JP2006056978A - タイヤリムストリップ用ゴム組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 リム擦れ性を損なうことなく、耐疲労性と耐セット性を改良することができるタイヤリムストリップ用ゴム組成物を提供する。
【解決手段】 シス1,4−ポリブタジエンゴムをマトリックスとして該マトリックス中にシンジオタクチック1,2−ポリブタジエン(SPB)が分散したポリブタジエンゴムを配合してなるゴム組成物であって、前記シス1,4−ポリブタジエンゴム80〜25重量部と、他のジエン系ゴム20〜75重量部とからなるゴム成分100重量部に対して、SPBを1〜8重量部含有し、また、マトリックスであるシス1,4−ポリブタジエンゴムは、ムーニー粘度(ML1+4)が35以上であり、かつ、該ムーニー粘度に対する25℃での5重量%トルエン溶液粘度(T−cp)〔mPa・s〕の比である(T−cp)/(ML1+4)が2以上であるもの。
【選択図】 図1
【解決手段】 シス1,4−ポリブタジエンゴムをマトリックスとして該マトリックス中にシンジオタクチック1,2−ポリブタジエン(SPB)が分散したポリブタジエンゴムを配合してなるゴム組成物であって、前記シス1,4−ポリブタジエンゴム80〜25重量部と、他のジエン系ゴム20〜75重量部とからなるゴム成分100重量部に対して、SPBを1〜8重量部含有し、また、マトリックスであるシス1,4−ポリブタジエンゴムは、ムーニー粘度(ML1+4)が35以上であり、かつ、該ムーニー粘度に対する25℃での5重量%トルエン溶液粘度(T−cp)〔mPa・s〕の比である(T−cp)/(ML1+4)が2以上であるもの。
【選択図】 図1
Description
本発明は、タイヤリムストリップ用ゴム組成物に関するものである。
一般に、空気入りタイヤにおいて、ビード部は金属製のホイールのリムに装着固定される部分であり、かかるビード部におけるリムフランジと接触する部位にはリムストリップと呼ばれるゴム層が設けられている。
このリムストリップとリムフランジとの接触部位には剪断歪みがかかるが、特にトラックやバスなどの重荷重用空気入りタイヤにおいてはその剪断歪みが大きく、それによりリムストリップが摩耗し、また繰り返し疲労により亀裂が生じるという問題がある。
このような問題に対し、従来、リムストリップのゴム組成物に、カーボンブラックや短繊維を配合する手法がとられている(例えば、下記特許文献1〜3参照)。しかしながら、これらの手法では、ゴム硬度が高くなり、また耐疲労性が悪化して、繰り返し疲労を受ける間に亀裂が生じてしまう。また、リムフランジに接触していたリムストリップが変形した状態でセットされてしまうことがあり、タイヤを更正した場合に、更生後のタイヤをリムに組付けることができなくなってしまう。
そのため、リムストリップのリムに対する耐摩耗性(リム擦れ性)を損なうことなく、耐疲労性、耐セット性を改良することが要求されるが、かかる要求に充分に応えられるリムストリップ用ゴム組成物は得られていなかったのが実情である。
なお、特許文献1には、シス1,4−ポリブタジエンゴムにシンジオタクチック1,2−ポリブタジエンをブロック重合あるいはグラフト重合により含有させたポリブタジエンゴムをゴムチェーファー(又はリムクッション)などに用いることが提案されている。また、下記特許文献4には、同様にシンジオタクチック1,2−ポリブタジエンを含有するポリブタジエンゴムを、カーカスプライの巻き上げ端やビード補強層の外端を包み込むキャップゴムに用いることが提案されている。しかしながら、これらの文献では、シンジオタクチック1,2−ポリブタジエンを分散させるマトリックスであるシス1,4−ポリブタジエンゴムについて、その構造の検討がなされておらず、そのため、リム擦れ性は損なわれたままであった。
特開昭55−23150号公報。
特開平9−59430号公報。
特開2002−205505号公報。
特開平8−324212号公報。
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、リム擦れ性を損なうことなく、耐疲労性と耐セット性を改良することができるタイヤリムストリップ用ゴム組成物を提供することを目的とする。
本発明に係るタイヤリムストリップ用ゴム組成物は、シス1,4−ポリブタジエンゴムをマトリックスとして該マトリックス中にシンジオタクチック1,2−ポリブタジエンが分散したポリブタジエンゴムを配合してなるゴム組成物であって、前記シス1,4−ポリブタジエンゴム80〜20重量部と、他のジエン系ゴム20〜80重量部とからなるゴム成分100重量部に対して、前記シンジオタクチック1,2−ポリブタジエンを1〜8重量部含有し、前記マトリックスであるシス1,4−ポリブタジエンゴムは、ムーニー粘度(ML1+4)が35以上であり、かつ、該ムーニー粘度に対する25℃での5重量%トルエン溶液粘度(T−cp)〔mPa・s〕の比である(T−cp)/(ML1+4)が2以上であることを特徴とする。
本発明に係るタイヤリムストリップ用ゴム組成物においては、前記シンジオタクチック1,2−ポリブタジエンの融点が180℃以上であることが好ましい。また、前記シンジオタクチック1,2−ポリブタジエンが分散したポリブタジエンゴムは、マトリックスである前記シス1,4−ポリブタジエンゴム100重量部に対して、前記シンジオタクチック1,2−ポリブタジエンを2〜10重量部含有するものであることが好ましい。更に、カーボンブラック及び/又はシリカからなる充填剤を、前記ゴム成分100重量部に対して、20〜200重量部含有することが好ましい。
本発明によれば、シンジオタクチック1,2−ポリブタジエンを分散させるマトリックスであるシス1,4−ポリブタジエンゴムとして、上記した特定のムーニー粘度と、トルエン溶液粘度に対する特定の比を持つリニアータイプのものを用いたことにより、リニアータイプでないポリブタジエンゴムを用いた場合に比べて、リム擦れ性を向上させることができ、そのため、空気入りタイヤのリムストリップにおいて、リム擦れ性を損なうことなく、耐疲労性と耐セット性を改良することができる。
以下、本発明の実施に関連する事項について詳細に説明する。
本発明に係るタイヤリムストリップ用ゴム組成物は、シス1,4−ポリブタジエンゴムをマトリックスとして該マトリックス中にシンジオタクチック1,2−ポリブタジエン(以下、SPBという。)が分散したポリブタジエンゴムを配合してなるものである。このようにSPBを予めマトリックスゴムであるポリブタジエンゴムに分散させたものを用いることにより、ゴム組成物中におけるSPBの分散性を高めて、その性能をより効果的に発揮させることができる。SPB分散ポリブタジエンゴムとしては、マトリックスとなるシス1,4−ポリブタジエンゴム(以下、マトリックスBRということがある。)100重量部に対して、SPBを2〜10重量部含有するものを用いることが好ましい。
このようなSPB分散ポリブタジエンゴムは、例えば、まず1,3−ブタジエンをシス1,4−重合して高シス1,4−ポリブタジエン(シス1,4−結合95%以上)とし、次いでその重合系にシンジオタクチック1,2−重合触媒を投入して残余の1,3−ブタジエンを1,2−重合させることにより製造することができる。より詳細には、1,3−ブタジエンを溶剤に溶解させた原料溶液を、第一重合槽へ連続的に供給すると共に、該第一重合槽へシス1,4−重合触媒と分子量調整剤を連続的に供給して、第一重合槽で高シス1,4−ポリブタジエンを重合する。次いで、この高シス1,4−ポリブタジエンと1,3−ブタジエンが溶解した高粘度ポリマー溶液を第二重合槽へ連続的に供給すると共に、該第二重合槽へシンジオタクチック1,2−重合触媒を連続的に供給してSPBを重合する。この第二重合槽では、高粘度ポリマー溶液を撹拌しているので、SPB結晶は高せん断を受けながら生成する。そのため、SPBは小さな繊維状となってシス1,4−ポリブタジエンマトリックス中に均一に分散する。その後、重合停止槽で停止剤により触媒を失活させることにより、SPB分散ポリブタジエンゴムが得られる。ここで、シス1,4−重合触媒としては、有機アルミニウム−コバルト化合物系触媒などが挙げられ、シンジオタクチック1,2−重合触媒としては、可溶性コバルト−有機アルミニウム化合物−二硫化炭素系触媒などが挙げられる。
なお、SPB分散ポリブタジエンゴムは、このほか、予めシス1,4−ポリブタジエンとSPBを別々に重合しておき、各々の重合溶液をブレンドすることにより製造したり、あるいはまた、シス1,4−ポリブタジエンゴムの重合溶液に固体状のSPBをブレンドすることにより製造することもできる。
ここで、上記SPBは、融点が180℃以上であることが好ましい。より好ましくは、融点が180〜220℃のものである。融点が低いと、ゴムの加工時にSPBが融解、凝固することによって、SPBの粒径が不均一になると考えられるためである。また、このような高融点のSPBの分散性を確保するため、平均粒径が0.02〜0.1μmである小粒径のSPBを用いることが好ましい。
本発明で使用するSPB分散ポリブタジエンゴムにおいて、上記マトリックスBRは、そのムーニー粘度(ML1+4)と、25℃での5重量%トルエン溶液粘度(T−cp)〔mPa・s〕が、次の式(1)及び(2)を満足するものであることを特徴とする。
(ML1+4)≧35 …(1)
(T−cp)/(ML1+4)≧2 …(2)
式(1)のムーニー粘度(ML1+4)はマトリックスBRの分子量の指標になるものであり、これが35未満では耐摩耗性が低下する。ムーニー粘度(ML1+4)の上限は特に限定されないが、通常80以下である。ここで、ムーニー粘度(ML1+4)は、JIS K6300−1に準拠して測定される100℃でのムーニー粘度である。
(T−cp)/(ML1+4)≧2 …(2)
式(1)のムーニー粘度(ML1+4)はマトリックスBRの分子量の指標になるものであり、これが35未満では耐摩耗性が低下する。ムーニー粘度(ML1+4)の上限は特に限定されないが、通常80以下である。ここで、ムーニー粘度(ML1+4)は、JIS K6300−1に準拠して測定される100℃でのムーニー粘度である。
式(2)の(T−cp)/(ML1+4)はマトリックスBRのポリマー鎖の分岐度の指標になるものであり、この値が大きいほど分岐度が小さいこと、すなわち高リニアーであることを意味する。本発明では、上記関係を満足するリニアータイプのシス1,4−ポリブタジエンゴムをマトリックスゴムとして用いて、これにSPBを上記した所定量分散させることにより、リム擦れ性を損なうことなく、耐疲労性と耐セット性を改善することができる。(T−cp)/(ML1+4)が2未満である非リニアータイプのマトリックスBRを用いた場合、後記実施例に示すようにリム擦れ性に劣る。ここで、トルエン溶液粘度(T−cp)は、試料ゴムをトルエンに5重量%溶液として溶解し、その溶液の25℃での粘度をキャノンフェンスケ型動粘度計により測定して得られるものである。
本発明のゴム組成物において、ゴム成分は、上記マトリックスBR80〜20重量部と、他のジエン系ゴム20〜80重量部とからなる。マトリックスBRの含有量が20重量部未満ではリム擦れ性を改善することが難しくなる。上記他のジエン系ゴムとしては、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、SPBが分散していないポリブタジエンゴムなどが挙げられる。特に好ましい他のジエン系ゴムは、天然ゴム及び/又はポリイソプレンゴムであり、これらの含有量が20重量部未満であると、耐疲労性を改善することが難しくなる。ゴム成分のより好ましい態様としては、上記マトリックスBR80〜20重量部、天然ゴム及び/又はポリイソプレンゴム20〜80重量部、及び、他のジエン系ゴム(スチレン−ブタジエンゴムやSPB未分散ポリブタジエンゴムなど)0〜60重量部からなるものである(ここで、他のジエン系ゴムは必須成分ではない)。
本発明のゴム組成物において、上記SPBはかかるゴム成分100重量部に対して1〜8重量部含まれるように、上記SPB分散ポリブタジエンゴムが配合される。SPBの含有量が1重量部未満では、耐疲労性の改善効果が不十分である。また、使用するSPB分散ポリブタジエンゴム中のSPBの濃度にもよるが、ゴム組成物中でのSPBの含有量を多くしようとしてSPB分散ポリブタジエンゴムの配合量を多くすると、その分、他のジエン系ゴムとして好ましく配合される天然ゴムの量が少なくなり、結果として耐屈曲疲労性が低下してしまうことから、SPBの含有量の上限は8重量部であることが好ましい。
本発明のゴム組成物には、通常、充填剤としてカーボンブラック及び/又はシリカが配合される。これらの配合量は特に限定されないが、上記ゴム成分100重量部に対して、両者の合計量で20〜200重量部であることが好ましい。なお、カーボンブラックとしては、特に限定しないが、HAF、ISAFクラスのものを使用することが好ましい。
本発明のゴム組成物には、上記した各成分の他に、硫黄等の加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤、亜鉛華、ステアリン酸、シランカップリング剤、軟化剤、加工助剤など、タイヤ用ゴム組成物に一般に用いられている各種添加剤を配合することができる。
以上よりなる本発明のゴム組成物は、空気入りタイヤ、特に好ましくはトラックやバスなどの重荷重用空気入りタイヤにおいて、そのビード部のリムストリップのためのゴム組成物として用いられる。
図1は、重荷重用空気入りタイヤの一例を示した断面図である。このタイヤは、ビード部(1)を構成する左右一対の環状のビードコア(2)と、該ビードコアの径方向外周に配設されたビードフィラー(3)と、左右のビードコア(2)間に設けられたカーカス層(4)とを備え、カーカス層(4)の端部はビードコア(2)の周りにタイヤ幅方向内側から外側へ折り返すように巻き上げて係止されている。このカーカス層(4)の巻き上げ部(4a)のタイヤ幅方向外側において、リムフランジ(R)と接触する部位には、ビード部(1)のタイヤ幅方向外側を覆うゴム層としてのリムストリップ(5)が設けられている。そして、このリムストリップ(5)が、上記した本発明のゴム組成物を用いて常法に従い加硫成形することにより形成される。なお、本発明において、リムストリップは、リムフランジと接触する部位に設けられるゴム層であれば、図1に示す形状に限定されるものではない。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(ゴム組成物の調製)
バンバリーミキサーを使用し、一般的方法に従って、下記表1に示す実施例1〜5および比較例1〜6のタイヤリムストリップ用ゴム組成物を調製した。表中の各配合剤は以下の通りである。なお、各ゴム組成物には、共通配合として、カーボンブラック(東海カーボン製N330)50重量部、ステアリン酸(日本油脂製)1重量部、老化防止剤(モンサント製6PPD)1重量部、亜鉛華(三井金属製亜鉛華1号)3重量部、ワックス(日本精鑞製)1重量部、硫黄(四国化成製)2重量部、加硫促進剤(三新化学製CBS)1重量部を配合した。
バンバリーミキサーを使用し、一般的方法に従って、下記表1に示す実施例1〜5および比較例1〜6のタイヤリムストリップ用ゴム組成物を調製した。表中の各配合剤は以下の通りである。なお、各ゴム組成物には、共通配合として、カーボンブラック(東海カーボン製N330)50重量部、ステアリン酸(日本油脂製)1重量部、老化防止剤(モンサント製6PPD)1重量部、亜鉛華(三井金属製亜鉛華1号)3重量部、ワックス(日本精鑞製)1重量部、硫黄(四国化成製)2重量部、加硫促進剤(三新化学製CBS)1重量部を配合した。
・SPB−BR−A〜C:有機アルミニウム−コバルト化合物系触媒を用いて1,3−ブタジエンを重合し、次いで、可溶性コバルト−有機アルミニウム化合物−二硫化炭素系触媒を加えて重合を完結することにより得られたSPB分散ポリブタジエンゴム。マトリックスであるシス1,4−ポリブタジエンゴムは、いずれも(ML1+4)=42、(T−cp)=98mPa・s、(T−cp)/(ML1+4)=2.3である。また、SPBは、いずれも融点が200℃で、平均粒径が基本単位として0.02〜0.1μm、集合体として0.3μmである。
・VCR412:宇部興産製SPB分散ポリブタジエンゴム(マトリックスであるシス1,4−ポリブタジエンゴムは(ML1+4)=29、(T−cp)=52mPa・s、(T−cp)/(ML1+4)=1.8。マトリックスゴム100重量部に対してSPBを12重量部含有)。
・VCR617:宇部興産製SPB分散ポリブタジエンゴム(マトリックスであるシス1,4−ポリブタジエンゴムは(ML1+4)=29、(T−cp)=53mPa・s、(T−cp)/(ML1+4)=1.8。マトリックスゴム100重量部に対してSPBを17重量部含有)。
・NR:天然ゴム(RSS3号)
・BR01:JBR製シス1,4−ポリブタジエンゴム、(ML1+4)=44、(T−cp)=127mPa・s、(T−cp)/(ML1+4)=2.89。
・BR01:JBR製シス1,4−ポリブタジエンゴム、(ML1+4)=44、(T−cp)=127mPa・s、(T−cp)/(ML1+4)=2.89。
(物性及び性能評価)
各ゴム組成物について、ゴム硬さ、300%モジュラス、耐摩耗性、耐屈曲疲労性、耐セット性を測定した。結果は、従来の一般的なリムストリップゴム配合である比較例1の測定値を100とした指数表示として、下記表1に示す(耐摩耗性、耐屈曲疲労性及び耐セット性は数値が大きいほど良好であることを意味する)。なお、各測定方法は以下の通りである。
各ゴム組成物について、ゴム硬さ、300%モジュラス、耐摩耗性、耐屈曲疲労性、耐セット性を測定した。結果は、従来の一般的なリムストリップゴム配合である比較例1の測定値を100とした指数表示として、下記表1に示す(耐摩耗性、耐屈曲疲労性及び耐セット性は数値が大きいほど良好であることを意味する)。なお、各測定方法は以下の通りである。
・ゴム硬さ(Hs):JIS K6253に準拠した加硫ゴムの硬さ試験
・300%モジュラス:JIS K6251準拠した引張試験(ダンベル状3号形)
・耐摩耗性:JIS K6264準拠したピコ摩耗試験
・耐屈曲疲労性:JIS K6260準拠した耐疲労性試験
・耐セット性:JIS K6262に準拠した永久歪試験(1/Csの指数を用いた)。
・300%モジュラス:JIS K6251準拠した引張試験(ダンベル状3号形)
・耐摩耗性:JIS K6264準拠したピコ摩耗試験
・耐屈曲疲労性:JIS K6260準拠した耐疲労性試験
・耐セット性:JIS K6262に準拠した永久歪試験(1/Csの指数を用いた)。
表1に示すように、本発明に係る実施例1〜5のゴム組成物であると、耐摩耗性、即ちリム擦れ性を損なうことなく、耐屈曲疲労性と耐セット性を改善することができた。特に、実施例3,4によれば、耐屈曲疲労性と耐セット性を向上させつつ、リム擦れ性をも向上させることができた。これに対し、比較例2では、ゴム組成物中のSPB濃度が低く、充分な効果が得られなかった。また、比較例3,4では、リニアータイプでないブランチタイプのポリブタジエンゴムをマトリックスとしたものを用いたので、耐摩耗性に劣っていた。また、比較例5では、マトリックスであるポリブタジエンゴムの比率が低く、耐摩耗性に劣っていた。更に、比較例6では、天然ゴムの比率が低く、耐屈曲疲労性に劣っていた。
本発明のタイヤリムストリップ用ゴム組成物は、トラックやバスなどの重車両用空気入りタイヤのリムストリップとして好適に利用されるが、これに限らず、乗用車用ラジアルタイヤのリムストリップなど、各種空気入りタイヤのリムストリップとして利用することができる。
1…ビード部,2…ビードコア,3…ビードフィラー,4…カーカス層,5…リムストリップ,R…リムフランジ
Claims (4)
- シス1,4−ポリブタジエンゴムをマトリックスとして該マトリックス中にシンジオタクチック1,2−ポリブタジエンが分散したポリブタジエンゴムを配合してなるゴム組成物であって、
前記シス1,4−ポリブタジエンゴム80〜20重量部と、他のジエン系ゴム20〜80重量部とからなるゴム成分100重量部に対して、前記シンジオタクチック1,2−ポリブタジエンを1〜8重量部含有し、
前記マトリックスであるシス1,4−ポリブタジエンゴムは、ムーニー粘度(ML1+4)が35以上であり、かつ、該ムーニー粘度に対する25℃での5重量%トルエン溶液粘度(T−cp)〔mPa・s〕の比である(T−cp)/(ML1+4)が2以上であることを特徴とするタイヤリムストリップ用ゴム組成物。 - 前記シンジオタクチック1,2−ポリブタジエンの融点が180℃以上であることを特徴とする請求項1記載のタイヤリムストリップ用ゴム組成物。
- 前記シンジオタクチック1,2−ポリブタジエンが分散したポリブタジエンゴムは、マトリックスである前記シス1,4−ポリブタジエンゴム100重量部に対して、前記シンジオタクチック1,2−ポリブタジエンを2〜10重量部含有するものである請求項1又は2記載のタイヤリムストリップ用ゴム組成物。
- カーボンブラック及び/又はシリカからなる充填剤を、前記ゴム成分100重量部に対して、20〜200重量部含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤリムストリップ用ゴム組成物。
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