JPH07238187A - タイヤトレッド用ゴム組成物 - Google Patents

タイヤトレッド用ゴム組成物

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JPH07238187A
JPH07238187A JP6052504A JP5250494A JPH07238187A JP H07238187 A JPH07238187 A JP H07238187A JP 6052504 A JP6052504 A JP 6052504A JP 5250494 A JP5250494 A JP 5250494A JP H07238187 A JPH07238187 A JP H07238187A
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JP
Japan
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rubber
weight
hydrogenated
butadiene
polymer
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Withdrawn
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JP6052504A
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English (en)
Inventor
Yasunobu Nakafutami
泰伸 仲二見
Haruo Yamada
春夫 山田
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C1/00Tyres characterised by the chemical composition or the physical arrangement or mixture of the composition
    • B60C1/0016Compositions of the tread

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Tires In General (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 ブタジエン含量が97〜75wt%、スチレン
含量が3〜25wt%からなり、ブタジエン部のビニル結
合含量が20〜60%のスチレン−ブタジエン共重合体
を、ブタジエン部の全水添率が5〜50%で、水添ビニ
ル結合含量が5〜50wt%、水添1,4結合含量が15
wt%以下であって、かつ1,4結合含量が80〜20wt
%となるようにブタジエン部二重結合を選択的に部分水
添した水添ゴムを30〜95重量%、天然ゴムを75〜
5重量%からなる原料ゴム100重量部、窒素吸着比表
面積が40〜150m2 /g、かつDBP吸油量が70
〜180ml/100gのカーボンブラックを55〜80
重量部、プロセスオイルを5〜40重量部、加硫剤を
0.1〜10重量部よりなるタイヤトレッド用ゴム組成
物。 【効果】 省燃費特性、低発熱性、グリップ特性に極め
て優れ、加工性、耐摩耗性、低温特性が改良された。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、省燃費性、低発熱性、
グリップ特性の物性バランスに極めて優れ、加工性、耐
摩耗性、低温特性が改良されている選択かつ部分的に水
素添加(以下水添と略す)した共重合体のゴム組成物に
関する。更に詳しくは特定のスチレン−ブタジエン共重
合体を選択部分水添してなる特定構造の選択部分水添重
合体を含むタイヤトレッド用ゴム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、環境保護問題から省エネルギーに
つながる燃費効率の高いタイヤを要望する声が強まって
いる。更に、今後排気ガスのない電気自動車の普及も拡
大することが予想される。これらの車には運転の安全性
に必要なグリップ性能を高い水準で維持しながら、転が
り抵抗を大幅に低減させ燃費効率を改善させたタイヤが
求められている。
【0003】かかる要望のもとに従来より、自動車用タ
イヤに対して、省燃費性の面から転がり抵抗の低減、自
動車の安全性の面からは操縦安定性及びウェット・スキ
ッド性(湿潤路面での制動性能)の向上、タイヤの生産
性の面では加工性の改良による品質の向上が図られてき
たが、次に示すようにこれらの特性は互いに相反する傾
向が強く、全ての特性を向上することはかなり困難であ
った。
【0004】タイヤのウェット・スキッド性を保持しつ
つ、転がり抵抗を低減させる方法として、タイヤの軽量
化、タイヤ構造の最適化、トレッドパターンの改良、タ
イヤトレッドに使用するゴム配合物の改良等の方法が試
みられている。これらの中で、タイヤトレッドに使用す
るゴム配合物を改良して、転がり抵抗を低減する方法と
しては、ヒステリシスロスの少ない原料ゴムを使用する
方法、粒径の大きいカーボンブラックを使用する方法、
カーボンブラック及びオイルの量を減らす方法等が提案
されている。
【0005】トレッドに使用するポリマーの転がり抵抗
とウェット・スキッド特性を改良する方法としては、例
えば特開昭54−62248号公報にはガラス転移点
(Tg)が−50℃以上、スチレン含有率が20〜40
%でブタジエン部分のビニル結合量が50〜80%であ
るスチレン−ブタジエン共重合体を使用する方法が示さ
れている。しかし、このような重合体を用いた場合、タ
イヤの転がり抵抗とウェット・スキッド特性のバランス
はある程度改善されるが、比較的分子量の高い重合体で
あるため、ゴム配合物の加工性が低下してしまう傾向に
ある。
【0006】また、特開昭59−117514号公報に
示されるような重合体鎖の末端に、ベンゾフェノン類を
付加させた共役ジエン重合体も転がり抵抗の改良はみら
れるが、ベンゾフェノン類を付加していない重合体に比
べて配合物のムーニー粘度が高くなり、加工性が低下し
ている。
【0007】更に、転がり抵抗性能を保持しつつ上記の
ような重合体の加工性上の問題点を解決する試みとして
は、特公昭49−36957号公報に示される分岐重合
体及びそれと類似した特開昭57−55912号公報や
特開昭58−168611号公報に開示された特定構造
の分岐重合体を使用する方法がある。しかし、これらの
分岐成分を有する重合体を用いたゴム組成物において
も、スチレン−ブタジエン共重合体単独の場合、高速で
の押出加工時に押出成型物の表面の肌が荒れるという問
題があり、そのために天然ゴムないしは合成ポリイソプ
レンゴムをブレンドする改良方法(特開昭60−944
3号公報)が提案されている。
【0008】このような分岐状のスチレン−ブタジエン
共重合体を天然ゴム系のゴムとブレンドして使用する場
合には、分岐状の重合体の有する性能上の特徴を保持し
つつ加工性が改良されることが望ましい。しかし、スズ
化合物によって分岐された重合体分子を含有する場合、
天然ゴムとのブレンド組成物にすると、転がり抵抗性能
に対応する50〜70℃における反発弾性が、分岐状重
合体単独の組成物に比べて悪化する傾向にある。この傾
向は分岐成分を多く含む場合において大きく、スズによ
って改良された分岐状重合体の性能が必ずしも発現され
ないという状況にあった。
【0009】一方、スチレン−ブタジエン共重合体を部
分水添して得られる重合体を用いた例では耐熱老化性、
反発弾性の優れる油展ゴムの製法に関する提案(特公昭
46−29020号公報)がなされている。しかし、従
来の鉄、ニッケル、コバルトの有機化合物を主成分とす
る触媒では、ビニル結合を優先的に選択して部分水添す
ることは困難で、ビニル結合をある程度高く水添するに
は、1,4結合をも高く水添する必要があった。また、
この方法は結晶性の共重合体を発生し目的とする反発弾
性、耐熱老化性を改良すると逆に好ましくない硬度の著
しい上昇、あるいは低発熱性の悪化をきたすものでしか
なかった。
【0010】更に、分子量分布がポリモーダルな共重合
体を水添し耐老化性と加工性を改良する提案(特開昭6
0−252643号公報)や、官能基を有するジエン系
共重合体を水添し耐老化性、低発熱性、耐摩耗性を改良
する提案(特開昭62−283105号公報)や、分岐
状水添ジエン系重合体と官能基含有直鎖状水添ジエン系
重合体を組み合わし、耐老化性、低発熱性、耐摩耗性、
加工性、ペイン効果を改良する方法(特開昭63−41
547号公報)が提案されている。しかし、これらは耐
老化性、低発熱性等が向上しているものの、タイヤにと
って重要であり、相反する性質である省燃費特性とグリ
ップ特性等の総合的な物性バランスにおいては十分な性
能が達成されていない。
【0011】その他、ジエン系重合体の側鎖成分(ブタ
ジエン重合体においてはビニル結合部分)のみを選択的
に水添する方法も提案され、耐オゾン性、酸化安定性を
有する選択水添ジエン重合体を得る方法も知られている
(特公昭62−26322号公報)。しかしこの方法に
よる重合体は確かに耐熱老化性あるいは反発弾性の若干
の向上はあるものの、不十分であり硬度、モジュラスに
至っては全く改良がみられないものであった。
【0012】これに対し、ビニル結合を選択的に部分水
添することにより、高モジュラス、反発弾性、低発熱
性、耐熱老化性に優れた選択部分水添重合体組成物(特
開平4−227648号公報)が提案された。しかし、
オイル量の少ない配合における組成物は加工性が不十分
であり、かつ低温特性の点でも改善を要するものであっ
た。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】以上に従来技術を説明
してきたが、電気自動車をはじめとする将来の自動車用
タイヤとして要求される性能は、高度な省燃費特性、充
分なグリップ特性、低発熱性、加工性、耐摩耗性、低温
特性等を同時に兼ね備えた物性バランスであり、従来技
術ではこれを満たすゴム組成物はまだ得られていない。
本発明はその要望に応えた、特定のポリマー構造を有す
るゴムと天然ゴムとを組み合わせて使用することにより
画期的に省燃費特性、低発熱性、グリップ特性に優れ、
加工特性、耐摩耗性、低温特性を向上させたタイヤ用ゴ
ム組成物を提供することを課題とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、 (A)下記(a)〜(e)の条件を満たす選択部分水添
ゴム30〜95重量%と天然ゴム70〜5重量%とから
なる原料ゴム100重量部、(a)ブタジエン含量が9
7〜75wt%、スチレン含量が3〜25wt%であり、ブ
タジエン部のビニル結合含量が20〜60%のスチレン
−ブタジエン共重合体を、(b)ブタジエン部の全水添
率が5〜50%で、水添ビニル結合含量が5〜50wt%
であり、水添1,4結合含量が15wt%以下であって、
かつ1,4結合含量が80〜20wt%となるようにブタ
ジエン部二重結合を選択的に部分水添し、(c)分子量
分布(Mw/Mn)が1〜10、(d)ガラス転移点が
−95〜−40℃、(e)ムーニー粘度ML1+4 (10
0℃)が30〜150である、 (B)窒素吸着比表面積が40〜150m2 /gで、D
BP吸油量が70〜180ml/100gのカーボンブラ
ック55〜80重量部、 (C)プロセスオイル5〜40重量部、及び (D)加硫剤0.1〜10重量部 よりなるタイヤトレッド用ゴム組成物である。
【0015】本発明を構成する選択部分水添ゴムは特定
構造のスチレン−ブタジエン共重合体を選択的かつ部分
的に水添することにより得られるものである。選択部分
水添ゴムについて、以下に詳しく説明する。
【0016】本発明を構成する選択部分水添重合体の前
駆体である水添前の重合体は、ブタジエン含量が97〜
75重量%、スチレン含量が3〜25重量%であるスチ
レン−ブタジエン共重合体であり、特に好ましくは、ブ
タジエン含量が95〜75重量%、スチレン含量が5〜
25重量%である。ブタジエン含量が75重量%未満で
は、本発明組成物とした時のゴム弾性が失われ、硬度が
上昇し、省燃費性や耐摩耗性や低温特性が低下するので
好ましくない。また、上記含量の範囲であればスチレン
が共重合体の分子鎖中にランダム、ブロック、また一部
ブロック等いずれの連鎖状態で重合していても構わない
が、組成物の反発弾性及び低温特性の点でランダム分布
が好ましい。
【0017】ブタジエン部の結合様式には、シス−1,
4結合(シス結合)とトランス−1,4結合(トランス
結合)と1,2結合(ビニル結合)が存在する。ビニル
結合含量はシス結合とトランス結合とビニル結合の合計
量に対するビニル結合の含量と定義される。本発明を構
成する選択部分水添重合体の水添前の重合体中における
ブタジエン部分のビニル結合含量は20〜60%に制限
される。ビニル結合が60%を越えると本発明組成物の
耐摩耗性が著しく低下してしまい、20%未満では水添
ビニル結合量が少なくなり本発明組成物の特長である省
燃費特性、低発熱性、グリップ特性、加工性を発現でき
ない。ビニル結合含量は好ましくは20〜50%、更に
好ましくは25〜45%である。ブタジエン部分のビニ
ル結合は、分子鎖内に均一に存在しても、分子鎖に沿っ
て増加あるいは減少してもよい。
【0018】本発明を構成する選択部分水添重合体の水
添前の重合体は、前述の特定の構造に該当する物であれ
ばその製造方法はいかなるものであってもよい。これら
重合体を得る代表的な製造方法を以下に示す。
【0019】水添前のジエン系重合体は、ヘキサン、シ
クロヘキサン、ベンゼン等の不活性溶媒中において、重
合触媒としてn−ブチルリチウム等の有機リチウムない
し他のアルカリ金属化合物を用い、必要に応じて助触媒
成分として、カリウムブトキシド等のアルコキシド、ド
デシルベンゼンスルフォン酸塩、ステアリン酸ナトリウ
ム等の有機酸塩を代表例とする有機化合物を用い、更に
必要に応じてビニル結合量を調節する化合物として、エ
ーテル、ポリエーテル、第三級アミン、ポリアミン、チ
オエーテル、ヘキサメチルホスホルトリアミド等の極性
有機化合物を用いて、モノマーのブタジエン、場合によ
り更にスチレンを所定の比率で共重合することにより得
られる。ビニル結合量は、前記極性有機化合物の添加量
及び重合温度によって制御できる。
【0020】前記重合方法において、モノマーの添加方
法を調節したり、ビニル結合量を調節する化合物の量、
添加方法、重合温度を重合反応の途中で変化させる等の
各種重合条件を変えることにより、前記したような分子
鎖中において、スチレン含有量やビニル結合量が増加ま
たは減少した重合体とすることができる。また、重合に
おいては分子量調節剤として、アセチレン、1,2−ブ
タジエン、フルオレン、第一級アミン、第二級アミン等
の各種化合物を使用することもできる。
【0021】また、上記で得られる活性末端を有する共
重合体鎖を、ハロゲン化珪素化合物、ハロゲン化スズ化
合物、ポリエポキシ化合物等の多官能性化合物によっ
て、カップリングするか、あるいはジビニルベンゼン等
の分岐剤を重合系に添加することによって、分岐状ない
しは放射状あるいは直鎖状の共重合体が得られる。これ
らのカップリング共重合体は加工性の点で好ましい。更
に、ハロゲン化スズ化合物でカップリングした共重合体
は加工性、省燃費特性の点で好ましい。ハロゲン化スズ
化合物としては四塩化スズ、二塩化ジメチルスズ、二塩
化ジブチルスズ、二塩化ジオクチルスズ、三塩化メチル
スズ等が用いられる。スズ化合物と重合末端との反応率
(カップリング率)は30〜100%が好ましく、更に
好ましくは35〜85%である。
【0022】更に、水添前重合体の活性末端と反応する
官能基含有化合物(変性剤)をカップリング剤と併用
し、重合体末端に反応させることも可能である。具体的
には、一塩化スズ化合物、カルボニル化合物、アミノ基
含有ベンゾフェノン化合物、イソシアナート化合物、フ
ォスフェート化合物等の変性剤が用いられる。好ましく
は一塩化スズ化合物で、トリフェニル一塩化スズ、トリ
メチル一塩化スズ、トリブチル一塩化スズ等である。上
記の重合体を得る重合プロセスは、バッチプロセス、連
続プロセス、それらの組み合わせのいずれでも用いるこ
とができる。
【0023】水添前の重合体は、リチウム触媒を使用す
る以外の他の重合法、例えばニッケル、コバルト、チタ
ン等の有機化合物と、リチウム、マグネシウム、アルミ
ニウム等の有機金属成分とからなるチグラー系触媒を使
用する方法ないしは乳化重合法によるものであっても前
述の特定の構造の重合体が得られればいずれの重合体も
使用可能である。
【0024】本発明を構成する選択部分水添重合体のブ
タジエン部の水添率は5〜50%であることが必要であ
る。好ましくは5〜40%であり、更に好ましくは8〜
29%である。ブタジエン部の水添率が5%未満では、
組成物とした時省燃費特性、低発熱性が発現されず、5
0%を越えるとカーボンブラックとの反応性が減少する
ため組成物の強度が減少するので好ましくない。また、
水添率5〜50%の範囲内であれば、選択部分水添重合
体のムーニー粘度は水添前重合体よりも減少し加工性が
向上する効果がある。
【0025】加えて、スチレン−ブタジエン共重合体の
ブタジエン部を水添すると、ビニル結合は水添ビニル結
合(ブテン単位)となり、シス結合及びトランス結合は
水添1,4結合(テトラメチレン単位)となる。従っ
て、部分水添スチレン−ブタジエン共重合体はこれら5
種類の結合単位とスチレン単位から構成される6元共重
合体である。
【0026】これら6種類の結合単位の含量の合計を1
00wt%として表すと、本発明を構成する選択部分水添
重合体は水添ビニル結合含量が5〜50wt%、水添1,
4結合含量が15wt%以下、水添されずに残存するシス
結合及びトランス結合の合計である1,4結合含量が8
0〜20wt%であることが必要である。好ましくは、水
添ビニル結合含量が5〜40wt%、水添1,4結合含量
が10wt%以下、1,4結合含量が80〜30wt%であ
る。更に好ましくは、水添ビニル結合含量が5〜25wt
%、水添1,4結合含量が5wt%以下、1,4結合含量
が70〜35wt%である。
【0027】水添ビニル結合が5wt%未満では組成物の
省燃費特性、低発熱性が発現されず、50wt%を越える
と組成物の強度が減少する。水添1,4結合が20wt%
を越えるとムーニー粘度が上昇し加工性が低下し、更に
組成物の省燃費特性が発現されず、低温性能が悪化す
る。1,4結合含量が80wt%を越えると省燃費特性、
低発熱性が減少し、20wt%未満では良好なゴム弾性が
失われるので好ましくない。
【0028】以上に述べたように、本発明を構成する選
択部分水添重合体は、ブタジエン部分の全水添率が5〜
50%で、水添後の水添ビニル結合含量が5〜50wt
%、水添1,4結合含量が20wt%以下、1,4結合含
量が80〜20wt%の範囲となるように選択的にブタジ
エン部を部分水添することにより得られるものである。
【0029】上記の選択部分水添重合体を得るための水
添反応の方法及び条件としては、チタンの有機金属化合
物単独またはそれとリチウム、マグネシウム、アルミニ
ウムの有機金属化合物とからなる均一触媒を用い、低
圧、低温の穏和な条件で水添する方法が好ましい。具体
的には、不活性有機溶媒中にてビス(シクロペンタジエ
ニル)チタニウムジクロライドとアルキルリチウム化合
物からなる触媒存在下で水添する方法(特公昭63−4
841号公報)、ジ−p−トリルビス(η−シクロペン
タジエニル)チタニウムなどのジ−アリル置換フェニル
ビス(η−シクロペンタジエニル)チタニウム化合物を
水添触媒とし水添する方法(特公平1−37970号公
報)などが挙げられる。これらの触媒系は本発明の選択
部分水添ゴムを得るために必要な選択水添性を有してい
る。さらに、少量で水添が可能であり、反応後の触媒残
渣を脱灰せずに水添重合体を利用できる利点もある。
【0030】本発明を構成する選択部分水添重合体がス
ズ化合物によりカップリングした分子鎖構造を有する場
合、この触媒系であれば水添前に形成されるスズ−炭素
結合を完全に維持したまま水添反応することが可能であ
る。すなわち、他の触媒系で起こる危険性のあるカップ
リング重合体分子の分解反応を起こすことなく水添する
ことが可能である。これは水添前後の重合体のGPC曲
線が水添反応による分子量変化以外の変化がないことか
ら確認される。
【0031】また、この触媒系を用いることにより選択
水添が可能であり、選択部分水添重合体を水添前重合体
に比べムーニー粘度を低下させることができる。すなわ
ち、水添前に比べ加工性を大幅に改良した部分水添重合
体を得ることができる。1,2結合の水添選択率が低い
と水添1,4結合含量が増加し、部分水添重合体のムー
ニー粘度が上昇し加工性も低下するので好ましくない。
本発明に用いられる選択部分水添重合体は水添前重合体
に比べムーニー粘度ML1+4 (100℃)が5ポイント
以上低下したものが加工性と省燃費特性と低発熱性にお
いて好ましい。一方、これ以外の触媒を用いる水添方法
であっても、上記の効果を発現できるものであれば使用
可能である。
【0032】本発明を構成する選択部分水添重合体の重
量平均分子量(Mw)は1万〜100万、分子量分布
(Mw/Mn)は1〜10である。好ましくは、Mwは
5万〜50万、Mw/Mnは1〜5である。Mwが10
0万を越えると加工性が著しく劣り、1万以下では水添
重合体の強度が低くなる。Mw/Mnが10を越えると
低分子成分の存在割合が増加し、本発明組成物の機械的
強度、反発弾性、低温特性を低下させるので好ましくな
い。
【0033】本発明を構成する選択部分水添重合体のT
gは−95〜−40℃あることが必要である。好ましく
は−90〜−50℃である。−40℃を越えると、本発
明の組成物の低温特性及び耐摩耗性が不十分となり好ま
しくない。グリップ特性を重視したタイヤの場合は高い
Tgの選択部分水添重合体を、また、省燃費特性を重視
したタイヤの場合は低いTgの選択部分水添重合体を用
いることが好ましい。更に、選択部分水添重合体同士、
または選択部分水添重合体と他のゴムとの組み合わせに
よるブレンド系で用いる場合は、高いTgと低いTgの
重合体を組み合わせて用いることが好ましい。
【0034】本発明を構成する選択部分水添重合体のム
ーニー粘度ML1+4 (100℃)は30〜150である
ことが必要である。好ましくは、50〜150、更に好
ましくは65〜140である。30未満では組成物の強
度、低発熱性が劣り、150を越えるとゴム組成物に混
練する際にカーボンブラックの十分な分散が得られな
い。
【0035】本発明を構成する選択部分水添重合体を得
る最も好ましい方法は、水添前重合体を有機リチウム触
媒を用いて溶液重合し、得られた重合体溶液をそのまま
次の水添反応に用いることであり、工業的に極めて有用
である。本発明を構成する選択部分水添重合体は上記で
得られた溶液から溶媒を除去し、重合体を単離して得ら
れる。
【0036】本発明のゴム組成物を構成する原料ゴム
に、選択部分水添重合体と天然ゴムをブレンドして用い
ることが加工性、耐摩耗性、及び低温特性を向上させる
目的に不可欠な手段である。ブレンド比率は選択部分水
添重合体が30〜95重量%、天然ゴムが70〜5重量
%である。選択部分水添重合体が30重量%未満では本
発明組成物の特長である省燃費性、低発熱性を発現でき
ず、95重量%を越えると加工性が低下してくるので好
ましくない。天然ゴムが5重量%未満では強度、加工性
が劣り、70重量%を越えると耐摩耗性が低下し望まし
くない。好ましくは選択部分水添重合体が30〜80重
量%、天然ゴムが70〜10重量%である。
【0037】更に必要に応じてブタジエンゴムまたはス
チレン−ブタジエンゴムを30重量%以下の量までブレ
ンドして用いることも可能である。ブタジエンゴム及び
スチレン−ブタジエンゴムは通常用いられるものであれ
ばいかなる種類のものであってもよい。
【0038】本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物を構
成するカーボンブラックは、窒素吸着比表面積が40〜
150m2 /g、かつDBP吸油量が70〜180ml/
100gのカーボンブラックに限定される。
【0039】好ましくは、窒素吸着比表面積は90〜1
50m2 /gであり、DBP吸油量は100〜180ml
/100gである。窒素吸着比表面積が40m2 /g未
満では組成物の耐摩耗性が減少し、150m2 /gを越
えると硬度の上昇、反発弾性の低下が激しくなり、タイ
ヤ用途に使用できない。DBP吸油量が70〜180ml
/100gの範囲にないカーボンブラックは、組成物の
耐摩耗性、硬さ、伸び、加工性、反発弾性の物性バラン
スを悪化させるために使用できない。具体的な品種とし
ては、SAF,ISAF,HAF,FEFのファーネス
ブラック等が使用できる。物性的に好ましいのは粒子の
小さいカーボンブラックであり、更に小粒子・高凝集タ
イプ(高表面積・高吸油性)のものはゴムへの分散性も
よく、物性・加工性の面で特に好ましい。
【0040】カーボンブラックの量は原料ゴム100重
量部に対して55〜80重量部必要である。好ましくは
55〜75重量部である。80重量部を越えると、硬度
が高くなり伸びも減少し良好なゴム特性が失われ、55
重量部未満では、耐摩耗性及び強度が低下するので好ま
しくない。
【0041】本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物を構
成するプロセスオイルの必要量は、原料ゴム100重量
部に対して5〜40重量部である。40重量部を越える
と本発明の特長である組成物の省燃費特性と低発熱性が
発現しなくなるので好ましくなく、5重量部未満では加
工性が低下しゴムとカーボンブラック等との混練が極め
て困難になり均一な組成物が得られなくなる。プロセス
オイルは、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プ
ロセスオイル、芳香族(アロマチック)系プロセスオイ
ルが用いられる。
【0042】本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物を構
成する加硫剤としては、硫黄、塩化硫黄化合物、有機硫
黄化合物等が使用できる。加硫剤の必要量は、原料ゴム
100重量部に対して0.1〜10重量部である。0.
1重量部以下及び10重量部を越えると良好なゴム弾性
が発現しないので好ましくない。
【0043】その他に、加硫促進剤や架橋剤を併用する
ことも可能である。加硫促進剤としては、グアジニン
系、アルデヒド−アミン系、アルデヒド−アンモニア
系、チアゾール系、スルフェンアミド系、チオ尿素系、
チウラム系、ジチオカルバメート系、ザンテート系等の
化合物が使用できる。架橋剤としては、有機パーオキサ
イド化合物及びアゾ化合物等のラジカル発生剤の他、オ
キシム化合物、ニトロソ化合物、ポリアミン化合物が使
用できる。
【0044】また、必要に応じて、補強剤、軟化剤、充
填剤、加硫助剤、着色剤、難燃剤、滑剤、発泡剤、可塑
剤、加工助剤、酸化防止剤、老化防止剤、スコーチ防止
剤、紫外線防止剤、帯電防止剤、着色防止剤、接着促進
剤、その他の配合剤等を添加することも可能である。
【0045】必要に応じて添加されるその他の補強剤と
しては、シリカ、活性化炭酸カルシウム等の無機補強剤
や、ハイスチレン樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド
樹脂等の有機補強剤が使用され、これらの無機または有
機の補強剤は原料ゴム100重量部に対して80重量部
以下で使用される。また、これら補強剤と原料ゴムを結
合させるためにシラン系化合物等の接着促進材(カップ
リング剤)を組み合わせて使用することもできる。充填
剤としては、炭酸カルシウム、クレー、タルク、水酸化
アルミニウム、ゼオライト、ケイソウ土、硫酸アルミニ
ウム、硫酸バリウム等が使用できる。
【0046】酸化防止剤ないし老化防止剤としては、ジ
フェニルアミン系、p−フェニレンジアミン系などのア
ミン誘導体、キノリン誘導体、ハイドロキノン誘導体、
モノフェノール類、ジフェノール類、チオビスフェノー
ル類、ヒンダードフェノール類、亜リン酸エステル類等
が使用でき、これらは、原料ゴム100重量部当り、
0.001〜10重量部添加され、2種以上を併用する
こともできる。紫外線防止剤、滑剤、発泡剤、発泡助
剤、難燃剤、帯電防止剤、着色防止剤その他のゴム配合
薬品は、公知のものをその使用目的に応じて使用するこ
とができる。
【0047】本発明の選択部分水添重合体の組成物は、
一般にゴム組成物の混合に用いられている各種混合装
置、例えば、オープンロール、バンバリーミキサー、ニ
ーダー押出機等によって、原料ゴムと各種配合剤とを混
合し、ついで目的の形状に成形した後、加硫される。本
発明の選択部分水添重合体の組成物は、その特徴を生か
して各種自動車タイヤに好適であり、より具体的にはタ
イヤのトレッド部、キャップトレッド部、アンダートレ
ッド部に適している。
【0048】
【実施例】以下、実施例、比較例により本発明を具体的
に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するもので
はない。
【0049】参考例 選択部分水添ゴム(S−1)の製法: 内容積10リット
ルの撹拌機付き、ジャケット付きオートクレーブを反応
器として用い、n−ヘキサンを4200g、1,3−ブ
タジエンを720g、スチレンを80g導入後、n−ブ
チルリチウム/n−ヘキサン溶液(濃度5重量%)8.
9ミリリットルとテトラヒドロフラン(THF)をリチ
ウムの25倍モル量添加し、60℃にて重合した。重合
終了後ただちに、リチウムの0.125倍モル量の四塩
化スズを加え5分間反応させた。メタノールをリチウム
に対して0.5倍モル量加え、失活させた。
【0050】水添触媒としてジ−p−トリル−ビス(1
−シクロペンタジエニル)チタニウム/シクロヘキサン
溶液(濃度1ミリモル/リットル)250ミリリットル
とn−ブチルリチウム溶液(濃度5ミリモル/リット
ル)50ミリリットルとを0℃、2.0kg/cm2 の水素
下で混合した溶液を添加し、水素分圧2.5kg/cm2
て3.7モルの水素を供給し30分間反応させた。得ら
れた選択部分水添重合体は、酸化防止剤として2,6−
ジ−tert−ブチルヒドロキシトルエンを重合体10
0部当り0.5部添加して、溶媒を除去した。得られた
水添重合体S−1の分析値を表1〜表2に示した。
【0051】選択部分水添ゴム(S−2〜14、R−1
〜13)の製法:スチレンモノマーの添加量、ビニル化
剤であるTHFの添加量、水素吸収量を変化させる以外
はS−1と同じ条件で選択部分水添重合体を得た。
【0052】選択部分水添ゴム(S−15〜17、R−
16〜17)の製法:水添前のスチレン−ブタジエン共
重合体を連続重合プロセスで合成した(S−15)、重
合後SiCl4 を反応させた(S−16)、SnCl4
反応後トリフェニル一塩化スズを反応させた(S−1
7)以外はS−1と同じ条件で選択部分水添重合体を得
た。n−ブチルリチウムを変化させML粘度の高い(R
−16)、ML粘度の低い(R−17)選択部分水添重
合体を得た。
【0053】選択部分水添ゴム(S−18〜19、R−
14〜15)の製法:内容積10リットルの撹拌機付
き、ジャケット付きオートクレーブを反応器として2基
直列に連結し、1基目の反応器底部より定量ポンプを用
い、ブタジエンを24.9g/分、スチレンを5.1g
/分、n−ヘキサンを120g/分、極性物質としてテ
トラメチルエチレンジアミンを0.018g/分、触媒
としてn−ブチルリチウムを0.012g/分の速度で
それぞれ連続的に供給し、反応器内温を100℃に保持
した。重合器頭部より重合体溶液を連続的に抜き出し、
2基目の反応器に供給した。
【0054】2基目の反応器には、活性重合体1モル当
り0.5当量のテトラグリシジル−1,3−ビスアミノ
シクロヘキサンを添加しカップリング反応させた。得ら
れたポリマー溶液に水添触媒としてジ−p−トリル−ビ
ス(1−シクロペンタジエニル)チタニウム/シクロヘ
キサン溶液とn−ブチルリチウム/ヘキサン溶液混合溶
液をポリマーに対しチタニウムガ50ppm となる量を連
続的に加え、アトマイザーに導入し、水素圧2.5kg/
cm2 にて連続的に水添した。酸化防止剤を添加後溶媒を
除去し選択部分水添重合体を得た。
【0055】部分水添ゴム(R−18〜19)の製法:
スチレンモノマーの添加量、THFの添加量を変化さ
せ、カップリング剤にSiCl4 (R−18)、変性剤
に4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン
(R−19)を用い、ナフテン酸ニッケル/n−ブチル
リチウム/THFの水添触媒液にて水添し部分水添重合
体を得た。S−2〜19,R−1〜19の分析値を表1
〜表2に示した。
【0056】水添前の重合体のスチレン含量、ブタジエ
ン部分のビニル結合含量、重量平均分子量(Mw)、分
子量分布(Mw/Mn)及び水添率は、以下に示す方法
で測定した。 1)スチレン含量 水添前の重合体をクロロホルム溶液とし、スチレンのフ
ェニル基によるUV254nmの吸収によりスチレン含量
[S](wt%)を測定した。 2)ブタジエン含有量 水添前の重合体がスチレンを含む場合、100%−スチ
レン含量(wt%)として求めた。
【0057】3)ブタジエン部分のビニル結合含量 水添前の重合体を重クロロホルム溶液とし、FT−NM
R(270MHz 、日本電子(株)製)にて、 1H−NM
Rスペクトルを測定し、化学シフト4.7〜5.2ppm
(シグナルC0 とする)のビニル結合によるプロトン
(=CH2 )と、化学シフト5.2〜5.8ppm(シグナ
ルD0 とする)の1,4結合によるプロトン(=CH
−)の積分強度比より、ビニル結合含量[V](%)を
次の式で計算した。 [V]=〔2C0 /(C0 +2D0 )〕×100
【0058】4)重量平均分子量及び分子量分布(Mw
/Mn) 選択部分水添重合体をTHF溶液とし、GPC(ポン
プ:(株)島津製作所製LC−5A、カラム:ポリスチ
レンゲルHSG−40,50,60各1本、検出器:示
差屈折計)にて、クロマトグラムを測定した。標準ポリ
スチレンのピークの分子量と保持体積との関係の検量線
を用い、定法によりポリスチレン換算の重量平均分子量
(Mw)、数平均分子量(Mn)を計算して求めた。
【0059】5)水添率 水添前の重合体を重クロロホルム溶液とし、FT=NM
R(270MHz 、日本電子(株)製)にて、 1H−NM
Rスペクトルを測定し、化学シフト4.7〜5.2ppm
(シグナルC0 とする)のビニル結合によるプロトン
(=CH2 )と、化学シフト5.2〜5.8ppm(シグナ
ルD0 とする)の1,4結合によるプロトン(=CH
−)の積分強度を求めた。
【0060】一方、選択部分水添重合体についても同様
1H−NMRスペクトルを測定し、化学シフト0.6
〜1.0ppm(シグナルA1 とする)の水添したビニル結
合によるメチルプロトン(−CH3 )、化学シフト4.
7〜5.2ppm(シグナルC1とする)の水添されていな
いビニル結合によるプロトン(=CH2 )、化学シフト
5.2〜5.8ppm(シグナルD1 とする)の水添されて
いない1,4結合によるプロトン(=CH−)の積分強
度を求め、次のように水添率を計算した。
【0061】まず、 p =3C0 /(3C1 +2A1 )、 A11=p×A1 、 C11=p×C1 、 D11=p×D1 とし、ビニル結合部の水添率[B]
(%)は次の式で計算した。 [B]=〔2A11/(2A11+3C11)〕×100
【0062】1,4結合部の水添率[C](%)は次の
式で計算した。 [C]=〔(2D0 −C0 −2D11+C11)/(2D0
+C0 )〕×100 ブタジエン部全体の水添率[A](%)は次の式で計算
した。 [A]=〔[V]×[B]+(100−[V])×
[C]〕/100
【0063】選択部分水添重合体中の水添ビニル結合、
ビニル結合、水添1,4結合、1,4結合の各含量(wt
%)をそれぞれ、[hv],[v],[hb],[b]
とすると、次のように計算できる。 [hv]=(100−[S])×[V]×[B]÷10
000 [v] =(100−[S])×[V]÷100−[h
v] [hb]=(100−[S])×(100−[V])×
[C]÷10000 [b] =(100−[S])×(100−[V])÷
100−[hb]
【0064】実施例1 選択部分水添重合体(S−1)を下記に示す配合及び混
練方法で混練し、160℃、20分加硫成形して、各種
物性を測定した。この結果を表3に示した。 〔配合〕 選択部分水添重合体 60 重量部 天然ゴム 40 重量部 カーボンブラック *1 68.75重量部 アロマオイル 37.5 重量部 亜鉛華 3 重量部 ステアリン酸 1 重量部 老化防止剤(810NA)*2 1 重量部 加硫促進剤(CZ)*3 1.38重量部 硫黄 1.75重量部
【0065】*1 N339:東海カーボン(株)製シ
ーストKH 窒素吸着比表面積93m2 /g、 DBP吸油量が119ml/100g *2 N−イソプロピル−N′−フェニル−p−フェニ
レンジアミン大内新興化学工業(株)製ノクラック81
0−NA *3 N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフ
ェンアミド大内新興化学工業(株)製ノクラックCZ
【0066】〔混練方法〕バンバリーミキサー(容量
1.7リットル、温度160℃)にて選択部分水添重合
体にカーボンブラック、アロマオイル、亜鉛華、ステア
リン酸、老化防止剤を混練。オープンロール(10イン
チ、80℃)にて硫黄と加硫促進剤を混練。
【0067】〔加硫成型〕組成物を金型に入れ、160
℃のプレスにて20分間加圧加熱し加硫成型した。表3
に示した加硫物の各性能は、以下のように測定した。 1)硬さ:JIS−K−6301、JIS−A硬さ試験
機による。 2)モジュラス、引張強度、破断伸び:JIS−K−6
301 引張試験法による。
【0068】3)反発弾性:JIS−K−6301によ
るリュプケ法、試料を70℃オーブン中で1時間予熱
後、素早く取り出して測定した。反発弾性は転がり抵抗
を表すもので省燃費特性を表す指標となる。数値が大き
いほど省燃費特性に優れる。
【0069】4)発熱性:グッドリッチ発熱;グッドリ
ッチフレクソメーターを使用し、荷重24ポンド、変位
0.225インチ、スタート50℃、回転数1800rp
m の条件で試験を行い、20分後の上昇温度差にて表し
た。数値が小さいほど低発熱性であり好ましい。
【0070】5)ウェットスキッド抵抗:スタンレー・
ロンドンのポータブル・スキッドテスターを使用し、路
面としてセイフティー・ウォーク(スリー・エム社製)
を使用してASTM E303−83の方法に従い測定
した。濡れた路面でのグリップ特性の指標であり数値が
大きいほど好ましい。
【0071】6)加工性:オープンロールでのゴム組成
物のまとまり性を目視で判定した。結果を以下のように
表した。 ○:良好 △:やや劣る ×:劣悪 また、配合物ムーニー粘度ML1+4 (100℃)も測定
した。数値が80を越えると加工しにくくなり、また小
さすぎるものも扱い難くなる。
【0072】7)耐摩耗性:ASTM D2228−8
3に従い、ピコ摩耗試験機を用いて測定した。結果は相
対値で表し、数値が大きいほど耐摩耗性が良好である。 8)低温特性:アイススキッド抵抗をスタンレー・ロン
ドンのポータブル・スキッドテスターを使用し、路面と
して氷を使用してASTM E303−83の方法に従
い測定した。
【0073】実施例2〜12、比較例1〜13 選択部分水添重合体(S−2〜17、R−1〜19)を
用いた以外は実施例1と同じ条件にて重合体組成物を得
た後、各種物性を測定し表3に示した。
【0074】実施例18〜24、比較例18〜20 表4に示した配合組成でゴム組成物を得た。これらの物
性結果を表5に示した。
【0075】実施例25〜31、比較例21〜25 表6に示した配合組成でゴム組成物を得た。これらの物
性を表7に示した。
【0076】実施例32〜34、比較例26〜29 表8に示した配合組成でゴム組成物を得た。こられの物
性を表9に示した。
【0077】
【表1】
【0078】
【表2】
【0079】
【表3】
【0080】
【表4】
【0081】
【表5】
【0082】
【表6】
【0083】
【表7】
【0084】
【表8】
【0085】
【表9】
【0086】
【表10】
【0087】
【表11】
【0088】
【表12】
【0089】
【表13】
【0090】
【表14】
【0091】
【表15】
【0092】
【発明の効果】本発明の部分水添の選択性を特定した選
択部分水添重合体を用いることにより、省燃費特性、低
発熱性、グリップ特性、加工性に極めて優れ、耐摩耗
性、低温特性に優れたタイヤトレッド用ゴム組成物が提
供される。このタイヤ用ゴム組成物は、高度の燃費特性
を必要とする自動車用タイヤの材料として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 5/01 KCZ C08L 9/06 LBD

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)下記(a)〜(e)の条件を満た
    す選択部分水添ゴム30〜95重量%と天然ゴム70〜
    5重量%とからなる原料ゴム100重量部、(a)ブタ
    ジエン含量が97〜75wt%、スチレン含量が3〜25
    wt%であり、ブタジエン部のビニル結合含量が20〜6
    0%のスチレン−ブタジエン共重合体を、(b)ブタジ
    エン部の全水添率が5〜50%で、水添ビニル結合含量
    が5〜50wt%であり、水添1,4結合含量が15wt%
    以下であって、かつ1,4結合含量が80〜20wt%と
    なるようにブタジエン部二重結合を選択的に部分水添
    し、(c)分子量分布(Mw/Mn)が1〜10、
    (d)ガラス転移点が−95〜−40℃、(e)ムーニ
    ー粘度ML1+4 (100℃)が30〜150である、 (B)窒素吸着比表面積が40〜150m2 /gで、D
    BP吸油量が70〜180ml/100gのカーボンブラ
    ック55〜80重量部、 (C)プロセスオイル5〜40重量部、及び (D)加硫剤0.1〜10重量部 よりなるタイヤトレッド用ゴム組成物。
  2. 【請求項2】 選択部分水添ゴムが、チタンの有機金属
    化合物を主成分とする水添触媒の存在下で選択部分水添
    されたものである請求項1記載のタイヤトレッド用ゴム
    組成物。
  3. 【請求項3】 選択部分水添ゴムが、主鎖中にスズ化合
    物によりカップリングした分子構造を有する請求項1又
    は2記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
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