JP2019001898A - タイヤ用ゴム組成物、トレッドおよびタイヤ - Google Patents

タイヤ用ゴム組成物、トレッドおよびタイヤ Download PDF

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Abstract

【課題】耐摩耗性能および離型性に優れたゴム組成物を提供することを目的とする。【解決手段】ブタジエンゴムを20質量%以上含むゴム成分100質量部に対し、ω−9脂肪酸アミドを0.1〜3.5質量部、カーボンブラックを1〜35質量部、シリカを0〜55質量部、および、硫黄を1.5質量部以下含有してなるタイヤ用ゴム組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、タイヤ用ゴム組成物、該タイヤ用ゴム組成物からなるトレッド、および、該トレッドを備えるタイヤに関する。
タイヤには、グリップ性能や耐摩耗性能など様々な性能が要求される。このような状況下、ヒステリシスロスを向上させるべく充填剤を多量に混合し、硬度を下げるためにオイルを多量に添加するなどの配合手法が知られている。この場合、オールシーズン用タイヤや冬用タイヤでは、より硬度を低く設計する必要があるため、金型からの離型性を向上させるべく、金属離形剤が添加される。
このような金属離型剤としては、従来から、例えば、脂肪酸カルシウム塩などを主成分とするWB16(ストラクトール社製)などを配合することが知られている(特許文献1)。
特開2015−232110号公報
しかし、従来からの配合では、金属離型性を向上させようとすれば、耐摩耗性が低下するため、根本解決にはなっていない。
本発明は、加硫後の性能である耐摩耗性を維持しつつ、かつ、未加硫段階での離型性をも向上せしめたタイヤ用ゴム組成物、該タイヤ用ゴム組成物からなるトレッド、および、該トレッドを備えるタイヤを提供しようとするものである。
本発明者らは、鋭意検討した結果、所定量のブタジエンゴムを含有する所定のゴム成分と所定量のカーボンブラックとを含んでなるゴム組成物に、所定量のω−9脂肪酸アミドを配合しつつ、かつ、硫黄の配合量を制限することで、上記課題を解決できることを見出し、さらに検討を重ねて本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、
[1]ブタジエンゴムを20質量%以上含むゴム成分100質量部に対し、
ω−9脂肪酸アミドを0.1〜3.5質量部、
カーボンブラックを1〜35質量部、
シリカを0〜55質量部、および、
硫黄を1.5質量部以下
含有してなるタイヤ用ゴム組成物、
[2]ゴム成分が、さらにスチレンブタジエンゴムを含むものである、上記[1]記載のタイヤ用ゴム組成物、
[3]タイヤ用ゴム組成物の加硫後のアセトン可溶分量が15〜35%である上記[1]または[2]記載のタイヤ用ゴム組成物、
[4]上記[1]〜[3]のいずれか1項に記載のタイヤ用ゴム組成物からなるトレッド、
[5]上記[4]記載のトレッドを備えるタイヤ、
に関する。
本発明によれば、加硫後の性能である耐摩耗性を維持しつつ、かつ、未加硫段階での離型性をも向上せしめたタイヤ用ゴム組成物、該タイヤ用ゴム組成物からなるトレッド、および、該トレッドを備えるタイヤを提供することができる。
理論に拘束されることは意図しないが、本発明では、ブタジエンゴムを配合することによる耐摩耗性能の向上に加え、ω−9脂肪酸アミドを配合することで、相乗的な耐摩耗性の向上が達成されていると考えられる。すなわち、ω−9脂肪酸アミドは、カーボンブラックの表面のカルボキシル基と水素結合することでカーボンブラックの分散性を高めていると推測される。このようにブタジエンゴムとω−9脂肪酸アミドを併用することで、それぞれの寄与が相まって、相乗的な耐摩耗性の向上が達成できると考えられる。また、ω−9脂肪酸アミドは、設備の金属表面で薄いアミド結合膜を形成し、混練中のゴム組成物が金属へ接着することを抑制することで、加工性の向上にも寄与していると考えられる。
<タイヤ用ゴム組成物>
一実施形態は、ブタジエンゴムを20質量%以上含むゴム成分100質量部に対し、ω−9脂肪酸アミドを0.1〜3.5質量部、カーボンブラックを1〜35質量部、シリカを0〜55質量部、および、硫黄を1.5質量部以下含有してなるタイヤ用ゴム組成物である。
(ゴム成分)
本実施形態において、ゴム成分は、ブタジエンゴム(BR)を20質量%以上含むものである。ゴム成分に含まれるBR以外のゴム成分としては特に限定されず、天然ゴム(NR)およびポリイソプレンゴム(IR)を含むイソプレン系ゴム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合体ゴム(SIBR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(NBR)などのジエン系ゴム成分やブチル系ゴムを挙げることができる。これらのゴム成分は、その1種または2種以上を、BRと併用することができる。なかでも、低燃費性能や耐摩耗性能、耐久性、ウェットグリップ性能のバランスの観点からBRとSBRを併用することが好ましい。BRとSBRとのみからなる場合も好ましい。
≪BR≫
BRとしては、特に限定されず、ハイシス1,4−ポリブタジエンゴム(ハイシスBR)、1,2−シンジオタクチックポリブタジエン結晶を含むブタジエンゴム(SPB含有BR)、変性ブタジエンゴム(変性BR)などの各種BRを用いることができる。これらBRは、1種を用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ハイシスBRとは、シス1,4結合含有率(シス含量)が90%以上のブタジエンゴムである。このようなハイシスBRとして、例えば、日本ゼオン(株)製のBR1220、宇部興産(株)製のBR130B、BR150Bなどが挙げられる。ハイシスBRを含有することで低温特性および耐摩耗性を向上させることができる。該シス含量は、95%以上であることが好ましく、96%以上であることがより好ましく、97%以上であることがさらに好ましい。なお、ブタジエンゴムのシス含量は、赤外吸収スペクトル分析法により測定される値である。
SPB含有BRは、1,2−シンジオタクチックポリブタジエン結晶が、単にBR中に結晶を分散させたものではなく、BRと化学結合したうえで分散しているものが挙げられる。このようなSPB含有BRとしては、宇部興産(株)製のVCR−303、VCR−412、VCR−617などが挙げられる。
変性BRとしては、リチウム開始剤により1,3−ブタジエンの重合を行ったのち、スズ化合物を添加することにより得られ、さらに変性BR分子の末端がスズ−炭素結合で結合されているものなどが挙げられる。このような変性BRとしては、例えば、日本ゼオン(株)製のBR1250H(スズ変性)、住友化学工業(株)製のS変性ポリマー(シリカ変性)などが挙げられる。
これらの各種BRの中でも、低温特性および耐摩耗性において優れるという点からハイシスBRを用いることが好ましい。
BRのガラス転移温度(Tg)は、耐摩耗性の観点から、−150℃以上であることが好ましく、−120℃以上であることがより好ましく、−110℃以上であることがさらに好ましい。該Tgは、低温特性の観点から、−60℃以下であることが好ましく、−70℃以下であることがより好ましく、−80℃以下であることがさらに好ましい。BRのガラス転移温度は、JIS K 7121に従い、昇温速度10℃/分の条件で示差走査熱量測定(DSC)を行って測定される値である。
BRの重量平均分子量(Mw)は、耐摩耗性の観点から、10万以上が好ましく、20万以上がより好ましく、30万以上がさらに好ましい。また、同Mwは、耐摩耗性の観点から、100万以下が好ましく、80万以下がより好ましく、70万以下がより好ましい。BRの重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)(東ソー(株)製GPC−8000シリーズ、検出器:示差屈折計、カラム:東ソー(株)製のTSKGEL SUPERMALTPORE HZ−M)による測定値を基に標準ポリスチレン換算により求めることができる。
ゴム成分中のBRの含有量は、耐摩耗性能、低燃費性能の観点から、20質量%以上であり、25質量%以上がより好ましく、28質量%以上がさらに好ましく、30質量%以上がさらに好ましく、40質量%以上がさらに好ましく、50質量%以上がさらに好ましく、55質量%以上がさらに好ましい。また、同BRの含有量は、耐摩耗性能、グリップ性能、低燃費性能の観点から、80質量%以下が好ましく、70質量%以下がさらに好ましく、65質量%以下がさらに好ましい。
≪SBR≫
スチレンブタジエンゴム(SBR)としては、特に限定されず、乳化重合SBR(E−SBR)、溶液重合SBR(S−SBR)などが挙げられ、油展されていても、油展されていなくてもよい。なかでも、グリップ性能の観点から、油展かつ高分子量のSBRが好ましい。また、フィラーとの相互作用力を高めた末端変性S−SBRや、主鎖変性S−SBRも使用可能である。これらSBRは、1種を用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
SBRのスチレン含量は、グリップ性能の観点から、12質量%以上が好ましく、15質量%以上がより好ましく、20質量%以上がさらに好ましい。また、該スチレン含量は、安定したグリップ性能の観点から、60質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましく、40質量%以下がさらに好ましい。なお、SBRのスチレン含量は、1H−NMR測定により算出される。
SBRのビニル含量は、ゴム組成物の硬度(Hs)、グリップ性能の観点から、10%以上が好ましく、15%以上がより好ましい。また、グリップ性能、EB(耐久性)、耐摩耗性能の観点から、90%以下が好ましく、70%以下がより好ましく、50%以下がさらに好ましく、40%以下が特に好ましい。なお、SBRのビニル含量(1,2−結合ブタジエン単位量)は、赤外吸収スペクトル分析法によって測定できる。
SBRのガラス転移温度(Tg)は、−70℃以上であることが好ましく、−60℃以上であることがより好ましい。該Tgは、10℃以下であることが好ましく、温帯冬期での脆化クラック防止の観点から5℃以下であることがより好ましい。なお、SBRのガラス転移温度は、JIS K 7121に従い、昇温速度10℃/分の条件で示差走査熱量測定(DSC)を行って測定される値である。
SBRの重量平均分子量(Mw)は、グリップ性能等の観点から、40万以上が好ましく、50万以上がより好ましく、55万以上がさらに好ましい。また、ブロー性すなわちフィラー分散性、架橋均一性の観点から、重量平均分子量は150万以下が好ましく、140万以下がより好ましく、130万以下がさらに好ましい。なお、SBRの重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)(東ソー(株)製GPC−8000シリーズ、検出器:示差屈折計、カラム:東ソー(株)製のTSKGEL SUPERMALTPORE HZ−M)による測定値を基に標準ポリスチレン換算により求めることができる。
SBRのゴム成分中の含有量は、十分なグリップ性能が得られるという理由から、20質量%以上が好ましく、30質量%以上がより好ましく、35質量%以上がさらに好ましく、40質量%以上がさらに好ましく、50質量%以上がさらに好ましく、60質量%以上がさらに好ましい。また、SBRの含有量は、耐摩耗性、低燃費性等の観点から、80質量%以下が好ましく、75質量以下がより好ましく、73質量%以下がさらに好ましく、71質量%以下がさらに好ましく、70質量%以下がさらに好ましい。なお、2種以上のSBRを併用する場合は全SBRの合計含有量を、本実施形態のゴム成分中のSBRの含有量とする。
(充填剤)
本実施形態に係るゴム組成物は、充填剤を含有する。
≪カーボンブラック≫
本実施形態に係るゴム組成物は、充填剤として、1〜35質量部のカーボンブラックを、少なくとも含有する。カーボンブラックとしては、オイルファーネス法により製造されたカーボンブラックなどタイヤ用ゴム組成物に通常使用されるものをいずれも使用することができ、具体的には、GPF、HAF、ISAF、SAFなどが挙げられるが、なかでも、SAFが好適である。カーボンブラックは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
カーボンブラックのチッ素吸着比表面積(N2SA)は、操縦安定性の観点から、100m2/g以上が好ましく、105m2/g以上がより好ましく、110m2/g以上がさらに好ましい。また、同N2SAは、分散性の観点から、600m2/g以下が好ましく、250m2/g以下がより好ましく、180m2/g以下がさらに好ましい。カーボンブラックのN2SAは、JIS K 6217−2:2001に準拠して求められる。
カーボンブラックのオイル吸収量(OAN)は、耐摩耗性の観点から、50mL/100g以上が好ましく、100mL/100g以上がより好ましい。また、グリップ性能の観点から、250mL/100g以下が好ましく、200mL/100g以下がより好ましく、135mL/100g以下がさらに好ましい。なお、カーボンブラックのOANは、JIS K6217−4 2008に準拠して測定される。
カーボンブラックの平均一次粒子径は、カーボンブラックの補強効果の観点から10nm以上が好ましく、13nm以上がより好ましい。また、同平均粒子径は、カーボンブラックの分散性およびゴム組成物の発熱性の観点から35nm以下が好ましく、30nm以下がより好ましい。なお、本明細書におけるカーボンブラックの平均一次粒子径は、透過型電子顕微鏡により、視野内に観察された一次粒子を400個以上測定し、その平均により求めることができる。
カーボンブラックのゴム成分100質量部に対する含有量は、発明の効果を適切に発揮するとの観点から、1〜35質量部である。カーボンブラックの含有量は、好ましくは2質量部以上、より好ましくは3質量部以上、さらに好ましくは5質量部以上、さらに好ましくは10質量部以上、さらに好ましくは15質量部以上、さらに好ましくは20質量部以上である。カーボンブラックの含有量は、好ましくは34質量部以下、より好ましくは33質量部以下、さらに好ましくは32質量部以下、さらに好ましくは31質量部以下、さらに好ましくは30質量部以下である。
≪シリカ≫
本実施形態に係るゴム組成物は、充填剤として、0〜55質量部のシリカを含有するものである。すなわち、換言すれば、55質量部以下のシリカを含むものであってもよい。
シリカとしては特に限定されず、例えば、乾式法シリカ(無水ケイ酸)、湿式法シリカ(含水ケイ酸)等が挙げられるが、シラノール基が多いという理由から、湿式法シリカが好ましい。シリカは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
シリカのチッ素吸着比表面積(N2SA)は、ウェットグリップ性能および加工性の観点から、80m2/g以上が好ましく、100m2/g以上がより好ましい。また、シリカのN2SAは、低燃費性および加工性の観点から、250m2/g以下が好ましく、220m2/g以下がより好ましい。なお、本明細書におけるシリカのN2SAとは、ASTM D3037−81に準じてBET法で測定される値である。
シリカを含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、加工性等の観点から、54質量部以下が好ましく、53質量部以下がより好ましく、52質量部以下がより好ましく、51質量部以下がより好ましく、50質量部以下がより好ましい。また、シリカは0質量部でも差し支えないが、ウェットグリップ性能の観点から、1質量部以上が好ましく、5質量部以上が好ましく、10質量部以上がより好ましく、15質量部以上がより好ましく、20質量部以上がより好ましく、25質量部以上がより好ましく、30質量部以上がより好ましい。
シリカを含有する場合はシランカップリング剤を併用することができる。シランカップリング剤としては、ゴム工業において、従来からシリカと併用される任意のシランカップリング剤を使用することができ、例えば、エボニックデグッサ社製のSi75、Si266(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド)、同社製のSi69(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)などのスルフィド系、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、Momentive社製のNXT−Z100、NXT−Z45、NXTなどのメルカプト系(メルカプト基を有するシランカップリング剤)、ビニルトリエトキシシランなどのビニル系、3−アミノプロピルトリエトキシシランなどのアミノ系、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシランなどのグリシドキシ系、3−ニトロプロピルトリメトキシシランなどのニトロ系、3−クロロプロピルトリメトキシシランなどのクロロ系などが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、スルフィド系、メルカプト系がシリカとの結合力が強く、低発熱性において優れるという点から好ましい。
シランカップリング剤を含有する場合のシリカ100質量部に対する含有量は、シリカ分散性の改善の観点から、2質量部以上が好ましく、3質量部以上がより好ましい。また、シランカップリング剤の含有量は、コストに見合った効果の観点から、25質量部以下が好ましく、20質量部以下がより好ましい。
≪その他の充填剤≫
本実施形態に係るゴム組成物は、さらに、他の充填剤を含有するものであってもよく、そのような充填剤としては、水酸化アルミニウム、アルミナ(酸化アルミニウム)、炭酸カルシウム、クレー、タルクなどが挙げられる。これらの充填剤は、単独で用いることも、2種以上を組み合わせて用いることもできる。耐摩耗性能、耐久性、ウェットグリップ性能および低燃費性能に優れるという理由から、水酸化アルミニウムが好ましい。
水酸化アルミニウムのBET比表面積は、ウェットグリップ性能の観点から、5m2/g以上が好ましく、10m2/g以上が好ましく、12m2/g以上がより好ましい。また、水酸化アルミニウムのBET比表面積は、水酸化アルミニウムの分散性、再凝集防止、耐摩耗性能の観点から、50m2/g以下が好ましく、45m2/g以下がより好ましく、40m2/g以下がさらに好ましい。なお、本明細書における水酸化アルミニウムのBET比表面積は、ASTM D3037−81に準じてBET法で測定される値である。
水酸化アルミニウムの平均粒子径(D50)は、水酸化アルミニウムの分散性、再凝集防止、耐摩耗性能の観点から、0.1μm以上が好ましく、0.2μm以上がより好ましく、0.3μm以上がさらに好ましい。また、水酸化アルミニウムの平均粒子径(D50)は、耐摩耗性能の観点から、3.0μm以下が好ましく、2.0μmがより好ましい。なお、本明細書における平均粒子径(D50)とは、粒子径分布測定装置により求めた粒子径分布曲線の積算質量値50%の粒子径である。
水酸化アルミニウムを含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、グリップ性能の観点から、1質量部以上が好ましく、2質量部以上がより好ましく、5質量部以上がさらに好ましい。また、水酸化アルミニウムの含有量は、耐摩耗性能の観点から、50質量部以下が好ましく、45質量部以下がより好ましく、40質量部以下がさらに好ましい。
(ω−9脂肪酸アミド)
本実施形態に係るゴム組成物は、ゴム成分100質量部に対して0.1〜3.5質量部のω−9脂肪酸アミド(オメガ9脂肪酸アミド)を含有することを特徴とする。ω−9脂肪酸アミドは加工助剤として配合されるものである。ここで、ω−9脂肪酸とは不飽和脂肪酸の一種であり、炭素−炭素二重結合がω−9位(脂肪酸のメチル末端から9番目の結合位置)にある脂肪酸をいう。また、ω−9脂肪酸アミドとは、このようなω−9脂肪酸のカルボキシル基が、アミノ基と反応して、アミド結合を形成した化合物をいう。従って、離型剤であるWB16(ストラクトール社製)などに含まれる成分である「脂肪酸モノエタノールアミド」や「脂肪酸モノエタノールアミドのエステル」とは、構造が異なる化合物である。ω−9脂肪酸アミドは、金属で構成されたゴム組成物の混練設備の表面(金属表面)で薄いアミド結合膜を形成することにより、混練物が金属表面と強く結合することを抑制していると考えられる。また、ω−9脂肪酸アミドの中でも、オレイン酸アミドは、他の脂肪酸アミドに比べて、ゴム成分との相溶性に優れることから、発明の効果を発揮する上で有利であると考えられる。
ω−9脂肪酸アミドとしては、オレイン酸アミド、エイコセン酸アミド、ミード酸アミド、エルカ酸アミド、ネルボン酸アミド等が挙げられる。なかでも、オレイン酸アミドが好ましい。
ω−9脂肪酸アミドは、ω−9脂肪酸アミドとステアリン酸カルシウムとの溶融混合物として含有せしめると、固形でありながらゴム組成物の混練り工程で分散しやすい透明融点(60〜120℃)とすることができ、離型性および加工性がより向上するという理由から好ましい。ω−9脂肪酸アミドとステアリン酸カルシウムとの溶融混合物として含有せしめることにより、物理的離型性が向上し、物理的離型性とアミド結合膜による離型性とが相乗作用するため本発明の効果がより発揮されると考えられる。
前記溶融混合物は、例えばオレイン酸アミド(透明融点74℃)およびステアリン酸カルシウム(透明融点154℃)とを混合しながら、両化合物が溶融する温度まで加熱することで調製することができる。この混合方法としては、特に限定されないが、例えばシリコンオイルバス中で加温しながらスターラー撹拌する方法が挙げられる。
溶融混合物は、本発明の効果が顕著に発揮されるという観点から、25〜75質量%のω−9脂肪酸アミドと25〜75質量%のステアリン酸カルシウムにより構成されることが好ましく、40〜60質量%のω−9脂肪酸アミドと40〜60質量%のステアリン酸カルシウムにより構成されることがより好ましい。
ω−9脂肪酸アミドのゴム成分100質量部に対する含有量は、0.1質量部以上であり、0.2質量部以上が好ましく、0.3質量部以上がより好ましく、0.4質量部以上がさらに好ましく、0.5質量部以上がさらに好ましく、0.8質量部以上がさらに好ましく、1.0質量部以上がさらに好ましい。ω−9脂肪酸アミドの含有量が0.1質量部未満の場合は、加工性および離型性の改善効果が不十分となる傾向がある。また、ω−9脂肪酸アミドの含有量は、3.5質量部以下であり、3.4質量部以下が好ましく、3.3質量部以下がより好ましく、3.2質量部以下がさらに好ましく、3.1質量部以下がさらに好ましく、3.0質量部以下がさらに好ましい。ω−9脂肪酸アミドの含有量が3.5質量部を超える場合は、硬度が低下し、耐摩耗性が低下する傾向がある。
また、ω−9脂肪酸アミドのゴム成分100質量部に対する含有率は、ウェットグリップ性能の観点から、1.0質量部以上が好ましく、2.0質量部以上がより好ましく2.5質量部以上がさらに好ましい。この場合の該含有量の上限値としては、3.5質量部である。
(軟化剤)
本実施形態に係るゴム組成物は、軟化剤として、オイルを含有することができる。該オイルとしては、例えば、パラフィン成分、ナフテン成分およびアロマ成分からなるプロセスオイルが挙げられる。該プロセスオイルは、通常タイヤ工業で使用するものを好適に使用することができる。プロセスオイルの具体例としては、出光興産(株)製のダイアナプロセスPA32(パラフィン成分:67質量%、ナフテン成分:28質量%、アロマ成分:5質量%)の他、AC−12、AC−460、AH−24、AH−58など、あるいは、H&R社製のVivatec40(TDAEオイル:パラフィン成分:49質量%、ナフテン成分:27質量%、アロマ成分:23質量%)などが挙げられる。オイルは、単独で用いることも、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
オイルを含有する場合のゴム成分100質量部に対するオイルの含有量は、スノー性能を担保する観点から、10質量部以上が好ましく、15質量部以上がより好ましい。また、同オイルの含有量は、耐摩耗性の観点から、50質量部以下が好ましく、40質量部以下がより好ましく、35質量部以下が好ましい。なお、本明細書におけるオイルの含有量には、油展ゴムに含まれるオイル分も含まれる。
本実施形態に係るゴム組成物は、上記オイルに加えて、あるいは、オイルに代えて、「オイル以外の軟化剤」(粘着樹脂、低温可塑剤、液状ポリマー等)を含有することができる。オイルを含めた軟化剤の総量は、タイヤ用ゴム組成物の加硫後のアセトン可溶分量(AE量)が、15〜35%範囲内となる量であることが好ましい。このような範囲となることで、加工性とウェット路面、ドライ路面またはスノー路面でのタイヤ性能の両立を図ることができる傾向がある。AE量は、18%以上が好ましく、20%以上がより好ましい。また、AE量は、30%以下が好ましく、25%以下がより好ましい。粘着樹脂、低温可塑剤、液状ポリマー等の軟化剤は、タイヤ工業において通常使用されるものをいずれも使用することができる。
(加硫剤)
本実施形態に係るゴム組成物は加硫剤を含有するものであり、ゴム成分100質量部に対し、1.5質量部以下の加硫剤を含有する。加硫剤としては特に限定されず、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。本発明の効果が良好に得られるという点からは、硫黄が好ましく、粉末硫黄がより好ましい。
加硫剤の含有量は、耐摩耗性能の観点から、ゴム成分100質量部に対し、1.4質量部以下が好ましく、1.3質量部以下がより好ましい。また、加硫剤の含有量は、0.8質量部以上が好ましく、1.0質量部以上がより好ましい。
(その他の配合剤)
本実施形態に係るゴム組成物は、前記成分以外にも、ゴム組成物の製造に一般的に使用される配合剤、例えば、酸化亜鉛、ステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、脂肪酸亜鉛石けん、老化防止剤、ワックス、加硫促進剤などを適宜含有することができる。
(ゴム組成物の製造)
本実施形態に係るゴム組成物は、一般的な方法で製造できる。例えば、バンバリーミキサーやニーダー、オープンロールなどの一般的なゴム工業で使用される公知の混練機で、前記各成分のうち、加硫剤および加硫促進剤以外の成分を混練りした後、これに、加硫剤および加硫促進剤を加えてさらに混練りし、その後加硫する方法などにより製造できる。
<トレッド、タイヤ>
本実施形態に係るゴム組成物は、タイヤのトレッド、アンダートレッド、カーカス、サイドウォール、ビード等のタイヤ部材に好適に用いることができる。特に、ウェットグリップ性能および耐摩耗性能に優れることから、該ゴム組成物で構成されるトレッドを有するタイヤとすることが好ましく、レース用タイヤまたはスタッドレスタイヤとすることもできる。
本実施形態に係るゴム組成物を用いたタイヤは、前記ゴム組成物を用いて、通常の方法により製造できる。すなわち、ジエン系ゴム成分に対して前記の配合剤を必要に応じて配合した前記ゴム組成物を、トレッドなどの形状にあわせて押出し加工し、タイヤ成型機上で他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、通常の方法にて成型することにより、未加硫タイヤを形成し、この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することにより、タイヤを製造することができる。
実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらのみに限定して解釈されるものではない。
<各種薬品>
実施例および比較例で使用した各種薬品について説明する。
SBR1(スチレンブタジエンゴム):JSR(株)製のSBR1723(E−SBR、スチレン量:24質量%、ビニル含量:17%、Tg:−55℃、重量平均分子量:60〜65万)
SBR2(スチレンブタジエンゴム):旭化成(株)製のタフデン(Tufdene)3830(S−SBR、スチレン量:36質量%、ビニル含量:31%、Tg:−35℃、重量平均分子量:100〜110万、オイル分37.5質量部含有)
BR(ブタジエンゴム):宇部興産(株)製のBR150B(シス含量:97質量%、Tg:−108℃、重量平均分子量:50万)
CB(カーボンブラック):東海カーボン(株)製のN134(N2SA:143m2/g、平均一次粒子径:19nm)
シリカ:エボニックデグサ社製のULTRASIL VN3(N2SA:175m2/g)
オイル:H&R(株)製のVivaTec400(TDAEオイル)
加工助剤1:オレイン酸アミド:日油(株)製のアルフローE−10(透明融点:74℃)なお、透明融点はJIS K 0064:1992「化学製品の融点及び溶融範囲測定方法」に従って測定される値である(以下同様)。
加工助剤2:ストラクトール社製のWB16(脂肪酸カルシウム塩、脂肪酸モノエタノールアミドおよび脂肪酸モノエタノールアミドのエステルとの混合物、透明融点:101℃)
硫黄:細井化学工業(株)製のHK−200−5(5質量%オイル含有粉末硫黄)
加硫促進剤:三新化学工業(株)製のサンセラーNS−G((N−(tert−ブチル)−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(TBBS))
(加工助剤の前処理)
加工助剤は、必要な場合には、以下の前処理をしてから使用した。すなわち、加工助剤をフラスコに入れ、該フラスコをシリコンオイルバスに浸漬し、内容物が溶融するまで昇温しながら電子スターラーで撹拌した。その後、内容物を取り出し、冷却・すり鉢で粉砕した。
実施例および比較例
<未加硫ゴム組成物>
表1に示す配合処方に従い、1.7Lの密閉型バンバリーミキサーを用いて、硫黄および加硫促進剤以外の薬品を排出温度160℃で5分間混練りし、混練物を得た。さらに、得られた混練物を前記バンバリーミキサーにより、排出温度150℃で4分間、再度混練りした(リミル)。次に、2軸オープンロールを用いて、得られた混練物に硫黄および加硫促進剤を添加し、4分間、105℃になるまで練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。
<試験用加硫ゴム組成物>
得られた未加硫ゴム組成物を170℃で12分間プレス加硫することで、試験用加硫ゴム組成物を作製した。
<試験用タイヤ>
得られた未加硫ゴム組成物を所定の形状の口金を備えた押し出し機でトレッドの形状に押し出し成形し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせて未加硫タイヤを形成し、170℃の条件下で12分間プレス加硫することにより、試験用タイヤを製造した。
<加硫後のアセトン可溶成分量(AE量)の計測>
試験用加硫ゴム組成物から1mm角の立方体形状に切り出した試験片を50mg準備し、アセトン(和光純薬工業(株)製の特級アセトン)にて試験片内部から、アセトン可溶成分を抽出した。得られた抽出物を、ガスクロマトグラフィー装置((株)島津製作所製)を用いて成分分析を行った。溶離剤として窒素ガス((株)島津製作所製、純度99.9%)を用い、毎分50mL、50℃の条件で分離した後、概成分の溶出ピークの面積を用いて、そのゴム組成物全体に占める質量分率を見積もった。
<性能評価>
得られた未加硫ゴム組成物、試験用加硫ゴム組成物および試験用タイヤについて、下記の評価を行った。結果を表1に示す。
(低燃費性能指数)
粘弾性スペクトロメータVES((株)岩本製作所製)を用いて、温度70℃、周波数10Hz、初期歪10%および動歪2%の条件下で、各試験用加硫ゴム組成物の損失正接(高温tanδ)を測定した。結果は、下記式により比較例1を100として指数表示した。指数が大きいほど低燃費性能に優れることを示す。なお、表1における性能目標値は98以上である。
(低燃費性能指数)=(比較例1の損失正接)
/(各試験用加硫ゴム組成物の損失正接)×100
(ウェットグリップ性能指数)
各試験用タイヤを試験用実車(国産FF車、排気量:2000cc)の全輪に装着し、湿潤路面において初速度100km/hからの制動距離を測定した。下記式により比較例1を100として指数表示した。指数が大きいほど、ウェットグリップ性能に優れることを示す。なお、表1における性能目標値は100以上である。
(ウェットグリップ性能指数)=
(比較例1のタイヤの制動距離)/(各試験用タイヤの制動距離)×100
(耐摩耗性能指数1)
LAT試験機(Laboratory Abrasion and Skid Tester)を用い、荷重50N、速度20km/h、スリップアングル5°の条件にて、各試験用加硫ゴム組成物の容積損失量を測定した。結果は、下記式により比較例1を100として指数表示した。指数が大きいほど耐摩耗性能に優れることを示す。
(耐摩耗性能指数1)=(比較例1の試験用加硫ゴム組成物の容積損失量)
/(各試験用加硫ゴム組成物の容積損失量)×100
(耐摩耗性能指数2)
各試験用タイヤを試験用実車(国産FF車、排気量:2000cc)の全輪に装着し、ドライアスファルト路面上を8000km走行させ、タイヤトレッド部の溝深さを測定し、タイヤトレッド部の溝深さが1mm減少するときの走行距離を算出した。結果は、下記式により比較例1を100として指数表示した。指数が大きいほど耐摩耗性に優れることを示す。なお、表1における性能目標値は100以上である。
(耐摩耗性能指数2)=(各試験用タイヤのタイヤ溝が1mm減るときの走行距離)
/(比較例1のタイヤ溝が1mm減るときの走行距離)×100
(離型性指数)
1.7Lバンバリーミキサーにおける混練時の、未加硫ゴム組成物とローター金属およびミキサー内壁との密着程度を目視および引き剥がし作業時間により評価した。結果は、下記式により比較例1の離型性を100として指数表示した。離型性指数が大きいほど離型性に優れることを示す。なお、表1における性能目標値は105以上である。
(離型性能指数)=(比較例1の作業時間)/(各試験例の作業時間)×100
Figure 2019001898
上記の結果より、本実施形態のゴム組成物では、耐摩耗性能を維持しつつ、離型性能に優れていることがわかる。また、本実施形態のゴム組成物では、ブタジエンゴムの含有量が高い実施例4で低燃費性が優れること、加工助剤の含有量の増加に応じてウェットグリップ性能が優れること(実施例1〜3)がわかる。

Claims (5)

  1. ブタジエンゴムを20質量%以上含むゴム成分100質量部に対し、
    ω−9脂肪酸アミドを0.1〜3.5質量部、
    カーボンブラックを1〜35質量部、
    シリカを0〜55質量部、および、
    硫黄を1.5質量部以下
    含有してなるタイヤ用ゴム組成物。
  2. ゴム成分が、さらにスチレンブタジエンゴムを含むものである、請求項1記載のタイヤ用ゴム組成物。
  3. タイヤ用ゴム組成物の加硫後のアセトン可溶分量が15〜35%である請求項1または2記載のタイヤ用ゴム組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のタイヤ用ゴム組成物からなるトレッド。
  5. 請求項4記載のトレッドを備えるタイヤ。
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