JPH0448815B2 - - Google Patents

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JPH0448815B2
JPH0448815B2 JP59197086A JP19708684A JPH0448815B2 JP H0448815 B2 JPH0448815 B2 JP H0448815B2 JP 59197086 A JP59197086 A JP 59197086A JP 19708684 A JP19708684 A JP 19708684A JP H0448815 B2 JPH0448815 B2 JP H0448815B2
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JP
Japan
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polybutadiene
polybutadiene rubber
boiling
polymer
molecular weight
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JP59197086A
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JPS6173707A (ja
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Yasushi Oda
Koji Ishiguchi
Naomi Okamoto
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Ube Corp
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Ube Industries Ltd
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【発明の詳細な説明】
[発明の分野] 本発明は、新規なポリブタジエンゴゴム組成物
に関するものである。 [発明の背景] 近年、高速道路の発達および内燃機関などの発
達に伴ない自動車の高速走行が日常的に行なわれ
るようになつている。このような自動車の高速化
が進むに従つて、それに対応すべくタイヤにも
種々の改良がなされている。特に、最近高速の自
動車用のタイヤとしてラジアルタイヤの普及がめ
ざましい。そして、このようなタイヤを形成する
ゴム素材として高シス−1,4−ポリブタジエン
ゴムなどのポリブタジエンゴムを用いることが一
般的となつている。 一般にタイヤは、大別するとタイヤの地面に接
する部分(トレツド)、タイヤの本体内部を形成
する部分(カーカス)、タイヤの横壁(サイドウ
オール)、タイヤをリムに係合する耳部およびこ
の耳部に埋設されたビードなどより構成されてい
る。通常、上記のようなタイヤの各部分はその機
能に適合した素材が厳選され使用されている。そ
して、タイヤの高速性能を向上させるためにトレ
ツドおよびビードは、高い弾性率の素材が使用さ
れ、またサイドウオールには走行中のタイヤの変
形を集中する為に低い弾性率のゴム素材が使用さ
れている。特に乗用車用タイヤの場合には、サイ
ドウオールに用いるゴム素材は、通常のタイヤに
使用する素材よりもさらに低弾性率のものを使用
することが好ましいとされている。さらにサイド
ウオール用のゴム素材は、過酷な条件下で使用さ
れることから、亀裂などの損傷に対する優れた抵
抗性(耐屈曲亀裂成長性として表示される)が必
要とされている。一方タイヤの生産性を向上させ
る必要から、使用するゴム素材は優れた押し出し
加工性(特に、ダイスウエル比が問題となること
が多い)を有していることもまた必要となる。 [従来技術およびその問題点] タイヤのサイドウオール用のポリブタジエン素
材としては、一般に高シス−1,4−ポリブタジ
エンゴムが使用されれている。 通常、高シス−1,4−ポリブタジエンゴムを
サイドウオールとして使用するタイヤは、ゴムに
カーボンブラツク、老化防止剤、加硫促進剤およ
び硫黄などを加えてポリブタジエンゴム配合物と
し、この配合物を押し出し工程にかけた後、成形
し、加熱加硫することにより製造される。 高シス−1,4−ポリブタジエンゴムは、基本
的には、ゴム自体、配合物および加硫物共にタイ
ヤのサイドウオール用の素材として優れた物性を
示す。特に上記のような工程をへて加硫された加
硫物の弾性率はサイドウオールとして好ましい値
を示すものであるが、加硫物の屈曲亀裂成長性能
が悪いとの問題がある。またさらに、高シス−
1,4−ポリブタジエンゴゴムは、加硫前の配合
物のダイスウエル比が高すぎて押し出し加工性が
劣るとの問題もあつた。 このような実情から、従来の高シス−1,4−
ポリブタジエンゴムの優れた物性を維持しつつ、
ラジアルタイヤなどの高速性能を要求されるタイ
ヤのサイドウオールに適応することができるよう
にポリブタジエンゴムの物性を改良することがこ
の業界の懸案事項となつていた。 これまでに、高シス−1,4−ポリブタジエン
ゴムの改良として、一部にシンジオタクチツク−
1,2−ポリブタジエン構造を有する1,4−ポ
リブタジエンゴムが提案されている(特公昭49−
17666号公報)。このポリブタジエンゴムは、従来
の高シス−1,4−ポリブタジエンゴムに比較す
ると、加硫物の耐屈曲亀裂性能は格段に上昇し、
更に配合物のダイスウエル比は減少して押し出し
加工性も良好となるが、半面、加硫物の弾性率が
高くなる傾向があり、特に上述のラジアルタイヤ
のような高い高速性能が要求されるタイヤのサイ
ドウオール用のゴム素材としては問題がある。 ポリブタジエンゴムの弾性率を低下させる方法
としては、たとえば、ポリブタジエンゴムに配合
するカーボンブラツクの配合率を低くする方法が
知られている。ポリブタジエンゴムに配合するカ
ーボンブラツクの配合率を、加硫物の弾性率がタ
イヤのサイドウオールに適する程度になるように
低下させると、今度はポリブタジエンゴム配合物
(未加硫の状態)のダイスウエル比が極度に大き
くなり、押し出し加工工程でエツジ切れなどが発
生することがあり、所望の形状のものを押し出す
ことが困難になるとの問題が発生する。またさら
に、肉薄のものを押出すことは特に困難になる傾
向がある。このように押し出し加工工程で得られ
る物の形状が制限されると、タイヤの成形が制約
を受けることがあり、また、肉薄のものを押し出
すことが困難であることから、タイヤの軽量化の
点でも制約を受けることがある。さらに最近では
上述したように押し出されるゴム配合物のダイス
ウエル比を特定の範囲にすることが生産性を向上
させるための必須要素となつているが、上述した
ように押し出し速度が高速になるほどエツジ切れ
が多発する傾向があるために、生産性が問題にな
る。 このようにカーボンブラツクの配合率を低下さ
せることによりポリブタジエンゴムの加硫物の弾
性率を低下させた場合には、必然的に配合物のダ
イスウエル比が大きくなるとの問題が発生するた
めこの方法の利用には限界がある。 また、高シス−1,4−ポリブタジエンゴムの
他の改良策として、高シス−1,4−ポリブタジ
エンに低分子量のポリブタジエンを混合して加硫
物の耐屈曲亀裂成長性能を向上させ、さらに配合
物のダイスウエル比を低下させて押し出し加工性
を向上させる方法も提案されている。しかしなが
ら、この方法により得られるポリブタジエンゴム
は、その加硫物の弾性率が低くなりすぎるためサ
イドウオール用のゴム素材としては適当というこ
とはできない。さらに、この方法により得られる
ポリブタジエンゴムは、動的粘性率が低くなり、
貯蔵中に室温付近の温度で流動(すなわち、コー
ルドフロー)を起す傾向があり好ましくない。 このように、従来技術によつて高シス−1,4
−ポリブタジエンゴムをタイヤのサイドウオール
用の素材として使用する場合においては、その配
合物、加硫物について要求される諸物性を完全に
満足し、かつラジアルタイヤの高速耐久性などの
高速性能を具備したタイヤのサイドウオールを得
ることは実質的にできなかつた。 [発明の目的] 本発明の目的は、ポリブタジエンゴム組成物の
優れた物性を犠牲にすることなく加硫物が特にタ
イヤのサイドウオールとして好適な物性を示すポ
リブタジエンゴムを提供することにある。 [発明の要旨] 本発明は、還元比粘度(130℃における濃度0.2
g/100c.c.・テトラリン溶液)が0.5〜4の沸騰n
−ヘキサン不溶分1〜15重量%とポリスチレン換
算重量平均分子量が30万〜80万の沸騰n−ヘキサ
ン可溶分85〜99重量%とからなり、かつ該沸騰n
−ヘキサン可溶分中にポリスチレン換算分子量5
万以下の成分が9〜30重量%含まれていることを
特徴とする高シス−1,4−ポリブタジエンを主
成分とするポリブタジエンゴムを提供する。 [発明の効果] 本発明のポリブタジエンゴム組成物は、高シス
−1,4−ポリブタジエンの優れた特性を保持し
つつも配合物のダイスウエル比(スウエル比)が
小さく、その加硫物がタイヤのサイドウオールと
して好適な弾性率を示し、更に加硫物の耐屈曲亀
裂成長性能が非常に良好な値を示す。したがつ
て、本発明のポリブタジエンゴム組成物をサイド
ウオールの素材として使用したタイヤは、優れた
高速耐久性を示す。また、この配合物のダイスウ
エル比が低いことから、優れた押し出し加工性を
示し、タイヤ製造の作業性が向上する。 [発明の詳細な記述] 本発明は、基本的には高シス−1,4−ポリブ
タジエンを主成分とし、さらにシンジオタクチツ
ク−1,2−ポリブタジエン(あるいはシンジオ
タクチツク−1,2−ポリブタジエン構造を主要
単位として有するポリブタジエン)を含む組成か
らなる。ただし、本発明のポリブタジエンゴム組
成物中の高シス−1,4−ポリブタジエンには一
定量の低分子量のポリブタジエンが含まれる。 このポリブタジエンゴム組成物は、たとえば
種々の配合物を加えたポリブタジエンゴム配合物
のダイスウエル比が押し出し加工に好適な範囲
(通常、1.2〜1.7)であるので加工性が良好であ
り、加硫物の弾性率を特にタイヤのサイドウオー
ルに好適な範囲(たとえば、100%の引張弾性
率:一般には、15〜25Kg/cm2)であり、また、加
硫物の耐屈曲亀裂成長性能(指数)が高く(一般
には、400以上)であるにもかかわらず、ポリブ
タジエン自体の動的粘性率およびムーニ粘度、配
合物のムーニ粘度および加硫物の硬さなどのポリ
ブタジエンゴムの他の優れた物性が悪影響を受け
ることがない。 なお、シンジオタクチツク−1,2−ポリブタ
ジエン構造を含む高シス−1,4−ポリブタジエ
ンゴムを製造する方法は特公昭49−17666号公報
に開示されている。しかしながら、この方法をそ
のまま利用して得られるポリブタジエンゴムは、
低分子量の高シス−1,4−ポリブタジエンゴム
の含有率が低いため、このポリブタジエンゴムを
用いて加硫して製造されるサイドウオールの弾性
率は通常高い値を示し、タイヤの高速耐久性が充
分であるとは言い難い。このポリブタジエンゴム
に関しては、その物性などを後述する比較例2で
詳述する。 シンジオタクチツク−1,2−ポリブタジエン
自体、およびシンジオタクチツク−1,2−ポリ
ブタジエン構造を分子中に比較的高率で含有する
ポリブタジエンは、実質的に沸騰n−ヘキサン不
溶分として確認することができる。 そして、本発明のポリブタジエンゴム組成物
は、この沸騰n−ヘキサン不溶分を1〜15重量%
含むことが必要であり、特に3〜12重量%含むこ
とが好ましい。 この不溶分の量が1重量%より少ないと、この
ポリブタジエンゴム組成物に配合剤を加えて得ら
れる配合物のダイスウエル比が、押し出し加工に
適する程度に低くならない。また、この加硫物の
弾性率が低くなりすぎ耐屈曲亀裂成長性が悪くな
る。一方、15重量%より多いとダイスウエル比は
小さくなり配合物の押し出し加工性は良好となる
が、加硫物の弾性率が過度に大きくなるために、
たとえばサイドウオール用のゴム素材としては好
ましくない。 さらに本発明のポリブタジエンゴム組成物は、
上記の沸騰n−ヘキサン不溶分の還元比粘度が
0.5〜4の範囲にあることが必要であり、特に0.8
〜3.の範囲にあることが好ましい。 本発明における還元比粘度とは、沸騰n−ヘキ
サン不溶分0.2gを100c.c.のテトラリンに溶解し
て、130℃の温度にてウベローデ粘度計を使用し
て測定した値である。 この還元比粘度(還元粘度または換算粘度)
は、沸騰n−ヘキサン不溶分の分子量の範囲を示
唆するものである。 この不溶分の還元比粘度が0.5より低いとポリ
ブタジエンゴム配合物のダイスウエル比が押し出
し加工に適する程度に小さくならない。また、還
元比粘度が4.0より高いとシンジオタクチツク−
1,2−ポリブタジエンが凝集塊になり分散不良
となり易く、従つて、ダイスウエル比が充分に小
さくならず、また弾性率も低すぎ好ましくない。 本発明のポリブタジエンゴム組成物中に含まれ
る高シス−1,4−ポリブタジエンは実質的に沸
騰n−ヘキサン可溶分として確認することができ
る。本発明のポリブタジエンゴム組成物に含まれ
る沸騰n−ヘキサン可溶分は、実質的に本発明に
ポリブタジエンゴム組成物から沸騰n−ヘキサン
不溶分を減じた値である。 本発明において沸騰n−ヘキサン可溶分は、
GPC(ゲルパーミエーシヨンクロマトグラフイ)
で測定されるポリスチレン換算重量平均分子量が
30万〜80万の範囲にあることが必要である。従つ
て、沸騰n−ヘキサン可溶分にほぼ相応する高シ
ス−1,4−ポリブタジエンはポリスチレン換算
重量分子量が30万〜80万の範囲のものとなる。 沸騰n−ヘキサン可溶分のポリスチレン換算重
量平均分子量が30万より小さいと、加硫物の弾性
率が低すぎたり、あるいは引張強度などの物性が
悪化する。また、80万より大きいと配合物のダイ
スウエル比が充分に小さくならないため加工性が
不良となる。 なお、本発明のポリブタジエンゴムの分子量お
よび重量平均分子量は、後述するゲルパーミエー
シヨンクロマトグラフイを用いて分子量既知の標
準ポリスチレンを測定して検量線を作成し、ポリ
ブタジエンゴムの測定値を検量線に対応させ換算
したポリスチレン換算分子量である。また、次に
記載するポリスチレン換算分子量も上記と同様の
方法により換算した値である。 本発明のポリブタジエンゴム組成物の沸騰n−
ヘキサン可溶分は、ポリスチレン換算分子量5万
以下の低分子成分を9〜30重量%を含むことが必
要であり、特に15〜25重量%含むことが好まし
い。 本発明のポリブタジエンゴム組成物の沸騰n−
ヘキサン可溶分が、ポリスチレン換算での分子量
5万以下、一般には5千〜5万の範囲の低分子量
のポリブタジエンを上記の範囲で含むことによ
り、ポリブタジエンゴムの弾性率がサイドウオー
ルとして好適な範囲の値となり、かつポリブタジ
エンゴム組成物配合物のダイスウエル比を押し出
し加工に適した範囲に保持することができるので
ある。従つて、この分子量5万以下の可溶分の量
が9重量%より少ないと、配合物のダイスウエル
比が加工に適した範囲にまで低下しないため押し
出し加工性が劣り、更に、加硫物の弾性率が高す
ぎて高速性能を要求されるラジアルタイヤなどの
サイドウオール用の素材としては好ましくない。
一方、30重量%より多いと、配合物のダイスウエ
ル比は低下するが、加硫物の弾性率が低くなりす
ぎて実用性がない。さらにポリブタジエンゴムが
コールドフローを起す傾向がある。 本発明のポリブタジエンゴム組成物を製造する
方法に特に制限はない。製造方法の例としては、
高シス−1,4−ポリブタジエンを高収率で生成
させる重合触媒、シンジオタクチツク−1,2−
ポリブタジエンを生成させる重合触媒、および分
子量調節剤を適宜選択して、特性の異つたポリマ
ーを個別に調製してブレンドして製造する方法を
挙げることができる。あるいは、上記触媒および
分子量調節剤を重合反応系に添加して連続的に製
造し、これに必要量の低分子量のポリブタジエン
を配合する方法などを挙げることができる。 高シス−1,4−ポリブタジエンを生成する触
媒(以下単に「1,4重合触媒」と記載すること
もある)は、公知のものを適宜使用することがで
きる。このような触媒の例としては、チーグラ
ー・ナツタ触媒(例、ジエチルアルミニウムクロ
ライド・コバル系、トリエチルアルミニウム・三
フツ化ホウ素・ニツケル系、トリエチルアルミニ
ウム・四ヨウ化チタン系など)およびランタン系
列希土類元素系の触媒(例、トリエチルアルミニ
ウム・有機酸ネオジム・ルイス酸系など)などを
挙げることができる。 シンジオタクチツク−1,2−ポリブタジエン
を生成する重合触媒(以下、単に「シンジオ触
媒」と記載することもある)もまた公知のものを
使用することができる。この触媒の例としては、
可溶性コバルト(例、コバルトオクテート、コバ
ルトナフテネート、コバルトベンゾエートなど)
有機アルミニウム化合物(例、トリメリルアルミ
ニウム、トリエチルアルミニウム、トリブチルア
ルミニウム、トリフエニルアルミニウムなど)お
よび二硫化炭素よりなる触媒などを挙げることが
できる。なお、このシンジオ触媒は、上記のもの
以外にも特公昭47−19892号公報および特公昭47
−19893号公報に記載されているもの等を使用す
ることができる。 また、低分子量のポリブタジエンは、分子量調
節剤と、たとえば1,4重合触媒のような触媒と
を組合せて使用して生成させることができる。 使用する分子量調節剤に特に制限はない。分子
量調節剤の例としては、1,5−シクロオクタジ
エン、アレンなどの非共役ジエン類またはα−オ
レフイン類などを挙げることができ、これらを単
独であるいは混合して使用することができる。 なお、本発明のポリブタジエンゴム組成物に含
まれる高シス−1,4−ポリブタジエン、シンジ
オタクチツク、−1,2−ポリブタジエンおよび
低分子量のポリブタジエン(高シス−1,4−ポ
リブタジエン)の製造の際の反応温度、反応溶媒
などの反応条件などは公知の方法に従つて適宜設
定することができる。 本発明のポリブタジエンゴム組成物を製造する
具体的な方法の例としては、 1,4−重合触媒を使用して比較的高い分子
量の高シス−1,4−ポリブタジエンを製造
し、次いでこの反応系にシンジオ触媒を投入し
てシンジオタクチツク−1,2−ポリブタジエ
ンを連続的に製造し、このポリブタジエンと、
予め調製した低分子量成分を含む高シス−1,
4−ポリブタジエンを溶液ブレンドあるいはド
ライブレンドする方法、 1,4重合触媒を使用して比較的高い分子量
の高シス−1,4−ポリブタジエンを製造し、
次いでこの反応系にシンジオ触媒を投入してシ
ンジオタクチツク−1,2−ポリブタジエンを
連続的に製造し、このポリブタジエンと予め調
製した低分子量のポリブタジエンとを溶液ブレ
ンドあるいはドライブレンドする方法、 低分子量のポリブタジエンを製造し、次いで
この反応溶液にシンジオ触媒を投入してシンジ
オタクチツク−1,2−ポリブタジエン構造を
も製造して、予め調製した高シス−1,4−ポ
リブタジエンを溶液ブレンドあるいはドライブ
レンドする方法、 低分子量のポリブタジエン、シンジオタクチ
ツク−1,2−ポリブタジエンおよび高シス−
1,4−ポリブタジエンをそれぞれ個別に製造
して反応溶液と共にブレンドする方法、 重合触媒を選択して重合を行なうかセメント
ブレンドすることによりシンジオタクチツク−
1,2−ポリブタジエンと一部の高シス−1,
4−ポリブタジエンとを混合状態にして、高シ
ス−1,4−ポリブタジエンの残部をドライブ
レンドする方法、および 分子量調節剤の量を調整しながら1,4重合
触媒を用いて低分子量のポリブタジエンを含む
高シス−1,4−ポリブタジエンを連続的に製
造し、次いでこの重合反応系にシンジオ触媒を
投入して特定量のシンジオタクチツク−1,2
−ポリブタジエンを製造し、予め調製した低分
子量のポリブタジエンを所定量となるまで添加
してブレンドする方法などを挙げることができ
る。 このようにして調製されるポリブタジエンゴム
には、通常使用されている添加剤(例、老化防止
剤など)を含有することができる。 タイヤの製造においては、このようにして製造
されたポリブタジエンゴムは、通常、カーボンブ
ラツク、プロセスオイル、滑剤、老化防止剤、加
硫促進剤および加硫剤など通常の配合剤が加えら
れてポリブタジエンゴム配合物となる。そして、
このようにして調製された配合物は、常法に従つ
て押し出し加工され、更に成形された後、加熱加
硫される。 なお、本発明のポリブタジエンゴム組成物は、
タイヤのサイドウオールのみならず他のものに使
用することもできることは勿論である。 次に本発明の実施例および比較例を示す。 なお、本発明のポリブタジエンゴム組成物およ
び比較例のポリブタジエンゴム組成物についての
各種測定は、次のようにして行なつた。 分子量の測定 GPC(ゲルパーエミツシヨンクロマログラフ
イ)を利用し、予め標準ポリスチレン(東洋曹達
(株)製)を用いて作成した検量線から算出したポリ
スチレン換算値を分子量とした。 また、ポリスチレン換算重量平均分子量は上記
のようにして得た換算値より算出した。 装置:HLC−802A型(東洋曹達(株)製) カラム:GMH6000、二本直列 検出器:屈折計 溶離液:テトラヒドロフラン 流量:1.0ml/分 測定温度:カラム槽40℃、検出器40℃ サンプル濃度:0.0025g/100ml サンプル注入量:0.5ml 固有粘度 試料をトルエンに溶解してキヤノンフエンスケ
粘度計を用いて30℃にて測定した。 ミクロ構造 試料を赤外線吸収スペクトル法(モレロ法)に
より測定して決定した。 還元比粘度 沸騰n−ヘキサン不溶分0.2gを100c.c.のテトラ
リンに溶解して、130℃の温度にてウベローデ粘
度計を使用して測定した。 動的粘性率 コーンプレート型レオメータ(岩本製作所製)
を用いて温度100℃、角周波数5×10-3ラジア
ン/秒にて測定した。この値はポリブタジエンゴ
ム配合物のコールドフロー性を示唆するものであ
る。動的粘性率が小さいほどコールドフローし易
いことを示す。 ムーニ粘度 JIS−K−6300に規定されている測定法に従つ
て測定した。 ダイスウエル比 ポリブタジエンゴム配合物のダイスウエル比
は、キヤピラリーレオメータ(インテスコ社製)
を用いて温度100℃、ダイL/D=2mm/1mm、
剪断速度60sec-1にて測定した。 引張弾性率および硬さ 加硫物の引張弾性率および硬度は、JIS−K−
6301に規定されている規定法に従つて測定した。 耐屈曲亀裂成長(指数) 加硫物の耐屈曲亀裂成長(指数)は、2mmの亀
裂が15mmに成長する程度をJISK−6301に規定さ
れている測定法に従つて測定した。 また、本発明の実施例および比較例で使用した
ポリマーA乃至Hは、以下に記載する方法で製造
した。これらのうちポリマーA〜Dは、沸騰n−
ヘキサン不溶分(実質的にシンジオタクチツク−
1,2−ポリブタジエンに相当する)を含む高シ
ス−1,4−ポリブタジエンである。ポリマーE
〜Hは、ほぼ沸騰n−ヘキサン可溶分(実質的に
高シス−1,4−ポリブタジエンに相当する)の
みからなるものであるが、この内ポリマーHは低
分子の高シス−1,4−ポリブタジエンを比較的
多量含むものである。 ポリマーA 空気を窒素ガスで置換した容量2のオートク
レーブに脱水ベンゼン608gに1,3−ブタジエ
ン192gを溶解した溶液を入れ、さらに水2.2ミリ
モルを加えて30分間撹拌を行なつた。この混合溶
液の液温を40℃に調節して、この溶液にジエチル
ラジアルタイヤクロライド4.2ミリモル、コバル
トオクトエート0.015ミリモルおよび1,5−シ
クロオクタジエン11ミリモルを加えて25分間撹拌
を行ないブタジエンのシス−1,4重合を実施し
た。この段階でのポリマーの固有粘度[η]は
1.8であつた。 シス−1,4重合終了後、直ちに重合反応液に
トリエチルアルミニウム4.4ミリモル、二硫化炭
素0.2ミリモルおよびコバルトオクトエート0.049
ミリモルを加えて、この重合反応液の液温を40℃
に調節して25分間撹拌を行ない、シンジオタクチ
ツク−1,2重合を実施した。 反応の停止は、2,4−ジターシヤルブチル−
p−クレゾール0.5gを5mlのメタノール・ベン
ゼン混合液(50:50)に溶かした溶液を加えて行
なつた。 ポリマーを常法に従つて反応溶液から分離し、
以下に記載する事項について測定を行なつた。 得られたポリマーのムーニ粘度は、50(ML1+4
100℃、以下同様)沸騰n−ヘキサン不溶分は12
%であつた。残りの沸騰n−ヘキサン可溶分の固
有粘度[η]は、1.8であり、シス−1,4構造
は96.9%であつた。 ポリマーB シス−1,4重合の際の1,5−ジシクロオク
タジエンの量を9ミリモルとした以外はポリマー
Aの場合と同様に操作してポリマーBを製造し
た。 このポリマーBのムーニ粘度は、62、沸騰n−
ヘキサン不溶分は12.1%であつた。残りの沸騰n
−ヘキサン可溶分の固有粘度[η]は、2.0であ
り、シス1,4構造は97.1%であつた。 ポリマーC シス1,4重合の際の1,5−シクロオクタジ
エンの量を9ミリモルとし、シンジオ−1,2重
合の際のコバルトオクトエートの量を0.23ミリモ
ルとした以外はポリマーAの場合と同様に操作し
てポリマーCを製造した。 このポリマーCのムーニ粘度は、51、沸騰n−
ヘキサン不溶分は6.0%であつた。残りの沸騰n
−ヘキサン可溶分の固有粘度[η]は、2.0であ
り、シス1,4構造は96.8%であつた。 ポリマーD シス1,4重合の際の1,5−シクロオクタジ
エンの量を9ミリモルとし、シンジオ−1,2重
合の際のコバルトオクトエートの量を0.11ミリモ
ルとした以外はポリマーAの場合と同様に操作し
てポリマーDを製造した。 このポリマーDのムーニ粘度は、80、沸騰n−
ヘキサン不溶分は24.0%であつた。残りの沸騰n
−ヘキサン可溶分の固有粘度[η]は、2.0であ
り、シス−1,4構造は96.9%であつた。 ポリマーE 内部の空気を窒素ガスで置換した容量2のオ
ートクレーブに、脱水ベンゼン608gに1,3−
ブタジエン192gを溶解した溶液を入れ、さらに
水2.2ミリモルを加えて30分間撹拌を行なつた。
次いでこの混合溶液の液温を40℃に調節して、こ
の溶液にジエチルアルミニウムクロライド4.2ミ
リモル、コバルトオクトエート0.015ミリモルお
よび1,5−シクロオクタジエン7ミリモルを加
えて25分間撹拌を行ない、ブタジエンのシス−
1,4重合を実施した。 反応の停止は、2,5−ジターシヤルブチル−
p−クレゾール0.5gを5mlのメタノール・ベン
ゼン混合液(50:50)に溶かした溶液を加えて行
なつた。 ポリマーを常法に従つて反応溶液から分離し、
以下に記載する事項について測定を行なつた。 得られたポリマーEのムーニ粘度は、83であつ
た。またポリマーEは実質的に全て沸騰n−ヘキ
サンに溶解し、その固有粘度[η]は、3.1であ
つた。このポリマーEはシス−1,4構造が97.1
%であつた。 ポリマーF シス1,4−重合の際の1,5−シクロオクタ
ジエンの量を7.5ミリモルとした以外はポリマー
Eの場合と同様に操作してポリマーFを製造し
た。 このポリマーFのムーニ粘度は、72であつた。
またポリマーFは実質的に全て沸騰n−ヘキサン
に溶解し、その固有粘度[η]は、2.8であつた。
ポリマーFのシス−1,4構造は97.0%であつ
た。 ポリマーG シス−1,4重合の際の1,5−シクロオクタ
ジエンの量を9ミリモルとした以外はポリマーE
の場合と同様に操作してポリマーGを製造した。 このポリマーGのムーニ粘度は、40であつた。
また、ポリマーGは実質的にすべて沸騰n−ヘキ
サンに溶解し、その固有粘度[η]は、2.0であ
つた。ポリマーGのシス−1,4−構造は96.9%
であつた。 ポリマーH シス−1,4重合の際の1,5−シクロオクタ
ジエンの量を80ミリモルとした以外はポリマーE
の場合と同様に操作してポリマーHを製造した。 このポリマーHは、液状であつた。またポリマ
ーHは実質的に全て沸騰n−ヘキサンに溶解し、
その固有粘度[η]は、0.45であつた。ポリマー
Hのシス−1,4構造は94.8%であつた。 このようにして製造したポリマーを以下に示す
実施例および比較例に示す割合でブレンドし、溶
剤を除去した後、乾燥してポリブタジエンゴムを
調製した。このポリブタジエンゴムに以下に示す
配合表に従つて配合を行ないポリブタジエンゴム
配合物を調製し、このポリブタジエンゴム配合物
を150℃の加熱温度で45分間加熱プレスを行ない
加硫物を得た。 配合表配合物 配合比(重量部) ポリブタジエンゴム 100 FEFカーボン 45 アロマテイツクオイル 10 亜鉛華一号 3 ステアリン酸 2 老化防止剤*1 1 加硫促進剤*2 1 硫黄 1.5 註)*1:(N−フエニル−N−イソプロピル
−p−フエニレンジアミン) *2:(N−シクロヘキシル−2−ベンゾ
チアゾールスルフエンアマイド、 [実施例 1] 上記のポリマーA50部、ポリマーF25部および
ポリマーH25部をブレンドして溶剤除去、乾燥を
行ないポリブタジエンゴムを得た。 得られたポリブタジエンゴムの沸騰n−ヘキサ
ン不溶分は6%、この不溶分の還元比粘度は2.3
であつた。また、沸騰n−ヘキサン可溶分のポリ
スチレン換算重量平均分子量は36.8×104、分子
量5万以下の沸騰n−ヘキサン可溶分は18%であ
つた。 得られたポリブタジエンゴムのムーニ粘度は26
であり動的粘度率は2.3×107poiseであり良好で
あつた。 ポリブタジエンゴム配合物(未加硫物)のムー
ニ粘度もまた29であり、良好であつた。 さらに、加硫物の硬度も56であり、良好であつ
た。 第1表にポリブタジエンゴム配合物(未加硫
物)のダイスウエル比(断面積比)、加硫物の100
%および300%引張弾性率および耐屈曲亀裂成長
指数を示す。 [実施例 2] 実施例1において、ポリマーB50部、ポリマー
F25部およびポリマーH25部とした以外は同様に
操作してポリブタジエンゴムを製造した。 得られたポリブタジエンゴムの沸騰n−ヘキサ
ン不溶分は6%、この不溶分の還元比粘度は2.2
であつた。また、沸騰n−ヘキサン可溶分のポリ
スチレン換算重量平均分子量は40.5×104、分子
量5万以下の沸騰n−ヘキサン可溶分は17.5%で
あつた。また、このムーニ粘度は32、動的粘性率
は2.5×107poiseであり良好であつた。 ポリブタジエンゴム配合物(未加硫物)のムー
ニ粘度も34であり、良好であつた。 さらに、加硫物の硬度も57であり、良好であつ
た。 第1表にポリブタジエンゴム配合物(未加硫
物)のダイスウエル比(断面積比)、加硫物の100
%および300%引張弾性率および耐屈曲亀裂成長
指数を示す。 [実施例 3] 実施例1において、ポリマーE50部、ポリマー
E28部およびポリマーH22部とした以外は同様に
操作してポリブタジエンゴムを製造した。 得られたポリブタジエンゴムの沸騰n−ヘキサ
ン不溶分は6%、この不溶分の還元比粘度は2.2
であつた。また、沸騰n−ヘキサン可溶分のポリ
スチレン換算重量平均分子量は44.0×104、分子
量5万以下の沸騰n−ヘキサン可溶分は16.0%で
あつた。また、このムーニ粘度は36、動的粘性率
は2.8×107poiseであり良好であつた。 ポリブタジエンゴム配合物(未加硫物)のムー
ニ粘度もまた41であり、良好であつた。 さらに、加硫物の硬度も59であり、良好であつ
た。 第1表にポリブタジエンゴム配合物(未加硫
物)のダイスウエル比(断面積比)、加硫物の100
%および300%引張弾性率および耐屈曲亀裂成長
指数を示す。 [実施例 4] 実施例1において、ポリマーC50部、ポリマー
F25部およびポリマーH25部とした以外は同様に
操作してポリブタジエンゴムを製造した。 得られたポリブタジエンゴムの沸騰n−ヘキサ
ン不溶分は3%、この不溶分の還元比粘度は2.3
であつた。また、沸騰n−ヘキサン可溶分のポリ
スチレン換算重量平均分子量は40.8×104、分子
量5万以下の沸騰n−ヘキサン可溶分は18.0%で
あつた。また、このムーニ粘度は29、動的粘性率
は2.1×107poiseであり良好であつた。 ポリブタジエンゴム配合物(未加硫物)のムー
ニ粘度もまた33であり、良好であつた。 さらに、加硫物の硬度も54であり、良好であつ
た。 第1表にポリブタジエンゴム配合物(未加硫
物)のダイスウエル比(断面積比)、加硫物の100
%および300%引張弾性率および耐屈曲亀裂成長
指数を示す。 [実施例 5] 実施例1において、ポリマーD50部、ポリマー
F25部およびポリマーH25部とした以外は同様に
操作してポリブタジエンゴムを製造した。 得られたポリブタジエンゴムの沸騰n−ヘキサ
ン不溶分は12%、この不溶分の還元比粘度は2.2
であつた。また、沸騰n−ヘキサン可溶分のポリ
スチレン換算重量平均分子量は41.0×104、分子
量5万以下の沸騰n−ヘキサン可溶分は17.0%で
あつた。また、このムーニ粘度は40、動的粘性率
は3.5×107poiseであり良好であつた。 ポリブタジエンゴム配合物(未加硫物)のムー
ニ粘度もまた44であり、良好であつた。 さらに、加硫物の硬度も62であり、良好であつ
た。 第1表にポリブタジエンゴム配合物(未加硫
物)のダイスウエル比(断面積比)、加硫物の100
%および300%引張弾性率および耐屈曲亀裂成長
指数を示す。 [実施例 6] 実施例1において、ポリマーB50部、ポリマー
E15部およびポリマーH35部とした以外は同様に
操作してポリブタジエンゴムを製造した。 得られたポリブタジエンゴムの沸騰n−ヘキサ
ン不溶分は6%、この不溶分の還元比粘度は2.2
であつた。また、沸騰n−ヘキサン可溶分のポリ
スチレン換算重量平均分子量は32.0×104、分子
量5万以下の沸騰n−ヘキサン可溶分は25.0%で
あつた。また、このムーニ粘度は22、動的粘性率
は2.0×107poiseであり良好であつた。 ポリブタジエンゴム配合物(未加硫物)のムー
ニ粘度もまた25であり、良好であつた。 さらに、加硫物の硬度も55であり、良好であつ
た。 第1表にポリブタジエンゴム配合物(未加硫
物)のダイスウエル比(断面積比)、加硫物の100
%および300%引張弾性率および耐屈曲亀裂成長
指数を示す。 [比較例 1] 実施例1において、ポリマーF25部、ポリマー
D50部およびポリマーH25部とした以外は同様に
操作してポリブタジエンゴムを製造した。 得られたポリブタジエンゴムは実質的に全て沸
騰n−ヘキサンに溶解した。このゴムのポリスチ
レン換算重量平均分子量は40.8×104、分子量5
万以下の沸騰n−ヘキサン可溶分は、18.0%であ
つた。また、ムーニ粘度は25、動的粘性率は1.7
×107poiseであつた。 ポリブタジエンゴム配合物(未加硫物)のムー
ニ粘度は28であつた。 さらに、加硫物の硬度は50であつた。 第1表にポリブタジエンゴム配合物(未加硫
物)のダイスウエル比(断面積比)、加硫物の100
%および300%引張弾性率および耐屈曲亀裂成長
指数を示す。 [比較例 2] 市販のポリブタジエンゴム(UBEPOL
VCR412、宇部興産(株)製)を用いて実施例1と同
様に測定を行なつた。このポリブタジエンゴムは
特公昭49−17666号公報に準じて製造されたもの
である。このポリブタジエンの沸騰n−ヘキサン
不溶分は12%であり、不溶分の還元比粘度は2.1
であつた。また沸騰n−ヘキサン可溶分のポリス
チレン換算重量平均分子量は37.5×104、分子量
5万以下の沸騰n−ヘキサン可溶分は、4.5%で
あつた。このムーニ粘度は46、動的粘性率は6.4
×107poiseであつた。 ポリブタジエンゴム配合物(未加硫物)のムー
ニ粘度は54であつた。 さらに、加硫物の硬度は68であつた。 第1表にポリブタジエンゴム配合物(未加硫
物)のダイスウエル比(断面積比)、加硫物の100
%および300%引張弾性率および耐屈曲亀裂成長
指数を示す。 [比較例 3] 市販のポリブタジエンゴム(UBEPOL
BR150、宇部興産(株)製)を用いて実施例1と同
様に測定を行なつた。このポリブタジエンゴム
は、高シス−1,4−ポリブタジエンを主成分と
するポリブタジエンゴムである。このポリブタジ
エンゴムは実質的に全て沸騰n−ヘキサンに溶解
した。このゴムのポリスチレン換算重量平均分子
量は51.0×104、分子量5万以下の沸騰n−ヘキ
サン可溶分は4.0%であつた。また、このムーニ
粘度は43、動的粘性率は3.0×107poiseであつた。 ポリブタジエンゴム配合物(未加硫物)のムー
ニ粘度は46であつた。 さらに、加硫物の硬度は57であつた。 第1表にポリブタジエンゴム配合物(未加硫
物)のダイスウエル比(断面積比)、加硫物の100
%および300%引張弾性率および耐屈曲亀裂成長
指数を示す。
【表】 本発明のポリブタジエンゴム組成物は、加硫物
の引張弾性率が、たとえば100%引張弾性率にお
いて19〜27Kg/cm2の値を示し、タイヤのサイドウ
オールとして好適である。さらに耐屈曲亀裂成長
指数440〜560と非常に高い値を示し良好である。 また、ポリブタジエンゴム配合物のダイスウエ
ル比も1.22〜1.68の範囲であり優れた押し出し加
工性を示している。 そして、ポリブタジエンゴムのムーニ粘度、動
的粘性率、ポリブタジエンゴムの配合物のムーニ
粘度および加硫物の硬さなどの他の物性には悪影
響を及ぼしていないことが確認された。 これらに比較して比較例1は、引張弾性率が低
すぎ、さらに耐屈曲亀裂成長指数も低い。また、
動的粘性率が低いのでゴム配合物がコールドブロ
ーし易く、硬度も充分ではない。 比較例2は配合物のダイスウエルおよび加硫物
の耐屈曲亀裂成長指数は好ましい範囲にあるが引
張弾性率が高すぎてサイドウオール用の素材とし
ては不適当である。 また、比較例3は、引張弾性率の値は好ましい
がダイスウエル比が高すぎ、さらには耐屈曲亀裂
成長指数が著しく低い。 このように本発明のポリブタジエンゴム組成物
は、ポリブタジエンゴムの優れた物性を維持しつ
つ、特にタイヤのサイドウオール用の素材として
必要な物性をも併せ持つた優れたポリブタジエン
ゴム組成物であることが確認された。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 還元比粘度(130℃における濃度0.2g/100
    c.c.・テトラリン溶液)が0.5〜4であるシンジオ
    タクチツク−1,2−ポリブタジエンを主成分と
    する沸騰n−ヘキサン不溶分1〜15重量%と、高
    シス−1,4−ポリブタジエンを主成分とするポ
    リスチレン換算重量平均分子量が30万〜80万の沸
    騰n−ヘキサン可溶分85〜99重量%とからなり、
    かつ該沸騰n−ヘキサン可溶分中にポリスチレン
    換算重量分子量5万以下の成分が9〜30重量%含
    まれていることを特徴とするポリブタジエンゴム
    組成物。
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