JPH07188467A - ゴム組成物 - Google Patents

ゴム組成物

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JPH07188467A
JPH07188467A JP5333474A JP33347493A JPH07188467A JP H07188467 A JPH07188467 A JP H07188467A JP 5333474 A JP5333474 A JP 5333474A JP 33347493 A JP33347493 A JP 33347493A JP H07188467 A JPH07188467 A JP H07188467A
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JP
Japan
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polybutadiene
cis
resistance
rubber
weight
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JP5333474A
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English (en)
Inventor
Hideaki Yokoyama
英明 横山
Tatsuro Hamada
達郎 濱田
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Bridgestone Corp
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Bridgestone Corp
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
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    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
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    • Y02T10/86Optimisation of rolling resistance, e.g. weight reduction 

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  • Tires In General (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐摩耗性、耐破壊特性及びウエットスキッド
性能を低下させることなく、tanδ(60℃)を小さ
くして低転がり抵抗を維持乃至向上せしめて、加工性を
著しく向上させたゴム組成物を提供する。 【構成】 シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエ
ンを3重量%以上含むシス1,4−ポリブタジエン混合
物20〜80重量部及び他のジエン系合成ゴム80〜2
0重量部と、上記シス1,4−ポリブタジエン及び他の
ジエン系合成ゴムの配合量の合計100重量部に対して
シリカ20〜100重量部とを含有してなるゴム組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なゴム組成物、特
に、空気入りタイヤのトレッド、サイドに好適に用いら
れるゴム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、省エネルギー、省資源の社会的要
請のもと自動車の燃料消費を節約するためにタイヤの転
がり抵抗(ローリングレジスタンス、RR)を低減する
研究が重要となってきている。タイヤの転がり抵抗を小
さくすれば、自動車の燃料消費量が軽減され、いわゆる
低燃費タイヤとなることは一般に知られており、タイヤ
の転がり抵抗を小さくするにはトレッドゴムとしてヒス
テリシスロスの小さい材料を用いることが一般的であ
る。また、走行安定性の要求から、湿潤路面での摩擦抵
抗(ウエットスキッド抵抗)の大きいゴム材料も強く望
まれるようになってきた。しかしながら、これら低転が
り抵抗と湿潤路面での摩擦抵抗は、二律背反の関係があ
り、両特性をともに満足させることは非常に困難であっ
た。
【0003】最近、タイヤのウエットスキッド抵抗や転
がり抵抗とゴム組成物の粘弾性特性の対応付けが理論的
に示され、タイヤ走行時の転がり抵抗を小さくするには
トレッドゴムのヒステリシスロスを小さくする、すなわ
ち、粘弾性的にはタイヤが走行時使用される50〜70℃の
温度における損失係数(tanδ)を低くすることが低燃
費性に有効であることが示されている。一方、ウエット
スキッド抵抗性は、10〜20Hzの周波数下における0℃付
近の損失係数(tanδ)と良く相関することが知られて
おり、このため、タイヤのグリップ性能を改良するには
0℃近辺の損失係数を大きくすることが必要である。
【0004】ヒステリシスロスを減らす方法として高シ
スポリプタジエンゴムなどのガラス転移温度の低い材料
や天然ゴムのように反発弾性の高い材料を用いることが
一般的である。しかしながら、これらのゴムではウエッ
トスキッド抵抗が極端に低下することになり、走行安定
性と低転がり抵抗とを両立させることが著しく困難であ
った。
【0005】一方、シリカを配合することにより、ウエ
ットスキッド抵抗性が良くなることが知られているが、
シリカ配合の場合は、耐摩耗性及び耐破壊特性が低下す
る点に欠点がある。そこで、このシリカ配合における耐
摩耗性及び耐破壊特性の欠点等を解消するものとして
は、加硫調整シランカップリング剤を配合してなるシリ
カ配合ゴム組成物(本出願人が出願した特開昭61−4
742号公報)、ゴムに特定量のカーボンブラック、特
定量のシリカ及びシランカップリング剤を配合してなる
トレッドゴム組成物(特開平5−271477号公
報)、特定のシリカと特定のカーボンブラックと練りの
工夫で耐摩耗性、ウエットスキッド性能を向上させたタ
イヤトレッド用ゴム組成物及びその製造方法(ヨーロッ
パ特許501227号公報)などが知られている。
【0006】しかしながら、これらのゴム組成物にあっ
ては、押し出し工程の押し出し時にスウェルが大きく、
このスウェルが大きいとシュリンクも大きくなり、部材
寸法が不足しタイヤ成型の際の未加硫ゴムのジョイント
時に手修正が必要となる等、タイヤ成型の完全自動化の
大きな阻害要因となっている。また、このスウェルが空
気入りタイヤのユニフォーミティーを悪くする大きな原
因にもなっている。一方、スウェルが存在するため、正
確な部材精度を確保することが困難となっており、必要
以上の体積でゴム部材を押し出しているのが現状であ
る。従って、スウェルの小さいゴム組成物が得られれ
ば、より精度の高い部材押し出しが可能となり、タイヤ
の軽量化による自動車の低燃費化が可能となる。
【0007】ところで、本出願人が出願した特開平4−
369533号公報には、分子量の異なる特定の物性を
有するポリブタジエンを2種以上ブレンドしたゴム組成
物により、スウェルを小さくした空気入りタイヤが知ら
れている。従って、本発明のゴム組成物とは、ポリブタ
ジエンの物性を特定した混合物を使用する点で近似する
ものであるが、本発明のゴム組成物は、シリカを配合す
ることによる問題点を効果的に解決しようとするもので
あり、上記特開平4−369533号公報に記載のもの
とは技術思想を異にするものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、シリ
カ配合における従来の問題点を解決するものであり、耐
摩耗性、耐破壊特性及びウエットスキッド性能を低下さ
せることなく、tanδ(60℃)を小さくして低転が
り抵抗を維持乃至向上せしめて、加工性、特に、押し出
し特性を著しく向上させたゴム組成物を提供することに
ある。
【0009】
【課題を解決るための手段】本発明者らは、上記従来の
問題点を解決するべく鋭意検討の結果、特定量のシリカ
及び特定のポリブタジエンを特定量配合すれば上記の問
題点を解決でき、上記目的のゴム組成物を得ることに成
功し、本発明を完成するに至ったのである。すなわち、
本発明のゴム組成物は、シンジオタクチック−1,2−
ポリブタジエンを3重量部以上含むシス1,4−ポリブ
タジエン混合物20〜80重量部及び他のジエン系合成
ゴム80〜20重量部と、上記シス1,4−ポリブタジ
エン及び他のジエン系合成ゴムの配合量の合計100重
量部に対してシリカ20〜100重量部とを含有してな
るものである。前記シス1,4−ポリブタジエンの分子
量分布MW/MNが2.6以下であり、25℃におけるト
ルエン中の溶液粘度(ηSP/c)が50以上であり、そ
の原料ムーニー粘度(ML1+4100℃)が20〜10
0の範囲にあることが好ましい。
【0010】
【作用】本発明のゴム組成物は、上記特性を有するsy
n−1,2−PBを特定量配合してなるシス1,4−ポリ
ブタジエン混合物、特定量のジエン系合成ゴム及びシリ
カを含有することにより構成されるものであり、上記シ
リカ及び上記特性を有するsyn−1,2−PBを特定量
配合してなるシス1,4−ポリブタジエン混合物が互い
に相乗することにより初めて耐摩耗性、耐破壊特性及び
ウエットスキッド性能を低下させることなく、tanδ
(60℃)を小さくして低転がり抵抗を維持乃至向上せ
しめて、加工性、特に、押し出し特性を著しく向上させ
ることができるという新たな事実に基づくものであり、
それぞれの条件を部分的に満足しても本発明の目的は達
成されないものである。上記シス1,4−ポリブタジエ
ンの分子量分布MW/MNを2.6以下とし、25℃にお
けるトルエン中の溶液粘度(ηSP/c)を50以上と
し、その原料ムーニー粘度(ML1+4100℃)を20
〜100の範囲に設定すれば、更に、加工性、特に、押
し出し特性を著しく向上させることができる。
【0011】以下、本発明の内容を説明する。本発明で
用いるシス1,4−ポリブタジエン混合物は、シンジオ
タクチック−1,2−ポリブタジエン(syn−1,2−
PB)、好ましくは、融点が130℃以上のsyn−1,
2−PBを3重量%以上含むことが必要である。融点が
130℃以上であると、更に、tanδ(60℃)が小
さくなり、転がり抵抗を低減させることができる。
【0012】上記syn−1,2−PBは、ブタジエンを
特定の触媒、添加剤及び重合条件で重合することにより
融点を調節することができる。本発明において使用する
syn−1,2−PBの重合触媒としては、可溶性コバル
ト、例えば、コバルトオクトエート、コバルト1ーナフ
テート、コバルトベンゾエート等と、有機アルミニウム
化合物、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチル
アルミニウム、トリブチルアルミニウム、トリフェニル
アルミニウム等と、二硫化炭素からなる触媒系等を挙げ
ることができる。具体的な重合方法としては、特公昭5
3−39917号、特公昭54−5436号及び特公昭
56−18005号の各公報記載の方法を利用すること
ができるが、本発明で使用するsyn−1,2−PBの重
合方法は、これらに記載の方法に特に限定されるべきも
のではない。
【0013】syn−1,2−PBの含有量は、シス1,
4−ポリブタジエン混合物に対して3重量%以上、好ま
しくは、3〜15重量%である。syn−1,2−PBの
含有量が3重量%未満であると、加工性を向上させるこ
とができず、スウェルも大きくなり好ましくない。本発
明で用いるシス1,4−ポリブタジエン混合物は、例え
ば、syn−1,2−PB及びシス1,4−ポリブタジエ
ンを、夫々別途に重合した後、ブレンドすることにより
調製することができる。
【0014】上記シス1,4−ポリブタジエンの分子量
分布MW/MNは、2.6以下に設定されることが好まし
く、この分子量分布MW/MNが2.6を越えると、加工
性を向上させることができず、スウェルも大きくなり好
ましくない。また、上記シス1,4−ポリブタジエンの
25℃におけるトルエン中の溶液粘度(η)は、50以
上、好ましくは、80以上に設定されることが好まし
く、この溶液粘度(η)が、50未満であると、加工性
を向上させることができず、スウェルも大きくなり好ま
しくない。さらに、上記シス1,4−ポリブタジエンの
原料ムーニー粘度(ML1+4100℃)を20〜100
の範囲に設定されることが好ましく、この原料ムーニー
粘度が20未満であると、耐摩耗性及び耐破壊特性が劣
り好ましくなく、また、原料ムーニー粘度が100を越
えると、加工性及び耐摩耗性が劣り好ましくない。
【0015】本発明において、シス1,4−ポリブタジ
エンと共に含有される他のジエン系ゴムとしては、天然
ゴム(NR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポ
リブタジエンゴム(BR)、ポリイソプレンゴム(I
R)及びこれらの混合物等を使用することができる。本
発明によるシス1,4−ポリブタジエン混合物20〜8
0重量部及び他のジエン系合成ゴム80〜20重量部に
限定したのは、本発明によるシス1,4−ポリブタジエ
ン混合物が20重量部より少ないと、加工性が悪化し、
また、80重量部より大きいと、耐破壊特性が劣ると共
に、加工性も悪化することとなる。
【0016】本発明で用いるシリカとしては、特に制限
がなく、従来から公知のものを広く使用でき、例えば、
乾式法による無水ケイ酸、湿式法による含水ケイ酸、合
成ケイ酸塩等を挙げることができる。また、シランカッ
プリングで表面処理したシリカ等も用いることができ
る。
【0017】本発明で用いるシリカの配合量は、上記ゴ
ム成分100重量部に対して、20〜100重量部、好
ましくは、30〜80重量部である。シリカの配合量が
20重量部未満であると、ウエットスキッド性能が低下
することとなり好ましくなく、100重量部を越える
と、耐摩耗性及び耐破壊特性が著しく劣り、また、加工
性も劣り好ましくない。
【0018】本発明のゴム組成物において、必要により
用いるカーボンブラックとしては、特に制限がなく、具
体的には、ISAF、HAF、FEF等が例示できる。
【0019】本発明のゴム組成物は、syn−1,2−P
B含有シス1,4−ポリブタジエン混合物、他のジエン
系合成ゴム、シリカ、必要により配合するカーボンブラ
ックを通常の加工装置、例えば、ロール、バンバリーミ
キサー、ニーダー等により混練することにより得られ
る。本発明のゴム組成物はプロセス油、カーボンブラッ
ク、その他の充填剤、酸化防止剤、オゾン劣化防止剤、
亜鉛華、ステアリン酸、加硫促進剤、加硫剤など配合し
て使用される。本発明のゴム組成物の加硫物は、ウエッ
トスキッド性能に優れており、かつ低発熱性であるた
め、トレッドゴムを始めとするタイヤ用途に好適に使用
される。さらに、タイヤ用途以外にも本発明のゴム組成
物の特徴を生かした工業用ゴム、例えば、耐熱性及びト
ラクションの良好な工業用ベルトとして使用することが
できる。
【0020】
【実施例】次に、実施例、比較例によって本発明を具体
的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定される
ものではない。
【0021】〔実施例1〜9及び比較例1〜5〕 (syn−1,2−PB含有シス1,4−ポリブタジエン
混合物の調製)内部を窒素ガスで置換した容量2リット
ルのオートクレーブに、1,3−ブタジエン192gを
脱水ベンゼン608gに溶解した溶液を仕込み、更に水
1.9mmolを加えて30分間撹拌した。
【0022】次いで、この溶液を50℃に昇温し、ジエ
チルアルミニウムクロライド3.1mmol、コバルトオク
トエート0.01mmol、及び1,5−シクロオクタジエ
ン8.5mmolを加えて撹拌を行い、1,3−ブタジエン
をシスー1,4重合した。30分経過後、重合溶液に、
シンジオタクチック1,2重合触媒としてトリエチルア
ルミニウム3.6mmol、二硫化炭素0.2mmol、及びコ
バルトオクトエート0.120mmolを加えて、温度を5
0℃に調節して30分間撹拌を行い、残余の1,3−ブ
タジエンをシンジオタクチック1,2重合した。
【0023】重合終了後、重合溶液に、2,4−ter
t−ブチル−p−クレゾ−ル0.5gをメタノール−ベ
ンゼン混合溶媒(50:50)に溶かした溶液を加え
て、重合反応を停止した。重合反応を停止した後、重合
溶液を常法に従って処理し、ポリブタジエンゴムを回収
し、実施例及び比較例で用いる各物性のシス1,4−ポ
リブタジエン混合物を調製した。得られた各1,4−ポ
リブタジエン混合物を下記表1に示す。
【0024】なお、1,4−ポリブタジエン混合物の溶
液粘度(η)、分子量分布(MW/MN)、原料ムーニー
粘度(ML1+4100℃)は、下記の方法により測定し
た。 イ.溶液粘度(η) 試料をトルエンに溶解してキャノンフェンスケ粘度計を
用いて30℃にて測定した。 ロ.分子量分布(MW/MN) 東洋曹達工業株式会社製 GPC・HLC802Aによ
り測定した。 カラム:GMHXL 検出器:屈折計 溶離液:テトラヒドロフラン 流 量:1.0ml/分 測定温度:カラム槽40℃、検出器40℃ サンプル濃度:0.1重量% サンプル注入量:0.2ml ハ.原料ムーニー粘度(ML1+4100℃) JIS K6300に準拠して測定した。予熱1分、測
定4分、温度100℃で測定した。
【0025】
【表1】
【0026】上記表1において、シス1,4−ポリブタ
ジエン混合物サンプルA、B、C、D、Fが本発明で定
義するシス1,4−ポリブタジエン混合物に合致するも
のであって、その他のE、G、Hはいずれかの条件が欠
けた比較例となるサンプルである。
【0027】(タイヤトレッド用のゴム組成物の調製)
上記で調製した各種のシス1,4−ポリブタジエン混合
物を使用して下記表2及び3に示す配合割合にてタイヤ
トレッド用のゴム組成物を調製し、各ゴム組成物をタイ
ヤのトレッドに使用して各種試験タイヤを作製して加工
性、耐摩耗性、破壊特性、tanδ(60℃)、転がり
抵抗(RR)及びウエットスキッド性能を評価した結果
を示す。上記各種試験タイヤは、上記で調製した各ゴム
組成物をタイヤのタイヤトレッドに使用し、サイズ16
5SR13のタイヤを作製した。
【0028】本実施例、比較例における各種判定は、下
記の方法に従い行った。 (1) 加工性 GOTTFERT製、RHEOGRAPH 2000にて測
定した。底辺8mm、高さ2mmの二等辺三角形状の厚さ2
mmダイを使用し、100℃10mm/secで押し出し、2
4時間放置した後、押し出し物の断面積を指数で表示し
た。数値が大きい程、加工性(押し出し特性)が良好な
ことを示す。
【0029】(2) 耐摩耗性 耐摩耗試験であるランボーン摩耗指数は、ランボーン摩
耗法により測定した。測定条件は、負荷荷重が4.5k
g、砥石の表面速度が100m/秒、試験速度が130m/
秒、スリップ率が30%、落砂量が20g/分、測定温度が
室温であった。数値が大きい程、耐摩耗性が良好なこと
を示す。 (3) 耐破壊特性 室温下で破断時の弾性率をJIS 6301に準拠して
測定した。数値が大きい程、耐破壊特性が良好なことを
示す。 (4) tanδ(60℃) 内部損失(tanδ)は、レオメトリクス社製、メカニカ
ルスペクトロメーターを用いて動的せん断ひずみが振幅
1.0%、振動15Hz、及び各測定温度で測定した。数値
が大きい程、tanδ(60℃)が良好なことを示す。
【0030】(5) 転がり抵抗(RR)指数 転がり抵抗指数は、外径1.7mのドラム上にタイヤを接
触させてドラムを回転させ、一定速度まで上昇後、ドラ
ム 行させて所定速度での慣性モーメントから算出した
値から下式によって評価した。(値が大きいほど転がり
抵抗が小さい)
【数1】 (6) 耐ウエットスキッド性能 湿潤路面の耐スキッド性(耐ウエットスキッド性)は、
水深3mmの湿潤コンクリート路面において80km/
hの速度から急制動し、車輪がロックされてから停止す
るまでの距離を測定し、下式によって試験タイヤの耐ウ
エットスキッド性を評価した。(値が大きいほど良
い。)
【数2】
【0031】
【表2】
【0032】
【表3】
【0033】〔上記表2及び表3の考察〕実施例1〜9
は、ゴム成分(ジエン系ゴムとシス1,4−ポリブタジ
エン混合物)100重量部に対し、本発明範囲のシリカ
を配合したタイヤトレッド用ゴム組成物であり、耐摩耗
性、耐破壊特性及びウエットスキッド性能を低下させる
ことなく、tanδ(60℃)を小さくして低転がり抵
抗を維持乃至向上せしめて、加工性(押し出し特性)を
著しく向上させることができることが判明した。
【0034】これに対して、比較例1〜5は、本発明範
囲外となるシス1,4−ポリブタジエン混合物及びシリ
カを配合した場合であり、比較例5は、コントロールで
ある。比較例1は、syn−1,2−PBの含有量が低い
場合(2.0重量%)であり、この場合は、耐摩耗性、
耐破壊特性及びウエットスキッド性能が劣り、tanδ
(60℃)も大きく転がり抵抗も劣ることが判った。比
較例2は、シリカの配合量が少ない場合(10重量部)
であり、この場合は、tanδ(60℃)も大きく転が
り抵抗及び加工性も劣ることが判った。比較例3は、シ
リカの配合量が大きい場合(120重量部)であり、こ
の場合は、耐摩耗性及び耐破壊特性が劣ることが判っ
た。比較例4は、シス1,4−ポリブタジエン混合物の
配合量が少ない場合(10重量部)であり、この場合
は、加工性、耐摩耗性及び転がり抵抗(RR)が劣るこ
とが判った。
【0035】上記表2及び表3の結果から明らかなよう
に、本発明の条件を満足するシス1,4−ポリブタジエ
ン混合物及びシリカを配合して初めて耐摩耗性、耐破壊
特性及びウエットスキッド性能を低下させることなく、
tanδ(60℃)を小さくして低転がり抵抗を維持乃
至向上せしめて、加工性(押し出し特性)を著しく向上
させることができ、それぞれの各条件を部分的に満足し
ても本発明の目的は達成されないことが判明した。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、耐摩耗性、耐破壊特性
及びウエットスキッド性能を低下させることなく、ta
nδ(60℃)を小さくして低転がり抵抗を維持乃至向
上せしめて、加工性を著しく向上させたゴム組成物が提
供される。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シンジオタクチック−1,2−ポリブタ
    ジエンを3重量%以上含むシス1,4−ポリブタジエン
    混合物20〜80重量部及び他のジエン系合成ゴム80
    〜20重量部と、上記シス1,4−ポリブタジエン及び
    他のジエン系合成ゴムの配合量の合計100重量部に対
    してシリカ20〜100重量部とを含有してなるゴム組
    成物。
  2. 【請求項2】 前記シス1,4−ポリブタジエンの分子
    量分布MW/MNが2.6以下であり、25℃におけるト
    ルエン中の溶液粘度(η)が50以上であり、その原料
    ムーニー粘度(ML1+4100℃)が20〜100の範
    囲にある請求項1記載のゴム組成物。
JP5333474A 1993-12-27 1993-12-27 ゴム組成物 Pending JPH07188467A (ja)

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