JP5447708B2 - ビニル・シス−ポリブタジエンの製造方法 - Google Patents

ビニル・シス−ポリブタジエンの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、シス−1,4−ポリブタジエン及びシンジオタクチック−1,2−ポリブタジエンからなるビニル・シス−ポリブタジエンの製造方法及びそれによって得られたビニル・シス−ポリブタジエンに関する。
従来から、ビニル・シス−ポリブタジエンの製造は、ベンゼン、トルエン及びキシレンなどの炭化水素を主成分とする不活性有機溶媒中において、所定の触媒を用いて、1,3−ブタジエンを1,4−シス重合し、続いて、シンジオタクチック−1,2重合(以下、「1,2−ビニル重合」という場合がある。)する方法により行われている。
例えば、特許文献1には、1,2−ビニル重合の際のハロゲン含有の有機アルミニウム化合物中のハロゲン原子のモル数と有機アルミニウム化合物のモル数の比を調整し、耐疲労性に優れたシス−1,4−ポリブタジエンとシンジオタクチック−1,2−ポリブタジエンからなる補強ポリブタジエンゴムを製造する方法が記載されている。また、例えば、特許文献2には、1,4−シス重合の際に二硫化炭素を存在させないことで、耐疲労性に優れた補強ポリブタジエンゴムを製造する方法が記載されている。このように、ビニル・シス−ポリブタジエンの製造においては、求めるゴムの性質に応じてあらゆる製造工程を調整することが求められる。
ところで、ビニル・シス−ポリブタジエンは、その沸騰n−ヘキサン不溶分(HI)の含有量により、様々な性質を変化させる。一般に、低HIのビニル・シス−ポリブタジエンほど、ゴム組成物としたときに耐摩耗性、低発熱性に優れ、押出量が多く、生産性に優れる、などの特徴を有するようになる。
特開2010−235865号公報 特開2010−235864号公報
しかしながら、ビニル・シス−ポリブタジエンの製造において、HIを低く調整することは容易ではなく、安定的にビニル・シス−ポリブタジエンを生産するための製造方法が望まれている。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、容易にHIを低く調整することができ、生産性が良好で安定生産が可能なビニル・シス−ポリブタジエンの製造方法及びそれによって得られたビニル・シス−ポリブタジエンを提供することを目的とする。
本発明者らは、以上の目的を達成するために、鋭意検討した結果、1,4−シス重合における水に対する有機アルミニウム及び有機ハロゲン化合物の全添加量、1,4−シス重合における有機アルミニウムと有機ハロゲン化合物の比率、原料となる共役ジエン系モノマーに対する1,2−ビニル重合における触媒の添加量、並びに1,4−シス重合及び1,2−ビニル重合において添加する全有機アルミニウムに対する1,2−ビニル重合における触媒の添加量を調整することにより、容易にHIを低く調整することができ、生産性が良好で安定生産が可能なビニル・シス−ポリブタジエンの製造方法を見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、沸騰n−ヘキサン不溶分(HI)が3〜9重量%であるビニル・シス−ポリブタジエンの製造方法であって、共役ジエン系モノマー及び溶媒を含む共役ジエン系モノマー溶液に水、第1の有機アルミニウム、有機ハロゲン化合物及び1,4重合触媒を添加して前記共役ジエン系モノマーを1,4−シス重合するシス重合工程(a)と、該シス重合工程(a)の後に第2の有機アルミニウム、二硫化炭素及び1,2重合触媒を添加して1,2−ビニル重合するビニル重合工程(b)とを有し、(1)前記水1molに対する前記第1の有機アルミニウム及び前記有機ハロゲン化合物の全添加量が1.5〜3.0molであり、(2)前記第1の有機アルミニウムが非ハロゲン化有機アルミニウム化合物であり、前記非ハロゲン化有機アルミニウム化合物1molに対する前記有機ハロゲン化合物の添加量が1.5〜9.0molであり、(3)前記共役ジエン系モノマー1molに対する前記1,2重合触媒の添加量が0.1〜2.4μmolであり、(4)前記第1及び第2の有機アルミニウムからなる全有機アルミニウム1molに対する前記1,2重合触媒の添加量が0.0001〜0.0030molであることを特徴とするビニル・シス−ポリブタジエンの製造方法に関する。
本発明に係るビニル・シス−ポリブタジエンの製造方法において、前記1,2重合触媒が、遷移金属触媒であることが好ましく、前記共役ジエン系モノマーが、1,3−ブタジエンであることが好ましい。
また、本発明は、上記記載のビニル・シス−ポリブタジエンの製造方法によって製造されたことを特徴とするビニル・シス−ポリブタジエンに関する。
以上のように、本発明によれば、容易にHIを低く調整することができ、生産性が良好で安定生産が可能なビニル・シス−ポリブタジエンの製造方法及びそれによって得られたビニル・シス−ポリブタジエンを提供することができる。
本発明に係るビニル・シス−ポリブタジエンは、二段重合法によって製造できる。すなわち、シス重合工程(a)で1,4−シス重合を行い、そのまま重合を停止することなく、ビニル重合工程(b)でシンジオタクチック−1,2重合を行うことによって、シス−1,4−ポリブタジエン中にシンジオタクチック−1,2−ポリブタジエン結晶を分散させたビニル・シス−ポリブタジエンが得られる。
(シス重合工程(a))
本発明に係るビニル・シス−ポリブタジエンにおいて、シス重合工程(a)は、共役ジエン系モノマー及び溶媒を含む共役ジエン系モノマー溶液に水、第1の有機アルミニウム、有機ハロゲン化合物及び1,4重合触媒を添加して前記共役ジエン系モノマーを1,4−シス重合する。
シス重合工程(a)で使用する共役ジエン系モノマーとしては、1,3−ブタジエン、イソプレン、2−エチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチルブタジエン、2−フェニル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、3−メチル−1,3−ペンタジエン、4−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、2,4−ヘキサジエンが挙げられる。中でも、1,3−ブタジエンが好ましい。共役ジエン系モノマーは、1種を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
また、上記共役ジエン系モノマーは、共役ジエン系モノマー以外の他の共重合モノマーと組み合わせて使用してもよく、他の共重合モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物が挙げられる。他のモノマーは、1種を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
シス重合工程(a)において使用する溶媒としては、トルエン、ベンゼン及びキシレン等の芳香族炭化水素、n−ヘキサン、ブタン、ヘプタン及びペンタン等の脂肪族炭化水素、シクロヘキサン及びシクロペンタン等の脂環族炭化水素、上記のオレフィン化合物及びシス−2−ブテン、トランス−2−ブテン等のオレフィン系炭化水素、ミネラルスピリット、ソルベントナフサ及びケロシン等の炭化水素系溶媒、並びに塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素系溶媒などが挙げられる。また、1,3−ブタジエンモノマーのように共役ジエン系モノマーそのものを重合溶媒として用いてもよい。
上記溶媒の中でも、シスおよびトランス−2−ブテンを主成分とし、1−ブテン、n−ブタンなどを含む炭素数4の炭化水素混合物であるC4留分と、シクロペンタン、シクロヘキサン等の環状脂肪族炭化水素と、からなる混合溶媒が好ましく、環状脂肪族炭化水素の中では、安全性が高く、製造コストを抑える観点から、シクロヘキサンが特に好ましい。反応系中の共役ジエン系モノマーの濃度は10〜60重量%が好ましい。
シス重合工程(a)では、上記共役ジエン系モノマーと溶媒を混合して調整された共役ジエン系モノマー溶液に、水を加え、混合物中の水分の濃度を調整することが好ましい。水の添加量は、後述するように、第1の有機アルミニウム及び有機ハロゲン化合物の全添加量に応じて適宜調整することが好ましい。
シス重合工程(a)で使用する第1の有機アルミニウムは非ハロゲン化有機アルミニウム化合物であり、有機ハロゲン化合物と併用する。非ハロゲン化有機アルミニウム化合物のみではリニアリティーを高くする場合に生産性が悪く、有機ハロゲン化合物のみでは1,4−シス重合しないため好ましくない。両者を併用することで、生産性よく1,4−シス重合できるため好ましい。
非ハロゲン化有機アルミニウム化合物としては、例えば一般式AlR(但し、Rは炭素原子数1〜10の炭化水素基である)により表わされるトリアルキルアルミニウムを用いることができる。トリアルキルアルミニウムの例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ−n−プロピルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリペンチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリシクロヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリフェニルアルミニウム、トリ−p−トリルアルミニウム、及びトリベンジルアルミニウムを挙げることができる。なお、トリアルキルアルミニウム内のアルキル基は、互いに同一でも、あるいは異なっていてもよい。この中でも特に、トリエチルアルミニウムが好ましい。また、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド及びセスキエチルアルミニウムハイドライドなどの水素化有機アルミニウム化合物を用いることもできる。
有機ハロゲン化合物としては、ジアルキルアルミニウムクロライド、ジアルキルアルミニウムブロマイド、アルキルアルミニウムセスキクロライド、アルキルアルミニウムセスキブロマイド、及びアルキルアルミニウムジクロライドなどのハロゲン化有機アルミニウム化合物が挙げられる。上記ハロゲン化有機アルミニウム化合物のうち、ジメチルアルミニウムクロライド及びジエチルアルミニウムクロライドなどのジアルキルアルミニウムクロライド、セスキエチルアルミニウムクロライドなどのアルキルアルミニウムセスキクロライド、並びにエチルアルミニウムジクロライドなどのアルキルアルミニウムジクロライドが好ましく用いられ、ジメチルアルミニウムクロライド及びジエチルアルミニウムクロライドなどのジアルキルアルミニウムクロライドが特に好ましく用いられる。この中でも特に、ジエチルアルミニウムクロライドが好ましい。
また、有機ハロゲン化合物として、一般式RX(式中、Rは炭素数が1〜40、好ましくは1〜20の炭化水素基、Xはハロゲンを示す)で表されるハロゲン化アルキル化合物を用いることもできる。炭化水素基としては、アルキル基、アリール基、シクロアルキル基などが挙げられる。
また、有機ハロゲン化合物として、一般式RC−Xで表される有機ハロゲン化合物を用いることもできる。式中、Rは水素、アルキル基、アリール基、クロル置換アルキル基、アルコキシ基などであり、Rは水素、アルキル基、アリール基、クロル、ブロムなどであり、Rはアルキル基、アリール基、ビニル基、クロル、ブロムなどであり、Xはクロル、ブロムなどのハロゲンである。また、R+Rが酸素であってもよい。R及びRが水素である場合は、Rはアリール基であることが好ましい。上記のアルキル基は、飽和あるいは不飽和であってもよく、また、直鎖状、分岐状または環状のものであってもよく、脂肪族炭化水素基などが挙げられる。
具体的な化合物としては、メチル、エチル、iso−プロピル、iso−ブチル、t−ブチル、フェニル、ベンジル、ベンゾイル、ベンジリデンなどのクロル化物またはブロム化物などが挙げられる。また、メチルクロロホルメート、ブロモホルメート、クロロジフェニルメタンまたはクロロトリフェニルメタンなどが挙げられる。
上記非ハロゲン化有機アルミニウム化合物1molに対する前記有機ハロゲン化合物の添加量は、1.5〜9.0molであり、2.0〜8.9molが好ましく、2.2〜8.8molが特に好ましい。上記範囲外では、重合活性が失活する可能性があるため好ましくない。
上記第1の有機アルミニウム及び有機ハロゲン化合物の全添加量(上記非ハロゲン化有機アルミニウム化合物と有機ハロゲン化合物とを併用した合計の添加量)は、例えば、水、有機アルミニウム化合物及び可溶性コバルト化合物からなる触媒系を用いて1,4−シス重合する場合は、共役ジエン系モノマー1mol当たり0.1mmol以上、特に0.5〜50mmolであることが好ましい。また、例えば、ニッケル化合物、有機アルミニウム化合物及びフッ素化合物からなる触媒系を用いて1,4−シス重合する場合は、共役ジエン系モノマー1mol当たり1×10−5〜1×10−1molであることが好ましい。
また、本発明においては、上記第1の有機アルミニウム及び有機ハロゲン化合物の全添加量と上記水の添加量とを調整することを特徴とする。上記第1の有機アルミニウム及び有機ハロゲン化合物の全添加量は、上記水1mol当たり、好ましくは1.5〜3.0mol、より好ましくは1.55〜2.5mol、特に好ましくは1.6〜2.0molの範囲である。この範囲外では触媒活性が低下したり、シス−1,4構造含有率が低下したり、分子量が異常に低く又は高くなったりするため好ましくない。また、上記の範囲外では、重合時のゲルの発生を抑制することができず、このため重合槽などへのゲルの付着が起こり、さらに連続重合時間を延ばすことができないので好ましくない。
次いで、上記第1の有機アルミニウム及び有機ハロゲン化合物を添加した混合物に1,4重合触媒を添加して、共役ジエン系モノマーを1,4−シス重合する。1,4重合触媒としては、可溶性コバルト化合物、ニッケル化合物及びフッ素化合物等が挙げられるが、可溶性コバルト化合物が特に好ましい。
可溶性コバルト化合物としては、上記溶媒又は液体共役ジエン系モノマーに可溶なものであるか、又は均一に分散できる、例えば、コバルト(II)アセチルアセトナート及びコバルト(III)アセチルアセトナートなどコバルトのβ−ジケトン錯体、コバルトアセト酢酸エチルエステル錯体のようなコバルトのβ−ケト酸エステル錯体、コバルトオクトエート、コバルトナフテネート及びコバルトベンゾエートなどの炭素数6以上の有機カルボン酸のコバルト塩、塩化コバルトピリジン錯体及び塩化コバルトエチルアルコール錯体などのハロゲン化コバルト錯体などが用いられる。可溶性コバルト化合物の添加量は、共役ジエン系モノマー1mol当たり0.001mmol以上、特に0.005mmol以上であることが好ましい。また、可溶性コバルト化合物に対する第1の有機アルミニウムのモル比(Al/Co)は10以上であり、特に50以上であることが好ましい。
ニッケル化合物としては、ニッケルの塩や錯体が好ましく用いられる。特に好ましいものとして、塩化ニッケル及び臭化ニッケルなどのハロゲン化ニッケル、硝酸ニッケルなどの無機酸のニッケル塩、オクチル酸ニッケル、酢酸ニッケル、ニッケルオクトエートなどの炭素原子数1〜18のカルボン酸ニッケル、ナフテン酸ニッケル、マロン酸ニッケル、ニッケルのビスアセチルアセトナート及びトリスアセチルアセトネート、アセト酢酸エチルエステルなどのニッケル錯体、ハロゲン化ニッケルのトリアリールホスフィン錯体、トリアルキルホスフィン錯体、ピリジン錯体及びピコリン錯体等の有機塩基錯体、並びにエチルアルコール錯体などの各種錯体を挙げることができる。ニッケル化合物の添加量は、共役ジエン系モノマー1mol当たり1×10−7〜1×10−3molであることが好ましい。
フッ素化合物としては、三フッ化ホウ素のエーテル、アルコール、又はこれらの混合物の錯体、あるいはフッ化水素のエーテル、アルコール、又はこれらの錯体の混合物が好ましく用いられる。特に好ましいものとして、三フッ化ホウ素ジエチルエーテレート、三フッ化ホウ素ジブチルエーテレート、フッ化水素ジエチルエーテレート、及びフッ化水素ジブチルエーテレートを挙げることができる。フッ素化合物の添加量は、共役ジエン系モノマー1mol当たり1×10−4〜1molであることが好ましい。
共役ジエン系モノマーを1,4−シス重合する温度は、0℃を超えて100℃以下、好ましくは10〜100℃、さらに好ましくは20〜100℃である。重合時間は、10分〜2時間の範囲が好ましい。また、1,4−シス重合後のポリマー濃度が5〜26重量%となるように、1,4−シス重合を行うことが好ましい。重合は、重合槽(重合器)内にて溶液を攪拌混合して行う。重合に用いる重合槽としては、高粘度液攪拌装置付きの重合槽、例えば特公昭40−2645号公報に記載された装置を用いることができる。
また、触媒成分の添加順序に特に制限はないが、水と第1の有機アルミニウムとをあらかじめ混合し、熟成して用いることが特に好ましい。熟成時間は0.1〜24時間、熟成温度は0〜80℃が好ましい。
1,4−シス重合時に、公知の分子量調節剤、例えばシクロオクタジエン、アレン、メチルアレン(1,2−ブタジエン)などの非共役ジエン類、又はエチレン、プロピレン、ブテン−1などのα−オレフィン類を使用することができる。また、重合時のゲルの生成をさらに抑制するため、公知のゲル化防止剤を使用することができる。
1,4−シス重合で得られる共役ジエン系ポリマーのシス−1,4構造含有率は90%以上、特に95%以上であることが好ましい。ムーニー粘度(ML1+4,100℃、以下「ML1+4」とする。)は10〜130が好ましく、特に15〜80が好ましい。5%トルエン溶液粘度(Tcp)は、25〜400であることが好ましい。また、1,4−シス重合で得られる共役ジエン系ポリマーは、実質的にゲル分を含有しないことが好ましい。
(ビニル重合工程(b))
本発明に係るビニル・シス−ポリブタジエンの製造方法において、ビニル重合工程(b)は、上記シス重合工程(a)で得られた重合反応混合物を用い、引き続きこの重合系で、第2の有機アルミニウム、二硫化炭素及び1,2重合触媒を添加して1,2−ビニル重合、特に好ましくは、シンジオタクチック−1,2重合する。その際に、得られた1,4−シス重合物には、さらに共役ジエン系モノマーを添加しても添加しなくてもよいが、生産性を高める観点から添加することが好ましい。添加する場合には、上記シス重合工程(a)で得られた重合反応混合物100重量部当たり1〜50重量部、好ましくは1〜20重量部の共役ジエン系モノマーを添加することが好ましく、これにより、1,2−ビニル重合時の1,2−ポリブタジエンの収量を増大させることができる。
ビニル重合工程(b)で添加する第2の有機アルミニウムとしては、一般式AlRにより表される有機アルミニウム化合物が好ましく、具体的には、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリn−ヘキシルアルミニウム及びトリフェニルアルミニウムなどが好適である。上記有機アルミニウム化合物は、共役ジエン系モノマー1mol当たり0.1mmol以上、特に0.5〜50mmolが好ましい。なお、第2の有機アルミニウムとして、上記第1の有機アルミニウムの残部を用いることもできる。
二硫化炭素の濃度は、20mmol/L以下、特に好ましくは0.01〜10mmol/Lである。二硫化炭素の代替として、公知のイソチオシアン酸フェニルやキサントゲン酸化合物を使用してもよい。水は、有機アルミニウム化合物と接触させた後、重合系に添加することが好ましい。水の添加量は、第2の有機アルミニウム1mol当たり0.1〜1.5molが好ましい。
1,2重合触媒としては、遷移金属触媒であることが好ましく、特に、可溶性コバルト化合物を好適に用いることができる。可溶性コバルト化合物としては、上記1,4重合触媒として添加したものと同様のものが挙げられる。本発明に係るビニル・シス−ポリブタジエンの製造方法においては、前記共役ジエン系モノマー1molに対する1,2重合触媒の添加量が0.1〜2.4μmolの範囲内が好ましく、0.2〜2.3μmolがより好ましく、0.3〜2.2μmolが特に好ましい。遷移金属触媒の添加量が上記範囲より多いと、遷移金属触媒に対する共役ジエン系モノマーが少なくなるので、得られるシンジオタクチック−1,2構造が多く、且つ得られる樹脂成分の分子量が低くなってしまう。一方、シンジオタクチック−1,2構造の分子量を上げるという観点からすれば、遷移金属触媒の添加量は少なくても構わないが、上記範囲より少ない場合には得られる樹脂成分の収量が減ってしまう。上記共役ジエン系モノマー1molに対する1,2重合触媒の添加量は、1,2−ビニル重合の際にさらに共役ジエン系モノマーを添加した場合には、添加された共役ジエン系モノマーも含んだ共役ジエン系モノマー1molに対する1,2重合触媒の添加量とする。
また、前記第1及び第2の有機アルミニウムからなる全有機アルミニウム1molに対する前記1,2重合触媒の添加量が0.0001〜0.0030molの範囲内が好ましく、0.0002〜0.0020molがより好ましく、0.0003〜0.0012molが特に好ましい。上記範囲外では、シンジオタクチック−1,2重合を制御することが困難なため好ましくない。本発明においては、上記共役ジエン系モノマー1molに対する1,2重合触媒の添加量の調整、及び上記第1及び第2の有機アルミニウムからなる全有機アルミニウム1molに対する1,2重合触媒の添加量の調整を行うことにより、容易に沸騰n−ヘキサン不溶分(HI)を低く調整することができる。
1,2−ビニル重合する温度は、−5〜100℃が好ましく、特に−5〜80℃が好ましい。重合時間は、10分〜2時間の範囲が好ましい。1,2−ビニル重合後のポリマー濃度が9〜29重量%となるように、1,2−ビニル重合を行うことが好ましい。重合は重合槽(重合器)内にて重合溶液を攪拌混合して行う。1,2−ビニル重合に用いる重合槽としては、1,2−ビニル重合中は更に高粘度となり、ポリマーが付着しやすいので、高粘度液攪拌装置付きの重合槽、例えば特公昭40−2645号公報に記載された装置を用いることができる。
重合反応が所定の重合率に達した後、常法に従って公知の老化防止剤を添加することができる。老化防止剤としては、フェノール系の2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)、リン系のトリノニルフェニルフォスファイト(TNP)、並びに硫黄系の4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール及びジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート(TPL)などが挙げられる。これらを単独でも2種以上組み合わせて用いてもよく、老化防止剤の添加はビニル・シス−ポリブタジエン100重量部に対して0.001〜5重量部である。
重合反応は、重合溶液にメタノール及びエタノールなどのアルコール、又は水などの極性溶媒を大量に投入する方法、塩酸及び硫酸などの無機酸、酢酸及び安息香酸などの有機酸、又は塩化水素ガスを重合溶液に導入する方法など、それ自体公知の方法を用いて停止する。次いで、通常の方法に従い、生成したビニル・シス−ポリブタジエンを分離、洗浄、続いて乾燥する。
また、本発明に係るビニル・シス−ポリブタジエンゴムの製造方法によって製造されたビニル・シス−ポリブタジエンの沸騰n−ヘキサン不溶分(HI)は、3〜9重量%であり、3.4〜6.5重量%がより好ましい。上記範囲外では、耐摩耗性、低発熱性に劣り、押出量が少なく、加工性に劣るため好ましくない。一般に、HIを低くすると生産性が低下してしまう問題があるが、本発明の製造方法によれば、上述のとおり、1,4−シス重合における水に対する有機アルミニウム及び有機ハロゲン化合物の全添加量、第1の有機アルミニウムと有機ハロゲン化合物の比率、原料となる共役ジエン系モノマーに対する1,2−ビニル重合における触媒の添加量、並びに1,4−シス重合及び1,2−ビニル重合において添加する全有機アルミニウムに対する1,2−ビニル重合における触媒の添加量を調整することにより、容易に低HIへと調整したビニル・シス−ポリブタジエンゴムを生産性良く製造することが可能となる。
また、沸騰n−ヘキサン可溶分は、ミクロ構造のシス−1,4構造が80%以上が好ましい。
本発明に係るビニル・シス−ポリブタジエンの製造方法によって製造されたビニル・シス−ポリブタジエンのシンジオタクチック−1,2重合体の融点は100〜220℃が好ましく、170〜210℃が特に好ましい。
また、沸騰n−ヘキサン可溶分の5重量%トルエン溶液粘度(Tcp)と100℃におけるムーニー粘度(ML1+4)との比(Tcp/ML1+4)は、2.1以下であることが好ましく、1.0〜2.1であることがより好ましく、1.5〜2.05が特に好ましい。
また、RPA2000型試験機(アルファテクノロジーズ社製)を用いてLAOS測定方法により測定した長鎖分岐指数(LCB Index)は、4.10〜5.90が好ましく、4.30〜5.70がより好ましく、4.50〜5.50が特に好ましい。RPA2000型試験機(アルファテクノロジーズ社製)を用いてLAOS測定方法により測定した長鎖分岐指数(LCB Index)とは、溶解ポリマーのダイナミック特性において、近似した特徴を持つ長鎖分岐(LCB)と分子量分布の挙動から、分子量分布による影響を取り除いたより正確な長鎖分岐の指数を示す。なお、LCB Indexの詳細については、“FT-Rheology, a Tool to Quantify Long Chain Branching (LCB) in Natural Rubber and its Effect on Mastication, Mixing Behaviour and Final Properties.”(Henri G. Burhin, Alpha Technologies, UK 15 Rue du Culot B-1435 Hevillers, Belgium)などを参照することができる。LCB Indexが4.10未満では、配合時の混練機での発熱量が大きくなり、ヤケ問題や連続生産が困難であり、5.90を超えると配合物を押し出した際のスウェルが大きくなり、寸法安定性が劣るため好ましくない。
また、シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエン(SPB)による補強効果は、補強ポリブタジエンゴム(すなわち、得られたビニル・シス−ポリブタジエン)のムーニー粘度と沸騰n−ヘキサン可溶分のムーニー粘度の差(ΔML1+4)を沸騰n−ヘキサン不溶分(HI)の量で割った値(ΔML1+4/HI)で表すことができる。すなわち、ΔML1+4/HIが大きいほど補強効果が高いことを示す。しかしながら、補強性が高すぎると粘度が高くなりすぎ、加工性に悪影響を及ぼすため好ましくない。
さらにまた、剛性率(G*)は、250〜500kPaが好ましく、260〜490kPaがより好ましい。この数値が250kPaより低いとSPBの補強が得られず、例えばコールドフロー性等が悪くなる。一方、この数値が500kPaより高くなると弾性率が高く加工性が劣る。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、これらは本発明の目的を限定するものではない。なお、各物性の測定方法は次のとおりである。
(1)ムーニー粘度(ML1+4):JIS K6300に準じて100℃で測定した。なお、表3中「1,4−シス重合後ML1+4」は、沸騰n−ヘキサン可溶分のムーニー粘度を測定した。
(2)沸騰n−ヘキサン不溶分(HI):示差走査熱量計(DSC)により測定した融解熱量から、あらかじめ作成した融解熱量と実測のHIとの検量線を用いて算出した。実測HIは、2gのビニル・シス−ポリブタジエンを200mlのn−ヘキサンで4時間ソックスレー抽出した後の抽出残部の重量%である。
(3)SPB融点(Tm):示差走査熱量計(DSC)による吸熱曲線のピーク温度により決定した。
(4)沸騰n−ヘキサン可溶分の5%トルエン溶液粘度(Tcp):沸騰n−ヘキサン可溶分を5%になるようにトルエンに溶解して、キャノンフェンスケ粘度計を用いて25℃で測定した。
(5)長鎖分岐指数(LCB Index):RPA2000型試験機(アルファテクノロジーズ社製)を用いてLAOS測定方法により測定した。
(6)押出し生産性Index:経験則から導き出した以下の計算式よりゴム組成物での押出し生産性を算出し、比較例2を指数100として算出した。
Figure 0005447708
(7)VCR生産性:収量を使用した重合触媒及びモノマーで除した値とし、比較例2を指数100として算出した。
(8)剛性指数(G*):100℃において、Alpha Technologies Mooney viscometerを用いて、周波数100cpm、歪み2.79%の条件下にて5分間のウォームアップを行った後、同一温度条件下、歪10%、2〜250cpmの周波数掃引で行った実験より得た。G*は、周波数250cpmにおけるG*の数値である。
(実施例1)
表1及び2に示す配合で、ビニル・シス−ポリブタジエンを作製した。具体的には、内容量1.5Lのオートクレーブに、予めモレキュラーシーブスで脱水処理したシクロヘキサン、1,3−ブタジエン、シスおよびトランス−2−ブテンを主成分とするC4留分の重量比が37/32/31となるよう調整した混合溶液600mLを入れ、窒素置換した。この溶液に水1.02mmolを加えて30分間攪拌後、1,5−シクロオクタジエン7.68mmol、トリエチルアルミニウム(TEA:有機ハロゲン化合物)0.42mmolおよびジエチルアルミニウムクロライド(DEAC:第1有機Al)1.8mmolを加えて5分間攪拌した。溶液を60℃にしてコバルトオクトエート(1,4重合Co触媒)5.5μmolを加えて20分間1,4−シス重合を行った。その後、トリエチルアルミニウム(TEA:第2有機Al)2.7mmolを加えて60℃とし、水1.20mmolを加えて5分間攪拌後、コバルトオクトエート(1,2重合Co触媒)0.0018mmolを加えて2分間攪拌し、さらに、二硫化炭素0.15mmolを加えることで、20分間シンジオタクチック−1,2重合を行った。所定時間経過後、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾールを含むメタノールを加えて重合を停止し、重合物を回収、乾燥してビニル・シス−ポリブタジエンを得た。得られたビニル・シス−ポリブタジエンのHIは、3.8重量%であった。その他の結果は表3に示した。なお、表1及び2は、全ての単位をmol/Lに換算した値を示した。
(実施例2)
シンジオタクチック−1,2重合の際に追加するコバルトオクトエートを0.0048mmolとした以外は、実施例1と同様にしてビニル・シス−ポリブタジエンを得た。得られたビニル・シス−ポリブタジエンのHIは、5.6重量%であった。その他の結果は表3に示した。
(比較例1)
表1及び2に示す配合で、ビニル・シス−ポリブタジエンを作製した。具体的には、内容量1.5Lのオートクレーブに、予めモレキュラーシーブスで脱水処理したシクロヘキサン、1,3−ブタジエン、シスおよびトランス−2−ブテンを主成分とするC4留分の重量比が37/32/31となるよう調整した混合溶液1000mLを入れ、窒素置換した。この溶液に水2.00mmolを加えて30分間攪拌後、1,5−シクロオクタジエン12.2mmol、トリエチルアルミニウム(TEA:有機ハロゲン化合物)0.70mmolおよびジエチルアルミニウムクロライド(DEAC:第1有機Al)2.30mmolを加えて5分間攪拌した。溶液を60℃にしてコバルトオクトエート(1,4重合Co触媒)4.3μmolを加えて20分間1,4−シス重合を行った。その後、トリエチルアルミニウム(TEA:第2有機Al)3.9mmolを加えて60℃とし、5分間攪拌後、コバルトオクトエート(1,2重合Co触媒)0.043mmolを加えて2分間攪拌し、さらに、二硫化炭素0.25mmolを加えることで、20分間シンジオタクチック−1,2重合を行った。所定時間経過後、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾールを含むメタノールを加えて重合を停止し、重合物を回収、乾燥してビニル・シス−ポリブタジエンを得た。得られたビニル・シス−ポリブタジエンのHIは、13.8重量%であった。その他の結果は表3に示した。
(比較例2)
シンジオタクチック−1,2重合の際に追加するコバルトオクトエートを0.006mmolとした以外は、実施例1と同様にしてビニル・シス−ポリブタジエンゴムを得た。得られたビニル・シス−ポリブタジエンのHIは、6.7重量%であった。その他の結果は表3に示した。
(比較例3)
内容量1.5Lのオートクレーブに、予めモレキュラーシーブスで脱水処理したシクロヘキサン、1,3−ブタジエン、シスおよびトランス−2−ブテンを主成分とするC4留分の重量比が45/30/25となるよう調整した混合溶液600mLを入れ、窒素置換した。この溶液に水1.74mmolを加えて30分間攪拌後、1,5−シクロオクタジエン4.8mmol、ジエチルアルミニウムクロライド(DEAC:第1有機Al)0.96mmol及びトリエチルアルミニウム(TEA:有機ハロゲン化合物)0.96mmolを加えて5分間攪拌した。溶液を60℃にしてコバルトオクトエート(1,4重合Co触媒)4.8μmolを加えて20分間1,4−シス重合を行った。その後、トリエチルアルミニウム(TEA:第2有機Al)2.7mmolを加えて60℃とし、水1.2mmolを加えて5分間攪拌後、コバルトオクトエート(1,2重合Co触媒)0.006mmolを加えて2分間攪拌し、さらに、二硫化炭素0.15mmolを加えることで、20分間シンジオタクチック−1,2重合を行った。所定時間経過後、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾールを含むメタノールを加えて重合を停止し、重合物を回収、乾燥してビニル・シス−ポリブタジエンを得た。得られたビニル・シス−ポリブタジエンのTcp/ML1+4は、2.16であった。その他の結果は表3に示した。
(比較例4)
内容量1.5Lのオートクレーブに、予めモレキュラーシーブスで脱水処理したシクロヘキサン、1,3−ブタジエン、シスおよびトランス−2−ブテンを主成分とするC4留分の重量比が25/30/45となるよう調整した混合溶液600mLを入れ、窒素置換した。この溶液に水1.28mmolを加えて30分間攪拌後、1,5−シクロオクタジエン6.36mmol、ジエチルアルミニウムクロライド(DEAC:第1有機Al)1.8mmolを加えて5分間攪拌した。溶液を60℃にしてコバルトオクトエート(1,4重合Co触媒)4.44μmolを加えて20分間1,4−シス重合を行った。その後、トリエチルアルミニウム(TEA:第2有機Al)2.7mmolを加えて60℃とし、水1.2mmolを加えて5分間攪拌後、コバルトオクトエート(1,2重合Co触媒)0.0258mmolを加えて2分間攪拌し、さらに、二硫化炭素0.15mmolを加えることで、20分間シンジオタクチック−1,2重合を行った。所定時間経過後、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾールを含むメタノールを加えて重合を停止し、重合物を回収、乾燥してビニル・シス−ポリブタジエンを得た。得られたビニル・シス−ポリブタジエンのTcp/ML1+4は、2.17であった。その他の結果は表3に示した。
Figure 0005447708
Figure 0005447708
Figure 0005447708
以上より、水に対する第1有機Alと有機ハロゲン化合物の全添加量、第1有機Alに対する有機ハロゲン化合物の添加量、1,3−ブタジエンに対する1,2−重合Co触媒の添加量、並びに第1及び第2有機Alの合計有機Alに対する1,2−重合Co触媒の添加量を調整することで、容易にHIを低く調整することができ、生産性よく安定的に低HIのビニル・シス−ポリブタジエンが得られることが分かる。

Claims (3)

  1. 沸騰n−ヘキサン不溶分(HI)が3〜9重量%であるビニル・シス−ポリブタジエンの製造方法であって、
    共役ジエン系モノマー及び溶媒を含む共役ジエン系モノマー溶液に水、第1の有機アルミニウム、有機ハロゲン化合物及び1,4重合触媒を添加して前記共役ジエン系モノマーを1,4−シス重合するシス重合工程(a)と、
    該シス重合工程(a)の後に第2の有機アルミニウム、二硫化炭素及び1,2重合触媒を添加して1,2−ビニル重合するビニル重合工程(b)とを有し、
    (1)前記水1molに対する前記第1の有機アルミニウム及び前記有機ハロゲン化合物の全添加量が1.5〜3.0molであり、
    (2)前記第1の有機アルミニウムが非ハロゲン化有機アルミニウム化合物であり、前記非ハロゲン化有機アルミニウム化合物1molに対する前記有機ハロゲン化合物の添加量が1.5〜9.0molであり、
    (3)前記共役ジエン系モノマー1molに対する前記1,2重合触媒の添加量が0.1〜2.4μmolであり、
    (4)前記第1及び第2の有機アルミニウムからなる全有機アルミニウム1molに対する前記1,2重合触媒の添加量が0.0001〜0.0030molであることを特徴とするビニル・シス−ポリブタジエンの製造方法。
  2. 前記1,2重合触媒が、遷移金属触媒であることを特徴とする請求項1に記載のビニル・シス−ポリブタジエンの製造方法。
  3. 前記共役ジエン系モノマーが、1,3−ブタジエンであることを特徴とする請求項1又は2記載のビニル・シス−ポリブタジエンの製造方法。
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