルブ、ラジエーターモーター用ブラッシュホルダー、ウォーターポンプインペラー、タービンベイン、ワイパーモーター関係部品、デュストリビューター、スタータースイッチ、スターターリレー、トランスミッション用ワイヤーハーネス、ウィンドウォッシャーノズル、エアコンパネルスイッチ基板、燃料関係電磁気弁用コイル、ヒューズ用コネクター、ホーンターミナル、電装部品絶縁板、ステップモーターローター、ランプソケット、ランプリフレクター、ランプハウジング、ブレーキピストン、ソレノイドボビン、エンジンオイルフィルター、燃料タンク、点火装置ケース、車速センサー、ケーブルライナー等の自動車・車両関連部品、その他各種用途が例示できる。
ポリアリーレンスルフィド及びポリアリーレンスルフィドプレポリマーの分子量はサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)の一種であるゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、ポリスチレン換算で算出した。GPCの測定条件を以下に示す。
装置:センシュー科学 SSC−7100
カラム名:センシュー科学 GPC3506
溶離液:1−クロロナフタレン
検出器:示差屈折率検出器
カラム温度:210℃
プレ恒温槽温度:250℃
ポンプ恒温槽温度:50℃
検出器温度:210℃
流量:1.0mL/min
試料注入量:300μL (スラリー状:約0.2重量%)
ポリアリーレンスルフィド及びポリアリーレンスルフィドプレポリマーの含有するアルカリ金属含有量の定量は下記により行った。
(a) 試料を石英るつぼに秤とり、電気炉を用いて灰化した。
(b) 灰化物を濃硝酸で溶解した後、希硝酸で定容とした。
(c) 得られた定容液をICP重量分析法(装置;Agilent製4500)及びICP発光分光分析法(装置;PerkinElmer製Optima4300DV)に処した。
ポリアリーレンスルフィド及びポリアリーレンスルフィドプレポリマーの含有するハロゲン量の定量は下記方法で行った。
(a) 酸素を充填したフラスコ内で試料を燃焼した。
(b) 燃焼ガスを溶液に吸収し、吸収液を調製した。
(c) 吸収液の一部をイオンクロマト法(装置;ダイオネクス社製DX320)によって分析し、ハロゲン濃度を定量した。
ポリアリーレンスルフィドの加熱時重量減少率は熱重量分析機を用いて下記条件で行った。なお、試料は2mm以下の細粒物を用いた。
装置:パーキンエルマー社製 TGA7
測定雰囲気:窒素気流下
試料仕込み重量:約10mg
測定条件:
(a)プログラム温度50℃で1分保持
(b)プログラム温度50℃から400℃まで昇温。この際の昇温速度20℃/分
PASを加熱した際に発生する成分の定量は以下の方法により行った。なお、試料は2mm以下の細粒物を用いた。
(a) 加熱時発生ガスの捕集
約10mgのPASを窒素気流下(50ml/分)の320℃で60分間加熱し、発生したガス成分を大気捕集用加熱脱離用チューブcarbotrap400に捕集した。
(b) ガス成分の分析
上記チューブに捕集したガス成分を熱脱着装置TDU(Supelco社製)を用いて室温から280℃まで5分間で昇温することで熱脱離させた。熱脱離した成分をガスクロマトグラフィーを用いて成分分割して、ガス中のγブチロラクトン及び4−クロロ−N−メチルアニリンの定量を行った。
<ポリアリーレンスルフィドプレポリマーの調製1>
撹拌機付きの70リットルオートクレーブに、47.5%水硫化ナトリウム8.27kg(70.0モル)、96%水酸化ナトリウム2.96kg(71.0モル)、N−メチル−2−ピロリドン(以下NMPと略する場合もある)を11.44kg(116モル)、酢酸ナトリウム1.72kg(21.0モル)、及びイオン交換水10.5kgを仕込み、常圧で窒素を通じながら約240℃まで約3時間かけて徐々に加熱し、精留塔を介して水14.8kgおよびNMP280gを留出した後、反応容器を160℃に冷却した。なお、この脱液操作の間に仕込んだイオウ成分1モル当たり0.02モルの硫化水素が系外に飛散した。
<従来技術によるポリフェニレンスルフィドの調製1>
参考例1で得られた粗PPS樹脂100gにNMP約0.25リットルを加えて85℃で30分間で洗浄し、ふるい(80mesh、目開き0.175mm)で濾別した。得られた固形物を0.5リットルのイオン交換水で希釈して、70℃で30分撹拌後、80メッシュふるいで濾過して固形物を回収する操作を合計5回繰り返した。このようにして得られた固形物を、130℃で熱風乾燥し、乾燥ポリマーを得た。得られたポリマーの赤外分光分析による吸収スペクトルは参考例1で得られたポリフェニレンスルフィドプレポリマーの吸収と一致した。
<従来技術によるポリフェニレンスルフィドの調製2>
参考例1で得られた粗PPS樹脂100gにNMP約0.25リットルを加えて85℃で30分間で洗浄し、ふるい(80mesh、目開き0.175mm)で濾別した。得られた固形物を0.5リットルのイオン交換水で希釈して、70℃で30分撹拌後、80メッシュふるいで濾過して固形物を回収する操作を合計3回繰り返した。次いで得られた固形物を0.5リットルのイオン交換水で希釈してスラリーとし、ここに酢酸0.24gを加えてスラリーを酸性としてから70℃で30分撹拌、洗浄し、80メッシュふるいで濾過した。得られた固形物を再度0.5リットルのイオン交換水で希釈して、70℃で30分撹拌後、80メッシュふるいで濾過した。このようにして得られた固形物を、130℃で熱風乾燥し、乾燥ポリマーを得た。
<ポリフェニレンスルフィド混合物の調製2>
撹拌機付きの5リットルオートクレーブに、硫化ナトリウム9水和物60g(0.25モル)、96%水酸化ナトリウム0.52g(0.0125モル)、NMP2.56kg(25.9モル)及びp−ジクロロベンゼン37.7g(0.255モル)を仕込み、反応容器を窒素ガス下に密封した。
参考例1で得られたポリアリーレンスルフィドプレポリマー100mgをガラス製アンプルに仕込み、アンプル内を窒素で置換した。300℃に温調した電気炉内にアンプルを設置し60分間加熱した後、アンプルを取り出し室温まで冷却した。得られた若干黒みを帯びた生成物の赤外スペクトルは参考例2と一致し、生成物はPPSであることがわかった。なお、生成物は1−クロロナフタレンに210℃で全溶であった。GPC測定の結果、PASプレポリマーに由来するピークと生成したポリマー(PPS)のピークが確認でき、プレポリマーのPPSへの転化率は71%、得られたPPSの重量平均分子量は61700、分散度は1.94であることがわかった。また、得られた生成物の元素分析を行った結果、Na含有量は4ppmでこれ以外のアルカリ金属は検出されなかった。また塩素以外のハロゲンは検出されなかった。得られた生成物の加熱時重量減少率の測定を行った結果、△Wrは0.075%であった。また、△Wr300(%)=0.043,△Wr320(%)=0.061,△Wr340(%)=0.092であった。
電気炉での加熱温度を340℃に変更した以外は実施例1と同様にPASの合成を行った。得られた生成物は若干黒みを帯びたものであった。赤外スペクトルは参考例2と一致し、生成物はPPSであることがわかった。この生成物を1−クロロナフタレンに210℃に溶解した際には少量の不溶成分が生じた。可溶部のGPC測定の結果、プレポリマーのPPSへの転化率は99%、得られたPPSの重量平均分子量は67300、分散度は2.15であることがわかった。また、得られた生成物の元素分析を行った結果、Na含有量は3ppmでこれ以外のアルカリ金属は検出されなかった。また塩素以外のハロゲンは検出されなかった。得られた生成物の加熱時重量減少率の測定を行った結果、△Wrは0.071%であった。また、△Wr300(%)=0.045,△Wr320(%)=0.060,△Wr340(%)=0.084であった。
参考例1で得られたポリアリーレンスルフィドプレポリマー100mgをガラス製アンプルに仕込み窒素で置換したのち、真空ポンプを用いて約0.2kPaに減圧した。300℃に温調した電気炉内にアンプルを設置し、アンプル内を約0.2kPaに保ったまま60分間加熱した後、アンプルを取り出し室温まで冷却した。なお、加熱中に若干量の飛散成分が認められた。
電気炉での加熱時間を120分に変更した以外は実施例3と同様の操作を行い、わずかに茶色を帯びた樹脂状生成物を得た。この生成物の赤外スペクトルは参考例2と一致し、生成物はPPSであることがわかった。なお、生成物は1−クロロナフタレンに210℃で全溶であった。GPC測定の結果、プレポリマーのPPSへの転化率は56%、得られたPPSの重量平均分子量は63800、分散度は1.70であることがわかった。また、得られた生成物の元素分析を行った結果、Na含有量は4ppmでこれ以外のアルカリ金属は検出されなかった。また塩素以外のハロゲンは検出されなかった。得られた生成物の加熱時重量減少率の測定を行った結果、△Wrは0.031%であった。また、△Wr300(%)=0.014,△Wr320(%)=0.025,△Wr340(%)=0.040であった。
電気炉での加熱温度を340℃に変更した以外は実施例3と同様の操作を行い、わずかに茶色を帯びた樹脂状生成物を得た。この生成物の赤外スペクトルは参考例2と一致し、生成物はPPSであることがわかった。なお、生成物は1−クロロナフタレンに210℃で全溶であった。GPC測定の結果、プレポリマーのPPSへの転化率は86%、得られたPPSの重量平均分子量は72800、分散度は1.88であることがわかった。また、得られた生成物の元素分析を行った結果、Na含有量は3ppmでこれ以外のアルカリ金属は検出されなかった。また塩素以外のハロゲンは検出されなかった。得られた生成物の加熱時重量減少率の測定を行った結果、△Wrは0.042%であった。また、△Wr300(%)=0.025,△Wr320(%)=0.034,△Wr340(%)=0.049であった。
電気炉での加熱時間を120分に変更した以外は実施例5と同様の操作を行い、わずかに茶色を帯びた樹脂状生成物を得た。この生成物の赤外スペクトルは参考例2と一致し、生成物はPPSであることがわかった。なお、生成物は1−クロロナフタレンに210℃で全溶であった。GPC測定の結果、プレポリマーのPPSへの転化率は93%、得られたPPSの重量平均分子量は130300、分散度は2.03であることがわかった。また、得られた生成物の元素分析を行った結果、Na含有量は3ppmでこれ以外のアルカリ金属は検出されなかった。また塩素以外のハロゲンは検出されなかった。得られた生成物の加熱時重量減少率の測定を行った結果、△Wrは0.037%であった。また、△Wr300(%)=0.022,△Wr320(%)=0.031,△Wr340(%)=0.042であった。
参考例2で得られたPPSのGPC測定の結果、得られたPPSの重量平均分子量は59600、分散度は3.78であることがわかった。また元素分析を行った結果、Na含有量は1040ppmでこれ以外のアルカリ金属は検出されなかった。また塩素以外のハロゲンは検出されなかった。得られたPPSの加熱時重量減少率の測定を行った結果、△Wrは0.229%であった。また、△Wr300(%)=0.179,△Wr320(%)=0.210,△Wr340(%)=0.244であった。
参考例3で得られたPPSのGPC測定の結果、比較例1と有意差はなかった。また、元素分析を行った結果、Na含有量は170ppmでこれ以外のアルカリ金属は検出されなかった。また塩素以外のハロゲンは検出されなかった。得られたPPSの加熱時重量減少率の測定を行った結果、△Wrは0.259%であった。また、△Wr300(%)=0.223,△Wr320(%)=0.247,△Wr340(%)=0.270であった。
ここでは特許文献6に開示されているPASの製造方法、すわなち、環状アリーレンスルフィドオリゴマーをイオン性の開環重合触媒下で、加熱開環重合する方法に従ってPASの合成を行った結果を示す。
ここでは特許文献8に開示されているPASの製造方法、すなわち硫黄ラジカルを発生する重合開始剤の存在下で環状の芳香族チオエーテルオリゴマーを開環重合するPASの製造方法に従ってPASの合成を行った結果を示す。
ここでは従来用いられてきたPASの加熱時重量減少率の低減方法に従ってPASを製造した結果を示す。PASの製造は特許文献11の方法に準じて、以下の様に行った。
ここでは非特許文献1に開示されているPASの製造方法、すなわち、参考例4の方法により得られるポリフェニレンスルフィド混合物を用いてPASの合成を行った結果を示す。
ここでは非特許文献1に開示されているPASの製造方法、すなわち、参考例4の方法により得られるポリフェニレンスルフィド混合物を用いてPASの合成を比較例6とは温度条件変えて行った結果を示す。
ここでは繊維状物質の存在下でポリアリーレンスルフィドプレポリマーからのPASの製造を行った例を示す。
ガラスクロス(幅50mm×長さ約70mm×厚み0.2mm,重量約1.0g,綾織)の中央部に参考例2で得られたPPS約0.5gを直径約2cmの円状に配置した。これをアルミ箔に挟み込み、実施例7と同様に加熱成形した後、室温近傍まで冷却した。
Claims (18)
- 重量平均分子量が10,000以上であって、且つ、加熱した際の重量減少が下記式を満たすことを特徴とするポリアリーレンスルフィド。
△Wr=(W1−W2)/W1×100≦0.18(%)
(ここで△Wrは重量減少率(%)であり、常圧の非酸化性雰囲気下で50℃から330℃以上の任意の温度まで昇温速度20℃/分で熱重量分析を行った際に、100℃到達時点の試料重量(W1)を基準とした330℃到達時の試料重量(W2)から求められる値である) - 重量平均分子量/数平均分子量で表される分散度が2.5以下であることを特徴とする請求項1に記載のポリアリーレンスルフィド。
- アルカリ金属含有量が100ppm以下であることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載のポリアリーレンスルフィド。
- アルカリ金属含量が50ppm未満であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のポリアリーレンスルフィド。
- 実質的にアルカリ金属がナトリウムであることを特徴とする請求項3または4のいずれかに記載のポリアリーレンスルフィド。
- 実質的に塩素以外のハロゲンを含まないことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のポリアリーレンスルフィド。
- 加熱した際の発生ガス成分中のラクトン型化合物がポリアリーレンスルフィド重量基準で500ppm以下であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のポリアリーレンスルフィド。
- 加熱した際の発生ガス成分中のアニリン型化合物がポリアリーレンスルフィド重量基準で300ppm以下であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のポリアリーレンスルフィド。
- 加熱した際の発生ガス成分中のラクトン型化合物がポリアリーレンスルフィド重量基準で500ppm以下であって、且つ、加熱した際の発生ガス成分中のアニリン型化合物がポリアリーレンスルフィド重量基準で300ppm以下であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のポリアリーレンスルフィド。
- 環式ポリアリーレンスルフィドを少なくとも50重量%以上含み、且つ重量平均分子量が10,000未満であるポリアリーレンスルフィドプレポリマーを加熱して重量平均分子量10,000以上の高重合度体に転化させることを特徴とするポリアリーレンスルフィドの製造方法。
- ポリアリーレンスルフィドプレポリマーを加熱して高重合度体に転化させる反応を、反応系のアルカリ金属量を100ppm以下、且つ、反応系内の全イオウ重量に対するジスルフィド重量を1重量%未満として行うことを特徴とする請求項10に記載のポリアリーレンスルフィドの製造方法。
- 加熱を非酸化性雰囲気で行うことを特徴とする請求項10または11のいずれかに記載のポリアリーレンスルフィドの製造方法。
- 加熱を減圧条件下で行うことを特徴とする請求項10から12のいずれかに記載のポリアリーレンスルフィドの製造方法。
- 加熱をポリアリーレンスルフィドプレポリマーが溶融する温度で行うことを特徴とする請求項10から13のいずれかに記載のポリアリーレンスルフィドの製造方法。
- 得られるポリアリーレンスルフィドが請求項1から9のいずれかであることを特徴とする請求項10から14のいずれかに記載のポリアリーレンスルフィドの製造方法。
- 繊維状物質の共存下で行うことを特徴とする、請求項10から15のいずれかに記載のポリアリーレンスルフィドの製造方法。
- 繊維状物質が長繊維からなる強化繊維であることを特徴とする請求項16に記載のポリアリーレンスルフィドの製造方法。
- 充填剤の共存下で行うことを特徴とする、請求項10から17のいずれかに記載のポリアリーレンスルフィドの製造方法。
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