JP7170754B2 - タイヤトレッド用のゴム組成物 - Google Patents

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Description

本発明の分野は、タイヤトレッド用のゴム組成物の分野であり、より正確には、雪、氷又はそれらの混合物で覆われた地表面を転動できる、スノータイヤ又はウィンタータイヤに好適な、タイヤトレッド用のゴム組成物の分野である。
周知のように、タイヤのサイドウォールに示される、アルパインシンボル(「スノーフレークと3つの山の頂)の刻印によって識別される、「雪」での使用カテゴリーに分類されるスノータイヤは、タイヤのトレッドパターン、トレッドコンパウンド及び/又は構造が、主として、雪の条件下で、車両運動を開始、維持、又は停止させるタイヤの能力に関して、通常の道路上での使用を目的としたノーマルタイヤよりも、良好な性能を得られるよう設計されたタイヤを意味する。
冬の道路(雪の多い道路及び凍結した道路)は低摩擦係数を有するという特徴があり、タイヤ製造者は、雪に覆われた(雪の多い)地面及び凍結した地面上での、タイヤのグリップ性能を向上させることを常に目標としている。
国際公開第2015/016388号パンフレット
特許文献1は、ミリ粒子を含むゴム組成物を含むタイヤトレッドについて開示しており、上記タイヤは、ミリ粒子と、ゴムマトリックスからミリ粒子が徐々に放出された後、ミリ粒子によって提供されるミリキャビティと、によって、冬期のグリップ性(雪上でのグリップ性及び氷上でのグリップ性)が向上されている。
しかしながら、ミリキャビティがタイヤトレッド表面に現れると、通常のタイヤ摩耗ではなく、タイヤトレッド表面が破損したという印象をユーザーが持つ懸念がある。
発明者は、研究中に、雪上でのグリップ性能及び氷上でのグリップ性能と、タイヤの耐用年数におけるタイヤトレッド表面の外観とを総じて、期せずして向上させた特定のゴム組成物を発見した。
本発明の記載において、他に明示的に示されない限り、示された百分率(%)は全て質量による百分率(質量%)である。
「エラストマーマトリックス」という表現は、所与の組成物において、上記ゴム組成物中に存在するエラストマーの全てを意味するものと理解される。
略語「phr」は、検討中のゴム組成物における、エラストマーマトリックス100質量部当たりの質量部を意味する。
本明細書の記載において、他に明示的に示されない限り、各TgDSC(ガラス転移温度)は、規格ASTM D3418-08に従うDSC(示差走査熱量測定)によって既知の方法で測定される。
「a~b」という表現で示される任意の値の間隔は、「a」より大きく「b」より小さい値の範囲(即ち、境界値a及びbは含まれない)を表す。一方、「aからbまで」という表現で示される任意の値の間隔は、「a」から「b」までの値の範囲(即ち、厳密な境界値a及びbを含む)を意味する。
「ベースとする」という表現は、本出願では、使用される各種構成成分の混合物及び/又は反応生成物を組成物が含み、組成物の様々な製造段階中、特に加硫(硬化)中に、構成成分の一部が、少なくとも部分的に相互に反応できる、又は反応するように意図されることを意味すると理解されるべきである。
本発明の第1の態様は、ゴム組成物を含むトレッドを有するタイヤであって、少なくとも1つのエラストマーマトリックスと、65~115phrの補強用無機充填剤を含む補強充填剤と、30phrを超える(例えば、30~120phr)、好ましくは35phrを超える(例えば、35~115phr)可塑化剤と、5phrを超える(例えば、5~150phr)、好ましくは10phrを超える(例えば、10~100phr)、より好ましくは15phrを超える(例えば、15~50phr)クラムラバー粒子であって、ISO規格13320-1に従うレーザー回折法によって測定される体積基準のメジアン粒子径が以下の関係、100μm<D50<1000μm、好ましくは200μm<D50<900μm、より好ましくは300μm<D50<800μm、依然としてより好ましくは400μm<D50<700μmを満たし、D50が、体積基準の粒子径分布から得られた累積分布の50%に相当する、体積基準の中位径であるクラムラバー粒子と、をベースとするゴム組成物を含むトレッドを有するタイヤである。
本発明によるタイヤのトレッドは、タイヤの耐用年数の間、地面と接触することが意図される。
タイヤの耐用年数とは、タイヤを使用できる継続期間を意味する(例えば、タイヤの新しい状態から最終状態までの期間で、最終状態とはタイヤトレッドのウェアインジケータバーに達する状態を意味する)。
本発明によるタイヤトレッドの、特定のゴム組成物によって、冬の道路(雪の多い道路及び凍結した道路)上でのグリップ性能と、タイヤ耐用年数の間のタイヤトレッド表面の外観とを総じて、期せずして向上させることが可能となる。
本発明のタイヤは、特に、4×4(四輪駆動)車両及びSUV(スポーツ用多目的車両)車両を含む乗用自動車、並びに特にバン及び大型車(即ち、バス又は大型道路輸送車両(ローリー、トラクタ、トレーラ))から選択される産業車両に装備するように意図される。
好適な各範囲及び/又は各事項を含む、下記の各態様、各実施形態及び各変形形態は、他に明示的に示されない限り、本発明のその他の態様、その他の実施形態及びその他の変形形態のいずれか1つに適用してもよい。
本発明によるタイヤトレッドのゴム組成物は、エラストマーマトリックスをベースとする。
「ジエン」タイプのエラストマー(又はより広義には「ゴム」、2つの用語は同義語と考えられている)は、ジエンモノマー(共役系又は非共役系の、2つの炭素-炭素二重結合を持っているモノマー)から少なくとも部分的に誘導される(1種以上の)エラストマー(即ちホモポリマー又はコポリマー)と、既知のように理解される。
これらのジエンエラストマーは、2つの部類、「本質的に不飽和」又は「本質的に飽和した」に分類できる。一般的には、「本質的に不飽和」という表現は、少なくとも部分的に共役ジエンモノマーから得られ、15%(モル%)を超える含有量のジエン由来(共役ジエン)の単位を有するジエンエラストマーを意味すると理解される。従って、ブチルゴム又はEPDMタイプのジエン/α-オレフィンコポリマーなどのジエンエラストマーは、前述の定義に該当せず、特に「本質的に飽和した」ジエンエラストマー(ジエン由来の単位含有量が低い又は非常に低く、常に15%未満)と記載され得る。「本質的に不飽和」のジエンエラストマーの部類で、「高度に不飽和」なジエンエラストマーという表現は、特に、50%を超える含有量のジエン由来(共役ジエン)の単位を有するジエンエラストマーを意味すると理解される。
任意のタイプのジエンエラストマーを適用できるが、タイヤ分野の当業者は、本発明には、好ましくは本質的に不飽和のジエンエラストマーが用いられると理解するだろう。
これらの定義を考慮すると、本発明による組成物中で使用できるジエンエラストマーという表現は、特に、以下を意味すると理解される:
(a)- 好ましくは4個から12個までの炭素原子を有する共役ジエンモノマーの重合により得られる、任意のホモポリマー
(b)- 1つ以上の共役ジエンが、互いに共重合する、又は好ましくは8個から20個までの炭素原子を有する1つ以上のビニル芳香族化合物と共重合することにより得られる、任意のコポリマー。
以下、1,3-ブタジエン、2-メチル-1,3-ブタジエン、2,3-ジ(C~Cアルキル)-1,3-ブタジエン、例えば2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、2,3-ジエチル-1,3-ブタジエン、2-メチル-3-エチル-1,3-ブタジエン、又は2-メチル-3-イソプロピル-1,3-ブタジエンなど、アリール-1,3-ブタジエン、1,3-ペンタジエン又は2,4-ヘキサジエンなどは、共役ジエンとして特に好適である。例えば、以下、スチレン、オルト-、メタ-若しくはパラ-メチルスチレン、「ビニルトルエン」の市販の混合物、パラ-(tert-ブチル)スチレン、メトキシスチレン、クロロスチレン、ビニルメシチレン、ジビニルベンゼン又はビニルナフタレンは、ビニル芳香族化合物として特に好適である。
本発明の第2の態様は、エラストマーマトリックスが、ポリブタジエン(BR)、ポリイソプレン、ブタジエンコポリマー、イソプレンコポリマー及びそれらの混合物からなる群から選択される、少なくとも1種のジエンエラストマーを含む、第1態様に記載のタイヤである。
本発明の第3の態様は、エラストマーマトリックスが、ポリブタジエンである第1のジエンエラストマーと、ポリイソプレンである第2のジエンエラストマーと、を含む、第2態様に記載のタイヤである。
第3の態様の好ましい一実施形態によると、第1のジエンエラストマーは、1,2-単位の含有量(モル%)が4%~80%である、又はシス-1,4-単位の含有量(モル%)が80%を超える、好ましくは90%(モル%)を超える、より好ましくは96%(モル%)以上の、ポリブタジエンであってよい。
第3の態様の好ましい一実施形態によると、第2のジエンエラストマーは、合成ポリイソプレン(IR)、天然ゴム(NR)及びそれらの混合物からなる群から選択されるポリイソプレンであってよい。合成ポリイソプレンは、好ましくはシス-1,4-単位の含有量(モル%)が90%を超える、より好ましくは98%を超える、合成シス-1,4-ポリイソプレンであってもよい。
本発明の第4の態様は、第2のジエンエラストマーが主に天然ゴムを含む、即ち、第2のジエンエラストマーが、第2のジエンエラストマー100質量%当たり50質量%を超える天然ゴムを含む、第3の態様に記載のタイヤである。
本発明の第5の態様は、第2のジエンエラストマーが天然ゴムである、第4の態様に記載のタイヤである。
本発明の第6の態様は、第1のジエンエラストマーの含有量が、25~75phr、好ましくは30~70phr、より好ましくは35~70phr、依然としてより好ましくは40~70phr、特に45~70phr、とりわけ50~70phrであり、第2のジエンエラストマーの含有量が、25~75phr、好ましくは30~70phr、より好ましくは30~65phr、依然としてより好ましくは30~60phr、特に30~55phr、とりわけ30~50phrである、第3~第5の態様のいずれか一項に記載のタイヤである。
本発明の第7の態様は、第1のジエンエラストマー及び第2のエラストマーの総含有量が90phrを超える、好ましくは95phrを超える、第3~第6の態様のいずれか一項に記載のタイヤである。
本発明の第8の態様は、第1のジエンエラストマー及び第2のエラストマーの総含有量が100phrである、第7の態様に記載のタイヤである。
本発明によるタイヤトレッドのゴム組成物は、補強充填剤をベースとする。
補強充填剤は、補強用無機充填剤(例えば、シリカ)、補強用有機充填剤(例えば、カーボンブラック)、又はそれらの混合物を含んでもよい。
「補強用無機充填剤」という表現は、ここでは、充填剤の色及び由来(天然又は合成)を問わず、任意の無機充填剤又は鉱物充填剤であり、カーボンブラックとは対照的に「白色充填剤」、「透明充填剤」又は「ノンブラック充填剤」とも称されるもので、介在するカップリング剤以外の手段なしで、それ自体が単独でタイヤ製造用のゴム組成物を補強できる、換言すれば、その補強の役割において、従来のタイヤグレードのカーボンブラックに取って代わることができる充填剤を意味すると理解されるべきである。このような充填剤は通常、既知のように、その表面にヒドロキシル(-OH)基が存在することにより特徴づけられる。
この充填剤が存在する物理的状態は、粉末、マイクロビーズ、顆粒、ビーズ又はその他の任意の好適な高密度化形態などの形態に関わらず重要ではない。当然のことながら、様々な補強用無機充填剤の混合物である補強用無機充填剤、好ましくは高度に分散性でケイ酸含有及び/又はアルミニウム含有の充填剤について以後記載する。
ケイ酸含有タイプ、好ましくはシリカ(SiO)及び/又はアルミニウム含有タイプ、好ましくはアルミナ(Al)の鉱物充填剤が、特に補強用無機充填剤として好適である。
本発明によるタイヤトレッドのゴム組成物中の補強充填剤は、65~115phrの補強用無機充填剤を含む。
本発明の第9の態様は、補強充填剤が70~110phr、好ましくは75~105phrの補強用無機充填剤を含む、第1~第8の態様のいずれか一項に記載のタイヤである。
本発明の第10の態様は、補強用無機充填剤が主にシリカを含む、即ち、補強用無機充填剤が、補強用無機充填剤100質量%当たり50質量%を超えるシリカを含む、第1~第9の態様のいずれか一項に記載のタイヤである。
本発明の第11の態様は、補強用無機充填剤がシリカである、第10の態様に記載のタイヤである。
ゴム組成物中の補強充填剤の補強用無機充填剤は、1種のシリカ又は数種類のシリカのブレンドをベースにしてもよい。使用されるシリカは、当業者に既知の、任意の補強用シリカでもよく、特にBET法による比表面積及びCTAB法による比表面積の両方が450m/g未満、好ましくは20から400m/gまでである、任意の沈降シリカ又は焼成シリカでもよい。このようなシリカは被覆されていても、されていなくてもよい。低比表面積のシリカとしては、Elkem Silicon Materials製のSidistar R300が挙げられる。高分散性の沈降シリカ(「HDS」)としては、例えば、Evonik製の「Ultrasil 7000」及び「Ultrasil 7005」、Rhodia製の「Zeosil 1165 MP」、「Zeosil 1135 MP」及び「Zeosil 1115 MP」、PPG製の「Hi-Sil EZ150G」、Huber製の「Zeopol 8715」、「Zeopol 8745」及び「Zeopol 8755」又は国際公開第03/016387号パンフレットの特許出願に記載されているような高比表面積を有するシリカが挙げられる。焼成シリカとしては、例えば、Cabot製の「CAB-O-SIL S-17D」、Wacker製の「HDK T40」、Evonik製の「Aeroperl 300/30」、「Aerosil 380」、「Aerosil 150」又は「Aerosil 90」が挙げられる。このようなシリカは被覆されていてもよく、例えば、Cabot製の、ヘキサメチルジアシラゼンで被覆した「CAB-O-SIL TS-530」、又はジメチルジクロロシランで被覆した「CAB-O-SIL TS-622」が挙げられる。
別の性質、特に有機の性質を持つ補強充填剤、例えばカーボンブラックなどは、シリカなどの無機層で被覆されている、又は他に、充填剤とエラストマーとの間に結合を形成するためのカップリング剤を使用しながら、その表面に官能性部位、特にヒドロキシル基を含む場合、現在のセクションに記載される補強用無機充填剤と同等に充填剤として使用される場合があると、当業者は理解するだろう。一例として、国際公開第96/37547号パンフレット及び国際公開第99/28380号パンフレットなどの特許出願に記載されているような、タイヤ用のカーボンブラックから製造されたものが挙げられる。
本発明の第12の態様は、補強充填剤が更に、20phr未満(例えば、0~20phr)、好ましくは15phr未満(例えば、1~15phr)、より好ましくは10phr未満(例えば、2~10phr)のカーボンブラックを含む、第1~第11の態様のいずれか一項に記載のタイヤである。
示される範囲の中であれば、カーボンブラックには着色特性(黒い着色剤)及び抗UV特性の利益があり、その上、補強用無機充填剤から提供される典型的な性能、即ち低ヒステリシス(低下した転がり抵抗)に悪影響を与えることもない。
本発明の好ましい一実施形態によれば、補強充填剤の総含有量は、70~130phr、好ましくは75~125phrであってよい。
エラストマーマトリックス、例えばジエンエラストマーに補強用無機充填剤を連結させるために、既知のように、補強用無機充填剤(それら粒子の表面)とエラストマーマトリックス、例えばジエンエラストマーとの間に、化学的性質及び/又は物理的性質の十分な結合を提供することを意図したカップリング剤(又は結合剤)が使用され得る。このカップリング剤は、少なくとも二官能性である。特に、少なくとも二官能性のオルガノシラン又はポリオルガノシロキサンが使用され得る。
特に、特定の構造体に応じて「対称形」又は「非対称形」と称されるシランポリスルフィドが、例えば国際公開第03/002648号パンフレット、国際公開第03/002649号パンフレット及び国際公開第2004/033548号パンフレットなどの出願に記載されているように、使用され得る。
特に好適なシランポリスルフィドは、以下の一般式(I):
(I)Z-A-Sx-A-Z、に相当し、式中
- xは2から8までの整数(好ましくは2から5まで)であり、
- Aは二価の炭化水素基(好ましくは、C~C18アルキレン基又はC~C12アリーレン基、とりわけC~C10、特にC~Cのアルキレン、特にプロピレン)であり、
- Zは、下記式:
Figure 0007170754000001
の1つに相当し、式中、
- R基は、非置換又は置換され、互いに同一又は異なり、C~C18アルキル基、C~C18シクロアルキル基又はC~C18アリール基(好ましくはC~Cアルキル基、シクロヘキシル基又はフェニル基、特にC~Cアルキル基、とりわけメチル及び/又はエチル)を表し、
- R基は、非置換又は置換され、互いに同一又は異なり、C~C18アルコキシル基又はC~C18シクロアルコキシル基(好ましくはC~Cアルコキシル基及びC~Cシクロアルコキシル基から選択される基、より好ましくはC~Cアルコキシル基から選択される基、特にメトキシル基及びエトキシル基)を表し、上記の定義に限定されることなく、特に好適である。
上記式(I)に相当するアルコキシシランポリスルフィドの混合物、特に、通常の商業的に入手可能な混合物の場合、添字「x」の平均値は分数であり、好ましくは2~5、より好ましくは約4である。しかし、本発明はまた、例えばアルコキシシランジスルフィド(x=2)とともに有利に実施され得る。
シランポリスルフィドの例として、ビス((C~C)アルコキシ(C~C)アルキルシリル(C~C)アルキル)ポリスルフィド(特にジスルフィド、トリスルフィド又はテトラスルフィド)、例えばビス(3-トリメトキシシリルプロピル)又はビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ポリスルフィドなどが、とりわけ挙げられる。これらの化合物の中で、式[(CO)Si(CHの、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド(TESPTと略記される)、又は、式[(CO)Si(CHS]のビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド(TESPDと略記される)が、特に使用される。好適な例として、国際公開第02/083782号パンフレット(又は米国特許第7 217 751号明細書)などの特許出願に記載されているような、ビス(モノ(C~C)アルコキシジ(C~C)アルキルシリルプロピル)ポリスルフィド(特にジスルフィド、トリスルフィド又はテトラスルフィド)、とりわけビス(モノエトキシジメチルシリルプロピル)テトラスルフィドもまた、挙げられる。
アルコキシシランポリスルフィド以外のカップリング剤として、国際公開第02/30939号パンフレット(若しくは米国特許第6 774 255号明細書)及び国際公開第02/31041号パンフレット(若しくは米国特許出願公開第2004/051210号明細書)などの特許出願に記載されているような、二官能性POS(ポリオルガノシロキサン)又はヒドロキシシランポリスルフィド(上記式(I)においてR=OH)、又は例えば、国際公開第2006/125532号パンフレット、国際公開第2006/125533号パンフレット及び国際公開第2006/125534号パンフレットなどの特許出願に記載されているような、アゾジカルボニル官能基を有するシラン若しくはPOSが特に挙げられる。
その他のシランスルフィドの例として、例えば米国特許第6 849 754号明細書、国際公開第99/09036号パンフレット、国際公開第2006/023815号パンフレット、国際公開第2007/098080号パンフレット、国際公開第2008/055986号パンフレット及び国際公開第2010/072685号パンフレットなどの特許又は特許出願に記載されているような、例えば少なくとも1つのチオール(-SH)基を有するシラン(メルカプトシランと称される)及び/又は少なくとも1つのブロック化したチオール基を有するシランなどが挙げられる。
当然のことながら、特に上記の特許出願、国際公開第2006/125534号パンフレットに記載されているような、先だって記載されているカップリング剤の混合物もまた使用できる。
本発明の好ましい一実施形態によれば、カップリング剤の含有量は、好ましくは補強用無機充填剤、特にシリカ100質量%当たり、0.5から15質量%までであってよい。
本発明の好ましい一実施形態によれば、本発明によるタイヤのゴム組成物は、15phr未満(例えば、0.1~15phr)のカップリング剤をベースにしてよい。
本発明によるタイヤトレッドのゴム組成物は、可塑化剤をベースとする。
可塑化剤の役割は、エラストマー及び補強充填剤を希釈することによってゴム組成物を柔らかくすることである。
ゴム組成物中の可塑化剤の含有量は、30phrを超える(例えば、30~120phr)。
本発明の第13の態様は、可塑化剤の含有量が40phrを超える(例えば、40~110phr)、好ましくは45phrを超える(例えば、45~105phr)、より好ましくは、50phrを超える(例えば、50~100phr)、依然としてより好ましくは55phrを超える(例えば、55~95phr)、特に60phrを超える(例えば、60~90phr)、第1~第12の態様のいずれか一項に記載のタイヤである。
本発明の第14の態様は、可塑化剤が、液体可塑剤、炭化水素樹脂又はそれらの混合物、好ましくはそれらの混合物を含む、第1~第13の態様のいずれか一項に記載のタイヤである。
本発明の第15の態様は、可塑化剤が、液体可塑剤及び炭化水素樹脂を含む、第14の態様に記載のタイヤである。
第14の態様又は第15の態様の好ましい一実施形態によれば、炭化水素樹脂は、20℃を超える(例えば、20℃~100℃)、好ましくは30℃を超える(例えば、30℃~100℃)、より好ましくは40℃を超える(例えば、40℃~100℃)、ガラス転移温度(TgDSC)を呈する。
本発明の第16の態様は、液体可塑剤の含有量が、15~95phr、好ましくは20~90phr、より好ましくは25~85phr、依然としてより好ましくは30及び80phr、特に35~75phr、とりわけ40~70phr、更に依然として45~65phrである、第14又は第15の態様に記載のタイヤである。
芳香族性又は非芳香性であるかを問わず任意の伸展油と、エラストマーマトリックス、例えばジエンエラストマーについてその可塑化特性で知られている任意の液体可塑化剤を、エラストマー及び補強充填剤を希釈することによってマトリックスを柔らかくするために、液体可塑剤として使用できる。多少粘性であるこれらの可塑剤又はこれらの油は、大気圧下の周囲温度(20℃)において液体であり(即ち、留意点として、最終的にそれらの容器の形状をとる能力を有する物質)、大気圧下の周囲温度(20℃)において、本来固体である各種可塑化炭化水素樹脂とは対照的である。
本発明の第17の態様は、液体可塑剤が、液体ジエンポリマー、ポリオレフィン系油、ナフテン系油、パラフィン系油、留出芳香族抽出物(Distillate Aromatic Extracts(DAE))油、中度抽出溶媒和物(Medium Extracted Solvates(MES))油、処理留出芳香族抽出物(Treated Distillate Aromatic Extracts(TDAE))油、残留芳香族抽出物(Residual Aromatic Extracts(RAE))油、処理残留芳香族抽出物(Treated Residual Aromatic Extracts(TRAE))油、安全残留芳香族抽出物(Safety Residual Aromatic Extracts(SRAE))油、鉱油、植物油、エーテル可塑剤、エステル可塑剤、リン酸エステル可塑剤、スルホナート可塑剤及びそれらの混合物からなる群から選択される、好ましくは、MES油、TDAE油、ナフテン系油、植物油及びそれらの混合物からなる群から選択される、第14~第16の態様のいずれか一項に記載のタイヤである。
本発明の第18の態様は、炭化水素樹脂の含有量が、5~95phr、好ましくは10~90phrである、第14~第17の態様のいずれか一項に記載のタイヤである。
炭化水素樹脂は、当業者によく知られているポリマーであり、本質的に炭素及び水素をベースとし、従ってゴム組成物、例えばジエンエラストマー組成物中で本来混和性である。それら炭化水素樹脂は、脂肪族若しくは芳香族、又は脂肪族型/芳香族型、即ち脂肪族モノマー及び/又は芳香族モノマーをベースにした樹脂であり得る。それら炭化水素樹脂は、天然のもの又は合成したものであり得るが、石油ベースであっても(そのような場合、石油樹脂という名前でも知られている)、なくともよい。それら炭化水素樹脂は望ましくは排他的に炭化水素である、即ち、炭素原子及び水素原子のみを含む。
好ましくは、「可塑化」させる炭化水素樹脂は、以下の特性のうち少なくとも1つ、より好ましくは全てを示す:
- 20℃を超える(例えば、20℃~100℃)、好ましくは30℃を超える(例えば、30℃~100℃)、より好ましくは40℃を超える(例えば、40℃~100℃)TgDSC
- 400~2000g/mol(より好ましくは500~1500g/mol)の数平均分子量(Mn);
- 3未満、より好ましくは2未満の多分散指数(PI)(注意:PI=Mw/Mnであり、Mwは質量平均分子量である)。
炭化水素樹脂のマクロ構造(Mw、Mn及びPI)は、立体排除クロマトグラフィー(SEC):溶媒テトラヒドロフラン、温度35℃、濃度1g/l、流速1ml/分、注入前に0.45μmの空隙率を有するフィルターを通して濾過した溶液、ポリスチレン標準によるムーア法の較正、一連の3つの「Waters」カラム(「Styragel」HR4E、HR1及びHR0.5)のセット、示差屈折計(「Waters 2410」)及びそれに関連する操作ソフトウェア(「Waters Empower」)による検出によって測定される。
本発明の第19の態様は、炭化水素樹脂が、シクロペンタジエン(CPDと略記される)ホモポリマー又はコポリマーの樹脂、ジシクロペンタジエン(DCPDと略記される)ホモポリマー又はコポリマーの樹脂、テルペンホモポリマー又はコポリマーの樹脂、C留分ホモポリマー又はコポリマーの樹脂、C留分ホモポリマー又はコポリマーの樹脂、α-メチルスチレンホモポリマー又はコポリマーの樹脂、及びそれらの混合物からなる群から選択される、第14~第18の態様のいずれか一項に記載のタイヤである。上記のコポリマー樹脂のうち、より好ましくは、(D)CPD/ビニル芳香族コポリマー樹脂、(D)CPD/テルペンコポリマー樹脂、(D)CPD/C留分コポリマー樹脂、(D)CPD/C留分コポリマー樹脂、テルペン/ビニル芳香族コポリマー樹脂、テルペン/フェノールコポリマー樹脂、C留分/ビニル芳香族コポリマー樹脂、C留分/ビニル芳香族コポリマー樹脂、及びそれらの混合物からなる群から選択されるものが使用される。
「テルペン」という用語は、ここでは、既知のように、α-ピネン、β-ピネン及びリモネンモノマーの意味を兼ねる。好ましくはリモネンモノマーが使用され、この化合物は、既知のように、3つの可能な異性体、L-リモネン(左旋性エナンチオマー)、D-リモネン(右旋性エナンチオマー)、又は他にジペンテン、即ち右旋性及び左旋性エナンチオマーのラセミ化合物の形態で存在する。スチレン、α-メチルスチレン、オルト-、メタ-又はパラ-メチルスチレン、ビニルトルエン、パラ-(tert-ブチル)スチレン、メトキシスチレン、クロロスチレン、ヒドロキシスチレンビニルメシチレン、ジビニルベンゼン、ビニルナフタレン、又はC留分(又は更に一般的にはC留分からC10留分まで)から得られる任意のビニル芳香族モノマーが、例えば、ビニル芳香族モノマーとして好適である。好ましくは、ビニル芳香族化合物は、スチレン又は、C留分(若しくは更に一般的にはC留分からC10留分まで)から得られたビニル芳香族モノマーである。好ましくは、ビニル芳香族化合物は、検討中のコポリマーにおいて、モル分率で表される副モノマーである。
上記の好ましい樹脂は当業者によく知られており、例えば下記のものが商業的に入手可能である:
- ポリリモネン樹脂:DRT製の名称「Dercolyte L120」(Mn=625g/mol、Mw=1010g/mol、PI=1.6、TgDSC=72℃)、又はArizona Chemical Company製の名称「Sylvagum TR7125C」(Mn=630g/mol、Mw=950g/mol、PI=1.5、TgDSC=70℃);
- C留分/ビニル芳香族、特にC留分/スチレン又はC留分/C留分のコポリマー樹脂:Neville Chemical Company製の名称「Super Nevtac 78」、「Super Nevtac 85」若しくは「Super Nevtac 99」、Goodyear Chemicals製の名称「Wingtack Extra」、Kolon製の名称「Hikorez T1095」及び「Hikorez T1100」、又はExxon製の名称「Escorez 2101」及び「ECR 373」;
- リモネン/スチレンコポリマー樹脂:DRT製の名称「Dercolyte TS 105」又はArizona Chemical Company製の名称「ZT115LT」及び「ZT5100」。
その他の好ましい樹脂の例として、フェノール変性α-メチルスチレン樹脂もまた挙げられる。これらのフェノール変性樹脂を特徴づけるために、既知のように、「水酸基価」(ISO規格4326に従って測定され、mgKOH/gで表される)と称される数が使用されることを留意すべきである。α-メチルスチレン樹脂、特にフェノールによって修飾されるものは当業者によく知られており、例えば、Arizona Chemical Companyから販売されている名称「Sylvares SA 100」(Mn=660g/mol、PI=1.5、TgDSC=53℃)、「Sylvares SA 120」(Mn=1030g/mol、PI=1.9、TgDSC=64℃)、「Sylvares 540」(Mn=620g/mol、PI=1.3、TgDSC=36℃、水酸基価=56mgKOH/g)、及び「Sylvares 600」(Mn=850g/mol、PI=1.4、TgDSC=50℃、水酸基価=31mgKOH/g)などが商業的に入手可能である。
本発明によるタイヤトレッドのゴム組成物は、5phrを超える(例えば、5~150phr)クラムラバー粒子をベースとする。
粒子の含有量に関しては、示された最小値より低いと目標とされる技術的効果が不十分である。示された最大値では、タイヤの加工性及び/又は摩耗性能を悪化させるリスクがある。
本発明の好ましい一実施形態によれば、クラムラバー粒子の含有量は10phrを超える(例えば、10~100phr)、好ましくは15phrを超える(例えば、15~50phr)。
本発明によるタイヤトレッドのゴム組成物中のクラムラバー粒子は、ISO規格13320-1に従うレーザー回折法によって測定される体積基準のメジアン粒子径を有し、その粒子径が以下の関係、100μm<D50<1000μmを満たし、D50は、体積基準の粒子径分布から得られた累積分布の50%に相当する、体積基準の中位径である、即ち、クラムラバー粒子の50%はD50よりも小さな直径を有し、クラムラバー粒子の別の50%はD50よりも大きな直径を有する体積基準の粒子径である。
50に関しては、示された最小値より低いと、目標とされる技術的効果(本発明のタイヤが動作しているとき及び/又はタイヤのトレッドが摩耗したときに、粒子がゴム組成物から放出されることで提供されるキャビティによる有効な粗さによって、雪が多い地面上でのグリップ性を向上させること)が不十分である。一方で、示された最大値を超えると、外観の審美性がかなり損なわれるリスクがある。
本発明の好ましい一実施形態によれば、クラムラバー粒子の体積基準のメジアン粒子径(D50)は、200μm~900μm、好ましくは300μm~800μm、より好ましくは400μm~700μmである。
本発明の第20の態様は、クラムラバー粒子の含有量が20phrを超える(例えば、20~40phr)、第1~第19の態様のいずれか一項に記載のタイヤである。
本発明の第21の態様は、500μm<D50<600μmである、第1~第20の態様のいずれか一項に記載のタイヤである。
本発明の第22の態様は、クラムラバー粒子が、ISO規格13320-1に従うレーザー回折法によって測定される体積粒子径分布の分布幅を有し、以下の関係:
- 1.0<Span<1.6、好ましくは1.1<Span<1.5を満たし;
式中、
- Span=(D90-D10)/D50;であり
- D10及びD90がそれぞれ、累積粒子分布の10体積%及び90体積%に相当する粒子径である、第1~第21の態様のいずれか一項に記載のタイヤである。
第22の態様の好ましい一実施形態によれば、D10は75μmを超える、好ましくは100μmを超える、より好ましくは125μmを超える、依然としてより好ましくは更に150μm。
第22の態様の好ましい一実施形態によれば、D90は1025μm未満、好ましくは1000μm未満、より好ましくは975μm未満、依然としてより好ましくは950μmより小さい。
クラムラバー粒子は、廃タイヤ又はその他のゴムが、鋼材類又は繊維類などの補強材を、ダスト類、ガラス類又は岩類など、その他のあらゆる異物とともに取り除かれ、顆粒へと小さくされることで得られる粒子として定義される。「Rubber Chemistry And Technology」は、加硫された又は架橋されたゴムをクラムラバー粒子に破砕する多数の方法を開示している。
本発明の第23の態様は、クラムラバー粒子が廃タイヤから生み出される、第1~第22の態様のいずれか一項に記載のタイヤである。
本発明の第24の態様は、クラムラバー粒子が機械的に処理される、低温で処理される、又は機械的に及び低温で処理される、即ち、クラムラバー粒子が機械的破砕プロセス、低温プロセス又は両方のプロセスを用いて破砕される、第1~第23の態様のいずれか一項に記載のタイヤである。両方のプロセスで、鋼材成分は磁選機を用いて取り除かれ、繊維成分は空気選別機又はその他の選別装置によって分離される。機械的破砕プロセスでは、ゴムを微粒子に機械的に破壊するために、クラッカーミル、グラニュレータなど種々の破砕技術が用いられる。低温プロセスでは、細かく刻まれたゴムを極低温で凍結させ、続いて、微粒子に粉砕する。本発明の具体的な実施形態では、機械的破砕プロセスを通して製造されたクラムラバー粒子を使用する。その他の実施形態では、低温プロセスを用いて製造されたクラムラバー粒子を使用する。多くのクラムラバーが商業的に入手可能であり、例えば、本発明で使用するのに好適なクラムラバーは、Global Corporation又はNantong Huili Rubber Corporationから入手可能である。
本発明によるタイヤトレッドのゴム組成物は、タイヤ用、特にスノータイヤ又はウィンタータイヤ用のトレッドの製造を目的とする、エラストマー組成物中で一般的に使用される添加剤、例えば、アンチオゾンワックス、化学的オゾン劣化防止剤、酸化防止剤などの保護剤、補強樹脂、メチレンアクセプタ(例えばフェノールノボラック樹脂)又はメチレンドナー(例えばHMT若しくはH3M)、硫黄又は硫黄及び/若しくは過酸化物及び/若しくはビスマレイミドのドナーのいずれかをベースとする架橋系、加硫促進剤又は加硫活性剤の全て又は一部をベースにしてもよい。
これらの組成物はまた、カップリング剤が使用されるときのカップリング活性剤、補強用無機充填剤を被覆するための剤、又は更に一般的には、既知のように、ゴムマトリックス中の充填剤の分散性向上及び組成物の粘度の低下によって、未加工の状態で加工特性を向上できる加工助剤をベースにすることができる。これらの剤は、例えば、アルキルアルコキシシランなどの加水分解性シラン、ポリオール、ポリエーテル、アミン又はヒドロキシル化された若しくは加水分解性ポリオルガノシロキサンなどがある。
本発明によるタイヤトレッドのゴム組成物は、適切なミキサーで、当業者によく知られる2つの連続調製段階、即ち最高温度が110℃~190℃、好ましくは130℃~180℃の高温での熱機械処理又は混練の第1段階(「非生産的」段階と称される)、続いて、より低い温度、通常110℃未満、例えば40℃~100℃での機械的処理の第2段階(「生産的」段階と称される)、続いて架橋系又は加硫系が組み込まれる最終段階、を用いて製造され得る。
このような組成物の製造に使用され得るプロセスは、例えば、そして好ましくは以下の工程:
- 第1過程(「非生産的」過程)で、ミキサーにおいてエラストマーマトリックス中に、例えばジエンエラストマー、補強充填剤、可塑化剤を組み込み、110℃~190℃の最高温度に達するまで(例えば1つ以上の工程で)全ての原料を熱機械的に練る工程;
- 組み合わせた混合物を100℃未満の温度まで冷却する工程;
- 続いて、第2過程(「生産的」過程と称される)で、架橋系を組み込む工程;
- 110℃未満の最高温度まで、全ての原料を練る工程;
- ゴム組成物を押出加工又はカレンダー加工し、従って、特にタイヤトレッドの形態が得られる工程
を含む。
一例として、第1(非生産的)段階は、単一の熱機械過程で実施され、全ての必要な成分が適切なミキサー、例えば標準的なインターナルミキサーに導入される。続いて、第2工程では、例えば1~2分の混練の後、その他の添加剤、任意選択の付加的な充填剤被覆剤又は加工助剤が架橋系を除いて導入される。この非生産的段階での合計混練時間は、好ましくは1~15分である。
こうして得られた混合物を冷却した後に、続いて低温(例えば、40℃~100℃)にて、通常、外部ミキサー、例えば開放型ロール機の中で架橋系を組み込む。組み合わせた混合物を、続いて数分間、例えば2~15分間混合する(第2(生産的)段階)。
適切な架橋系は、好ましくは硫黄及び主要加硫促進剤、特にスルフェンアミド系の促進剤をベースにしている。この加硫系に対して添加されるのは、酸化亜鉛、ステアリン酸、グアニジン誘導体(特にジフェニルグアニジン)などの、既知の種々の二次促進剤又は加硫活性剤であり、第1の非生産的段階の間に、及び/又は生産的段階の間に組み込まれる。硫黄の含有量は好ましくは0.5~3.0phrであり、主要促進剤の含有量は好ましくは0.5~5.0phrである。
エラストマーマトリックス、例えばジエンエラストマーの加硫の促進剤として、硫黄の存在下で作用できる、任意の化合物の促進剤(主要促進剤又は二次促進剤)としては、特にチアゾール系及びそれらの誘導体の促進剤、チウラム系の促進剤、又はジチオカルバミド酸亜鉛が使用され得る。これらの促進剤は、より好ましくは、2-メルカプトベンゾチアジルジスルフィド(「MBTS」と略記される)、N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド(「CBS」と略記される)、N,N-ジシクロヘキシル-2ベンゾチアゾールスルフェンアミド(「DCBS」)、N-ter’t-ブチル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド(「TBBS」)、N-tert-ブチル-2ベンゾチアゾールスルフェンイミド(「TBSI」)、亜鉛ジベンジルジチオカルバメート(「ZBEC」)、テトラベンジルチウラムジスルフィド(「TBZTD」)及びそれらの混合物からなる群から選択される。
こうして得られた最終組成物は、続いて、特に実験用の特性評価のために、例えばシート又はプラークの形態にカレンダー加工される、又は他に、スノータイヤトレッド又はウィンタータイヤトレッドとして直接使用できるゴム型抜き要素の形態で押出加工される。
加硫(又は硬化)は、既知のように、一般的に110℃~190℃の温度にて、十分な時間実施される。この時間は、例えば5~90分間であり、特に硬化温度、採用される加硫系及び検討中の組成物の加硫反応速度に応じて変動し得る。
本発明によるタイヤトレッドのゴム組成物は、本発明によるタイヤトレッドの全体又は、異なる配合のいくつかのゴム組成物から形成される複合体型トレッドの場合、一部のみを構成できる。
本発明は、未加工状態(即ち、硬化前)及び硬化状態(即ち、架橋後又は加硫後)の両方の上記のゴム組成物及びトレッドに関する。
本発明はまた、上記のゴム組成物が複合型又はハイブリッド型のトレッドの一部のみを形成する場合、特にそれらトレッドが、両方にパターンがあり、耐用年数の後半においてタイヤが転動するとき、道路と接触することが意図される、放射状に重ね合わせた異なる配合の2層からなる(「キャップ-ベース」構造と称される)場合にもあてはまる。上記の配合物のベースとなる部分は、新しいタイヤが転動し出す瞬間から地面と接触することを意図されたトレッドの放射状の外側層、又は一方で、その後の過程で地面と接触することを意図された放射状の内側層を構成できる。
本発明の第25の態様は、タイヤがスノータイヤである、第4~第21の態様のいずれか一項に記載のタイヤである。
本発明の第26の態様は、少なくとも:
- エラストマーマトリックスと;
- 65~115phrの補強用無機充填剤を含む補強充填剤と;
- 30phrを超える(例えば、30~120phr)、好ましくは35phrを超える(例えば、35~115phr)可塑化剤と;
- 5phrを超える(例えば、5~150phr)、好ましくは10phrを超える(例えば、10~100phr)、より好ましくは15phrを超える(例えば、15~50phr)クラムラバー粒子であって、ISO規格13320-1に従うレーザー回折法によって測定される体積基準のメジアン粒子径が以下の関係:
- 100μm<D50<1000μm、好ましくは200μm<D50<900μm、より好ましくは300μm<D50<800μm、依然としてより好ましくは400μm<D50<700μmを満たし;
50が、体積基準の粒子径分布から得られた累積分布の50%に相当する、体積基準の中位径であるクラムラバー粒子と
をベースとするゴム組成物である。
本発明を、以下の非限定例により更に説明する。
試験では、3つのゴム組成物(C-1(基準)、C-2(本発明による実施例)、及びC-3(比較例)として識別する)を比較する。3つのゴム組成物は、シリカ(無機充填剤として)とカーボンブラックとのブレンド、及び可塑化剤で補強し、クラムラバー粒子を用いた/用いない、ジエンエラストマー(BRとNRとのブレンド)をベースとする。3つのゴム組成物の配合を表1に提供する。各種の生成物の含有量はphrで表される。
各ゴム組成物を、以下の通り製造する。補強充填剤、それに関連するカップリング剤、可塑化剤、粒子類、エラストマーマトリックス及び各種のその他の成分を、加硫系を除いて、約60℃の初期容器温度を有するインターナルミキサーに連続的に導入した。ミキサーは、従って、約70%が満たされた(体積%)。続いて、熱機械的処理(非生産的段階)を一過程で実施し、165℃の最高「落下」温度に達するまで合計で約3~4分継続した。こうして得られた混合物を回収し冷却し、続いて硫黄及びスルフェンアミド系の促進剤を20~30℃で、外部ミキサー(ホモフィニッシャー)上に組み込んだ。全ての原料が、適切な時間(例えば5~12分間)混合される(生産的段階)。
こうして得られたゴム組成物を続いて、物理的又は機械的性質の測定のためのシート形態(2~3mmの厚み)若しくはゴムの薄いシート形態、又は所望の寸法に切断及び/又は組立てした後、例えばタイヤ半製品として、特にタイヤトレッドとして直接用いられ得る、型出しした要素の形態のいずれかにカレンダー加工した。
本発明の効果を確認するために、上記のゴム組成物を含むトレッドを有する3つのタイヤ(T-1(基準)、T-2(本発明による実施例)、及びT-3(比較例)として識別する)を比較する:
- T-1:ゴム組成物C-1;
- T-2:ゴム組成物C-2;
- T-3:ゴム組成物C-3、とした。
これらのタイヤは、ラジアル構造のカーカスを持つ乗用車のウィンタータイヤ用であり、205/55R16の寸法を有し、トレッドのゴム組成物以外は全ての点において同一に、従来通りに製造した。
全てのタイヤを、公称タイヤ空気圧の下で自動車のフロントアクスル及びリアアクスルにはめ込んだ。摩耗した状態のタイヤを再現するために、サーキット上で約10,000km転動させた。
雪上でのグリップ性能を示し得る雪上制動(減速)試験として、4つ全てのホイール上に同じ種類の試験用タイヤを、220kPaのタイヤ空気圧の下で6.5Jx16リムに装着した1,400ccの乗用車を用意し、約-6℃の雪の温度で、雪で覆われた道路を走らせ、アンチロックブレーキングシステム(ABS)が起動している状態で、突然の縦方向の制動の間、50から5km/hになるまでの減速を測定した。上記の雪上試験を硬い圧雪上で、規格ASTM F1805に従って、CTI貫入試験機の読み取り値が約87の状態で実施した。
更に、雪上でのグリップ性能を示し得る氷上制動試験として、上記のタイヤ空気圧の下で上記の試験タイヤを上記のリム上へ搭載した上記の乗用車を用意し、約-2℃の氷の温度で、氷で覆われた道路上を走らせ、アンチロックブレーキングシステム(ABS)が起動している状態で、突然の縦方向の制動の間、20から5km/hになるまでの制動距離を測定した。
雪上制動試験及び氷上制動試験の結果を、相対的な単位で表2に示す。基準となる100には基準タイヤT-1が選択されている(100より大きい値は、向上した性能を示すと留意するべきである)。
更に、自動車を所有し、日常的に自動車を運転し、通常のすりきれ及び損傷による摩耗のため新しいタイヤを購入した経験がある23名の一般のタイヤ消費者が、上記の摩耗したタイヤのトレッド表面を視覚的に評価した。各消費者は、各タイヤトレッド表面の外観に対して定性的な評点を割り当てた。任意で100に設定した基準タイヤ(T-1)の評点よりも低い評点は、損傷したタイヤトレッド表面を示す。全ての消費者から得られた評点の平均値を表2に示す。
表2の結果は、本発明によるタイヤ(T-2)が、基準又は比較例(T-1及びT-3)よりも、雪上でのグリップ性能及び氷上でのグリップ性能並びにタイヤトレッド表面の外観が、期せずして総じて向上したことを示す。
更に、上記と同様に、その他の3つのゴム組成物(C-4(別の基準)、C-5(本発明による実施例)及びC-6(比較例)、配合を表3に示す)を含むトレッドを有する、その他の3つのタイヤ(T-4(別の基準)、T-5(本発明による実施例)、T-6(比較例)として識別する)を205/55R16の寸法で作製し、サーキット上で約10,000km転動させ、雪上制動試験及び氷上制動試験を行い、摩耗したタイヤのトレッド表面の顧客による視覚的評価を行った:
- T-4:ゴム組成物C-4;
- T-5:ゴム組成物C-5;
- T-6:ゴム組成物C-6、とした。
上記の結果と同様に、表4の結果は、本発明によるタイヤ(T-5)が、基準及び比較例(T-4及びT-6)よりも、冬のグリップ性能及びタイヤトレッド表面の外観が、期せずして総じて向上したことを示す。
結論として、本発明によるタイヤトレッドのゴム組成物は、冬のグリップ性能及び、タイヤ耐用年数の間のタイヤトレッド表面の外観が、総じて向上することを可能とする。
Figure 0007170754000002
Figure 0007170754000003
Figure 0007170754000004
Figure 0007170754000005

Claims (10)

  1. ゴム組成物を含むトレッドを有するタイヤであって、少なくとも
    - エラストマーマトリックスと、
    - 65~115phrの補強用無機充填剤を含む補強充填剤と、
    - 30phrを超える可塑化剤と、
    - 5phrを超えるクラムラバー粒子であって、ISO規格13320-1に従うレーザー回折法によって測定される体積基準のメジアン粒子径が以下の関係:
    - 100μm<D50<1000μm、を満たし、
    50が、前記体積基準の粒子径の分布から得られた累積分布の50%に相当する、体積基準の中位径であるクラムラバー粒子と、
    をベースとするゴム組成物を含むトレッドを有するタイヤ。
  2. 前記エラストマーマトリックスが、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ブタジエンコポリマー、イソプレンコポリマー及びそれらの混合物からなる群から選択される、少なくとも1種のジエンエラストマーを含む、請求項1に記載のタイヤ。
  3. 前記補強用無機充填剤が主にシリカである、請求項1~2のいずれか一項に記載のタイヤ。
  4. 前記補強充填剤が更に、20phr未満のカーボンブラックを含む、請求項に記載のタイヤ。
  5. 前記可塑化剤が、液体可塑剤、炭化水素樹脂又はそれらの混合物を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のタイヤ。
  6. 前記クラムラバー粒子が、ISO規格13320-1に従うレーザー回折法によって測定される体積粒子径分布の分布幅を有し、以下の関係:
    - 1.0<Span<1.6を満たし、
    式中、
    - Span=(D90-D10)/D50、であり
    - D10及びD90がそれぞれ、前記累積粒子分布の10体積%及び90体積%に相当する粒子径である、
    請求項1~5のいずれか一項に記載のタイヤ。
  7. 前記クラムラバー粒子が廃タイヤから生み出される、請求項1~6のいずれか一項に記載のタイヤ。
  8. 前記クラムラバー粒子が、機械的に処理される、低温で処理される、又は機械的に及び低温で処理される、請求項1~7のいずれか一項に記載のタイヤ。
  9. 前記タイヤがスノータイヤである、請求項1~8のいずれか一項に記載のタイヤ。
  10. ゴム組成物であって、少なくとも
    - エラストマーマトリックスと、
    - 65~115phrのシリカと20phr未満のカーボンブラックを含む補強充填剤と、
    - 30phrを超える可塑化剤と、
    - 5phrを超えるクラムラバー粒子であって、ISO規格13320-1に従うレーザー回折法によって測定される体積基準のメジアン粒子径が以下の関係:
    - 100μm<D50<1000μm、を満たし、
    50が、前記体積基準の粒子径の分布から得られた累積分布の50%に相当する、体積基準の中位径であるクラムラバー粒子と、
    をベースとするゴム組成物。
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