JP3369278B2 - ゴム組成物 - Google Patents

ゴム組成物

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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/80Technologies aiming to reduce greenhouse gasses emissions common to all road transportation technologies
    • Y02T10/86Optimisation of rolling resistance, e.g. weight reduction 

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  • Tires In General (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、新規なゴム組成物、特
に、空気入りタイヤのトレッド、サイドに好適に用いら
れるゴム組成物に関する。 【0002】 【従来の技術】近年、省エネルギー、省資源の社会的要
請のもと自動車の燃料消費を節約するためにタイヤの転
がり抵抗(ローリングレジスタンス、RR)を低減する
研究が重要となってきている。タイヤの転がり抵抗を小
さくすれば、自動車の燃料消費量が軽減され、いわゆる
低燃費タイヤとなることは一般に知られており、タイヤ
の転がり抵抗を小さくするにはトレッドゴムとしてヒス
テリシスロスの小さい材料を用いることが一般的であ
る。また、走行安定性の要求から、湿潤路面での摩擦抵
抗(ウエットスキッド抵抗)の大きいゴム材料も強く望
まれるようになってきた。しかしながら、これら低転が
り抵抗と湿潤路面での摩擦抵抗は、二律背反の関係があ
り、両特性をともに満足させることは非常に困難であっ
た。 【0003】最近、タイヤのウエットスキッド抵抗や転
がり抵抗とゴム組成物の粘弾性特性の対応付けが理論的
に示され、タイヤ走行時の転がり抵抗を小さくするには
トレッドゴムのヒステリシスロスを小さくする、すなわ
ち、粘弾性的にはタイヤが走行時使用される50〜70℃の
温度における損失係数(tanδ)を低くすることが低燃
費性に有効であることが示されている。一方、ウエット
スキッド抵抗性は、10〜20Hzの周波数下における
0℃付近の損失係数(tanδ)と良く相関することが知
られており、このため、タイヤのグリップ性能を改良す
るには0℃近辺の損失係数を大きくすることが必要であ
る。 【0004】ヒステリシスロスを減らす方法として高シ
スポリプタジエンゴムなどのガラス転移温度の低い材料
や天然ゴムのように反発弾性の高い材料を用いることが
一般的である。しかしながら、これらのゴムではウエッ
トスキッド抵抗が極端に低下することになり、走行安定
性と低転がり抵抗とを両立させることが著しく困難であ
った。 【0005】一方、シリカを配合することにより、ウエ
ットスキッド抵抗性が良くなることが知られているが、
シリカ配合の場合は、耐摩耗性及び耐破壊特性が低下す
る点に欠点がある。そこで、このシリカ配合における耐
摩耗性及び耐破壊特性の欠点等を解消するものとして
は、加硫調整シランカップリング剤を配合してなるシリ
カ配合ゴム組成物(本出願人が出願した特開昭61−4
742号公報)、ゴムに特定量のカーボンブラック、特
定量のシリカ及びシランカップリング剤を配合してなる
トレッドゴム組成物(特開平5−271477号公
報)、特定のシリカと特定のカーボンブラックと練りの
工夫で耐摩耗性、ウエットスキッド性能を向上させたタ
イヤトレッド用ゴム組成物及びその製造方法(ヨーロッ
パ特許501227号公報)などが知られている。 【0006】しかしながら、これらのゴム組成物にあっ
ては、押し出し工程の押し出し時にスウェルが大きく、
このスウェルが大きいとシュリンクも大きくなり、部材
寸法が不足しタイヤ成型の際の未加硫ゴムのジョイント
時に手修正が必要となる等、タイヤ成型の完全自動化の
大きな阻害要因となっている。また、このスウェルが空
気入りタイヤのユニフォーミティーを悪くする大きな原
因にもなっている。一方、スウェルが存在するため、正
確な部材精度を確保することが困難となっており、必要
以上の体積でゴム部材を押し出しているのが現状であ
る。従って、スウェルの小さいゴム組成物が得られれ
ば、より精度の高い部材押し出しが可能となり、タイヤ
の軽量化による自動車の低燃費化が可能となる。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、シリ
カ配合における従来の問題点を解決するものであり、耐
摩耗性、耐破壊特性及びウエットスキッド性能を低下さ
せることなく、tanδ(60℃)を小さくして低転が
り抵抗を維持乃至向上せしめて、加工性、特に、押し出
し特性を著しく向上させたゴム組成物を提供することに
ある。 【0008】 【課題を解決るための手段】本発明者らは、上記従来の
問題点を解決するべく鋭意検討の結果、特定量のシリカ
及び特定のポリブタジエンを特定量配合すれば上記の問
題点を解決でき、上記目的のゴム組成物を得ることに成
功し、本発明を完成するに至ったのである。すなわち、
本発明のゴム組成物は、天然ゴム及び/又はジエン系合
成ゴム100重量部に対して、シリカ10〜100重量
部と、融点120℃〜180℃のシンジオタクチック−
1,2−ポリブタジエン(以下、syn−1,2−PBと
略記する)2〜15重量部とを含有してなることを特徴
とする。 【0009】 【作用】本発明のゴム組成物は、天然ゴム及び/又はジ
エン系合成ゴムに対してシリカ及び上記特性を有するs
yn−1,2−PBを特定量配合することにより構成され
るものであり、上記シリカ及び上記特性を有するsyn
−1,2−PBが互いに相乗することにより初めて耐摩耗
性、耐破壊特性及びウエットスキッド性能を低下させる
ことなく、tanδ(60℃)を小さくして低転がり抵
抗を維持乃至向上せしめて、加工性、特に、押し出し特
性を著しく向上させることができるという新たな事実に
基づくものであり、それぞれの条件を部分的に満足して
も本発明の目的は達成されないものである。 【0010】以下、本発明の内容を説明する。本発明に
おけるゴム成分は、天然ゴム(NR)及び/又はジエン
系合成ゴムである。ジエン系合成ゴムとしては、例え
ば、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリブタジエ
ンゴム(BR)、ポリイソプレンゴム(IR)及びこれ
らの混合物等を使用することができる。 【0011】本発明で用いるシリカとしては、特に制限
がなく、従来から公知のものを広く使用でき、例えば、
乾式法による無水ケイ酸、湿式法による含水ケイ酸、合
成ケイ酸塩等を挙げることができる。また、シランカッ
プリングで表面処理したシリカ等も用いることができ
る。 【0012】本発明で用いるシリカの配合量は、上記ゴ
ム成分100重量部に対して、10〜100重量部、好
ましくは、30〜80重量部である。シリカの配合量が
10重量部未満であると、ウエットスキッド性能が低下
することとなり好ましくなく、100重量部を越える
と、耐摩耗性及び耐破壊特性が著しく劣り、また、加工
性も劣り好ましくない。 【0013】本発明で用いるsyn−1,2−PBは、ブ
タジエンを特定の触媒、添加剤及び重合条件で重合する
ことにより融点を調節することができる。本発明におい
て使用するsyn−1,2−PBの重合触媒としては、可
溶性コバルト、例えば、コバルトオクトエート、コバル
ト1ーナフテート、コバルトベンゾエート等と、有機ア
ルミニウム化合物、例えば、トリメチルアルミニウム、
トリエチルアルミニウム、トリブチルアルミニウム、ト
リフェニルアルミニウム等と、二硫化炭素からなる触媒
系等を挙げることができる。具体的な重合方法として
は、特公昭53−39917号、特公昭54−5436
号及び特公昭56−18005号の各公報記載の方法を
利用することができるが、本発明で使用するsyn−1,
2−PBの重合方法は、これらに記載の方法に特に限定
されるべきものではない。 【0014】本発明で用いるsyn−1,2−PBの融点
は、120〜180℃、好ましくは、130〜170℃
であることが必要である。融点が120℃未満である
と、tanδ(60℃)が悪化し、転がり抵抗を低減さ
せることができず、また、融点が180℃を越えると、
ゴム分の分散性が低下するため、耐摩耗性及び耐破壊特
性が低下し好ましくない。 【0015】syn−1,2−PBの配合量は、上記ゴム
分100重量部に対して、2〜15重量部、好ましく
は、2〜10重量部である。syn−1,2−PBの配合
量が2重量部未満であると、充分な加工性が得られず、
また、15重量部を越えて配合した場合には耐摩耗性及
び耐破壊特性が低下し、また、加工性も著しく低下し好
ましくない。 【0016】syn−1,2−PBは、天然ゴム(NR)
あるいは合成イソプレンゴム(IR)とsyn−1,2−
PBの融点以上で相溶し、完全相溶あるいは部分相溶し
て共加硫するため、ゴム分と強固に結合し、タイヤ使用
温度である室温から100℃では結晶を形成するため補
強効果を示す。そのため、syn−1,2−PBの結晶成
分とゴム分との相溶化、共加硫のために耐摩耗性及び耐
破壊特性が向上することとなり、この物性は、タイヤ用
トレッドゴム、タイヤ用サイドゴムとして最適なものと
なる。 【0017】本発明のゴム組成物において、必要により
用いるカーボンブラックとしては、特に制限がなく、具
体的には、ISAF、HAF、FEF等が例示できる。 【0018】本発明のゴム組成物は、上記ゴム成分、s
yn−1,2−PB、シリカ、必要により用いるカーボン
ブラック等を通常の加工装置、例えば、ロール、バンバ
リーミキサー、ニーダー等により混練することにより得
られる。本発明のゴム組成物は、プロセス油、カーボン
ブラック、その他の充填剤、酸化防止剤、オゾン劣化防
止剤、亜鉛華、ステアリン酸、加硫促進剤、加硫剤など
を配合して使用される。本発明のゴム組成物の加硫物
は、ウエットスキッド特性に優れており、かつ低発熱性
であるためタイヤ用トレッドゴムを始めとするタイヤ用
途に好適に使用される。さらに、タイヤ用途以外にも本
発明のゴム組成物の特徴を生かした工業用ゴム、例え
ば、耐熱性及びトラクションの良好な工業用ベルトとし
て使用することができる。 【0019】 【実施例】次に、実施例、比較例によって本発明を具体
的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定される
ものではない。 【0020】〔実施例1〜5及び比較例1〜7〕 (syn−1,2−PBの調製)以下のようにして実施例
及び比較例に用いる各種syn−1,2−PBを調製し
た。空気を窒素ガスで置換した容量2リットルのオート
クレーブに脱水ベンゼン760ccを入れ、1,3−ブタ
ジエン74gを溶解した。これに、コバルトオクトエー
ト1mmol(濃度1mmol/ccのベンゼン溶液を使用)を
加え、1分後にトリエチルアルミニウム2mmol(濃度
1mmol/ccのベンゼン溶液)を加え、撹拌し、次いで
1分後に下記表1に示す量のアセトンを添加した。1分
後に二硫化炭素0.6m mol(濃度0.3mmol/ccのベ
ンゼン溶液)を添加し、10℃で60分間撹拌して、
1,3−ブタジエンの重合を行った。 【0021】得られたsyn−1,2−PB生成液に、
2,4−ジターシャリーブチル−p−クレゾール0.7
5gを加えた。次いで、メタノール1000cc中に、s
yn−1,2−PB生成液を加え、syn−1,2−PBを析
出沈殿させた。このsyn−1,2−PBを更にメタノー
ルで洗浄し、メタノールをろ過した後、真空乾燥した。
得られたsyn−1,2−PBの融点を下記表1に併記す
る。 【0022】 【表1】 【0023】上記表1において、syn−1,2−PBサ
ンプルB、C、Dは本発明で規定する融点温度に合致す
るものであって、その他のA、Eは本発明で規定する融
点温度から外れた比較例となるサンプルである。 【0024】(タイヤトレッド用のゴム組成物の調製)
上記で調製した各種融点のsyn−1,2−PBを使用し
て下記表2及び3に示す配合割合にてタイヤトレッド用
のゴム組成物を調製し、各ゴム組成物をタイヤのトレッ
ドに使用して各種試験タイヤを作製して加工性、耐摩耗
性、破壊特性、tanδ(60℃)、RR及びウエット
スキッド性能を評価した結果を示す。上記各種試験タイ
ヤは、上記で調製した各ゴム組成物をタイヤのタイヤト
レッドに使用し、サイズ165SR13のタイヤを作製
した。 【0025】本実施例、比較例における各種判定は、下
記の方法に従い行った。 (1) 融点 セイコー(株)製の示差熱分析装置(DSC200)を
用いて、窒素流量20ml/minで20℃より10℃/min
の昇温速度にて測定した。 (2) 加工性 GOTTFERT製、RHEOGRAPH2000にて
測定した。底辺8mm、高さ2mmの二等辺三角形状の厚さ
2mmダイを使用し、100℃10mm/secで押し出し、
24時間放置した後、押し出し物の断面積を指数で表示
した。数値が大きい程、加工性(押し出し特性)が良好
なことを示す。 【0026】(3) 耐摩耗性 耐摩耗試験であるランボーン摩耗指数は、ランボーン摩
耗法により測定した。測定条件は、負荷荷重が4.5k
g、砥石の表面速度が100m/秒、試験速度が130m/
秒、スリップ率が30%、落砂量が20g/分、測定温度が
室温であった。数値が大きい程、耐摩耗性が良好なこと
を示す。 (4) 耐破壊特性 室温下で破断時の弾性率をJIS 6301に準拠して
測定した。数値が大きい程、耐破壊特性が良好なことを
示す。 (5) tanδ(60℃) 内部損失(tanδ)は、レオメトリクス社製、メカニカ
ルスペクトロメーターを用いて動的せん断ひずみが振幅
1.0%、振動15Hz、及び各測定温度で測定した。数値
が大きい程、tanδ(60℃)が良好なことを示す。 【0027】(6) 転がり抵抗(RR)指数 転がり抵抗指数は、外径1.7mのドラム上にタイヤを接
触させてドラムを回転させ、一定速度まで上昇後、ドラ
ム 行させて所定速度での慣性モーメントから算出した
値から下式によって評価した。(値が大きいほど転がり
抵抗が小) 【数1】 (7) 耐ウエットスキッド性能 湿潤路面の耐スキッド性(耐ウエットスキッド性)は、
水深3mmの湿潤コンクリート路面において80km/
hの速度から急制動し、車輪がロックされてから停止す
るまでの距離を測定し、下式によって試験タイヤの耐ウ
エットスキッド性を評価した。(値が大きいほど良
い。) 【数2】 【0028】 【表2】【0029】 【表3】【0030】〔上記表2及び表3の考察〕実施例1〜5
は、ゴム成分(天然ゴムとジエン系ゴム)100重量部
に対し、本発明範囲のシリカ及びsyn−1,2−PBを
配合したタイヤトレッド用ゴム組成物であり、耐摩耗
性、耐破壊特性及びウエットスキッド性能を低下させる
ことなく、tanδ(60℃)を小さくして低転がり抵
抗を維持乃至向上せしめて、加工性(押し出し特性)を
著しく向上させることができることが判明した。 【0031】これに対して、比較例1〜7は、本発明範
囲外となるシリカ及びsyn−1,2−PBを配合した場
合であり、比較例7は、コントロールである。比較例1
は、融点温度が低いsyn−1,2−PBを配合した場合
(110℃)であり、この場合は、耐摩耗性、耐破壊特
性及び転がり抵抗(RR)が劣ることが判った。比較例
2は、融点温度が高いsyn−1,2−PBを配合した場
合(200℃)であり、この場合は、耐摩耗性、耐破壊
特性及びtanδ(60℃)が劣ることが判った。比較
例3はsyn−1,2−PBの配合量が少ない場合(1重
量部)であり、この場合は、加工性及び転がり抵抗(R
R)が劣ることが判った。比較例4は、syn−1,2−
PBの配合量が多い場合(20重量部)であり、この場
合は、耐摩耗性及び耐破壊特性が劣ることが判った。比
較例5は、シリカの配合量が少ない場合(5重量部)で
あり、この場合は、転がり抵抗(RR)及びウエットス
キッド性能が劣ることが判った。比較例6は、シリカの
配合量が多い場合(110重量部)であり、この場合
は、加工性、耐摩耗性及び転がり抵抗(RR)が劣るこ
とが判った。 【0032】上記表2及び表3の結果から明らかなよう
に、本発明の条件を満足するシリカ及びsyn−1,2−
PBを配合して初めて耐摩耗性、耐破壊特性及びウエッ
トスキッド性能を低下させることなく、tanδ(60
℃)を小さくして低転がり抵抗を維持乃至向上せしめ
て、加工性、特に、押し出し特性を著しく向上させるこ
とができ、それぞれの各条件を部分的に満足しても本発
明の目的は達成されないことが判明した。 【0033】 【発明の効果】本発明によれば、耐摩耗性、耐破壊特性
及びウエットスキッド性能を低下させることなく、ta
nδ(60℃)を小さくして低転がり抵抗を維持乃至向
上せしめて、加工性、特に、押し出し特性を著しく向上
させたゴム組成物が提供される。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 7/00 C08L 9/00 C08K 3/36

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴム1
    00重量部に対して、シリカ10〜100重量部と、融
    点120℃〜180℃のシンジオタクチック−1,2−
    ポリブタジエン2〜15重量部とを含有してなるゴム組
    成物。
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