JP2007023232A - 新規なビニル・シスポリブタジエンゴムの製造方法 - Google Patents

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和田  隆
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尚美 岡本
Jun Yamashita
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Abstract

【課題】従来のビニル・シスポリブタジエンの優れた特性である押出し加工性、引張応力をさらに向上させ、かつ発熱性、反撥弾性を改良した、自動車のタイヤ用材料として優れた性質を示すビニル・シスポリブタジエンゴムの製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】(A)(1)1,3−ブタジエンと炭化水素系有機溶剤を主成分としてなる混合物に、(a)遷移金属化合物のメタロセン型錯体、および(b)非配位性アニオンとカチオンとのイオン性化合物及び/又はアルモキサンからなる触媒を用いた重合により製造された高シス-高ビニルポリブタジエンを溶解させ、引き続き、(2)1,3−ブタジエンを1,2重合する工程から得られたビニル・シス−ポリブタジエン溶液、及び、(B)シス−ポリブタジエン溶液を混合することを特徴とするビニル・シス−ポリブタジエンゴムの製造方法に関する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、押出し加工性、引張応力、耐屈曲亀裂成長性に優れ、自動車タイヤ部材、特にサイドウォール用として好適なビニル・シス−ポリブタジエンゴムの製造法に関するものである。
ポリブタジエンは、いわゆるミクロ構造として、1,4−位での重合で生成した結合部分(1,4−構造)と1,2−位での重合で生成した結合部分(1,2−構造)とが分子鎖中に共存する。1,4−構造は、更にシス構造とトランス構造の二種に分けられる。一方、1,2−構造は、ビニル基を側鎖とする構造をとる。
従来、ビニル・シスポリブタジエンゴム組成物の製造方法は、ベンゼン,トルエン,キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒で行われてきた。これらの溶媒を用いると重合溶液の粘度が高く撹拌,伝熱,移送などに問題があり,溶媒の回収には過大なエネルギーが必要であった。
上記の製造方法としては、前記の不活性有機溶媒中で水,可溶性コバルト化合物と一般式AlRn3-n(但しRは炭素数1〜6のアルキル基,フェニル基又はシクロアルキル基であり,Xはハロゲン元素であり,nは1.5〜2の数字)で表せる有機アルミニウムクロライドから得られた触媒を用いて1,3−ブタジエンをシス1,4重合してBRを製造して,次いでこの重合系に1,3−ブタジエン及び/または前記溶媒を添加するか或いは添加しないで可溶性コバルト化合物と一般式AlR3(但しRは炭素数1〜6のアルキル基,フェニル基又はシクロアルキル基である)で表せる有機アルミニウム化合物と二硫化炭素とから得られる触媒を存在させて1,3−ブタジエンをシンジオタクチック1,2重合(以下,1,2重合と略す)する方法(例えば、特公昭49−17666号公報(特許文献1),特公昭49−17667号公報(特許文献2)参照)は公知である。
また、例えば、特公昭62−171号公報(特許文献3),特公昭63−36324号公報(特許文献4),特公平2−37927号公報(特許文献5),特公平2−38081号公報(特許文献6),特公平3−63566号公報(特許文献7)には、二硫化炭素の存在下又は不在下に1,3−ブタジエンをシス1,4重合して製造したり,製造した後に1,3−ブタジエンと二硫化炭素を分離・回収して二硫化炭素を実質的に含有しない1,3−ブタジエンや前記の不活性有機溶媒を循環させる方法などが記載されている。更に特公平4−48815号公報(特許文献8)には配合物のダイスウェル比が小さく,その加硫物がタイヤのサイドウォールとして好適な引張応力と耐屈曲亀裂成長性に優れたゴム組成物が記載されている。
また、特開2000−44633号公報(特許文献9)には、n−ブタン,シス2−ブテン,トランス−2−ブテン,及びブテン−1などのC4留分を主成分とする不活性有機溶媒中で製造する方法が記載されている。この方法でのゴム組成物が含有する1,2−ポリブタジエンは短繊維結晶であり、短繊維結晶の長軸長さの分布が繊維長さの98%以上が0.6μm未満であり,70%以上が0.2μm未満であることが記載され、得られたゴム組成物はシス1,4ポリブタジエンゴム(以下,BRと略す)の成形性や引張応力,引張強さ,耐屈曲亀裂成長性などを改良されることが記載されている。
しかしながら、成形性の更なる向上を始め、用途によっては種々の特性の改良が望まれていると共に、上記のビニル・シスポリブタジエンゴムは通常のハイシスポリブタジエンに比べ、発熱性、反撥弾性に劣るという点もあった。
特公昭49−17666号公報 特公昭49−17667号公報 特公昭62−171号公報 特公昭63−36324号公報 特公平2−37927号公報 特公平2−38081号公報 特公平3−63566号公報 特公平4−48815号公報 特開2000−44633号公報
本発明は、従来のビニル・シスポリブタジエンの優れた特性である押出し加工性、引張応力をさらに向上させ、かつ発熱性、反撥弾性を改良した、自動車のタイヤ用材料として優れた性質を示すビニル・シスポリブタジエンゴムの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、(A)(1)1,3−ブタジエンと炭化水素系有機溶剤を主成分としてなる混合物に、(a)遷移金属化合物のメタロセン型錯体、および(b)非配位性アニオンとカチオンとのイオン性化合物及び/又はアルモキサンからなる触媒を用いた重合により製造され、シス−1,4構造が65〜95%、かつ、ビニル構造が30〜4%である高シス−高ビニルポリブタジエンを溶解させ、引き続き、(2)得られたシス−ポリブタジエン溶液中に可溶性コバルト化合物と一般式AlR3(但し、Rは炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基又はシクロアルキル基である)で表される有機アルミニウム化合物とニ硫化炭素とから得られる触媒を存在させて、1,3−ブタジエンを1,2重合する工程から得られたビニル・シス−ポリブタジエン溶液、及び、
(B)シス−1,4結合を80%以上含有し、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)20〜80を有するシス−ポリブタジエンを1,3−ブタジエンおよび/または炭化水素系有機溶剤を主成分としてなる混合物に溶解させる工程で得られたシス−ポリブタジエン溶液
を混合することを特徴とするビニル・シス−ポリブタジエンゴムの製造方法に関する。
また、本発明は、当該(A)(2)の1,3−ブタジエンを1,2重合する工程の重合温度が−5〜50℃であることを特徴とする上記のビニル・シス−ポリブタジエンゴムの製造方法に関する。
また、本発明は、当該(A)で得られたビニル・シス−ポリブタジエンの沸騰n−ヘキサン不溶分の割合(HI)が10〜60重量%であることを特徴とする上記のビニル・シス−ポリブタジエンゴムの製造方法に関する。
また、本発明は、当該(B)のシス−ポリブタジエンが、コバルト触媒、ニッケル触媒、遷移金属化合物のメタロセン型錯体、またはランタノイド触媒を用いて合成されたシス−ポリブタジエンを単独または2種類以上ブレンドで用いる上記のビニル・シス−ポリブタジエンゴムの製造方法に関する。
また、本発明は、当該(A)(1)の1,2重合前に、ポリイソプレン、液状ポリイソプレン、融点150℃以下の結晶性ポリブタジエン、液状ポリブタジエン、スチレン−イソプレン−スチレン化合物、及びそれらの誘導体の中から少なくとも1種を1,3−ブタジエンと炭化水素系溶剤を主成分としてなる混合物に溶解する工程を含む上記のビニル・シスポリブタジエンゴムの製造方法に関する。
本発明により、従来のビニル・シスポリブタジエンゴムと比べ、加工性が良好で発熱性、反撥弾性に優れるビニル・シスポリブタジエンゴムを製造することができる。得られたビニル・シスポリブタジエンゴムをタイヤ用途に用いた場合、製造工程においてその優れた加工性により作業性が向上し、完成したタイヤの低燃費化が可能になる。
本発明のビニル・シスポリブタジエンゴムは、(1)1,3−ブタジエンと炭化水素系有機溶剤を主成分としてなる混合物に、(a)遷移金属化合物のメタロセン型錯体、および(b)非配位性アニオンとカチオンとのイオン性化合物及び/又はアルモキサンからなる触媒を用いた重合により製造され、シス−1,4構造が65〜95%、かつ、ビニル構造が30〜4%である高シス−高ビニルポリブタジエンを溶解させ、引き続き、(2)得られたシス−ポリブタジエン溶液中に可溶性コバルト化合物と一般式AlR3(但し、Rは炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基又はシクロアルキル基である)で表される有機アルミニウム化合物とニ硫化炭素とから得られる触媒を存在させて、1,3−ブタジエンを1,2重合する工程から得られたビニル・シス−ポリブタジエン溶液、及び、
(B)シス−1,4結合を80%以上含有し、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)20〜80を有するシス−ポリブタジエンを1,3−ブタジエンおよび/または炭化水素系有機溶剤を主成分としてなる混合物に溶解させる工程で得られたシス−ポリブタジエン溶液
を混合することにより製造される。
(A)ビニル・シス−ポリブ高シス−高ビニルポリブタジエンゴム(HC−HVBR)は、好ましくは、ミクロ構造中のシス−1,4−構造ユニット含有率が65〜95モル%、特に好ましくは70〜90モル%、及び好ましくは1,2−構造ユニット含有率が4〜30モル%であり、特に好ましくは5〜25モル%、より好ましくは7〜15モル%である。また、トランス−1,4−構造ユニット含有率が5モル%以下が好ましく、0.5〜4.0モル%が特に好ましい。
また、HC−HVBRの25℃における5%スチレン溶液粘度(St−cp)と100℃におけるムーニー粘度(ML1+4)の関係式が下式(I)を満足する範囲にあることが好ましい。
2≦St−cp/ML1+4≦7...(I)
特に好ましくは、 2≦St−cp/ML1+4≦6 を満足する。
また、HC−HVBRのスチレン溶液粘度(St−cp)は、20〜500が好ましく、30〜300が特に好ましい。
本発明のHC−HVBRのム−ニ−粘度(ML1+4)は、10〜200が好ましく、25〜100が特に好ましい。
HC−HVBRの分子量は、トルエン中30℃で測定した固有粘度[η]として、0.1〜10が好ましく、0.1〜3が特に好ましい。
また、HC−HVBRの分子量は、ポリスチレン換算の分子量として下記の範囲のものが好ましい。
数平均分子量(Mn):0.2×105〜10×105、より好ましくは0.5×105〜5×105
重量平均分子量(Mw):0.5×105〜20×105、より好ましくは1×105〜10×105
また、本発明のHC−HVBRの分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは1.5〜3.5、より好ましくは1.6〜3である。
上記のHC−HVBRは、例えば、
(A)遷移金属化合物のメタロセン型錯体、及び(B)非配位性アニオンとカチオンとのイオン性化合物及び/又はアルミノキサンから得られる触媒を用いて、ブタジエンを重合させて製造できる。
あるいは、(A)遷移金属化合物のメタロセン型錯体、
(B)非配位性アニオンとカチオンとのイオン性化合物、
(C)周期律表第1〜3族元素の有機金属化合物、及び、
(D)水
から得られる触媒を用いたブタジエンを重合させて製造できる。
(A)成分の遷移金属化合物のメタロセン型錯体としては、周期律表第4〜8族遷移金属化合物のメタロセン型錯体が挙げられる。
例えば、チタン、ジルコニウムなどの周期律表第4族遷移金属のメタロセン型錯体(例えば、CpTiCl3など)、バナジウム、ニオブ、タンタルなどの周期律表第5族遷移金属のメタロセン型錯体、クロムなどの第6族遷移金属メタロセン型錯体、コバルト、ニッケルなどの第8族遷移金属のメタロセン型錯体が挙げられる。
中でも、周期律表第5族遷移金属のメタロセン型錯体が好適に用いられる。
上記の周期律表第5族遷移金属化合物のメタロセン型錯体としては、
(1) RM・La、すなわち、シクロアルカジエニル基の配位子を有する酸化数+1の周期律表第5族遷移金属化合物
(2) Rn MX2-n ・La、すなわち、少なくとも1個のシクロアルカジエニル基の配位子を有する酸化数+2の周期律表第5族遷移金属化合物
(3) Rn MX3-n ・La
(4) RMX3 ・La
(5) RM(O)X2 ・La
(6) Rn MX3-n (NR' )
などの一般式で表される化合物が挙げられる(式中、nは1又は2、aは0,1又は2である)。
中でも、RM・La、Rn MX2-n ・La、R2 M・La、RMX3 ・La 、RM(O)X2 ・La などが好ましく挙げられる。
Mは、周期律表第5族遷移金属化合物が好ましい。
(A)周期律表第5族遷移金属化合物のメタロセン型錯体としては、中でも、Mがバナジウムであるバナジウム化合物が好ましい。例えば、RV・La、RVX・La、R2 M・La、RMX2 ・La 、RMX3 ・La 、RM(O)X2 ・La などが好ましく挙げられる。特に、RV・La、RMX3 ・Laが好ましい。
RMX3 ・Laで示される具体的な化合物としては、以下のものが挙げられる
シクロペンタジエニルバナジウムトリクロライドが挙げられる。
RM(O)X2 で表される具体的な化合物としては、シクロペンタジエニルオキソバナジウムジクロライド、メチルシクロペンタジエニルオキソバナジウムジクロライド、ベンジルシクロペンタジエニルオキソバナジウムジクロライド、(1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)オキソバナジウムジクロライドなどが挙げられる。
(B)成分として、非配位性アニオンとカチオンとのイオン性化合物を構成する非配位性アニオンとしては、例えば、テトラ(フェニル)ボレ−ト、テトラ(フルオロフェニル)ボレ−トなどが挙げられる。
一方、カチオンとしては、トリフェニルカルボニウムカチオンなどの三置換カルボニウムカチオンを挙げることができる。
また、(B)成分として、アルモキサンを用いてもよい。アルモキサンとしては、有機アルミニウム化合物と縮合剤とを接触させることによって得られるものであって、一般式(−Al(R')O−) n で示される鎖状アルミノキサン、あるいは環状アルミノキサンが挙げられる。(R' は炭素数1〜10の炭化水素基であり、一部ハロゲン原子及び/ 又はアルコキシ基で置換されたものも含む。nは重合度であり、5以上、好ましくは10以上である)。R' として、はメチル、エチル、プロピル、イソブチル基が挙げられるが、メチル基が好ましい。
(A)成分及び(B)成分に、さらに(C)成分として周期律表第1〜3族元素の有機金属化合物を組み合わせて共役ジエンの重合を行ってもよい。(C)成分の添加により重合活性が増大する効果がある。周期律表第1〜3族元素の有機金属化合物としては、有機アルミニウム化合物、有機リチウム化合物、有機マグネシウム化合物、有機亜鉛化合物、有機ホウ素化合物などが挙げられる。
上記の触媒各成分の組合せとして、(A)成分としてシクロペンタジエニルバナジウムトリクロライド(CpVCl3)などのRMX3、あるいは、シクロペンタジエニルオキソバナジウムジクロライド(CpV(O)Cl2)などのRM(O)X2、(B)成分としてトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレ−ト、(C)成分としてトリエチルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウムの組合せが好ましく用いられる。
また、(B)成分としてイオン性化合物を用いる場合は、(C)成分として上記のアルモキサンを組み合わせて使用してもよい。
触媒成分の添加順序は、特に、制限はない。
また、本発明においては、触媒系として 更に、(D)成分として水を添加することが好ましい。(C)成分の有機アルミニウム化合物と(D)成分の水とのモル比(C)/(D)は、好ましくは0.66〜5であり、より好ましくは0.7〜1.5である。
また重合時に、必要に応じて水素を共存させることができる。
ここで重合すべきブタジエンモノマ−とは、全量であっても一部であってもよい。モノマ−の一部の場合は、上記の接触混合物を残部のモノマ−あるいは残部のモノマ−溶液と混合することができる。
重合方法は、特に制限はなく、溶液重合、又は、1,3−ブタジエンそのものを重合溶媒として用いる塊状重合などを適用できる。トルエン、ベンゼン、キシレン等の芳香族系炭化水素、n−ヘキサン、ブタン、ヘプタン、ペンタン等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素、1−ブテン、2−ブテン等のオレフィン系炭化水素、ミネラルスピリット、ソルベントナフサ、ケロシン等の炭化水素系溶媒や、塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素系溶媒等が挙げられる。
また、低分子量BR成分と高分子量BR成分との混合物を用いてもよい。
本発明においての分子量を調節する方法としては、上記の触媒を用いて、水素などの連鎖移動剤の存在下に共役ジエン化合物を重合させることが挙げられる。
高シス-高ビニルポリブタジエンの製造において、重合反応が所定の重合率を達成した後、遷移金属触媒を添加し、反応させることによってポリマー鎖を変性することができる。
遷移金属触媒における遷移金属化合物としては、チタン化合物、ジルコニウム化合物、バナジウム化合物、クロム化合物、マンガン化合物、鉄化合物、ルテニウム化合物、コバルト化合物、ニッケル化合物、パラジウム化合物、銅化合物、銀化合物、亜鉛化合物などが挙げられる。中でも、コバルト化合物が特に好ましい。
本発明の遷移金属触媒は、遷移金属化合物、有機アルミニウム、および水からなる系であることが好ましい。
所定時間重合を行った後、アルコ−ルなどの停止剤を注入して重合を停止した後、重合槽内部を必要に応じて放圧し、洗浄、乾燥工程等の後処理を行う。
本発明においては、上記の高シス-高ビニルポリブタジエンの製造において、重合停止時もしくは停止後に該硫黄含有フェノール系酸化防止剤を添加することが好ましい。
該硫黄含有フェノール系酸化防止剤としては、分子内にチオエーテル構造を1個以上有するフェノール系酸化防止剤などが挙げられる。
具体的には、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス[(オクチルチオ)メチル]−オルト−クレゾールなどが挙げられる。
中でも、2,4−ビス[(オクチルチオ)メチル]−オルト−クレゾールが好ましい。
得られた高シス-高ビニルポリブタジエンは、硫黄含有フェノール系酸化防止剤を0.01重量%〜0.5重量%含有することが好ましい。
上記のシス−ポリブタジエン溶液に、1,3−ブタジエンを添加しても添加しなくてもよい。そして,一般式AlR3 で表せる有機アルミニウム化合物と二硫化炭素,必要なら前記の可溶性コバルト化合物を添加して1,3−ブタジエンを1,2重合してビニル・シスポリブタジエンゴム(VCR)を製造する。
一般式AlR3 で表せる有機アルミニウム化合物としてはトリメチルアルミニウム,トリエチルアルミニウム,トリイソブチルアルミニウム,トリn−ヘキシルアルミニウム,トリフェニルアルミニウムなどを好適に挙げることができる。有機アルミニウム化合物は1,3−ブタジエン1モル当たり0.1ミリモル以上,特に0.5〜50ミリモル以上である。二硫化炭素は特に限定されないが水分を含まないものであることが好ましい。二硫化炭素の濃度は20ミリモル/L以下,特に好ましくは0.01〜10ミリモル/Lである。二硫化炭素の代替として公知のイソチオシアン酸フェニルやキサントゲン酸化合物を使用してもよい。
1,2重合する温度は−5〜100℃が好ましく,特に−5〜50℃が好ましい。1,2重合する際の重合系には前記のシス重合液100重量部当たり1〜50重量部,好ましくは1〜20重量部の1,3−ブタジエンを添加することで1,2重合時の1,2−ポリブタジエンの収量を増大させることができる。重合時間(平均滞留時間)は10分〜2時間の範囲が好ましい。1,2重合後のポリマー濃度は9〜29重量%となるように1,2重合を行うことが好ましい。重合槽は1槽,又は2槽以上の槽を連結して行われる。重合は重合槽(重合器)内にて重合溶液を攪拌混合して行う。1,2重合に用いる重合槽としては1,2重合中に更に高粘度となり,ポリマーが付着しやすいので高粘度液攪拌装置付きの重合槽,例えば特公昭40−2645号公報に記載された装置を用いることができる。
得られたビニル・シス−ポリブタジエンの沸騰n−ヘキサン不溶分の割合(HI)が10〜60重量%、特に30〜40であることが好ましく、特に30〜50重量%が好ましい。
重合反応が所定の重合率に達した後,常法に従って公知の老化防止剤を添加することができる。老化防止剤の代表としてはフェノール系の2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT),リン系のトリノニルフェニルフォスファイト(TNP),硫黄系の4.6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート(TPL)などが挙げられる。単独でも2種以上組み合わせて用いてもよく,老化防止剤の添加はVCR100重量部に対して0.001〜5重量部である。次に重合停止剤を重合系に加えて停止する。例えば重合反応終了後,重合停止槽に供給し,この重合溶液にメタノール,エタノールなどのアルコール,水などの極性溶媒を大量に投入する方法,塩酸,硫酸などの無機酸,酢酸,安息香酸などの有機酸,塩化水素ガスを重合溶液に導入する方法などの,それ自体公知の方法である。次いで通常の方法に従い生成したビニル・シスポリブタジエン(以下、VCRと略)を分離,洗浄,乾燥する。
このようにして得られたビニル・シス−ポリブタジエンの沸騰n−ヘキサン不溶分の割合(HI)が10〜60重量%であることが好ましく、特に30〜50重量%が好ましい。
沸騰n−ヘキサン可溶分はミクロ構造が80%以上のシス1,4−ポリブタジエンである。
本発明のビニル・シス−ポリブタジエンゴムの製造においては、当該(A)(2)の1,2重合前に、ポリイソプレン、液状ポリイソプレン、融点150℃以下の結晶性ポリブタジエン、液状ポリブタジエン、スチレン−イソプレン−スチレン化合物、及びそれらの誘導体の中から少なくとも1種を1,3−ブタジエンと炭化水素系溶剤を主成分としてなる混合物に溶解する工程を含むことが好ましい。ビニル・シス−ポリブタジエンゴム製造後、たとえば配合時に添加しても本願発明の効果は得られない。
上記不飽和高分子物質としては、ポリイソプレン、融点170℃未満の結晶性ポリブタジエン、液状ポリブタジエン、及びそれらの誘導体から選ばれた少なくとも1種が好ましい。
ポリイソプレンとしては、通常の合成ポリイソプレン(シス構造90%以上のシス−1,4−ポリイソプレン等)、液状ポリイソプレン、トランス−ポリイソプレン、その他変性ポリイソプレン等が挙げられる。
融点170℃未満の結晶性ポリブタジエンは、好ましくは融点0〜150℃の結晶性ポリブタジエンであり、たとえば、低融点1,2−ポリブタジエン、トランス−ポリブタジエン等が挙げられる。
液状ポリブタジエンとしては、固有粘度[η]=1以下の極低分子のポリブタジエン等があげられる。
また、これらの誘導体としては、たとえば、イソプレン・イソブチレン共重合体、イソプレン・スチレン共重合体、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体、液状エポキシ化ポリブタジエン、液状カルボキシル変性ポリブタジエン等及びこれら誘導体の水添物等が挙げられる。
上記各不飽和高分子物質の中でも、イソプレン、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体、融点70〜110℃の1,2−ポリブタジエンが好ましく用いられる。また、上記各不飽和高分子物質は、単独で用いることも、2種以上を混合して用いることもできる。
上記のよう不飽和高分子物質を添加すると、前記のとおり、得られるビニル・シス−ポリブタジエンゴムにおいて、不飽和高分子物質の相溶効果により、融点が170℃以上の1,2−ポリブタジエンの、マトリックス成分のシス−ポリブタジエンゴム中への分散性が著しく向上され、その結果得られるビニル・シス−ポリブタジエンゴムの特性が優れたものとなる。
不飽和高分子物質の添加量は、取得されるビニル・シス−ポリブタジエンゴムに対して0.01〜50質量%の範囲であることが好ましく、0.01〜30質量%の範囲であることが更に好ましい。また、いずれの時点での添加でも、添加後10分〜3時間攪拌することが好ましく、更に好ましくは10分〜30分間攪拌することである。
このようにして得られたVCRを分離取得した残部の未反応の1,3−ブタジエン,不活性媒体及び二硫化炭素を含有する混合物から蒸留により1,3−ブタジエン,不活性媒体として分離して,一方,二硫化炭素を吸着分離処理,あるいは二硫化炭素付加物の分離処理によって二硫化炭素を分離除去し,二硫化炭素を実質的に含有しない1,3−ブタジエンと不活性媒体とを回収する。また,前記の混合物から蒸留によって3成分を回収して,この蒸留から前記の吸着分離あるいは二硫化炭素付着物分離処理によって二硫化炭素を分離除去することによっても,二硫化炭素を実質的に含有しない1,3−ブタジエンと不活性媒体とを回収することもできる。前記のようにして回収された二硫化炭素と不活性媒体とは新たに補充した1,3−ブタジエンを混合して使用される。
本発明による方法で連続運転すると,触媒成分の操作性に優れ,高い触媒効率で工業的に有利にVCRを連続的に長時間製造することができる。特に,重合槽内の内壁や攪拌翼,その他攪拌が緩慢な部分に付着することもなく,高い転化率で工業的に有利に連続製造できる。
(B)シス−ポリブタジエンの製造
シス−1,4結合を80%以上含有し、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)20〜80を有するシス−ポリブタジエンを1,3−ブタジエンおよび/または炭化水素系有機溶剤を主成分としてなる混合物に溶解させる工程で得られたシス−ポリブタジエン溶液を製造する。当該(B)のシス−ポリブタジエンは、コバルト触媒、ニッケル触媒、遷移金属化合物のメタロセン型錯体、またはランタノイド触媒を用いて合成されたシス−ポリブタジエンを単独または2種類以上ブレンドで製造することが好ましい。
水分の濃度が調節された、1,3−ブタジエンと炭化水素系有機溶剤を主成分としてなる混合物中の、上記のシス−ポリブタジエンの濃度は、1〜30wt%が好ましい。
(A)ビニル・シス−ポリブタジエンと(B)シス−ポリブタジエンとを溶液混合して得られるビニル・シス−ポリブタジエンゴムにおける(A)と(B)の割合は(A)/(B)=10〜50重量%/90〜50重量%であることが好ましい。
本発明により得られるビニル・シス−ポリブタジエンゴムはタイヤ用として有用であり,サイドウォール、または、トレッド,スティフナー,ビードフィラー,インナーライナー,カーカスなどに,その他、ホース,ベルトその他の各種工業用品等の剛性、機械的特性及び破壊特性が要求されるゴム用途に使用される。また,プラスチックスの改質剤として使用することもできる。
本発明により得られるビニル・シス−ポリブタジエンゴムに前記の配合剤を加えて混練した組成物は,従来の方法で得られたものに比較してダイスウェル比(押出し時の配合物の断面積とダイオリフィス断面積の比)が指数換算で90以下に低下(値が低下すると優れる)し、押出加工性に優れている。
また,本発明により得られるビニル・シス−ポリブタジエンゴム組成物(配合物)を加硫すると引張応力が向上する。特に100%引張応力の向上が著しく,前記従来の方法で得られたビニル・シス−ポリブタジエンゴムに比較して指数換算で20以上増加(値が増加すると優れる)し、補強効果が大幅に改善される。また高剛性であるため、カーボンやシリカ等の補強材使用量の低減が容易になり、タイヤの軽量化による低燃費化が可能となる。
さらに、本発明により得られたビニル・シス−ポリブタジエンゴム組成物(配合物)を加硫すると従来のビニル・シス−ポリブタジエンゴムに比較して高反撥弾性、低発熱性を示す。反撥弾性は指数換算で5前後増加(値が増加すると優れる)し、発熱性も低下するので、エネルギーロスが小さく、タイヤの低燃費化が可能である。従って本発明のビニル・シス−ポリブタジエンゴムをサイドウォール及びトレッドの素材として使用したタイヤは上記特性により優れた走行安定性・耐久性・高速耐久性を示し、且つ低燃費化を可能とする。また、ランフラットタイヤ等で要求される耐熱物性としては酸素等のガス透過性が、同様に従来の方法で得られたビニル・シス−ポリブタジエンゴムに比較して低下するので、酸化劣化に伴う発熱を抑制する効果も示す。
本発明により得られるビニル・シス−ポリブタジエンゴムと天然ゴム、合成ゴム若しくはこれらの任意の割合のブレンドゴムからなる群から選ばれたゴム100重量部に対して、ゴム補強剤を10〜100重量部を配合することにより、ゴム組成物を製造できる。
上記のゴム組成物の製造においては、前記各成分を通常行われているバンバリーミキサー、プラストミル、オープンロール、ニーダー、二軸混練り機などを用いて混練りすることでも得られる。
上記のゴム組成物の製造におけるゴム補強剤としては、各種のカーボンブラックやホワイトカーボン、活性化炭酸カルシウム、超微粒子珪酸マグネシウム等の無機補強剤や、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ハイスチレン樹脂、フェノール樹脂、リグニン、変性メラミン樹脂、クマロンインデン樹脂及び石油樹脂等の有機補強剤などがある。
特に好ましくは、粒子径が90nm以下、ジブチルフタレート(DBP)吸油量が70ml/100g以上のカーボンブラックで、例えば、FEF,FF,GPF,SAF,ISAF,SRF,HAF等が挙げられる。
本発明のゴム組成物には、必要に応じて、加硫剤、加硫助剤、老化防止剤、充填剤、プロセスオイル、亜鉛華、ステアリン酸など、通常ゴム業界で用いられる配合剤を混練してもよい。
加硫剤としては、公知の加硫剤、例えば硫黄、有機過酸化物、樹脂加硫剤、酸化マグネシウムなどの金属酸化物などが用いられる。
加硫助剤としては、公知の加硫助剤、例えばアルデヒド類、アンモニア類、アミン類、グアニジン類、チオウレア類、チアゾール類、チウラム類、ジチオカーバメイト類、キサンテート類などが用いられる。
老化防止剤としては、アミン・ケトン系、イミダゾール系、アミン系、フェノール系、硫黄系及び燐系などが挙げられる。
充填剤としては、炭酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム、クレー、リサージュ、珪藻土等の無機充填剤、再生ゴム、粉末ゴム等の有機充填剤が挙げられる。
プロセスオイルは、アロマティック系、ナフテン系、パラフィン系のいずれを用いてもよい。
以下に本発明に基づく実施例について具体的に記載する。実施例及び比較例において、得られたビニル・シスポリブタジエンゴムの素ゴムの物性、及び得られたゴム組成物の配合物の物性と加硫物の物性は以下のようにして測定した。
(1)沸騰n-ヘキサン不溶分(H.I.);2gのビニル・シスポリブタジエンゴムを200mlのn−ヘキサンにて4時間ソックスレー抽出器によって沸騰抽出した抽出残部を重量部で示した。
(2)ムーニー粘度;ビニル・シスポリブタジエンゴム、及びビニル・シスポリブタジエンゴムの配合物をJIS K6300に準じて100℃にて測定した値である。
(3)シス−ポリブタジエンゴムのトルエン溶液粘度;シス−ポリブタジエンの25℃における5重量%トルエン溶液の粘度を測定してセンチポイズ(cp)で示した。
(4)ダイ・スウェル;加工性測定装置(モンサント社、MPT)を用いて配合物の押出加工性の目安として100℃、100sec-1のせん断速度で押出時の配合物の断面積とダイオリフィス断面積(但し、L/D=1.5mm/1.5mm)の比を測定して求めた。また比較例を100とし、指数を算出した。数値が小さい程押出し加工性が良好なことを示す。
(5)引張弾性率;JIS K6251に従い、引張弾性率M100を測定した。また比較例を100とし、指数を算出した。数値が大きい程引張応力が高いことを示す。
(6)反撥弾性;JIS K6255に規定されている測定法に従い測定した。また比較例を100とし、指数を算出した。数値が大きい程反撥弾性が良好なことを示す。
(7)発熱量・永久歪;JIS K6265に規定されている測定方法に準じて測定した。また比較例を100とし、指数を算出した。発熱量、永久歪いずれも数値が小さい程良好な物性であることを示す。
(実施例1)
(A)ビニル・シスポリブタジエンの製造
内容量1.7Lのオートクレーブの内部を窒素置換し、シクロヘキサン260ml、ブタジエン140mlを仕込んで攪拌する。次いで、水5μlを添加して30分間攪拌を続けた。20℃、1気圧換算で110mlの水素を積算マスフロメーターで計量して注入し、次いで、トリエチルアルミニウム(TEA) 1mol/Lのトルエン溶液0.36mlを添加して3分間攪拌後、シクロペンタジエニルバナジウムトリクロライド(CpVCl3 )5mmol/Lのトルエン溶液0.5ml、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(Ph3 CB(C654 )2.5mmol/Lのトルエン溶液1.5mlの順に加え、重合温度40℃で30分間重合を行った。さらに、水を300mg/L含むトルエン4.8ml、ジエチルアルミニウムクロライド(DEAC)1mol/Lのトルエン溶液0.1ml、オクチル酸コバルト(Co(Oct)2)5mmol/Lのトルエン溶液0.5mlを加えて40℃で30分間反応させた。
反応後、生成ポリマーに対し0.1重量%含有させるように(a)2,4−ビス[(オクチルチオ)メチル]−オルト−クレゾールを溶解させたエタノール溶液を注入して反応を停止させた後、溶媒を蒸発させ乾燥した。生成ポリマー40gを、内容1.5Lの攪拌機つきステンレス製反応槽中に入れ、窒素ガスで置換した後、シクロヘキサン350mlを加え溶解させた。この溶液にブタジエン150ml、水1.1mmol、トリエチルアルムニウムクロライド3.5mmol、コバルトオクトエート0.04mmolを加え、40℃で20分間撹拌し、1,2シンジオ重合を行った。これに老化防止剤入りエタノール溶液を加えた。その後、未反応のブタジエンを蒸発除去し、収量67gで、HI;40.3%のビニル・シスポリブタジエンを得た。このうち58gのビニル・シスポリブタジエンをシクロヘキサンに溶解させ、ビニル・シスポリブタジエンスラリーを作製した。
(B)シスポリブタジエン溶液の製造
窒素ガスで置換した内容3.0Lの撹拌機つきステンレス製反応槽中に、シクロヘキサ2.0Lを入れ、そこに132gのML粘度43の宇部興産(株)製シス−シスポリブタジエン(商品名“UBEPOL−BR150L”)を溶解させ、シス−ポリブタジエンシクロヘキサン溶液を作製した。
(A)+(B)混合物ビニル・シス−ポリブタジエンゴムの製造
窒素ガスで置換した内容5.0Lの攪拌機つきステンレス製反応槽中に前述で述べたシスポリブタジエン132gが溶解したシス−ポリブタジエンシクロヘキサン溶液を入れ、そこに前述で述べたビニル・シスポリブタジエン58gを含むビニル・シスポリブタジエンシクロヘキサンスラリーを撹拌しながら添加した。スラリー添加後1時間撹拌した後、105℃で60分間真空乾燥して、(A)+(B)混合物ビニル・シス−ポリブタジエンゴム190gを得た。
この重合体混合物は、ML;72、HI;12.3%であった。

Claims (5)

  1. (A)(1)1,3−ブタジエンと炭化水素系有機溶剤を主成分としてなる混合物に、(a)遷移金属化合物のメタロセン型錯体、および(b)非配位性アニオンとカチオンとのイオン性化合物及び/又はアルモキサンからなる触媒を用いた重合により製造され、シス−1,4構造が65〜95%、かつ、ビニル構造が30〜4%である高シス−高ビニルポリブタジエンを溶解させ、引き続き、(2)得られたシス−ポリブタジエン溶液中に可溶性コバルト化合物と一般式AlR3(但し、Rは炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基又はシクロアルキル基である)で表される有機アルミニウム化合物とニ硫化炭素とから得られる触媒を存在させて、1,3−ブタジエンを1,2重合する工程から得られたビニル・シス−ポリブタジエン溶液、及び、
    (B)シス−1,4結合を80%以上含有し、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)20〜80を有するシス−ポリブタジエンを1,3−ブタジエンおよび/または炭化水素系有機溶剤を主成分としてなる混合物に溶解させる工程で得られたシス−ポリブタジエン溶液
    を混合することを特徴とするビニル・シス−ポリブタジエンゴムの製造方法。
  2. 当該(A)(2)の1,3−ブタジエンを1,2重合する工程の重合温度が−5〜50℃であることを特徴とする請求項1に記載のビニル・シス−ポリブタジエンゴムの製造方法。
  3. 当該(A)で得られたビニル・シス−ポリブタジエンの沸騰n−ヘキサン不溶分の割合(HI)が10〜60重量%であることを特徴とする請求項1〜2に記載のビニル・シス−ポリブタジエンゴムの製造方法。
  4. 当該(B)のシス−ポリブタジエンが、コバルト触媒、ニッケル触媒、遷移金属化合物のメタロセン型錯体、またはランタノイド触媒を用いて合成されたシス−ポリブタジエンを単独または2種類以上ブレンドで用いる請求項1〜3に記載のビニル・シス−ポリブタジエンゴムの製造方法。
  5. 当該(A)(1)の1,2重合開始前に、予め重合されたポリイソプレン、液状ポリイソプレン、融点150℃以下の結晶性ポリブタジエン、液状ポリブタジエン、スチレン−イソプレン−スチレン化合物、及びそれらの誘導体の中から少なくとも1種を1,3−ブタジエンと炭化水素系溶剤を主成分としてなる混合物に溶解する工程を含む請求項1〜5に記載のビニル・シスポリブタジエンゴムの製造方法。
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