JP2010168427A - ゴム組成物およびそれを用いたタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】氷上性能および耐摩耗性に優れたゴム組成物およびそれをトレッドに用いたトラック・バス用スタッドレスタイヤを提供する。
【解決手段】ゴム成分が1,2−シンジオタクチック結晶を含むポリブタジエンゴム10〜40質量%と、少なくとも天然ゴムおよび合成ポリイソプレンゴムを合計で90〜60質量%含むゴム組成物であって、前記1,2−シンジオタクチック結晶を含むポリブタジエンゴムは、前記1,2‐シンジオタクチック結晶の含有率が8〜12質量%、重量平均分子量が47×104〜67×104、分子量分布が2.5〜3.5、25℃におけるトルエン溶液粘度が75〜150cps、ムーニー粘度(ML1+4/100℃)が50〜70であり、前記ゴム成分100質量部に対して、炭酸カルシウム系粒子を5〜25質量部含むゴム組成物。
【選択図】なし
【解決手段】ゴム成分が1,2−シンジオタクチック結晶を含むポリブタジエンゴム10〜40質量%と、少なくとも天然ゴムおよび合成ポリイソプレンゴムを合計で90〜60質量%含むゴム組成物であって、前記1,2−シンジオタクチック結晶を含むポリブタジエンゴムは、前記1,2‐シンジオタクチック結晶の含有率が8〜12質量%、重量平均分子量が47×104〜67×104、分子量分布が2.5〜3.5、25℃におけるトルエン溶液粘度が75〜150cps、ムーニー粘度(ML1+4/100℃)が50〜70であり、前記ゴム成分100質量部に対して、炭酸カルシウム系粒子を5〜25質量部含むゴム組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は、ゴム組成物に関し、とりわけ、大型トラック・バス用タイヤに用いられるゴム組成物およびそれを用いたスタッドレスタイヤに関する。
氷上路面走行用タイヤであるスタッドレスタイヤは、一般的にトレッドパターンに多くのサイピングを導入することで、それにより得られるエッジ効果によりスタッドレスタイヤの氷上性能を向上させてきた。しかし、サイピングを増やすと、ブロック剛性が低下してしまうためブロックが倒れこんでしまい、結局、スタッドレスタイヤのエッジ効果が得られないという問題があった。
また、トレッドゴムに固形異物(非金属短繊維やクルミ、卵殻粉など)を配合することで、氷上路面への引っかき効果やその脱落孔による吸水効果で氷上性能を向上させる方法も採用されている。しかし、固形異物を配合することでこれら固形異物が摩耗核となり耐摩耗性が悪化するという問題があった。
このような状況下で、スタッドレスタイヤのなかでも特に、トラックやバスなどの重荷重用スタッドレスタイヤにおいて氷上性能と耐摩耗性能の両者を向上させることが強く求められている。
特許文献1には、耐摩耗性に優れたトラック・バス用タイヤに用いられるゴム組成物として、ポリブタジエンゴムと天然ゴムまたは合成ポリイソプレンゴムからなるゴム組成物であって、前記ポリブタジエンゴムが、重量平均分子量が47×104〜67×104、分子量分布が2.5〜3.0、25℃におけるトルエン溶液粘度が50〜100cps、かつ、シス−1,4ブタジエン単位量が96%以上であって、分子量の異なる2種以上のポリブタジエンを溶液重合段階でブレンドして得られたものであるゴム組成物が開示されている。
特許文献2には、特に高過酷度摩耗条件下および低過酷度摩耗条件下での耐摩耗性に優れたタイヤトレッドに用いられるゴム組成物として、トルエン溶液粘度が110〜150cpsおよび分子量分布が3.0〜3.4であるブタジエンゴムを5〜40重量%含有するゴム成分を含み、ゴム組成物のムーニー粘度(ML1+4/130℃)が45〜70であるタイヤトレッド用ゴム組成物が開示されている。
特許文献3には、トレッドの氷上性能、伸び特性および硬度のバランスを向上させたトレッド用ゴム組成物、特にスタッドレスタイヤ、さらには重荷重用スタッドレスタイヤのトレッドに好適なゴム組成物として、平均一次粒子径が100nm以下であるシンジオタクチック−1,2−ポリブタジエンが分散されたブタジエンゴムをゴム成分中に10〜30重量%含有するスタッドレスタイヤに用いるトレッド用ゴム組成物が開示されている。
しかし、更なる氷上性能と耐摩耗性能の向上が望まれている。
本発明は、氷上性能および耐摩耗性に優れたゴム組成物およびそれをトレッドに用いたトラック・バス用スタッドレスタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、ゴム成分がシンジオタクチック−1,2−ポリブタジエンが分散されたポリブタジエンゴム10〜40質量%と、少なくとも天然ゴムおよび合成ポリイソプレンゴムを合計で90〜60質量%含むゴム組成物であって、前記シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエンが分散されたポリブタジエンゴムは、前記シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエンの含有率が8〜12質量%、重量平均分子量が47×104〜67×104、分子量分布が2.5〜3.5、25℃におけるトルエン溶液粘度が75〜150cps、ムーニー粘度(ML1+4/100℃)が50〜70であり、前記ゴム成分100質量部に対して、炭酸カルシウム系粒子を5〜25質量部含むゴム組成物である。
本発明は、他の実施の形態によると、ゴム成分がシンジオタクチック−1,2−ポリブタジエンが分散されたポリブタジエンゴム10〜40質量%、シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエンを含まないポリブタジエンゴム0〜30質量%および天然ゴム90〜60質量%からなるゴム組成物であって、前記シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエンが分散されたポリブタジエンゴムは、前記シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエンの含有率が8〜12質量%、重量平均分子量が47×104〜67×104、分子量分布が2.5〜3.5、25℃におけるトルエン溶液粘度が75〜150cps、ムーニー粘度(ML1+4/100℃)が50〜70であり、前記ゴム成分100質量部に対して、炭酸カルシウム系粒子を5〜25質量部含むゴム組成物である。
本発明に係るゴム組成物は、前記炭酸カルシウム系粒子が卵殻粉であることが好ましい。
本発明に係るゴム組成物は、前記シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエンが分散されたポリブタジエンゴムのマトリックスポリブタジエンゴムのシス−1,4ブタジエン単位量が97%以上であることが好ましい。
本発明は、前記ゴム組成物からなるトレッドを有する重荷重用スタッドレスタイヤである。
本発明によれば、氷上性能および耐摩耗性に優れたゴム組成物およびそれをトレッドに用いた重荷重用スタッドレスタイヤを提供することができる。
<ゴム成分>
本発明に係るゴム組成物は、第1の実施形態では、ゴム成分としてシンジオタクチック−1,2−ポリブタジエンが分散されたポリブタジエンゴムと、少なくとも天然ゴムおよび合成ポリイソプレンゴムを含む。
本発明に係るゴム組成物は、第1の実施形態では、ゴム成分としてシンジオタクチック−1,2−ポリブタジエンが分散されたポリブタジエンゴムと、少なくとも天然ゴムおよび合成ポリイソプレンゴムを含む。
本発明に係るゴム組成物は、第2の実施形態では、ゴム成分がシンジオタクチック−1,2−ポリブタジエンが分散されたポリブタジエンゴム、シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエンを含まないポリブタジエンゴムおよび天然ゴムを含む。
(シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエンが分散されたポリブタジエンゴム)
本発明に係るゴム組成物は、高硬度(Hs)が得られやすく、亀裂核とならないという理由から、シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエンが分散されたポリブタジエンゴム(以下、SPB含有BRともいう)を含む。
本発明に係るゴム組成物は、高硬度(Hs)が得られやすく、亀裂核とならないという理由から、シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエンが分散されたポリブタジエンゴム(以下、SPB含有BRともいう)を含む。
SPB含有BRにおいて、シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエン(1,2−シンジオタクチックポリブタジエン結晶、以下SPBともいう)は、単にマトリックスポリブタジエンゴム中に結晶を分散させたものではなく、マトリックスポリブタジエンゴムと化学結合したうえで分散していることが好ましい。前記結晶がマトリックスゴム成分と化学結合したうえで分散することにより、クラックの発生および伝播が抑制される傾向がある。なお、このSPB含有BRは、とくに制限されるわけではないが、たとえば、特開平11−349732号公報に記載された方法により製造することができる。
SPBの融点は、プレスによるタイヤの加硫中に結晶が溶融せず、十分な硬度が得られる点から、180℃以上が好ましく、190℃以上がより好ましい。また、SPBの融点は、SPB含有BRの分子量が小さく、ゴム組成物中において分散性に優れる点から、220℃以下が好ましく、210℃以下がより好ましい。
SPB含有BR中のSPBの含有率は、十分な硬度が得られる点から、8質量%以上が好ましく、9質量%以上がより好ましい。また、SPBの含有率は、ポリマー製造容器内での十分な流動性が得られ、製造効率に優れ、さらに、SPBの分散性に優れる点から、12質量%以下が好ましく、11質量%以下がより好ましい。なお、SPB含有BR中のSPBの含有率は、沸騰n‐ヘキサン不溶物量により示される。
(シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエンが分散されたポリブタジエンゴムの特性)
SPB含有BRの重量平均分子量(Mw)は、47×104〜67×104である。該SPB含有BRの重量平均分子量(Mw)の下限については50×104であることが好ましく、52×104であることがより好ましい。該SPB含有BRの重量平均分子量(Mw)の上限については65×104であることが好ましく、62×104であることがより好ましい。SPB含有BRのMwが47×104未満では耐摩耗性が低下し、67×104をこえると十分な硬度を得ることが困難になる。
SPB含有BRの重量平均分子量(Mw)は、47×104〜67×104である。該SPB含有BRの重量平均分子量(Mw)の下限については50×104であることが好ましく、52×104であることがより好ましい。該SPB含有BRの重量平均分子量(Mw)の上限については65×104であることが好ましく、62×104であることがより好ましい。SPB含有BRのMwが47×104未満では耐摩耗性が低下し、67×104をこえると十分な硬度を得ることが困難になる。
また、前記SPB含有BRの分子量分布(Mw/Mn)は、2.5〜3.5である。SPB含有BRの分子量分布(Mw/Mn)の下限については2.6であることが好ましく、2.7であることがより好ましい。SPB含有BRの分子量分布(Mw/Mn)の上限については3.4であることが好ましく、3.3であることがより好ましい。SPB含有BRの(Mw/Mn)が2.5未満では加工性が低下し、3.5をこえると耐摩耗性が低下する。
前記SPB含有BRは、25℃で測定したトルエン溶液粘度(T−cp)が75〜150cpsであり、80〜130であることがさらに好ましい。(T−cp)が75cps未満では、耐摩耗性が劣るため好ましくなく、150cpsをこえると加工性が劣るため好ましくない。
SPB含有BRの100℃におけるムーニー粘度(ML1+4/100℃)は、50以上が好ましく、55以上がより好ましい。BRのML1+4/100℃が50未満では、耐摩耗性および氷上性能の大幅な改善がみられない傾向がある。また、SPB含有BRのML1+4/100℃は、70以下が好ましく、65以下がより好ましい。SPB含有BRのML1+4/100℃が70をこえると、加工性が悪化し、生産性の低下がみられる。
さらに、前記SPB含有BRのマトリックスポリブタジエンゴムは、シス−1,4ブタジエン単位量が97%以上であり、98%以上であることが好ましい。シス−1,4ブタジエン単位量が97%未満では耐摩耗性が劣るため好ましくない。
(シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエンが分散されたポリブタジエンゴムの作製方法)
SPB含有BRは、二段重合法によって製造できる。二段重合法とは、1,3−ブタジエンを二段階に分けて重合する方法であり、第1段階でシス−1,4−重合を行って高シス−1、4−ポリブタジエン(沸騰n−ヘキサン可溶分)を得、次いで重合を停止することなく引き続いてシンジオタクチック−1,2重合触媒を投入し、シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエン(沸騰n−ヘキサン不溶分)を合成し、沸騰n−ヘキサン不溶分が沸騰n−ヘキサン可溶分中に分散したポリブタジエンゴムを得るというものである。又、この逆に、第1段階でシンジオタクチック−1,2重合を行い、第2段階でシス−1,4重合を行ってもよい。
SPB含有BRは、二段重合法によって製造できる。二段重合法とは、1,3−ブタジエンを二段階に分けて重合する方法であり、第1段階でシス−1,4−重合を行って高シス−1、4−ポリブタジエン(沸騰n−ヘキサン可溶分)を得、次いで重合を停止することなく引き続いてシンジオタクチック−1,2重合触媒を投入し、シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエン(沸騰n−ヘキサン不溶分)を合成し、沸騰n−ヘキサン不溶分が沸騰n−ヘキサン可溶分中に分散したポリブタジエンゴムを得るというものである。又、この逆に、第1段階でシンジオタクチック−1,2重合を行い、第2段階でシス−1,4重合を行ってもよい。
シス−1,4重合触媒及びシンジオタクチック−1,2重合触媒には、各々公知のものを用いることができる。
シス−1,4重合触媒の例としては、ジエチルアルミニウムクロライド−コバルト系触媒やトリアルキルアルミニウム−三弗化硼素−ニッケル系触媒、ジエチルアルムニウムクロライド−ニッケル系触媒、トリエチルアルミニウム−四沃化チタニウム系触媒、等のチーグラー・ナッタ系触媒、及びトリエチルアルミニウム−有機酸ネオジウム−ルイス酸系触媒等のランタノイド元素系触媒等が挙げられる。
シンジオタクチック−1,2重合触媒の例としては、可溶性コバルト−有機アルミニウム化合物−二硫化炭素系触媒、可溶性コバルト−有機アルミニウム化合物−二硫化炭素系触媒、ニトリル化合物系触媒、等が挙げられる。重合度、重合触媒等の重合条件も公知の方法に従って適宜設定することができる。
SPB含有BRは、この他、ブレンド法によっても製造できる。
ブレンド法は、シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエンと高シス−1,4−ポリブタジエンとを予め別々に重合してからブレンドするという方法であるが、各々を溶液の状態でブレンドする溶液ブレンド法の他、バンバリーミキサーや押出混練機等で溶融、混練する溶融ブレンド法も可能である。又、二段重合法で合成したポリブタジエンゴムに、高シス−1,4−ポリブタジエンやシンジオタクチック−1,2−ポリブタジエンをブレンドしてもよい。
ブレンド法は、シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエンと高シス−1,4−ポリブタジエンとを予め別々に重合してからブレンドするという方法であるが、各々を溶液の状態でブレンドする溶液ブレンド法の他、バンバリーミキサーや押出混練機等で溶融、混練する溶融ブレンド法も可能である。又、二段重合法で合成したポリブタジエンゴムに、高シス−1,4−ポリブタジエンやシンジオタクチック−1,2−ポリブタジエンをブレンドしてもよい。
(ゴム成分の配合)
本発明に係るゴム組成物は、第1の実施形態では、ゴム成分として前記SPB含有BRに加えて、少なくとも天然ゴムおよび合成ポリイソプレンゴムを含む。
本発明に係るゴム組成物は、第1の実施形態では、ゴム成分として前記SPB含有BRに加えて、少なくとも天然ゴムおよび合成ポリイソプレンゴムを含む。
ゴム成分中、前記SPB含有BRの配合量は10〜40質量%である。ゴム成分中、天然ゴムおよび合成イソプレンゴムの合計の配合量は60〜90質量%である。SPB含有BRの配合量が40質量%をこえるとゴム強度が悪化するため耐久性が低下し、10質量%未満であると耐摩耗性が低下する。天然ゴムおよび合成イソプレンゴムの合計の配合量が90質量%をこえると耐摩耗性が低下し、60質量%未満であるとゴム強度が低下し、耐欠け性能が悪化するなど耐久性の面で劣ってしまう。
本発明に係るゴム組成物は、ゴム成分として、上記ポリブタジエンゴム、天然ゴム、合成ポリイソプレンゴムに加えて、シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエンを含まない一般的なポリブタジエンゴム(BR)や合成スチレン−ブタジエンを含むことができる。
本発明に係るゴム組成物は、第2の実施形態では、ゴム成分がSPB含有BR、シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエンを含まないポリブタジエンゴムと天然ゴムからなる。
ゴム成分中、前記SPB含有BRの配合量は10〜40質量%である。ゴム成分中、シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエンを含まないポリブタジエンゴムの配合量は0〜30質量%である。ゴム成分中、天然ゴムの配合量は60〜90質量%である。SPB含有BRの配合量が40質量%をこえるとゴム強度が悪化するため耐久性が低下し、10質量%未満であると耐摩耗性が低下する。シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエンを含まないポリブタジエンゴムの配合量が30質量%をこえるとゴム強度が悪化するため耐久性が低下するため好ましくない。天然ゴムおよび合成イソプレンゴムの合計の配合量が90質量%をこえると耐摩耗性が低下し、60質量%未満であるとゴム強度が低下し、耐欠け性能が悪化するなど耐久性の面で劣ってしまう。
<炭酸カルシウム系粒子>
SPB含有BRを特定量配合することにより氷上性能が向上するが、本願に係るスタッドレスタイヤとして用いるトレッド用ゴム組成物は、さらに、炭酸カルシウム系粒子を配合する。該粒子を配合したトレッド用ゴム組成物をスタッドレスタイヤのトレッド部とすることで、(1)炭酸カルシウム系粒子自体が氷雪路面を引っかく効果、(2)炭酸カルシウム系粒子に存在する細孔が氷雪路面の水を吸水し除去する効果、(3)炭酸カルシウム系粒子が脱落することによりできた細孔が氷雪路面の水を吸水し除去する効果、および(4)炭酸カルシウム系粒子が脱落することによりできた細孔の淵部分がエッジとしてはたらき、氷雪路面を引っかく効果という(1)〜(4)の効果が得られる。このように、氷上性能の向上には、引っかき効果とともに、炭酸カルシウム系粒子中に存在する細孔または炭酸カルシウム系粒子の脱落することにより得られる細孔による水分の除去効果が大きく起因している。
SPB含有BRを特定量配合することにより氷上性能が向上するが、本願に係るスタッドレスタイヤとして用いるトレッド用ゴム組成物は、さらに、炭酸カルシウム系粒子を配合する。該粒子を配合したトレッド用ゴム組成物をスタッドレスタイヤのトレッド部とすることで、(1)炭酸カルシウム系粒子自体が氷雪路面を引っかく効果、(2)炭酸カルシウム系粒子に存在する細孔が氷雪路面の水を吸水し除去する効果、(3)炭酸カルシウム系粒子が脱落することによりできた細孔が氷雪路面の水を吸水し除去する効果、および(4)炭酸カルシウム系粒子が脱落することによりできた細孔の淵部分がエッジとしてはたらき、氷雪路面を引っかく効果という(1)〜(4)の効果が得られる。このように、氷上性能の向上には、引っかき効果とともに、炭酸カルシウム系粒子中に存在する細孔または炭酸カルシウム系粒子の脱落することにより得られる細孔による水分の除去効果が大きく起因している。
炭酸カルシウム系粒子としては、一般に市販されているものを用いることもできるが、とくに生体から得られる炭酸カルシウム系粒子(生体由来の炭酸カルシウム系粒子)であることが好ましい。
生体由来の炭酸カルシウム系粒子としては、卵殻粉(例えば、鶏卵粉)などがあげられる。なかでも、大量供給が可能であり、最も安価に入手可能であるという効果が得られることから、生体由来の炭酸カルシウム系粒子としては、卵殻粉であることが好ましい。
炭酸カルシウム系粒子の平均一次粒子径は5μm以上が好ましく、10μm以上がより好ましい。平均一次粒子径が5μm未満では、粒子の脱落孔が小さくなりすぎるため、吸水効果および引掻き効果の向上が望めなくなり、氷上性能が低下する傾向がある。また、炭酸カルシウム系粒子の平均一次粒子径は150μm以下が好ましく、100μm以下がより好ましい。平均一次粒子径が150μmをこえると、耐摩耗性およびゴムの硬度や強度が著しく低下する傾向がある。
炭酸カルシウム系粒子の含有量は、ゴム成分100重量部に対して5重量部以上が好ましく、10重量部以上がより好ましい。炭酸カルシウム系粒子の含有量が5重量部未満では、生じる細孔の数が十分ではなく、氷上性能を十分に向上させることができない傾向がある。また、炭酸カルシウム系粒子の含有量は、ゴム成分100重量部に対して25重量部以下が好ましく、20重量部以下がより好ましい。炭酸カルシウム系粒子の含有量が25重量部をこえると、耐摩耗性およびゴムの破壊強度が著しく低下する傾向がある。
<カーボンブラック>
本発明のゴム組成物は補強剤としてカーボンブラックを配合することが可能である。カーボンブラックの配合量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5〜80質量部、より好ましくは30〜55質量部である。カーボンブラックの配合量が5質量部未満では十分な補強性、剛性が得られず、80質量部をこえると発熱しやすくなる。
本発明のゴム組成物は補強剤としてカーボンブラックを配合することが可能である。カーボンブラックの配合量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5〜80質量部、より好ましくは30〜55質量部である。カーボンブラックの配合量が5質量部未満では十分な補強性、剛性が得られず、80質量部をこえると発熱しやすくなる。
カーボンブラックは、チッ素吸着比表面積(N2SA)が好ましくは100〜170m2/gであり、より好ましくは120〜160m2/gである。チッ素吸着比表面積が100m2/g未満であると耐摩耗性を十分に得ることができない傾向があり、170m2/gを超えると発熱が大きくなり、タイヤの損傷に対して不利になる傾向がある。
<老化防止剤>
老化防止剤としては、アミン系、フェノール系、イミダゾール系の各化合物や、カルバミン酸金属塩、ワックスなどを適宜選択して使用することが可能である。
老化防止剤としては、アミン系、フェノール系、イミダゾール系の各化合物や、カルバミン酸金属塩、ワックスなどを適宜選択して使用することが可能である。
<加硫助剤>
加硫助剤としては、ステアリン酸、亜鉛華(酸化亜鉛)などを使用することができる。
加硫助剤としては、ステアリン酸、亜鉛華(酸化亜鉛)などを使用することができる。
<加硫剤>
加硫剤としては、有機過酸化物もしくは硫黄系加硫剤を使用できる。有機過酸化物としては、たとえば、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3あるいは1,3−ビス(t−ブチルパーオキシプロピル)ベンゼン等を使用することができる。また、硫黄系加硫剤としては、たとえば、硫黄、モルホリンジスルフィドなどを使用することができる。これらの中では硫黄が好ましい。
加硫剤としては、有機過酸化物もしくは硫黄系加硫剤を使用できる。有機過酸化物としては、たとえば、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3あるいは1,3−ビス(t−ブチルパーオキシプロピル)ベンゼン等を使用することができる。また、硫黄系加硫剤としては、たとえば、硫黄、モルホリンジスルフィドなどを使用することができる。これらの中では硫黄が好ましい。
<加硫促進剤>
加硫促進剤としては、スルフェンアミド系、チアゾール系、チウラム系、チオウレア系、グアニジン系、ジチオカルバミン酸系、アルデヒド−アミン系またはアルデヒド−アンモニア系、イミダゾリン系、もしくは、キサンテート系加硫促進剤のうち少なくとも一つを含有するものを使用することが可能である。
加硫促進剤としては、スルフェンアミド系、チアゾール系、チウラム系、チオウレア系、グアニジン系、ジチオカルバミン酸系、アルデヒド−アミン系またはアルデヒド−アンモニア系、イミダゾリン系、もしくは、キサンテート系加硫促進剤のうち少なくとも一つを含有するものを使用することが可能である。
<その他の成分>
本発明のゴム組成物には、その他の補強剤、各種オイル、軟化剤、可塑剤、カップリング剤などのタイヤ用または一般のゴム組成物に配合される各種配合剤および添加剤を配合することができる。また、これらの配合剤、添加剤の含有量も一般的な量とすることができる。
本発明のゴム組成物には、その他の補強剤、各種オイル、軟化剤、可塑剤、カップリング剤などのタイヤ用または一般のゴム組成物に配合される各種配合剤および添加剤を配合することができる。また、これらの配合剤、添加剤の含有量も一般的な量とすることができる。
<ゴム組成物の作製方法>
本発明のゴム組成物の製造方法としては、従来から公知の方法を用いることができ、たとえば上記各材料を所定の配合割合となるように秤量した後、オープンロール、バンバリーミキサー等のゴム混練装置を用いて、100〜250℃で5〜60分間混練する方法等がある。
本発明のゴム組成物の製造方法としては、従来から公知の方法を用いることができ、たとえば上記各材料を所定の配合割合となるように秤量した後、オープンロール、バンバリーミキサー等のゴム混練装置を用いて、100〜250℃で5〜60分間混練する方法等がある。
<タイヤの製造方法>
本発明に係るゴム組成物が用いられたトレッドを有するタイヤは、ゴム組成物の未架橋物を調製し、該未架橋物をタイヤのトレッド部分に適用して加硫成形することによって形成されることができる。
本発明に係るゴム組成物が用いられたトレッドを有するタイヤは、ゴム組成物の未架橋物を調製し、該未架橋物をタイヤのトレッド部分に適用して加硫成形することによって形成されることができる。
(シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエンが分散されたポリブタジエンゴムの作製)
シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエンが分散されたポリブタジエンゴム1(SPB含有BR1)およびシンジオタクチック−1,2−ポリブタジエンが分散されたポリブタジエンゴム2(SPB含有BR2)は、宇部興産(株)社製BR150L(ハイシスポリブタジエンゴム)と同じ条件でマトリックスBRを重合後、SPBを重合し分散させて作製した。
シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエンが分散されたポリブタジエンゴム1(SPB含有BR1)およびシンジオタクチック−1,2−ポリブタジエンが分散されたポリブタジエンゴム2(SPB含有BR2)は、宇部興産(株)社製BR150L(ハイシスポリブタジエンゴム)と同じ条件でマトリックスBRを重合後、SPBを重合し分散させて作製した。
(シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエンが分散されたポリブタジエンゴムの特性測定)
SPB含有BR1、SPB含有BR2および宇部興産(株)製のVCR412について、以下の測定を行なった。VCR412はシンジオタクチック−1,2−ポリブタジエンの含有率が12重量%、マトリックスポリブタジエンゴムのシス−1,4ブタジエン単位量が96%の、シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエンが分散されたポリブタジエンゴムである。結果を表1に示す。
SPB含有BR1、SPB含有BR2および宇部興産(株)製のVCR412について、以下の測定を行なった。VCR412はシンジオタクチック−1,2−ポリブタジエンの含有率が12重量%、マトリックスポリブタジエンゴムのシス−1,4ブタジエン単位量が96%の、シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエンが分散されたポリブタジエンゴムである。結果を表1に示す。
(分子量測定)
ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)により、ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)を測定し、分子量分布(Mw/Mn)を求めた。
ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)により、ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)を測定し、分子量分布(Mw/Mn)を求めた。
(トルエン溶液粘度)
シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエンが分散されたポリブタジエンゴムをトルエンに溶解させて5%トルエン溶液を調製し、キャノンフェンスク型動粘度計(#400)を用いて、動粘度計流下時間よりT−cpを算出し、測定温度25℃の条件でトルエン溶液粘度(T−cp)を測定した。
シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエンが分散されたポリブタジエンゴムをトルエンに溶解させて5%トルエン溶液を調製し、キャノンフェンスク型動粘度計(#400)を用いて、動粘度計流下時間よりT−cpを算出し、測定温度25℃の条件でトルエン溶液粘度(T−cp)を測定した。
(シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエンが分散されたポリブタジエンゴムのムーニー粘度)
(株)島津製作所製のムーニー粘度試験機「ムーニービスコメーターSMV−202」を用い、1分間予熱することによって熱せられた試験片を100℃の温度条件にて、大ローターを回転させ、4分間経過した時点でのムーニー粘度(ML1+4/100℃)を測定した。
(株)島津製作所製のムーニー粘度試験機「ムーニービスコメーターSMV−202」を用い、1分間予熱することによって熱せられた試験片を100℃の温度条件にて、大ローターを回転させ、4分間経過した時点でのムーニー粘度(ML1+4/100℃)を測定した。
<実施例1〜4および比較例1〜4>
(ゴム組成物の作製)
表2記載の硫黄および加硫促進剤以外の薬品をそれぞれ表2に示す配合量で、密閉式バンバリーミキサーを用いて温度150℃になるまで4分間混練りした。得られた混練物にさらに硫黄および加硫促進剤を表2に示す配合量添加して、2軸オープンロールを用いて40℃で4分間混練りし、押出し機を使用して未加硫ゴム組成物を押し出し成型した。該未加硫ゴム組成物を150℃で30分間プレス加硫することで加硫ゴム組成物を作製し、これらを用いて硬度測定を行なった。
(ゴム組成物の作製)
表2記載の硫黄および加硫促進剤以外の薬品をそれぞれ表2に示す配合量で、密閉式バンバリーミキサーを用いて温度150℃になるまで4分間混練りした。得られた混練物にさらに硫黄および加硫促進剤を表2に示す配合量添加して、2軸オープンロールを用いて40℃で4分間混練りし、押出し機を使用して未加硫ゴム組成物を押し出し成型した。該未加硫ゴム組成物を150℃で30分間プレス加硫することで加硫ゴム組成物を作製し、これらを用いて硬度測定を行なった。
(硬度)
JIS K 6253「加硫ゴムおよび熱可塑性ゴムの硬さ試験方法」に準じて、タイプAデュロメーターにて、前記加硫ゴム組成物のゴム硬度を測定した。
JIS K 6253「加硫ゴムおよび熱可塑性ゴムの硬さ試験方法」に準じて、タイプAデュロメーターにて、前記加硫ゴム組成物のゴム硬度を測定した。
(スタッドレスタイヤの製造)
前記未加硫ゴムシートを、トレッドの形状に成形して他のタイヤ部位と貼り合わせ、150℃にて35分間加硫することにより、実施例1〜4、比較例1〜4の試験用スタッドレスタイヤ(タイヤサイズ11R22.5)を作製し、以下の測定試験に使用した。
前記未加硫ゴムシートを、トレッドの形状に成形して他のタイヤ部位と貼り合わせ、150℃にて35分間加硫することにより、実施例1〜4、比較例1〜4の試験用スタッドレスタイヤ(タイヤサイズ11R22.5)を作製し、以下の測定試験に使用した。
(氷上性能試験)
試験用スタッドレスタイヤを4tトラックに装着し、気温−1〜−6℃の北海道旭川テストコースにて、実車走行で時速30kmとなった時点でロックブレーキを踏み、そこから停止するまでの距離(停止距離)を測定した。
試験用スタッドレスタイヤを4tトラックに装着し、気温−1〜−6℃の北海道旭川テストコースにて、実車走行で時速30kmとなった時点でロックブレーキを踏み、そこから停止するまでの距離(停止距離)を測定した。
また、該トラックの発進、加速および停止について、ドライバーが官能評価をおこなった。
そして、前記で算出した停止距離、ならびに発進、加速および停止についての官能評価について、停止距離については比較例1を100として他の停止距離を指数表示し、さらに、官能評価についても比較例1を100として他を評価したうえで、これらの結果の平均をとることで氷上性能指数を算出した。数値が大きいほど氷上性能が優れている。
(耐摩耗性試験)
上記加硫ゴム組成物から直径50mm、厚さ6mmの試験片を切り出し、(株)岩本製作所製のランボーン摩耗試験機を用いて、表面回転速度50m/min、落砂量15g/min、スリップ率20%、温度23℃および負荷重量3.0kgの条件下で試験を実施して、容積損失を測定し、容積損失量を求めた。得られた容積損失量から、下記計算式により実施例1〜4および比較例1〜4の耐摩耗性指数を算出した。なお、指数が大きいほど耐摩耗性が優れることを示す。
上記加硫ゴム組成物から直径50mm、厚さ6mmの試験片を切り出し、(株)岩本製作所製のランボーン摩耗試験機を用いて、表面回転速度50m/min、落砂量15g/min、スリップ率20%、温度23℃および負荷重量3.0kgの条件下で試験を実施して、容積損失を測定し、容積損失量を求めた。得られた容積損失量から、下記計算式により実施例1〜4および比較例1〜4の耐摩耗性指数を算出した。なお、指数が大きいほど耐摩耗性が優れることを示す。
(耐摩耗性指数)=(比較例1の容積損失量)/(各配合の容積損失量)×100
天然ゴム:TSR20
ブタジエンゴム:宇部興産(株)製のBR150B
VCR412:宇部興産(株)製のVCR412(シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエン含有率12質量%、マトリックスポリブタジエンゴムのシス−1,4ブタジエン単位量:96%)
カーボンブラック:昭和キャボット(株)製のショウブラックN220(チッ素吸着比表面積:111m2/g)
卵殻粉:キューピータマゴ(株)製の卵殻粉(粒径50μm)
ワックス:大内新興化学(株)製のサンノックワックス
老化防止剤:大内新興化学(株)製のノクラック6C(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
ステアリン酸:日本油脂(株)製の椿
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号
硫黄:鶴見化学(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤:大内新興化学(株)製のノクセラーNS
(評価結果)
実施例1〜4は、本発明の要件を満たすSPB含有BRであるSPB含有BR1をゴム成分中10〜40質量%含むゴム組成物である。いずれも比較例1より硬度が上昇し、氷上性能および耐摩耗性のいずれも優れた効果を示している。
ブタジエンゴム:宇部興産(株)製のBR150B
VCR412:宇部興産(株)製のVCR412(シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエン含有率12質量%、マトリックスポリブタジエンゴムのシス−1,4ブタジエン単位量:96%)
カーボンブラック:昭和キャボット(株)製のショウブラックN220(チッ素吸着比表面積:111m2/g)
卵殻粉:キューピータマゴ(株)製の卵殻粉(粒径50μm)
ワックス:大内新興化学(株)製のサンノックワックス
老化防止剤:大内新興化学(株)製のノクラック6C(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
ステアリン酸:日本油脂(株)製の椿
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号
硫黄:鶴見化学(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤:大内新興化学(株)製のノクセラーNS
(評価結果)
実施例1〜4は、本発明の要件を満たすSPB含有BRであるSPB含有BR1をゴム成分中10〜40質量%含むゴム組成物である。いずれも比較例1より硬度が上昇し、氷上性能および耐摩耗性のいずれも優れた効果を示している。
比較例2は、VCR412をゴム成分中20質量%含むゴム組成物である。VCR412は、マトリックスポリブタジエンゴムのシス‐1,4ブタジエン単位量が96%である。比較例1と同等の硬度を有し、氷上性能は向上しているが、耐摩耗性が悪化した。
比較例3は、本発明の要件を満たさないSPB含有BR2をゴム成分中20質量%含むゴム組成物である。SPB含有BR2は1,2−シンジオタクチックポリブタジエン含有量が5.5質量%である。比較例1と比べて硬度が維持できず、氷上性能を向上できない。
比較例4は、SPB含有BR2をゴム成分中30質量%含むゴム組成物である。比較例1と比べて硬度および耐摩耗性能が向上したが、氷上性能は向上できない。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
Claims (5)
- ゴム成分がシンジオタクチック−1,2−ポリブタジエンが分散されたポリブタジエンゴム10〜40質量%と、少なくとも天然ゴムおよび合成ポリイソプレンゴムを合計で90〜60質量%含むゴム組成物であって、
前記シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエンが分散されたポリブタジエンゴムは、前記シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエンの含有率が8〜12質量%、重量平均分子量が47×104〜67×104、分子量分布が2.5〜3.5、25℃におけるトルエン溶液粘度が75〜150cps、ムーニー粘度(ML1+4/100℃)が50〜70であり、
前記ゴム成分100質量部に対して、炭酸カルシウム系粒子を5〜25質量部含むゴム組成物。 - ゴム成分がシンジオタクチック−1,2−ポリブタジエンが分散されたポリブタジエンゴム10〜40質量%、シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエンを含まないポリブタジエンゴム0〜30質量%および天然ゴム90〜60質量%からなるゴム組成物であって、
前記シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエンが分散されたポリブタジエンゴムは、前記シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエンの含有率が8〜12質量%、重量平均分子量が47×104〜67×104、分子量分布が2.5〜3.5、25℃におけるトルエン溶液粘度が75〜150cps、ムーニー粘度(ML1+4/100℃)が50〜70であり、
前記ゴム成分100質量部に対して、炭酸カルシウム系粒子を5〜25質量部含むゴム組成物。 - 前記炭酸カルシウム系粒子が卵殻粉である請求項1または2いずれかに記載のゴム組成物。
- 前記シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエンが分散されたポリブタジエンゴムのマトリックスポリブタジエンゴムのシス−1,4ブタジエン単位量が97%以上である請求項1〜3いずれか1つに記載のゴム組成物。
- 請求項1〜4いずれか1つに記載のゴム組成物からなるトレッドを有する重荷重用スタッドレスタイヤ。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009010140A JP2010168427A (ja) | 2009-01-20 | 2009-01-20 | ゴム組成物およびそれを用いたタイヤ |
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Publications (1)
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ID=42700870
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2014003052A1 (ja) * | 2012-06-29 | 2014-01-03 | Jsr株式会社 | ゴム組成物、サイドウォールおよびタイヤ |
JP2017025238A (ja) * | 2015-07-24 | 2017-02-02 | 横浜ゴム株式会社 | タイヤ用ゴム組成物および空気入りタイヤ |
CN108026331A (zh) * | 2015-09-30 | 2018-05-11 | 住友橡胶工业株式会社 | 充气轮胎 |
JP2019167410A (ja) * | 2018-03-22 | 2019-10-03 | 住友ゴム工業株式会社 | タイヤ用ゴム組成物 |
JP2021031280A (ja) * | 2019-08-28 | 2021-03-01 | 株式会社ブリヂストン | コンベアベルト又はゴムクローラ用ゴム組成物、コンベアベルト、及びゴムクローラ |
-
2009
- 2009-01-20 JP JP2009010140A patent/JP2010168427A/ja not_active Withdrawn
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