JPH0776635A - 選択部分水添重合体組成物 - Google Patents

選択部分水添重合体組成物

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JPH0776635A
JPH0776635A JP24602293A JP24602293A JPH0776635A JP H0776635 A JPH0776635 A JP H0776635A JP 24602293 A JP24602293 A JP 24602293A JP 24602293 A JP24602293 A JP 24602293A JP H0776635 A JPH0776635 A JP H0776635A
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JP
Japan
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rubber
butadiene
polymer
weight
partially hydrogenated
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Withdrawn
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JP24602293A
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English (en)
Inventor
Yasunobu Nakanimi
泰伸 仲二見
Haruo Yamada
春夫 山田
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 ブタジエン(A)含量100〜60wt%、
スチレン(B)含量0〜40wt%、A部のビニル結合
含量20〜80%のA重合体またはA−B共重合体を、
A部の全水添率5〜50%、水添ビニル結合含量5〜5
0wt%、水添1,4結合含量が0〜20wt%、1,
4結合含量80〜20wt%となるようにA部二重結合
を選択的に部分水添し、スズ化合物によりカップリング
した分子鎖構造を有し、Tg −95〜−30℃、ムーニ
ー粘度ML1+4 (100℃)15〜90、の選択部分水
添ゴム40〜100重量%、天然ゴム60〜0重量%、
ブタジエンゴムまたはスチレン−ブタジエンゴム60〜
0重量%からなる原料ゴム100重量部、特定のカーボ
ンブラック5〜55重量部、プロセスオイル0〜15重
量部、加硫剤0.1〜10重量部よりなるタイヤ用ゴム
組成物。 【効果】 省燃費特性、低発熱性、グリップ特性、加工
性に極めて優れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、省燃費性、低発熱性、
グリップ特性、加工性が極めて優れている選択かつ部分
的に水素添加(”水添”と略す)した重合体のゴム組成
物に関する。更に詳しくは特定のブタジエン重合体また
はスチレン−ブタジエン共重合体を選択部分水添してな
る特定構造の選択部分水添重合体を含む上記特長を有す
るタイヤ用ゴム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術とその問題点】近年、環境保護問題から省
エネルギーにつながる燃費効率の高いタイヤを要望する
声が強まっている。更に、今後排ガスのない電気自動車
の普及も拡大することが予想される。これらの車には運
転の安全性に必要なグリップ性能を高い水準で維持しな
がら、転がり抵抗を大幅に低減させ燃費効率を改善させ
たタイヤであることが求められている。
【0003】従来より、自動車用タイヤに対して、省燃
費性の面から転がり抵抗の低減、自動車の安全性の面か
らは操縦安定性及びウェット・スキッド性(湿潤路面で
の制動性能)の向上、タイヤの生産性の面では加工性の
改良による品質の向上が要望されてきた。しかし、これ
らの特性は互いに相反する傾向が強く、全ての特性を向
上することはかなり困難であった。
【0004】タイヤのウェット・スキッド性を保持しつ
つ、転がり抵抗を低減させる方法として、タイヤの軽量
化、タイヤ構造の最適化、トレッドパターンの改良、タ
イヤトレッドに使用するゴム配合物の改良等の方法が試
みられている。これらの中で、タイヤトレッドに使用す
るゴム配合物を改良して、転がり抵抗を低減する方法と
しては、ヒステリシスロスの少ない原料ゴムを使用する
方法、粒径の大きいカーボンブラックを使用する方法、
カーボンブラック及びオイルの量を減らす方法などがあ
る。
【0005】トレッドに使用するポリマーの転がり抵抗
とウェット・スキッド特性を改良する方法としては、例
えば特開昭54−62248号公報にはガラス転移点
(Tg)が−50℃以上、スチレン含有率が20〜40
%でブタジエン部分のビニル結合量が50〜80%であ
るスチレン−ブタジエン共重合体を使用する方法が示さ
れている。しかし、この様な重合体を用いた場合、タイ
ヤの転がり抵抗とウェット・スキッド特性のバランスは
ある程度改善されるが、比較的分子量の高い重合体であ
るため、ゴム配合物の加工性が低下してしまう傾向にあ
る。
【0006】また、特開昭59−117514号公報に
示されるような重合体鎖の末端に、ベンゾフェノン類を
付加させた共役ジエン重合体も転がり抵抗の改良はみら
れるが、ベンゾフェノン類を付加していない重合体に比
べて配合物のムーニー粘度が高くなり、加工性が低下し
ている。
【0007】更に、転がり抵抗性能を保持しつつ上記の
ような重合体の加工性上の問題点を解決する試みとして
は、特公昭49−36957号公報に示される分岐重合
体及びそれと類似した特開昭57−55912号公報や
特開昭58−168611号公報に開示された特定構造
の分岐重合体を使用する方法がある。
【0008】しかし、これらの分岐成分を有する重合体
を用いたゴム組成物においても、特開昭60−9443
号公報には、スチレン−ブタジエン共重合体単独の場
合、高速での押出加工時に押出成型物の表面の肌が荒れ
るという問題があり、そのために天然ゴムないしは合成
ポリイソプレンゴムをブレンドする改良方法が提案され
ている。
【0009】このような分岐状のスチレン−ブタジエン
共重合体を天然ゴム系のゴムとブレンドして使用する場
合には、分岐状の重合体の有する性能上の特徴を保持し
つつ加工性が改良されることが望ましい。しかし、スズ
化合物によって分岐された重合体分子を含有する場合、
天然ゴムとのブレンド組成物にすると、転がり抵抗性能
に対応する50〜70℃における反発弾性が、分岐状重
合体単独の組成物に比べて悪化する傾向にある。この傾
向は分岐成分を多く含む場合に於て大きく、スズによっ
て改良された分岐状重合体の性能が必ずしも発現されな
いという状況にあった。
【0010】一方、スチレン−ブタジエン共重合体を部
分水添して得られる重合体を用いた例では耐熱老化性、
反発弾性の優れる油展ゴムの製法に関する提案(特公昭
46−29020号公報)がなされている。しかし、従
来の鉄、ニッケル、コバルトの有機化合物を主成分とす
る触媒では、ビニル結合を優先的に選択して部分水添す
ることは困難で、ビニル結合をある程度高く水添するに
は、1,4結合をも高く水添する必要があった。また、
この方法は結晶性の共重合体を発生し目的とする反発弾
性、耐熱老化性を改良すると逆に好ましくない硬度の著
しい上昇、あるいは低発熱性の悪化をきたすものでしか
なかった。
【0011】また、ジエン系重合体の側鎖成分(ブタジ
エン重合体においてはビニル結合部分)のみを選択的に
水添する方法も提案され、耐オゾン性、酸化安定性を有
する選択水添ジエン重合体を得る方法も知られている
(特公昭62−26322号公報)。しかしこの方法に
よる重合体は確かに耐熱老化性あるいは反発弾性の若干
の向上はあるものの、不十分であり硬度、モジュラスに
至っては全く改良がみられないものであった。
【0012】これに対し、ビニル結合を選択的に部分水
添することにより、高モジュラス、反発弾性、低発熱
性、耐熱老化性に優れた選択部分水添重合体組成物(特
開平4−227648号公報)が提案された。しかし、
オイル量の少ない配合における組成物は加工性が不十分
なものであった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】以上に説明したよう
に、従来の技術では、電気自動車をはじめとする将来の
自動車用タイヤとして、高度な省燃費特性有し、かつ低
発熱性、グリップ特性、加工性などの物性バランスがよ
り一層優れたタイヤ用ゴム組成物が必要とされているの
に対し、これらを満たすゴム組成物まだ得られていない
のが現状である。本発明はその要望にこたえた、特定の
ポリマー構造を有するゴムを用いることより画期的に省
燃費特性、低発熱性、グリップ特性、加工性に優れたタ
イヤ用ゴム組成物を提案することを課題とするものであ
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、 (A)下記(a)〜(f)の条件を満たす選択部分水添
ゴム40〜100重量%と、天然ゴム60〜0重量%
と、ブタジエンゴムまたはスチレン−ブタジエンゴム6
0〜0重量%とからなる原料ゴム100重量部、及び
(a)ブタジエン含量が100〜60wt%、スチレン
含量が0〜40wt%であり、ブタジエン部のビニル結
合含量が20〜80%であるブタジエン重合体またはス
チレン−ブタジエン共重合体を、(b)ブタジエン部の
全水添率が5〜50%で、水添ビニル結合含量が5〜5
0wt%であり、水添1,4結合含量が0〜20wt%
で、かつ1,4結合含量が80〜20wt%となるよう
にブタジエン部二重結合を選択的に部分水添し、(c)
スズ化合物によりカップリングした分子鎖構造を有し,
(d)分子量分布(Mw/Mn)が1.0〜2.0であ
り、(e)ガラス転移点が−95〜−30℃、(f)ム
ーニー粘度ML1+4 (100℃)が15〜90である、 (B)窒素吸着比表面積が40〜150m2 /gで、か
つDBP吸油量が70〜180ml/100gのカーボ
ンブラック5〜55重量部、及び (C)プロセスオイル0〜15重量部、 (D)加硫剤0.1〜10重量部よりなるタイヤ用ゴム
組成物である。
【0015】本発明を構成する選択部分水添ゴムは特定
構造のブタジエン重合体またスチレン−ブタジエン共重
合体を選択的かつ部分的に水添することにより得られる
ものである。この選択部分水添ゴムについて、以下に詳
しく説明する。
【0016】本発明を構成する選択部分水添重合体の前
駆体である水添前の重合体は、ブタジエン含量が100
〜60重量%、スチレン含量が0〜40重量%であるブ
タジエン重合体またはスチレン−ブタジエン共重合体で
あり、特に好ましくは、ブタジエン含量が95〜70重
量%、スチレン含量が5〜30重量%である。ブタジエ
ン含量が60重量%未満では、本発明組成物とした時の
ゴム弾性が失われ、硬度上昇、省燃費性や耐摩耗性が低
下するので好ましくない。スチレンを含む場合、上記含
量の範囲であればスチレンが共重合体の分子鎖中にラン
ダム、ブロック、また一部ブロックなどいずれの連鎖状
態で重合していても構わないが、組成物の反発弾性の点
でランダム分布が好ましい。
【0017】ブタジエン部の結合様式には、シス−1,
4結合(シス結合)とトランス−1,4結合(トランス
結合)と1,2結合(ビニル結合)が存在する。ビニル
結合含量はシス結合とトランス結合とビニル結合の合計
量に対するビニル結合の含量と定義される。本発明を構
成する選択部分水添重合体の水添前の重合体中における
ブタジエン部分のビニル結合含量は、20〜80%に制
限される。ビニル結合が80%を越えると本発明組成物
の耐摩耗性が著しく低下してしまい、20%未満では水
添ビニル結合量が少なくなり本発明組成物の特長である
省燃費特性、低発熱性、グリップ特性、加工性を発現で
きない。ビニル結合含量は好ましくは20〜70%、更
に好ましくは25〜60%である。ブタジエン部分のビ
ニル結合は、分子鎖内に均一に存在しても、分子鎖に沿
って増加或は減少してもよい。
【0018】本発明を構成する選択部分水添重合体の水
添前の重合体は、前述の特定の構造に該当する物であれ
ばその製造方法はいかなるものであってもよい。これら
重合体を得る代表的な製造方法を以下に示す。
【0019】水添前のジエン系重合体は、ヘキサン、シ
クロヘキサン、ベンゼン等の不活性溶媒中において、重
合触媒としてn−ブチルリチウムなどの有機リチウムな
いし他のアルカリ金属化合物を用い、必要に応じて助触
媒成分として、カリウムブトキシドなどのアルコキシ
ド、ドデシルベンゼンスルフォン酸塩、ステアリン酸ナ
トリウムなどの有機酸塩を代表例とする有機化合物を用
い、更に必要に応じてビニル結合量を調節する化合物と
して、エーテル、ポリエーテル、第三級アミン、ポリア
ミン、チオエーテル、ヘキサメチルホスホルトリアミド
などの極性有機化合物を用いて、モノマーのブタジエ
ン、場合により更にスチレンを所定の比率で共重合する
ことにより得られる。ビニル結合量は、前記極性有機化
合物の添加量及び重合温度によって制御できる。
【0020】また、前記重合方法において、モノマーの
添加方法を調節したり、ビニル結合量を調節する化合物
の量、添加方法、重合温度を重合反応の途中で変化させ
るなどの各種重合条件を変えることにより、前記したよ
うな分子鎖中に於て、スチレン含有量やビニル結合量が
増加または減少した重合体とすることができる。また、
重合においては分子量調節剤として、アセチレン、1,
2−ブタジエン、フルオレン、第一級アミン、第二級ア
ミン等の各種化合物を使用することもできる。
【0021】上記の重合体を得る重合プロセスは、バッ
チプロセス、連続プロセス、それらの組合せのいずれで
も用いることができる。また、水添前の重合体は、リチ
ウム触媒を使用する以外の他の重合法、例えばニッケ
ル、コバルト、チタン等の有機化合物と、リチウム、マ
グネシウム、アルミニウム等の有機金属成分とから成る
チグラー系触媒を使用する方法ないしは乳化重合法によ
るものであっても活性末端を有する重合体が得られるの
であれば使用可能である。
【0022】本発明を構成する選択部分水添重合体のブ
タジエン部の水添率は5〜50%であることが必要であ
る。好ましくは5〜40%であり、更に好ましくは8〜
29%である。ブタジエン部の水添率が5%未満では、
組成物としたとき省燃費特性、低発熱性が発現されず、
50%を越えるとカーボンブラックとの反応性が減少す
るため組成物の強度が減少するので好ましくない。ま
た、水添率5〜50%の範囲内であれば、選択部分水添
重合体のムーニー粘度は水添前重合体よりも減少し加工
性が向上する効果がある。
【0023】加えて、ブタジエン重合体を水添すると、
ビニル結合は水添ビニル結合(ブテン単位)となり、シ
ス結合及びトランス結合は水添1,4結合(テトラメチ
レン単位)となる。したがって、部分水添ブタジエン重
合体はこれら5種類の結合単位から構成される重合体で
ある。更に、スチレンを含む部分水添共重合体は6種類
の結合単位からなる6元共重合体である。
【0024】これら6種類の結合単位の含量の合計を1
00wt%として表すと、本発明を構成する選択部分水
添重合体は水添ビニル結合含量が5〜50wt%、水添
1,4結合含量が0〜20wt%、水添されずに残存す
るシス結合及びトランス結合の合計である1,4結合含
量が80〜20wt%であることが必要である。好まし
くは、水添ビニル結合含量が5〜40wt%、水添1,
4結合含量が0〜10wt%、1,4結合含量が80〜
30wt%である。
【0025】更に好ましくは、水添ビニル結合含量が5
〜25wt%、水添1,4結合含量が0〜5wt%、
1,4結合含量が70〜35wt%である。水添ビニル
結合が5wt%未満では組成物の省燃費特性、低発熱性
が発現されず、50wt%を越えると組成物の強度が減
少する。水添1,4結合が20wt%を越えるとムーニ
ー粘度が上昇し加工性が低下し、更に組成物の省燃費特
性が発現されない。1,4結合含量が80wt%を越え
ると省燃費特性、低発熱性が減少し、20wt%未満で
は良好なゴム弾性が失われるで好ましくない。
【0026】以上に述べたように、本発明を構成する選
択部分水添重合体は、ブタジエン部分の全水添率が5〜
50%で、水添後の水添ビニル結合含量が5〜50wt
%、水添1,4結合含量が0〜20wt%、1,4結合
含量が80〜20wt%の範囲となるように選択的にブ
タジエン部を部分水添することにより得られるものであ
る。
【0027】上記の選択部分水添重合体を得るための水
添反応の方法及び条件としては、チタンの有機金属化合
物単独またはそれとリチウム、マグネシウム、アルミニ
ウムの有機金属化合物とから成る均一触媒(特公昭63
−4841号公報、特公平1−37970号公報)を用
い、低圧、低温の穏和な条件で水添する方法が好まし
い。この触媒系は少量で水添が可能であり、反応後の触
媒残査を脱灰せずに水添重合体を利用できる。
【0028】更に、本発明選択部分水添重合体はスズ化
合物によりカップリングした分子鎖構造を有するが,こ
の触媒系であれば水添前に形成されるスズ−炭素結合を
完全に維持したまま水添反応することが可能である。す
なわち、他の触媒系で起こる危険性のあるカップリング
重合体分子の分解反応を起こすことなく水添することが
可能である。これは水添前後の重合体のGPC曲線が水
添反応による分子量変化以外の変化がないことから確認
される。
【0029】更に、この触媒系を用いることにより選択
水添が可能であり、選択部分水添重合体を水添前重合体
に比べムーニー粘度を低下させることがでる。すなわ
ち、水添前に比べ加工性を大幅に改良した部分水添重合
体を得ることができる。1,2結合の水添選択率が低い
と水添1,4結合含量が増加し、部分水添重合体のムー
ニー粘度が上昇し加工性も低下するので好ましくない。
本発明に用いられる選択部分水添重合体は水添前重合体
に比べムーニー粘度ML1+4 (100℃)が5ポイント
以上低下した物が加工性と省燃費特性と低発熱性におい
て好ましい。一方、これ以外の触媒を用いる水添方法で
あっても、上記の効果を発現できるものであれば使用可
能である。
【0030】水添は触媒に不活性で、ブタジエン系重合
体が可溶な溶剤中で実施される。好ましい溶媒として
は、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−オクタンのよう
な脂肪族炭化水素、シクロヘキサン、シクロヘプタンの
ような脂環族炭化水素、ベンゼン、トルエンのような芳
香族炭化水素、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン
のようなエーテル類の単独またはそれらを主成分とする
混合物である。
【0031】水添反応は、一般にはブタジエン系重合体
を水素または不活性雰囲気下、所定の温度に保持し、撹
拌下または不撹拌下にて水添触媒を添加し、次いで水素
ガスを導入して所定圧に加圧することによって実施され
る。不活性雰囲気とは、例えばヘリウム、ネオン、アル
ゴン等の水添反応のいかなる関与体とも反応しない雰囲
気を意味する。空気や酸素は触媒を酸化したりして触媒
の失活を招くので好ましくない。また窒素は水添反応時
触媒毒として作用し、水添活性を低下させるので好まし
くない。特に、水添反応器内は水素ガス単独の雰囲気で
あることが最も好適である。
【0032】選択部分水添重合体を得る水添反応プロセ
スは、バッチプロセス、連続プロセス、それらの組合せ
のいずれでも用いることができる。また、水添触媒とし
てチタノセンジアリール系化合物を用いる場合は単独で
そのまま反応溶液に加えても良いし、不活性有機溶媒の
溶液として加えてもよい。触媒を溶液として用いる場合
に使用する不活性有機溶媒は、水添反応のいかなる関与
体とも反応しない前記各種溶媒を用いることができる。
好ましくは水添反応に用いる溶媒と同一の溶媒である。
また、触媒の添加量は水添前重合体100g当り0.0
2〜20ミリモルである。
【0033】本発明を構成する選択部分水添重合体は分
子鎖中にスズ化合物によるカップリングした分子構造を
有することが必要である。具体的には、水添前の重合体
において重合終了後活性末端を有する重合体鎖を、四塩
化スズ、二塩化ジメチルスズ、二塩化ジブチルスズ、二
塩化ジオクチルスズ、三塩化メチルスズ、四臭化スズな
どのハロゲン化スズ化合物によって、カップリングする
直鎖状または分岐状または放射状の重合体であることが
必要である。
【0034】水添前重合体をアニオン重合で合成しn個
のハロゲン基を有するスズ化合物を用いた場合、重合体
活性末端1モルに対して1/nモル量のスズ化合物を加
えることにより定量的にカップリング反応させることが
可能である。カップリング剤はスズ化合物であり、重合
体末端の反応率(カップリング率)は20%〜100%
であることが必要である。好ましくは30%〜100%
のカップリング率であり、更に好ましくは35〜85%
である。スズ化合物で30%以上のカップリング率でな
いと、本発明組成物は十分なタイヤのグリップ特性、燃
費特性、加工性の優れた物性バランスを発現することは
出来ない。
【0035】また、水添前重合体の活性末端と反応する
官能基含有化合物(変性剤)をカップリング剤と併用
し、重合体末端に反応させることも可能である。具体的
には、一塩化スズ化合物、カルボニル化合物、アミノ基
含有ベンゾフェノン化合物、イソシアナート化合物、フ
ォスフェート化合物などの変性剤が用いられる。好まし
くは一塩化スズ化合物で、トリフェニル一塩化スズ、ト
リメチル一塩化スズ、トリブチル一塩化スズなどであ
る。
【0036】本発明を構成する選択部分水添重合体の重
量平均分子量(Mw)は1万〜100万、分子量分布
(Mw/Mn)は1.0〜2.0である。重量平均分子
量が100万を越えると加工性が著しく劣り、1万以下
では水添重合体の強度が低くなる。Mw/Mnが2.0
を越えると低分子成分の存在割合が増加し、本発明組成
物の機械的強度、反発弾性、圧縮永久歪を低下させるの
で好ましくない。
【0037】本発明を構成する選択部分水添重合体のT
gは−95〜−30℃であることが必要である。−30
℃を越えると、本発明の組成物の低温特性が不十分とな
り好ましくない。グリップ特性を重視したタイヤの場合
は高いTgの選択部分水添重合体を、また、省燃費特性
を重視したタイヤの場合は低いTgの選択部分水添重合
体を用いることが好ましい。更に、選択部分水添重合体
同士、または選択部分水添重合体と他のゴムとの組合せ
によるブレンド系で用いる場合は、高いTgと低いTg
の重合体を組み合わせて用いることが好ましい。
【0038】本発明を構成する選択部分水添重合体のム
ーニー粘度ML1+4 (100℃)は15〜90であるこ
とが必要である。15未満では組成物の強度、低発熱性
が劣り、90を越えるとゴム組成物に混練する際にカー
ボンブラックの十分な分散が得られない。
【0039】本発明を構成する選択部分水添重合体を得
る最も好ましい方法は、水添前重合体を有機リチウム触
媒を用いて溶液重合し、得られた重合体溶液をそのまま
次の水添反応に用いることであり、工業的に極めて有用
である。本発明を構成する選択部分水添重合体は上記で
得られた溶液から溶媒を除去し、重合体を単離して得ら
れる。
【0040】本発明を構成する選択部分水添重合体は単
独または天然ゴム、他のブタジエンゴムまたはスチレン
−ブタジエンゴムとブレンドして用いられる。ブレンド
比率は選択部分水添重合体が40〜100重量%、天然
ゴムが60〜0重量%、上記以外のブタジエンゴムまた
はスチレン−ブタジエンゴム60〜0重量%である。ブ
タジエンゴム及びスチレン−ブタジエンゴムは通常用い
られる物であればいかなる種類の物であってもよい。
【0041】本発明の選択部分水添重合体組成物を構成
するカーボンブラックは、窒素吸着比表面積が40〜1
50m2 /g、かつDBP吸油量が70〜180ml/
100gのカーボンブラックに限定される。窒素吸着比
表面積が40m2 /g未満では組成物の耐摩耗性が減少
し、150m2 /gを越えると硬度の上昇、反発弾性の
低下が激しくなり、タイヤ用途に使用できない。
【0042】DBP吸油量が70〜180ml/100
gの範囲にないカーボンブラックは、組成物の耐摩耗
性、硬さ、伸び、加工性、反発弾性の物性バランスが悪
化するために使用できない。具体的な品種としては、S
AF,ISAF,HAF,FEFのファーネスブラック
などが使用できる。物性的に好ましいのは粒子の小さい
カーボンブラックであり、更に小粒子・高凝集タイプ
(高表面積・高吸油性)のものはゴムへの分散性も良
く、物性・加工性の面で特に好ましい。
【0043】カーボンブラックの量は原料ゴム100重
量部に対して5〜55重量部必要である。好ましくは3
5〜55重量部である。55重量部を越えると、本発明
の特長である組成物の省燃費性と低発熱性が失われるの
で好ましくなく、5重量部未満ではカーボンブラックに
よる補強効果が発現しない。
【0044】本発明の選択部分水添重合体組成物を構成
するプロセスオイルの必要量は、原料ゴム100重量部
に対して0〜15重量部である。15重量部を越えると
本発明の特長である組成物の省燃費特性と低発熱性が発
現しなくなるので好ましくない。プロセスオイルは、パ
ラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイ
ル、芳香族(アロマチック)系プロセスオイルが用いら
れるが、経済的に有利なアロマチック系プロセスオイル
が好ましい。
【0045】本発明の選択部分水添重合体組成物を構成
する加硫剤としては、硫黄、塩化硫黄化合物、有機硫黄
化合物などが使用できる。加硫剤の必要量は、原料ゴム
100重量部に対して0.1〜10重量部である。0.
1重量部以下及び10重量部を越えると良好なゴム弾性
が発現しないので好ましくない。その他に、加硫促進剤
や架橋剤を併用することも可能である。加硫促進剤とし
ては、グアジニン系、アルデヒド−アミン系、アルデヒ
ド−アンモニア系、チアゾール系、スルフェンアミド
系、チオ尿素系、チウラム系、ジチオカルバメート系、
ザンテート系等の化合物が使用できる。架橋剤として
は、有機パーオキサイド化合物およびアゾ化合物などの
ラジカル発生剤のほか、オキシム化合物、ニトロソ化合
物、ポリアミン化合物が使用できる。
【0046】また、必要に応じて、補強剤、軟化剤、充
填剤、加硫助剤、着色剤、難燃剤、滑剤、発泡剤、可塑
剤、加工助剤、酸化防止剤、老化防止剤、スコーチ防止
剤、紫外線防止剤、帯電防止剤、着色防止剤、その他の
配合剤などを添加することも可能である。
【0047】必要に応じて添加されるその他の補強剤と
しては、シリカ、活性化炭酸カルシウムなどの無機補強
剤や、ハイスチレン樹脂、フェノール−ホルムアルデヒ
ド樹脂等が使用され、これらの無機または有機の補強剤
は原料ゴム100重量部に対して50重量部以下で使用
される。充填剤としては、炭酸カルシウム、クレー、タ
ルク、水酸化アルミニウム、ゼオライト、ケイソウ土、
硫酸アルミニウム、硫酸バリウムなどが使用できる。
【0048】酸化防止剤ないし老化防止剤としては、ジ
フェニルアミン系、p−フェニレンジアミン系などのア
ミン誘導体、キノリン誘導体、ハイドロキノン誘導体、
モノフェノール類、ジフェノール類、チオビスフェノー
ル類、ヒンダードフェノール類、亜リン酸エステル類な
どが使用でき、これらは、原料ゴム100重量部当り、
0.001〜10重量部添加され、2種以上を併用する
こともできる。紫外線防止剤、滑剤、発泡剤、発泡助
剤、難燃剤、帯電防止剤、着色防止剤その他のゴム配合
薬品は、公知のものをその使用目的に応じて使用するこ
とができる。
【0049】本発明の選択部分水添重合体の組成物は、
一般にゴム組成物の混合に用いられている各種混合装
置、例えば、オープンロール、バンバリーミキサー、ニ
ーダー押出機などによって、原料ゴムと各種配合剤とを
混合し、ついで目的の形状に成形した後、加硫される。
本発明の選択部分水添重合体の組成物は、その特徴を生
かして各種自動車タイヤに好適であり、より具体的には
タイヤのトレッド部、キャップトレッド部、アンダート
レッド部、サイドウォール部、カーカス部に適してい
る。
【0050】
【実施例】以下、実施例、比較例により本発明を具体的
に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するもので
はない。
【0051】参考例 選択部分水添ゴム(S−1)の製法: 内容積10リット
ルの撹拌機付き、ジャケット付きオートクレーブを反応
器として用い、n−ヘキサンを4200g、1,3−ブ
タジエンを720g、スチレンを80g導入後、n−ブ
チルリチウム/n−ヘキサン溶液(濃度5重量%)8.
9ミリリットルとテトラヒドロフラン(THF)をリチ
ウムの25倍モル量添加し、60℃にて重合した。重合
終了後ただちに、リチウムの0.125倍モル量の四塩
化スズを加え5分間反応させた。メタノールをリチウム
に対して0.5倍モル量加え、失活させた。
【0052】水添触媒としてジ−p−トリル−ビス(1
−シクロペンタジエニル)チタニウム/シクロヘキサン
溶液(濃度1ミリモル/リットル)250ミリリットル
とn−ブチルリチウム溶液(濃度5ミリモル/リット
ル)50ミリリットルとを0℃、2.0kg/cm2
水素下で混合した溶液を添加し、水素分圧2.5kg/
cm2 にて3.7モルの水素を供給し30分間反応させ
た。得られた水添重合体は、酸化防止剤として2,6−
ジ−tert−ブチルヒドロキシトルエンを重合体10
0部当り0.5部添加して、溶媒を除去した。得られた
水添重合体S−1の分析値を表1−1〜表1−4に示し
た。
【0053】選択部分水添ゴム(S−2〜12、R−1
〜9)の製法:スチレンモノマーの添加量、ビニル化剤
であるTHFの添加量、水素吸収量を変化させる以外は
S−1と同じ条件で選択部分水添重合体を得た。
【0054】選択部分水添ゴム(S−13〜15、R−
10〜14)の製法:内容積10リットルの撹拌機付
き、ジャケット付きオートクレーブを反応器として用
い、n−ヘキサンを4200g、1,3−ブタジエンを
720g、スチレンを80g導入後、n−ブチルリチウ
ム/n−ヘキサン溶液(濃度5重量%)8.9ミリリッ
トル、テトラヒドロフラン(THF)をリチウムの40
倍モル量導入し、60℃にて重合した。重合終了後ただ
ちに、リチウムの0.125倍モル量の四塩化スズを加
え5分間反応させた。メタノールをリチウムに対して
0.5倍モル量加え、失活させた。
【0055】水添触媒としてジ−p−トリル−ビス(1
−シクロペンタジエニル)チタニウム/シクロヘキサン
溶液(濃度1ミリモル/リットル)250ミリリットル
とn−ブチルリチウム溶液(濃度5ミリモル/リット
ル)50ミリリットルとを0℃、2.0kg/cm2
水素下で混合した溶液を添加し、水素分圧2.5kg/
cm2 にてブタジエン二重結合に対して0〜60%とな
るよう水素を供給し、水添率の異なる水添重合体を合成
した。得られた水添重合体は、酸化防止剤として2,6
−ジ−tert−ブチルヒドロキシトルエンを重合体1
00部当り0.5部添加して、溶媒を除去した。得られ
た水添重合体S−13〜15とR−10〜14の分析値
を表1−1〜表1−4に示した。
【0056】選択部分水添ゴム(S−16、R−15〜
19)の製法:n−ブチルリチウムを1.5倍量添加及
び重合後にカップリング剤を添加しない以外はS−14
と同様にして選択部分水添重合体(R−15)を得た。
カップリング剤に四塩化ケイ素を用いる以外はS−14
と同様にして選択部分水添重合体(R−16)を得た。
カップリング剤を添加後更にリチウムの0.5倍モル量
のトリフェニル一塩化スズを変性剤として反応させた以
外はS−14と同様にして選択部分水添重合体(S−1
6)を得た。
【0057】1,3−ブタジエンに1,2−ブタジエン
を微量加え重合する以外はS−14と同様にして分子量
分布の広い選択部分水添重合体(R−17)を得た。n
−ブチルリチウムを0.4倍量添加する以外はS−14
と同様にしてML粘度の高い選択部分水添重合体(R−
18)を得た。n−ブチルリチウムを8.5倍量添加す
る以外はS−14と同様にしてML粘度の低い選択部分
水添重合体(R−19)を得た。
【0058】乳化重合SBR(R−20):日本合成ゴ
ム 製乳化重合SBR#1502をそのまま用いた。水
添前の重合体のスチレン含量、ブタジエン部分のビニル
結合含量、重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw
/Mn)及び水添率は、以下に示す方法で測定した。
【0059】1)スチレン含量 水添前の重合体をクロロホルム溶液とし、スチレンのフ
ェニル基によるUV254nmの吸収によりスチレン含
量[S](wt%)を測定した。 2)ブタジエン含有量 水添前の重合体がスチレンを含む場合、100%−スチ
レン含量(wt%)として求めた。
【0060】3)ブタジエン部分のビニル結合含量 水添前の重合体を重クロロホルム溶液とし、FT−NM
R(270MHz、日本電子(株)製)にて、 1H−N
MRスペクトルを測定し、化学シフト4.7〜5.2p
pm(シグナルC0 とする)のビニル結合によるプロト
ン(=CH2 )と、化学シフト5.2〜5.8ppm
(シグナルD0 とする)の1,4結合によるプロトン
(=CH−)の積分強度比より、ビニル結合含量[V]
(%)を次の式で計算した。 [V]=〔2C0 /(C0 +2D0 )〕×100
【0061】4)重量平均分子量及び分子量分布(Mw
/Mn)及びカップリング率 選択部分水添重合体をTHF溶液とし、GPC(ポン
プ: 島津製作所製LC−5A,カラム:ポリスチレン
ゲルHSG−40,50,60各1本、検出器:示差屈
折計)にて、クロマトグラムを測定した。標準ポリスチ
レンのピークの分子量と保持体積との関係の検量線を用
い、定法によりポリスチレン換算の重量平均分子量(M
w),数平均分子量(Mn)を計算して求めた。また、
カップリング率はカップリング重合体と非カップリング
重合体からなる水添前重合体のGPC曲線の全ピーク面
積におけるカップリング重合体のピーク面積を百分率で
表したものとした。
【0062】5)水添率 水添前の重合体を重クロロホルム溶液とし、FT−NM
R(270MHz,日本電子(株)製)にて、 1H−N
MRスペクトルを測定し、化学シフト4.7〜5.2p
pm(シグナルC0 とする)のビニル結合によるプロト
ン(=CH2 )と、化学シフト5.2〜5.8ppm
(シグナルD0 とする)の1,4結合によるプロトン
(=CH−)の積分強度をもとめた。
【0063】一方選択部分水添重合体についても同様に
1H−NMRスペクトルを測定し、化学シフト0.6〜
1.0ppm(シグナルA1 とする)の水添したビニル
結合によるメチルプロトン(−CH3 )、化学シフト
4.7〜5.2ppm(シグナルC1 とする)の水添さ
れていないビニル結合によるプロトン(=CH2 )、化
学シフト5.2〜5.8ppm(シグナルD1 とする)
の水添されていない1,4結合によるプロトン(=CH
−)の積分強度を求め、次のように水添率を計算した。
【0064】まず、 p=3C0 /(3C1 +2A1 ) A11=p×A1 、C11=p×C1 、D11=p×D1 と
し、ビニル結合部の水添率[B](%)は次の式で計算
した。 [B]=〔2A11/(2A11+3C11)〕×100
【0065】1,4結合部の水添率[C](%)は次の
式で計算した。 [C]=〔(2D0 −C0 −2D11+C11)/(2D0 −C0 )〕×100 ブタジエン部全体の水添率[A](%)は次の式で計算
した。 [A]=〔[V]×[B]+(100−[V])×[C]〕/100
【0066】選択部分水添重合体中の水添ビニル結合、
ビニル結合、水添1,4結合、1,4結合の各含量(w
t%)をそれぞれ、[hv]、[v]、[hb]、
[b]とすると、次のように計算できる。 [hv]=(100−[S])×[V]×[B]÷10000 [v] =(100−[S])×[V]÷100−[hv] [hb]=(100−[S])×(100−[V])×[C]÷10000 [b] =(100−[S])×(100−[V])÷100−[hb]
【0067】実施例1 選択部分水添重合体(S−1)を下記に示す配合及び混
練方法で混練し、160℃、20分加硫成形して、各種
物性を測定した。この結果を表2−1〜表2−4に示し
た。
【0068】〔配合〕 選択部分水添重合体 100 重量部 カーボンブラック *1 45 〃 アロマオイル 5 〃 亜鉛華 5 〃 ステアリン酸 2 〃 老化防止剤(810NA)*2 1 〃 加硫促進剤(CZ)*3 1 〃 硫黄 1.7 〃 *1 N339:東海カーボン 製シーストKH 窒素吸着比表面積93m2 /g、DBP吸油量が119
ml/100g *2 N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニ
レンジアミン 大内新興化学工業(株)製ノクラック810−NA *3 N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフ
ェンアミド 大内新興化学工業(株)製ノクラックCZ
【0069】〔混練方法〕バンバリーミキサー(容量
1.7リットル、温度160℃)にて選択部分水添重合
体にカーボンブラック、アロマオイル、亜鉛華、ステア
リン酸、老化防止剤を混練。オープンロール(10イン
チ、80℃)にて硫黄と加硫促進剤を混練。
【0070】〔加硫成型〕組成物を金型にいれ、160
℃のプレスにて20分間加圧加熱し加硫成型した。表2
−1〜表2−4に示した加硫物の各性能は、以下のよう
に測定した。 1)硬さ:JIS−K−6301 JIS−A硬さ試験
機による。 2)モジュラス、引張強度、破断伸び:JIS−K−6
301 引張試験法による。
【0071】3)反発弾性:JIS−K−6301によ
るリュプケ法、試料を70℃オーブン中で1時間余熱
後、素早く取り出して測定した。反発弾性は転がり抵抗
を表すもので省燃費特性を表す指標となる。数値が大き
いほど省燃費特性に優れる。
【0072】4)発熱性:グッドリッチ発熱;グッドリ
ッチフレクソメーターを使用し、荷重24ポンド、変位
0.225インチ、スタート50℃、回転数1800r
pmの条件で試験を行い、20分後の上昇温度差にて表
した。数値が小さいほど低発熱性であり好ましい。
【0073】5)ウェットスキッド抵抗:スタンレー・
ロンドンのポータブル・スキッドテスターを使用し、路
面としてセイフティー・ウォーク(スリー・エム社製)
を使用してASTM−E−808−74の方法に従い測
定した。濡れた路面でのグリップ特性の指標であり数値
が大きいほど好ましい。
【0074】6)加工性:オープンロールでのゴム組成
物のまとまり性を目視で判定した。結果を以下のよう表
した。 ○:良好 △:やや劣る ×:劣悪 また、配合物ムーニー粘度ML1+4 (100℃)も測定
した。数値が80を越えると加工しにくくなり、また小
さすぎるものも扱い難くなる。
【0075】実施例2〜12、比較例1〜9 スチレン量とビニル含量とブタジエン部水添率の異なる
各種選択部分水添重合体(S−2〜12、R−1〜9)
を用いた以外は実施例1と同じ条件にて選択部分水添重
合体組成物を得た後、各種物性を測定し表2−1〜表2
−4に示した。
【0076】実施例13〜15、比較例10〜14 ビニル含量とブタジエン部水添率の異なる選択部分水添
重合体(S−13〜15、R−10〜14)を用いた以
外は実施例1と同じ条件にて選択部分水添重合体組成物
を得た後、各種物性を測定し表2−1〜表2−4に示し
た。
【0077】実施例16、比較例15〜19 カップリング剤を異なるまたは用いない系、もしくは変
性剤を併用した選択部分水添重合体(S−16、R−1
5〜19)を用いた以外は実施例1と同じ条件にて選択
部分水添重合体組成物を得た後、各種物性を測定し表2
−1〜表2−4に示した。
【0078】比較例20 選択部分水添重合体の代わりにSBR#1502を用い
た以外は実施例1と同じ条件にて組成物を得た後、各種
物性を測定し表2−1〜表2−4に示した。
【0079】比較例21 カーボンブラックにGPF(東海カーボン(株)製シー
ストV:窒素吸着比表面積27m2 /g、DBP吸油量
が87ml/100g)を用いた以外は実施例1と同じ
条件にて選択部分水添重合体組成物を得た後、各種物性
を測定し表2−1〜表2−4に示した。
【0080】実施例17〜23、比較例22〜28 選択部分水添重合体60重量部、天然ゴム40重量部の
配合系を用いた以外は実施例1と同じ条件にて選択部分
水添重合体組成物を得た後、各種物性を測定し表3−1
〜表3−2に示した。なお、配合は表4に示す通りであ
る。
【0081】比較例29 天然ゴム100重量部の配合系を用いた以外は実施例1
と同じ条件にて組成物を得た後、各種物性を測定し表3
−1〜表3−2に示した。
【0082】実施例20〜21 選択部分水添重合体60重量部、ポリブタジエン(BR
−01:日本合成ゴム(株)製)またはSBR(#15
02:日本合成ゴム(株)製)40重量部の配合系を用
いた以外は実施例1と同じ条件にて組成物を得た後、各
種物性を測定し表3−1〜表3−2に示した。
【0083】
【表1】
【0084】
【表2】
【0085】
【表3】
【0086】
【表4】
【0087】
【表5】
【0088】
【表6】
【0089】
【表7】
【0090】
【表8】
【0091】
【表9】
【0092】
【表10】
【0093】
【表11】
【0094】
【発明の効果】本発明の部分水添の選択性を特定した選
択部分水添重合体を用いることにより、省燃費特性、低
発熱性、グリップ特性、加工性に極めて優れたタイヤ用
ゴム組成物が提供される。このタイヤ用ゴム組成物は、
高度の燃費特性を必要とする自動車用タイヤ、特に電気
自動車用タイヤなどの材料として有用である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)下記(a)〜(f)の条件を満たす
    選択部分水添ゴム40〜100重量%と、天然ゴム60
    〜0重量%と、ブタジエンゴムまたはスチレン−ブタジ
    エンゴム60〜0重量%とからなる原料ゴム100重量
    部、及び(a)ブタジエン含量が100〜60wt%、
    スチレン含量が0〜40wt%であり、ブタジエン部の
    ビニル結合含量が20〜80%であるブタジエン重合体
    またはスチレン−ブタジエン共重合体を、(b)ブタジ
    エン部の全水添率が5〜50%で、水添ビニル結合含量
    が5〜50wt%であり、水添1,4結合含量が0〜2
    0wt%で、かつ1,4結合含量が80〜20wt%と
    なるようにブタジエン部二重結合を選択的に部分水添
    し、(c)スズ化合物によりカップリングした分子鎖構
    造を有し,(d)分子量分布(Mw/Mn)が1.0〜
    2.0であり、(e)ガラス転移点が−95〜−30
    ℃、(f)ムーニー粘度ML1+4 (100℃)が15〜
    90である、 (B)窒素吸着比表面積が40〜150m2 /gで、か
    つDBP吸油量が70〜180ml/100gのカーボ
    ンブラック5〜55重量部、及び (C)プロセスオイル0〜15重量部、及び (D)加硫剤0.1〜10重量部よりなるタイヤ用ゴム
    組成物。
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