JP2001072726A - 変性ポリブタジエン - Google Patents

変性ポリブタジエン

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JP2001072726A
JP2001072726A JP2000206549A JP2000206549A JP2001072726A JP 2001072726 A JP2001072726 A JP 2001072726A JP 2000206549 A JP2000206549 A JP 2000206549A JP 2000206549 A JP2000206549 A JP 2000206549A JP 2001072726 A JP2001072726 A JP 2001072726A
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polybutadiene
vanadium
cyclopentadienyl
group
compound
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Application number
JP2000206549A
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English (en)
Inventor
Michinori Suzuki
通典 鈴木
Masato Murakami
村上  真人
Yukihiko Asano
之彦 浅野
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Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
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  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)
  • Graft Or Block Polymers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハイシス構造に適度に1,2−構造を含みト
ランス構造が少ないミクロ構造及び分子のリニアリティ
の高いポリブタジエンについて、接着性などの特性が改
善されたポリブタジエンを提供する。 【解決手段】 下記の特性を有するポリブタジエンに高
分子反応させたものであることを特徴として得られる変
性ポリブタジエン。ポリブタジエンの特性: (1)ブタジエンモノマ−ユニットのうち、1,2−構
造ユニットの含有率が4〜30モル%、シス−1,4−
構造ユニットの含有率が65〜95モル%、及びトラン
ス−1,4−構造ユニットの含有率が5モル%以下。 (2)トルエン溶液粘度(Tcp)と100℃における
ム−ニ−粘度(ML1+4)の比(Tcp/ML1+4)が3
〜6。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は制御されたミクロ構
造及び分子のリニアリティの高いポリブタジエンの変性
体に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリブタジエンは、いわゆるミクロ構造
として、1,4−位での重合で生成した結合部分(1,
4−構造)と1,2−位での重合で生成した結合部分
(1,2−構造)とが分子鎖中に共存する。1,4−構
造は、更にシス構造とトランス構造の二種に分けられ
る。一方、1,2−構造は、ビニル基を側鎖とする構造
をとる。
【0003】重合触媒によって、上記のミクロ構造が異
なったポリブタジエンが製造されることが知られてお
り、それらの特性によって種々の用途に使用されてい
る。特に、ハイシス構造に適度に1,2−構造を含みト
ランス構造が少ないミクロ構造を有し、且つ、分子のリ
ニアリティ(線状性)の高いポリブタジエンは、耐摩耗
性、耐発熱性、反発弾性の優れた特性を有する。リニア
リティの指標としては、Tcp/ML1+4 が用いられる。
Tcpは、濃厚溶液中での分子の絡合いの程度を示し、T
cp/ML1+4 が大きい程、分岐度は小さく線状性は大き
い。
【0004】特開平9−291108号公報などで開示
されているように、バナジウム金属化合物のメタロセン
型錯体及び非配位性アニオンとカチオンとのイオン性化
合物及び/又はアルミノキサンからなる重合触媒によ
り、ハイシス構造に適度に1,2−構造を含みトランス
構造が少ないミクロ構造を有し且つ分子のリニアリティ
(線状性)の高いポリブタジエンが製造されることが、
本出願人により見出されている。このポリブタジエンは
優れた特性を有することから、耐衝撃性ポリスチレン樹
脂などへの応用が検討されている。しかしながら、この
ポリブタジエンは、官能基がないため、接着剤や粘着
剤、接着性を持つ改質剤に用いるのが不適当であった。
【0005】また、ハロゲン化ポリブタジエンとして
は、特開昭63−51403号公報には、希土類金属元
素系触媒を用いて製造されたジエン系重合体をハロゲン
化する方法が開示されている。希土類金属元素系触媒を
用いて製造されたジエン系重合体のミクロ構造として
は、ほとんどがハイシス1,4−構造を有していてお
り、特定の用途には、ミクロ構造として適度に1,2−
構造を有している重合体のハロゲン化物が求められる場
合がある。また、塩素化によって微細な粉末になりにく
く、見かけの比重も小さく、輸送に際しても不利になる
問題がある。
【0006】
【発明の解決しようとする課題】本発明は、ハイシス構
造に適度に1,2−構造を含みトランス構造が少ないミ
クロ構造及び分子のリニアリティの高いポリブタジエン
について、接着性などの特性が改善されたポリブタジエ
ンを提供する。
【0007】
【課題解決のための手段】本発明は、下記の特性を有す
るポリブタジエンに高分子反応させたものであることを
特徴として得られる変性ポリブタジエンに関する。ポリ
ブタジエンの特性: (1)ブタジエンモノマ−ユニットのうち、1,2−構
造ユニットの含有率が4〜30モル%、シス−1,4−
構造ユニットの含有率が65〜95モル%、及びトラン
ス−1,4−構造ユニットの含有率が5モル%以下。 (2)トルエン溶液粘度(Tcp)と100℃における
ム−ニ−粘度(ML1+4)の比(Tcp/ML1+4)が3
〜6。
【0008】また、本発明は、該高分子反応が該ポリブ
タジエンに不飽和カルボン酸あるいはその誘導体を反応
させるものであることを特徴として得られる上記の変性
ポリブタジエンに関する。
【0009】また、本発明は、該不飽和カルボン酸ある
いはその誘導体が、マレイン酸、フマル酸、アクリル
酸、メタクリル酸及びそれらの誘導体であることを特徴
とする上記の変性ポリブタジエンに関する。
【0010】また、本発明は、該高分子反応が該ポリブ
タジエンにハロゲン系化合物を反応させるものであるこ
とを特徴として得られる上記の変性ポリブタジエンに関
する。
【0011】また、本発明は、該ハロゲン系化合物が分
子状のハロゲン、スルフリルハロゲン化物、ハロゲン化
コハク酸イミド、またはハロゲン化カプロラクタムのい
ずれかであることを特徴とする上記の変性ポリブタジエ
ンに関する。
【0012】また、本発明は、該ポリブタジエンが、
(A)遷移金属化合物のメタロセン型錯体、及び(B)
非配位性アニオンとカチオンとのイオン性化合物及び/
又はアルミノキサンから得られる触媒を用いて製造され
たものであることを特徴とする上記の変性ポリブタジエ
ンに関する。
【発明の実施の形態】本発明で反応に用いられる原料の
ポリブタジエンは、1,2−構造含有率が4〜30%、
好ましくは5〜25%、より好ましくは7〜15%、シ
ス−1,4−構造含有率が65〜95%、好ましくは7
0〜85%、トランス−1,4−構造含有率が5%以
下、好ましくは4.5%以下、特に好ましくは0.5〜
4.0%である。
【0013】ミクロ構造が上記の範囲外であると、ポリ
マ−の反応性(グラフト反応や架橋反応性など)が適当
でなく、添加剤などに用いたときのゴム的性質が低下
し、物性のバランスや外観などに影響を与え好ましくな
い。
【0014】また、ポリブタジエンのトルエン溶液粘度
(Tcp)と100℃におけるム−ニ−粘度(M
1+4)の比(Tcp/ML1+4)が3〜6、好ましくは
3〜5である。
【0015】また、ポリブタジエンのトルエン溶液粘度
(Tcp)は、20〜500が好ましく、30〜300
が特に好ましい。
【0016】本発明のポリブタジエンのム−ニ−粘度
(ML1+4)は、10〜200が好ましく、25〜10
0が特に好ましい。
【0017】本発明のポリブタジエンの分子量は、トル
エン中30℃で測定した固有粘度[η]として、0.1
〜10が好ましく、0.1〜3が特に好ましい。
【0018】また、本発明のポリブタジエンの分子量
は、ポリスチレン換算の分子量として下記の範囲のもの
が好ましい。 数平均分子量(Mn):0.2×105〜10×105
より好ましくは0.5×105〜5×105 重量平均分子量(Mw):0.5×105〜20×1
5、より好ましくは1×105〜10×105 また、本発明のポリブタジエンの分子量分布(Mw/M
n)は、好ましくは1.5〜3.5、より好ましくは
1.6〜3である。
【0019】本発明のポリブタジエンは、例えば、
(A)遷移金属化合物のメタロセン型錯体、及び(B)
非配位性アニオンとカチオンとのイオン性化合物及び/
又はアルミノキサンから得られる触媒を用いて、ブタジ
エンを重合させて製造できる。
【0020】あるいは、(A)遷移金属化合物のメタロ
セン型錯体、(B)非配位性アニオンとカチオンとのイ
オン性化合物、(C)周期律表第1〜3族元素の有機金
属化合物、及び、(D)水から得られる触媒を用いたブ
タジエンを重合させて製造できる。
【0021】(A)成分の遷移金属化合物のメタロセン
型錯体としては、周期律表第4〜8族遷移金属化合物の
メタロセン型錯体が挙げられる。
【0022】例えば、チタン、ジルコニウムなどの周期
律表第4族遷移金属のメタロセン型錯体(例えば、Cp
TiCl3など)、バナジウム、ニオブ、タンタルなど
の周期律表第5族遷移金属のメタロセン型錯体、クロム
などの第6族遷移金属メタロセン型錯体、コバルト、ニ
ッケルなどの第8族遷移金属のメタロセン型錯体が挙げ
られる。
【0023】中でも、周期律表第5族遷移金属のメタロ
セン型錯体が好適に用いられる。
【0024】上記の周期律表第5族遷移金属化合物のメ
タロセン型錯体としては、 (1) RM・La、すなわち、シクロアルカジエニル
基の配位子を有する酸化数+1の周期律表第5族遷移金
属化合物 (2) Rn MX2-n ・La、すなわち、少なくとも1
個のシクロアルカジエニル基の配位子を有する酸化数+
2の周期律表第5族遷移金属化合物 (3) Rn MX3-n ・La (4) RMX3 ・La (5) RM(O)X2 ・La (6) Rn MX3-n (NR' ) などの一般式で表される化合物が挙げられる(式中、n
は1又は2、aは0,1又は2である)。
【0025】中でも、RM・La、RMX3 ・La 、
RM(O)X2 ・La などが好ましく挙げられる。
【0026】Mは、周期律表第5族遷移金属化合物が好
ましい。具体的にはバナジウム(V)、ニオブ(N
b)、またはタンタル(Ta)であり、好ましい金属は
バナジウムである。
【0027】Rはシクロペンタジエニル基、置換シクロ
ペンタジエニル基、インデニル基、置換インデニル基、
フルオレニル基又は置換フルオレニル基を示す。
【0028】置換シクロペンタジエニル基、置換インデ
ニル基又は置換フルオレニル基における置換基として
は、メチル、エチル、プロピル、iso−プロピル、n
−ブチル、iso−ブチル、sec−ブチル、t−ブチ
ル、ヘキシルなどの直鎖状脂肪族炭化水素基または分岐
状脂肪族炭化水素基、フェニル、トリル、ナフチル、ベ
ンジルなど芳香族炭化水素基、トリメチルシリルなどの
ケイ素原子を含有する炭化水素基などが挙げられる。さ
らに、シクロペンタジエニル環がXの一部と互いにジメ
チルシリル、ジメチルメチレン、メチルフェニルメチレ
ン、ジフェニルメチレン、エチレン、置換エチレンなど
の架橋基で結合されたものも含まれる。
【0029】置換シクロペンタジエニル基の具体例とし
ては、メチルシクロペンタジエニル基、1,2−ジメチ
ルシクロペンタジエニル基、1,3−ジメチルシクロペ
ンタジエニル基、1,3−ジ(t−ブチル)シクロペン
タジエニル基、1,2,3−トリメチルシクロペンタジ
エニル基、1,2,3,4−テトラメチルシクロペンタ
ジエニル基、5−テトラメチルシクロペンタジエニル基
などが挙げられる。
【0030】置換インデニル基の具体例としては、1,
2,3−トリメチルインデニル基、ヘプタメチルインデ
ニル基、1,2,4,5,6,7−ヘキサメチルインデ
ニル基などが挙げられる。以上の中でも、Rとしてシク
ロペンタジエニル基、メチルシクロペンタジエニル基、
ペンタメチルシクロペンタジエニル基、インデニル基、
1,2,3−トリメチルインデニル基などが好ましい。
【0031】Xは水素、ハロゲン、炭素数1から20の
炭化水素基、アルコキシ基、又はアミノ基を示す。Xは
同じであっても、異なってもよい。
【0032】ハロゲンの具体例としては、フッ素原子、
塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
【0033】炭素数1から20の炭化水素基の具体例と
しては、メチル、ベンジル、トリメチルシリルメチルな
どが好ましい。
【0034】アルコキシ基の具体例としては、メトキ
シ、エトキシ、フェノキシ、プロポキシ、ブトキシなど
が挙げられる。
【0035】アミノ基の具体例としては、ジメチルアミ
ノ、ジエチルアミノ、ジイソプロピルアミノなどが挙げ
られる。
【0036】以上の中でも、Xとしては、水素、フッ素
原子、塩素原子、臭素原子、メチル、エチル、ブチル、
メトキシ、エトキシ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ
などが好ましい。
【0037】Lは、ルイス塩基であり、金属に配位でき
るルイス塩基性の一般的な無機、有機化合物である。そ
の内、活性水素を有しない化合物が特に好ましい。具体
例としては、エ−テル、エステル、ケトン、アミン、ホ
スフィン、シリルオキシ化合物、オレフィン、ジエン、
芳香族化合物、アルキンなどが挙げられる。
【0038】NR'はイミド基であり、R'は炭素数1か
ら25の炭化水素置換基である。R' の具体例として
は、メチル、エチル、プロピル、iso−プロピル、s
ec−ブチル、t−ブチル、ヘキシル、オクチル、ネオ
ペンチルなどの直鎖状脂肪族炭化水素基または分岐状脂
肪族炭化水素基、フェニル、トリル、ナフチル、ベンジ
ル、1−フェニルエチル、2−フェニル−2−プロピ
ル、2,6−ジメチルフェニル、3,4−ジメチルフェ
ニルなどの芳香族炭化水素基などが挙げられる。さらに
トリメチルシリルなどのケイ素原子を含有する炭化水素
基も含まれる。
【0039】(A)周期律表第5族遷移金属化合物のメ
タロセン型錯体としては、中でも、Mがバナジウムであ
るバナジウム化合物が好ましい。例えば、RV・La、
RVX・La、R2V・La、RVX2 ・La 、RVX
3 ・La 、RV(O)X2・La などが好ましく挙げ
られる。特に、RV・La、RVX3 ・La、RV
(O)X2 ・Laが好ましい。
【0040】RM・La、すなわち、シクロアルカジエ
ニル基の配位子を有する酸化数+1の周期律表第5族遷
移金属化合物としては、シクロペンタジエニル(ベンゼ
ン)バナジウム、シクロペンタジエニル(トルエン)バ
ナジウム、シクロペンタジエニル(キシレン)バナジウ
ム、シクロペンタジエニル(トリメチルベンゼン)バナ
ジウム、シクロペンタジエニル(ヘキサメチルベンゼ
ン)バナジウム、シクロペンタジエニル(ナフタレン)
バナジウム、シクロペンタジエニル(アントラセン)バ
ナジウム、シクロペンタジエニル(フェロセン)バナジ
ウム、メチルシクロペンタジエニル(ベンゼン)バナジ
ウム、1,3−ジメチルシクロペンタジエニル(ベンゼ
ン)バナジウム、1−ブチル−3−メチルシクロペタジ
エニル(ベンゼン)バナジウム、テトラメチルシクロペ
ンタジエニル(ベンゼン)バナジウム、ペンタメチルシ
クロペンタジエニル(ベンゼン)バナジウム、トリメチ
ルシリルシクロペンタジエニル(ベンゼン)バナジウ
ム、1,2−ビス(トリメチルシリル)シクロペンタジ
エニル(ベンゼン)バナジウム、1,3−ビス(トリメ
チルシリル)シクロペンタジエニル(ベンゼン)バナジ
ウム、インデニル(ベンゼン)バナジウム、2−メチル
インデニル(ベンゼン)バナジウム、2−トリメチルシ
リルインデニル(ベンゼン)バナジウム、フルオレニル
(ベンゼン)バナジウム、シクロペンタジエニル(エチ
レン)(トリメチルホスフィン)バナジウム、シクロペ
ンタジエニル(ブタジエン)(トリメチルホスフィン)
バナジウム、シクロペンタジエニル(1,4−ジフェニ
ルブタジエン)(トリメチルホスフィン)バナジウム、
シクロペンタジエニル(1,1,4,4−テトラフェニ
ルブタジエン)(トリメチルホスフィン)バナジウム、
シクロペンタジエニル(2,3−ジメチルブタジエン)
(トリメチルホスフィン)バナジウム、シクロペンタジ
エニル(2、4−ヘキサジエン)(トリメチルホスフィ
ン)バナジウム、シクロペンタジエニルテトラカルボニ
ルバナジウム、インデニルテトラカルボニルバナジウム
などを挙げることができる。
【0041】RMX3 ・Laで示される具体的な化合物
としては、以下の(i)〜(xvi)のものが挙げられ
る。
【0042】(i) シクロペンタジエニルバナジウム
トリクロライドが挙げられる。モノ置換シクロペンタジ
エニルバナジウムトリクロライド、例えば、メチルシク
ロペンタジエニルバナジウムトリクロライド、エチルシ
クロペンタジエニルバナジウムトリクロライド、プロピ
ルシクロペンタジエニルバナジウムトリクロライド、イ
ソプロピルシクロペンタジエニルバナジウムトリクロラ
イド、t−ブチルシクロペンタジエニルバナジウムトリ
クロライド、(1,1−ジメチルプロピル)シクロペン
タジエニルバナジウムトリクロライド、(ベンジル)シ
クロペンタジエニルバナジウムトリクロライドなどが挙
げられる。
【0043】(ii) 1,2−ジ置換シクロペンタジ
エニルバナジウムトリクロライド、例えば、(1,2−
ジメチルシクロペンタジエニル)バナジウムトリクロラ
イド、(1−エチル−2−メチルシクロペンタジエニ
ル)バナジウムトリクロライド、(1−メチル−2−プ
ロピルシクロペンタジエニル)バナジウムトリクロライ
ド、(1−ブチル−2−メチルシクロペンタジエニル)
バナジウムトリクロライド、(1−メチル−2−ビス
(トリメチルシリル)メチルシクロペンタジエニル)バ
ナジウムトリクロライド、1,2−ビス(トリメチルシ
リル)シクロペンタジエニル)バナジウムトリクロライ
ド、(1−メチル−2−フェニルシクロペンタジエニ
ル)バナジウムトリクロライドなどが挙げられる。
【0044】(iia) 1,3−ジ置換シクロペンタ
ジエニルバナジウムトリクロライド、例えば、(1,3
−ジメチルシクロペンタジエニル)バナジウムトリクロ
ライド、(1−エチル−3−メチルシクロペンタジエニ
ル)バナジウムトリクロライド、(1−メチル−3−プ
ロピルシクロペンタジエニル)バナジウムトリクロライ
ド、(1−ブチル−3−メチルシクロペンタジエニル)
バナジウムトリクロライド、(1−メチル−3−ビス
(トリメチルシリル)メチルシクロペンタジエニル)バ
ナジウムトリクロライド、1,3−ビス(トリメチルシ
リル)シクロペンタジエニル)バナジウムトリクロライ
ド、(1−メチル−3−フェニルシクロペンタジエニ
ル)バナジウムトリクロライドなどが挙げられる。
【0045】(iii) 1,2,3−トリ置換シクロ
ペンタジエニルバナジウムトリクロライド、例えば、
(1,2,3−トリメチルシクロペンタジエニル)バナ
ジウムトリクロライドなどが挙げられる。
【0046】(iv) 1,2,4−トリ置換シクロペ
ンタジエニルバナジウムトリクロライド、例えば、
(1,2,4−トリメチルシクロペンタジエニル)バナ
ジウムトリクロライドなどが挙げられる。
【0047】(v) テトラ置換シクロペンタジエニル
バナジウムトリクロライド、例えば、(1,2,3,4
−テトラメチルシクロペンタジエニル)バナジウムトリ
クロライド、(1,2,3,4−テトラフェニルシクロ
ペンタジエニル)バナジウムトリクロライドなどが挙げ
られる。
【0048】(vi) ペンタ置換シクロペンタジエニ
ルバナジウムトリクロライド、例えば、(ペンタメチル
シクロペンタジエニル)バナジウムトリクロライド、
(1,2,3,4−テトラメチル−5−フェニルシクロ
ペンタジエニル)バナジウムトリクロライド、(1−メ
チル−2,3,4,5−テトラフェニルシクロペンタジ
エニル)バナジウムトリクロライドなどが挙げられる。
【0049】(vii)インデニルバナジウムトリクロ
ライドが挙げられる。 (viii)置換インデニルバナジウムトリクロライ
ド、例えば、(2−メチルインデニル)バナジウムトリ
クロライド、(2−トリメチルシリルインデニル)バナ
ジウムトリクロライドなどが挙げられる。
【0050】(ix) (i)〜(viii)の化合物
の塩素原子をアルコキシ基で置換したモノアルコキシ
ド、ジアルコキシド、トリアルコキシドなどが挙げられ
る。例えば、シクロペンタジエニルバナジウムトリt−
ブトキサイド、シクロペンタジエニルバナジウムi−プ
ロポキサイド、シクロペンタジエニルバナジウムジメト
キシクロライド、トリメチルシリルシクロペンタジエニ
ルバナジウムジi−プロポキシクロライド、シクロペン
タジエニルバナジウムジt−ブトキシクロライド、シク
ロペンタジエニルバナジウムジフェノキシクロライド、
シクロペンタジエニルバナジウムi−プロポキシジクロ
ライド、シクロペンタジエニルバナジウムt−ブトキシ
ジクロライド、シクロペンタジエニルバナジウムフェノ
キシジクロライドなどが挙げられる。
【0051】(x) (i)〜(ix)の塩素原子をメ
チル基で置換したメチル体が挙げられる。
【0052】(xi) Rが炭化水素基、シリル基によ
って結合されたものが挙げられる。例えば、(t−ブチ
ルアミド)ジメチル(η5−シクロペンタジエニル)シ
ランバナジウムジクロライド、(t−ブチルアミド)ジ
メチル(トリメチル−η5−シクロペンタジエニル)シ
ランバナジウムジクロライド、(t−ブチルアミド)ジ
メチル(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)
シランバナジウムジクロライドなどが挙げられる。
【0053】(xii) (xi)の塩素原子をメチル
基で置換したメチル体が挙げられる。
【0054】(xiii)(xi)の塩素原子をアルコ
キシ基で置換したモノアルコキシ体、ジアルコキシ体が
挙げられる。
【0055】(xiv) (xiii)のモノクロル体
をメチル基で置換した化合物が挙げられる。
【0056】(xv) (i)〜(viii)の塩素原
子をアミド基で置換したアミド体が挙げられる。例え
ば、シクロペンタジエニルトリス(ジエチルアミド)バ
ナジウム、シリルシクロペンタジエニルトリス(i−プ
ロピルアミド)バナジウム、シクロペンタジエニルトリ
ス(n−オクチルアミド)バナジウム、シクロペンタジ
エニルビス(ジエチルアミド)バナジウムクロライド、
(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)ビス(i−
プロピルアミド)バナジウムクロライド、(トリメチル
シリルシクロペンタジエニル)ビス(n−オクチルアミ
ド)バナジウムクロライド、シクロペンタジエニル(ジ
エチルアミド)バナジウムジクロライド、シクロペンタ
ジエニル(i−プロピルアミド)バナジウムジクロライ
ド、シクロペンタジエニル(n−オクチルアミド)バナ
ジウムジクロライド、(トリメチルシリルシクロペンタ
ジエニル)トリス(ジエチルアミド)バナジウムなどが
挙げられる。
【0057】(xvi) (xv)の塩素原子を、メチ
ル基で置換したメチル体が挙げられる。
【0058】RM(O)X2 で表される具体的な化合物
としては、シクロペンタジエニルオキソバナジウムジク
ロライド、メチルシクロペンタジエニルオキソバナジウ
ムジクロライド、ベンジルシクロペンタジエニルオキソ
バナジウムジクロライド、(1,3−ジメチルシクロペ
ンタジエニル)オキソバナジウムジクロライド、(1−
ブチル−3−メチルシクロペンタジエニル)オキソバナ
ジウムジクロライド、(ペンタメチルシクロペンタジエ
ニル)オキソバナジウムジクロライド、(トリメチルシ
リルシクロペンタジエニル)オキソバナジウムジクロラ
イドなどが挙げられる。上記の各化合物の塩素原子をメ
チル基で置換したメチル体も挙げられる。
【0059】RとXが炭化水素基、シリル基によって結
合されたものも含まれる。例えば、(t−ブチルアミ
ド)ジメチル(η5−シクロペンタジエニル)シランオ
キソバナジウムクロライド、(t−ブチルアミド)ジメ
チル(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シ
ランオキソバナジウムクロライドなどのアミドクロライ
ド体、あるいはこれらの化合物の塩素原子をメチル基で
置換したメチル体などが挙げられる。
【0060】シクロペンタジエニルオキソバナジウムジ
メトキサイド、シクロペンタジエニルオキソバナジウム
ジi−プロポキサイド、シクロペンタジエニルオキソバ
ナジウムジt−ブトキサイド、シクロペンタジエニルオ
キソバナジウムジフェノキサイド、シクロペンタジエニ
ルオキソバナジウムメトキシクロライドなどが挙げられ
る。上記の各化合物の塩素原子をメチル基で置換したメ
チル体も挙げられる。
【0061】(シクロペンタジエニル)ビス(ジエチル
アミド)オキソバナジウム、(シクロペンタジエニル)
ビス(ジi−プロピルアミド)オキソバナジウム、(シ
クロペンタジエニル)ビス(ジn−オクチルアミド)オ
キソバナジウムなどが挙げられる。
【0062】(B)成分のうち、非配位性アニオンとカ
チオンとのイオン性化合物を構成する非配位性アニオン
としては、例えば、テトラ(フェニル)ボレ−ト、テト
ラ(フルオロフェニル)ボレ−ト、テトラキス(ジフル
オロフェニル)ボレ−ト、テトラキス(トリフルオロフ
ェニル)ボレ−ト、テトラキス(テトラフルオロフェニ
ル)ボレ−ト、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)
ボレ−ト、テトラキス(3,5−ビストリフルオロメチ
ルフェニル)ボレ−ト、テトラキス(テトラフルオロメ
チルフェニル)ボレ−ト、テトラ(トリイル)ボレ−
ト、テトラ(キシリル)ボレ−ト、トリフェニル(ペン
タフルオロフェニル)ボレ−ト、トリス(ペンタフルオ
ロフェニル)(フェニル)ボレ−ト、トリデカハイドラ
イド−7,8−ジカルバウンデカボレ−ト、テトラフル
オロボレ−ト、ヘキサフルオロホスフェ−トなどが挙げ
られる。
【0063】一方、カチオンとしては、カルボニウムカ
チオン、オキソニウムカチオン、アンモニウムカチオ
ン、ホスホニウムカチオン、シクロヘプチルトリエニル
カチオン、遷移金属を有するフェロセニウムカチオンな
どを挙げることができる。
【0064】カルボニウムカチオンの具体例としては、
トリフェニルカルボニウムカチオン、トリ置換フェニル
カルボニウムカチオンなどの三置換カルボニウムカチオ
ンを挙げることができる。トリ置換フェニルカルボニウ
ムカチオンの具体例としては、トリ(メチルフェニル)
カルボニウムカチオン、トリ(ジメチルフェニル)カル
ボニウムカチオンを挙げることができる。
【0065】アンモニウムカチオンの具体例としては、
トリメチルアンモニウムカチオン、トリエチルアンモニ
ウムカチオン、トリプロピルアンモニウムカチオン、ト
リブチルアンモニウムカチオン、トリ(n−ブチル)ア
ンモニウムカチオンなどのトリアルキルアンモニウムカ
チオン、N,N−ジメチルアニリニウムカチオン、N,
N−ジエチルアニリニウムカチオン、N,N−2,4,
6−ペンタメチルアニリニウムカチオンなどのN,N−
ジアルキルアニリニウムカチオン、ジ(i−プロピル)
アンモニウムカチオン、ジシクロヘキシルアンモニウム
カチオンなどのジアルキルアンモニウムカチオンを挙げ
ることができる。
【0066】ホスホニウムカチオンの具体例としては、
トリフェニルホスホニウムカチオン、トリ(メチルフェ
ニル)ホスホニウムカチオン、トリ(ジメチルフェニ
ル)ホスホニウムカチオンなどのトリアリ−ルホスホニ
ウムカチオンを挙げることができる。
【0067】該イオン性化合物は、上記で例示した非配
位性アニオン及びカチオンの中から、それぞれ任意に選
択して組み合わせたものを好ましく用いることができる
【0068】中でも、イオン性化合物としては、トリフ
ェニルカルボニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニ
ル)ボレ−ト、トリフェニルカルボニウムテトラキス
(フルオロフェニル)ボレ−ト、N,N−ジメチルアニ
リニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレ−
ト、1,1'−ジメチルフェロセニウムテトラキス(ペ
ンタフルオロフェニル)ボレ−トなどが好ましい。イオ
ン性化合物を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わ
せて用いてもよい。
【0069】また、(B)成分として、アルモキサンを
用いてもよい。アルモキサンとしては、有機アルミニウ
ム化合物と縮合剤とを接触させることによって得られる
ものであって、一般式(−Al(R')O−) n で示される鎖
状アルミノキサン、あるいは環状アルミノキサンが挙げ
られる。(R' は炭素数1〜10の炭化水素基であり、
一部ハロゲン原子及び/ 又はアルコキシ基で置換された
ものも含む。nは重合度であり、5以上、好ましくは1
0以上である)。R' として、はメチル、エチル、プロ
ピル、イソブチル基が挙げられるが、メチル基が好まし
い。アルミノキサンの原料として用いられる有機アルミ
ニウム化合物としては、例えば、トリメチルアルミニウ
ム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニ
ウムなどのトリアルキルアルミニウム及びその混合物な
どが挙げられる。
【0070】トリメチルアルミニウムとトリブチルアル
ミニウムの混合物を原料として用いたアルモキサンを好
適に用いることができる。
【0071】また、縮合剤としては、典型的なものとし
て水が挙げられるが、この他に該トリアルキルアルミニ
ウムが縮合反応する任意のもの、例えば無機物などの吸
着水やジオ−ルなどが挙げられる。
【0072】(A)成分及び(B)成分に、さらに
(C)成分として周期律表第1〜3族元素の有機金属化
合物を組合せて共役ジエンの重合を行ってもよい。
(C)成分の添加により重合活性が増大する効果があ
る。周期律表第1〜3族元素の有機金属化合物として
は、有機アルミニウム化合物、有機リチウム化合物、有
機マグネシウム化合物、有機亜鉛化合物、有機ホウ素化
合物などが挙げられる。
【0073】具体的な化合物としては、メチルリチウ
ム、ブチルリチウム、フェニルリチウム、ベンジルリチ
ウム、ネオペンチルリチウム、トリメチルシリルメチル
リチウム、ビストリメチルシリルメチルリチウム、ジブ
チルマグネシウム、ジヘキシルマグネシウム、ジエチル
亜鉛、ジメチル亜鉛、トリメチルアルミニウム、トリエ
チルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ
ヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、ト
リデシルアルミニウム、トリフッ化ホウ素、トリフェニ
ルホウ素などを挙げられる。
【0074】さらに、エチルマグネシウムクロライド、
ブチルマグネシウムクロライド、ジメチルアルミニウム
クロライド、ジエチルアルミニウムクロライド、セスキ
エチルアルミニウムクロライド、エチルアルミニウムジ
クロライドのような有機金属ハロゲン化合物、ジエチル
アルミニウムハイドライド、セスキエチルアルミニウム
ハイドライドのような水素化有機金属化合物も含まれ
る。また有機金属化合物は、二種類以上併用できる。
【0075】上記の触媒各成分の組合せとして、(A)
成分としてシクロペンタジエニルバナジウムトリクロラ
イド(CpVCl3)などのRMX3、あるいは、シクロ
ペンタジエニルオキソバナジウムジクロライド(CpV
(O)Cl3)などのRM(O)X2、(B)成分として
トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロ
フェニル)ボレ−ト、(C)成分としてトリエチルアル
ミニウムなどのトリアルキルアルミニウムの組合せが好
ましく用いられる。
【0076】また、(B)成分としてイオン性化合物を
用いる場合は、(C)成分として上記のアルモキサンを
組み合わせて使用してもよい。
【0077】各触媒成分の配合割合は、各種条件及び組
合せにより異なるが、(A)成分のメタロセン型錯体と
(B)成分のアルミノキサンのモル比は、好ましくは
1:1〜1:100000、より好ましくは1:10〜
1:10000である。
【0078】(A)成分のメタロセン型錯体と(B)成
分のイオン性化合物とのモル比は、好ましくは1:0.
1〜1:10である。
【0079】(A)成分のメタロセン型錯体と(C)成
分の有機金属化合物とのモル比は、好ましくは1:0.
1〜1:10000である。
【0080】触媒成分の添加順序は、特に、制限はない
が、例えば次の順序で行うことができる。 重合すべきブタジエンモノマ−と(B)成分との接触
混合物に(A)成分を添加する。 重合すべきブタジエンモノマ−と(B)成分及び
(C)成分を任意の順序で添加した接触混合物に(A)
成分を添加する。 重合すべきブタジエンモノマ−と(C)成分の接触混
合物に(B)成分、次いで(A)成分を添加する。
【0081】また、本発明においては、触媒系として
更に、(D)成分として水を添加することが好ましい。
(C)成分の有機アルミニウム化合物と(D)成分の水
とのモル比(C)/(D)は、好ましくは0.66〜5
であり、より好ましくは0.7〜1.5である。
【0082】触媒成分の添加順序は、特に、制限はない
が、例えば次の順序で行うことができる。 重合すべき共役ジエン化合物モノマ−又はモノマ−と
溶媒の混合物に(D)成分を添加し、(C)成分を添加
した後、(A)成分と(B)成分を任意の順序で添加す
る。 重合すべき共役ジエン化合物モノマ−又はモノマ−と
溶媒の混合物に(D)成分と(C)成分を添加した後、
(A)成分と(B)成分を任意の順序で添加する。
【0083】また重合時に、必要に応じて水素を共存さ
せることができる。
【0084】水素の存在量は、共役ジエン1モルに対し
て、好ましくは500ミリモル以下、あるいは、20℃
1気圧で12L以下であり、より好ましくは50ミリモ
ル以下、あるいは、20℃1気圧で1.2L以下であ
る。
【0085】ここで重合すべきブタジエンモノマ−と
は、全量であっても一部であってもよい。モノマ−の一
部の場合は、上記の接触混合物を残部のモノマ−あるい
は残部のモノマ−溶液と混合することができる。
【0086】ブタジエンモノマ−以外にイソプレン、
1,3−ペンタジエン、2−エチル−1,3− ブタジ
エン、2,3−ジメチルブタジエン、2−メチルペンタ
ジエン、4−メチルペンタジエン、2,4−ヘキサジエ
ンなどの共役ジエン、エチレン、プロピレン、ブテン−
1、ブテン−2、イソブテン、ペンテン−1、4−メチ
ルペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1等の非環
状モノオレフィン、シクロペンテン、シクロヘキセン、
ノルボルネン等の環状モノオレフィン、及び/又はスチ
レンやα−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物、ジ
シクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネ
ン、1,5−ヘキサジエン等の非共役ジオレフィン等を
少量含んでいてもよい。
【0087】重合方法は、特に制限はなく、溶液重合、
又は、1,3−ブタジエンそのものを重合溶媒として用
いる塊状重合などを適用できる。トルエン、ベンゼン、
キシレン等の芳香族系炭化水素、n−ヘキサン、ブタ
ン、ヘプタン、ペンタン等の脂肪族炭化水素、シクロペ
ンタン、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素、1−ブテ
ン、2−ブテン等のオレフィン系炭化水素、ミネラルス
ピリット、ソルベントナフサ、ケロシン等の炭化水素系
溶媒や、塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素系溶媒等
が挙げられる。
【0088】本発明においては、上記の触媒を所定の温
度で予備重合を行うことが好ましい。予備重合は、気相
法、スラリ−法、塊状法などで行うことができる。予備
重合において得られた固体は分離してから本重合に用い
る、あるいは、分離せずに本重合を続けて行うことがで
きる。
【0089】重合温度は−100〜200℃の範囲が好
ましく、 −50〜120℃の範囲が特に好ましい。重
合時間は2分〜12時間の範囲が好ましく、5分〜6時
間の範囲が特に好ましい。
【0090】所定時間重合を行った後、アルコ−ルなど
の停止剤を注入して重合を停止した後、重合槽内部を必
要に応じて放圧し、洗浄、乾燥工程等の後処理を行う。
【0091】本発明で用いられる不飽和カルボン酸ある
いはその誘導体としては、マレイン酸、フマル酸、アク
リル酸、メタクリル酸及びそれらの誘導体が挙げられ
る。それらの誘導体としては、たとえば、無水マレイン
酸、無水フタル酸のような酸無水物、メチルアクリレー
ト、2−エチルヘキシルアクリレートのようなアルキル
エステル、メトキシアクリレート、エトキシエチルアク
リレート、メトキシエトキシエチルアクリレートのよう
なアルコキシアルキルエステル、アクリルアミド、メタ
クリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、
N,N'−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチ
ロール(メタ)アクリルアミドなどのN−置換(メタ)
アクリルアミド等が挙げられる。特に好ましいのは、無
水マレイン酸、アクリル酸、メチルメタクリル酸であ
る。
【0092】本発明の変性反応において、ポリブタジエ
ンに対する不飽和カルボン酸あるいはその誘導体の使用
量は、ポリブタジエン1モルにつき不飽和カルボン酸あ
るいはその誘導体2〜100モルが好ましい。あるいは
ポリブタジエン100重量部あたり、1〜40重量%、
好ましくは1〜30重量%が好ましい。上記の範囲より
少ないと接着効果が劣り、上記範囲より多いと機械的強
度が劣るので好ましくない。酸変性反応は、30〜90
℃の温度で、0.1〜3時間行うことが好ましい。
【0093】変性反応は、ポリブタジエンを溶媒に溶解
して行うことが好ましい。溶媒としては、トルエン、ベ
ンゼン、キシレン等の芳香族系炭化水素、n−ヘキサ
ン、ブタン、ヘプタン、ペンタン等の脂肪族炭化水素、
シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素、
ミネラルスピリット、ソルベントナフサ、ケロシン等の
炭化水素系溶媒や、塩化メチレン等のハロゲン化炭化水
素系溶媒等が挙げられる。また、重合溶液をそのまま変
性反応に用いてもよい。
【0094】反応を促進するために、有機過酸化物を添
加することが好ましい。有機過酸化物は、1時間半減温
度100℃までのものが好ましい。例えばベンゾイルパ
ーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ビス−3,
3,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、p−
クロロベンジルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ
ピバレート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブ
チルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシ
−2−エチルヘキサノエートなどが好ましい。有機過酸
化物の量は、ポリブタジエンに対して、0.05〜2重
量%が好ましい。
【0095】反応終了後、酸化防止剤を含んだメタノー
ルで停止させ、その後、溶媒をスチームなどで除去す
る、または貧溶媒で凝固したのち、乾燥して酸変性ポリ
ブタジエンを得ることできる。
【0096】本発明のポリブタジエンとの反応で用いら
れるハロゲン系化合物としては、例えば、分子状のハロ
ゲン、スルフリルハロゲン化物、ハロゲン化コハク酸イ
ミド、ハロゲン化カプロラクタムなどが挙げられる。本
発明のポリブタジエンのハロゲン化方法は、以下の通り
である。たとえば、ポリブタジエン重合体をn−ヘキサ
ン、n−ヘプタンのような炭化水素、または四塩化炭
素、テトラクロルエチレン、クロルベンゼンのようなハ
ロゲン化炭化水素等の溶剤に溶解し、均一な溶液状態と
し、次いで塩素化の場合は分子状の塩素ガスと反応させ
るか、またはスルフリルコロリド、N−クロロコハク酸
イミドなどの有機塩素化剤を添加することによって行わ
れる。また臭素化の場合は塩素化と同様に溶媒に溶解し
た重合体を分子状の臭素と接触させるか、または、N−
ブロモコハク酸イミド、N−ブロモシモトアミド、N−
ブロモフタルイミド、N−ブロモカプロラクタムなどの
有機臭素化剤と接触させることによって行うことができ
る。また、ハロゲン化反応は、原料ポリブタジエンの重
合溶液からポリブタジエンを分離せずに溶液をそのまま
用いてもよい。
【0097】これらのハロゲン化反応の際、反応を促進
させるため、紫外線を照射するか、あるいは過酸化物を
加えてもよい。
【0098】ハロゲン化の反応温度は、0〜150℃で
あり、反応時間は5分〜10時間の範囲で任意で選ぶこ
とができる。
【0099】本発明のハロゲン化ポリブタジエンのハロ
ゲン含有量は5〜80重量%が好ましい。より好ましく
は10〜75重量%である。
【0100】反応終了後、溶媒の沸点以上に保持した熱
風炉に、噴射ノズルから反応液を噴射して、乾燥した粉
末状のハロゲン化ポリブタジエンを得ることができる。
さらに、かさ密度を上げるためにボールミルで粉砕して
もよい。
【0101】
【実施例】実施例、比較例における試験・評価方法は次
に示すとおりである。
【0102】ミクロ構造は、赤外吸収スペクトル分析に
よって行った。シス740cm-1、トランス967cm
-1、ビニル910cm-1の吸収強度比からミクロ構造を
算出した。
【0103】[η]は、トルエン溶液で30℃の温度で
測定した。トルエン溶液粘度(Tcp)は、ポリマー
2.28gをトルエン50mlに溶解した後、標準液とし
て粘度計校正用標準液(JIS Z8809)を用い、
キャノンフェンスケ粘度計No.400を使用して、2
5℃で測定した。
【0104】ムーニー粘度(ML1+4、100℃)は、
JIS6300に準じた。
【0105】接着強度は、JISK6256に準じた。
加硫ゴムと真鍮板との接着強度を90度はく離試験によ
って評価した(R;ゴム部の破損、M;金属とゴム間の
破損)。加硫は、ゴム100重量部に対して、カーボン
ブラック(HAF)50重量部、プロセスオイル 10
重量部、亜鉛華3重量部、ステアリン酸2重量部、老化
防止剤(N-フェニル-N'-イソプロピル-p-フェニレンジ
アミン)1重量部、加硫促進剤(N-オキシジエチレン-2
-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)0.5重量部、硫
黄2.5重量部を配合しておこなった。
【0106】ハロゲン含有量は元素分析法によって測定
した。
【0107】(実施例1) (ポリブタジエンの製造) 内容量20Lのオートクレーブの内部を窒素置換し、
1,3−ブタジエン4Lを仕込んで攪拌する。次いで、
20℃、1気圧換算で2000ccの水素を積算マスフ
ロメーターで計量して注入した。次いで、トリエチルア
ルミニウム(TEA)1mol/Lのトルエン溶液、シ
クロペンタジエニルバナジウムトリクロライド(CpV
Cl3 )5mmol/Lのトルエン溶液、トリフェニル
カルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボ
レート(Ph3 CB(C654)2.5mmol/L
のトルエン溶液をそれぞれ表1に示す量だけ加え、重合
温度40℃で30分間重合を行った。重合後、2,6−
ジ−t−ブチル−p−クレゾールを含有するエタノール
を注入して反応を停止させた後、溶媒を蒸発させ乾燥し
た。表2〜4に重合結果を示した。
【0108】(酸変性反応)上記の重合で得られた溶液
(ポリブタジエン量300g)を70℃に保ち、30g
の無水マレイン酸とベンゾイルパーオキサイド0.3g
を添加し、その後、60分間放置し、2,4−ジ−t−
ブチル−p−クレゾール1.5gを含むメタノール溶液
を添加し、反応停止後、スチームストリッピングによ
り、脱溶媒し、110℃のロールで乾燥して、ポリマー
を得た。ムーニー粘度及び真鍮との接着強度の評価結果
を表5に示した。
【0109】(実施例2)実施例1で、重合終了後、重
合体に反応させる化合物を、メチルメタクリル酸20g
に代えた以外は、実施例1と同様にして酸変性物を得
た。結果を表5に示す。
【0110】
【表1】
【0111】
【表2】
【0112】
【表3】
【0113】
【表4】
【0114】(比較例1)実施例1のポリブタジエンを
酸変性しなかった他は、実施例1と同様にして接着強度
の評価を行った。結果を表5に示す。
【0115】
【表5】
【0116】(実施例3) (ハロゲン化ポリブタジエンの製造)撹拌機付き反応槽
に四塩化炭素3Lを入れ、比較例1で得られたポリブタ
ジエン150gを加熱溶解した。窒素雰囲気下で、ベン
ゾイルパーオキサイドを3g添加して、撹拌し、反応槽
底部より塩素ガスを吹き込んで四塩化炭素の沸点(77
℃)で塩素化した。塩素が61.5重量%に達したとこ
ろで反応を停止した。次いで、反応液を、130℃の熱
風炉中で、20kg/cm2の圧力で直径1mmの噴射
孔を備えたノズルから噴射して乾燥粉末を得た。これを
さらに、直径2.5mmのボール90ヶを入れた3Lの
磁性ボールミルで60分間粉砕した。得られた塩素化ポ
リブタジエン粉末は、見かけ比重および粒度範囲は表6
に示す。粉砕性に優れたハロゲン化ポリブタジエンであ
った。
【0117】(比較例2)比較例1のポリブタジエンに
代えて、市販のポリブタジエン(宇部興産製ウベポ−ル
150:シス97.7%、トランス1.2%、1,2
−、1.1%、[η]2.1)を使用したほかは、実施
例3と同様にしてハロゲン化ポリブタジエンを得た。結
果を表6に示す。粉砕性が実施例に比べて劣っていた。
【0118】
【表6】
【0119】
【発明の効果】ハイシス構造に適度に1,2−構造を含
みトランス構造が少ないミクロ構造及び分子のリニアリ
ティの高いポリブタジエンについて、不飽和カルボン酸
で変性された接着性が優れたポリブタジエンを提供す
る。また、ハロゲン化することにより、かさ比重が大き
な、粒径の細かい粉末状のハロゲン化ポリブタジエンの
製造を提供できる。これらは塗料、インキ、接着剤、粘
着剤の用途に好適である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の特性を有するポリブタジエンに高分
    子反応させたものであることを特徴として得られる変性
    ポリブタジエン。ポリブタジエンの特性: (1)ブタジエンモノマ−ユニットのうち、1,2−構
    造ユニットの含有率が4〜30モル%、シス−1,4−
    構造ユニットの含有率が65〜95モル%、及びトラン
    ス−1,4−構造ユニットの含有率が5モル%以下。 (2)トルエン溶液粘度(Tcp)と100℃における
    ム−ニ−粘度(ML1+4)の比(Tcp/ML1+4)が3
    〜6。
  2. 【請求項2】該高分子反応が該ポリブタジエンに不飽和
    カルボン酸あるいはその誘導体を反応させるものである
    ことを特徴として得られる請求項1に記載の変性ポリブ
    タジエン。
  3. 【請求項3】 該不飽和カルボン酸あるいはその誘導体
    が、マレイン酸、フマル酸、アクリル酸、メタクリル酸
    及びそれらの誘導体であることを特徴とする請求項1〜
    2に記載の変性ポリブタジエン。
  4. 【請求項4】該高分子反応が該ポリブタジエンにハロゲ
    ン系化合物を反応させるものであることを特徴として得
    られる請求項1に記載の変性ポリブタジエン。
  5. 【請求項5】該ハロゲン系化合物が分子状のハロゲン、
    スルフリルハロゲン化物、ハロゲン化コハク酸イミド、
    またはハロゲン化カプロラクタムのいずれかであること
    を特徴とする請求項1または4に記載の変性ポリブタジ
    エン。
  6. 【請求項6】 該ポリブタジエンが、(A)遷移金属化
    合物のメタロセン型錯体、及び(B)非配位性アニオン
    とカチオンとのイオン性化合物及び/又はアルミノキサ
    ンから得られる触媒を用いて製造されたものであること
    を特徴とする請求項1〜5に記載の変性ポリブタジエ
    ン。
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