JP2005247899A - ゴム組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】特定のゴム分成分と特定の1,2−ポリブタジエン結晶繊維からなるビニル・シスポリブタジエンゴムおよび天然ゴムからなるゴム組成物であり、種々の特性に優れた性質を示すゴム組成物を提供する。
【解決手段】(A)(1)1,3−ブタジエンとC4 留分を主成分とする不活性有機溶媒との混合物の水分の濃度を調節し、(2)次いで、シス−1,4重合の触媒を前記混合物に添加して1,3−ブタジエンをシス−1,4重合し、(3)次いで、得られた重合反応混合物中に1,2重合触媒を存在させて、1,3−ブタジエンを1,2重合させて得られたビニル・シス−ポリブタジエンゴム1〜300重量部、及び、(B)天然ゴム及び/又は該(A)を除くジエン系合成ゴム100重量部からなることを特徴とするゴム組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、(A)特定の構造を有する短繊維状であり、かつ、融点が170℃以上である1,2−ポリブタジエン結晶繊維と、ゴム分からなるビニル・シスポリブタジエンゴム、および(B)天然ゴム及び/または他のジエン系ゴムからなるゴム組成物に関する。
ポリブタジエンは、いわゆるミクロ構造として、1,4−位での重合で生成した結合部分(1,4−構造)と1,2−位での重合で生成した結合部分(1,2−構造)とが分子鎖中に共存する。1,4−構造は、更にシス構造とトランス構造の二種に分けられる。一方、1,2−構造は、ビニル基を側鎖とする構造をとる。
従来、ビニル・シスポリブタジエンゴム組成物の製造方法は、ベンゼン,トルエン,キシレンなどの芳香族炭化水素,n−ヘキサン,n−ヘプタンなどの脂肪族炭化水素,シクロヘキサン,シクロペンタンなどの脂環族炭化水素,及びこれらのハロゲン化族炭化水素,例えばクロルベンゼン,塩化メチレンなどの不活性有機溶媒で行われてきた。これらの溶媒を用いると重合溶液の粘度が高く撹拌,伝熱,移送などに問題があり,溶媒の回収には過大なエネルギーが必要であった。又,前記溶媒は毒性の為,発癌作用の為に環境にとって非常に危険性のあるものであった。
上記の製造方法としては、前記の不活性有機溶媒中で水,可溶性コバルト化合物と一般式AlRn3−n(但しRは炭素数1〜6のアルキル基,フェニル基又はシクロアルキル基であり,Xはハロゲン元素であり,nは1.5〜2の数字)で表せる有機アルミニウムクロライドから得られた触媒を用いて1,3−ブタジエンをシス1,4重合してBRを製造して,次いでこの重合系に1,3−ブタジエン及び/または前記溶媒を添加するか或いは添加しないで可溶性コバルト化合物と一般式AlR3(但しRは炭素数1〜6のアルキル基,フェニル基又はシクロアルキル基である)で表せる有機アルミニウム化合物と二硫化炭素とから得られる1,2重合触媒を存在させて1,3−ブタジエンを1,2重合(以下,1,2重合と略す)する方法(例えば、特公昭49−17666号公報(特許文献1),特公昭49−17667号公報(特許文献2)参照)は公知である。
また、例えば、特公昭62−171号公報(特許文献3),特公昭63−36324号公報(特許文献4),特公平2−37927号公報(特許文献5),特公平2−38081号公報(特許文献6),特公平3−63566号公報(特許文献7)には、二硫化炭素の存在下又は不在下に1,3−ブタジエンをシス1,4重合して製造したり,製造した後に1,3−ブタジエンと二硫化炭素を分離・回収して二硫化炭素を実質的に含有しない1,3−ブタジエンや前記の不活性有機溶媒を循環させる方法などが記載されている。更に特公平4−48815号公報(特許文献8)には配合物のダイスウェル比が小さく,その加硫物がタイヤのサイドウォールとして好適な引張応力と耐屈曲亀裂成長性に優れたゴム組成物が記載されている。
また、特開2000−44633号公報(特許文献9)には、n−ブタン,シス2−ブテン,トランス−2−ブテン,及びブテン−1などのC4留分を主成分とする不活性有機溶媒中で製造する方法が記載されている。この方法でのゴム組成物が含有する1,2−ポリブタジエンは短繊維結晶であり、短繊維結晶の長軸長さの分布が繊維長さの98%以上が0.6μm未満であり,70%以上が0.2μm未満であることが記載され、得られたゴム組成物はシス1,4ポリブタジエンゴム(以下,BRと略す)の成形性や引張応力,引張強さ,耐屈曲亀裂成長性などを改良されることが記載されている。
しかしながら、用途によっては、種々の特性が改良されたゴム組成物が求められていた。
特公昭49−17666号公報 特公昭49−17667号公報 特公昭62−171号公報 特公昭63−36324号公報 特公平2−37927号公報 特公平2−38081号公報 特公平3−63566号公報 特公平4−48815号公報 特開2000−44633号公報
本発明は、特定のゴム分成分と特定の1,2−ポリブタジエン結晶繊維からなるビニル・シスポリブタジエンゴムおよび天然ゴムからなるゴム組成物であり、加工性、弾性率、引っ張り伸び、発熱、耐磨耗性、耐亀裂成長性などの優れた性質を示すタイヤ用ゴム組成物を提供することを目的とする。
本発明は、(A)(1)1,3−ブタジエンとC4 留分を主成分とする不活性有機溶媒との混合物の水分の濃度を調節し、
(2)次いで、シス−1,4重合の触媒として、一般式AlRnX3-n(但し、Rは炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基又はシクロアルキル基であり、Xはハロゲン元素であり、nは1.5〜2である。)で表されるハロゲン含有有機アルミニウム化合物と可溶性コバルト化合物とを前記混合物に添加して1,3−ブタジエンをシス−1,4重合し、
(3)次いで、得られた重合反応混合物中に可溶性コバルト化合物と一般式AlR3(但し、Rは炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基又はシクロアルキル基である)で表される有機アルミニウム化合物とニ硫化炭素とから得られる1,2重合触媒を存在させて、1,3−ブタジエンを1,2重合させて得られたビニル・シス−ポリブタジエンゴムが、
(B)天然ゴム及び/又は該(A)を除くジエン系合成ゴム100重量部に対し、1〜300重量部含まれることを特徴とするゴム組成物に関する。
4 留分を主成分とする不活性有機溶媒がn−ブタン,シス−2−ブテン,トランス−2−ブテン,及びブテン−1から選択されるものであることを特徴とする請求項1記載のゴム組成物に関する。
本発明の新規なゴム組成物は、加工性、弾性率、引っ張り伸び、発熱、耐磨耗性、耐亀裂成長性などの優れた性質を示す。
本発明のゴム組成物は、(A)(1)1,3−ブタジエンとC4 留分を主成分とする不活性有機溶媒との混合物の水分の濃度を調節し、
(2)次いで、シス−1,4重合の触媒として、一般式AlRnX3-n(但し、Rは炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基又はシクロアルキル基であり、Xはハロゲン元素であり、nは1.5〜2である。)で表されるハロゲン含有有機アルミニウム化合物と可溶性コバルト化合物とを前記混合物に添加して1,3−ブタジエンをシス−1,4重合し、
(3)次いで、得られた重合反応混合物中に可溶性コバルト化合物と一般式AlR3(但し、Rは炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基又はシクロアルキル基である)で表される有機アルミニウム化合物とニ硫化炭素とから得られる触媒を存在させて、1,3−ブタジエンを重合させて得られたビニル・シス−ポリブタジエンゴムが
(B)天然ゴム及び/又は該(A)を除くジエン系合成ゴム100重量部に対し、1〜300重量部含まれることを特徴とするゴム組成物である。
上記の(A)ビニル・シス−ポリブタジエンゴム成分は、以下の方法で製造できる。
1,3−ブタジエンと炭素数が4のC4 留分を主成分とする不活性媒体は好ましくは1,3−ブタジエンとC4 留分を主成分とする不活性媒体との合計量に対する1,3−ブタジエンの割合が10重量%以上,特に10〜60重量%となるように混合された不活性有機溶媒を用いる。60重量%以上の場合にはビニル・シス−ポリブタジエンゴムの製造方法の制御が困難となり,10重量%以下ではビニル・シス−ポリブタジエンゴムの製造方法の効率が低下するので好ましくない。
炭素数が4のC4 留分(以下,C4 留分と略す)を主成分とする不活性有機溶媒としては,製造されるBRを溶解し,又は溶解しなくても撹拌や移送,伝熱,重合反応槽への付着がなく,触媒の活性に悪影響を及ぼさない不活性媒体であれば特に制限されないが,本発明ではC4 留分を主成分とする不活性有機溶媒が使用される。好ましくはシス−2−ブテン,トランス−2−ブテンを50重量%以上含有し,シス−2−ブテンとトランス−2−ブテン以外に,ブテン−1,n−ブタンなどのC4 留分を主成分とする炭化水素が用いられる。炭素数がC1 〜C3 留分を用いると低温・高圧下でのビニル・シス−ポリブタジエンゴムの製造が必要となり生産性も低下しコスト高になりるので経済的でない。また,ベンゼン,トルエン,キシレン,クロルベンゼンなどの不活性溶媒を使用するとBR中への1,2−ポリブタジエンの短繊維結晶の分散状態が本発明の如く形成されないので,優れたダイスウェル特性や高引張応力,引張強さ,高屈曲亀裂成長性能を発現しないので好ましくない。但し,ベンゼン,トルエン,キシレン,クロルベンゼンなどを,例えば触媒調製用溶媒として使用することはできる。
次に1,3−ブタジエンと前記のC4 留分を主成分とする不活性有機溶媒とを混合して得られた混合媒体中の水分の濃度を調節する。水分は前記媒体中の有機アルミニウムクロライド1モル当たり,好ましくは0.1〜1.0モル,特に好ましくは0.2〜1.0モルの範囲である。この範囲以外では触媒活性が低下したり,シス−1,4構造含有率が低下したり,分子量が異常に低下又は高くなったり,重合時のゲルの発生を抑制することができず,このため重合槽などへのゲルの付着が起り,更に連続重合時間を延ばすことができないので好ましくない。水分の濃度を調節する方法は公知の方法が適用できる。多孔質濾過材を通して添加・分散させる方法(特開平4−85304号公報)も有効である。
1,3−ブタジエンとC4 留分を主成分とする不活性媒体溶液中の水分の濃度を調節して得られた溶液には有機アルミニウムクロライドを添加する。一般式AlRn X3-n で表される有機アルミニウムクロライドの具体例としては,ジエチルアルミニウムモノクロライド,ジエチルアルミニウムモノブロマイド,ジイソブチルアルミニウムモノクロライド,ジシクロヘキシルアルミニウムモノクロライド,ジフェニルアルミニウムモノクロライド,ジエチルアルミニウムセスキクロライドなどを好適に挙げることができる。有機アルミニウムクロライドの使用量の具体例としては,1,3−ブタジエンの全量1モル当たり0.1ミリモル以上,特に0.5〜50ミリモルが好ましい。
次いで,有機アルミニウムクロライドを添加した混合媒体に可溶性コバルト化合物を添加してシス−1,4重合する。可溶性コバルト化合物としては,C4 留分を主成分とする不活性媒体又は液体1,3−ブタジエンに可溶なものであるか又は,均一に分散できる,例えばコバルト(II)アセチルアセトナート,コバルト(III )アセチルアセトナートなどコバルトのβ−ジケトン錯体,コバルトアセト酢酸エチルエステル錯体のようなコバルトのβ−ケト酸エステル錯体,コバルトオクトエート,コバルトナフテネート,コバルトベンゾエートなどの炭素数6以上の有機カルボン酸のコバルト塩,塩化コバルトピリジン錯体,塩化コバルトエチルアルコール錯体などのハロゲン化コバルト錯体などを挙げることができる。可溶性コバルト化合物の使用量は1,3−ブタジエンの1モル当たり0.001ミリモル以上,特に0.005ミリモル以上であることが好ましい。また可溶性コバルト化合物に対する有機アルミニウムクロライドのモル比(Al/Co)は10以上であり,特に50以上であることが好ましい。また,可溶性コバルト化合物以外にもニッケルの有機カルボン酸塩,ニッケルの有機錯塩,有機リチウム化合物、ネオジウムの有機カルボン酸塩,ネオジウムの有機錯塩を使用することも可能である。
シス−1,4重合する温度は0℃を超える温度〜100℃,好ましくは10〜100℃、更に好ましくは20〜100℃までの温度範囲で1,3−ブタジエンをシス−1,4重合する。重合時間(平均滞留時間)は10分〜2時間の範囲が好ましい。シス−1,4重合後のポリマー濃度は5〜26重量%となるようにシス−1,4重合を行うことが好ましい。重合槽は1槽,又は2槽以上の槽を連結して行われる。重合は重合槽(重合器)内にて溶液を攪拌混合して行う。重合に用いる重合槽としては高粘度液攪拌装置付きの重合槽,例えば特公昭40−2645号に記載された装置を用いることができる。
本発明のシス−1,4重合時に公知の分子量調節剤,例えばシクロオクタジエン,アレン,メチルアレン(1,2−ブタジエン)などの非共役ジエン類,又はエチレン,プロピレン,ブテン−1などのα−オレフィン類を使用することができる。又重合時のゲルの生成を更に抑制するために公知のゲル化防止剤を使用することができる。シス−1,4−構造含有率が一般に90%以上,特に95%以上で,ムーニー粘度(ML1+4100℃,以下,MLと略す)10〜130,好ましくは15〜80であり,実質的にゲル分を含有しない。
前記の如くして得られたシス−1,4重合反応混合物に1,3−ブタジエンを添加しても添加しなくてもよい。そして,一般式AlR3 で表せる有機アルミニウム化合物と二硫化炭素,必要なら前記の可溶性コバルト化合物を添加して1,3−ブタジエンを1,2重合して沸点n−ヘキサン可溶分97〜70重量%とH.Iが3〜30重量%とからなるVCRを製造する。一般式AlR3 で表せる有機アルミニウム化合物としてはトリメチルアルミニウム,トリエチルアルミニウム,トリイソブチルアルミニウム,トリn−ヘキシルアルミニウム,トリフェニルアルミニウムなどを好適に挙げることができる。有機アルミニウム化合物は1,3−ブタジエン1モル当たり0.1ミリモル以上,特に0.5〜50ミリモル以上である。二硫化炭素は特に限定されないが水分を含まないものであることが好ましい。二硫化炭素の濃度は20ミリモル/L以下,特に好ましくは0.01〜10ミリモル/Lである。二硫化炭素の代替として公知のイソチオシアン酸フェニルやキサントゲン酸化合物を使用してもよい。
1,2重合する温度は0〜100℃,好ましくは10〜100℃,更に好ましくは20〜100℃までの温度範囲で1,3−ブタジエンを1,2重合する。1,2重合する際の重合系には前記のシス重合液100重量部当たり1〜50重量部,好ましくは1〜20重量部の1,3−ブタジエンを添加することで1,2重合時の1,2−ポリブタジエンの収量を増大させることができる。重合時間(平均滞留時間)は10分〜2時間の範囲が好ましい。1,2重合後のポリマー濃度は9〜29重量%となるように1,2重合を行うことが好ましい。重合槽は1槽,又は2槽以上の槽を連結して行われる。重合は重合槽(重合器)内にて重合溶液を攪拌混合して行う。1,2重合に用いる重合槽としては1,2重合中に更に高粘度となり,ポリマーが付着しやすいので高粘度液攪拌装置付きの重合槽,例えば特公昭40−2645号公報に記載された装置を用いることができる。
重合反応が所定の重合率に達した後,常法に従って公知の老化防止剤を添加することができる。老化防止剤の代表としてはフェノール系の2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT),リン系のトリノニルフェニルフォスファイト(TNP),硫黄系のジラウリル−3,3'−チオジプロピオネート(TPL)などが挙げられる。単独でも2種以上組み合わせて用いてもよく,老化防止剤の添加はVCR100重量部に対して0.001〜5重量部である。次に重合停止剤を重合系に加えて停止する。例えば重合反応終了後,重合停止槽に供給し,この重合溶液にメタノール,エタノールなどのアルコール,水などの極性溶媒を大量に投入する方法,塩酸,硫酸などの無機酸,酢酸,安息香酸などの有機酸,塩化水素ガスを重合溶液に導入する方法などの,それ自体公知の方法である。次いで通常の方法に従い生成したビニル・シス−ポリブタジエンゴムを分離,洗浄,乾燥する。
このようにして得られたビニル・シス−ポリブタジエンゴムは沸騰n−ヘキサン可溶分97〜70重量%とH.Iが3〜30重量%とからなり,沸騰n−ヘキサン可溶分はミクロ構造が90%以上のシス−1,4−ポリブタジエンであり,H.Iの融点が180〜215℃の1,2−ポリブタジエンである。MLは20〜150,好ましくは25〜100である。VCR中に分散した1,2−ポリブタジエンはBRマトリックス中に微細な結晶として均一に分散し,1,2−ポリブタジエンの極微細短繊維結晶により結晶間距離が短縮されてその間にBRを拘束した構造となっており,その短繊維結晶の長軸長さの分布は繊維長さの98%以上が0.6μm未満であり,且つ繊維長さの70%以上が0.2μm未満である。他方,従来のビニル・シス−ポリブタジエンゴムは,その短繊維結晶の長軸長さの分布は繊維長さの98%以上が1.0μm未満であり,且つ繊維長さの70%以上が0.4μm未満であった。明らかに分布が異なっていた。
このようにして得られたビニル・シス−ポリブタジエンゴムを分離取得した残部の未反応の1,3−ブタジエン,不活性媒体及び二硫化炭素を含有する混合物から蒸留により1,3−ブタジエン,不活性媒体として分離して,一方,二硫化炭素を吸着分離処理,あるいは二硫化炭素付加物の分離処理によって二硫化炭素を分離除去し,二硫化炭素を実質的に含有しない1,3−ブタジエンと不活性媒体とを回収する。また,前記の混合物から蒸留によって3成分を回収して,この蒸留から前記の吸着分離あるいは二硫化炭素付着物分離処理によって二硫化炭素を分離除去することによっても,二硫化炭素を実質的に含有しない1,3−ブタジエンと不活性媒体とを回収することもできる。前記のようにして回収された二硫化炭素と不活性媒体とは新たに補充した1,3−ブタジエンを混合して使用される。
本発明による方法で連続運転すると,触媒成分の操作性に優れ,高い触媒効率で工業的に有利にVCRを連続的に長時間製造することができる。特に,重合槽内の内壁や攪拌翼,その他攪拌が緩慢な部分に付着することもなく,高い転化率で工業的に有利に連続製造できる。
上記のようにして得られた(A)ビニル・シス−ポリブタジエンゴム1〜300重量部と、
(B)高シスポリブタジエンゴムや低シスポリブタジエンゴムやスチレン−ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム、及び天然ゴムからなる群から選ばれた少なくとも1種類のゴム100重量部を配合し,必要ならばプロセス油で油展し,次いでカーボンブラックなどの充填剤,加硫剤,加硫促進剤その他通常の配合剤を加えて加硫し,タイヤ用として有用であり,トレッド,サイウォール,スティフナー,ビードフィラー,インナーライナー,カーカスなどに,その他,ホース,ベルトその他の各種工業用品等の機械的特性及び耐摩耗性が要求されるゴム用途に使用される。また,プラスチックスの改質剤として使用することもできる。
本発明により得られるゴム組成物は,従来のベンゼン,トルエン,ヘキサン,シクロヘキサン,クロルベンゼンなどの溶媒を使用した方法で得られたVCRを用いたゴム組成物に比較して硬度や引張応力が向上する。特に100%引張応力の向上が著しく,前記従来の方法で得られたVCRに比較して補強効果が大幅に改善される。
以下に本発明に基づく実施例について具体的に記載する。
評価項目と実施条件
混練方法
下記手順に準じて混練する。
[一次配合]
混練装置:バンバリーミキサー(容量1.7L)
回転数:77rpm
スタート温度:90℃
混練手順:
0分;ビニル・シス−ポリブタジエンゴム投入
0分;フィラー投入
3分;ラムを上げて掃除(15秒)
5分;ダンプ
ダンプ物は引き続き10インチロールにて1分間巻き付け、3回丸め通し後、シート出しした。コンパウンドは2時間以上冷却後、次の手順に準じて二次配合を行った。
[二次配合]
前記一次配合終了後、下記手順に準じて二次配合を行った。
混練装置:10インチロール
ロール温度:40〜50℃
ロール間隙:2mm
混練手順:
(1) 0分;ダンプ物の巻き付け及び硫黄・加硫促進剤の投入
(2) 2分;切り返し
(3) 3分;三角取り・丸め通し後、シート出し
加硫時間
測定装置;JSRキュラストメーター2F型
測定温度;150℃
測定時間;t90×2,×3を加硫時間とした。
加硫条件
加硫装置;プレス加硫
加硫温度; 150℃
[素ゴム物性評価]
ミクロ構造は、赤外吸収スペクトル分析によって行った。シス740cm-1、トランス967cm-1、ビニル910cm-1の吸収強度比からミクロ構造を算出した。
ムーニー粘度(ML1+4)は、JIS K6300に準拠して測定した。
トルエン溶液粘度(Tcp)は、ポリマー2.28gをトルエン50mlに溶解した後、標準液として粘度計校正用標準液(JIS Z8809)を用い、キャノンフェンスケ粘度計No.400を使用して、25℃で測定した。
ηsp/c: ビニル・シス−ポリブタジエンゴムの分子量の尺度
測定温度は135℃、使用溶媒はオルトジクロルベンゼン
ビニル・シス−ポリブタジエンゴムの融点は、示差走査熱量計(DSC)の吸熱曲線のピークポイントにより決定した。
[配合物物性]
ダイスウェル
測定装置;モンサント社製加工性測定装置(MPT)
ダイ形状;円形
L/D;1 , 10(D=1.5mm)
測定温度;100℃
せん断速度;100sec−1
[加硫物物性]
硬度及び引張強度は、JIS−K−6301に規定されている測定法に従って測定した。
屈曲亀裂成長性は上島製作所製の亀裂試験機を用いて、ASTM D813に従い、試験片の亀裂が15mm以上の長さに成長するまでの屈曲回数を測定した。
ガス透過性はJIS K7126に規定されている測定法に従って測定した。
Figure 2005247899
所定の水分を溶解した1,3−ブタジエンを32重量%濃度でシス−2−ブテンを主成分として含有するC4 留分(68重量%)混合媒体(水分;2.09ミリモル/L)を毎時12.5リットル(二硫化炭素20mg/Lを含有する)を20℃に保持された容量2リットルの攪拌機付きステンレス製熟成槽に供給すると共にジエチルアルミニウムクロライド(10重量%のn−ヘキサン溶液,3.13mmol/L)を供給し,この反応槽溶液におけるジエチルアルミニウムクロライド/水モル比を1.5に調製する。得られた熟成液を40℃に保持された容量5リットルの攪拌機付きステンレス製シス重合槽に供給する。このシス重合槽にはコバルトオクトエート(コバルトオクトエート0.0117mmol/L,n−ヘキサン溶液)と分子量調節剤1,2−ブタジエン(1,2−ブタジエン8.2mmol/L;1.535mol/Lのn−ヘキサン溶液)が供給される。得られたシス重合液を内容5リットルのリボン型攪拌機付きステンレス製1,2重合槽に供給し,35℃で10時間連続重合した。この1,2重合槽にはトリエチルアルミニウム(10重量%のn−ヘキサン溶液,4.09mmol/L)を連続的に供給した。得られた重合液を攪拌機付混合槽に供給し,これに2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールをゴムに対して1PHR加え,更にメタノールを少量加え重合を停止した後,未反応1,3−ブタジエン及びC4 留分を蒸発除去し,常温で真空乾燥してVCR8.3kgを得た。このVCRのML=57,H.I=11.1%,H.Iの融点=204.1℃,H.Iのηsp/c=1.84,沸騰n−ヘキサン可溶分のML=30,沸騰n−ヘキサン可溶分のT−cp=62,沸騰n−ヘキサン可溶分のシス−1,4構造=98.5%,Mw =465,000,Mn =188,000,Mw /Mn =2.47であった。透過型電子顕微鏡観察写真から得られた短繊維結晶の長軸長さの分布は繊維長さの98%以上が0.6μm未満であり,且つ繊維長さの70%以上が0.2μm未満でった。
(比較例1)不活性媒体にベンゼン−C4 留分混合溶媒(ベンゼン30重量%とシス−2−ブテンを主成分とするC4 留分39重量%)とした場合のVCR(宇部興産社製,UBEPOL−VCR412,ML=43,H.I=11.1%)であり,H.Iの融点=201.4℃,H.Iのηsp/c=1.87であった。沸騰n−ヘキサン可溶分のML=32,沸騰n−ヘキサン可溶分のシス−1,4構造は97.5%,Mw は483,000,Mn は198,000,Mw /Mn =2.43であった。透過型電子顕微鏡観察写真から得られた短繊維結晶の長軸長さの分布は繊維長さの98%以上が1.0μm未満であり,且つ繊維長さの70%以上が0.4μm未満であった。
表2にビニル・シスポリブタジエンゴム組成物の配合物及び加硫物データを示した。
Figure 2005247899

Claims (2)

  1. (A)(1)1,3−ブタジエンとC4 留分を主成分とする不活性有機溶媒との混合物の水分の濃度を調節し、
    (2)次いで、シス−1,4重合の触媒として、一般式AlRnX3-n(但し、Rは炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基又はシクロアルキル基であり、Xはハロゲン元素であり、nは1.5〜2である。)で表されるハロゲン含有有機アルミニウム化合物と可溶性コバルト化合物とを前記混合物に添加して1,3−ブタジエンをシス−1,4重合し、
    (3)次いで、得られた重合反応混合物中に可溶性コバルト化合物と一般式AlR3(但し、Rは炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基又はシクロアルキル基である)で表される有機アルミニウム化合物とニ硫化炭素とから得られる1,2重合触媒を存在させて、1,3−ブタジエンを1,2重合させて得られたビニル・シス−ポリブタジエンゴムが、
    (B)天然ゴム及び/又は該(A)を除くジエン系合成ゴム100重量部に対し、1〜300重量部含まれることを特徴とするゴム組成物。
  2. 4 留分を主成分とする不活性有機溶媒がn−ブタン,シス−2−ブテン,トランス−2−ブテン,及びブテン−1から選択されるものであることを特徴とする請求項1記載のゴム組成物。
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