JP6888306B2 - トレッド用ゴム組成物およびタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、トレッド用ゴム組成物およびこのゴム組成物により構成されたトレッドを有するタイヤに関する。
スパイクタイヤによる粉塵公害を防止するために、スパイクタイヤの使用を禁止することが法制化され、寒冷地では、スパイクタイヤに代わってスタッドレスタイヤが使用されるようになった。タイヤを氷上でグリップさせると氷表面に水が発生し、その場合、タイヤは水の上に浮いたような状態になるため、充分なグリップ力が得られなくなり、スリップの原因となる。そこで、氷表面に発生する水を除去して、タイヤのゴム表面を氷に直接密着させることが重要である。
氷表面の水を除去する方法として、発泡ゴムを使用する方法やゴム内部にバルーンを存在させる方法が知られているが、氷上性能を確保するためには、これらの含有量や占有面積を増加させる必要がある。しかし、含有量や占有面積を増加させた場合、スタッドレスタイヤとしての耐久性、耐摩耗性が低下するという問題がある。
また、特許文献1および2には、ゴム成分に卵殻粉や貝殻の粉砕品、炭酸カルシウムを配合し、氷上性能を改善する方法も知られているが、このような方法によっても、これらの配合量を増加させるに伴い、耐摩耗性が大きく悪化するという問題がある。
耐摩耗性の悪化を防止する方法として、天然ゴムの含有比率を高めること、オイルとしてミネラルオイル等の低極性オイルではなくアロマ系オイルを用いることが挙げられるが、氷上性能や雪上性能が悪化する。また、耐摩耗性に優れたブタジエンゴムを用いる方法もあるが、コストが上昇したり、加工性が悪化したりする懸念がある。
さらに、近年、地球温暖化の影響や夏用タイヤへのはきかえが面倒なため、はきつぶす等の理由で、氷雪路以外をスタッドレスタイヤで走る場合も多く、スタッドレスタイヤのトレッド部分の耐摩耗性がより求められている。
特開2007−169500号公報 特開平9−77915号公報
低温氷上性能および耐摩耗性に優れるトレッド用ゴム組成物およびこのゴム組成物により構成されたトレッドを有するタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、ゴム成分、平均粒子径が120μm以上の卵殻粉および平均粒子径が18nm以下のカーボンブラックを含有するトレッド用ゴム組成物に関する。
また、本発明は前記トレッド用ゴム組成物により構成されたトレッドを有するタイヤに関する。
本発明のゴム成分、大粒子卵殻粉および平均粒子径が微粒子カーボンブラックを含有するトレッド用ゴム組成物およびこのトレッド用ゴム組成物により構成されたトレッドを有するタイヤは、低温氷上性能および耐摩耗性に優れる。
本発明のトレッド用ゴム組成物は、ゴム成分に平均粒子径が120μ以上の大粒子卵殻粉と、平均粒子径が小さい微粒子カーボンブラックを含有することを特徴とし、低温氷上性能および耐摩耗性に優れる。ここで、大粒子径の卵殻粉は、卵殻粉が脱離した後に残るゴム表面の凹凸で引っ掻き効果を発現し、低温氷上性能、特に0℃での発進性能に優れる一方で、耐摩耗性が低下してしまうが、微粒子カーボンブラックを併用することで、耐摩耗性を改善することができる。これは、卵殻粉の周囲に微粒子カーボンブラックが集まり、卵殻粉が脱離した部分に微粒子カーボンブラックが多く存在し、予想以上に耐摩耗性の低下を抑制できると考えられる。
卵殻粉を含有することにより(A)卵殻粉紛自体が氷雪路面を引っ掻く効果、(B)卵殻粉紛粒子に存在する細孔が氷雪路面の水を吸水し除去する効果、(C)卵殻粉紛粒子が脱落することによりできた細孔が氷雪路面の水を吸水し除去する効果、および(D)卵殻粉紛粒子が脱落することによりできた細孔の淵部分がエッジとして働き、氷雪路面を引っ掻く効果が得られる。特に、大粒子径卵殻粉を含有することにより、(D)の効果がより顕著に発揮される。
大粒子卵殻粉の平均粒子径は、120μm以上であり、125μm以上が好ましく、130μm以上がより好ましい。卵殻粉の平均粒子径が120μm未満の場合は、低温氷上性能の向上効果が不十分となる傾向がある。また、卵殻粉の平均粒子径は、耐摩耗性の観点から、150μm以下が好ましく、140μm以下がより好ましく、135μm以下がさらに好ましい。なお、本明細書における卵殻粉の平均粒子径は、粒度分布測定器により測定される値である。
平均粒子径が120μm以上の卵殻粉としては、グリーンテクノ社製の卵殻粉カルシウムSQ−130などが挙げられる。
平均粒子径が120μm以上の卵殻粉のゴム成分100質量部に対する含有量は、本発明の効果が十分に得られるという理由から、2質量部以上が好ましく、3質量部以上がより好ましく、5質量部以上がさらに好ましい。また、当該卵殻粉の含有量は、耐摩耗性の観点から、20質量部以下が好ましく、15質量部以下がより好ましく、12質量部以下がさらに好ましい。
微粒子カーボンブラックを含有することにより、卵殻粉が脱離した部分のゴム組成物の耐摩耗性を特に向上させることができる。
微粒子カーボンブラックの平均粒子径は、18nm以下であり、15nm以下が好ましい。微粒子カーボンブラックの平均粒子径が18nmを超える場合は、耐摩耗性が低下する恐れがある。また、カーボンブラックの平均粒子径は、加工性の観点から、15nm以上が好ましい。なお、本明細書におけるカーボンブラックの平均粒子径は、透過型電子顕微鏡により測定される値である。
平均粒子径が18nm以下のカーボンブラックとしては、三菱化学(株)製のダイアブラック(平均粒子径:19nm)などが挙げられる。
平均粒子径が18nm以下のカーボンブラックのゴム成分100質量部に対する含有量は、本発明の効果が十分に得られるという理由から、10質量部以上が好ましく、12質量部以上がより好ましく、15質量部以上がさらに好ましい。また、当該カーボンブラックの含有量は、加工性の観点から、40質量部以下が好ましく、35質量部以下がより好ましく、30質量部以下がさらに好ましい。
ゴム成分としては、特に限定されず、従来タイヤのトレッド用ゴム組成物に用いられるゴム成分を用いることができる。例えば、天然ゴムおよびポリイソプレンゴム(IR)を含むイソプレン系ゴム、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)などのジエン系ゴム成分や、ブチル系ゴムが挙げられる。これらのゴム成分は、単独で用いることも、2種以上を併用することもできる。なかでも、低燃費性や耐摩耗性、耐久性、ウェットグリップ性能のバランスの観点からイソプレン系ゴム、SBR、BRを含有することが好ましく、耐チッピング性能に特に優れるという理由からイソプレン系ゴムとSBRを含有することが好ましい。
前記天然ゴムとしては、天然ゴム(NR)や、エポキシ化天然ゴム(ENR)、水素化天然ゴム(HNR)、脱タンパク質天然ゴム(DPNR)、高純度天然ゴム(UPNR)などの改質天然ゴムなども含まれる。
イソプレン系ゴムを含有する場合のゴム成分中の含有量は、ゴムの混練り加工性、押出し加工性において優れるという点から、10質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましい。また、イソプレン系ゴムの含有量は、低温特性において優れるという点から、80質量%以下が好ましく、70質量%以下がより好ましい。
前記BRとしては、シス含有量が90%以上のハイシスBR、末端および/または主鎖が変性された変性BR、スズ、ケイ素化合物などでカップリングされた変性BR(縮合物、分岐構造を有するものなど)などが挙げられる。これらのBRのなかでも、耐摩耗性に優れるという理由から、ハイシスBRが好ましい。
BRを含有する場合のゴム成分中の含有量は、耐摩耗性の観点から1質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましく、10質量%以上がさらに好ましい。また、BRの含有量は、加工性の観点から80質量%以下が好ましく、75質量%以下がより好ましく、70質量%以下がさらに好ましい。
本発明のゴム組成物は、前記成分以外にも、ゴム組成物の製造に一般的に使用される配合剤、例えば、前記卵殻粉およびカーボンブラック以外の充填剤(他の充填剤)、酸化亜鉛、ステアリン酸、軟化剤、老化防止剤、ワックス、加硫剤、加硫促進剤などを適宜含有することができる。
前記他の充填剤としては特に限定されず、平均粒子径が120μm未満の卵殻粉(小粒子卵殻粉)、平均粒子径が18nm超のカーボンブラック(他のカーボンブラック)、シリカ、水酸化アルミニウム、アルミナ(酸化アルミニウム)、炭酸カルシウム、タルクなどが挙げられ、これらの充填剤を単独で用いることも、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
小粒子卵殻粉は、平均粒子径が120μm未満の卵殻粉であり、破壊強度の観点から、100μm以下が好ましく、80μm以下がより好ましく、30μm以下がさらに好ましい。また、小粒子卵殻粉は低温氷上性能に優れるという理由から、10μm以上が好ましく、12μm以上がより好ましい。
小粒子卵殻粉を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、低温氷上性能に優れるという理由から、1質量部以上が好ましく、3質量部以上がより好ましい。また、当該卵殻粉の含有量は、20質量部以下が好ましく、15質量部以下がより好ましい。
他のカーボンブラックとしては、特に限定されず、タイヤ工業において一般的に補強用充填剤として用いられるSAF、ISAF、HAF、FF、FEF、GPF、SRF−LMなどが挙げられる。
他のカーボンブラックを含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、十分な補強性が得られるという理由から、20質量部以上が好ましく、25質量部以上がより好ましい。また、他のカーボンブラックの含有量は、耐亀裂性(耐久性)の観点から、80質量部以下が好ましく、70質量部以下がより好ましい。
シリカとしては特に限定されず、例えば、乾式法シリカ(無水ケイ酸)、湿式法シリカ(含水ケイ酸)等が挙げられるが、シラノール基が多いという理由から、湿式法シリカが好ましい。
シリカのチッ素吸着比表面積(N2SA)は、耐久性や破断時伸びの観点から、80m2/g以上が好ましく、100m2/g以上がより好ましい。また、シリカのN2SAは、低燃費性および加工性の観点から、250m2/g以下が好ましく、220m2/g以下がより好ましい。なお、本明細書におけるシリカのN2SAとは、ASTM D3037−93に準じて測定された値である。
シリカを含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、耐久性や破断時伸びの観点から、5質量部以上が好ましく、10質量部以上がより好ましい。また、シリカの含有量は、混練時の分散性向上の観点、圧延時の加熱や圧延後の保管中にシリカが再凝集して加工性が低下することを抑制するという観点から、200質量部以下が好ましく、150質量部以下がより好ましい。
シリカは、シランカップリング剤と併用することが好ましい。シランカップリング剤としては、ゴム工業において、従来からシリカと併用される任意のシランカップリング剤を使用することができ、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドなどのスルフィド系、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、Momentive社製のNXT−Z100、NXT−Z45、NXTなどのメルカプト系(メルカプト基を有するシランカップリング剤)、ビニルトリエトキシシランなどのビニル系、3−アミノプロピルトリエトキシシランなどのアミノ系、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシランなどのグリシドキシ系、3−ニトロプロピルトリメトキシシランなどのニトロ系、3−クロロプロピルトリメトキシシランなどのクロロ系などが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
シランカップリング剤を含有する場合のシリカ100質量部に対する含有量は、十分なフィラー分散性の改善効果や、粘度低減等の効果が得られるという理由から、4.0質量部以上であることが好ましく、6.0質量部以上であることがより好ましい。また、十分なカップリング効果、シリカ分散効果が得られず、補強性が低下するという理由から、シランカップリング剤の含有量は、12質量部以下であることが好ましく、10質量部以下であることがより好ましい。
前記軟化剤としては、粘着樹脂、低温可塑剤、オイル、および液状ジエン系重合体などが挙げられる。なかでも氷上性能の向上が見込まれるという理由からは、粘着樹脂を含有することが好ましい。
前記粘着樹脂としては芳香族石油樹脂などの従来タイヤ用ゴム組成物で慣用される樹脂が挙げられる。芳香族石油樹脂としては例えば、フェノール系樹脂、クマロンインデン樹脂、テルペン樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、ロジン樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂(DCPD樹脂)などが挙げられる。フェノール系樹脂としては例えばコレシン(BASF社製)、タッキロール(田岡化学工業(株)製)などが挙げられる。クマロンインデン樹脂としては例えばエスクロン(新日鉄化学(株)製)、ネオポリマー(JX日鉱日石エネルギー(株)製)などが挙げられる。スチレン樹脂としては例えばSylvatraxx 4401(Arizona chemical社製)などが挙げられる。テルペン樹脂としては例えばTR7125(Arizona chemical社製)、TO125(ヤスハラケミカル(株)製)などが挙げられる。これらの粘着樹脂は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、走行中のグリップ性能に優れるという理由から、フェノール系樹脂、クマロンインデン樹脂、テルペン樹脂、およびアクリル樹脂を用いることが好ましく、特に氷上性能に優れるという理由からテルペン樹脂が好ましい。
前記低温可塑剤としては、例えば、アジピン酸ジブチル(DBA)、アジピン酸ジイソブチル(DIBA)、アジピン酸ジオクチル(DOA)、アゼライン酸ジ2−エチルヘキシル(DOZ)、セバシン酸ジブチル(DBS)、アジピン酸ジイソノニル(DINA)、フタル酸ジエチル(DEP)、フタル酸ジオクチル(DOP)、フタル酸ジウンデシル(DUP)、フタル酸ジブチル(DBP)、セバシン酸ジオクチル(DOS)、リン酸トリブチル(TBP)、リン酸トリオクチル(TOP)、リン酸トリエチル(TEP)、リン酸トリメチル(TMP)、チミジントリリン酸(TTP)、リン酸トリクレシル(TCP)、リン酸トリキシレニル(TXP)等のエステル系可塑剤が挙げられ、低温時における可塑効果と耐摩耗性のバランスから、DOS、TOPが好ましい。
前記オイルとしては、例えば、パラフィン系、アロマ系、ナフテン系プロセスオイルなどのプロセスオイルが挙げられる。
前記液状ジエン系重合体は、常温(25℃)で液体状態のジエン系重合体であり、例えば、液状スチレンブタジエン共重合体(液状SBR)、液状ブタジエン重合体(液状BR)、液状イソプレン重合体(液状IR)、液状スチレンイソプレン共重合体(液状SIR)などが挙げられる。なかでも、耐摩耗性と走行中の安定したグリップ性能がバランスよく得られるという理由から、液状SBRが好ましい。
軟化剤を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量(複数の軟化剤を併用する場合は全ての合計量)は、本発明の効果が効果的に得られるという理由から、5質量部以上が好ましい。また、30質量部以下が好ましい。
前記老化防止剤としては特に限定されず、ゴム分野で使用されているものが使用可能であり、例えば、キノリン系、キノン系、フェノール系、フェニレンジアミン系老化防止剤などが挙げられる。
老化防止剤を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、0.5質量部以上が好ましく、0.8質量部以上がより好ましい。また、老化防止剤の含有量は、充填剤等の分散性、破断時伸び、混練効率の観点から、2.0質量部以下が好ましく、1.5質量部以下がより好ましく、1.2質量部以下がより好ましい。
前記加硫剤としては特に限定されず、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。本発明の効果が良好に得られるという点からは、硫黄が好ましく、粉末硫黄がより好ましい。また、硫黄は他の加硫剤と併用してもよい。他の加硫剤としては、例えば、田岡化学工業(株)製のタッキロールV200、フレキシス社製のDURALINK HTS(1,6−ヘキサメチレン−ジチオ硫酸ナトリウム・二水和物)、ランクセス社製のKA9188(1,6−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサン)などの硫黄原子を含む加硫剤や、ジクミルパーオキサイドなどの有機過酸化物などが挙げられる。
加硫剤を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、0.1質量部以上が好ましく、0.5質量部以上がより好ましい。また、加硫剤の含有量は、15質量部以下が好ましく、5質量部以下がより好ましい。
前記加硫促進剤としては、グアニジン系、アルデヒド−アミン系、アルデヒド−アンモニア系、チアゾール系、スルフェンアミド系、チオ尿素系、チウラム系、ジチオカルバメート系、ザンデート系の化合物などが挙げられる。なかでも、本発明の効果が好適に得られるという理由から、ベンゾチアゾリルスルフィド基を有する加硫促進剤が好ましい。
ベンゾチアゾリルスルフィド基を有する加硫促進剤としては、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(TBBS)、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)、N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(DCBS)、N,N−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N−ジ(2−エチルヘキシル)−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(BEHZ)、N,N−ジ(2−メチルヘキシル)−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(BMHZ)、N−エチル−N−t−ブチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド(ETZ)等のスルフェンアミド系加硫促進剤や、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンイミド(TBSI)、ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド(DM)等が挙げられる。
加硫促進剤を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、十分な加硫速度を確保するという観点から、0.5質量部以上が好ましく、1.0質量部以上が好ましい。また、加硫促進剤の含有量は、ブルーミングを抑制するという観点から、10質量部以下が好ましく、5質量部以下がより好ましい。
本発明のトレッド用ゴム組成物は、一般的な方法で製造できる。例えば、バンバリーミキサーやニーダー、オープンロールなどの一般的なゴム工業で使用される公知の混練機で、前記各成分のうち、架橋剤および加硫促進剤以外の成分を混練りした後、これに、架橋剤および加硫促進剤を加えてさらに混練りし、その後加硫する方法などにより製造できる。
本発明のゴム組成物を用いたタイヤは、前記ゴム組成物を用いて、通常の方法により製造できる。すなわち、ジエン系ゴム成分に対して前記の配合剤を必要に応じて配合した前記ゴム組成物を、トレッドの形状にあわせて押出し加工し、タイヤ成型機上で他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、通常の方法にて成型することにより、未加硫タイヤを形成し、この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することにより、タイヤを製造することができる。
実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらのみに限定して解釈されるものではない。
実施例および比較例で使用した各種薬品について説明する。
NR:TSR20
BR:日本ゼオン(株)製のBR1220(未変性BR、シス含量:96質量%)
カーボンブラック:三菱化学(株)製のダイアブラックI(ASTM No.N220、N2SA:114m2/g、DBP:114ml/100g、平均粒子径:22nm)
シリカ:エボニックデグサ社製のウルトラシルVN3(N2SA:175m2/g、平均一次粒子径:15nm)
シランカップリング剤:エボニックデグサ社製のSi75(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド)
微粒子カーボンブラック:三菱化学(株)製のダイアブラック(平均粒子径:19nm)
卵殻粉1:グリーンテクノ社製のSQ−130(平均粒子径:130μm)
卵殻粉2:グリーンテクノ社製のSQ−50(平均粒子径:50μm)
卵殻粉3:グリーンテクノ社製のSQ−10(平均粒子径:10μm)
テルペンレジン:ヤスハラケミカル(株)製のPX1150N(ポリテルペン樹脂)
ウェットレジン:アリゾナケミカル社製のSYLVATRAXX4401
ワックス:大内新興化学工業(株)製のサンノックN
老化防止剤:住友化学(株)製のアンチゲン6C(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
オイル:(株)ジャパンエナジー製のプロセスX−140(アロマオイル)
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸「椿」
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号
硫黄:軽井沢硫黄(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーCZ(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
実施例および比較例
表1に示す配合処方にしたがい、1.7Lの密閉型バンバリーミキサーを用いて、硫黄および加硫促進剤以外の薬品を排出温度170℃になるまで5分間混練りし、混練物を得た。さらに、得られた混練物を前記バンバリーミキサーにより、排出温度150℃で4分間、再度混練りした(リミル)。次に、2軸オープンロールを用いて、得られた混練物に硫黄および加硫促進剤を添加し、4分間、105℃になるまで練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物を170℃で12分間プレス加硫することで、試験用ゴム組成物を作製した。
また、前記未加硫ゴム組成物を所定の形状の口金を備えた押し出し機でタイヤトレッドの形状に押し出し成形し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせて未加硫タイヤを形成し、170℃の条件下で12分間プレス加硫することにより、試験用タイヤ(サイズ:195/65R15、スタッドレスタイヤ)を製造した。
得られた未加硫ゴム組成物、加硫ゴム組成物および試験用タイヤについて下記の評価を行った。評価結果を表1に示す。
低温氷上性能(0℃発進性能)
ドライブ軸に試験用タイヤを装着した車両を、表所路面に停止した状態から発進させ、時速10kmに達した時の走行距離を測定した。結果は、指数で示し、指数が大きいほど低温氷上性能に優れることを示す。指数は次の式で求めた。
(低温氷上性能指数)=(比較例1の時速10kmに達した走行距離)/(各配合例の時速10kmに達した走行距離)×100
耐摩耗性能
各試験用タイヤを車両(国産FF2000cc)の全輪に装着し、走行距離8000km後のタイヤトレッド部の溝深さを測定し、タイヤ溝深さが1mm減るときの走行距離を求めた。結果は指数で表し、指数が大きいほど耐摩耗性が良好であることを示す。指数は次の式で求めた。
(耐摩耗性能指数)=(各配合例のタイヤ溝が1mm減るときの走行距離)/(比較例1のタイヤ溝が1mm減るときの走行距離)×100
Figure 0006888306
表1の結果より、ゴム成分、平均粒子径が120μm以上の卵殻粉および平均粒子径が18nm以下のカーボンブラックを含有するトレッド用ゴム組成物および当該ゴム組成物により構成されたトレッドを有するタイヤは、低温氷上性能および耐摩耗性に優れることがわかる。

Claims (7)

  1. ゴム成分、平均粒子径が120μm以上の卵殻粉および平均粒子径が19nm以下のカーボンブラックを含有するトレッド用ゴム組成物であって、
    さらに、ゴム成分100質量部に対して、軟化剤5〜30質量部を含有し、
    前記軟化剤が、粘着樹脂を含有するトレッド用ゴム組成物。
  2. 前記粘着樹脂が、テルペン樹脂を含有する、請求項1記載のトレッド用ゴム組成物。
  3. 前記粘着樹脂が、スチレン樹脂を含有する、請求項1または2記載のトレッド用ゴム組成物。
  4. 前記軟化剤が、アロマ系オイルを含有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のトレッド用ゴム組成物。
  5. 前記アロマ系オイルの含有量が、ゴム成分100質量部に対して、9〜19質量部である、請求項4記載のトレッド用ゴム組成物。
  6. さらに、ゴム成分100質量部に対して、シリカ5〜200質量部を含有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載のトレッド用ゴム組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のトレッド用ゴム組成物により構成されたトレッドを有するタイヤ。
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