JP2589142B2 - タイヤ用ゴム組成物 - Google Patents

タイヤ用ゴム組成物

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JP2589142B2 JP12585188A JP12585188A JP2589142B2 JP 2589142 B2 JP2589142 B2 JP 2589142B2 JP 12585188 A JP12585188 A JP 12585188A JP 12585188 A JP12585188 A JP 12585188A JP 2589142 B2 JP2589142 B2 JP 2589142B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は優れた加工性能と改良された物性を有するタ
イヤ用ゴム組成物に関する。更に詳しくは、本発明は改
良されたブタジエン系複合重合体と天然ゴム系ポリマー
とを原料ゴムとして用いるとともに、特定のカーボンブ
ラックを用いた加工性が良好でかつ強度、耐摩耗性が優
れたタイヤ用ゴム組成物に関するものである。このゴム
組成物はトラック、バス等の大型タイヤのトレッド組成
物をはじめとして、各種タイヤに好適に用いられる組成
物である。
[従来の技術] 従来より、自動車タイヤのトレッド用ゴム組成物とし
ては、天然ゴムやスチレン−ブタジエン共重合体ゴム、
ポリブタジエンなどの合成ゴムがそのタイヤの使用用途
に応じて単独、または適当にブレンドして使用されてい
る。
最近、自動車による物資の輸送が盛んになり、大型ト
ラックによって、大量、高速、長距離の輸送が多くなる
と、これら大型車両に使用されるタイヤのトレッドに対
して、これまでに求められていた耐久性、耐発熱性等に
加えて、耐摩耗性が良いことが要求されるようになって
きた。
これに対し、従来、大型タイヤのトレッド用には、ゴ
ムとして、天然ゴムまたは天然ゴムとポリブタジエンゴ
ムとのブレンドを用い、耐摩耗性を良好にするため、補
強性の高いカーボンブラックを使用するの一般的であっ
た。
しかし、天然ゴム単独で使用する場合は、強度耐発熱
性は良好であるものの、耐摩耗性に問題があり、一方、
天然ゴムとポリブタジエンゴム、特にポリブタジエンゴ
ムとして、高シスポリブタジエンゴムを使用した場合に
は、耐磨耗性の改善は多少あるものの、耐カット、チッ
ピング性に問題があった。
これらの、大型タイヤのトレッド用ゴム組成物の耐摩
耗性、耐チップカット性の両方の改良を目的として、特
開昭61−143453号公報には、原料ゴムとしてトランス−
1,4結合量が70%以上のポリブタジエンゴム及び天然ゴ
ム等のゴムを用い、更に特定のカーボンブラックを使用
したゴム組成物が提案されている。しかし、トランス−
1,4結合が高いポリブタジエンゴムは、加工性のよい天
然ゴムとブレンドとしても混練や成形工程における加工
性が十分ではなく、加工性を良くしようとして、分子量
を小さくすると、耐発熱性が劣るようになる等の問題点
があった。
また、高トランスポリブタジエンを改良するものとし
て、特開昭61−238845号公報には、高トランスSBRと高
ビニルSBRとからなるブロック共重合体が提案され、こ
のブロック共重合体を含有する加硫ゴム組成物も提案さ
れているが、高トランスSBRはスチレンの共重合でガラ
ス転位温度が高めで、かつ結晶融点も室温以下のような
低いか、または存在せず、高トランス部分が有する耐摩
耗性や強度の改良効果の発現が不十分であった。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は、前述した従来の方法では解決できなかっ
た、耐発熱性や制動特性といったタイヤの基本性能を保
持しつつ、改良された耐摩耗性、耐カット性を有し、更
に良好な成形加工性を有するタイヤ用ゴム組成物をもた
らそうとするものである。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは上記課題を解決すべくゴム組成物に使用
するポリマーについて鋭意検討を行った結果、特定の構
造のポリマーからなる複合重合体を使用することによっ
て目的が達成できることを見出し本発明を完成した。
すなわち、本発明は 下記(I),(II)及び(III)成分を有するタイヤ
用ゴム組成物を提供するものである。
(I)成 分; 下記(A)成分、(B)成分及び(C)成分からな
り、それらの合計量が100重量部である原料ゴム成分。
(A)成 分; 樹脂状トランスポリブタジエンブロックとゴム状ポリ
ブタジエンブロックとを有するブロック共重合体(A−
1)、及び ゴム状ポリブタジエン(A−2)を主体とするポリブ
タジエン系複合重合体であって、 ブロック共重合体(A−1)中の樹脂状トランジスタ
ポリブタジエの結晶融点が30〜130℃トランス結合量が8
0%以上、重量平均分子量が2万〜20万であり、ゴム状
ポリブタジエンブロックのガラス転移温度が−70℃以
下、トランス結合量が40〜60%、重量平均分子量が4万
〜40万であり、 ゴム状ポリブタジエン(A−2)のガラス転位温度が
−70℃以下、トランス結合量が40〜60%、重量平均分子
量が4万〜40万であり、 複合重合体全体のトランス結合量が55〜80%、ムーニ
ー粘度(ML1+4,100℃)が25〜150であるポリブタジエン
系複合重合体10〜70重量%。
(B)成 分: 天然ゴム又はシス結合量が90%以上のポリイソプレン
ゴム20〜90重量%。
(C)成 分: ガラス転位温度が−110〜−30℃であるポリブタジエ
ンゴム又はスチレン−ブタジエン共重合体ゴム0〜30重
量%。
(II)成 分; ヨウ素吸着量が90〜140mg/g、DBP吸油量が110〜140ml
/100gである補強性カーボンブラックを(I)成分100重
量部に対し35〜80重量部。
(III)成 分; 加硫剤を(I)成分100重量部に対し0.5〜3.0重量
部。
以下、本発明について詳しく説明する。
本発明のゴム組成物の原料ゴム成分は、 (A)成 分: ポリブタジエン系複合重合体10〜70重量%、 (B)成 分: 天然ゴムまたはシス結合量90%以上のポリイソプレン
ゴムが20〜90重量%、 (C)成 分: ガラス転位温度が−110〜−30℃であるポリブタジエ
ンゴムまたはスチレン−ブタジエン共重合体ゴムが0〜
30重量% からなる。
次に(A)成分のポリブタジエン系複合重合体に関し
て説明する。
本発明のポリブタジエン系複合重合体は、樹脂状トラ
ンスポリブタジエンブロックおよびゴム状ポリブタジエ
ンブロックとを有するブロック共重合体(A−1)とゴ
ム状ポリブタジエン(A−2)とを主体とするものであ
る。
ブロック共重合体(A−1)は、樹脂状トランスポリ
ブタジエンブロックとゴム状ポリブタジエンブロックと
からなり、樹脂状トランスポリブタジエンブロックは結
晶融点が30〜130℃、トランス結合量が80%以上、重量
平均分子量が2万〜20万の範囲であり、一方ゴム状ポリ
ブタジエンブロックはガラス転移温度が−70℃以下、ト
ランス結合量が40〜60%、重量平均分子量が4万〜40万
の範囲にある。
また、複合重合体を形成するゴム状ポリブタジエン
(A−2)は、ガラス転位温度が−70℃以下、トランス
結合量が40〜60%、重量平均分子量が4万〜40万の範囲
であり、ブロック共重合体中のゴム状ポリブタジエンブ
ロックと同一のポリマーでも、異なるポリマー構造のも
のでも良い。
ブロック共重合体中の樹脂状トランスポリブタジエン
ブロックの結晶融点が30℃より低いと、得られる組成物
の強度、耐摩耗性、耐カット性が劣り、一方結晶融点
が、130℃を超えると、樹脂状トランスポリブタジエン
ブロックの十分な架橋がされにくく、強度が低下し、耐
発熱性も悪くなる。本発明においては、樹脂状トランス
ポリブタジエンブロックの結晶融点は、好ましくは40〜
120℃、更に好ましくは50〜110℃の範囲である。
ブロック共重合体中の樹脂状トランスポリブタジエン
ブロックのトランス結合量が80%より低いと、耐熱耗
性、強度、硬度が低下し好ましくない。樹脂状トランス
ポリブタジエン部分のトランス結合量は、82〜95%であ
ることが更に好ましい。
ブロック共重合体中の樹脂状トランスポリブタジエン
ブロックの重量平均分子量が2万より低いと、強度、耐
摩耗性、耐発熱性、反ぱつ弾性が劣り、一方この重量平
均分子量が20万を超えると、複合重合体が硬くなり、混
練や成形等の加工性が悪化し複合重合体が有する本来の
性能を発揮しにくくなるため好ましくない。樹脂状トラ
ンスポリブタジエン部分の重量平均分子量は4万〜20万
であることが更に好ましい。
ブロック共重合体の樹脂状トランスポリブタジエンブ
ロックの分子量分布(重量平均分子量(Mw)と数平均分
子量(Mn)との比(Mw/Mn))は1.2〜4の範囲が好まし
く、1.2〜3の範囲が更に好ましい。
つぎに、複合重合体を形成するブロック共重合体(A
−1)中のゴム状ポリブタジエンブロックおよびゴム状
ポリブタジエン(A−2)はガラス転位温度が−70℃以
下であり、ガラス転位温度が−70℃を超えるお耐摩耗性
が低下する。ガラス転位温度が−70℃以下のポリブタジ
エンゴムはビニル結合が約35%以下のLi系ポリブタジエ
ンゴムである。ガラス転位温度は、−100〜−80℃が更
に好ましい。
ブロック共重合体のゴム状ポリブタジエンブロックお
よびゴム状ポリブタジエンのトランス結合量は40〜60%
の範囲であり、トランス結合量が40%より低いと強度や
耐摩耗性が劣り、一方トランス結合量が60%が超える
と、複合重合体の静的および動的なゴムらしさが失われ
る。トランス結合量は45〜55%が更に好ましい。
ブロック共重合体のゴム状ポリブタジエンブロックお
よびゴム状ポリブタジエンの重量平均分子量は4万〜40
万の範囲であり、重量平均分子量が4万より低いと、耐
発熱性、反ぱつ弾性、耐摩耗性、強度等の物性が劣り、
一方、重量平均分子量が40万を超えると、配合物の粘度
が増加し、ロール加工性が押出加工性が問題となり、動
的性能が良い特徴を発揮しにくくなる。この重量平均分
子量は、5万〜30万の範囲が更に好ましい。ゴム状ポリ
ブタジエンブロックおよびゴム状ポリブタジエンの分子
量分布(Mw/Mn)は1.2〜3.0の範囲が好ましい。
ブロック共重合体(A−1)中のゴム状ポリブタジエ
ンブロックと、ゴム状ポリブタジエン(A−2)とは、
同じ構造であっても良いし、前記の範囲内で異なる構造
であっても良い。
本発明においては、複合重合体中には樹脂状トランス
ポリブタジエンのホモポリマーは含まれないか、または
樹脂状トランスポリブタジエンのホモポリマーの結晶融
点が30〜130℃、トランス結合量が80%以上、重量平均
分子量が2万〜20万であって、その量がブロックポリマ
ー(A−1)中の樹脂トランスポリブタジエンブロック
の量とこの樹脂状トランスポリブタジエンホモポリマー
の量との合計量に対して30重量%以下であることが好ま
しい。
樹脂状トランスポリブタジエン部分(ブロック共重合
体中の樹脂状トランスポリブタジエンブロックと樹脂状
トランスポリブタジエンホモポリマーとの両方の合計
量)は、ブロック共重合体(A−1)に多く含まれるこ
とが組成物の耐摩耗性、耐発熱性の面から好ましく、樹
脂状トランスポリブタジエンホモポリマーとしての量
は、樹脂状トランスポリブタジエン部分の量の20%以下
であることが更に好ましい。
また、樹脂状トランスポリブタジエン部分の量は複合
重合体の量の3〜70重量%である。樹脂状トランスポリ
ブタジエン部分の量が3%より少ないと、加工性、強
度、耐摩耗性の改良効果が少なく、この量が70%を超え
ると、反ぱつ弾性、耐発熱性が悪化しする。樹脂状トラ
ンスポリブタジエン部分の量は複合重合体の量の5〜60
重量%であることが好ましい。
本発明においては、複合重合体を形成するブロック共
重合体(A−1)の量は、複合重合体の量の少なくとも
5重量%であることが好ましい。この量が5%より少な
いと、加工性と耐摩耗性のバランスが悪化するので好ま
しくない。ブロック共重合体の量は、複合重合体の量の
少なくとも10重合%であることが更に好ましい。
本発明において、複合重合体を形成するホモポリマー
のゴム状ポリブタジエンの量は、0〜90重量%の範囲が
好ましく、0〜80%の範囲が更に好ましい。
本発明の複合重合体全体のトランス結合量は、55〜80
%の範囲である。このトランス結合量が55%より少ない
と、組成物の強度、耐摩耗性が十分ではなく、トランス
結合量が80%を超えると、組成物の耐発熱性、低温特性
が悪化する。このトランス結合量は、60〜75%の範囲が
特に好ましい。更に、本発明の複合重合体のムーニー粘
度(ML1+4,100℃)は25〜150の範囲である。ムーニー粘
度が25より低いと、組成物の耐発熱性、耐摩耗性、強度
が劣り、ムーニー粘度が150を超えると、組成物のロー
ル加工性、押出加工性が悪化する。複合重合性のムーニ
ー粘度が70以上の場合、ゴム用伸展油を複合重合体100
部あたり5〜50部加えることによって、ムーニー粘度が
加工しやすい範囲に調節することも可能である。
本発明の複合重合体の重量平均分子量は、4万〜40万
の範囲が好ましい。
本発明の複合重合体の分子量分布(Mw/Mn)は、1.2〜
5が好ましく、1.2〜3が更に好ましい。
本発明のポリブタジエン系複合重合体は、 (a)ブタジエン単量体と不活性溶剤さらなる単量体溶
液を調合する工程、 (b)希土類元素化合物と有機マグネシウム化合物より
なる触媒にて0〜150℃の温度下ブタジエンを80%以上
のトランス結合を重合する工程、 (c)引き続き、上記触媒に更に有機リチウム化合物を
加え、30〜200℃の温度下にブタジエンを60%以下のト
ランス結合に重合する工程、 (d)得られた複合重合体より不活性溶剤を除去する工
程、 を基本的工程とする製造方法によって製造される。製造
方法は、回分重合法であっても、連続重合法であっても
よい。
(a)の工程は、ブタジエン単量体と不活性溶剤からな
る単量体溶剤を調合する工程である。この工程において
用いる不活性溶剤としては、用いる触媒を失活させるも
のでなければ特に制限されないが、使用される溶剤とし
てn−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロ
ヘキサン等の樹脂族または脂環族炭化水素、ベンゼン、
トルエン等の芳香族炭化水素が込ましく、これらは2種
以上の混合物であっても、あるいは少量の不純物を含む
ものであってもよい。ブタジエンは溶剤中で1〜50重量
%、好ましくは5〜30%の濃度で調合される。ブタジエ
ンは、その中に、少量のプロパジエン、1,2−ベタジエ
ン等のアレン類を含むものであってもよい。
(b)の工程は、希土類元素化合物と有機マグネシウム
化合物よりなる触媒にて0〜150℃の温度下にブタジエ
ンを80%以上トランス結合に重合する工程である。この
工程で用いる、触媒の主成分である希土類元素化合物と
しては、希土類元素としてランタン、セリウム、プラセ
オジム、ネオジム、サマリウム等の元素番号57〜71の元
素を含む化合物であり、好ましい元素としてはランタ
ン、セリウム、ネオジムが挙げられ、それらの有機酸塩
が好適な化合物として用いられる。有機酸としては、ア
ルコール、チオアルコール、フェノール、チオフェノー
ル、カルボン酸、チオカルボン、アルキルアリルスルホ
ン酸、硫酸のモノアルコールエステル、リン酸化合物等
がある。(b)の工程のもう一つの触媒成分は、有機マ
グネシウム物であり、その例としては、ジエチルマグネ
シウム、ジ−n−プロピルマグネシウム、ジイソプロピ
ルマグネシウム、ジ−n−ブチルマグネシウム等が好ま
しい。これらの二つの成分の触媒は、希土類元素化合物
/有機マグネシウム化合物の比で、1/0.1〜1/50の範囲
で用いられる。
更に、この工程においては、有機マグネシウム化合物
の活性を高めるために、有機リチウム化合物や有機アル
ミニウム化合物を共存させることも可能である。有機リ
チウム化合物の例としては、n−プロピルリチウム、イ
ソプロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチ
ルリチウム、tert−ブチルリチウムなどが好ましいもの
してあげられ、これら有機リチウム化合物の使用量によ
って、この工程で得られるポリブタジエンのトランス結
合量を変化させることが可能である。有機アルミニウム
化合物の例としては、トリメチルアルミニウム、トリエ
チルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、ト
リイソブチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムハイ
ドライドなどが好ましいものとしてあげられる。
この工程において、重合反応は上記の触媒系を用い
て、0〜150℃、好ましくは30〜120℃で実施され、その
重合形式は回分法であっても連続法であってもよい。こ
の工程では、得られる高トランス重合体の全複合重合体
中における割合が、3〜70重量%、好ましくは5〜60重
量%となるように重合を進行させて、次の (c)引き続き、上記触媒に更に有機リチウム化合物を
加え、30〜200℃の温度下にブタジエンを60%以下のト
ランス結合に重合する工程に進める。この工程で使用す
る、有機リチウム化合物としては、n−プロピルリチウ
ム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec
−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウムなどが好まし
いものとしてあげられ、これら有機リチウム化合物の使
用量は、有機リチウム化合物中のリチウム原子と有機マ
グネシウム化合物中のマグネシウム原子との比であらわ
して、Li/Mgモル比が2.0以上、好ましくは2.5以上であ
り、特にこの工程において重合するポリブタジエンのト
ランス結合量が55%以下になるようにするには、3.0以
上、好ましくは4.0ないし5.0以上である。
また、この工程で加える有機リチウム化合物と同様に
触媒に重合活性を高めるか、ないしは1,2−ビニル結合
量を高めトランス結合量を低いものとする目的でルイス
塩基を用いることができる。好適に用いられるルイス塩
基としては、エーテル類、チオエテール類、三級アミン
類等があり、それらの例としては、ジメチルエーテル、
ジエチルエーテル、テトラハイドロフラン、アニソー
ル、モノグライム、ジグライム等のエーテル類、トリエ
チルアミン、トリプロピルアミン、N,N,N′,N′−テト
ラメチルエチレンジアミン、ジピペリジノエタン等の三
級アミン類、チオフェン、チオテトラハイドロフランな
どのチオエーテルである。これらルイス塩基の好ましい
使用量は、有機リチウム化合物1モルあたり0.01〜50モ
ル程度である。重合は前記の有機リチウム化合物を追添
した触媒によって30〜200℃、好ましくは50〜150℃の温
度下に行われる。この工程において(a)の工程で調合
された単量体混液ないしは他の組成に調合された単量体
混液を重合系内へ導入してもよい。この場合、(b)の
工程で未反応であった残存単量体と、(c)の工程で導
入される単量体の両方が(c)の工程で導入される単量
体の両方が(c)工程で重合される。(c)工程は、ブ
タジエンを60%以下、好ましくは55%以下のトランス結
合を有するものに重合する工程であり、この(c)工程
で重合される相対的に低いトランス結合量を有する部分
の複合重合体における割合は30〜97%になるように重合
を進行させる。重合反応は所定の反応率に達した後、公
知の重合停止剤を反応系に加えて停止させる。次いで、
(d)の工程において、通常のゴム状重合体の製造に用
いられる脱溶剤および乾燥の方法により、重合された複
合合体と溶剤とを分離する。
前記の製造方法において、複合重合体を構成する各成
分の分子量、分子数、ミクロ構造等は(b)および
(c)工程で使用する触媒の組成、量比重合温度、単量
体量等によってコントロールすることが可能である。
また、(c)の工程においては、生成した重合体の活
性リチウム末端の反応性を利用して、公知のカップリン
グ反応技術や末端変性技術を適用して、分岐構造の付
与、分子量分布の拡大、ポリマーと添加剤との相互作用
の改良といったことも可能である。これらのカップリン
グ反応技術では、2官能以上の多官能性化合物が使用さ
れ、それらの例としては、ジブチル2塩化スズ、ジオク
チル2塩化スズ、安息香酸メチル、ブチル3塩化スズ、
ブチル3塩化ケイ素、4塩化スズ、4塩化ケイ素、アジ
ビン酸ジエチル、炭酸ジメチル、エポキシ化大豆油、液
状エポキシ化ポリブタジエン、エチレンビストリクロル
シラン、テトラグリシジルジアミノメチルシクロフキサ
ン、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタンなどが
あげられる。カップリング反応によって、得られる複合
重合体は、コールドフロー、グリーン強度、加工性等の
改良が図られる。
また、末端変性技術としては、活性リチウム末端とト
リアルキル塩化スズ、トリアリル塩化スズとの反応、分
子中に を有する化合物(式中Xは、酸素または硫黄原子を表
す)、N,N−ジアルキルアミノ芳香族アルデヒド化合
物、N,N−ジアルキルアミノ芳香族ケトン化合物、イソ
シアナート化合物、チオイソシアナート化合物、カルボ
ジイミド化合物などの活性化合物との反応が例としてあ
げられ、これらの反応性基の導入により、得られる複合
重合体は加硫ゴム組成物とした場合の反ぱつ弾性、耐発
熱性等の動的性能が改善される。 以上に記載した原料
ゴムの(A)の成分である複合重合体の量は原料ゴムの
10〜70重量%である。(A)成分の量が10%重量未満で
は、加硫した組成物の耐摩耗性、加工性の改良効果が十
分でなく、70重量%を超えると、耐発熱性、低温性能が
劣る。(A)成分の量は、原料ゴムの20〜60重量%の範
囲が好ましい。
つぎに、原料ゴム成分の(B)成分は、天然ゴムまた
はシス結合量が90%以上のボリイソプレンゴムである。
この原料ゴム成分は(A)成分とともに本発明にタイヤ
用ゴム組成物の主要成分であり、ゴム組成物の強度、耐
久性、耐発熱性を優れたものとするために不可欠な成分
である。
天然ゴムとしては、世界各国で生産されるクラムゴ
ム、シートゴムが使用される。シス含有量が90%以上の
ポリイソプレンゴムはZeigler−Natta系触媒や、Li系触
媒によって重合された合成ゴムである。これら(B)成
分のゴムの量は、原料ゴムの20〜90重量%である。
(B)成分が20重量%未満では、強度、耐チップカット
性、耐発熱性が十分でなく、90重量%を超えると耐摩耗
性が劣る。(B)成分の量は原料ゴムの30〜80重量%が
更に好ましい。
更に、原料ゴム成分としては(C)成分として、ガラ
ス転移温度が−110〜−30℃であるポリブタジエンゴム
またはスチレン−ブタジエン共重合体ゴムを0〜30重量
%の範囲で使用することができる。(C)成分は、ゴム
組成物が前記(A)成分と(B)成分とだけを原料ゴム
とした場合に必ずしも十分でない性能、たとえば、ウェ
ットスキッド抵抗等をゴム組成物に付与するために使用
される。(C)成分として使用されるゴムとしては、高
シスポリブタジエンゴム、低シスポリブタジエンゴム、
高ビニルポリブタジエンゴム、乳化重合スチレン−ブタ
ジエン共重合体ゴム、溶液重合低ビニルスチレン−ブタ
ジエン共重合体ゴム、溶液重合中ビニルスチレン−ブタ
ジエン共重合体ゴム、溶液重合高ビニルスチレン−ブタ
ジエン共重合体ゴムなどが本発明のゴム組成物が目的と
する特長を損なわない範囲において使用される。
つぎに、本発明のゴム組成物においては、カーボンブ
ラックとして、ヨウ素吸着量が90〜140mg/g、DBP吸油量
が110〜140ml/100gであるものを、原料ゴム100重量部に
追して、35〜80重量部配合する。
カーボンブラックのヨウ素吸着量が90mg/g未満では、
十分な強度、耐摩耗性とならず、140mg/gを超えると、
耐発熱性、反ぱつ弾性が悪化する。また、DBP吸油量が1
10ml/100g未満では、耐摩耗性、耐カット性が劣り、140
ml/100gを超えると、モジュラスが高くなりすぎ、また
加工性が悪化し好ましくない。カーボンブラックのヨウ
素吸着量は100〜135mg/gの範囲が、DBP吸油量は110〜13
0ml/100gの範囲が更に好ましい。
また、カーボンブラックの量が、原料ゴム10重量部あ
たり35重量部未満では、強度、耐摩耗性、耐カット性が
劣り、80重量部を超えると耐発熱性、耐チッピング性が
低下する。カーボンブラックの量は原料ゴム100重量部
あたり、400〜75部が更に好ましい。
つぎに、本発明のゴム組成物においては、加硫剤を0.
5〜3.0重量部配合する。
加硫剤としては、硫黄が代表的なものであって好んで
使用され、そのほかに、テトラメチルチウラム・ジスル
フィドやモルホリン・ジスルフィド等の硫黄含有化合
物、オキシム類、パーオキサイド類が使用される。
更に本発明のゴム組成物においては、必要に応じて、
ゴム用伸展油、ゴム用薬品を配合する。ゴム用伸展油
は、配合物の加工性を改善し、また配合物の硬度の調節
のために使用され、アロマチック系、ナフテン系、パラ
フィン系のものが代表的であり、その量は原料ゴム100
重量部あたり0〜30重量部程度である。ゴム用薬品とし
ては、亜鉛華やステアリン酸等の加硫促進助剤、スルフ
ェンアミド系、チウラム系、チアゾール系、グアニジン
系等の加硫促進剤、アミン系、フェノール系等の老化防
止剤または酸化防止剤、紫外線吸収剤、粘着付与剤、可
塑剤、無機充填剤等が、各々の使用目的に応じて配合さ
れる。
本発明のゴム組成物は、前記の各成分を、ゴム用混練
ロール、インターナルミキサー、押出機などのゴム用混
合装置によって配合混練したのち、常法によってタイヤ
として成型組立され、130〜200℃の温度において、加圧
下において加硫され、使用に供される。
以上のようにして得た本発明の組成物は、既存の天然
ゴム/合成ゴムにカーボンブラックを配合した加硫ゴム
組成物に比較して以下に示す特徴を示す。
合成ゴムとして、通常のポリブタジエンゴム(高シス
ポリブタジエンまたは低シスポリブタジエン)を使用し
た組成物に比較して、引張強度、耐摩耗性、加工性が良
好である。
又、合成ゴムとして、トランス結合量が70%以上のポ
リブタジエンを使用した組成物に比較して、加工性が良
好であり、強度、耐カット性も良好である。
更に、合成ゴムとして、スチレン−ブタジエン共重合
体を使用した組成物に比較して、耐摩耗性、反撥弾性、
耐発熱性が良好である。
[実 施 例] 以下、実施例によって本発明の組成物の特徴を更に詳
しく説明する。
I.実施例で用いる本発明の重合体の調製 以下の方法によって本発明のタイヤ用ゴム組成分は使
用する複合重合体(試料A)を得た。
内容積10で、高さ対内径の比(L/D)が4であるス
テンレス鋼製の攪拌器およびジャケット付きの反応器を
2基直列に接続し、1基目の底部より、1,3−ブタジエ
ンのn−ヘキサン溶液および触媒として、バーサチック
酸ランタン、ジブチルマグネシウム、n−ブチルリチウ
ムを連続的に供給し、反応器内温を77℃に保持して重合
反応を行なわせた。ブタジエンの溶液濃度は18重量%と
し、ブタジエンの供給速度は0.67Kg/hrとした。触媒の
供給量はブタジエン100grあたり、バーサチック酸ラン
タンは0.15mmol、ジブチルマグネシウムは0.80mmol、n
−ベチルリチウムは0.10mmolとした。
1基目の反応器の重合反応が定常状態となって安定し
た後1基目反応器の頭部出口より重合体溶液をサンプリ
ングし、重合率を測定した結果69.4%であり、得られた
重合体のミクロ構造は、トランス結合87%、シス結合7
%、ビニル結合6%であり、DSCによって測定したガラ
ス転移温度は−86℃、結晶融点は+85℃、GPCによる分
子量はMw=11.7万、Mn=8.1万、Mw/Mn=2.3で、カーブ
の形状はなだらかな1山であった。
1基目から出た重合体溶液を2基目反応器底部に導入
し、更に2基目底部より追加の1,3−ブタジエンのn−
ヘキサン溶液およびn−ブチルリチウムを連続的に供給
した。2基目反応器に導入したブタジエン溶液の濃度は
18重量%、ブタジエンの供給速度は、0.67Kg/hrとし
た。2基目反応器に導入したn−ブチルリチウムの量
は、2基目に供給したブタジエン100gあたり、1.60mmol
とした。2基目の反応器内温を120℃に保持した重合を
行なわせた後、2基目頭部より出た重合体溶液に安定剤
として、2,4−ジ−tert−デチル−p−キルゾールを重
合体100重量部あたり0.6重量部を連続して供給して混合
し、次いでこの重合体溶液を熱水中に導入してスチーム
ストリッピングを行なって溶媒を除去した。得られたゴ
ム状重合体は熱ロールによって乾燥し、目標とする複合
重合体(試料A)を得た。
前記の2基目の反応器の出口で反応率は、全供給モノ
マーに対して99.8%であった。得られた重合体のミクロ
構造は、トランス結合64%、シス結合26%、ビニル結合
10%であり、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)は52、GPCに
よるMw=20.2万、Mn=10.0万、Mw/Mn=2.02であり、GPC
曲線の形状はなだらかな曲線であった。
前記の分析結果より、1基目反応器で重合されたトラ
ンス結合量87%の樹脂状トランスポリブタジエン部分は
複合重合体全体に対し35重量%、2基目反応器内で重合
された低トランスゴム状ポリブタジエン部分は複合重合
体全体の65重量%で、そのミクロ構造は、トランス結合
52%、シス結合35%、ビニル結合13%と計算される。
得られた複合重合体2gをn−ヘキサンとシクロヘキサ
ンとの混合溶剤100mlに加熱溶解後、これを0℃まで冷
却し、0℃に保持したまま遠心分離して沈殿物と溶液と
に分離した。得られた沈殿を乾燥した秤量したところ、
複合重合体に対し、0.8重量%であった。すなわち、高
トランス樹脂状ポリブタジエンホモポリマーは、1基目
で得られたポリブタジエン(ブロックポリマー中の高ト
ランス樹脂状ポリブタジエンと樹脂状トランスポリブタ
ジエンホモポリマーの合計量)に対して2.3重量%であ
った。複合重合体(試料A)の分析値を表1に示す。
試料Aを得たのと同様な方法で、触媒の量、触媒各成
分の組成比、モノマーの1基目反応器と2基目反応器へ
の供給の比率、重合温度等の重合条件を変化させ、表1
に示す分析値を有する試料B〜試料Nを得た。試料Nは
1基目反応器だけのポリマーである。なお、試料Gに関
しては、連続重合方法によらず、回分重合方法によって
調製した。従って、表1の分析値の1基目反応器出口ポ
リマーに担当するのは、反応途中において、追加のブタ
ジエンおよびn−ブチルリチウムを添加する直前にサン
プリングしたポリマーの分析値となる。
更に、表2に示すバリウム−マグネシウム系触媒によ
って調製されたゴム状トランスポリブタジエン(試料
P)および市販のゴム状重合体(試料Q〜T)を用意し
た。
次に本発明に用いる測定方法について説明する。
本発明におけるポリブタジエンのミクロ構造の分析
は、試料を二硫化炭素に溶解し、赤外分光光度計(日本
分光A−202型)によって赤外分光吸収スペクトルを測
定し、モレロ法によって、シス、トランス、ビニルの各
結合量を測定した。
本発明における分子量の測定はGPC(島津製作所、LC
−5A型、カラム:HSG40,50,60,各1本、検出器:示差屈
折計)を使用し、標準ポリスチレンのピークの分子量の
溶出カウント数との関係から予め求めた検量線を用い、
常法に従ったポリブタジエンの平均分子量を計算した。
ガラス転移温度、結晶融点の測定は、DSCCセイコー電
子、DSC−20型)を使用し、昇温速度10℃/minで測定し
た。ガラス転移温度は、DSC曲線の開始点であり、結晶
融点はピーク温度(中点)である。
II.ゴム組成物の調製および測定 ゴム配合物は、表3に示す評価用配合により、内容量
1.7の試験用バンバリーミキサーおよび10インチ試験
用ロールを使用し、ASTM−D−3403−75に示される標準
混合手順の方法Bの混合仕様に準じて混練し、成型した
後、145℃で35分加硫した、物性を測定した。測定は、
以下に示す方法に従って行なった。
(1) 配合物ムーニー粘度:L型ローターを使用し、10
0℃で測定。
(2) 硬さ、引張試験、JIS−K−6301に従って測
定。
(3) 反撥弾性:JIS−K−6301の反撥弾性測定装置を
用い、試料を70℃のオーブン中で1時間予熱後、素早く
取り出して70℃の反撥弾性を測定。
(4) グッドリッチ発熱:グッドリッチフレクソメー
ターを使用し、印加荷重24ポンド、変位は0.225イン
チ、スタート50℃、回転数1800rpmの条件で試験を行な
い、20分後の上昇温度差を測定した。
(5) 耐摩耗製:改良型ランボート摩耗試験機を使用
し、サンプル回転速度50m/min、スリッピ率24%、荷重5
Kgの条件で測定。天然ゴムを使用した標準配合物を100
とした指数で表示。数字が大きいほど耐摩耗製が良好。
(6) 耐カット性 デュポン式ダート試験機を用い、水平に置いた厚さ5m
mの加硫ガムサンプルに、先端形状が1mm×10mmで、30゜
の角度を有する刃を乗せ、刃の上に所定量の垂を自然落
下させて、刃が試験片を打ち抜く時の垂のはじめの高さ
および垂の重さで耐カット性を測定。1〜5の等級で示
し、数字の高い法が耐カット性が良好である。
(7) ロール操作性 10インチロールでの配合物ストックのまきつき状態、
エッジの形状で判定。数字が大きいほど良好。
実施例1−1〜1−7、比較例1−1〜1−9 表4に示す本発明範囲内の複合重合体である試料A〜
Gおよび本発明範囲外の重合体H〜Qを使用し、天然ゴ
ムとの組成物を原料ゴムとして表3の配合の組成物を調
製し、加工性の低および加硫物性の測定を行なった。結
果を表4に示す。
表4に示す如く、本発明において限定する構造因子を
有する複合重合体と天然ゴムとからなる実施例1−1〜
1−7の組成物は、良好な加工性および引張強度、反撥
弾性、耐摩耗性、耐加工性のバランスが良好であるのに
対し、本発明の範囲外の重合体と天然ゴムとからなる組
成物は、加工性又は加硫物性の一部が劣る。
表 3 評価用配合 原料ゴム 100 部 N220カーボンブラック*1 50 部 亜鉛華1号 3 部 ステアリン酸 2 部 老化防止剤870NA*2 2 部 イオウ 1.75部 加硫促進剤 NS*3 1 部 *1 東海カーボン製、商品名シースト6 ヨウ素吸着量 121mg/g DBP吸油量 116mg/100g *2 N−イソプロピル−N′−フェニル−p−フェニ
レンジアミン *3 N−tert−ブイル−2−ベンゾチアジル・スルフ
ェンアミド 実施例2−1〜2−5、比較例2−1〜2−5 原料ゴムとして試料A(複合重合体)と、天然ゴムを
使用し、カーボンブラックとして表5に示される。ヨウ
素吸着量およびDBP吸油量の異なるものを使用して表6
に示す組成のゴム配合物を調製し加工性および加硫物物
性を評価した。結果を表6に示す。
表6の結果から明らかな如く、ヨウ素吸着量およびDB
P吸油量が本発明で限定する範囲のカーボンブラックを
使用した実施例2−1〜2−5の組成物はいずれも良好
な加硫物物性を有するのが比較例2−1〜2−3の本発
明の範囲外のカーボンブラックを使用した組成物は、複
合重合体を原料ゴムとして用いた場合でも、引張強度あ
るいは耐摩耗性が劣る。
実施例3−1〜3−7、比較例3−1〜3−5 表3に示す評価配合を用い、表7に示す組成の原料ゴ
ムを使用した組成物を調製し、評価を行ない結果を表7
に示した。
表7の結果から明らかな如く、本発明で限定される範
囲の組成の原料ゴム成分を使用した実施例の組成物は良
好な加硫物物性を有するが、原料ゴムの組成が本発明の
範囲外である比較例の組成物は、加硫物物性のいずれか
に問題がある。
実施例4−1〜4−4、比較例4−1〜4−4 表8に示す評価配合、および表9の組成の配合物を
得、加工性および加硫物物性を評価した。その結果を表
9に示す。
表9の結果から明らかな如く、実施例の加硫ゴム組成
物は、良好な加硫物物性を有するのに対し、カーボンブ
ラックの量が、本発明の範囲外である比較例4−1〜2
の加硫ゴム組成物は、耐摩耗性、引張強度、加工性、耐
カット性が劣る。
[発明の効果] 以上から明らかなように、本発明の複合重合体を含有
する加硫ゴム組成物は、加工性、耐摩耗性、引張強度、
耐発熱性、及び耐カット性が良好である等の特徴を有
し、これらの特徴を生かしてトラック、バス等の大型タ
イヤ用トレッドをはじめとして、軽トラック用トレッ
ド、建設車両トレッドへの用途に好適であり、且つ各種
タイヤのトレッド以外の部分にも好適に用いられるもの
であり、多くの分野に有用な加硫ゴム組成物である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記(I),(II)及び(III)成分を有
    するタイヤ用ゴム組成物。 (I)成 分; 下記(A)成分、(B)成分及び(C)成分からなりそ
    れらの合計量が100重量部である原料ゴム成分。 (A)成 分; 樹脂状トランスポリブタジエンブロックとゴム状ポリブ
    タジエンブロックとを有するブロック共重合体(A−
    1)、及び ゴム状ポリブタジエン(A−2)を主体とするポリブタ
    ジエン計複合重合体であって、 ブロック共重合体(A−1)中の樹脂状トランスポリブ
    タジエンの結晶融点が30〜130℃トランス結合量が80%
    以上、重量平均分子量が2万〜20万であり、ゴム状ポリ
    ブタジエンブロックのガラス転移温度が−70℃以下、ト
    ランス結合量が40〜60%、重量平均分子量が4万〜40万
    であり、 ゴム状ポリブタン(A−2)のガラス転位温度が−70℃
    以下、トランス結合量が40〜60%、重量平均分子量が4
    万〜40万であり、 複合重合体全体のトランス結合量が55〜80%、ムーニー
    粘度(ML1+4,100℃)が25〜150であるポリブタジエン系
    複合重合体10〜70重量%。 (B)成 分: 天然ゴム又はシス結合量が90%以上のポリイソプレンゴ
    ム20〜90重量%。 (C)成 分: ガラス転位温度が−110〜−30℃であるポリブタジエン
    ゴム又はスチレン−ブタジエン共重合体ゴム0〜30重量
    %。 (II)成 分; ヨウ素吸着量が90〜140mg/g、DBP吸油量が110〜140ml/1
    00gである補強性カーボンブラックを(I)成分100重量
    部に対し35〜80重量部。 (III)成 分; 加硫剤を(I)成分100重量部に対し0.5〜3.0重量部。
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