JP3672376B2 - ブテン・ブタジエン共重合体、その製造方法及び加硫ゴム - Google Patents

ブテン・ブタジエン共重合体、その製造方法及び加硫ゴム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、省燃費性、低発熱性、耐摩耗性、ウエットスキッド性、更に連続高速運転でのグリップ性能等を同時に極めて高い水準で満足させるより一層優れたタイヤトレッド等を提供できる新規ブテン・ブタジエン共重合体およびその製造方法ならびにそれを用いた加硫ゴムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、自動車用タイヤに対して、省燃費性の面から転がり抵抗の低減、自動車の安全性の面からは操縦安定性及びウェット・スキッド性(湿潤路面での制動性能)の向上、タイヤの生産性の面では加工性の改良による品質の向上が要望されてきた。しかし、これらの特性は互いに相反する傾向が強く、全ての特性を向上することはかなり困難であった。
【0003】
近年、環境保護問題から省エネルギーにつながるより高いレベルの燃費効率の高いタイヤを要望する声が強まっており、同時に、更に、高速道路網の発達により高いレベルでの連続高速運転でのグリップ性能が要求されている。
タイヤのウェット・スキッド性を保持しつつ、転がり抵抗を低減させる方法として、タイヤの軽量化、タイヤ構造の最適化、トレッドパターンの改良、タイヤトレッドに使用するゴム配合物の改良等の方法が試みられている。これらの中で、タイヤトレッドに使用するゴム配合物を改良して、転がり抵抗を低減する方法としては、ヒステリシスロスの少ない原料ゴムを使用する方法、粒径の大きいカーボンブラックを使用する方法、カーボンブラック及びオイルの量を減らす方法など種々の方法が提案されている。
【0004】
一方で、用いるゴムの改良も進められており、本発明者らは、先に、高モジュラス、反発弾性、低発熱性、耐熱老化性に優れた、ビニル結合を選択的に部分水素化した特定構造の選択部分水素添ゴムを提案した(特公平5−20442号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、将来の自動車用タイヤには、高度な省燃費特性を有し、かつ低発熱性、耐摩耗性、ウエットスキッド性、連続高速運転でのグリップ性能を同時に極めて高い水準で満足させる、より一層優れたゴムが必要とされているが、これらの要求を満たすゴムがまだ得られていなかった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため鋭意検討した結果、1,2−ブタジエン構造が極めて選択的に水素化されたポリブタジエンおよびブタジエン−スチレン共重合体に至った。
すなわち本発明は、1−ブテンおよび1,3−ブタジエンの共重合体、または1−ブテン、1,3−ブタジエンおよびスチレンの共重合体、およびその製造方法ならびにそれを用いた加硫ゴムである。
【0007】
本発明は、高度な省燃費特性を有し、かつ低発熱性、耐摩耗性、ウエットスキッド性、連続高速運転でのグリップ性能を同時に極めて高い水準で満足させる、従来にないより一層優れた性能のゴムが得られ、工業的に優れている。
以下に、本発明について詳細に説明する。
本発明の第1は、構成される単量体成分が1−ブテン構造(A)、1,4−ブタジエン構造(B)、1,2−ブタジエン構造(C)およびエチレン構造(D)から成り、各成分の構成比が、(A)成分が10〜90モル%、(B)成分が90〜10モル%、(C)成分および(D)成分がそれぞれ3モル%以下であり、各成分の結合様式がランダムである分子量が10,000〜1,000,000、分子量分布Mw/Mnが1から5である共重合体である。
【0008】
本発明の第2は、構成される単量体成分が1−ブテン構造(A)、1,4−ブタジエン構造(B)、1,2−ブタジエン構造(C)、エチレン構造(D)およびスチレン構造(S)から成り、各成分の構成比が、(A)成分が10〜89モル%、(B)成分が89〜10モル%、(C)成分および(D)成分がそれぞれ3モル%以下、(S)成分が1〜30モル%であり、各成分の結合様式がランダムである分子量が10,000〜1,000,000、分子量分布Mw/Mnが1から5である共重合体である。
【0009】
本発明の第3は、構成される単量体成分が、1,2−ブタジエン構造(C)および1,4−ブタジエン構造(B)から成り、(C)成分が10〜90モル%、(B)成分が90〜10モル%であり、(C)成分と(B)成分の結合様式がランダムであるポリブタジエンを用い、
下記一般式で示される特定の化合物の少なくとも一種とアルカリ金属、アルカリ土類金属、アルミニウム、亜鉛の有機金属化合物または水素化物の少なくとも一種またはこれらの反応生成物、
【化1】
Figure 0003672376
(R1,R2,R3,R4,R5は、それぞれ水素又は炭素数1から12の炭化水素基を示し、その3個以上5個までが炭化水素基であるものであり、それらは同一でも異なっていても良い。R6,R7は炭素数1〜12の炭化水素基、アリーロキシ基、アルコキシ基、ハロゲン基及びカルボニル基から選択された基であり、R6とR7は同一でも異なっていてもよい。)
若しくは
下記一般式で示される特定の化合物の少なくとも一種と炭素数3から20の3有機置換アルミニウム、有機置換アルミニウムハロゲニド、有機置換水素化アルミニウムの少なくとも一種またはこれらの反応生成物
【化2】
Figure 0003672376
(R1,R2,R3,R4,R5は、それぞれ水素又は炭素数1から12の炭化水素基を示し、その全てが水素であるものから、全てが炭化水素基であるものまでを含み、それらは同一でも異なっていても良い。R6,R7は少なくとも1個はハロゲン基であり、他は炭素数1〜12の炭化水素基、アリーロキシ基、アルコキシ基及びカルボニル基から選択された基であり、R6とR7は同一でも異なっていてもよい。)
を水素化触媒として用い、水素化時の温度が80〜140℃で、
1,2−ブタジエン構造の二重結合の90%が水素化された際の1,2−ブタジエンの水素化速度r1と、1,4−ブタジエン構造の二重結合の水素化速度r2の比r1/r2が5以上で水素化し、1,2−ブタジエン構造が3モル%以下に消費された時点で水素化を停止することを特徴とする、第1の発明の共重合体を得る方法である。
【0010】
本発明の第4は、構成される単量体成分が、1,2−ブタジエン構造(C)、1,4−ブタジエン構造(B)およびスチレン構造(S)から成り、(C)成分が10〜89モル%、(B)成分が89〜10モル%、(S)成分が1〜30モル%であり、各成分の結合様式がランダムであるブタジエン−スチレン共重合体を用い、
下記一般式で示される特定の化合物の少なくとも一種とアルカリ金属、アルカリ土類金属、アルミニウム、亜鉛の有機金属化合物または水素化物の少なくとも一種またはこれらの反応生成物、
【化3】
Figure 0003672376
(R1,R2,R3,R4,R5は、それぞれ水素又は炭素数1から12の炭化水素基を示し、その3個以上5個までが炭化水素基であるものであり、それらは同一でも異なっていても良い。R6,R7は炭素数1〜12の炭化水素基、アリーロキシ基、アルコキシ基、ハロゲン基及びカルボニル基から選択された基であり、R6とR7は同一でも異なっていてもよい。)
【0011】
若しくは
下記一般式で示される特定の化合物の少なくとも一種と炭素数3から20の3有機置換アルミニウム、有機置換アルミニウムハロゲニド、有機置換水素化アルミニウムの少なくとも一種またはこれらの反応生成物
【化4】
Figure 0003672376
(R1,R2,R3,R4,R5は、それぞれ水素又は炭素数1から12の炭化水素基を示し、その全てが水素であるものから、全てが炭化水素基であるものまでを含み、それらは同一でも異なっていても良い。R6,R7は少なくとも1個はハロゲン基であり、他は炭素数1〜12の炭化水素基、アリーロキシ基、アルコキシ基及びカルボニル基から選択された基であり、R6とR7は同一でも異なっていてもよい。)
を水素化触媒として用い、水素化時の温度が80〜140℃で、
1,2−ブタジエン構造の二重結合の90%が水素化された際の1,2−ブタジエンの水素化速度r1と、1,4−ブタジエン構造の二重結合の水素化速度r2の比r1/r2が5以上で水素化し、1,2−ブタジエン構造が3モル%以下に消費された時点で水素化を停止することを特徴とする、第2の発明の共重合体を得る方法である。
【0012】
本発明の第5は、構成される単量体成分が1−ブテン構造(A)、1,4−ブタジエン構造(B)、1,2−ブタジエン構造(C)およびエチレン構造(D)から成り、各成分の構成比が、(A)成分が10〜90モル%、(B)成分が90〜10モル%、(C)成分および(D)成分がそれぞれ3モル%以下であり、各成分の結合様式がランダムである分子量が10,000〜1,000,000、分子量分布Mw/Mnが1から5である第1の発明に記載の共重合体をゴム成分中に10重量%以上用いた加硫ゴムである。
【0013】
本発明の第6は、構成される単量体成分が1−ブテン構造(A)、1,4−ブタジエン構造(B)、1,2−ブタジエン構造(C)、エチレン構造(D)およびスチレン構造(S)から成り、各成分の構成比が、(A)成分が10〜89モル%、(B)成分が89〜10モル%、(C)成分および(D)成分がそれぞれ3モル%以下、(S)成分が1〜30モル%であり、各成分の結合様式がランダムである分子量が10,000〜1,000,000、分子量分布Mw/Mnが1から5である第2の発明に記載の共重合体をゴム成分中に10重量%以上用いた加硫ゴムである。
【0014】
本発明は、構成される単量体成分が1−ブテン構造(A)、1,4−ブタジエン構造(B)、1,2−ブタジエン構造(C)およびエチレン構造(D)または1−ブテン構造(A)、1,4−ブタジエン構造(B)、1,2−ブタジエン構造(C)、エチレン構造(D)およびスチレン構造(S)の成分から成り、各成分の構成比が、上記の範囲である。これらの構成比から外れると本発明の特長である高度な省燃費特性と低発熱性、ウエットスキッド性、連続高速運転でのグリップ性能を同時に極めて高い水準で満足させることができない。スチレン構造(S)が0の場合は、低温性能、省燃費性が優れ、また、特に天然ゴムと相溶性が優れ、ブレンド使用での省燃費性等の性能が良い。スチレン構造(S)が1〜30モル%の場合、引っ張り強度、耐摩耗性、ウエットスキッド性が優れる。1,2−ブタジエン構造(C)成分およびエチレン構造(D))成分はそれぞれ3モル%以下、好ましくはそれぞれ1モル%以下である。また、製造上好ましくはそれぞれ0.01モル%以上である。これらの成分比が高いと本発明の効果の中でも特に重要な連続高速運転でのグリップ性能が低下する。
【0015】
本発明の各成分の結合様式はランダムであることが必要である。特定の成分が連続してブロックを形成すると本発明の優れた性能が得られない。本発明の範囲の構成比の中で組成が連続的または不連続的に分布があっても良い。
本発明の分子量は10,000〜1,000,000であり、分子量が10,000未満では加硫ゴムの強度他の性能が劣り、分子量が1,000,000を越えると加工が困難となる。分子量分布Mw/Mnは1から5である。1以下は存在せず、また5以上では耐摩耗性他の性能が劣る。
【0016】
本発明は、構成される単量体成分が、1,2−ブタジエン構造(C)および1,4−ブタジエン構造(B)から成り、(C)成分が10〜90モル%、(B)成分が90〜10モル%であり、(C)成分と(B)成分の結合様式がランダムであるポリブタジエンまたは、1,2−ブタジエン構造(C)、1,4−ブタジエン構造(B)およびスチレン構造(S)から成り、(C)成分が10〜89モル%、(B)成分が89〜10モル%、(S)成分が1〜30モル%であり、各成分の結合様式がランダムであるブタジエン−スチレン共重合体を用い、1,2−ブタジエン構造の二重結合を選択的に水素化することで得られる。これ以外のポリブタジエンまたは、ブタジエン−スチレン共重合体からは本発明の共重合体は得られない。
【0017】
本発明に用いられるポリブタジエンまたは、ブタジエン−スチレン共重合体としては、好ましくは炭化水素溶媒中で溶液重合によって得られたものである。
溶液重合のポリブタジエンまたは、ブタジエン−スチレン共重合体は、好ましくはアルキルリチウム、リチウムアミド、アルキル錫リチウム、アルキルアミノ錫リチウム等のリチウム開始剤、有機アルカリ土類金属化合物系開始剤を用い、好ましくは、エーテル、3級アミン、アルカリ金属のアルコラートまたはスルホン酸塩の存在下に重合される。
【0018】
重合の方法はバッチ重合でも連続重合でも、どちらでも良い。
ところで、ポリブタジエンおよびブタジエン−スチレン共重合体のブタジエン部を水素化する方法としては、ニッケル、コバルト、白金、パラジウム等の金属をカーボン、シリカ、アルミナ、ケイソウ土等に担持させた触媒や、鉄、ニッケル、コバルト、ロジウムの有機金属化合物を主成分とする触媒が知られているが、これらは何れも水添の活性が低かったり、1,2−ブタジエンの水素化選択性が低いため本発明の共重合体は得られていない。
【0019】
本発明者らは、先に、チタンの有機金属化合物を主成分とする高活性の水素化触媒によりビニル結合を選択的に部分水素化した特定構造の選択部分水素化ゴムを提案した(特公平5−20442号公報)。しかし、水素化における1,2−ブタジエン構造の高度な選択性はなお改良の余地があった。
これを1,2−ブタジエン構造の二重結合の90%が水素化された際の1,2−ブタジエンの水素化速度r1と、1,4−ブタジエン構造の二重結合の水素化速度r2の比r1/r2が5以上で水素化し、1,2−ブタジエン構造が3モル%以下に消費された時点で水素化を停止する本発明の共重合体の製造方法により達成し、これにより本発明の共重合体が得られる。ここでr1/r2が5未満では、エチレン構造(D)が3モル%を越えるため、本発明の共重合体が得られない。また、1,2−ブタジエン構造が3モル%以下に消費される前に水素化を停止すると本発明の共重合体が得られない。一方、1,2−ブタジエン構造が3モル%以下に消費されたのち、1,2−ブタジエン構造が0になった後も水素化反応を続けるとエチレン構造が増加して、本発明の共重合体が得られない。
【0020】
本発明の共重合体の製造方法は好ましくは、ジシクロペンタジエニルチタン化合物と還元剤またはこれらの反応生成物を水素化触媒として用い、水素化時の温度が80〜140℃である選択水素化の方法である。
更に好ましくは、ジシクロペンタジエニルチタン化合物としては、下記一般式で示される特定の化合物の少なくとも一種が好ましい。
【0021】
【化1】
Figure 0003672376
【0022】
R1,R2,R3,R4,R5は、それぞれ水素又は炭素数1から12の炭化水素基を示し、その3個以上5個までが炭化水素基であるものであり、それらは同一でも異なっていても良い。R6,R7は炭素数1〜12の炭化水素基、アリーロキシ基、アルコキシ基、ハロゲン基及びカルボニル基から選択された基であり、R6とR7は同一でも異なっていてもよい。有機チタン化合物としては、例えば、ジ−p−トリルビス(η5-トリメチルシクロペンタジエニル)チタン、ジ−p−トリルビス(η5-トリブチルシクロペンタジエニル)チタン、ジ−p−トリビス(η5-テトラメチルシクロペンタジエニル)チタン、ジ−p−トリルビス(η5-ペンタメチルシクロペンタジエニル)チタン、ジフェニルビス(η5-ペンタ−n−ブチルシクロペンタジエニル)チタン、ジクロロビス(η5-ペンタメチルシクロペンタジエニル)チタン、ジブロモビス(η5-ペンタメチルシクロペンタジエニル)チタン、ジフロロビス(η5-ペンタメチルシクロペンタジエニル)チタン、ジヨードビス(η5-ペンタメチルシクロペンタジエニル)チタン、ジクロロビス(η5-テトラメチルシクロペンタジエニル)チタン、ジクロロビス(η5-ペンタブチルシクロペンタジエニル)チタン、ジメチルビス(η5-テトラメチルシクロペンタジエニル)チタン、ジメチルビス(η5-ペンタメチルシクロペンタジエニル)チタン、ジエチルビス(η5-テトラメチルシクロペンタジエニル)チタン、ジヘキシルビス(η5-ペンタメチルシクロペンタジエニル)チタン、ジオクチルビス(η5-テトラメチルシクロペンタジエニル)チタン、ジベンジルビス(η5-ペンタメチルシクロペンタジエニル)チタン、ジメトキシビス(η5-ペンタメチルシクロペンタジエニル)チタン、ジエトキシビス(η5-ペンタメチルシクロペンタジエニル)チタン、ジ−n−ブトキシビス(η5-トリブチルシクロペンタジエニル)チタン、ジフェノキシビス(η5-ペンタメチルシクロペンタジエニル)チタン、ジメトキシビス(η5-トリメチルシクロペンタジエニル)チタン、ジメトキシビス(η5-テトラメチルシクロペンタジエニル)チタン、メチルビス(η5-ペンタメチルシクロペンタジエニル)チタンクロリド、メトキシビス(η5-ペンタメチルシクロペンタジエニル)チタンクロリド、フェノキシビス(η5-トリメチルシクロペンタジエニル)チタンクロリド、などがあげられる。
【0023】
このうち特に好ましいものはジ−m−トリルビス(η5-ペンタメチルシクロペンタジエニル)チタン、ジ−p−トリルビス(η5-ペンタメチルシクロペンタジエニル)チタン、ジ−p−トリルビス(η5-テトラメチルシクロペンタジエニル)チタン、ジクロルビス(η5-ペンタメチルシクロペンタジエニル)チタン、ジクロルビス(η5-テトラメチルシクロペンタジエニル)チタンである。
【0024】
還元剤としては、好ましくはアルカリ金属、アルカリ土類金属、アルミニウム、亜鉛の有機金属化合物または水素化物であり、有機金属化合物としては、例えばリビングアニオン重合体や、前記の重合開始剤である有機リチウム化合物、有機ナトリウム化合物、有機カリウム化合物、2有機置換マグネシウム、有機置換マグネシウムハライド、3有機置換アルミニウム、有機置換アルミニウムハロゲニド、有機置換水素化アルミニウム、2有機置換亜鉛などである。
【0025】
具体的にはメチルリチウム、エチルリチウム、n−プロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、ヘキシルリチウム、オクチルリチウム、フェニルリチウム、トリルリチウム、メチルナトリウム、エチルナトリウム、n−プロピルナトリウム、n−ブチルナトリウム、sec−ブチルナトリウム、tert−ブチルナトリウム、ヘキシルナトリウム、オクチルナトリウム、フェニルナトリウム、トリルナトリウム、ナトリウムナフタレン、メチルカリウム、エチルカリウム、n−プロピルカリウム、n−ブチルカリウム、sec−ブチルカリウム、tert−ブチルカリウム、ヘキシルカリウム、オクチルカリウム、フェニルカリウム、トリルカリウム、カリウムナフタレン、ジメチルマグネシウム、ジエチルマグネシウム、ジ−n−ブチルマグネシウム、n−ブチル−i−ブチルマグネシウム、n−ブチル−エチルマグネシウム、トリブチルナトリウムマグネシウム、メチルマグネシウムブロマイド、エチルマグネシウムブロマイド、エチルマグネシウムクロライド、t−ブチルマグネシウムブロマイド、t−ブチルマグネシウムクロライド、フェニルマグネシウムブロマイド、トリエチルアルミニウム、トリ−i−ブチルアルミニウム、トリフェニルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジ−i−ブチルアルミニウムハイドライド、ジエチル亜鉛、ビス(η5-シクロペンタジエニル)亜鉛、ジフェニル亜鉛等があげられる。
【0026】
更に別の好ましいジシクロペンタジエニルチタン化合物と還元剤またはこれらの反応生成物の組合せとして、ジシクロペンタジエニルチタン化合物としては、下記一般式で示される特定の化合物の少なくとも一種と、下記の特定の還元剤である。
【0027】
【化2】
Figure 0003672376
【0028】
R1,R2,R3,R4,R5は、それぞれ水素又は炭素数1から12の炭化水素基を示し、その全てが水素であるものから、全てが炭化水素基であるものまでを含み、それらは同一でも異なっていても良い。R6,R7は少なくとも1個はハロゲン基であり、他は炭素数1〜12の炭化水素基、アリーロキシ基、アルコキシ基及びカルボニル基から選択された基であり、R6とR7は同一でも異なっていてもよい。有機チタン化合物としては、例えば、ジクロロビス(η5-シクロペンタジエニル)チタン、ジブロモビス(η5-シクロペンタジエニル)チタン、ジフロロビス(η5-シクロペンタジエニル)チタン、ジヨードビス(η5-シクロペンタジエニル)チタン、ジクロロビス(η5-メチルシクロペンタジエニル)チタン、ジクロロビス(η5-n−ブチルシクロペンタジエニル)チタン、ジクロロビス(η5-テトラメチルシクロペンタジエニル)チタン、ジクロロビス(η5-ペンタメチルシクロペンタジエニル)チタン、メトキシビス(η5-シクロペンタジエニル)チタンクロリド、フェノキシビス(η5-シクロペンタジエニル)チタンクロリド、フェニルビス(η5-シクロペンタジエニル)チタンクロリド、などがあげられる。
【0029】
還元剤としては、炭素数3から20の3有機置換アルミニウム、有機置換アルミニウムハロゲニド、有機置換水素化アルミニウムである。
具体的にはトリ−i−プロピルアルミニウム、トリ−i−ブチルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリ−n−オクチルアルミニウム、トリフェニルアルミニウム、ジ−i−プロピルアルミニウムハイドライド、ジ−i−ブチルアルミニウムハイドライド、ジ−n−ブチルアルミニウムハイドライド、ジ−n−オクチルアルミニウムハイドライド等があげられる。
【0030】
このうち特に好ましい組合せとしてジクロロビス(η5-シクロペンタジエニル)チタンとジ−i−ブチルアルミニウムハイドライドである。
有機チタン化合物と還元剤の比率としては、還元剤がチタン1モルに対し好ましくは0.5モルから20モル、より好ましくは0、8モルから5モル用いられる。
【0031】
さらに、好ましくは第3の成分として、有機チタン化合物を安定化させる物質例えば側鎖ビニル結合を含むポリブタジエン、ポリイソプレン等またはそのオリゴマーを小量存在させる。
水素化触媒の用い方としては、有機チタン化合物を重合後のリビングアニオン重合体に加える方法、重合後のリビングアニオン重合体を当量のアルコール類、フェノール類、水または水素で一旦停止させた後に有機チタン化合物を加える方法、有機チタン化合物と還元剤を停止させた重合体溶液に加える方法、有機チタン化合物と還元剤をあらかじめ不活性溶媒中で反応させた後、停止重合体溶液に加える方法、有機チタン化合物と還元剤を不活性溶媒中で反応させた後ただちにアルコール等を加えて反応を停止させ、それを停止重合体溶液に加える方法、有機チタン化合物と還元剤を不活性溶媒中でビニル結合を含むポリブタジエンの小量存在下に反応させた後ただちにアルコール等を加えて反応を停止させ、それを停止重合体溶液に加える方法などがある。
【0032】
水素化は触媒に不活性で、ブタジエン系重合体が可溶な溶剤中で実施される。好ましい溶媒としては、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−オクタンのような脂肪族炭化水素、シクロヘキサン、シクロヘプタンのような脂環族炭化水素、ベンゼン、トルエンのような芳香族炭化水素、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランのようなエーテル類の単独またはそれらを主成分とする混合物である。
【0033】
本発明の最も好ましい方法は、ブタジエンまたはブタジエンとスチレンをリチウム化合物開始剤を用いて溶液重合し、得られた重合体溶液をそのまま次の水素化反応に用いることであり、工業的に極めて有用である。
水素化反応は、一般にはブタジエン系重合体溶液を水素または不活性雰囲気下に、水素化触媒を添加し、次いで水素ガスを導入して所定圧に加圧し、激しく撹拌することによって実施される。不活性雰囲気とは、例えばヘリウム、ネオン、アルゴン、窒素等の水添反応のいかなる関与体とも反応しない雰囲気を意味する。空気や酸素は触媒を酸化したりして触媒の失活を招くので好ましくない。
【0034】
水素化反応の停止方法は、水素を消費して無くするか、脱圧して水素を除くか、過剰のアルコール類または水を加えて水素化触媒を失活する方法による。
水素化反応時の温度は、0℃から150℃であり、温度が低すぎると水素化反応が遅く、高すぎると水素化触媒の活性が失われる。また、水素化温度が高い方が、ブタジエン単位中ビニル部の水素化の選択性が高く、しかも水素化速度がはやい。したがって、水素化触媒の活性が失われない範囲でできるだけ高い温度で水素化することが好ましい。より好ましくは、80℃から140℃である。
【0035】
水素化反応プロセスは、バッチプロセス、連続プロセス、それらの組合せのいずれでも用いることができる。
また、触媒の添加量は水素化前重合体100g当り好ましくは0.001〜20ミリモルである。より好ましくは0.01〜1ミリモルである。
本発明の共重合体は、水素化後の共重合体溶液に、好ましくは水、アルコール等の反応停止剤を加え、さらに安定剤を加えて、溶剤を除去し、重合体を単離して得られる。溶剤を除去する方法としては、通常用いられる、スチームストリッピングと脱水・乾燥の方法が可能である。
【0036】
本発明の共重合体は、分子量を大にして耐磨耗性等の性能を上げることが可能であるが、必要に応じてプロセスオイルを加えて油展重合体として加工性を調整する事ができる。また、加工性のために適度に分岐があることが好ましい。一方、非油展の共重合体は、分子量分布Mw/Mnが1〜2であり、多官能錫化合物を用いてカップリングを行ったり、アルキル錫末端変性、アミン末端変性等の末端変性を行うと、省燃費性のために好ましい。
【0037】
本発明で得られる共重合体は単独または他のゴムとブレンドし、カーボンブラック、シリカ等の補強剤と、そして必要に応じてプロセスオイルを加えて混練し、さらに加硫剤、加硫促進剤、架橋剤等を加えて、加硫ゴム組成物となる。
ブレンドで用いられるゴムとしては、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、他のブタジエンゴム、ブタジエン−スチレンゴム、ブタジエン−イソプレンゴム、ブタジエン−イソプレン−スチレンゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム等であり、2成分またはそれ以上にブレンドして用いられ、本発明の共重合体がゴム成分中10重量%以上のブレンド比率で用いられる。
【0038】
補強剤として用いられるカーボンブラックは、種々あるが、その目的にあったものを用いるものとし、具体的な品種としては、SAF,ISAF,HAF,FEFのファーネスブラックなどがあげられる。物性的に好ましいのは粒子の小さいカーボンブラックであり、更に小粒子・高凝集タイプ(高表面積・高吸油性)のものはゴムへの分散性も良く、物性・加工性の面で特に好ましい。
【0039】
また、補強剤として単独またはカーボンブラックとの併用でシリカが用いられ、その場合はシランカップリング剤が併用される。シランカップリング剤としては1分子中にシリカと相溶または結合する基とポリマーと相溶または結合する基を有する化合物が用いられ、例えば1分子中にトリアルコキシシラン基と、ポリサルファイド(−SS−)基の両方が存在する化合物等である。例えば、ビス(3−トリエトキシ−シリルプロピル)−テトラサルファイドである。また、同様の化合物として、メルカプトプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、チオシアナートトリエトキシシラン等がある。シランカップリング剤の使用量は、好ましくは原料ゴム100重量部当り0.5から20重量部である。
【0040】
補強剤の量は原料ゴム100重量部に対して好ましくは5〜100重量部である。また、組成物中のプロセスオイルの必要量は、原料ゴム100重量部に対して0〜75重量部である。
プロセスオイルとしては、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族(アロマチック)系プロセスオイルなどがあるが、経済的に有利なアロマチック系プロセスオイルが好ましい。一方、低温性能、省燃費性を重視する場合はナフテン系プロセスオイルが好ましい。
【0041】
加硫剤としては、硫黄、塩化硫黄化合物、有機硫黄化合物などが使用できる。加硫剤の必要量は、原料ゴム100重量部に対して0.1〜10重量部である。0.1重量部以下及び10重量部を越えると良好なゴム弾性が発現しないので好ましくない。その他に、加硫促進剤や架橋剤を併用することも可能である。
加硫促進剤としては、グアジニン系、アルデヒド−アミン系、アルデヒド−アンモニア系、チアゾール系、スルフェンアミド系、チオ尿素系、チウラム系、ジチオカルバメート系、ザンテート系等の化合物が使用できる。
【0042】
架橋剤としては、有機パーオキサイド化合物およびアゾ化合物などのラジカル発生剤のほか、オキシム化合物、ニトロソ化合物、ポリアミン化合物が使用できる。
また、必要に応じて、補強剤、軟化剤、充填剤、加硫助剤、着色剤、難燃剤、滑剤、発泡剤、可塑剤、加工助剤、酸化防止剤、老化防止剤、スコーチ防止剤、紫外線防止剤、帯電防止剤、着色防止剤、その他の配合剤などを添加することも可能である。
【0043】
必要に応じて添加されるその他の補強剤としては、活性化炭酸カルシウムなどの無機補強剤や、ハイスチレン樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂等が使用され、これらの無機または有機の補強剤は原料ゴム100重量部に対して50重量部以下で使用される。充填剤としては、炭酸カルシウム、クレー、タルク、水酸化アルミニウム、ゼオライト、ケイソウ土、硫酸アルミニウム、硫酸バリウムなどが使用できる。
【0044】
酸化防止剤ないし老化防止剤としては、ジフェニルアミン系、p−フェニレンジアミン系などのアミン誘導体、キノリン誘導体、ハイドロキノン誘導体、モノフェノール類、ジフェノール類、チオビスフェノール類、ヒンダードフェノール類、亜リン酸エステル類などが使用でき、これらは、原料ゴム100重量部当り、0.001〜10重量部添加され、2種以上を併用することもできる。
【0045】
紫外線防止剤、滑剤、発泡剤、発泡助剤、難燃剤、帯電防止剤、着色防止剤その他のゴム配合薬品は、公知のものをその使用目的に応じて使用することができる。
本発明の加硫ゴムは、その特徴を生かして各種自動車タイヤに好適であり、より具体的にはタイヤのトレッド部、キャップトレッド部、アンダートレッド部、サイドウォール部、カーカス部に適している。
【0046】
【発明の実施の形態】
以下、実施例、比較例により本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
【0047】
【実施例1】
〔ブタジエン−スチレン共重合体の重合〕
内容積10リットルで、底部に入口、頂部に出口を有し、攪拌機およびジャケットを付けたオートクレーブを重合反応器として用い、ブタジエン、スチレン、ヘキサンを重量比で65:35:400で、滞留時間40分として連続的に導入し、モノマー100重量部あたり重合開始剤としてノルマルブチルリチウム0.038重量部、2,2−ビス(2−オキソラニルプロパン)を0.10重量部を連続的に加え、反応器内温を100℃に保持した。反応器頂部より共重合体溶液を連続的に抜き出し、フィードした開始剤に対し、0.95当量のエタノールを連続的に配管中に加えて、停止させた。
【0048】
共重合体溶液をサンプリングして、ドラムドライヤーで乾燥し、分析した。共重合体の構成成分は、スチレンが35重量%すなわち21.8モル%、ブタジエンが65重量%、1,2−ブタジエン構造がブタジエン中の40モル%、1,4−ブタジエン構造がブタジエン中の60モル%、共重合体全体に対して1,2−ブタジエン構造が31.3モル%、1,4−ブタジエン構造が46.9モル%であった。また共重合体中の各成分の結合様式はランダムであった。スチレンの連鎖分布を田中の方法すなわち、オゾン分解−GPC法で測定すると、全スチレンに対しブロックスチレンすなわち8個以上の連鎖は0.5重量%であり、極めてランダム性が高い結果であった。
【0049】
〔ブタジエンの水素化〕
共重合体溶液を、連続的に内容積2.5リットルのアトマイザーに導入し、水素化触媒として、予めジクロルビス(η5-ペンタメチルシクロペンタジエニル)チタンとn−ブチルリチウムをモル比1:1でシクロヘキサン中、室温で10分間反応させたものを、共重合体に対しチタンとして50ppmに当たる量を連続的に加え、激しく撹拌しながら水素の導入量をじょじょに上げて、内温が100℃になるようにジャケットで冷却し、水素化をおこなった。アトマイザーを出た後に、共重合体100重量部当り2重量部の水と0.5重量部のBHTを加え、さらにアロマチックオイルを37.5重量部を加え、ドラムドライヤーで乾燥し油展共重合体を得た。
【0050】
共重合体の構成成分は、スチレンが21.8モル%、1−ブテン構造が30.9モル%、1,4−ブタジエン構造が46.3モル%、1,2−ブタジエン構造が0.4モル%、エチレン構造が0.6モル%であった。また共重合体中の各成分の結合様式はランダムであった。また、重量平均分子量は、38万であり、分子量分布Mw/Mnは2.2であった。
【0051】
また、水素化の選択性を測定するため、上記のブタジエン−スチレン共重合体溶液を10リットルのオートクレーブ中に、7リットルサンプリングし、同じ水素化触媒を加えて、激しく撹拌しながら底部から水素を導入して、内温を100℃にコントロールしながら水素化をおこなわせ、サンプリングにより、各成分の水素化率を測定し、1,2−ブタジエン構造の二重結合の90%が水素化された際の1,2−ブタジエンの水素化速度r1と、1,4−ブタジエン構造の二重結合の水素化速度r2の比r1/r2が18であることがわかった。
〔水素化前の共重合体の分析法〕
スチレン含量、ブタジエン部分のビニル結合含量は、以下に示す方法で測定した。
【0052】
1)スチレン含量
水素化前の重合体をクロロホルム溶液とし、スチレンのフェニル基によるUV254nmの吸収によりスチレン含量[S](wt%)を測定した。
2)ブタジエン含有量
水添前の重合体がスチレンを含む場合、100%−スチレン含量(wt%)として求めた。
【0053】
3)ブタジエン部分のビニル結合含量
水素化前の重合体を重クロロホルム溶液とし、FT−NMR(270MHz、日本電子(株)製)にて、1H−NMRスペクトルを測定し、化学シフト4.7〜5.2ppm(シグナルC0 とする)のビニル結合によるプロトン(=CH2 )と、化学シフト5.2〜5.8ppm(シグナルD0 とする)の1,4結合によるプロトン(=CH−)の積分強度比より、ビニル結合含量[V](%)を次の式で計算した。
【0054】
[V]=〔2C0 /(C0 +2D0 )〕×100
〔水素化率の測定法〕
水素化前の重合体を重クロロホルム溶液とし、FT−NMR(270MHz,日本電子(株)製)にて、1H−NMRスペクトルを測定し、化学シフト4.7〜5.2ppm(シグナルC0 とする)のビニル結合(1,2−ブタジエン構造)によるプロトン(=CH2 )と、化学シフト5.2〜5.8ppm(シグナルD0 とする)の1,4結合によるプロトン(=CH−)の積分強度をもとめた。水素化した重合体についても同様に1H−NMRスペクトルを測定し、化学シフト0.6〜1.0ppm(シグナルA1 とする)の水添したビニル結合(ブテン構造)によるメチルプロトン(−CH3)、化学シフト4.7〜5.2ppm(シグナルC1 とする)の水素化されていないビニル結合によるプロトン(=CH2 )、化学シフト5.2〜5.8ppm(シグナルD1 とする)の水素化されていない1,4結合によるプロトン(=CH−)の積分強度を求め、次のように水素化率を計算した。
【0055】
p=3C0 /(3C1 +2A1 )
A11=p×A1 、
C11=p×C1 、
D11=p×D1 とし、
ビニル結合部の水素化率[B](%)は次の式で計算した。
【0056】
[B]=〔2A11/(2A11+3C11)〕×100
1,4結合部の水素化率[C](%)は次の式で計算した。
[C]=〔(2D0 −C0 −2D11+C11)/(2D0 −C0 )〕×100
ブタジエン部全体の水素化率[A](%)は次の式で計算した。
[A]=〔[V]×[B]+(100−[V])×[C]〕/100
水素化共重合体中のブテン結合、ビニル結合、エチレン結合、1,4結合の各含量(モル%)をそれぞれ、[hv]、[v]、[hb]、[b]とすると、次のように計算できる。なお、[S]を共重合体中のモル%とする。
【0057】
[hv]=(100−[S])×[V]×[B]÷10000
[v] =(100−[S])×[V]÷100−[hv]
[hb]=(100−[S])×(100−[V])×[C]÷10000
[b] =(100−[S])×(100−[V])÷100−[hb]
〔重量平均分子量及び分子量分布(Mw/Mn)の測定法〕
共重合体をTHF溶液とし、GPC(ポンプ:(株)島津製作所製LC−5A,カラム:ポリスチレンゲルHSG−40,50,60各1本、検出器:示差屈折計)にて、クロマトグラムを測定した。標準ポリスチレンのピークの分子量と保持体積との関係の検量線を用い、定法によりブタジエン−ポリスチレン共重合体換算の重量平均分子量(Mw),数平均分子量(Mn)を計算して求めた。
〔共重合体の配合と加硫ゴム〕
上記の油展共重合体を原料ゴムとして配合と加硫を行い、性能評価を行った。
【0058】
省燃費性の尺度として、70℃の反発弾性を測定した。
ウェットスキッド抵抗の尺度として、0℃の反発弾性を測定した。
連続高速運転のでのグリップ性能として、高温での動的弾性率低下度すなわち100℃のE’/70℃のE’を測定した。高い方が優れる。
タイヤの内部発熱の尺度として、グッドリッチ発熱(HBU)を測定した。
【0059】
耐摩耗性の尺度として、ピコ摩耗を測定した。
測定結果を表1に示す。
性能評価は、次に示す配合及び混練方法で混練し、160℃、20分加硫成形して、測定した。
〔配合〕
共重合体(油展共重合体) 137.5重量部
アロマオイル(追加) 12.5 〃
カーボンブラック *1 85 〃
亜鉛華 5 〃
ステアリン酸 2 〃
老化防止剤(810NA)*2 1 〃
加硫促進剤(CZ)*3 1.6 〃
硫黄 2.4 〃
*1 N234昭和キャボット製
*2 N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン
大内新興化学工業(株)製ノクラック810−NA
*3 N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド
大内新興化学工業(株)製ノクラックCZ
〔混練方法〕
▲1▼ バンバリーミキサー(容量1.7リットル、温度160℃)にて油展共重合体にカーボンブラック、亜鉛華、ステアリン酸、老化防止剤を混練。
【0060】
▲2▼ オープンロール(10インチ、80℃)にて硫黄と加硫促進剤を混練。
〔加硫成型〕
組成物を金型にいれ、160℃のプレスにて20分間加圧加熱して加硫成型した。
加硫物の各性能は、以下のように測定した。
【0061】
1) 反発弾性:JIS−K−6301によるリュプケ法、試料を70℃オーブン中で1時間余熱後、素早く取り出して測定した。反発弾性は転がり抵抗を表すもので省燃費特性を表す指標となる。数値が大きいほど省燃費特性に優れる。
2) ウェットスキッド抵抗:上記の反発弾性を0℃で測定し、数値が低いほどウェットスキッド抵抗が優れる。
【0062】
3) 動的弾性率の測定:岩本製VEStypeF−3により10Hzで温度をかえて測定した。
4) グッドリッチ発熱:50℃で測定、数値が低いほど発熱性が優れる。
5) ピコ摩耗の測定:80回の摩耗量ccで表し、数値が低いほど耐摩耗性が優れる。
【0063】
【比較例1〜3】
〔ブタジエン−スチレン共重合体の重合〕
実施例1と同じ方法で行った。
〔ブタジエンの水素化〕
共重合体溶液を、連続的に内容積2.5リットルのアトマイザーに導入し、水素化触媒として、予めジ−p−トリルビス(η5-シクロペンタジエニル)チタンn−ブチルリチウムをモル比1:1でシクロヘキサン中、室温で5分間反応させたものを、共重合体に対しチタンとして50ppmに当たる量を連続的に加え、激しく撹拌しながら水素の導入量をじょじょに上げて、内温が100℃になるようにジャケットで冷却し、水素化をおこなった。アトマイザーを出た後に、共重合体100重量部当り2重量部の水と0.5重量部のBHTを加え、さらにアロマチックオイルを37.5重量部を加え、ドラムドライヤーで乾燥し油展共重合体を得た。水素量が異なる3種の共重合体を得た。
【0064】
第一の共重合体の構成成分は、スチレンが21.8モル%、1−ブテン構造が15.7モル%、1,4−ブタジエン構造が44.4モル%、1,2−ブタジエン構造が15.6モル%、エチレン構造が2.5モル%であった。未水素化の1,2−ブタジエン構造が多く、本発明の範囲外である。これを比較例1とする。
第二の共重合体の構成成分は、スチレンが21.8モル%、1−ブテン構造が25.1モル%、1,4−ブタジエン構造が40.7モル%、1,2−ブタジエン構造が6.2モル%、エチレン構造が6.2モル%であった。全ブタジエンの水素化の程度は実施例1と同じだが、1,2−ブタジエン構造とエチレン構造が多く、本発明の範囲外である。これを比較例2とする。
【0065】
第三の共重合体の構成成分は、スチレンが21.8モル%、1−ブテン構造が28.7モル%、1,4−ブタジエン構造が33.4モル%、1,2−ブタジエン構造が2.6モル%、エチレン構造が13.5モル%であった。1,2−ブタジエンの水素化の程度は実施例1と同程度だが、エチレン構造が多く、本発明の範囲外である。これを比較例3とする。
【0066】
これらの共重合体中の各成分の結合様式はランダムであった。また、重量平均分子量は、38万であり、分子量分布Mw/Mnは2.2であった。
また、水素化の選択性を測定するため、実施例1と同様に上記のブタジエン−スチレン共重合体溶液を10リットルのオートクレーブ中に、7リットルサンプリングし、同じ水素化触媒を加えて、激しく撹拌しながら底部から水素を導入して、内温を100℃にコントロールしながら水素化をおこなわせ、サンプリングにより、各成分の水素化率を測定し、1,2−ブタジエン構造の二重結合の90%が水素化された際の1,2−ブタジエンの水素化速度r1と、1,4−ブタジエン構造の二重結合の水素化速度r2の比r1/r2は1.5であった。
【0067】
〔共重合体の配合と加硫ゴム〕
実施例1と同様に行った。測定結果を表1に示す。
【0068】
【表1】
Figure 0003672376
【0069】
【実施例2】
〔ポリブタジエンの重合〕
内容積100リットルで、攪拌機およびジャケットを付けたオートクレーブを重合反応器として用い、ブタジエン、ヘキサン、テトラヒドロフランをそれぞれ6Kg、34Kg、0.2Kgを仕込み、内温を40℃にした後、モノマー100重量部あたり重合開始剤としてノルマルブチルリチウム0.060重量部加えて重合を開始させ、反応器内温がピーク温度70℃に達した時点で、加えた開始剤に対し4塩化錫0.75当量(1モルを4当量として)、0.2当量のエタノールを加えて、停止させた。
【0070】
共重合体溶液をサンプリングして、ドラムドライヤーで乾燥し、分析した。重合体の構成成分は、1,2−ブタジエン構造が52モル%、1,4−ブタジエン構造が48モル%であった。
〔ブタジエンの水素化〕
次いで重合体溶液を90℃に保ち、水素化触媒として、予めジクロルビス(η5-シクロペンタジエニル)チタンとジ−i−ブチルアルミニウムハイドライドをモル比1:3でシクロヘキサン中、室温で3日間反応させたものを、共重合体に対しチタンとして50ppmに当たる量を加え、激しく撹拌しながら水素を底部から加え、水素化をおこなった。水素化時の内温はほぼ120℃まで上昇した。
水素化の選択性を測定するため、サンプリングにより、各成分の水素化率を測定し、1,2−ブタジエン構造の二重結合の90%が水素化された際の1,2−ブタジエンの水素化速度r1と、1,4−ブタジエン構造の二重結合の水素化速度r2の比r1/r2が10であった。
【0071】
所定の水素化が達成された後、攪拌を停止して、水素を脱圧した。その後、共重合体100重量部当り2重量部の水と0.5重量部のBHTを加え、ドラムドライヤーで乾燥し共重合体を得た。
共重合体の構成成分は、1−ブテン構造が51.1モル%、1,4−ブタジエン構造が47.3モル%、1,2−ブタジエン構造が0.9モル%、エチレン構造が0.7モル%であった。また共重合体中の各成分の結合様式はランダムであった。また、重量平均分子量は、33万であり、分子量分布Mw/Mnは1.4であった。
【0072】
〔共重合体の配合と加硫ゴム〕
上記のブテン−ブタジエン共重合体を原料ゴムとして配合と加硫を行い、性能評価を行った。
原料ゴムとして、共重合体と天然ゴムを50/50(重量比)で配合し、次に示す配合で、160℃、20分加硫成形して、性能を測定した。結果を表2に示す。
【0073】
〔配合〕
原料ゴム 100 重量部
カーボンブラック *1 50 〃
アロマオイル 10 〃
亜鉛華 5 〃
ステアリン酸 2 〃
老化防止剤(810NA)*2 1 〃
加硫促進剤(CZ)*3 1 〃
硫黄 1.8 〃
*1 シーストKH
*2 N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン
大内新興化学工業(株)製ノクラック810−NA
*3 N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド
大内新興化学工業(株)製ノクラックCZ
【0074】
【比較例4】
〔ポリブタジエンの重合〕
実施例1と同じ方法で行った。
〔ブタジエンの水素化〕
水素化触媒として、予めジクロルビス(η5-シクロペンタジエニル)チタンとトリメチルアルミニウムをモル比1:3でシクロヘキサン中、室温で3日間反応させたものを用いた以外、実施例2と同様に行った。
【0075】
1,2−ブタジエン構造の二重結合の90%が水素化された際の1,2−ブタジエンの水素化速度r1と、1,4−ブタジエン構造の二重結合の水素化速度r2の比r1/r2が0.8であった。
得られた共重合体の構成成分は、1−ブテン構造が42.1モル%、1,4−ブタジエン構造が38.1モル%、1,2−ブタジエン構造が9.9モル%、エチレン構造が9.9モル%であった。また共重合体中の各成分の結合様式はランダムであった。また、重量平均分子量は、33万であり、分子量分布Mw/Mnは1.4であった。全ブタジエンの水素化の程度は実施例2と同じだが、1,2−ブタジエン構造とエチレン構造が多く、本発明の範囲外である。
【0076】
〔共重合体の配合と加硫ゴム〕
実施例2と同様に行った。測定結果を表2に示す。
【0077】
【表2】
Figure 0003672376
【0078】
【発明の効果】
本発明によれば、特に省燃費性、ウェットスキッド抵抗性、連続高速運転のでのグリップ性能、タイヤの内部発熱性、耐摩耗性が同時に極めて優れた従来にないゴムが提供され、高度の燃費特性を必要とする自動車用タイヤ、とりわけ高速走行に適した省燃費自動車用タイヤなどの材料として有用である。

Claims (6)

  1. 構成される単量体成分が1−ブテン構造(A)、1,4−ブタジエン構造(B)、1,2−ブタジエン構造(C)およびエチレン構造(D)から成り、各成分の構成比が、(A)成分が10〜90モル%、(B)成分が90〜10モル%、(C)成分および(D)成分がそれぞれ3モル%以下であり、各成分の結合様式がランダムである分子量が10,000〜1,000,000、分子量分布Mw/Mnが1から5である共重合体。
  2. 構成される単量体成分が1−ブテン構造(A)、1,4−ブタジエン構造(B)、1,2−ブタジエン構造(C)、エチレン構造(D)およびスチレン構造(S)から成り、各成分の構成比が、(A)成分が10〜89モル%、(B)成分が89〜10モル%、(C)成分および(D)成分がそれぞれ3モル%以下、(S)成分が1〜30モル%であり、各成分の結合様式がランダムである分子量が10,000〜1,000,000、分子量分布Mw/Mnが1から5である共重合体。
  3. 構成される単量体成分が、1,2−ブタジエン構造(C)および1,4−ブタジエン構造(B)から成り、(C)成分が10〜90モル%、(B)成分が90〜10モル%であり、(C)成分と(B)成分の結合様式がランダムであるポリブタジエンを用い、
    下記一般式で示される特定の化合物の少なくとも一種とアルカリ金属、アルカリ土類金属、アルミニウム、亜鉛の有機金属化合物または水素化物の少なくとも一種またはこれらの反応生成物、
    Figure 0003672376
    (R1,R2,R3,R4,R5は、それぞれ水素又は炭素数1から12の炭化水素基を示し、その3個以上5個までが炭化水素基であるものであり、それらは同一でも異なっていても良い。R6,R7は炭素数1〜12の炭化水素基、アリーロキシ基、アルコキシ基、ハロゲン基及びカルボニル基から選択された基であり、R6とR7は同一でも異なって
    いてもよい。)
    若しくは
    下記一般式で示される特定の化合物の少なくとも一種と炭素数3から20の3有機置換アルミニウム、有機置換アルミニウムハロゲニド、有機置換水素化アルミニウムの少なくとも一種またはこれらの反応生成物
    Figure 0003672376
    (R1,R2,R3,R4,R5は、それぞれ水素又は炭素数1から12の炭化水素基を示し、その全てが水素であるものから、全てが炭化水素基であるものまでを含み、それらは同一でも異なっていても良い。R6,R7は少なくとも1個はハロゲン基であり、他は炭素数1〜12の炭化水素基、アリーロキシ基、アルコキシ基及びカルボニル基から選択された基であり、R6とR7は同一でも異なっていてもよい。)
    を水素化触媒として用い、水素化時の温度が80〜140℃で、
    1,2−ブタジエン構造の二重結合の90%が水素化された際の1,2−ブタジエンの水素化速度r1と、1,4−ブタジエン構造の二重結合の水素化速度r2の比r1/r2が5以上で水素化し、1,2−ブタジエン構造が3モル%以下に消費された時点で水素化を停止することを特徴とする、構成される単量体成分が1−ブテン構造(A)、1,4−ブタジエン構造(B)、1,2−ブタジエン構造(C)およびエチレン構造(D)から成り、各成分の構成比が、(A)成分が10〜90モル%、(B)成分が90〜10モル%、(C)成分および(D)成分がそれぞれ3モル%以下であり、各成分の結合様式がランダムである分子量が10,000〜1,000,000、分子量分布Mw/Mnが1から5である共重合体を得る方法。
  4. 構成される単量体成分が、1,2−ブタジエン構造(C)、1,4−ブタジエン構造(B)およびスチレン構造(S)から成り、(C)成分が10〜89モル%、(B)成分が89〜10モル%、(S)成分が1〜30モル%であり、各成分の結合様式がランダムであるブタジエン−スチレン共重合体を用い、
    下記一般式で示される特定の化合物の少なくとも一種とアルカリ金属、アルカリ土類金属、アルミニウム、亜鉛の有機金属化合物または水素化物の少なくとも一種またはこれらの反応生成物、
    Figure 0003672376
    (R1,R2,R3,R4,R5は、それぞれ水素又は炭素数1から12の炭化水素基を示し、その3個以上5個までが炭化水素基であるものであり、それらは同一でも異なっていても良い。R6,R7は炭素数1〜12の炭化水素基、アリーロキシ基、アルコキシ基、ハロゲン基及びカルボニル基から選択された基であり、R6とR7は同一でも異なっていてもよい。)
    若しくは
    下記一般式で示される特定の化合物の少なくとも一種と炭素数3から20の3有機置換ア
    ルミニウム、有機置換アルミニウムハロゲニド、有機置換水素化アルミニウムの少なくとも一種またはこれらの反応生成物
    Figure 0003672376
    (R1,R2,R3,R4,R5は、それぞれ水素又は炭素数1から12の炭化水素基を示し、その全てが水素であるものから、全てが炭化水素基であるものまでを含み、それらは同一でも異なっていても良い。R6,R7は少なくとも1個はハロゲン基であり、他は炭素数1〜12の炭化水素基、アリーロキシ基、アルコキシ基及びカルボニル基から選択された基であり、R6とR7は同一でも異なっていてもよい。)
    を水素化触媒として用い、水素化時の温度が80〜140℃で、
    1,2−ブタジエン構造の二重結合の90%が水素化された際の1,2−ブタジエンの水素化速度r1と、1,4−ブタジエン構造の二重結合の水素化速度r2の比r1/r2が5以上で水素化し、1,2−ブタジエン構造が3モル%以下に消費された時点で水素化を停止することを特徴とする、構成される単量体成分が1−ブテン構造(A)、1,4−ブタジエン構造(B)、1,2−ブタジエン構造(C)、エチレン構造(D)およびスチレン構造(S)から成り、各成分の構成比が、(A)成分が10〜89モル%、(B)成分が89〜10モル%、(C)成分および(D)成分がそれぞれ3モル%以下、(S)成分が1〜30モル%であり、各成分の結合様式がランダムである分子量が10,000〜1,000,000、分子量分布Mw/Mnが1から5である共重合体を得る方法。
  5. 構成される単量体成分が1−ブテン構造(A)、1,4−ブタジエン構造(B)、1,2−ブタジエン構造(C)およびエチレン構造(D)から成り、各成分の構成比が、(A)成分が10〜90モル%、(B)成分が90〜10モル%、(C)成分および(D)成分がそれぞれ3モル%以下であり、各成分の結合様式がランダムである分子量が10,000〜1,000,000、分子量分布Mw/Mnが1から5である共重合体をゴム成分中に10重量%以上用いた加硫ゴム。
  6. 構成される単量体成分が1−ブテン構造(A)、1,4−ブタジエン構造(B)、1,2−ブタジエン構造(C)、エチレン構造(D)およびスチレン構造(S)から成り、各成分の構成比が、(A)成分が10〜89モル%、(B)成分が89〜10モル%、(C)成分および(D)成分がそれぞれ3モル%以下、(S)成分が1〜30モル%であり、各成分の結合様式がランダムである分子量が10,000〜1,000,000、分子量分布Mw/Mnが1から5である共重合体をゴム成分中に10重量%以上用いた加硫ゴム。
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