JP2011012248A - タイヤ用ゴム組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐摩耗性及び引張り強度を維持しながら、氷上摩擦力を従来レベルよりも向上するようにしたタイヤ用ゴム組成物を提供する。
【解決手段】ジエン系ゴム100重量部に対し、窒素吸着比表面積が110m/g以上であるカーボンブラックを35〜60重量部、珪藻土を1〜10重量部を配合すると共に、シリカ、硫黄及び加硫促進剤を配合し、かつカーボンブラックの配合量をA重量部、シリカの配合量をB重量部、珪藻土の配合量をC重量部、硫黄の配合量をD重量部及び加硫促進剤の配合量をE重量部とするときに、重量比(B+C)/(A+B+C)を0.10〜0.25、重量比E/Dを0.50〜1.00にしたことを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、タイヤ用ゴム組成物に関し、さらに詳しくは、耐摩耗性及び引張り強度を維持しながら、氷上摩擦力を従来レベルよりも向上するようにしたタイヤ用ゴム組成物に関する。
氷雪路用空気入りタイヤ(スタッドレスタイヤ)は、水膜に覆われた氷面における制駆動性能(氷上性能)に優れることが求められている。このため特許文献1は、スタッドレスタイヤのトレッド用ゴム組成物に硬度が高い多孔質珪藻土を配合することにより、氷面に対して高硬度粒子による引掻き効果と、多孔質材料による吸水効果とを同時に付与し、氷上摩擦力を向上させることを提案している。
しかしながら、氷上摩擦力を一層向上させるため多孔質珪藻土を増量すると、ゴム組成物の耐摩耗性及び引張り強度が低下することが避けられない。ゴム組成物の耐摩耗性及び引張り強度が低下すると、溝が深くサイプを多数配置したブロックからなるトレッドパターンを有するスタッドレスタイヤの耐久性が低下すると共に、所望の氷上摩擦力が得られないという問題があった。
国際公開第2008/078822号パンフレット
本発明の目的は、耐摩耗性及び引張り強度を維持しながら、氷上摩擦力を従来レベルよりも向上するようにしたタイヤ用ゴム組成物を提供することにある。
上記目的を達成する本発明のタイヤ用ゴム組成物は、ジエン系ゴム100重量部に対し、窒素吸着比表面積が110m/g以上であるカーボンブラックを35〜60重量部、珪藻土を1〜10重量部を配合すると共に、シリカ、硫黄及び加硫促進剤を配合し、かつカーボンブラックの配合量をA重量部、シリカの配合量をB重量部、珪藻土の配合量をC重量部、硫黄の配合量をD重量部及び加硫促進剤の配合量をE重量部とするときに、重量比(B+C)/(A+B+C)を0.10〜0.25、重量比E/Dを0.50〜1.00にしたことを特徴とする。
前記珪藻土は、円筒状又は円柱状の多孔質珪藻土であり、その円筒又は円柱の高さLが100μm以下、円筒又は円柱の底面の直径Dに対する高さLの比L/Dが0.2〜3.0であるとよい。前記珪藻土は、メロシラ属に属することが好ましい。
またタイヤ用ゴム組成物は、粉砕ゴム、短繊維及び熱膨張性マイクロカプセルから選ばれる少なくとも1種を配合することができ、このとき珪藻土、粉砕ゴム、短繊維及び熱膨張性マイクロカプセルの合計を、前記ジエン系ゴム100重量部に対し1〜10重量部にするとよい。前記ジエン系ゴムは、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴムからなる群から選ばれる少なくとも1種であるとよい。
このタイヤ用ゴム組成物を、トレッド部に使用したスタッドレスタイヤは、耐摩耗性及び引張り強度を維持しながら、氷上摩擦力を従来レベルよりも向上することができる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、ジエン系ゴム100重量部に対し、窒素吸着比表面積が110m/g以上であるカーボンブラックを35〜60重量部、珪藻土を1〜10重量部及びシリカを配合すると共に、カーボンブラックの配合量をA重量部、シリカの配合量をB重量部、珪藻土の配合量をC重量部にするとき、重量比(B+C)/(A+B+C)を0.10〜0.25にしたので、耐摩耗性の低下を可及的に小さくしながら氷上摩擦力を向上可能にする。また、硫黄の配合量をD重量部及び加硫促進剤の配合量をE重量部にするとき、重量比E/Dを0.50〜1.00にしたので、耐摩耗性及び引張り強度を維持しながら、氷上摩擦力を一層向上することができる。
本発明のゴム組成物に使用するジエン系ゴムは、特に限定されるものではないが、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴムからなる群から選ばれる少なくとも1種であるとよい。なかでも、天然ゴム及び/又はブタジエンゴムがより好ましい。これらのジエン系ゴムはガラス転移温度(Tg)が好ましくは−50℃以下、より好ましくは−110℃〜−70℃であるとよい。ジエン系ゴムのTgを−50℃以下にすることにより、ゴム組成物の低温状態での硬度が低くなり氷面に対する凝着性を向上し、氷上摩擦力を高くすることができる。なお、本発明において、ジエン系ゴムのTgは、示差走査熱量測定(DSC)により20℃/分の昇温速度条件によりサーモグラムを測定し、転移域の中点の温度とした。
本発明において、カーボンブラックを配合することにより、ゴム組成物の引張り強度及び耐摩耗性を確保する。カーボンブラックとしては、窒素吸着比表面積(NSA)が110m/g以上、好ましくは115〜150m/gのものを使用する。カーボンブラックのNSAが110m/g未満であると、ゴム組成物の引張り強度及び耐摩耗性を十分に確保することができない。なお、カーボンブラックのNSAは、JIS K6217−2に準拠して求めた。
カーボンブラックの配合量は、ジエン系ゴム100重量部に対し35〜60重量部、好ましくは40〜55重量部にする必要がある。カーボンブラックの配合量が35重量部未満であると、ゴム組成物の引張り強度及び耐摩耗性を十分に確保することができない。また、カーボンブラックの配合量が60重量部を超えると、引張り強度及び耐摩耗性が低下し、混合加工性も悪化する。
本発明のゴム組成物において、シリカを配合することにより、ゴム組成物の低温状態の柔軟性を維持し氷面に対する凝着性を高め氷上摩擦力を向上することができる。シリカの配合量は、ジエン系ゴム100重量部に対し好ましくは1〜19重量部、より好ましくは5〜10重量部にするとよい。シリカの配合量が1重量部未満の場合、低温時のゴムの柔軟性を維持し氷面に対する凝着性を高くする効果が十分に得られない。また、シリカの配合量が19重量部を超えると、引張り強度及び耐摩耗性が著しく低下する。シリカの種類としては、特に限定されるものではなく、通常ゴム組成物に配合されるものを使用することができ、例えば湿式法シリカ、乾式法シリカ、表面処理シリカを例示することができる。
本発明において、珪藻土を配合することにより、氷面に対する引掻き効果と吸水効果とを同時に付与することができる。使用する珪藻土としては、特に制限されるものではないが、円筒状又は円柱状の多孔質珪藻土が好ましい。このような形状の多孔質珪藻土を配合することにより、水膜に覆われた氷面に対する引掻き効果を一層高くすると共に、吸水効果を大きくすることができる。なお、通常の珪藻土は、大半が平板状であるため、氷面に対する引掻き効果及び吸水効果が十分に得られない。
円筒状又は円柱状の多孔質珪藻土は、その高さLが好ましくは100μm以下、より好ましくは1〜30μmであるとよい。高さLを100μm以下にすることにより、ゴム組成物の引張り強度及び耐摩耗性の低下を抑制することができる。また、円筒状又は円柱状の多孔質珪藻土の底面の直径Dに対する高さLの比L/Dが好ましくは0.2〜3.0、より好ましくは0.3〜2.0であるとよい。多孔質珪藻土の比L/Dをこのような範囲内にすることにより、氷面に対する引掻き効果と吸水効果とを同時に付与することができる。このような珪藻土としては、例えばメロシラ属に属する多孔質珪藻土を例示することができる。
上述した珪藻土の配合量は、ジエン系ゴム100重量部に対し1〜10重量部、好ましくは2〜5重量部にする必要がある。珪藻土の配合量が1重量部未満であると、水膜に覆われた氷面に対する引掻き効果及び吸水効果が十分に得られない。また、珪藻土の配合量が10重量部を超えると、ゴム組成物の引張り強度及び耐摩耗性が低下する。
本発明のゴム組成物は、カーボンブラック、シリカ及び珪藻土を必須成分とするが、カーボンブラックの配合量をA重量部、シリカの配合量をB重量部、珪藻土の配合量をC重量部にするとき、重量比(B+C)/(A+B+C)を0.10〜0.25、好ましくは0.13〜0.22にする必要がある。重量比(B+C)/(A+B+C)が0.10より小さいと氷上摩擦力が悪化する。また、重量比(B+C)/(A+B+C)が0.25より大きいと耐摩耗性及び引張り強度が悪化する。
また、本発明のゴム組成物は、硫黄及び加硫促進剤を配合し、硫黄の配合量をD重量部及び加硫促進剤の配合量をE重量部とするとき、重量比E/Dを0.50〜1.00にする必要がある。重量比E/Dが0.50より小さいとゴム組成物の引張り強度及び耐摩耗性が悪化する。また、重量比E/Dが1.00より大きいとゴム組成物の硬度が高くなり氷上摩擦力が悪化する。またゴム組成物の引張り強度及び耐摩耗性が悪化する。ここで重量比E/Dを好ましくは0.50〜0.70、より好ましくは0.50〜0.65にすることにより、氷上摩擦力を一層高くすることができる。また重量比E/Dを好ましくは0.60〜0.95にすることにより、ゴム組成物の発熱性の悪化を抑制し、タイヤにしたときの耐久性、低転がり抵抗性および氷上摩擦力を高いレベルで兼備することができる。
使用する硫黄及び加硫促進剤としては、通常タイヤ用ゴム組成物に配合可能なものを使用することができる。硫黄の配合量は、ジエン系ゴム100重量部に対し好ましくは1.0〜2.5重量部、より好ましくは1.3〜2.0重量部にするとよい。
またタイヤ用ゴム組成物は、粉砕ゴム、短繊維及び熱膨張性マイクロカプセルから選ばれる少なくとも1種を配合することができる。粉砕ゴムを配合すると、粉砕ゴムがトレッドゴムの表面から抜け落ちることにより、トレッドゴム表面に空隙が形成される。このため、吸水効果を発現すると共に、エッジ効果により氷上摩擦力を高くすることができる。このような粉砕ゴムとしては、加硫ゴムや再生ゴムの粉砕品を使用することができる。粉砕ゴムの大きさは特に制限されるものではないが、好ましくは5〜500μm、より好ましくは150〜400μmにするとよい。
短繊維を配合することにより氷面に対する引掻き効果により氷上摩擦力を高くすることができる。短繊維としては、無機繊維、有機繊維のいずれでもよく、無機繊維としては例えばガラス繊維、炭素繊維、金属繊維等の短繊維を例示することができる。また、有機繊維としては、例えばナイロン繊維、アラミド繊維、ポリエステル繊維、ポリオレフィン繊維、ポリビニルアルコール繊維、セルロース繊維等から選ばれる短繊維を例示することができる。
また、熱膨張性マイクロカプセルを配合すると、未加硫タイヤの加硫成形時に膨張し、トレッドゴム中に多数の樹脂被覆気泡を形成する。この樹脂被覆気泡により、氷の表面に発生する水膜を効率的に吸収除去すると共に、ミクロなエッジ効果が得られるため、氷上摩擦力を向上させる。このような熱膨張性マイクロカプセルとしては、例えばスェーデン国エクスパンセル社製の商品名「EXPANCEL 091DU−80」又は「EXPANCEL 092DU−120」等、或いは松本油脂製薬社製の商品名「マイクロスフェアー F−85D」又は「マイクロスフェアー F−100D」等を使用することができる。
上述した粉砕ゴム、短繊維及び熱膨張性マイクロカプセルの配合量は、特に制限されるものではないが、ジエン系ゴム100重量部に対する珪藻土、粉砕ゴム、短繊維及び熱膨張性マイクロカプセルの合計を、好ましくは1〜10重量部、より好ましくは3〜7重量部になるように配合するとよい。珪藻土、粉砕ゴム、短繊維及び熱膨張性マイクロカプセルの合計が1重量部未満であると氷上摩擦力を高くすることができない。また、珪藻土、粉砕ゴム、短繊維及び熱膨張性マイクロカプセルの合計が10重量部を超えるとゴム組成物の引張り強度及び耐摩耗性が悪化する。
本発明において、シリカと共にシランカップリング剤を配合することにより、珪藻土及びシリカの分散性を向上しゴムとの補強性を高めことができる。シランカップリング剤の配合量は珪藻土及びシリカ配合量の2〜20重量%、好ましくは5〜15重量%にするとよい。シランカップリング剤の配合量が2重量%未満の場合、珪藻土及びシリカの分散を向上する効果が十分に得られないことがある。また、シランカップリング剤の配合量が20重量%を超える場合、シランカップリング剤同士が凝集・縮合してしまい、所望の効果を得ることができなくなる。
シランカップリング剤としては、タイヤ用ゴム組成物に使用可能なものであればよく、特に硫黄含有シランカップリング剤が好ましい。硫黄含有シランカップリング剤としては、例えばビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラサルファイド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジサルファイド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラサルファイド、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−オクタノイルチオプロピルトリエトキシシラン等を例示することができる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物には、上記以外に各種無機充填剤、各種オイル、老化防止剤、可塑化剤(軟化剤)、その他タイヤ用ゴム組成物に一般的に配合されている各種添加剤を配合することができ、これらの添加剤の配合量も、本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。本発明のゴム組成物は、通常のゴム用混練機械、例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール等を使用して、上記各成分を混合することによって製造することができる。
本発明のゴム組成物は、耐摩耗性及び引張り強度を維持しながら、氷上摩擦力を従来レベルよりも向上するため、スタッドレスタイヤのトレッド部を構成するのに好適である。本発明のゴム組成物を使用したスタッドレスタイヤは、氷上摩擦力が従来レベルより高く、氷上走行性能が向上すると共に、トレッドゴムの耐摩耗性及び引張り強度が高く、タイヤ耐久性が優れる。
以下、実施例によって本発明をさらに説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
表1,2に示す配合において、硫黄、加硫促進剤及び熱膨張性マイクロカプセルを除く成分を16リットル密閉式バンバリーミキサーで150℃になるように回転数を調整しながら4分間混練した後、放出して室温冷却した。これに加硫促進剤、硫黄及び熱膨張性マイクロカプセルを配合し、16リットル密閉式バンバリーミキサーで混合し、14種類のタイヤ用ゴム組成物(実施例1〜5、比較例1〜9)を調製した。
得られた14種類のタイヤ用ゴム組成物(実施例1〜5、比較例1〜9)を所定の金型中で160℃で20分間プレス加硫して加硫ゴム試験片を調製した。得られた加硫ゴム試験片の氷上摩擦力、耐摩耗性及び引張り強度を下記に示す方法により評価した。
氷上摩擦力
得られた加硫ゴム試験片を偏平円柱状の台ゴムにはりつけ、インサイドドラム型氷上摩擦試験機を用いて氷上摩擦係数を測定した。測定条件は、温度を−3.0℃、荷重を0.54MPa、ドラム回転速度を25km/hにした。得られた結果は、比較例1を100とする指数として表1,2に示した。この指数が大きいほど氷上摩擦力が優れることを意味する。
耐摩耗性
得られた加硫ゴム試験片を、JIS K6264に準拠しランボーン摩耗試験機(岩本製作所社製)を使用して、温度20℃、荷重39N、スリップ率30%、時間4分の条件で摩耗量を測定した。得られた結果は、比較例1の値の逆数を100とする指数で表わし表1,2に示した。この指数が大きいほど耐摩耗性に優れることを意味する。
引張り強度
得られた加硫ゴム試験片を用いて、JIS K6251に準拠し3号型ダンベル試験片を打抜き成形した。この試験片の引張り試験を温度20℃、引張り速度500mm/分の条件で行い、破断時の応力(引張り破断強度)を測定した。得られた結果は、比較例1を100とする指数として表1,2に示した。この指数が大きいほど引張り強度が優れることを意味する。
Figure 2011012248
Figure 2011012248
なお、表1,2において使用した原材料の種類を下記に示す。
NR:天然ゴム、RSS#3
BR:ブタジエンゴム、日本ゼオン社製Nipol BR1220
CB1:カーボンブラック、窒素吸着比表面積117m/g、新日化カーボン社製ニテロン#300
CB2:カーボンブラック、窒素吸着比表面積100m/g、新日化カーボン社製ニテロン#200IS
シリカ:東ソー・シリカ社製ニップシール AQ
珪藻土:円筒状の多孔質珪藻土、イーグルピッチャー社製LCS−3、円筒の高さL=3〜12μm(実測値)、円筒のL/D=0.3〜2(実測値)
粉砕ゴム:日本ピグメント社製粉砕ゴム
短繊維:宇部興産社製UBESHP−HA1060
熱膨張性マイクロカプセル:松本油脂製薬社製マイクロスフェアーF100D
老化防止剤:住友化学社製アンチゲン6C
ワックス:大内新興化学工業社製サンノック
亜鉛華:正同化学工業社製酸化亜鉛3種
ステアリン酸:日油社製ビーズステアリン酸
硫黄:鶴見化学工業社製金華印油入微粉硫黄
加硫促進剤:大内新興化学工業社製ノクセラーNS−P
表1,2の結果から明らかなように、実施例1〜5のタイヤ用ゴム組成物は、耐摩耗性及び引張り強度を維持しながら、氷上摩擦力を従来レベルよりも向上することができる。
表1の結果から明らかなように、比較例2のタイヤ用ゴム組成物は、重量比(B+C)/(A+B+C)が0.10未満であり、かつシリカを配合せず珪藻土、粉砕ゴム及び短繊維の配合量の合計が10重量部を超えるので耐摩耗性及び引張り強度が悪化する。比較例3のタイヤ用ゴム組成物は、シリカを配合せず、かつ重量比(B+C)/(A+B+C)が0.10未満であるので氷上摩擦力を改良する効果が十分に得られない。比較例4のタイヤ用ゴム組成物は、重量比E/Dが1.00を超えるので氷上摩擦力が悪化すると共に、耐摩耗性及び引張り強度が悪化する。
表2の結果から明らかなように、比較例5のタイヤ用ゴム組成物は、重量比E/Dが0.50未満であるので耐摩耗性及び引張り強度が悪化する。比較例6のタイヤ用ゴム組成物は、重量比(B+C)/(A+B+C)が0.25を超えるので耐摩耗性及び引張り強度が悪化する。比較例7のタイヤ用ゴム組成物は、カーボンブラック2の窒素吸着比表面積が110m/g未満であるので耐摩耗性及び引張り強度が悪化する。比較例8のタイヤ用ゴム組成物は、重量比(B+C)/(A+B+C)が0.25を超えるので引張り強度及び耐摩耗性が悪化する。比較例9のタイヤ用ゴム組成物は、重量比E/Dが0.50未満であるので耐摩耗性及び引張り強度が悪化する。

Claims (7)

  1. ジエン系ゴム100重量部に対し、窒素吸着比表面積が110m/g以上であるカーボンブラックを35〜60重量部、珪藻土を1〜10重量部を配合すると共に、シリカ、硫黄及び加硫促進剤を配合し、かつカーボンブラックの配合量をA重量部、シリカの配合量をB重量部、珪藻土の配合量をC重量部、硫黄の配合量をD重量部及び加硫促進剤の配合量をE重量部とするときに、重量比(B+C)/(A+B+C)を0.10〜0.25、重量比E/Dを0.50〜1.00にしたタイヤ用ゴム組成物。
  2. 前記珪藻土が、円筒状又は円柱状の多孔質珪藻土であり、その円筒又は円柱の高さが100μm以下である請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  3. 前記珪藻土が、その円筒又は円柱の高さLと底面の直径Dとの比L/Dが0.2〜3.0である請求項2に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  4. 前記珪藻土が、メロシラ属に属する請求項1,2又は3に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  5. 粉砕ゴム、短繊維及び熱膨張性マイクロカプセルから選ばれる少なくとも1種を配合すると共に、前記珪藻土、粉砕ゴム、短繊維及び熱膨張性マイクロカプセルの合計を、前記ジエン系ゴム100重量部に対し1〜10重量部にした請求項1〜4のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  6. 前記ジエン系ゴムが、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴムからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜5のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物を、トレッド部に使用したスタッドレスタイヤ。
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