JP2015038222A - CrもしくはMoが基になった触媒系を用いてシンジオタクテック1,2−ポリブタジエンとゴム状弾性重合体のブレンド物を製造する方法 - Google Patents

CrもしくはMoが基になった触媒系を用いてシンジオタクテック1,2−ポリブタジエンとゴム状弾性重合体のブレンド物を製造する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】シンジオタクテック1,2−ポリブタジエン(s−PBD)とゴム状弾性重合体のブレンド物を製造する簡潔で商業的に実行可能な方法の提供。【解決手段】ハイドロジエンホスファイトをCr含有化合物および有機マグネシウム化合物とか或はMo含有化合物及び有機アルミニウム化合物と組み合わせることで生じさせた触媒組成物を用いて、1,3−ブタジエン単量体を少なくとも1種のゴム状弾性重合体のゴムセメント内で重合させることでs−PBDを生じさせることを包含する方法を用いて、s−PBDとゴム状弾性重合体のブレンド物を製造する方法。【選択図】なし

Description

本発明はシンジオタクテック(syndiotactic)1,2−ポリブタジエンとゴム状弾性重合体(rubbery elastomers)のブレンド物(blends)を製造する方法、より詳細には、CrもしくはMoが基になった触媒組成物を用いて1,3−ブタジエンをゴムセメント(rubber cement)内で重合させることによりシンジオタクテック1,2−ポリブタジエンを生成させることを包含する方法に向けたものである。
シンジオタクテック1,2−ポリブタジエン(本明細書では以降「s−PBD」)は、側鎖であるビニル基が主重合体鎖の相対する側に交互に位置する立体規則性構造を有する結晶性で熱可塑性の樹脂である。これは、プラスチックとゴムの両方の特性を示し、従って数多くの用途を有する。例えば、s−PBDを用いてフィルム、繊維およびいろいろな成形品を製造することができる。またこれを天然および合成ゴムにブレンドして一緒に硬化させることも可能である。
s−PBDの製造は溶液、乳化または懸濁重合で実施可能である。s−PBDが示す溶融温度は一般に約195から約215℃の範囲内であるが、加工性を考慮すると、一般に約195℃未満の溶融温度が望ましい。
s−PBDは通常の溶媒に通常の重合温度で不溶なことから、それを合成する時の共通した技術的困難さは、商業的に望ましい重合体濃度である10から25重量%の濃度にした時に重合混合物が極めて濃密なスラリーになる点にある。このようにスラリーが濃密であると撹拌および移送が困難になり、それによって、伝熱効率が減少しかつ適切な工程制御が邪魔される。また、そのようなスラリーは不溶な重合体が邪魔板、撹拌機の羽、撹拌機の軸および重合反応槽の壁に望ましくない蓄積をすることが原因で反応槽の汚れの一因になる。反応槽を定期的に洗浄する必要があり、その結果として、連続工程の場合には頻繁に中断する必要があり、そしてバッチ方法の場合には稼働時間に重大な制限が生じ、その汚れた反応槽を洗浄するのは一般に困難でありかつ時間を消費する。このような欠点は生産性および運転費用に有害な影響を与える。このように反応槽が頻繁に汚れると言った問題のないs−PBD合成方法を開発することができれば、これは望ましいことである。
s−PBDの製造ではCo、Ti、V、CrおよびMoが基になった遷移金属触媒系が報告されている。しかしながら、そのような触媒系は大部分がほとんどか或は全く実用性を有しない、と言うのは、それらは触媒活性が低いか或は立体選択性が劣りそしてある場合には商業的用途に適切でない低い分子量の重合体または部分的に架橋した重合体がもたらされるからである。
商業的規模のs−PBD製造ではCoが基になった下記の触媒系が知られている:(1)ビス(アセチルアセトン)コバルト、トリエチルアルミニウム、水およびトリフェニルホスフィンを含有する触媒系(米国特許第3,498,963号および4,182,813号)、そして(2)トリス(アセチルアセトネート)コバルト、トリエチルアルミニウムおよびCS2を含有する触媒系(米国特許第3,778,424号)。このようなCoが基になった触媒系は重大な欠点を有する。
前記1番目のCo触媒系を用いると非常に低い結晶度を示すs−PBDがもたらされる
。また、このような触媒系が充分な触媒活性を示すのは、ハロゲン置換炭化水素溶媒を重合用媒体として用いた時のみであり、ハロゲン置換溶媒は毒性に問題がある。
前記2番目のCo触媒系ではCS2が触媒成分の1つとして用いられている。CS2は低い引火点を示し、不快な臭いを発し、高い揮発性を示しかつ毒性があることから、これの使用は困難かつ危険であり、それが僅かな量でも大気の中に入り込まないように高価な安全手段を取る必要がある。その上、そのようなCo触媒系を用いて製造されたs−PBDは約200から210℃の非常に高い溶融温度を示すことから、このような重合体は加工が困難である。触媒改質剤を4番目の触媒成分として用いることにより、前記Co触媒系を用いて製造したs−PBDの溶融温度を下げることは可能であるが、そのような触媒改質剤を存在させると触媒活性および重合体収率が悪影響を受ける。
ゴム状弾性重合体に結晶性重合体をブレンドすることにより、その物性を向上させることができる。例えば、タイヤ支持用カーカスで用いられるゴム組成物にs−PBDを添加するとそのような組成物から製造された構成要素の生強度(green strength)が大きく向上する。また、タイヤ踏み面用組成物にs−PBDを添加するとタイヤの熱蓄積が低下しかつ摩耗特性が向上し得る。また、シス−1,4−ポリブタジエンの如き合成ゴムにs−PBDを少量添加するとその生強度が向上し得る。
結晶性重合体とゴム状弾性重合体のブレンド物の調製は典型的に標準的混合技術で行われている。そのようなブレンド物の調製は、例えば、一般に公知の混合装置を用いて結晶性重合体とゴム状弾性重合体を混合もしくは混練りしそして熱処理を行うことで実施され得る。そのように温度が高い混合手順は特定の欠点を有する可能性があり、そのような欠点には、加工費用が高いこと、重合体が劣化および架橋を起こすこと、混合が充分でないこと、ならびに、工程にいろいろな制限があることが含まれる。s−PBDはビニル含有量が高いことからs−PBDと弾性重合体を高温で混合すると重合体が劣化および架橋を起こすことが特に重要な問題である。
1,3−ブタジエン(本明細書では以降「1,3−BD」)をゴムセメント内で重合させてs−PBDを生成させる試みは、この上に述べたのと同様に触媒効率が充分でなくかつ毒性があることで妨げられていた。例えば米国特許第4,379,889号には、Co化合物とジアルキルアルミニウムハライドとCS2と電子供与体化合物を含有する触媒系を用いて1,3−BDをゴムセメント内で重合させてs−PBDを生成させることが教示されている。また米国特許第5,283,294号にも同様な方法が教示されており、そこでは、Co化合物と有機アルミニウム化合物とCS2を含有する触媒系が用いられている。しかしながら、そのような方法は、用いられた触媒系がこの上述した欠点を有することから劣っている。
従って、s−PBDとゴム状弾性重合体のブレンド物を製造する簡潔で商業的に実行可能な方法が依然として望まれている。
(発明の要約)
本発明は、一般に、s−PBDとゴム状弾性重合体のブレンド物を製造する方法を提供するものである。本方法は、(1)ゴムセメントと1,3−BDの混合物を準備しそして(2)(a1)Cr含有化合物と(b1)ハイドロジエンホスファイト(hydrogen phosphite)と(c1)有機マグネシウム(本明細書では以降「有機Mg」)化合物を含有するか或は(a2)Mo含有化合物と(b2)ハイドロジエンホスファイトと(c2)有機アルミニウム(本明細書では以降「有機Al」)化合物を含有する材料の組み合わせもしくは反応生成物である触媒組成物を用いて前記1,3−BDを前記ゴム
セメント内で重合させてs−PBDを生成させることを包含する。
本発明は、更に、s−PBDとゴム状弾性重合体のブレンド物を製造する方法も提供する。本方法は、(1)ゴムセメントと1,3−BDの混合物を準備しそして(2)上述した触媒組成物を用いて前記1,3−BDを前記ゴムセメント内で重合させることによりs−PBDを生成させることを包含する。
本発明は、また、s−PBDとゴム状弾性重合体のブレンド物も提供し、ここでは、その調製を、(1)ゴムセメントと1,3−BDの混合物を準備しそして(2)上述した触媒組成物を用いて前記1,3−BDを前記ゴムセメント内で重合させることによりs−PBDを生成させることを包含する方法を用いて行う。
本発明の方法は、有利に、s−PBDをゴムセメント内で合成してs−PBDとゴム状弾性重合体のブレンド物を直接生成させるものであり、従って、混合を高温で行う必要がない。また、ゴム状弾性重合体の全体に亘るs−PBDの良好な分散を容易かつ経済的に達成することができる。重要なことは、本方法には、高温混合手順に伴う高い加工費用、重合体の劣化および架橋、混合が充分でないこと、そしていろいろな工程制限に関する問題がない。本方法では、また、s−PBDの合成をゴム状弾性重合体の非存在下に行うことに伴って起こる重合体セメントの濃密化および反応槽の汚れに関する問題も軽減される。
加うるに、使用される触媒系は、1,3−BDのシンジオ特異的(syndiospecific)重合に関して非常に高い触媒活性および立体選択性を示す。このような活性および選択性により、とりわけ、s−PBDをゴムセメント内で非常に高い収率で生成させることが可能になる。加うるに、この触媒組成物はCS2を含有せず、従って、CS2の使用に伴う毒性、不快な臭い、危険性および費用がなくなる。その上、Cr含有化合物およびMo含有化合物は一般に安定で安価で相対的に無毒でありかつ容易に入手可能である。更にその上、本触媒組成物は、幅広く多様な溶媒(ハロゲンで置換されていない環境的に好ましい溶媒、例えば脂肪族および環状脂肪族炭化水素を包含)中で高い触媒活性を示す。
(好適な態様の詳細な説明)
Crが基になった触媒組成物またはMoが基になった触媒組成物を用いて1,3−BD単量体をゴムセメント内で重合させてs−PBDを生成させることにより、s−PBDとゴム状弾性重合体のブレンド物を直接製造することができる。
(1)ゴムセメントと1,3−BDの混合物(前記ゴムセメントは有機溶媒に入っている少なくとも1種のゴム状弾性重合体を含有する)を準備しそして(2)Crが基になった触媒組成物またはMoが基になった触媒組成物を用いて1,3−BDを前記ゴムセメント内で重合させてs−PBDを生成させることにより、s−PBDとゴム状弾性重合体のブレンド物を製造する。前記Crが基になった触媒組成物は(a)Cr含有化合物と(b)ハイドロジエンホスファイトと(c)有機Mg化合物を含有する。前記Moが基になった触媒組成物は(a)Mo含有化合物と(b)ハイドロジエンホスファイトと(c)有機Al化合物を含有する。
本発明の好適な態様は1,3−BDをゴムセメント内で重合させてs−PBDを生成させることに向けたものであるが、他の共役ジエン単量体をゴムセメント内で重合させて共役ジエン重合体、好適には結晶性重合体を生成させることも可能である。
前記ゴムセメントは少なくとも1種のゴム状弾性重合体が有機溶媒に入っている好適には粘性のある溶液である。このゴムセメントを調製では本質的に如何なる種類のゴム状弾性重合体も使用可能である。適切なゴム状弾性重合体の具体例のいくつかには、これらに限定するものでないが、天然ゴム、低ビニル(low−vinyl)のポリブタジエン、シス−1,4−PBD、非晶質1,2−PBD、低ビニルのポリイソプレン、シス−1,4−ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ネオプレン、エチレン−プロピレン共重合体ゴム(EPR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、スチレン−イソプレンゴム(SIR)、スチレン−イソプレン−ブタジエンゴム(SIBR)、スチレン−ブタジエン−スチレンのブロック共重合体(SBS)、スチレン−ブタジエンのブロック共重合体(SB)、水添スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、水添スチレン−ブタジエンブロック共重合体(SEB)、スチレン−イソプレン−スチレンのブロック共重合体(SIS)、スチレン−イソプレンのブロック共重合体(SI)、水添スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)、水添スチレン−イソプレンブロック共重合体(SEP)、ポリスルフィドゴム、アクリル系ゴム(acrylic rubber)、ウレタンゴム、シリコンゴム、エピクロルヒドリンゴムなどが含まれる。また、上述したゴム状弾性重合体の混合物を用いることも可能である。このようなゴム状弾性重合体は大部分が商業的に入手可能である。また、本技術分野で公知の技術を用いてそのようなゴム状弾性重合体を容易に合成することができる。
前記ゴムセメントの調製はゴム状弾性重合体1種または2種以上を有機溶媒に溶解させることで実施可能である。このゴムセメントを調製するのに市販のゴム状弾性重合体を用いる場合、その市販製品を使用する前に精製を行うことにより、次の段階で1,3−BDをゴムセメント内で重合させてs−PBDを生成させる時に触媒毒になり得る残存水および添加剤を除去しておく必要があり得る。
好適な態様では、次に1,3−BDを重合させてs−PBDを生成させる時に用いる反応槽と同じ反応槽内で1種以上の適切な単量体を有機溶媒中で重合させてゴム状弾性重合体を生成させることにより、そのようなゴムセメントをインサイチューで製造する。上述したゴム状弾性重合体の合成方法は数多く知られている。しかしながら、そのようなゴム状弾性重合体を生成させる時に用いる触媒は、好適には、次に1,3−BDを重合させてs−PBDを生成させる段階で用いる触媒を妨害する可能性のある如何なる材料も含有しない触媒である。
そのようにゴム状弾性重合体を含有するゴムセメントをインサイチューで生成させる目的で配位触媒系を用いることができ、このような配位触媒系は本技術分野で公知である。例えば、ランタニド化合物、例えばNd化合物などとアルキル化剤とハロゲン源を含んで成るランタニドが基になった触媒系が米国特許第3,297,667号、3,541,063号および3,794,604号に記述されている。このようなランタニドが基になった触媒系は特に1,3−BDを重合させてシス−1,4−PBDゴムを生成させる時に用いるのに有用である。このようなランタニドが基になった系の如き配位触媒を用いる場合、好適には、ゴムセメント内でs−PBDを合成する前に停止剤(terminator)を添加して前記触媒を失活させる。適切な停止剤には、これらに限定するものでないが、アルコール、カルボン酸、無機酸、水およびこれらの混合物が含まれる。前記ゴム状弾性重合体の合成で用いた触媒系を失活させる停止剤の添加は必ずしも必要ではない、と言うのは、後でs−PBDを合成する時に用いるCrが基になった触媒組成物に含まれるハイドロジエンホスファイト成分が前記触媒を失活させると考えられるからである。これはゴム状弾性重合体の合成で用いる配位触媒がNd化合物とアルキル化剤とハロゲンイオン源を含有する場合に当てはまることを確認した。
アニオン重合開始剤を用いてそのようなゴム状弾性重合体を含有するゴムセメントをイ
ンサイチューで生成させることも可能であり、そのようなアニオン重合開始剤も本技術分野で公知である。このような開始剤には、これらに限定するものでないが、有機リチウム開始剤、例えばブチルリチウムなど、または官能性開始剤、例えばリチウムアミド開始剤、アミノアルキルリチウム開始剤および有機錫リチウム開始剤などが含まれる。開始剤の例が米国特許第5,153,159号、5,268,439号、5,274,106号、5,238,893号、5,332,810号、5,329,005号、5,578,542号、5,393,721号、5,491,230号、5,521,309号、5,496,940号、5,574,109号、5,523,364号、5,527,753号および5,550,203号に記述されている。このような開始剤は特に共役ジエンの弾性重合体または共役ジエンとビニル置換芳香族単量体の共重合体を合成する時に用いるに有用である。アニオン開始剤を用いる場合、s−PBDの合成をゴムセメント内で行う前に停止剤を添加して重合を停止させる(quench)のが好適である。適切な停止剤には、これらに限定するものでないが、金属のハロゲン化物、有機ハロゲン化物、アルコール類、カルボン酸、無機酸、スルホン酸、水およびこれらの混合物が含まれる。金属のハロゲン化物、例えばジエチルアルミニウムクロライドおよびエチルアルミニウムジクロライドなどが有機ハロゲン化物、例えばトリメチルシリルクロライドなどと同様に好適である。アニオン重合を停止させておかないとs−PBDの生成が妨害される可能性がある。
他のゴム状弾性重合体合成方法も本技術分野で公知であり、本発明の実施を如何なる特別な弾性重合体の選択にも如何なる特別なゴム状弾性重合体合成方法にも限定すべきでない。
そのようなゴム状弾性重合体を生成させる目的で重合させることができる適切な単量体には共役ジエン単量体が含まれる。ビニル置換芳香族単量体を1種以上の共役ジエン単量体と共に共重合させてゴム状弾性重合体を生成させることも可能である。ゴム状弾性重合体を生成させる目的で重合させることができる適切な共役ジエン単量体の具体例には、1,3−BD、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−フェニル−1,3−ブタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ペンタジエン、3−メチル−1,3−ペンタジエン、4−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、2,4−ヘキサジエンおよび4,5−ジエチル−1,3−オクタジエンが含まれる。ゴム状弾性重合体を生成させる目的で重合させることができる適切なビニル置換芳香族単量体の例には、スチレン、4−メチルスチレン、α−メチルスチレン、3,5−ジエチルスチレン、4−エチルスチレン、4−プロピルスチレン、3,5−ジエチルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン、4−ドデシルスチレン、2,3,4,5−テトラエチルスチレン、3−メチル−5−n−ヘキシルスチレン、4−フェニルスチレン、2−エチル−4−ベンジルスチレン、3,5−ジフェニルスチレン、1−ビニルナフタレン、3−エチル−1−ビニルナフタレン、6−イソプロピル−1−ビニルナフタレン、6−シクロヘキシル−1−ビニルナフタレン、7−ドデシル−2−ビニルナフタレンなどの中の1つ以上が含まれる。
前記ゴムセメントの調製では、ゴム状弾性重合体の合成で用いる触媒系およびs−PBDの合成で用いる触媒系に関して不活性な有機溶媒の使用が一般に好適である。前記ゴムセメントを調製する時に用いることができる適切な有機溶媒には、これらに限定するものでないが、脂肪族、環状脂肪族および芳香族炭化水素が含まれる。適切な脂肪族溶媒の代表例には、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン、イソペンタン、イソヘキサン、イソヘプタン、イソオクタン、2,2−ジメチルブタン、石油エーテル、ケロセン、石油スピリットなどが含まれる。適切な環状脂肪族溶媒の代表例には、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサンなどが含まれる。適切な芳香族溶媒の代表例には、ベンゼン、トルエン、キ
シレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、メシチレンなどが含まれる。また、この上に示した炭化水素の混合物を用いることも可能である。環境上の理由で脂肪族および環状脂肪族溶媒が好適である。
そのようなゴムセメントに入っているゴム状弾性重合体の濃度は用いるゴム状弾性重合体および有機溶媒の種類に応じて多様である。このゴム状弾性重合体の濃度は好適にはゴムセメントの約5から約35重量%、より好適には約10から30重量%、更により好適には約15から約25重量%の範囲である。
上述したゴムセメントを、1,3−BDを立体特異的に重合させてs−PBDを生成させる時の重合媒体として用いる。このように、1,3−BD、触媒組成物および場合により追加する有機溶媒を前記ゴムセメントに添加する。このゴムセメントに添加する1,3−BD、触媒組成物および溶媒の順序は本発明の範囲を限定するものでないが、特定の状況下では1,3−BDを添加する前に触媒組成物または少なくともその材料を添加する方が好適であり得る。
このゴムセメントに添加する1,3−BDの量は得られる重合体ブレンド物中の所望のs−PBD比率に依存する。前記追加する有機溶媒は、前記ゴムセメントの調製に関連してこの上に挙げた有機溶媒から選択可能であり、前記ゴムセメントの調製で用いた有機溶媒と同じか或は異なっていてもよい。前記ゴムセメントへの1,3−BDの添加は、1,3−BDをゴム状弾性重合体の調製で用いそしてこの1,3−BDの全部が消費される前に重合を停止させる場合には必要でないかもしれない。
1,3−BDからs−PBDを生成させる重合で用いるに有用なCrが基になった触媒組成物が米国特許第6,201,080号および6,117,956号に記述されている。(a)Cr含有化合物と(b)ハイドロジエンホスファイトと(c)有機Mg化合物を組み合せることにより好適な触媒組成物を生成させることができる。有用なMo含有触媒組成物がPCT公開WO 00/75201に記述されている。(a)Mo含有化合物と(b)ハイドロジエンホスファイトと(c)有機Al化合物を組み合わせることにより好適な触媒組成物を生成させることができる。この3種類の材料に加えて、望まれるならばまた他の有機金属化合物またはルイス塩基を添加することも可能である。
炭化水素溶媒、例えば芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素または環状脂肪族炭化水素などに可溶なCr含有化合物もしくはMo含有化合物の使用が一般に好適である。しかしながら、炭化水素に不溶なMo含有化合物もしくはCr含有化合物を重合媒体中に懸濁させることにより触媒活性種を生成させることも可能であり、従ってそれらも有用である。
そのようなCr含有化合物およびMo含有化合物が含有する金属原子は0から+6の範囲のいろいろな酸化状態のものであってもよい(Cr含有化合物に関しては第一クロム化合物または第二クロム化合物の使用が好適である)。用いることができる適切な種類の化合物には、これらに限定するものでないが、CrもしくはMoのカルボン酸塩、CrもしくはMoの有機燐酸塩、CrもしくはMoの有機ホスホン酸塩、CrもしくはMoの有機ホスフィン酸塩、CrもしくはMoのカルバミン酸塩、CrもしくはMoのジチオカルバミン酸塩、CrもしくはMoのキサントゲン酸塩、CrもしくはMoのβ−ジケトネート、CrもしくはMoのアルコキサイド、CrもしくはMoのアリールオキサイド、CrもしくはMoのハロゲン化物、CrもしくはMoの疑似ハロゲン化物、CrもしくはMoのオキシハロゲン化物、そして有機クロムもしくは有機モリブデン化合物が含まれる。この上に示した各種類の適切な化合物の具体例のいくつかには下記が含まれる。
カルボン酸塩:
蟻酸塩、酢酸塩、アクリル酸塩、メタアクリル酸塩、吉草酸塩、グルコン酸塩、クエン
酸塩、フマル酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、しゅう酸塩、オクチル酸塩(2−ethylhexanoate)、ネオデカン酸塩、ナフテン酸塩、ステアリン酸塩、オレイン酸塩、安息香酸塩およびピコリン酸塩、
有機燐酸塩:
ジブチル燐酸塩、ジペンチル燐酸塩、ジヘキシル燐酸塩、ジヘプチル燐酸塩、ジオクチル燐酸塩、ビス(1−メチルヘプチル)燐酸塩、ビス(2−エチルヘキシル)燐酸塩、ジデシル燐酸塩、ジドデシル燐酸塩、ジオクタデシル燐酸塩、ジオレイル燐酸塩、ジフェニル燐酸塩、ビス(p−ノニルフェニル)燐酸塩、ブチル(2−エチルヘキシル)燐酸塩、(1−メチルヘプチル)(2−エチルヘキシル)燐酸塩および(2−エチルヘキシル)(p−ノニルフェニル)燐酸塩、
有機ホスホン酸塩:
ブチルホスホン酸塩、ペンチルホスホン酸塩、ヘキシルホスホン酸塩、ヘプチルホスホン酸塩、オクチルホスホン酸塩、(1−メチルヘプチル)ホスホン酸塩、(2−エチルヘキシル)ホスホン酸塩、デシルホスホン酸塩、ドデシルホスホン酸塩、オクタデシルホスホン酸塩、オレイルホスホン酸塩、フェニルホスホン酸塩、(p−ノニルフェニル)ホスホン酸塩、ブチルブチルホスホン酸塩、ペンチルペンチルホスホン酸塩、ヘキシルヘキシルホスホン酸塩、ヘプチルヘプチルホスホン酸塩、オクチルオクチルホスホン酸塩、(1−メチルヘプチル)(1−メチルヘプチル)ホスホン酸塩、(2−エチルヘキシル)(2−エチルヘキシル)ホスホン酸塩、デシルデシルホスホン酸塩、ドデシルドデシルホスホン酸塩、オクタデシルオクタデシルホスホン酸塩、オレイルオレイルホスホン酸塩、フェニルフェニルホスホン酸塩、(p−ノニルフェニル)(p−ノニルフェニル)ホスホン酸塩、ブチル(2−エチルヘキシル)ホスホン酸塩、(2−エチルヘキシル)ブチルホスホン酸塩、(1−メチルヘプチル)(2−エチルヘキシル)ホスホン酸塩、(2−エチルヘキシル)(1−メチルヘプチル)ホスホン酸塩、(2−エチルヘキシル)(p−ノニルフェニル)ホスホン酸塩および(p−ノニルフェニル)(2−エチルヘキシル)ホスホン酸塩、
有機ホスフィン酸塩:
ブチルホスフィン酸塩、ペンチルホスフィン酸塩、ヘキシルホスフィン酸塩、ヘプチルホスフィン酸塩、オクチルホスフィン酸塩、(1−メチルヘプチル)ホスフィン酸塩、(2−エチルヘキシル)ホスフィン酸塩、デシルホスフィン酸塩、ドデシルホスフィン酸塩、オクタデシルホスフィン酸塩、オレイルホスフィン酸塩、フェニルホスフィン酸塩、(p−ノニルフェニル)ホスフィン酸塩、ジブチルホスフィン酸塩、ジペンチルホスフィン酸塩、ジヘキシルホスフィン酸塩、ジヘプチルホスフィン酸塩、ジオクチルホスフィン酸塩、ビス(1−メチルヘプチル)ホスフィン酸塩、ビス(2−エチルヘキシル)ホスフィン酸塩、ジデシルホスフィン酸塩、ジドデシルホスフィン酸塩、ジオクタデシルホスフィン酸塩、ジオレイルホスフィン酸塩、ジフェニルホスフィン酸塩、ビス(p−ノニルフェニル)ホスフィン酸塩、ブチル(2−エチルヘキシル)ホスフィン酸塩、(1−メチルヘプチル)(2−エチルヘキシル)ホスフィン酸塩および(2−エチルヘキシル)(p−ノニルフェニル)ホスフィン酸塩、
カルバミン酸塩:
ジメチルカルバミン酸塩、ジエチルカルバミン酸塩、ジイソプロピルカルバミン酸塩、ジブチルカルバミン酸塩およびジベンジルカルバミン酸塩、
ジチオカルバミン酸塩:
ジメチルジチオカルバミン酸塩、ジエチルジチオカルバミン酸塩、ジイソプロピルジチオカルバミン酸塩、ジブチルジチオカルバミン酸塩およびジベンジルジチオカルバミン酸塩、
キサントゲン酸塩:
メチルキサントゲン酸塩、エチルキサントゲン酸塩、イソプロピルキサントゲン酸塩、ブチルキサントゲン酸塩およびベンジルキサントゲン酸塩、
β−ジケトネート:
アセチルアセトネート、トリフルオロアセチルアセトネート、ヘキサフルオロアセチルアセトネート、ベンゾイルアセトネート、2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオネート、ジオキサイドビス(アセチルアセトネート)、ジオキサイドビス(トリフルオロアセチルアセトネート)、ジオキサイドビス(ヘキサフルオロアセチルアセトネート)、ジオキサイドビス(ベンゾイルアセトネート)およびジオキサイドビス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオネート)、
アルコキサイドまたはアリールオキサイド:
メトキサイド、エトキサイド、イソプロポキサイド、2−エチルヘキソキサイド、フェノキサイド、ノニルフェノキサイドおよびナフトキサイド、
ハロゲン化物:
六フッ化物、五フッ化物、四フッ化物、三フッ化物、五塩化物、四塩化物、三塩化物、四臭化物、三臭化物、三ヨウ化物および二ヨウ化物、
疑似ハロゲン化物:
シアン化物、シアン酸塩、チオシアン酸塩およびアジ化物、そして
オキシハロゲン化物:
オキシ四フッ化物、ジオキシ二フッ化物、オキシ四塩化物、オキシ三塩化物、ジオキシ二塩化物、オキシ三臭化物およびジオキシ二臭化物。
用語「有機クロム化合物」は、Cr−C結合を少なくとも1つ含むいかなるCr化合物をも指す。適切な有機クロム化合物の具体例には、トリス(アリル)クロム、トリス(メタアリル)クロム、トリス(クロチル)クロム、ビス(シクロペンタジエニル)クロム、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)クロム、ビス(エチルベンゼン)クロム、ビス(ベンゼン)クロム、ビス(エチルベンゼン)クロム、ビス(メシチレン)クロム、ビス(ペンタジエニル)クロム、ビス(2,4−ジメチルペンタジエニル)クロム、ビス(アリル)トリカルボニルクロム、(シクロペンタジエニル)(ペンタジエニル)クロム、テトラ(1−ノルボルニル)クロム、(トリメチレンメタン)テトラカルボニルクロム、ビス(ブタジエン)ジカルボニルクロム、(ブタジエン)テトラカルボニルクロムおよびビス(シクロオクタテトラエン)クロムが含まれる。用語「有機モリブデン化合物」は、Mo−C結合を少なくとも1つ含むいかなるMo化合物をも指す。適切な有機モリブデン化合物の具体例には、トリス(アリル)モリブデン、トリス(メタアリル)モリブデン、トリス(クロチル)モリブデン、ビス(シクロペンタジエニル)モリブデン、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)モリブデン、ビス(エチルベンゼン)モリブデン、ビス(メシチレン)モリブデン、ビス(ペンタジエニル)モリブデン、ビス(2,4−ジメチルペンタジエニル)モリブデン、ビス(アリル)トリカルボニルモリブデン、(シクロペンタジエニル)(ペンタジエニル)モリブデン、テトラ(1−ノルボルニル)モリブデン、(トリメチレンメタン)テトラカルボニルモリブデン、ビス(ブタジエン)ジカルボニルモリブデン、(ブタジエン)テトラカルボニルモリブデンおよびビス(シクロオクタテトラエン)モリブデンが含まれる。
前記触媒組成物の材料(b)として用いることができる有用なハイドロジエンホスファイト化合物は非環状および/または環状であり得る。
非環状のハイドロジエンホスファイトは下記のケト−エノール形互変異性構造:
Figure 2015038222
[ここで、R1およびR2は独立して一価有機基である]
で描写可能である。R1およびR2は、好適には、ヒドロカルビル基、例えばこれらに限定するものでないが、アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、アリル、置換アリール、アラルキル、アルカリールおよびアルキニル基などであり、各基が含むC原子の数は好適には1またはそのような基が形成されるに適した最小限のC原子数から20以下のC原子数である。前記ヒドロカルビル基はヘテロ原子、例えばこれらに限定するものでないがN、O、Si、SおよびPなどを含んでいても構わない。非環状のハイドロジエンホスファイトは主にケト互変異性体として存在する。互変異性平衡の平衡定数は温度、R1およびR2基の種類、溶媒の種類などの如き要因に依存する。両方の互変異性体とも水素結合により二量体、三量体またはオリゴマー形態で結合していることができる。この2種類の互変異性体のいずれかまたは両方を前記触媒組成物の材料(b)として用いることができる。
適切な非環状ハイドロジエンホスファイトの代表的な非限定例には、ジメチルハイドロジエンホスファイト、ジエチルハイドロジエンホスファイト、ジブチルハイドロジエンホスファイト、ジヘキシルハイドロジエンホスファイト、ジオクチルハイドロジエンホスファイト、ジデシルハイドロジエンホスファイト、ジドデシルハイドロジエンホスファイト、ジオクタデシルハイドロジエンホスファイト、ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)ハイドロジエンホスファイト、ジイソプロピルハイドロジエンホスファイト、ビス(3,3−ジメチル−2−ブチル)ハイドロジエンホスファイト、ビス(2,4−ジメチル−3−ペンチル)ハイドロジエンホスファイト、ジ−t−ブチルハイドロジエンホスファイト、ビス(2−エチルヘキシル)ハイドロジエンホスファイト、ジネオペンチルハイドロジエンホスファイト、ビス(シクロプロピルメチル)ハイドロジエンホスファイト、ビス(シクロブチルメチル)ハイドロジエンホスファイト、ビス(シクロペンチルメチル)ハイドロジエンホスファイト、ビス(シクロヘキシルメチル)ハイドロジエンホスファイト、ジシクロブチルハイドロジエンホスファイト、ジシクロペンチルハイドロジエンホスファイト、ジシクロヘキシルハイドロジエンホスファイト、ジメチルハイドロジエンホスファイト、ジフェニルハイドロジエンホスファイト、ジナフチルハイドロジエンホスファイト、ジベンジルハイドロジエンホスファイト、ビス(1−ナフチルメチル)ハイドロジエンホスファイト、ジアリルハイドロジエンホスファイト、ジメタリルハイドロジエンホスファイト、ジクロチルハイドロジエンホスファイト、エチルブチルハイドロジエンホスファイト、メチルヘキシルハイドロジエンホスファイト、メチルネオペンチルハイドロジエンホスファイト、メチルフェニルハイドロジエンホスファイト、メチルシクロヘキシルハイドロジエンホスファイト、メチルベンジルハイドロジエンホスファイトなどが含まれる。また、この上に示したジヒドロカルビルハイドロジエンホスファイトの混合物を用いることも可能である。
環状ハイドロジエンホスファイトは、燐原子に単結合している2つの酸素原子の間を橋渡ししている二価の有機基を含有する。そのような環状ハイドロジエンホスファイトは下記のケト−エノール形互変異性構造:
Figure 2015038222
[ここで、R3は二価の有機基である]
で描写可能である。R3は、好適には、ヒドロカルビレン基、例えばこれらに限定するものでないが、アルキレン、シクロアルキレン、置換アルキレン、置換シクロアルキレン、アルケニレン、シクロアルケニレン、置換アルケニレン、置換シクロアルケニレン、アリーレンおよび置換アリーレン基などであり、各基が含むC原子の数は好適には1またはそのような基が形成されるに適した最小限のC原子数から20以下のC原子数である。前記ヒドロカルビレン基はヘテロ原子、例えばこれらに限定するものでないがN、O、Si、SおよびPなどを含んでいても構わない。環状のハイドロジエンホスファイトは主にケト互変異性体として存在する。互変異性平衡の平衡定数は温度、R3基の種類、溶媒の種類などの如き要因に依存する。両方の互変異性体とも水素結合により二量体、三量体またはオリゴマー形態で結合していることができる。この2種類の互変異性体のいずれかまたはそれらの混合物を前記Crが基になった触媒組成物の材料(b)として用いることができる。
環状ハイドロジエンホスファイトの合成は非環状ジヒドロカルビルハイドロジエンホスファイト(通常はジメチルハイドロジエンホスファイトまたはジエチルハイドロジエンホスファイト)とアルキレンもしくはアリーレンジオールのエステル交換反応で実施可能である。このエステル交換反応の手順は本分野の技術者に良く知られている。エステル交換は典型的には非環状ジヒドロカルビルハイドロジエンホスファイトとアルキレンもしくはアリーレンジオールの混合物を加熱することにより実施する。その後、副生成物であるアルコール(通常はメタノールまたはエタノール)を留出させると新しく生成した環状のハイドロジエンホスファイトが残存する。
適切な環状アルキレンハイドロジエンホスファイトの例には、2−オキソ−(2H)−5−ブチル−5−エチル−1,3,2−ジオキサホスホリナン、2−オキソ−(2H)−5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサホスホリナン、2−オキソ−(2H)−1,3,2−ジオキサホスホリナン、2−オキソ−(2H)−4−メチル−1,3,2−ジオキサホスホリナン、2−オキソ−(2H)−5−エチル−5−メチル−1,3,2−ジオキサホスホリナン、2−オキソ−(2H)−5,5−ジエチル−1,3,2−ジオキサホスホリナン、2−オキソ−(2H)−5−メチル−5−プロピル−1,3,2−ジオキサホスホリナン、2−オキソ−(2H)−4−イソプロピル−5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサホスホリナン、2−オキソ−(2H)−4,6−ジメチル−1,3,2−ジオキサホスホリナン、2−オキソ−(2H)−4−プロピル−5−エチル−1,3,2−ジオキサホスホリナン、2−オキソ−(2H)−4−メチル−1,3,2−ジオキサホスホラン、2−オキソ−(2H)−4,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサホスホラン、2−オキソ−(2H)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサホスホランなどが含まれる。また、このような環状アルキレンハイドロジエンホスファイトの混合物を用いることも可能である。
適切な環状アリーレンハイドロジエンホスファイトの例には、2−オキソ−(2H)−4,5−ベンゾ−1,3,2−ジオキサホスホラン、2−オキソ−(2H)−4,5−(3'−メチルベンゾ)−1,3,2−ジオキサホスホラン、2−オキソ−(2H)−4,5−(4'−メチルベンゾ)−1,3,2−ジオキサホスホラン、2−オキソ−(2H)−4,5−(4'−t−ブチルベンゾ)−1,3,2−ジオキサホスホラン、2−オキソ
−(2H)−4,5−ナフタロ−1,3,2−ジオキサホスホランなどが含まれる。また、このような環状アリーレンハイドロジエンホスファイトの混合物を用いることも可能である。
Crが基になった触媒組成物は更に有機Mg化合物も含有する。用語「有機Mg化合物」を本明細書で用いる場合、これはMg−C結合を少なくとも1つ含むMg化合物のいずれかを指す。本発明で用いるMoが基になった触媒組成物は更に有機Al化合物も含有する。用語「有機Al化合物」を本明細書で用いる場合、これはAl−C結合を少なくとも1つ含むAl化合物のいずれかを指す。一般に、炭化水素溶媒に可溶な有機Mg化合物もしくは有機Al化合物の使用が好適である。
材料(c)として用いることができる好適な種類の有機Mg化合物は、一般式MgR4 2[式中、各R4は独立して一価有機基であるが、但しこの基がC原子を介してMgに結合していることを条件とする]で表される。各R4は、好適には、ヒドロカルビル基、例えばこれらに限定するものでないが、アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、アリル、置換アリール、アラルキル、アルカリールおよびアルキニル基などであり、各基が含むC原子の数は好適には1またはそのような基が形成されるに適した最小限のC原子数から約20以下のC原子数である。前記ヒドロカルビル基はヘテロ原子、例えばこれらに限定するものでないがN、O、Si、SおよびPなどを含んでいても構わない。
用いることができる適切なジヒドロカルビルマグネシウム化合物の例には、ジエチルマグネシウム、ジ−n−プロピルマグネシウム、ジイソプロピルマグネシウム、ジブチルマグネシウム、ジヘキシルマグネシウム、ジフェニルマグネシウム、ジベンジルマグネシウムおよびこれらの混合物が含まれる。入手性そして脂肪族および環状脂肪族炭化水素溶媒への溶解性が理由で特にジブチルマグネシウムが有用である。
別の種類の有用な有機Mg化合物は一般式R5MgX[式中、R5は一価有機基であるが、但しこの基がCを介してMgに結合していることを条件とし、そしてXは水素原子、ハロゲン原子、カルボキシレート基、アルコキサイド基またはアリールオキサイド基である]で表される。R5は、好適には、ヒドロカルビル基、例えばこれらに限定するものでないが、アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、アリル、置換アリール、アラルキル、アルカリールおよびアルキニル基などであり、各基が含むC原子の数は好適には1またはそのような基が形成されるに適した最小限のC原子数から約20以下のC原子数である。前記ヒドロカルビル基はヘテロ原子、例えばこれらに限定するものでないがN、O、Si、SおよびPなどを含んでいても構わない。Xは、好適には、カルボキシレート基、アルコキサイド基またはアリールオキサイド基であり、各基が含むC原子数は好適には1から20である。
一般式R5MgXで表されるある種の有機Mg化合物には、これらに限定するものでないが、ヒドロカルビルマグネシウムの水素化物、ヒドロカルビルマグネシウムのハロゲン化物、ヒドロカルビルマグネシウムのカルボン酸塩、ヒドロカルビルマグネシウムのアルコキサイド、ヒドロカルビルマグネシウムのアリールオキサイドおよびこれらの混合物が含まれる。
一般式R5MgXで表される適切な有機Mg化合物の例には、メチルマグネシウムの水素化物、エチルマグネシウムの水素化物、ブチルマグネシウムの水素化物、ヘキシルマグネシウムの水素化物、フェニルマグネシウムの水素化物、ベンジルマグネシウムの水素化物、メチルマグネシウムの塩化物、エチルマグネシウムの塩化物、ブチルマグネシウムの塩化物、ヘキシルマグネシウムの塩化物、フェニルマグネシウムの塩化物、ベンジルマグ
ネシウムの塩化物、メチルマグネシウムの臭化物、エチルマグネシウムの臭化物、ブチルマグネシウムの臭化物、ヘキシルマグネシウムの臭化物、フェニルマグネシウムの臭化物、ベンジルマグネシウムの臭化物、メチルマグネシウムのカプロン酸塩、エチルマグネシウムのカプロン酸塩、ブチルマグネシウムのカプロン酸塩、ヘキシルマグネシウムのカプロン酸塩、フェニルマグネシウムのカプロン酸塩、ベンジルマグネシウムのカプロン酸塩、メチルマグネシウムのエトキサイド、エチルマグネシウムのエトキサイド、ブチルマグネシウムのエトキサイド、ヘキシルマグネシウムのエトキサイド、フェニルマグネシウムのエトキサイド、ベンジルマグネシウムのエトキサイド、メチルマグネシウムのフェノキサイド、エチルマグネシウムのフェノキサイド、ブチルマグネシウムのフェノキサイド、ヘキシルマグネシウムのフェノキサイド、フェニルマグネシウムのフェノキサイド、ベンジルマグネシウムのフェノキサイドなど、そしてこれらの混合物が含まれる。
Moが基になった触媒組成物に含める材料(c)を生成させる時に用いることができる好適な種類の有機Al化合物は、一般式AlRn3-n[式中、各Rは独立して、Al原子にC原子を介して結合している一価有機基であり、nは1から3の整数であり、そして各Xは独立して水素原子、ハロゲン原子、カルボキシレート基、アルコキサイド基またはアリールオキサイド基である]で表される。各Rは、好適には、ヒドロカルビル基、例えばこれらに限定するものでないが、アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、アリル、置換アリール、アラルキル、アルカリールおよびアルキニル基などであり、各基が含むC原子の数は好適には1またはそのような基が形成されるに適した最小限のC原子数から約20以下のC原子数である。前記ヒドロカルビル基もまたヘテロ原子、例えばO、S、N、SiおよびPなどを含んでいても構わない。各Xは、好適には、カルボキシレート、アルコキサイドまたはアリールオキサイド基であり、各基が含むC原子数は好適には1またはそのような基が形成されるに適した最小限のC原子数から約20以下のC原子数である。
用いることができるある種の有機Al化合物には、これらに限定するものでないが、トリヒドロカルビルアルミニウム、ジヒドロカルビルアルミニウムの水素化物、ヒドロカルビルアルミニウムの二水素化物、ヒドロカルビルアルミニウムの二ハロゲン化物、ジヒドロカルビルアルミニウムのハロゲン化物、ジヒドロカルビルアルミニウムのカルボン酸塩、ヒドロカルビルアルミニウムのビス(カルボン酸)塩、ジヒドロカルビルアルミニウムのアルコキサイド、ヒドロカルビルアルミニウムのジアルコキサイド、ジヒドロカルビルアルミニウムのアリールオキサイド、ヒドロカルビルアルミニウムのジアリールオキサイドなど、そしてこれらの混合物が含まれる。一般にトリヒドロカルビルアルミニウム化合物が好適である。
有用な有機Al化合物の例には、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−プロピルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリ−t−ブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム、トリ−n−オクチルアルミニウム、トリシクロヘキシルアルミニウム、トリフェニルアルミニウム、トリ−p−トリルアルミニウム、トリベンジルアルミニウム、トリネオペンチルアルミニウム、トリス(1−メチルシクロペンチル)アルミニウム、トリス(2,6−ジメチルフェニル)アルミニウム、ジエチルフェニルアルミニウム、ジエチル−p−トリルアルミニウム、ジエチルベンジルアルミニウム、エチルジフェニルアルミニウム、エチルジ−p−トリルアルミニウム、エチルジベンジルアルミニウム、ジエチルアルミニウムの水素化物、ジ−n−プロピルアルミニウムの水素化物、ジイソプロピルアルミニウムの水素化物、ジ−n−ブチルアルミニウムの水素化物、ジイソブチルアルミニウムの水素化物、ジ−n−オクチルアルミニウムの水素化物、ジフェニルアルミニウムの水素化物、ジ−p−トリルアルミニウムの水素化物、ジベンジルアルミニウムの水素化物、フェニルエチルアルミニウムの水素化物、フェニル−n−プロピルアルミニ
ウムの水素化物、フェニルイソプロピルアルミニウムの水素化物、フェニル−n−ブチルアルミニウムの水素化物、フェニルイソブチルアルミニウムの水素化物、フェニル−n−オクチルアルミニウムの水素化物、p−トリルエチルアルミニウムの水素化物、p−トリル−n−プロピルアルミニウムの水素化物、p−トリルイソプロピルアルミニウムの水素化物、p−トリル−n−ブチルアルミニウムの水素化物、p−トリルイソブチルアルミニウムの水素化物、p−トリル−n−オクチルアルミニウムの水素化物、ベンジルエチルアルミニウムの水素化物、ベンジル−n−プロピルアルミニウムの水素化物、ベンジルイソプロピルアルミニウムの水素化物、ベンジル−n−ブチルアルミニウムの水素化物、ベンジルイソブチルアルミニウムの水素化物およびベンジル−n−オクチルアルミニウムの水素化物、エチルアルミニウムの二水素化物、n−プロピルアルミニウムの二水素化物、イソプロピルアルミニウムの二水素化物、n−ブチルアルミニウムの二水素化物、イソブチルアルミニウムの二水素化物、n−オクチルアルミニウムの二水素化物、ジメチルアルミニウムの塩化物、ジエチルアルミニウムの塩化物、ジイソブチルアルミニウムの塩化物、ジメチルアルミニウムの臭化物、ジエチルアルミニウムの臭化物、ジメチルアルミニウムのフッ化物、ジエチルアルミニウムのフッ化物、メチルアルミニウムの二塩化物、エチルアルミニウムの二塩化物、イソブチルアルミニウムの二塩化物、メチルアルミニウムの二臭化物、エチルアルミニウムの二臭化物、メチルアルミニウムの二フッ化物、エチルアルミニウムの二フッ化物、メチルアルミニウムのセスキクロライド、エチルアルミニウムのセスキクロライド、イソブチルアルミニウムのセスキクロライド、ジメチルアルミニウムのカプロン酸塩、ジエチルアルミニウムのカプリル酸塩、ジイソブチルアルミニウムのオクチル酸塩、ジメチルアルミニウムのネオデカン酸塩、ジエチルアルミニウムのステアリン酸塩、ジイソブチルアルミニウムのオレイン酸塩、メチルアルミニウムのビス(カプロン酸)塩、エチルアルミニウムのビス(カプリル酸)塩、イソブチルアルミニウムのビス(オクチル酸)塩、メチルアルミニウムのビス(ネオデカン酸)塩、エチルアルミニウムのビス(ステアリン酸)塩、イソブチルアルミニウムのビス(オレイン酸)塩、ジメチルアルミニウムのメトキサイド、ジエチルアルミニウムのメトキサイド、ジイソブチルアルミニウムのメトキサイド、ジメチルアルミニウムのエトキサイド、ジエチルアルミニウムのエトキサイド、ジイソブチルアルミニウムのエトキサイド、ジメチルアルミニウムのフェノキサイド、ジエチルアルミニウムのフェノキサイド、ジイソブチルアルミニウムのフェノキサイド、メチルアルミニウムのジメトキサイド、エチルアルミニウムのジメトキサイド、イソブチルアルミニウムのジメトキサイド、メチルアルミニウムのジエトキサイド、エチルアルミニウムのジエトキサイド、イソブチルアルミニウムのジエトキサイド、メチルアルミニウムのジフェノキサイド、エチルアルミニウムのジフェノキサイド、イソブチルアルミニウムのジフェノキサイド、トリス(フルオロメチル)アルミニウムなど、そしてこれらの混合物が含まれる。
前記触媒組成物に含める材料(c)を生成させる時に用いることができる別の種類の有機Al化合物はアルミノキサンである。アルミノキサンは本技術分野で公知であり、これには一般式
Figure 2015038222
で表される線状のオリゴマー状アルミノキサン、および一般式
Figure 2015038222
で表される環状のオリゴマー状アルミノキサンが含まれ、ここで、xは1から約100、好適には約10から約50の整数であり、yは、2から約100、好適には約3から約20の整数であり、そして各R4は、独立して、Al原子にC原子を介して結合している一価有機基である。各R4は、好適には、ヒドロカルビル基、例えばこれらに限定するものでないが、アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、アリル、置換アリール、アラルキル、アルカリールおよびアルキニル基などであり、各基が含むC原子の数は好適には1またはそのような基が形成されるに適した最小限のC原子数から約20以下のC原子数である。前記ヒドロカルビル基はヘテロ原子、例えばこれらに限定するものでないがN、O、Si、SおよびPなどを含んでいても構わない(アルミノキサンのモル数はオリゴマー状アルミノキサン分子のモル数ではなくAl原子のモル数を指す。アルミノキサンを用いた触媒反応の技術分野ではそのような慣例が通常用いられる)。
アルミノキサンの調製はトリヒドロカルビルアルミニウム化合物と水を反応させることで実施可能である。この反応は、公知方法、例えば(1)トリヒドロカルビルアルミニウム化合物を有機溶媒に溶解させた後に水と接触させる方法、(2)トリヒドロカルビルアルミニウム化合物を例えば金属塩に含まれている結晶水または有機もしくは無機化合物に吸着されている水と反応させる方法、そして(3)重合させるべき単量体もしくは単量体の溶液にトリヒドロカルビルアルミニウム化合物を添加した後、水を加える方法などに従って実施可能である。
適切なアルミノキサン化合物の例には、メチルアルミノキサン(MAO)、変性メチルアルミノキサン(MMAO)、エチルアルミノキサン、n−プロピルアルミノキサン、イソプロピルアルミノキサン、n−ブチルアルミノキサン、n−ヘキシルアルミノキサン、n−オクチルアルミノキサン、イソブチルアルミノキサン、t−ブチルアルミノキサン、ネオペンチルアルミノキサン、シクロヘキシルアルミノキサン、1−メチルシクロペンチルアルミノキサン、2,6−ジメチルフェニルアルミノキサンなど、そしてこれらの混合物が含まれる。入手性そして脂肪族および環状脂肪族炭化水素溶媒への溶解性が理由で特にイソブチルアルミノキサンが有用である。本技術分野の技術者に公知の技術を用いて、MAOが有するメチル基の約20−80%をC2−C12ヒドロカルビル基、好適にはイソブチル基で置き換えるとMMAOが生成し得る。
そのような触媒組成物は、1,3−BDを重合させてs−PBDを生成させることに関して、幅広い範囲の全触媒濃度および触媒材料比に亘って非常に高い触媒活性を示す。しかしながら、最も望ましい特性を有する重合体が得られる全触媒濃度および触媒材料比の範囲はより狭い。その上、3種類の触媒材料(a)、(b)および(c)が相互作用して活性触媒種を生成すると考えている。従って、いずれか1つの触媒材料の最適な濃度は他の触媒材料の濃度に依存する。例えば、
ハイドロジエンホスファイトとCr含有化合物のモル比(P/Cr)またはハイドロジエンホスファイトとMo含有化合物のモル比(P/Mo)は約0.5:1から約50:1、より好適には約1:1から約25:1、更により好適には約2:1から約10:1で多様であり得、
有機Mg化合物とCr含有化合物のモル比(Mg/Cr)は約1:1から約50:1、より好適には約2:1から約30:1、更により好適には約3:1から約20:1で多様
であり得、
Mo含有触媒組成物の材料(c)が式AlRn3-nで定義される有機Al化合物を含む場合の有機Al化合物とMo含有化合物のモル比(Al/Mo)は約1:1から約100:1、より好適には約3:1から約50:1、更により好適には約5:1から約25:1で多様であり得、
Mo含有触媒組成物の材料(c)がアルミノキサンを含む場合のアルミノキサンとMo含有化合物のモル比(Al/Mo)は約5:1から約500:1、より好適には約10:1から約200:1、更により好適には約20:1から約100:1で多様であり得る。
この上で考察したように、好適には、材料(a)、(b)および(c)を組み合わせることにより触媒組成物が生成する。このような組み合わせの結果として活性触媒種が生成すると考えてはいるが、いろいろな材料または成分の間で起こる相互作用または反応の度合を大きな度合の確かさでは認識していない。従って、前記材料の簡単な混合物、物理的もしくは化学的引力によって引き起こされるいろいろな材料の錯体、前記材料の化学反応生成物または前記の組み合わせを包含させる目的で用語「触媒組成物」を用いてきた。
例えば、下記の方法の中の1つを用いて触媒材料もしくは成分を組み合せるか或は混合することにより前記触媒組成物を生成させることができる:
1)ゴム状弾性重合体を含有するゴムセメントと1,3−BDに前記3種類の触媒材料を段階的または同時様式で添加することにより触媒組成物をインサイチューで生成させることができる。前記触媒材料を段階的様式で添加する場合の添加順は重要でない。Crが基になった触媒系の場合には、好適には、有機Mg化合物を最初に添加した後、Cr含有化合物に続いてハイドロジエンホスファイトを添加し、Moが基になった触媒系の場合には、好適には、Mo含有化合物を最初に添加した後、ハイドロジエンホスファイトに続いて有機Al化合物を添加する。
2)前記3種類の触媒材料を重合装置の外側で一般に約−20から約80℃の適切な温度で前以て混合しておきそして得られた触媒組成物をゴム状弾性重合体を含有するゴムセメントと1,3−BDに添加することができる。
3)触媒組成物を1,3−BDの存在下で前以て生成させることができる。即ち、前記3種類の触媒材料を少量の1,3−BDの存在下で一般に約−20から約80℃の適切な温度で前以て混合しておく。このようにして触媒を前以て生成させる時に用いる1,3−BDの量はMo含有化合物もしくはCr含有化合物1モル当たり約1から約500モル、より好適には約4から約100モル、更により好適には約10から約50モルの範囲であってもよい。次に、得られた触媒組成物をゴム状弾性重合体を含有するゴムセメントと重合させるべき1,3−BDの残りに添加する。
4)また、2段階手順を用いて触媒組成物を生成させることも可能である。1番目の段階は、Mo含有化合物もしくはCr含有化合物と有機Al化合物もしくは有機Mg化合物をそれぞれ少量の1,3−BDの存在下で一般に−20から約80℃の適切な温度で組み合わせることを包含する。2番目の段階で、この上に示した反応混合物とハイドロジエンホスファイトを段階的または同時様式のいずれかでゴム状弾性重合体を含有するゴムセメントと重合させるべき1,3−BDの残りに仕込む。
5)別の2段階手順では、最初にMo含有化合物もしくはCr含有化合物とハイドロジエンホスファイト化合物を前以て一緒にすることで金属−配位子錯体を生成させる。この金属−配位子錯体が生成した後、この配位子錯体を有機Al化合物もしくは有機Mg化合物(適宜)と一緒にすることで活性触媒種を生成させる。前記金属−配位子錯体の調製は個別にか或はゴム状弾性重合体を含有するゴムセメントと重合させるべき1,3−BDの中で実施可能である。この錯体形成反応は通常の圧力下で通常の任意温度で実施可能であるが、反応速度を速める目的で室温以上の温度が好適である。この金属−配位子錯体の生成に要する時間は、Mo含有化合物もしくはCr含有化合物とハイドロジエンホスファイト化合物を混合した後一般に約10分から約2時間の範囲内である。この金属−配位子錯体
を生成させる時に用いる温度および時間はいくつかの変数に依存する可能性があり、そのような変数には、用いる個々の出発材料および溶媒が含まれる。この金属−配位子錯体が生成した後、これをその錯体形成反応混合物から単離することなく用いることができる。しかしながら、望まれるならば、この金属−配位子錯体を使用に先立って前記錯体形成反応混合物から単離することもできる。
6)前記3種類の触媒材料は1,3−BD添加前または1,3−BD添加と同時にゴムセメントに添加することができる。
この上に示した方法を用いて触媒組成物の溶液または触媒材料の1種以上を重合装置の外側で生成させる場合には、好適には、有機溶媒もしくは担体を用いる。有用な溶媒には、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素および環状脂肪族炭化水素が含まれる。芳香族炭化水素溶媒の非限定例には、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、メシチレンなどが含まれる。脂肪族炭化水素溶媒の非限定例には、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン、イソペンタン、イソヘキサン、イソペンタン、イソオクタン、2,2−ジメチルブタン、石油エーテル、ケロセン、石油スピリットなどが含まれる。環状脂肪族炭化水素溶媒の非限定例には、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサンなどが含まれる。また、この上に示した炭化水素の混合物を用いることも可能である。環境上の理由で脂肪族および環状脂肪族溶媒が好適である。前記有機溶媒は前記触媒組成物または材料を溶かす働きをし得るか、或は前記溶媒は単に前記触媒組成物もしくは材料を懸濁させ得る担体として働き得る。
前記触媒組成物を触媒有効量で用いて1,3−BDを前記ゴムセメント内で重合させることによりs−PBDとゴム状弾性重合体のブレンド物の製造を達成する。この重合マス(mass)で用いるべき全触媒濃度はいろいろな要因、例えば材料の純度、重合温度、望まれる重合速度および変換率、そして他の数多くの要因の相互作用に依存する。従って、個々の触媒材料を触媒有効量で用いるべきであると述べる以外、具体的な全触媒濃度を明確に挙げるのは不可能である。一般的には、用いるMo含有化合物もしくはCr含有化合物の量は100gの1,3−BD当たり約0.01から約2ミリモル、より好適には100gの1,3−BD当たり約0.02から約1.0ミリモル、更により好適には100gの1,3−BD当たり約0.05から約0.5ミリモルに及んで多様であり得る。
1,3−BDの重合をゴムセメント内で実施してs−PBDを生成させる時、この生成させるs−PBDの分子量を制御する目的で分子量調節剤を用いることもできる。その結果として、重合系の範囲は、幅広い分子量範囲を示すs−PBDを製造する目的でそれを用いることができるように広範であり得る。用いることができる適切な種類の分子量調節剤には、これらに限定するものでないが、α−オレフィン、例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテンおよび1−オクテンなど、累積ジオレフィン(accumulated diolefins)、例えばアレンおよび1,2−ブタジエンなど、非共役ジオレフィン、例えば1,6−オクタジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、1,5−シクロオクタジエン、3,7−ジメチル−1,6−オクタジメチル、1,4−シクロヘキサジエン、4−ビニルシクロヘキセン、1,4−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、1,2−ジビニルシクロヘキサン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエンおよび1,2,4−トリビニルシクロヘキサンなど、アセチレン類、例えばアセチレン、メチルアセチレンおよびビニルアセチレンなど、そしてこれらの混合物が含まれる。このような分子量調節剤の使用量は、1,3−BD単量体100重量部当たりの部数(phm)で表して、約0.01から約10phm、より好適には約0.02から約2phm、更により好適には約0.05から約1phmである。
また、1,3−BDの重合をH2の存在下で実施することによりs−PBDの分子量を有効に調節することも可能である。この場合には、H2の分圧を好適には約0.01から約50気圧にする。
1,3−BDをゴムセメント内で重合させてs−PBDを生成させる時の重合は、バッチ方法、連続方法または半連続方法でさえ実施可能である。半連続方法では、既に重合した単量体にとって代わる必要に応じて1,3−BDを間欠的に仕込む。如何なる場合でも、重合を望ましくは撹拌を中程度から激しく行いながら不活性な保護ガス、例えばN2、ArまたはHeなどを用いて嫌気条件下で実施する。重合で熱が発生することから、温度は低温、例えば−10℃以下から高温、例えば100℃以上に及んで幅広く変化する可能性があるが、好適な温度範囲は約20から約90℃である。重合で発生する熱は外部冷却、1,3−BDまたは溶媒の蒸発による冷却またはこの2つの方法の組み合わせで除去可能である。用いる重合圧は幅広く多様であり得るが、好適な圧力範囲は約1から約10気圧である。
所望の変換率が達成された時点で、触媒系を失活させる停止剤を添加することにより、前記ゴムセメント内で起こさせる1,3−BDの重合を停止させることができる。このような停止剤は典型的にプロトン性化合物であり、それには、これらに限定するものでないが、アルコール、カルボン酸、無機酸、水またはこれらの組み合わせが含まれる。この停止剤の添加と一緒にか、添加前にか或は添加後に抗酸化剤、例えば2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールなどを添加することができる。用いる抗酸化剤の量は一般に重合体生成物の0.2から1%(重量)の範囲である。この重合反応を停止させた時点で通常の脱溶媒および乾燥手順を用いてs−PBDとゴム状弾性重合体のブレンド物を重合混合物から回収することができる。例えば、アルコール、例えばメタノール、エタノールまたはイソプロパノールなどを用いて重合混合物に凝固させるか或は蒸気を用いて溶媒と未反応の1,3−BDを留出させた後に濾過を行うことなどにより、s−PBDとゴム状弾性重合体のブレンド物を重合混合物から単離することもできる。この生成物を乾燥させることにより残存量の溶媒と水を除去する。このようにして生成した重合体ブレンド物は結晶性s−PBDがゴム状弾性重合体の中に高度に分散しているブレンド物である。
本発明で用いる触媒組成物は、有利には、この重合体ブレンド物に入っているs−PBDの特徴が変わるような操作を行うことができる。即ち、本発明の方法で生成した重合体ブレンド物に入っているs−PBDにいろいろな溶融温度、分子量、1,2−結合含有量およびシンジオタクティシティー(syndiotacticities)を持たせることができ、これらは全部触媒材料および材料比の選択に依存する。
s−PBDとゴム状弾性重合体のブレンド物は数多くの用途を有する。このブレンド物は例えばタイヤの支持用カーカス(supporting carcass)、インナーライナー(innerliner)および踏み面の製造、フィルムおよび包装用材料の製造、そして数多くの成形用途で用いられるゴム組成物で使用可能である。
実施例1
低ビニルPBDゴムセメントの存在下で1,3−BDを重合させてs−PBDを生じさせることでs−PBDと低ビニルPBDの高度に分散しているブレンド物を生じさせた。
前記低ビニルPBDゴムセメントの調製では、ステンレス鋼製反応槽にヘキサンを449g、1,3−BD含有量が22.4重量%の1,3−BD/ヘキサンブレンド物を911gおよびヘキサン中1.60Mのn−ブチルリチウムを0.64mL仕込むことで調製
を行った。重合を65℃で6時間実施した。1.0Mのジエチルアルミニウムクロライドを1.02mL添加することで触媒を失活させた。少量のゴムセメントから回収した重合体の重量を測定することで測定した1,3−BDから低ビニルPBDへの変換率は本質的に100%であった。
その低ビニルPBDゴムセメントを室温に冷却した後、このゴムセメントにヘキサンを1048gおよび1,3−BD含有量が22.4重量%の1,3−BD/ヘキサンブレンド物を2126g加えた。ヘプタン中1.0Mのジブチルマグネシウムを17.5mL、ヘキサン中0.0582Mのオクチル酸Cr(III)を32.7mLおよびヘキサン中0.266Mのビス(2−エチルヘキシル)ハイドロジエンホスファイトを35.8mL添加することで、前記1,3−BD単量体の重合を開始させた。この重合を35℃で4時間実施した後、3mLのイソプロパノールを50mLのヘキサンで希釈して添加することで重合を停止させた。この重合混合物を2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールを12g入れておいた10Lのイソプロパノールに加えた。濾過に続いて乾燥を真空下60℃で一定重量になるまで行うことで、s−PBDと低ビニルPBDのブレンド物を単離した。この重合体ブレンド物の収量は637gであった。計算した1,3−BDからs−PBDへの変換率は91%であった。この重合体ブレンド物をDSCで測定した結果、低ビニルポリブタジエンによるTgは−93℃でs−PBDによる溶融温度は153℃であった。
実施例2
ヘプタン中1.0Mのジブチルマグネシウムを21.4mL、ヘキサン中0.0582Mのオクチル酸Cr(III)を40.9mLおよびシクロヘキサン中0.193Mの2−オキソ−(2H)−5−ブチル−5−エチル−1,3,2−ジオキサホスホリナンを61.7mL添加して1,3−BD単量体の重合を開始させてs−PBDを生じさせる以外は実施例1の手順を繰り返した。この重合混合物の処理を行った後、s−PBDと低ビニルPBDの高度に分散したブレンド物を得た。この重合体ブレンド物の収量は618gであった。計算した1,3−BDからs−PBDへの変換率は87%であった。この重合体ブレンド物をDSCで測定した結果、低ビニルPBDによるTgは−93℃でs−PBDによる溶融温度は141℃であった。
実施例3
ヘキサン中0.215Mのオクチル酸モリブデンを15.5mL、ヘキサン中0.266Mのビス(2−エチルヘキシル)ハイドロジエンホスファイトを50.1mLおよびヘキサン中0.68Mのトリ−n−ブチルアルミニウムを93.1mL添加して1,3−BDの重合を低ビニルPBDゴムセメント内で開始させてs−PBDを生じさせる以外は実施例1の手順を繰り返した。この重合混合物の処理を行った後、s−PBDと低ビニルPBDの高度に分散したブレンド物を得た。この重合体ブレンド物の収量は618gであった。計算した1,3−BDからs−PBDへの変換率は87%であった。この重合体ブレンド物をDSCで測定した結果、低ビニルPBDによるTgは−93℃でs−PBDによる溶融温度は141℃であった。
実施例4
この実験では、1,3−BDを高シス−1,4−PBDゴムセメント内で重合させてs−PBDと高シス−1,4−PBDの高度に分散しているブレンド物を生じさせた。
前記高シス−1,4−PBDゴムセメントの調製では、ステンレス鋼製反応槽にヘキサンを449g、1,3−BD含有量が22.4重量%の1,3−BD/ヘキサンブレンド物を911g、ヘキサン中0.68Mのトリイソブチルアルミニウムを9.0mL、1.0Mのジエチルアルミニウムクロライドを0.41mLおよびシクロヘキサン中0.52
0Mのネオデカン酸Nd(III)を0.39mL仕込むことで調製を行った。重合を80℃で5時間実施した。少量のゴムセメントから回収した重合体の重量を測定することで測定した1,3−BDから高シス−1,4−PBDへの変換率は96%であった。
この上で生じさせた高シス−1,4−PBDゴムセメントを室温に冷却した後、このゴムセメントにヘキサンを1048gおよび1,3−BD含有量が22.4重量%の1,3−BD/ヘキサンブレンド物を2126g加えた。
実施例4a
ヘプタン中1.0Mのジブチルマグネシウムを17.1mL、ヘキサン中0.0582Mのオクチル酸Cr(III)を32.7mLおよびヘキサン中0.266Mのビス(2−エチルヘキシル)ハイドロジエンホスファイトを35.8mL添加することで、s−PBDを生じさせる1,3−BDの重合をゴムセメント内で開始させた。この重合を35℃で4時間実施した。3mLのイソプロパノールを50mLのヘキサンで希釈して添加することで重合を停止させた。この重合混合物を2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールを12g入れておいた10Lのイソプロパノールに加えた。濾過に続いて乾燥を真空下60℃で一定重量になるまで行うことで、結果として生じたs−PBDと高シス−1,4−PBDのブレンド物を単離した。この重合体ブレンド物の収量は647gであった。計算した1,3−BDからs−PBDへの変換率は93%であった。この重合体ブレンド物をDSCで測定した結果、これが示したTgは−103℃であり、そして高シス−1,4−PBDによる溶融温度は−7℃でありそしてs−PBDによる溶融温度は152℃であった。
実施例4b
ヘキサン中0.215Mのオクチル酸モリブデンを13.3mL、ヘキサン中0.266Mのビス(2−エチルヘキシル)ハイドロジエンホスファイトを43.0mLおよびヘキサン中0.68Mのトリイソブチルアルミニウムを63.1mL添加することで、s−PBDを生じさせる1,3−BDの重合をゴムセメント内で開始させた。この重合を65℃で6時間実施した。3mLのイソプロパノールを50mLのヘキサンで希釈して添加することで重合を停止させた。この重合混合物を2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールを12g入れておいた10Lのイソプロパノールに加えた。濾過に続いて乾燥を真空下60℃で一定重量になるまで行うことで、結果として生じたs−PBDと高シス−1,4−PBDのブレンド物を単離した。この重合体ブレンド物の収量は642gであった。計算した1,3−BDからs−PBDへの変換率は92%であった。この重合体ブレンド物をDSCで測定した結果、これが示したTgは−104℃であり、そして高シス−1,4−PBDによる溶融温度は−8℃でありそしてs−PBDによる溶融温度は185℃であった。
実施例5a
ヘプタン中1.0Mのジブチルマグネシウムを21.4mL、ヘキサン中0.0582Mのオクチル酸Cr(III)を40.9mLおよびシクロヘキサン中0.193Mの2−オキソ−(2H)−5−ブチル−5−エチル−1,3,2−ジオキサホスホリナンを61.7mL添加して1,3−BDの重合を高シス−1,4−PBDゴムセメント内で開始させてs−PBDを生じさせる以外は実施例4aの手順を繰り返した。この重合混合物の処理を行った後、s−PBDと高シス−1,4−PBDの高度に分散したブレンド物を得た。この重合体ブレンド物の収量は632gであった。計算した1,3−BDからs−PBDへの変換率は90%であった。この重合体ブレンド物をDSCで測定した結果、これが示したTgは−104℃であり、そして高シス−1,4−PBDによる溶融温度は−8℃でありそしてs−PBDによる溶融温度は140℃であった。
実施例5b
ヘキサン中0.215Mのオクチル酸モリブデンを15.5mL、ヘキサン中0.266Mのビス(2−エチルヘキシル)ハイドロジエンホスファイトを50.1mLおよびヘキサン中0.68Mのトリ−n−ブチルアルミニウムを93.1mL添加して1,3−BDの重合を高シス−1,4−PBDゴムセメント内で開始させてs−PBDを生じさせる以外は実施例4bの手順を繰り返した。この重合混合物の処理を行った後、s−PBDと高シス−1,4−PBDの高度に分散したブレンド物を得た。この重合体ブレンド物の収量は628gであった。計算した1,3−BDからs−PBDへの変換率は89%であった。この重合体ブレンド物をDSCで測定した結果、これが示したTgは−103℃であり、そして高シス−1,4−PBDによる溶融温度は−7℃でありそしてs−PBDによる溶融温度は141℃であった。
実施例1−5では、重合体ブレンド物セメントを反応槽から取り出した後にこの反応槽の内側を目で検査することで、反応槽は比較的奇麗で汚れは最小限であることが分かった。
比較実施例6a
この実験では、1,3−BDからs−PBDを生じさせる重合をゴムセメントの存在なしに実施した。
大型のステンレス鋼製反応槽にヘキサンを2408g、1,3−BD含有量が22.4重量%の1,3−BD/ヘキサンブレンド物を2126g、ヘプタン中1.0Mのジブチルマグネシウムを17.1mL、ヘキサン中0.0582Mのオクチル酸Cr(III)を32.7mLおよびヘキサン中0.266Mのビス(2−エチルヘキシル)ハイドロジエンホスファイトを35.8mL仕込んだ。重合を35℃で4時間実施した。3mLのイソプロパノールを50mLのヘキサンで希釈して添加することで重合を停止させた。この重合混合物を反応槽から取り出して、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールを12g入れておいた10Lのイソプロパノールに加え、前記反応槽の内側を目で検査することで、反応槽のひどい汚れが生じていたことが分かった。特に、撹拌機の羽および軸が大きな塊の凝集した重合体粒子で覆われておりかつ反応槽の壁も厚い重合体膜で覆われていた。このように反応槽が汚れていたことから、反応槽を開けてこの反応槽の内側に残存する重合体を回収する必要があった。s−PBDの全収量は461g(97%)であった。この重合体をDSCで測定した結果、これが示した溶融温度は153℃であった。
比較実施例6b
この実験では、1,3−BDからs−PBDを生じさせる重合をゴムセメントの存在なしに実施した。
大型のステンレス鋼製反応槽にヘキサンを2408g、1,3−ブタジエン含有量が22.4重量%の1,3−BD/ヘキサンブレンド物を2126g、ヘキサン中0.215Mのオクチル酸モリブデンを11.1mL、ヘキサン中0.266Mのビス(2−エチルヘキシル)ハイドロジエンホスファイトを35.9mLおよびヘキサン中0.68Mのトリイソブチルアルミニウムを52.6mL仕込んだ。重合を65℃で6時間実施した。3mLのイソプロパノールを50Lのヘキサンで希釈して添加することで重合を停止させた。この重合混合物を反応槽から取り出して、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールを12g入れておいた10Lのイソプロパノールに加え、前記反応槽の内側を目で検査することで、反応槽のひどい汚れが生じていたことが分かった。特に、撹拌機の羽および軸が大きな塊の凝集した重合体粒子で覆われておりかつ反応槽の壁も厚い重合体膜で覆われていた。このように反応槽が汚れていたことから、反応槽を開けてこの反応槽の内側に残存する重合体を回収する必要があった。s−PBDの全収量は450g(94%)で
あった。この重合体をDSCで測定した結果、これが示した溶融温度は189℃であった。
比較実施例6aおよび6bは、s−PBDの合成をゴムセメントの存在なしに行うと反応槽の汚れが重大な問題になり得ることを示している。実施例1−5は、本発明の方法を用いるとs−PBDの合成に伴って反応槽が汚れると言った問題が大きく軽減され得ることを示している。

Claims (9)

  1. シンジオタクテック1,2−ポリブタジエンとゴム状弾性重合体のブレンド物を製造する方法であって、
    (a)ゴムセメントと1,3−ブタジエンの混合物を準備し、そして
    (b)(1)クロム含有化合物と有機マグネシウム化合物、または
    (2)モリブデン含有化合物と有機アルミニウム化合物、
    のいずれかとハイドロジエンホスファイトを含んで成る材料の組み合わせもしくは反応生成物である触媒組成物を調製するが、この触媒組成物の調製を前記ゴムセメントと1,3−ブタジエンの非存在下で行い、
    (c)上記触媒組成物を用いて前記1,3−ブタジエンを前記ゴムセメント内で重合させることによりシンジオタクテック1,2−ポリブタジエンを生成させる、
    ことを含んで成り、
    ここで、クロム化合物の量は1,3−ブタジエン100g当たり0.01〜2ミリモルであり、有機マグネシウム化合物とクロム化合物のモル比が1:1〜50:1であり、そしてハイドロジエンホスファイトとクロム化合物のモル比が0.5:1〜50:1である方法。
  2. シンジオタクテック1,2−ポリブタジエンとゴム状弾性重合体のブレンド物を製造する方法であって、
    (a)ゴムセメントと1,3−ブタジエン単量体の混合物を準備し、そして
    (b)触媒組成物の調製を行うが、この触媒組成物の調製を、前記ゴムセメントと単量体の混合物の非存在下に(i)クロム含有化合物と(ii)ハイドロジエンホスファイトと(iii)有機マグネシウム化合物または(i)モリブデン含有化合物と(ii)ハイドロジエンホスファイトと(iii)有機アルミニウム化合物を組み合わせることにより行い、そして
    (c)前記触媒組成物を前記混合物に添加することにより前記1,3−ブタジエン単量体を前記ゴムセメント内で重合させてシンジオタクテック1,2−ポリブタジエンを生成させる、
    段階を含んで成り、
    ここで、クロム化合物の量は1,3−ブタジエン100g当たり0.01〜2ミリモルであり、有機マグネシウム化合物とクロム化合物のモル比が1:1〜50:1であり、そしてハイドロジエンホスファイトとクロム化合物のモル比が0.5:1〜50:1である方法。
  3. 前記ゴムセメントと1,3−ブタジエンの混合物の準備が(1)1種以上の単量体を有機溶媒中で重合させてゴム状弾性重合体を生成させることでゴムセメントを調製しそして(2)このゴムセメントに1,3−ブタジエンを添加することを含んで成る請求項1または2記載の方法。
  4. 1,3−ブタジエンを重合させてシンジオタクテック1,2−ポリブタジエンを生成させる前記段階を1,3−ブタジエン100g当たり0.01から2ミリモルの前記クロム含有化合物もしくはモリブデン含有化合物の存在下で実施する請求項1または2記載の方法。
  5. 前記ハイドロジエンホスファイトが下記のケト−エノール形互変異性構造物:
    Figure 2015038222
    で定義される非環状のハイドロジエンホスファイトまたは下記のケト−エノール形互変異性構造物:
    Figure 2015038222
    で定義される環状のハイドロジエンホスファイトまたはそれらの混合物であり、
    ここで、R1およびR2が独立して一価有機基でありそしてR3が二価有機基である請求項1または2記載の方法。
  6. 前記ハイドロジエンホスファイトと前記クロム含有化合物もしくはモリブデン含有化合物のモル比が0.5:1から50:1である請求項1または2記載の方法。
  7. 前記クロム含有化合物もしくは前記モリブデン含有化合物がカルボン酸塩、有機燐酸塩、有機ホスホン酸塩、有機ホスフィン酸塩、カルバミン酸塩、ジチオカルバミン酸塩、キサントゲン酸塩、β−ジケトネート、アルコキサイド、アリールオキサイド、ハロゲン化物、疑似ハロゲン化物、オキシハロゲン化物、有機クロムもしくは有機モリブデン化合物またはそれらの混合物である請求項1または2記載の方法。
  8. 前記有機マグネシウム化合物が一般式MgR4 2[式中、各R4は独立して一価有機基である]または一般式R5MgX[式中、R5は一価有機基でありそしてXは水素原子、ハロゲン原子、カルボキシレート基、アルコキサイド基またはアリールオキサイド基である]で表される請求項1または2記載の方法。
  9. 前記有機アルミニウム化合物が式AlRn3-n[式中、各Rは独立して一価有機基であり、各Xは独立して水素原子、ハロゲン原子、カルボキシレート基、アルコキサイド基またはアリールオキサイド基であり、そしてnは1から3の整数である]で表されるか或は下記の式:
    Figure 2015038222
    [式中、xは1から100の整数であり、yは2から100の整数であり、そして各R4は独立して一価有機基である]の1つで表されるアルミノキサンである請求項1または2記載の方法。
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