JP2627772B2 - 耐屈曲特性の良好なゴム組成物 - Google Patents

耐屈曲特性の良好なゴム組成物

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JP2627772B2
JP2627772B2 JP63158127A JP15812788A JP2627772B2 JP 2627772 B2 JP2627772 B2 JP 2627772B2 JP 63158127 A JP63158127 A JP 63158127A JP 15812788 A JP15812788 A JP 15812788A JP 2627772 B2 JP2627772 B2 JP 2627772B2
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章 斉藤
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は優れた加工性能と改良された物性を有するタ
イヤ用ゴム組成物に関する。更に詳しくは、本発明は改
良されたブタジエン系複合重合体と天然ゴム系ポリマー
とを原料ゴムとして用いるとともに、特定のカーボンブ
ラックを用いた加硫物ゴム組成物とすることにより、加
工性が良好でかつ強度、耐屈曲疲労性が優れたタイヤ用
ゴム組成物をもたらすものであり、且つ該ゴム組成物は
乗用車、トラック、バス等の各種タイヤのサイドウオー
ル部分に特に好適なゴム組成物である。
[従来の技術] 従来より、自動車タイヤのサイドウオール用組成物と
しては、天然ゴムやスチレン−ブタジエン共重合体ゴ
ム、ポリブタジエンゴムなどのジエン系合成ゴムがその
タイヤの使用用途に応じて単独、または適当なブレンド
で使用されている。
特に、近年、ラジアルタイヤが普及し、また自動車の
高性能化と高速道路網の拡充により、各種自動車タイヤ
の性能向上が求められるようになり、一方、乗り心地や
振動の低減といった居住性能も重視されるに至ってい
る。このため従来のバイアスタイヤに比較して、ラジア
ルタイヤにおいては、トレッド部分およびビート部分に
弾性率の高いゴム組成物を使用して走行性能を改良する
とともに、トレッド部分とビート部分をつなぐサイドウ
オール部分には、弾性率の低いゴム組成物を使用するこ
とで衝撃や振動を吸収、緩和させるようなタイヤ構造と
なっている。
また、省資源、省エネルギーの面から、タイヤの各部
分に対して軽量化が図られており、特にサイドウオール
部分は従来よりもさらに薄くすることも要望されるよう
になってきた。
このようなタイヤ構造に対する要求により、タイヤの
サイドウオールに使用されるゴム組成物には、薄い構造
であっても十分な強度、耐屈曲性、耐屈曲疲労性が要求
されるとともに、成型時の押出加工性が良好なことが要
求されている。
従来より、タイヤのサイドウオール用のゴム組成物に
は、耐屈曲性が良好である高シス−ポリブタジエゴムま
たは低シス−ポリブタジエンゴムが使用されているが、
これらポリブタジエンゴムは単独では強度が十分でない
こと、ロール加工性が劣りロールバギーしやすいこと、
押出加工性が悪く押出物の寸法安定性が劣るなどの問題
点が多く、天然ゴムやスチレン−ブタジエン共重合体ゴ
ム等の他のジエン系ゴムとブレンドして使用されるのが
一般的であった。しかしブレンドしても加工性の問題は
あり、従来のポリブタジエンゴムからなるゴム組成物は
サイドウオール用としては、必ずしも満足できるもので
はなかった。
このようなポリブタジエンゴムを使用したサイドウォ
ール用ゴム組成物を改良する目的で、特開昭54−77653
号公報には、cis−1,4ポリブタジエンにシンジオタクチ
ック−1,2−ポリブタジエンをブロック重合またはグラ
フト重合した重合体を含むポリブタジエンゴムと他のジ
エン系ゴムとをブレンドしたゴム組成物が提案されてい
る。このようなゴム組成物は、確かに耐屈曲性、強度、
ロール加工性は改良されるが、押出加工性は必ずしも十
分ではなく、また、高融点のシンジオタクチック−1,2
−ポリブタジエンを含有するため、結晶した部分が流動
方向に配向して加硫後の物性に異方性が生ずることも問
題点であった。
また、特開昭61−238845号公報には、高トランスSBR
と高ビニルSBRとからなるブロク共重合体が提案され、
このブロック共重合体を含有する加硫ゴム組成物も提案
されているが、この加硫ゴム組成物では、ポリマーがス
チレンを共重合しているため、耐屈曲性が不十分であ
り、また、強度や加工性も必ずしも十分でない。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、従来の方法では解決できなかった、強度、
耐屈曲性、耐屈曲疲労性といったタイヤサイドウォール
の基本性能が優れ、さらに良好な成形加工性を有するタ
イヤ用ゴム組成物をもたらそうとするものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは上記課題を解決すべくゴム組成物に使用
するポリマーについて鋭意検討を行った結果、特定の構
造のポリマーからなる複合重合体を使用することによっ
て該課題を解決できることを見出し本発明を完成した。
すなわち、本発明は 下記(I),(II)及び(III)成分を有し加硫物の
硬度(JIS−A)が45〜70である耐屈曲特性の良好なゴ
ム組成物を提供するものである。
(I)成 分; 下記(A)成分,(B)成分及び(C)成分からな
り、それらの合計量が100重量部である原料ゴム成分。
(A)成 分: 樹脂状トランスポリブタジエンブロックとゴム状ポリ
ブタジエンブロックとを有するブロック共重合体(A−
1)、及び ゴム状ポリブタジエン(A−2)を主体とするポリブ
タジエン系複合重合体であって、 ブロック共重合体(A−1)中の樹脂状トランスポリ
ブタジエンブロックの結晶融点が30〜130℃トランス結
合量が80%以上、重量平均分子量が2万〜20万であり、
ブロック共重合体のゴム状ポリブタジエンブロックのガ
ラス転移温度が−70℃以下、トランス結合量が40〜60
%、重量平均分子量が4万〜40万であり、 ゴム状ポリブタジエン(A−2)のガラス転移温度が
−70℃以下、トランス結合量が40〜60%、重量平均分子
量が4万〜40万であり、 複合重合体全体のトランス結合量が55〜80%、ムーニ
ー粘度(ML1+4,100℃)が25〜150であるポリブタジエン
系複合重合体10〜80重量%。
(B)成 分: 天然ゴム又はシス結合量が90%以上のポリイソプレン
ゴム20〜90重量%。
(C)成 分: ガラス転移温度が−110〜−30℃であるポリブタジエ
ンゴム又はスチレン−ブタジエン共重合体ゴム0〜30重
量%。
(II)成 分; ヨウ素吸着量が25〜85mg/g、DBP吸油量が70〜130ml/1
00gであるカーボンブラックを(I)成分100重量部に対
し25〜80重量部。
(III)成 分; 加硫剤を(I)成分100重量部に対し0.5〜3.0重量
部。
以下、本発明について詳しく説明する。
本発明のゴム組成物の原料ゴム成分は、 (A)成 分: ポリブタジエン系複合重合体10〜80重量%、 (B)成 分: 天然ゴムまたはシス結合量90%以上のポリイソプレン
ゴムが20〜90重量%、 (C)成 分: ガラス転移温度が−110〜−30℃であるポリブタジエ
ンゴム又はスチレン−ブタジエン共重合体ゴム0〜30重
量% からなる。
次に(A)成分のポリブタジエン系複合重合体に関し
て説明する。
本発明のポリブタジエン系複合重合体は、樹脂状トラ
ンスポリブタジエンブロックおよびゴム状ポリブタジエ
ンブロックとを有するブロック共重合体(A−1)とゴ
ム状ポリブタジエン(A−2)とを主体とするものであ
る。
ブロック共重合体(A−1)は、樹脂状トランスポリ
ブタジエンブロックとゴム状ポリブタジエンブロックと
からなり、樹脂状トランスポリブタジエンブロックは結
晶融点が30〜130℃、トランス結合量が80%以上、重量
平均分子量が2万〜20万の範囲であり、一方ゴム状ポリ
ブタジエンブロックはガラス転移温度が−70℃以下、ト
ランス結合量が40〜60%、重量平均分子量が4万〜40万
の範囲である。
樹脂状トランスポリブタジエンブロックのミクロ構造
は、好ましくは、トランス結合量が80%以上であって、
シス結合量が5〜15%でビニル結合量が2〜10%であ
る。
また、ゴム状ポリブタジエンブロックのミクロ構造
は、好ましくは、トランス結合量が40〜60%であって、
シス結合量が20〜40%でビニル結合量が10〜30%であ
る。
一方、複合重合体を形成するゴム状ポリブタジエン
(A−2)は、ガラス転移温度が−70℃以下、トランス
結合量が40〜60%、重量平均分子量が4万〜40万の範囲
であり、ブロック共重合体中のゴム状ポリブタジエンブ
ロックと同一のポリマーでも、異なるポリマー構造のも
のでも良い。
ゴム状ポリブタジエン(A−2)のミクロ構造は、好
ましくは、トランス結合量が40〜61%であって、シス結
合量が20〜40%でビニル結合量が10〜30%である。
ブロック共重合体中の樹脂状トランスポリブタジエン
ブロックの結晶融点が30℃より低いと、得られる組成物
の強度、耐カット性、押出加工性が劣り、一方結晶融点
が130℃を超えると、樹脂状トランスポリブタジエンブ
ロックの十分な架橋がされにくく、強度が低下し、耐発
熱性も悪くなる。本発明においては、樹脂状トランスポ
リブタジエンブロックの結晶融点は、好ましくは40〜12
0℃、更に好ましくは50〜110℃の範囲である。
ブロック共重合体中の樹脂状トランスボリプタジエン
ブロックのトランス結合量が80%より低いと、耐屈曲疲
労性が低下し、また加工性も劣り好ましくない。樹脂状
トランスポリブタジエン部分のトランス結合量は、82〜
90%であることが更に好ましい。
ブロック共重合体中の樹脂状トランスポリブタジエン
ブロックの重量平均分子量が2万より低いと、強度、耐
発熱性、耐屈曲性、反ぱつ弾性が劣り、一方この重量平
均分子量が20万を超えると、複合重合体が硬くなり、混
練や成形等の加工性が悪化し複合重合体が有する本来の
性能を発揮しにくくなるため好ましくない。樹脂状トラ
ンスポリブタジエン部分の重量平均分子量は4万〜20万
であることが更に好ましい。
ブロック共重合体の樹脂状トランスポリブタジエンブ
ロックの分子量分布(重量平均分子量(Mw)と数平均分
子量(Mn)との比(Mw/Mn))は1.2〜4の範囲が好まし
く、1.2〜3.0の範囲が更に好ましい。
つぎに、複合重合体を形成するブロック共重合体(A
−1)中のゴム状ポリブタジエンブロックおよびゴム状
ポリブタジエン(A−2)はガラス転移温度が−70℃以
下であり、ガラス転移温度が−70℃を超えると耐屈曲性
が悪化する。ガラス転移温度が−70℃以下のポリブタジ
エンゴムはビニル結合量が約35%以下のLi系ポリブタジ
エンゴムである。このガラス転移温度は、−100〜−75
℃が更に好ましい。
ブロック共重合体のゴム状ポリブタジエンブロックお
よびゴム状ポリブタジエンのトランス結合量は40〜60%
の範囲であり、トランス結合量が40%より低いと強度が
劣り、一方トランス結合量が60%を超えると、複合重合
体の静的および動的なゴムらしさが失われる。トランス
結合量は45〜55%が更に好ましい。
ブロック共重合体のゴム状ポリブタジエンブロックお
よびゴム状ポリブタジエンの重量平均分子量は4万〜40
万の範囲であり、重量平均分子量が4万より低いと、体
発熱性、反ぱつ弾性、耐屈曲性、強度等の物性が劣り、
一方、重量平均分子量が40万を超えると、配合物の粘度
が増加し、ロール加工性や押出加工性が問題となり、動
的性能が良い特徴を発揮しにくくなる。この重量平均分
子量は、5万〜30万の範囲が更に好ましい。ゴム状ポリ
ブタジエンブロックおよびゴム状ポリブタジエンの分子
量分布(Mw/Mn)は1.2〜3.0の範囲が好ましい。
ブロック共重合体(A−1)中のゴム状ポリブタジエ
ンブロックと、ゴム状ポリブタジエン(A−2)とは、
同じ構造であっても良いし、前記の範囲内で異なる構造
であっても良い。
本発明においては、複合重合体中には樹脂状トランス
ポリブタジエンのホモポリマーは含まれないか、または
樹脂状トランスポリブタジエンのホモポリマーの結晶融
点が30〜130℃、トランス結合量が80%以上、重量平均
分子量が2万〜20万であって、その量がブロックポリマ
ー(A−1)中の樹脂状トランスポリブタジエンブロッ
クの量とこの樹脂状トランスポリブタジエンホモポリマ
ーの量との合計量に対して30重量%以下であることが好
ましい。
樹脂状トランスポリブタジエン部分(ブロック共重合
体中の樹脂状トランスポリブタジエンブロックと樹脂状
トランスポリブタジエンホモポリマーとの両方の合計
量)は、ブロック共重合体(A−1)に多く含まれるこ
とが組成物の強度、耐屈曲性、耐屈曲疲労性、耐発熱性
の面から好ましく、樹脂状トランスポリブタジエンホモ
ポリマーとしての量は、樹脂状トランスポリブタジエン
部分の量の20%以下であることが更に好ましい。
また、樹脂状トランスポリブタジエン部分の量は複合
重合体の量3〜70重量%である。樹脂状トランスポリブ
タジエン部分の量が3%より少ないと、耐屈曲疲労性、
加工性、強度の改良効果が少なく、この量が70%を超え
ると、反ぱつ弾性、耐発熱性が悪化する。樹脂状トラン
スポリブタジエン部分の量は複合重合体の量の5〜60重
量%であることが好ましい。
本発明においては、複合重合体を形成するブロック共
重合体(A−1)の量は、複合重合体の量の少なくとも
5重量%であることが好ましい。この量が5%より少な
いと、加工性の耐屈曲性のバランスが悪化するので好ま
しくない。ブロック共重合体の量は、複合重合体の量の
少なくとも10重合%であることが更に好ましい。
本発明において、複合重合体を形成するホモポリマー
のゴム状ポリブタジエンの量は、0〜90重量%の範囲が
好ましく、0〜80%の範囲が更に好ましい。
本発明の複合重合体全体のトランス結合量は、55〜80
%の範囲である。このトランス結合量が55%より少ない
と、組成物の強度が十分ではなく、トランス結合量が80
%を超えると、組成物の耐発熱性、低温特性が悪化す
る。このトランス結合量は、60〜75%の範囲が特に好ま
しい。
更に、本発明の複合重合体のムーニー粘度(ML1+4,10
0℃)は、25〜150の範囲である。ムーニー粘度が25より
低いと、組成物の耐発熱性、耐屈曲性、強度が劣り、ム
ーニー粘度が150を超えると、組成物のロール加工性、
押出加工性が悪化する。複合重合体のムーニー粘度が70
以上の場合、ゴム用伸展油を複合重合体100部あたり5
〜50部加えることによって、ムーニー粘度を加工しやす
い範囲に調節することも可能である。
本発明の複合重合体の重量平均分子量は、4万〜40万
の範囲が好ましい。
本発明の複合重合体の分子量分布(Mw/Mn)は、1.2〜
5が好ましく、1.2〜3が更に好ましい。
本発明のポリブタジエン系複合重合体は、 (a)ブタジエン単量体と不活性溶剤からなる単量体溶
液を調合する工程、 (b)希土類元素化合物と有機マグネシウム化合物より
なる触媒にて0〜150℃の温度下にブタジエンを80%以
上のトランス結合に重合する工程、 (c)引き続き、上記触媒に更に有機リチウム化合物を
加え、30〜200℃の温度下にブタジエンを60%以下のト
ランス結合に重合する工程、 (d)得られた複合重合体より不活性溶剤を除去する工
程、 を基本的工程とする製造方法によって製造される。製造
方法は、回分重合法であっても、連続重合法であっても
よい。
(a)の工程は、ブタジエン単量体と不活性溶剤から
なる単量体溶液を調合する工程である。この工程におい
て用いる不活性溶剤としては、用いる触媒を失活させる
ものでなければ特に制限されないが、使用される溶剤と
してn−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シク
ロヘキサン等の脂肪族または脂環族炭化水素、ベンゼ
ン、トルエン等の芳香族炭化水素が好ましく、これらは
2種以上の混合物であっても、あるいは少量の不純物を
含むものであってもよい。ブタジエンは溶剤中で1〜50
重量%、好ましくは5〜30%の濃度で調合される。ブタ
ジエンは、その中に、少量のプロパジエン、1,2−ブタ
ジエン等のアレン類を含むものであってもよい。
(b)の工程は、希土類元素化合物と有機マグネシウ
ム化合物よりなる触媒にて0〜150℃の温度下にブタジ
エンを80%以上トランス結合に重合する工程である。こ
の工程で用いる、触媒の主成分である希土類元素化合物
としては、希土類元素としてランタン、セリウム、プラ
セオジム、ネオジウム、サマリウム等の元素番号57〜71
の元素を含む化合物であり、好ましい元素としてはラン
タン、セリウム、ネオジウムが挙げられ、それらの有機
酸塩が好適な化合物として用いられる。有機酸として
は、アルコール、チオアルコール、フェノール、チオフ
ェノール、カルボン酸、チオカルボン酸、アルキルアリ
ルスルホン酸、硫酸のモノアルコールエステル、リン酸
化合物等がある。(b)の工程のもう一つの触媒成分
は、有機マグネシウム化合物であり、その例としては、
ジエチルマグネシウム、ジ−n−プロピルマグネシウ
ム、ジイソプロピルマグネシウム、ジ−n−ブチルマグ
ネシウム等が好ましい。これらの二つの成分の触媒は、
希土類元素化合物/有機マグネシウム化合物の比で、1/
0.1〜1/50の範囲で用いられる。
更に、この工程においては、有機マグネシウム化合物
の活性を高めるために、有機リチウム化合物や有機アル
ミニウム化合物を共存させることも可能である。有機リ
チウム化合物の例としては、n−プロピルリチウム、イ
ソプロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチ
ルリチウム、tert−ブチルリチウムなどが好ましいもの
としてあげられ、これら有機リチウム化合物の使用量に
よって、この工程で得られるポリブタジエンのトランス
結合量を変化させることが可能である。有機アルミニウ
ム化合物の例としては、トリメチルアルミニウム、トリ
エチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、
トリイソブチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムハ
イドライドなどが好ましいものとしてあげられる。
この工程において、重合反応は上記の触媒系を用い
て、0〜150℃、好ましくは30〜120℃で実施され、その
重合形式は回分法であっても連続法であってもよい。こ
の工程では、得られる高トランス重合体の全複合重合体
中における割合が、3〜70重量%、好ましくは5〜60重
量%となるように重合を進行させて、次の (c)引き続き、上記触媒に更に有機リチウム化合物を
加え、30〜200℃の温度下にブタジエンを60%以下のト
ランス結合に重合する工程に進める。この工程で使用す
る、有機リチウム化合物としては、n−プロピルリチウ
ム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec
−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウムなどが好まし
いものとしてあげられ、これら有機リチウム化合物の使
用量は、有機リチウム化合物中のリチウム原子と有機マ
グネシウム化合物中のマグネシウム原子との比であらわ
して、Li/Mgモル比が2.0以上、好ましくは2.5以上であ
り、特にこの工程において重合するポリブタジエンのト
ランス結合量が55%以下になるようにするには、3.0以
上、好ましくは4.0ないし5.0以上である。
また、この工程で加える有機リチウム化合物と同様に
触媒に重合活性を高めるか、ないしは1,2−ビニル結合
量を高めトランス結合量を低いものとする目的でルイス
塩基を用いることができる。好適に用いられるルイス塩
基としては、エーテル類、チオエーテル類、三級アミン
類等があり、それらの例としては、ジメチルエーテル、
ジエルエーテル、テトラハイドロフラン、アニソール、
モノグライム、ジグライム等のエーテル類、トリエチル
アミン、トリプロピルアミン、N,N,N′,N′−テトラメ
チルエチレンジアミン、ジピペリジノエタン等の三級ア
ミン類、チオフェン、チオテトラハイドロフランなどの
チオエーテルである。これらルイス塩基の好ましい使用
量は、有機リチウム化合物1モルあたり0.01〜50モル程
度である。重合は前記の有機リチウム化合物を追添した
触媒によって30〜200℃、好ましくは50〜150℃の温度下
に行われる。この工程において(a)の工程で調合され
た単量体混液ないしは他の組成に調合された単量体混液
を重合系内へ導入してもよい。この場合、(b)の工程
で未反応であった残存単量体と、(c)の工程で導入さ
れる単量体の両方が(c)工程で重合される。(c)工
程は、ブタジエンを60%以下、好ましくは55%以下のト
ランス結合を有するものに重合する工程であり、この
(c)工程で重合される相対的に低いトランス結合量を
有する部分の複合重合体における割合は30〜97%になる
ように重合を進行させる。重合反応は所定の反応率に達
した後、公知の重合停止剤を反応系に加えて停止させ
る。次いで、(d)の工程において、通常のゴム状重合
体の製造に用いられる脱溶剤もよび乾燥の方法により、
重合された複合重合体の溶剤とを分離する。
前記の製造方法において、複合重合体を構成する各成
分の分子量、分子数、ミクロ構造等は(b)および
(c)工程で使用する触媒の組成、量比重合温度、単量
体量等によってコントロールすることが可能である。
また、(c)の工程においては、生成した重合体の活
性リチウム末端の反応性を利用して、公知のカップリン
グ反応技術や末端変性技術を適用して、分岐構造の付
与、分子量分布の拡大、ポリマーと添加剤との相互作用
の改良といったことも可能である。
これらのカップリング反応技術では、2官能以上の多
官能性化合物が使用され、それらの例としては、ジブチ
ル2塩化スズ、ジオクチル2塩化スズ、安息香酸メチ
ル、ブチル3塩化スズ、ブチル3塩化ケイ素、4塩化ス
ズ、4塩化ケイ素、アジビン酸ジエチル、炭酸ジメチ
ル、エポキシ化大豆油、液状エポキシ化ポリブタジエ
ン、エチレンビストリクロルシラン、テトラグリシジル
ジアミメチルシクロヘキサン、テトラグリシジルジアミ
ノジフェニルメタンなどがあげられる。カップリング反
応によって、得られる複合重合体は、コールドフロー、
グリーン強度、加工性等の改良が図られる。
また、末端変性技術としては、活性リチウム末端とト
リアルキル塩化スズ、トリアリル塩化スズとの反応、分
子中に を有する化合物(式中Xは、酸素または硫黄原子を表
す)、N,N−ジアルキルアミノ芳香族アルデヒド化合
物、N,N−ジアルキルアミノ芳香族ケトン化合物、イソ
シアナート化合物、チオイソシアナート化合物、カルボ
ジイミド化合物などの活性化化合物との反応が例として
あげられ、これらの反応性基の導入により、得られる複
合重合体は加硫ゴム組成物とした場合の反ぱつ弾性、耐
発熱性等の動的性能が改善される。
以上に記載した原料ゴムの(A)成分である複合重合
体の量は原料ゴムの10〜80重量%である。(A)成分の
量が10%重量未満では、加硫した組成物の耐屈曲性、加
工性の改良効果が十分でなく、80重量%を超えると、耐
屈曲疲労性、耐発熱性、低温性能が劣る。(A)成分の
量は、原料ゴムの20〜70重量%の範囲が好ましい。
つぎに、原料ゴム成分の(B)成分は、天然ゴムまた
はシス結合量が90%以上のポリイソプレンゴムである。
この原料ゴム成分は(A)成分とともに本発明のタイヤ
用ゴム組成物の主要成分であり、ゴム組成物の強度、耐
久性、耐屈曲疲労性、耐発熱性を優れたものとするため
に不可欠な成分である。
天然ゴムとしては、世界各国で生産されるクラムゴ
ム、シートゴムが使用される。シス含有量が90%以上の
ポリイソプレンゴムはZeigler−Natta系触媒や、Li系触
媒によって重合された合成ゴムである。これら(B)成
分のゴム量は、原料ゴムの20〜90重量%である。(B)
成分が20重量%未満では、強度、耐発熱性が十分でな
く、90重量%を超えると耐屈曲性が劣る。(B)成分の
量は原料ゴムの30〜80重量%が更に好ましい。
更に、原料ゴム成分としては(C)成分として、ガラ
ス転移温度が−110〜−30℃であるポリブタジエンゴム
またはスチレン−ブタジエン共重合体ゴムを0〜30重量
%の範囲で使用することができる。(C)成分は、ゴム
組成物が前記(A)成分と(B)成分とだけを原料ゴム
とした場合に必ずしも十分でない性能、たとえば、耐疲
労性や特殊な加工特性をゴム組成物に付与するために使
用される。(C)成分として使用されるゴムとしては、
高シスポリブタジエンゴム、低シスポリブタジエンゴ
ム、高ビニルポリブタジエンゴム、乳化重合スチレン−
ブタジエン共重合体ゴム、溶液重合低ビニルスチレン−
ブタジエン共重合体ゴム、溶液重合中ビニルスチレン−
ブタジエン共重合体ゴム、溶液重合高ビニルスチレン−
ブタジエン共重合体ゴムなどが本発明のゴム組成物が目
的とする特長を損なわない範囲において使用される。
つぎに、本発明のゴム組成物においては、カーボンブ
ラックとして、ヨウ素吸着量が25〜85mg/g、DBP吸油量
が70〜130ml/100gであるものを、原料ゴム100重量部に
対して、25〜80重量部配合する。
カーボンブラックのヨウ素吸着量が25mg/g未満では、
十分な強度、耐屈曲性とならず、90mg/gを超えると、耐
発熱性、耐屈曲疲労性が悪化する。カーボンブラクのヨ
ウ素吸着量は35〜85mg/gの範囲が更に好ましい。カーボ
ンブラックのDBP吸油量が70ml/100g未満では強度、耐屈
曲性が低下し、またDBP吸油量が130ml/100gを超える
と、耐屈曲疲労性が低下するので好ましくない。DBP吸
油量は、70〜125ml/100gの範囲が更に好ましい。
また、カーボンブラックの量が、原料ゴム100重量部
あたり25重量部未満では、強度が劣り、80重量部を超え
ると耐屈曲疲労性、耐発熱性が低下する。カーボンブラ
ックの量は原料ゴム100重量部あたり、30〜75部が更に
好ましい。また、本発明の組成物においては必要に応じ
てカーボンブラック以外の充填剤として、ホワイトカー
ボン、炭酸カルシウム、クレイ等の無機充填剤を原料ゴ
ム成分100重量部当たり2〜50部配合する。これらの無
機充填剤は、カーボンブラックとともに組成物の硬度を
調節するとともに、耐屈曲特性をより改良する目的で使
用される。
つぎに、本発明のゴム組成物においては、加硫剤を0.
5〜3.0重量部配合する。
加硫剤としては、硫黄が代表的なものであって好んで
使用され、そのほかに、テトラメチルチウラム・ジスル
フィドやモルホリン・ジスルフィド等の硫黄含有化合
物、オキシム類、バーオキサイド類が使用される。
更に本発明のゴム組成物においては、必要に応じて、
ゴム用伸展油、ゴム用薬品を配合する。ゴム用伸展油
は、配合物の加工性を改善し、また配合物の硬度の調節
のために使用され、アロマチック系、ナフテン系、パラ
フィン系のものが代表的であり、その量は原料ゴム100
重量部あたり0〜30重量部程度である。ゴム用薬品とし
ては、亜鉛華やステアリン酸等の加硫促進助剤、スルフ
ェンアミド系、チウラム系、チアゾール系、グアニジン
系等の加硫促進剤、アミン系、フェノール系、等の老化
防止剤または酸化防止剤、紫外線級数剤、粘着付与剤、
可塑剤等が、各々の使用目的に応じて配合される。
本発明のゴム組成物は、前記の各成分を、ゴム用混練
ロール、インターナルミキサー、押出機などのゴム用混
合装置によって配合混練したのち、常法によってタイヤ
とし成型組立され、130〜200℃の温度において、加圧下
において加硫され、使用に供される。
以上のようして得た本発明の組成物は、その加硫後の
濃度(JIS−A)が、45〜70の範囲のものである。
組成物の硬度が45未満では、軟らかすぎて変形が大き
く好ましくなく、一方、組成物の硬度が70を超えると変
形に対する応力が大きくなるため、耐疲労特性が低下す
る。組成物の硬度は上記組成物に使用するカーボンブラ
ックの量、伸展油の量、加硫剤の量によって調節するこ
とが可能である。
[実施例および比較例] 以下、実施例、比較例によって本発明の組成物の特徴
を更に詳しく説明する。
I.本発明の重合体の調製 以下の方法によって本発明のタイヤ用ゴム組成物に使
用する複合重合体(試料A)を得た。
内容積10で、高さ対内径の比(L/D)が4であるス
テンエス鋼製の攪拌器およびジャケット付きの反応器を
2基直列に接続し、1基目の底部より、1,3−ブタジエ
ンのn−ヘキサン溶液および触媒として、バーサチック
酸ランタン、ジブチルマグネシウム、n−ブチルリチウ
ムを連続的に供給し、反応器内温を77℃に保持して重合
反応を行なわせた。ブタジエンの溶液濃度は18重量%と
し、ブタジエンの供給速度は0.67kg/hrとした。触媒の
供給量はブタジエン100grあたり、バーサチック酸ラン
タンは.15mmol、ジブチルマグネシウムは0.80mmol、n
−ブチルリチウムは0.10mmolとした。
1基目の反応器の重合反応が定常状態となって安定し
た後1基目反応器の頭部出口より重合体溶液をサンプリ
ングし、重合率を測定した結果69.4%であり、得られた
重合体のミクロ構造は、トランス結合87%、シス結合7
%、ビニル結合6%であり、DSCによって測定したガラ
ス転移温度は−86℃、結晶融点は+85℃、GPCによる分
子量はMw=11.7万、Mn=5.1万、Mw/Mn=2.3で、GPC曲線
の形状はなだらかな1山であった。
1基目反応器から出た重合体溶液を2基目反応器底部
に導入し、更に2基目底部より追加の1,3−ブタジエン
のn−ヘキサン溶液およびn−ブチルリチウムを連続的
に供給した。2基目反応器に導入したブタジエン溶液の
濃度は18重量%、ブタジエンの供給速度は0.67kg/hrと
した。2基目反応器に導入したn−ブチルリチウムの量
は、2基目に供給したブタジエン100gあたり、1.60mmol
とした。2基目の反応器内温を120℃に保持して重合を
行なわせた後、2基目頭部より出た重合体溶液に安定剤
として、2,4−ジ−terr−ブチル−p−クレゾール重合
体100重量部あたり0.6重量部を連続して供給して混合
し、次いでこの重合体溶液を熱水中に導入してスチーム
ストリッピングを行なって溶媒を除去した。得られたゴ
ム状重合体は熱ロールによって乾燥し、目的とする複合
重合体(試料A)を得た。
前記の2基目反応器の出口での反応率は、全供給モノ
マーに対して99.8%であった。得られた重合体のミクロ
構造は、トランス結合64%、シス結合26%、ビニル結合
10%であり、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)は52、GPCに
よる分子量は、Mw=20.2万、Mn=10.0万、Mw/Mn=2.02
であり、GPC曲線の形状はなだらかな曲線であった。
前記の分析結果より、1基目反応器で重合されたトラ
ンス結合量87%の樹脂状トランスポリブタジエン部分は
複合重合体全体に対し35重量%、2基目反応器内で重合
された低トランスゴム状ポリブタジエン部分は複合重合
体全体の65重量%で、そのミクロ構造は、トランス結合
52%、シス結合35%、ビニル結合13%と計算される。
得られた複合ペレット重合体2gをn−ヘキサンとシク
ロヘキサンとの混合溶剤100mlに加熱溶解後、これを0
℃まで冷却し、0℃に保持したまま遠心分離して沈殿物
と溶液に分離した。得られた沈殿は樹脂状トランスポリ
ブタジエンホモポリマーであり、これを乾燥し秤量した
ところ、複合重合体に対し、0.8重量%であった。すな
わち、樹脂状トランスポリブタジエンホモポリマーは、
1基目反応器で重合された高いトランス結合のポリブタ
ジエン(ブロックポリマー中の樹脂状ポリブタジエン
と、樹脂状トランスポリブタジエンホモポリマーの合計
量)に対して2.3重量%であった。
このようにして得られた複合重合体(試料A)の分析
結果をまとめて表1に示す。
更に、試料Aを得たのと同様な方法で、触媒の量、触
媒各成分の組成比、ブタジエンモノマーの1基目反応器
と2基目反応器への供給の比率、重合温度等の重合条件
を変化させることによって、表1に示す分析値を有する
試料B〜試料Hを得た。試料Jは1基目反応器だけで得
た樹脂状トランスポリブタジエンホモポリマーである。
更に、表2に示すバリウム−マグネシウム系触媒によ
って調製されたゴム状トランスポリブタジエン(試料
K)および市販のゴム状重合体(試料L〜N)を用意し
た。
なお、本発明におけるポリブタジエンのミクロ構造の
分析は、試料を二硫化炭素に溶解し、赤外分光光度計
(日本分光A−202型)によって赤外分光吸収スペクト
ルを測定し、モレロ法によって、シス、トランス、ビニ
ルの各結合量を測定した。
また、分子量および分子量分布の測定はGPC(島津製
作所、LC−5A型、カラム:HSG−40,50,60,を各1本、検
出器:示差屈折計)を使用し、標準ポリスチレンの分子
量とピークの溶出カウント数との関係から予め求めた検
量線を用い、常法に従ってポリブタジエンの平均分子量
および分子量分布を計算した。
また、ガラス転移温度、結晶融点は、DSCCセイコー電
子、DSC−20型)を使用し、昇温速度10℃/minで測定し
た。ガラス転移温度は、DSC曲線の開始温度(on set)
であり、結晶融点はピーク温度(中点)である。
〔ゴム組成物の調製および測定〕 ゴム配合物は、表3に示す評価用配合により、内容量
1.7の試験用バンバリーミキサーおよび10インチ試験
用ロールを使用し、ASTM−D−3403−75に示される標準
混合手順の方法Bの混合手順に準じて混練し、所定の形
状に成型した後、145℃で35分加硫してゴム組成物の試
料とし、物性を測定した。測定は、以下に示す方法に従
って行なった。
(1)配合物ムーニー粘度:L型ローターを使用し、100
℃で測定。
(2)硬さ、引張試験、JIS−K−6301に従って測定。
(3)反撥弾性:JIS−K−6301の反撥弾性測定装置を用
い、試料を70℃のオーブン通で1時間予熱後、素早く取
り出して70℃の反撥弾性を測定。
(4)グッドリッチ発熱:グッドリッチフレクソメータ
ーを使用し、印加荷重24ポンド、変位は0.225インチ、
スタート50℃、回転数1800rpmの条件で試験を行ない、2
0分後の上昇温度差を測定した。
(5)耐屈折性:(屈曲亀裂発生)デマーシャ屈曲試験
機を使用し、試験片に亀裂が発生するまでの回数を測
定。
(6)耐疲労性:(屈曲亀裂成長)デマーシャ屈曲試験
機を使用し、試験片に付けた2mmの亀裂が12mmになるま
での回数を測定。
(7)ロール加工性:10インチロールミルでの配合物の
ロールへのまきつき状態、分出しシートのエッジおよび
表面肌で総合的に判定。数字が大きいほど良好。
(8)押出加工性:カーベダイを取り付けたブラベンダ
ープラストグラフで、配合物を押出し、押出された試料
断面のコーナーおよびエッジの形状、試料表面肌の状態
を総合的に判定。数字が大きいほど良好。
表 3 評価用配合 原料ゴム 100 部 N220カーボンブラク*1 45 部 亜鉛華1号 3 部 ステアリン酸 2 部 老化防止剤810NA*2 2 部 ワックス 2 部 イオウ 1.7部 加硫促進剤 NS*3 1 部 *1 東海カーボン製、商品名シースト6 ヨウ素吸着両80mg/g DBP吸油量102ml/100g *2 N−イソプロピル−N′−フェニル−p−フェニ
レンジアミン *3 N−tert−ブチル−2−ベンゾチアジル・スルフ
ェンアミド 実施例1−1〜1−4、比較例1−1〜1−8 表4に示す本発明範囲内の複合重合体である試料A〜
Dおよび本発明範囲外の重合体E〜Mを使用し、天然ゴ
ムとの組成物を原料ゴムとして表3の配合の組成物を調
製し、加工性の判定および加硫物性の測定を行なった。
結果を表4に示す。
表4に示す如く、本発明において限定する構造因子を
有する複合重合体と天然ゴムとからなる実施例1−1〜
1−4の組成物は、良好な加工性および引張強度、反撥
弾性、耐摩耗性、耐加工性のバランスが良好であるのに
対し、本発明の範囲外の重合体と天然ゴムとからなる組
成物は、加工性又は加硫物性の一部が劣る。
実施例2−1〜2−4、比較例2−1〜2−3 原料ゴムとして試料A(複合重合体)と、天然ゴムを
使用し、カーボンブラックとして表5に示される。ヨウ
素吸着量およびDBP吸油量の異なるものを使用して表6
に示す組成のゴム配合物を調製し加工性および加硫物物
性を評価した。結果を表6に示す。
表6の結果から明らかな如く、ヨウ素吸着量およびDB
P吸油量が本発明で限定する範囲のカーボンブラックを
使用した実施例2−1〜2−4の組成物はいずれも良好
な加硫物物性を有するが比較例2−1〜2−3の本発明
の範囲外のカーボンブラックを使用した組成物は、複合
重合体を原料ゴムとして用いた場合でも、引張強度ある
いは耐摩耗性が劣る。
実施例3−1〜3−6、比較例3−1〜3−4 表3に示す評価配合を用い、表7に示す組成の原料ゴ
ムを使用した組成物を調製し、評価を行ない結果を表7
に示した。
表7の結果から明らかな如く、本発明で限定される範
囲の組成の原料ゴム成分を使用した実施例の組成物は良
好な加硫物物性を有するが、原料ゴムの組成が本発明の
範囲外である比較例の組成物は、加硫物物性のいずれか
に問題がある。
実施例4−1〜4−5、比較例4−1〜4−4 表8に示す評価配合、および表9の組成の配合物を
得、加工性および加硫物物性を評価した。その結果を表
9に示す。
表9の結果から明らかな如く、実施例の加硫ゴム組成
物は、良好な加硫物物性を有するのに対し、カーボンブ
ラックの量が、本発明の範囲外である比較例4−1〜2
の加硫ゴム組成物は、耐摩耗性、引張強度、加工性、耐
カット性が劣る。
[発明の効果] 以上から明らかなように、本発明の複合重合体を含有
する加硫ゴム組成物は、加工性、強度、耐発熱性、耐屈
曲性及び耐屈曲疲労性の屈曲性能が良好であり、これら
の特徴を生かして、乗用車用タイヤ、トラックおよびバ
ス用の大型タイヤ、建設車両用タイヤ、軽トラック用タ
イヤ等の各種自動車タイヤのサイドウオール用途に好適
なゴム組成物である。さらに前記の特徴を生かして各種
タイヤの各部位にも使用可能である。また、防振ゴム、
ベルト、ベルトコンベア等の自動車部品、各種工業用品
の用途にも使用可能であり、多くの分野に有用なゴム組
成物である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記(I),(II)および(III)成分を
    有し加硫物の硬度(JIS−A)が45〜70である耐屈曲特
    性の良好なゴム組成物。 (I)成 分; 下記(A)成分、(B)成分及び(C)成分からなりそ
    れらの合計量が100重量部である原料ゴム成分。 (A)成 分: 樹脂状トランスポリブタジエンブロックとゴム状ポリブ
    タジエンブロックとを有するブロック共重合体(A−
    1)、及び ゴム状ポリブタジエン(A−2)を主体とするポリブタ
    ジエン系複合重合体であって、 ブロック共重合体(A−1)中の樹脂状トランスポリブ
    タジエンブロックの結晶融点が30〜130℃トランス結合
    量が80%以上、重量平均分子量が2万〜20万であり、ブ
    ロック共重合体のゴム状ポリブタジエンブロックのガラ
    ス転移温度が−70℃以下、トランス結合量が40〜60%、
    重量平均分子量が4万〜40万であり、 ゴム状ポリブタジエン(A−2)のガラス転移温度が−
    70℃以下、トランス結合量が40〜60%、重量平均分子量
    が4万〜40万であり、 複合重合体全体のトランス結合量が55〜80%、ムーニー
    粘度(ML1+4,100℃)が25〜150であるポリブタジエン系
    複合重合体10〜80重量%。 (B)成 分: 天然ゴム又はシス結合量が90%以上のポリイソプレンゴ
    ム20〜90重量%。 (C)成 分: ガラス転移温度が−110〜−30℃であるポリブタジエン
    ゴム又はスチレン−ブタジエン共重合体ゴム0〜30重量
    %。 (II)成 分; ヨウ素吸着量が25〜85mg/g、DBP吸油量が70〜130ml/100
    gであるカーボンブラックを(I)成分100重量部に対し
    25〜80重量部。 (III)成 分; 加硫剤を(I)成分100重量部に対し0.5〜3.0重量部。
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