JP2011184570A - ビニル・シス−ポリブタジエンゴムの製造方法及びビニル・シス−ポリブタジエンゴム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ビニル含有率が75%以上であり、かつ、ビニル含有率/シス含有率が3以上20以下であることを特徴とする1,2−ポリブタジエンを、1,3−ブタジエンと炭化水素を主成分とする不活性有機溶媒との混合溶液を調製し、当該混合溶液に水、有機アルミニウム化合物及び可溶性コバルト化合物からなる触媒を添加して、1,3−ブタジエンをシス−1,4重合する第1工程と、第1工程で得られた重合反応混合物中の1,3−ブタジエンを60℃未満の温度でシンジオタクチック−1,2重合する第2工程からなることを特徴とするビニル・シス−ポリブタジエンゴム組成物の製造方法
【選択図】なし
Description
本発明に係るビニル・シス−ポリブタジエンゴムの製造方法の第1工程において使用する1,2−ポリブタジエンは、コバルト化合物、一般式AlR3で表せる有機アルミニウム化合物及び二硫化炭素、アルコール、アルデヒド、ケトン、エステル、ニトリル、スルホキシド、アミド、ホスフィン、並びに燐酸エステルからなる群より選ばれる1種又は2種以上の化合物、からなる触媒を用い、1,3−ブタジエンを重合することにより製造される。前記1,2−ポリブタジエンは、シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエンであることが好ましい。また、前記1,2−ポリブタジエンのビニル含有率が75%以上であり、かつ、ビニル含有率/シス含有率が3以上20以下であることが好ましい。融点は、60℃〜150℃であることが好ましく、70℃〜140℃であることがさらに好ましい。
次に、第1工程で得られた重合反応混合物中の1,3−ブタジエンをシンジオタクチック−1,2重合する。その際に、得られたシス−1,4重合物に、1,3−ブタジエンを添加しても添加しなくてもよい。また、この1、2重合する際に、一般式AlR3 により表される有機アルミニウム化合物及び二硫化炭素、並びに、必要に応じて前記の可溶性コバルト化合物を添加して1,3−ブタジエンを1,2重合することが好ましく、さらに、1,2重合する際に、重合系に水を添加してもよい。
定伸張疲労試験機(上島製作所製)を用いて、ダンベル状3号形(JIS−K6251)試験片の中央に0.5mmの傷を入れ、
初期歪50%、300回/分の条件で試験片が破断した回数を測定した。
第1工程
ヘリカル羽根を備えチッソ置換を終えた1.9Lステンレス製オートクレーブに、示差走査熱量計(島津製作所製、DSC−50)で測定した融点が128.0℃(ピークトップの温度)、ηsp/cが0.66、1,2−ビニル含有率80.2%、ビニル含有率/シス含有率=4.1のシンジオタクチック−1,2−ポリブタジエン(低融点SPB)粉末を0.7g導入した後、チッソ置換を5kg/cm2で5回行った。次に、1,3−ブタジエン、2−ブテン及びシクロヘキサンの重量比が32:31:35からなる混合液(FB)を1.2L導入した。撹拌スピードは500回転/分とした。水36.8mgを添加し、65℃で10分間SPBを溶解した後、25℃で20分間保持した。次に、1,5−シクロオクタジエン(COD)2.10ml、ジラウリル−3,3’−ジチオプロピオネート(TPL)のシクロヘキサン溶液(0.02M)0.9ml、及びジエチルアルミニウムクロライド(DEAC)のシクロヘキサン溶液(2.0M)1.8mlを添加し、25℃で5分間反応させた。その後、溶液を60℃に昇温し、直ちにオクテン酸コバルト(Co(Oct)2)のシクロヘキサン溶液(5.0mM)1.4mlを添加して、60℃で20分間シス−1,4重合を行った。
第2工程
次に、トリエチルアルミニウム(TEA)のシクロヘキサン溶液(2.0M)2.34mlを添加し、5分後にオクテン酸コバルト(Co(Oct)2)のシクロヘキサン溶液(0.05M)0.76ml及び二硫化炭素(CS2)のシクロヘキサン溶液(0.25M)1.2mlを添加して、40℃で20分間1,2重合を行った。重合停止は、n−ヘプタンとエタノールの1:1混合液である「イルガノックス」(登録商標)1076(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)の0.2%溶液を1.2ml、及びナフトキノンのエタノール溶液(0.2M)を0.5ml加えて行った。次にオートクレーブを氷水で冷やしながら放圧し、圧力が常圧に戻った後、重合物をバットに回収し、100℃で3時間真空乾燥した。第1工程重合条件(シス−1,4重合)を表1に、第2工程重合条件(1,2重合)を表2に、重合結果を表3に示す。
第2工程におけるオクテン酸コバルト(Co(Oct)2)のシクロヘキサン溶液(0.05M)の添加量を1.8mlとした以外は実施例1と同様の重合を行った。
第1工程
ヘリカル羽根を備えチッソ置換を終えた1.9Lステンレス製オートクレーブに、示差走査熱量計(島津製作所製、DSC−50)で測定した融点が128.0℃(ピークトップの温度)、ηsp/cが0.66、1,2−ビニル含有率80.2%、ビニル含有率/シス含有率=4.1のシンジオタクチック−1,2−ポリブタジジエン(低融点SPB)粉末を1.8g導入した後、チッソ置換を5kg/cm2で5回行った。次に、1,3−ブタジエン、2−ブテン及びシクロヘキサンの重量比が32:31:35からなる混合液(FB)を1.2L導入した。撹拌スピードは500回転/分とした。水36.8mgを添加し、65℃で10分間SPBを溶解した後、25℃で20分間保持した。次に、1,5−シクロオクタジエン(COD)2.37ml、ジラウリル−3,3’−ジチオプロピオネート(TPL)のシクロヘキサン溶液(0.02M)0.9ml、及びジエチルアルミニウムクロライド(DEAC)のシクロヘキサン溶液(2.0M)1.8mlを添加し、25℃で5分間反応させた。その後、溶液を60℃に昇温し、直ちにオクテン酸コバルト(Co(Oct)2)のシクロヘキサン溶液(5.0mM)1.65mlを添加して、60℃で20分間シス−1,4重合を行った。
第2工程
次に、トリエチルアルミニウム(TEA)のシクロヘキサン溶液(2.0M)2.34mlを添加し、5分後にオクテン酸コバルト(Co(Oct)2)のシクロヘキサン溶液(0.05M)0.74ml及び二硫化炭素(CS2)のシクロヘキサン溶液(0.25M)1.2mlを添加して、40℃で20分間1,2重合を行った。重合停止は、n−ヘプタンとエタノールの1:1混合液である「イルガノックス」(登録商標)1076(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)の0.2%溶液を1.2ml、及びナフトキノンのエタノール溶液(0.2M)を0.5ml加えて行った。次にオートクレーブを氷水で冷やしながら放圧し、圧力が常圧に戻った後、重合物をバットに回収し、100℃で3時間真空乾燥した。第1工程重合条件(シス−1,4重合)を表1に、第2工程重合条件(1,2重合)を表2に、重合結果を表3に示す。
第2工程におけるオクテン酸コバルト(Co(Oct)2)のシクロヘキサン溶液(0.05M)の添加量を1.5mlとした以外は実施例3と同様の重合を行った。
第1工程
ヘリカル羽根を備えチッソ置換を終えた1.9Lステンレス製オートクレーブに、示差走査熱量計(島津製作所製、DSC−50)で測定した融点が128.0℃(ピークトップの温度)、ηsp/cが0.66、1,2−ビニル含有率80.2%、ビニル含有率/シス含有率=4.1のシンジオタクチック−1,2−ポリブタジジエン(低融点SPB)粉末を3.6g導入した後、チッソ置換を5kg/cm2で5回行った。次に、1,3−ブタジエン、2−ブテン及びシクロヘキサンの重量比が32:31:35からなる混合液(FB)を1.2L導入した。撹拌スピードは500回転/分とした。水36.8mgを添加し、65℃で10分間SPBを溶解した後、25℃で20分間保持した。次に、1,5−シクロオクタジエン(COD)2.83ml、ジラウリル−3,3’−ジチオプロピオネート(TPL)のシクロヘキサン溶液(0.02M)0.9ml、及びジエチルアルミニウムクロライド(DEAC)のシクロヘキサン溶液(2.0M)1.8mlを添加し、25℃で5分間反応させた。その後、溶液を60℃に昇温し、直ちにオクテン酸コバルト(Co(Oct)2)のシクロヘキサン溶液(5.0mM)2.3mlを添加して、60℃で20分間シス−1,4重合を行った。
第2工程
次に、トリエチルアルミニウム(TEA)のシクロヘキサン溶液(2.0M)2.34mlを添加し、5分後にオクテン酸コバルト(Co(Oct)2)のシクロヘキサン溶液(0.05M)0.75ml及び二硫化炭素(CS2)のシクロヘキサン溶液(0.25M)1.2mlを添加して、40℃で20分間1,2重合を行った。重合停止は、n−ヘプタンとエタノールの1:1混合液である「イルガノックス」(登録商標)1076(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)の0.2%溶液を1.2ml、及びナフトキノンのエタノール溶液(0.2M)を0.5ml加えて行った。次にオートクレーブを氷水で冷やしながら放圧し、圧力が常圧に戻った後、重合物をバットに回収し、100℃で3時間真空乾燥した。第1工程重合条件(シス−1,4重合)を表1に、第2工程重合条件(1,2重合)を表2に、重合結果を表3に示す。
第2工程におけるオクテン酸コバルト(Co(Oct)2)のシクロヘキサン溶液(0.05M)の添加量を1.5mlとした以外は実施例5と同様の重合を行った。
第1工程
ヘリカル羽根を備えチッソ置換を終えた1.9Lステンレス製オートクレーブに、示差走査熱量計(島津製作所製、DSC−50)で測定した融点が105℃(ピークトップの温度)、1,2−ビニル含有率93%、ビニル含有率/シス含有率=13.9のシンジオタクチック−1,2−ポリブタジジエン(低融点SPB)粉末を0.4g導入した後、チッソ置換を5kg/cm2で5回行った。次に、1,3−ブタジエン、2−ブテン及びシクロヘキサンの重量比が32:31:35からなる混合液(FB)を0.8L導入した。撹拌スピードは500回転/分とした。水24.5mgを添加し、65℃で10分間SPBを溶解した後、25℃で20分間保持した。次に、1,5−シクロオクタジエン(COD)1.61ml、ジラウリル−3,3’−ジチオプロピオネート(TPL)のシクロヘキサン溶液(0.02M)0.6ml、及びジエチルアルミニウムクロライド(DEAC)のシクロヘキサン溶液(2.0M)1.2mlを添加し、25℃で5分間反応させた。その後、溶液を60℃に昇温し、直ちにオクテン酸コバルト(Co(Oct)2)のシクロヘキサン溶液(5.0mM)0.98mlを添加して、60℃で20分間シス−1,4重合を行った。
第2工程
次に、トリエチルアルミニウム(TEA)のシクロヘキサン溶液(2.0M)1.56mlを添加し、5分後にオクテン酸コバルト(Co(Oct)2)のシクロヘキサン溶液(0.05M)0.53ml及び二硫化炭素(CS2)のシクロヘキサン溶液(0.25M)0.8mlを添加して、40℃で20分間1,2重合を行った。重合停止は、n−ヘプタンとエタノールの1:1混合液である「イルガノックス」(登録商標)1076(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)の0.2%溶液を0.8ml、及びナフトキノンのエタノール溶液(0.2M)を0.3ml加えて行った。次にオートクレーブを氷水で冷やしながら放圧し、圧力が常圧に戻った後、重合物をバットに回収し、100℃で3時間真空乾燥した。第1工程重合条件(シス−1,4重合)を表1に、第2工程重合条件(1,2重合)を表2に、重合結果を表3に示す。
第1工程におけるシンジオタクチック−1,2−ポリブタジジエン(低融点SPB)粉末の添加量を0.8g、1,5−シクロオクタジエン(COD)の添加量を1.65ml、オクテン酸コバルト(Co(Oct)2)のシクロヘキサン溶液(5.0mM)の添加量を1.13ml、第2工程におけるオクテン酸コバルト(Co(Oct)2)のシクロヘキサン溶液(0.05M)の添加量を0.5mlとした以外は実施例7と同様の重合を行った。
第1工程におけるシンジオタクチック−1,2−ポリブタジジエン(低融点SPB)粉末の添加量を1.2g、1,5−シクロオクタジエン(COD)の添加量を1.71ml、オクテン酸コバルト(Co(Oct)2)のシクロヘキサン溶液(5.0mM)の添加量を1.24ml、第2工程におけるオクテン酸コバルト(Co(Oct)2)のシクロヘキサン溶液(0.05M)の添加量を0.52mlとした以外は実施例7と同様の重合を行った。
第1工程におけるシンジオタクチック−1,2−ポリブタジジエン(低融点SPB)粉末の添加量を1.6g、1,5−シクロオクタジエン(COD)の添加量を1.82ml、オクテン酸コバルト(Co(Oct)2)のシクロヘキサン溶液(5.0mM)の添加量を1.44ml、第2工程におけるオクテン酸コバルト(Co(Oct)2)のシクロヘキサン溶液(0.05M)の添加量を0.55mlとした以外は実施例7と同様の重合を行った。
第1工程
ヘリカル羽根を備えチッソ置換を終えた1.9Lステンレス製オートクレーブに、示差走査熱量計(島津製作所製、DSC−50)で測定した融点が95℃(ピークトップの温度)、1,2−ビニル含有率92%、ビニル含有率/シス含有率=11.9のシンジオタクチック−1,2−ポリブタジジエン(低融点SPB)粉末を0.45g導入した後、チッソ置換を5kg/cm2で5回行った。次に、1,3−ブタジエン、2−ブテン及びシクロヘキサンの重量比が32:31:35からなる混合液(FB)を0.9L導入した。撹拌スピードは500回転/分とした。水27.6mgを添加し、65℃で10分間SPBを溶解した後、25℃で20分間保持した。次に、1,5−シクロオクタジエン(COD)1.55ml、ジラウリル−3,3’−ジチオプロピオネート(TPL)のシクロヘキサン溶液(0.02M)0.68ml、及びジエチルアルミニウムクロライド(DEAC)のシクロヘキサン溶液(2.0M)1.35mlを添加し、25℃で5分間反応させた。その後、溶液を60℃に昇温し、直ちにオクテン酸コバルト(Co(Oct)2)のシクロヘキサン溶液(5.0mM)1.55mlを添加して、60℃で20分間シス−1,4重合を行った。
第2工程
次に、トリエチルアルミニウム(TEA)のシクロヘキサン溶液(2.0M)1.76mlを添加し、5分後にオクテン酸コバルト(Co(Oct)2)のシクロヘキサン溶液(0.05M)0.56ml及び二硫化炭素(CS2)のシクロヘキサン溶液(0.25M)0.9mlを添加して、40℃で20分間1,2重合を行った。重合停止は、n−ヘプタンとエタノールの1:1混合液である「イルガノックス」(登録商標)1076(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)の0.2%溶液を0.9ml、及びナフトキノンのエタノール溶液(0.2M)を0.4ml加えて行った。次にオートクレーブを氷水で冷やしながら放圧し、圧力が常圧に戻った後、重合物をバットに回収し、100℃で3時間真空乾燥した。第1工程重合条件(シス−1,4重合)を表1に、第2工程重合条件(1,2重合)を表2に、重合結果を表3に示す。
第1工程におけるシンジオタクチック−1,2−ポリブタジジエン(低融点SPB)粉末の添加量を0.9g、1,5−シクロオクタジエン(COD)の添加量を1.65ml、オクテン酸コバルト(Co(Oct)2)のシクロヘキサン溶液(5.0mM)の添加量を1.91mlとした以外は実施例11と同様の重合を行った。
第1工程におけるシンジオタクチック−1,2−ポリブタジジエン(低融点SPB)粉末の添加量を1.35g、1,5−シクロオクタジエン(COD)の添加量を1.79ml、オクテン酸コバルト(Co(Oct)2)のシクロヘキサン溶液(5.0mM)の添加量を2.5ml、第2工程におけるオクテン酸コバルト(Co(Oct)2)のシクロヘキサン溶液(0.05M)の添加量を0.49mlとした以外は実施例11と同様の重合を行った。
第1工程
ヘリカル羽根を備えチッソ置換を終えた1.9Lステンレス製オートクレーブに、示差走査熱量計(島津製作所製、DSC−50)で測定した融点が139.8℃(ピークトップの温度)、ηsp/cが0.55、1,2−ビニル含有率83.1%、ビニル含有率/シス含有率=5.0のシンジオタクチック−1,2−ポリブタジジエン(低融点SPB)粉末を1.8g導入した後、チッソ置換を5kg/cm2で5回行った。次に、1,3−ブタジエン、2−ブテン及びシクロヘキサンの重量比が32:31:35からなる混合液(FB)を1.2L導入した。撹拌スピードは600回転/分とした。水36.8mgを添加し、65℃で10分間SPBを溶解した後、25℃で20分間保持した。次に、1,5−シクロオクタジエン(COD)2.25ml、ジラウリル−3,3’−ジチオプロピオネート(TPL)のシクロヘキサン溶液(0.02M)0.9ml、及びジエチルアルミニウムクロライド(DEAC)のシクロヘキサン溶液(2.0M)1.8mlを添加し、25℃で5分間反応させた。その後、溶液を60℃に昇温し、直ちにオクテン酸コバルト(Co(Oct)2)のシクロヘキサン溶液(5.0mM)1.6mlを添加して、60℃で20分間シス−1,4重合を行った。
第2工程
次に、トリエチルアルミニウム(TEA)のシクロヘキサン溶液(2.0M)2.34mlを添加し、5分後にオクテン酸コバルト(Co(Oct)2)のシクロヘキサン溶液(0.05M)0.76ml及び二硫化炭素(CS2)のシクロヘキサン溶液(0.25M)1.2mlを添加して、40℃で20分間1,2重合を行った。重合停止は、n−ヘプタンとエタノールの1:1混合液である「イルガノックス」(登録商標)1076(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)の0.2%溶液を1.2ml、及びナフトキノンのエタノール溶液(0.2M)を0.5ml加えて行った。次にオートクレーブを氷水で冷やしながら放圧し、圧力が常圧に戻った後、重合物をバットに回収し、100℃で3時間真空乾燥した。第1工程重合条件(シス−1,4重合)を表1に、第2工程重合条件(1,2重合)を表2に、重合結果を表3に示す。
第1工程
ヘリカル羽根を備えチッソ置換を終えた1.9Lステンレス製オートクレーブに、示差走査熱量計(島津製作所製、DSC−50)で測定した融点が111.5℃(ピークトップの温度)、ηsp/cが0.96、1,2−ビニル含有率76.7%、ビニル含有率/シス含有率=3.3のシンジオタクチック−1,2−ポリブタジジエン(低融点SPB)粉末を1.8g導入した後、チッソ置換を5kg/cm2で5回行った。次に、1,3−ブタジエン、2−ブテン及びシクロヘキサンの重量比が32:31:35からなる混合液(FB)を1.2L導入した。撹拌スピードは600回転/分とした。水36.8mgを添加し、65℃で10分間SPBを溶解した後、25℃で20分間保持した。次に、1,5−シクロオクタジエン(COD)2.43ml、ジラウリル−3,3’−ジチオプロピオネート(TPL)のシクロヘキサン溶液(0.02M)0.9ml、及びジエチルアルミニウムクロライド(DEAC)のシクロヘキサン溶液(2.0M)1.8mlを添加し、25℃で5分間反応させた。その後、溶液を60℃に昇温し、直ちにオクテン酸コバルト(Co(Oct)2)のシクロヘキサン溶液(5.0mM)1.75mlを添加して、60℃で20分間シス−1,4重合を行った。
第2工程
次に、トリエチルアルミニウム(TEA)のシクロヘキサン溶液(2.0M)2.34mlを添加し、5分後にオクテン酸コバルト(Co(Oct)2)のシクロヘキサン溶液(0.05M)0.74ml及び二硫化炭素(CS2)のシクロヘキサン溶液(0.25M)1.2mlを添加して、40℃で20分間1,2重合を行った。重合停止は、n−ヘプタンとエタノールの1:1混合液である「イルガノックス」(登録商標)1076(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)の0.2%溶液を1.2ml、及びナフトキノンのエタノール溶液(0.2M)を0.5ml加えて行った。次にオートクレーブを氷水で冷やしながら放圧し、圧力が常圧に戻った後、重合物をバットに回収し、100℃で3時間真空乾燥した。第1工程重合条件(シス−1,4重合)を表1に、第2工程重合条件(1,2重合)を表2に、重合結果を表3に示す。
第1工程における1,5−シクロオクタジエン(COD)の添加量を1.78ml、オクテン酸コバルト(Co(Oct)2)のシクロヘキサン溶液(5.0mM)の添加量を1.2ml、第2工程におけるオクテン酸コバルト(Co(Oct)2)のシクロヘキサン溶液(0.05M)の添加量を0.51mlとした以外は実施例9と同様の重合を行った。
第2工程におけるオクテン酸コバルト(Co(Oct)2)のシクロヘキサン溶液(0.05M)の添加量を0.55ml、重合温度を45℃とした以外は実施例16と同様の重合を行った。
第2工程におけるオクテン酸コバルト(Co(Oct)2)のシクロヘキサン溶液(0.05M)の添加量を0.58ml、重合温度を50℃とした以外は実施例16と同様の重合を行った。
第2工程におけるオクテン酸コバルト(Co(Oct)2)のシクロヘキサン溶液(0.05M)の添加量を0.61ml、重合温度を55℃とした以外は実施例16と同様の重合を行った。
第2工程におけるオクテン酸コバルト(Co(Oct)2)のシクロヘキサン溶液(0.05M)の添加量を0.67ml、重合温度を60℃とした以外は実施例16と同様の重合を行った。
Claims (5)
- ビニル含有率が75%以上であり、かつ、ビニル含有率とシス含有率の比(ビニル含有率/シス含有率)が3以上20以下であることを特徴とする1,2−ポリブタジエンを、1,3−ブタジエンと炭化水素を主成分とする不活性有機溶媒に溶解させた混合溶液を調製し、当該混合溶液に水、有機アルミニウム化合物及び可溶性コバルト化合物からなる触媒を添加して、1,3−ブタジエンをシス−1,4重合する第1工程と、第1工程で得られた重合反応混合物中の1,3−ブタジエンを、温度60℃未満でシンジオタクチック−1,2重合する第2工程からなることを特徴とするビニル・シス−ポリブタジエンゴムの製造方法。
- 前記1,2−ポリブタジエンの融点が60℃〜150℃であることを特徴とする請求項1記載のビニル・シス−ポリブタジエンゴムの製造方法。
- ビニル・シス−ポリブタジエンゴムに対する前記1,2−ポリブタジエンの添加率が5%以下であることを特徴とする請求項1又は2記載のビニル・シス−ポリブタジエンゴムの製造方法。
- 前記第2工程は、第1工程で得られた重合反応混合物中に、可溶性コバルト化合物、一般式AlR3(但し、Rは炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基又はシクロアルキル基である)により表される有機アルミニウム化合物、及びニ硫化炭素からなる触媒を存在させて、1,3−ブタジエンをシンジオタクチック−1,2重合することを特徴とする請求項1乃至3いずれか記載のビニル・シス−ポリブタジエンゴムの製造方法。
- 請求項1乃至4いずれか記載のビニル・シス−ポリブタジエンゴムの製造方法によって製造されたビニル・シス−ポリブタジエンゴム。
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