JP7306394B2 - タイヤトレッド用ゴム組成物およびタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、タイヤトレッド用ゴム組成物およびタイヤに関する。
路面と接触するタイヤトレッドには、安全性等の観点でウェットグリップ性能等が要求される。ゴム組成物のウェットグリップ性能を向上させる手段の一つとして、レジンを添加してガラス転移温度(Tg)を上げる方法が挙げられるが、初期ウェットグリップ性能が低下してしまうという問題がある。また、他のウェットグリップ性能を向上させる手段として、水酸化アルミニウムの添加により当該性能を改善する方法が提案されている(特許文献1)。
特開2002-338750号公報
しかし、特許文献1に記載のゴム組成物についても初期ウェットグリップ性能にさらに改善の余地がある。
本発明は、初期ウェットグリップ性能を向上させることができるタイヤトレッド用ゴム組成物を提供すること、またそれにより向上された初期ウェットグリップ性能を有するタイヤを提供すること目的とする。
上記課題に鑑み、本発明者らは、水酸化アルミニウムを含有するトレッド用ゴム組成物であっても、炭素原子40~70の分岐アルカンと炭素原子45以上の直鎖アルカンとをそれぞれ所定量含有させることで、得られるタイヤの初期ウェットグリップ性能を向上させることができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本開示は、
[1]ジエン系ゴム成分と、前記ジエン系ゴム成分100質量部に対し、炭素数40~70の分岐アルカンを0.50~6.00質量部、好ましくは1.00~5.50質量部、より好ましくは1.50~5.00質量部、または、好ましくは0.50~5.50質量部、より好ましくは0.50~5.00質量部、より好ましくは0.50~3.20質量部、より好ましくは0.50~1.30質量部、さらに好ましくは1.18~1.30質量部と、炭素数45以上の直鎖アルカンを0.05~3.50質量部、好ましくは0.50~3.00質量部、より好ましくは1.00~2.50質量部、または、好ましくは0.05~3.00質量部、より好ましくは0.05~2.50質量部、より好ましくは0.11~2.50質量部、より好ましくは0.11~1.70質量部、より好ましくは0.11~0.75質量部、より好ましくは0.30~0.70質量部、さらに好ましくは0.40~0.45質量部と、水酸化アルミニウムを1~35質量部、好ましくは3~30質量部、より好ましくは5~30質量部、より好ましくは5~25質量部、さらに好ましくは10~21質量部、最も好ましくは20質量部以下、または、好ましくは15~35質量部、より好ましくは15~25質量部、または、好ましくは21~30質量部、より好ましくは21~23質量部とを含むタイヤトレッド用ゴム組成物、
[2]速度7.8km/h、温度20℃、水膜厚み2mm±1mmの測定条件下において、ダイナミックフリクションテスターにより測定される動的摩擦係数が0.85以上、好ましくは0.85~1.20、より好ましくは0.85~1.15である上記[1]記載のタイヤトレッド用ゴム組成物、
[3]動的摩擦係数が0.90以上、好ましくは0.90~1.20、より好ましくは0.90~1.15である上記[2]記載のタイヤトレッド用ゴム組成物、
[4]動的摩擦係数が0.95以上、好ましくは0.95~1.20、より好ましくは0.95~1.15、または、好ましくは1.00以上、より好ましくは1.10以上、さらに好ましくは1.20以上である上記[3]記載のタイヤトレッド用ゴム組成物、ならびに
[5]上記[1]~[4]のいずれかに記載のトレッド用ゴム組成物で構成されたトレッドを備えるタイヤ
に関する。
本発明によれば、ジエン系ゴム成分に、水酸化アルミニウム、炭素原子40~70の分岐アルカンおよび炭素原子45以上の直鎖アルカンをそれぞれ所定量含有させることにより、初期ウェットグリップ性能を向上させることができるタイヤトレッド用ゴム組成物を提供することができ、またそのタイヤトレッド用ゴム組成物で構成されたトレッドを備えることにより、向上された初期ウェットグリップ性能を有するタイヤを提供することができる。
<タイヤトレッド用ゴム組成物>
本発明の一実施形態であるタイヤトレッド用ゴム組成物は、ジエン系ゴム成分と、前記ジエン系ゴム成分100質量部に対し、炭素数40~70の分岐アルカンを0.5~6.0質量部、炭素数45以上の直鎖アルカンを0.05~3.5質量部および水酸化アルミニウムを1~35質量部含むものであり、初期ウェットグリップ性能を向上させることができる。なお、本明細書において、「~」を用いて数値範囲を示す場合、その両端の数値を含むものとする。
このような初期ウェットグリップ性能の向上効果が得られる理由は次のように考えられる。トレッド表面に板状に広がった水酸化アルミニウムは、路面との接触面積を増やしていると考えられ、その水酸化アルミニウムの表面や近傍に、比較的柔らかい層を形成するマイクロクリスタリンワックス等の分岐アルカンや直鎖アルカンを所定量含むワックスが存在することで、広い面積かつ路面への追従を可能にすることができると考えられる。すなわち、水酸化アルミニウムとマイクロクリスタリンワックス等の分岐アルカンや直鎖アルカンを所定量含むワックスとの相乗効果により、初期ウェットグリップ性能が向上していると考えられる。
また、液状SBRをさらに含有させた場合にも、液状SBRは分岐アルカンの間から表面に現れ、さらに上述の効果を相乗的に増大させることができると考えられる。
本明細書において、動的摩擦係数は、速度7.8km/h、測定温度20℃、水膜厚み2mm±1mmの条件下において、ダイナミックフリクションテスターにより測定される動的摩擦係数である。
タイヤトレッド用ゴム組成物の動的摩擦係数は、0.85以上が好ましく、0.90以上がより好ましく、0.95以上がより好ましく、1.00以上がより好ましく、1.10以上がさらに好ましい。動的摩擦係数を0.85以上とすることにより、十分な初期ウェットグリップ性能を得ることができる傾向がある。また、動的摩擦係数の上限は、特に限定されないが、初期ウェットグリップ性能が高くなるほど、トレッドゴムの耐摩耗性が低下しやすくなるという理由から、1.20以下が好ましく、1.15以下がより好ましい。ここで、動的摩擦係数は、初期ウェットグリップ性能の向上効果をさらに良好に発揮できるという観点からは、1.20以上が好ましい。
(ジエン系ゴム成分)
ジエン系ゴムとしては、特に限定されるものではないが、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレンム(SIR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)等が挙げられる。ジエン系ゴムは、併用されてもよい。これらの中でも、より優れたグリップ性能が得られる点から、SBRを含むことがより好ましい。
SBRとしては特に限定されるものではなく、溶液重合SBR(S-SBR)、乳化重合SBR(E-SBR)、これらの変性SBR(変性S-SBR、変性E-SBR)等が挙げられる。変性SBRとしては、末端および/または主鎖が変性されたSBR、スズ、ケイ素化合物等でカップリングされた変性SBR(縮合物、分岐構造を有するもの等)、水素添加されたSBR(水添SBR)等が挙げられる。また、SBRは、油展されていてもよい。
これらのうち、変性SBRを用いることが好ましい。変性SBRとしては、特に限定されるものではなく、溶液重合SBR(S-SBR)、乳化重合SBR(E-SBR)のいずれも使用することができ、また、末端変性のみならず、主鎖が変性されたSBR、スズ、ケイ素化合物等でカップリングされたSBR(縮合物、分岐構造を有するもの等)も使用することができる。末端変性基としては、シリカと親和性のある基であれば特に限定されるものではなく、導入される基は、例えば、アルコキシシリル基、アミノ基、水酸基、グリシジル基、アミド基、カルボキシル基、エーテル基、チオール基、シアノ基、炭化水素基、イソシアネート基、イミノ基、イミダゾール基、ウレア基、カルボニル基、オキシカルボニル基、スルフィド基、ジスルフィド基、スルホニル基、スルフィニル基、チオカルボニル基、アンモニウム基、イミド基、ヒドラゾ基、アゾ基、ジアゾ基、ニトリル基、ピリジル基、アルコキシ基、オキシ基、エポキシ基、スズやチタン等の金属原子等が一例として挙げられる。なお、これらの官能基は、置換基を有していてもよい。なかでも、1,2,3級アミノ基(特に、グリシジルアミノ基)、エポキシ基、水酸基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1~6のアルコキシ基)、アルコキシシリル基(好ましくは炭素数1~6のアルコキシシリル基)、炭化水素基が好ましい。変性SBRは、例えば、特開2014-19841号公報に記載された方法により製造することができる。
SBRのスチレン含有率は特に限定されない。一例を挙げると、スチレン含有率は、5質量%以上であることが好ましく、8質量%以上であることがより好ましく、15質量%以上であることがさらに好ましく、25質量%以上であることが特に好ましい。また、スチレン含有率は、60質量%以下であることが好ましく、55質量%以下であることがより好ましく、45質量%以下であることがさらに好ましく、33質量%以下であることが特に好ましい。SBRのスチレン含有率が上記範囲内であることにより、得られるゴム組成物は、十分なグリップ性能、耐摩耗性が得られやすい。なお、SBRのスチレン含有率は、H1-NMR測定により算出され得る。
SBRのビニル含有率は特に限定されない。一例を挙げると、ビニル含有率は、5モル%以上であることが好ましく、8モル%以上であることがより好ましく、10モル%以上であることがさらに好ましく、30モル%以上であることが特に好ましい。また、ビニル含有率は、50モル%以下であることが好ましく、45モル%以下であることがより好ましく、40モル%以下であることがさらに好ましく、36モル%以下であることが特に好ましい。SBRのビニル含有率が上記範囲内であることにより、得られるゴム組成物は、十分なグリップ性能、耐摩耗性が得られやすい。なお、SBRのビニル含有率(1,2-結合ブタジエン単位量)は、赤外吸収スペクトル分析法によって測定され得る。
ジエン系ゴム成分中にSBRが含まれる場合、SBRの含有量は特に限定されない。一例を挙げると、SBRの含有量は、ゴム組成物中、50質量%以上であることが好ましく、60量%以上であることがより好ましく、70質量%以上であることがさらに好ましい。ジエン系ゴム成分をSBRのみとすることが特に好ましい。SBRの含有量が上記範囲内であることにより、得られるゴム組成物は、十分な耐熱性、グリップ性能が得られやすい。なお、2種以上のSBRが併用される場合、SBRの合計量が、SBRの含有量を示す。
BRとしては特に限定されるものではなく、ハイシス1,4-ポリブタジエンゴム(ハイシスBR)、1,2-シンジオタクチックポリブタジエン結晶を含むブタジエンゴム(SPB含有BR)、変性ブタジエンゴム(変性BR)、希土類系BR等が挙げられる。BRは併用されてもよい。
(炭素数40~70の分岐アルカン)
タイヤトレッド用ゴム組成物は、炭素数40~70の分岐アルカンを、ジエン系ゴム成分100質量部に対し、0.50~6.00質量部含む。このような分岐アルカンは、環境温度が60℃以上でなければブリードを起こさない。そのため、このような分岐ワックスが所定量配合されることにより、ゴム組成物は、夏場の倉庫保管時でも、白色化の原因とはならず、金属離型性が向上し得る。具体的には、このような分岐ワックスは、加硫開始前において、瞬時にゴム表面にブリードし、金型表面のミクロな凹凸を埋めることにより、金型に対する離型性を向上させていると考えられる。また、このような分岐ワックスは、ゴム表面において、粒状に固化し得る。そのため、このような分岐ワックスが配合される場合であっても、得られるゴム組成物は、硬い膜を形成することがなく、低分子化合物を膜表面に透過させることができ、初期グリップを悪化させることもなく、オゾン性も損なわれにくい。さらに、このような分岐ワックスのブリード物は、離型時は150~190℃に達するため液状で、金型表面における粘性が小さく、タイヤが金型から外れやすい。なお、オゾン性を良好に維持するために、後述する炭素数20~32の直鎖アルカンや老化防止剤が好適に配合され得る。分岐アルカンの炭素数が40以上であることにより、加硫温度(例えば150~200℃)において、上記したブリードを生じやすい。また、分岐アルカンの炭素数が70以下であることにより、ゴム組成物は、適度な粘性を示し、金型とタイヤ間における滑り性が向上し、離型しやすい。また、ゴム組成物は、タイヤ使用時でも、適度な膜硬さを示す。なお、炭素数が70を超え、分子量が1000を超えるようなワックスは、融点が高くなり、硬い膜を形成しやすい。一方、上記のとおり、炭素数40~70の分岐アルカンは、硬い膜を形成せず、タイヤ用として好適である。
炭素数40~70の分岐アルカンの含有量を特定量とする方法は特に限定されない。一例を挙げると、ゴム組成物は、例えば所定量の炭素数40~70の分岐アルカンを含むワックスをゴム組成物に配合することにより、炭素数40~70の分岐アルカンの含有量を上記範囲となるよう配合し得る。このようなワックスは特に限定されない。一例を挙げると、ワックスは、日本精鑞(株)等によって製造販売されるものが例示される。
炭素数40~70の分岐アルカンの含有量は、高温でブリードしやすく、得られるゴム組成物の金型等に対する離型性が優れる点、走行に伴い、低分子成分が分岐アルカンの空隙を通ってブリードしグリップ性能が向上しやすいという点から、ゴム成分100質量部に対し、0.50質量部以上であればよく、1.00質量部以上であることが好ましく、1.18質量部以上であることがより好ましく、1.50質量部以上であることがより好ましい。また、炭素数40~70の分岐アルカンは、初期グリップ性能と白色化が良好である点、結晶になりにくく、柔らかい膜を形成し、グリップ性能を維持しやすいという点から、ゴム成分100質量部に対し、6.00質量部以下であればよく、5.50質量部以下であることが好ましく、5.00質量部以下であることがより好ましい。ここで、炭素数40~70の分岐アルカンの含有量は、初期ウェットグリップ性能の向上効果をさらに良好に発揮できるという観点からは、3.20質量部以下であることが好ましく、1.30質量部以下であることがより好ましい。
(炭素数45以上の直鎖アルカン)
タイヤトレッド用ゴム組成物は、炭素数45以上の直鎖アルカンを、ジエン系ゴム成分100質量部に対し、0.05~3.50質量部となるように含む。炭素数45以上の直鎖アルカンの含有量を特定量とする方法は特に限定されない。一例を挙げると、ゴム組成物は、例えば所定量の炭素数45以上の直鎖アルカンを含むワックスをゴム組成物に配合することにより、炭素数45以上の直鎖アルカンの含有量を上記範囲となるよう配合し得る。このようなワックスは特に限定されない。一例を挙げると、ワックスは、日本精鑞(株)等によって製造販売されるものが例示される。
炭素数45以上の直鎖アルカンの含有量は、高温環境下の静的オゾンクラック性が良好となる点から、ジエン系ゴム成分100質量部に対し、0.05質量部以上であり、0.11質量部以上が好ましく、0.30質量部以上がより好ましく、0.40質量部以上がより好ましく、0.50質量部以上がより好ましく、1.00質量部以上がより好ましい。また、炭素数45以上の直鎖アルカンの含有量は、得られるゴム組成物の外観の白色化が抑制される点、品質耐久性保持の点から、ジエン系ゴム成分100質量部に対し、3.50質量部以下であり、3.00質量部以下が好ましく、2.50質量部以下がより好ましく、1.70質量部以下がより好ましい。ここで、炭素数45以上の直鎖アルカンの含有量は、初期ウェットグリップ性能の向上効果をさらに良好に発揮できるという観点からは、0.75質量部以下が好ましく、0.70質量部以下がより好ましく、0.45質量部以下がさらに好ましい。
(水酸化アルミニウム)
タイヤトレッド用ゴム組成物は、水酸化アルミニウムを、ジエン系ゴム成分100質量部に対し、1~35質量部となるように含む。水酸化アルミニウムとしては、特に限定されるものではなく、通常タイヤ工業において使用されるものをいずれも好適に使用することができる。一例を挙げると、水酸化アルミニウムは、昭和電工(株)、住友化学(株)等によって製造販売されるものが例示される。
水酸化アルミニウムの平均一次粒子径は、0.5μm以上が好ましく、0.8μm以上がより好ましく、1μm以上がさらに好ましい。また、該平均一次粒子径は、10μm以下が好ましく、5μm以下がより好ましい。水酸化アルミニウムの平均粒子径が上記範囲内であることにより、タイヤトレッド用ゴム組成物を用いて得られるタイヤにおいて、良好な耐摩耗性およびグリップ性能が示されやすい。なお、水酸化アルミニウムの平均一次粒子径は、数平均粒子径であり、透過型電子顕微鏡により、任意の100個の粒子径を測定し、その平均値として表される値である。
水酸化アルミニウムの窒素吸着比表面積(N2SA)は、グリップ性能の観点から、3.0m2/g以上が好ましく、4.0m2/g以上がより好ましく、5.0m2/g以上がより好ましく、6.7m2/g以上がさらに好ましい。また、水酸化アルミニウムのN2SAは、水酸化アルミニウムの分散性、再凝集防止、耐摩耗性能の観点から、60.0m2/g以下が好ましく、50.0m2/g以下がより好ましく、35.0m2/g以下がより好ましく、19.0m2/g以下がより好ましく、13.0m2/g以下がさらに好ましい。なお、水酸化アルミニウムのN2SAは、ASTM D3037-81に準じてBET法で測定される値である。
水酸化アルミニウムの含有量は、ジエン系ゴム成分100質量部に対して、1質量部以上であり、3質量部以上が好ましく、5質量部以上がより好ましく、10質量部以上がより好ましく、15質量部以上がより好ましい。水酸化アルミニウムの含有量が1質量部未満である場合、十分なウェットグリップ性能の向上効果が得られない傾向がある。また、水酸化アルミニウムの含有量は、ジエン系ゴム成分100質量部に対して、35質量部以下であり、30質量部以下が好ましく、25質量部以下がより好ましく、23質量部以下がより好ましく、21質量部以下がさらに好ましく、20質量部以下が特に好ましい。水酸化アルミニウムの含有量が35質量部を超えると、耐摩耗性が低下する傾向、水酸化アルミニウム同士が凝集し、破壊強度が低下する傾向がある。ここで、水酸化アルミニウムの含有量は、初期ウェットグリップ性能の向上効果をさらに良好に発揮できるという観点からは、21質量部以上が好ましい。
(任意成分)
次に、タイヤトレッド用ゴム組成物において、好適に配合される任意成分について説明する。タイヤトレッド用ゴム組成物は、上記した成分に加え、ゴム組成物の製造に一般に使用される他の成分が任意で配合され得る。一例を挙げると、このような任意成分は、フィラー、低温可塑剤、液状SBR、オイル、粘着付与樹脂、ワックス、老化防止剤、相溶化樹脂、加工助剤、ステアリン酸、酸化亜鉛、加硫剤、加硫促進剤等である。
(フィラー)
フィラーを用いる場合、そのフィラーは特に限定されない。一例を挙げると、フィラーは、カーボンブラック、シリカ、珪藻土、炭酸カルシウム、タルク等である。なお、水酸化アルミニウムは本明細書においてフィラーには含まれない。
フィラーの合計含有量は、得られるゴム組成物に十分な補強性が得られ、かつ、熱伝導率が優れる点から、ゴム成分100質量部に対し、60質量部以上が好ましく、70質量部以上がより好ましく、80質量部以上がさらに好ましい。フィラーの合計含有量を60質量部以上とすることにより、グリップ性能および補強性が良好となる傾向がある。また、フィラーの合計含有量は、150質量部以下が好ましく、130質量部以下がより好ましく、111質量部以下がさらに好ましい。フィラーの合計含有量を150質量部以下とすることにより、フィラー全体の分散性が優れ、得られるゴム組成物の耐久性が優れる、および加工性が良好となる傾向がある。
カーボンブラックは特に限定されない。一例を挙げると、カーボンブラックは、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック、グラファイト(黒鉛)等である。これらのカーボンブラックは、併用されてもよい。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)は、耐久性を向上させる点から、40m2/g以上であることが好ましく、60m2/g以上であることがより好ましい。また、N2SAは、カーボンブラックの分散性を良好に確保し、熱伝導率を良好に確保する点から、300m2/g以下であることが好ましく、140m2/g以下であることがより好ましく、114m2/g以下であることがさらに好ましい。なお、カーボンブラックのN2SAは、ASTM D3037-81に準拠してBET法で測定される値である。
カーボンブラックの含有量は、得られるゴム組成物に十分な紫外線クラック性、補強性が得られ、かつ、熱伝導率が優れる点から、ゴム成分100質量部に対し、2質量部以上が好ましく、3質量部以上がより好ましく、31質量部以上がさらに好ましい。また、カーボンブラックの含有量は、破断伸び、亀裂成長性が優れる点から、90質量部以下が好ましく、80質量部以下がより好ましい。
シリカは特に限定されない。一例を挙げると、シリカは、タイヤ工業において一般的に用いられるものが用いられ得る。シリカは、ローディア社、エボニックデグサ社等によって製造販売されるものが例示される。
シリカの窒素吸着比表面積(N2SA)は、十分な補強性を得る点から、20m2/g以上が好ましく、30m2/g以上がより好ましく、50m2/g以上がより好ましく、114m2/g以上がより好ましく、150m2/g以上がより好ましく、180m2/g以上がより好ましく、205m2/g以上がさらに好ましい。また、シリカのN2SAは、500m2/g以下であることが好ましく、400m2/g以下であることがより好ましく、250m2/g以下であることがより好ましく、240m2/g以下であることがより好ましい。なお、シリカのN2SAは、ASTM D3037-81に準拠してBET法で測定される値である。
シリカの含有量は、ウェットグリップ性能および低燃費性の観点から、ゴム成分100質量部に対し、10質量部以上が好ましく、30質量部以上がより好ましく、50質量部以上がより好ましく、80質量部以上がさらに好ましい。また、シリカの含有量は、シリカの分散性の観点から、130質量部以下が好ましく、120質量部以下がより好ましく、110質量部以下がより好ましく、100質量部以下がさらに好ましい。
フィラーとしてシリカを用いる場合、シランカップリング剤を含有することが好ましい。シランカップリング剤としては、従来公知のシランカップリング剤を用いることができ、例えば、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2-トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4-トリエトキシシリルブチル)テトラスルフィド、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2-トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4-トリメトキシシリルブチル)テトラスルフィド、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(2-トリエトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(4-トリエトキシシリルブチル)トリスルフィド、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(2-トリメトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(4-トリメトキシシリルブチル)トリスルフィド、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2-トリエトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4-トリエトキシシリルブチル)ジスルフィド、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2-トリメトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4-トリメトキシシリルブチル)ジスルフィド、3-トリメトキシシリルプロピル-N,N-ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3-トリエトキシシリルプロピル-N,N-ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2-トリエトキシシリルエチル-N,N-ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2-トリメトキシシリルエチル-N,N-ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3-トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3-トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3-トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド等のスルフィド系;3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2-メルカプトエチルトリメトキシシラン、2-メルカプトエチルトリエトキシシラン等のメルカプト系;ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニル系;3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-(2-アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、3-(2-アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ系;γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン等のグリシドキシ系;3-ニトロプロピルトリメトキシシラン、3-ニトロプロピルトリエトキシシラン等のニトロ系;3-クロロプロピルトリメトキシシラン、3-クロロプロピルトリエトキシシラン、2-クロロエチルトリメトキシシラン、2-クロロエチルトリエトキシシラン等のクロロ系;等が挙げられる。これらのシランカップリング剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、加工性が良好である点から、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2-トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド等が好ましい。
シランカップリング剤が用いられる場合の、シランカップリング剤の含有量は、シリカ100質量部に対して、4質量部以上であることが好ましく、6質量部以上であることがより好ましい。また、シランカップリング剤の含有量は、シリカ100質量部に対して、25質量部以下であることが好ましく、22質量部以下であることがより好ましい。シランカップリング剤の含有量が4質量部以上であることにより、ゴム組成物におけるフィラーの分散性が良好となり得る。また、シランカップリング剤の含有量が25質量部以下であることにより、ゴム組成物中にフィラーが良好に分散され、得られるタイヤの補強性が向上しやすい。
(低温可塑剤)
タイヤトレッド用ゴム組成物には、さらに、低温可塑剤を配合することができる。低温可塑剤としては、例えば、ジオクチルフタレート(DOP)、ジブチルフタレート(DBP)、トリス(2エチルヘキシル)ホスフェート(TOP)、ビス(2エチルヘキシル)セバケート(DOS)等の液状成分が挙げられる。
低温可塑剤を使用する場合の配合量は、ジエン系ゴム成分100質量部に対して、5質量部以上が好ましく、10質量部以上がより好ましく、18質量部以上がさらに好ましい。また、低温可塑剤の含有量は、40質量部以下が好ましく、30質量部以下がより好ましい。低温可塑剤の含有量が上記範囲内である場合は、低温での可塑効果や高温での良好なグリップ性能を得られやすい傾向がある。
(液状ジエン系重合体)
液状ジエン系重合体としては、液状スチレンブタジエン共重合体(液状SBR)、液状ブタジエン重合体(液状BR)、液状イソプレン重合体(液状IR)、液状スチレンイソプレン共重合体(液状SIR)等が挙げられる。なかでも、耐摩耗性と走行中の安定した操縦安定性能がバランスよく得られるという理由から、液状SBRが好ましい。なお、本明細書における液状ジエン系重合体は、常温(25℃)で液体状態のジエン系重合体である。
液状ジエン系重合体のゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、耐摩耗性、破壊特性、耐久性の観点から、1.0×103以上が好ましく、3.0×103以上がより好ましく、5.0×103以上がさらに好ましい。また、生産性の観点から2.0×105以下が好ましく、1.5×104以下がより好ましく、5.0×103以下がさらに好ましい。なお、本明細書における液状ジエン系重合体のMwは、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算値である。
液状ジエン系重合体を含有する場合のゴム成分100質量部に対する液状ジエン系重合体の含有量は、3質量部以上が好ましく、5質量部以上がより好ましく、13質量部以上がさらに好ましい。また、液状ジエン系重合体の含有量は、30質量部以下が好ましく、20質量部以下がより好ましく、17質量部以下がより好ましく、13質量部以下がさらに好ましい。液状ジエン系重合体の含有量が上記範囲内である場合は、良好なウェットグリップ性能や、初期ウェットグリップ性能の向上効果が得られやすい傾向がある。
(粘着付与樹脂)
粘着付与樹脂としては、芳香族系石油樹脂等の従来タイヤ用ゴム組成物で慣用される樹脂が挙げられる。芳香族系石油樹脂としては例えば、フェノール系樹脂、クマロンインデン樹脂、テルペン樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、ロジン樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂(DCPD樹脂)等が挙げられる。フェノール系樹脂としては例えばコレシン(BASF社製)、タッキロール(田岡化学工業(株)製)等が挙げられる。クマロンインデン樹脂としては例えばクマロン(日塗化学(株)製)、エスクロン(新日鐡化学(株)製)、ネオポリマー(新日本石油化学(株)製)等が挙げられる。スチレン樹脂としては例えばSylvatraxx(登録商標)4401(アリゾナケミカル社製)等が挙げられる。テルペン樹脂としては例えばTR7125(アリゾナケミカル社製)、TO125(ヤスハラケミカル(株)製)等が挙げられる。
粘着付与樹脂の軟化点は、40℃以上が好ましく、60℃以上がより好ましい。軟化点を40℃以上とすることにより、十分なグリップ性能が得られる傾向がある。また、該軟化点は135℃以下が好ましく、130℃以下がより好ましく、125℃以下がさらに好ましい。軟化点を135℃以下とすることにより、十分なグリップ性能が得られる傾向がある。なお、樹脂の軟化点は、JIS K 6220-1:2001に規定される軟化点を環球式軟化点測定装置で測定し、球が降下した温度である。
粘着付与樹脂のゴム成分100質量部に対する含有量は、3質量部以上が好ましく、5質量部以上がより好ましい。粘着付与樹脂の含有量を3質量部以上とすることにより、十分なグリップ性能が得られる傾向がある。また、粘着付与樹脂の含有量は、40質量部以下が好ましく、35質量部以下がより好ましく、29質量部以下がさらに好ましい。粘着付与樹脂の含有量を40質量部以下とすることにより、十分な耐摩耗性能が得られる傾向、良好な低燃費性能が得られる傾向がある。
(プロセスオイル)
プロセスオイルは特に限定されない。一例を挙げると、プロセスオイルは、パラフィン系プロセスオイル、アロマ系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、ひまし油(加硫ブラダー用)等である。プロセスオイルは、併用されてもよい。
プロセスオイルが含有される場合、プロセスオイルの含有量は特に限定されない。一例を挙げると、プロセスオイルは、金型離型性に影響が小さく、かつ、ゴムの可塑化、フィラー分散向上の点から、ゴム成分100質量部に対し、1質量部以上であることが好ましく、2質量部以上であることがより好ましい。また、プロセスオイルは、グリップ向上レジンを多く配合できる点から、ゴム成分100質量部に対し、40質量部以下であることが好ましく、35質量部以下であることがより好ましく、30質量部以下がさらに好ましい。ただし、レース用の高粘度、高グリップ配合では、オイルの含有量は、ゴム成分100質量部に対し、30~100質量部となる場合もあり得る。
(老化防止剤)
老化防止剤は特に限定されない。老化防止剤は、従来、ゴム組成物において汎用されている各種老化防止剤から任意に選択して用いられ得る。一例を挙げると、老化防止剤は、キノリン系老化防止剤、キノン系老化防止剤、フェノール系老化防止剤、フェニレンジアミン系老化防止剤等である。老化防止剤は、併用されてもよい。
老化防止剤が含有される場合、老化防止剤の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、老化防止剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対し、0.1質量部以上であることが好ましく、0.5質量部以上であることがより好ましい。また、老化防止剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対し、10質量部以下であることが好ましく、7質量部以下であることがより好ましく、4.3質量部以下がさらに好ましい。老化防止剤の含有量が上記範囲内である場合、フィラーは、酸化劣化耐性が向上し、良好な引張り性を示しやすい。また、得られるゴム組成物は、混練されやすい。老化防止剤(例えばフェニレンジアミン系老化防止剤)は、上記した分岐アルカン等を含むワックスよりも、ブリードする速度が遅い。しかしながら、例えばフェニレンジアミン系老化防止剤は、ゴム成分100質量部に対し、4質量部以上含有されることにより、ブリード速度が増し、製造直後であっても静的オゾン性を向上し得る。
(相溶化樹脂)
タイヤトレッド用ゴム組成物は、相溶化樹脂として、得られるゴム組成物の耐久性を向上させる観点から、エチレンプロピレンスチレン共重合樹脂を含有することが好ましい。エチレンプロピレンスチレン共重合樹脂は、スチレンモノマーと、エチレンモノマーおよびプロピレンモノマーとを重合した共重合樹脂であり、以下の一般式(式中、m、n、oは、いずれも1以上の整数である)で示される構成単位を含む。ゴム組成物は、エチレンプロピレンスチレン共重合樹脂が含有されることにより、上記したテルペン樹脂やロジン樹脂が含有される場合と比較して、耐久性が同程度に維持され、かつ、加硫ブラダー作製時において、ゴム表面のタックが上がりにくく、ブラダー金型との過密着による不良発生が起きにくい。
Figure 0007306394000001
エチレンプロピレンスチレン共重合樹脂における、エチレン由来の構成単位およびプロピレン由来の構成単位の合計量(EP含有量、全構成単位の個数に対する上記式のmとnとの和)は特に限定されない。一例を挙げると、合計量は、ブチル系ゴムとフィラーとの空隙を無くし、空気透過性を向上させる観点から、構成単位100mol%に対し、60mol%以上であることが好ましく、70mol%以上であることがより好ましい。また、合計量は、引張り特性の観点から、構成単位100mol%に対し、98mol%以下であることが好ましく、95mol%以下であることがより好ましい。エチレンおよびプロピレンは、いずれもブチル系ゴムと相溶し得る。また、スチレンは、カーボンブラックと相溶し得る。そのため、EP含有量は、上記範囲内であることにより、空気透過性とEBとがバランスよく向上し得る。
エチレンプロピレンスチレン共重合樹脂を含有する場合、エチレンプロピレンスチレン共重合樹脂の含有量は、初期ウェットグリップ性能の向上効果が良好に得られる観点から、ゴム成分100質量部に対し、1質量部以上であることが好ましく、2質量部以上であることがより好ましく、3.5質量部以上がさらに好ましい。また、エチレンプロピレンスチレン共重合樹脂の含有量は、ゴム組成物の硬度、成形加工性、粘度を適切に確保できるという観点から、8質量部以下であることが好ましく、6質量部以下であることがより好ましく、3.5質量部以下がさらに好ましい。
エチレンプロピレンスチレン共重合樹脂は、市販品が用いられてもよい。このような市販品は、ストラクトール社、パフォーマンスアディティブス社(Performance Additives)、ランクセス社等によって製造販売されるものが例示される。
(加工助剤)
加工助剤としては、例えば、脂肪酸金属塩、脂肪酸アミド、アミドエステル、シリカ表面活性剤、脂肪酸エステル、脂肪酸金属塩とアミドエステルとの混合物、脂肪酸金属塩と脂肪酸アミドとの混合物等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、脂肪酸金属塩、アミドエステル、脂肪酸金属塩とアミドエステルもしくは脂肪酸アミドとの混合物が好ましく、脂肪酸金属塩と脂肪酸アミドとの混合物が特に好ましい。
脂肪酸金属塩を構成する脂肪酸としては、特に限定されるものではないが、飽和または不飽和脂肪酸(好ましくは炭素数6~28(より好ましくは炭素数10~25、さらに好ましくは炭素数14~20)の飽和または不飽和脂肪酸)が挙げられ、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、ネルボン酸等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、飽和脂肪酸が好ましく、炭素数14~20の飽和脂肪酸がより好ましい。
脂肪酸金属塩を構成する金属としては、例えば、カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属、マグネシウム、カルシウム、バリウム等のアルカリ土類金属、亜鉛、ニッケル、モリブデン等が挙げられる。なかでも、亜鉛、カルシウムが好ましく、亜鉛がより好ましい。
脂肪酸アミドとしては、飽和脂肪酸アミドでも不飽和脂肪酸アミドでもよい。飽和脂肪酸アミドとしては、例えば、N-(1-オキソオクタデシル)サルコシン、ステアリン酸アミド、ベヘニン酸アミド等が挙げられる。不飽和脂肪酸アミドとしては、例えば、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド等が挙げられる。
脂肪酸金属塩と脂肪酸アミドとの混合物の具体例としては、脂肪酸カルシウムと脂肪酸アミドとの混合物であるストラクトール社製のWB16、脂肪酸石けんと脂肪酸アミドとの混合物であるパフォーマンスアディティブス社製のUltra-Lube160等が挙げられる。また脂肪酸亜鉛塩の具体例としては、パフォーマンスアディティブス社製のUltra-Flow440等が挙げられる。
加工助剤を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、0.8質量部以上が好ましく、1.5質量部以上がより好ましく、3.0質量部以上がさらに好ましい。0.8質量部未満であると、添加による効果が十分に得られないおそれがある。また、加工助剤の含有量は、10質量部以下が好ましく、8質量部以下がより好ましく、6質量部以下がさらに好ましい。10質量部を超えると、ポリマー相間の滑りが生じ、ポリマー相が相互に入り組んだ構造となりにくくなり、耐摩耗性が悪化する傾向、破壊強度が低下する傾向がある。
その他、ステアリン酸、酸化亜鉛等は、従来ゴム工業で使用されるものを用いることができる。
(加硫剤)
加硫剤は特に限定されるものではなく、ゴム工業において一般的なものを使用することができるが、硫黄原子を含むものが好ましく、例えば、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、表面処理硫黄、不溶性硫黄等が挙げられる。
(加硫促進剤)
加硫促進剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、スルフェンアミド系、チアゾール系、チウラム系、チオウレア系、グアニジン系、ジチオカルバミン酸系、アルデヒド-アミン系もしくはアルデヒド-アンモニア系、イミダゾリン系、キサンテート系加硫促進剤が挙げられ、なかでも、初期ウェットグリップ性能の向上効果がより好適に得られる点から、スルフェンアミド系加硫促進剤、グアニジン系加硫促進剤が好ましい。
スルフェンアミド系加硫促進剤としては、CBS(N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアジルスルフェンアミド)、TBBS(N-t-ブチル-2-ベンゾチアジルスルフェンアミド)、N-オキシエチレン-2-ベンゾチアジルスルフェンアミド、N,N’-ジイソプロピル-2-ベンゾチアジルスルフェンアミド、N,N-ジシクロヘキシル-2-ベンゾチアジルスルフェンアミド、CZ(N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)等が挙げられる。チアゾール系加硫促進剤としては、2-メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアゾリルジスルフィド等が挙げられる。チウラム系加硫促進剤としては、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラベンジルチウラムジスルフィド(TBzTD)等が挙げられる。グアニジン系加硫促進剤としては、ジフェニルグアニジン(DPG)、ジオルトトリルグアニジン、オルトトリルビグアニジン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、初期ウェットグリップ性能の向上効果がより好適に得られる点からCZおよびDPGを使用することが好ましい。
加硫促進剤を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、0.1質量部以上が好ましく、0.3質量部以上がより好ましく、0.5質量部以上がさらに好ましい。加硫促進剤のゴム成分100質量部に対する含有量は、9質量部以下が好ましく、8質量部以下がより好ましく、7質量部以下がさらに好ましく、5.8質量部以下が特に好ましい。加硫促進剤の含有量を上記範囲内とすることにより、適度な破壊特性が得られ、耐摩耗性が良好となる傾向がある。
好ましい一実施態様においては、トレッド用ゴム組成物は、ジエン系ゴム成分と、前記ジエン系ゴム成分100質量部に対し、炭素数40~70の分岐アルカンを1.5~5.0質量部と、炭素数45以上の直鎖アルカンを1.0~2.5質量部と、水酸化アルミニウムを10~21質量部とを含み、さらに好ましくは当該トレッド用ゴム組成物は、速度7.8km/h、温度20℃、水膜厚み2mm±1mmの測定条件下において、ダイナミックフリクションテスターにより測定される動的摩擦係数が0.90~1.15である。
<トレッド用ゴム組成物の製造方法>
トレッド用ゴム組成物の製造方法としては特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、前記の各成分をオープンロール、バンバリーミキサー、密閉式混練機等のゴム混練装置を用いて混練し、その後加硫する方法等により製造できる。例えば、混練工程では、150℃~165℃、好ましくは155℃~160℃で2分間~3分間混練りし、加硫工程では、170℃~180℃で12分間~18分間加硫する。
<タイヤの製造方法>
前記トレッド用ゴム組成物から構成されるトレッドを備えたタイヤは、前記トレッド用ゴム組成物を用いて、通常の方法により製造できる。すなわち、ジエン系ゴム成分に対して前記の配合剤を必要に応じて配合した前記ゴム組成物を、トレッドの形状にあわせて押出し加工し、タイヤ成型機上で他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、通常の方法にて成型することにより、未加硫タイヤを形成し、この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することにより、タイヤを製造することができる。
タイヤは、乗用車用タイヤ、乗用車用高性能タイヤ、トラックやバス等の重荷重用タイヤ、競技用タイヤ等タイヤ全般に用いることができる。なかでも、ウェット路でのグリップ性能向上の効果がある点から、乗用車用タイヤとすることが好ましい。
実施例に基づいて本発明を具体的に説明する。本発明は、これら実施例に限定されない。
実施例および比較例で使用した各種薬品を以下に示す。
・SBR1:旭化成(株)製のT3830(S-SBR、スチレン含有量:33質量%、ビニル結合量:36モル%、ゴム成分100重量部に対しオイル分37.5重量部を含む油展品)
・SBR2:製造例1で製造した変性SBR(S-SBR、スチレン含有量:25質量%、ビニル結合量:30モル%、重量平均分子量(Mw):50万)
・シリカ:東ソー(株)製のニプシールAQ(N2SA:205m2/g)
・カーボンブラック:キャボットジャパン(株)製のショーブラックN220(通常カーボン、N2SA:114m2/g)
・水酸化アルミニウム:昭和電工(株)製のハイジライトH-43(平均一次粒子径:1μm、N2SA:6.7m2/g)
・シランカップリング剤:エボニックデグッサ社製のSi69(ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)
・低温可塑剤:大八化学工業(株)製のDOS(凝固点:-62℃、粘度:18mPa・s(25℃))
・液状スチレンブタジエンゴム(液状SBR):サートマー社製のRICON100(Mw:5000)
・オイル:三共油化工業(株)製のプロセスオイルA/Oミックス
・粘着付与樹脂:ヤスハラケミカル(株)製のYSレジン TO125(スチレンテルペン樹脂、軟化点:125℃、Tg:64℃、SP値:8.73、Mw:800)
・パラフィン:日本精鑞(株)製のオゾエース0355(融点:70℃)
・マイクロクリスタリン1:日本精鑞(株)製のHi-Mic1080(融点:84℃)
・マイクロクリスタリン2:日本精鑞(株)製のHi-Mic1070(融点:80℃)
・マイクロクリスタリン3:日本精鑞(株)製のHi-Mic1045(融点:72℃)
・老化防止剤1:住友化学(株)製のアンチゲン6C(N-フェニル-N’-(1,3-ジメチルブチル)-p-フェニレンジアミン)
・老化防止剤2:大内新興化学(株)製のノクラックRD(ポリ(2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン))
・相溶化樹脂:ストラクトール社製のストラクトール40MS(エチレンプロピレンスチレン共重合樹脂、SP値:8.9、軟化点:101℃、Tg:58℃)
・加工助剤:パフォーマンスアディティブス社製のULTRA-LUBE160(脂肪酸石けんと脂肪酸アミドとの混合物)
・ステアリン酸:日油(株)製のビーズステアリン酸つばき
・酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号
・硫黄:細井化学工業(株)製のHK-200-5(オイル分5質量%)
・加硫促進剤1:大内新興化学工業(株)製のノクセラーCZ(N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
・加硫促進剤2:大内新興化学工業(株)製のノクセラーD(DPG、1,3-ジフェニルグアニジン)
製造例1(変性SBRの製造)
内容積30リットルの撹拌装置付きステンレス製重合反応器を、洗浄、乾燥し、重合反応器の内部のガスを乾燥窒素に置換した。次に、工業用ヘキサン(密度680kg/m3)15.3kg、1,3-ブタジエン912g、スチレン288g、テトラヒドロフラン9.1ml、エチレングリコールジエチルエーテル6.4mlを重合反応器内に投入した。次に、重合開始剤の失活に作用する不純物を予め無毒化させるために、スカベンジャーとして少量のn-1ブチルリチウムのヘキサン溶液を重合反応器内に投入した。n-ブチルリチウムのn-ヘキサン溶液(n-ブチルリチウムの含有量19.2mmol)を重合反応器内に投入し、重合反応を開始した。重合反応を3時間行った。重合反応中、重合反応器内の温度を65℃に調整し、重合反応器内の溶液を撹拌速度130rpmで攪拌し、重合反応器内には、1,3-ブタジエン1368gとスチレン432gとを連続的に供給した。2-[1-(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-ペンチルフェニル)エチル]-4,6-ジ-t-ペンチルフェニルアクリレート19.2mmolを含むTHF溶液20mlを重合反応器内に投入し、重合体溶液を15分間撹拌した。次に、メタノール1.2mlを含むヘキサン溶液20mlを重合反応器内に投入し、重合体溶液を5分間撹拌した。2-tert-ブチル-6-(3-tert-ブチル-2-ヒドロキシ-5-メチルベンジル)-4-メチルフェニルアクリレート(住友化学(株)製のスミライザーGM)12.0g、ペンタエリスリチルテトラキス(3-ラウリルチオプロピオネート)(住友化学(株)製のスミライザーTP-D)6.0gを重合反応器内に投入し、次に、重合体溶液を、常温、24時間で蒸発させ、さらに55℃で12時間減圧乾燥し、重合体、変性SBRを得た。
(実施例および比較例)
表1~3に示す配合処方に従い、1.7Lの密閉型バンバリーミキサーを用いて、硫黄および加硫促進剤以外の薬品を排出温度155℃で3分間混練りし、混練物を得た。次に、2軸オープンロールを用いて、得られた混練物に硫黄および加硫促進剤を添加し、排出温度100℃の条件で1分間混練りして、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物を試験片にして、170℃で18分間加硫することにより、加硫ゴム試験片を得た。
また、未加硫ゴム組成物を所定の形状の口金を備えた押し出し機でトレッドの形状に押し出し成形し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせて未加硫タイヤを形成し、180℃で15分間プレス加硫することにより、試験用空気入りタイヤ(サイズ255/40R18)を得た。得られた加硫ゴム組成物、試験用ゴム組成物(加硫ゴム試験片)および試験用空気入りタイヤについて以下の評価を行った。結果を表1~3に示す。なお、表中、炭素数40~70の分岐アルカン、炭素数20~32の直鎖アルカンおよび炭素数45以上の直鎖アルカンは、配合したワックス(パラフィンおよびマイクロクリスタリン)に含まれるものであり、ガスクロマトグラムで段階昇温させたときのフラグメント量から算出可能である。
<動的摩擦係数>
日邦産業(株)製のダイナミックフリクションテスター(DFテスター)を用いる公知の測定方法に従い、路面にゆっくりと散水し上部に水膜ができることを確認し、該試験体(加硫ゴム試験片)の線速度を7.8km/hまで上げながら、動的摩擦係数(μ)を測定した(測定条件:速度7.8km/h、温度20℃、水膜厚み:2mm±1mm)。動的摩擦係数(μ)が大きいほど、初期ウェットグリップ性能が高く、走行上の安全性が高い。
<初期ウェットグリップ性能指数>
前記試験用空気入りタイヤを排気量2000ccの国産FR車に装着し、ウェットアスファルト路面のテストコースにて、10周の実車走行を行った。その際に、2周目における操舵時コントロールの安定性をテストドライバーが1~10までのスコアで評価し、比較例3をスコア5.0として、表示をした(初期ウェットグリップ性能指数)。数値が大きいほど初期ウェットグリップ性能が高いことを示す。
Figure 0007306394000002
Figure 0007306394000003
Figure 0007306394000004
表1~3に示されるように、実施例のタイヤトレッド用ゴム組成物およびタイヤは、初期ウェットグリップ性能の向上効果に優れていた。

Claims (12)

  1. ジエン系ゴム成分と、融点が72~84℃のマイクロクリスタリンワックスと、窒素吸着比表面積が3.0~60.0m 2 /gの水酸化アルミニウムとを含み、
    前記マイクロクリスタリンワックスは分岐アルカンおよび直鎖アルカンを含み、
    前記ジエン系ゴム成分100質量部に対し、炭素数40~70の分岐アルカンの含有量が0.5~6.0質量部、炭素数45以上の直鎖アルカンの含有量が0.05~3.5質量部、前記水酸化アルミニウムの含有量が1~35質量部である、タイヤトレッド用ゴム組成物。
  2. さらに、液状ジエン系重合体を3~30質量部を含む、請求項1記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
  3. 水酸化アルミニウムの含有量が10~35質量部である、請求項1または2記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
  4. 水酸化アルミニウムの平均一次粒子径が0.5~10μmである、請求項1~3のいずれか1項に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
  5. ジエン系ゴム成分がスチレンブタジエンゴム50質量%以上を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
  6. さらに、シリカを含む、請求項1~5のいずれか1項に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
  7. 液状ジエン系重合体が液状スチレンブタジエン共重合体を含む、請求項2記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
  8. さらに、粘着付与樹脂を含む、請求項1~7のいずれか1項に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
  9. 粘着付与樹脂がスチレンテルペン樹脂を含む、請求項8記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
  10. さらに、低温可塑剤を含む、請求項1~9のいずれか1項に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
  11. 低温可塑剤がビス(2エチルヘキシル)セバケートを含む、請求項10記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
  12. 請求項1~11のいずれか1項に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物で構成されたトレッドを備えるタイヤ。
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