JPH0721090B2 - タイヤ用のゴム組成物 - Google Patents

タイヤ用のゴム組成物

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JPH0721090B2
JPH0721090B2 JP60293612A JP29361285A JPH0721090B2 JP H0721090 B2 JPH0721090 B2 JP H0721090B2 JP 60293612 A JP60293612 A JP 60293612A JP 29361285 A JP29361285 A JP 29361285A JP H0721090 B2 JPH0721090 B2 JP H0721090B2
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章 斉藤
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旭化成工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、加工性ならびに加硫物物性が改良されたタイ
ヤ用ゴム組成物に関し、詳しくはスズと結合された重合
体分子を含有する特定のスチレン−ブタジエン共重合体
と、他の特定の構造を有するスチレン−ブタジエン共重
合体とを原料ゴム成分とした、特にタイヤレッド用途に
好適なタイヤ用ゴム組成物に関する。
〔従来の技術〕
近年、自動車用タイヤに対して、省燃費性の面からころ
がり抵抗の低減が、又、自動車の安全性の面からは操縦
安定性およびウェット・スキッド特性(湿潤路面におけ
るブレーキ性能)の向上が要望され、他方、自動車用タ
イヤの生産については、作業性の改善による生産性の向
上が望まれてきている。
従来タイヤのころがり抵抗とウェット・スキッド特性の
改良に関しては、タイヤのトレッドパターンの改良、タ
イヤの構造の最適化といったタイヤの設計面からの改良
の方法や、タイヤトレッドに使用する配合物のポリマー
の改良、配合組成の最適化などの方法が検討されてい
る。例えば、タイヤのトレッド用ポリマーのころがり抵
抗とウェット・スキッド特性を改良する方法として、特
開・昭54-62248号にガラス転移温度が−50℃以上、スチ
レン含有量が20〜40%でブタジエン部分のビニル結合量
が50〜80%であるスチレン−ブタジエン共重合体をタイ
ヤのトレッド組成物に使用する方法が開示されている。
しかし、このような重合体を用いた場合、タイヤのころ
がり抵抗とウェットスキッド特性は良好であるものの、
ビニル結合量が多いことから強度が低めであると共に、
分子量が高く、工業的にタイヤを製造するにあたっての
生産性に難点がある。
このような欠点を解決する方法として、特開昭57−5591
2号には、高ビニル含有量であり、スズのような特定の
化合物によって分岐されたスチレン−ブタジエン共重合
体が、ころがり抵抗、ウエット・スキッド特性、破壊強
度が改良されることが示されている。
更に特開昭59−117514号には重合体鎖の末端に、ベンゾ
フェノン類を付加させた共役ジエン重合体が、ころがり
抵抗性とウエット・スキッド抵抗性が改良されることが
開示されている。しかしながら、前期したビニル含有量
の高い共役ジエン系重合体や特にそれらが重合体末端が
特定の官能基と結合した共役ジエン系重合体の場合にお
いては、補強性のカーボンブラックを配合したタイヤ用
ゴム組成物にした場合のカーボンブラックとの相互作用
の強化が原因と考えられる配合物のムーニー粘度の上昇
による加工性の低下、加硫物の伸びの低下といった好ま
しくない傾向が現れる。
特に加硫物の伸びの低下は、加硫直後にタイヤを加硫金
型から取り出すときにおいて、かなり複雑なパターンで
あるトレッドの一部の欠けを生み出す一つの原因となっ
ており、改善が要望されていた。
〔発明が解決しようとする問題点〕
このように、従来のタイヤ用ゴム組成物に関しては、こ
ろがり抵抗性能とウエット・スキッド特性を重視する用
途において、加工性及び加硫物の強度、伸びが必ずしも
十分でなかったのが実情であった。
本発明は、これらの点に鑑みなされたものであって、ス
ズを結合した重合体分子を含有するスチレン−ブタジエ
ン共重合体と、他の特定の構造のスチレン−ブタジエン
共重合体とを原料ゴム成分として用いることにより、こ
ろがり抵抗性能、ウェット・スキッド特性、加工性、加
硫物の強度及び伸びがバランスされたタイヤ用ゴム組成
物を提供することを目的としてなされたものである。
〔問題点を解決するための手段及び作用〕
本発明は、タイヤ用ゴム組成物に使用されるスチレン−
ブタジエン共重合体に関して、鋭意検討を重ねた結果、
分岐状重合体分子とスズとの結合を含有する直鎖状重合
体分子を有するスチレン−ブタジエン共重合体をひとつ
の原料ゴム成分とし、前記以外のスチレン−ブタジエン
共重合体で、限定されたミクロ構造、分子量分布を有す
るものを他の原料ゴム成分として使用することにより、
前記目的を満足することを見出だしたことにもとずいて
なされたものである。
すなわち本発明は、 合計量が100重量部である原料ゴム成分の (A)40〜85重量部が、分岐状重合体分子と直鎖状重合
体分子を有するスチレン−ブタジエン共重合体であっ
て、 (1)重合体を構成する分子の10〜50重量%が、3官能
性以上の分岐剤によって分岐状に結合され、 (2)さらに、重合体を構成する分子の少なくとも20重
量%に、一般式(R1)l(R2)mSn(X)n〔R1,R2はアルキル
基、アリール基、ベンジル基、アルコキシ基、Xはハロ
ゲン原子を示し、l,m,は0または1以上の整数、n=1
または2、l+m+n=4〕で示される活性スズ化合物
を付加し、且つ該構成分子は直鎖状に結合され、 (3)(1)または(2)の処理がなされた分子のう
ち、活性スズ化合物と結合した分子が重合体を構成する
分子の少なくとも30重量%であり、 (4)重合体のスチレン含有量が5〜40重量%であるス
チレン−ブタジエン共重合体(SBR−A)であり、 (B)原料ゴムの10〜60重量部がスチレン含有量が10〜
45重量%、ブタジエン部分の1,4−トランス結合量が40
%以上、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)が40以上、G.P.
C.(ゲル・パーミュエーション・クロマトグラフ)によ
って測定された分子量分布(▲▼/▲▼)が1.
5〜4.0である、前記(A)以外のスチレン−ブタジエン
共重合体(SBR−B)であり、 C)原料ゴムの0〜30重量部がビニル結合量が20%以下
であるポリブタジエンであり、 他に、補強性カーボンブラック、脂肪族カルボン酸、硫
黄、加硫促進剤を含有するタイヤ用ゴム組成物である。
以下、本発明に関して詳しく述べる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物の原料ゴム成分の40〜85重
量部は分岐状重合体分子と直鎖状重合体分子とを有する
特定構造のスチレン−ブタジエン共重合体(SBR−A)
である。SBR−Aは有機リチウム化合物を重合触媒とし
て、炭化水素溶媒中でスチレンとブタジエンを共重合
し、得られた活性リチウム末端を有するリビング重合体
に3官能性以上の分岐剤と1官能性あるいは2官能性の
特定の活性スズ化合物とを併用して反応させることによ
って得られ、前記の如く、分岐状重合体とスズを結合し
た直鎖状重合体分子とを有する重合体となる。
分岐状重合体分子を形成するために用いる3官能性以上
の分岐剤は1分子内に3個以上のハロゲン−スズ結合、
ハロゲン−ケイ素結合、アルコキシ−スズ結合、アリー
ル−スズ結合を含有する化合物、ジカルボン酸ジエステ
ル、3個以上のエポキシ基、3個以上のカルボニル基、
3個以上のイソシアネート基等を含有する化合物であ
る。これらの中では、ハロゲン−スズ結合、ハロゲン−
ケイ素結合を分子内に3個以上含有する化合物、ジカル
ボン酸ジエステル等が好ましく、具体的な化合物は、四
塩化スズ、モノブチル三塩化スズ、四塩化ケイ素、エチ
レンビストリクロルシラン、アジピン酸ジエチルなどが
好適に用いられる。
一方、本発明においてスズを結合した直鎖状重合体分子
を形成されるのに用いられる実質的に1官能性または2
官能性の特定のスズ化合物は、一般式(R1)l(R2)mSn(X)n
〔R1,R2はアルキル基、アリール基、ベンジル基、アル
コキシ基、Xはハロゲン原子を示し、l,m,は0または1
以上の整数、n=1または2、l+m+n=4〕で示さ
れる化合物である。具体的化合物としては、トリメチル
スズクロライド、トリブチルスズクロライド、トリオク
チルスズクロライド、トリフェニルスズクロライド、ジ
ブチルスズジクロライド、ジオクチルスズジクロライ
ド、ジフェニルスズクロライドなどがあげられる。
本発明においては、3官能性以上の分岐剤と結合した分
岐状重合体分子は、重合体を構成する分子の10〜50重量
%であり、一方、スズと結合した直鎖状重合体分子は、
重合体を構成する分子の少なくとも20重量%である。さ
らに、3官能性以上の分岐剤が活性スズ化合物の場合に
は、3官能性以上の活性スズ化合物によって分岐された
分子と実質的に1官能性または2官能性の特定のスズ化
合物と結合した直鎖状分子との合計量すなわち活性スズ
化合物と結合した重合体分子が、重合体を構成する分子
の少なくとも30重量%であり、3官能性以上の分岐剤が
活性スズ化合物以外の化合物である場合は、実質的に1
官能性または2官能性の特定のスズ化合物が結合した直
鎖状の重合体分子が重合体を構成する分子の少なくとも
30重量%である。
本発明においては、前記の分岐状重合体および直鎖状重
合体および活性スズ化合物に結合した重合体の量に関す
る限定は、ブレンドした配合物とした場合の加工性、加
硫物の機械的強度、反撥弾性、耐発熱性を良好とするた
めに必要である。分岐状重合体分子の量が10重量%未満
では、他の原料ゴム成分とブレンドした場合においても
加工性に問題があり、また重合体にコールドフローがお
こりやすく保存する上で好ましくない。一方分岐状重合
体の量が50重量%を超える重合体では、他の原料ゴム成
分とブレンドした場合の反撥弾性が単味配合に比べて大
きく低下する。
分岐状重合体分子は、重合体を構成する分子の15〜40重
量%の範囲であることが加工性と反撥弾性および耐発熱
性のバランス上特に好ましい。また、実質的に1官能性
まはた2官能性の特定の活性スズ化合物と結合した直鎖
状重合体分子の量が20重量%未満の場合は反撥弾性、耐
発熱性の改良効果が少ない。さらに、活性スズ化合物と
結合した重合体分子の量が、重合体構成分子の30重量%
未満の場合においても得られるゴム組成物の反撥弾性、
耐発熱性の改良効果が少ない。活性スズ化合物と結合し
た重合体分子の量は、重合体を構成する分子の50重量%
以上であることが反撥弾性、耐発熱性の面で好ましい。
以上の分岐状重合体分子、直鎖状重合体分子および活性
のスズ化合物と結合した重合体分子の量は、リビング重
合体と活性スズ化合物との反応がほぼ定量的であること
から、活性リチウムと、分岐剤あるいはスズ化合物との
当量比によって制御することが可能である。
前記のSBR−Aを構成する各成分の量は、G.P.C.(ゲル
パーミュエーション・クロマトグラフ)によって各成分
を分離することや、反応前後のG.P.C.の分析結果を比較
することによって測定することができる。
また、本発明で用いるSBR−Aのスチレン含有量は、他
の原料ゴム成分とブレンドしたゴム組成物が、引張強
度、伸び、耐発熱性、反撥弾性、耐摩耗性、を保持する
ためには5〜40重量%であり、特に10〜30重量%の範囲
が好ましい。スチレン含有量が5重量%を未満では加工
性が不十分で引張強度、伸びが不足し、40重量%を超え
ると耐発熱性、反撥弾性、低温性能等が低下する。
一方、SBR−Aのブタジエン部分のビニル結合量は、10
〜80%の範囲であり、特に10〜50%の範囲が引張強度、
伸びの点で好ましい傾向にある。
更にSBR−Aのムーニー粘度(ML1+4、100℃)は25〜1
50であり、35〜100の範囲が加硫物の物性と配合物の加
工性のバランスの上で更に好ましい。
ムーニー粘度が25未満では耐磨耗性が低下し、150を超
えると加工性が問題となる。
また、SBR−AのG.P.C.によって測定された重量平均分
子量(▲▼)と、数平均分子量(▲▼)との比
(▲▼/▲▼)は、1.3〜3.0の範囲、特に1.3
〜2.5の範囲が、得られるゴム組成物の反撥弾性、耐発
熱性の面で好ましい。
さらに、本発明において、SBR−Aは、活性リチウム末
端を有した前駆重合体と、分岐剤および活性スズ化合物
との反応で得られるが、この前駆重合体のムーニー粘度
(ML1+4,100℃)は、10〜60、特に20〜50の範囲である
ことが、得られる組成物の物性および加工性のバランス
の上で好ましい。
つぎに、本発明の原料ゴム成分の15〜60重量部は、前記
のスズとの結合を有するスチレン−ブタジエン共重合体
(SBR−A)以外のものであって、特定のポリマー構造
を有するスチレン−ブタジエン共重合体(SBR−B)で
ある。SBR−Bのスチレン含有量は本発明のゴム組成物
が十分な加工性、機械的強度、ウエット・スキッド特性
を保有するために10〜45重量%の範囲であることが必要
であり、好ましくは15〜35重量%の範囲である。スチレ
ン含有量が10重量%未満では引張強度、伸びが不足し、
45重量%をこえると反撥弾性、低温性能が大きく悪化す
るので好ましくない。
又、SBR−Bのブタジエン部分のミクロ構造の1,4-トラ
ンス結合量が40%以上であることが本発明のゴム組成物
が十分な引張強度を有する為に必要である。
又、SBR−Bのムーニー粘度(ML1+4,100℃)は40以上
であることが本発明のゴム組成物が十分な強度、反撥弾
性、耐発熱性を有するために必要であり、好ましくはム
ーニー粘度は40〜100の範囲である。
又、SBR−Bは、本発明のゴム組成物が十分な加工性及
び機械的強度を有するためには、G.P.C.によって測定さ
れた分子量分布(▲▼/▲▼)が、1.5〜4.0の
範囲であることが必要であり、好ましくは2.0〜3.5の範
囲である。▲▼/▲▼が1.5未満では加硫ゴム
組成物の加工性が劣り、4を超えると耐発熱性、反撥弾
性、機械的強度、伸びが低下する。
本発明のゴム組成物は、加工性を機械的強度、伸び、反
撥弾性、耐発熱性などの加硫物物性とのバランスを高度
に保つためには、SBR−Aの量が40〜85重量部、SBR−B
の量が15〜60重量部の範囲であることが必要であり、こ
の範囲外では目的が達成されない。
SBR−Bとしては、前記のポリマー構造に関するもので
あれば、どのような製造方法によるものであっても、本
発明の加硫ゴム組成物に使用することが可能である。製
造方法の例としては、ラジカル重合触媒によるもの、ア
ニオン重合触媒によるもの、配位アニオン重合触媒によ
るものなどがあげられる。
さらに、原料ゴム成分として本発明のゴム組成物の性能
の損なわない範囲において、他の特殊な目的、例えば低
温性能の改良や耐磨耗性の改良のためにビニル結合量が
20%以下のポリブタジエンを使用することができる。こ
れらのポリブタジエンとしては、高シスポリブタジエ
ン、低シスポリブタジエン等があり、ムーニー粘度は30
〜100の範囲のものが好ましい。それらの量は、原料ゴ
ム成分の0〜30重量部である。
つぎに、前記の各ゴム状重合体を原料ゴムとしたゴム組
成物には、他に、補強性カーボンブラック、脂肪族カル
ボン酸、硫黄、加硫促進剤を必要成分として含有され、
さらに必要に応じて、プロセス油、加硫促進助剤、老化
防止剤、オゾン劣化防止剤、加工助剤等のゴム用配合剤
が含有される。
本発明において補強性のカーボンブラックは、原料ゴム
成分100重量部あたり35〜100重量部、好ましくは40〜80
重量部用いられる。カーボンブラックとしては、粒子
径、粒子径分布、ストラクチャー、チントなどが異なる
各種のものが使用されているが、自動車タイヤを中心と
する用途には、SAF,ISAF,HAFないしFEFの各クラスのカ
ーボンブラックが使用される。本発明においては、粒子
径が15〜50mμ、ヨウ素吸着量が40〜160mg/g、DBP吸油
量が70〜150ml/100gのファーネスカーボンブラックを使
用することが好ましい。
また、加硫ゴム組成物には加硫助剤または加工助剤とし
て、ステアリン酸を代表的なものとする脂肪族カルボン
酸が用いられるが、本発明のゴム組成物においては、こ
のような脂肪族カルボン酸は、原料ゴム成分として用い
るスズと結合した重合体分子を含有するスチレン−ブタ
ジエン共重合体のスズと重合体分子との結合を、ゴムの
混練工程において切断するために必要である。重合体と
スズとの結合が存在することにより、重合体と補強性カ
ーボンブラックの相互作用が増加して、いわゆるカーボ
ンゲルが生成し、その結果として、反撥弾性、耐発熱
性、引張強度等の性質が改良される。脂肪族カルボン酸
は、原料ゴム成分100重量部あたり、0.5〜5重量部使用
される。
さらに、本発明の組成物においては原料ゴム成分100重
量部あたり、加硫剤として硫黄が、0.1〜3.0重量部、好
ましくは1.0〜2.5重量部使用され、また、加硫促進剤と
して、スルフェンアミド系、グアニジン系、チウラム系
など加硫促進剤が原料ゴム成分100重量部あたり0.05〜
2重量部、1種または2種以上併用して用いられる。
必要に応じて本発明のゴム組成物に含有されるゴム用配
合剤は、その使用目的に応じた量が使用される。
本発明のゴム組成物は、ゴム用混練ロール、インターナ
ルミキサー、押出機などのゴム用混練機によって混練さ
れた後、成型され、常法に従って130〜200℃の温度で加
硫される。
本発明のゴム組成物は、前述のごとくタイヤのトレッド
に好適であり、特に低燃費タイヤ、オールシーズンタイ
ヤ、高性能タイヤのキャップトレッド、アンダートレッ
ド等に使用され、その他にすぐれた性能を生かして、タ
イヤのサンドウォール、カーカス、クッションゴム等の
タイヤの部分や、防振ゴム、工業用品等の用途において
も使用することができることは、いうまでもない。
〔実施例〕
以下、実施例を示すが、これらは本発明をより具体的に
示すものであって、本発明の範囲を限定するものではな
い。
重合体の調製 攪拌器およびジャケット付きの内容積10lの反応器に、
シクロヘキサン420g、精製ブタジエン600g、精製スチレ
ン200g、極性化合物としてテトラハイドロフラン20gを
仕込み、温度を60℃に保持した後、触媒としてn−ブチ
ルリチウムを0.4g加えて重合を開始させ、その後、重合
温度60〜80℃に保って60分間重合反応を行ない、得られ
たリビング重合体に、まず0.122gの四塩化スズ(n−ブ
チルリチウムに対する当量比0.3)を添加し、続いて直
ちに1.47gのトリフェニルスズクロライド(n−ブチル
リチウムに対する当量比0.6)を添加して、分岐反応と
付加反応を行なった。さらに、この重合体溶液に酸化防
止剤として8gのジ−tert−ブチルヒドロキシトルエンを
添加した後、溶媒を蒸発させポリマーを回収した。
得られた重合体(試料a)は、ムーニー粘度(ML1+4,10
0℃)は52、スチレン含有量25重量%、ブタジエン部分
のミクロ構造は、1,4トランス結合38%、1,4−シス結合
28%、1,2−ビニル結合34%であった。またこの重合体
のG.P.C.による分析では、3分岐以上の分岐重合体分子
の量は29%、▲▼/▲▼は1.73であった。
また得られた重合体の原子吸光分析によるスズ含有量の
測定結果から、ほぼ目的通りの反応が行なわれているこ
とが確認された。また反応前の前駆重合体のムーニー粘
度は、28、G.P.C.による▲▼/▲▼は1.10であ
った。
さらに、試料aを得たのと同様な方法で、スチレン含有
量、ブタジエン部分のミクロ構造、分岐剤、分岐状重合
体分子の比率等の異なる各種の重合体を調製した。これ
らを、本発明の範囲内および比較のための重合体として
使用した。それらのポリマー構造を表1に示した。
なお、スチレン含有量およびブタジエン部分のミクロ構
造は、赤外分光光度計を用いてスペクトルを測定し、ハ
ンプトンの方法で計算して求めた。▲▼/▲▼
は、G.P.C.(島津製作所製、LC−3A、カラム:104,1
05,106各1本、溶媒:テトラハイドロフラン、検出
器:示差屈折計)を使用し、ポリスチレンを標準物質と
した検量曲線を使用する方法によって求めた。
表1に示す重合体のうち試料a〜試料fは本発明の範囲
に該当する重合体(SBR−A)であり、試料g〜試料l
は比較のための重合体である。
さらに、表2には、本発明の原料ゴムのSBR−Bとして
使用するスチレン−ブタジエン共重合体(試料m〜r)
および原料ゴムとして使用するポリブタジエン(試料s,
t)のポリマー分析値を示した。なお、試料n,pは油展量
37.5phrの油展ポリマーであり、試料qはバリウム系触
媒で重合したスチレン−ブタジエン共重合体、試料rは
リチウム系触媒を極性化合物を使用した系によるスチレ
ン−ブタジエン共重合体である。
実施例1および比較例1 表1に示す重合体および表2に示す重合体を原料ゴムと
して使用し表3に示す評価配合で、表4の原料ゴム組成
とし、内容量1.7lの試験用バンバリーミキサーを使用
し、ASTM-D-3403-75の標準配合混合手順の方法Bによっ
て、ゴム配合物を得、これらを145℃、30分加硫し、以
下に示す方法に従って物性および加工性を評価した。
(1)引張強度;JIS−K−6301に従った。
(2)反撥弾性;JIS−K−6301によるリュープケ法、70
℃における反撥弾性は、試料を70℃オーブン中で1時間
予熱後、素早く取り出して測定。
(3)グッドリッチ発熱 グリッドリッチフレクソメーターを使用し、荷重48ポン
ド、変位0.225インチ、スタート50℃、回転数1800rpmの
条件で試験を行ない、20分後の上昇温度差を表わした。
(4)ウェット・スキッド抵抗 スタンレー・ロンドンのポータブル・スキッドテスター
を使用し、路面としてセーフティ・ウォーク(3M製)を
使用して、ASTM-E-808-74の方法に従い測定した。比較
例1-7の測定値を100とした指数で表示した。
(5)ロール加工性;試験用6インチロールを使用し、
ゴム配合物のロール上での操作性、巻きつき状態を観察
し、良好なものを4ロールに巻きつかず、バギングする
ものを1とした。
(6)押出加工性;ブラベンダープラストグラフにガー
ベイダイを装着し、押出量表面の肌及びエッジの状態を
観察し、最良を4、最悪を1とした。
表4にゴム組成物の加工性および加硫物物性を示す。表
4に示される如く、本発明において限定されたSBR−A
(試料a〜f)とSBR−Bとからなるゴム組成物は加工
性が良好であると共に引張強度、伸び、反撥弾性、耐発
熱性、スエット・スキッド特性のバランスが優れている
のに対し試料g〜lを使用したゴム組成物は、加硫物物
性が良好なばあいは加工性がわるく、一方、加工性が良
好な場合は、反撥弾性、耐発熱性が劣る。
表3 原料ゴム(合計) 100 重量部 アロマチックオイル*1 25 重量部 N339カーボン*2 62.5 重量部 ステアリン酸 2 重量部 亜鉛華 3 重量部 加硫促進剤NS*3 1.25重量部 硫黄 1.75重量部 老化防止剤 1 重量部 *1 共同石油 ソニックX−140 *2 東海カーボン シーストKH *3 N−tert−ブチルベンゾチアジルスルフェンアミ
実施例2および比較例2 表5に示す如く、SBR−AとSBR−B及びポリブタジエン
を原料ゴムとして使用し、実施例1と同じく表3の配合
でゴム組成物とし、加工性および加硫物物性を評価し
た。
表5の結果より明らかな如く、本発明の範囲内のゴム組
成物の実施例2-1〜2-8のゴム組成物は、加工性と加硫物
物性のバランスが良好であるのに対し、原料ゴムとして
本発明の限定を満足していても、配合組成が本発明の限
定から外れる比較例2-1〜2-3の組成物は、加工性と加硫
物物性のバランスが劣っている。
〔発明の効果〕 本発明のタイヤ用ゴム組成物は、前記のように、ロール
加工性、押出加工性といった配合物の加工性が良好であ
ると共に、ころがり抵抗の尺度である反撥弾性あるいは
耐発熱性とウェット・スキッド特性のバランスが良好
で、かつ、引張強度、伸びが良好であるというすぐれた
加硫物物性を示す。このようなゴム組成物は低燃費タイ
ヤ、オールシーズンタイヤ高性能タイヤを中心とした乗
用車タイヤをはじめ、各種用途のタイヤのトレッドに特
に好適であり、本発明のもたらす工業的な意義は大き
い。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】合計量が100重量部である原料ゴム成分の (A)40〜85重量部が、分岐状重合体分子と直鎖状重合
    体分子を有するスチレン−ブタジエン共重合体であっ
    て、 (1)重合体を構成する分子の10〜50重量%が3官能性
    以上の分岐剤によって分岐状に結合され、 (2)さらに、重合体を構成する分子の少なくとも20重
    量%に、一般式(R1)l(R2)mSn(X)n〔R1,R2はアルキル
    基、アリール基、ベンジル基、アルコキシ基、Xはハロ
    ゲン原子を示し、l,m,は0または1以上の整数、n=1
    または2、l+m+n=4〕で示される活性スズ化合物
    を付加し、且つ該構成分子は直鎖状に結合され、 (3)(1)または(2)の処理がなされた分子のう
    ち、活性スズ化合物と結合した分子が重合体を構成する
    分子の少なくとも30重量%であり、 (4)重合体のスチレン含有量が5〜40重量%であるス
    チレン−ブタジエン共重合体(SBR-A)であり、 (B)原料ゴム成分の15〜60重量部が、スチレン含有量
    が10〜45重量%、ブタジエン部分の1,4−トランス結合
    量が40%以上、ムーニー粘度(ML 1+4,100℃)が40以
    上、G.P.C.(ゲル・パーミュエーション・クロマトグラ
    フ)によって測定された分子量分布(▲▼/▲
    ▼)が1.5〜4.0)である、前記(A)以外のスチレン−
    ブタジエン共重合体(SBR−B)であり、 (C)原料ゴム成分の0〜30重量部がビニル結合量が20
    %以下であるポリブタジエンであり、 他に、補強性カーボンブラック、脂肪族カルボン酸、硫
    黄、加硫促進剤を含有するタイヤ用ゴム組成物。
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