JP2008163163A - ビニル・シスポリブタジエンゴムの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
本発明は、従来のビニル・シスポリブタジエンの優れた特性である引張応力をさらに向上させたビニル・シスポリブタジエンゴムの製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】
ハイシス−1,4−ポリブタジエン及び融点が100〜180℃であるシンジオタクチック−1,2−ポリブタジエンを含有してなる混合物に、可溶性コバルト化合物と一般式AlR3で表される有機アルミニウム化合物と二硫化炭素とから得られる1,2重合触媒を存在させて、1,3−ブタジエンを1,2重合する工程なることを特徴とするビニル・シス−ポリブタジエンの製造方法。


【選択図】 なし

Description

本発明は、押出し加工性、引張応力、耐屈曲亀裂成長性に優れたビニル・シス−ポリブタジエンゴムの製造法に関する。
ポリブタジエンは、いわゆるミクロ構造として、1,4−位での重合で生成した結合部分(1,4−構造)と1,2−位での重合で生成した結合部分(1,2−構造)とが分子鎖中に共存する。1,4−構造は、更にシス構造とトランス構造の二種に分けられる。一方、1,2−構造は、ビニル基を側鎖とする構造をとる。
従来、ビニル・シスポリブタジエンゴム組成物の製造方法は、ベンゼン,トルエン,キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒で行われてきた。これらの溶媒を用いると重合溶液の粘度が高く撹拌,伝熱,移送などに問題があり,溶媒の回収には過大なエネルギーが必要であった。
上記の製造方法としては、前記の不活性有機溶媒中で水,可溶性コバルト化合物と一般式AlRn3−n(但しRは炭素数1〜6のアルキル基,フェニル基又はシクロアルキル基であり,Xはハロゲン元素であり,nは1.5〜2の数字)で表せる有機アルミニウムクロライドから得られた触媒を用いて1,3−ブタジエンをシス1,4重合してBRを製造して,次いでこの重合系に1,3−ブタジエン及び/または前記溶媒を添加するか或いは添加しないで可溶性コバルト化合物と一般式AlR3(但しRは炭素数1〜6のアルキル基,フェニル基又はシクロアルキル基である)で表せる有機アルミニウム化合物と二硫化炭素とから得られる触媒を存在させて1,3−ブタジエンをシンジオタクチック1,2重合(以下,1,2重合と略す)する方法(例えば、特公昭49−17666号公報(特許文献1),特公昭49−17667号公報(特許文献2)参照)は公知である。
また、例えば、特公昭62−171号公報(特許文献3),特公昭63−36324号公報(特許文献4),特公平2−37927号公報(特許文献5),特公平2−38081号公報(特許文献6),特公平3−63566号公報(特許文献7)には、二硫化炭素の存在下又は不在下に1,3−ブタジエンをシス1,4重合して製造したり,製造した後に1,3−ブタジエンと二硫化炭素を分離・回収して二硫化炭素を実質的に含有しない1,3−ブタジエンや前記の不活性有機溶媒を循環させる方法などが記載されている。更に特公平4−48815号公報(特許文献8)には配合物のダイスウェル比が小さく,その加硫物がタイヤのサイドウォールとして好適な引張応力と耐屈曲亀裂成長性に優れたゴム組成物が記載されている。
また、特開2000−44633号公報(特許文献9)には、n−ブタン,シス2−ブテン,トランス−2−ブテン,及びブテン−1などのC4留分を主成分とする不活性有機溶媒中で製造する方法が記載されている。この方法でのゴム組成物が含有する1,2−ポリブタジエンは短繊維結晶であり、短繊維結晶の長軸長さの分布が繊維長さの98%以上が0.6μm未満であり,70%以上が0.2μm未満であることが記載され、得られたゴム組成物はシス1,4ポリブタジエンゴム(以下,BRと略す)の成形性や引張応力,引張強さ,耐屈曲亀裂成長性などを改良されることが記載されている。
しかしながら、成形性の更なる向上を始め、用途によっては種々の特性の改良が望まれていると共に、上記のビニル・シスポリブタジエンゴムは通常のハイシスポリブタジエンに比べ、発熱性、反撥弾性に劣るという点もあった。
特公昭49−17666号公報 特公昭49−17667号公報 特公昭62−171号公報 特公昭63−36324号公報 特公平2−37927号公報 特公平2−38081号公報 特公平3−63566号公報 特公平4−48815号公報 特開2000−44633号公報
本発明は、従来のビニル・シスポリブタジエンの優れた特性である引張応力をさらに向上させたビニル・シスポリブタジエンゴムの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、ハイシス−1,4−ポリブタジエン及び融点が80〜180℃であるシンジオタクチック−1,2−ポリブタジエンを含有してなる混合物に、可溶性コバルト化合物と一般式AlR3(但し、Rは炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基又はシクロアルキル基である)で表される有機アルミニウム化合物とニ硫化炭素とから得られる1,2重合触媒を存在させて、1,3−ブタジエンを1,2重合する工程なることを特徴とするビニル・シス−ポリブタジエンの製造方法に関する。
また、本発明は、該1,2重合触媒として、1,3−ブタジエン、可溶性コバルト化合物及びトリアルキルアルミニウムの熟成液並びに二硫化炭素からなることを特徴とする請求項1に記載のビニル・シス−ポリブタジエンの製造方法に関する。
本発明により、従来のビニル・シスポリブタジエンゴムと比べ、加工性が良好で発熱性、反撥弾性に優れるビニル・シスポリブタジエンゴムを製造することができる。得られたビニル・シスポリブタジエンゴムをタイヤ用途に用いた場合、製造工程においてその優れた加工性により作業性が向上し、完成したタイヤの低燃費化が可能になる。
本発明のビニル・シスポリブタジエンゴムは、ハイシス−1,4−ポリブタジエン及び融点が100〜180℃であるシンジオタクチック−1,2−ポリブタジエンを含有してなる混合物に、可溶性コバルト化合物と一般式AlR3(但し、Rは炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基又はシクロアルキル基である)で表される有機アルミニウム化合物とニ硫化炭素とから得られる1,2重合触媒を存在させて、1,3−ブタジエンを1,2重合する工程なることを特徴とするビニル・シス−ポリブタジエンの製造方法から製造される。
ハイシス−1,4−ポリブタジエンは炭化水素系溶媒中で1,3−ブタジエンを重合することによって製造することができる。
ハイシス−1,4−ポリブタジエンはシス−1,4結合を80%以上含有し、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)20〜80を有するシス−1,4−ポリブタジエンが好ましい。上記シス−1,4−ポリブタジエンは、コバルト触媒、またはニッケル触媒、またはランタノイド触媒を用いて合成できる。例えば、可溶性コバルト化合物等のコバルト触媒、ニッケルの有機カルボン酸塩、ニッケルの有機錯塩、ネオジウムの有機カルボン酸塩,ネオジウムの有機錯塩などが挙げられる。合成されたシス−1,4−ポリブタジエンを単独または2種類以上ブレンドして用いることができる。
炭化水素系溶媒としては,トルエン、ベンゼン、キシレン等の芳香族系炭化水素、n−ヘキサン、ブタン、ヘプタン、ペンタン等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素、上記のオレフィン化合物やシス−2−ブテン、トランス−2−ブテン等のオレフィン系炭化水素、ミネラルスピリット、ソルベントナフサ、ケロシン等の炭化水素系溶媒、塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素系溶媒等が挙げられる。1,3−ブタジエンモノマ−そのものを重合溶媒として用いてもよい。
中でも、トルエン、シクロヘキサン、あるいは、シス−2−ブテンとトランス−2−ブテンとの混合物などが好適に用いられる。
融点が100〜180℃であるシンジオタクチック−1,2−ポリブタジエン(以下SPB)はコバルト触媒系、または鉄触媒系、またはクロム触媒系、またはタングステン触媒系などを用いて合成できる。例えば、可溶性コバルト化合物/有機アルミニウム化合物/電子供与性有機化合物/二硫化炭素触媒系、クロム化合物/有機マグネシウム化合物/環式亜リン酸水素エステル触媒系、鉄含有化合物/ジヒドロカルビル水素ホスファイト/有機アルミニウム化合物触媒系などが挙げられる。合成された融点が100〜180℃であるSPBを単独または2種類以上ブレンドして用いることができる。SPBの融点は100〜180℃が好ましい。
前記のSPB、ハイシス−1,4−ポリブタジエンを炭化水素系有機溶剤と混合し、SPBとハイシス−1,4−ポリブタジエンを含有し炭化水素系有機溶剤を主成分としてなる混合物を調製する。混合物中のSPBの濃度は0.1〜5wt%が好ましく、ハイシス−1,4−ポリブタジエンの濃度は、5〜30wt%が好ましい。
前記混合物に1,3−ブタジエンを添加し、一般式AlR3で表せる有機アルミニウム化合物と二硫化炭素、可溶性コバルト化合物を添加して1,3−ブタジエンを1,2重合してビニル・シスポリブタジエンゴムを製造する。可溶性コバルト化合物と有機アルミニウム化合物を予め1,3−ブタジエンに添加し、熟成液として混合物に添加することが好ましい。
一般式AlR3 で表せる有機アルミニウム化合物としてはトリメチルアルミニウム,トリエチルアルミニウム,トリイソブチルアルミニウム,トリn−ヘキシルアルミニウム,トリフェニルアルミニウムなどを好適に挙げることができる。有機アルミニウム化合物は1,3−ブタジエン1モル当たり0.1ミリモル以上,特に0.5〜50ミリモル以上である。二硫化炭素は特に限定されないが水分を含まないものであることが好ましい。二硫化炭素の濃度は20ミリモル/L以下,特に好ましくは0.01〜10ミリモル/Lである。二硫化炭素の代替として公知のイソチオシアン酸フェニルやキサントゲン酸化合物を使用してもよい。
1,2重合する温度は−5〜100℃が好ましく,特に−5〜80℃が好ましい。重合時間は5分〜2時間の範囲が好ましい。1,2重合後のポリマー濃度は9〜29重量%となるように1,2重合を行うことが好ましい。重合槽は1槽,又は2槽以上の槽を連結して行われる。重合は重合槽(重合器)内にて重合溶液を攪拌混合して行う。1,2重合に用いる重合槽としては1,2重合中に更に高粘度となり,ポリマーが付着しやすいので高粘度液攪拌装置付きの重合槽,例えば特公昭40−2645号公報に記載された装置を用いることができる。
重合反応が所定の重合率に達した後,常法に従って公知の老化防止剤を添加することができる。老化防止剤の代表としてはフェノール系の2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT),リン系のトリノニルフェニルフォスファイト(TNP),硫黄系の4.6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート(TPL)などが挙げられる。単独でも2種以上組み合わせて用いてもよく,老化防止剤の添加はビニル・シスポリブタジエン100重量部に対して0.001〜5重量部である。次に重合停止剤を重合系に加えて停止する。例えば重合反応終了後,重合停止槽に供給し,この重合溶液にメタノール,エタノールなどのアルコール,水などの極性溶媒を大量に投入する方法,塩酸,硫酸などの無機酸,酢酸,安息香酸などの有機酸,塩化水素ガスを重合溶液に導入する方法などの,それ自体公知の方法である。次いで通常の方法に従い生成したビニル・シスポリブタジエンを分離,洗浄,乾燥する。
得られたビニル・シスポリブタジエンの沸騰n−ヘキサン不溶分の割合(HI)が3〜60重量%、特に5〜30重量%であることが好ましい。沸騰n−ヘキサン可溶分はミクロ構造が80%以上のシス1,4−ポリブタジエンである。
本発明のビニル・シスポリブタジエンゴムの製造においては、1,2重合前にポリイソプレン、液状ポリイソプレン、融点150℃以下の結晶性ポリブタジエン、液状ポリブタジエン、スチレン−イソプレン−スチレン化合物、及びそれらの誘導体をSPBとハイシス−1,4−ポリブタジエンを含有してなる炭化水素系有機溶剤を主成分としてなる混合物に添加しても良い。
ポリイソプレンとしては、通常の合成ポリイソプレン(シス構造90%以上のシス−1,4−ポリイソプレン等)、液状ポリイソプレン、トランス−ポリイソプレン、その他変性ポリイソプレン等が挙げられる。
融点170℃未満の結晶性ポリブタジエンは、好ましくは融点0〜150℃の結晶性ポリブタジエンであり、たとえば、トランスポリブタジエン等が挙げられる。
液状ポリブタジエンとしては、固有粘度[η]=1以下の極低分子のポリブタジエン等があげられる。
また、これらの誘導体としては、たとえば、イソプレン・イソブチレン共重合体、イソプレン・スチレン共重合体、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体、液状エポキシ化ポリブタジエン、液状カルボキシル変性ポリブタジエン等及びこれら誘導体の水添物等が挙げられる。
このようにして得られたビニル・シスポリブタジエンを分離取得した残部の未反応の1,3−ブタジエン,不活性媒体及び二硫化炭素を含有する混合物から蒸留により1,3−ブタジエン,不活性媒体として分離して,一方,二硫化炭素を吸着分離処理,あるいは二硫化炭素付加物の分離処理によって二硫化炭素を分離除去し,二硫化炭素を実質的に含有しない1,3−ブタジエンと不活性媒体とを回収する。また,前記の混合物から蒸留によって3成分を回収して,この蒸留から前記の吸着分離あるいは二硫化炭素付着物分離処理によって二硫化炭素を分離除去することによっても,二硫化炭素を実質的に含有しない1,3−ブタジエンと不活性媒体とを回収することもできる。前記のようにして回収された二硫化炭素と不活性媒体とは新たに補充した1,3−ブタジエンを混合して使用される。
本発明に基づき得られたビニル・シスポリブタジエンゴムの物性は以下のようにして測定する。
ムーニー粘度はJIS K6300 未加硫ゴム物理特性 島津ムーニー粘度計(SMV−202)100℃予熱1分測定4分の値(ML1+4)を取った。
PBの融点、融解熱量、結晶化温度;UBR分析センター依頼分析
島津熱流速示差走査熱量計(DSC−50)
試料≒10mg、10℃/min―in N
ヘキサン不溶分(HI=SPB成分):
DSC換算HI測定;DSCで得られた融解熱量と実測HI測定法で得られたHIの検量線から求めた。
実測HI測定法;スターラー撹拌したn-ヘキサン350mlに、精秤したビニル・シスポリブタジエン5gをマッチの頭大の大きさに刻んで投入し溶解させた。次にこの溶液は予め精秤したアドバンテク社製円筒濾紙86R(20×100mm)でろ過し、濾紙に残った不溶部はn-ヘキサンで3時間ソックスレー抽出を行ない、60℃で3時間真空乾燥させ精秤してHI%を算出した。
以下に本発明を実施例に基づいて説明する。
(実施例1)
1Lビーカーにトルエン600mlを入れハイシス−1,4−ポリブタジエン(宇部興産(株)製 UBEPOL−130B ML1+4=31)80gを溶解させた。SPB(融点128℃、ηsp/C=1.16)3.4gを添加し、45℃に加温してSPBを溶解させた。この溶液を窒素置換したヘリカル攪拌翼を備えた1.5Lステンレスオートクレーブに移した。ビーカーを100mlのトルエンで洗浄し、洗浄液を1.5Lステンレスオートクレーブに加えた。
内容量300mlのオートクレーブの内部を十分に窒素置換し、1,3−ブタジエン170ml、次いでトリエチルアルミニウム(TEA)のシクロヘキサン溶液(2.0M)1.5ml、オクテン酸コバルト(Co(Oct))のシクロヘキサン溶液(0.1M)4.3mlを添加し、25℃で10分間反応させ、触媒熟成液とした。
前記熟成液130mlを上記の1.5Lステンレス製オートクレーブに移送し、3分間攪拌した。溶液の温度を45℃とし、二硫化炭素(CS)のシクロヘキサン溶液(1.0M)1.4mlを添加して重合を開始した。30分後、n−ヘプタンとエタノールの1:1混合液のイルガノクス1076の5%溶液を5ml加え、オートクレーブを氷水で冷やしながら放圧した。圧力が常圧に戻ったら重合物をバットに回収し、100℃で2時間真空乾燥した。熟成条件を表1に、重合条件を表2に、重合結果を表3に示した。
(実施例2〜8)
触媒熟成条件を表1に、重合条件を表2に示す条件とした以外は実施例1と同様に行った。重合結果を表3に示した。
(比較例1〜3)
触媒熟成条件を表1に、重合条件を表2に示す条件とした以外は実施例1と同様に行った。重合結果を表3に示した。
(実施例9)
1Lビーカーにトルエン600mlを入れハイシス−1,4−ポリブタジエン(宇部興産(株)製 UBEPOL−130B ML1+4=31)80gを溶解させた。SPB(融点145℃、ηsp/C=0.41)3.4gを添加し、60℃に加温してSPBを溶解させた。この溶液を窒素置換したヘリカル攪拌翼を備えた1.5Lステンレスオートクレーブに移した。ビーカーを100mlのトルエンで洗浄し、洗浄液を1.5Lステンレスオートクレーブに加えた。
内容量300mlのオートクレーブの内部を十分に窒素置換し、1,3−ブタジエン80ml、次いでトリエチルアルミニウム(TEA)のシクロヘキサン溶液(2.0M)0.7ml、オクテン酸コバルト(Co(Oct))のシクロヘキサン溶液(0.1M)2.0mlを添加し、25℃で10分間反応させ、触媒熟成液とした。
前記熟成液80mlを上記の1.5Lステンレス製オートクレーブに移送し、3分間攪拌した。溶液の温度を40℃とし、二硫化炭素(CS)のシクロヘキサン溶液(1.0M)0.60mlを添加して重合を開始し、直ぐに加温して60℃とした。25分後、n−ヘプタンとエタノールの1:1混合液のイルガノクス1076の5%溶液を5ml加え、オートクレーブを氷水で冷やしながら放圧した。圧力が常圧に戻ったら重合物をバットに回収し、100℃で2時間真空乾燥した。熟成条件を表4に、重合条件を表5に、重合結果を表6に示した。
(実施例10)
触媒熟成条件を表4に、重合条件を表5に示す条件とした以外は実施例9と同様に行った。重合結果を表6に示した。
(比較例4)
触媒熟成条件を表4に、重合条件を表5に示す条件とした以外は実施例9と同様に行った。重合結果を表6に示した。
(実施例11)
1Lビーカーにトルエン600mlを入れハイシス−1,4−ポリブタジエン(宇部興産(株)製 UBEPOL−130B ML1+4=31)80gを溶解させた。SPB(融点145℃、ηsp/C=0.41)3.4gを添加し、60℃に加温してSPBを溶解させた。この溶液を窒素置換したヘリカル攪拌翼を備えた1.5Lステンレスオートクレーブに移した。ビーカーを100mlのトルエンで洗浄し、洗浄液を1.5Lステンレスオートクレーブに加えた。
内容量300mlのオートクレーブの内部を十分に窒素置換し、1,3−ブタジエン50ml、次いでトリエチルアルミニウム(TEA)のシクロヘキサン溶液(2.0M)3.0ml、オクテン酸コバルト(Co(Oct))のシクロヘキサン溶液(0.1M)2.0mlを添加し、25℃で10分間反応させ、触媒熟成液とした。
前記熟成液50mlを上記の1.5Lステンレス製オートクレーブに移送し、3分間攪拌した。溶液の温度を40℃とし、二硫化炭素(CS)のシクロヘキサン溶液(1.0M)1.20mlを添加して重合を開始し、直ぐに加温して60℃とした。25分後、n−ヘプタンとエタノールの1:1混合液のイルガノクス1076の5%溶液を5ml加え、オートクレーブを氷水で冷やしながら放圧した。圧力が常圧に戻ったら重合物をバットに回収し、100℃で2時間真空乾燥した。熟成条件を表7に、重合条件を表8に、重合結果を表9に示した。
(実施例12,13)
触媒熟成条件を表7に、重合条件を表8に示す条件とした以外は実施例10と同様に行った。重合結果を表9に示した。
(比較例5)
触媒熟成条件を表7に、重合条件を表8に示す条件とした以外は実施例10と同様に行った。重合結果を表9に示した。
ビニル・シスポリブタジエンの補強性は、マトリクスのハイシス−1,4−ポリブタジエンのML1+4とビニル・シスポリブタジエンのML1+4の差、ΔML1+4が大きいほど高く、SPB含量が異なる場合はΔML1+4をHIで割った値、ΔML1+4/HIが補強性の指標となる。本発明の実施例で得られたビニル・シスポリブタジエンのΔML1+4/HIの値は比較例に比べ高く、補強効果に優れていることが解る。
Figure 2008163163
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Claims (2)

  1. ハイシス−1,4−ポリブタジエン及び融点が100〜180℃であるシンジオタクチック−1,2−ポリブタジエンを含有してなる混合物に、可溶性コバルト化合物と一般式AlR(但し、Rは炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基又はシクロアルキル基である)で表される有機アルミニウム化合物と二硫化炭素とから得られる1,2重合触媒を存在させて、1,3−ブタジエンを1,2重合する工程なることを特徴とするビニル・シス−ポリブタジエンの製造方法。
  2. 該1,2重合触媒として、1,3−ブタジエン、可溶性コバルト化合物及びトリアルキルアルミニウムの熟成液並びに二硫化炭素からなることを特徴とする請求項1に記載のビニル・シスポリブタジエンの製造方法。
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