JP5389535B2 - トレッドクッション用ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、トレッドゴムとベルト層との間に挟まれて配設されるトレッドクッションを形成するためのゴム組成物、及び該ゴム組成物を用いてなる空気入りタイヤに関する。
空気入りタイヤにおいて、トレッドゴムとベルト層との間に配置されるトレッドクッションは、タイヤ内部に位置しているため、タイヤの加硫成形時に熱源から遠く、熱が伝わりにくいことから加硫不足を起こしやすい。そのため、タイヤ生産における生産性を向上させるための1つの方策として、トレッドクッションの加硫速度を速くすることが求められている。
また、トレッドクッションの性能として、トレッドゴムとベルト層とを粘着させることが求められ、タイヤ成形時における工程性(成形性)を確保するためには、トレッドクッションが適度な粘着性を持つことが必要である。
また、タイヤ製造工程においては、ベルト層を形成するゴム−スチールコード複合体にトレッドクッションを貼り付け、更にその上にトレッドゴムを貼り付けてグリーンタイヤ(生タイヤ)を作製し、その後加硫成形されるが、工程上の都合等によって、トレッドゴムを貼り付けた状態やグリーンタイヤの状態で長期間保管される場合がある。このような未加硫状態で長期間保管すると、トレッドゴム中に含まれる配合剤のブルームや、トレッドクッションゴムやスチールコードのトッピングゴムの経時変化などにより、トレッドゴムとベルト層間の加硫後接着性が低下して、セパレーションが発生するという問題がある。そのため、未加硫状態で保管した際の接着性低下を抑制することも必要である。
従来、タイヤ加硫時間の短縮のために、加硫最遅部分に相当するゴム部材であるトレッドクッションの加硫速度を、特定の加硫促進剤の組み合わせによって増大することによる改良が試みられている(下記特許文献1参照)。また、トレッドクッションに扁平クレーを配合することにより、接着力低下に繋がる水分のベルト層への透過を抑制して、ゴムとスチールコードとの接着力の低下を防止することも試みられている(下記特許文献2参照)。しかしながら、これら従来の方策では、トレッドクッションとしての成形時の工程性を損なうことなく、加硫速度を向上し、また未加硫保管時の接着性の低下を抑制するのに十分とは言えず、更なる改良が求められる。
ところで、下記特許文献3には、加硫促進剤としてN−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンイミドを用いることにより、未加硫状態で保管した際の接着性の低下を抑制できることが開示されている。しかしながら、この文献は、ベルト層などのスチールコードを被覆するトッピングゴム(すなわち、スチールコード被覆用ゴム組成物)に関するものであり、トレッドクッション用ゴム組成物に関する本発明とは異なる。トレッドクッションは、上記のように粘着性が要求される点で、スチールコード被覆用ゴム組成物とは異なる要求性能を持ち、また、スチールコードに直接接触しないゴム部材であることから、未加硫保管時の接着性についても従来評価されておらず、上記技術と同様に論ずることはできない。
特開2002−356102号公報 特開2004−284453号公報 特開2009−051897号公報
本発明は、以上の点に鑑み、成形時の工程性を損なうことなく、速い加硫速度と未加硫保管時の接着性を両立することができるトレッドクッション用ゴム組成物を提供することを目的とする。
本発明に係るゴム組成物は、トレッドゴムとベルト層との間に挟まれて配設されるトレッドクッションを形成するためのゴム組成物であって、ジエン系ゴム100重量部に対し、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンイミドの単独、又は該N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンイミドとスルフェンアミド系加硫促進剤とを併用した加硫促進剤であって該加硫促進剤中に占める前記N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンイミドの含有率が50重量%以上である加硫促進剤を0.4〜1.5重量部と、アルキルフェノール系樹脂及び石油系炭化水素樹脂から選択される少なくとも1種の粘着付与剤を1〜15重量部と、有機酸金属塩を金属分換算で0.03重量部以上と、0.5〜2重量部のメチレン受容体と、その硬化剤としての0.5〜2重量部のメチレン供与体からなる硬化性接着樹脂と、を含有するものである。また、本発明に係る空気入りタイヤは、トレッドゴムとベルト層との間に挟まれて配設されるトレッドクッションに、該ゴム組成物を用いたものである。
本発明によれば、加硫促進剤として特定量のN−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンイミドを配合して、粘着付与剤及び有機酸金属塩と併用することにより、成形時の工程性を損なうことなく、未加硫状態で保管した際の加硫後の接着性低下を抑制することができ、また速い加硫速度との両立が可能となる。
実施形態に係る空気入りタイヤの半断面図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明に係るトレッドクッション用ゴム組成物(以下、単にゴム組成物ということがある。)においては、ゴム成分としてジエン系ゴムが用いられる。ジエン系ゴムとしては、天然ゴム(NR)の他、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、ニトリルゴム(NBR)などのジエン系合成ゴムが挙げられ、これらジエン系ゴムは、いずれか一種単独で、又は2種以上ブレンドして用いることができる。この中でも、伸長結晶化しやすく破壊特性に優れるNRを主成分とすることが好ましく、即ち、NR単独、又は、NR60重量%以上とジエン系合成ゴム40重量%以下とのブレンドを用いることが好ましい。
本発明に係るゴム組成物には、加硫促進剤として、下記式(1)で表されるN−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンイミド(TBSI)が用いられる。
Figure 0005389535
N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンイミドとしては、例えば、フレキシス社から販売されている「サントキュアTBSI」が好適なものとして例示され、使用することができる。
加硫促進剤としては、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンイミドを単独で用いてもよく、あるいは他の加硫促進剤を併用してもよい。但し、併用する場合でもN−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンイミドが主成分として用いられ、すなわち、全加硫促進剤量に占めるN−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンイミドの含有率を50重量%以上とする。N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンイミドの含有率が50重量%未満では、未加硫保管時の接着性低下の抑制効果が低下し、また加硫速度の改良効果も不十分となる。
併用する他の加硫促進剤としては、スルフェンアミド系加硫促進剤が好ましい。スルフェンアミド加硫促進剤としては、N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(DZ、JIS略号:DCBS)、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(CZ、JIS略号:CBS)、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(NS、JIS略号:BBS)、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(OBS)、N,N−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(DPBS)等を挙げることができる。この中でも、DCBSが特に好ましく用いられる。
加硫促進剤の配合量は、上記ジエン系ゴム100重量部に対して、0.4〜1.5重量部であり、より好ましくは0.7〜1.3重量部である。加硫促進剤の配合量が0.4重量部未満では、加硫速度が遅く、生産性が悪化する。また、該配合量が1.5重量部を超えると、工程でのスコーチの発生や未加硫保管時の安定性の低下を招くおそれがある。
前記N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンイミドの配合量は、ジエン系ゴム成分100重量部に対して0.2〜1.5重量部であることが好ましく、より好ましくは0.4〜1.3重量部であり、更に好ましくは0.5〜1.3重量部である。
本発明に係るゴム組成物には、粘着付与剤が配合される。粘着付与剤は、ゴム組成物に粘着性を付与する添加剤であり、タッキファイヤーとも称される。トレッドクッションとしての粘着性及び加硫速度の点から、アルキルフェノール系樹脂や石油系炭化水素樹脂などの粘着樹脂が好ましく用いられ、これらはそれぞれ単独で用いても併用してもよい。
上記アルキルフェノール系樹脂としては、アルキルフェノール(例えば、p−t−ブチルフェノール)とアセチレンの重縮合物であるアルキルフェノールアセチレン系樹脂、アルキルフェノール(例えば、p−t−ブチルフェノール、p−t−オクチルフェノール、p−t−ドデシルフェノール)とホルムアルデヒドの重縮合物であるアルキルフェノールホルムアルデヒド系樹脂が挙げられ、特にはアルキルフェノールアセチレン系樹脂が好ましい。
上記石油系炭化水素樹脂としては、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、脂肪族/芳香族共重合系石油樹脂が挙げられる。脂肪族系石油樹脂は、炭素数4〜5個相当の石油留分(C5留分)であるイソプレンやシクロペンタジエンなどの不飽和モノマーをカチオン重合することにより得られる樹脂であり(C5系石油樹脂とも称される。)、水添したものであってもよい。芳香族系石油樹脂は、炭素数8〜10個相当の石油留分(C9留分)であるビニルトルエン、アルキルスチレン、インデンなどのモノマーをカチオン重合することにより得られる樹脂であり(C9系石油樹脂とも称される。)、水添したものであってもよい。脂肪族/芳香族共重合系石油樹脂は、上記C5留分とC9留分を共重合することにより得られる樹脂であり(C5/C9系石油樹脂とも称される。)、水添したものであってもよい。
粘着付与剤の配合量は、上記ジエン系ゴム100重量部に対して、1〜15重量部であり、より好ましくは1〜10重量部である。粘着付与剤の配合量が1重量部未満では、トレッドクッションとしての十分な粘着性が得られず、また、粘着付与剤を添加することによる加硫速度の向上効果も得られない。粘着付与剤の配合量が15重量部を超えると、粘着性が高くなりすぎてトレッドゴムの貼り直し等が困難となり、成形時の工程性が損なわれる。また、耐スコーチ性も悪化し、この点からも工程性が悪化する。
本発明に係るゴム組成物には、有機酸金属塩が配合される。有機酸金属塩としては、例えば、ナフテン酸コバルト、ステアリン酸コバルト、オレイン酸コバルト、ネオデカン酸コバルト、ロジン酸コバルト、マレイン酸コバルトなどの有機酸コバルト塩の他に、有機酸ニッケル塩、有機酸モリブデン塩などが挙げられ、この中でも加工性の点からナフテン酸コバルト、ステアリン酸コバルトが特に好ましい。
有機酸金属塩の配合量としては、上記ジエン系ゴム成分100重量部に対し、金属分換算で0.03重量部以上であり、より好ましくは0.03〜0.40重量部、更に好ましくは0.05〜0.20重量部である。この配合量が0.03重量部未満であると、未加硫保管時の接着性低下を抑制する効果が不十分となる。
本発明に係るゴム組成物には、メチレン受容体とメチレン供与体からなる硬化性接着樹脂を配合することができる。上記加硫促進剤としてのN−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンイミド、粘着付与剤及び有機酸金属塩とともに、硬化性接着樹脂を配合することにより、上記本発明の効果を更に向上することができる。
硬化性接着樹脂を構成する上記メチレン受容体としては、レゾルシン又はレゾルシン誘導体が好ましい。レゾルシン誘導体としては、レゾルシンをホルムアルデヒドで縮合したレゾルシンホルムアルデヒド樹脂、更にはアルキルフェノールを共縮合したレゾルシンアルキルフェノールホルマリン樹脂が好ましいものとして挙げられる。
上記メチレン受容体に対する硬化剤としてのメチレン供与体としては、ヘキサメチレンテトラミン又はメラミン誘導体が挙げられる。メラミン誘導体としては、例えば、メチロールメラミン、メチロールメラミンの部分エーテル化物、メラミンとホルムアルデヒドとメタノールの縮合物等が用いられ、その中でもヘキサメトキシメチルメラミンが特に好ましい。
上記メチレン受容体の配合量は、ジエン系ゴム100重量部に対して0.5〜2重量部であり、メチレン供与体の配合量は、ジエン系ゴム100重量部に対して0.5〜2重量部である。これらの配合量を0.5重量部以上とすることで、未加硫保管時の接着性低下を抑制する効果を高めることができる。これらの配合量が2重量部を超えると、加硫速度が遅くなってしまう。
本発明に係るゴム組成物には、加硫剤としての硫黄が通常配合される。硫黄の配合量は、ジエン系ゴム成分100重量部に対し、1〜10重量部であることが好ましく、より好ましくは3〜7重量部である。硫黄としては、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、オイル処理硫黄などが挙げられ、特に限定されない。
本発明に係るゴム組成物には、上記各成分の他、タイヤ用ゴム組成物に一般に配合される各種配合剤を任意に配合することができる。そのような配合剤としては、例えば、カーボンブラックやシリカなどの充填剤、オイル、ステアリン酸、亜鉛華、老化防止剤、加工助剤などが挙げられ、本発明の目的に反しない範囲で適宜配合することができる。
本発明のゴム組成物は、通常に用いられるバンバリーミキサーやニーダなどの混合機を用いて混練し作製することができ、トレッドクッションを形成するためのゴム組成物として用いることができる。
図1は、実施形態に係る空気入りラジアルタイヤの一例を示したものである。このタイヤは、トレッド部(1)と、左右一対のビード部(2)と、トレッド部(1)とビード部(2)との間に介在する左右一対のサイドウォール部(3)とよりなり、トレッド部(1)の径方向内側に配されたカーカス層(4)が、そこから両側のサイドウォール部(3)を経てビード部(2)でビードコア(5)の内側から外側に巻き上げられることにより係止されている。
トレッド部(1)におけるカーカス層(4)の外周側にはベルト層(6)が配されている。ベルト層(6)は、カーカス層(4)のクラウン部の外周に重ねて設けられており、この例では、径方向内側から順に、第1ベルト層(61)と第2ベルト層(62)との2枚のベルト層で構成されている。ベルト層(6)は、所定密度で平行配列されたスチールコードの両面をゴム被覆してなるものであり、該スチールコードをタイヤ周方向に対して一定角度で延在させ、かつ、第1ベルト層(61)と第2ベルト層(62)とでスチールコードが互いに交差するように配設されてなる。
上記ベルト層(6)とトレッドゴム(7)との間にはトレッドクッション(8)が介設されている。トレッドクッション(8)はベルト層(6)をその全幅で覆うゴム層であり、ベルト層(6)の外周面とトレッドゴム(7)の内周面との間に挟まれて配置されている。そして、このトレッドクッション(8)が上述したゴム組成物により形成されている。該ゴム組成物は、所定幅のシート状の形成しておき、これをベルト層(6)とトレッドゴム(7)との間に貼り付けることによりグリーンタイヤが得られ、その後、常法に従い加硫成形することにより空気入りラジアルタイヤを製造することができる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
下記表1に記載の配合に従って、各実施例及び比較例のトレッドクッション用ゴム組成物を、密閉式バンバリーミキサーを用いて、常法に従い混練し調製した。表1の各成分の詳細は以下の通りである。
・天然ゴム:RSS#3、
・カーボンブラック:HAF、東海カーボン(株)製「シースト300」、
・レゾルシン誘導体:レゾルシンアルキルフェノールホルマリン樹脂、住友化学工業(株)製「スミカノール620」、
・メラミン誘導体:ヘキサメトキシメチルメラミン、三井サイテック(株)製「サイレッツ963L」、
・ステアリン酸コバルト:ジャパンエナジー(株)製「ステアリン酸コバルト」(Co含有率9.5重量%)、
・粘着付与剤1:アルキルフェノールアセチレン樹脂、 Schenectady社製「SP1068」、
・粘着付与剤2:石油系炭化水素樹脂、エクソンモービル社製「エスコレッツ1102」、
・加硫促進剤DCBS:N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、大内新興化学工業(株)製「ノクセラーDZ−G」、
・加硫促進剤TBSI:N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンイミド、フレキシス社製「サントキュアTBSI」、
・硫黄:フレキシス社製「ミュークロンHS OT−20」。
各ゴム組成物には、共通配合として、ジエン系ゴム100重量部に対し、プロセスオイル(株式会社ジャパンエナジー製「JOMOプロセスP−200」)5重量部、亜鉛華(三井金属鉱業(株)製「亜鉛華3号」)10重量部、ステアリン酸(花王(株)製「ルナックS25」)1重量部、及び、老化防止剤6C(フレキシス社製「サントフレックス6PPD」)2重量部をそれぞれ配合した。
得られた各ゴム組成物について、タッキネス、耐スコーチ性、及び加硫速度を測定した。また、各ゴム組成物を用いて、下記の方法により、ゴム−スチールコード未加硫複合体を作製し、得られた複合体を用いて未加硫保管時の接着性を測定した。各測定方法は以下の通りである。
[タッキネス]
未加硫のゴムシートについて、タックテスターを用いてタッキネスを測定し、比較例1の値を100とした指数で表示した。成形時の工程性の指標となる。すなわち、指数が小さいと、成形時にトレッドゴムとベルト層間が剥がれるといったトラブルが発生し、工程性が損なわれる。逆に指数が大きすぎると、トレッドゴムとベルト間が粘着しすぎるため、トレッドゴムの貼り直し等が困難となって、やはり工程性が損なわれる。
[耐スコーチ性]
JIS K6300に準拠したムーニースコーチ試験をレオメーター(L形ロータ)を用いて行い、予熱1分、温度125℃で測定時のt5値(分)を求めた。この値が大きいほど、スコーチしにくく、耐スコーチ性に優れることを示す。
[加硫速度]
JIS K6300に準拠したムーニースコーチ試験をレオメーター(L形ロータ)を用いて行い、予熱1分、温度150℃で測定時のt50値(分)を求めた。この値が小さいほど加硫速度が速いことを示す。
[ゴム−スチールコード未加硫複合体の作製方法]
各ゴム組成物をシーティングして厚さ1.0mmのゴムシートを作製した。トッピングゴムによって被覆されたスチールコードよりなるベルト層を2枚重ね(スチールコードの打ち込み本数は13本/25mm)、その片面に上記ゴムシートを貼り合わせ、更にその上に厚み7mmのトレッドゴムを貼り合わせて、スチールコードが2層存在するゴム−スチールコード未加硫複合体を作製した。
[未加硫保管後の接着性]
上記未加硫複合体を作製後、40℃×95%RHの恒温恒湿槽中に7日間放置した後、150℃×30分の条件で加硫し、万能引張試験機を用いて、トレッドゴムとベルト層間の剥離試験を行い、剥離後のスチールコードのゴム被覆率を目視にて観察した。0〜100%で表示し、数値が大ほど未加硫保管時の接着安定性が良好である。
Figure 0005389535
結果は表1に示す通りであり、加硫促進剤としてDCBSを用い、かつ硬化性接着樹脂及びステアリン酸コバルトを未配合の比較例1では未加硫保管後の接着性が低かったのに対し、比較例2では、硬化性接着樹脂及びステアリン酸コバルトを配合したことにより、未加硫保管後の接着性は多少改善されたが、加硫速度が遅くなった。比較例3では、加硫促進剤としてTBSIを用いたものの、その配合量が少なかったため、加硫速度が遅かった。比較例4では、加硫促進剤の配合量自体は十分であったものの、TBSIの比率が小さかったため、加硫速度及び未加硫保管後の接着性ともに改良効果が不十分であった。比較例5では、ステアリン酸コバルトが未配合のため、未加硫保管後の接着性の改良効果が不十分であった。比較例6では、未加硫保管後の接着性は改良されたものの、粘着付与剤が未配合のため、タッキネスが小さく、成形時の工程性に劣るものであり、また実施例1に比べて加硫速度も遅くなっていた。比較例7では、未加硫保管後の接着性は改良されたものの、粘着付与剤の配合量が多すぎて、タッキネスが大きすぎ、成形時の工程性に劣るものであり、また耐スコーチ性も悪化していた。
これに対し、加硫促進剤として特定量のTBSIとともに、粘着付与剤とステアリン酸コバルトを併用した実施例1〜6であると、成形時の工程性の悪化や耐スコーチ性の悪化を伴うことなく、未加硫保管時の接着安定性を改善しながら、加硫速度が速く、生産性を向上できるものであった。
本発明は、乗用車用タイヤ、トラック・バス用などの大型タイヤ等、各種の空気入りタイヤに適用することができる。
1…トレッド部、2…ビード部、3…サイドウォール部、4…カーカス層
5…ビードコア、6…ベルト層、7…トレッドゴム、8…トレッドクッション

Claims (3)

  1. トレッドゴムとベルト層との間に挟まれて配設されるトレッドクッションを形成するためのゴム組成物であって、
    ジエン系ゴム100重量部に対し、
    N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンイミドの単独、又は該N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンイミドとスルフェンアミド系加硫促進剤とを併用した加硫促進剤であって、該加硫促進剤中に占める前記N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンイミドの含有率が50重量%以上である加硫促進剤を0.4〜1.5重量部と、
    アルキルフェノール系樹脂及び石油系炭化水素樹脂から選択される少なくとも1種の粘着付与剤を1〜15重量部と、
    有機酸金属塩を金属分換算で0.03重量部以上と、
    0.5〜2重量部のメチレン受容体と、その硬化剤としての0.5〜2重量部のメチレン供与体からなる硬化性接着樹脂と、
    を含有することを特徴とするトレッドクッション用ゴム組成物。
  2. 前記加硫促進剤は、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンイミドの単独、又は該N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンイミドとN,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミドとの併用からなることを特徴とする請求項記載のトレッドクッション用ゴム組成物。
  3. トレッドゴムとベルト層との間に挟まれて配設されるトレッドクッションに、請求項1又は2に記載のゴム組成物を用いたことを特徴とする空気入りタイヤ。
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