JP2017210559A - カルボキシアルキルアミノ基含有化合物およびオリゴマーを含む組成物の製造方法 - Google Patents

カルボキシアルキルアミノ基含有化合物およびオリゴマーを含む組成物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 ポリアリーレンスルフィド樹脂を製造する際に、該樹脂に内包される、溶融成形時の揮発性成分、すなわち、少なくともカルボキシアルキルアミノ基含有化合物とオリゴマーを含む組成物を効率よく分離する、少なくともカルボキシアルキルアミノ基含有化合物とオリゴマーを含む組成物の製造方法を提供すること。【解決手段】 有機極性溶媒中で、ポリハロ芳香族化合物とスルフィド化剤を反応させて、少なくともポリアリーレンスルフィド樹脂と前記有機極性溶媒とを含む粗反応混合物を得る工程1、工程1で得られた前記粗反応混合物を固液分離し、少なくともポリアリーレンスルフィド樹脂を含む固形分を分離する工程2、工程2で分離して得られた固形分に溶媒洗浄を行う工程3を有するポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法において、前記工程3で、前記固形分に溶媒を加えたスラリーまたはウェットケーキに対し、冷却しながら超音波を照射する。【選択図】 なし

Description

本発明は、カルボキシアルキルアミノ基含有化合物およびオリゴマーを含む組成物の製造方法に関する。
ポリフェニレンスルフィド樹脂に代表されるポリアリーレンスルフィド樹脂(PAS樹脂)は、耐熱性、耐薬品性等に優れ、電気電子部品、自動車部品、給湯機部品、繊維、フィルム用途等に幅広く利用されている。特に、リチウムイオン電池用パッキンやガスケット部材といった用途では、近年、特に高分子量ポリアリーレンスルフィド樹脂が、靭性および成形性に優れることから広く用いられている。
ポリアリーレンスルフィド樹脂は、N−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPと略すことがある)などの非プロトン性の有機極性溶媒中で、スルフィド化剤と、ポリハロ芳香族化合物とを重合反応させる方法(フィリップス法)により得られるが、生成する粗反応生成物には、目的物質のポリアリーレンスルフィド樹脂と反応に用いた有機極性溶媒のほかに、製品にはなりえない繰返し単位15未満の低分子量ポリアリーレンスルフィド樹脂(すなわち、オリゴマー)、塩化ナトリウムなどのアルカリ金属含有無機塩や下記一般式(1)
Figure 2017210559
(式中、nは0〜2であり、Yはハロゲン原子を、Yは水素原子又はハロゲン原子を、Rは水素原子又は炭素原子数1〜3のアルキル基又はシクロヘキシル基を表し、Rは炭素原子数3〜5のアルキレン基を、Xは水素原子又はアルカリ金属原子を表す。)で表されるカルボキシアルキルアミノ基含有化合物などの有機塩といった副生成物、未反応原料等も含まれる。
このため、重合反応後の粗反応生成物は、固液分離装置を用いて脱溶媒処理した後、洗浄用の溶媒を用いて洗浄と濾過が繰り返され、これらオリゴマー、副生成物や未反応原料を除去することが行われている。
例えば、反応後の粗反応混合物にNMPで洗浄し、得られた固形分をさらに水洗浄することで、オリゴマー成分と非オリゴマー成分を除去する方法が知られている(特許文献1参照)。さらに、反応終了後のスラリーにおける有機溶媒中の水分含有量を2質量%より少ない状態で、かつ、特定温度で固液分離し、得られた固形分を特定温度に加温した水分含有量2質量%以下の有機溶媒で洗浄し、母液を除去した後、水洗する方法も知られている(特許文献2参照)。
しかしながら、ポリアリーレンスルフィド樹脂は溶媒に不溶であるため、ポリマー粒子表面に付着した副生成物や未反応原料は、溶剤洗浄で除去可能であっても、樹脂中に内包されたオリゴマー、副生成物や未反応原料の除去が困難であった。このため、ポリアリーレンスルフィド樹脂の溶融混練時に、樹脂中に内包されたオリゴマー、副生成物や未反応原料が揮発性成分として揮発し、特有の硫黄臭気により作業環境を悪化させるだけでなく、溶融混練機のベント(ガス抜き部)の詰まりや、成型金型や成形品表面の汚れの原因となっていた。
また、一方で前記カルボキシアルキルアミノ基含有化合物は線状高分子量PAS樹脂の熱酸化架橋剤として作用するだけでなく、溶融時の増粘を抑えてPAS樹脂の溶融安定性を向上させるとともに、成形固化時の結晶化速度の速い架橋型ポリアリーレンスルフィド樹脂を提供できることも知られている(特許文献3参照)。また、オリゴマーも環状物を含み、これを開環重合することまたはポリアリーレンスルフィド樹脂重合原料の一部として用いることで、ハロゲン量を低減した、ポリアリーレンスルフィド樹脂を製造できることが知られている(特許文献4、5参照)。
このため、前記カルボキシアルキルアミノ基含有化合物とオリゴマーを高純度で製造する方法が求められている。
特開平7−3022号公報 特開平11−80355号公報 特開2003−275773号公報 WO07/034800号公報 WO11/013686号公報
そこで本発明が解決しようとする課題は、有機極性溶媒中で、ポリハロ芳香族化合物と、(i)アルカリ金属硫化物とを、または、(ii)アルカリ金属水硫化物及びアルカリ金属水酸化物とを反応させてポリアリーレンスルフィド樹脂を製造する際に、該ポリアリーレンスルフィド樹脂に内包される、溶融成形時の揮発性成分、すなわち、少なくともカルボキシアルキルアミノ基含有化合物とオリゴマーを含む組成物を効率よく分離する、少なくともカルボキシアルキルアミノ基含有化合物とオリゴマーを含む組成物の製造方法を提供することにある。さらに、当該カルボキシアルキルアミノ基含有化合物とオリゴマーを含む組成物から、高い純度でカルボキシアルキルアミノ基含有化合物又はオリゴマーを製造するカルボキシアルキルアミノ基含有化合物又はオリゴマーの製造方法およびそれらの分離方法を提供することにある。
本願発明者らは種々の検討を行った結果、有機極性溶媒中で、ポリハロ芳香族化合物と、(i)アルカリ金属硫化物とを、または、(ii)アルカリ金属水硫化物及びアルカリ金属水酸化物とを反応させて得られるポリアリーレンスルフィド樹脂を超音波照射により破砕することで、該ポリアリーレンスルフィド樹脂に内包される、溶融成形時の揮発性成分、すなわち、少なくともカルボキシアルキルアミノ基含有化合物とオリゴマーを含む組成物を効率よく分離することが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、 有機極性溶媒中で、ポリハロ芳香族化合物と、(i)アルカリ金属硫化物とを、または、(ii)アルカリ金属水硫化物及びアルカリ金属水酸化物とを反応させて、少なくともポリアリーレンスルフィド樹脂と前記有機極性溶媒とカルボキシアルキルアミノ基含有化合物とオリゴマーを含む粗反応混合物を得る工程(1)、
少なくともポリアリーレンスルフィド樹脂と前記有機極性溶媒とカルボキシアルキルアミノ基含有化合物とオリゴマーを含む粗反応混合物を固液分離して、少なくともポリアリーレンスルフィド樹脂を含む固形分を回収する工程(2)、
工程(2)で得られた固形分に溶媒を加えて洗浄を行う工程(3)を有する、少なくともカルボキシアルキルアミノ基含有化合物を含む組成物の製造方法であって、
前記工程(3)において、前記固形分に溶媒を加えたスラリーまたはウェットケーキに対して、冷却しながら超音波を照射し、固形分中に含まれるポリアリーレンスルフィド樹脂から、残存するカルボキシアルキルアミノ基含有化合物とオリゴマーを回収することを特徴とするカルボキシアルキルアミノ基含有化合物とオリゴマーを含む組成物の製造方法に関する。
また、本発明は、前記工程(2)の固液分離で得られた液相成分を回収した後、当該液相成分から前記有機極性溶媒を除去して固形分を回収する工程(2a)、工程(2a)で回収した固形分に塩基を含む水溶液を加えてから固液分離して、液相成分を回収する工程(2b)、工程(2b)で得られた液相成分を工程(3)で得られたカルボキシアルキルアミノ基含有化合物とオリゴマーを含む組成物に加える工程(2c)を有する、前記記載の製造方法。
に関する。
さらに、本発明は、前記記載の製造方法により製造されたカルボキシアルキルアミノ基含有化合物を含む組成物に酸を含む水溶液を加えて固形分を得た後、得られた固形分を回収する工程(4a)を有するカルボキシアルキルアミノ基含有化合物とオリゴマーを含む組成物の製造方法に関する。
さらに、本発明は、前記記載の製造方法により製造されたカルボキシアルキルアミノ基含有化合物を含む組成物に塩基を含む水溶液を加えた後、固液分離して、液相成分を回収する工程(4b)を有するカルボキシアルキルアミノ基含有化合物の製造方法に関する。
さらに、本発明は、前記記載の製造方法により製造されたカルボキシアルキルアミノ基含有化合物を含む組成物に塩基を含む水溶液を加えた後、固液分離して、固形分を回収する工程(4c)を有するオリゴマーの製造方法に関する。
さらに、本発明は、前記記載の製造方法により製造されたカルボキシアルキルアミノ基含有化合物を含む組成物に塩基を含む水溶液を加えた後、固液分離して、得られた固形分を液相成分と分離する工程(4b、4c)を有する分離方法に関する。
本発明によれば、有機極性溶媒中で、ポリハロ芳香族化合物と、(i)アルカリ金属硫化物とを、または、(ii)アルカリ金属水硫化物及びアルカリ金属水酸化物とを反応させてポリアリーレンスルフィド樹脂を製造する際に、該ポリアリーレンスルフィド樹脂に内包される、溶融成形時の揮発性成分、すなわち、少なくともカルボキシアルキルアミノ基含有化合物とオリゴマーを含む組成物を効率よく分離する、少なくともカルボキシアルキルアミノ基含有化合物とオリゴマーを含む組成物の製造方法を提供することができる。さらに、当該カルボキシアルキルアミノ基含有化合物とオリゴマーを含む組成物から、高い純度でカルボキシアルキルアミノ基含有化合物又はオリゴマーを製造するカルボキシアルキルアミノ基含有化合物又はオリゴマーの製造方法および分離方法を提供することができる。
本発明のポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法は、有機極性溶媒中で、ポリハロ芳香族化合物と、(i)アルカリ金属硫化物とを、または、(ii)アルカリ金属水硫化物及びアルカリ金属水酸化物とを反応させて、少なくともポリアリーレンスルフィド樹脂と前記有機極性溶媒とカルボキシアルキルアミノ基含有化合物とオリゴマーを含む粗反応混合物を得る工程(1)、
少なくともポリアリーレンスルフィド樹脂と前記有機極性溶媒とを含む粗反応混合物を固液分離して、少なくともポリアリーレンスルフィド樹脂を含む固形分を回収する工程(2)、
工程(2)で得られた固形分に溶媒を加えて洗浄を行う工程(3)を有するポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法であって、
前記工程(3)において、前記固形分に溶媒を加えたスラリーまたはウェットケーキに対して、冷却しながら超音波を照射し、固形分中に含まれるポリアリーレンスルフィド樹脂から、残存するカルボキシアルキルアミノ基含有化合物とオリゴマーを回収することを特徴とする。
工程(1)としては、例えば、有機極性溶媒中で、ポリハロ芳香族化合物と、(i)アルカリ金属硫化物とを、または、(ii)アルカリ金属水硫化物及びアルカリ金属水酸化物とを反応させてポリアリーレンスルフィド樹脂を製造する方法、いわゆるフィリップス法であれば、いずれの方法でも良い。
ここで、本発明に用いるポリハロ芳香族化合物としては、例えば、芳香族環に直接結合した2個以上のハロゲン原子を有するハロゲン化芳香族化合物であり、具体的には、p−ジクロルベンゼン、o−ジクロルベンゼン、m−ジクロルベンゼン、トリクロルベンゼン、テトラクロルベンゼン、ジブロムベンゼン、ジヨードベンゼン、トリブロムベンゼン、ジブロムナフタレン、トリヨードベンゼン、ジクロルジフェニルベンゼン、ジブロムジフェニルベンゼン、ジクロルベンゾフェノン、ジブロムベンゾフェノン、ジクロルジフェニルエーテル、ジブロムジフェニルエーテル、ジクロルジフェニルスルフィド、ジブロムジフェニルスルフィド、ジクロルビフェニル、ジブロムビフェニル等のジハロ芳香族化合物及びこれらの混合物が挙げられ、これらの化合物をブロック共重合してもよい。これらの中でも好ましいのはジハロゲン化ベンゼン類であり、特に好ましいのはp−ジクロルベンゼンを80モル%以上含むものである。
また、枝分かれ構造とすることによってポリアリーレンスルフィド樹脂の粘度増大を図る目的で、1分子中に3個以上のハロゲン置換基を有するポリハロ芳香族化合物を分岐剤として所望に応じて用いてもよい。このようなポリハロ芳香族化合物としては、例えば、1,2,4−トリクロルベンゼン、1,3,5−トリクロルベンゼン、1,4,6−トリクロルナフタレン等が挙げられる。
更に、アミノ基、チオール基、ヒドロキシル基等の活性水素を持つ官能基を有するポリハロ芳香族化合物を挙げることが出来、具体的には、2,6−ジクロルアニリン、2,5−ジクロルアニリン、2,4−ジクロルアニリン、2,3−ジクロルアニリン等のジハロアニリン類;2,3,4−トリクロルアニリン、2,3,5−トリクロルアニリン、2,4,6−トリクロルアニリン、3,4,5−トリクロルアニリン等のトリハロアニリン類;2,2’−ジアミノ−4,4’−ジクロルジフェニルエーテル、2,4’−ジアミノ−2’,4−ジクロルジフェニルエーテル等のジハロアミノジフェニルエーテル類およびこれらの混合物においてアミノ基がチオール基やヒドロキシル基に置き換えられた化合物などが例示される。
また、これらの活性水素含有ポリハロ芳香族化合物中の芳香族環を形成する炭素原子に結合した水素原子が他の不活性基、例えばアルキル基などの炭化水素基に置換している活性水素含有ポリハロ芳香族化合物も使用できる。
これらの各種活性水素含有ポリハロ芳香族化合物の中でも、好ましいのは活性水素含有ジハロ芳香族化合物であり、特に好ましいのはジクロルアニリンである。
ニトロ基を有するポリハロ芳香族化合物としては、例えば、2,4−ジニトロクロルベンゼン、2,5−ジクロルニトロベンゼン等のモノまたはジハロニトロベンゼン類;2−ニトロ−4,4’−ジクロルジフェニルエーテル等のジハロニトロジフェニルエーテル類;3,3’−ジニトロ−4,4’−ジクロルジフェニルスルホン等のジハロニトロジフェニルスルホン類;2,5−ジクロル−3−ニトロピリジン、2−クロル−3,5−ジニトロピリジン等のモノまたはジハロニトロピリジン類;あるいは各種ジハロニトロナフタレン類などが挙げられる。
また、本発明に用いるアルカリ金属硫化物としては、硫化リチウム、硫化ナトリウム、硫化ルビジウム、硫化セシウム及びこれらの混合物が含まれる。かかるアルカリ金属硫化物は、水和物あるいは水性混合物あるいは無水物として使用することができる。また、アルカリ金属硫化物はアルカリ金属水硫化物とアルカリ金属水酸化物との反応によっても導くことができる。尚、通常、アルカリ金属硫化物中に微量存在するアルカリ金属水硫化物、チオ硫酸アルカリ金属と反応させるために、少量のアルカリ金属水酸化物を加えても差し支えない。
また、本発明に用いるアルカリ金属水硫化物としては、水硫化リチウム、水硫化ナトリウム、水硫化ルビジウム、水硫化セシウム及びこれらの混合物が含まれる。かかるアルカリ金属水硫化物は、水和物あるいは水性混合物あるいは無水物として使用することができる。
また、本発明に用いるアルカリ金属水酸化物としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム等が挙げられるが、これらはそれぞれ単独で用いても良いし、2種以上を混合して用いても良い。これらの中でも、入手が容易なことから水酸化リチウムと水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムが好ましく、特に水酸化ナトリウムが好ましい。
また、本発明の工程(1)の重合工程で用いる有機極性溶媒としては、ホルムアミド、アセトアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、テトラメチル尿素、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、N−メチル−ε−カプロラクタム、ε−カプロラクタム、ヘキサメチルホスホルアミド、N−ジメチルプロピレン尿素、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン酸などのアミド、尿素及びラクタム類;スルホラン、ジメチルスルホラン等のスルホラン類;ベンゾニトリル等のニトリル類;メチルフェニルケトン等のケトン類及びこれらの混合物を挙げることができ、これらの中でもN−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、N−メチル−ε−カプロラクタム、ε−カプロラクタム、ヘキサメチルホスホルアミド、N−ジメチルプロピレン尿素、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン酸の脂肪族系環状構造を有するアミドが好ましく、N−メチル−2−ピロリドンがさらに好ましい。
重合(1)におけるポリアリーレンスルフィド樹脂の重合反応は、これらの有機極性溶媒の存在下、スルフィド化剤として上記アルカリ金属硫化物と、ポリハロ芳香族化合物とを反応させる。または、ポリアリーレンスルフィド樹脂の重合反応は、これらの非プロトン性極性溶媒の存在下、スルフィド化剤として上記アルカリ金属水硫化物及びアルカリ金属水酸化物と、ポリハロ芳香族化合物とを反応させる。重合条件はフィリップス法で採用される一般な範囲であれば特に限定されないが、温度200〜330℃の範囲が好ましく、圧力は重合溶媒及び重合モノマーであるポリハロ芳香族化合物を実質的に液相に保持するような範囲であるべきであり、一般には0.1〜20MPaの範囲が好ましく、0.1〜2MPaの範囲がより好ましい。各原料の仕込量もフィリップス法で採用される一般的な範囲であれば特に限定されないが、ポリハロ芳香族化合物の仕込量は、前記スルフィド化剤の硫黄原子1モルに対して、0.2モル〜5.0モルの範囲が好ましく、0.8〜1.3モルの範囲がより好ましく、0.9〜1.1モルの範囲が特に好ましい。また、有機極性溶媒の仕込量は、スルフィド化剤の硫黄原子1モルに対して、1.0〜6.0モルの範囲が好ましく、2.5〜4.5モルの範囲がより好ましい。なお、重合反応は少量の水の存在下に行うことが好ましく、その割合は、重合方法や得られるポリマーの分子量や生産性との兼ね合いで適宜調整することが好ましい。具体的には、スルフィド化剤の硫黄原子1モルに対して2.0モル以下、好ましくは1.6モル以下の範囲となるよう脱水操作を行うことが好ましいが、さらにポリハロ芳香族化合物の存在下で脱水操作を行う場合(例えば、下記具体的態様における「5)」の方法)においては0.9モル以下、好ましくは0.05〜0.3モル、より好ましくは0.01〜0.02モル以下の範囲となるよう脱水操作を行うこともできる。
上記した有機極性溶媒の存在下、スルフィド化剤とポリハロ芳香族化合物とを重合させる具体的態様としては、例えば、
1)アルカリ金属カルボン酸塩またはハロゲン化リチウム等の重合助剤を使用する方法、
2)芳香族ポリハロゲン化合物等の架橋剤を使用する方法、
3)少量の水の存在下に重合反応を行い次いで水を追加してさらに重合する方法、
4)アルカリ金属硫化物と芳香族ジハロゲン化合物との反応中に、反応釜の気相部分を冷却して反応釜内の気相の一部を凝縮させ液相に還流させる方法、
5)ポリハロ芳香族化合物の存在下、アルカリ金属硫化物、又は、含水アルカリ金属水硫化物及びアルカリ金属水酸化物と、脂肪族環状構造を有するアミド、尿素またはラクタムとを、脱水させながら反応させて固形のアルカリ金属硫化物を含むスラリーを製造する工程、該スラリーを製造した後、更にNMPなどの極性有機溶媒を加え、水を留去して脱水を行う工程、次いで、脱水工程を経て得られたスラリー中で、ポリハロ芳香族化合物と、アルカリ金属水硫化物と、前記脂肪族環状構造を有するアミド、尿素またはラクタムの加水分解物のアルカリ金属塩とを、NMPなどの有機極性溶媒1モルに対して反応系内に現存する水分量が0.02モル以下で反応させて重合を行う工程を必須の製造工程として有するポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法が挙げられる。
このうち1)〜4)の重合方法でポリアリーレンスルフィド樹脂を製造すると、副生成物の生成がより多くなるため、本発明の方法により好適に低減することができ、好ましい。
フィリップス法によるポリアリーレンスルフィド樹脂の重合終了後は、粗反応混合物としてポリアリーレンスルフィド樹脂と、重合に用いた極性有機溶媒とカルボキシアルキルアミノ基含有化合物とオリゴマーを含む粗反応混合物が得られるが、その他に、例えば、アルカリ金属含有無機塩、カルボキシアルキルアミノ基含有化合物などの有機塩といった副生成物や未反応原料、水が含まれていても良い。
なお、ポリアリーレンスルフィド樹脂の製造時に、ポリアリーレンスルフィド樹脂の製造原料として、例えば、有機極性溶媒がN−メチル−2−ピロリドン、ポリハロ芳香族化合物がp−ジクロロベンゼンである場合には前記カルボキシアルキルアミノ基含有化合物として、下記一般式(2)
Figure 2017210559
(式中、Xはアルカリ金属原子または水素原子を表す。)で表されるものが得られる傾向にある(この化合物を“CP−MABA”と略記する)。
また、粗反応生成物中に水が1質量%を超えて含まれる場合は、脱水操作を行い、重合に用いた極性有機溶媒に対して1質量%以下、好ましくは0.5質量%以下に低減させてもよい。
次に、少なくともポリアリーレンスルフィド樹脂と前記有機極性溶媒とカルボキシアルキルアミノ基含有化合物とオリゴマーを含む粗反応混合物を固液分離して、少なくともポリアリーレンスルフィド樹脂を含む固形分を回収する(工程(2))。
該固液分離には大きく分けて、後述するフラッシュ法とクウェンチ法の2種類がある。
フラッシュ法は、粗反応混合物中の溶媒を蒸発させて溶媒回収し、同時に固形物を回収する方法であり、一般的に、粗反応混合物を高温高圧の状態から常圧もしくは減圧の雰囲気中へフラッシュさせ溶媒を留去及び回収すると同時にポリアリーレンスルフィド樹脂を含む固形物を粉粒状にして回収する方法である。フラッシュ法の好ましい態様としては、重合工程で得られた高温高圧(通常250℃以上、0.8MPa以上)の重合反応物を常圧中の窒素または水蒸気などの雰囲気にノズルから噴出させる方法が挙げられる。フラッシュ法では、高温高圧状態から常圧状態に重合反応物をフラッシュしたときの溶媒の気化熱を利用して効率よく溶媒回収することができるが、フラッシュさせるときの内温が高いほど溶媒回収の効率が向上し生産性も良好となる。そのためフラッシュさせるときの重合系内の温度および圧力を通常250℃以上、好ましくは255〜280℃の温度範囲かつ0.8MPa以上、好ましくは1.0〜5.0MPaの圧力範囲とする。この状態から、減圧下ないし常圧中にフラッシュさせるときの雰囲気温度は通常150〜250℃の範囲であり、粗反応混合物からの溶媒回収が不足する場合は、フラッシュ後に150〜250℃の雰囲気下で加熱を継続しても良い。
一方、クウェンチ法は、粗反応混合物を除冷して粒子状のポリアリーレンスルフィド樹脂を回収する方法であり、一般的に、粗反応混合物を高温高圧の状態から徐々に冷却して反応系内のポリアリーレンスルフィド樹脂を晶析させた後に、濾別等により固液分離することでポリアリーレンスルフィド樹脂を含む固形分を顆粒として回収する方法である。
冷却時間には特に制限は無いが、通常0.1℃/分〜3℃/分が好ましい範囲である。また、徐冷工程の全行程において同一速度で徐冷する必要もなく、ポリアリーレンスルフィド樹脂の顆粒状物が晶析するまでは0.1℃/分〜1℃/分の範囲とし、その後は1℃/分以上の速度で冷却する方法なども好ましい。最終的には70℃以上、好ましくは100℃以上かつ、200℃以下まで冷却し、その後、固液分離することでポリアリーレンスルフィ樹脂を含む固形分を回収することが好ましい。クウェンチ法における固液分離は、濾過やスクリューデカンター等の遠心分離機を用いて分離した後、得られた濾過残渣に直接水を加えスラリー化したのち、固液分離を繰り返し行う方法や、得られた濾過残渣を非酸化性雰囲気下で加熱して、残存する溶媒を除去する方法などが挙げられる。
フラッシュ法は、固形物を比較的簡便に回収することができる点で好ましく、クウェンチ法は、ポリアリーレンスルフィド樹脂の粒度を制御しやすい点や晶析時にポリマー粒子中に前記副生成物や未反応原料等の不純物を取り込みにくくできる点で好ましい。
続いて、工程(2)で得られた固形分に溶媒を加えて洗浄を行う(工程(3))。
工程(2)を経て得られた固形分中には、主としてポリアリーレンスルフィド樹脂を含む他、前記副生成物や未反応原料等の不純物が、主に当該ポリアリーレンスルフィド樹脂中に内包されて残存することとなる。内包されて残存する成分(以下、残留物ということがある)としては、例えばカルボキシアルキルアミノ基含有化合物やオリゴマーが挙げられ、その他にアルカリ金属含有無機塩などの有機塩といった副生成物や未反応原料などが含まれていても良い。
このため、工程(2)で得られた固形分を、洗浄用の溶媒(以下、洗浄用溶媒という)と接触させて洗浄し、その後、ポリアリーレンスルフィド樹脂を含む固形物と洗浄用溶媒を濾別等の固液分離することによって、少なくともカルボキシアルキルアミノ基含有化合物とオリゴマーを、液相成分として分離する工程を行う。この際、液相成分としてカルボキシアルキルアミノ基含有化合物とオリゴマーの他にアルカリ金属含有無機塩などの有機塩といった副生成物や未反応原料が分離されていても良い。
工程(3)において、固液分離は、例えば、工程(2)で分離して得られた固形分に溶媒を加えて撹拌した後にろ過装置を用いてろ過する方法、前記したろ過によって得られた溶媒を含むろ過残渣(以下「含溶媒ケーキ」と略記する。)に再度溶媒を加えてスラリーとした後にろ過する方法、または前記含溶媒ケーキがろ過器に保持された状態で再度溶媒を加えろ過する方法等が挙げられる。
工程(3)で用いる洗浄用溶媒は、工程(1)の重合時に用いた有機極性溶媒と混和することが好ましく、有機極性溶媒の特性に応じて選択されるが、ポリアリーレンスルフィド樹脂の分解や架橋など好ましくない副反応を実質的に引き起こさないものが好ましく、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、フェノール、クレゾール、ポリエチレングリコールなどのアルコール・フェノール系溶媒、クロロホルム、ブロモホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、クロロベンゼン、2,6−ジクロロトルエン等のハロゲン系溶媒、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、シクロペンタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルブチルケトン、アセトフェノン等のケトン系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ペンチル、酢酸オクチル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸ペンチル、サリチル酸メチル、蟻酸エチル、等のカルボン酸エステル系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジイソプロピルエーテル等のエーテル系溶媒および水が例示でき、なかでもメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、クロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、シクロペンタン、アセトン、酢酸メチル、酢酸エチル、水が好ましく、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、クロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、アセトン、酢酸エチル、水が特に好ましく、メタノール、アセトン、水がよりいっそう好ましく、水が特に好ましい。これらの溶媒は1種類または2種類以上の混合物として使用することができる。
固形分と洗浄用溶媒を接触させる際の雰囲気に特に制限はないが、接触させる際の温度や時間などの条件によってポリアリーレンスルフィド樹脂や洗浄用溶媒が酸化劣化するような場合には、非酸化性雰囲気下で行うことが望ましい。固形分を洗浄用溶媒と接触させる温度に特に制限はないが、大気圧下でおこなうことが好適であるので、上限温度は使用する溶剤の大気圧下での環流温度以下にすることが望ましく、前述した好ましい溶剤を用いる場合はたとえば20〜150℃、好ましくは30〜100℃を具体的な温度範囲として例示できる。
固形分を洗浄用溶媒と接触させる方法は、公知の一般的な手法を用いれば良く特に限定はないが、たとえば固形分と該溶剤を混合し、必要に応じて攪拌した後に前述した固液分離操作を行うことで固形分を回収する方法、各種フィルター上の固形分に該溶剤をシャワーする方法、ソックスレー抽出法原理による方法などいかなる方法も用いることができる。固形分と洗浄用溶媒を接触させる際の洗浄用溶媒の使用量に特に制限はないが、たとえばポリアリーレンスルフィド樹脂の理論収量に対して質量基準で0.1〜100倍の範囲が好ましい。この様な比率の範囲の場合、固形分と洗浄用溶媒を均一に混合し易く、効率よく有機極性溶媒を固形分から分離することが可能となる。なお、固形分と洗浄用溶媒の接触を繰り返し行う場合は、より小さい比率でも良く、十分な効果を得られる場合が多い。
以下に、洗浄用溶媒として水を用いた洗浄の態様について詳述する。
溶媒として水を用いて洗浄する場合(以下、「水洗浄」という)、固形分に加える水の量は最終的に得られるポリアリーレンスルフィド樹脂の理論収量に対して質量基準で2倍〜10倍の範囲にあることが洗浄効率の点から好ましく、上記の量の水を2〜10回、好ましくは2〜4回に分割して水洗浄に供することが好ましい。前記水洗浄は、窒素ないし空気雰囲気下、溶媒温度50℃〜100℃の範囲、洗浄効率が良好となる点から、なかでも70℃〜90℃の範囲で行うことが好ましい。前記水洗浄は、一回または複数回繰り返し行うことができる。複数回繰り返し水洗浄する場合、前記雰囲気・温度条件は同一でも異なっていても良い。
水洗浄を行った場合、多くの微量のアルカリ金属含有無機塩やカルボキシアルキルアミノ基含有化合物などの有機塩は洗浄により除去されるが、濾別されたポリアリーレンスルフィド樹脂に、微量のアルカリ金属含有無機塩やカルボキシアルキルアミノ基含有化合物などの有機塩が残留している場合がある。この場合、さらに100〜275℃の範囲の水と接触させた後に固液分離し(以下、「熱水洗浄」ということがある)、残留していたアルカリ金属含有無機塩およびカルボキシアルキルアミノ基含有化合物などの有機塩を含む水を抽出、濾別してポリアリーレンスルフィド樹脂を含む固形分を得ることができる。
熱水洗浄の温度は、例えば、120〜275℃の範囲であることが、アルカリ金属含有無機塩やカルボキシアルキルアミノ基含有化合物等の有機塩の抽出効率が良好となる点から好ましい。更に具体的には、反応器内の気相の圧力を0.2〜4.6MPaなる条件下、140〜260℃の熱水で抽出処理を行うことが好ましい。このような熱水処理によりポリアリーレンスルフィド樹脂中に包含されて残留していたアルカリ金属含有無機塩や前記カルボキシアルキルアミノ基含有化合物、オリゴマーをより効率よく水中に抽出することができ、続いてアルカリ金属含有無機塩およびカルボキシアルキルアミノ基含有化合物などの有機塩やオリゴマーを含む水溶液を濾別することで除去し、ポリアリーレンスルフィド樹脂を含む固形分を得ることができる。
このような熱水洗浄を行う具体的方法は、前記の水洗浄後に濾別されたポリアリーレンスルフィド樹脂を圧力容器中において所定の圧力条件及び温度条件下に水で攪拌下に洗浄する方法が挙げられる。熱水洗浄時の水量はポリアリーレンスルフィドの質量に対して1.5倍〜10倍であることが、前記カルボキシアルキルアミノ基含有化合物の抽出効率が良好となる点から好ましく、この量の熱水を2回以上に分けて熱水洗浄を行ってもよい。例えば、熱水洗を2回繰り返す場合、1回目の熱水洗と2回目の熱水洗の間にはろ過を行い、1回目の熱水洗浄で抽出したカルボキシアルキルアミノ基含有化合物を除去することが好ましい。また、熱水洗を一回実施した後に濾過を行い、前記した水洗浄を実施しても良い。この操作によってもカルボキシアルキルアミノ基含有化合物の除去がより促進される。また1回目の熱水洗浄工程と2回目の熱水洗浄工程の条件は前記の条件より任意に選ぶことができるものの、1回目の熱水洗浄工程の温度は例えば120℃〜200℃の範囲にある温度に設定して、まず高アルカリ性の濾液を濾別して除去した後に、2回目の熱水洗浄工程の温度を1回目の熱水洗浄工程の温度より高い温度、例えば150℃〜275℃の範囲にある温度に設定して実施することが前記熱水洗浄で用いられる装置の耐薬品性の観点から好ましい。
なお、熱水洗浄に際して、熱水洗浄前、熱水洗浄時あるいは熱水洗浄後に酸や塩基を添加してpH調整をすることができ、特にカルボキシアルキルアミノ基含有化合物において式中Xがアルカリ金属原子となり水に抽出され易くなることから、熱水洗後のpHが11.0以上13.0未満の範囲になるように制御することが好ましい。その際に用いる酸としては、例えば、塩酸、硫酸、炭酸、酢酸、シュウ酸等が挙げられ、これらの中でも炭酸、酢酸、シュウ酸が好ましい。また、常圧または加圧下で炭酸ガスを導入し接触させても良い。一方、塩基としては水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、または炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、リン酸ナトリウム等が挙げられ、これらの中でも水酸化ナトリウムが好ましい。
水洗浄ないし熱水洗浄は、撹拌機を有する水洗槽や、固液分離するための遠心分離機を用いることも可能であるが、容器内部に撹拌翼を有し、且つ、底部に濾過用フィルターが配設された混合機能を有す容器内で行うことができる。また、100℃を超える熱水洗浄でも、撹拌機を有する水洗槽や、固液分離するための遠心分離機を用いることも可能であるが、容器内部に撹拌翼を有し、且つ、底部に濾過用フィルターが配設された密閉型あるいは密閉可能な混合機能を有す容器内で行うことができる。本発明において、水洗浄ないし熱水洗浄は連続的に行っても良いし、バッチ式に行ってもいずれでも良い。
工程(3)において、超音波照射は、溶剤洗浄の際、固形分に溶媒を加えたスラリー、またはスラリーを濾過等により固液分離して液相成分を低減した後のウェットケーキに対して冷却しながら行う。これにより、固形分に含まれるポリアリーレンスルフィド樹脂を、より粒径の小さな顆粒状ないし粒子状に破砕することができ、ポリアリーレンスルフィド樹脂中の残留物を抽出し、かつ、効率よく洗浄用溶剤と接触することが可能となる。従って、超音波照射後の前記固形分に対して、少なくとも1回の溶媒洗浄を行い、該残留物を除去することが好ましい。
超音波照射を行う場合、照射エネルギーは、前記固形分に含まれるポリアリーレンスルフィド樹脂からなる顆粒ないし粒子を粉砕可能なエネルギーであれば特に限定されないが、1.0×10〜1.0×1010〔W/m〕であることが好ましく、さらに1.0×10〜1.0×10〔W/m〕の範囲であることがより好ましい。超音波照射を行う場合、周波数は同一のままでも、または異なる周波数を順次照射してもよく、その場合は、低い周波数から高い周波数へと周波数を上げたり、逆に、高い周波数から低い周波数へと周波数を下げたり、またはそれらを交互に行ったりすることができる。超音波照射は1回または複数回に分けて行ってもよい、複数回行う場合、その回数は、分散が完了するまで何回行ってもよいが、2〜100回が好ましく、2〜10回がより好ましい。超音波洗浄を複数回行う場合、一回の超音波照射に対し、その後、少なくとも1回の溶媒洗浄を行い、これをワンセットとして複数回行うことが好ましい。
超音波照射装置として、超音波を発生し、かつ照射可能な装置であれば、公知のものを特に制限なく用いることができ、例えば、超音波ホモジナイザー、超音波洗浄機、超音波分散装置、超音波反応装置、超音波発生装置などを用いることができる。より具体的には、ヒールッシャー有限会社製「UPシリーズ」、「UIPシリーズ」、新科産業有限会社製超音波反応装置SRシリーズなどが挙げられる。
前記超音波を照射するスラリーまたはウェットケーキ中の溶媒量は、超音波が効率よく照射できれば特に限定されないものの、固形分に対して質量単位で3〜10倍の範囲であることが好ましく、さらに4〜6倍の範囲であることがより好ましい。当該範囲であれば超音波がスラリーまたはウェットケーキ中を伝わりやすくなり、これにより照射エネルギーおよび照射量を低減できるため、生産性向上の観点から好ましい。前記超音波を照射するスラリーまたはウェットケーキの温度は、溶媒が凝固または蒸発することなく流動性を保てる温度であれば特に限定されるものではないが、公知の方法でスラリーまたはウェットケーキの温度を高くしたり、低くしたり調整を行いながら、通常1〜60℃の範囲で行うことが好ましく、10〜55℃の範囲で行うことがより好ましく、室温で行うことがさらに好ましい。温度を高く調整する場合は、加熱した溶媒を用いても、または、スラリーまたはウェットケーキを含む容器をオイルバスやウォーターバスや、マイクロ波照射などを用いて加熱してもよい。一方、温度を低く調整する場合は、スラリーまたはウェットケーキを含む容器を冷却水や氷、冷媒を含む冷却装置などの公知の方法で冷却しながら行えば良い。
超音波照射前、超音波照射中あるいは超音波照射後に、公知の方法で撹拌・分散等を行い、ポリアリーレンスルフィド樹脂の顆粒ないし粒子の凝集を防止してもよい。
上記超音波照射により、固形分に含まれるポリアリーレンスルフィド樹脂を、より粒径の小さな顆粒状ないし粒子状に破砕することができ、好ましくは1〜150(μm)の範囲、より好ましくは5〜100(μm)の範囲、さらに好ましくは10〜50(μm)の範囲、最も好ましくは20〜40(μm)のメディアン径(d50)を有するものとすることができる。
また、本発明は、工程(2)の固液分離で得られた液相成分を、工程(3)で得られたカルボキシアルキルアミノ基含有化合物とオリゴマーを含む組成物に加えることができ、これにより、ポリアリーレンスルフィド樹脂の製造に際して生成したカルボキシアルキルアミノ基含有化合物またはオリゴマーを、より収率よく回収できることができるため好ましい。この場合、工程(2)の固液分離で得られた液相成分は以下の操作を施すことが好ましい。すなわち、工程(2)の固液分離で得られた液相成分を回収した後、当該液相成分から前記有機極性を除去して固形分を回収する工程(2a)、工程(2a)で回収した固形分に塩基を含む水溶液を加えてから固液分離して、固形分と液相成分とをそれぞれ回収する(工程(2b))ことが好ましい。回収した液相成分は、工程(3)で得られたカルボキシアルキルアミノ基含有化合物とオリゴマーを含む組成物に加え(工程(2c))、後述する工程(4a)または工程(4b)を一括して処理することが生産性の観点から好ましい。
工程(2a)および工程(2b)を経ることにより、液相成分として、末端アルカリ金属塩型のカルボキシアルキルアミノ基含有化合物を製造することができる。前記末端アルカリ金属塩型のカルボキシアルキルアミノ基含有化合物は、当該化合物が、特に、一般式(1)または(2)で表されるものである場合には、Xがアルカリ金属原子のものに該当する。
工程(2a)において液相成分から有機極性を除去する方法としては、たとえば溶媒を蒸発させて溶媒回収し、同時に固形分も回収する、いわゆるフラッシュ法や、膜を利用した溶剤の除去や、エバポレーターを用いた減圧除去を例示できる。
工程(2b)で用いる塩基としては、工程(1)のポリアリーレンスルフィド樹脂の重合工程で用いるものと同様のアルカリ金属水酸化物またはアルカリ金属硫化物を用いて調製することができる。塩基を含む水溶液中の塩基、すなわち、アルカリ金属水酸化物またはアルカリ金属硫化物の濃度は、カルボキシアルキルアミノ基含有化合物に対して同モル以上となるよう調整すれば特に問題ないが、具体的には0.2〜49質量%であることが好ましく、1.0〜10.0質量%の範囲であることがより好ましい。塩基を含む水溶液の添加は0〜60℃の範囲、より好ましくは10〜40℃の範囲で、圧力0〜1.0Paの範囲で行うことができる。
工程(2b)で固液分離させた、少なくともカルボキシアルキルアミノ基含有化合物を含む液相成分と、固形分との分離およびそれぞれの成分の回収は、公知の手段により行うことができる。このような方法としては、静置した後、デカンテーション等の分離回収手段を採用することも可能であるが、特に回収効率を上げるため、工業的にはミキサー・セトラー式分離抽出装置などを用いて行うことが好ましい。
さらに、本発明は、上記の方法により製造されたカルボキシアルキルアミノ基含有化合物とオリゴマーを含む組成物に、酸を含む水溶液を加えて固形分を得た後、得られた固形分を液相成分と分離することで、回収する工程(工程(4a))を有していても良い。
工程(4a)を経ることにより、末端酸性型のカルボキシアルキルアミノ基含有化合物とオリゴマーを含む組成物を製造することができる。前記末端酸性型のカルボキシアルキルアミノ基含有化合物は、当該化合物が、特に、一般式(1)または(2)で表されるものである場合には、Xが水素原子のものに該当する。
工程(4a)で用いる酸としては、塩酸、硫酸、炭酸、酢酸などが挙げられ、これらの中でも塩酸が好ましい。分離する際に分離効率がさらに向上するため、該pH範囲はpH6.0以下であることが好ましく、さらに2.5〜5.5の範囲がより好ましく、3.5〜4.5の範囲とすることがさらに好ましい。また、酸の添加は0〜60℃の範囲、より好ましくは10〜40℃の範囲で、圧力0〜1.0Paの範囲で行うことができる。
工程(4a)で得られた固形分は、例えば、非水溶性溶媒で抽出することでさらに精製することができる。該非水溶性溶媒としては、水と混合した後、相分離する有機溶媒であれば特に限定されるものではないが、n−ヘキサン、n−ヘプタンなどの長鎖脂肪族炭化水素や、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの脂環式炭化水素や、ベンゼン、トルエンおよびキシレン等の芳香族炭化水素や、クロロホルム、クロロベンゼンおよびジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素などを挙げることができる。
工程(4a)において非水溶性溶媒を用いて精製する場合、その添加量は特に限定されるものではない。具体的には、非水溶性溶媒中のカルボキシアルキルアミノ基含有化合物の種類や濃度、溶媒の種類等によって異なるものの、前記固形分100質量部に対して、例えば、1〜200質量部の範囲、好ましくは5〜50質量部の範囲である。
工程(4a)で、非水溶性溶媒を用いて抽出させたカルボキシアルキルアミノ基含有化合物とオリゴマーはエバポレーターを用いた減圧除去など、公知の手段によりそれぞれを分離し、回収すればよい。
一方、本発明は、上記の方法により製造されたカルボキシアルキルアミノ基含有化合物とオリゴマーを含む組成物に、塩基を含む水溶液を加えた後、固液分離して、得られた液相成分と固形分とをそれぞれ回収することもできる(それぞれ工程(4b)、工程(4c))。
工程(4b)を経ることにより、液相成分として、末端アルカリ金属塩型のカルボキシアルキルアミノ基含有化合物を製造することができる。前記末端アルカリ金属塩型のカルボキシアルキルアミノ基含有化合物は、当該化合物が、特に、一般式(1)または(2)で表されるものである場合には、Xがアルカリ金属原子のものに該当する。
ここで、工程(4b)で用いる塩基としては、工程(1)のポリアリーレンスルフィド樹脂の重合工程で用いるものと同様のアルカリ金属水酸化物またはアルカリ金属硫化物を用いて調製することができる。塩基を含む水溶液中の塩基、すなわち、アルカリ金属水酸化物またはアルカリ金属硫化物の濃度は、カルボキシアルキルアミノ基含有化合物に対して同モル以上となるよう調整すれば特に問題ないが、具体的には0.2〜49質量%であることが好ましく、1.0〜10.0質量%の範囲であることがより好ましい。塩基を含む水溶液の添加は0〜60℃の範囲、より好ましくは10〜40℃の範囲で、圧力0〜1.0Paの範囲で行うことができる。
工程(4b)で固液分離させた、少なくともカルボキシアルキルアミノ基含有化合物を含む液相成分と、固形分との分離およびそれぞれの成分の回収は、公知の手段により行うことができる。このような方法としては、静置した後、デカンテーション等の分離回収手段を採用することも可能であるが、特に回収効率を上げるため、工業的にはミキサー・セトラー式分離抽出装置などを用いて行うことが好ましい。
工程(4b)で、液相成分として抽出されたカルボキシアルキルアミノ基含有化合物はエバポレーターを用いた減圧除去など、公知の手段によりそれぞれを分離し、回収すればよい。
工程(4c)で、固形分として得られたオリゴマーは、前記工程(4a)と同様に、例えば、非水溶性溶媒で抽出することでさらに精製することができる。
本発明により得られたカルボキシアルキルアミノ基含有化合物またはそれを含む組成物やオリゴマーまたはそれを含む組成物は、ポリアリーレンスルフィド樹脂の重合原料として用いても、また、ポリアリーレンスルフィド樹脂と混合して用いることもできる。重合原料として用いる場合は、前記工程(1)において、非プロトン性極性溶媒と、ポリハロ芳香族化合物と、(i)アルカリ金属硫化物とを、または、(ii)アルカリ金属水硫化物及びアルカリ金属水酸化物と伴に、原料成分として本発明で得られたオリゴマーまたは当該オリゴマーをさらに公知の方法で環状オリゴマーに精製した上で加えて、必要に応じてPd、Niまたは鉄を含む化合物の存在下で重合反応させることで、ポリアリーレンスルフィド樹脂を製造することが好ましい。また、ポリアリーレンスルフィド樹脂と混合して用いる場合は、本発明で得られたカルボキシアルキルアミノ基含有化合物またはそれを含む組成物を、線状PAS樹脂と溶融混練することで、溶融安定性に優れつつ、成形固化時の結晶化速度の速い架橋型ポリアリーレンスルフィド樹脂を製造することが好ましい。
本発明により得られたカルボキシアルキルアミノ基含有化合物またはそれを含む組成物をポリアリーレンスルフィド樹脂に溶融混練した得られた架橋型ポリアリーレンスルフィド樹脂や本発明により得られたオリゴマー若しくはそれを公知の方法で精製した環状オリゴマーまたはそれらを含む組成物を重合原料として得られたポリアリーレンスルフィド樹脂は、更に強度、耐熱性、寸法安定性等の性能を更に改善するために、各種充填材と組み合わせたポリアリーレンスルフィド樹脂組成物として使用することが出来る。充填材としては、特に制限されるものではないが、例えば、繊維状充填材、無機充填材等が挙げられる。繊維状充填材としては、ガラス繊維、炭素繊維、シランガラス繊維、セラミック繊維、アラミド繊維、金属繊維、チタン酸カリウム、炭化珪素、硫酸カルシウム、珪酸カルシウム等の繊維、ウォラストナイト等の天然繊維等が使用出来る。また無機充填材としては、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、クレー、バイロフェライト、ベントナイト、セリサイト、ゼオライト、マイカ、雲母、タルク、アタルパルジャイト、フェライト、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ガラスビーズ等が使用出来る。また、成形加工の際に添加剤として離型剤、着色剤、耐熱安定剤、紫外線安定剤、発泡剤、防錆剤、難燃剤、滑剤等の各種添加剤を含有せしめることができる。
更に、本発明により得られたカルボキシアルキルアミノ基含有化合物またはそれを含む組成物をポリアリーレンスルフィド樹脂に溶融混練した得られた架橋型ポリアリーレンスルフィド樹脂や本発明により得られたオリゴマー若しくはそれを公知の方法で精製した環状オリゴマーまたはそれらを含む組成物を重合原料として得られたポリアリーレンスルフィド樹脂は、用途に応じて、適宜、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリアリーレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ四弗化エチレン、ポリ二弗化エチレン、ポリスチレン、ABS樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、液晶ポリマー等の合成樹脂、或いは、ポリオレフィン系ゴム、弗素ゴム、シリコーンゴム等のエラストマーといった樹脂を配合してポリアリーレンスルフィド樹脂組成物として使用してもよい。
本発明により得られたカルボキシアルキルアミノ基含有化合物またはそれを含む組成物をポリアリーレンスルフィド樹脂に溶融混練した得られた架橋型ポリアリーレンスルフィド樹脂や本発明により得られたオリゴマー若しくはそれを公知の方法で精製した環状オリゴマーまたはそれらを含む組成物を重合原料として得られたポリアリーレンスルフィド樹脂およびその組成物は、射出成形、押出成形、圧縮成形、ブロー成形の如き公知の各種溶融成形により、耐熱性、成形加工性、寸法安定性等に優れた成形物に加工することができる。
本発明により得られたカルボキシアルキルアミノ基含有化合物またはそれを含む組成物をポリアリーレンスルフィド樹脂に溶融混練した得られた架橋型ポリアリーレンスルフィド樹脂や本発明により得られたオリゴマー若しくはそれを公知の方法で精製した環状オリゴマーまたはそれらを含む組成物を重合原料として得られたポリアリーレンスルフィド樹脂を成形してなる成形品は、例えば、コネクタ、プリント基板及び封止成形品等の電気・電子部品、ランプリフレクター及び各種電装品部品などの自動車部品、各種建築物、航空機及び自動車などの内装用材料、あるいはOA機器部品、カメラ部品及び時計部品などの精密部品等の射出成形若しくは圧縮成形、若しくはコンポジット、シート、パイプなどの押出成形、又は引抜成形などの各種成形加工用の材料として、或いは繊維若しくはフィルム用の材料として幅広く有用である。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。これら例は例示的なものであって限定的なものではない。
[実施例1]
(工程1)
圧力計、温度計、コンデンサー、デカンター、精留塔を連結した撹拌翼付き150リットルオートクレーブにp−ジクロロベンゼン(以下、「p−DCB」と略記する。)33.222kg(226モル)、NMP2.280kg(23モル)、47.23質量%NaSH水溶液27.300kg(NaSHとして230モル)、及び49.21質量%NaOH水溶液18.533g(NaOHとして228モル)を仕込み、撹拌しながら窒素雰囲気下で173℃まで5時間掛けて昇温して、水27.300kgを留出させた後、オートクレーブを密閉した。脱水時に共沸により留出したp−DCBはデカンターで分離して、随時オートクレーブ内に戻した。脱水終了後のオートクレーブ内は微粒子状の無水硫化ナトリウム組成物がp−DCB中に分散した状態であった。この組成物中のNMP含有量は0.069kg(0.7モル)であったことから、仕込んだNMPの97モル%(22.3モル)がNMPの開環体(4−(メチルアミノ)酪酸)のナトリウム塩(以下、「SMAB」と略記する。)に加水分解されていることが示された。オートクレーブ内のSMAB量は、オートクレーブ中に存在する硫黄原子1モル当たり0.097モルであった。仕込んだNaSHとNaOHが全量、無水Na2Sに変わる場合の理論脱水量は27.921gであることから、オートクレーブ内の残水量621g(34.5モル)の内、401g(22.3モル)はNMPとNaOHとの加水分解反応に消費されて、水としてオートクレーブ内に存在せず、残りの220g(12.2モル)は水、あるいは結晶水の形でオートクレーブ内に残留していることを示していた。オートクレーブ内の水分量はオートクレーブ中に存在する硫黄原子1モル当たり0.053モルであった。
上記脱水工程終了後に、内温を160℃に冷却し、NMP47.492kg(479モル)を仕込み、185℃まで昇温した。オートクレーブ内の水分量は、工程2で仕込んだNMP1モル当たり0.025モルであった。ゲージ圧が0.00MPaに到達した時点で、精留塔を連結したバルブを開放し、内温200℃まで1時間掛けて昇温した。この際、精留塔出口温度が110℃以下になる様に冷却とバルブ開度で制御した。留出したp−DCBと水の混合蒸気はコンデンサーで凝縮し、デカンターで分離して、p−DCBはオートクレーブへ戻した。留出水量は179g(9.9モル)で、オートクレーブ内水分量は41g(2.3モル)で、脱水後に仕込んだNMP1モル当たり0.005モルで、オートクレーブ中に存在する硫黄原子1モル当たり0.010モルであった。オートクレーブ内のSMAB量は脱水時と同じく、オートクレーブ中に存在する硫黄原子1モル当たり0.097モルであった。次いで、内温200℃から230℃まで3時間掛けて昇温し、230℃で3時間撹拌した後、250℃まで昇温し、1時間撹拌し、粗反応混合物を得た。内温200℃時点のゲージ圧は0.03MPaで、最終ゲージ圧は0.30MPaであった。
(工程2)
100℃まで徐冷した後、底弁を開き、反応スラリーを平板ろ過機に移送し120℃で加圧ろ過した。得られたウェットケーキにさらにNMP48.0kgを加え、再度加圧ろ過しケーキ洗浄した。得られたウェットケーキを脱溶媒機に移送して、脱溶媒して固形分(1)を得た。
(工程3)
脱溶媒後の固形分(1)200gに対しイオン交換水を加えて撹拌し、総量が300gとなるよう調整した。続いて、超音波分散機(Hielscher製「UP400S」、0.5Cycle 振幅45%)にて15分間超音波照射を実施した。照射エネルギーは50〔W/m〕であった。なお、超音波照射中は、スラリーを含む容器を充分な量の氷で冷却し、沸騰を抑えながら行った。
次に、超音波照射したスラリーをろ過した後、70℃の温水240gでウェットケーキを洗浄した。ウェットケーキにイオン交換水を加え300gとなるようにスラリー調整した。
その後、調整したスラリーをオートクレーブに仕込み、195℃にて30分間熱水洗を実施した。さらに、熱水洗したスラリーをろ過し、70℃の温水240gにてウェットケーキを洗浄した。工程3で洗浄に用いた溶媒は、ろ液成分(1)として全て回収した。
(工程4a)
ろ液成分(1)に塩酸を加え、pH4に調整して、水溶液中に褐色オイル状物質を析出させた。得られた褐色オイル状物質をクロロホルムにより抽出した後、該クロロホルムを減圧除去することによって、固形分6.8gを得た。得られた固形分をHPLCを用いて同定し、CP−MABA(水素型)であることを確認した。なお、確認のために用いたCP−MABA(水素型)は以下の方法で調製した。
[比較例1]
超音波照射を実施しなかったこと以外は実施例1と同様にして固形分1.8gを得た。得られた固形分をHPLCを用いて同定し、CP−MABA(水素型)であることを確認した。
[実施例2]
実施例1(工程1)〜(工程3)と同様にしてろ液成分(1)を得た。
(工程4b、4c)
ろ液成分(1)に48%NaOH水溶液を加え、pH10.6に調整し、オートクレーブ中で150℃10分間撹拌を行った後、ろ過を行い、固液分離した。得られた水溶液を減圧下で脱水することによって、固形分7.1gを得た。得られた固形分をHPLCを用いて同定し、CP−MABA(ナトリウム型)であることを確認した。なお、確認のために用いたCP−MABA(ナトリウム型)は以下の方法で調製した。
一方、固液分離した際に得られた固形分は、クロロホルムを加えた後、該クロロホルムを減圧除去することによって、固形分14.7gを得た。固形分を赤外分光分析により吸収スペクトルを測定し、ポリフェニレンスルフィドであることを確認した。続いて、当該固形分を高速液体クロマトグラフィーより成分分割した成分のマススペクトル分析、更にMALDI−TOF−MSによる分子量情報より、繰り返し単位数7〜12の環状PPSを主要成分とする混合物で、環状PPSの質量分率は90%、10%は直鎖状PPSオリゴマーとm=13以上の環状PPSであることを確認した。
[比較例2]
超音波照射を実施しなかったこと以外は実施例2と同様にして固形分1.8gを得た。得られた固形分をHPLCを用いて同定し、CP−MABA(ナトリウム型)であることを確認した。
[実施例3]
実施例1(工程1)〜(工程3)と同様にしてろ液成分(1)を得た。なお、工程2において、洗浄に用いた溶媒は、ろ液成分(2)として回収した。
(工程2a)
ろ液成分(2)のうち、300gをロータリーエバポレータ(ヤマト科学株式会社製「R−210」)を用いて、減圧下150℃でNMPを蒸留により除去し、茶色の固形状残渣を得た。得られた残渣にイオン交換水を加え、オートクレーブ中で150℃10分間撹拌を行った後、室温まで冷却した。その後、ろ液成分(1)と混合、撹拌し、ろ液成分(3)を調整した。
(工程4a)
得られたろ液成分(3)に塩酸を加え、pH4に調整して、水溶液中に褐色オイル状物質を析出させた。得られた褐色オイル状物質をクロロホルムにより抽出した後、該クロロホルムを減圧除去することによって、固形分6.60gを得た。得られた固形分をHPLCを用いて同定し、CP−MABA(水素型)であることを確認した。
[比較例3]
超音波照射を実施しなかったこと以外は実施例3と同様にして固形分2.18gを得た。得られた固形分をHPLCを用いて同定し、CP−MABA(水素型)であることを確認した。
〔CP−MABAの測定方法〕
洗浄に用いたろ液成分はすべて回収し、以下の方法で測定した。
水溶液中のCP−MABA濃度は、調整した測定サンプルのHPLC測定を行い、下記の方法で作製した標準サンプルと同じ保持時間のピーク面積と検量線とから液中の濃度を求め、算出した。
(サンプル調製)
水溶液中のCP−MABAは、そのまま移動相を加えて調製した。
(標準サンプル:CP−MABAの合成)
48%NaOH水溶液83.4g(1.0モル)とN‐メチル‐2‐ピロリドン297.4g(3.0モル)を、撹拌機付き耐圧容器に仕込み、230℃で3時間撹拌した。この撹拌が終了した後、温度230℃のままバルブを開き、放圧し、N‐メチル‐2‐ピロリドンの蒸気圧程度である230℃において0.1MPaまで圧力を低下させ、水を留去した。その後、再び密閉し200℃程度まで温度を低下させた。
p−ジクロロベンゼン147.0g(1.0モル)を60℃以上の温度条件下で加熱溶解して反応混合物中に投入し、250℃まで昇温後4時間撹拌した。この撹拌が終了した後、室温まで冷却した。p−ジクロロベンゼンの反応率は31モル%であった。冷却後、内容物を取り出し、水を加えて撹拌後、未反応のp−ジクロロベンゼンが不溶物となって残ったものをろ過によって取り除いた。
次いで、ろ液である水溶液に塩酸を加えて該水溶液のpHを4に調整した。このとき水溶液中に褐色オイル状のCP−MABA(水素型)が生じた。そこにクロロホルムを加えて褐色オイル状物質を抽出した。このときの水相には、N−メチル−2−ピロリドン及びその開環物である4−メチルアミノ酪酸(以下「MABA」と略記する。)が含まれるため水相は廃棄した。クロロホルム相は水洗を2回繰り返した。
クロロホルム相に水を加えてスラリー化した状態で48%NaOH水溶液を加え、該スラリーのpHを13に調整した。このときCP−MABAはナトリウム塩となって水相に移り、クロロホルム相には副生成物であるp−クロロ−N−メチルアニリン及びN−メチルアニリンが溶解しているためクロロホルム相は廃棄した。水相はクロロホルム洗浄を2回繰り返した。
水溶液に希塩酸を加えて該水溶液のpHを1以下に調整した。このときCP−MABAは塩酸塩となって水溶液中にとどまるので、水溶液にクロロホルムを加えて、副生成物であるp−クロロフェノールを抽出した。p−クロロフェノールが溶解したクロロホルム相は廃棄した。
残った水溶液に48%NaOH水溶液を加え、該水溶液のpHを4に調整した。これにより、CP−MABAの塩酸塩が中和され、褐色オイル状のCP−MABA(水素型)が水溶液から析出した。CP−MABA(水素型)をクロロホルムで抽出し、クロロホルムを減圧除去することによってCP−MABA(水素型)を得た。
〔オリゴマー測定〕
オリゴマー中の環状PPSの含有率は、紫外(UV)検出器を具備した高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で成分分割した際の、PPS構造を有する化合物に帰属される全ピーク面積に対する、環状PPS単体に帰属されるそれぞれのピーク面積の割合として求めた。
(HPLC測定)
装置:島津製作所 LC−10Avpシリーズ
カラム:関東化学 Mightysil RP−18GP 150−4.6
検出器:島津製作所 SPD−M10P フォトダイオードアレイ(検出波長:254nm)
環状PPSの分子量はサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)により、ポリスチレン換算で算出した。GPCの測定条件を以下に示す。
装置:センシュー科学 SSC−7100
カラム:センシュー科学 GPC3506
溶離液:1−クロロナフタレン
検出器:示差屈折率検出器
カラム温度:210℃
プレ恒温槽温度:250℃
ポンプ恒温槽温度:50℃
検出器温度:210℃
流速:1.0mL/min
試料注入量:300μL (スラリー状:約0.2質量%)

Claims (10)

  1. 有機極性溶媒中で、ポリハロ芳香族化合物と、(i)アルカリ金属硫化物とを、または、(ii)アルカリ金属水硫化物及びアルカリ金属水酸化物とを反応させて、少なくともポリアリーレンスルフィド樹脂と前記有機極性溶媒とカルボキシアルキルアミノ基含有化合物とオリゴマーを含む粗反応混合物を得る工程(1)、
    少なくともポリアリーレンスルフィド樹脂と前記有機極性溶媒とカルボキシアルキルアミノ基含有化合物とオリゴマーを含む粗反応混合物を固液分離して、少なくともポリアリーレンスルフィド樹脂を含む固形分を回収する工程(2)、
    工程(2)で得られた固形分に溶媒を加えて洗浄を行う工程(3)を有する、少なくともカルボキシアルキルアミノ基含有化合物を含む組成物の製造方法であって、
    前記工程(3)において、前記固形分に溶媒を加えたスラリーまたはウェットケーキに対して、冷却しながら超音波を照射し、固形分中に含まれるポリアリーレンスルフィド樹脂から、残存するカルボキシアルキルアミノ基含有化合物とオリゴマーを回収することを特徴とするカルボキシアルキルアミノ基含有化合物とオリゴマーを含む組成物の製造方法。
  2. 前記工程(3)において、超音波を照射した後の前記固形分に対し、少なくとも1回溶媒洗浄を行い、固形分中に含まれるポリアリーレンスルフィド樹脂から、残存するカルボキシアルキルアミノ基含有化合物とオリゴマーを回収する、請求項1記載の製造方法。
  3. 前記工程(3)において、超音波を照射するスラリーまたはウェットケーキ中の溶媒量が、固形分に対して質量単位で3〜10倍の範囲である請求項1又は2記載の製造方法。
  4. 超音波の照射エネルギーが1.0×10〜1.0×1010(W/m)の範囲である請求項1〜3の何れか一項記載の製造方法。
  5. 工程(2)の固液分離で得られた液相成分を回収した後、当該液相成分から前記有機極性溶媒を除去して固形分を回収する工程(2a)、工程(2a)で回収した固形分に塩基を含む水溶液を加えてから固液分離して、液相成分を回収する工程(2b)、工程(2b)で得られた液相成分を工程(3)で得られたカルボキシアルキルアミノ基含有化合物とオリゴマーを含む組成物に加える工程(2c)を有する、請求項1〜4の何れか一項記載の製造方法。
  6. 請求項1〜5の何れか一項記載の製造方法により製造されたカルボキシアルキルアミノ基含有化合物を含む組成物に酸を含む水溶液を加えて固形分を得た後、得られた固形分を回収する工程(4a)を有するカルボキシアルキルアミノ基含有化合物とオリゴマーを含む組成物の製造方法。
  7. 請求項1〜5の何れか一項記載の製造方法により製造されたカルボキシアルキルアミノ基含有化合物を含む組成物に塩基を含む水溶液を加えた後、固液分離して、液相成分を回収する工程(4b)を有するカルボキシアルキルアミノ基含有化合物の製造方法。
  8. 請求項1〜5の何れか一項記載の製造方法により製造されたカルボキシアルキルアミノ基含有化合物を含む組成物に塩基を含む水溶液を加えた後、固液分離して、固形分を回収する工程(4c)を有するオリゴマーの製造方法。
  9. 請求項1〜5の何れか一項記載の製造方法により製造されたカルボキシアルキルアミノ基含有化合物を含む組成物に酸を含む水溶液を加えて固形分を得た後、得られた固形分を液相成分と分離する工程(4a)を有する分離方法。
  10. 請求項1〜5の何れか一項記載の製造方法により製造されたカルボキシアルキルアミノ基含有化合物を含む組成物に塩基を含む水溶液を加えた後、固液分離して、得られた固形分を液相成分と分離する工程(4b、4c)を有する分離方法。
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