JP5593580B2 - 環式ポリアリーレンスルフィド混合物の製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は線状ポリアリーレンスルフィドと環式ポリアリーレンスルフィドの混合物から環式ポリアリーレンスルフィド混合物を効率よく製造する方法に関する。
1. 少なくとも
(a)線状ポリアリーレンスルフィド
(b)環式ポリアリーレンスルフィド
を含むポリアリーレンスルフィド混合物を、環式ポリアリーレンスルフィドを溶解可能な溶剤として、クロロホルムと接触させて環式ポリアリーレンスルフィドを含む溶液を調製し、次いで該溶液から溶剤を除去することで環式ポリアリーレンスルフィドを得る方法であって、得られる環式ポリアリーレンスルフィドが下記式(1)で表される繰り返し単位数mが4〜50の混合物であって、m=4〜6の環式ポリアリーレンスルフィドを含むことを特徴とする環式ポリアリーレンスルフィド混合物の製造方法。
2. 環式ポリアリーレンスルフィドを含む溶液が固形分を含むものであって、溶剤の除去時に溶剤に可溶の成分とともにこの固形分も回収することを特徴とする1に記載の環式ポリアリーレンスルフィドの製造方法。
3. ポリアリーレンスルフィド混合物として、少なくとも(a)を5〜99.9重量%含み、且つ(b)を0.05〜70重量%含むものを用いることを特徴とする1から2のいずれかに 記載の環式ポリアリーレンスルフィド混合物の製造方法。
4. ポリアリーレンスルフィド混合物として(a)を5〜99.9重量%含み、且つ(b)を5〜70重量%含むものを用いて、環式ポリアリーレンスルフィド混合物を収率5%以上で得ることを特徴とする1から3のいずれかに記載の環式ポリアリーレンスルフィド混合物の製造方法。
5. 環式ポリアリーレンスルフィド混合物における(b)の重量分率が、ポリアリーレンスルフィド混合物における(b)の重量分率よりも高いことを特徴とする1から4のいずれかに記載の環式ポリアリーレンスルフィド混合物の製造方法。
6. 少なくともポリハロゲン化芳香族化合物、アルカリ金属硫化物および有機極性溶媒をいずれも含有する混合物を加熱してポリアリーレンスルフィド樹脂を重合し、220℃以下に冷却して得られた、少なくとも顆粒状のポリアリーレンスルフィド樹脂、顆粒状以外のポリアリーレンスルフィド混合物、有機極性溶媒、水、およびハロゲン化アルカリ金属塩をいずれも含むスラリーから回収された顆粒状以外のポリアリーレンスルフィド混合物を用いることを特徴とする1から5のいずれかに記載の環式ポリアリーレンスルフィド混合物の製造方法。
7. ポリアリーレンスルフィド混合物を環式ポリアリーレンスルフィドを溶解可能な溶剤と接触させて得られた環式ポリアリーレンスルフィドを含む溶液を、常圧以下で加熱して該溶液から溶剤を除去することを特徴とする1から6のいずれかに記載の環式ポリアリーレンスルフィド混合物の製造方法。
8. 得られる環式ポリアリーレンスルフィド混合物が、環式ポリアリーレンスルフィドを70重量%以上含むことを特徴とする1から7のいずれかに記載の環式ポリアリーレンスルフィド混合物の製造方法。
9. ポリアリーレンスルフィドがポリフェニレンスルフィドであることを特徴とする1から8のいずれかに記載の環式ポリアリーレンスルフィド混合物の製造方法。
10. (b)環式ポリアリーレンスルフィドが下記式(2)で表される環式化合物であり、繰り返し単位数mが4〜50であることを特徴とする1から9のいずれかに記載の環式ポリアリーレンスルフィド混合物の製造方法。
方法。
12. ポリアリーレンスルフィド混合物の重量平均分子量Mwが2,500以上であることを特徴とする1から11のいずれかに記載の環式ポリアリーレンスルフィド混合物の製造方法。
13. ポリアリーレンスルフィド混合物が重量平均分子量2,500以下の成分を0.05〜90重量%含むものであることを特徴とする1から12のいずれかに記載の環式ポリアリーレンスルフィド混合物の製造方法。
14. ポリアリーレンスルフィド混合物がセラミックス粉末を含むことを特徴とする1から13のいずれかに記載の環式ポリアリーレンスルフィド混合物の製造方法。
本発明におけるPASとは、式、−(Ar−S)−の繰り返し単位を主要構成単位とする、好ましくは当該繰り返し単位を80モル%以上含有するホモポリマーまたはコポリマーである。Arとしては下記の式(A)〜式(K)などであらわされる単位などがあるが、なかでも式(A)が特に好ましい。
この繰り返し単位を主要構成単位とする限り、下記の式(L)〜式(N)などで表される少量の分岐単位または架橋単位を含むことができる。これら分岐単位または架橋単位の共重合量は、−(Ar−S)−の単位1モルに対して0〜1モル%の範囲であることが好ましい。
本発明の環式ポリアリーレンスルフィドとは式、−(Ar−S)−の繰り返し単位を主要構成単位とする環式化合物であり、好ましくは当該繰り返し単位を80モル%以上含有する下記一般式(O)のごとき化合物である。Arとしては前記式(A)〜式(K)などであらわされる単位などがあるが、なかでも式(A)が特に好ましい。
本発明の線状PASとは前述した環式PAS以外の末端基を有するPASを差し、その分子量は重量平均分子量で2,500以上が好ましく例示でき、5,000以上が好ましく、10,000以上がより好ましく、15,000以上がさらに好ましく、18,000以上がよりいっそう好ましい。重量平均分子量が2,500未満の線状PASは各種溶媒への溶解性などの化合物としての特性が前記環式PASに近くなる傾向があり、後述する環式ポリアリーレンスルフィド含有溶液の調製過程において環式PASと線状PASの分離がしにくくなる傾向がある。
本発明のPAS混合物とは少なくとも前記線状PASと環式PASを含む混合物である。PAS混合物としては線状PASを5〜99.9重量%、好ましくは5〜95重量%、より好ましくは5〜90重量%含むものが望ましい。PAS混合物における線状PASの割合は少ない方が最終的に得られる環式PAS混合物の純度および収率が向上するため望ましいが、前記範囲以下の混合物を得るためにはPAS混合物を得る際の製造条件を極めて厳密に制御する必要がある場合が多く、工業的にこのようなPAS混合物を得ることは現実的でない。一方、前記範囲以上であると最終的に得られる環式PAS混合物の収率が低下する傾向にある。
本発明ではポリアリーレンスルフィド混合物を、環式ポリアリーレンスルフィドを溶解可能な溶剤と接触させて環式ポリアリーレンスルフィドを含む溶液を調製する。
本発明では前述のようにして得られた環式ポリアリーレンスルフィドを含む溶液から溶剤の除去を行い、環式ポリアリーレンスルフィド混合物を得る。ここで溶剤の除去は、たとえば加熱し、常圧以下で処理する方法や、膜を利用した溶剤の除去を例示できるが、より収率よく、また効率よく環式ポリアリーレンスルフィド混合物を得るとの観点では常圧以下で加熱して溶剤を除去する方法が好ましい。なお、前述の様にして得られた環式ポリアリーレンスルフィドを含む溶液は温度によっては固形物を含む場合もあるが、この場合の固形物も環式ポリアリーレンスルフィド混合物に属するものであるので、溶剤の除去時に溶剤に可溶の成分とともに回収する事が望ましく、これにより収率よく環式PAS混合物を得られるようになる。
かくして得られた環式ポリアリーレンスルフィドは十分に高純度であり、各種用途に好適に用いることができるが、さらに以下に述べる後処理を付加的に施すことによってよりいっそう純度の高い環式PAS混合物を得ることが可能である。
かくして得られた環式PAS混合物は環式PASを70重量%以上、好ましくは80重量%以上、より好ましくは90重量%以上含む純度の高いものであり、一般的に得られる線状のPASとは異なる特性を有する工業的にも利用価値の高いものである。また、本発明で得られる環式PAS混合物は前記式(O)におけるmが単一ではなく、m=4〜50の異なるmを有する前記式(O)であるという特徴を有する。ここで好ましいmの範囲は4〜25,より好ましくは4〜20である。mがこの範囲の場合、後述するように環式PAS混合物を開環重合に用いる場合に重合反応が進行しやすく、高分子量体が得られやすくなる傾向にある。この理由は現時点判然とはしないが、この範囲の環式PASは分子が環状であるがために生じる結合のゆがみが大きく、重合時に開環反応が起こりやすいためと推測している。
ポリアリーレンスルフィドスルフィド及びポリアリーレンスルフィドスルフィドプレポリマーの分子量はサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)の一種であるゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、ポリスチレン換算で算出した。GPCの測定条件を以下に示す。
装置:センシュー科学 SSC−7100
カラム名:センシュー科学 GPC3506
溶離液:1−クロロナフタレン
検出器:示差屈折率検出器
カラム温度:210℃
プレ恒温槽温度:250℃
ポンプ恒温槽温度:50℃
検出器温度:210℃
流量:1.0mL/min
試料注入量:300μL (スラリー状:約0.2重量%)
ポリアリーレンスルフィドスルフィド及びポリアリーレンスルフィドスルフィドプレポリマーの含有するアルカリ金属含有量の定量は下記により行った。
(a) 試料を石英るつぼに秤とり、電気炉を用いて灰化した。
(b) 灰化物を濃硝酸で溶解した後、希硝酸で定容とした。
(c) 得られた定容液をICP重量分析法(装置;Agilent製4500)及びICP発光分光分析法(装置;PerkinElmer製Optima4300DV)に処した。
<PAS混合物含有スラリーの調製>
撹拌機付きの70リットルオートクレーブに、47.5%水硫化ナトリウム8.27kg(70.0モル)、96%水酸化ナトリウム2.96kg(71.0モル)、N−メチル−2−ピロリドン(以下NMPと略する場合もある)を11.44kg(116モル)、酢酸ナトリウム1.72kg(21.0モル)、及びイオン交換水10.5kgを仕込み、常圧で窒素を通じながら約240℃まで約3時間かけて徐々に加熱し、精留塔を介して水14.8kgおよびNMP280gを留出した後、反応容器を160℃に冷却した。なお、この脱液操作の間に仕込んだイオウ成分1モル当たり0.02モルの硫化水素が系外に飛散した。
<PAS混合物の調製1>
参考例1で得られたスラリー(C)1000gをロータリーエバポレーターに仕込み、窒素で置換してから、減圧下100〜150℃で1.5時間処理した後に、真空乾燥機で150℃、1時間処理して固形物を得た。
<PAS混合物の調製2>
参考例1で得られたスラリー(C)1000gにイオン交換水4000gを加え、70℃で30分撹拌して再スラリー化した。その後静置し、透明な上澄み液をデカンテーションして除去し、固形物を含むスラリーを約300g得た。これにイオン交換水1200gを加え、70℃で30分撹拌後このスラリーを目開き10〜16μmのガラスフィルターで吸引濾過した。得られた固形物にイオン交換水1200gを加えて70℃で30分撹拌して再スラリー化し、同様に吸引濾過後、70℃で5時間真空乾燥してポリフェニレンスルフィド混合物2を11.5g得た。
<PAS混合物3の調製>
撹拌機付きの70リットルオートクレーブに、47.5%水硫化ナトリウム8.27kg(70.0モル)、96%水酸化ナトリウム2.96kg(71.0モル)、N−メチル−2−ピロリドン(以下NMPと略する場合もある)を11.44kg(116モル)、酢酸ナトリウム1.72kg(21.0モル)、及びイオン交換水10.5kgを仕込み、常圧で窒素を通じながら約240℃まで約3時間かけて徐々に加熱し、精留塔を介して水14.8kgおよびNMP280gを留出した後、反応容器を160℃に冷却した。なお、この脱液操作の間に仕込んだイオウ成分1モル当たり0.02モルの硫化水素が系外に飛散した。
<顆粒状PASの調製>
参考例1で得られたスラリーを含んだ顆粒状PPS樹脂100gにNMP約0.25リットルを加えて85℃で30分間洗浄し、ふるい(80mesh、目開き0.175mm)で濾別した。得られた固形物を0.5リットルのイオン交換水で希釈して、70℃で30分撹拌後、80メッシュふるいで濾過して固形物を回収する操作を合計5回繰り返した。このようにして得られた固形物を、130℃で熱風乾燥し、顆粒状ポリフェニレンスルフィドを得た。
<PAS混合物4の調製>
参考例1で得られたスラリー(C)1000gをロータリーエバポレーターに仕込み、窒素で置換してから、減圧下100〜150℃で1.5時間処理した後に、真空乾燥機で150℃、1時間処理して固形物を得た。
参考例2の方法で得られたポリフェニレンスルフィド混合物1を5g分取し、溶剤としてクロロホルム120gを用いて、浴温約80℃でソックスレー抽出法により3時間ポリフェニレンスルフィド混合物と溶剤を接触させ、抽出液を得た。得られた抽出液は室温で一部固形状成分を含むスラリー状であった。この抽出液スラリーからエバポレーターを用いてクロロホルムを留去した後、真空乾燥機70℃で3時間処理して固形物2.1g(ポリフェニレンスルフィド混合物1に対し、収率42%)を得た。
実施例1と同様にして固形物を得た後、得られた固体にクロロホルム20gを加え、室温で超音波をかけてスラリー状の混合液を得た。これを第二の溶剤としてメタノールと接触させるために、スラリー状混合液をメタノール250gに撹拌しながら約10分かけてゆっくりと滴下した。滴下終了後、約15分間攪拌を継続した。沈殿物を目開き10〜16μmのガラスフィルターで吸引濾過して回収し、得られた白色ケークを70℃で3時間真空乾燥して白色粉末を1.8g得た。白色粉末の収率は用いたポリフェニレンスルフィド混合物1に対して35%であった。
参考例3の方法で得られたポリフェニレンスルフィド混合物2を用いて、実施例1と同様の操作を行い固形物2.1g(ポリフェニレンスルフィド混合物2に対し、収率41%)を得た。
実施例3と同様にして固形物を得た後、得られた固体に再度クロロホルム20gを加え、室温で超音波をかけてスラリー状の混合液を得た。これを第二の溶剤としてメタノールと接触させるために、スラリー状混合液をメタノール250gに撹拌しながら約10分かけてゆっくりと滴下した。滴下終了後、約15分間攪拌を継続した。沈殿物を目開き10〜16μmのガラスフィルターで吸引濾過し、得られた白色ケークを70℃で3時間真空乾燥して白色粉末を1.8g得た。白色粉末の収率は、用いたポリフェニレンスルフィド混合物2に対して35%であった。
参考例2の方法で得られたポリフェニレンスルフィド混合物1を5g分取し、溶剤としてクロロホルム100gを用いて、浴温約70℃の常圧還流下で3時間攪拌することでポリフェニレンスルフィド混合物と溶剤を接触させた。ついで熱時濾過を行い抽出液約100gを得た。得られた抽出液は室温で一部固形状成分を含むスラリー状であった。この抽出液スラリーからエバポレーターを用いてクロロホルムを留去した後、真空乾燥機70℃で3時間処理して固形物2.0g(ポリフェニレンスルフィド混合物1に対し、収率40%)を得た。
実施例5と同様にして固形物を得た後、得られた固体に再度クロロホルム30gを加え、室温で超音波をかけてスラリー状の混合液を得た。これを第二の溶剤としてメタノールと接触させるために、スラリー状混合液をメタノール250gに撹拌しながら約10分かけてゆっくりと滴下した。滴下終了後、約15分間攪拌を継続した。沈殿物を目開き10〜16μmのガラスフィルターで吸引濾過し、得られた白色ケークを70℃で3時間真空乾燥して白色粉末1.4gを得た。白色粉末の収率は、用いたポリフェニレンスルフィド混合物1に対して28%であった。
参考例2で得られたポリフェニレンスルフィド混合物1を5g分取し、溶剤として水100gを用いて、浴温約140℃で3時間ソックスレー抽出法によりポリフェニレンスルフィド混合物と溶剤を接触させ、抽出液を得た。得られた抽出液からエバポレーターを用いて水を留去した後、真空乾燥機70℃で3時間処理したところ、極微量の析出物が得られたのみであり重量の測定はできなかった。なお、ここでの析出物を高速液体クロマトグラフィーで分析したところ、析出物はベンゼン環1つを有する化合物であると推測され、環式ポリアリーレンスルフィドではないことが判明した。
参考例4で得られたポリフェニレンスルフィド混合物3を5g用いて実施例1と同様の操作を行い、固形物を得た。さらに得られた固体を実施例2の操作に処し、白色粉末を約0.10g得た(ポリフェニレンスルフィド混合物3に対し、収率2.0%)。
参考例5で得られた顆粒状ポリフェニレンスルフィド混合物5gを用いて、実施例1と同様の操作を行い固形物を得た。さらに得られた固体を実施例2の操作に処し、白色粉末を約0.013g得た(顆粒状ポリフェニレンスルフィド混合物に対し、収率0.26%)。
実施例2で得られた環式ポリフェニレンスルフィド混合物の重量平均分子量は900、Na含有量は4ppm、塩素含有量は2.2wt%であり、Na以外のアルカリ金属及び塩素以外のハロゲンは検出限界以下であった。また、示差走査型熱量計(装置;パーキンエルマー社製DSC7)を用いて熱的特性を分析した結果(昇温速度40℃/分)、約200〜260℃にブロードな吸熱を示し、ピーク温度は約225℃であることがわかった。本発明の好ましい容態による環式ポリフェニレンスルフィドは、金属不純物含有量が極めて低く、また融解温度は一般のポリフェニレンスルフィドよりも大幅に低いことがわかった。
参考例6で得られたポリフェニレンスルフィド混合物4を5g分取し、溶剤としてクロロホルム120gを用いて、浴温約80℃でソックスレー抽出法により5時間ポリフェニレンスルフィド混合物と溶剤を接触させ、抽出液を得た。得られた抽出液は室温で一部固形状成分を含むスラリー状であった。この抽出液スラリーからエバポレーターを用いてクロロホルムを留去した後、真空乾燥機70℃で3時間処理して固形物1.7g(ポリフェニレンスルフィド混合物4に対し、収率34%)を得た。
実施例9と同様にして固形物を得た後、得られた固体にクロロホルム20gを加え、室温で超音波をかけてスラリー状の混合液を得た。これを第二の溶剤としてメタノールと接触させるために、スラリー状混合液をメタノール250gに撹拌しながら約10分かけてゆっくりと滴下した。滴下終了後、約15分間攪拌を継続した。沈殿物を目開き10〜16μmのガラスフィルターで吸引濾過して回収し、得られた白色ケークを70℃で3時間真空乾燥して白色粉末を1.5g得た。白色粉末の収率は用いたポリフェニレンスルフィド混合物4に対して31%であった。
第二の溶剤としてアセトンを用いた以外は実施例10と同様に行い、白色粉末を1.4g得た。白色粉末の収率は用いたポリフェニレンスルフィド混合物4に対して28%であった。
第二の溶剤として酢酸エチルを用いた以外は実施例10と同様に行い、白色粉末を1.3g得た。白色粉末の収率は用いたポリフェニレンスルフィド混合物4に対して27%であった。
Claims (14)
- 少なくとも
(a)線状ポリアリーレンスルフィド
(b)環式ポリアリーレンスルフィド
を含むポリアリーレンスルフィド混合物を、環式ポリアリーレンスルフィドを溶解可能な溶剤として、クロロホルムと接触させて環式ポリアリーレンスルフィドを含む溶液を調製し、次いで該溶液から溶剤を除去することで環式ポリアリーレンスルフィドを得る方法であって、得られる環式ポリアリーレンスルフィドが下記式(1)で表される繰り返し単位数mが4〜50の混合物であって、m=4〜6の環式ポリアリーレンスルフィドを含むことを特徴とする環式ポリアリーレンスルフィド混合物の製造方法。
- 環式ポリアリーレンスルフィドを含む溶液が固形分を含むものであって、溶剤の除去時に溶剤に可溶の成分とともにこの固形分も回収することを特徴とする請求項1に記載の環式ポリアリーレンスルフィドの製造方法。
- ポリアリーレンスルフィド混合物として、少なくとも(a)を5〜99.9重量%含み、且つ(b)を0.05〜70重量%含むものを用いることを特徴とする請求項1から2のいずれかに記載の環式ポリアリーレンスルフィド混合物の製造方法。
- ポリアリーレンスルフィド混合物として(a)を5〜99.9重量%含み、且つ(b)を5〜70重量%含むものを用いて、環式ポリアリーレンスルフィド混合物を収率5%以上で得ることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の環式ポリアリーレンスルフィド混合物の製造方法。
- 環式ポリアリーレンスルフィド混合物における(b)の重量分率が、ポリアリーレンスルフィド混合物における(b)の重量分率よりも高いことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の環式ポリアリーレンスルフィド混合物の製造方法。
- 少なくともポリハロゲン化芳香族化合物、アルカリ金属硫化物および有機極性溶媒をいずれも含有する混合物を加熱してポリアリーレンスルフィド樹脂を重合し、220℃以下に冷却して得られた、少なくとも顆粒状のポリアリーレンスルフィド樹脂、顆粒状以外のポリアリーレンスルフィド混合物、有機極性溶媒、水、およびハロゲン化アルカリ金属塩をいずれも含むスラリーから回収された顆粒状以外のポリアリーレンスルフィド混合物を用いることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の環式ポリアリーレンスルフィド混合物の製造方法。
- ポリアリーレンスルフィド混合物を環式ポリアリーレンスルフィドを溶解可能な溶剤と接触させて得られた環式ポリアリーレンスルフィドを含む溶液を、常圧以下で加熱して該溶液から溶剤を除去することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の環式ポリアリーレンスルフィド混合物の製造方法。
- 得られる環式ポリアリーレンスルフィド混合物が、環式ポリアリーレンスルフィドを70重量%以上含むことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の環式ポリアリーレンスルフィド混合物の製造方法。
- ポリアリーレンスルフィドがポリフェニレンスルフィドであることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の環式ポリアリーレンスルフィド混合物の製造方法。
- 得られる環式ポリアリーレンスルフィド混合物中に含まれる環式ポリアリーレンスルフィドが式(2)で表される化合物であって、繰り返し単位数mが4〜25であることを特徴とする請求項10に記載の環式ポリアリーレンスルフィド混合物の製造方法。
- ポリアリーレンスルフィド混合物の重量平均分子量Mwが2,500以上であることを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載の環式ポリアリーレンスルフィド混合物の製造方法。
- ポリアリーレンスルフィド混合物が重量平均分子量2,500以下の成分を0.05〜90重量%含むものであることを特徴とする請求項1から12のいずれかに記載の環式ポリアリーレンスルフィド混合物の製造方法。
- ポリアリーレンスルフィド混合物がセラミックス粉末を含むことを特徴とする請求項1から13のいずれかに記載の環式ポリアリーレンスルフィド混合物の製造方法。
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