JP6344077B2 - タイヤトレッド用ゴム組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、氷上性能を改良しながら、耐摩耗性および低転がり抵抗性を従来レベル以上に向上するようにしたタイヤトレッド用ゴム組成物に関する。
氷雪路用空気入りタイヤ(スタッドレスタイヤ)は、水膜に覆われた氷面における制駆動性能(氷上性能)に優れることが求められている。このため特許文献1は、スタッドレスタイヤのトレッド用ゴム組成物に硬度が高い多孔質珪藻土を配合することにより、氷面に対して高硬度粒子による引掻き効果と、多孔質材料による吸水効果とを同時に付与し、氷上摩擦力を向上させることを提案している。
しかしながら、氷上摩擦力を高くするために多孔質珪藻土を配合すると、ゴム組成物の耐摩耗性が低下すること、さらに発熱性が大きくなることが避けられない。耐摩耗性が低下すると、溝が深くサイプを多数配置したブロックからなるトレッドパターンを有するスタッドレスタイヤの耐久性が低下し、所望の氷上摩擦力が得られなくなるという問題があった。またりトレッド用ゴム組成物の発熱性が大きくなると、スタッドレスタイヤにしたときの転がり抵抗が大きくなり、燃費性能が悪化するという問題があった。
国際公開第2008/078822号パンフレット
本発明の目的は、氷上性能を改良しながら、耐摩耗性および低転がり抵抗性を従来レベル以上に向上するようにしたタイヤトレッド用ゴム組成物を提供することにある。
上記目的を達成する本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、天然ゴムを40〜90重量%、ブタジエンゴムを10〜60重量%含むジエン系ゴム100重量部に対し、カーボンブラックを30〜70重量部、シリカを0〜20重量部、ファルネセン重合体を2〜15重量部、珪藻土を1〜10重量部配合するとともに、前記カーボンブラックおよびシリカの合計が30〜70重量部、前記ファルネセン重合体の配合量A重量部と前記珪藻土の配合量B重量部の比(A/B)が2以上5以下であるとを特徴とする。
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、天然ゴムおよびブタジエンゴムからなるジエン系ゴムに、特定量のカーボンブラック、ファルネセン重合体および珪藻土を配合するようにしたので、氷上性能を改良しながら、耐摩耗性および低転がり抵抗性を従来レベル以上に向上することができる。
前記珪藻土としては、メロシラ属に属する円筒状または円柱状の多孔質珪藻土が好ましい。
さらに粉砕ゴムを配合し、該粉砕ゴムおよび前記珪藻土の合計を、ジエン系ゴム100重量部に対し〜10重量部にすることができる。
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物を、キャップトレッドおよび/またはアンダートレッドに使用したスタッドレスタイヤは、氷上性能を改良しながら、耐摩耗性および低転がり抵抗性を従来レベル以上に向上することができる。本発明のスタッドレスタイヤは、特にトラック、バス、ライトトラックなどに使用する重荷重用スタッドレスタイヤとして好適である。
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物において、ゴム成分はジエン系ゴムからなり、天然ゴムおよびブタジエンゴムを含む。天然ゴムおよびブタジエンゴムを主成分にすることにより、氷上性能を高くすることができる。
天然ゴムの含有量は、ジエン系ゴム100重量%中40〜90重量%、好ましくは50〜65重量%である。天然ゴムの含有量が40重量%未満であると、力学特性が低下する。また天然ゴムの含有量が90重量%を超えると、氷上性能が低下する。
ブタジエンゴムの含有量は、ジエン系ゴム100重量%中10〜60重量%、好ましくは35〜50重量%である。ブタジエンゴムの含有量が10重量%未満であると、氷上性能が低下する。またブタジエンゴムの含有量が60重量%を超えると、力学特性が低下する。
ジエン系ゴムは、天然ゴムおよびブタジエンゴムで100重量%になるように組成することができる。或いは、天然ゴムおよびブタジエンゴム以外の他のジエン系ゴムを含有することもできる。他のジエン系ゴムとしては、例えばイソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム等が挙げられ、単独又は複数のブレンドとして使用することができる。ただし、他のジエン系ゴムの含有量は、本発明の課題の達成を阻害しない範囲内であるものとする。
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、カーボンブラックを配合することにより、耐摩耗性を高くする。カーボンブラックの配合量は、ジエン系ゴム100重量に対し30〜70重量部、好ましくは45〜65重量部である。カーボンブラックの配合量が30重量部未満であると、ゴム組成物の補強性が十分に得られず、耐摩耗性が不足する。またカーボンブラックの配合量が70重量部を超えると、転がり抵抗が大きくなる。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積N2SAは、特に限定されるものではないが、好ましくは80〜160m2/g、より好ましくは100〜150m2/gであるとよい。N2SAが80m2/g未満であると、ゴム組成物のゴム強度、動的弾性率などの機械的特性が低下し、耐摩耗性が不足する虞がある。N2SAが160m2/gを超えると、転がり抵抗が大きくなる。N2SAは、JIS K6217−2に準拠して、測定するものとする。
タイヤトレッド用ゴム組成物は、任意にシリカを配合することができる。シリカを配合することにより、ゴム組成物の低温状態の柔軟性を維持し氷面に対する凝着性を高め氷上摩擦力を向上することができる。また発熱性を小さくし転がり抵抗をより優れたものにすることができる。さらにウェット性能を改良することができる。シリカのの配合量は、ジエン系ゴム100重量部に対し0〜20重量部、好ましくは0〜10重量部である。シリカの配合量を20重量部以下にすることにより耐摩耗性を確保することができる。シリカの種類としては、特に限定されるものではなく、タイヤトレッド用ゴム組成物に通常配合されるものを使用することができ、例えば湿式法シリカ、乾式法シリカ、表面処理シリカを例示することができる。
シリカのCTAB比表面積は、特に限定されるものではないが、好ましくは80〜260m2/g、より好ましくは140〜200m2/gにするとよい。CTAB比表面積が80m2/g未満であると、耐摩耗性が不足する。またCTAB比表面積が260m2/gを超えると、転がり抵抗が大きくなる。シリカのCTAB比表面積は、ISO 5794により測定された値とする。
本発明において、カーボンブラックおよびシリカの配合量の合計は、ジエン系ゴム100重量部に対し30〜70重量部、好ましくは45〜65重量部である。カーボンブラックおよびシリカの合計が30重量部未満であると、耐摩耗性が不足する。またカーボンブラックおよびシリカの合計が70重量部を超えると、転がり抵抗が大きくなる。
本発明では、シリカと共にシランカップリング剤を配合するとよい。シランカップリング剤を配合することにより、ジエン系ゴムに対するシリカの分散性を向上し、耐摩耗性および低転がり抵抗性のバランスをより高くすることができる。
シランカップリング剤の種類は、シリカ配合のゴム組成物に使用可能なものであれば特に制限されるものではないが、例えば、ビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラサルファイド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジサルファイド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラサルファイド、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−オクタノイルチオプロピルトリエトキシシラン等の硫黄含有シランカップリング剤を例示することができる。
シランカップリング剤の配合量は、シリカの重量に対し、好ましくは3〜15重量%を配合すると良く、より好ましくは5〜10重量%にすると良い。シランカップリング剤の配合量がシリカ配合量の3重量%未満であるとシリカの分散を十分に改良することができない虞がある。シランカップリング剤の配合量がシリカ配合量の15重量%を超えるとシランカップリング剤同士が縮合し、ゴム組成物における所望の硬度や強度を得ることができない。
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物において、珪藻土を配合することにより、氷面に対する引掻き効果と吸水効果とを同時に付与することができる。使用する珪藻土としては、特に制限されるものではないが、円筒状又は円柱状の多孔質珪藻土が好ましい。このような形状の多孔質珪藻土を配合することにより、水膜に覆われた氷面に対する引掻き効果を一層高くすると共に、吸水効果を大きくすることができる。なお、通常の珪藻土は、大半が平板状であるため、氷面に対する引掻き効果及び吸水効果が十分に得られない虞がある。
円筒状又は円柱状の多孔質珪藻土は、その高さLが好ましくは100μm以下、より好ましくは1〜30μmであるとよい。高さLを100μm以下にすることにより、ゴム組成物の引張り強度及び耐摩耗性の低下を抑制することができる。また、円筒状又は円柱状の多孔質珪藻土の底面の直径Dに対する高さLの比L/Dが好ましくは0.2〜3.0、より好ましくは0.3〜2.0であるとよい。多孔質珪藻土の比L/Dをこのような範囲内にすることにより、氷面に対する引掻き効果と吸水効果とを同時に付与することができる。このような珪藻土としては、例えばメロシラ属に属する多孔質珪藻土を例示することができる。
上述した珪藻土の配合量は、ジエン系ゴム100重量部に対し1〜10重量部、好ましくは2〜6重量部である。珪藻土の配合量が1重量部未満であると、水膜に覆われた氷面に対する引掻き効果及び吸水効果が十分に得られない。また、珪藻土の配合量が10重量部を超えると、ゴム組成物の引張り強度および耐摩耗性が低下する。また発熱性が大きくなる。
本発明において、粉砕ゴムを任意に配合することができる。粉砕ゴムを配合すると、粉砕ゴムがトレッドゴムの表面から抜け落ちることにより、トレッドゴム表面に空隙が形成される。このため、吸水効果を発現すると共に、エッジ効果により氷上摩擦力を高くすることができる。このような粉砕ゴムとしては、加硫ゴムや再生ゴムの粉砕品を使用することができる。粉砕ゴムの大きさは特に制限されるものではないが、好ましくは5〜500μm、より好ましくは150〜400μmにするとよい。
粉砕ゴムの配合量は、珪藻土および粉砕ゴムの配合量の合計が、好ましくはジエン系ゴム100重量部に対し1〜10重量部、より好ましくは2〜6重量部にする。珪藻土および粉砕ゴムの合計が1重量部未満であると、水膜に覆われた氷面に対する引掻き効果及び吸水効果が十分に得られない。また、珪藻土および粉砕ゴムの合計が10重量部を超えると、ゴム組成物の引張り強度及び耐摩耗性が低下する。
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、ファルネセン重合体を配合することにより、転がり抵抗を小さくし、耐摩耗性を高くすることができる。ファルネセン重合体は、ジエン系ゴムとの親和性が高く、かつ常温からタイヤトレッド用ゴム組成物の加工温度において液状で浸透性に優れることから、カーボンブラックおよびシリカの分散性を改良することができる。またファルネセン重合体は、比較的高分子量であるとともに架橋性構造を有するため、加硫後にタイヤトレッド用ゴム組成物の引張り破断特性を従来レベル以上に高くし、耐摩耗性を改良することができる。
ファルネセン重合体とは、α−ファルネセンの重合体、β−ファルネセンの重合体またはα−ファルネセンおよびβ−ファルネセンの共重合体であり、好ましくはβ−ファルネセンの重合体であるとよい。またファルネセンの重合体は、α−ファルネセンおよび/またはβ−ファルネセンを由来とする構成単位が、好ましくは90重量%以上、より好ましくは95重量%以上、より好ましくは100重量%であり、ブタジエン、イソプレン等の他のモノマー由来の構成単位を含んでもよい。
ファルネセン重合体の配合量は、ジエン系ゴム100重量部に対し、2〜15重量部、好ましくは6〜11重量部である。ファルネセン重合体の配合量が2重量部未満であると、氷上性能、耐摩耗性および低転がり抵抗性を改良する効果が十分に得られない。またファルネセン重合体の配合量が15重量部を超えると、耐摩耗性が低下する。
ファルネセン重合体の重量平均分子量は、特に制限されるものではないが、好ましくは9000〜160000、より好ましくは10000〜150000であるとよい。ファルネセン重合体の重量平均分子量が9000未満であると、ゴム組成物のゴム硬度が低下し、さらにゴム組成物からブリードアウトしやすくなる。またファルネセン重合体の重量平均分子量が160000を超えると加工性が悪化する。
ファルネセン重合体の分子量分布(Mw/Mn;Mwは重量平均分子量、Mnは数平均分子量)は、好ましくは1.0〜2.0、より好ましくは1.0〜1.5、さらに好ましくは1.0〜1.3であるとよい。ファルネセン重合体の分子量分布がこのような範囲内であると、粘度のばらつきが小さくなる。本明細書においてファルネセン重合体の重量平均分子量Mwおよび数平均分子量Mnは、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定し標準ポリスチレン換算により求めるものとする。
ファルネセン重合体の溶融粘度は、好ましくは0.1〜450Pa・s、より好ましくは0.1〜200Pa・s、さらに好ましくは0.1〜100Pa・sであるとよい。ファルネセン重合体の溶融粘度がこのような範囲内であると、ゴム組成物の混練が容易になりカーボンブラックおよびシリカの分散性が向上する。本明細書において、ファルネセン重合体の溶融粘度は、ブルックフィールド型粘度計により測定した38℃における溶融粘度である。
ファルネセン重合体は、通常の方法で合成することができ、例えば乳化重合法、溶液重合法を例示することができ、好ましくは溶液重合法で合成するとよい。
このファルネセン重合体の配合量をA重量部、上述した珪藻土の配合量をB重量部とするとき、ファルネセン重合体および珪藻土の配合量の比(A/B)は2以上5以下、好ましくは2.5以上4.5以下にする。ファルネセン重合体と珪藻土の配合量の比(A/B)が2未満であると、氷上性能が悪化する。また配合量の比(A/B)が5を超えると、氷上性能が悪化する。
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物には、加硫又は架橋剤、加硫促進剤、各種オイル、老化防止剤、可塑剤などのタイヤ用ゴム組成物に一般的に使用される各種添加剤を配合することができ、かかる添加剤は一般的な方法で混練してゴム組成物とし、加硫又は架橋することができる。これらの添加剤の配合量は本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、通常のゴム用混練機械、例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール等を使用して、上記各成分を混合することによって製造することができる。
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、スタッドレスタイヤにおけるキャップトレッドおよび/またはアンダートレッドに好適に使用することができ、氷上性能と、耐摩耗性および低転がり抵抗性とのバランスを優れたものにすることができる。本発明のスタッドレスタイヤは、トラック、バスまたはライトトラックなどに装着する重荷重用スタッドレスタイヤとして好適である。
以下、実施例によって本発明をさらに説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
表2に示す配合剤を共通配合とし、表1に示す配合からなる14種類のゴム組成物(実施例1〜6、比較例1〜8)を調製するに当たり、それぞれ硫黄及び加硫促進剤を除く成分を秤量し、1.8Lの密閉型ミキサーで5分間混練した後、そのマスターバッチを放出し室温冷却した。このマスターバッチを1.8Lの密閉型ミキサーに供し、硫黄及び加硫促進剤を加え、混合しタイヤトレッド用ゴム組成物を得た。なおファルネセン重合体の配合量(A)と珪藻土の配合量(B)の比(A/B)を「比(A/B)」の欄に記載した。また表2の共通成分の配合量は、表1に示すジエン系ゴム100重量部に対する重量部として記載した。
得られた14種類のタイヤトレッド用ゴム組成物を所定の金型中で、170℃で10分間プレス加硫してタイヤトレッド用ゴム組成物からなる加硫ゴムサンプルを作成した。得られた加硫ゴムサンプルを用いて、耐摩耗性、発熱性(60℃のtanδ)および氷上性能を下記に示す方法により評価した。
耐摩耗性
得られた加硫ゴムサンプルをJIS K6264に準拠して、ランボーン摩耗試験機(岩本製作所社製)を使用して、温度20℃、荷重39N、スリップ率30%、時間4分の条件で摩耗量を測定した。得られた結果は比較例1の逆数を100にする指数とし、表1の「耐摩耗性」の欄に示した。この指数が大きいほど耐摩耗性がが優れることを意味する。
発熱性
得られた加硫ゴムサンプルの発熱性を損失正接tanδ(60℃)により評価した。tanδ(60℃)は、東洋精機製作所社製粘弾性スペクトロメーターを用いて、初期歪み10%、振幅±2%、周波数20Hz、温度60℃の条件下で測定した。得られた結果は比較例1の値の逆数を100とする指数として、表1に示した。tanδ(60℃)の指数が大きいほど、発熱が小さく空気入りタイヤにしたとき転がり抵抗が小さく燃費性能が優れることを意味する。
氷上性能
得られた加硫ゴムサンプルを偏平円柱状の台ゴムに貼り付け、インサイドドラム型氷上摩擦試験機を用いて、測定温度−3.0℃、荷重5.5kg/cm2、ドラム回転速度25km/hの条件で氷上摩擦係数を測定した。得られた氷上摩擦係数を、比較例1の値を100とする指数にして、表1の「氷上性能」の欄に示した。この指数値が大きいほど氷上摩擦力が大きく氷上性能が優れることを意味する。
Figure 0006344077
なお、表1において使用した原材料の種類を下記に示す。
NR:天然ゴム、RSS#3
BR:ブタジエンゴム、日本ゼオン社製Nipol BR1220
カーボンブラック:キャボットジャパン社製ショウブラックN234、窒素吸着比表面積が117m2/g
シリカ:東ソー・シリカ社製ニップシールAQ、CTAB比表面積が180m2/g
珪藻土:円筒状多孔質珪藻土、イーグルピッチャー社製LCS−3
ファルネセン1:下記の合成例1により重合されたβ−ファルネセンの重合体、重量平均分子量が140000、分子量分布が1.2、溶融粘度が69Pa・s
ファルネセン2:下記の合成例2により重合されたβ−ファルネセンの重合体、重量平均分子量が10000、分子量分布が1.1、溶融粘度が0.9Pa・s
液状ポリイソプレン:クラレ社製クラレプレン LIR−50
オイル:昭和シェル石油社製エキストラクト4号S
合成例1(ファルネセン1の重合)
窒素置換し、乾燥させた耐圧容器に、ヘキサン274g、n−ブチルリチウム(17重量%ヘキサン溶液)1.2gを仕込み、50℃に昇温した後、β−ファルネセン272gを加えて1時間重合した。得られた重合反応液にメタノールを添加後、重合反応液を水で洗浄した。水を分離して、重合反応液を70℃で12時間乾燥することにより、ファルネセン重合体1を得た。
合成例2(ファルネセン2の重合)
窒素置換し、乾燥させた耐圧容器に、シクロヘキサン241g、sec−ブチルリチウム(10.5重量%シクロヘキサン溶液)28.3gを仕込み、50℃に昇温した後、β−ファルネセン342gを加えて1時間重合した。得られた重合反応液にメタノールを添加後、重合反応液を水で洗浄した。水を分離して、重合反応液を70℃で12時間乾燥することにより、ファルネセン重合体2を得た。
Figure 0006344077
なお、表2において使用した原材料の種類を下記に示す。
粉砕ゴム:日本ピグメント社製粉砕ゴム
ステアリン酸:日油社製ビーズステアリン酸
老化防止剤:住友化学社製アンチゲン6C
ワックス:大内新興化学工業社製サンノック
酸化亜鉛:正同化学工業社製酸化亜鉛3種
硫黄:鶴見化学工業社製金華印油入微粉硫黄(硫黄の含有量が95.24重量%)
加硫促進剤:大内新興化学工業社製ノクセラーNS−P
表1から明らかなように実施例1〜6のゴム組成物は、氷上性能、発熱性(低転がり抵抗性)および耐摩耗性が従来レベル以上に向上することが確認された。
比較例1のゴム組成物は、ファルネセン重合体を配合しない基準となる配合である。
比較例2のゴム組成物は、ファルネセン重合体と珪藻土の配合量の比(A/B)が2未満であるので、氷上性能が悪化した。
比較例3のゴム組成物は、ファルネセン重合体と珪藻土の配合量の比(A/B)が5を超えるので、氷上性能が悪化した。
比較例4のゴム組成物は、ファルネセン重合体の代わりに液状ポリイソプレンを配合したので、耐摩耗性及び発熱性が悪化する。
比較例5のゴム組成物は、カーボンブラックの配合量が70重量部を超えるので、発熱性及び氷上性能が悪化する。
比較例6のゴム組成物は、カーボンブラックおよびシリカの合計が70重量部を超えるので、発熱性及び氷上性能が悪化する。
比較例7のゴム組成物は、シリカの配合量が20重量部を超えるので、耐摩耗性が悪化する。
比較例8のゴム組成物は、珪藻土の配合量が10重量部を超えるので、耐摩耗性が悪化する。

Claims (4)

  1. 天然ゴムを40〜90重量%、ブタジエンゴムを10〜60重量%含むジエン系ゴム100重量部に対し、カーボンブラックを30〜70重量部、シリカを0〜20重量部、ファルネセン重合体を2〜15重量部、珪藻土を1〜10重量部配合するとともに、前記カーボンブラックおよびシリカの合計が30〜70重量部、前記ファルネセン重合体の配合量A重量部と前記珪藻土の配合量B重量部の比(A/B)が2以上5以下であるとを特徴とするタイヤトレッド用ゴム組成物。
  2. 前記珪藻土が、メロシラ属に属する円筒状または円柱状の多孔質珪藻土であることを特徴とする請求項1に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
  3. さらに粉砕ゴムを配合し、該粉砕ゴムおよび前記珪藻土の合計が、ジエン系ゴム100重量部に対し〜10重量部であることを特徴とする請求項1または2に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤトレッド用ゴム組成物を、キャップトレッドおよび/またはアンダートレッドに使用したことを特徴とするスタッドレスタイヤ。
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