JPH06228370A - ポリブタジエンゴム及びその組成物 - Google Patents

ポリブタジエンゴム及びその組成物

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Publication number
JPH06228370A
JPH06228370A JP1553593A JP1553593A JPH06228370A JP H06228370 A JPH06228370 A JP H06228370A JP 1553593 A JP1553593 A JP 1553593A JP 1553593 A JP1553593 A JP 1553593A JP H06228370 A JPH06228370 A JP H06228370A
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JP
Japan
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polybutadiene
boiling
hexane
rubber
polybutadiene rubber
Prior art date
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Pending
Application number
JP1553593A
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English (en)
Inventor
Norishige Kawaguchi
憲重 川口
Naomi Okamoto
尚美 岡本
Hiroyuki Nakamura
裕之 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】耐屈曲性に優れ、ダイスウェルが小さく、且つ
加硫後のモジュラスが適度であり反発弾性の大きなポリ
ブタジエンゴム、即ちタイヤのサイドウォールに用いる
のに好適なポリブタジエンゴムを提供する。 【構成】沸騰n−ヘキサン可溶分と沸騰n−ヘキサン不
溶分とからなり、沸騰n−ヘキサン不溶分の割合が1〜
25重量%であり、当該不溶分の還元粘度が0. 5〜4
(テトラリン中130℃)であり、沸騰N−ヘキサン可
溶分が、重量平均分子量30万〜80万であり、分子量
≦5万の成分の割合が3〜9重量%であって、且つ固有
粘度〔η〕とムーニー粘度MLとが、 〔η〕 > 0. 022ML+1. 60 なる関係を満足しているポリブタジエンゴムおよびジエ
ン系合成ゴムや天然ゴムとのブレンド組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、n−ヘキサン可溶分と
n−ヘキサン不溶分からなるポリブタジエンゴム、及び
このポリブタジエンゴムに天然ゴム及び/又はジエン系
合成ゴムをブレンドしたゴム組成物であって、自動車用
タイヤのサイドウォールに特に好適なものに関する。
【0002】
【従来の技術】自動車用タイヤは、サイドウォール、ト
レッド、ビード、カーカス等の各部分から構成されてお
り、これらの各部分毎に異なった機能が要求される。こ
のため、これらの各部分を構成するゴムについても各々
の機能に見合ったものが用いられている。例えば、トレ
ッドは直に路面に接触する部分なので、スキッド抵抗の
大きなことや耐摩耗性に優れていることが要求される。
この他、近年の燃費向上の要請から、転がり抵抗が少な
いことも要求されている。このため、トレッド用のゴム
には、これらの要求に見合った性質が求められる。
【0003】一方、サイドウォールは走行中のタイヤの
変形が集中する部分なので、耐屈曲性が高いこと、即
ち、繰り返し変形により屈曲亀裂が生じないことと万一
屈曲亀裂が発生しても成長が遅いことが要求される。サ
イドウォールに加硫後のモジュラスが高いゴムを用いる
と、耐屈曲性が低下するだけでなく、乗り心地も悪くな
るという問題点があるから、サイドウォール用のゴムに
は加硫後のモジュラスが低いことが要求される。更に、
加硫後の反発弾性は高い方が、タイヤの転がり抵抗が減
少し好ましいから、加硫後の反発弾性が高いことも要求
される。
【0004】従来、高シス−1,4−ポリブタジエン
が、繰り返し変形により屈曲亀裂が発生しにくいことか
らタイヤのサイドウォールに一般に用いられてきた。し
かし、高シス−1,4−ポリブタジエンは、一旦屈曲亀
裂が発生すると成長が早いという問題がある。又、加硫
前の押し出し加工において大きなダイスウェル比を示す
という欠点もあった。そこで、高シス−1,4−ポリブ
タジエンのマトリックス中にシンジオタクチック−1、
2−ポリブタジエンが繊維状に分散した構造を有するポ
リブタジエンゴムがサイドウォール用として提案された
(特公昭47−17666号)。このポリブタジエンゴ
ムは、従来の高シス1、4−ポリブタジエンと比較し
て、屈曲亀裂の成長が遅く、且つダイスウェルが小さい
という特徴を有している。
【0005】
【発明の解決しようとする課題】しかし、上記のポリブ
タジエンゴムは、加硫後のモジュラスが大きすぎるの
で、このゴムをサイドウォールに用いると乗り心地のよ
いタイヤが得られないという問題があった。又、このゴ
ムは反発弾性も充分ではないので、タイヤの転がり抵抗
が大きくなるという問題もあった。
【0006】そこで、マトリックスである高シス−1,
4−ポリブタジエンの低分子量成分を多くし、ポリブタ
ジエンゴム全体のモジュラスを低下させ、タイヤの繰り
返し変形による亀裂の発生、成長を防止しようとする試
みがなされた(特開昭62−73707号)。しかし、
反発弾性については充分に改良されなかったのでタイヤ
の転がり抵抗が大きくなるという問題は殆ど解決されて
いなかった。
【0007】本発明は、耐屈曲性に優れ、ダイスウェル
が小さく、且つ加硫後のモジュラスが適度であり反発弾
性の大きなポリブタジエンゴム、即ちタイヤのサイドウ
ォールに用いるのに好適なポリブタジエンゴムを提供す
ることを目的とする。
【0008】
【発明の構成】本発明は、沸騰n−ヘキサン可溶分と沸
騰n−ヘキサン不溶分からなるポリブタジエンゴム、及
びこのポリブタジエンゴムに他のゴム、例えば高シス−
1、4−ポリブタジエンやスチレン−ブタジエンゴム、
ポリイソプレンゴム等のジエン系合成ゴムや、天然ゴム
等をブレンドしたゴム組成物に関する。
【0009】本発明のポリブタジエンゴムは、実質的に
沸騰n−ヘキサン不溶分と沸騰n−ヘキサン可溶分から
なり、沸騰n−ヘキサン不溶分が沸騰n−ヘキサン可溶
分中に繊維状に分散した構造を有する。
【0010】ここで、n−ヘキサン可溶分とは、ポリブ
タジエンゴムを沸騰n−ヘキサン中で還流したときに不
溶分として回収される部分をいい、沸騰n−ヘキサン不
溶分は、ポリブタジエンゴムを沸騰n−ヘキサン中で還
流したときにn−ヘキサンに溶解する部分である。
【0011】沸騰n−ヘキサン不溶分の割合は1〜25
重量%である。3〜20重量%の範囲が好ましい。沸騰
n−ヘキサン不溶分の割合が1重量%よりも少ないと、
充分な耐屈曲性が得られず、ダイスウェルも大きくなる
という問題がある。一方、沸騰n−ヘキサン不溶分の割
合が25重量%よりも多い場合は、ポリブタジエンゴム
の配合物ムーニー粘度が大きくなりすぎ加工が難しくな
るから、好ましくない。ここで、「配合物」とは、本発
明のポリブタジエンゴム或いはゴム組成物にカーボンブ
ラックやプロセスオイル、充填剤、加硫剤、加硫助剤
(必要であれば)、老化防止剤等を配合したものをい
う。
【0012】沸騰n−ヘキサン不溶分は、シンジオタク
チック−1,2−ポリブタジエンそのもの、及び/又は
シンジオタクチック−1,2−構造を主要な構造とする
ポリブタジエンを主成分とするものである。そして、テ
トラリン中で130℃で測定した還元粘度は0. 5〜
4、好ましくは0. 8〜3の範囲である。沸騰n−ヘキ
サン不溶分の還元粘度が0. 5よりも小さいときは、沸
騰n−ヘキサン不溶分が沸騰n−ヘキサン中に繊維状に
分散しないので、ポリブタジエンゴムのダイスウェルや
耐屈曲性が充分に改善されないという問題がある。一
方、沸騰n−ヘキサン不溶分の還元粘度が4を超える
と、沸騰n−ヘキサン不溶分が、沸騰n−ヘキサン可溶
分中で凝集塊を形成するようになり分散不良を起こすよ
うになる。このため、ポリブタジエンゴムの加工性や耐
久性が低下するという問題がある。
【0013】沸騰n−ヘキサン可溶分は、高シス−1,
4−ポリブタジエンそのもの、及び/又は高シス−1,
4構造を主要な構造とするポリブタジエンを主成分とす
るものである。
【0014】沸騰n−ヘキサン可溶分の重量平均分子量
は、30万〜80万の範囲であり、且つ、重量平均分子
量5万以下の成分の割合が3〜9重量%であることが必
要である。沸騰n−ヘキサン可溶分の重量平均分子量が
30万未満であるポリブタジエンゴムは、加硫物の耐久
性や反発弾性が低くなるから好ましくない。一方、80
万を超えると、配合物のムーニー粘度が高くなり過ぎ、
押し出し加工などが困難になるという問題がある。
【0015】沸騰n−ヘキサン可溶分は、又、固有粘度
〔η〕と100℃におけるムーニー粘度(ML1+4 )と
が、 〔η〕> 0. 022ML1+4 +1. 60 なる関係を満足している必要がある。固有粘度とムーニ
ー粘度の関係が、 〔η〕≦ 0. 022ML1+4 +1. 60 であると、反発弾性が大きくダイスウェルの小さなポリ
ブタジエンゴムやゴム組成物が得られない。
【0016】以下、本発明のポリブタジエンゴムの製造
方法について説明する。
【0017】本発明のポリブタジエンゴムは、二段重合
法によって製造できる。二段重合法とは、1,3−ブタ
ジエンを二段階に分けて重合する方法であり、第1段階
でシス−1,4−重合を行って高シス−1、4−ポリブ
タジエン(沸騰n−ヘキサン可溶分)を得、次いで重合
を停止することなく引き続いてシンジオタクチック−
1,2重合触媒を投入し、シンジオタクチック−1,2
−ポリブタジエン(沸騰n−ヘキサン不溶分)を合成
し、沸騰n−ヘキサン不溶分が沸騰n−ヘキサン可溶分
中に分散したポリブタジエンゴムを得るというものであ
る。又、この逆に、第1段階でシンジオタクチック−
1,2重合を行い、第2段階でシス−1,4重合を行っ
てもよい。
【0018】シス−1,4重合触媒及びシンジオタクチ
ック−1,2重合触媒には、各々公知のものを用いるこ
とができる。
【0019】シス−1,4重合触媒の例としては、ジエ
チルアルミニウムクロライド−コバルト系触媒やトリア
ルキルアルミニウム−三弗化硼素−ニッケル系触媒、ジ
エチルアルムニウムクロライド−ニッケル系触媒、トリ
エチルアルミニウム−四沃化チタニウム系触媒、等のチ
ーグラー・ナッタ系触媒、及びトリエチルアルミニウム
−有機酸ネオジウム−ルイス酸系触媒等のランタノイド
元素系触媒等が挙げられる。
【0020】シンジオタクチック−1,2重合触媒の例
としては、可溶性コバルト−有機アルミニウム化合物−
二硫化炭素系触媒、可溶性コバルト−有機アルミニウム
化合物−二硫化炭素系触媒−ニトリル化合物系触媒、等
が挙げられる。重合度、重合触媒等の重合条件も公知の
方法に従って適宜設定することができる。
【0021】本発明のポリブタジエンは、この他、ブレ
ンド法によっても製造できる。
【0022】ブレンド法は、シンジオタクチック−1,
2−ポリブタジエンと高シス−1,4−ポリブタジエン
とを予め別々に重合してからブレンドするという方法で
あるが、各々を溶液の状態でブレンドする溶液ブレンド
法の他、バンバリーミキサーや押出混練機等で溶融、混
練する溶融ブレンド法も可能である。又、二段重合法で
合成したポリブタジエンゴムに、高シス−1,4−ポリ
ブタジエンやシンジオタクチック−1,2−ポリブタジ
エンをブレンドしてもよい。
【0023】本発明のポリブタジエンゴムに、更に、天
然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムをブレンドしたゴム
組成物も、サイドウォール用として好ましく用いられ
る。但し、この組成物は、本発明のポリブタジエンゴム
を20重量%以上含有することが好ましい。ここで、ジ
エン系合成ゴムとは、高シス−1,4−ポリブタジエ
ン、低シス−1,4−ポリブタジエン、アモルファス状
1,2−ポリブタジエン、高シスポリイソプレン、低シ
スポリイソプレン、ブチルゴム、スチレン−ブタジエン
ゴムから選ばれた1種類或いは2種類以上のゴムをい
う。
【0024】
【実施例】以下、実施例によって本発明についてより具
体的に説明する。
【0025】〔構造及び物性の測定〕実施例及び比較例
のポリブタジエン或いはその組成物について、構造や物
性等の測定を以下のようにして行った。
【0026】(a)n−ヘキサン不溶分の割合及びその還
元粘度 ポリブタジエンゴム或いはゴム組成物25gを沸騰n−
ヘキサン1000ml中で還流し、不溶分をn−ヘキサン
不溶分として回収し、ポリブタジエンゴム或いはゴム組
成物中のn−ヘキサン不溶分の割合を求めた。次いで、
このn−ヘキサン不溶分0. 2gをテトラリン100ml
に溶解し、130℃の温度で、ウベローデ粘度計で比粘
度を測定し、その値から還元粘度を求めた。
【0027】(b)n−ヘキサン可溶分の重量平均分子量
の測定 上記(a) においてポリブタジエンゴム或いはゴム組成物
を沸騰n−ヘキサン中で還流し、不溶分を分離した後、
n−ヘキサン溶液を回収し、この溶液からn−ヘキサン
を除去してn−ヘキサン可溶分を回収した。このn−ヘ
キサン可溶分をテトラヒドロフランに溶解し、GPCを
用いてポリスチレン換算分子量を求め、この結果から重
量平均分子量Mwを測定した。測定条件は以下の通りで
ある。 装 置 : HLC−802A型 カラム : GMH6000、2本並列 溶離液 : テトラヒドロフラン 溶離液流量: 1. 0ml/分 測定温度: カラム槽・・・40℃ 検出器・・・・40℃ サンプル濃度: 0. 025g/100ml サンプル注入量:0. 5ml
【0028】(c)n−ヘキサン可溶分のミクロ構造 上記のn−ヘキサン可溶分について、赤外線スペクトル
を測定し、モレロ法によってシス−1,4構造の割合を
計算した。
【0029】(d)n−ヘキサン可溶分の固有粘度〔η〕 上記のn−ヘキサン可溶分について、トルエン溶媒、3
0℃の条件で、キャノンフェンスケ粘度計を用いて固有
粘度を測定した。
【0030】(e)ポリブタジエンゴム或いはゴム組成物
の配合物のダイスウェル比 キャピラリーレオメーター(インテスコ社製)を用い
て、温度100℃、ダイL/D=2mm/1mm、剪断速度
60sec で測定し、高シス−1,4−ポリブタジエンで
あるUBEPOL BR150(宇部興産株式会社製)
のダイスウェルを100としたときの指数で表した。数
値が小さい方を良好とした。
【0031】(f)ムーニー粘度 JIS K6300に従って測定した。
【0032】(g)硬度、300%モジュラス及び反発弾
加硫物について測定した。測定はJIS K6301に
従って行った。
【0033】(h)耐屈曲性 加硫物について測定した。2mmの亀裂が15mmになるま
での回数をJIS K6301に従って測定し、高シス
−1,4−ポリブタジエンであるUBEPOLBR15
0(宇部興産株式会社製)の回数を100とした指数で
表した。指数が大きい方が良好である。
【0034】〔ポリブタジエンの調製〕ポリブタジエン
(A)〜(K)を以下に示すようにして調製した。
【0035】(A)内部を窒素ガスで置換した容量2リ
ットルのオートクレーブに、1,3−ブタジエン224
gを脱水ベンゼン576gに溶解した溶液を仕込み、更
に水2. 2mlを加えて30分間攪拌した。次いで、この
溶液を50℃に昇温し、ジエチルアルミニウムクロライ
ド2. 9mmol、コバルトオクトエート0. 007mmol、
及び1,5−シクロオクタジエン0. 3mmolを加えて3
0分間重合した。重合終了後、重合溶液に2,4−t−
ブチル−p−クレゾール0. 5gをメタノール/ベンゼ
ン(50/50(v/v))混合溶媒100mlに溶かした溶
液を加えて重合を停止した。重合反応を停止した後、重
合溶液を常法に従って処理し、ポリブタジエンを回収し
た。得られたポリブタジエンのミクロ構造は、シス9
7. 1%、トランス1. 5%、ビニル1. 4%であっ
た。固有粘度〔η〕は4. 5であった。
【0036】(B)コバルトオクトエートの量を0. 0
08mmol、1,5−シクロオクタジエンの量を1. 7mm
olにした以外は、(A)と同様にしてポリブタジエンを
得た。得られたポリブタジエンのミクロ構造は、シス9
7. 0%、トランス1. 5%、ビニル1. 5%であっ
た。固有粘度〔η〕は3. 6であった。
【0037】(C)コバルトオクトエートの量を0. 0
10mmol、1,5−シクロオクタジエンの量を9. 0mm
olにした以外は、(A)と同様にしてポリブタジエンを
得た。得られたポリブタジエンのミクロ構造は、シス
1,4−構造の割合が96. 8%であり、ムーニー粘度
は42、固有粘度〔η〕は2. 4であった。
【0038】(D)コバルトオクトエートの量を0. 0
11mmol、1,5−シクロオクタジエンの量を33. 0
mmolにし、重合温度を60℃に変更した以外は、(A)
と同様にしてポリブタジエンを得た。得られたポリブタ
ジエンは、固有粘度〔η〕1.2の半液状のポリマーで
あった。ミクロ構造は、シス96. 0%、トランス2.
0%、ビニル2. 0%であった。
【0039】(E)コバルトオクトエートの量を0. 1
3mmol、1,5−シクロオクタジエンの量を45. 5mm
olにした以外は、(C)と同様にしてポリブタジエンを
得た。得られたポリブタジエンは、固有粘度〔η〕0.
8の半液状のポリマーであり、ミクロ構造は、シス9
5. 5%、トランス2. 2%、ビニル2. 3%であっ
た。
【0040】(F)コバルトオクトエートの量を0. 0
20mmol、1,5−シクロオクタジエンの量を140.
0mmolにした以外は、(C)と同様にしてポリブタジエ
ンを得た。得られたポリブタジエンは、固有粘度〔η〕
0. 4の半液状のポリマーであり、ミクロ構造は、シス
95. 1%、トランス2. 4%、ビニル2. 5%であっ
た。 (A)から(F)までのポリブタジエンは全てn−ヘキ
サン可溶であった。
【0041】(G)第1段目のシス−1,4重合は
(C)と同様にして行った。引き続き重合を停止せず
に、重合溶液に、トリエチルアルミニウム3. 6mmol、
二硫化炭素0. 2mmol、及びコバルトオクトエート0.
08mmolからなる1,2−重合触媒を加えて、温度50
℃で30分間、第2段目の重合を行った。重合後、常法
に従い重合溶液を処理してポリブタジエンを回収した。
得られたポリブタジエンは、ムーニー粘度(100℃)
が52、沸騰n−ヘキサン不溶分の含有率は6. 2重量
%、沸騰n−ヘキサン不溶分の還元粘度は2.2であっ
た。一方、沸騰n−ポリブタジエン可溶分の含有率は9
3. 8重量%、ムーニー粘度は43、固有粘度〔η〕は
2. 4であり、シス−1,4構造の割合は96. 9%で
あった。
【0042】(H)シンジオタクチック−1,2重合に
おいて、コバルトオクトエートの量を0, 12mmolとし
た以外は、(G)と同様にして重合を行った。得られた
ポリブタジエンは、ムーニー粘度(100℃)が60、
沸騰n−ヘキサン不溶分の含有率は12. 6重量%、還
元粘度は2. 3であった。一方、沸騰n−ポリブタジエ
ン可溶分の含有率は87. 4重量%、固有粘度〔η〕は
2. 4、シス−1,4構造の割合は96. 9%であっ
た。
【0043】(I)シンジオタクチック−1,2重合に
おいて、コバルトオクトエートの量を0. 25mmolとし
た以外は、(F)と同様にして重合を行った。得られた
ポリブタジエンは、ムーニー粘度(100℃)が81、
沸騰n−ヘキサン不溶分の含有率は23. 7重量%、還
元粘度は2. 0であった。一方、沸騰n−ポリブタジエ
ン可溶分の含有率は76. 3重量%、固有粘度〔η〕は
2. 4、シス−1,4構造の割合は96. 9%であっ
た。
【0044】(J)シス−1,4重合において、水を
1. 2mmolとした以外は、(H)と同様にして重合を行
った。得られたポリブタジエンは、ムーニー粘度(10
0℃)が83、沸騰n−ヘキサン不溶分の含有率は2
3. 2重量%、還元粘度は2. 1であった。一方、沸騰
n−ポリブタジエン可溶分の含有率は86. 8重量%、
固有粘度〔η〕は2. 0、シス−1,4構造の割合は9
5. 1であった。
【0045】(K)内部を窒素ガスで置換した容量2リ
ットルのオートクレーブに、1,3−ブタジエン224
gを無水ベンゼン576gに溶解した溶液を仕込み、更
に水2. 0mmolを加えて30分間攪拌した。次いでこの
溶液を50℃に昇温し、トリエチルアルミニウム3. 6
mmol、二硫化炭素0. 2mmol、及びコバルトオクトエー
ト0. 1mmolを加えて、30分間シンジオタクチック
1,2−重合を行った。得られたシンジオタクチック
1,2−ポリブタジエンの還元粘度は2. 1であった。
【0046】〔実施例1〜6、比較例1〜6〕ポリブタ
ジエン(A)〜(K)を、表1に示すような割合で溶液
ブレンドし、溶媒を除去して、ポリブタジエンゴムを調
製した。各実施例及び比較例におけるポリブタジエンゴ
ム(A)〜(K)の配合割合、及び沸騰n−ヘキサン可
溶分及び沸騰n−ヘキサン不溶分の割合等を表1及び表
2に示す
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】このポリブタジエンゴムに、表3の処方に
従ってカーボンブラック、プロセスオイル、硫黄等を配
合し配合物を得た。この配合物につきダイスウェルを測
定した。結果を表4に示す。
【0050】
【表3】
【0051】表3の配合物を、150℃、30分の条件
で空気中で加硫し、加硫物を得た。この加硫物について
硬さ、300%モジュラス、及び反発弾性を測定した。
結果を表4に示す。
【0052】
【表4】
【0053】以下、表4に示した結果について説明す
る。
【0054】先ず、実施例2と比較例1、2、3の各々
の結果を比較する。実施例2、及び比較例1、2、3
に用いられたポリブタジエンゴムは、表1に示すように
いずれも沸騰n−ヘキサン不溶分が7. 0重量%前後で
ある点で共通である。
【0055】比較例1は分子量5万以下の成分の割合が
過剰なポリブタジエンゴムを用いた点で、実施例2と異
なる。比較例1は 加硫物のダイスウェルは74、30
0%モジュラスは93kg/cm2 と、殆ど問題のない値を
示した。しかし、反発弾性については、実施例2が60
であるのに対して比較例1は55と大幅に劣っていた。
【0056】比較例2は分子量5万以下の成分の割合が
過少なポリブタジエンゴムを用いた点で、実施例2と異
なる。比較例2は、反発弾性は60と実施例2の60と
同じ値を示した。しかし、ダイスウェルについては、実
施例2が79であるのに対して比較例2は86であり、
比較例2のほうが大幅に劣っていた。300%モジュラ
スについても実施例2では99kg/cm2 であるのに対
し、比較例2においては109kg/cm2 と大きい値を示
していた。
【0057】比較例3は、ポリブタジエンゴム中の沸騰
n−ヘキサン可溶分の固有粘度〔η〕とムーニー粘度の
値が所定の関係を満足していない点で実施例2と異な
る。比較例3は、300%モジュラスについては95kg
/cm2 と実施例2の99kg/cm 2 とほぼ同様の値を示し
た。しかし、ダイスウェルについては、実施例2が79
であるのに対して比較例3は83と劣っていた。又、反
発弾性についても実施例2では60kg/cm2 であるのに
対し、比較例3においては55kg/cm2 と小さな値を示
した。
【0058】次に、実施例4の結果と比較例5の結果を
比較する。実施例4と比較例5は、ポリブタジエンゴム
が沸騰n−ヘキサン不溶分を12重量%前後含む点では
共通であるが、比較例5は、ポリブタジエンゴム中の沸
騰n−ヘキサン可溶分の固有粘度とムーニー粘度の値が
所定の関係を満たしていない点、及びMwが5万以下の
成分の割合が、所定の範囲外である点で、実施例4と異
なる。
【0059】実施例4と比較例5とは、ダイスウェルは
両方とも67乃至66とほぼ同様の値を示した。しか
し、300%モジュラスについては、実施例4が121
kg/cm 2 であったのに対して比較例5は143kg/cm2
と高い値を示した。
【0060】次に、表1のポリブタジエンゴム60重量
部に対し天然ゴム40重量部、その他カーボンブラック
等を配合した。処方を表5に示す。
【0061】
【表5】
【0062】表5の配合物につき、ダイスウェルを測定
した。又、この配合物を、150℃、30分の条件で加
硫し、加硫物を得た。この加硫物について硬さ、300
%モジュラス、反発弾性、及び耐屈曲性を測定した。結
果を表6に示す。
【0063】
【表6】
【0064】表6に示した結果も、実施例2と比較例1
〜4、及び実施例4と比較例5との比較においては、表
4と同様の傾向を示した。
【0065】実施例2と比較例2とを比較すると、30
0%モジュラスについては、実施例2では88kg/cm2
であったのに対し、比較例2では93kg/cm2 と大きく
なっていた。又、耐屈曲性については実施例2では35
0と高い値を示したのに対し、比較例2では260と大
幅に低い値を示した。
【0066】実施例4と比較例5とを比較しても、同様
の傾向が見られた。即ち、300%モジュラスについて
は、実施例4では98kg/cm2 であったのに対し、比較
例5では113kg/cm2 と大きくなっていた。又、耐屈
曲性については実施例4では380と高い値を示したの
に対し、比較例2では230と大幅に低い値を示した。
【0067】表3及び表5に示した結果から、ポリブタ
ジエンゴム中の沸騰n−ヘキサン可溶分中の低分子量成
分が多くなり過ぎたり、沸騰n−ヘキサン可溶分の固有
粘度とムーニー粘度の値が所定の関係を満足しなくなっ
たりすると、加硫物の諸物性をバランス良く改善するこ
とができないことが判る。一方、ポリブタジエンゴム中
の沸騰n−ヘキサン可溶分中の低分子量成分が少なくな
り過ぎると、ダイスウェルが大きくなり、300%モジ
ュラスが高い値を示すので、耐屈曲性が低下することが
判る。
【0068】
【発明の効果】本発明のポリブタジエンゴム及びゴム組
成物は、耐屈曲性に優れ、ダイスウェルが小さく、且つ
加硫後のモジュラスが適度であり反発弾性が大きいの
で、タイヤのサイドウォールに用いるのに特に好適であ
る。勿論、その他のタイヤ部材や一般ゴム工業用途にも
好適に使用できる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(1)実質的に沸騰n−ヘキサン不溶分と沸
    騰n−ヘキサン可溶分からなり、 (2)沸騰n−ヘキサン不溶分の割合が1〜25重量%で
    あり、 (3)沸騰n−ヘキサン不溶分の還元粘度(テトラリン中
    130℃)が0. 5〜4であり、 (4)沸騰n−ヘキサン可溶分が、(a) 重量平均分子量M
    w=30万〜80万であり、(b) 分子量5万以下の成分
    の割合が3〜9重量%であって、且つ、(c) 固有粘度
    〔η〕と100℃におけるムーニー粘度(ML1+4 )と
    が、 〔η〕> 0. 022ML1+4 +1. 60 なる関係を満足している、ポリブタジエンゴム。
  2. 【請求項2】 (1)請求項1に記載のポリブタジエンゴム ・・・・・・・20重量%以上 (2)天然ゴム、及び/又はジエン系合成ゴム ・・・・・・・・・・・・残部 からなるゴム組成物。
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