JP2002338742A - ベーストレッド用ゴム組成物 - Google Patents

ベーストレッド用ゴム組成物

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JP2002338742A
JP2002338742A JP2002069614A JP2002069614A JP2002338742A JP 2002338742 A JP2002338742 A JP 2002338742A JP 2002069614 A JP2002069614 A JP 2002069614A JP 2002069614 A JP2002069614 A JP 2002069614A JP 2002338742 A JP2002338742 A JP 2002338742A
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JP
Japan
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rubber
component
rubber composition
cis
polybutadiene
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Pending
Application number
JP2002069614A
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English (en)
Inventor
Naomi Okamoto
尚美 岡本
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Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
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Publication date
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  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)
  • Tires In General (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 低発熱性と小ダイ・スウェルとを同時に満足
することは非常に難しく、両性能をバランス良く両立す
るゴム組成物を提供する。 【解決手段】 高シス−高ビニルポリブタジエン(a)
20〜80重量%と、(a)以外のジエン系ゴム
(b) 80〜20重量%とからなるゴム成分(a)+
(b) 100重量部と、無機充填材(c) 25〜6
0重量部とからなるゴム組成物であって、(1)該
(a)のミクロ構造がシス−1,4構造が65〜95%
及び1,2構造が4〜30%であること、(2)該
(a)の25℃における5%トルエン溶液粘度(T−c
p)とムーニー粘度(ML1+4)の関係式が下式
(I)を満足すること 2≦T−cp/ML
1+4≦6...(I)及び、(3)組成物の加硫物は
JIS K6265に規定されている発熱量が20℃以
下であることを特徴とするベーストレッド用ゴム組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ベーストレッド用ゴム
組成物に関するものであり、さらに詳しくは、タイヤの
内部発熱性と押出し加工性をバランス良く両立させた、
新規な高シスー高ビニルポリブタジエンによるベースト
レッド用ゴム組成物に関するものである。
【0002】また、本発明は、タイヤにおけるキャップ
トレッド、サイドウォール等のタイヤ外部部材・カーカ
ス、ビード、ベルト等のタイヤ内部部材やホース、ベル
ト、ゴムロール、ゴムクローラー等の工業製品にも用い
ることができる。
【0003】
【従来の技術】ポリブタジエンは、いわゆるミクロ構造
として、1,4−位での重合で生成した結合部分(1,4
−構造)と1,2−位での重合で生成した結合部分(1,
2−構造)とが分子鎖中に共存する。1,4−構造は、
更にシス構造とトランス構造の二種に分けられる。一
方、1,2−構造は、ビニル基を側鎖とする構造をと
る。
【0004】重合触媒によって、上記のミクロ構造が異
なったポリブタジエンが製造されることが知られてお
り、それらの特性によって種々の用途に使用されてい
る。特に、ハイシス構造(c)に適度に1,2−構造を
含みトランス構造が少ないミクロ構造を有し、且つ、分
子のリニアリティ(線状性)の高いポリブタジエンは、
耐摩耗性、耐発熱性、反発弾性の優れた特性を有する。
リニアリティの指標としては、Tcp/ML1+4 が用いら
れる。Tcpは、濃厚溶液中での分子の絡合いの程度を示
し、Tcp/ML1+4 が大きい程、分岐度は小さく線状性
は大きい。
【0005】特開平9−291108号公報などで開示
されているように、バナジウム金属化合物のメタロセン
型錯体及び非配位性アニオンとカチオンとのイオン性化
合物及び/又はアルミノキサンからなる重合触媒によ
り、ハイシス構造に適度に1,2−構造を含みトランス
構造が少ないミクロ構造を有し且つ分子のリニアリティ
(線状性)の高いポリブタジエンが製造されることが、
本出願人により見出されている。このポリブタジエンは
優れた特性を有することから、耐衝撃性ポリスチレン樹
脂やタイヤなどへの応用が検討されている。
【0006】特開平11−49924号公報には、特定
の高シス−高ビニルポリブタジエンからなる組成物のタ
イヤへの応用が記載され、トレッド用途に有用で、高反
発弾性率とスキッド抵抗性を併せ持つことが記載されて
いる。
【0007】ベーストレッド用ゴム組成物としては、低
発熱性のゴム組成物が要求される。低発熱性のゴム組成
物には、天然ゴム、イソプレンゴム、シス−1,4−ポ
リブタジエンゴムの単独又はそれらのブレンド物に、カ
ーボンブラックを配合したものが用いられる。低発熱性
をより優れたレベルにするには、天然ゴムの比率を増や
したいのだが、押出加工後の収縮率が大きくなるので、
キャップトレッドとベーストレッドとを共押出すると、
両部材間の収縮率の差が原因で押出物が反り返ってしま
う問題が生じる。この問題は、ベーストレッド組成物の
ダイ・スウェルを小さくすることで解決でき、高補強性
のカーボンブラックを多量に配合することで解決できる
が発熱が大きくなる場合があり、改善が望まれている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】低発熱化の他の手法と
して、低補強性のカーボンブラックの使用やカーボンブ
ラックの配合量の低減が考えられるが、押出加工時にエ
ッジ切れを発生したり、ダイ・スウェルが大きくなると
いう問題が発生する。即ち、低発熱性と小ダイ・スウェ
ルとを同時に満足することは非常に難しく、両性能をバ
ランス良く両立することが望まれている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、高シス−高ビ
ニルポリブタジエン(a) 20〜80重量%と、
(a)以外のジエン系ゴム(b) 80〜20重量%と
からなるゴム成分(a)+(b) 100重量部とゴム
補強剤(c) 25〜55重量部とからなるゴム組成物
であって、 (1)該高シス−高ビニルポリブタジエン(a)のミク
ロ構造がシス−1,4構造が65〜95%及び1,2構
造が4〜30%であること (2)該高シス−高ビニルポリブタジエン(a)の25
℃における5%トルエン溶液粘度(T−cp)とムーニ
ー粘度(ML1+4)の関係式が下式(I)を満足する
こと 1≦T−cp/ML1+4≦6...
(I)及び、(3)組成物の加硫物はJIS K626
5に規定されている発熱量が20℃以下であることを特
徴とするベーストレッド用ゴム組成物に関する。
【0010】また、本発明は、(a)以外のジエン系ゴ
ム(b)が、天然ゴム及び/又はポリイソプレンである
ことを特徴とする上記のベーストレッド用ゴム組成物に
関する。
【0011】また、本発明は、該ゴム補強剤(c)が、
カーボンブラックであることを特徴とする上記のベース
トレッド用ゴム組成物に関する。
【0012】また、本発明は、該高シス−高ビニルポリ
ブタジエン(a)が、(A)遷移金属化合物のメタロセ
ン型錯体、及び(B)非配位性アニオンとカチオンとの
イオン性化合物及び/又はアルモキサンから得られる触
媒を用いて製造されていることを特徴とする上記のベー
ストレッド用ゴム組成物に関する。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の(a)高シス−高ビニル
ポリブタジエンとしては、ミクロ構造がシス−1,4構
造が65〜95%、好ましくは70〜90%、及び1,
2構造が4〜30%であり、好ましくは5〜25%、よ
り好ましくは7〜15%、シス−1,4−構造含有率が
65〜95%、好ましくは70〜90%である。また、
トランス−1,4−構造含有率が5%以下が好ましく、
0.5〜4.0%が特に好ましい。
【0014】ミクロ構造が上記の範囲外であると、押出
し加工時の小ダイスウェルと低発熱性をバランス良く両
立できない。
【0015】即ち、シス構造が95%以上では配合物の
弾性率が高くなる傾向にあり押出し物のダイスウェルが
大きくなり、シス構造が65%以下ではタイヤ回転時の
エネルギー損失が大きくなるので内部発熱が高くなるた
め、好ましくない。
【0016】また、(a)高シス−高ビニルポリブタジ
エンの25℃における5%トルエン溶液粘度(T−c
p)とムーニー粘度(ML1+4)の関係式が下式
(I)を満足する範囲にある。 1≦T−cp/
ML1+4≦6...(I) 好ましくは、2≦T−cp/ML1+4≦6を満足す
る。
【0017】また、該ポリブタジエンのトルエン溶液粘
度(Tcp)は、20〜500が好ましく、30〜30
0が特に好ましい。
【0018】本発明の該ポリブタジエンのム−ニ−粘度
(ML1+4)は、10〜200が好ましく、25〜10
0が特に好ましい。
【0019】該ポリブタジエンの分子量は、トルエン中
30℃で測定した固有粘度[η]として、0.1〜10
が好ましく、0.1〜3が特に好ましい。
【0020】また、該ポリブタジエンの分子量は、ポリ
スチレン換算の分子量として下記の範囲のものが好まし
い。 数平均分子量(Mn):0.2×105〜10×105
より好ましくは0.5×105〜5×105 重量平均分子量(Mw):0.5×105〜20×1
5、より好ましくは1×105〜10×105
【0021】また、本発明のポリブタジエンの分子量分
布(Mw/Mn)は、好ましくは1.5〜3.5、より
好ましくは1.6〜3である。
【0022】本発明の該ポリブタジエンは、例えば、
(A)遷移金属化合物のメタロセン型錯体、及び(B)
非配位性アニオンとカチオンとのイオン性化合物及び/
又はアルミノキサンから得られる触媒を用いて、ブタジ
エンを重合させて製造できる。
【0023】あるいは、(A)遷移金属化合物のメタロ
セン型錯体、(B)非配位性アニオンとカチオンとのイ
オン性化合物、(C)周期律表第1〜3族元素の有機金
属化合物、及び、(D)水から得られる触媒を用いたブ
タジエンを重合させて製造できる。
【0024】(A)成分の遷移金属化合物のメタロセン
型錯体としては、周期律表第4〜8族遷移金属化合物の
メタロセン型錯体が挙げられる。
【0025】例えば、チタン、ジルコニウムなどの周期
律表第4族遷移金属のメタロセン型錯体(例えば、Cp
TiCl3など)、バナジウム、ニオブ、タンタルなど
の周期律表第5族遷移金属のメタロセン型錯体、クロム
などの第6族遷移金属メタロセン型錯体、コバルト、ニ
ッケルなどの第8族遷移金属のメタロセン型錯体が挙げ
られる。
【0026】中でも、周期律表第5族遷移金属のメタロ
セン型錯体が好適に用いられる。
【0027】上記の周期律表第5族遷移金属化合物のメ
タロセン型錯体としては、 (1) RM・La、すなわち、シクロアルカジエニル
基の配位子を有する酸化数+1の周期律表第5族遷移金
属化合物 (2) Rn MX2-n ・La、すなわち、少なくとも1
個のシクロアルカジエニル基の配位子を有する酸化数+
2の周期律表第5族遷移金属化合物 (3) Rn MX3-n ・La (4) RMX3 ・La (5) RM(O)X2 ・La (6) Rn MX3-n (NR' ) などの一般式で表される化合物が挙げられる(式中、n
は1又は2、aは0,1又は2である)。
【0028】中でも、RM・La、Rn MX2-n ・L
a、R2 M・La、RMX3 ・La、RM(O)X2
La などが好ましく挙げられる。
【0029】Mは、周期律表第5族遷移金属化合物が好
ましい。具体的にはバナジウム(V)、ニオブ(N
b)、またはタンタル(Ta)であり、好ましい金属は
バナジウムである。
【0030】Rはシクロペンタジエニル基、置換シクロ
ペンタジエニル基、インデニル基、置換インデニル基、
フルオレニル基又は置換フルオレニル基を示す。
【0031】置換シクロペンタジエニル基、置換インデ
ニル基又は置換フルオレニル基における置換基として
は、メチル、エチル、プロピル、iso−プロピル、n
−ブチル、iso−ブチル、sec−ブチル、t−ブチ
ル、ヘキシルなどの直鎖状脂肪族炭化水素基または分岐
状脂肪族炭化水素基、フェニル、トリル、ナフチル、ベ
ンジルなど芳香族炭化水素基、トリメチルシリルなどの
ケイ素原子を含有する炭化水素基などが挙げられる。さ
らに、シクロペンタジエニル環がXの一部と互いにジメ
チルシリル、ジメチルメチレン、メチルフェニルメチレ
ン、ジフェニルメチレン、エチレン、置換エチレンなど
の架橋基で結合されたものも含まれる。
【0032】置換シクロペンタジエニル基の具体例とし
ては、メチルシクロペンタジエニル基、などが挙げられ
る。
【0033】Xは水素、ハロゲン、炭素数1から20の
炭化水素基、アルコキシ基、又はアミノ基を示す。Xは
同じであっても、異なってもよい。
【0034】ハロゲンの具体例としては、フッ素原子、
塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
【0035】以上の中でも、Xとしては、水素、フッ素
原子、塩素原子、臭素原子、メチル、エチル、ブチル、
メトキシ、エトキシ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ
などが好ましい。
【0036】Lは、ルイス塩基であり、金属に配位でき
るルイス塩基性の一般的な無機、有機化合物である。そ
の内、活性水素を有しない化合物が特に好ましい。具体
例としては、エ−テル、エステル、ケトン、アミン、ホ
スフィン、シリルオキシ化合物、オレフィン、ジエン、
芳香族化合物、アルキンなどが挙げられる。
【0037】NR'はイミド基であり、R'は炭素数1か
ら25の炭化水素置換基である。
【0038】(A)周期律表第5族遷移金属化合物のメ
タロセン型錯体としては、中でも、Mがバナジウムであ
るバナジウム化合物が好ましい。例えば、RV・La、
RVX・La、R2 M・La、RMX2 ・La 、RM
3 ・La 、RM(O)X2・La などが好ましく挙
げられる。特に、RV・La、RMX3 ・Laが好まし
い。
【0039】RMX3 ・Laで示される具体的な化合物
としては、以下のものが挙げられるシクロペンタジエニ
ルバナジウムトリクロライドが挙げられる。モノ置換シ
クロペンタジエニルバナジウムトリクロライド、例え
ば、メチルシクロペンタジエニルバナジウムトリクロラ
イド、エチルシクロペンタジエニルバナジウムトリクロ
ライド、プロピルシクロペンタジエニルバナジウムトリ
クロライド、イソプロピルシクロペンタジエニルバナジ
ウムトリクロライド、t−ブチルシクロペンタジエニル
バナジウムトリクロライドなどが挙げられる。
【0040】1,2−ジ置換シクロペンタジエニルバナ
ジウムトリクロライド、例えば、(1,2−ジメチルシ
クロペンタジエニル)バナジウムトリクロライドなどが
挙げられる。
【0041】ペンタ置換シクロペンタジエニルバナジウ
ムトリクロライド、例えば、(ペンタメチルシクロペン
タジエニル)バナジウムトリクロライド、(1,2,
3,4−テトラメチル−5−フェニルシクロペンタジエ
ニル)バナジウムトリクロライド、(1−メチル−2,
3,4,5−テトラフェニルシクロペンタジエニル)バ
ナジウムトリクロライドなどが挙げられる。
【0042】インデニルバナジウムトリクロライドが挙
げられる。置換インデニルバナジウムトリクロライド、
例えば、(2−メチルインデニル)バナジウムトリクロ
ライド、(2−トリメチルシリルインデニル)バナジウ
ムトリクロライドなどが挙げられる。
【0043】シクロペンタジエニルバナジウムトリt−
ブトキサイド、シクロペンタジエニルバナジウムi−プ
ロポキサイド、シクロペンタジエニルバナジウムジメト
キシクロライドなどが挙げられる。
【0044】(t−ブチルアミド)ジメチル(η5−シ
クロペンタジエニル)シランバナジウムジクロライド、
(t−ブチルアミド)ジメチル(トリメチル−η5−シ
クロペンタジエニル)シランバナジウムジクロライドな
どが挙げられる。
【0045】RM(O)X2 で表される具体的な化合物
としては、シクロペンタジエニルオキソバナジウムジク
ロライド、メチルシクロペンタジエニルオキソバナジウ
ムジクロライド、ベンジルシクロペンタジエニルオキソ
バナジウムジクロライド、(1,3−ジメチルシクロペ
ンタジエニル)オキソバナジウムジクロライド、(1−
ブチル−3−メチルシクロペンタジエニル)オキソバナ
ジウムジクロライド、(ペンタメチルシクロペンタジエ
ニル)オキソバナジウムジクロライド、(トリメチルシ
リルシクロペンタジエニル)オキソバナジウムジクロラ
イドなどが挙げられる。上記の各化合物の塩素原子をメ
チル基で置換したメチル体も挙げられる。
【0046】RとXが炭化水素基、シリル基によって結
合されたものも含まれる。例えば、(t−ブチルアミ
ド)ジメチル(η5−シクロペンタジエニル)シランオ
キソバナジウムクロライドなどのアミドクロライド体、
あるいはこれらの化合物の塩素原子をメチル基で置換し
たメチル体などが挙げられる。
【0047】シクロペンタジエニルオキソバナジウムジ
メトキサイド、シクロペンタジエニルオキソバナジウム
ジi−プロポキサイド、シクロペンタジエニルオキソバ
ナジウムジt−ブトキサイドなどが挙げられる。上記の
各化合物の塩素原子をメチル基で置換したメチル体も挙
げられる。
【0048】(シクロペンタジエニル)ビス(ジエチル
アミド)オキソバナジウムなどが挙げられる。
【0049】(B)成分のうち、非配位性アニオンとカ
チオンとのイオン性化合物を構成する非配位性アニオン
としては、例えば、テトラ(フェニル)ボレ−ト、テト
ラ(フルオロフェニル)ボレ−ト、テトラキス(ジフル
オロフェニル)ボレ−ト、テトラキス(トリフルオロフ
ェニル)ボレ−ト、テトラキス(テトラフルオロフェニ
ル)ボレ−ト、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)
ボレ−ト、テトラキス(3,5−ビストリフルオロメチ
ルフェニル)ボレ−ト、テトラキス(テトラフルオロメ
チルフェニル)ボレ−ト、テトラ(トリイル)ボレ−
ト、テトラ(キシリル)ボレ−ト、トリフェニル(ペン
タフルオロフェニル)ボレ−ト、トリス(ペンタフルオ
ロフェニル)(フェニル)ボレ−ト、トリデカハイドラ
イド−7,8−ジカルバウンデカボレ−ト、テトラフル
オロボレ−ト、ヘキサフルオロホスフェ−トなどが挙げ
られる。
【0050】一方、カチオンとしては、カルボニウムカ
チオン、オキソニウムカチオン、アンモニウムカチオ
ン、ホスホニウムカチオン、シクロヘプチルトリエニル
カチオン、遷移金属を有するフェロセニウムカチオンな
どを挙げることができる。
【0051】カルボニウムカチオンの具体例としては、
トリフェニルカルボニウムカチオン、トリ置換フェニル
カルボニウムカチオンなどの三置換カルボニウムカチオ
ンを挙げることができる。トリ置換フェニルカルボニウ
ムカチオンの具体例としては、トリ(メチルフェニル)
カルボニウムカチオン、トリ(ジメチルフェニル)カル
ボニウムカチオンを挙げることができる。
【0052】アンモニウムカチオンの具体例としては、
トリメチルアンモニウムカチオン、トリエチルアンモニ
ウムカチオン、トリプロピルアンモニウムカチオン、ト
リブチルアンモニウムカチオン、トリ(n−ブチル)ア
ンモニウムカチオンなどのトリアルキルアンモニウムカ
チオン、N,N−ジメチルアニリニウムカチオン、N,
N−ジエチルアニリニウムカチオン、N,N−2,4,
6−ペンタメチルアニリニウムカチオンなどのN,N−
ジアルキルアニリニウムカチオン、ジ(i−プロピル)
アンモニウムカチオン、ジシクロヘキシルアンモニウム
カチオンなどのジアルキルアンモニウムカチオンを挙げ
ることができる。
【0053】ホスホニウムカチオンの具体例としては、
トリフェニルホスホニウムカチオン、トリ(メチルフェ
ニル)ホスホニウムカチオン、トリ(ジメチルフェニ
ル)ホスホニウムカチオンなどのトリアリ−ルホスホニ
ウムカチオンを挙げることができる。
【0054】該イオン性化合物は、上記で例示した非配
位性アニオン及びカチオンの中から、それぞれ任意に選
択して組み合わせたものを好ましく用いることができる
【0055】中でも、イオン性化合物としては、トリフ
ェニルカルボニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニ
ル)ボレ−ト、トリフェニルカルボニウムテトラキス
(フルオロフェニル)ボレ−ト、N,N−ジメチルアニ
リニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレ−
ト、1,1'−ジメチルフェロセニウムテトラキス(ペ
ンタフルオロフェニル)ボレ−トなどが好ましい。イオ
ン性化合物を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わ
せて用いてもよい。
【0056】また、(B)成分として、アルモキサンを
用いてもよい。アルモキサンとしては、有機アルミニウ
ム化合物と縮合剤とを接触させることによって得られる
ものであって、一般式(−Al(R')O−) n で示される鎖
状アルミノキサン、あるいは環状アルミノキサンが挙げ
られる。(R' は炭素数1〜10の炭化水素基であり、
一部ハロゲン原子及び/ 又はアルコキシ基で置換された
ものも含む。nは重合度であり、5以上、好ましくは1
0以上である)。R' として、はメチル、エチル、プロ
ピル、イソブチル基が挙げられるが、メチル基が好まし
い。アルミノキサンの原料として用いられる有機アルミ
ニウム化合物としては、例えば、トリメチルアルミニウ
ム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニ
ウムなどのトリアルキルアルミニウム及びその混合物な
どが挙げられる。
【0057】トリメチルアルミニウムとトリブチルアル
ミニウムの混合物を原料として用いたアルモキサンを好
適に用いることができる。
【0058】また、縮合剤としては、典型的なものとし
て水が挙げられるが、この他に該トリアルキルアルミニ
ウムが縮合反応する任意のもの、例えば無機物などの吸
着水やジオ−ルなどが挙げられる。
【0059】(A)成分及び(B)成分に、さらに
(C)成分として周期律表第1〜3族元素の有機金属化
合物を組合せて共役ジエンの重合を行ってもよい。
(C)成分の添加により重合活性が増大する効果があ
る。周期律表第1〜3族元素の有機金属化合物として
は、有機アルミニウム化合物、有機リチウム化合物、有
機マグネシウム化合物、有機亜鉛化合物、有機ホウ素化
合物などが挙げられる。
【0060】具体的な化合物としては、メチルリチウ
ム、ブチルリチウム、フェニルリチウム、ベンジルリチ
ウム、ネオペンチルリチウム、トリメチルシリルメチル
リチウム、ビストリメチルシリルメチルリチウム、ジブ
チルマグネシウム、ジヘキシルマグネシウム、ジエチル
亜鉛、ジメチル亜鉛、トリメチルアルミニウム、トリエ
チルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ
ヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、ト
リデシルアルミニウム、トリフッ化ホウ素、トリフェニ
ルホウ素などを挙げられる。
【0061】さらに、エチルマグネシウムクロライド、
ブチルマグネシウムクロライド、ジメチルアルミニウム
クロライド、ジエチルアルミニウムクロライド、セスキ
エチルアルミニウムクロライド、エチルアルミニウムジ
クロライドのような有機金属ハロゲン化合物、ジエチル
アルミニウムハイドライド、セスキエチルアルミニウム
ハイドライドのような水素化有機金属化合物も含まれ
る。また有機金属化合物は、二種類以上併用できる。
【0062】上記の触媒各成分の組合せとして、(A)
成分としてシクロペンタジエニルバナジウムトリクロラ
イド(CpVCl3)などのRMX3、あるいは、シクロ
ペンタジエニルオキソバナジウムジクロライド(CpV
(O)Cl2)などのRM(O)X2、(B)成分として
トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロ
フェニル)ボレ−ト、(C)成分としてトリエチルアル
ミニウムなどのトリアルキルアルミニウムの組合せが好
ましく用いられる。
【0063】また、(B)成分としてイオン性化合物を
用いる場合は、(C)成分として上記のアルモキサンを
組み合わせて使用してもよい。
【0064】各触媒成分の配合割合は、各種条件及び組
合せにより異なるが、(A)成分のメタロセン型錯体と
(B)成分のアルミノキサンのモル比は、好ましくは
1:1〜1:100000、より好ましくは1:10〜
1:10000である。(A)成分のメタロセン型錯体
と(B)成分のイオン性化合物とのモル比は、好ましく
は1:0.1〜1:10である。(A)成分のメタロセ
ン型錯体と(C)成分の有機金属化合物とのモル比は、
好ましくは1:0.1〜1:10000である。触媒成
分の添加順序は、特に、制限はない。
【0065】また、本発明においては、触媒系として
更に、(D)成分として水を添加することが好ましい。
(C)成分の有機アルミニウム化合物と(D)成分の
水とのモル比(C)/(D)は、好ましくは0.66〜
5であり、より好ましくは0.7〜1.5である。
【0066】触媒成分の添加順序は、特に、制限はない
が、例えば次の順序で行うことができる。 重合すべき共役ジエン化合物モノマ−又はモノマ−と
溶媒の混合物に(D)成分を添加し、(C)成分を添加
した後、(A)成分と(B)成分を任意の順序で添加す
る。 重合すべき共役ジエン化合物モノマ−又はモノマ−と
溶媒の混合物に(D)成分と(C)成分を添加した後、
(A)成分と(B)成分を任意の順序で添加する。
【0067】また重合時に、必要に応じて水素を共存さ
せることができる。水素の存在量は、共役ジエン1モル
に対して、好ましくは500ミリモル以下、あるいは、
20℃1気圧で12L以下であり、より好ましくは50
ミリモル以下、あるいは、20℃1気圧で1.2L以下
である。
【0068】ここで重合すべきブタジエンモノマ−と
は、全量であっても一部であってもよい。モノマ−の一
部の場合は、上記の接触混合物を残部のモノマ−あるい
は残部のモノマ−溶液と混合することができる。
【0069】ブタジエンモノマ−以外にイソプレン、
1,3−ペンタジエン、2−エチル−1,3− ブタジエ
ン、2,3−ジメチルブタジエン、2−メチルペンタジ
エン、4−メチルペンタジエン、2,4−ヘキサジエン
などの共役ジエン、エチレン、プロピレン、ブテン−
1、ブテン−2、イソブテン、ペンテン−1、4−メチ
ルペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1等の非環
状モノオレフィン、シクロペンテン、シクロヘキセン、
ノルボルネン等の環状モノオレフィン、及び/又はスチ
レンやα−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物、ジ
シクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネ
ン、1,5−ヘキサジエン等の非共役ジオレフィン等を
少量含んでいてもよい。
【0070】重合方法は、特に制限はなく、溶液重合、
又は、1,3−ブタジエンそのものを重合溶媒として用
いる塊状重合などを適用できる。トルエン、ベンゼン、
キシレン等の芳香族系炭化水素、n−ヘキサン、ブタ
ン、ヘプタン、ペンタン等の脂肪族炭化水素、シクロペ
ンタン、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素、1−ブテ
ン、2−ブテン等のオレフィン系炭化水素、ミネラルス
ピリット、ソルベントナフサ、ケロシン等の炭化水素系
溶媒や、塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素系溶媒等
が挙げられる。
【0071】本発明においては、上記の触媒を所定の温
度で予備重合を行うことが好ましい。予備重合は、気相
法、スラリ−法、塊状法などで行うことができる。予備
重合において得られた固体は分離してから本重合に用い
る、あるいは、分離せずに本重合を続けて行うことがで
きる。
【0072】重合温度は−100〜200℃の範囲が好
ましく、 −50〜120℃の範囲が特に好ましい。重
合時間は2分〜12時間の範囲が好ましく、5分〜6時
間の範囲が特に好ましい。
【0073】また、(a)成分として、低分子量ポリブ
タジエン(a1)成分と高分子量ポリブタジエン(a
2)成分との混合物を用いてもよい。
【0074】重合時に連鎖移動剤濃度を増加させ、(a
1)成分、(a2)成分を連続的に製造することができ
る。
【0075】さらに、別々に重合後、ブレンドして製造
することができる。(a1)成分と(a2)成分は、溶
液の状態でブレンドしてもよく、また、脱溶媒したもの
を混練してブレンドしてもよい。
【0076】低分子量ポリブタジエン(a1)成分を製
造するための水素の存在量は、重合溶液に対して、好ま
しくは1〜30mmol/Lであり、より好ましくは2
〜10 mmol/Lである。
【0077】高分子量ポリブタジエン(a2)成分を製
造するための水素の存在量は、重合溶液に対して、0.
1〜10 mmol/Lであり、より好ましくは0.5
〜5 mmol/Lである。
【0078】得られる(a1)成分と(a2)成分から
なるポリブタジエンの1,2−構造含有率は1〜30
%、好ましくは4〜30%である。シス−1,4−構造
含有率が65〜95%、好ましくは70〜95%であ
る。トランス−1,4−構造含有率が5%以下、好まし
くは4%以下である。
【0079】ポリブタジエンの(a1)成分のゲルパー
ミエーションクロマトグラフ(GPC)で測定した重量
平均分子量(Mw)が30.5万〜70万であり、好ま
しくは35〜60万である。
【0080】本発明で得られるポリブタジエンの(a
2)成分のゲルパーミエーションクロマトグラフ(GP
C)で測定した重量平均分子量(Mw)が好ましくは1
00万〜1000万であり、より好ましくは150〜8
00である。
【0081】好ましくは、(a1)成分の低分子量ポリ
ブタジエンと(a2)成分の高分子量ポリブタジエンと
の割合は、(a2)成分が0.5重量%以上40重量%
未満、特に好ましくは、1重量%以上25重量%未満で
ある。(a2)成分の割合が上記範囲よりも大きいと、
加工性が低下する。(a2)成分の割合が上記範囲より
も小さいと、コールドフロー性が低下する。
【0082】第一反応槽で(a1)成分を、第二反応槽
で(a2)成分を連続的に製造することが好ましい。
【0083】本発明においてポリブタジエンの分子量を
調節する方法としては、上記の触媒を用いて、水素など
の連鎖移動剤の存在下に共役ジエン化合物を重合させる
ことが挙げられる。
【0084】本発明においては、上記の触媒を用いて、
好ましくは混合槽で重合溶液と水素ガスを接触させ重合
溶液中の水素濃度を調整することによって、第一反応槽
以降で重合される重合体の分子量を調節することができ
る。
【0085】本発明の(a)以外のジエン系ゴム(b)
としては、ハイシスポリブタジエンゴム、ローシスポリ
ブタジエンゴム(BR)、乳化重合若しくは溶液重合ス
チレンブタジエンゴム(SBR)、天然ゴム、ポリイソ
プレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム(EPD
M)、ニトリルゴム(NBR)、ブチルゴム(II
R)、クロロプレンゴム(CR)などが挙げられる。
【0086】また、これらゴムの誘導体、例えば錫化合
物で変性されたポリブタジエンゴムやエポキシ変性、シ
ラン変性、マレイン酸変性された上記ゴムなども用いる
ことができ、これらのゴムは単独でも、二種以上組合せ
て用いても良い。
【0087】本発明の(c)成分のゴム補強剤として
は、各種のカーボンブラック以外に、ホワイトカーボ
ン、活性化炭酸カルシウム、超微粒子珪酸マグネシウム
等の無機補強剤やシンジオタクチック1.2ポリブタジ
エン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ハ
イスチレン樹脂、フェノール樹脂、リグニン、変性メラ
ミン樹脂、クマロンインデン樹脂及び石油樹脂等の有機
補強剤があり、特に好ましくは、粒子径が90nm以
下、ジブチルフタレート(DBP)吸油量が70ml/
100g以上のカーボンブラックで、例えば、FEF,
FF,GPF,SAF,ISAF,SRF,HAF等が
挙げられる。
【0088】本発明のゴム組成物の混合割合は、高シス
−高ビニルポリブタジエン(a)20〜80重量%と、
(a)以外のジエン系ゴム(b) 80〜20重量%と
からなるゴム成分(a)+(b) 100重量部とゴム
補強剤(c) 25〜55重量部である。
【0089】好ましくは、高シス−高ビニルポリブタジ
エン(a)30〜70重量%と、(a)以外のジエン系
ゴム(b)70〜30重量%とからなるゴム成分(a)
+(b) 100重量部とゴム補強剤(c)30〜55
重量部である。ゴム補強剤が25重量部以下であると押
出し物のダイスウェルが大きくなり、55重量部以上で
あると配合物粘度が上昇し混練りが困難となり、好まし
くない。
【0090】本発明のベーストレッド用ゴム組成物は、
前記各成分を通常行われているバンバリー、オープンロ
ール、ニーダー、二軸混練り機などを用いて混練りする
ことで得られる。
【0091】本発明のゴム組成物には、必要に応じて、
加硫剤、加硫助剤、老化防止剤、充填剤、プロセスオイ
ル、亜鉛華、ステアリン酸など、通常ゴム業界で用いら
れる配合剤を混練してもよい。
【0092】加硫剤としては、公知の加硫剤、例えば硫
黄、有機過酸化物、樹脂加硫剤、酸化マグネシウムなど
の金属酸化物などが用いられる。
【0093】加硫助剤としては、公知の加硫助剤、例え
ばアルデヒド類、アンモニア類、アミン類、グアニジン
類、チオウレア類、チアゾール類、チウラム類、ジチオ
カーバメイト類、キサンテート類などが用いられる。
【0094】充填剤としては、炭酸カルシウム、塩基性
炭酸マグネシウム、クレー、リサージュ、珪藻土等の無
機充填剤、再生ゴム、粉末ゴム等の有機充填剤が挙げら
れる。
【0095】老化防止剤としては、アミン・ケトン系、
イミダゾール系、アミン系、フェノール系、硫黄系及び
燐系などが挙げられる。
【0096】プロセスオイルは、アロマティック系、ナ
フテン系、パラフィン系のいずれを用いてもよい。
【0097】本発明のゴム組成物の加硫物はJIS K
6265に規定されている発熱量が20℃以下である。
【0098】本発明のゴム組成物は、低発熱性と小ダイ
・スウェルとを同時に満足し、両性能をバランス良く両
立するので、ベーストレッド用ゴム組成物として好適に
用いられる。
【0099】
【実施例】ミクロ構造は、赤外吸収スペクトル分析によ
って行った。シス740cm-1、トランス967c
-1、ビニル910cm-1の吸収強度比からミクロ構造
を算出した。
【0100】[η]は、トルエン溶液で30℃の温度で
測定した。ムーニー粘度(ML1+4)は、JIS K6300
に準拠して測定した。トルエン溶液粘度(Tcp)は、
ポリマー2.28gをトルエン50mlに溶解した後、標
準液として粘度計校正用標準液(JIS Z8809)を用
い、キャノンフェンスケ粘度計No.400を使用して、
25℃で測定した。
【0101】加硫ゴム組成物の特性は次のように評価し
た。 反撥弾性:JIS K6255に準じて、室温で測定し
た。
【0102】ダイスウェル:収縮率の指標として、20
mmφ押出し機(L/D=8)を用いて測定した。押出
し条件は、配合物投入温度;50℃、バレル温度;70
℃、ダイ温度;100℃、スクリュウ回転数;75rp
m、ダイ形状;三角形である。 100%弾性率:JIS K6251に準じ3号ダンベ
ルで測定した。
【0103】発熱量:JIS K6265に準じて、試
験温度100℃で、25分間試験し、試験後とスタート
温度との差を測定した。
【0104】(参考例1)(高シス−高ビニルポリブタ
ジエンの製造) 窒素置換した攪拌機付5Lのオートクレーブに30wt
%の1.3−ブタジエンを含有するトルエン溶液(1.
3−ブタジエン:814g)3.5Lを仕込んで攪拌す
る。次いで、水素ガスを導入して0.092kgG/c
圧力だけ高くした。30℃で3分かけてトリエチル
アルミニウム2.25mmolを、次いでトリチルテト
ラ(パーフルオロフェニル)ボレート0.039mmo
l、シクロペンタジエニルバナジウムトリクロライド
0.026mmolを連続して添加し、重合温度40℃
で30分間重合を行った。重合後、2,6−ジ−t−ブ
チル−p−クレゾールを含有するエタノールとへプタン
の当量混合液を注入して反応を停止させた後、溶媒を蒸
発させ乾燥した。得られたポリマーの収率は32%であ
り、ミクロ構造・ムーニー粘度・5%トルエン溶液粘度
及びt−cp/ML比を表1.に示した。
【0105】
【表1】
【0106】(実施例1〜5)(比較例1〜4) 参考例1の高シスー高ビニルポリブタジエン(HCH
V)を用い、表2に示す配合処方に従って、1.7Lの
試験用バンバリーミキサーを使用し天然ゴムとカーボン
ブラック等を混練してから加硫剤をオープンロールで混
合した。得られた配合物を所定の条件で押出し機で押出
してダイスウェル測定した。次いで、温度150℃で3
0分間プレス加硫し、得られた加硫試験片により100
%弾性率、反発弾性及び発熱量を評価した。その結果を
表2、3に示した。実施例の組成物は、ダイスウェルと
発熱量が高度にバランスし、且つ転がり抵抗の指標であ
る反撥弾性が改善されている。
【0107】比較例の組成物においては、市販のBRを
用いるとダイスウェルが大きくなり、カーボンブラック
の配合量が多いと発熱量が高くなる。また、高シスー高
ビニルポリブタジエンの使用比率が少ないと殆ど効果が
なかった。
【0108】
【表2】
【0109】
【表3】
【0110】
【発明の効果】本発明におけるベーストレッド用ゴム組
成物は、シス−1,4構造が 65〜95%、1,2構
造が30〜4%で構成されて、且つ、25℃における5
% トルエン溶液粘度(T−cp)とムーニー粘度(M
L1+4)の関係が、 1≦T−cp/ML1+4≦6
を満足する高シス−高ビニルポリブタジエンの組成物を
含んでいるので、低発熱性と小ダイ・スウェルとを同時
に満足し、両性能をバランス良く両立することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 7/00 C08L 7/00 Fターム(参考) 4J002 AC01X AC03X AC033 AC05W AC06X AC07X AC08X AC09X BA013 BB023 BB113 BB15X BB18X BC033 BK003 CC033 CC183 DA026 DE236 DJ006 DJ016 FD013 FD016 GN01 4J028 AA01A AB00A AB01A AC20A AC28A AC31A AC39A AC42A AC47A AC48A BA01B BB00B BB01B BC12B BC25B EB13 FA01 FA02 GA04 4J100 AS02P CA01 DA09 FA10 JA29

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高シス−高ビニルポリブタジエン(a)
    20〜80重量%と、(a)以外のジエン系ゴム
    (b) 80〜20重量%とからなるゴム成分(a)+
    (b) 100重量部とゴム補強剤(c) 25〜55
    重量部とからなるゴム組成物であって、 (1)該高シス−高ビニルポリブタジエン(a)のミク
    ロ構造がシス−1,4構造が65〜95%及び1,2構
    造が4〜30%であること (2)該高シス−高ビニルポリブタジエン(a)の25
    ℃における5%トルエン溶液粘度(T−cp)とムーニ
    ー粘度(ML1+4)の関係式が下式(I)を満足する
    こと 1≦T−cp/ML1+4≦6...
    (I)及び、(3)組成物の加硫物はJIS K626
    5に規定されている発熱量が20℃以下であることを特
    徴とするベーストレッド用ゴム組成物。
  2. 【請求項2】 (a)以外のジエン系ゴム(b)が、天
    然ゴム及び/又はポリイソプレンであることを特徴とす
    る請求項1に記載のベーストレッド用ゴム組成物。
  3. 【請求項3】 該ゴム補強剤(c)が、カーボンブラッ
    クであることを特徴とする請求項1〜2に記載のベース
    トレッド用ゴム組成物。
  4. 【請求項4】 該高シス−高ビニルポリブタジエン
    (a)が、(A)遷移金属化合物のメタロセン型錯体、
    及び(B)非配位性アニオンとカチオンとのイオン性化
    合物及び/又はアルモキサンから得られる触媒を用いて
    製造されていることを特徴とする請求項1〜3に記載の
    ベーストレッド用ゴム組成物。
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