JP2018053195A - ポリアリーレンスルフィドの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、金属触媒を使用せずに、低温、短時間で、高分子量かつ高純度であって工業的に有用なポリアリーレンスルフィド製造方法の提供。【解決手段】ポリアリーレンスルフィド前駆体を、繰り返し単位中にカルボニル基を有する熱可塑性樹脂の存在下で250〜450℃に加熱してポリアリーレンスルフィドに転化する工程を含むポリアリーレンスルフィドの製造方法。前記(B)繰り返し単位中にカルボニル基を有する熱可塑性樹脂が、(A’)ポリアリーレンスルフィド前駆体と(B)繰り返し単位中にカルボニル基を有する熱可塑性樹脂を含む混合物を300℃で90分間加熱した際の粘度が0.5Pa・s未満となる熱可塑性樹脂である、ポリアリーレンスルフィドの製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリアリーレンスルフィド前駆体および繰り返し単位中にカルボニル基を持つ熱可塑性樹脂を用いたポリアリーレンスルフィドの製造方法に関するものである。
ポリフェニレンスルフィドに代表されるポリアリーレンスルフィドは、優れた耐熱性、難燃性、耐薬品性、寸法安定性、剛性および電気絶縁性など、エンジニアリングプラスチックとして好適な性質を有していることから、射出成形用途を中心として、各種自動車部品、機械部品、電気・電子部品などの用途に使用されている。
このポリアリーレンスルフィドの具体的な製造方法として、N−メチル−2−ピロリドンなどの有機アミド溶媒中で硫化ナトリウムなどのアルカリ金属硫化物とp−ジクロロベンゼンなどのポリハロ芳香族化合物とを反応させる方法が提案されており、この方法はPPS樹脂の工業的製造方法として幅広く利用されている(例えば特許文献1)。しかしながら、この製造方法はN−メチル−2−ピロリドンのような高価な高沸点極性溶媒を必要とし、溶媒回収に多大なコストがかかり、また、塩化ナトリウム等の副生塩が多量に生成するため、重合反応後には副生塩の除去工程が必要であるが公知の処理では副生塩の完全な除去が困難であるといった課題があった。
上記のような課題を解決するポリアリーレンスルフィドの製造方法として、環状ポリアリーレンスルフィドの加熱によるポリアリーレンスルフィドの製造方法が開示されている。この方法では、加熱した際の重量減少が少なく、高分子量かつ分子量分布の狭いポリアリーレンスルフィドを得ることが期待できる。しかしながら、高温、長時間の反応を必要とするため、より低温、より短時間でのポリアリーレンスルフィドの製造方法が望まれていた(例えば特許文献2)。
また、特許文献3及び4には、環状アリーレンスルフィドオリゴマーをイオン性の開環重合触媒下で、加熱開環重合する方法が開示されている。
特開昭52−12240号公報 国際公開第2007/034800号 特開平5−163349号公報 特開平5−105757号公報
しかしながら、引用文献3および4に記載の方法ではPPS樹脂の合成においてチオフェノールのナトリウム塩等、硫黄のアルカリ金属塩を開環重合触媒として用いるため、得られるPPS樹脂にアルカリ金属が多量に残留するという問題があった。またこの方法において開環重合触媒の使用量を低減することでPPS樹脂へのアルカリ金属残留量を低減しようとした場合、得られるPPS樹脂の分子量が不十分となる問題があった。
本発明は、金属触媒を使用せず、低温、短時間で、高分子量かつ高純度であって工業的に有用なポリアリーレンスルフィド製造方法を提供することを課題とするものである。
上記課題を解決するために、本発明は以下の構成を有する。
[1] (A’)ポリアリーレンスルフィド前駆体を、(B)繰り返し単位中にカルボニル基を有する熱可塑性樹脂の存在下で250〜450℃に加熱し(A)ポリアリーレンスルフィドに転化することを特徴とするポリアリーレンスルフィドの製造方法であって、前記(B)繰り返し単位中にカルボニル基を有する熱可塑性樹脂が、(A’)ポリアリーレンスルフィド前駆体と、(B)繰り返し単位中にカルボニル基を有する熱可塑性樹脂を含む混合物を300℃で90分間加熱した際の粘度が0.5Pa・s未満となる熱可塑性樹脂であることを特徴とするポリアリーレンスルフィドの製造方法。
[2]前記(A’)ポリアリーレンスルフィド前駆体を、(B)繰り返し単位中にカルボニル基を有する熱可塑性樹脂の存在下で250〜450℃に加熱し(A)ポリアリーレンスルフィドに転化する工程において、前記(A’)ポリアリーレンスルフィド前駆体および前記(B)繰り返し単位中にカルボニル基を有する熱可塑性樹脂の合計100重量部に対して、(A’)ポリアリーレンスルフィド前駆体91〜99.99重量部および(B)繰り返し単位中にカルボニル基を持つ熱可塑性樹脂を0.01〜9重量部含む混合物を用いることを特徴とする[1]に記載のポリアリーレンスルフィドの製造方法。
[3]前記(B)繰り返し単位中にカルボニル基を有する熱可塑性樹脂が、繰り返し単位中にエーテル基を有することを特徴とする[1]または[2]に記載のポリアリーレンスルフィドの製造方法。
[4]前記(B)繰り返し単位中にカルボニル基を有する熱可塑性樹脂が、芳香族ポリエーテルケトンであることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載のポリアリーレンスルフィドの製造方法。
[5]前記(B)繰り返し単位中にカルボニル基を有する熱可塑性樹脂が、環状物由来でないことを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載のポリアリーレンスルフィドの製造方法。
[6]前記(A’)ポリアリーレンスルフィド前駆体を、(B)繰り返し単位中にカルボニル基を有する熱可塑性樹脂の存在下で250〜450℃に加熱し(A)ポリアリーレンスルフィドに転化する工程において、加熱開始から4時間後の粘度が40Pa・s以上であることを特徴とする[1]〜[5]のいずれか記載のポリアリーレンスルフィドの製造方法。
本発明によれば、環状ポリアリーレンスルフィドを加熱してポリアリーレンスルフィドを製造する際に、金属触媒を用いること無く、低温、短時間で、ポリアリーレンスルフィドを得ることができる製造方法を提供できる。金属触媒を用いないことにより、耐熱性に優れたポリアリーレンスルフィド樹脂組成物の成形品を得ることができ、低温、短時間で重合が可能となることから副反応が起こりにくく高純度なポリアリーレンスルフィド樹脂組成物の成形品を得ることができる。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明のポリアリーレンスルフィドの製造においては、(A’)ポリアリーレンスルフィド前駆体および(B)繰り返し単位中にカルボニル基を有する熱可塑性樹脂を含む混合物を用いる。混合物中には、(A’)ポリアリーレンスルフィド前駆体および(B)繰り返し単位中にカルボニル基を有する熱可塑性樹脂が均一に混合されていることが好ましい。
本発明において、(A)ポリアリーレンスルフィドを製造するために用いられる(A’)ポリアリーレンスルフィド前駆体としては、例えば、環状ポリアリーレンスルフィドが挙げられる。環状ポリアリーレンスルフィドを、加熱することによりポリアリーレンスルフィドに転化し、成形品の剛性を向上させることができる。
本発明で用いられる環状ポリアリーレンスルフィドは、−(Ar−S)−の繰り返し単位を主要構成単位とする環状物である。ここで、Arはアリーレン基、Sはスルフィドを表す。なお、「主要構成単位」とは、全繰り返し単位中50モル%以上を占める繰り返し単位を指し、当該繰り返し単位を80モル%以上含有することが好ましい。環状ポリアリーレンスルフィドは、(C)下記一般式(1)で表される環状ポリアリーレンスルフィドを含むことが好ましく、環状ポリアリーレンスルフィド中、(C)を80体積%以上含むことが好ましい。
一般式(1)において、Arはアリーレン基を表す。アリーレン基としては、例えば、下記一般式(2)〜(10)などで表される基などが挙げられる。中でも下記一般式(2)で表される基が好ましい。
上記一般式(2)〜(10)中、R1およびR2は、炭素原子数1〜12のアルキル基、炭素原子数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜24のアリール基またはハロゲン基を表し、R1およびR2は同一でも異なっていてもよい。複数のR1およびR2はそれぞれ同一でも異なってもよい。R3およびR4は、水素原子、炭素原子数1〜12のアルキル基、炭素原子数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜24のアリール基またはハロゲン基を表し、同一でも異なっていてもよい。R5は、炭素原子数1〜12の飽和炭化水素基を表す。また、aおよびbは0〜2の範囲を表し、同一でも異なっていてもよい。Aは、カルボニル基、スルホニル基またはエーテル結合を表す。
なお、前記一般式(1)においては、異なる−(Ar−S)−の繰り返し単位をランダムに含んでもよいし、ブロックで含んでもよく、それらを両方含んでもよい。また、Arとして、前記一般式(2)〜(10)で表される基を2種以上含んでもよい。
前記一般式(1)における繰り返し数mは、2〜50である。mが大きくなると相対的に粘度が上昇するため、Arの種類によっては環状ポリアリーレンスルフィドの溶融解温度が高くなり、取り扱い性に劣る傾向にあるが、50以下であれば、取り扱い性に優れる。25以下が好ましく、20以下がさらに好ましい。一方、mは3以上が好ましい。ここで、前記一般式(1)における繰り返し数mは、NMRおよび質量分析により構造解析を行うことで求めることができる。
また、前記一般式(1)で表される環状ポリアリーレンスルフィドは、単一の繰り返し数mを有する化合物のみを含んでもよいし、異なる繰り返し数mを有する化合物を含んでもよいか、異なる繰り返し数を有する化合物を含むもののほうが、単一の繰り返し数を有する化合物のみを含むものよりも溶融解温度が低い傾向にあり、(A)ポリアリーレンスルフィドへの転化を行う際の温度をより低くできるため好ましい。
前記一般式(1)で表される環状ポリアリーレンスルフィドの代表的なものとして、環状ポリアリーレンスルフィド、環状ポリアリーレンスルフィドスルホン、環状ポリアリーレンスルフィドケトンや、これらの繰り返し単位を含む環状ランダム共重合体、環状ブロック共重合体などが挙げられる。これらを2種以上含んでもよい。これらの中でも、p−フェニレンスルフィド由来の単位を全繰り返し単位中80モル%以上含有する環状ポリフェニレンスルフィドがより好ましく、90モル%以上含有する環状ポリフェニレンスルフィドがさらに好ましい。
本発明における(C)一般式(1)で表される環状ポリアリーレンスルフィドの重量平均分子量は、5,000未満が好ましく、4,000以下がより好ましく、3,000以下がさらに好ましい。重量平均分子量が5,000未満であれば、粘度が適度に抑えられ、取り扱い性に優れる。一方、重量平均分子量の下限値には特に制限はないが、300以上が好ましく、500以上がより好ましい。ここで、環状ポリアリーレンスルフィドの重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて求めることができる。
本発明における(C)一般式(1)で表される環状ポリアリーレンスルフィドを含む(A’)ポリアリーレンスルフィド前駆体の290℃における粘度は、0.025Pa・s以下が好ましく、0.020Pa・s以下がさらに好ましい。粘度が0.025Pa・s以下であると、混合物中における(B)繰り返し単位中にカルボニル基を有する熱可塑性樹脂との相溶性が向上するため、靱性および耐熱性がより向上する。
ここで、(C)一般式(1)で表される環状ポリアリーレンスルフィドを含む(A’)ポリアリーレンスルフィド前駆体の290℃における粘度は、溶融時の粘度(η)を指し、回転式レオメーターを用いた回転粘度測定により、剪断速度100(1/s)の条件で測定することができる。
290℃における粘度が0.025Pa・s以下である(C)一般式(1)で表される環状ポリアリーレンスルフィドを得る方法としては、例えば、後述する製造方法が挙げられる。
前記環状ポリアリーレンスルフィドは、例えば、スルフィド化剤、ジハロゲン化芳香族化合物および有機極性溶媒を含む反応混合物を加熱して反応させる方法により得ることができる。スルフィド化剤としては、例えば、硫化ナトリウムなどのアルカリ金属の硫化物が挙げられる。ジハロゲン化芳香族化合物としては、例えば、ジクロロベンゼンなどが挙げられる。有機極性溶媒としては、例えば、N−メチルピロリドンなどが挙げられる。
環状ポリアリーレンスルフィドを効率よく製造する観点から、反応混合物の常圧下における還流温度を超えて加熱することが望ましい。反応温度は180〜320℃が好ましく、225〜300℃がより好ましい。また、一定温度で反応させる1段階反応、段階的に温度を上げて反応させる多段反応、連続的に温度を変化させて反応させる形式のいずれでもかまわない。
反応時間は0.1時間以上が好ましく、0.5時間以上がより好ましい。一方、反応時間に特に上限はなく、40時間以内でも十分に反応が進行し、6時間以内が好ましい。
また、反応時の圧力に特に制限はなく、ゲージ圧で0.05MPa以上が好ましく、0.3MPa以上がより好ましい。前記好ましい反応温度においては反応混合物の自圧による圧力上昇が発生するため、この様な反応温度における圧力は、ゲージ圧で0.25MPa以上が好ましく、0.3MPa以上がより好ましい。一方、反応時の圧力は10MPa以下が好ましく、5MPa以下がより好ましい。反応時の圧力を前記好ましい範囲とするために、反応を開始する前や反応中など任意の段階で、好ましくは反応を開始する前に、不活性ガスにより反応系内を加圧することも好ましい方法である。なお、ここでゲージ圧とは大気圧を基準とした相対圧力のことであり、絶対圧から大気圧を差し引いた圧力差と同意である。
本発明においては、反応混合物を反応させる過程の全過程に渡って有機カルボン酸金属塩を存在させてもよいし、一部の過程においてのみ有機カルボン酸金属塩を存在させてもよい。
上記反応により、少なくとも環状ポリアリーレンスルフィドと線状ポリアリーレンスルフィドを含む反応生成物が得られる。この反応生成物を固液分離することにより、環状ポリアリーレンスルフィドを得ることができる。
反応生成物の固液分離を行う温度は、前記有機極性溶媒の常圧における沸点以下が好ましい。具体的な温度としては、有機極性溶媒の種類にもよるが、10℃以上が好ましく、15℃以上がより好ましく、20℃以上がさらに好ましい。一方、110℃以下が好ましく、100℃以下がより好ましい。上記温度範囲とすることにより、290℃における粘度が0.025Pa・s以下である環状ポリアリーレンスルフィドを容易に得ることができる。
本発明は、(B)繰り返し単位中にカルボニル基を有する熱可塑性樹脂(以下、(B)熱可塑性樹脂と表す場合がある)を用いることを特徴とする。本発明に用いられる(B)熱可塑性樹脂が繰り返し単位中に有するカルボニル基は、カルボニル基のみでなく、例えばウレタン基、カーボネート基、アミド基、イミド基、エステル基のように、骨格の一部にカルボニル基を有するものであれば良く、中でもカルボニル基、アミド基、イミド基、エステル基が好ましく、カルボニル基がより好ましい。
本発明に用いられる(B)熱可塑性樹脂は、ガラス転移温度が100℃以上であることが好ましい。(B)熱可塑性樹脂のガラス転移温度が100℃以上であると、成形品の耐熱性をより向上させることができる。150℃以上がより好ましい。(B)熱可塑性樹脂のガラス転移温度は高いほど耐熱性の向上効果が高いが、(A’)ポリアリーレンスルフィド前駆体との相溶性および加工性の観点から、350℃以下が好ましく、320℃以下がより好ましい。
本発明に用いられる(B)熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリイミド(ガラス転移温度:200℃〜320℃)、芳香族ポリエーテルケトン(ガラス転移温度:150〜170℃)、ポリアリレート(ガラス転移温度:195〜275℃)、ポリカーボネート(ガラス転移温度:150〜155℃)などが挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。これらの中でも、重合効率をより向上させる観点から、ポリエーテルイミド、芳香族ポリエーテルケトンが好ましく、芳香族ポリエーテルケトンがより好ましい。
芳香族ポリエーテルケトンはベンゼン環がエーテルとケトンにより結合した直鎖状ポリマー構造を持つものであれば良く、例えばポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン、ポリエーテルエーテルケトンケトンが挙げられる。ポリエーテルエーテルケトンは、ベンゼン環をエーテル結合、エーテル結合、ケトン結合を介して配した重合体である。特に限定されるものではないが、例えば、ダイセル・エボニック(株)製“ベスタキープ”(登録商標)、ビクトレックス・ジャパン(株)製“VICTREX”(登録商標)などとして上市されているものを入手して用いることもできる。
ポリエーテルケトンケトンは、ベンゼン環をエーテル結合、ケトン結合、ケトン結合を介して配した重合体である。特に限定されるものではないが、例えば、Cytec Fiberite社製“Cypek”(登録商標)、アルケマ(株)製“KEPSTAN”(登録商標)などとして上市されているものを入手して用いることもできる。
ポリイミドは、繰り返し単位にイミド結合を有する重合体である。本発明においては、繰り返し単位にイミド結合およびエーテル結合を有するポリエーテルイミドもポリイミドに分類する。ポリイミドとしては、特に限定されるものではないが、例えば、SABICイノベーティブプラスチックス社製“Ultem”(登録商標)1000、“Ultem”1010、“Ultem”1040、“Ultem”5000、“Ultem”6000、“Ultem”XH6050、“Extem”(登録商標)XHおよび“Extem”UH、三井化学(株)製“オーラム”(登録商標)PD450Mなどとして上市されているものを入手して用いることもできる。
本発明で用いられる混合物は、(A’)ポリアリーレンスルフィド前駆体および前記(B)繰り返し単位中にカルボニル基を有する熱可塑性樹脂の合計100重量部に対して、(A’)ポリアリーレンスルフィド前駆体を91〜99.99重量部および(B)繰り返し単位中にカルボニル基を有する熱可塑性樹脂を0.01〜9重量部含む混合物であることが好ましい。(B)繰り返し単位中にカルボニル基を有する熱可塑性樹脂を0.01重量部以上とすることにより、より短時間で(A’)ポリアリーレンスルフィド前駆体を(A)ポリアリーレンスルフィドに転化することができる。0.03重量部以上が好ましく、0.5重量部以上がより好ましい。一方(B)繰り返し単位中にカルボニル基を有する熱可塑性樹脂を9重量部以下とすることで、(A’)ポリアリーレンスルフィド前駆体および(B)熱可塑性樹脂をより均一に混合することができる。8重量部以下が好ましく、7重量部以下がより好ましい。
本発明は、(A’)ポリアリーレンスルフィド前駆体および(B)熱可塑性樹脂を含む混合物を加熱し、(A’)ポリアリーレンスルフィド前駆体および(B)熱可塑性樹脂を混合する工程を含むことが好ましい。本発明における(A’)ポリアリーレンスルフィド前駆体および(B)熱可塑性樹脂を混合するときの加熱温度は、250℃〜350℃が好ましく、混合物の組成や分子量、加熱時の環境に応じて適宜選択することができる。加熱温度を250℃以上とすることにより、より短時間で(A’)ポリアリーレンスルフィド前駆体および(B)熱可塑性樹脂を混合することができる。加熱温度は260℃以上が好ましく、270℃以上がより好ましい。一方、加熱温度を350℃以下とすることにより、(B)熱可塑性樹脂が(A’)ポリアリーレンスルフィドと相溶する前に(A’)ポリアリーレンスルフィド前駆体がポリアリーレンスルフィドに転化することを抑制することができ、(B)熱可塑性樹脂と(A’)ポリアリーレンスルフィド前駆体との相溶性が向上する。加熱温度は340℃以下が好ましく、330℃以下がより好ましい。(A’)ポリアリーレンスルフィド前駆体と(B)熱可塑性樹脂を混合する工程と、(A’)ポリアリーレンスルフィド前駆体をポリアリーレンスルフィドに転化する工程の重複する温度域では、条件によって転化も起こりうるため、(A’)ポリアリーレンスルフィド前駆体をポリアリーレンスルフィドに転化する工程に移行する際に粘度を測定し、(A’)ポリアリーレンスルフィド前駆体がポリアリーレンスルフィドに転化前であることを確認することができる。前記粘度が0.5Pa・s以下であれば転化前と見なすことができる。ここで、転化前の粘度は、回転式レオメーターを用いた回転粘度測定により、測定温度340℃、振り角τ=1000Pa、角周波数ω=6.283rad/sの条件で測定したときの複素粘度を指す。
本発明は、(A’)ポリアリーレンスルフィド前駆体を、(B)熱可塑性樹脂の存在下で加熱して(A)ポリアリーレンスルフィドに転化する工程を含む。(A’)ポリアリーレンスルフィド前駆体を(A)ポリアリーレンスルフィドに転化する加熱方法としては、例えば、通常の重合反応装置を用いて加熱する方法、プレス成形装置や成形品を製造する型内で加熱する方法、押出機などの溶融混練機を用いて加熱する方法などが挙げられる。バッチ方式、連続方式などが挙げられる。加熱装置としては、加熱機構を具備した装置であれば特に制限なく用いることができる。
本発明に用いられる混合物における(A’)ポリアリーレンスルフィド前駆体を(A)ポリアリーレンスルフィドに転化するときの加熱温度は、250℃〜450℃であり、(A’)ポリアリーレンスルフィド前駆体の組成や分子量、加熱時の環境に応じて適宜選択することができる。加熱温度が250℃未満であると、短時間で(A’)ポリアリーレンスルフィド前駆体を(A)ポリアリーレンスルフィドに転化することができない。加熱温度は280℃以上が好ましく、300℃以上がより好ましい。一方、加熱時間が450℃を超えると、分解反応等の副反応を抑制することができなくなってしまう。加熱温度は420℃以下が好ましく、400℃以下がより好ましく、380℃以下がさらに好ましい。
(A’)ポリアリーレンスルフィド前駆体を(A)ポリアリーレンスルフィドに転化する加熱時間は、混合物の特性、加熱温度などの条件に応じて適宜選択することができる。(A’)ポリアリーレンスルフィド前駆体を(A)ポリアリーレンスルフィドに十分転化する観点から、0.01時間以上が好ましく、0.05時間以上がより好ましい。一方、分解反応等の副反応を抑制する観点から、10時間以下が好ましく、3時間以下がさらに好ましい。
(A’)ポリアリーレンスルフィド前駆体の加熱による(A)ポリアリーレンスルフィドへの転化の際の雰囲気は非酸化性雰囲気で行うことが好ましく、減圧条件下で行うことも好ましい。また、減圧条件下で行う場合、反応系内の雰囲気を一度非酸化性雰囲気としてから減圧条件にすることが好ましい。これにより(A’)ポリアリーレンスルフィド前駆体間、加熱により生成した(A)ポリアリーレンスルフィド間、及び(A)ポリアリーレンスルフィドと(A’)ポリアリーレンスルフィド前駆体間などでの架橋反応や分解反応等の好ましくない副反応の発生を抑制できる傾向にある。なお、非酸化性雰囲気とは(A’)ポリアリーレンスルフィド前駆体が接する気相における酸素濃度が5体積%以下、好ましくは2体積%以下、更に好ましくは酸素を実質的に含有しない雰囲気、即ち窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガス雰囲気であることを指し、この中でも特に経済性及び取扱いの容易さの面からは窒素雰囲気が好ましい。また、減圧条件下とは反応を行う系内が大気圧よりも低いことを指し、上限として50kPa以下が好ましく、20kPa以下がより好ましく、10kPa以下が更に好ましい。下限としては0.1kPa以上が例示でき、0.2kPa以上がより好ましい。減圧条件が好ましい上限を越える場合は、架橋反応など好ましくない副反応が起こりやすくなる傾向にあり、一方好ましい下限未満では、反応温度によっては(A’)ポリアリーレンスルフィド前駆体に含まれる分子量の低い環状ポリアリーレンスルフィドが揮散しやすくなる傾向にある。
本発明は、(A’)ポリアリーレンスルフィド前駆体を、(B)繰り返し単位中にカルボニル基を有する熱可塑性樹脂の存在下で250〜450℃に加熱し(A)ポリアリーレンスルフィドに転化した場合に、加熱開始から4時間後の粘度が40Pa・s以上であることが好ましい。ここで、加熱開始から4時間後の粘度は、回転式レオメーターを用いた回転粘度測定により、測定温度340℃、振り角τ=1000Pa、角周波数ω=6.283rad/sの条件で測定したときの複素粘度を指す。4時間後の粘度が40Pa・s以上となることで、短時間かつ低温で(A’)ポリアリーレンスルフィド前駆体を(A)ポリアリーレンスルフィドに転化することができ、副反応が起こりにくく高純度なポリアリーレンスルフィド樹脂組成物の成形品を得ることができるため好ましい。4時間後の粘度が50Pa・s以上がより好ましく、100Pa・s以上がさらに好ましい。
本発明は、開始剤の存在がなくとも(A’)ポリアリーレンスルフィド前駆体を(A)ポリアリーレンスルフィドに転化することが特徴である。開始剤とは開環重合反応を開始することのできる化合物を指し、例えば光重合開始剤、ラジカル重合開始剤、カチオン重合開始剤、アニオン重合開始剤、遷移金属触媒など公知の開始剤のことを指し、開始剤存在下で(A’)ポリアリーレンスルフィド前駆体を300℃で90分間加熱した際の粘度が0.5Pa・s以上となるものを指す。ここで、300℃で90分間加熱した際の粘度は、回転式レオメーターを用いた回転粘度測定により、測定温度300℃、振り角τ=1000Pa、角周波数ω=6.283rad/sの条件で90分間測定したときの複素粘度を指す。
本発明は、(B)繰り返し単位中にカルボニル基を有する熱可塑性樹脂が、(A’)ポリアリーレンスルフィド前駆体を(A)ポリアリーレンスルフィドに転化する際に、触媒的に作用して転化を促進することを特徴とし、開始剤として作用しない。すなわち、(B)繰り返し単位中にカルボニル基を有する熱可塑性樹脂は開環重合反応を開始させるものではない。触媒的に作用する機構は、主に(B)繰り返し単位中にカルボニル基を有する熱可塑性樹脂の主鎖構造に起因すると考えられるが、(B)繰り返し単位中にカルボニル基を有する熱可塑性樹脂の末端が寄与していることも考えられる。そのため、(B)繰り返し単位中にカルボニル基を有する熱可塑性樹脂は環状物由来でないことが好ましい。(B)繰り返し単位中にカルボニル基を有する熱可塑性樹脂が開始剤として作用しないことは、(A’)ポリアリーレンスルフィド前駆体と、(B)繰り返し単位中にカルボニル基を有する熱可塑性樹脂を含む混合物を300℃で90分間加熱した際の粘度が0.5Pa・s未満となることにより示される。ここで、300℃で90分間加熱した際の粘度は、回転式レオメーターを用いた回転粘度測定により、測定温度300℃、振り角τ=1000Pa、角周波数ω=6.283rad/sの条件で90分間測定したときの複素粘度を指す。
本発明により得られる(A)ポリアリーレンスルフィドの代表的なものとして、ポリアリーレンスルフィド、ポリアリーレンスルフィドスルホン、ポリアリーレンスルフィドケトンや、これらのランダム共重合体、ブロック共重合体などが挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。これらの中でも、p−フェニレンスルフィド由来の繰り返し単位を全繰り返し単位中80モル%以上含有するポリフェニレンスルフィドがより好ましく、90モル%以上含有するポリフェニレンスルフィドがさらに好ましい。
ポリアリーレンスルフィドの重量平均分子量は10,000以上が好ましく、15,000以上がより好ましい。ここで、ポリアリーレンスルフィドの重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて求めることができる。
また、後述する(A’)ポリアリーレンスルフィド前駆体のポリアリーレンスルフィドへの転化率は70%以上が好ましく、80%以上がより好ましく、90%以上がさらに好ましい。
前記した(A’)ポリアリーレンスルフィド前駆体の(A)ポリアリーレンスルフィドへの転化は繊維状物質の共存下で行うことも可能である。ここで繊維状物質とは細い糸状の物質のことであって、天然繊維のごとく細長く引き延ばされた構造である任意の物質が好ましい。繊維状物質存在下で(A’)ポリアリーレンスルフィド前駆体の(A)ポリアリーレンスルフィドへの転化を行うことで、ポリアリーレンスルフィドと繊維状物質からなる複合材料構造体を容易に作成する事ができる。このような構造体は、繊維状物質によって補強されるため、ポリアリーレンスルフィド単独の場合に比べて、たとえば機械物性に優れる傾向にある。
ここで、各種繊維状物質の中でも長繊維からなる強化繊維を用いることが好ましく、これによりポリアリーレンスルフィドを高度に強化する事が可能になる。一般に樹脂と繊維状物質からなる複合材料構造体を作成する際には、樹脂が溶融した際の粘度が高いことに起因して、樹脂と繊維状物質のぬれが悪くなる傾向にあり、均一な複合材料ができない場愛や、期待通りの機械物性が発現しないことが多い。ここでぬれとは、溶融樹脂のごとき流体物質と、繊維状化合物のごとき固体基質との間に実質的に空気または他のガスが捕捉されないようにこの流体物質と固体基質との物理的状態が良好に維持された接触があることを意味する。ここで流体物質の粘度が低い方が繊維状物質とのぬれは良好になる傾向にある。本発明のポリアリーレンスルフィド前駆体は融解した際の粘度が、一般的な熱可塑性樹脂、たとえばポリアリーレンスルフィドと比べて著しく低いため、繊維状物質とのぬれが良好になりやすい。ポリアリーレンスルフィド前駆体と繊維状物質が良好なぬれを形成した後、本発明のポリアリーレンスルフィドの製造方法によればポリアリーレンスルフィド前駆体が高重合度体に転化するので、繊維状物質と高重合度体(ポリアリーレンスルフィド)が良好なぬれを形成した複合材料構造体を容易に得ることができる。
繊維状物質としては長繊維からなる強化繊維が好ましいことは前述したとおりであり、本発明に用いられる強化繊維に特に制限はないが、好適に用いられる強化繊維としては、一般に、高性能強化繊維として用いられる耐熱性及び引張強度の良好な繊維があげられる。例えば、その強化繊維には、ガラス繊維、炭素繊維、黒鉛繊維、アラミド繊維、炭化ケイ素繊維、アルミナ繊維、ボロン繊維が挙げられる。この内、比強度、比弾性率が良好で、軽量化に大きな寄与が認められる炭素繊維や黒鉛繊維が最も良好なものとして例示できる。炭素繊維や黒鉛繊維は用途に応じて、あらゆる種類の炭素繊維や黒鉛繊維を用いることが可能であるが、引張強度450kgf/mm、引張伸度1.6%以上の高強度高伸度炭素繊維が最も適している。長繊維状の強化繊維を用いる場合、その長さは、5cm以上であることが好ましい。この長さの範囲では、強化繊維の強度を複合材料として十分に発現させることが容易となる。また、炭素繊維や黒鉛繊維は、他の強化繊維を混合して用いてもかまわない。また、強化繊維は、その形状や配列を限定されず、例えば、単一方向、ランダム方向、シート状、マット状、織物状、組み紐状であっても使用可能である。また、特に、比強度、比弾性率が高いことを要求される用途には、強化繊維が単一方向に引き揃えられた配列が最も適しているが、取り扱いの容易なクロス(織物)状の配列も本発明には適している。
また、前記したポリアリーレンスルフィド前駆体のポリアリーレンスルフィドへの転化は充填剤の存在下で行うことも可能である。充填剤としては、たとえば非繊維状ガラス、非繊維状炭素や、無機充填剤、たとえば炭酸カルシウム、酸化チタン、アルミナなどを例示できる。
本発明のポリアリーレンスルフィドは、耐熱性、耐薬品性、難燃性、電気的性質並びに機械的性質に優れ、特に従来のポリアリーレンスルフィドと比べて分子量分布が狭く、且つ、金属含有量が著しく少ないため、成形加工性や機械特性及び電気的特性が極めて優れており、射出成形、射出圧縮成形、ブロー成形用途のみならず、押出成形により、シート、フィルム、繊維及びパイプなどの押出成形品に成形,使用することができる。
本発明のポリアリーレンスルフィドを用いたポリアリーレンスルフィドフィルムの製造方法としては、公知の溶融製膜方法を採用することができ、例えば、単軸または2軸の押出機中でポリアリーレンスルフィドを溶融後、フィルムダイより押出し、冷却ドラム上で冷却してフィルムを作成する方法、あるいは、このようにして作成したフィルムをローラー式の縦延伸装置とテンターと呼ばれる横延伸装置にて縦横に延伸する二軸延伸法などが例示できるが、特にこれに限定されるものではない。
本発明のポリアリーレンスルフィドを用いたポリアリーレンスルフィド繊維の製造方法としては、公知の溶融紡糸方法を適用することができ、例えば、原料であるポリアリーレンスルフィドチップを単軸または2軸の押出機に供給しながら混練し、ついで押出機の先端部に設置したポリマー流線入替器、濾過層などを経て紡糸口金より押出し、冷却、延伸、熱セットを行う方法などを採用することができるが、特にこれに限定されるものではない。
また、本発明のポリアリーレンスルフィドは、単独で用いてもよいし、所望に応じて、ガラス繊維、炭素繊維、酸化チタン、炭酸カルシウムなどの無機充填剤、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、着色剤などを添加することもでき、ポリアミド、ポリスルホン、ポリフェニレンエーテル、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートに代表されるポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、エポキシ基、カルボキシル基、カルボン酸エステル基、酸無水物基などの官能基を有するオレフィン系コポリマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリエーテルエステルエラストマー、ポリエーテルアミドエラストマー、ポリアミドイミド、ポリアセタール、ポリイミドなどの樹脂を配合することもできる。
本発明のポリアリーレンスルフィドは特性として成形加工性や機械特性及び電気的特性に優れるため、その用途としては、例えばセンサー、LEDランプ、コネクター、ソケット、抵抗器、リレーケース、スイッチ、コイルボビン、コンデンサー、バリコンケース、光ピックアップ、発振子、各種端子板、変成器、プラグ、プリント基板、チューナー、スピーカー、マイクロフォン、ヘッドフォン、小型モーター、磁気ヘッドベース、パワーモジュール、半導体、液晶、FDDキャリッジ、FDDシャーシ、モーターブラッシュホルダー、パラボラアンテナ、コンピューター関連部品等に代表される電気・電子部品;VTR部品、テレビ部品、アイロン、ヘアードライヤー、炊飯器部品、電子レンジ部品、音響部品、オーディオ・レーザーディスク(登録商標)、コンパクトディスク、デジタルビデオディスク等の音声・映像機器部品、照明部品、冷蔵庫部品、エアコン部品、タイプライター部品、ワードプロセッサー部品等に代表される家庭、事務電気製品部品;オフィスコンピューター関連部品、電話器関連部品、ファクシミリ関連部品、複写機関連部品、洗浄用治具、モーター部品、ライター、タイプライターなどに代表される機械関連部品:顕微鏡、双眼鏡、カメラ、時計等に代表される光学機器、精密機械関連部品;水道蛇口コマ、混合水栓、ポンプ部品、パイプジョイント、水量調節弁、逃がし弁、湯温センサー、水量センサー、水道メーターハウジングなどの水廻り部品;バルブオルタネーターターミナル、オルタネーターコネクター,ICレギュレーター、ライトディヤー用ポテンシオメーターベース、排気ガスバルブ等の各種バルブ、燃料関係・排気系・吸気系各種パイプ、エアーインテークノズルスノーケル、インテークマニホールド、燃料ポンプ、エンジン冷却水ジョイント、キャブレターメインボディー、キャブレタースペーサー、排気ガスセンサー、冷却水センサー、油温センサー、スロットルポジションセンサー、クランクシャフトポジションセンサー、エアーフローメーター、ブレーキパッド摩耗センサー、エアコン用サーモスタットベース、暖房温風フローコントロールバルブ、ラジエーターモーター用ブラッシュホルダー、ウォーターポンプインペラー、タービンベイン、ワイパーモーター関係部品、デュストリビューター、スタータースイッチ、スターターリレー、トランスミッション用ワイヤーハーネス、ウィンドウォッシャーノズル、エアコンパネルスイッチ基板、燃料関係電磁気弁用コイル、ヒューズ用コネクター、ホーンターミナル、電装部品絶縁板、ステップモーターローター、ランプソケット、ランプリフレクター、ランプハウジング、ブレーキピストン、ソレノイドボビン、エンジンオイルフィルター、燃料タンク、点火装置ケース、車速センサー、ケーブルライナー等の自動車・車両関連部品、その他各種用途が例示できる。ポリアリーレンスルフィドフィルムの場合、優れた機械特性、電気特性、耐熱性を有しており、フィルムコンデンサーやチップコンデンサーの誘電体フィルム用途、回路基板、絶縁基板用途、モーター絶縁フィルム用途、トランス絶縁フィルム用途、離型用フィルム用途など各種用途に好適に使用することができる。
ポリアリーレンスルフィドのモノフィランメントあるいは短繊維の場合、抄紙ドライヤーキャンバス、ネットコンベヤー、バグフィルター、絶縁ペーパーなどの各種用途に好適に使用することができる。
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。各実施例において用いた(B)繰り返し単位中にカルボニル基を有する熱可塑性樹脂を以下に示す。
(B)繰り返し単位中にカルボニル基を有する熱可塑性樹脂
・ポリエーテルイミド(SABICイノベーティブプラスチックス社製“Ultem”(登録商標)1000、JIS K7121−1987に従って測定したガラス転移温度:210℃)
・ポリアリレート(ユニチカ(株)製“Uポリマー”(登録商標)U−100、JIS K7121−1987に従って測定したガラス転移温度:195℃)
・ポリエーテルエーテルケトン(ビクトレックス(株)製150P、JIS K7121−1987に従って測定したガラス転移温度:143℃)
・ポリエーテルケトンケトン(アルケマ(株)製“KEPSTAN”(登録商標)6003、JIS K7121−1987に従って測定したガラス転移温度:160℃)。
(A’)ポリアリーレンスルフィド前駆体の分析は、下記の方法により行った。
装置:(株)島津製作所製 LC−10Avpシリーズ
カラム:関東化学(株)製 Mightysil RP−18 GP150−4.6(5μm)
検出器:フォトダイオードアレイ検出器(波長270nm)
なお、HPLCで成分分割した各成分の構造は、液体クロマトグラフ質量分析(LC―MS)による分析、分取液体クロマトグラフ(分取LC)における分取物のマトリックス支援レーザー脱離イオン化質量分析(MALDI−MS)、核磁気共鳴分光法(NMR)による分析、および赤外分光測定(IR測定)により決定した。これにより、繰り返し単位数4〜15の環状ポリフェニレンスルフィドが、本条件のHPLC測定により定性定量できることを確認した。
次に、各実施例および比較例における評価方法を説明する。評価n数は、特に断らない限り、n=5とし平均値を求めた。
(1)転化前の複素粘度測定
アントンパール社製レオメーターPhysicaMCR501を用いて、半径25mmの平行円板間に、(A’)ポリアリーレンスルフィド前駆体と、(B)繰り返し単位中にカルボニル基を有する熱可塑性樹脂を含む混合物を挟み、測定温度340℃、振り角τ=1000Pa、角周波数ω=6.283rad/sの条件で複素粘度を測定した。
(2)転化後の複素粘度測定(加熱開始から4時間後の粘度)
アントンパール社製レオメーターPhysicaMCR501を用いて、半径25mmの平行円板間に、ポリアリーレンスルフィドを挟み、測定温度340℃、振り角τ=1000Pa、角周波数ω=6.283rad/sの条件で複素粘度を測定した。
(3)開始剤効果の確認(300℃で90分加熱後の粘度)
アントンパール社製レオメーターPhysicaMCR501を用いて、半径25mmの平行円板間に、(A’)ポリアリーレンスルフィド前駆体と、(B)繰り返し単位中にカルボニル基を有する熱可塑性樹脂を含む混合物を挟み、測定温度300℃、振り角τ=1000Pa、角周波数ω=6.283rad/sの条件で複素粘度を測定した。
(参考例1:(A’)ポリアリーレンスルフィド前駆体(環状ポリフェニレンスルフィド(PPS−1))の準備)
<反応混合物の調製>
撹拌機を具備したステンレス製オートクレーブに、スルフィド化剤として48重量%の水硫化ナトリウム水溶液1.97kg(水硫化ナトリウムとして16.87モル)および48重量%の水酸化ナトリウム水溶液1.48kg(水酸化ナトリウムとして17.71モル)、ジハロゲン化芳香族化合物としてp−ジクロロベンゼン(p−DCB)2.48kg(16.87モル)、有機極性溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン(NMP)42kg(423.5モル)を仕込むことにより反応混合物を調製した。原料に含まれる水分量は1.79kg(99.4モル)であり、反応混合物中のイオウ成分1モル当たり(スルフィド化剤として仕込んだ水硫化ナトリウムに含まれるイオウ原子1モル当たり)の溶媒量は約2.43Lであった。また、反応混合物中のイオウ成分1モル当たり(スルフィド化剤として仕込んだ水硫化ナトリウムに含まれるイオウ原子1モル当たり)のアリーレン単位(ジハロゲン化芳香族化合物として仕込んだp−DCBに相当)の量は1.00モルであった。
オートクレーブ内を窒素ガスで置換後に密封し、400rpmで撹拌しながら約1時間かけて室温から200℃まで昇温した。次いで200℃から250℃まで約0.5時間かけて昇温した。この段階の反応器内の圧力はゲージ圧で1.0MPaであった。その後250℃で2時間保持することにより反応混合物を加熱し反応させた。
高圧バルブを介してオートクレーブ上部に設置した小型タンクにp−DCBのNMP溶液(p−DCB247.8gをNMP700gに溶解)を仕込んだ。小型タンク内を約1.5MPaに加圧後、タンク下部のバルブを開き、p−DCBのNMP溶液をオートクレーブ内に仕込んだ。小型タンクの壁面をNMP350gで洗浄後、このNMPもオートクレーブ内に仕込んだ。本操作により、反応混合物中のイオウ成分1モル当たりのアリーレン単位は1.10モルとなった。この追加の仕込み終了後、250℃にてさらに1時間加熱して反応を進行させた。その後、約15分間かけて230℃まで冷却した後、オートクレーブ上部に設置した高圧バルブを徐々に開放することにより、主としてNMPからなる蒸気を排出し、この蒸気成分を水冷冷却管にて凝集させることにより、約27.58kgの液成分を回収した後に高圧バルブを閉じて密閉した。次いで室温近傍まで急冷して、反応生成物を回収した。
得られた反応生成物の一部を大過剰の水に分散させることにより水に不溶な成分を回収し、回収した水に不溶な成分を乾燥させることにより固形分を得た。赤外分光分析による構造解析の結果、この固形分はフェニレンスルフィド単位からなる化合物であることが確認できた。
<環状ポリアリーレンスルフィドの回収>
ADVANTEC社製の万能型タンク付フィルターホルダーKST−142−UH(有効濾過面積約113cm)に、直径142mm、平均細孔直径10μmのPTFE製メンブレンフィルターをセットし、上記方法により得られた固形分をタンクに仕込んだ。タンクを密閉後、窒素にて0.4MPaに加圧し50℃にて固液分離を行った。
濾液成分1000gを3Lフラスコに仕込み、フラスコ内を窒素で置換した。ついで撹拌しながら100℃に加温した後、80℃に冷却した。この際、常温では一部不溶成分が存在したが、100℃に到達した段階、さらに80℃に冷却した段階で不溶部は認められなかった。ついで系内温度80℃にて撹拌したまま、チューブポンプを用いて水330gを約15分間かけてゆっくりと滴下した。ここで、水の滴下終了後の濾液混合物におけるNMPと水の重量比率は75:25であった。この濾液への水の添加において、水の滴下に伴い混合物の温度は約75℃まで低下し、また、混合物中に徐々に固形分が生成し、水の滴下が終了した段階では、固形分が分散したスラリー状となった。このスラリーを撹拌したまま約1時間かけて約30℃まで冷却し、次いで30℃以下で約30分間撹拌した後、得られたスラリーを目開き10〜16μmのガラスフィルターで吸引濾過した。得られた固形分(母液を含む)を約300gの水に分散させ70℃で15分間撹拌した後、前述同様にガラスフィルターで吸引濾過する操作を計4回繰り返した。得られた固形分を真空乾燥機70℃で3時間処理して、環状ポリアリーレンスルフィドとしての乾燥固体を得た。
乾燥固体をHPLCで分析した結果、一般式(2)で表される環状ポリフェニレンスルフィド(m:4〜15)が検出された。また、乾燥固体の290℃における粘度を測定したところ、0.013Pa・sであった。
(実施例1〜8)
(A’)ポリアリーレンスルフィド前駆体、(B)繰り返し単位中にカルボニル基を有する熱可塑性樹脂を表1に示す組成となるように配合し、ガラス試験管に投入した。反応容器を窒素置換した後、0.5kPaの減圧条件下で加熱撹拌を開始した。加熱開始から12分で290℃に到達し、その後290℃を維持した状態で30分加熱し混合物を作製した。その後5分間かけ表1に示す重合温度まで加熱し、温度を維持したまま4時間加熱撹拌し、室温まで冷却することにより、褐色の固体状のポリフェニレンスルフィドを得た。得られたポリフェニレンスルフィドについて前記方法により粘度を測定した結果を表1に示す。また、前記混合物を300℃で90分加熱し粘度を測定したところ、開始剤としての効果は確認できなかった。
(比較例1)
(A’)ポリアリーレンスルフィド前駆体をガラス試験管に投入した。反応容器を窒素置換した後、0.5kPaの減圧条件下で加熱撹拌を開始した。加熱開始から12分で290℃に到達し、その後290℃を維持した状態で30分加熱し(A’)ポリアリーレンスルフィド前駆体固体を作製した。その後5分間かけ表2に示す重合温度まで加熱し、温度を維持したまま4時間加熱撹拌し、室温まで冷却することにより、褐色の固体状のポリフェニレンスルフィドを得た。得られたポリフェニレンスルフィドについて前記方法により粘度を測定した結果を表2に示す。
(比較例2)
(A’)ポリアリーレンスルフィド前駆体、(B)繰り返し単位中にカルボニル基を有する熱可塑性樹脂を表1に示す組成となるように配合し、ガラス試験管に投入した。反応容器を窒素置換した後、0.5kPaの減圧条件下で加熱撹拌を開始した。加熱開始から12分で290℃に到達し、その後290℃を維持した状態で30分加熱し混合物を作製した。その後5分間かけ混合物を表2に示す添加温度にし、温度を維持したまま4時間加熱撹拌し、室温まで冷却することにより、褐色の固体状のポリフェニレンスルフィドを得た。得られたポリフェニレンスルフィドについて前記方法により粘度を測定した結果を表2に示す。また、前記混合物を300℃で90分加熱し粘度を測定したところ、開始剤としての効果は確認できなかった。

Claims (6)

  1. (A’)ポリアリーレンスルフィド前駆体を、(B)繰り返し単位中にカルボニル基を有する熱可塑性樹脂の存在下で250〜450℃に加熱し(A)ポリアリーレンスルフィドに転化する工程を含むことを特徴とするポリアリーレンスルフィドの製造方法であって、前記(B)繰り返し単位中にカルボニル基を有する熱可塑性樹脂が、(A’)ポリアリーレンスルフィド前駆体と(B)繰り返し単位中にカルボニル基を有する熱可塑性樹脂を含む混合物を300℃で90分間加熱した際の粘度が0.5Pa・s未満となる熱可塑性樹脂であることを特徴とするポリアリーレンスルフィドの製造方法。
  2. 前記(A’)ポリアリーレンスルフィド前駆体を、(B)繰り返し単位中にカルボニル基を有する熱可塑性樹脂の存在下で250〜450℃に加熱し(A)ポリアリーレンスルフィドに転化する工程において、前記(A’)ポリアリーレンスルフィド前駆体および前記(B)繰り返し単位中にカルボニル基を有する熱可塑性樹脂の合計100重量部に対して、(A’)ポリアリーレンスルフィド前駆体91〜99.99重量部および(B)繰り返し単位中にカルボニル基を持つ熱可塑性樹脂を0.01〜9重量部含む混合物を用いることを特徴とする請求項1に記載のポリアリーレンスルフィドの製造方法。
  3. 前記(B)繰り返し単位中にカルボニル基を有する熱可塑性樹脂が、繰り返し単位中にエーテル基を有することを特徴とする請求項1または2に記載のポリアリーレンスルフィドの製造方法。
  4. 前記(B)繰り返し単位中にカルボニル基を有する熱可塑性樹脂が、芳香族ポリエーテルケトンであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリアリーレンスルフィドの製造方法。
  5. 前記(B)繰り返し単位中にカルボニル基を有する熱可塑性樹脂が、環状物由来でないことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポリアリーレンスルフィドの製造方法。
  6. 前記(A’)ポリアリーレンスルフィド前駆体を、(B)繰り返し単位中にカルボニル基を有する熱可塑性樹脂の存在下で250〜450℃に加熱し(A)ポリアリーレンスルフィドに転化する工程において、加熱開始から4時間後の粘度が40Pa・s以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のポリアリーレンスルフィドの製造方法。
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