JP2001040040A - ポリブタジエン - Google Patents

ポリブタジエン

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JP2001040040A
JP2001040040A JP11217354A JP21735499A JP2001040040A JP 2001040040 A JP2001040040 A JP 2001040040A JP 11217354 A JP11217354 A JP 11217354A JP 21735499 A JP21735499 A JP 21735499A JP 2001040040 A JP2001040040 A JP 2001040040A
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JP
Japan
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polybutadiene
group
vanadium
cyclopentadienyl
compound
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Pending
Application number
JP11217354A
Other languages
English (en)
Inventor
Michinori Suzuki
通典 鈴木
Masato Murakami
村上  真人
Yukihiko Asano
之彦 浅野
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Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
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Publication date
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  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 打球感が良好で、飛距離が大きく、かつ耐久
性が優れたソリッドゴルフボール用のポリブタジエンを
提供する。 【解決手段】 共架橋剤およびパーオキサイド類共に架
橋成形されてソリッドゴルフボールのゴム質部分の基材
ゴムとして用いられるポリブタジエンであって、下記の
特性を有することを特徴とするポリブタジエン。 ポリブタジエンの特性: (1)1,2−の含有率が4〜30モル%、シス−1,4
−の含有率が65〜95モル%、及びトランス−1,4
−の含有率が5モル%以下。 (2)トルエン溶液粘度(Tcp)と100℃における
ム−ニ−粘度(ML1+4)の比(Tcp/ML1+4)が3
〜6。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ソリッドゴルフボール
用ポリブタジエンに関するものであり、さらに詳しく
は、飛距離が大きく、かつ耐久性が優れたソリッドゴル
フボール用ポリブタジエンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリブタジエンは、いわゆるミクロ構造
として、1,4−位での重合で生成した結合部分(1,4
−構造)と1,2−位での重合で生成した結合部分(1,
2−構造)とが分子鎖中に共存する。1,4−構造は、
更にシス構造とトランス構造の二種に分けられる。一
方、1,2−構造は、ビニル基を側鎖とする構造をと
る。
【0003】重合触媒によって、上記のミクロ構造が異
なったポリブタジエンが製造されることが知られてお
り、それらの特性によって種々の用途に使用されてい
る。特に、ハイシス構造に適度に1,2−構造を含みト
ランス構造が少ないミクロ構造を有し、且つ、分子のリ
ニアリティ(線状性)の高いポリブタジエンは、耐摩耗
性、耐発熱性、反発弾性の優れた特性を有する。リニア
リティの指標としては、Tcp/ML1 + 4 が用いられる。
Tcpは、濃厚溶液中での分子の絡合いの程度を示し、T
cp/ML1 + 4 が大きい程、分岐度は小さく線状性は大き
い。
【0004】特開平9−291108号公報などで開示
されているように、バナジウム金属化合物のメタロセン
型錯体及び非配位性アニオンとカチオンとのイオン性化
合物及び/又はアルミノキサンからなる重合触媒によ
り、ハイシス構造に適度に1,2−構造を含みトランス
構造が少ないミクロ構造を有し且つ分子のリニアリティ
(線状性)の高いポリブタジエンが製造されることが、
本出願人により見出されている。このポリブタジエンは
優れた特性を有することから、耐衝撃性ポリスチレン樹
脂やタイヤなどへの応用が検討されている。
【0005】ソリッドゴルフボール用のゴム基材とし
て、シス含量が97%以上のポリブタジエンゴムを錫化
合物で変性したものを用いることが、特開平7−268
132号公報に開示されている。しかしながら、従来の
ハイシスポリブタジエンに較べて、架橋密度において変
わらない、さらに耐久性の改良が望まれるところがあっ
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、ソリッ
ドゴルフボールのうち、ラウンド用のツーピースソリッ
ドゴルフボールやスリーピースソリッドゴルフボールで
は、飛距離と耐久性の向上が望まれ、練習場向けのワン
ピースソリッドゴルフボールでは特に耐久性の向上が望
まれている。ゴルフボールの飛距離は、反発弾性の大き
なポリブタジエンによるところが多い。しかし、ポリブ
タジエンの引張強度が弱いために、耐久性が劣るという
欠点がある。
【0007】したがって、本発明は、打球感が良好で、
飛距離が大きく、かつ耐久性が優れたソリッドゴルフボ
ール用のポリブタジエンを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、共架橋剤およ
びパーオキサイド類共に架橋成形されてソリッドゴルフ
ボールのゴム質部分の基材ゴムとして用いられるポリブ
タジエンであって、下記の特性を有することを特徴とす
るポリブタジエンに関する。 ポリブタジエンの特性: (1)ブタジエンモノマ−ユニットのうち、1,2−構
造ユニットの含有率が4〜30モル%、シス−1,4−
構造ユニットの含有率が65〜95モル%、及びトラン
ス−1,4−構造ユニットの含有率が5モル%以下。 (2)トルエン溶液粘度(Tcp)と100℃における
ム−ニ−粘度(ML1+4)の比(Tcp/ML1+4)が3
〜6。
【0009】また、本発明は、該ポリブタジエンが錫化
合物で変性されていることを特徴とする上記の記載のポ
リブタジエンに関する。
【0010】また、本発明は、該ポリブタジエンが、
(A)遷移金属化合物のメタロセン型錯体、及び(B)
非配位性アニオンとカチオンとのイオン性化合物及び/
又はアルミノキサンから得られる触媒を用いて製造され
たものであることを特徴とする上記のポリブタジエンに
関する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明で反応に用いられる原料の
ポリブタジエンは、1,2−構造含有率が4〜30%、
好ましくは5〜25%、より好ましくは7〜15%、シ
ス−1,4−構造含有率が65〜95%、好ましくは7
0〜90%、トランス−1,4−構造含有率が5%以
下、好ましくは4.5%以下、特に好ましくは0.5〜
4.0%である。
【0012】ミクロ構造が上記の範囲外であると、ポリ
マ−の反応性(グラフト反応や架橋反応性など)が適当
でなく、添加剤などに用いたときのゴム的性質が低下
し、物性のバランスや外観などに影響を与え好ましくな
い。
【0013】また、ポリブタジエンのトルエン溶液粘度
(Tcp)と100℃におけるム−ニ−粘度(M
1+4)の比(Tcp/ML1+4)が3〜6、好ましくは
3〜5である。
【0014】また、ポリブタジエンのトルエン溶液粘度
(Tcp)は、20〜500が好ましく、30〜300
が特に好ましい。
【0015】本発明のポリブタジエンのム−ニ−粘度
(ML1+4)は、10〜200が好ましく、25〜10
0が特に好ましい。
【0016】本発明のポリブタジエンの分子量は、トル
エン中30℃で測定した固有粘度[η]として、0.1
〜10が好ましく、0.1〜3が特に好ましい。
【0017】また、本発明のポリブタジエンの分子量
は、ポリスチレン換算の分子量として下記の範囲のもの
が好ましい。 数平均分子量(Mn):0.2×105〜10×105
より好ましくは0.5×105〜5×105 重量平均分子量(Mw):0.5×105〜20×1
5、より好ましくは1×105〜10×105 また、本発明のポリブタジエンの分子量分布(Mw/M
n)は、好ましくは1.5〜3.5、より好ましくは
1.6〜3である。
【0018】錫化合物によるポリブタジエンの変性は、
たとえば、重合後のゴム溶液に錫化合物を加え、加熱処
理することによって行われる。
【0019】
【0020】上記ポリブタジエンの変性に用いる錫化合
物としては、錫の塩化物、たとえばトリフェニル錫クロ
ライド、ジフェニル錫ジクロライド、フェニル錫トリク
ロライドなどが挙げられ、これらはいずれも好適に使用
される。
【0021】本発明のポリブタジエンは、例えば、
(A)遷移金属化合物のメタロセン型錯体、及び(B)
非配位性アニオンとカチオンとのイオン性化合物及び/
又はアルミノキサンから得られる触媒を用いて、ブタジ
エンを重合させて製造できる。
【0022】あるいは、(A)遷移金属化合物のメタロ
セン型錯体、(B)非配位性アニオンとカチオンとのイ
オン性化合物、(C)周期律表第1〜3族元素の有機金
属化合物、及び、(D)水から得られる触媒を用いたブ
タジエンを重合させて製造できる。
【0023】(A)成分の遷移金属化合物のメタロセン
型錯体としては、周期律表第4〜8族遷移金属化合物の
メタロセン型錯体が挙げられる。
【0024】例えば、チタン、ジルコニウムなどの周期
律表第4族遷移金属のメタロセン型錯体(例えば、Cp
TiCl3など)、バナジウム、ニオブ、タンタルなど
の周期律表第5族遷移金属のメタロセン型錯体、クロム
などの第6族遷移金属メタロセン型錯体、コバルト、ニ
ッケルなどの第8族遷移金属のメタロセン型錯体が挙げ
られる。
【0025】中でも、周期律表第5族遷移金属のメタロ
セン型錯体が好適に用いられる。
【0026】上記の周期律表第5族遷移金属化合物のメ
タロセン型錯体としては、 (1) RM・La、すなわち、シクロアルカジエニル
基の配位子を有する酸化数+1の周期律表第5族遷移金
属化合物 (2) Rn MX2-n ・La、すなわち、少なくとも1
個のシクロアルカジエニル基の配位子を有する酸化数+
2の周期律表第5族遷移金属化合物 (3) Rn MX3-n ・La (4) RMX3 ・La (5) RM(O)X2 ・La (6) Rn MX3-n (NR' ) などの一般式で表される化合物が挙げられる(式中、n
は1又は2、aは0,1又は2である)。
【0027】中でも、RM・La、Rn MX2-n ・L
a、R2 M・La、RMX3 ・La、RM(O)X2
La などが好ましく挙げられる。
【0028】Mは、周期律表第5族遷移金属化合物が好
ましい。具体的にはバナジウム(V)、ニオブ(N
b)、またはタンタル(Ta)であり、好ましい金属は
バナジウムである。
【0029】Rはシクロペンタジエニル基、置換シクロ
ペンタジエニル基、インデニル基、置換インデニル基、
フルオレニル基又は置換フルオレニル基を示す。
【0030】置換シクロペンタジエニル基、置換インデ
ニル基又は置換フルオレニル基における置換基として
は、メチル、エチル、プロピル、iso−プロピル、n
−ブチル、iso−ブチル、sec−ブチル、t−ブチ
ル、ヘキシルなどの直鎖状脂肪族炭化水素基または分岐
状脂肪族炭化水素基、フェニル、トリル、ナフチル、ベ
ンジルなど芳香族炭化水素基、トリメチルシリルなどの
ケイ素原子を含有する炭化水素基などが挙げられる。さ
らに、シクロペンタジエニル環がXの一部と互いにジメ
チルシリル、ジメチルメチレン、メチルフェニルメチレ
ン、ジフェニルメチレン、エチレン、置換エチレンなど
の架橋基で結合されたものも含まれる。
【0031】置換シクロペンタジエニル基の具体例とし
ては、メチルシクロペンタジエニル基、1,2−ジメチ
ルシクロペンタジエニル基、1,3−ジメチルシクロペ
ンタジエニル基、1,3−ジ(t−ブチル)シクロペン
タジエニル基、1,2,3−トリメチルシクロペンタジ
エニル基、1,2,3,4−テトラメチルシクロペンタ
ジエニル基、ペンタメチルシクロペンタジエニル基、1
−エチル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタ
ジエニル基などが挙げられる。
【0032】置換インデニル基の具体例としては、1,
2,3−トリメチルインデニル基、ヘプタメチルインデ
ニル基、1,2,4,5,6,7−ヘキサメチルインデ
ニル基などが挙げられる。置換フルオレニル基の具体例
としては、メチルフルオレニル基などが挙げられる。以
上の中でも、Rとしてシクロペンタジエニル基、メチル
シクロペンタジエニル基、ペンタメチルシクロペンタジ
エニル基、インデニル基、1,2,3−トリメチルイン
デニル基などが好ましい。
【0033】Xは水素、ハロゲン、炭素数1から20の
炭化水素基、アルコキシ基、又はアミノ基を示す。Xは
同じであっても、異なってもよい。
【0034】ハロゲンの具体例としては、フッ素原子、
塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
【0035】炭素数1から20の炭化水素基の具体例と
しては、メチル、ベンジル、トリメチルシリルメチルな
どが好ましい。
【0036】アルコキシ基の具体例としては、メトキ
シ、エトキシ、フェノキシ、プロポキシ、ブトキシなど
が挙げられる。
【0037】アミノ基の具体例としては、ジメチルアミ
ノ、ジエチルアミノ、ジイソプロピルアミノなどが挙げ
られる。
【0038】以上の中でも、Xとしては、水素、フッ素
原子、塩素原子、臭素原子、メチル、エチル、ブチル、
メトキシ、エトキシ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ
などが好ましい。
【0039】Lは、ルイス塩基であり、金属に配位でき
るルイス塩基性の一般的な無機、有機化合物である。そ
の内、活性水素を有しない化合物が特に好ましい。具体
例としては、エ−テル、エステル、ケトン、アミン、ホ
スフィン、シリルオキシ化合物、オレフィン、ジエン、
芳香族化合物、アルキンなどが挙げられる。
【0040】NR'はイミド基であり、R'は炭素数1か
ら25の炭化水素置換基である。R' の具体例として
は、メチル、エチル、プロピル、iso−プロピル、s
ec−ブチル、t−ブチル、ヘキシル、オクチル、ネオ
ペンチルなどの直鎖状脂肪族炭化水素基または分岐状脂
肪族炭化水素基、フェニル、トリル、ナフチル、ベンジ
ル、1−フェニルエチル、2−フェニル−2−プロピ
ル、2,6−ジメチルフェニル、3,4−ジメチルフェ
ニルなどの芳香族炭化水素基などが挙げられる。さらに
トリメチルシリルなどのケイ素原子を含有する炭化水素
基も含まれる。
【0041】(A)周期律表第5族遷移金属化合物のメ
タロセン型錯体としては、中でも、Mがバナジウムであ
るバナジウム化合物が好ましい。例えば、RV・La、
RVX・La、R2 M・La、RMX2 ・La 、RM
3 ・La 、RM(O)X2・La などが好ましく挙
げられる。特に、RV・La、RMX3 ・Laが好まし
い。
【0042】RMX3 ・Laで示される具体的な化合物
としては、以下の(i)〜(xvi)のものが挙げられ
る。
【0043】(i) シクロペンタジエニルバナジウム
トリクロライドが挙げられる。モノ置換シクロペンタジ
エニルバナジウムトリクロライド、例えば、メチルシク
ロペンタジエニルバナジウムトリクロライド、エチルシ
クロペンタジエニルバナジウムトリクロライド、プロピ
ルシクロペンタジエニルバナジウムトリクロライド、イ
ソプロピルシクロペンタジエニルバナジウムトリクロラ
イド、t−ブチルシクロペンタジエニルバナジウムトリ
クロライド、(1,1−ジメチルプロピル)シクロペン
タジエニルバナジウムトリクロライド、(ベンジル)シ
クロペンタジエニルバナジウムトリクロライドなどが挙
げられる。
【0044】(ii) 1,2−ジ置換シクロペンタジ
エニルバナジウムトリクロライド、例えば、(1,2−
ジメチルシクロペンタジエニル)バナジウムトリクロラ
イド、(1−エチル−2−メチルシクロペンタジエニ
ル)バナジウムトリクロライド、(1−メチル−2−プ
ロピルシクロペンタジエニル)バナジウムトリクロライ
ド、(1−ブチル−2−メチルシクロペンタジエニル)
バナジウムトリクロライド、(1−メチル−2−ビス
(トリメチルシリル)メチルシクロペンタジエニル)バ
ナジウムトリクロライド、1,2−ビス(トリメチルシ
リル)シクロペンタジエニル)バナジウムトリクロライ
ド、(1−メチル−2−フェニルシクロペンタジエニ
ル)バナジウムトリクロライドなどが挙げられる。
【0045】(iia) 1,3−ジ置換シクロペンタ
ジエニルバナジウムトリクロライド、例えば、(1,3
−ジメチルシクロペンタジエニル)バナジウムトリクロ
ライド、(1−エチル−3−メチルシクロペンタジエニ
ル)バナジウムトリクロライド、(1−メチル−3−プ
ロピルシクロペンタジエニル)バナジウムトリクロライ
ド、(1−ブチル−3−メチルシクロペンタジエニル)
バナジウムトリクロライド、(1−メチル−3−ビス
(トリメチルシリル)メチルシクロペンタジエニル)バ
ナジウムトリクロライド、1,3−ビス(トリメチルシ
リル)シクロペンタジエニル)バナジウムトリクロライ
ド、(1−メチル−3−フェニルシクロペンタジエニ
ル)バナジウムトリクロライドなどが挙げられる。
【0046】(iii) 1,2,3−トリ置換シクロ
ペンタジエニルバナジウムトリクロライド、例えば、
(1,2,3−トリメチルシクロペンタジエニル)バナ
ジウムトリクロライドなどが挙げられる。
【0047】(iv) 1,2,4−トリ置換シクロペ
ンタジエニルバナジウムトリクロライド、例えば、
(1,2,4−トリメチルシクロペンタジエニル)バナ
ジウムトリクロライドなどが挙げられる。
【0048】(v) テトラ置換シクロペンタジエニル
バナジウムトリクロライド、例えば、(1,2,3,4
−テトラメチルシクロペンタジエニル)バナジウムトリ
クロライド、(1,2,3,4−テトラフェニルシクロ
ペンタジエニル)バナジウムトリクロライドなどが挙げ
られる。
【0049】(vi) ペンタ置換シクロペンタジエニ
ルバナジウムトリクロライド、例えば、(ペンタメチル
シクロペンタジエニル)バナジウムトリクロライド、
(1,2,3,4−テトラメチル−5−フェニルシクロ
ペンタジエニル)バナジウムトリクロライド、(1−メ
チル−2,3,4,5−テトラフェニルシクロペンタジ
エニル)バナジウムトリクロライドなどが挙げられる。
【0050】(vii)インデニルバナジウムトリクロ
ライドが挙げられる。(viii)置換インデニルバナ
ジウムトリクロライド、例えば、(2−メチルインデニ
ル)バナジウムトリクロライド、(2−トリメチルシリ
ルインデニル)バナジウムトリクロライドなどが挙げら
れる。
【0051】(ix) (i)〜(viii)の化合物
の塩素原子をアルコキシ基で置換したモノアルコキシ
ド、ジアルコキシド、トリアルコキシドなどが挙げられ
る。例えば、シクロペンタジエニルバナジウムトリt−
ブトキサイド、シクロペンタジエニルバナジウムi−プ
ロポキサイド、シクロペンタジエニルバナジウムジメト
キシクロライド、トリメチルシリルシクロペンタジエニ
ルバナジウムジi−プロポキシクロライド、シクロペン
タジエニルバナジウムジt−ブトキシクロライド、シク
ロペンタジエニルバナジウムジフェノキシクロライド、
シクロペンタジエニルバナジウムi−プロポキシジクロ
ライド、シクロペンタジエニルバナジウムt−ブトキシ
ジクロライド、シクロペンタジエニルバナジウムフェノ
キシジクロライドなどが挙げられる。
【0052】(x) (i)〜(ix)の塩素原子をメ
チル基で置換したメチル体が挙げられる。
【0053】(xi) Rが炭化水素基、シリル基によ
って結合されたものが挙げられる。例えば、(t−ブチ
ルアミド)ジメチル(η5−シクロペンタジエニル)シ
ランバナジウムジクロライド、(t−ブチルアミド)ジ
メチル(トリメチル−η5−シクロペンタジエニル)シ
ランバナジウムジクロライド、(t−ブチルアミド)ジ
メチル(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)
シランバナジウムジクロライドなどが挙げられる。
【0054】(xii) (xi)の塩素原子をメチル
基で置換したメチル体が挙げられる。
【0055】(xiii)(xi)の塩素原子をアルコ
キシ基で置換したモノアルコキシ体、ジアルコキシ体が
挙げられる。
【0056】(xiv) (xiii)のモノクロル体
をメチル基で置換した化合物が挙げられる。
【0057】(xv) (i)〜(viii)の塩素原
子をアミド基で置換したアミド体が挙げられる。例え
ば、シクロペンタジエニルトリス(ジエチルアミド)バ
ナジウム、シリルシクロペンタジエニルトリス(i−プ
ロピルアミド)バナジウム、シクロペンタジエニルトリ
ス(n−オクチルアミド)バナジウム、シクロペンタジ
エニルビス(ジエチルアミド)バナジウムクロライド、
(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)ビス(i−
プロピルアミド)バナジウムクロライド、(トリメチル
シリルシクロペンタジエニル)ビス(n−オクチルアミ
ド)バナジウムクロライド、シクロペンタジエニル(ジ
エチルアミド)バナジウムジクロライド、シクロペンタ
ジエニル(i−プロピルアミド)バナジウムジクロライ
ド、シクロペンタジエニル(n−オクチルアミド)バナ
ジウムジクロライド、(トリメチルシリルシクロペンタ
ジエニル)トリス(ジエチルアミド)バナジウムなどが
挙げられる。
【0058】(xvi) (xv)の塩素原子を、メチ
ル基で置換したメチル体が挙げられる。
【0059】RM(O)X2 で表される具体的な化合物
としては、シクロペンタジエニルオキソバナジウムジク
ロライド、メチルシクロペンタジエニルオキソバナジウ
ムジクロライド、ベンジルシクロペンタジエニルオキソ
バナジウムジクロライド、(1,3−ジメチルシクロペ
ンタジエニル)オキソバナジウムジクロライド、(1−
ブチル−3−メチルシクロペンタジエニル)オキソバナ
ジウムジクロライド、(ペンタメチルシクロペンタジエ
ニル)オキソバナジウムジクロライド、(トリメチルシ
リルシクロペンタジエニル)オキソバナジウムジクロラ
イドなどが挙げられる。上記の各化合物の塩素原子をメ
チル基で置換したメチル体も挙げられる。
【0060】RとXが炭化水素基、シリル基によって結
合されたものも含まれる。例えば、(t−ブチルアミ
ド)ジメチル(η5−シクロペンタジエニル)シランオ
キソバナジウムクロライド、(t−ブチルアミド)ジメ
チル(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シ
ランオキソバナジウムクロライドなどのアミドクロライ
ド体、あるいはこれらの化合物の塩素原子をメチル基で
置換したメチル体などが挙げられる。
【0061】シクロペンタジエニルオキソバナジウムジ
メトキサイド、シクロペンタジエニルオキソバナジウム
ジi−プロポキサイド、シクロペンタジエニルオキソバ
ナジウムジt−ブトキサイド、シクロペンタジエニルオ
キソバナジウムジフェノキサイド、シクロペンタジエニ
ルオキソバナジウムメトキシクロライドなどが挙げられ
る。上記の各化合物の塩素原子をメチル基で置換したメ
チル体も挙げられる。
【0062】(シクロペンタジエニル)ビス(ジエチル
アミド)オキソバナジウム、(シクロペンタジエニル)
ビス(ジi−プロピルアミド)オキソバナジウム、(シ
クロペンタジエニル)ビス(ジn−オクチルアミド)オ
キソバナジウムなどが挙げられる。
【0063】(B)成分のうち、非配位性アニオンとカ
チオンとのイオン性化合物を構成する非配位性アニオン
としては、例えば、テトラ(フェニル)ボレ−ト、テト
ラ(フルオロフェニル)ボレ−ト、テトラキス(ジフル
オロフェニル)ボレ−ト、テトラキス(トリフルオロフ
ェニル)ボレ−ト、テトラキス(テトラフルオロフェニ
ル)ボレ−ト、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)
ボレ−ト、テトラキス(3,5−ビストリフルオロメチ
ルフェニル)ボレ−ト、テトラキス(テトラフルオロメ
チルフェニル)ボレ−ト、テトラ(トリイル)ボレ−
ト、テトラ(キシリル)ボレ−ト、トリフェニル(ペン
タフルオロフェニル)ボレ−ト、トリス(ペンタフルオ
ロフェニル)(フェニル)ボレ−ト、トリデカハイドラ
イド−7,8−ジカルバウンデカボレ−ト、テトラフル
オロボレ−ト、ヘキサフルオロホスフェ−トなどが挙げ
られる。
【0064】一方、カチオンとしては、カルボニウムカ
チオン、オキソニウムカチオン、アンモニウムカチオ
ン、ホスホニウムカチオン、シクロヘプチルトリエニル
カチオン、遷移金属を有するフェロセニウムカチオンな
どを挙げることができる。
【0065】カルボニウムカチオンの具体例としては、
トリフェニルカルボニウムカチオン、トリ置換フェニル
カルボニウムカチオンなどの三置換カルボニウムカチオ
ンを挙げることができる。トリ置換フェニルカルボニウ
ムカチオンの具体例としては、トリ(メチルフェニル)
カルボニウムカチオン、トリ(ジメチルフェニル)カル
ボニウムカチオンを挙げることができる。
【0066】アンモニウムカチオンの具体例としては、
トリメチルアンモニウムカチオン、トリエチルアンモニ
ウムカチオン、トリプロピルアンモニウムカチオン、ト
リブチルアンモニウムカチオン、トリ(n−ブチル)ア
ンモニウムカチオンなどのトリアルキルアンモニウムカ
チオン、N,N−ジメチルアニリニウムカチオン、N,
N−ジエチルアニリニウムカチオン、N,N−2,4,
6−ペンタメチルアニリニウムカチオンなどのN,N−
ジアルキルアニリニウムカチオン、ジ(i−プロピル)
アンモニウムカチオン、ジシクロヘキシルアンモニウム
カチオンなどのジアルキルアンモニウムカチオンを挙げ
ることができる。
【0067】ホスホニウムカチオンの具体例としては、
トリフェニルホスホニウムカチオン、トリ(メチルフェ
ニル)ホスホニウムカチオン、トリ(ジメチルフェニ
ル)ホスホニウムカチオンなどのトリアリ−ルホスホニ
ウムカチオンを挙げることができる。
【0068】該イオン性化合物は、上記で例示した非配
位性アニオン及びカチオンの中から、それぞれ任意に選
択して組み合わせたものを好ましく用いることができる
【0069】中でも、イオン性化合物としては、トリフ
ェニルカルボニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニ
ル)ボレ−ト、トリフェニルカルボニウムテトラキス
(フルオロフェニル)ボレ−ト、N,N−ジメチルアニ
リニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレ−
ト、1,1'−ジメチルフェロセニウムテトラキス(ペ
ンタフルオロフェニル)ボレ−トなどが好ましい。イオ
ン性化合物を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わ
せて用いてもよい。
【0070】また、(B)成分として、アルモキサンを
用いてもよい。アルモキサンとしては、有機アルミニウ
ム化合物と縮合剤とを接触させることによって得られる
ものであって、一般式(−Al(R')O−) n で示される鎖
状アルミノキサン、あるいは環状アルミノキサンが挙げ
られる。(R' は炭素数1〜10の炭化水素基であり、
一部ハロゲン原子及び/ 又はアルコキシ基で置換された
ものも含む。nは重合度であり、5以上、好ましくは1
0以上である)。R' として、はメチル、エチル、プロ
ピル、イソブチル基が挙げられるが、メチル基が好まし
い。アルミノキサンの原料として用いられる有機アルミ
ニウム化合物としては、例えば、トリメチルアルミニウ
ム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニ
ウムなどのトリアルキルアルミニウム及びその混合物な
どが挙げられる。
【0071】トリメチルアルミニウムとトリブチルアル
ミニウムの混合物を原料として用いたアルモキサンを好
適に用いることができる。
【0072】また、縮合剤としては、典型的なものとし
て水が挙げられるが、この他に該トリアルキルアルミニ
ウムが縮合反応する任意のもの、例えば無機物などの吸
着水やジオ−ルなどが挙げられる。
【0073】(A)成分及び(B)成分に、さらに
(C)成分として周期律表第1〜3族元素の有機金属化
合物を組合せて共役ジエンの重合を行ってもよい。
(C)成分の添加により重合活性が増大する効果があ
る。周期律表第1〜3族元素の有機金属化合物として
は、有機アルミニウム化合物、有機リチウム化合物、有
機マグネシウム化合物、有機亜鉛化合物、有機ホウ素化
合物などが挙げられる。
【0074】具体的な化合物としては、メチルリチウ
ム、ブチルリチウム、フェニルリチウム、ベンジルリチ
ウム、ネオペンチルリチウム、トリメチルシリルメチル
リチウム、ビストリメチルシリルメチルリチウム、ジブ
チルマグネシウム、ジヘキシルマグネシウム、ジエチル
亜鉛、ジメチル亜鉛、トリメチルアルミニウム、トリエ
チルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ
ヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、ト
リデシルアルミニウム、トリフッ化ホウ素、トリフェニ
ルホウ素などを挙げられる。
【0075】さらに、エチルマグネシウムクロライド、
ブチルマグネシウムクロライド、ジメチルアルミニウム
クロライド、ジエチルアルミニウムクロライド、セスキ
エチルアルミニウムクロライド、エチルアルミニウムジ
クロライドのような有機金属ハロゲン化合物、ジエチル
アルミニウムハイドライド、セスキエチルアルミニウム
ハイドライドのような水素化有機金属化合物も含まれ
る。また有機金属化合物は、二種類以上併用できる。
【0076】上記の触媒各成分の組合せとして、(A)
成分としてシクロペンタジエニルバナジウムトリクロラ
イド(CpVCl3)などのRMX3、あるいは、シクロ
ペンタジエニルオキソバナジウムジクロライド(CpV
(O)Cl2)などのRM(O)X2、(B)成分として
トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロ
フェニル)ボレ−ト、(C)成分としてトリエチルアル
ミニウムなどのトリアルキルアルミニウムの組合せが好
ましく用いられる。
【0077】また、(B)成分としてイオン性化合物を
用いる場合は、(C)成分として上記のアルモキサンを
組み合わせて使用してもよい。
【0078】各触媒成分の配合割合は、各種条件及び組
合せにより異なるが、(A)成分のメタロセン型錯体と
(B)成分のアルミノキサンのモル比は、好ましくは
1:1〜1:100000、より好ましくは1:10〜
1:10000である。
【0079】(A)成分のメタロセン型錯体と(B)成
分のイオン性化合物とのモル比は、好ましくは1:0.
1〜1:10である。
【0080】(A)成分のメタロセン型錯体と(C)成
分の有機金属化合物とのモル比は、好ましくは1:0.
1〜1:10000である。
【0081】触媒成分の添加順序は、特に、制限はない
が、例えば次の順序で行うことができる。 重合すべきブタジエンモノマ−と(B)成分との接触
混合物に(A)成分を添加する。 重合すべきブタジエンモノマ−と(B)成分及び
(C)成分を任意の順序で添加した接触混合物に(A)
成分を添加する。 重合すべきブタジエンモノマ−と(C)成分の接触混
合物に(B)成分、次いで(A)成分を添加する。
【0082】また、本発明においては、触媒系として
更に、(D)成分として水を添加することが好ましい。
(C)成分の有機アルミニウム化合物と(D)成分の水
とのモル比(C)/(D)は、好ましくは0.66〜5
であり、より好ましくは0.7〜1.5である。
【0083】触媒成分の添加順序は、特に、制限はない
が、例えば次の順序で行うことができる。 重合すべき共役ジエン化合物モノマ−又はモノマ−と
溶媒の混合物に(D)成分を添加し、(C)成分を添加
した後、(A)成分と(B)成分を任意の順序で添加す
る。 重合すべき共役ジエン化合物モノマ−又はモノマ−と
溶媒の混合物に(D)成分と(C)成分を添加した後、
(A)成分と(B)成分を任意の順序で添加する。
【0084】また重合時に、必要に応じて水素を共存さ
せることができる。
【0085】水素の存在量は、共役ジエン1モルに対し
て、好ましくは500ミリモル以下、あるいは、20℃
1気圧で12L以下であり、より好ましくは50ミリモ
ル以下、あるいは、20℃1気圧で1.2L以下であ
る。
【0086】ここで重合すべきブタジエンモノマ−と
は、全量であっても一部であってもよい。モノマ−の一
部の場合は、上記の接触混合物を残部のモノマ−あるい
は残部のモノマ−溶液と混合することができる。
【0087】ブタジエンモノマ−以外にイソプレン、
1,3−ペンタジエン、2−エチル−1,3− ブタジエ
ン、2,3−ジメチルブタジエン、2−メチルペンタジ
エン、4−メチルペンタジエン、2,4−ヘキサジエン
などの共役ジエン、エチレン、プロピレン、ブテン−
1、ブテン−2、イソブテン、ペンテン−1、4−メチ
ルペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1等の非環
状モノオレフィン、シクロペンテン、シクロヘキセン、
ノルボルネン等の環状モノオレフィン、及び/又はスチ
レンやα−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物、ジ
シクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネ
ン、1,5−ヘキサジエン等の非共役ジオレフィン等を
少量含んでいてもよい。
【0088】重合方法は、特に制限はなく、溶液重合、
又は、1,3−ブタジエンそのものを重合溶媒として用
いる塊状重合などを適用できる。トルエン、ベンゼン、
キシレン等の芳香族系炭化水素、n−ヘキサン、ブタ
ン、ヘプタン、ペンタン等の脂肪族炭化水素、シクロペ
ンタン、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素、1−ブテ
ン、2−ブテン等のオレフィン系炭化水素、ミネラルス
ピリット、ソルベントナフサ、ケロシン等の炭化水素系
溶媒や、塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素系溶媒等
が挙げられる。
【0089】本発明においては、上記の触媒を所定の温
度で予備重合を行うことが好ましい。予備重合は、気相
法、スラリ−法、塊状法などで行うことができる。予備
重合において得られた固体は分離してから本重合に用い
る、あるいは、分離せずに本重合を続けて行うことがで
きる。
【0090】重合温度は−100〜200℃の範囲が好
ましく、 −50〜120℃の範囲が特に好ましい。重
合時間は2分〜12時間の範囲が好ましく、5分〜6時
間の範囲が特に好ましい。
【0091】上記のポリブタジエンは錫化合物で変性す
ることが好ましい。すなわち、ポリブタジエンを50〜
80℃にして、錫化合物を加えて30〜60分間攪拌す
る。最後に酸化防止剤(2,6−t−ブチル−p−クレ
ゾール)を添加した後、スチームを吹き込んで凝固さ
せ、乾燥することによって、所望とする錫化合物で変性
されたポリブタジエンが得られる。
【0092】錫化合物で変性されたポリブタジエンは、
シス1,4結合を40%以上、特に80%以上含有する
ことが、高反撥性能を得る面から好ましく、また、ムー
ニー粘度はML1+4 (100℃)=10〜200、特に
25〜100が好ましい。
【0093】また、ポリブタジエンに結合する錫の量
は、重量基準でポリブタジエン中100〜5000pp
m程度であることが好ましく、100ppmより少ない
場合は変性効果が少なく、5000ppmより多くなる
とゲル分が生じやすくなる。
【0094】ゴム組成物における基材ゴムとしては、上
記の錫化合物で変性されたポリブタジエンに、一般的な
未変性のポリブタジエン、スチレンブタジエンゴム(S
BR)、天然ゴム、合成ポリイソプレンゴム、エチレン
プロピレンジエンゴム(EPDM)などを適宜ブレンド
(混合)して用いることができるが、基材ゴムの50重
量%以上が上記の錫化合物で変性されたポリブタジエン
ゴムであることが好ましい。
【0095】ゴム組成物に配合される共架橋剤は、α,
β−エチレン性不飽和カルボン酸の1価または2価の金
属塩であることが好ましく、その具体例としては、たと
えばジアクリル酸亜鉛、塩基性メタクリル酸亜鉛、ジメ
タクリル酸亜鉛などが挙げられる。これらのα,β−エ
チレン性不飽和カルボン酸の金属塩は、そのままで基材
ゴムなどと混合する通常の方法以外に、あらかじめ酸化
亜鉛などの金属酸化物を練り混んだゴム組成物中にアク
リル酸、メタクリル酸などのα,β−エチレン性不飽和
カルボン酸を添加し練り混んでゴム組成物中でα,β−
エチレン性不飽和カルボン酸と金属酸化物とを反応させ
て、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸の金属塩とし
たものであってもよい。
【0096】上記共架橋剤の配合量は、特に限定される
ことはないが、通常は基材ゴム100重量部に対して1
0〜70重量部であることが好ましい。共架橋剤の配合
量が上記範囲より少ない場合は、架橋が充分に進行せ
ず、その結果、反撥性能が低下して、飛距離が小さくな
り、耐久性も悪くなる。また、共架橋剤の配合量が上記
範囲より多くなると、コンプレッションが大きくなりす
ぎるため打球感が悪くなる。
【0097】本発明において、ゴム質部分を構成するこ
とになるゴム組成物には、上記の共架橋剤以外にも、パ
ーオキサイド類が必須成分として配合される。
【0098】このパーオキサイド類は、ゴムおよび共架
橋剤の架橋、グラフト、重合などの開始剤として作用す
る。このパーオキサイド類の好適な具体例としては、た
とえばジクミルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブ
チルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサ
ンなどが挙げられる。
【0099】このパーオキサイド類の配合量は、基材ゴ
ム100重量部に対して0.2〜5重量部が好ましい。
ハーオキサイド類の配合量が上記範囲より少ない場合
は、架橋などを充分に進行させることができず、その結
果、反撥性能が低下して、飛距離が小さくなり、耐久性
も悪くなる。また、パーオキサイド類の配合量が上記範
囲より多くなると、オーバーキュアー(過架橋)となっ
て脆くなるため、耐久性が悪くなる。
【0100】上記ゴム組成物には、共架橋剤がジアクリ
ル酸亜鉛やジメタクリル酸亜鉛の場合に架橋助剤として
も作用する酸化亜鉛を配合してもよいし、さらに必要に
応じて、硫酸バリウムなどの充填剤、酸化防止剤、ステ
アリン酸亜鉛などの添加剤などを配合しても良い。
【0101】
【実施例】
【0102】ミクロ構造は、赤外吸収スペクトル分析に
よって行った。シス740cm-1、トランス967cm
-1、ビニル910cm-1の吸収強度比からミクロ構造を
算出した。
【0103】[η]は、トルエン溶液で30℃の温度で
測定した。ムーニー粘度(ML1+4)は、JIS K6300
に準拠して測定した。トルエン溶液粘度(Tcp)は、
ポリマー2.28gをトルエン50mlに溶解した後、標
準液として粘度計校正用標準液(JIS Z8809)を用
い、キャノンフェンスケ粘度計No.400を使用して、
25℃で測定した。錫の結合量はICPで測定した。
【0104】ゴルフボールの打球評価は、重量、コンプ
レッション(PGA表示)、ボール初速、飛距離(キャ
リー)およびハンマリング耐久性を測定した。 ボール初速:ツルーテンパー社製スイングロボットにウ
ッド1番クラブを取り付け、ボールをヘッドスピード4
5m/秒で打撃し、その時のボール初速(m/秒)を測
定する。 飛距離(キャリー):ツルーテンパー社製スイングロボ
ットにウッド1番クラブを取り付け、ボールをヘッドス
ピード45m/秒で打撃した時のボールの落下点までの
距離(ヤード)を測定する。 ハンマリング耐久性:ボールを45m/秒の速度で衝突
板に繰り返し衝突させ、ボールが破壊するまでの衝突回
数を調べ、比較例2のボールが破壊するまでの回数を1
00とした指数で示す。
【0105】
【実施例1】(ポリブタジエンの製造)内容量2Lのオ
ートクレーブの内部を窒素置換し、ブタジエン400m
Lを仕込んで攪拌する。次いで、20℃、1気圧換算で
200ccの水素を積算マスフロメーターで計量して注
入した。次いで、トリエチルアルミニウム(TEA)1
mol/Lのトルエン溶液、シクロペンタジエニルバナ
ジウムトリクロライド(CpVCl3 )5mmol/L
のトルエン溶液、トリフェニルカルベニウムテトラキス
(ペンタフルオロフェニル)ボレート(Ph3 CB(C
654 )2.5mmol/Lのトルエン溶液をそれ
ぞれ表1に示す量だけ加え、重合温度40℃で30分間
重合を行った。重合後、2,6−ジ−t−ブチル−p−
クレゾールを含有するエタノールを注入して反応を停止
させた後、溶媒を蒸発させ乾燥した。表2〜4に重合結
果を示した。
【0106】
【表1】
【0107】
【表2】
【0108】
【表3】
【0109】
【表4】
【0110】(錫変性ポリブタジエンの製造)上記のポ
リブタジエン(100g)を含む重合混合物溶液を60
℃、トリフェニル錫クロライドを 0.4g投入した。
30分撹拌後、酸化防止剤(2,6−t−ブチル−p−
クレゾール)1%溶液を添加した後、スチームを吹き込
んで凝固し、乾燥させた。得られた錫変性ポリブタジエ
ンは、錫含量が360ppmであった。
【0111】(ゴルフボールの作製)つぎに、上記錫変
性ポリブタジエンを用い、該ポリブタジエンを表5に示
す配合でジアクリル酸亜鉛、酸化亜鉛、ジクミルパーオ
キサイドおよび酸化防止剤とロールで混練し、得られた
ゴム組成物を150℃で30分間加圧架橋成形して、直
径38.5mmのコアーを得た。
【0112】
【表5】
【0113】
【実施例2】実施例1で得られたツーピースソリッドゴ
ルフボールについて、その重量、コンプレッション(P
GA表示)、ボール初速、飛距離およびハンマリング耐
久性を測定した。その結果を表6に示す。
【0114】
【比較例1】実施例1のポリブタジエンを錫変性なし
で、そのまま表5に示す配合処方でコア部を作製した。
実施例2と同じようにゴルフボールの評価した。その結
果を表6に示す。
【0115】
【比較例2】実施例1のポリブタジエンの代わりに、宇
部興産製のポリブタジエン(UBEPOL−BR15
0、ML1+4;43, ミクロ構造;cis98%、trans
1%、vinyl1%)を錫変性なしで、そのまま表5に示
す配合処方でコア部を作製した。実施例2と同じように
ゴルフボールの評価した。その結果を表6に示す。
【0116】
【表6】
【0117】
【発明の効果】本発明のポリブタジエンは、従来のハイ
シスポリブタジエンよりも、ビニル含量が比較的多く、
架橋密度が高くなりやすい、また、反応性が高いので、
変性の際、変性率が高くなる。さらに、リニアリティー
が高いので、基本的には、引張強度も高くなる。もちろ
んシス含量が十分高いので、反発弾性にも優れるポリブ
タジエンである。その錫変性物は、打球感が良好で、飛
距離が大きく、かつ耐久性が優れたゴルフボール用ポリ
ブタジエンを提供する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J028 AA01A AB00A AB01A AC01A AC10A AC20A AC28A AC29A AC31A AC39A AC41A AC42A AC44A AC45A AC46A AC47A AC48A BA00A BA01B BA02B BA03B BB00A BB01B BB02B BC01B BC05B BC06B BC09B BC12B BC13B BC15B BC16B BC17B BC19B BC25B BC40B CA17B EB13 EC01 FA01 FA02 GA04 GA11 GA26 4J100 AS02P CA01 CA14 CA15 CA16 CA31 DA09 FA10 HA53 HC29 HC36 HC85 JA57

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】共架橋剤およびパーオキサイド類共に架橋
    成形されてソリッドゴルフボールのゴム質部分の基材ゴ
    ムとして用いられるポリブタジエンであって、下記の特
    性を有することを特徴とするポリブタジエン。 ポリブタジエンの特性:(1)ブタジエンモノマ−ユニ
    ットのうち、1,2−構造ユニットの含有率が4〜30
    モル%、シス−1,4−構造ユニットの含有率が65〜
    95モル%、及びトランス−1,4−構造ユニットの含
    有率が5モル%以下。 (2)トルエン溶液粘度(Tcp)と100℃における
    ム−ニ−粘度(ML1+4)の比(Tcp/ML1+4)が3
    〜6。
  2. 【請求項2】該ポリブタジエンが錫化合物で変性されて
    いることを特徴とする請求項1に記載のポリブタジエ
    ン。
  3. 【請求項3】該ポリブタジエンが、(A)遷移金属化合
    物のメタロセン型錯体、及び(B)非配位性アニオンと
    カチオンとのイオン性化合物及び/又はアルミノキサン
    から得られる触媒を用いて製造されたものであることを
    特徴とする請求項1〜2に記載のポリブタジエン。
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