JPWO2006054808A1 - ポリブタジエンゴムの製造方法およびゴム組成物 - Google Patents

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Abstract

(A)(1)水分の濃度が調節された、1,3−ブタジエンと炭化水素系有機溶剤を主成分としてなる混合物に、有機アルミニウム化合物と可溶性コバルト化合物から得られるシス−1,4重合触媒を添加して1,3−ブタジエンをシス−1,4重合する工程、引き続き、(2)得られた重合反応混合物中に可溶性コバルト化合物と一般式AlR3(但し、Rは炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基又はシクロアルキル基である)で表される有機アルミニウム化合物と二硫化炭素とから得られる触媒を存在させて、1,3−ブタジエンを1,2重合する工程から得られたビニル−シスポリブタジエン、及び、(B)上記シス−1,4重合触媒を添加して1,3−ブタジエンをシス−1,4重合する工程で得られたシス−ポリブタジエンを混合することを特徴とするビニル−シスポリブタジエンゴムの製造方法および得られたゴムを含むゴム組成物。

Description

本発明は、ビニル−シスポリブタジエンゴムの製造方法、とくに押出し加工性、引張応力、耐屈曲亀裂成長性に優れ、自動車タイヤ部材、特にサイドウォール用として好適なビニル−シスポリブタジエンゴムの製造方法並びに当該ゴムを使用したゴム組成物に関する。
また本発明は、ダイ・スウェルが小さくて押出し加工性に優れ、且つ加硫物の低燃費性を良好にする新規なビニル−シスポリブタジエンによるサイドウォール用ゴム組成物に関するものである。
また本発明は、タイヤの安全性・経済性などの性能に必要とされるウェットスキッド性能・発熱特性・耐摩耗性に優れながらダイ・スウェルが小さくて押出加工性に優れるタイヤのキャップトレッドに好適なシリカ配合ゴム組成物に関するものである。
また本発明は、高弾性率でありながらダイ・スウェルが小さくて押出加工性に優れるゴム組成物をキャップトレッドゴムに使用する乗用車用タイヤに関するものである。
また本発明は、ダイ・スウェルが小さくて押出加工性に優れ、且つ金属との接着性の良好なカーカス、ベルト等のタイヤコーティングゴムといったタイヤの内部材用ゴム組成物に関するものである。
また本発明は、ベーストレッド用ゴム組成物に関するものであり、さらに詳しくは、タイヤの内部発熱性と押出し加工性をバランス良く両立させた新規なビニル−シスポリブタジエンによるベーストレッド用ゴム組成物に関するものである。
また本発明は、高硬度配合ゴム組成物に関するものであり、さらに詳しくは、高硬度を維持しつつ、押出加工時の寸法安定性(ダイ・スウェルが小さい)やタイヤの耐久性を改善したタイヤのビードやチェーファーに好適なゴム組成物に関するものである。
また本発明は、高弾性でありながらダイ・スウェルが小さくて押出加工性に優れるゴム組成物をキャップトレッドゴムに使用する大型車両タイヤ用ゴム組成物に関するものである。
本発明のタイヤに使用されるゴム組成物は、更にタイヤにおけるサイドウオール、キャップトレッド、ランフラットタイヤのサイド補強層、カーカス、ベルト、チェーファー、ベーストレッド、ビード、スティフナー、インナーライナー等のタイヤ部材や、防振ゴム、ホース、ベルト、ゴムロール、ゴムクーラー、靴底ゴムなどの工業製品、その他のコンポジット、接着剤、プラスチックの改質剤などにも用いる事ができる。
ポリブタジエンは、いわゆるミクロ構造として、1,4−位での重合で生成した結合部分(1,4−構造)と1,2−位での重合で生成した結合部分(1,2−構造)とが分子鎖中に共存する。1,4−構造は、更にシス構造とトランス構造の二種に分けられる。一方、1,2−構造は、ビニル基を側鎖とする構造をとる。
従来、ビニル−シスポリブタジエンゴム組成物の製造方法は、ベンゼン,トルエン,キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒で行われてきた。これらの溶媒を用いると重合溶液の粘度が高く撹拌,伝熱,移送などに問題があり,溶媒の回収には過大なエネルギーが必要であった。
上記の製造方法としては、前記の不活性有機溶媒中で水,可溶性コバルト化合物と一般式AlR3−n(但しRは炭素数1〜6のアルキル基,フェニル基又はシクロアルキル基であり,Xはハロゲン元素であり,nは1.5〜2の数字)で表せる有機アルミニウムクロライドから得られた触媒を用いて1,3−ブタジエンをシス1,4重合してBRを製造して,次いでこの重合系に1,3−ブタジエン及び/または前記溶媒を添加するか或いは添加しないで可溶性コバルト化合物と一般式AlR(但しRは炭素数1〜6のアルキル基,フェニル基又はシクロアルキル基である)で表せる有機アルミニウム化合物と二硫化炭素とから得られる触媒を存在させて1,3−ブタジエンをシンジオタクチック1,2重合(以下,1,2重合と略す)する方法(例えば、特公昭49−17666号公報(特許文献1),特公昭49−17667号公報(特許文献2)参照)は公知である。
また、例えば、特公昭62−171号公報(特許文献3),特公昭63−36324号公報(特許文献4),特公平2−37927号公報(特許文献5),特公平2−38081号公報(特許文献6),特公平3−63566号公報(特許文献7)には、二硫化炭素の存在下又は不在下に1,3−ブタジエンをシス1,4重合して製造したり,製造した後に1,3−ブタジエンと二硫化炭素を分離・回収して二硫化炭素を実質的に含有しない1,3−ブタジエンや前記の不活性有機溶媒を循環させる方法などが記載されている。更に特公平4−48815号公報(特許文献8)には配合物のダイ・スウェル比が小さく,その加硫物がタイヤのサイドウォールとして好適な引張応力と耐屈曲亀裂成長性に優れたゴム組成物が記載されている。
また、特開2000−44633号公報(特許文献9)には、n−ブタン,シス2−ブテン,トランス−2−ブテン,及びブテン−1などのC4留分を主成分とする不活性有機溶媒中で製造する方法が記載されている。この方法でのゴム組成物が含有する1,2−ポリブタジエンは短繊維結晶であり、短繊維結晶の長軸長さの分布が繊維長さの98%以上が0.6μm未満であり,70%以上が0.2μm未満であることが記載され、得られたゴム組成物はシス1,4ポリブタジエンゴム(以下,BRと略す)の成形性や引張応力,引張強さ,耐屈曲亀裂成長性などを改良されることが記載されている。
しかしながら、成形性の更なる向上を始め、用途によっては種々の特性の改良が望まれていると共に、上記のビニル−シスポリブタジエンゴムは通常のハイシスポリブタジエンに比べ、発熱性、反撥弾性に劣るという点もあった。
また、一般に自動車の燃費消費量に大きな影響を及ぼす走行抵抗の中で、タイヤの転動抵抗の占める割合は大きく、サイドウォールゴムのエネルギー損失による影響も比較的大きい事が知られている。このため、従来からサイドウォール部には損失係数の小さいゴム、例えば天然ゴム・イソプレンゴム・ブタジエンゴムまたはそれらの混合物などが使用されているが、タイヤの転動抵抗をさらに改善させることが求められている。
サイドウォールゴムの損失係数を低減する方法としては、低補強性のカーボンブラックの使用やカーボンブラックの配合量の低減が考えられるが、押出加工時のダイ・スウェルが大きくなるといった問題が起こってしまい、サイドウォール部材の薄肉化やタイヤのユニフォーミティー向上を実現する事が難しくなってしまう。そのため、押出物のダイ・スウェルを小さく保ちながら低燃費性を実現する方法が望まれていた。
また、一般に自動車タイヤの性能としては、制動特性としてのウェットスキッド性に優れ、且つ省燃費特性としての転がり抵抗(tanδ)や耐摩耗性に優れることが要求されているが、これらの特性は二律背反の関係である事が知られている。近年、ウェットスキッド性に優れたシリカを配合することで上記特性を高度にバランスさせる提案がなされているが十分でない。シリカ配合は、ウェットスキッド性と省燃費性に優れるが、耐摩耗性や加工性は低下することが知られており、耐摩耗性は高シスBR使用により改善されるが、ウェットスキッド性が低下してしまう懸念があり、改良が望まれていた。
また、一般にタイヤは、操縦性、耐久性等に優れることが要求され、特に安全面では湿潤路面での耐ウェットスキッド性に優れることが要求される。また、近年の省資源化の社会的要求に基づき、タイヤにおいては転がり抵抗の小さいタイヤ、即ちエネルギー損失の小さいタイヤの研究開発が行われている。自由回転のタイヤで消費されるエネルギー損失は、タイヤ構造などによっても変化するが、トレッド部で全体の約1/2が消費される。従って、トレッドゴムのエネルギー損失を減少させれば、転がり時のエネルギー損失が小さいタイヤが得られる。
そこで、トレッドゴムのエネルギー損失が小さくなるように改質することが試みられている。しかし、かかるゴムの改質はウェットスキッド性を低下させる傾向にある。転がり抵抗の改良とウェットスキッド性の改良は一般的に相反する事項なので、これらを両立するため、タイヤ構造に種々の改良工夫が試みられている。その工夫の一つとして、トレッドをキャップトレッドとベーストレッドとの二層化することが挙げられる。即ち、ウェットスキッド性に優れるキャップトレッドとエネルギー損失の小さいベーストレッドとにトレッドを二層化して、全体としてのタイヤのウェットスキッド性を高め、且つエネルギー損失を低下させようというものである。
キャップトレッド用ゴムとしては、ウェットスキッド性以外に耐摩耗性や高速走行性からくる高弾性率及び成形安定性が求められる。高弾性率のゴムを得る方法としては従来から種々の方法が試みられている。カーボンブラックを多量配合する方法は、加工工程でのゴムのまとまりが悪いこと、混練や押出時に電力負荷が増大すること、配合物MLが大きくなるので押出成形時に困難が伴うため好ましくない。硫黄を多量配合する方法は、硫黄がブルームすること、架橋密度の増大によって亀裂成長が速くなる等の欠点を有する。熱硬化性樹脂の添加は、熱硬化性樹脂が通常用いられる天然ゴムやジエン系ゴムとの相溶性が低いので多量に配合すると良好な分散が得られ難い。また、この練り生地は未加硫時でも硬いので混練・押出の際、負荷が大きくなったりタイヤの成形加工性が劣ったりする。単繊維を単純にブレンド配合する方法は、短繊維とゴムとの結合が不十分なのでクリープが大きくなったり、疲労寿命が低下したりする。
ベーストレッド用ゴムとしては、低発熱性のゴムが要求される。低発熱性のゴムとしては、天然ゴム、イソプレンゴム、cis1,4−ポリブタジエンゴムが挙げられ、これらのゴムにカーボンブラックを配合したものが用いられる。ゴム以外で低発熱性を引き出すには、粒子径の大きい低補強性のカーボンブラックを使用したりカーボンブラックの配合量の低減が考えられるが、これらの方法はゴムの弾性率や耐疲労性を低下させたり、ダイ・スウェルが大きくなるという問題が発生してしまう。また、ナイロンやビニロンの短繊維を配合してゴムを高弾性化することで低発熱性を引き出す方法もあるが、これらの短繊維はゴムとの接着が不十分なので疲労寿命が短いという欠点を有している。
一方、乗用車用タイヤにおいてキャップ/ベース方式を採用する際は、キャップトレッドとベーストレッドの共押出時において、両部材間のダイ・スウェルが異なることで押出物が反り返るという問題が生じる。この問題はベーストレッドゴムのダイ・スウェルが小さくなれば解消する方向にあり、高補強性のカーボンブラックを多量配合すればダイ・スウェルは小さくなるが、発熱が大きくなるので、ダイ・スウェルと低発熱を同時に満足する方法が望まれている。
また、一般にラジアルタイヤでは、高速耐久性や高速操縦性の点からスチールコードも使用されている。スチールコードを使用する場合、タイヤ走行時にスチールコード近傍のゴムに非常に大きな歪み集中が生じやすい。従って、スチールコード用ゴムとしては高弾性率で金属との接着性に優れることが必要とされる。有機繊維コードを用いるラジアルタイヤ、バイアスタイヤにおいても耐久性の観点からコード用ゴムとしては高弾性率のものが好ましい。
高弾性率のゴムを得る方法としては従来から種々の方法が試みられている。カーボンブラックを多量配合する方法は、加工工程でのゴムのまとまりが悪いこと、混練や押出時に電力負荷が増大すること、配合物MLが大きくなるので押出成形時に困難が伴うため好ましくない。硫黄を多量配合する方法は、硫黄がブルームすること、架橋密度の増大によって亀裂成長が速くなる等の欠点を有する。熱硬化性樹脂の添加は、熱硬化性樹脂がコードコーティングゴムとして一般的に用いられる天然ゴムやジエン系ゴムとの相溶性が低いので分散不良になりやすく耐クラック性に劣る。また、従来公知のタイヤコードコーティングゴム組成物はグリーンストレングスが小さく、成形加工性の点からさらにグリーンストレングスの大きいものが要求されている。
また、一般にタイヤのビード周りに配置するゴム部材は、高硬度ゴムが使用されており、カーボンブラックの配合量を多くしたゴム組成物・ノボラック型フェノール樹脂を配合したゴム組成物(特公昭57−30856号公報)、短繊維とオレフィン系樹脂を配合したゴム組成物(特開平7−315014号公報)などがある。
高硬度ゴム組成物を得る方法として、カーボンブラックの増加や繊維・樹脂等を配合する事が一般的であるが、それぞれ繰り返し変形時の発熱が大きくなり、耐久性・耐疲労性が低下する場合があり、改善が求められている。
特公昭49−17666号公報 特公昭49−17667号公報 特公昭62−171号公報 特公昭63−36324号公報 特公平2−37927号公報 特公平2−38081号公報 特公平3−63566号公報 特公平4−48815号公報 特開2000−44633号公報
本発明は、従来のビニル−シスポリブタジエンの優れた特性である押出し加工性、引張応力をさらに向上させ、かつ発熱性、反撥弾性を改良した、自動車のタイヤ用材料として優れた性質を示すビニル−シスポリブタジエンゴムの製造方法およびそれを用いたゴム組成物を提供することを目的とする。
また本発明は、加硫物が低燃費性で、ダイ・スウェルの小さいサイドウォール用ゴム組成物を得ることを目的としている。
また本発明は、高弾性率でありながら押出加工性に優れ、且つウェットスキッド性及び耐摩耗性の良好なタイヤ用シリカ配合ゴム組成物を得ることを目的とする。
また本発明は、高弾性率でありながら押出加工性に優れるキャップトレッド用ゴム組成物を用いることで、押出成形加工性に優れ、高速走行性や湿潤路面把握性及び耐摩耗性の良い乗用車用タイヤを得ることを目的とする。
また本発明は、ダイ・スウェルが小さく、またグリーンストレングスが大きく成形加工性に優れ、且つ加硫物の弾性率が大きい、カーカス、ベルト、ビード等のタイヤコードコーティング用ゴム組成物を得ることを目的とする。
また本発明は、加硫物が低発熱性で、ダイ・スウェルの小さいベーストレッド用ゴム組成物を得ることを目的としている。
また本発明は、高硬度を維持しつつ押出加工時の寸法安定性やタイヤの耐久性を改善できるゴム組成物を提供することを目的としている。
また本発明は、高弾性率でありながらダイ・スウェルが小さく押出加工性に優れるキャップトレッド用ゴム組成物を用いることにより、成形性に優れ、高速走行性やウェットスキッド性、耐摩耗性が良好な大型車両タイヤ用ゴム組成物を得ることを目的とする。
本発明は、以下のとおりである。
(1)
(A)(1)水分の濃度が調節された、1,3−ブタジエンと炭化水素系有機溶剤を主成分としてなる混合物に、有機アルミニウム化合物と可溶性コバルト化合物から得られるシス−1,4重合触媒を添加して1,3−ブタジエンをシス−1,4重合する工程、引き続き、(2)得られた重合反応混合物中に可溶性コバルト化合物と一般式AlR3(但し、Rは炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基又はシクロアルキル基である)で表される有機アルミニウム化合物と二硫化炭素とから得られる触媒を存在させて、1,3−ブタジエンを1,2重合する工程から得られたビニル・シス−ポリブタジエン、及び、
(B)上記シス−1,4重合触媒を添加して1,3−ブタジエンをシス−1,4重合する工程で得られたシス−ポリブタジエン
を混合することを特徴とするビニル−シスポリブタジエンゴムの製造方法。
(2)
(A)(1)水分の濃度が調節された、1,3−ブタジエンと炭化水素系有機溶剤を主成分としてなる混合物に、有機アルミニウム化合物と可溶性コバルト化合物から得られるシス−1,4重合触媒を添加して1,3−ブタジエンをシス−1,4重合する工程、引き続き、(2)得られた重合反応混合物中に可溶性コバルト化合物と一般式AlR(但し、Rは炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基又はシクロアルキル基である)で表される有機アルミニウム化合物と二硫化炭素とから得られる触媒を存在させて、1,3−ブタジエンを1,2重合する工程から得られたビニル−シスポリブタジエン溶液、及び、
(B)シス−1,4結合を80%以上含有し、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)20〜80を有するシス−ポリブタジエンを1,3−ブタジエンおよび/または炭化水素系有機溶剤を主成分としてなる混合物に溶解させる工程で得られたシス−ポリブタジエン溶液を混合することを特徴とするビニル−シスポリブタジエンゴムの製造方法。
(3)
(A)(1)1,3−ブタジエンと炭化水素系有機溶剤を主成分としてなる混合物に、シス−1,4結合を80%以上含有し、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)20〜80を有するシス−ポリブタジエンを溶解させ、引き続き、(2)得られたシス−ポリブタジエン溶液中に可溶性コバルト化合物と一般式AlR(但し、Rは炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基又はシクロアルキル基である)で表される有機アルミニウム化合物と二硫化炭素とから得られる触媒を存在させて、1,3−ブタジエンを1,2重合する工程から得られたビニル−シスポリブタジエン溶液、及び、
(B)上記シス−1,4重合触媒を添加して1,3−ブタジエンをシス−1,4重合する工程で得られたシス−ポリブタジエンを混合することを特徴とするビニル−シスポリブタジエンゴムの製造方法。
(4)
(A)(1)水分の濃度が調節された、1,3−ブタジエンと炭化水素系有機溶剤を主成分としてなる混合物に、シス−1,4結合を80%以上含有し、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)20〜80を有するシス−ポリブタジエンを溶解させ、引き続き、(2)得られたシス−ポリブタジエン溶液中に可溶性コバルト化合物と一般式AlR(但し、Rは炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基又はシクロアルキル基である)で表される有機アルミニウム化合物と二硫化炭素とから得られる触媒を存在させて、1,3−ブタジエンを1,2重合する工程から得られたビニル−シスポリブタジエン溶液、及び、
(B)上記シス−1,4重合触媒を添加して1,3−ブタジエンをシス−1,4重合する工程で得られたシス−ポリブタジエンを混合することを特徴とするビニル−シスポリブタジエンゴムの製造方法。
(5)
(A)(1)1,3−ブタジエンと炭化水素系有機溶剤を主成分としてなる混合物に、シス−1,4結合を80%以上含有し、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)20〜80を有するシス−ポリブタジエンを溶解させ、引き続き、(2)得られたシス−ポリブタジエン溶液中に可溶性コバルト化合物と一般式AlR(但し、Rは炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基又はシクロアルキル基である)で表される有機アルミニウム化合物と二硫化炭素とから得られる触媒を存在させて、1,3−ブタジエンを1,2重合する工程から得られたビニル−シスポリブタジエン溶液、及び、
(B)シス−1,4結合を80%以上含有し、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)20〜80を有するシス−ポリブタジエンを1,3−ブタジエンおよび/または炭化水素系有機溶剤を主成分としてなる混合物に溶解させる工程で得られたシス−ポリブタジエン溶液を混合することを特徴とするビニル−シスポリブタジエンゴムの製造方法。
(6)
(A)(1)水分の濃度が調節された、1,3−ブタジエンと炭化水素系有機溶剤を主成分としてなる混合物に、シス−1,4結合を80%以上含有し、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)20〜80を有するシス−ポリブタジエンを溶解させ、引き続き、(2)得られたシス−ポリブタジエン溶液中に可溶性コバルト化合物と一般式AlR(但し、Rは炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基又はシクロアルキル基である)で表される有機アルミニウム化合物と二硫化炭素とから得られる触媒を存在させて、1,3−ブタジエンを1,2重合する工程から得られたビニル−シスポリブタジエン溶液、及び、
(B)シス−1,4結合を80%以上含有し、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)20〜80を有するシス−ポリブタジエンを1,3−ブタジエンおよび/または炭化水素系有機溶剤を主成分としてなる混合物に溶解させる工程で得られたシス−ポリブタジエン溶液を混合することを特徴とするビニル−シスポリブタジエンゴムの製造方法。
(7)当該(A)(2)の1,3−ブタジエンを1,2重合する工程の重合温度が−5〜50℃であることを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれかに記載のビニル−シスポリブタジエンゴムの製造方法。
(8)当該(A)で得られたビニル−シスポリブタジエンの沸騰n−ヘキサン不溶分の割合(HI)が10〜60重量%であることを特徴とする前記(1)〜(7)のいずれかに記載のビニル−シスポリブタジエンゴムの製造方法。
(9)当該(A)(1)のシス−1,4重合する工程で得られたシス−ポリブタジエンの5%トルエン溶液粘度(Tcp))が150〜250であることを特徴とする前記(1)に記載のビニル−シスポリブタジエンゴムの製造方法。
(10)当該(B)のシス−ポリブタジエンが、コバルト触媒、またはニッケル触媒、またはランタノイド触媒を用いて合成されたシス−ポリブタジエンを単独または2種類以上ブレンドで用いる前記(2)に記載のビニル−シスポリブタジエンゴムの製造方法。
(11)当該(A)のシス−ポリブタジエンが、コバルト触媒、またはニッケル触媒、またはランタノイド触媒を用いて合成されたシス−ポリブタジエンを単独または2種類以上ブレンドで用いる前記(3)または(4)に記載のビニル−シスポリブタジエンゴムの製造方法。
(12)当該(A)および(B)のシス−ポリブタジエンが、コバルト触媒、またはニッケル触媒、またはランタノイド触媒を用いて合成されたシス−ポリブタジエンを単独または2種類以上ブレンドで用いる前記(5)または(6)に記載のビニル−シスポリブタジエンゴムの製造方法。
(13)当該(A)(1)のシス−1,4重合前、または1,2重合前に、予め重合されたポリイソプレン、液状ポリイソプレン、融点150℃以下の結晶性ポリブタジエン、液状ポリブタジエン、スチレン−イソプレン−スチレン化合物、及びそれらの誘導体の中から少なくとも1種を1,3−ブタジエンと炭化水素系溶剤を主成分としてなる混合物に溶解する工程を含む前記(2)に記載のビニル−シスポリブタジエンゴムの製造方法。
(14)当該(A)(1)の1,2重合開始前に、予め重合されたポリイソプレン、液状ポリイソプレン、融点150℃以下の結晶性ポリブタジエン、液状ポリブタジエン、スチレン−イソプレン−スチレン化合物、及びそれらの誘導体の中から少なくとも1種を1,3−ブタジエンと炭化水素系溶剤を主成分としてなる混合物に溶解する工程を含む前記(3)〜(6)のいずれかに記載のビニル−シスポリブタジエンゴムの製造方法。
(15)前記(1)〜(14)のいずれかに記載のビニル−シスポリブタジエンを含むゴム成分100重量部に対し、ゴム補強剤10〜100重量部を配合してなることを特徴とするゴム組成物。
(16)
(A)(1)水分の濃度が調節された、1,3−ブタジエンと炭化水素系有機溶剤を主成分としてなる混合物に、有機アルミニウム化合物と可溶性コバルト化合物から得られるシス−1,4重合触媒を添加して1,3−ブタジエンをシス−1,4重合する工程、引き続き、(2)得られた重合反応混合物中に可溶性コバルト化合物と一般式AlR(但し、Rは炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基又はシクロアルキル基である)で表される有機アルミニウム化合物と二硫化炭素とから得られる触媒を存在させて、1,3−ブタジエンを1,2重合する工程から得られたビニル・シス−ポリブタジエン、及び、
(B)上記シス−1,4重合触媒を添加して1,3−ブタジエンをシス−1,4重合する工程で得られたシス−ポリブタジエンを溶液混合することを特徴とするビニル−シスポリブタジエンゴム(a)20〜80重量%と、(a)以外のジエン系ゴム(b)80〜20重量%とからなるゴム成分(a)+(b)100重量部とゴム補強剤(c)25〜60重量部とからなることを特徴とするサイドウォール用ゴム組成物。
(17)
(A)(1)水分の濃度が調節された、1,3−ブタジエンと炭化水素系有機溶剤を主成分としてなる混合物に、有機アルミニウム化合物と可溶性コバルト化合物から得られるシス−1,4重合触媒を添加して1,3−ブタジエンをシス−1,4重合する工程、引き続き、(2)得られた重合反応混合物中に可溶性コバルト化合物と一般式AlR(但し、Rは炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基又はシクロアルキル基である)で表される有機アルミニウム化合物と二硫化炭素とから得られる触媒を存在させて、1,3−ブタジエンを1,2重合する工程から得られたビニル・シス−ポリブタジエン、及び、(B)上記シス−1,4重合触媒を添加して1,3−ブタジエンをシス−1,4重合する工程で得られたシス−ポリブタジエンを溶液混合することを特徴とするビニル−シスポリブタジエンゴム(a)20〜80重量%と、(a)以外のジエン系ゴム(b)80〜20重量%とからなるゴム成分(a)+(b)100重量部とシリカを40%以上含むゴム補強剤(c)40〜100重量部からなることを特徴とするタイヤ用シリカ配合ゴム組成物。
(18)
(A)(1)水分の濃度が調節された、1,3−ブタジエンと炭化水素系有機溶剤を主成分としてなる混合物に、有機アルミニウム化合物と可溶性コバルト化合物から得られるシス−1,4重合触媒を添加して1,3−ブタジエンをシス−1,4重合する工程、引き続き、(2)得られた重合反応混合物中に可溶性コバルト化合物と一般式AlR(但し、Rは炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基又はシクロアルキル基である)で表される有機アルミニウム化合物と二硫化炭素とから得られる触媒を存在させて、1,3−ブタジエンを1,2重合する工程から得られたビニル−シスポリブタジエン、及び、(B)上記シス−1,4重合触媒を添加して1,3−ブタジエンをシス−1,4重合する工程で得られたシス−ポリブタジエンを溶液混合することを特徴とするビニル−シスポリブタジエンゴム(a)10〜50重量%と、スチレン−ブタジエンゴム(d)30〜70重量%と、(a)と(d)以外のジエン系ゴム(b)0〜60重量%とからなるゴム成分(a)+(d)+(b)100重量部とゴム補強剤(c)40〜100重量部とからなることを特徴とする乗用車タイヤ用ゴム組成物。
(19)
(A)(1)水分の濃度が調節された、1,3−ブタジエンと炭化水素系有機溶剤を主成分としてなる混合物に、有機アルミニウム化合物と可溶性コバルト化合物から得られるシス−1,4重合触媒を添加して1,3−ブタジエンをシス−1,4重合する工程、引き続き、(2)得られた重合反応混合物中に可溶性コバルト化合物と一般式AlR(但し、Rは炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基又はシクロアルキル基である)で表される有機アルミニウム化合物と二硫化炭素とから得られる触媒を存在させて、1,3−ブタジエンを1,2重合する工程から得られたビニル・シス−ポリブタジエン、及び、(B)上記シス−1,4重合触媒を添加して1,3−ブタジエンをシス−1,4重合する工程で得られたシス−ポリブタジエンを溶液混合することを特徴とするビニル−シスポリブタジエンゴム(a)10〜60重量%と、(a)以外のジエン系ゴム(b)90〜40重量%とからなるゴム成分(a)+(b)100重量部とゴム補強剤(c)30〜80重量部とからなることを特徴とするタイヤコードコーティング用ゴム組成物。
(20)
(A)(1)水分の濃度が調節された、1,3−ブタジエンと炭化水素系有機溶剤を主成分としてなる混合物に、有機アルミニウム化合物と可溶性コバルト化合物から得られるシス−1,4重合触媒を添加して1,3−ブタジエンをシス−1,4重合する工程、引き続き、(2)得られた重合反応混合物中に可溶性コバルト化合物と一般式AlR(但し、Rは炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基又はシクロアルキル基である)で表される有機アルミニウム化合物と二硫化炭素とから得られる触媒を存在させて、1,3−ブタジエンを1,2重合する工程から得られたビニル−シスポリブタジエン、及び、(B)上記シス−1,4重合触媒を添加して1,3−ブタジエンをシス−1,4重合する工程で得られたシス−ポリブタジエンを溶液混合することを特徴とするビニル−シスポリブタジエンゴム(a)20〜80重量%と、(a)以外のジエン系ゴム(b)80〜20重量%とからなるゴム成分(a)+(b)100重量部とゴム補強剤(c)22〜55重量部とからなることを特徴とするベーストレッド用ゴム組成物。
(21)
(A)(1)水分の濃度が調節された、1,3−ブタジエンと炭化水素系有機溶剤を主成分としてなる混合物に、有機アルミニウム化合物と可溶性コバルト化合物から得られるシス−1,4重合触媒を添加して1,3−ブタジエンをシス−1,4重合する工程、引き続き、(2)得られた重合反応混合物中に可溶性コバルト化合物と一般式AlR(但し、Rは炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基又はシクロアルキル基である)で表される有機アルミニウム化合物と二硫化炭素とから得られる触媒を存在させて、1,3−ブタジエンを1,2重合する工程から得られたビニル・シス−ポリブタジエン、及び、(B)上記シス−1,4重合触媒を添加して1,3−ブタジエンをシス−1,4重合する工程で得られたシス−ポリブタジエンを溶液混合することを特徴とするビニル−シスポリブタジエンゴム(a)20〜80重量%と、(a)以外のジエン系ゴム(b)80〜20重量%とからなるゴム成分(a)+(b)100重量部とゴム補強剤(c)60〜100重量部とからなることを特徴とする高硬度配合ゴム組成物。
(22)
(A)(1)水分の濃度が調節された、1,3−ブタジエンと炭化水素系有機溶剤を主成分としてなる混合物に、有機アルミニウム化合物と可溶性コバルト化合物から得られるシス−1,4重合触媒を添加して1,3−ブタジエンをシス−1,4重合する工程、引き続き、(2)得られた重合反応混合物中に可溶性コバルト化合物と一般式AlR(但し、Rは炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基又はシクロアルキル基である)で表される有機アルミニウム化合物と二硫化炭素とから得られる触媒を存在させて、1,3−ブタジエンを1,2重合する工程から得られたビニル・シス−ポリブタジエン、及び、(B)上記シス−1,4重合触媒を添加して1,3−ブタジエンをシス−1,4重合する工程で得られたシス−ポリブタジエンを溶液混合することを特徴とするビニル−シスポリブタジエンゴム(a)10〜60重量%と、(a)以外のジエン系ゴム(b)90〜40重量%とからなるゴム成分(a)+(b)100重量部とゴム補強剤(c)45〜70重量部とからなることを特徴とする大型車両タイヤ用ゴム組成物。
(23)前記ビニル−シスポリブタジエンゴム(a)の製造工程において、前記(A)(2)の1,3−ブタジエンを1,2重合する工程の重合温度が−5〜50℃であることを特徴とする前記(16)〜(22)のいずれかに記載のゴム組成物。
(24)前記ビニル−シスポリブタジエンゴム(a)の製造工程において、前記(A)で得られたビニル−シスポリブタジエンの沸騰n−ヘキサン不溶分の割合(HI)が10〜60重量%であることを特徴とする前記(16)〜(22)のいずれかに記載のゴム組成物。
(25)前記ビニル−シスポリブタジエンゴム(a)において、(A)(1)のシス−1,4重合する工程で得られたシス−ポリブタジエンの5%トルエン溶液粘度(Tcp))が150〜250であることを特徴とする前記(16)〜(22)のいずれかに記載のゴム組成物。
(26)(a)以外のジエン系ゴム(b)が、天然ゴム及び/又はポリイソプレンであることを特徴とする前記(16),(18),(19),(20),(21)または(22)のいずれかに記載のゴム組成物。
(27)(a)以外のジエン系ゴム(b)が、天然ゴム及び/又はポリイソプレン及び/またはスチレンブタジエンゴムであることを特徴とする前記(17)に記載のゴム組成物。
(28)ゴム補強剤(c)がカーボンブラックであることを特徴とする前記(16)〜(22)のいずれかに記載のゴム組成物。
本発明により、従来のビニル−シスポリブタジエンゴムと比べ、加工性が良好で、発熱性・反撥弾性に優れるビニル−シスポリブタジエンを製造することができる。本発明により得られたビニル−シスポリブタジエンをタイヤ用途に用いた場合、製造工程においてその優れた押出し加工性によりタイヤ製造の作業性が向上し、完成したタイヤの低燃費化が可能となる。
また本発明によれば、加硫物が低燃費性で、ダイ・スウェルの小さいサイドウォール用ゴム組成物を提供することができる。
また本発明によれば、高弾性率でありながら押出加工性に優れ、且つウェットスキッド性及び耐摩耗性の良好なタイヤ用シリカ配合ゴム組成物を提供することができる。
また本発明によれば、高弾性率でありながら押出加工性に優れるキャップトレッド用ゴム組成物を用いることで、押出成形加工性に優れ、高速走行性や湿潤路面把握性及び耐摩耗性の良い乗用車用タイヤを提供することができる。
また本発明によれば、ダイ・スウェルが小さく、またグリーンストレングスが大きく成形加工性に優れ、且つ加硫物の弾性率が大きい、カーカス、ベルト、ビード等のタイヤコードコーティング用ゴム組成物を提供することができる。
また本発明によれば、加硫物が低発熱性で、ダイ・スウェルの小さいベーストレッド用ゴム組成物を提供することができる。
また本発明によれば、高硬度を維持しつつ押出加工時の寸法安定性やタイヤの耐久性を改善できるゴム組成物を提供することができる。
また本発明によれば、高弾性率でありながらダイ・スウェルが小さく押出加工性に優れるキャップトレッド用ゴム組成物を用いることにより、成形性に優れ、高速走行性やウェットスキッド性、耐摩耗性が良好な大型車両タイヤ用ゴム組成物を提供することができる。
(A)ビニル−シスポリブタジエンの製造
炭化水素系溶媒としては,トルエン、ベンゼン、キシレン等の芳香族系炭化水素、n−ヘキサン、ブタン、ヘプタン、ペンタン等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素、上記のオレフィン化合物やシス−2−ブテン、トランス−2−ブテン等のオレフィン系炭化水素、ミネラルスピリット、ソルベントナフサ、ケロシン等の炭化水素系溶媒、塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素系溶媒等が挙げられる。1,3−ブタジエンモノマーそのものを重合溶媒として用いてもよい。
中でも、トルエン、シクロヘキサン、あるいは、シス−2−ブテンとトランス−2−ブテンとの混合物などが好適に用いられる。
次に1,3−ブタジエンと前記溶媒とを混合して得られた混合媒体中の水分の濃度を調節する。水分は前記媒体中の有機アルミニウムクロライド1モル当たり,好ましくは0.1〜1.0モル,特に好ましくは0.2〜1.0モルの範囲である。この範囲以外では触媒活性が低下したり,シス1,4構造含有率が低下したり,分子量が異常に低下又は高くなったり,重合時のゲルの発生を抑制することができず,このため重合槽などへのゲルの付着が起り,更に連続重合時間を延ばすことができないので好ましくない。水分の濃度を調節する方法は公知の方法が適用できる。多孔質濾過材を通して添加・分散させる方法(特開平4−85304号公報)も有効である。
水分の濃度を調節して得られた溶液には有機アルミニウム化合物を添加する。有機アルミニウム化合物としては,トリアルキルアルミニウムやジアルキルアルミニウムクロライド、ジアルキルアルミニウムブロマイド、アルキルアルミニウムセスキクロライド、アルキルアルミニウムセスキブロマイド、アルキルアルミニウムジクロライド等である。
具体的な化合物としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリデシルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウムを挙げることができる。
さらに、ジメチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムクロライドなどのジアルキルアルミニウムクロライド、セスキエチルアルミニウムクロライド、エチルアルミニウムジクロライドなどのような有機アルミニウムハロゲン化合物、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、セスキエチルアルミニウムハイドライドのような水素化有機アルミニウム化合物も含まれる。これらの有機アルミニウム化合物は、二種類以上併用することができる。
有機アルミニウム化合物の使用量の具体例としては,1,3−ブタジエンの全量1モル当たり0.1ミリモル以上,特に0.5〜50ミリモルが好ましい。
次いで,有機アルミニウム化合物を添加した混合媒体に可溶性コバルト化合物を添加してシス1,4重合する。可溶性コバルト化合物としては,炭化水素系溶媒を主成分とする不活性媒体又は液体1,3−ブタジエンに可溶なものであるか又は,均一に分散できる,例えばコバルト(II)アセチルアセトナート,コバルト(III)アセチルアセトナートなどコバルトのβ−ジケトン錯体,コバルトアセト酢酸エチルエステル錯体のようなコバルトのβ−ケト酸エステル錯体,コバルトオクトエート,コバルトナフテネート,コバルトベンゾエートなどの炭素数6以上の有機カルボン酸のコバルト塩,塩化コバルトピリジン錯体,塩化コバルトエチルアルコール錯体などのハロゲン化コバルト錯体などを挙げることができる。可溶性コバルト化合物の使用量は1,3−ブタジエンの1モル当たり0.001ミリモル以上,特に0.005ミリモル以上であることが好ましい。また可溶性コバルト化合物に対する有機アルミニウムクロライドのモル比(Al/Co)は10以上であり,特に50以上であることが好ましい。また,可溶性コバルト化合物以外にもニッケルの有機カルボン酸塩,ニッケルの有機錯塩,有機リチウム化合物,ネオジウムの有機カルボン酸塩,ネオジウムの有機錯塩を使用することも可能である。
シス1,4重合する温度は0℃を超える温度〜100℃,好ましくは10〜100℃、更に好ましくは20〜100℃までの温度範囲で1,3−ブタジエンをシス1,4重合する。重合時間(平均滞留時間)は10分〜2時間の範囲が好ましい。シス1,4重合後のポリマー濃度は5〜26重量%となるようにシス1,4重合を行うことが好ましい。重合槽は1槽,又は2槽以上の槽を連結して行われる。重合は重合槽(重合器)内にて溶液を攪拌混合して行う。重合に用いる重合槽としては高粘度液攪拌装置付きの重合槽,例えば特公昭40−2645号に記載された装置を用いることができる。
本発明のシス1,4重合時に公知の分子量調節剤,例えばシクロオクタジエン,アレン,メチルアレン(1,2−ブタジエン)などの非共役ジエン類,又はエチレン,プロピレン,ブテン−1などのα−オレフィン類を使用することができる。又重合時のゲルの生成を更に抑制するために公知のゲル化防止剤を使用することができる。シス1,4−構造含有率が一般に90%以上,特に95%以上であることが好ましい。
ムーニー粘度(ML1+4,100℃,以下,MLと略す)10〜130,特に15〜80が好ましい。実質的にゲル分を含有しない。
5%トルエン溶液粘度(Tcp))が150〜250であることが好ましく、実質的にゲル分を含有しない。
前記の如くして得られたシス1,4重合物に1,3−ブタジエンを添加しても添加しなくてもよい。そして,一般式AlRで表せる有機アルミニウム化合物と二硫化炭素,必要なら前記の可溶性コバルト化合物を添加して1,3−ブタジエンを1,2重合してビニル−シスポリブタジエンゴム(VCR)を製造する。一般式AlRで表せる有機アルミニウム化合物としてはトリメチルアルミニウム,トリエチルアルミニウム,トリイソブチルアルミニウム,トリn−ヘキシルアルミニウム,トリフェニルアルミニウムなどを好適に挙げることができる。有機アルミニウム化合物は1,3−ブタジエン1モル当たり0.1ミリモル以上,特に0.5〜50ミリモル以上である。二硫化炭素は特に限定されないが水分を含まないものであることが好ましい。二硫化炭素の濃度は20ミリモル/L以下,特に好ましくは0.01〜10ミリモル/Lである。二硫化炭素の代替として公知のイソチオシアン酸フェニルやキサントゲン酸化合物を使用してもよい。
1,2重合する温度は−5〜100℃が好ましく,特に−5〜50℃が好ましい。1,2重合する際の重合系には前記のシス重合液100重量部当たり1〜50重量部,好ましくは1〜20重量部の1,3−ブタジエンを添加することで1,2重合時の1,2−ポリブタジエンの収量を増大させることができる。重合時間(平均滞留時間)は10分〜2時間の範囲が好ましい。1,2重合後のポリマー濃度は9〜29重量%となるように1,2重合を行うことが好ましい。重合槽は1槽,又は2槽以上の槽を連結して行われる。重合は重合槽(重合器)内にて重合溶液を攪拌混合して行う。1,2重合に用いる重合槽としては1,2重合中に更に高粘度となり,ポリマーが付着しやすいので高粘度液攪拌装置付きの重合槽,例えば特公昭40−2645号公報に記載された装置を用いることができる。
得られたビニル−シスポリブタジエンの沸騰n−ヘキサン不溶分の割合(HI)が10〜60重量%、特に30〜40であることが好ましく、特に30〜50重量%が好ましい。
重合反応が所定の重合率に達した後,常法に従って公知の老化防止剤を添加することができる。老化防止剤の代表としてはフェノール系の2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT),リン系のトリノニルフェニルフォスファイト(TNP),硫黄系の4.6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート(TPL)などが挙げられる。単独でも2種以上組み合わせて用いてもよく,老化防止剤の添加はVCR100重量部に対して0.001〜5重量部である。次に重合停止剤を重合系に加えて停止する。例えば重合反応終了後,重合停止槽に供給し,この重合溶液にメタノール,エタノールなどのアルコール,水などの極性溶媒を大量に投入する方法,塩酸,硫酸などの無機酸,酢酸,安息香酸などの有機酸,塩化水素ガスを重合溶液に導入する方法などの,それ自体公知の方法である。次いで通常の方法に従い生成したビニル−シスポリブタジエン(以下、VCRと略)を分離,洗浄,乾燥する。
このようにして得られたビニル−シスポリブタジエンの沸騰n−ヘキサン不溶分の割合(HI)が10〜60重量%であることが好ましく、特に30〜50重量%が好ましい。
沸騰n−ヘキサン可溶分はミクロ構造が90%以上のシス1,4−ポリブタジエンである。
シス−1,4結合を80%以上含有し、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)20〜80を有するシス−ポリブタジエンは、コバルト触媒、またはニッケル触媒、またはランタノイド触媒を用いて合成されたシス−ポリブタジエンを単独または2種類以上ブレンドして用いることができる。例えば、可溶性コバルト化合物等のコバルト触媒、ニッケルの有機カルボン酸塩,ニッケルの有機錯塩,有機リチウム化合物,ネオジウムの有機カルボン酸塩,ネオジウムの有機錯塩などが挙げられる。このシス−ポリブタジエンを用いる場合、使用される炭化水素系溶媒、水分の濃度の調節条件、1,2重合条件、得られたビニル−シスポリブタジエンのHI、使用される老化防止剤は前記と同様である。得られたビニル−シスポリブタジエンの沸騰n−ヘキサン可溶分はミクロ構造が80%以上のシス1,4−ポリブタジエンである。また、このシス−ポリブタジエンを用いる場合、シス1,4−重合前または1,2重合前に、ポリイソプレン、液状ポリイソプレン、融点150℃以下の結晶性ポリブタジエン、液状ポリブタジエン、スチレン−イソプレン−スチレン化合物、及びそれらの誘導体の中から少なくとも1種を1,3−ブタジエンと炭化水素系溶剤を主成分としてなる混合物に溶解する工程を含むことが好ましい。ビニル・シス−ポリブタジエンゴム製造後、たとえば配合時に添加しても本願発明の効果は得られない。上記不飽和高分子物質としては、ポリイソプレン、融点170℃未満の結晶性ポリブタジエン、液状ポリブタジエン、及びそれらの誘導体から選ばれた少なくとも1種が好ましい。ポリイソプレンとしては、通常の合成ポリイソプレン(シス構造90%以上のシス−1,4−ポリイソプレン等)、液状ポリイソプレン、トランス−ポリイソプレン、その他変性ポリイソプレン等が挙げられる。融点170℃未満の結晶性ポリブタジエンは、好ましくは融点0〜150℃の結晶性ポリブタジエンであり、たとえば、低融点1,2−ポリブタジエン、トランス−ポリブタジエン等が挙げられる。液状ポリブタジエンとしては、固有粘度[η]=1以下の極低分子のポリブタジエン等があげられる。また、これらの誘導体としては、たとえば、イソプレン・イソブチレン共重合体、イソプレン・スチレン共重合体、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体、液状エポキシ化ポリブタジエン、液状カルボキシル変性ポリブタジエン等及びこれら誘導体の水添物等が挙げられる。上記各不飽和高分子物質の中でも、イソプレン、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体、融点70〜110℃の1,2−ポリブタジエンが好ましく用いられる。また、上記各不飽和高分子物質は、単独で用いることも、2種以上を混合して用いることもできる。上記のよう不飽和高分子物質を添加すると、前記のとおり、得られるビニル−シスポリブタジエンゴムにおいて、不飽和高分子物質の相溶効果により、融点が170℃以上の1,2−ポリブタジエンの、マトリックス成分のシス−ポリブタジエンゴム中への分散性が著しく向上され、その結果得られるビニル−シスポリブタジエンゴムの特性が優れたものとなる。不飽和高分子物質の添加量は、取得されるビニル−シスポリブタジエンゴムに対して0.01〜50質量%の範囲であることが好ましく、0.01〜30質量%の範囲であることが更に好ましい。また、いずれの時点での添加でも、添加後10分〜3時間攪拌することが好ましく、更に好ましくは10分〜30分間攪拌することである。
このようにして得られたVCRを分離取得した残部の未反応の1,3−ブタジエン,不活性媒体及び二硫化炭素を含有する混合物から蒸留により1,3−ブタジエン,不活性媒体として分離して,一方,二硫化炭素を吸着分離処理,あるいは二硫化炭素付加物の分離処理によって二硫化炭素を分離除去し,二硫化炭素を実質的に含有しない1,3−ブタジエンと不活性媒体とを回収する。また,前記の混合物から蒸留によって3成分を回収して,この蒸留から前記の吸着分離あるいは二硫化炭素付着物分離処理によって二硫化炭素を分離除去することによっても,二硫化炭素を実質的に含有しない1,3−ブタジエンと不活性媒体とを回収することもできる。前記のようにして回収された二硫化炭素と不活性媒体とは新たに補充した1,3−ブタジエンを混合して使用される。
本発明による方法で連続運転すると,触媒成分の操作性に優れ,高い触媒効率で工業的に有利にVCRを連続的に長時間製造することができる。特に,重合槽内の内壁や攪拌翼,その他攪拌が緩慢な部分に付着することもなく,高い転化率で工業的に有利に連続製造できる。
(B)シス−ポリブタジエンの製造
本発明で使用される上記(A)の製造方法、すなわち、シス−1,4重合触媒を添加して1,3−ブタジエンをシス−1,4重合する工程と同様にして製造できる。
得られたシス−ポリブタジエンは、シス1,4−構造含有率が一般に90%以上,特に95%以上であることが好ましい。
ムーニー粘度(ML1+4,100℃,以下,MLと略す)10〜130,特に15〜80が好ましい。実質的にゲル分を含有しない。
5%トルエン溶液粘度(Tcp))が30〜250であることが好ましい。
また、本発明では(B)成分として、シス−1,4結合を80%以上含有し、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)20〜80を有するシス−ポリブタジエンを1,3−ブタジエンおよび/または炭化水素系有機溶剤を主成分としてなる混合物に溶解させる工程で得られたシス−ポリブタジエン溶液を使用してもよい。当該(B)のシス−ポリブタジエンは、コバルト触媒、またはニッケル触媒、またはランタノイド触媒を用いて合成されたシス−ポリブタジエンを単独または2種類以上ブレンドで製造することが好ましい。水分の濃度が調節された、1,3−ブタジエンと炭化水素系有機溶剤を主成分としてなる混合物中の、上記のシス−ポリブタジエンの濃度は、1〜30wt%が好ましい。
(A)ビニル−シスポリブタジエンと(B)シス−ポリブタジエンとを溶液混合して得られるビニル−シスポリブタジエンゴムにおける(A)と(B)の割合は(A)/(B)=10〜50重量%/90〜50重量%であることが好ましい。
本発明により得られるビニル−シスポリブタジエンゴム(以下、ビニル−シスポリブタジエンゴム(a)ということがある)はタイヤ用として有用であり,サイドウォール、または、トレッド,スティフナー,ビードフィラー,インナーライナー,カーカスなどに,その他、ホース,ベルトその他の各種工業用品等の剛性、機械的特性及び破壊特性が要求されるゴム用途に使用される。また,プラスチックスの改質剤として使用することもできる。
本発明により得られるビニル−シスポリブタジエンゴムに前記の配合剤を加えて混練した組成物は,従来の方法で得られたものに比較してダイ・スウェル比(押出し時の配合物の断面積とダイオリフィス断面積の比)が指数換算で95以下に低下(値が低下すると優れる)し、押出加工性に優れている。
また,本発明により得られるビニル−シスポリブタジエンゴム組成物(配合物)を加硫すると引張応力が向上する。特に100%引張応力の向上が著しく,前記従来の方法で得られたビニル−シスポリブタジエンゴムに比較して指数換算で20前後(例えば10−20)増加(値が増加すると優れる)し、補強効果が大幅に改善される。また高剛性であるため、カーボンやシリカ等の補強材使用量の低減が容易になり、タイヤの軽量化による低燃費化が可能となる。
さらに、本発明により得られたビニル−シスポリブタジエンゴム組成物(配合物)を加硫すると従来のビニル−シスポリブタジエンゴムに比較して高反撥弾性、低発熱性を示す。反撥弾性は指数換算で5前後(例えば2−5)増加(値が増加すると優れる)し、発熱性は10程度低下(値が小さい程優れる)するので、エネルギーロスが小さく、タイヤの低燃費化が可能である。従って本発明のビニル−シスポリブタジエンゴムをサイドウォール及びトレッドの素材として使用したタイヤは上記特性により優れた走行安定性・耐久性・高速耐久性を示し、且つ低燃費化を可能とする。また、ランフラットタイヤ等で要求される耐熱物性としては酸素等のガス透過性が、同様に従来の方法で得られたビニル−シスポリブタジエンゴムに比較して指数換算で5前後低下(値が低下すると優れる)し、酸化劣化に伴う発熱を抑制する効果も示す。
本発明により得られるビニル−シスポリブタジエンゴムと天然ゴム、合成ゴム若しくはこれらの任意の割合のブレンドゴムからなる群から選ばれたゴム100重量部に対して、ゴム補強剤を10〜100重量部を配合することにより、ゴム組成物を製造できる。
次に、本発明に使用されるサイドウォール用ゴム組成物は、前記のビニル−シスポリブタジエン(a)、(a)以外のジエン系ゴム(b)、ゴム補強剤(c)を配合してなる。
本発明に使用されるタイヤ用シリカ配合ゴム組成物は、前記のビニル−シスポリブタジエン(a)、(a)以外のジエン系ゴム(b)、シリカを40%以上含むゴム補強剤(c)を配合してなる。
本発明に使用される乗用車タイヤのキャップトレッド用ゴム組成物は、前記のビニル−シスポリブタジエン(a)、スチレン−ブタジエンゴム(d)、(a)と(d)以外のジエン系ゴム(b)、ゴム補強剤(c)を配合してなる。
本発明に使用されるタイヤコードコーティング用ゴム組成物は、前記のビニル−シスポリブタジエン(a)、(a)以外のジエン系ゴム(b)、ゴム補強剤(c)を配合してなる。
本発明に使用されるベーストレッド用ゴム組成物は、前記のビニル−シスポリブタジエン(a)、(a)以外のジエン系ゴム(b)、ゴム補強剤(c)を配合してなる。
本発明に使用される高硬度配合ゴム組成物は、前記のビニル−シスポリブタジエン(a)、(a)以外のジエン系ゴム(b)、ゴム補強剤(c)を配合してなる。
本発明に使用される大型車両タイヤ用ゴム組成物は、前記のビニル−シスポリブタジエン(a)、(a)以外のジエン系ゴム(b)、ゴム補強剤(c)を配合してなる。
前記のジエン系ゴム(b)としては、ハイシスポリブタジエンゴム、ローシスポリブタジエンゴム(BR)、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、乳化重合若しくは溶液重合スチレンブタジエンゴム(SBR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、ニトリルゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)、クロロプレンゴム(CR)などが挙げられる。
また、これらゴムの誘導体、例えば錫化合物で変性されたポリブタジエンゴムやエポキシ変性、シラン変性、マレイン酸変性された上記ゴムなども用いることができ、これらのゴムは単独でも、二種以上組み合わせて用いても良い。
本発明の(c)成分のゴム補強剤としては、各種のカーボンブラック以外に、ホワイトカーボン、活性化炭酸カルシウム、超微粒子珪酸マグネシウム等の無機補強剤やシンジオタクチック1,2ポリブタジエン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ハイスチレン樹脂、フェノール樹脂、リグニン、変性メラミン樹脂、クマロンインデン樹脂及び石油樹脂等の有機補強剤があり、特に好ましくは、粒子径が90nm以下、ジブチルフタレート(DBP)吸油量が70ml/100g以上のカーボンブラックで、例えば、FEF、FF、GPF、SAF、ISAF、SRF、HAF等が挙げられる。また、シリカとしては、乾式法による無水ケイ酸及び湿式法による含水ケイ酸や合成ケイ酸塩などが挙げられる。
本発明のサイドウォール用ゴム組成物では、前記各成分を、ビニル−シスポリブタジエン(a)20〜80重量%と、(a)以外のジエン系ゴム(b)80〜20重量%とからなるゴム成分(a)+(b)100重量部と、ゴム補強剤(c)25〜60重量部の条件を満足すべく配合する。
前記ビニル−シスポリブタジエンの量が前記下限より少ないと、ダイ・スウェルが大きくて加硫物の燃費性が低いゴム組成物が得られず、ビニル−シスポリブタジエンの量が前記上限より多いと、組成物のムーニー粘度が大きくなりすぎて成形性が悪くなる。前記ゴム補強剤の量が前記下限より少ないとダイ・スウェルが大きくなり、逆に前記上限より多いとムーニー粘度が大きくなりすぎて混練りが困難となり、好ましくない。
本発明のタイヤ用シリカ配合ゴム組成物では、前記各成分を、ビニル−シスポリブタジエン(a)20〜80重量%と、(a)以外のジエン系ゴム(b)80〜20重量%とからなるゴム成分(a)+(b)100重量部と、シリカを40%以上含有するゴム補強剤(c)40〜100重量部の条件を満足すべく配合する。
前記ビニル−シスポリブタジエンの量が前記下限より少ないと、ダイ・スウェルが大きくて加硫物の発熱性が低いゴム組成物が得られず、ビニル−シスポリブタジエンの量が前記上限より多いと、組成物のムーニー粘度が大きくなりすぎて成形性が悪くなる。前記ゴム補強剤の量が前記下限より少ないと加硫物の弾性率が低下し、逆に前記上限より多いとムーニー粘度が大きくなりすぎてタイヤ成形性が悪化する傾向にある。また、ゴムの割合が前記範囲外であると加硫物の耐摩耗性などが低下する。
本発明の乗用車タイヤ用ゴム組成物では、前記各成分を、ビニル−シスポリブタジエン(a)10〜50重量%と、スチレン−ブタジエンゴム(d)30〜70重量%と、(a)と(d)以外のジエン系ゴム(b)0〜60重量%とからなるゴム成分(a)+(d)+(b)100重量部とゴム補強剤(c)40〜100重量部の条件を満足すべく配合する。
前記ビニル−シスポリブタジエンの量が前記下限より少ないと、加硫物の弾性率が大きい組成物が得られず、ビニル−シスポリブタジエンの量が前記上限より多いと、組成物のムーニー粘度が大きくなりすぎて成形性が悪くなる。前記ゴム補強剤の量が前記下限より少ないと加硫物の弾性率が低下し、逆に前記上限より多いとムーニー粘度が大きくなりすぎてタイヤ成形性が悪化する傾向にある。また、ゴムの割合が前記範囲外であると加硫物の耐摩耗性などが低下する。
本発明のタイヤコードコーティング用ゴム組成物では、前記各成分を、ビニル−シスポリブタジエン(a)10〜60重量%と、(a)以外のジエン系ゴム(b)90〜40重量%とからなるゴム成分(a)+(b)100重量部と、ゴム補強剤(c)30〜80重量部の条件を満足すべく配合する。
前記ビニル−シスポリブタジエンの量が前記下限より少ないと、加硫物の弾性率が大きい組成物が得られず、ビニル−シスポリブタジエンの量が前記上限より多いと、組成物のムーニー粘度が大きくなりすぎて成形性が悪くなる。前記ゴム補強剤の量が前記下限より少ないと加硫物の弾性率が低下し、逆に前記上限より多いとムーニー粘度が大きくなりすぎてタイヤ成形性が悪化する傾向にある。また、ゴムの割合が前記範囲外であると加硫物の弾性率などが低下したり、金属との接着性が低下したりする。
本発明のベーストレッド用ゴム組成物では、前記各成分を、ビニル−シスポリブタジエン(a)20〜80重量%と、(a)以外のジエン系ゴム(b)80〜20重量%とからなるゴム成分(a)+(b)100重量部と、ゴム補強剤(c)25〜55重量部の条件を満足すべく配合する。
前記ビニル−シスポリブタジエンの量が前記下限より少ないと、ダイ・スウェルが大きくて加硫物の発熱性が低いゴム組成物が得られず、ビニル−シスポリブタジエンの量が前記上限より多いと、組成物のムーニー粘度が大きくなりすぎて成形性が悪くなる。前記ゴム補強剤の量が前記下限より少ないとダイ・スウェルが大きくなり、逆に前記上限より多いとムーニー粘度が大きくなりすぎて混練りが困難となり、好ましくない。
本発明の高硬度配合ゴム組成物では、前記各成分を、ビニル−シスポリブタジエン(a)20〜80重量%と、(a)以外のジエン系ゴム(b)80〜20重量%とからなるゴム成分(a)+(b)100重量部と、ゴム補強剤(c)40〜100重量部の条件を満足すべく配合する。
前記ビニル−シスポリブタジエンの量が前記下限より少ないと、ダイ・スウェルが大きくて加硫物の発熱性が低いゴム組成物が得られず、ビニル−シスポリブタジエンの量が前記上限より多いと、組成物のムーニー粘度が大きくなりすぎて成形性が悪くなる。前記ゴム補強剤の量が前記下限より少ないとダイ・スウェルが大きくなり、逆に前記上限より多いとムーニー粘度が大きくなりすぎて混練りが困難となり、好ましくない。
本発明の大型車両タイヤ用ゴム組成物では、前記各成分を、ビニル−シスポリブタジエン(a)10〜60重量%と、(a)以外のジエン系ゴム(b)90〜40重量%とからなるゴム成分(a)+(b)100重量部と、ゴム補強剤(c)45〜70重量部の条件を満足すべく配合する。
前記ビニル−シスポリブタジエンの量が前記下限より少ないと、加硫物の弾性率が大きい組成物が得られず、ビニル−シスポリブタジエンの量が前記上限より多いと、組成物のムーニー粘度が大きくなりすぎて成形性が悪くなる。前記ゴム補強剤の量が前記下限より少ないと加硫物の弾性率が低下し、逆に前記上限より多いとムーニー粘度が大きくなりすぎてタイヤ成形性が悪化する傾向にある。また、ゴムの割合が前記範囲外であると加硫物の弾性率などが低下したりする。
本発明のゴム組成物は、前記各成分を通常行われているバンバリー、オープンロール、ニーダー、二軸混練り機などを用いて混練りすることで得られる。混練温度は、当該ビニル−シスポリブタジエンに含有される1,2ポリブタジエン結晶繊維の融点より低い必要がある。この1,2ポリブタジエン結晶繊維の融点より高い温度で混練すると、ビニル−シスポリブタジエン中の微細な短繊維が溶けて球状の粒子等に変形してしまうから好ましくない。
本発明のゴム組成物には、必要に応じて、加硫剤、加硫助剤、老化防止剤、充填剤、プロセスオイル、亜鉛華、ステアリン酸など、通常ゴム業界で用いられる配合剤を混練してもよい。
加硫剤としては、公知の加硫剤、例えば硫黄、有機過酸化物、樹脂加硫剤、酸化マグネシウムなどの金属酸化物などが用いられる。
加硫助剤としては、公知の加硫助剤、例えばアルデヒド類、アンモニア類、アミン類、グアニジン類、チオウレア類、チアゾール類、チウラム類、ジチオカーバメイト類、キサンテート類などが用いられる。
老化防止剤としては、アミン・ケトン系、イミダゾール系、アミン系、フェノール系、硫黄系及び燐系などが挙げられる。
充填剤としては、炭酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム、クレー、リサージュ、珪藻土等の無機充填剤、再生ゴム、粉末ゴム等の有機充填剤が挙げられる。
プロセスオイルは、アロマティック系、ナフテン系、パラフィン系のいずれを用いてもよい。
本発明のサイドウォール用ゴム組成物は、ダイ・スウェルが小さく、加硫物が低発熱特性のため、従来公知のサイドウォール用ゴム組成物に代えて、乗用車、バス、トラック、飛行機、ランフラットタイヤ等のタイヤ部材として他のタイヤ部材(キャップトレッド、サイドウォール、サイドウォール補強層、ベーストレッド、カーカス、ベルト、ビード等)と組み合わせて使用することができる。
本発明のタイヤ用シリカ配合ゴム組成物は、ウェットスキッド性を維持しつつ、ダイ・スウェル性能、耐摩耗性能及び低燃費性能の向上が図られ、より高度に性能をバランスさせたタイヤのトレッド・サイドウォールなどの用途に好適である。
本発明の乗用車タイヤ用ゴム組成物は、押出成形加工性に優れ、高速走行性や湿潤路面把握性及び耐摩耗性の良い特性のため、従来公知のキャップトレッド用ゴム組成物に代えて、乗用車、バス、トラック、飛行機、ランフラットタイヤ等のタイヤ部材として他のタイヤ部材(キャップトレッド、サイドウォール、サイドウォール補強層、ベーストレッド、カーカス、ベルト、ビード等)と組み合わせて使用することができる。
本発明のタイヤコードコーティング用ゴム組成物は、高弾性率でありながらダイ・スウェルが小さく、グリーンストレングスが大きくて押出成形加工性及び成形性に優れるため、従来公知のタイヤコードコーティング用ゴム組成物に代えて、乗用車、バス、トラック、飛行機、ランフラットタイヤ等のタイヤ部材として他のタイヤ部材(キャップトレッド、サイドウォール、サイドウォール補強層、ベーストレッド、カーカス、ベルト、ビード等)と組み合わせて使用することができる。
本発明のベーストレッド用ゴム組成物は、ダイ・スウェルが小さく、加硫物が低発熱特性のため、従来公知のベーストレッド用ゴム組成物に代えて、乗用車、バス、トラック、飛行機、ランフラットタイヤ等のタイヤ部材として他のタイヤ部材(キャップトレッド、サイドウォール、サイドウォール補強層、ベーストレッド、カーカス、ベルト、ビード等)と組み合わせて使用することができる。
本発明の高硬度配合ゴム組成物は、ダイ・スウェルが小さく、加硫物が低発熱特性のため、従来公知の高硬度配合ゴム組成物に代えて、乗用車、バス、トラック、飛行機、ランフラットタイヤ等のタイヤ部材として他のタイヤ部材(キャップトレッド、サイドウォール、サイドウォール補強層、ベーストレッド、カーカス、ベルト、ビード等)と組み合わせて使用することができる。
本発明の大型車両タイヤ用ゴム組成物は、高弾性率でありながらダイ・スウェルが小さく押出加工性に優れるため、従来公知のキャップトレッド用ゴム組成物に代えて、乗用車、バス、トラック、飛行機、ランフラットタイヤ等のタイヤ部材として他のタイヤ部材(キャップトレッド、サイドウォール、サイドウォール補強層、ベーストレッド、カーカス、ベルト、ビード等)と組み合わせて使用することができる。
以下に本発明に基づく実施例について具体的に記載する。実施例及び比較例において、得られたビニル−シスポリブタジエンゴムの素ゴムの物性、及び得られたゴム組成物の配合物の物性と加硫物の物性は以下のようにして測定した。
(1)沸騰n−ヘキサン不溶分(H.I.);2gのビニル−シスポリブタジエンゴムを200mlのn−ヘキサンにて4時間ソックスレー抽出器によって沸騰抽出した抽出残部を重量部で示した。
(2)ムーニー粘度;ビニル−シスポリブタジエンゴム、及びビニル−シスポリブタジエンゴムの配合物をJIS K6300に準じて100℃にて測定した値である。
(3)シス−ポリブタジエンゴムのトルエン溶液粘度;シス−ポリブタジエンの25℃における5重量%トルエン溶液の粘度を測定してセンチポイズ(cp)で示した。
(4)ダイ・スウェル;加工性測定装置(モンサント社、MPT)を用いて配合物の押出加工性の目安として100℃、100sec−1のせん断速度で押出時の配合物の断面積とダイオリフィス断面積(但し、L/D=1.5mm/1.5mm)の比を測定して求めた。また比較例を100とし、指数を算出した。数値が小さい程押出し加工性が良好なことを示す。
(5)引張弾性率;JIS K6251に従い、引張弾性率M100を測定した。また比較例を100とし、指数を算出した。数値が大きい程引張応力が高いことを示す。
(5’)引張弾性率;JIS K6251に従い、引張弾性率M300を測定した。また比較例を100とし、指数を算出した。数値が大きい程引張応力が高いことを示す。
(6)反撥弾性;JIS K6255に規定されている測定法に従い測定した。また比較例を100とし、指数を算出した。数値が大きい程反撥弾性が良好なことを示す。
(7)発熱量・永久歪;JIS K6265に規定されている測定方法に準じて測定した。また比較例を100とし、指数を算出した。発熱量、永久歪いずれも数値が小さい程良好な物性であることを示す。
(8)低燃費性(低発熱性);JIS K6265に規定されている測定方法に準じて測定した。また比較例を100とし、指数を算出した。数値が小さい程良好な物性であることを示す。
(9)ピコ摩耗;ASTM D2228に従いピコ摩耗指数を測定し、比較例を100として指数を算出した。数値が大きい程ピコ摩耗性能が高く良好な物性を示す。
(10)ウェットスキッド性;ポータブルウェットスキッドテスターを使用し、スリーエム社のセーフティーウォーク(タイプB)を用いて測定した。また、比較例を100として指数を算出した。数値が大きい程ウェットスキッド性能が高く良好な物性を示す
(11)グリーンモジュラス;未加硫ゴムを3号ダンベルに打ち抜いて試験片とし、室温、200mm/minの引張速度で測定した。また比較例を100とし、指数を算出した。数値が大きい程グリーンモジュラスが高く良好なことを示す。
(12)金属との接着強さ;ASTM D2229に準じて測定した。比較例を100とし、指数を算出した。数値が大きい程金属との接着強さが高く良好なことを示す。
(13)硬度;JIS K6253に準じてタイプAデュロメーターを用いて室温で測定した。比較例を100として指数を算出した。数値が大きいほど硬度が高く良好な物性であることを示す。
(実施例1−1)
(A)ビニル−シスポリブタジエンの製造
窒素ガスで置換した内容1.5Lの撹拌機つきステンレス製反応槽中に重合溶液1.0L(ブタジエン;31.5wt%、2−ブテン類;28.8wt%、シクロヘキサン;39.7wt%)を入れ、水1.7mmol、ジエチルアルミニウムクロライド2.9mmol、二硫化炭素0.3mmol、シクロオクタジエン13.0mmol、コバルトオクトエート0.005mmolを加え、40℃で20分間撹拌し、1,4シス重合を行った。この時少量のシスポリブタジエン重合液を反応槽より取り出し、乾燥した後得られたシス−ポリブタジエンゴムのトルエン溶液粘度を測定したところ175であった。その後、ブタジエン150ml、水1.1mmol、トリエチルアルムニウムクロライド3.5mmol、コバルトオクトエート0.04mmolを加え、40℃で20分間撹拌し、1,2シンジオ重合を行った。これに老化防止剤エタノール溶液を加えた。その後、未反応のブタジエン及び2−ブテン類を蒸発除去し、収量66gで、HI;40.5%のビニル−シスポリブタジエンを得た。このうち58gのビニル−シスポリブタジエンをシクロヘキサンに溶解させ、ビニル−シスポリブタジエンスラリーを作製した。
(B)シスポリブタジエンの製造
窒素ガスで置換した内容1.5Lの撹拌機つきステンレス製反応槽中に、重合溶液1.0L(ブタジエン;31.5wt%、2−ブテン類;28.8wt%、シクロヘキサン;39.7wt%)を入れ、水1.7mmol、ジエチルアルミニウムクロライド2.9mmol、シクロオクタジエン20.0mmol、コバルトオクトエート0.005mmolを加え、60℃で20分間撹拌し、1,4シス重合を行った。これに老化防止剤エタノール溶液を加えて重合を停止した。その後、未反応のブタジエン及び2−ブテン類を蒸発除去し、81gのムーニー粘度29.0、トルエン溶液粘度48.3のシスポリブタジエンを得た。この操作を2回実施し、合わせて162gのシス−ポリブタジエンをシクロヘキサンに溶解させ、シス−ポリブタジエンシクロヘキサン溶液を作製した。
(A)+(B)混合物ビニル−シスポリブタジエンゴムの製造
窒素ガスで置換した内容5.0Lの攪拌機つきステンレス製反応槽中に前述で述べたシスポリブタジエン162gが溶解したシス−ポリブタジエンシクロヘキサン溶液を入れ、そこに前述で述べたビニル−シスポリブタジエン58gを含むビニル−シスポリブタジエンシクロヘキサンスラリーを撹拌しながら添加した。スラリー添加後1時間撹拌した後、105℃で60分間真空乾燥して、(A)+(B)混合物ビニル−シスポリブタジエンゴム220gを得た。この重合体混合物は、ML;61.1、HI;11.9%であった。
(比較例1−1)
窒素ガスで置換した内容5Lの撹拌機つきステンレス製反応槽中に、重合溶液3.5L(ブタジエン;31.5wt%、2−ブテン類;28.8wt%、シクロヘキサン;39.7wt%)を入れ、水5.3mmol、ジエチルアルミニウムクロライド10.5mmol、二硫化炭素1.8mmol、シクロオクタジエン40.0mmol、コバルトオクトエート0.04mmolを加え、40℃で20分間撹拌し、1,4シス重合を行った。その後、ブタジエン560ml、水4.5mmol、トリエチルアルムニウムクロライド13.4mmol、コバルトオクトエート0.04mmolを加え、40℃で20分間撹拌し、1,2シンジオ重合を行った。これに老化防止剤エタノール溶液を加えて重合を停止した。その後、未反応のブタジエン及び2−ブテン類を蒸発除去し、105℃で60分間真空乾燥して、1,4シス−1,2ビニル重合体350g得た。このVCRは、ML;58.0、HI;11.8%であった。
前記の実施例と比較例にあるビニル−シスポリブタジエンゴムを表1の配合表に従ってプラストミルでカーボンブラック、プロセスオイル、亜鉛華、ステアリン酸、老化防止剤を加えて混練する一次配合を実施し、次いでロールにて加硫促進剤、硫黄を添加する二次配合を実施し、配合ゴムを作製した。この配合ゴムを用い、ダイ・スウェルを測定した。更にこの配合ゴムを目的物性に応じて成型し、150℃にてプレス加硫し加硫物を得た後、物性測定を行った。それぞれの物性測定結果について、比較例を100とした指数で表し、表2に示した。
Figure 2006054808
(注1)アンテージAS(アミンとケトンの化合物)
(注2)ノクセラーCZ(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド
Figure 2006054808
(実施例2−1)
(A)ビニル−シスポリブタジエンの製造
窒素ガスで置換した内容1.5Lの撹拌機つきステンレス製反応槽中に重合溶液1.0L(ブタジエン;31.5wt%、2−ブテン類;28.8wt%、シクロヘキサン;39.7wt%)を入れ、水1.7mmol、ジエチルアルミニウムクロライド2.9mmol、二硫化炭素0.3mmol、シクロオクタジエン13.0mmol、コバルトオクトエート0.005mmolを加え、40℃で20分間撹拌し、1,4シス重合を行った。その後、ブタジエン150ml、水1.1mmol、トリエチルアルムニウムクロライド3.5mmol、コバルトオクトエート0.04mmolを加え、40℃で20分間撹拌し、1,2シンジオ重合を行った。これに老化防止剤エタノール溶液を加えた。その後、未反応のブタジエン及び2−ブテン類を蒸発除去し、収量66gで、HI;40.5%のビニル−シスポリブタジエンを得た。このうち58gのビニル−シスポリブタジエンをシクロヘキサンに溶解させ、ビニル−シスポリブタジエンスラリーを作製した。
(B)シスポリブタジエン溶液の製造
窒素ガスで置換した内容3.0Lの撹拌機つきステンレス製反応槽中に、シクロヘキサ2.0Lを入れ、そこに136gのML粘度29の宇部興産(株)製シス−シスポリブタジエン(商品名“UBEPOL−BR130B”)を溶解させ、シス−ポリブタジエンシクロヘキサン溶液を作製した。
(A)+(B)混合物ビニル−シスポリブタジエンゴムの製造
窒素ガスで置換した内容5.0Lの攪拌機つきステンレス製反応槽中に前述で述べたシスポリブタジエン136gが溶解したシス−ポリブタジエンシクロヘキサン溶液を入れ、そこに前述で述べたビニル−シスポリブタジエン58gを含むビニル−シスポリブタジエンシクロヘキサンスラリーを撹拌しながら添加した。スラリー添加後1時間撹拌した後、105℃で60分間真空乾燥して、(A)+(B)混合物ビニル−シスポリブタジエンゴム194gを得た。この重合体混合物は、ML=60、HI=12.1%であった。
(実施例2−2)
(B)におけるシスポリブタジエンとして、BR150L(宇部興産(株)製)を用いた以外は実施例2−1と同じ方法でビニル−シスポリブタジエンを得た。この重合体混合物は、ML=68,HI=11.9%であった。
(実施例2−3)
(B)におけるシスポリブタジエンとして、BR01(JSR社製)を用いた以外は実施例2−1と同じ方法でビニル−シスポリブタジエンを得た。この重合体混合物は、ML=69,HI=12.0%であった。
(実施例2−4)
(A)におけるビニル−シスポリブタジエンの製造において、1.4シス重合前の重合溶液1.0Lに再沈精製したポリイソプレン(JSR社製IR2200)10g溶解した以外は実施例2−1と同じ方法でビニル−シスポリブタジエンを得た。
この重合体混合物は、ML=62,HI=12.1%であった。
(比較例2−1)
窒素ガスで置換した内容5Lの撹拌機つきステンレス製反応槽中に、重合溶液3.5L(ブタジエン;31.5wt%、2−ブテン類;28.8wt%、シクロヘキサン;39.7wt%)を入れ、水5.3mmol、ジエチルアルミニウムクロライド10.5mmol、二硫化炭素1.8mmol、シクロオクタジエン40.0mmol、コバルトオクトエート0.04mmolを加え、40℃で20分間撹拌し、1,4シス重合を行った。その後、ブタジエン560ml、水4.5mmol、トリエチルアルムニウムクロライド
13.4mmol、コバルトオクトエート0.04mmolを加え、60℃で20分間撹拌し、1,2シンジオ重合を行った。これに老化防止剤エタノール溶液を加えて重合を停止した。その後、未反応のブタジエン及び2−ブテン類を蒸発除去し、105℃で60分間真空乾燥して、1,4シス−1,2ビニル重合体350g得た。このVCRは、ML;58、HI;11.8%であった。
前記の実施例と比較例にあるビニル−シスポリブタジエンゴムを表3の配合表に従ってプラストミルでカーボンブラック、プロセスオイル、亜鉛華、ステアリン酸、老化防止剤を加えて混練する一次配合を実施し、次いでロールにて加硫促進剤、硫黄を添加する二次配合を実施し、配合ゴムを作製した。この配合ゴムを用い、ダイ・スウェルを測定した。更にこの配合ゴムを目的物性に応じて成型し、150℃にてプレス加硫し加硫物を得た後、物性測定を行った。それぞれの物性測定結果について、比較例を100とした指数で表し、表4に示した。
Figure 2006054808
(注1)アンテージAS(アミンとケトンの化合物)
(注2)ノクセラーCZ(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド
Figure 2006054808
(実施例3−1)
(A)ビニル−シスポリブタジエンの製造
再沈精製した宇部興産(株)製シス−ポリブタジエンゴム(商品名“UBEPOL−BR130B”)40gを、内容1.5Lの攪拌機つきステンレス製反応槽中に入れ、窒素ガスで置換した後、シクロヘキサン350mlを加え溶解させた。この溶液にブタジエン150ml、水1.1mmol、トリエチルアルムニウムクロライド3.5mmol、コバルトオクトエート0.04mmolを加え、40℃で20分間撹拌し、1,2シンジオ重合を行った。これに老化防止剤入りエタノール溶液を加えた。その後、未反応のブタジエンを蒸発除去し、収量63gで、HI;36.2%のビニル−シスポリブタジエンを得た。このうち58gのビニル−シスポリブタジエンをシクロヘキサンに溶解させ、ビニル−シスポリブタジエンスラリーを作製した。
(B)シスポリブタジエンの製造
窒素ガスで置換した内容1.5Lの撹拌機つきステンレス製反応槽中に、重合溶液1.0L(ブタジエン;31.5wt%、2−ブテン類;28.8wt%、シクロヘキサン;39.7wt%)を入れ、水1.7mmol、ジエチルアルミニウムクロライド2.9mmol、シクロオクタジエン20.0mmol、コバルトオクトエート0.005mmolを加え、60℃で20分間撹拌し、1,4シス重合を行った。これに老化防止剤エタノール溶液を加えて重合を停止した。その後、未反応のブタジエン及び2−ブテン類を蒸発除去し、81gのムーニー粘度29、トルエン溶液粘度48のシスポリブタジエンを得た。この操作を2回実施し、このうち114gのシス−ポリブタジエンをシクロヘキサンに溶解させ、シス−ポリブタジエンシクロヘキサン溶液を作製した。
(A)+(B)混合物ビニル−シスポリブタジエンゴムの製造
窒素ガスで置換した内容5.0Lの攪拌機つきステンレス製反応槽中に前述で述べたシスポリブタジエン114gが溶解したシス−ポリブタジエンシクロヘキサン溶液を入れ、そこに前述で述べたビニル−シスポリブタジエン58gを含むビニル−シスポリブタジエンシクロヘキサンスラリーを撹拌しながら添加した。スラリー添加後1時間撹拌した後、105℃で60分間真空乾燥して、(A)+(B)混合物ビニル−シスポリブタジエンゴム172gを得た。この重合体混合物は、ML;56、HI;12.2%であった。
(実施例3−2)
(A)における宇部興産(株)製シス−ポリブタジエンゴムとして商品名“UBEPOL−BR150”を用いた以外は実施例3−1と同じ方法でビニル−シスポリブタジエンゴムを得た。この重合体混合物は、ML;63、HI;12.0%であった。
(実施例3−3)
(A)におけるシス−ポリブタジエンゴムとしてJSR社製(商品名“JSR−BR01”)を用いた以外は実施例3−1と同じ方法でビニル−シスポリブタジエンゴムを得た。この重合体混合物は、ML;64、HI;11.7%であった。
(実施例3−4)
(A)において宇部興産(株)製シス−ポリブタジエンゴム(商品名“UBEPOL−BR130B”)30gとJSR社製ポリイソプレンゴム(商品名“JSR−IR2200”)10g(BR+IR=40g)を用いた以外は実施例3−1と同じ方法でビニル−シスポリブタジエンゴムを得た。この重合体混合物は、ML;58、HI;12.3%であった。
(比較例3−1)
窒素ガスで置換した内容5Lの撹拌機つきステンレス製反応槽中に、重合溶液3.5L(ブタジエン;31.5wt%、2−ブテン類;28.8wt%、シクロヘキサン;39.7wt%)を入れ、水5.3mmol、ジエチルアルミニウムクロライド10.5mmol、二硫化炭素1.8mmol、シクロオクタジエン40.0mmol、コバルトオクトエート0.04mmolを加え、40℃で20分間撹拌し、1,4シス重合を行った。その後、ブタジエン560ml、水4.5mmol、トリエチルアルムニウムクロライド
13.4mmol、コバルトオクトエート0.04mmolを加え、60℃で20分間撹拌し、1,2シンジオ重合を行った。これに老化防止剤エタノール溶液を加えて重合を停止した。その後、未反応のブタジエン及び2−ブテン類を蒸発除去し、105℃で60分間真空乾燥して、1,4シス−1,2ビニル重合体350g得た。このVCRは、ML;58、HI;11.8%であった。
前記の実施例と比較例にあるビニル−シスポリブタジエンゴムを表5の配合表に従ってプラストミルでカーボンブラック、プロセスオイル、亜鉛華、ステアリン酸、老化防止剤を加えて混練する一次配合を実施し、次いでロールにて加硫促進剤、硫黄を添加する二次配合を実施し、配合ゴムを作製した。この配合ゴムを用い、ダイ・スウェルを測定した。更にこの配合ゴムを目的物性に応じて成型し、150℃にてプレス加硫し加硫物を得た後、物性測定を行った。それぞれの物性測定結果について、比較例を100とした指数で表し、表6に示した。
Figure 2006054808
(注1)アンテージAS(アミンとケトンの化合物)
(注2)ノクセラーCZ(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド
Figure 2006054808
(実施例4−1)
(A)ビニル−シスポリブタジエンの製造
再沈精製した宇部興産(株)製シス−ポリブタジエンゴム(商品名“UBEPOL−BR150L”)40gを、内容1.5Lの攪拌機つきステンレス製反応槽中に入れ、窒素ガスで置換した後、シクロヘキサン350mlを加え溶解させた。この溶液にブタジエン150ml、水1.1mmol、トリエチルアルムニウムクロライド3.5mmol、コバルトオクトエート0.04mmolを加え、40℃で20分間撹拌し、1,2シンジオ重合を行った。これに老化防止剤入りエタノール溶液を加えた。その後、未反応のブタジエンを蒸発除去し、収量67gで、HI;40.3%のビニル−シスポリブタジエンを得た。このうち58gのビニル−シスポリブタジエンをシクロヘキサンに溶解させ、ビニル−シスポリブタジエンスラリーを作製した。
(B)シスポリブタジエン溶液の製造
窒素ガスで置換した内容3.0Lの撹拌機つきステンレス製反応槽中に、シクロヘキサ2.0Lを入れ、そこに132gのML粘度43の宇部興産(株)製シス−シスポリブタジエン(商品名“UBEPOL−BR150L”)を溶解させ、シス−ポリブタジエンシクロヘキサン溶液を作製した。
(A)+(B)混合物ビニル−シスポリブタジエンゴムの製造
窒素ガスで置換した内容5.0Lの攪拌機つきステンレス製反応槽中に前述で述べたシスポリブタジエン132gが溶解したシス−ポリブタジエンシクロヘキサン溶液を入れ、そこに前述で述べたビニル−シスポリブタジエン58gを含むビニル−シスポリブタジエンシクロヘキサンスラリーを撹拌しながら添加した。スラリー添加後1時間撹拌した後、105℃で60分間真空乾燥して、(A)+(B)混合物ビニル−シスポリブタジエンゴム190gを得た。この重合体混合物は、ML;72、HI;12.3%であった。
(実施例4−2)
(A)における宇部興産(株)製シス−ポリブタジエンゴムとして商品名“UBEPOL−BR130B”を用いた以外は実施例4−1と同じ方法でビニル−シスポリブタジエンゴムを得た。この重合体混合物は、ML;70、HI;12.0%であった。
(実施例4−3)
(B)におけるシス−ポリブタジエンゴムとしてJSR社製(商品名“JSR−BR01”)を用いた以外は実施例4−1と同じ方法でビニル−シスポリブタジエンゴムを得た。この重合体混合物は、ML;74、HI;11.9%であった。
(実施例4−4)
(A)において宇部興産(株)製シス−ポリブタジエンゴム(商品名“UBEPOL−BR150L”)30gとJSR社製ポリイソプレンゴム(商品名“JSR−IR2200”)10g(BR+IR=40g)を用いた以外は実施例4−1と同じ方法でビニル−シスポリブタジエンゴムを得た。この重合体混合物は、ML;75、HI;12.2%であった。
(比較例4−1)
窒素ガスで置換した内容5Lの撹拌機つきステンレス製反応槽中に、重合溶液3.5L(ブタジエン;31.5wt%、2−ブテン類;28.8wt%、シクロヘキサン;39.7wt%)を入れ、水5.3mmol、ジエチルアルミニウムクロライド10.5mmol、二硫化炭素1.8mmol、シクロオクタジエン40.0mmol、コバルトオクトエート0.04mmolを加え、40℃で20分間撹拌し、1,4シス重合を行った。その後、ブタジエン560ml、水4.5mmol、トリエチルアルムニウムクロライド.4mmol、コバルトオクトエート0.04mmolを加え、60℃で20分間撹拌し、1,2シンジオ重合を行った。これに老化防止剤エタノール溶液を加えて重合を停止した。その後、未反応のブタジエン及び2−ブテン類を蒸発除去し、105℃で60分間真空乾燥して、1,4シス−1,2ビニル重合体350g得た。このVCRは、ML;58.0、HI;11.8%であった。
前記の実施例と比較例にあるビニル−シスポリブタジエンゴムを表7の配合表に従ってプラストミルでカーボンブラック、プロセスオイル、亜鉛華、ステアリン酸、老化防止剤を加えて混練する一次配合を実施し、次いでロールにて加硫促進剤、硫黄を添加する二次配合を実施し、配合ゴムを作製した。この配合ゴムを用い、ダイ・スウェルを測定した。更にこの配合ゴムを目的物性に応じて成型し、150℃にてプレス加硫し加硫物を得た後、物性測定を行った。それぞれの物性測定結果について、比較例を100とした指数で表し、表8に示した。
Figure 2006054808
(注1)アンテージAS(アミンとケトンの化合物)
(注2)ノクセラーCZ(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド
Figure 2006054808
(実施例5)
(サイドウォール用ゴム組成物)
(ビニル−シスポリブタジエンサンプル1の製造)
(A)ビニル−シスポリブタジエンの製造
窒素ガスで置換した内容1.5Lの撹拌機つきステンレス製反応槽中に重合溶液1.0L(ブタジエン;31.5wt%、2−ブテン類;28.8wt%、シクロヘキサン;39.7wt%)を入れ、水1.7mmol、ジエチルアルミニウムクロライド2.9mmol、二硫化炭素0.3mmol、シクロオクタジエン13.0mmol、コバルトオクトエート0.005mmolを加え、40℃で20分間撹拌し、1,4シス重合を行った。この時少量のシスポリブタジエン重合液を反応槽より取り出し、乾燥した後得られたシス−ポリブタジエンゴムのトルエン溶液粘度を測定したところ175であった。その後、ブタジエン150ml、水1.1mmol、トリエチルアルムニウムクロライド3.5mmol、コバルトオクトエート0.04mmolを加え、40℃で20分間撹拌し、1,2シンジオ重合を行った。これに老化防止剤エタノール溶液を加えた。その後、未反応のブタジエン及び2−ブテン類を蒸発除去し、収量66gで、HI;40.5%のビニル−シスポリブタジエンを得た。このうち58gのビニル−シスポリブタジエンをシクロヘキサンに溶解させ、ビニル−シスポリブタジエンスラリーを作製した。
(B)シスポリブタジエンの製造
窒素ガスで置換した内容1.5Lの撹拌機つきステンレス製反応槽中に、重合溶液1.0L(ブタジエン;31.5wt%、2−ブテン類;28.8wt%、シクロヘキサン;39.7wt%)を入れ、水1.7mmol、ジエチルアルミニウムクロライド2.9mmol、シクロオクタジエン20.0mmol、コバルトオクトエート0.005mmolを加え、60℃で20分間撹拌し、1,4シス重合を行った。これに老化防止剤エタノール溶液を加えて重合を停止した。その後、未反応のブタジエン及び2−ブテン類を蒸発除去し、81gのムーニー粘度29.0、トルエン溶液粘度48.3のシスポリブタジエンを得た。この操作を2回実施し、合わせて162gのシス−ポリブタジエンをシクロヘキサンに溶解させ、シス−ポリブタジエンシクロヘキサン溶液を作製した。
(A)+(B)混合物ビニル−シスポリブタジエンゴムの製造
窒素ガスで置換した内容5.0Lの攪拌機つきステンレス製反応槽中に前述で述べたシスポリブタジエン162gが溶解したシス−ポリブタジエンシクロヘキサン溶液を入れ、そこに前述で述べたビニル−シスポリブタジエン58gを含むビニル−シスポリブタジエンシクロヘキサンスラリーを撹拌しながら添加した。スラリー添加後1時間撹拌した後、105℃で60分間真空乾燥して、(A)+(B)混合物ビニル−シスポリブタジエンゴム220gを得た。この重合体混合物は、ML;61.1、HI;11.9%であった。
(ビニル−シスポリブタジエンサンプル2の製造)
窒素ガスで置換した内容5Lの撹拌機つきステンレス製反応槽中に、重合溶液3.5L(ブタジエン;31.5wt%、2−ブテン類;28.8wt%、シクロヘキサン;39.7wt%)を入れ、水5.3mmol、ジエチルアルミニウムクロライド10.5mmol、二硫化炭素1.8mmol、シクロオクタジエン40.0mmol、コバルトオクトエート0.04mmolを加え、40℃で20分間撹拌し、1,4シス重合を行った。その後、ブタジエン560ml、水4.5mmol、トリエチルアルムニウムクロライド13.4mmol、コバルトオクトエート0.04mmolを加え、40℃で20分間撹拌し、1,2シンジオ重合を行った。これに老化防止剤エタノール溶液を加えて重合を停止した。その後、未反応のブタジエン及び2−ブテン類を蒸発除去し、105℃で60分間真空乾燥して、1,4シス−1,2ビニル重合体350g得た。このVCRは、ML;58.0、HI;11.8%であった。
前記サンプル1とサンプル2の物性を表9に示した。
Figure 2006054808
(実施例5−1〜5−5)(比較例5−1〜5−3)
前記サンプル1及びサンプル2を用い、表10に示す配合処方のうち、加硫促進剤、硫黄を除く配合剤を1.7Lの試験用バンバリーミキサーを使用して混練し、サイドウォール用ゴム組成物である混練物を得た。この際、最高混練温度を170〜180℃に調節した。次いで、この混練物を10インチロール上で加硫促進剤、硫黄を混練し、これをシート状にロール出しした後、金型に入れて加硫し、加硫物を得た。加硫は150℃、30分で行った。結果をまとめて表10に示す。
表中、ダイ・スウェル、300%引張弾性率、低燃費性は各々比較例5−1に対する相対値を表す。尚、比較例5−1におけるダイ・スウェルは2.27、300%引張弾性率は9.7MPa、低燃費性は温度上昇が14.7℃観測された。
実施例の組成物は、比較例と比べて弾性率が大幅に改善されて、且つダイ・スウェルと低燃費性が高度にバランスしている。一方、比較例の組成物においては、カーボンブラックの配合量が多いと発熱特性が悪化した。また、本発明を満たさないビニル−シスポリブタジエンの使用や、本発明のビニル−シスポリブタジエンの使用量が少ないと改善効果は期待するレベルに到達しなかった。
Figure 2006054808
(注1)NR;RSS#1
(注2)老化防止剤;アンテージAS(アミンとケトンの反応物)
(注3)加硫促進剤;ノクセラーCZ(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド
(実施例6−1〜6−4)(比較例6−1〜6−2)
(タイヤ用シリカ配合ゴム組成物)
前記サンプル1及びサンプル2を用い、表11に示す配合処方のうち、加硫促進剤、硫黄を除く配合剤を1.7Lの試験用バンバリーミキサーを使用して混練し、サイドウォール用ゴム組成物である混練物を得た。この際、最高混練温度を170〜180℃に調節した。次いで、この混練物を10インチロール上で加硫促進剤、硫黄を混練し、これをシート状にロール出しした後、金型に入れて加硫し、加硫物を得た。加硫は150℃、30分で行った。結果をまとめて表11に示す。
表中、ダイ・スウェル、ピコ摩耗、ウェットスキッド性、低燃費性は各々比較例6−1に対する相対値を表す。尚、比較例6−1におけるダイ・スウェルは2.69、ピコ摩耗は156、ウェットスキッド性は46、低燃費性は温度上昇が15℃観測された。
実施例の組成物は、比較例と比べ、ウェットスキッド性を維持しつつ低ダイ・スウェル、高耐摩耗性及び低燃費性を実現している。一方、比較例の組成物においては、本発明の特性を満たさないビニル−シスポリブタジエンやシリカの添加量が少ない場合などは、低ダイ・スウェル、高耐摩耗性は実現するものの、ウェットスキッド性の著しい低下が起こり所望の特性を得ることができていない。
Figure 2006054808
(注1)NR;RSS#1
(注2)BR;ポリブタジエン(UBEPOL−BR150、宇部興産(株)製)
(注3)Ultrasil VN3 GR(デグサ社製)
(注4)X50S(N330とSi69の等量混合物;デグサ社製)
Si69;ビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)−テトラスルフィド
(注5)老化防止剤;アンテージAS(アミンとケトンの反応物)
(注6)加硫促進剤;ノクセラーCZ(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド
(注7)加硫促進剤;ノクセラーD(N,N‘−シフェニルグアニジン)
(実施例7−1〜7−4)(比較例7−1〜7−3)
(乗用車タイヤ用ゴム組成物)
前記サンプル1及びサンプル2を用い、表12に示す配合処方のうち、加硫促進剤、硫黄を除く配合剤を1.7Lの試験用バンバリーミキサーを使用して混練し、サイドウォール用ゴム組成物である混練物を得た。この際、最高混練温度を170〜180℃に調節した。次いで、この混練物を10インチロール上で加硫促進剤、硫黄を混練し、これをシート状にロール出しした後、金型に入れて加硫し、加硫物を得た。加硫は150℃、30分で行った。結果をまとめて表12に示す。
表中、ダイ・スウェル、300%引張弾性率、ピコ摩耗、ウェットスキッド性は各々比較例7−1に対する相対値を表す。尚、比較例7−1におけるダイ・スウェルは2.02、300%引張弾性率は18.4MPa、ピコ摩耗は181、ウェットスキッド性は44であった。
実施例の組成物は、比較例と比べ、ウェットスキッド性を維持しつつ高弾性率及び高耐摩耗性を実現している。一方、比較例の組成物においては、本発明のビニル−シスポリブタジエンの使用量が多い場合、本発明の特性を満たさないビニル−シスポリブタジエンの使用、またはSBRの添加量が少ない場合など、高弾性率や高耐摩耗性は実現するものの、ウェットスキッド性の著しい低下が起こり所望の特性を得ることができていない。
Figure 2006054808
(注1)NR;RSS#1
(注2)老化防止剤;アンテージAS(アミンとケトンの反応物)
(注3)加硫促進剤;ノクセラーCZ(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド
(実施例8−1〜8−3)(比較例8−1)
(タイヤコードコーティング用ゴム組成物)
前記サンプル1及びサンプル2を用い、表13に示す配合処方のうち、加硫促進剤、硫黄を除く配合剤を1.7Lの試験用バンバリーミキサーを使用して混練し、サイドウォール用ゴム組成物である混練物を得た。この際、最高混練温度を170〜180℃に調節した。次いで、この混練物を10インチロール上で加硫促進剤、硫黄を混練し、これをシート状にロール出しした後、金型に入れて加硫し、加硫物を得た。加硫は150℃、30分で行った。結果をまとめて表13に示す。
表中、ダイ・スウェル、100%グリーンモジュラス、300%引張弾性率、引張強度、金属との接着強さは各々比較例8−1に対する相対値を表す。尚、比較例8−1におけるダイ・スウェルは2.12、100%グリーンモジュラスは0.6MPa、300%引張弾性率は18.5MPa、引張強度は28.9MPa、金属との接着強さは12kgであった。
実施例の組成物は、高弾性率でありながらダイ・スウェルが小さく、グリーンモジュラスが大きく改善しており、且つ金属との接着性にも優れている。
Figure 2006054808
(注1)NR;RSS#1
(注2)老化防止剤;アンテージAS(アミンとケトンの反応物)
(注3)加硫促進剤;ノクセラーCZ(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド
(実施例9−1〜9−5)(比較例9−1〜9−4)
(ベーストレッド用ゴム組成物)
前記サンプル1及びサンプル2を用い、表14に示す配合処方のうち、加硫促進剤、硫黄を除く配合剤を1.7Lの試験用バンバリーミキサーを使用して混練し、サイドウォール用ゴム組成物である混練物を得た。この際、最高混練温度を170〜180℃に調節した。次いで、この混練物を10インチロール上で加硫促進剤、硫黄を混練し、これをシート状にロール出しした後、金型に入れて加硫し、加硫物を得た。加硫は150℃、30分で行った。結果をまとめて表14に示す。
表中、ダイ・スウェル、100%グリーンモジュラス、300%引張弾性率、発熱特性は各々比較例9−1に対する相対値を表す。尚、比較例9−1におけるダイ・スウェルは2.25、300%引張弾性率は10.1MPa、発熱特性は温度上昇16.5℃であった。
実施例の組成物は、弾性率が大幅に改善されて、且つダイ・スウェルと発熱特性が高度にバランスしている。一方、比較例の組成物においては、カーボンブラックの配合量が多いと発熱特性が悪化し、またカーボンブラックの配合量が少ないとダイ・スウェルと弾性率が大幅に悪化する。また、本発明のビニル−シスポリブタジエンの使用量が少ないと改善効果は期待するレベルに到達しなかった。
Figure 2006054808
(注1)NR;RSS#1
(注2)老化防止剤;アンテージAS(アミンとケトンの反応物)
(注3)加硫促進剤;ノクセラーCZ(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド
(実施例10−1〜10−5)(比較例10−1)
(高硬度配合ゴム組成物)
前記サンプル1及びサンプル2を用い、表15に示す配合処方のうち、加硫促進剤、硫黄を除く配合剤を1.7Lの試験用バンバリーミキサーを使用して混練し、サイドウォール用ゴム組成物である混練物を得た。この際、最高混練温度を170〜180℃に調節した。次いで、この混練物を10インチロール上で加硫促進剤、硫黄を混練し、これをシート状にロール出しした後、金型に入れて加硫し、加硫物を得た。加硫は150℃、30分で行った。結果をまとめて表15に示す。
表中、ダイ・スウェル、硬度、低発熱性は各々比較例10−1に対する相対値を表す。尚、比較例10−1におけるダイ・スウェルは1.50、硬度は78、低発熱性は温度上昇45℃であった。
実施例の組成物は、高硬度を維持しながら、ダイ・スウェルと発熱性が大幅に改善されている。
Figure 2006054808
(注1)NR;RSS#1
(注2)老化防止剤;アンテージAS(アミンとケトンの反応物)
(注3)加硫促進剤;ノクセラーCZ(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド
(実施例11−1〜11−5)(比較例11−1〜11−4)
(大型車両タイヤ用ゴム組成物)
前記サンプル1及びサンプル2を用い、表16に示す配合処方のうち、加硫促進剤、硫黄を除く配合剤を1.7Lの試験用バンバリーミキサーを使用して混練し、サイドウォール用ゴム組成物である混練物を得た。この際、最高混練温度を170〜180℃に調節した。次いで、この混練物を10インチロール上で加硫促進剤、硫黄を混練し、これをシート状にロール出しした後、金型に入れて加硫し、加硫物を得た。加硫は150℃、30分で行った。結果をまとめて表16に示す。
表中、ダイ・スウェル、300%引張弾性率、ピコ摩耗、ウェットスキッド性は各々比較例11−1に対する相対値を表す。尚、比較例11−1におけるダイ・スウェルは1.81、300%引張弾性率は16.3MPa、ピコ摩耗は226、ウェットスキッド性は40であった。
実施例の組成物は、比較例と比べ、高弾性率でありながらダイ・スウェルが小さく、且つウェットスキッド性と耐摩耗性にも優れている。一方、比較例の組成物においては、本発明の特性を満たさないビニル−シスポリブタジエンを使用しているため、耐摩耗性が向上しなかったり、ウェットスキッド性が低下したりして所望の特性を得ることができていない。
Figure 2006054808
(注1)NR;RSS#1
(注2)老化防止剤;アンテージAS(アミンとケトンの反応物)
(注3)加硫促進剤;ノクセラーCZ(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド
本発明により、従来のビニル−シスポリブタジエンゴムと比べ、加工性が良好で、発熱性・反撥弾性に優れるビニル−シスポリブタジエンを製造することができる。本発明により得られたビニル−シスポリブタジエンをタイヤ用途に用いた場合、製造工程においてその優れた押出し加工性によりタイヤ製造の作業性が向上し、完成したタイヤの低燃費化が可能となる。
また本発明によれば、加硫物が低燃費性で、ダイ・スウェルの小さいサイドウォール用ゴム組成物を提供することができる。
また本発明によれば、高弾性率でありながら押出加工性に優れ、且つウェットスキッド性及び耐摩耗性の良好なタイヤ用シリカ配合ゴム組成物を提供することができる。
また本発明によれば、高弾性率でありながら押出加工性に優れるキャップトレッド用ゴム組成物を用いることで、押出成形加工性に優れ、高速走行性や湿潤路面把握性及び耐摩耗性の良い乗用車用タイヤを提供することができる。
また本発明によれば、ダイ・スウェルが小さく、またグリーンストレングスが大きく成形加工性に優れ、且つ加硫物の弾性率が大きい、カーカス、ベルト、ビード等のタイヤコードコーティング用ゴム組成物を提供することができる。
また本発明によれば、加硫物が低発熱性で、ダイ・スウェルの小さいベーストレッド用ゴム組成物を提供することができる。
また本発明によれば、高硬度を維持しつつ押出加工時の寸法安定性やタイヤの耐久性を改善できるゴム組成物を提供することができる。
また本発明によれば、高弾性率でありながらダイ・スウェルが小さく押出加工性に優れるキャップトレッド用ゴム組成物を用いることにより、成形性に優れ、高速走行性やウェットスキッド性、耐摩耗性が良好な大型車両タイヤ用ゴム組成物を提供することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)(1)水分の濃度が調節された、1,3−ブタジエンと炭化水素系有機溶剤を主成分としてなる混合物に、有機アルミニウム化合物と可溶性コバルト化合物から得られるシス−1,4重合触媒を添加して1,3−ブタジエンをシス−1,4重合する工程、引き続き、(2)得られた重合反応混合物中に可溶性コバルト化合物と一般式AlR3(但し、Rは炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基又はシクロアルキル基である)で表される有機アルミニウム化合物とニ硫化炭素とから得られる触媒を存在させて、1,3−ブタジエンを1,2重合する工程から得られたビニルスポリブタジエン溶液(但し、該得られたビニル−シスポリブタジエンの沸騰n−ヘキサン不溶分の割合(HI)は30〜50重量%である)、及び、
(B)シス−1,4重合触媒を添加して1,3−ブタジエンをシス−1,4重合する工程で得られたシス−ポリブタジエン溶液
を混合することを特徴とするビニル−シスポリブタジエンゴムの製造方法。
【請求項2】
(A)(1)水分の濃度が調節された、1,3−ブタジエンと炭化水素系有機溶剤を主成分としてなる混合物に、有機アルミニウム化合物と可溶性コバルト化合物から得られるシス−1,4重合触媒を添加して1,3−ブタジエンをシス−1,4重合する工程、引き続き、(2)得られた重合反応混合物中に可溶性コバルト化合物と一般式AlR3(但し、Rは炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基又はシクロアルキル基である)で表される有機アルミニウム化合物とニ硫化炭素とから得られる触媒を存在させて、1,3−ブタジエンを1,2重合する工程から得られたビニルスポリブタジエン溶液(但し、該得られたビニル−シスポリブタジエンの沸騰n−ヘキサン不溶分の割合(HI)は30〜50重量%である)、及び、
(B)シス−1,4結合を80%以上含有し、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)20〜80を有するシス−ポリブタジエンを1,3−ブタジエンおよび/または炭化水素系有機溶剤を主成分としてなる混合物に溶解させる工程で得られたシス−ポリブタジエン溶液を混合することを特徴とするビニル−シスポリブタジエンゴムの製造方法。
【請求項3】
(A)(1)水分の濃度が調節された、1,3−ブタジエンと炭化水素系有機溶剤を主成分としてなる混合物に、シス−1,4結合を80%以上含有し、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)20〜80を有するシス−ポリブタジエンを溶解させ、引き続き、(2)得られたシス−ポリブタジエン溶液中に可溶性コバルト化合物と一般式AlR3(但し、Rは炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基又はシクロアルキル基である)で表される有機アルミニウム化合物とニ硫化炭素とから得られる触媒を存在させて、1,3−ブタジエンを1,2重合する工程から得られたビニル−シスポリブタジエン溶液(但し、該得られたビニル−シスポリブタジエンの沸騰n−ヘキサン不溶分の割合(HI)は30〜50重量%である)、及び、
(B)シス−1,4重合触媒を添加して1,3−ブタジエンをシス−1,4重合する工程で得られたシス−ポリブタジエン溶液を混合することを特徴とするビニル−シスポリブタジエンゴムの製造方法。
【請求項4】
(A)(1)水分の濃度が調節された、1,3−ブタジエンと炭化水素系有機溶剤を主成分としてなる混合物に、シス−1,4結合を80%以上含有し、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)20〜80を有するシス−ポリブタジエンを溶解させ、引き続き、(2)得られたシス−ポリブタジエン溶液中に可溶性コバルト化合物と一般式AlR3(但し、Rは炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基又はシクロアルキル基である)で表される有機アルミニウム化合物とニ硫化炭素とから得られる触媒を存在させて、1,3−ブタジエンを1,2重合する工程から得られたビニル−シスポリブタジエン溶液(但し、該得られたビニル−シスポリブタジエンの沸騰n−ヘキサン不溶分の割合(HI)は30〜50重量%である)、及び、
(B)シス−1,4結合を80%以上含有し、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)20〜80を有するシス−ポリブタジエンを1,3−ブタジエンおよび/または炭化水素系有機溶剤を主成分としてなる混合物に溶解させる工程で得られたシス−ポリブタジエン溶液を混合することを特徴とするビニル−シスポリブタジエンゴムの製造方法。
【請求項5】
当該(B)で得られたシス−ポリブタジエンのシス1,4−構造含有率が、90%以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のビニル−シスポリブタジエンゴムの製造方法。
【請求項6】
当該(A)(2)の1,3−ブタジエンを1,2重合する工程の重合温度が−5〜50℃であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のビニル−シスポリブタジエンゴムの製造方法。
【請求項7】
当該(A)(1)のシス−1,4重合する工程で得られたシス−ポリブタジエンの5%トルエン溶液粘度(Tcp))が150〜250であることを特徴とする請求項1に記載のビニル−シスポリブタジエンゴムの製造方法。
【請求項8】
当該(B)のシス−ポリブタジエンが、コバルト触媒、またはニッケル触媒、またはランタノイド触媒を用いて合成されたシス−ポリブタジエンを単独または2種類以上ブレンドで用いる請求項2に記載のビニル−シスポリブタジエンゴムの製造方法。
【請求項9】
当該(A)のシス−ポリブタジエンが、コバルト触媒、またはニッケル触媒、またはランタノイド触媒を用いて合成されたシス−ポリブタジエンを単独または2種類以上ブレンドで用いる請求項3に記載のビニル−シスポリブタジエンゴムの製造方法。
【請求項10】
当該(A)および(B)のシス−ポリブタジエンが、コバルト触媒、またはニッケル触媒、またはランタノイド触媒を用いて合成されたシス−ポリブタジエンを単独または2種類以上ブレンドで用いる請求項に記載のビニル−シスポリブタジエンゴムの製造方法。
【請求項11】
当該(A)(1)のシス−1,4重合前、または1,2重合前に、予め重合されたポリイソプレン、液状ポリイソプレン、融点150℃以下の結晶性ポリブタジエン、液状ポリブタジエン、スチレン−イソプレン−スチレン化合物、及びそれらの誘導体の中から少なくとも1種を1,3−ブタジエンと炭化水素系溶剤を主成分としてなる混合物に溶解する工程を含む請求項1〜10のいずれかに記載のビニル−シスポリブタジエンゴムの製造方法。
【請求項12】
当該(A)(1)の1,2重合開始前に、予め重合されたポリイソプレン、液状ポリイソプレン、融点150℃以下の結晶性ポリブタジエン、液状ポリブタジエン、スチレン−イソプレン−スチレン化合物、及びそれらの誘導体の中から少なくとも1種を1,3−ブタジエンと炭化水素系溶剤を主成分としてなる混合物に溶解する工程を含む請求項1〜10のいずれかに記載のビニル−シスポリブタジエンゴムの製造方法。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれかに記載のビニル−シスポリブタジエンを含むゴム成分100重量部に対し、ゴム補強剤10〜100重量部を配合してなることを特徴とするゴム組成物。
【請求項14】
(A)(1)水分の濃度が調節された、1,3−ブタジエンと炭化水素系有機溶剤を主成分としてなる混合物に、有機アルミニウム化合物と可溶性コバルト化合物から得られるシス−1,4重合触媒を添加して1,3−ブタジエンをシス−1,4重合する工程、引き続き、(2)得られた重合反応混合物中に可溶性コバルト化合物と一般式AlR3(但し、Rは炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基又はシクロアルキル基である)で表される有機アルミニウム化合物とニ硫化炭素とから得られる触媒を存在させて、1,3−ブタジエンを1,2重合する工程から得られたビニル−シスポリブタジエン溶液(但し、該得られたビニル−シスポリブタジエンの沸騰n−ヘキサン不溶分の割合(HI)は30〜50重量%である)、及び、
(B)シス−1,4重合触媒を添加して1,3−ブタジエンをシス−1,4重合する工程で得られたシス−ポリブタジエン溶液を混合することを特徴とするビニル−シスポリブタジエンゴム(a)20〜80重量%と、(a)以外のジエン系ゴム(b)80〜20重量%とからなるゴム成分(a)+(b) 100重量部とゴム補強剤(c) 25〜60重量部とからなることを特徴とするサイドウォール用ゴム組成物。
【請求項15】
(A)(1)水分の濃度が調節された、1,3−ブタジエンと炭化水素系有機溶剤を主成分としてなる混合物に、有機アルミニウム化合物と可溶性コバルト化合物から得られるシス−1,4重合触媒を添加して1,3−ブタジエンをシス−1,4重合する工程、引き続き、(2)得られた重合反応混合物中に可溶性コバルト化合物と一般式AlR(但し、Rは炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基又はシクロアルキル基である)で表される有機アルミニウム化合物とニ硫化炭素とから得られる触媒を存在させて、1,3−ブタジエンを1,2重合する工程から得られたビニル−シスポリブタジエン溶液(但し、該得られたビニル−シスポリブタジエンの沸騰n−ヘキサン不溶分の割合(HI)は30〜50重量%である)、及び、(B)シス−1,4重合触媒を添加して1,3−ブタジエンをシス−1,4重合する工程で得られたシス−ポリブタジエン溶液を混合することを特徴とするビニル−シスポリブタジエンゴム(a)20〜80重量%と、(a)以外のジエン系ゴム(b)80〜20重量%とからなるゴム成分(a)+(b) 100重量部とシリカを40%以上含むゴム補強剤(c)40〜100重量部からなることを特徴とするタイヤ用シリカ配合ゴム組成物。
【請求項16】
(A)(1)水分の濃度が調節された、1,3−ブタジエンと炭化水素系有機溶剤を主成分としてなる混合物に、有機アルミニウム化合物と可溶性コバルト化合物から得られるシス−1,4重合触媒を添加して1,3−ブタジエンをシス−1,4重合する工程、引き続き、(2)得られた重合反応混合物中に可溶性コバルト化合物と一般式AlR3(但し、Rは炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基又はシクロアルキル基である)で表される有機アルミニウム化合物とニ硫化炭素とから得られる触媒を存在させて、1,3−ブタジエンを1,2重合する工程から得られたビニルスポリブタジエン溶液(但し、該得られたビニル−シスポリブタジエンの沸騰n−ヘキサン不溶分の割合(HI)は30〜50重量%である)、及び、(B)シス−1,4重合触媒を添加して1,3−ブタジエンをシス−1,4重合する工程で得られたシス−ポリブタジエン溶液を混合することを特徴とするビニル−シスポリブタジエンゴム(a)10〜50重量%と、スチレン−ブタジエンゴム(d) 30〜70重量%と、(a)と(d)以外のジエン系ゴム(b)0〜60重量%とからなるゴム成分(a)+(d)+(b)100重量部とゴム補強剤(c) 40〜100重量部とからなることを特徴とする乗用車タイヤ用ゴム組成物。
【請求項17】
(A)(1)水分の濃度が調節された、1,3−ブタジエンと炭化水素系有機溶剤を主成分としてなる混合物に、有機アルミニウム化合物と可溶性コバルト化合物から得られるシス−1,4重合触媒を添加して1,3−ブタジエンをシス−1,4重合する工程、引き続き、(2)得られた重合反応混合物中に可溶性コバルト化合物と一般式AlR3(但し、Rは炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基又はシクロアルキル基である)で表される有機アルミニウム化合物とニ硫化炭素とから得られる触媒を存在させて、1,3−ブタジエンを1,2重合する工程から得られたビニル−シスポリブタジエン溶液(但し、該得られたビニル−シスポリブタジエンの沸騰n−ヘキサン不溶分の割合(HI)は30〜50重量%である)、及び、(B)シス−1,4重合触媒を添加して1,3−ブタジエンをシス−1,4重合する工程で得られたシス−ポリブタジエン溶液を混合することを特徴とするビニル−シスポリブタジエンゴム(a)10〜60重量%と、(a)以外のジエン系ゴム(b)90〜40重量%とからなるゴム成分(a)+(b) 100重量部とゴム補強剤(c) 30〜80重量部とからなることを特徴とするタイヤコードコーティング用ゴム組成物。
【請求項18】
(A)(1)水分の濃度が調節された、1,3−ブタジエンと炭化水素系有機溶剤を主成分としてなる混合物に、有機アルミニウム化合物と可溶性コバルト化合物から得られるシス−1,4重合触媒を添加して1,3−ブタジエンをシス−1,4重合する工程、引き続き、(2)得られた重合反応混合物中に可溶性コバルト化合物と一般式AlR3(但し、Rは炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基又はシクロアルキル基である)で表される有機アルミニウム化合物とニ硫化炭素とから得られる触媒を存在させて、1,3−ブタジエンを1,2重合する工程から得られたビニルスポリブタジエン溶液(但し、該得られたビニル−シスポリブタジエンの沸騰n−ヘキサン不溶分の割合(HI)は30〜50重量%である)及び、(B)シス−1,4重合触媒を添加して1,3−ブタジエンをシス−1,4重合する工程で得られたシス−ポリブタジエン溶液を混合することを特徴とするビニル−シスポリブタジエンゴム(a)20〜80重量%と、(a)以外のジエン系ゴム(b)80〜20重量%とからなるゴム成分(a)+(b) 100重量部とゴム補強剤(c) 22〜55重量部とからなることを特徴とするベーストレッド用ゴム組成物。
【請求項19】
(A)(1)水分の濃度が調節された、1,3−ブタジエンと炭化水素系有機溶剤を主成分としてなる混合物に、有機アルミニウム化合物と可溶性コバルト化合物から得られるシス−1,4重合触媒を添加して1,3−ブタジエンをシス−1,4重合する工程、引き続き、(2)得られた重合反応混合物中に可溶性コバルト化合物と一般式AlR3(但し、Rは炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基又はシクロアルキル基である)で表される有機アルミニウム化合物とニ硫化炭素とから得られる触媒を存在させて、1,3−ブタジエンを1,2重合する工程から得られたビニル−シスポリブタジエン溶液(但し、該得られたビニル−シスポリブタジエンの沸騰n−ヘキサン不溶分の割合(HI)は30〜50重量%である)、及び、(B)シス−1,4重合触媒を添加して1,3−ブタジエンをシス−1,4重合する工程で得られたシス−ポリブタジエン溶液を混合することを特徴とするビニル−シスポリブタジエンゴム(a)20〜80重量%と、(a)以外のジエン系ゴム(b)80〜20重量%とからなるゴム成分(a)+(b) 100重量部とゴム補強剤(c) 60〜100重量部とからなることを特徴とする高硬度配合ゴム組成物。
【請求項20】
(A)(1)水分の濃度が調節された、1,3−ブタジエンと炭化水素系有機溶剤を主成分としてなる混合物に、有機アルミニウム化合物と可溶性コバルト化合物から得られるシス−1,4重合触媒を添加して1,3−ブタジエンをシス−1,4重合する工程、引き続き、(2)得られた重合反応混合物中に可溶性コバルト化合物と一般式AlR3(但し、Rは炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基又はシクロアルキル基である)で表される有機アルミニウム化合物とニ硫化炭素とから得られる触媒を存在させて、1,3−ブタジエンを1,2重合する工程から得られたビニル−シスポリブタジエン溶液(但し、該得られたビニル−シスポリブタジエンの沸騰n−ヘキサン不溶分の割合(HI)は30〜50重量%である)、及び、(B)シス−1,4重合触媒を添加して1,3−ブタジエンをシス−1,4重合する工程で得られたシス−ポリブタジエン溶液を混合することを特徴とするビニル−シスポリブタジエンゴム(a)10〜60重量%と、(a)以外のジエン系ゴム(b)90〜40重量%とからなるゴム成分(a)+(b) 100重量部とゴム補強剤(c) 45〜70重量部とからなることを特徴とする大型車両タイヤ用ゴム組成物。
【請求項21】
前記ビニル−シスポリブタジエンゴム(a)の製造工程において、前記(A)(2)の1,3−ブタジエンを1,2重合する工程の重合温度が−5〜50℃であることを特徴とする請求項14〜20のいずれかに記載のゴム組成物。
【請求項22】
前記ビニル−シスポリブタジエンゴム(a)において、(A)(1)のシス−1,4重合する工程で得られたシス−ポリブタジエンの5%トルエン溶液粘度(Tcp))が150〜250であることを特徴とする請求項14〜20のいずれかに記載のゴム組成物。
【請求項23】
(a)以外のジエン系ゴム(b)が、天然ゴム及び/又はポリイソプレンであることを特徴とする請求項14,16,17,18,19または20に記載のゴム組成物。
【請求項24】
(a)以外のジエン系ゴム(b)が、天然ゴム及び/又はポリイソプレン及び/またはスチレンブタジエンゴムであることを特徴とする請求項15に記載のゴム組成物。
【請求項25】
ゴム補強剤(c)がカーボンブラックであることを特徴とする請求項14〜20のいずれかに記載のゴム組成物。

Claims (28)

  1. (A)(1)水分の濃度が調節された、1,3−ブタジエンと炭化水素系有機溶剤を主成分としてなる混合物に、有機アルミニウム化合物と可溶性コバルト化合物から得られるシス−1,4重合触媒を添加して1,3−ブタジエンをシス−1,4重合する工程、引き続き、(2)得られた重合反応混合物中に可溶性コバルト化合物と一般式AlR3(但し、Rは炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基又はシクロアルキル基である)で表される有機アルミニウム化合物と二硫化炭素とから得られる触媒を存在させて、1,3−ブタジエンを1,2重合する工程から得られたビニル・シス−ポリブタジエン、及び、
    (B)上記シス−1,4重合触媒を添加して1,3−ブタジエンをシス−1,4重合する工程で得られたシス−ポリブタジエン
    を混合することを特徴とするビニル−シスポリブタジエンゴムの製造方法。
  2. (A)(1)水分の濃度が調節された、1,3−ブタジエンと炭化水素系有機溶剤を主成分としてなる混合物に、有機アルミニウム化合物と可溶性コバルト化合物から得られるシス−1,4重合触媒を添加して1,3−ブタジエンをシス−1,4重合する工程、引き続き、(2)得られた重合反応混合物中に可溶性コバルト化合物と一般式AlR(但し、Rは炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基又はシクロアルキル基である)で表される有機アルミニウム化合物と二硫化炭素とから得られる触媒を存在させて、1,3−ブタジエンを1,2重合する工程から得られたビニル・シス−ポリブタジエン溶液、及び、
    (B)シス−1,4結合を80%以上含有し、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)20〜80を有するシス−ポリブタジエンを1,3−ブタジエンおよび/または炭化水素系有機溶剤を主成分としてなる混合物に溶解させる工程で得られたシス−ポリブタジエン溶液を混合することを特徴とするビニル−シスポリブタジエンゴムの製造方法。
  3. (A)(1)1,3−ブタジエンと炭化水素系有機溶剤を主成分としてなる混合物に、シス−1,4結合を80%以上含有し、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)20〜80を有するシス−ポリブタジエンを溶解させ、引き続き、(2)得られたシス−ポリブタジエン溶液中に可溶性コバルト化合物と一般式AlR(但し、Rは炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基又はシクロアルキル基である)で表される有機アルミニウム化合物と二硫化炭素とから得られる触媒を存在させて、1,3−ブタジエンを1,2重合する工程から得られたビニル−シスポリブタジエン溶液、及び、
    (B)上記シス−1,4重合触媒を添加して1,3−ブタジエンをシス−1,4重合する工程で得られたシス−ポリブタジエンを混合することを特徴とするビニル−シスポリブタジエンゴムの製造方法。
  4. (A)(1)水分の濃度が調節された、1,3−ブタジエンと炭化水素系有機溶剤を主成分としてなる混合物に、シス−1,4結合を80%以上含有し、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)20〜80を有するシス−ポリブタジエンを溶解させ、引き続き、(2)得られたシス−ポリブタジエン溶液中に可溶性コバルト化合物と一般式AlR(但し、Rは炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基又はシクロアルキル基である)で表される有機アルミニウム化合物と二硫化炭素とから得られる触媒を存在させて、1,3−ブタジエンを1,2重合する工程から得られたビニル−シスポリブタジエン溶液、及び、
    (B)上記シス−1,4重合触媒を添加して1,3−ブタジエンをシス−1,4重合する工程で得られたシス−ポリブタジエンを混合することを特徴とするビニル−シスポリブタジエンゴムの製造方法。
  5. (A)(1)1,3−ブタジエンと炭化水素系有機溶剤を主成分としてなる混合物に、シス−1,4結合を80%以上含有し、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)20〜80を有するシス−ポリブタジエンを溶解させ、引き続き、(2)得られたシス−ポリブタジエン溶液中に可溶性コバルト化合物と一般式AlR(但し、Rは炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基又はシクロアルキル基である)で表される有機アルミニウム化合物と二硫化炭素とから得られる触媒を存在させて、1,3−ブタジエンを1,2重合する工程から得られたビニル−シスポリブタジエン溶液、及び、
    (B)シス−1,4結合を80%以上含有し、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)20〜80を有するシス−ポリブタジエンを1,3−ブタジエンおよび/または炭化水素系有機溶剤を主成分としてなる混合物に溶解させる工程で得られたシス−ポリブタジエン溶液を混合することを特徴とするビニル−シスポリブタジエンゴムの製造方法。
  6. (A)(1)水分の濃度が調節された、1,3−ブタジエンと炭化水素系有機溶剤を主成分としてなる混合物に、シス−1,4結合を80%以上含有し、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)20〜80を有するシス−ポリブタジエンを溶解させ、引き続き、(2)得られたシス−ポリブタジエン溶液中に可溶性コバルト化合物と一般式AlR(但し、Rは炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基又はシクロアルキル基である)で表される有機アルミニウム化合物と二硫化炭素とから得られる触媒を存在させて、1,3−ブタジエンを1,2重合する工程から得られたビニル−シスポリブタジエン溶液、及び、
    (B)シス−1,4結合を80%以上含有し、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)20〜80を有するシス−ポリブタジエンを1,3−ブタジエンおよび/または炭化水素系有機溶剤を主成分としてなる混合物に溶解させる工程で得られたシス−ポリブタジエン溶液を混合することを特徴とするビニル−シスポリブタジエンゴムの製造方法。
  7. 当該(A)(2)の1,3−ブタジエンを1,2重合する工程の重合温度が−5〜50℃であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のビニル−シスポリブタジエンゴムの製造方法。
  8. 当該(A)で得られたビニル−シスポリブタジエンの沸騰n−ヘキサン不溶分の割合(HI)が10〜60重量%であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のビニル−シスポリブタジエンゴムの製造方法。
  9. 当該(A)(1)のシス−1,4重合する工程で得られたシス−ポリブタジエンの5%トルエン溶液粘度(Tcp))が150〜250であることを特徴とする請求項1に記載のビニル−シスポリブタジエンゴムの製造方法。
  10. 当該(B)のシス−ポリブタジエンが、コバルト触媒、またはニッケル触媒、またはランタノイド触媒を用いて合成されたシス−ポリブタジエンを単独または2種類以上ブレンドで用いる請求項2に記載のビニル−シスポリブタジエンゴムの製造方法。
  11. 当該(A)のシス−ポリブタジエンが、コバルト触媒、またはニッケル触媒、またはランタノイド触媒を用いて合成されたシス−ポリブタジエンを単独または2種類以上ブレンドで用いる請求項3または4に記載のビニル−シスポリブタジエンゴムの製造方法。
  12. 当該(A)および(B)のシス−ポリブタジエンが、コバルト触媒、またはニッケル触媒、またはランタノイド触媒を用いて合成されたシス−ポリブタジエンを単独または2種類以上ブレンドで用いる請求項5または6に記載のビニル−シスポリブタジエンゴムの製造方法。
  13. 当該(A)(1)のシス−1,4重合前、または1,2重合前に、予め重合されたポリイソプレン、液状ポリイソプレン、融点150℃以下の結晶性ポリブタジエン、液状ポリブタジエン、スチレン−イソプレン−スチレン化合物、及びそれらの誘導体の中から少なくとも1種を1,3−ブタジエンと炭化水素系溶剤を主成分としてなる混合物に溶解する工程を含む請求項2に記載のビニル−シスポリブタジエンゴムの製造方法。
  14. 当該(A)(1)の1,2重合開始前に、予め重合されたポリイソプレン、液状ポリイソプレン、融点150℃以下の結晶性ポリブタジエン、液状ポリブタジエン、スチレン−イソプレン−スチレン化合物、及びそれらの誘導体の中から少なくとも1種を1,3−ブタジエンと炭化水素系溶剤を主成分としてなる混合物に溶解する工程を含む請求項3〜6のいずれかに記載のビニル−シスポリブタジエンゴムの製造方法。
  15. 請求項1〜14のいずれかに記載のビニル−シスポリブタジエンを含むゴム成分100重量部に対し、ゴム補強剤10〜100重量部を配合してなることを特徴とするゴム組成物。
  16. (A)(1)水分の濃度が調節された、1,3−ブタジエンと炭化水素系有機溶剤を主成分としてなる混合物に、有機アルミニウム化合物と可溶性コバルト化合物から得られるシス−1,4重合触媒を添加して1,3−ブタジエンをシス−1,4重合する工程、引き続き、(2)得られた重合反応混合物中に可溶性コバルト化合物と一般式AlR(但し、Rは炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基又はシクロアルキル基である)で表される有機アルミニウム化合物と二硫化炭素とから得られる触媒を存在させて、1,3−ブタジエンを1,2重合する工程から得られたビニル−シスポリブタジエン、及び、
    (B)上記シス−1,4重合触媒を添加して1,3−ブタジエンをシス−1,4重合する工程で得られたシス−ポリブタジエンを溶液混合することを特徴とするビニル−シスポリブタジエンゴム(a)20〜80重量%と、(a)以外のジエン系ゴム(b)80〜20重量%とからなるゴム成分(a)+(b)100重量部とゴム補強剤(c)25〜60重量部とからなることを特徴とするサイドウォール用ゴム組成物。
  17. (A)(1)水分の濃度が調節された、1,3−ブタジエンと炭化水素系有機溶剤を主成分としてなる混合物に、有機アルミニウム化合物と可溶性コバルト化合物から得られるシス−1,4重合触媒を添加して1,3−ブタジエンをシス−1,4重合する工程、引き続き、(2)得られた重合反応混合物中に可溶性コバルト化合物と一般式AlR(但し、Rは炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基又はシクロアルキル基である)で表される有機アルミニウム化合物と二硫化炭素とから得られる触媒を存在させて、1,3−ブタジエンを1,2重合する工程から得られたビニル−シスポリブタジエン、及び、(B)上記シス−1,4重合触媒を添加して1,3−ブタジエンをシス−1,4重合する工程で得られたシス−ポリブタジエンを溶液混合することを特徴とするビニル−シスポリブタジエンゴム(a)20〜80重量%と、(a)以外のジエン系ゴム(b)80〜20重量%とからなるゴム成分(a)+(b)100重量部とシリカを40%以上含むゴム補強剤(c)40〜100重量部からなることを特徴とするタイヤ用シリカ配合ゴム組成物。
  18. (A)(1)水分の濃度が調節された、1,3−ブタジエンと炭化水素系有機溶剤を主成分としてなる混合物に、有機アルミニウム化合物と可溶性コバルト化合物から得られるシス−1,4重合触媒を添加して1,3−ブタジエンをシス−1,4重合する工程、引き続き、(2)得られた重合反応混合物中に可溶性コバルト化合物と一般式AlR(但し、Rは炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基又はシクロアルキル基である)で表される有機アルミニウム化合物と二硫化炭素とから得られる触媒を存在させて、1,3−ブタジエンを1,2重合する工程から得られたビニル・シス−ポリブタジエン、及び、(B)上記シス−1,4重合触媒を添加して1,3−ブタジエンをシス−1,4重合する工程で得られたシス−ポリブタジエンを溶液混合することを特徴とするビニル−シスポリブタジエンゴム(a)10〜50重量%と、スチレン−ブタジエンゴム(d)30〜70重量%と、(a)と(d)以外のジエン系ゴム(b)0〜60重量%とからなるゴム成分(a)+(d)+(b)100重量部とゴム補強剤(c)40〜100重量部とからなることを特徴とする乗用車タイヤ用ゴム組成物。
  19. (A)(1)水分の濃度が調節された、1,3−ブタジエンと炭化水素系有機溶剤を主成分としてなる混合物に、有機アルミニウム化合物と可溶性コバルト化合物から得られるシス−1,4重合触媒を添加して1,3−ブタジエンをシス−1,4重合する工程、引き続き、(2)得られた重合反応混合物中に可溶性コバルト化合物と一般式AlR(但し、Rは炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基又はシクロアルキル基である)で表される有機アルミニウム化合物と二硫化炭素とから得られる触媒を存在させて、1,3−ブタジエンを1,2重合する工程から得られたビニル−シスポリブタジエン、及び、(B)上記シス−1,4重合触媒を添加して1,3−ブタジエンをシス−1,4重合する工程で得られたシス−ポリブタジエンを溶液混合することを特徴とするビニル−シスポリブタジエンゴム(a)10〜60重量%と、(a)以外のジエン系ゴム(b)90〜40重量%とからなるゴム成分(a)+(b)100重量部とゴム補強剤(c)30〜80重量部とからなることを特徴とするタイヤコードコーティング用ゴム組成物。
  20. (A)(1)水分の濃度が調節された、1,3−ブタジエンと炭化水素系有機溶剤を主成分としてなる混合物に、有機アルミニウム化合物と可溶性コバルト化合物から得られるシス−1,4重合触媒を添加して1,3−ブタジエンをシス−1,4重合する工程、引き続き、(2)得られた重合反応混合物中に可溶性コバルト化合物と一般式AlR(但し、Rは炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基又はシクロアルキル基である)で表される有機アルミニウム化合物と二硫化炭素とから得られる触媒を存在させて、1,3−ブタジエンを1,2重合する工程から得られたビニル・シス−ポリブタジエン、及び、(B)上記シス−1,4重合触媒を添加して1,3−ブタジエンをシス−1,4重合する工程で得られたシス−ポリブタジエンを溶液混合することを特徴とするビニル−シスポリブタジエンゴム(a)20〜80重量%と、(a)以外のジエン系ゴム(b)80〜20重量%とからなるゴム成分(a)+(b)100重量部とゴム補強剤(c)22〜55重量部とからなることを特徴とするベーストレッド用ゴム組成物。
  21. (A)(1)水分の濃度が調節された、1,3−ブタジエンと炭化水素系有機溶剤を主成分としてなる混合物に、有機アルミニウム化合物と可溶性コバルト化合物から得られるシス−1,4重合触媒を添加して1,3−ブタジエンをシス−1,4重合する工程、引き続き、(2)得られた重合反応混合物中に可溶性コバルト化合物と一般式AlR(但し、Rは炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基又はシクロアルキル基である)で表される有機アルミニウム化合物と二硫化炭素とから得られる触媒を存在させて、1,3−ブタジエンを1,2重合する工程から得られたビニル−シスポリブタジエン、及び、(B)上記シス−1,4重合触媒を添加して1,3−ブタジエンをシス−1,4重合する工程で得られたシス−ポリブタジエンを溶液混合することを特徴とするビニル−シスポリブタジエンゴム(a)20〜80重量%と、(a)以外のジエン系ゴム(b)80〜20重量%とからなるゴム成分(a)+(b)100重量部とゴム補強剤(c)60〜100重量部とからなることを特徴とする高硬度配合ゴム組成物。
  22. (A)(1)水分の濃度が調節された、1,3−ブタジエンと炭化水素系有機溶剤を主成分としてなる混合物に、有機アルミニウム化合物と可溶性コバルト化合物から得られるシス−1,4重合触媒を添加して1,3−ブタジエンをシス−1,4重合する工程、引き続き、(2)得られた重合反応混合物中に可溶性コバルト化合物と一般式AlR(但し、Rは炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基又はシクロアルキル基である)で表される有機アルミニウム化合物と二硫化炭素とから得られる触媒を存在させて、1,3−ブタジエンを1,2重合する工程から得られたビニル−シスポリブタジエン、及び、(B)上記シス−1,4重合触媒を添加して1,3−ブタジエンをシス−1,4重合する工程で得られたシス−ポリブタジエンを溶液混合することを特徴とするビニル−シスポリブタジエンゴム(a)10〜60重量%と、(a)以外のジエン系ゴム(b)90〜40重量%とからなるゴム成分(a)+(b)100重量部とゴム補強剤(c)45〜70重量部とからなることを特徴とする大型車両タイヤ用ゴム組成物。
  23. 前記ビニル−シスポリブタジエンゴム(a)の製造工程において、前記(A)(2)の1,3−ブタジエンを1,2重合する工程の重合温度が−5〜50℃であることを特徴とする請求項16〜22のいずれかに記載のゴム組成物。
  24. 前記ビニル−シスポリブタジエンゴム(a)の製造工程において、前記(A)で得られたビニル−シスポリブタジエンの沸騰n−ヘキサン不溶分の割合(HI)が10〜60重量%であることを特徴とする請求項16〜22のいずれかに記載のゴム組成物。
  25. 前記ビニル−シスポリブタジエンゴム(a)において、(A)(1)のシス−1,4重合する工程で得られたシス−ポリブタジエンの5%トルエン溶液粘度(Tcp))が150〜250であることを特徴とする請求項16〜22のいずれかに記載のゴム組成物。
  26. (a)以外のジエン系ゴム(b)が、天然ゴム及び/又はポリイソプレンであることを特徴とする請求項16,18,19,20,21または22のいずれかに記載のゴム組成物。
  27. (a)以外のジエン系ゴム(b)が、天然ゴム及び/又はポリイソプレン及び/またはスチレンブタジエンゴムであることを特徴とする請求項17に記載のゴム組成物。
  28. ゴム補強剤(c)がカーボンブラックであることを特徴とする請求項16〜22のいずれかに記載のゴム組成物。
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