JP5928058B2 - ビニル・シス−ポリブタジエンゴムの製造方法及びビニル・シス−ポリブタジエンゴム - Google Patents
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Description
また本発明のビニル・シス−ポリブタジエンゴムは、更にタイヤにおけるキャップトレッド、ランフラットタイヤのサイド補強層、カーカス、ベルト、チェーファー、ベーストレッド、ビード、スティフナー、インナーライナー等のタイヤ部材や、防振ゴム、ホース、ベルト、ゴムロール、ゴムクーラー、靴底ゴムなどの工業製品、その他のコンポジット、接着剤、プラスチックの改質剤などにも用いる事ができる。
また、特許文献10には、溶解された1,2−ポリブタジエンと、1,3−ブタジエンと、炭化水素を主成分とする不活性有機溶媒との混合物を調製する第1工程と、第1工程で調整された混合物に水、有機アルミニウム化合物及び可溶性コバルト化合物からなる触媒、又は、ニッケル化合物、有機アルミニウム化合物及びフッ素化合物からなる触媒を添加して、1,3−ブタジエンをシス−1,4重合する第2工程と、第2工程で得られた重合反応混合物中の1,3−ブタジエンをシンジオタクチック−1,2重合する第3工程と、を備えたことを特徴とするビニル・シス−ポリブタジエンゴムの製造方法が開示されている。この方法により製造されたゴム組成物はマトリクス成分であるシス−ポリブタジエンゴム中への1,2−ポリブタジエンの分散性が著しく向上しており、押出加工性及び引張応力を改良するものであることが記載されている。
サイドウォールゴムの損失係数を低減する方法としては、低補強性のカーボンブラックの使用やカーボンブラックの配合量の低減が考えられるが、押出加工時のダイ・スウェルが大きくなるといった問題が起こってしまい、サイドウォール部材の薄肉化やタイヤのユニフォーミティー向上を実現する事が難しくなってしまう。そのため、押出物のダイ・スウェルを小さく保ちながら低燃費性を実現する方法が望まれていた。
(A)(1)1,2−ポリブタジエンを1,3−ブタジエンと炭化水素系有機溶剤を主成分としてなる混合物に溶解させた混合溶液を調製し、当該混合溶液に水、有機アルミニウム化合物と可溶性コバルト化合物から得られるシス−1,4重合触媒を添加して1,3−ブタジエンをシス−1,4重合する工程、引き続き、(2)得られた重合反応混合物中に可溶性コバルト化合物と一般式AlR3(但し、Rは炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基又はシクロアルキル基である)で表される有機アルミニウム化合物とニ硫化炭素とから得られる触媒を存在させて、1,3−ブタジエンを60℃未満で1,2重合する工程から得られたビニル・シス−ポリブタジエン、及び、
(B)シス−1,4重合触媒を添加して1,3−ブタジエンをシス−1,4重合する工程で得られたシス−ポリブタジエンを混合することを特徴とするビニル・シス−ポリブタジエンゴムの製造方法に関する。
(A)(1)1,2−ポリブタジエンを1,3−ブタジエンと炭化水素系有機溶剤を主成分としてなる混合物に溶解させた混合溶液を調製し、当該混合溶液に水、有機アルミニウム化合物と可溶性コバルト化合物から得られるシス−1,4重合触媒を添加して1,3−ブタジエンをシス−1,4重合する工程、引き続き、(2)得られた重合反応混合物中に可溶性コバルト化合物と一般式AlR3(但し、Rは炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基又はシクロアルキル基である)で表される有機アルミニウム化合物とニ硫化炭素とから得られる触媒を存在させて、1,3−ブタジエンを60℃未満で1,2重合する工程から得られたビニル・シス−ポリブタジエン溶液、及び、
(B)シス−1,4重合触媒を添加して1,3−ブタジエンをシス−1,4重合する工程で得られたシス−ポリブタジエンを混合することを特徴とするビニル・シス−ポリブタジエンゴムの製造方法。
(A)(1)1,2−ポリブタジエンを1,3−ブタジエンと炭化水素系有機溶剤を主成分としてなる混合物に溶解させた混合溶液を調製し、当該混合溶液に水、有機アルミニウム化合物と可溶性コバルト化合物から得られるシス−1,4重合触媒を添加して1,3−ブタジエンをシス−1,4重合する工程、引き続き、(2)得られた重合反応混合物中に可溶性コバルト化合物と一般式AlR3(但し、Rは炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基又はシクロアルキル基である)で表される有機アルミニウム化合物とニ硫化炭素とから得られる触媒を存在させて、1,3−ブタジエンを60℃未満で1,2重合する工程から得られたビニル・シス−ポリブタジエン溶液、及び、
(B)シス−1,4重合触媒を添加して1,3−ブタジエンをシス−1,4重合する工程で得られたシス−ポリブタジエン溶液を混合することを特徴とするビニル・シス−ポリブタジエンゴムの製造方法に関する。
(A)(1)1,2−ポリブタジエンを1,3−ブタジエンと炭化水素系有機溶剤を主成分としてなる混合物に溶解させた混合溶液を調製し、当該混合溶液に水、有機アルミニウム化合物と可溶性コバルト化合物から得られるシス−1,4重合触媒を添加して1,3−ブタジエンをシス−1,4重合する工程、引き続き、(2)得られた重合反応混合物中に可溶性コバルト化合物と一般式AlR3(但し、Rは炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基又はシクロアルキル基である)で表される有機アルミニウム化合物とニ硫化炭素とから得られる触媒を存在させて、1,3−ブタジエンを60℃未満で1,2重合する工程から得られたビニル・シス−ポリブタジエン、及び、
(B)シス−1,4結合を80%以上含有し、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)20〜80を有するシス−ポリブタジエンを1,3−ブタジエンおよび/または炭化水素系有機溶剤を主成分としてなる混合物に溶解させる工程で得られたシス−ポリブタジエン溶液を混合することを特徴とするビニル−シスポリブタジエンゴムの製造方法に関する。
(A)(1)1,2−ポリブタジエンを1,3−ブタジエンと炭化水素系有機溶剤を主成分としてなる混合物に溶解させた混合溶液を調製し、当該混合溶液に水、有機アルミニウム化合物と可溶性コバルト化合物から得られるシス−1,4重合触媒を添加して1,3−ブタジエンをシス−1,4重合する工程、引き続き、(2)得られた重合反応混合物中に可溶性コバルト化合物と一般式AlR3(但し、Rは炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基又はシクロアルキル基である)で表される有機アルミニウム化合物とニ硫化炭素とから得られる触媒を存在させて、1,3−ブタジエンを60℃未満で1,2重合する工程から得られたビニル・シス−ポリブタジエン溶液、及び、
(B)シス−1,4結合を80%以上含有し、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)20〜80を有するシス−ポリブタジエンを1,3−ブタジエンおよび/または炭化水素系有機溶剤を主成分としてなる混合物に溶解させる工程で得られたシス−ポリブタジエン溶液を混合することを特徴とするビニル−シスポリブタジエンゴムの製造方法に関する。
該1,2−ポリブタジエンの融点が60℃〜150℃であることを特徴とする前記のビニル・シス−ポリブタジエンゴムの製造方法に関する。
ビニル・シス−ポリブタジエンゴムに対する該1,2−ポリブタジエンの添加量が20%以下であることを特徴とする前記のビニル・シス−ポリブタジエンゴムの製造方法に関する。
シス−1,4重合で得られたポリブタジエン高分子量成分の割合が5〜25%であり、前記高分子量成分の割合は当該ポリブタジエンをゲル浸透クロマトグラフィーで測定し、得られた溶出曲線を低分子量成分と高分子量成分にピーク分離することにより求めること、を特徴とする前記のビニル・シス−ポリブタジエンゴムの製造方法に関する。
前記(1)〜(8)いずれか記載のビニル・シス−ポリブタジエンゴムの製造方法によって製造されたビニル・シス−ポリブタジエンゴムに関する。
炭化水素系溶媒としては,トルエン、ベンゼン、キシレン等の芳香族系炭化水素、n−ヘキサン、ブタン、ヘプタン、ペンタン等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素、上記のオレフィン化合物やシス−2−ブテン、トランス−2−ブテン等のオレフィン系炭化水素、ミネラルスピリット、ソルベントナフサ、ケロシン等の炭化水素系溶媒、塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素系溶媒等が挙げられる。1,3−ブタジエンモノマーそのものを重合溶媒として用いてもよい。
前記1,2−ポリブタジエンの具体例としては、例えば、特開平2−158610号、特開平5−194656号、特開平6−25311号、特開平6−25312号、特開平6−93012号、特開平6−116318号、特開平6−128301号、特開平6−293852号、特開平8−208722号にそれぞれ記載の方法で合成することができるシンジオタクチック−1,2−ポリブタジエンが挙げられる。
有機アルミニウム化合物の使用量の具体例としては,1,3−ブタジエンの全量1モル当たり0.1ミリモル以上,特に0.5〜50ミリモルが好ましい。
シス−ポリブタジエン高分子量成分とは、GPC測定結果から得た二つのピークトップを持つ溶出曲線を市販の波形分離ソフトを用いて分割し、得られた二つの曲線のうち高分子量側のものを言う。
沸騰n−ヘキサン可溶分はミクロ構造が90%以上のシス1,4−ポリブタジエンである。
本発明で使用される上記(A)の製造方法、すなわち、シス−1,4重合触媒を添加して1,3−ブタジエンをシス−1,4重合する工程と同様にして製造できる。
(1)沸騰n−ヘキサン不溶分(H.I.);示差走査熱量計(島津製作所製、DSC−50)により測定した融解熱量と、実測H.I測定法で得られたH.Iの検量線から求めた。実測H.Iは2gのビニル・シス−ポリブタジエンゴムを200mlのn−ヘキサンにて4時間ソックスレー抽出器によって沸騰抽出した抽出残部を重量部で示した。
(2)沸騰n−ヘキサン不溶分(H.I)の融点、融解熱量及び結晶化温度;試料約10mg、昇温速度10℃/minとした場合の値を示差走査熱量計(島津製作所製、DSC−50)により測定した。
(3)ムーニー粘度;ビニル・シス−ポリブタジエンゴム、及びビニル・シス−ポリブタジエンゴムの配合物をJIS K6300に準じて100℃にて測定した値である。
(4)シス−ポリブタジエンゴムのトルエン溶液粘度;シス−ポリブタジエンの25℃における5重量%トルエン溶液の粘度を測定してセンチポイズ(cp)で示した。
(5)伸張疲労性:定伸張疲労試験機(上島製作所製)を用いて、ダンベル状3号形(JIS−K6251)試験片の中央に0.5mmの傷を入れ、初期歪30%、50%、100%、300回/分の条件で試験片が破断した回数を測定した。市販のビニル・シス−ポリブタジエンゴムであるUBEPOL VCR412(宇部興産株式会社製)を用いた比較例3を100とし、指数を算出した。数値が大きいほど耐疲労性が高いことを示す。
(6)ダイ・スウェル;加工性測定装置(モンサント社、MPT)を用いて配合物の押出加工性の目安として100℃、100sec−1のせん断速度で押出時の配合物の断面積とダイオリフィス断面積(但し、L/D=1.5mm/1.5mm)の比を測定して求めた。また比較例3を100とし、指数を算出した。数値が小さい程押出し加工性が良好なことを示す。
(7)引張弾性率;JIS K6251に従い、引張弾性率M100を測定した。また比較例3を100とし、指数を算出した。数値が大きい程引張応力が高いことを示す。
(7’)引張弾性率;JIS K6251に従い、引張弾性率M300を測定した。また比較例3を100とし、指数を算出した。数値が大きい程引張応力が高いことを示す。
(8)発熱性(tanδ);粘弾性測定装置(アルファテクノロジーズ社製、RPA2000)を用い、温度50℃、周波数1Hz、動歪み3%、10%で測定し、比較例3を100とし、指数を算出した。数値が低い程発熱性が良好なことを示す。
(9)硬度;JIS K6253に準じてタイプAデュロメーターを用いて室温で測定した。比較例3を100として指数を算出した。数値が大きいほど硬度が高く良好な物性であることを示す。
(10)ポリブタジエンゴム中の高分子量成分の割合;シス−1,4重合で得られたポリブタジエンゴム100mgをテトラヒドロフラン50mLに溶解し、ゲル浸透クロマトグラフィー(東ソー株式会社製、HLC−8220 GPC、カラム:KF−805L×2、検出器:RI)を用いて測定し、得られた溶出曲線を市販の波形分離ソフト(ORIGIN Pro8.0)を用い、ピーク検索にてピークトップと分子量10^6.10付近のピーク(もしくはショルダー)を指定し、反復回数500、許容値1E−15で波形分離し、高分子量成分の面積割合を求めた。
(A)ビニル・シス−ポリブタジエンの製造
ヘリカル羽根を備えチッソ置換を終えた1.9Lステンレス製オートクレーブに、示差走査熱量計(島津製作所製、DSC−50)で測定した融点が97.4℃のシンジオタクチック−1,2−ポリブタジエン(低融点SPB)粉末を0.425g導入した後、チッソ置換を5kg/cm2で5回行った。次に、1,3−ブタジエン、2−ブテン及びシクロヘキサンの重量比が32:31:35からなる混合液(FB)を0.5L導入した。撹拌スピードは500回転/分とした。水15.3mgを添加し、60℃で30分間保持し、低融点SPBを溶解した後、30℃とした。次に、1,5−シクロオクタジエン(COD)0.97ml、ジラウリル−3,3’−ジチオプロピオネート(TPL)のシクロヘキサン溶液(0.02M)0.375ml、及びジエチルアルミニウムクロライド(DEAC)のシクロヘキサン溶液(1.0M)1.5mlを添加し、25℃で5分間反応させた。その後、溶液を60℃に昇温し、直ちにオクテン酸コバルト(Co(Oct)2)のシクロヘキサン溶液(5.0mM)0.40mlを添加して、60℃で20分間シス−1,4重合を行った。
次に、トリエチルアルミニウム(TEA)のシクロヘキサン溶液(1.0M)1.95mlを添加し、5分後にオクテン酸コバルト(Co(Oct)2)のシクロヘキサン溶液(0.05M)0.70ml及び二硫化炭素(CS2)のシクロヘキサン溶液(0.25M)0.50mlを添加して、40℃で20分間1,2重合を行った。重合停止は、n−ヘプタンとエタノールの1:1混合液である「イルガノックス」(登録商標)1076(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)の0.2%溶液を0.5ml、及びナフトキノンのエタノール溶液(0.2M)を0.5ml加えて行った。次にオートクレーブを氷水で冷やしながら放圧し、圧力が常圧に戻った後、重合物をバットに回収し、100℃で3時間真空乾燥した。シス−1,4重合条件を表1に、1,2−重合条件を表2に、重合結果を表3に示した。
ヘリカル羽根を備えチッソ置換を終えた5.0Lステンレス製オートクレーブに、1,3−ブタジエン、2−ブテン及びシクロヘキサンの重量比が32:31:35からなる混合液(FB)を2.5L導入した。撹拌スピードは500回転/分とした。水76.7mgを添加し、60℃で30分間保持し、低融点SPBを溶解した後、30℃とした。次に、1,5−シクロオクタジエン(COD)4.48ml、ジラウリル−3,3’−ジチオプロピオネート(TPL)のシクロヘキサン溶液(0.02M)1.875ml、及びジエチルアルミニウムクロライド(DEAC)のシクロヘキサン溶液(2.0M)3.75mlを添加し、25℃で5分間反応させた。その後、溶液を60℃に昇温し、直ちにオクテン酸コバルト(Co(Oct)2)のシクロヘキサン溶液(5.0mM)2.70mlを添加して、60℃で20分間シス−1,4重合を行った。重合停止は、n−ヘプタンとエタノールの1:1混合液である「イルガノックス」(登録商標)1076(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)の0.2%溶液を2.5ml加えて行った。次にオートクレーブを氷水で冷やしながら放圧し、圧力が常圧に戻った後、重合物をバットに回収し、100℃で3時間真空乾燥し、シスポリブタジエン253.2gを得た。このシスポリブタジエンのML粘度は26.1であった。
前述のビニル・シス−ポリブタジエン40g、前述のシスポリブタジエン40gを6インチロール(100℃、ロール間隔0.5mm)で3分間素練りを行い、(A)+(B)混合物ビニル・シス−ポリブタジエンゴム80gを得た。混合条件、得られた(A)+(B)混合物ビニル・シス−ポリブタジエンゴムの物性を表4に示した。
(A)ビニル・シス−ポリブタジエンの製造
シス−1,4重合おいて、低融点SPBの添加量を0.85g、CODの添加量を1.05ml、Co(Oct)2のシクロヘキサン溶液(0.05M)の添加量を0.54mlとした以外は実施例1と同様の手順で重合を行った。シス−1,4重合条件を表1に、1,2−重合条件を表2に、重合結果を表3に示した。
実施例2の(A)で得られたビニル・シスポリブタジエン40g、実施例1で得られたシスポリブタジエン40gを実施例1と同様の手順で混合し、(A)+(B)混合物ビニル・シス−ポリブタジエンゴムを得た。混合条件、得られた(A)+(B)混合物ビニル・シス−ポリブタジエンゴムの物性を表4に示した。
(A)ビニル・シス−ポリブタジエンの製造
シス−1,4重合おいて、低融点SPBの添加量を1.70g、CODの添加量を1.26ml、Co(Oct)2のシクロヘキサン溶液(0.05M)の添加量を0.79mlとした以外は実施例1と同様の手順で重合を行った。シス−1,4重合条件を表1に、1,2−重合条件を表2に、重合結果を表3に示した。
実施例3の(A)で得られたビニル・シスポリブタジエン40g、実施例1で得られたシスポリブタジエン40gを実施例1と同様の手順で混合し、(A)+(B)混合物ビニル・シス−ポリブタジエンゴムを得た。混合条件、得られた(A)+(B)混合物ビニル・シス−ポリブタジエンゴムの物性を表4に示した。
(A)ビニル・シス−ポリブタジエンの製造
シス−1,4重合おいて、低融点SPBを添加せず、CODの添加量を0.96ml、Co(Oct)2のシクロヘキサン溶液(0.05M)の添加量を0.33mlとした以外は実施例1と同様の手順で重合を行った。シス−1,4重合条件を表1に、1,2−重合条件を表2に、重合結果を表3に示した。
比較例1の(A)で得られたビニル・シスポリブタジエン40g、実施例1で得られたシスポリブタジエン40gを実施例1と同様の手順で混合し、(A)+(B)混合物ビニル・シス−ポリブタジエンゴムを得た。混合条件、得られた(A)+(B)混合物ビニル・シス−ポリブタジエンゴムの物性を表4に示した。
(A)ビニル・シス−ポリブタジエン溶液の製造
ヘリカル羽根を備えチッソ置換を終えた1.9Lステンレス製オートクレーブに、示差走査熱量計(島津製作所製、DSC−50)で測定した融点が97.4℃のシンジオタクチック−1,2−ポリブタジエン(低融点SPB)粉末を0.425g導入した後、チッソ置換を5kg/cm2で5回行った。次に、1,3−ブタジエン、2−ブテン及びシクロヘキサンの重量比が32:31:35からなる混合液(FB)を0.5L導入した。撹拌スピードは500回転/分とした。水15.3mgを添加し、60℃で30分間保持し、低融点SPBを溶解した後、30℃とした。次に、1,5−シクロオクタジエン(COD)0.97ml、ジラウリル−3,3’−ジチオプロピオネート(TPL)のシクロヘキサン溶液(0.02M)0.375ml、及びジエチルアルミニウムクロライド(DEAC)のシクロヘキサン溶液(1.0M)1.5mlを添加し、25℃で5分間反応させた。その後、溶液を60℃に昇温し、直ちにオクテン酸コバルト(Co(Oct)2)のシクロヘキサン溶液(5.0mM)0.40mlを添加して、60℃で20分間シス−1,4重合を行った。
次に、トリエチルアルミニウム(TEA)のシクロヘキサン溶液(1.0M)1.95mlを添加し、5分後にオクテン酸コバルト(Co(Oct)2)のシクロヘキサン溶液(0.05M)0.70ml及び二硫化炭素(CS2)のシクロヘキサン溶液(0.25M)0.50mlを添加して、40℃で20分間1,2重合を行った。重合停止は、n−ヘプタンとエタノールの1:1混合液である「イルガノックス」(登録商標)1076(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)の0.2%溶液を0.5ml、及びナフトキノンのエタノール溶液(0.2M)を0.5ml加えて行い、ビニル・シスポリブタジエン溶液を製造した。シス−1,4重合条件を表5に、1,2−重合条件を表6に示した。
ヘリカル羽根を備えチッソ置換を終えた5.0Lステンレス製オートクレーブに、1,3−ブタジエン、2−ブテン及びシクロヘキサンの重量比が32:31:35からなる混合液(FB)を2.5L導入した。撹拌スピードは500回転/分とした。水76.7mgを添加し、60℃で30分間保持し、低融点SPBを溶解した後、30℃とした。次に、1,5−シクロオクタジエン(COD)4.58ml、ジラウリル−3,3’−ジチオプロピオネート(TPL)のシクロヘキサン溶液(0.02M)1.875ml、及びジエチルアルミニウムクロライド(DEAC)のシクロヘキサン溶液(2.0M)3.75mlを添加し、25℃で5分間反応させた。その後、溶液を60℃に昇温し、直ちにオクテン酸コバルト(Co(Oct)2)のシクロヘキサン溶液(5.0mM)2.75mlを添加して、60℃で20分間シス−1,4重合を行った。重合停止は、n−ヘプタンとエタノールの1:1混合液である「イルガノックス」(登録商標)1076(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)の0.2%溶液を2.5ml加えて行った。次にオートクレーブを氷水で冷やしながら放圧し、圧力が常圧に戻った後、重合物をバットに回収し、100℃で3時間真空乾燥し、シスポリブタジエン259.4gを得た。このシスポリブタジエンのML粘度は25.9であった。
ヘリカル羽根を備えた1.9Lステンレス製オートクレーブにシクロヘキサン500ml、実施例4の(B)で得られたシスポリブタジエン50gを加え、攪拌速度を500rpmとした。25℃で5時間保持し、シスポリブタジエン溶液を作製した。この溶液を実施例4の(A)で作製したビニル・シス−ポリブタジエン溶液に加え、攪拌速度を500rpmとし、40℃で30分間保持した。オートクレーブを放圧した後、内容物をバットに回収し、100℃で3時間真空乾燥して(A)+(B)混合物ビニル・シス−ポリブタジエンゴム92.7gを得た。得られた(A)+(B)混合物ビニル・シス−ポリブタジエンゴムの物性を表7に示した。
(A)ビニル・シス−ポリブタジエンの製造
シス−1,4重合おいて、低融点SPBの添加量を0.85g、CODの添加量を1.05ml、Co(Oct)2のシクロヘキサン溶液(0.05M)の添加量を0.54mlとした以外は実施例4と同様の手順で重合を行い、ビニル・シスポリブタジエン溶液を製造した。シス−1,4重合条件を表5に、1,2−重合条件を表6に示した。
ビニル・シス−ポリブタジエン溶液として実施例5の(A)で得られたビニル・シス−ポリブタジエン溶液を用いた以外は実施例4と同様の手順で溶液混合を行い、(A)+(B)混合物ビニル・シス−ポリブタジエンゴム95.2gを得た。得られた(A)+(B)混合物ビニル・シス−ポリブタジエンゴムの物性を表7に示した。
(A)ビニル・シス−ポリブタジエンの製造
シス−1,4重合おいて、低融点SPBの添加量を1.7g、CODの添加量を1.26ml、Co(Oct)2のシクロヘキサン溶液(0.05M)の添加量を0.79mlとした以外は実施例4と同様の手順で重合を行い、ビニル・シスポリブタジエン溶液を製造した。シス−1,4重合条件を表5に、1,2−重合条件を表6に示した。
ビニル・シス−ポリブタジエン溶液として実施例6の(A)で得られたビニル・シス−ポリブタジエン溶液を用いた以外は実施例4と同様の手順で溶液混合を行い、(A)+(B)混合物ビニル・シス−ポリブタジエンゴム94.4gを得た。得られた(A)+(B)混合物ビニル・シス−ポリブタジエンゴムの物性を表7に示した。
(A)ビニル・シス−ポリブタジエンの製造
シス−1,4重合おいて、低融点SPBを添加せず、CODの添加量を0.96ml、Co(Oct)2のシクロヘキサン溶液(0.05M)の添加量を0.33mlとした以外は実施例4と同様の手順で重合を行い、ビニル・シスポリブタジエン溶液を製造した。シス−1,4重合条件を表5に、1,2−重合条件を表6に示した。
ビニル・シス−ポリブタジエン溶液として比較例2の(A)で得られたビニル・シス−ポリブタジエン溶液を用いた以外は実施例4と同様の手順で溶液混合を行い、(A)+(B)混合物ビニル・シス−ポリブタジエンゴム93.7gを得た。得られた(A)+(B)混合物ビニル・シス−ポリブタジエンゴムの物性を表7に示した。
(A)ビニル・シス−ポリブタジエンの製造
ヘリカル羽根を備えチッソ置換を終えた1.9Lステンレス製オートクレーブに、示差走査熱量計(島津製作所製、DSC−50)で測定した融点が97.4℃のシンジオタクチック−1,2−ポリブタジエン(低融点SPB)粉末を0.425g導入した後、チッソ置換を5kg/cm2で5回行った。次に、1,3−ブタジエン、2−ブテン及びシクロヘキサンの重量比が40:31:26からなる混合液(FB)を1.0L導入した。水36.0mgを添加し、撹拌スピードを500回転/分とした。60℃で30分間保持し、低融点SPBを溶解した後、25℃とした。次に、1,5−シクロオクタジエン(COD)2.38ml、及びジエチルアルミニウムクロライド(DEAC)のシクロヘキサン溶液(1.0M)3.0mlを添加し、25℃で5分間反応させた。その後、溶液を45℃に昇温し、直ちにオクテン酸コバルト(Co(Oct)2)のシクロヘキサン溶液(5.0mM)0.82mlを添加して、45℃で20分間シス−1,4重合を行った。オートクレーブからポリマー溶液を少量(1g程度)アルミニウム製の容器に抜き出し、真空乾燥した(100℃で0.5時間真空乾燥)。
次に、トリエチルアルミニウム(TEA)のシクロヘキサン溶液(1.0M)1.95mlを添加し、5分後にオクテン酸コバルト(Co(Oct)2)のシクロヘキサン溶液(0.05M)0.84ml及び二硫化炭素(CS2)のシクロヘキサン溶液(0.25M)1.0mlを添加して、45℃で20分間1,2重合を行った。重合停止は、n−ヘプタンとエタノールの1:1混合液である「イルガノックス」(登録商標)1076(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)の0.2%溶液を0.5ml、及びナフトキノンのエタノール溶液(0.2M)を0.5ml加えて行った。次にオートクレーブを氷水で冷やしながら放圧し、圧力が常圧に戻った後、重合物をバットに回収し、100℃で3時間真空乾燥した。シス−1,4重合条件を表10に、1,2−重合条件を表11に、重合結果を表12に示した。
前述のビニル・シス−ポリブタジエン51g、市販のシスポリブタジエンゴムであるUBEPOL BR14H(宇部興産株式会社製)22gを6インチロール(100℃、ロール間隔0.5mm)で3分間素練りを行い、(A)+(B)混合物ビニル・シス−ポリブタジエンゴム73gを得た。混合条件、得られた(A)+(B)混合物ビニル・シス−ポリブタジエンゴムの物性を表13に示した。
シス−1,4重合おいて、低融点SPBの添加量を3.75g、CODの添加量を2.53ml、Co(Oct)2のシクロヘキサン溶液(5.0mM)の添加量を1.55mlとし、1,2−重合において、Co(Oct)2のシクロヘキサン溶液(0.05M)の添加量を1.85mlとした以外は実施例7と同様の手順で重合を行い、ビニル・シスポリブタジエン溶液を製造した。シス−1,4重合条件を表10に、1,2−重合条件を表11に、重合結果を表12に示した。
前述のビニル・シス−ポリブタジエン70g、市販のシスポリブタジエンゴムであるUBEPOL BR14H(宇部興産株式会社製)30gを6インチロール(100℃、ロール間隔0.5mm)で3分間素練りを行い、(A)+(B)混合物ビニル・シス−ポリブタジエンゴム100gを得た。混合条件、得られた(A)+(B)混合物ビニル・シス−ポリブタジエンゴムの物性を表13に示した。
シス−1,4重合おいて、低融点SPBの添加量を4.50g、CODの添加量を2.68ml、Co(Oct)2のシクロヘキサン溶液(5.0mM)の添加量を2.15mlとし、1,2−重合において、Co(Oct)2のシクロヘキサン溶液(0.05M)の添加量を2.50ml、二硫化炭素(CS2)のシクロヘキサン溶液(0.25M)の添加量を1.25mlとした以外は実施例7と同様の手順で重合を行い、ビニル・シスポリブタジエン溶液を製造した。シス−1,4重合条件を表10に、1,2−重合条件を表11に、重合結果を表12に示した。
前述のビニル・シス−ポリブタジエン70g、市販のシスポリブタジエンゴムであるUBEPOL BR14H(宇部興産株式会社製)30gを6インチロール(100℃、ロール間隔0.5mm)で3分間素練りを行い、(A)+(B)混合物ビニル・シス−ポリブタジエンゴム100gを得た。混合条件、得られた(A)+(B)混合物ビニル・シス−ポリブタジエンゴムの物性を表13に示した。
シス−1,4重合おいて、低融点SPBの添加量を5.00g、CODの添加量を2.70ml、Co(Oct)2のシクロヘキサン溶液(5.0mM)の添加量を2.50mlとし、1,2−重合において、Co(Oct)2のシクロヘキサン溶液(0.05M)の添加量を1.65mlとした以外は実施例7と同様の手順で重合を行い、ビニル・シスポリブタジエン溶液を製造した。シス−1,4重合条件を表10に、1,2−重合条件を表11に、重合結果を表12に示した。
前述のビニル・シス−ポリブタジエン71g、市販のシスポリブタジエンゴムであるUBEPOL BR14H(宇部興産株式会社製)29gを6インチロール(100℃、ロール間隔0.5mm)で3分間素練りを行い、(A)+(B)混合物ビニル・シス−ポリブタジエンゴム100gを得た。混合条件、得られた(A)+(B)混合物ビニル・シス−ポリブタジエンゴムの物性を表13に示した。
シス−1,4重合おいて、低融点SPBの添加量を5.00g、水の添加量を30.8mg、CODの添加量を2.80ml、Co(Oct)2のシクロヘキサン溶液(5.0mM)の添加量を2.60mlとし、1,2−重合において、Co(Oct)2のシクロヘキサン溶液(0.05M)の添加量を1.60mlとした以外は実施例7と同様の手順で重合を行い、ビニル・シスポリブタジエン溶液を製造した。シス−1,4重合条件を表10に、1,2−重合条件を表11に、重合結果を表12に示した。
前述のビニル・シス−ポリブタジエン70g、市販のシスポリブタジエンゴムであるUBEPOL BR14H(宇部興産株式会社製)30gを6インチロール(100℃、ロール間隔0.5mm)で3分間素練りを行い、(A)+(B)混合物ビニル・シス−ポリブタジエンゴム100gを得た。混合条件、得られた(A)+(B)混合物ビニル・シス−ポリブタジエンゴムの物性を表13に示した。
(比較例4)
シス−1,4重合おいて、低融点SPBの添加量を5.00g、水の添加量を27.0mg、CODの添加量を3.20ml、Co(Oct)2のシクロヘキサン溶液(5.0mM)の添加量を3.10mlとし、1,2−重合において、Co(Oct)2のシクロヘキサン溶液(0.05M)の添加量を1.45mlとした以外は実施例7と同様の手順で重合を行い、ビニル・シスポリブタジエン溶液を製造した。シス−1,4重合条件を表10に、1,2−重合条件を表11に、重合結果を表12に示した。
前述のビニル・シス−ポリブタジエン67g、市販のシスポリブタジエンゴムであるUBEPOL BR14H(宇部興産株式会社製)33gを6インチロール(100℃、ロール間隔0.5mm)で3分間素練りを行い、(A)+(B)混合物ビニル・シス−ポリブタジエンゴム100gを得た。混合条件、得られた(A)+(B)混合物ビニル・シス−ポリブタジエンゴムの物性を表13に示した。
シス−1,4重合おいて、低融点SPBの添加量を5.00g、水の添加量を21.6mg、CODの添加量を3.20ml、Co(Oct)2のシクロヘキサン溶液(5.0mM)の添加量を3.61mlとし、1,2−重合において、Co(Oct)2のシクロヘキサン溶液(0.05M)の添加量を1.20mlとした以外は実施例7と同様の手順で重合を行い、ビニル・シスポリブタジエン溶液を製造した。シス−1,4重合条件を表10に、1,2−重合条件を表11に、重合結果を表12に示した。
前述のビニル・シス−ポリブタジエン69g、市販のシスポリブタジエンゴムであるUBEPOL BR14H(宇部興産株式会社製)31gを6インチロール(100℃、ロール間隔0.5mm)で3分間素練りを行い、(A)+(B)混合物ビニル・シス−ポリブタジエンゴム100gを得た。混合条件、得られた(A)+(B)混合物ビニル・シス−ポリブタジエンゴムの物性を表13に示した。
Claims (7)
- (A)(1)1,2−ポリブタジエンを1,3−ブタジエンと炭化水素系有機溶剤を主成分としてなる混合物に溶解させた混合溶液を調製し、当該混合溶液に水、有機アルミニウム化合物と可溶性コバルト化合物から得られるシス−1,4重合触媒を添加して1,3−ブタジエンをシス−1,4重合する工程、引き続き、(2)得られた重合反応混合物中に可溶性コバルト化合物と一般式AlR3(但し、Rは炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基又はシクロアルキル基である)で表される有機アルミニウム化合物と二硫化炭素とから得られる触媒を存在させて、1,3−ブタジエンを60℃未満で1,2重合する工程から得られたビニル・シス−ポリブタジエン、及び、
(B)シス−1,4重合触媒を添加して1,3−ブタジエンをシス−1,4重合する工程で得られたシス−ポリブタジエン
を混合することを特徴とするビニル・シス−ポリブタジエンゴムの製造方法であって、
シス−1,4重合で得られたポリブタジエン高分子量成分の割合が5〜25%であり、前記高分子量成分の割合は当該ポリブタジエンをゲル浸透クロマトグラフィーで測定し、得られた溶出曲線を低分子量成分と高分子量成分にピーク分離することにより求めることを特徴とするビニル・シス−ポリブタジエンゴムの製造方法。 - (A)(1)1,2−ポリブタジエンを1,3−ブタジエンと炭化水素系有機溶剤を主成分としてなる混合物に溶解させた混合溶液を調製し、当該混合溶液に水、有機アルミニウム化合物と可溶性コバルト化合物から得られるシス−1,4重合触媒を添加して1,3−ブタジエンをシス−1,4重合する工程、引き続き、(2)得られた重合反応混合物中に可溶性コバルト化合物と一般式AlR3(但し、Rは炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基又はシクロアルキル基である)で表される有機アルミニウム化合物と二硫化炭素とから得られる触媒を存在させて、1,3−ブタジエンを60℃未満で1,2重合する工程から得られたビニル・シス−ポリブタジエン溶液、及び、
(B)シス−1,4重合触媒を添加して1,3−ブタジエンをシス−1,4重合する工程で得られたシス−ポリブタジエン
を混合することを特徴とするビニル・シス−ポリブタジエンゴムの製造方法であって、
シス−1,4重合で得られたポリブタジエン高分子量成分の割合が5〜25%であり、前記高分子量成分の割合は当該ポリブタジエンをゲル浸透クロマトグラフィーで測定し、得られた溶出曲線を低分子量成分と高分子量成分にピーク分離することにより求めることを特徴とするビニル・シス−ポリブタジエンゴムの製造方法。 - (A)(1)1,2−ポリブタジエンを1,3−ブタジエンと炭化水素系有機溶剤を主成分としてなる混合物に溶解させた混合溶液を調製し、当該混合溶液に水、有機アルミニウム化合物と可溶性コバルト化合物から得られるシス−1,4重合触媒を添加して1,3−ブタジエンをシス−1,4重合する工程、引き続き、(2)得られた重合反応混合物中に可溶性コバルト化合物と一般式AlR3(但し、Rは炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基又はシクロアルキル基である)で表される有機アルミニウム化合物と二硫化炭素とから得られる触媒を存在させて、1,3−ブタジエンを60℃未満で1,2重合する工程から得られたビニル・シス−ポリブタジエン溶液、及び、
(B)シス−1,4重合触媒を添加して1,3−ブタジエンをシス−1,4重合する工程で得られたシス−ポリブタジエン溶液
を混合することを特徴とするビニル・シス−ポリブタジエンゴムの製造方法であって、
シス−1,4重合で得られたポリブタジエン高分子量成分の割合が5〜25%であり、前記高分子量成分の割合は当該ポリブタジエンをゲル浸透クロマトグラフィーで測定し、得られた溶出曲線を低分子量成分と高分子量成分にピーク分離することにより求めることを特徴とするビニル・シス−ポリブタジエンゴムの製造方法。 - (A)(1)1,2−ポリブタジエンを1,3−ブタジエンと炭化水素系有機溶剤を主成分としてなる混合物に溶解させた混合溶液を調製し、当該混合溶液に水、有機アルミニウム化合物と可溶性コバルト化合物から得られるシス−1,4重合触媒を添加して1,3−ブタジエンをシス−1,4重合する工程、引き続き、(2)得られた重合反応混合物中に可溶性コバルト化合物と一般式AlR3(但し、Rは炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基又はシクロアルキル基である)で表される有機アルミニウム化合物と二硫化炭素とから得られる触媒を存在させて、1,3−ブタジエンを60℃未満で1,2重合する工程から得られたビニル・シス−ポリブタジエン、及び、
(B)シス−1,4結合を80%以上含有し、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)20〜80を有するシス−ポリブタジエンを1,3−ブタジエンおよび/または炭化水素系有機溶剤を主成分としてなる混合物に溶解させる工程で得られたシス−ポリブタジエン溶液
を混合することを特徴とするビニル・シス−ポリブタジエンゴムの製造方法であって、
シス−1,4重合で得られたポリブタジエン高分子量成分の割合が5〜25%であり、前記高分子量成分の割合は当該ポリブタジエンをゲル浸透クロマトグラフィーで測定し、得られた溶出曲線を低分子量成分と高分子量成分にピーク分離することにより求めることを特徴とするビニル・シス−ポリブタジエンゴムの製造方法。 - (A)(1)1,2−ポリブタジエンを1,3−ブタジエンと炭化水素系有機溶剤を主成分としてなる混合物に溶解させた混合溶液を調製し、当該混合溶液に水、有機アルミニウム化合物と可溶性コバルト化合物から得られるシス−1,4重合触媒を添加して1,3−ブタジエンをシス−1,4重合する工程、引き続き、(2)得られた重合反応混合物中に可溶性コバルト化合物と一般式AlR3(但し、Rは炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基又はシクロアルキル基である)で表される有機アルミニウム化合物と二硫化炭素とから得られる触媒を存在させて、1,3−ブタジエンを60℃未満で1,2重合する工程から得られたビニル・シス−ポリブタジエン溶液、及び、
(B)シス−1,4結合を80%以上含有し、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)20〜80を有するシス−ポリブタジエンを1,3−ブタジエンおよび/または炭化水素系有機溶剤を主成分としてなる混合物に溶解させる工程で得られたシス−ポリブタジエン溶液
を混合することを特徴とするビニル・シス−ポリブタジエンゴムの製造方法であって、
シス−1,4重合で得られたポリブタジエン高分子量成分の割合が5〜25%であり、前記高分子量成分の割合は当該ポリブタジエンをゲル浸透クロマトグラフィーで測定し、得られた溶出曲線を低分子量成分と高分子量成分にピーク分離することにより求めることを特徴とするビニル・シス−ポリブタジエンゴムの製造方法。 - 該1,2−ポリブタジエンの融点が60℃〜150℃であることを特徴とする請求項1乃至5いずれか記載のビニル・シス−ポリブタジエンゴムの製造方法。
- ビニル・シス−ポリブタジエンゴムに対する該1,2−ポリブタジエンの添加量が20%以下であることを特徴とする請求項1乃至6いずれか記載のビニル・シス−ポリブタジエンゴムの製造方法。
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